(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105428
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】堆積用のデュアルガス供給シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20240730BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/31 C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075535
(22)【出願日】2024-05-08
(62)【分割の表示】P 2021503906の分割
【原出願日】2019-07-18
(31)【優先権主張番号】16/042,311
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ・マイケル・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】マドセン・エリック・ラッセル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プロセスチャンバ内で利用されるシャワーヘッドを交換せずにガスの適用半径を調整可能なシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】第1のガスは、中央領域から内部プレナム210の外縁へ半径方向外側に流れる内部流を作り出し、縁部プレナム220によって供給される第2のガスは、内部プレナム210の外縁から中央領域に向かって内側に流れる周囲流を作り出す。調整可能な半径を定めるよどみ点は、第1のガスと第2のガスの界面に形成される。複数の出口がシャワーヘッド160の下面全体に内部プレナム210の直径にわたって画成され、それにより、中央領域からよどみ点までは内部流からの第1のガスが複数の出口を出て、よどみ点から外縁までは周囲流からの第2のガスが複数の出口を出る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するために使用されるプロセスチャンバであって、
前記基板を支持するための基板支持面を有する下部チャンバ本体と、
前記下部チャンバ本体の上に嵌合するように構成され、シャワーヘッドを含む上部チャンバ本体と、を備えており、
前記シャワーヘッドは、
第1の供給源から内部プレナムの中央領域に第1のガスを受け入れるための第1の入口を有し、前記中央領域から前記内部プレナムの外縁に向かって半径方向外側に移動する前記第1のガスの内部流を作り出す内部プレナムと、
前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置され、第2の供給源から第2のガスを受け入れるための1つまたは複数の第2の入口を有する縁部プレナムと、
前記内部プレナムの前記外縁において前記縁部プレナムを前記内部プレナムに結合する複数の導管であって、前記複数の導管は、前記第2のガスを前記縁部プレナムから前記内部プレナムに供給し、前記内部プレナムの前記外縁から前記中央領域に向かって内側に流れる前記第2のガスの周囲流を作り出すものであり、前記第2のガスの前記周囲流が前記第1のガスの内部流と接触するよどみ点が、前記内部プレナム内に定められる複数の導管と、
下面全体に前記内部プレナムの直径にわたって分散配置された複数の出口であって、前記複数の出口は、前記第1のガスおよび前記第2のガスを前記内部プレナムから前記基板支持面に送給するように構成される複数の出口と
を含み、
前記よどみ点によって、調整可能な半径が定められ、前記調整可能な半径において、前記中心から前記よどみ点までは前記内部流からの前記第1のガスが前記複数の出口を出て、前記よどみ点から前記外縁までは前記周囲流からの前記第2のガスが前記複数の出口を出る、
プロセスチャンバ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記調整可能な半径は、前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整すること、または前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整すること、または前記第1のガスおよび前記第2のガスの前記流れを調整することによって定められる、プロセスチャンバ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記複数の出口は、
前記シャワーヘッドの中央部分に画成され、前記よどみ点にかけて広がる第1の出口の小群であって、前記第1の出口の小群は、前記第1のガスを前記内部流から前記基板支持面の中央部分に送給するように構成される第1の出口の小群と、
