IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特開2024-105219リソグラフィ用途のフォトレジスト層上への炭素の選択的堆積
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105219
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】リソグラフィ用途のフォトレジスト層上への炭素の選択的堆積
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240730BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024038571
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2022580823の分割
【原出願日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】63/047,719
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カオ, ラリー
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ナンシー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フォトレジスト層上への炭素の選択的堆積の方法を提供する。
【解決手段】底部反射防止被覆(BARC)層上のハードマスク層をエッチングするための方法であって、金属含有材料を含むハードマスク層上に有機金属材料を含むフォトレジスト層を形成することと、選択されたパターンを有するマスクを通して紫外線照射にフォトレジスト層を露光することと、フォトレジスト層の非照射領域を除去して、フォトレジスト層をパターニングすることと、パターニングされたフォトレジスト層の上面にパッシベーションを選択的に堆積し、パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングしてパッシベーション層を形成することと、パッシベーション層が形成されたパターニングされたフォトレジスト層によって露光されたハードマスク層をエッチングすることと、パターニングされたハードマスク層によって露出したBARC層をエッチングすることと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードマスク層をエッチングするための方法であって、
前記ハードマスク層上に有機金属材料を含むフォトレジスト層を形成することと、
選択されたパターンを有するマスクを通して紫外線照射に前記フォトレジスト層を露光することと、
前記フォトレジスト層の非照射領域を除去して、パターニングされたフォトレジスト層を形成することと、
前記パターニングされたフォトレジスト層の上面に炭素含有材料を選択的に含むパッシベーション層を形成することであって、
前記上面の上にパッシベーション材料を選択的堆積すること、及び
前記パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすること
を含む、パッシベーション層を形成することと、
前記パッシベーション層が形成された前記パターニングされたフォトレジスト層によって露光された前記ハードマスク層をエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記有機金属材料が、一又は複数の金属元素及び有機リガンドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一又は複数の金属元素が、スズ(Sn)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記望ましくない部分をトリミングすることが、前記パッシベーション材料をラジカルエッチングに曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パッシベーション層を形成することが、COガスを含む堆積ガスを前記パターニングされたフォトレジスト層上に供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
膜積層体をエッチングするための方法であって、
ハードマスク層を形成することと、
前記ハードマスク層上に有機金属材料を含むフォトレジスト層を形成することと、
選択されたパターンを有するマスクを通して紫外線照射に前記フォトレジスト層を露光することと、
前記フォトレジスト層の非照射領域を除去して、パターニングされたフォトレジスト層を形成することと、
前記パターニングされたフォトレジスト層の上面に炭素含有材料を選択的に含むパッシベーション層を形成することであって、
前記上面の上にパッシベーション材料を選択的堆積すること、及び
前記パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすること
を含む、パッシベーション層を形成することと、
前記パッシベーション層が形成された前記パターニングされたフォトレジスト層によって露光された前記ハードマスク層をエッチングして、パターニングされたハードマスク層を形成することと、
前記パターニングされたハードマスク層によって露光された前記膜積層体をエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項7】
前記有機金属材料が、一又は複数の金属元素及び有機リガンドを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記一又は複数の金属元素が、スズ(Sn)を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記有機リガンドが、アルキル、アルケニル、及びカルボン酸塩からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パッシベーション層を形成することが、COガスを含む堆積ガスを前記パターニングされたフォトレジスト層上に供給することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ハードマスク層がスズ(Sn)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記ハードマスク層の金属含有材料が、酸化スズ(SnO)、酸化ケイ素スズ(SnSiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化スズインジウム(InSnO)、酸化亜鉛ガリウムインジウム(IGZO)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記望ましくない部分をトリミングすることが、前記パッシベーション材料をラジカルエッチングに曝露することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
パッシベーション層を形成するための方法であって、
パターニングされたフォトレジスト層の上面の上にパッシベーション材料を選択的堆積することと、
前記パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすることであって、前記パッシベーション層が炭素含有材料を含む、望ましくない部分をトリミングすることと
を含む、方法。
【請求項15】
前記パッシベーション材料を選択的堆積することと、前記パッシベーション材料の前記望ましくない部分をトリミングすることとが、それぞれ一又は複数回繰り返される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パッシベーション材料を選択的堆積することと、前記パッシベーション材料の前記望ましくない部分をトリミングすることとが、それぞれ5回繰り返される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記望ましくない部分をトリミングすることが、前記パッシベーション材料をラジカルエッチングに曝露することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記ラジカルエッチングが、CxFyを含むエッチングガスを含み、x及びyが整数である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ラジカルエッチングが、Nを含むエッチングガスを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記パッシベーション材料を選択的堆積することが、COガスを含む堆積ガスを前記パターニングされたフォトレジスト層上に供給することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書の実施形態は、概して、方法に関し、より具体的には、フォトレジスト層上への炭素の選択的堆積の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
[0002]ミクロン単位未満のフィーチャ(特徴部)、及び更に小さなフィーチャを確実に作製することは、半導体デバイスの超大規模集積(VLSI)及び極超大規模集積(ULSI)の重大要件の1つである。しかし、回路技術の継続的な微細化に伴い、相互接続部などの回路フィーチャのサイズ及びピッチは、処理能力に対して更に多くを要求するものとなっている。この技術の核心にあるマルチレベル相互接続により、高アスペクト比のフィーチャ(ビア及びその他の相互接続部など)の精密な画像化及び配設が必要とされる。これらの相互接続部を確実に形成することは、デバイス及び相互接続部の密度を更に増大させる上で重要である。加えて、中間材料(レジスト及びハードマスク材料など)の無駄を削減しつつ、ミクロン単位未満のサイズのフィーチャ及び相互接続部を形成することが求められている。
【0003】
[0003]フィーチャサイズが小型化するにつれて、アスペクト比(フィーチャの深さとフィーチャの幅との比率と定義される)の増大に対する要求も着実に増大しており、1:5、更にそれを超えるようになっている。膜積層体、及びかかる高アスペクト比を有するフィーチャを確実に形成することが可能なエッチングプロセスを実現させるには、重要な課題がある。しかし、リソグラフィ露光及び現像プロセスの制御が不正確なこと、又は解像度が低いことにより、膜積層体内にフィーチャを転写するために利用されるフォトレジスト層の寸法が不正確になり、結果として、許容不能な線幅粗さ(LWR)が生じ得る。リソグラフィ露光及び現像プロセスによりもたらされるLWR、及びフォトレジスト層のプロファイルの望ましくない曲がりによって、膜積層体への不正確なフィーチャ転写が生じ、最終的に、デバイスの不具合及び歩留まり損失につながり得る。
【0004】
[0004]更に、膜積層体のエッチングにおいては、このエッチングプロセス中に生成された副生成物又はその他の材料の再堆積又は蓄積が、エッチングされているフィーチャの上部及び/又は側壁に集積され、ひいては、材料層内に形成されるフィーチャの開口部が望ましくないほどに塞がれる可能性がある。膜積層体のために異なる材料が選択されることにより、膜積層体に再堆積される副生成物の量又はプロファイルは様々なものになり得る。更に、エッチングされたフィーチャの開口部が再堆積材料の集積によって狭められかつ/又は封止されるので、反応性エッチャントがフィーチャの下側表面に到達することが妨げられ、ひいては、獲得され得るアスペクト比が制限される。加えて、再堆積材料又は副生成物の蓄積は、エッチングされているフィーチャの上面及び/又は側壁にランダムにかつ/又は不規則に付着するので、結果として生じる再堆積材料の不規則なプロファイル及び成長が、反応性エッチャントの流路を変化させ、ひいては、材料層内に形成されるフィーチャの湾曲又はねじれプロファイルをもたらし得る。不正確なプロファイル又は構造寸法は、デバイス構造の劣化をもたらし、最終的には、デバイスの不具合及び製品歩留まりの低減につながり得る。膜積層体に含まれる材料に対するエッチングの選択性が不十分だと、不正確なプロファイル制御という望ましくない結果が生じ、ひいては最終的に、デバイス不具合につながり得る。
【0005】
[0005]したがって、当技術分野では、適切な膜積層体、及び、かかる膜積層体に望ましいプロファイル及び小さな寸法を伴ってフィーチャをエッチングするためのエッチング方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]膜積層体を形成し、この膜積層体をエッチングしてその内部に高アスペクト比のフィーチャを形成するための方法が提供される。本明細書に記載の方法により、適切な側壁及び底部管理方式を通じて、高アスペクト比を有するフィーチャであって、膜積層体のために選択された望ましい材料を有するフィーチャの、プロファイル及び寸法制御が容易になる。
【0007】
[0007]一実施形態では、ハードマスク層をエッチングするための方法が提供される。本方法は、金属含有材料を含むハードマスク層上に有機金属材料を含むフォトレジスト層を形成することと、選択されたパターンを有するマスクを通して紫外線照射にフォトレジスト層を露光することと、フォトレジスト層の非照射領域を除去して、パターニングされたフォトレジスト層を形成することと、パターニングされたフォトレジスト層の上面に炭素含有材料を選択的に含むパッシベーション層を形成することと、パッシベーション層が形成されたパターニングされたフォトレジスト層によって露光されたハードマスク層をエッチングすることとを含む。
【0008】
[0008]別の実施形態では、膜積層体をエッチングするための方法が提供される。本方法は、ハードマスク層を形成することと、ハードマスク層上に有機金属材料を含むフォトレジスト層を形成することと、選択されたパターンを有するマスクを通して紫外線照射にフォトレジスト層を露光することと、フォトレジスト層の非照射領域を除去して、パターニングされたフォトレジスト層を形成することと、パターニングされたフォトレジスト層の上面に炭素含有材料を選択的に含むパッシベーション層を形成することと、パッシベーション層が形成されたパターニングされたフォトレジスト層によって露光されたハードマスク層をエッチングして、パターニングされたハードマスク層を形成することと、パターニングされたハードマスク層によって露光された膜積層体をエッチングすることとを含む。
【0009】
[0009]更に別の実施形態では、パッシベーション層を形成するための方法が提供される。本方法は、パターニングされたフォトレジスト層の上面の上にパッシベーション材料を選択的堆積させることと、パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすることとを含む。パッシベーション層は、炭素含有材料を含む。
【0010】
[0010]本明細書の実施形態の上述の特徴が実現され、詳しく理解され得るように、上記で簡潔に要約した本開示のより具体的な記載が、実施例を参照することによって得られる。かかる例は添付の図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る、処理チャンバの断面図である。
図2】一実施形態に係る、パターニングプロセスのためのフロー図である。
図3A-3F】一実施形態に係る、構造物の断面図である。
図3G-3I】一実施形態に係る、構造物の断面図である。
図4A-4B】一実施形態に係る、構造物の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0015]実施形態の理解を容易にするために、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに、可能であれば、同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると想定される。しかし、本発明は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は、例示的な実施例を示しているにすぎず、したがって、例の範囲を限定するものと見なすべきではないことに留意されたい。
【0013】
[0016]膜積層体を形成し、この膜積層体をエッチングしてその内部に高アスペクト比のフィーチャを形成するための方法が提供される。本明細書に記載の方法により、適切な側壁及び底部管理方式を通じて、高アスペクト比を有するフィーチャであって、膜積層体のために選択された望ましい材料を有するフィーチャの、プロファイル及び寸法制御が容易になる。特に、本明細書に記載の方法は、その上に選択的に配置された炭素含有パッシベーション層を有する金属含有フォトレジスト層を提供し、この層は、下にある金属含有ハードマスク層からの高いエッチング選択性を有し、ハードマスク層にエッチングされた開口部のプロファイルのより高い精度の制御につながる。加えて、本明細書に開示の方法は、パターニングされたフォトレジスト層の上面の上にパッシベーション材料を選択的堆積させることと、パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすることとを含む、パッシベーション層を形成する方法を含む。
【0014】
[0017]明細書で使用される「約(about)」という用語は、公称値から+/-10%の変動のことを指す。かかる変動は、本明細書で提供されるいかなる値にも含まれ得ると理解されたい。
【0015】
[0018]図1は、一実施形態による、処理チャンバ100の断面図を示す。一実施例では、処理チャンバ100は、金属含有材料から製造されたハードマスク層を有する膜積層体をエッチングするために、パターニングプロセスを実行するのに適している。本明細書に開示の教示と共に使用するために適合され得る適切な処理チャンバには、例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)から入手可能なENABLER(登録商標)、又はSYM3(登録商標)処理チャンバが含まれる。優れたエッチング性能を可能にする複数のフィーチャを含む処理チャンバ100が示されているが、他の処理チャンバも、本明細書に開示の進歩的なフィーチャのうちの一又は複数から恩恵を受けるように適合され得ると想定される。