前記シャワーヘッドの周辺部分に沿って画成され、前記よどみ点から前記内部プレナムの前記外縁にかけて広がる第2の出口の小群であって、前記第2の出口の小群は、前記第2のガスを前記周囲流から前記基板支持面の縁部領域に送給するように構成される第2の出口の小群と
を含む、プロセスチャンバ。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスチャンバであって、
前記シャワーヘッド内の前記内部プレナムの前記直径は、少なくとも、前記プロセスチャンバに受け取られた前記基板の前記直径に等しく、それにより前記第1の出口の小群が前記基板の前記中央領域をカバーし、前記第2の出口の小群が前記基板の前記縁部領域をカバーする、プロセスチャンバ。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の入口は、前記シャワーヘッドの中心に配置され、第1の流量弁を介して前記第1の供給源に結合され、前記1つまたは複数の第2の入口は、前記シャワーヘッドに画成された中央チャネルに接続され、前記中央チャネルは、前記第1の入口を囲んでおり、第2の流量弁を介して前記第2の供給源に結合される、プロセスチャンバ。
【請求項6】
請求項5に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁はコントローラに結合され、前記コントローラは、信号を前記第1の流量弁に提供して前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整し、信号を前記第2の流量弁に提供して前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される、プロセスチャンバ。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の入口は、前記シャワーヘッドの中心に配置され、第1の流量弁を介して前記第1の供給源に結合され、
前記1つまたは複数の第2の入口は、前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置される複数の第2の入口であり、前記複数の第2の入口の各々は、その各々に対応して上方に配置された別個の第2の流量弁を介して前記第2の供給源に結合され、
前記第1の流量弁、および前記別個の第2の流量弁の各々は、コントローラに結合され、前記コントローラは、個々の信号を前記第1の流量弁に提供して前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整し、個々の信号を前記別個の第2の流量弁の各々に提供して前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される、
プロセスチャンバ。
【請求項8】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
コントローラと、
前記第1の入口、前記第1の供給源、および前記コントローラに接続された第1の流量弁であって、前記コントローラは、信号を前記第1の流量弁に提供し、前記第1の入口を通って前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整するように構成される第1の流量弁と、
前記1つまたは複数の第2の入口、前記第2の供給源、および前記コントローラに接続された第2の流量弁であって、前記コントローラは、信号を前記第2の流量弁に提供し、前記1つまたは複数の第2の入口を通って前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される第2の流量弁と
をさらに含み、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁は、前記シャワーヘッドの外側に配置されている、
プロセスチャンバ。
【請求項9】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、
前記コントローラは、前記内部プレナム内に定められる前記よどみ点の前記調整可能な半径を動的に変更するために、信号を選択的に提供するように構成されており、(a)前記第1の流量弁のみに信号を提供し、前記内部プレナムに入る前記第1のガスの前記流れを調整する、または(b)前記第2の流量弁のみに信号を提供し、前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの前記流れを調整する、または(c)前記第1および前記第2の流量弁の両方に信号を提供し、前記内部プレナムに入る前記第1のガスの前記流れおよび前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの前記流れを調整するように構成される、プロセスチャンバ。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記1つまたは複数の第2の入口、前記第2の供給源、およびコントローラに結合された流量弁をさらに含み、前記コントローラは、前記内部プレナム内に定められる前記よどみ点の前記調整可能な半径を動的に変更するために、信号を前記流量弁に提供し、前記内部プレナムに入る前記第2のガスの前記周囲流を制御するように構成される、プロセスチャンバ。