【0016】
[0019]図示のように、処理チャンバ100は、内部空間106を取り囲む、チャンバ本体102及びリッド104を含む。チャンバ本体102は、アルミニウム、ステンレス鋼、又はその他の適切な材料から製造される。チャンバ本体102は、側壁108及び底部110を含む。基板支持ペデスタルアクセスポート(図示せず)が、概して、側壁108に画定され、処理チャンバ100からの基板103の出入りを容易にするよう、スリットバルブ(図示せず)によって選択的に封止される。排気口126は、チャンバ本体102の中に画定される。排気口126は、内部空間106をポンプシステム128に連結する。ポンプシステム128は、処理チャンバ100の内部空間106を排気し、内部空間106の圧力を調節するために利用される、一又は複数のポンプ及びスロットルバルブを含む。ポンプシステム128は、内部空間106の内部の圧力を、約10mTorrから約500Torrの動作圧力に維持する。
【0017】
[0020]リッド104は、チャンバ本体102の側壁108上に、密閉的に支持される。リッド104を開けて、処理チャンバ100の内部空間106より体積を大きくすることが可能なように構成される。リッド104は、光学プロセスモニタリングを容易にするウインドウ142を含む。ウインドウ142は、処理チャンバ100の外部に取り付けられた光学モニタリングシステム140によって利用される信号を透過する、石英又はその他の適切な材料を含む。
【0018】
[0021]光学モニタリングシステム140は、ウインドウ142を通してチャンバ本体102の内部空間106及び/又は基板支持ペデスタルアセンブリ148上に位置付けられた基板103の少なくとも一方を視認するように位置付けられる。光学モニタリングシステム140は、リッド104に連結されており、光学的計測法を使用する統合された堆積プロセスを容易にして、入ってくる基板パターンフィーチャの不整合(例えば厚さ)を補償するためのプロセス調整を可能にする情報を提供し、必要に応じて、プロセス状態のモニタリング(例えば、プラズマモニタリング、温度モニタリング)を提供する。本発明から恩恵を受けるように適合され得る1つの光学モニタリングシステムは、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)から入手可能なEyeD(登録商標)フルスペクトル干渉計測モジュールである。
【0019】
[0022]プロセスガス及び/又は洗浄ガスを内部空間106に提供するために、ガスパネル158が処理チャンバ100に連結される。ガスパネル158から処理チャンバ100の内部空間106へのガスの供給を可能にするために、リッド104に注入ポート132’、132’’が設けられる。
【0020】
[0023]シャワーヘッドアセンブリ130が、リッド104の内面114に連結される。シャワーヘッドアセンブリ130は、ガスが注入ポート132’、132’’からシャワーヘッドアセンブリ130を通って内部空間106へ流れることを可能にする複数の開孔を含む。複数の開孔は、処理チャンバ100において処理されている基板103の表面にわたる既定の分布でガスが流れるのを可能にする。
【0021】
[0024]混合ガスを、処理のために内部空間106に進入する前に、遠隔プラズマから分離させること(dissociating)を容易にするために、遠隔プラズマ源177が、ガスパネル158に連結される。高周波(RF)電源143が、整合ネットワーク141を介してシャワーヘッドアセンブリ130に連結される。RF電源143は、約50kHzから約200MHzまでの範囲の調整可能な周波数で、最大約3000Wの電力を生み出すように構成される。
【0022】
[0025]シャワーヘッドアセンブリ130は、光透過領域(あるいは、光透過通路とも称される)138を更に含む。光透過領域138は、光計測信号を透過する。光透過領域138は、光学モニタリングシステム140が、内部空間106及び/又は基板支持ペデスタルアセンブリ148上に位置付けられた基板103を視認することを可能にするのに適している。光透過領域138は、シャワーヘッドアセンブリ130に形成又は配置された開孔又は複数の開孔とすることができる。光透過領域138は、光学モニタリングシステム140によって生成され、反射して戻されるエネルギーの波長を実質的に透過する。光透過領域138はウインドウ142を含み、光透過領域138を通るガス漏洩を防止する。ウインドウ142は、サファイアプレート、石英プレート、又はその他の適切な材料であり得る。一実施形態では、ウインドウ142は、光学モニタリングシステム140の直下でリッド104内に代替的に配置される。
【0023】
[0026]シャワーヘッドアセンブリ130は、処理チャンバ100の内部空間106に流入するガスの個別制御を可能にする、複数のゾーンを有するように構成される。シャワーヘッドアセンブリ130は、個別の注入ポート132’、132’’を通じてそれぞれガスパネル158に個別に連結されている、内側ゾーン134と外側ゾーン136とを有している。
【0024】
[0027]基板支持ペデスタルアセンブリ148が、処理チャンバ100の内部空間106内の、シャワーヘッドアセンブリ130の下方に配置される。基板支持ペデスタルアセンブリ148は、処理中に基板103を支持する。基板支持ペデスタルアセンブリ148は、基板支持ペデスタルアセンブリ148を通るように配置された複数のリフトピン(図示せず)であって、基板支持ペデスタルアセンブリ148から基板103を上昇させ、従来的な様態でのロボット(図示せず)による基板103の交換を容易にするように構成されている、複数のリフトピンを含み得る。内側ライナ118が、基板支持ペデスタルアセンブリ148の外周を取り囲む。
【0025】
[0028]図示のように、基板支持ペデスタルアセンブリ148は、取付板162と、ベース164と、静電チャック166とを含む。取付板162が、チャンバ本体102の底部110に連結される。取付板162は、ユーティリティ(例えば、とりわけ、流体、電力ライン、及びセンサリード)をベース164及び静電チャック166に送るための通路を含む。静電チャック166は、シャワーヘッドアセンブリ130の下方で基板103を保持するための、少なくとも1つのクランプ電極180を含む。静電チャック166は、チャック電源182によって駆動されて、基板103をチャック面に保つ静電力を発生させる。一実施形態では、基板103は、静電チャック166によって発生した静電力と組み合わせたクランプ、真空、又は重力によって基板支持ペデスタルアセンブリ148に保持される。別の実施形態では、基板103は、クランプ、真空又は重力によって基板支持ペデスタルアセンブリ148に保持され、静電チャックは含まれない。
【0026】
[0029]ベース164又は静電チャック166の少なくとも一方は、基板支持ペデスタルアセンブリ148の横方向温度プロファイルを制御するために、少なくとも1つの埋め込み型ヒータ176、少なくとも1つの埋め込み型アイソレータ174、及び複数の導管168、170を含む。導管168、170は流体源172に流体連結され、流体源172は、導管を通して温度調節流体を循環させる。ヒータ176は電源178によって調節される。導管168、170及びヒータ176はベース164の温度を制御するために利用され、これにより、静電チャック166が、最終的にはその上に配置された基板103の温度プロファイルが、加熱及び/又は冷却される。静電チャック166及びベース164の温度は、複数の温度センサ190、192を使用してモニタリングされる。一実施形態では、静電チャック166は、複数のガス通路(溝などであるが図示せず)を更に含み、この複数のガス通路は、静電チャック166の基板支持ペデスタル支持面に形成され、ヘリウムガス(He)などの熱伝導ガス(又は背面ガス)源に流体連結される。動作中、背面ガスは、静電チャック166と基板103との間の熱伝導を高めるよう、制御された圧力でガス通路内に提供される。
【0027】
[0030]基板支持ペデスタルアセンブリ148は、カソードとして構成されており、かつ、複数のRFバイアス電源184、186に連結されているクランプ電極180を含む。RFバイアス電源184、186は、基板支持ペデスタルアセンブリ148内に配置された電極180と別の電極(例えば、シャワーヘッドアセンブリ130又はチャンバ本体102のリッド104)との間に連結される。RFバイアス電力が、チャンバ本体102の処理領域内に配置されたガスを励起して、当該ガスから形成されたプラズマ放電を維持する。
【0028】
[0031]デュアルRFバイアス電源184、186が、整合回路188を通じて、基板支持ペデスタルアセンブリ148内に配置された電極180に連結される。RFバイアス電源184、186によって生成された信号は、処理チャンバ100内に提供された混合ガスをイオン化するため、1回のフィードで整合回路188を通って基板支持ペデスタルアセンブリ148に送られる。したがって、RFバイアス電源184は、堆積又はその他のプラズマ強化プロセスを実行するために必要なイオンエネルギーを提供する。RFバイアス電源184、186は、約50kHzから約200MHzの周波数と、約1Wから約5000Wなど、約0Wから約8000Wの電力とを有するRF信号を発生させるように構成される。追加のバイアス電源189は、プラズマの特性を制御するために電極180に連結される。