【請求項11】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の入口、前記第1の供給源、およびコントローラに結合された流量弁をさらに含み、前記コントローラは、前記内部プレナム内に定められる前記よどみ点の前記調整可能な半径を動的に変更するために、信号を前記流量弁に提供し、前記第1の入口を通って前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを制御するように構成される、プロセスチャンバ。
【請求項12】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記縁部プレナムは、
前記1つまたは複数の第2の入口を有し、前記第2の供給源によって提供される前記第2のガスを受け入れて均等化する分配プレナムと、
第3の入口群を有し、前記分配プレナムから前記第2のガスを受け入れ、前記第2のガスを前記複数の導管を通して前記内部プレナムの外縁に供給する適用プレナムと
をさらに含む、プロセスチャンバ。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記縁部プレナム内の前記第2の入口の数は、前記縁部プレナムを前記内部プレナムに結合する前記複数の導管の数よりも少ない、プロセスチャンバ。
【請求項14】
基板を処理するために使用される基板処理システムのシャワーヘッドであって、
第1の供給源から内部プレナムの中央領域に第1のガスを受け入れるための第1の入口を有し、前記中央領域から前記内部プレナムの外縁に向かって半径方向外側に移動する前記第1のガスの内部流を作り出す内部プレナムと、
前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置され、第2の供給源から第2のガスを受け入れるための複数の第2の入口を有する縁部プレナムと、
前記内部プレナムの前記外縁において前記縁部プレナムを前記内部プレナムに結合する複数の導管であって、前記複数の導管は、前記第2のガスを前記縁部プレナムから前記内部プレナムに供給し、前記内部プレナムの前記外縁から前記中央領域に向かって内側に流れる前記第2のガスの周囲流を作り出すものであり、前記第2のガスの前記周囲流が前記第1のガスの内部流と接触するよどみ点が、前記内部プレナム内に定められる複数の導管と、
下面全体に前記内部プレナムの直径にわたって分散配置された複数の出口であって、前記複数の出口は、前記基板処理システムに基板が存在するとき、前記第1のガスおよび前記第2のガスを前記内部プレナムから前記基板に送給するように構成される複数の出口と
を備え、
前記よどみ点によって、調整可能な半径が定められ、前記調整可能な半径において、前記中央領域から前記よどみ点までは前記内部流からの前記第1のガスが前記複数の出口を出て、前記よどみ点から前記外縁までは前記周囲流からの前記第2のガスが前記複数の出口を出る、
シャワーヘッド。
【請求項15】
請求項14に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の入口は第1の流量弁を介して前記第1の供給源に接続され、前記第1の流量弁はコントローラに結合され、前記コントローラは、信号を前記第1の流量弁に提供し、前記第1の入口を通って前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整するように構成され、
前記複数の第2の入口の各々は第2の流量弁を介して前記第2の供給源に接続され、前記第2の流量弁は前記コントローラに結合され、前記コントローラは、信号を前記第2の流量弁に提供し、前記複数の第2の入口の各々を通って前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される、
シャワーヘッド。
【請求項16】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁が前記シャワーヘッドの外側に配置されている、シャワーヘッド。
【請求項17】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁が前記シャワーヘッドの内側に配置されている、シャワーヘッド。
【請求項18】
請求項14に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の入口は前記シャワーヘッドの中心に配置され、前記複数の第2の入口は前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って分散配置され、前記複数の第2の入口の各々は中央チャネルを通して前記第2の供給源に接続され、前記中央チャネルは前記第1の入口を囲むように画成される、シャワーヘッド。