【0029】
[0032]動作中、基板103は、処理チャンバ100内の基板支持ペデスタルアセンブリ148上に配置される。プロセスガス及び/又は混合ガスが、ガスパネル158からシャワーヘッドアセンブリ130を通ってチャンバ本体102に導入される。ポンプシステム128により、チャンバ本体102内部の圧力が維持されつつ、堆積副生成物が除去される。
【0030】
[0033]処理チャンバ100の動作を制御するために、コントローラ150が処理チャンバ100に連結される。コントローラ150は、プロセスシーケンスを制御し、かつガスパネル158からのガス流を調節するために利用される、中央処理装置(CPU)152と、メモリ154と、サポート回路156とを含む。CPU152は、工業環境で使用され得る任意の形態の汎用コンピュータプロセッサである。ランダムアクセスメモリ、読出専用メモリ、フロッピー若しくはハードディスクドライブ、又はその他の形態のデジタルストレージなどのメモリ154に、ソフトウェアルーチンが記憶され得る。サポート回路156は、従来方式で、CPU152に連結されており、キャッシュ、クロック回路、入出力システム、電力供給装置などを含み得る。コントローラ150と処理チャンバ100の様々な構成要素との間の双方向通信は、多数の信号ケーブルを介して取り扱われる。
【0031】
[0001]図2は、本明細書に記載の一実施形態による、パターニングプロセスのための方法200のフロー図である。図3A-3Iは、同じ実施形態による、構造物300の断面図である。方法200は、所望の臨界寸法及びプロファイルを有する、トレンチ、ビア、開口部などのフィーチャを形成するために利用される。かかるフィーチャの寸法は、約14nmから約22nm、例えば、約18nmである。構造物300は、フロントエンドプロセス又はバックエンドプロセスでゲート構造、コンタクト構造、又は相互接続構造において利用され得る。あるいは、方法200は、半導体製造における技術分野において使用される他の種類の構造物をエッチングするために有益に利用され得る。方法200は、命令を含むコンピュータ可読媒体として、コントローラ150に記憶され得るか、アクセス可能であってよく、かかる命令は、コントローラのCPU152によって実行されると、処理チャンバ100に方法200を実行させる。
【0032】
[0034]当業者は、半導体デバイス及び関連する構造物を形成する全プロセスが図示されているわけではなく、本明細書に記載されているわけでもないことを理解すべきである。様々な動作が図示され、本明細書に記載されているが、かかる動作の順序、動作の有無に関しては制限がないことが示唆されている。順を追って示されている、又は記載されている動作は、明示的に示していない限り、説明のためにそのようになっているに過ぎず、それぞれの動作は、全体的にではないまでも少なくとも部分的には、実際に同時に、又は重なるように実行される可能性があることを排除しない。
【0033】
[0035]方法200は、動作210において、処理チャンバ(図1に示す処理チャンバ100など)内へ、図3Aに示す膜積層体302を搬送又は提供することによって始まる。一実施形態では、膜積層体302は、基板(図示せず)上に垂直に積層された幾つかの層を有する。膜積層体302は、半導体製造プロセスで使用される材料の一又は複数の層を含む。例えば、膜積層体302は、金属含有誘電体層と、一又は複数のシリコン含有誘電体層とを含む。幾つかの実施形態では、金属含有誘電体層は、4を超える誘電率を有する、高誘電率材料で形成される。高誘電率材料の適切な例としては、とりわけ、酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(TaO5)、窒化タンタル(TaN)、酸窒化タンタル(TaNxOy、0≦x、y≦1)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ハフニウム(HfO)、酸化ハフニウムシリコン(HfSiO)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST、BaSrTiO)、チタン酸ビスマスドープされたストロンチウム(Bi:SrTiO)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT、Pb[ZrxTi1-x]O、0≦x≦1)が含まれる。シリコン含有誘電体層は、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)、酸炭化シリコン(SiOxCy、0≦x、y≦1)などから形成され得る。
【0034】
[0036]基板は、半導体基板、シリコンウエハ、ガラス基板などのうちのいずれかである。基板は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ及びパターニングされた又はパターニングされていないウエハシリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化シリコン、窒化シリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、又はサファイアなどの材料から形成され得る。基板は、様々な寸法(例えば約200mm、約300mm、約450mm、又はその他の直径)を有し、また、長方形又は正方形のパネルである。
【0035】
[0037]動作220では、図3Aに示されるように、底部反射防止被覆(BARC)層304が膜積層体302上に形成される。幾つかの実施形態では、BARC層304は、ホウ素がドープされたアモルファスカーボンなどの炭素含有材料から作製される。BARC層304は、カリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials, Inc.によって生産されたSaphira(商標)Advanced Patterning Film(APF)カーボンハードマスクとすることができる。幾つかの実施形態では、BARC層304は、高密度炭素含有層であり、改善された硬度及び密度などの優れた膜品質を有する。かかる硬度及び密度により、BARC層304が、従来型のスピンオンカーボン(SOC)ハードマスクよりも大幅に、金属侵入に対するより強力なバリアとして作用すること、並びに極小不具合を防止及び低減することが可能になる。
【0036】
[0038]BARC層304は、物理的気相堆積(PVD)プロセス、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセス、又はその他の適切な堆積プロセスによって形成され得る。一実施形態では、BARC層304は、C、C、CH、C、1,3-ジメチルアダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン(2,5-ノルボルナジエン)、アダマンチン(C10H1)、ノルボルネン(C7H10)、又はそれらの組み合わせなどの前駆体を含む炭化水素含有混合ガスを使用する化学気相堆積(CVD)(プラズマ強化及び/又は熱)プロセスによって形成されたダイヤモンド状カーボン層である。堆積プロセスは、約-50℃から約600℃の範囲の温度で実施される。堆積プロセスは、処理チャンバ100の内部空間106内で約0.1mTorrから約10Torrの範囲の圧力で実施される。炭化水素含有混合ガスは、膜品質を改善するために、He、Ar、Xe、N、H、又はそれらの組み合わせなどのキャリアガス、及びCl、CF、NF、又はそれらの組み合わせなどのエッチャントガスを更に含み得る。プラズマ(例えば、容量結合プラズマ)は、処理チャンバ100の頂部及び底部の電極又は側部電極のいずれかから形成され得る。電極は、単一の電力供給電極、二重の(dual)電力供給電極、又は複数の周波数(例えば、限定されないが、350KHz、2MHz、13.56MHz、27MHz、40MHz、60MHz、及び100MHz)を有するより多くの電極から形成される可能性があり、CVDシステムにおいて代替的に又は同時に使用される。
【0037】
[0039]動作230では、図3Bに示されるように、ハードマスク層306が、BARC層304上に形成される。ハードマスク層306は、フォトリソグラフィの技術分野で使用される任意の従来のハードマスクである。ハードマスク層306は金属酸化物層であり得る。一実施例では、ハードマスク層306のために選択された材料は、リソグラフィ露光プロセス中に、約5nmから約20nm、例えば、約13.5nmの波長を有する極紫外線(EUV)放射の反射及び/又は吸収効率に影響を及ぼす。したがって、ハードマスク層306の材料を適切に選択することにより、EUVリソグラフィ露光プロセスの性能が高められる(例えば、リソグラフィ解像度が高まり、欠陥が減少し、フォトレジスト層のプロファイルが制御され、エネルギー線量が低減され、かつ/又は線縁粗さが低減される)。例えば、より高い金属濃度を有する材料は、より高いEUV放射の吸収係数を提供し、したがって、ハードマスク層306は、29~32、37~51、及び55~83など、28を超える原子番号を有する一又は複数の金属元素を含有する、金属誘電体層などの金属含有材料から形成される。適切な金属元素は、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0038】
[0040]更に、金属含有材料中の低濃度のシリコンドーパント及び/又は酸素元素は、自由キャリアを更に増加させ、EUV放射の吸収係数を高め、欠陥発生の可能性を低減し得る。ハードマスク層306向けの金属含有材料の適切な例としては、酸化スズ(SnO)、酸化スズシリコン(SnSiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化インジウムスズ(InSnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、一又は複数のこれらの合金、一又は複数のこれらのドーパント、又は、金属元素のケイ素元素若しくは酸素元素に対する比(金属:Si/O)が約80:1/19から約90:1/9を有するこれらの任意の組み合わせが含まれる。ハードマスク層306の金属含有材料は、約5nmから約20nmの範囲の波長を有するEUV放射のもとでは、約1×10(cm/mol)を超えるEUV吸収断面積を有し得る。ハードマスク層306は、約10Åから約500Å、例えば、約20Åから約200Å、例えば、約50Åから約100Åの厚さを有する。
【0039】
[0041]幾つかの実施形態では、ハードマスク層306は、複数の層を含む。これらの実施形態では、ハードマスク層306は、異なる金属含有材料から形成される複数の層を有する。複数の層のための金属含有材料の選択は、金属含有材料の異なる吸収係数に基づく。例えば、高~低、低~高、又は交互の高及び低吸収係数を有する複数の層が、リソグラフィ露光プロセス中にEUV放射の反射を高めるように順次形成される。一又は複数の実施例では、複数の層のうちの1つのために選択された金属元素は、28を超える、例えば35を超える原子番号を有し、別のものは、28よりも小さい原子番号を有し得る。
【0040】
[0042]幾つかの実施形態では、ハードマスク層306は二重層構造物を含み、この二重層構造物は、28を超える(例えば29~32、37~51、及び55~83)原子番号を有する金属元素を含有する第1部分(例えば上側部分又は上側層)と、28よりも小さい(例えば3~8、11~16、及び19~27)原子番号を有する元素を含有する第2部分(例えば下側部分又は下側層)とを有する。
【0041】
[0043]幾つかの実施形態では、ハードマスクは、勾配として形成され、この勾配層では、ハードマスク層306のバルク膜体に沿って異なる吸収係数を提供するよう、ハードマスク層306内の金属元素とケイ素元素及び/又は酸素元素との比率が異なっている。例えば、ハードマスク層306の金属元素濃度は、ハードマスク層306の厚さが増大すると共に、漸進的に増大するか、又は減少する。あるいは、ハードマスク層306の二重層構造物又は複数の層の、各層が勾配層である。例えば、ハードマスク層306の二重層構造物において、ハードマスク層306の上側部分が、相対的に高い金属元素濃度を伴って(又は、金属Sn層などの純金属層を伴うことすらある)、低抵抗を有する一方、ハードマスク層306の下側部分は、高濃度のケイ素及び/又は酸素を有する。
【0042】
[0044]ハードマスク層306は、ハードマスクを形成するために当技術分野で使用される任意の従来のプロセスによって形成される。例えば、ハードマスク層306は、CVDプロセス、PVDプロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、スピンオンコーティングプロセス、スプレーコーティングプロセス、又はその他の適切な堆積プロセスを使用して形成される。幾つかの実施形態では、ハードマスク層306を形成するプラズマCVD又はPVDプロセス中に、キャリアガス及び/又はXe若しくはKrなどの比較的高い原子量を有する不活性ガスが流される。ハードマスク層306の形成中のプロセス領域の温度は、約-50℃から約250℃である。プロセス領域の比較的低い温度(例えば、約250℃未満)は、ハードマスク層306を形成しつつ、比較的遅い堆積速度でハードマスク層306を形成するのを支援し、比較的滑らかな表面を有する膜表面を与え得ると考えられる。
【0043】
[0045]動作240では、図3Cに示されるように、フォトレジスト層308が、ハードマスク層306上に形成される。本明細書に記載の実施形態では、フォトレジスト層308は、有機リガンドを含む有機金属材料で形成される。例えば、有機金属材料は、金属がオキソリガンド(O )及びヒドロキソリガンド(OH)と、また有機リガンドと、又は有機リガンドを有する多核金属オキソ/ヒドロキソ種と結合しているポリマー金属オキソ/ヒドロキソネットワークから形成される。
【0044】
[0046]フォトレジスト層308は、フォトレジストを生み出すために当技術分野で使用される任意の従来の方法によって形成される。例えば、フォトレジスト層308は、有機溶媒中に有機リガンドを有する金属オキソヒドロキソカチオンを含む前駆体溶液を使用して、CVDプロセス、PVDプロセス、ALDプロセス、スピンオンコーティングプロセス、スプレーコーティングプロセス、又はその他の適切な堆積プロセスによって形成される。本明細書における金属(M)オキソヒドロキソカチオンは、水溶液中で水素イオン(H)の放出を伴って、酸素原子(O)に結合してオキソリガンド(O )及び/又はヒドロキソリガンド(OH)を形成する一又は複数のMイオンを指す。Mオキソヒドロキソカチオンは、有機リガンドに更に結合して、一又は複数の金属炭素(M-C)リガンド結合及び/又は金属カルボン酸塩(M-OC)リガンド結合を形成する。金属オキソ/ヒドロキソカチオンの形成に適切なMには、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、及びインジウム(In)などの第13族、第14族、及び第15族金属が含まれる。更なる金属、例えば、Ti、Zr、Hf、V、Co、Mo、W、Al、Ga、Si、Ge、P、As、Y、La、Ce、Lu、又はそれらの組み合わせを前駆体溶液中で混ぜ合わせて、より複雑な多核金属オキソ/ヒドロキソカチオン(すなわち、2つ以上の金属原子を含む)を発生させることができる。追加の金属は、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、及び/又はインジウム(In)の代替物又は追加物であり得る。金属イオンのブレンドが使用される場合、スズ/アンチモン/インジウム金属イオン当たりの非スズ/アンチモン/インジウムイオンのモル比は、一実施例では最大約1であり、他の実施例では約0.1から約0.75である。幾つかの実施形態では、スズ(Sn)又はインジウム(In)を前駆体溶液中で使用して、約13.5nmの波長でEUVの強力な吸収を有するフォトレジスト層を形成し、有機リガンドと組み合わせて、約193nmの波長で紫外線(UV)放射の良好な吸収を形成する。幾つかの実施形態では、Hfは、電子ビーム材料及びEUV放射の良好な吸収を提供するために使用される。幾つかの実施形態では、Ti、V、Mo、W、又はそれらの組み合わせを含む一又は複数の金属組成物を加えて、吸収端をより長い波長に移動させて、約248nmの波長でUV放射に対する感受性を提供する。
【0045】
[0047]有機リガンドは、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、アリール(フェニル、ベンジル))、アルケニル(例えば、ビニル、アリル)、及びカルボン酸塩(例えば、アセテート、プロパノエート、ブタノエートベンゾエート)を含み得る。前駆体溶液中の金属オキソヒドロキソカチオンの濃度に対する有機リガンドの濃度の比は、一実施例では約0.25から約4であり、別の実施例では約0.5から約3.5であり、別の実施例では約0.75から約3であり、他の実施例では約1から約2.75である。当業者は、上記の明示的な範囲内の有機リガンド濃度の更なる範囲が想定され、本開示の範囲内であることを理解するであろう。
【0046】
[0048]有機溶媒は、アルコール、エステル、又はそれらの組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、有機溶媒は、芳香族化合物(例えば、キシレン、トルエン)、エステル(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチル)、アルコール(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、1-ブタノール、アニソール)、ケトン(例えば、メチルエチルケトン)などを含む。
【0047】
[0049]幾つかの実施形態では、堆積したフォトレジスト層308は、約1nmから約1μm、例えば約8nmから約13nmの厚さを有する。