【請求項19】
請求項14に記載のシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッドは、前記基板処理システムの一部であるプロセスチャンバの上部チャンバ本体の一部であり、前記上部チャンバ本体は、前記プロセスチャンバの下部チャンバ本体と嵌合するように構成され、前記下部チャンバ本体は、処理のために基板を受け取ったときに前記基板を支持するための基板支持面を含む、シャワーヘッド。
【請求項20】
請求項19に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の出口は、
前記シャワーヘッドの中央部分に画成され、前記よどみ点にかけて広がる第1の出口の小群であって、前記第1の出口の小群は、基板が前記基板支持面に受け取られたとき、前記第1のガスを前記内部流から基板の中央領域に送給するために使用される第1の出口の小群と、
前記シャワーヘッドの周辺部分に沿って画成され、前記よどみ点から前記内部プレナムの前記外縁にかけて広がる第2の出口の小群であって、前記第2の出口の小群は、前記第2のガスを前記周囲流から前記基板支持面上に受け取られた前記基板の縁部領域に送給するために使用される第2の出口の小群と
を含む、シャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体ウエハ処理機器ツールに関し、より具体的には、異なるプレナムのガスを基板の表面に提供するためのシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製作分野で一般的に使用されている膜堆積プロセスには、多くのタイプが存在する。いくつかの例示的な堆積プロセスには、原子層堆積(ALD)およびプラズマ強化化学気相堆積(PECVD)が挙げられる。ALDプロセスは、プラズマエネルギーを使用して基板表面上に非常に薄い膜を堆積する。ALDプロセスは一連の投入およびパージステップを含み、これらのステップでは、プロセスチャンバに受け取られた加熱基板上に揮発性ガスまたは蒸気が順次導入され、パージされる。例えば、第1の前駆体をガスとして導入し、基板表面上に吸収または吸着させ、そのガス状前駆体をプロセスチャンバから除去する(すなわち、パージする)。第2の前駆体をガスとして導入し、吸収された第1の前駆体と反応させて所望の材料の原子層を形成する。第1および第2のガス状前駆体を導入して除去するプロセスを数ステップ繰り返して、特定の厚さの層を形作る。基板上方での2つ以上の反応性ガスの連続的な流れを繰り返し切り替えてこの手順を調節することによって、ALDによって形成される膜は一度に1原子層ずつ堆積される。
【0003】
PECVDプロセスでは、液体前駆体が蒸気前駆体に変換され、プロセスチャンバに送給される。蒸気前駆体を提供するために、PECVDシステムには、制御された方法で液体前駆体を気化させて蒸気前駆体を生成する気化器を含めることができる。
【0004】
PECVDおよびALDプロセスの処理に使用されるチャンバで採用されるシャワーヘッドは、様々なガス状前駆体を正確に送給するためにシャワーヘッドにプレナムが画成されている。その結果、基板上に堆積される膜は可能な限り均一であり、プロセスは基板間で再現可能である。しかし、既存のシャワーヘッド内のプレナムは、各プレナムの有効半径が固定されて設計されている。半径を変更する唯一の方法は、シャワーヘッドを交換することである。言い換えれば、様々なガスの適用半径は、シャワーヘッドを交換せずに調整することができない。
【0005】
本開示の実施形態は、このような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、基板の上面に適用されるガスの有効半径を調整するために使用することができるシャワーヘッド設計を提供する。シャワーヘッドは、半径方向に調整可能な様々なガスの複数のプロセスウィンドウを開くように構成される。様々なガスは、異なる組成のものであってもよいし、同じ組成で異なる濃度のものであってもよい。シャワーヘッドは、異なるプレナムの半径を動的に調整することによって、複数のプロセスウィンドウのサイズ調整に柔軟性を提供するように設計されている。この柔軟性は、シャワーヘッド内で縁部プレナムを内部プレナムに接続し、ガス(例えば、ガス状前駆体)の流量を制御して内部プレナムおよび縁部プレナムから送給される2つのガスの有効半径を調整することによって提供される。シャワーヘッドは、2つの入口、すなわち、第1の供給源から内部プレナムに第1のガスを受け入れる第1の入口と、第2の供給源から縁部プレナムを通して内部プレナムに第2のガスを受け入れる第2の入口とを含み、内部プレナム内で2つのガスを十分に分離した状態で保つ。異なるプロセスウィンドウのサイズは、ガスを半径方向に調節するように制御され、そのような調節には、ガスのガス濃度を調節すること、および堆積中に基板表面の異なる部分へガスを投入送給することが含まれる。ガス濃度の半径方向の調節を制御することによって、基板の様々なエリアに形成される膜の厚さを制御することができる。