【0048】
[0050]動作250では、図3Dに示されるように、膜積層体302内に形成されるべき所望の臨界寸法及びプロファイルを有する、トレンチ、ビア、開口部などのフィーチャを含む選択されたパターンにしたがって、フォトレジスト層308が放射線に露光される。選択されたパターンは、フォトレジスト層308内の対応するパターン又は潜像に、照射領域及び非照射領域で転写される。放射線に露光されると、フォトレジスト層308は放射線を吸収し、その結果、フォトレジスト層308の照射された領域内の金属と有機リガンドとの間の結合(すなわち、M-Cリガンド結合及び/又はM-OCリガンド結合)を切断するエネルギーをもたらす。この結合の切断は、M-OHリガンド結合の形成を介して、又はM-O-Mリガンド結合を形成する縮合を介して、フォトレジスト層308の照射領域における組成変化につながり得る。
【0049】
[0051]十分な量の放射線の吸収により、有機リガンドを有さないか又は実質的に有さないフォトレジスト層308の照射領域と、有機リガンドが損なわれていないフォトレジスト層308の非照射領域との間に材料特性のコントラストが存在する。例えば、有機リガンドを有するフォトレジスト層308の非照射領域は比較的疎水性であり、有機リガンドを有さないフォトレジスト層308の照射領域は、フォトレジスト層308の非照射領域よりも疎水性が低い(すなわち、より親水性である)。このコントラストを使用して、フォトレジスト層308は、適切な現像剤によるポジ調パターニング(照射された領域が現像剤に可溶になる)及びネガ調パターニング(照射された領域が現像剤に不溶になる)を提供する。
【0050】
[0052]放射線は、電磁放射線、電子ビーム、又はその他の適切な放射線を含む。放射線は、マスク310を介してフォトレジスト層308に向けられる。別の実施形態では、放射線ビームは、フォトレジスト層308にわたって制御可能に走査される。電磁放射は、下にある膜積層体302をパターニングする所望の空間解像度に応じて、可視放射、UV放射(約10nmから約121nmのEUV放射を含む、約100nmから約400nmの、及び約122nmから約200nmの遠紫外線(FUV)放射)、又はx線放射(約0.1nmから約10nmの軟x線を含む)などの任意の所望の波長又は波長範囲を有する。より高い解像度のパターンは、UV放射、x線放射、又は電子ビームなどの、より短い波長の放射によって達成される。例えば、高エネルギーレーザ又は放電パルスを使用して励起されたXe又はSnプラズマ源から生成するEUV放射は、約13.5nmでリソグラフィに使用される。幾つかの実施形態では、コントラストは、照射後熱処理によって高められる。
【0051】
[0053]動作260では、フォトレジスト層308は、図3Eに示されるように、選択されたパターンにしたがってフォトレジスト層308をパターニングするために現像される。パターニングされたフォトレジスト層308Aは、エッチングのために下にあるハードマスク層306の表面314を露出する開口部312を画定する。
【0052】
[0054]照射されたフォトレジスト層308を現像し、フォトレジスト層308の非照射領域を除去して(すなわち、ネガ調パターニング)、パターニングされたフォトレジスト層308Aを形成するための現像剤は、前駆体溶液に使用される溶媒などの有機溶媒を含み得る。幾つかの実施形態では、適切な現像剤には、芳香族化合物(例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン)、エステル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエステルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸n-ブチル、ブチロラクトン)、アルコール(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、1-ブタノール、イソプロパノール、アニソール)、ケトン(例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン)などが含まれる。現像は、一実施例では約5秒から約30分間、例えば約8秒~約15分間、又は約10秒から約10分間実行される。
【0053】
[0055]幾つかの実施形態では、現像剤には、現像プロセスを容易にする、例えば、コントラスト、感受性及びLWRを改善する、並びに金属酸化物粒子の形成及び沈殿を抑制する、追加の組成物が含まれる。適切な添加物には、例えば、アンモニウム、d-ブロック金属カチオン(ハフニウム、ジルコニウム、ランタンなど)、f-ブロック金属カチオン(セリウム、ルテチウムなど)、p-ブロック金属カチオン(アルミニウム、スズなど)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるカチオンとの溶解塩、並びにフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、過酸化物、ブトキシド、ギ酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、タングステン酸塩、モリブデン酸塩など、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアニオンとの溶解塩が含まれる。他の潜在的に有用な添加物には、例えば、分子キレート剤、例えば、ポリアミン、アルコールアミン、アミノ酸、又はそれらの組み合わせが含まれる。任意の添加物が存在する場合、現像剤は、一実施例では約10重量%以下の添加物を含み、別の実施例では約5重量%以下の添加物を含む。当業者は、上記の明示的な範囲内の添加物濃度の追加の範囲が想定され、本開示の範囲内であることを理解するであろう。
【0054】
[0056]現像剤は、当技術分野で使用される任意の従来の方法を使用して、照射されたフォトレジスト層308に塗布される。例えば、現像剤は、スピンオンコーティングプロセス、スプレーコーティングプロセス、又はその他の適切なコーティングプロセスを使用して塗布される。幾つかの実施形態では、現像プロセスを完了するために、スピンリンス及び/又は乾燥が実行される。適切なリンス溶液には、超純水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0055】
[0057]幾つかの実施形態では、パターニングされたフォトレジスト層308Aは、材料を更に凝縮し、材料を更に脱水するように処理される。幾つかの実施形態では、パターニングされたフォトレジスト層308Aは、約100℃から約600℃、例えば約175℃から約500℃、又は例えば約200℃から約400℃の温度に加熱される。加熱は、少なくとも約1分間、例えば約2分間から約1時間、又は例えば約2.5分間から約25分間実行される。加熱は、空気、真空、又は不活性ガス周囲環境中で実行され得る。不活性ガス周囲環境は、アルゴンガス(Ar)及び/又は窒素ガス(N)を含み得る。当業者は、上記の明示的な範囲内の熱処理のための温度及び時間の追加の範囲が想定され、本開示の範囲内であることを理解するであろう。
【0056】
[0058]幾つかの実施形態では、隣り合う構造物の隣接した線状セグメントは、約60nm未満(例えば、約50nm未満、又は約40nm未満)の平均的なピッチを有し得る。
【0057】
[0059]動作270では、図3Fに示されるように、ハードマスク層306のエッチング前に、パターニングされたフォトレジスト層308A上にパッシベーション層316が選択的に形成される。パッシベーション層316は、炭素含有材料から形成される。パターニングされたフォトレジスト層308A上に、PVDチャンバ内に堆積混合ガスを供給することによって、又はエッチングチャンバ内にその場で、パッシベーション層316が形成され得る。本明細書に記載の実施形態では、パッシベーション層316は、パターニングされたフォトレジスト層308Aの側壁320又はハードマスク層306の露出面314ではなく、パターニングされたフォトレジスト層308Aの上面318上に主に形成される。したがって、パターニングされたフォトレジスト層308Aによって画定された開口部312のプロファイル(例えば、寸法及び形状寸法)が不変に維持され、これにより、プロファイルの変化を伴わないハードマスク層306への開口部312の転写が容易になる。
【0058】
[0060]理論に束縛されるものではないが、炭素原子は、金属と有機リガンドとの間の結合(すなわち、M-Cリガンド結合及び/又はM-OCリガンド結合)の切断のため、M-OHリガンド結合及びM-O-Mリガンド結合を有するフォトレジスト層308の上面318(すなわち、照射領域)に結合すると考えられる。パターニングされたフォトレジスト層308Aの側壁320は、有機リガンドを有する非照射フォトレジスト層308の組成物を損なわずに維持し、したがって、炭素原子が結合され得るM-OHリガンド結合及びM-O-Mリガンド結合を含有しない。ハードマスク層306の露出面314もまた、M-OHリガンド結合及びM-O-Mリガンド結合を含有せず、したがって、炭素原子は、ハードマスク層306の露出面314に結合しない。