【0007】
一実施態様では、基板を処理するために使用されるプロセスチャンバが開示される。プロセスチャンバは、基板がプロセスチャンバに受け取られたとき、基板を支持するための基板支持面を有する下部チャンバ本体と、下部チャンバ本体の上に嵌合するように構成された上部チャンバ本体とを含む。上部チャンバ本体は、シャワーヘッドを含む。シャワーヘッドは、第1の供給源から内部プレナムの中央領域に第1のガスを受け入れるための第1の入口を備え、中央領域から内部プレナムの外縁に向かって半径方向外側に移動する第1のガスの内部流を作り出す内部プレナムを含む。シャワーヘッドはまた、シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置される縁部プレナムを含む。縁部プレナムは、第2の供給源から第2のガスを受け入れるための1つまたは複数の第2の入口を含む。複数の導管が、内部プレナムの外縁において縁部プレナムを内部プレナムに結合する。複数の導管は、第2のガスを縁部プレナムから内部プレナムに供給し、内部プレナムの外縁から中央領域に向かって内側に流れる第2のガスの周囲流を作り出す。第2のガスの周囲流が第1のガスの内部流と接触するよどみ点が、内部プレナム内に定められる。複数の出口が、下面全体に内部プレナムの直径にわたって分散配置される。複数の出口は、第1のガスおよび第2のガスを内部プレナムから基板支持面に送給するように構成される。よどみ点によって、調整可能な半径が定められ、この調整可能な半径において、中心からよどみ点までは第1のガスの内部流が複数の出口を出て、よどみ点から外縁に向かっては第2のガスの周囲流が複数の出口を出る。
【0008】
いくつかの実施態様では、調整可能な半径は、縁部プレナムに入る第2のガスの流れを調整すること、または内部プレナムに入る第1のガスの流れを調整すること、または第1のガスおよび第2のガスの流れを調整することによって定められる。
【0009】
いくつかの実施態様では、出口群が、シャワーヘッドの中央部分に画成され、よどみ点にかけて広がる第1の出口の小群と、シャワーヘッドの周辺領域に沿って画成され、よどみ点から内部プレナムの外縁にかけて広がる第2の出口の小群とを含む。第1の出口の小群は、第1のガスを内部流から基板支持面の中央部分に送給するように構成される。第2の出口の小群は、第2のガスを周囲流から基板支持面の縁部領域に送給するように構成される。
【0010】
いくつかの実施態様では、内部プレナムの直径は、少なくとも、プロセスチャンバに受け取られた基板の直径に等しく、それにより、基板がプロセスチャンバに受け取られたとき、第1の出口の小群が基板の中央領域をカバーし、第2の出口の小群が基板の縁部領域をカバーする。
【0011】
いくつかの実施態様では、第1の入口は、シャワーヘッドの中心に配置され、第1の流量弁を介して第1の供給源に結合され、1つまたは複数の第2の入口は、シャワーヘッドに画成された中央チャネルに接続される。中央チャネルは、第1の入口を囲むように画成され、第2の流量弁を介して第2の供給源に結合される。
【0012】
いくつかの実施態様では、第1の入口は、シャワーヘッドの中心に配置され、第1の流量弁を介して第1の供給源に結合され、第2の入口は、シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置される複数の第2の入口を含む。複数の第2の入口の各々は、その各々に対応して上方に配置された別個の第2の流量弁を介して第2の供給源に結合される。第1の流量弁、および複数の第2の流量弁の各々は、コントローラに結合される。コントローラは、個々の信号を第1の流量弁に提供して内部プレナムに入る第1のガスの流れを調整し、個々の信号を別個の第2の流量弁の各々に提供して縁部プレナムに入る第2のガスの流れを調整するように構成される。
【0013】
いくつかの実施態様では、コントローラは、内部プレナム内に定められるよどみ点の調整可能な半径を動的に変更するために、信号を選択的に提供するように構成されており、第1の流量弁のみに信号を提供し、内部プレナムに入る第1のガスの流れを調整する、第2の流量弁のみに信号を提供し、縁部プレナムに入る第2のガスの流れを調整する、または第1の流量弁と第2の流量弁の両方に信号を提供し、内部プレナムに入る第1のガスの流れおよび縁部プレナムに入る第2のガスの流れを調整するように構成される。
【0014】
いくつかの実施態様では、プロセスチャンバは、1つまたは複数の第2の入口、第2の供給源、およびコントローラに結合された流量弁を含む。コントローラは、内部プレナム内に定められるよどみ点の調整可能な半径を動的に変更するために、信号を流量弁に提供し、内部プレナムに入る第2のガスの周囲流を制御するように構成される。