【0059】
[0061]幾つかの実施形態では、堆積混合ガスは、一酸化炭素(CO)又はメタン(CH)などの炭素含有ガスを含む。堆積混合ガスは、約400Wから約600W、例えば約500Wのソース電力を印加しつつ堆積し得る。動作270は、約7秒など、約1秒から約20秒の期間実行され得る。チャンバ圧力は、約1mTorrから約20mTorr、例えば約10mTorrに維持され得る。
【0060】
[0062]上述のように、ハードマスク層306は、スズ(Sn)などの金属元素を含む材料で形成され、フォトレジスト層308も、スズ(Sn)などの金属元素を含む材料で形成され、ハードマスク層306とフォトレジスト層308との間のエッチング選択性の乏しさにつながる。したがって、その上に配置されたフォトレジスト層308を有するハードマスク層306がエッチングされる場合、ハードマスク層306内でエッチングされた開口部のプロファイルの制御が不正確となり、最終的にはデバイス不具合につながり得る。パターニングされたフォトレジスト層308Bは、その上に配置されたパッシベーション層316を有し、ハードマスク層306より高いエッチング選択性を有し、ハードマスク層306においてエッチングされた開口部のプロファイルのより高い精度の制御につながる。
【0061】
[0063]一実施形態では、動作270は、2つの副動作270A、270Bを含む。副動作270Aでは、パッシベーション材料317は、図4Aに示されるように、上面318上に選択的堆積される。図示のように、パッシベーション材料317は、望ましくない部分316Aと、所望の部分316Bとを含む。所望の部分316Bは、動作270の完了後に上面318の上に残ることが望ましい。望ましくない部分316Aは、動作270の完了後に除去されることが望ましい。例えば、所望の部分316Bは、長方形などのパッシベーション層316の所望の形状に形成されるが、望ましくない部分316Aは、パッシベーション材料317が円形又は他の非長方形の形状を有するように膨れ出る。しかし、本開示はそれほど自己限定的ではなく、パッシベーション材料317を望ましくない形状にする任意の望ましくない部分316Aが、本明細書の開示によってカバーされ得る。副動作270Aは、動作270の説明について上述したように実行され得る。
【0062】
[0064]副動作270Bでは、図4Bに示されるように、望ましくない部分316Aが除去される。望ましくない部分316Aは、所望の部分316Bが残るように除去される。望ましくない部分316Aは、エッチング手順を使用して除去される。一実施例では、望ましくない部分は、反応性イオンエッチング(RIE)を使用して除去される。別の実施例では、望ましくない部分316Aは、望ましくない部分316Aの大表面部分を優先的に攻撃するラジカルエッチングを使用して除去される。例えば、望ましくない部分316Aの比較的大きな表面積は、比較的小さな表面積を有する所望の部分316Bと比較して望ましくない部分のエッチング速度を増加させる。
【0063】
[0065]幾つかの実施形態では、ラジカルエッチングはエッチングガスを含む。エッチングガスには、CF、CHF、C、CxFyHz(ここで、x、y、及びzは任意の整数である)、H、N、O、及びそれらの任意の組み合わせ、例えば、CH及びN、又はH及びO、又はCH及びHが含まれる。フッ素含有ガスを含むエッチングガスは、水素含有ガスよりも、横方向(すなわち、上面318に平行な方向)により迅速にエッチングすることが有利に見出された。幾つかの実施形態では、ラジカルエッチングは、約1:1から約1:10のCF対約Nの流量比、例えば、約1:6の比を含む。ラジカルエッチングは、約500Wから約1500W、例えば約1000Wのソース電力をエッチングガスに印加することを含む。動作270は、約7秒など、約1秒から約20秒の期間実行され得る。チャンバ圧力は、約1mTorrから約30mTorr、例えば約20mTorrに維持され得る。
【0064】
[0066]副動作270A、270Bは、パッシベーション層316が所望の形状及び寸法(例えば、パッシベーション層316の高さ)になるまで、何度でも繰り返され得る。例えば、副動作270A、270Bは5回繰り返され得る。LWRは、約2.5nm未満、例えば約1.5nm未満に低減され得る。副動作270A、270Bサイクル数は、パッシベーション層316の所望の高さ及びLWRに調整され得る。
【0065】
[0067]動作280では、ハードマスク層306は、図3Gに示されるように、エッチングされて、パターニングされたフォトレジスト層308Aの開口部312をハードマスク層306へ転写する。パターニングされたハードマスク層306Aは、エッチングのために、下にあるBARC層304の表面324を露出する開口部322を画定する。一又は複数の実施例では、動作280におけるエッチングプロセスは、基板支持ペデスタルアセンブリ148の温度を室温(例えば約23℃)から約150℃に維持しつつ、エッチング混合ガスを処理チャンバ100内に供給することによって実行される。
【0066】
[0068]幾つかの実施例では、エッチング混合ガスは、少なくとも1つのハロゲン含有ガスを含む。ハロゲン含有ガスは、フッ素含有ガス、塩素含有ガス、又は臭化物含有ガスを含み得る。ハロゲン含有ガスの適切な例としては、SF、SiCl、SiCl、NF、HBr、Br、CHF、CH、CF、CF、C、C、HCl、C、Cl、HF、CCl、CHCl、CHCl、及びCHClが含まれる。幾つかの実施例では、エッチング混合ガス中にケイ素含有ガスも供給され得る。ケイ素含有ガスの適切な例には、SiCl、SiCl、SiH、Siなどが含まれる。塩素含有ガスの例としては、HCl、Cl、CCl、CHCl、CHCl、CHCl、SiCl、SiClなどが含まれ、臭化物含有ガスの例としては、HBr、Brなどが含まれる。反応性ガス(例えば、O、N、NO、NO、O、HOなどの酸素含有ガス又は窒素含有ガス)も、必要に応じて、エッチング混合ガス中に供給され得る。一実施例では、エッチング混合ガスは、HBr、CH、及びArを含む。HBr/CH/Arの流量は、約5:4:20などの、約1:1:1から約2:1:10である。
【0067】
[0069]一又は複数の実施例では、ハードマスク層306をエッチングするために使用されるハロゲン含有ガスは、塩素含有ガス又は臭化物含有ガスを含む。処理チャンバ内にエッチング混合ガスを供給している間、必要に応じて、不活性ガスがエッチング混合ガス中に供給されて、プロファイル制御を支援し得る。混合ガス中に供給される不活性ガスの例としては、Ar、He、Ne、Kr、Xeなどが含まれる。特定の一実施例では、金属含有材料(例えば、Sn/SnO/SnSiO層)などのハードマスク層306をエッチングするのに利用されるエッチング混合ガスは、HBr、Cl、Ar、He、又はこれらの組み合わせを含む。
【0068】
[0070]エッチング中、エッチング混合ガスのチャンバ圧力も調節される。プラズマ処理チャンバ内のプロセス圧力は、約2mTorrから約100mTorr(例えば約3mTorrから約20Torr、例えば約6mTorr)に調節される。エッチング混合ガスの存在下で、必要に応じて、連続モード又はパルスモードから形成されるプラズマを維持するために、RFバイアス電力が印加され得る。例えば、エッチングチャンバ内部のプラズマを維持するために、約13.56MHzの周波数を有するRF電源が、約200Wから約1000W(例えば約500W)のエネルギーレベルで、誘導結合されたアンテナ源に印加される。加えて、RFバイアス電力は、約500W未満、例えば、約0Wから約450W、例えば、約150Wに印加される。RFバイアス電力は、約2MHzから約13.56MHzの周波数で印加される。
【0069】
[0071]一実施例では、RFバイアス電力及びRF電源は、動作280におけるエッチング中に、処理チャンバ100内にパルス供給される。RFバイアス電力及びRF電源のパルス状は、互いに同期又は非同期され得る。例えば、RFバイアス電力をパルス供給する前に、RF電源が処理チャンバにパルス供給される。例えば、RFバイアス電力は、RF電源と同期した、又はRF電源に対して時間遅延を有する、パルスモードである。一又は複数の実施例では、RF電源及びRFバイアス電力は、各デューティサイクルの約5%から約75%でパルス供給される。各時間単位間の各デューティサイクルは、約0.1ミリ秒(ms)から約10msである。
【0070】
[0072]動作280において供給されるエッチング混合ガスの一実施例では、Oガスが、約0sccmから約50sccmの速度で、チャンバ内に供給される。.ハロゲン含有ガス(例えばHBr)は、約25sccmから約250sccmの(例えば約100sccmの)流量で供給され得る。
【0071】
[0073]動作290では、BARC層304は、図3Hに示されるように、エッチングされて、パターニングされたハードマスク306Aの開口部322をBARC層304へ転写する。パターニングされたBARC層304Aは、下にある膜積層体302の表面328を露出する開口部326を画定する。動作290において、BARC層304をエッチングするために利用されるエッチング混合ガスは、動作280においてハードマスク層306をエッチングするために利用されたエッチング混合ガスとは同じものであり得る。あるいは、動作290において、BARC層304をエッチングするために利用されるエッチング混合ガスは、動作280においてハードマスク層306をエッチングするために利用されたエッチング混合ガスとは異なる。一又は複数の実施例では、動作290において、BARC層304をエッチングするために利用されるエッチング混合ガスは、塩素含有ガス(HClガス又はClガスなど)を含む。一実施例では、エッチング混合ガスは、O、CH、及びNを含む。O/CH/Nの流量は、約1:1:7などの、約1:1:1から約1:1:10である。
【0072】
[0074]BARC層304内に開口部326が形成された後、図3Iに示されるように、パッシベーション層316の残部があればそれを除去するために、スカム除去又は剥離(strip)のプロセスが実行され得る。開口部326の膜積層体302内への転写を継続し、トレンチ、ビア、開口部などの、所望の臨海寸法及びプロファイルを有するフィーチャを含む選択されたパターンを、膜積層体302内に形成するために、更なるエッチングプロセス又はパターニングプロセスが実行され得ることが留意される。
【0073】
[0075]本明細書に記載の実施形態では、その上に選択的に配置された炭素含有パッシベーション層を有する金属含有フォトレジスト層を形成するための方法が提供され、この層は、下にある金属含有ハードマスク層からの高いエッチング選択性を有し、ハードマスク層にエッチングされた開口部のプロファイルのより高い精度の制御につながる。したがって、高度の解像度、低いエネルギー線量、良好なフォトレジストプロファイル制御、及び低い線縁粗さなどの、リソグラフィ露光精度が、高められ得る。
【0074】
[0076]特定の実施形態及び特徴は、数値の上限のセット及び数値の下限のセットを使用して記載されている。別途指示されない限り、任意の2つの値の組み合わせ(例えば、任意の下方値と任意の上方値との組み合わせ、任意の2つの下方値の組み合わせ、及び/又は任意の2つの上方値の組み合わせ)を含む範囲が想定されると、理解すべきである。以下の一又は複数の請求項には、特定の下限、上限、及び範囲が記載されている。
図1
図2
図3A-3F】
図3G-3I】
図4A-4B】
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードマスク層をエッチングするための方法であって、
パターニングされたフォトレジスト層を形成することと、
第1のチャンバ内において、繰り返し処理で、前記パターニングされたフォトレジスト層の上面の上に選択的に堆積された炭素含有材料を含むパッシベーション層を形成することであって、当該パッシベーション層を形成することが、
前記第1のチャンバ内で、前記上面の上にパッシベーション材料を選択的に堆積させること、及び
前記第1のチャンバ内で、前記パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすること
を含む、パッシベーション層を形成することと、
前記パッシベーション層が上に形成された前記パターニングされたフォトレジスト層によって露出された前記ハードマスク層をエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記パターニングされたフォトレジスト層の側壁は、前記上面の上にパッシベーション材料を選択的に堆積させるとき、前記パッシベーション材料を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
繰り返しの数を増加させることにより、マスク高さも増大させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パッシベーション層を形成することは、
選択的堆積処理とトリミング処理の実行される回数で、マスク高さを決定すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パターニングされたフォトレジスト層は、一又は複数の金属元素及び有機リガンドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一又は複数の金属元素が、スズ(Sn)を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記望ましくない部分をトリミングすることが、前記パッシベーション材料をラジカルエッチングに曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記パッシベーション層を形成することが、COガスを含む堆積ガスを前記パターニングされたフォトレジスト層上に供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
膜積層体をエッチングするための方法であって、
ハードマスク層を形成することと、
前記ハードマスク層上に金属材料を含むフォトレジスト層を形成することと、
前記フォトレジスト層をパターニングすることと、
繰り返し処理で、パターニングされた前記フォトレジスト層の上面の上に炭素含有材料を含むパッシベーション層を選択的に形成することであって、当該パッシベーション層を形成することが、
第1のチャンバ内で、前記上面の上にパッシベーション材料を選択的に堆積させること、及び
前記第1のチャンバ内で、前記パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすること
を含む、パッシベーション層を形成することと、
前記パッシベーション層が上に形成された前記パターニングされたフォトレジスト層によって露出された前記ハードマスク層をエッチングして、パターニングされたハードマスク層を形成することと、
前記パターニングされたハードマスク層によって露出された前記膜積層体をエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項10】
前記パターニングされたフォトレジスト層の側壁は、前記上面の上にパッシベーション材料を選択的に堆積させるとき、前記パッシベーション材料を含まない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
繰り返しの数を増加させることにより、マスク高さも増大させられる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記金属材料は、一又は複数の金属元素及び有機リガンドを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記一又は複数の金属元素が、スズ(Sn)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記有機リガンドは、アルキル、アルケニル、及びカルボン酸塩からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記パッシベーション層を形成することが、COガスを含む堆積ガスを前記パターニングされたフォトレジスト層上に供給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ハードマスク層が、スズ(Sn)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記ハードマスク層の金属含有材料は、酸化スズ(SnO)、酸化ケイ素スズ(SnSiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化スズインジウム(InSnO)、酸化亜鉛ガリウムインジウム(IGZO)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
繰り返し処理でパッシベーション層を形成するための方法であって、
第1のチャンバ内で、パターニングされたフォトレジスト層の上面の上にパッシベーション材料を選択的に堆積させることと、
前記第1のチャンバ内で、前記パッシベーション材料の望ましくない部分をトリミングすることであって、前記パッシベーション層が炭素含有材料を含む、望ましくない部分をトリミングすることと
を含む、方法。
【請求項19】
前記パッシベーション材料を選択的に堆積させることと、前記パッシベーション材料の前記望ましくない部分をトリミングすることとが、同じチャンバ内で、それぞれ2回以上繰り返される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記望ましくない部分をトリミングすることが、Nを含むエッチングガスを有するラジカルエッチングに前記パッシベーション材料を曝露することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記パッシベーション材料を選択的に堆積させることが、COガスを含む堆積ガスを前記パターニングされたフォトレジスト層上に供給することを含む、請求項18に記載の方法。
【外国語明細書】