【0015】
いくつかの実施態様では、プロセスチャンバは、第1の入口、第1の供給源、およびコントローラに結合された流量弁を含む。コントローラは、信号を流量弁に提供し、第1の入口を通って内部プレナムに入る第1のガスの流れを制御するように構成される。第1のガスの流れを調整することにより、内部プレナム内に定められるよどみ点の調整可能な半径を動的に変更する。
【0016】
いくつかの実施態様では、縁部プレナムは、分配プレナムと適用プレナムをさらに含む。分配プレナムは、1つまたは複数の第2の入口を含み、第2の供給源によって提供される第2のガスを受け入れて第2のガスを均等化する。適用プレナムは、第3の入口群を含み、分配プレナムから第2のガスを受け入れ、第2のガスを複数の導管を通して内部プレナムの外縁に供給する。
【0017】
いくつかの実施態様では、縁部プレナム内の第2の入口の数は、縁部プレナムを内部プレナムに結合する複数の導管の数よりも少ない。
【0018】
別の実施形態では、基板処理システムのシャワーヘッドが開示される。このシャワーヘッドは、第1の供給源から内部プレナムの中央領域に第1のガスを受け入れるための第1の入口を有し、中央領域から内部プレナムの外縁に向かって半径方向外側に移動する第1のガスの内部流を作り出す内部プレナムを含む。また、このシャワーヘッドは、シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置される縁部プレナムを含む。縁部プレナムは、第2の供給源から第2のガスを受け入れるための複数の第2の入口を含む。複数の導管が、内部プレナムの外縁において縁部プレナムを内部プレナムに結合する。複数の導管は、第2のガスを縁部プレナムから内部プレナムに供給し、外縁から中央領域に向かって内側に流れる第2のガスの周囲流を作り出す。第2のガスの周囲流が第1のガスの内部流と接触するよどみ点が、内部プレナム内に定められる。複数の出口が、下面全体に内部プレナムの直径にわたって画成される。複数の出口は、基板処理システムに基板が存在するとき、第1のガスおよび第2のガスを内部プレナムから基板に送給するように構成される。よどみ点によって、調整可能な半径が定められ、この調整可能な半径において、中央領域からよどみ点までは第1のガスの内部流が複数の出口を出て、よどみ点から外縁に向かっては第2のガスの周囲流が複数の出口を出る。
【0019】
プロセスチャンバは、コントローラと、第1の流量弁と、第2の流量弁とを含む。第1の流量弁は、第1の入口、第1の供給源、およびコントローラに接続される。コントローラは、信号を第1の流量弁に提供し、第1の供給源から第1の入口を通って内部プレナムに供給される第1のガスの流れを調整するように構成される。第2の流量弁は、複数の第2の入口の各々、第2の供給源、およびコントローラに接続される。コントローラは、信号を第2の流量弁に提供し、第2の供給源から複数の第2の入口の各々を通って縁部プレナムに入る第2のガスの流れを調整するように構成される。
【0020】
シャワーヘッド内で縁部プレナムを内部プレナムに接続することによってシャワーヘッドに複数のプロセスウィンドウを提供することの1つの利点は、内部プレナムおよび/または縁部プレナムから流れるガスの流れを調整することによってプロセス領域の半径を動的に調整できることである。半径の動的な調整は、内部プレナムの内部流に入る第1のガスの流れを制御すること、または内部プレナムの周囲流に流入する第2のガスを制御すること、または内部プレナムに流入する第1のガスと第2のガスの両方を制御することによって実施できる。縁部プレナムが内部プレナムに内部接続されたシャワーヘッドにより、基板表面に供給されるガスの適用半径を動的に変化させることができるため、ガス適用領域の異なる半径をカバーするためにシャワーヘッドを交換する必要はない。
【0021】
シャワーヘッドを交換する従来の方法は、一連の動作を実施する必要があるため、多くの時間と労力を伴う。実施する必要があるいくつかの動作は、プロセスチャンバ内の真空を破ること、プロセスチャンバを開くこと、既存のシャワーヘッドを取り外すこと、シャワーヘッドを、必要な半径をカバーするプロセスウィンドウを備えた別のシャワーヘッドと交換すること、プロセスチャンバを閉じること、およびシャワーヘッドが動作可能になる前に、プロセスチャンバを真空状態にポンプで戻すことを含む。
【0022】
本明細書に記載の様々な実施形態は、基板上のプロセス領域に適用される様々なガスの半径が内部プレナムに供給されるガスの一方または両方の流れを調整するだけで制御できるようにシャワーヘッドの内部に画成されたデュアルプレナムを備えたシャワーヘッドを使用することによって、そのような交換に伴うプロセスを回避する。
【0023】
これらおよび他の利点は、以下で論じられ、本明細書、図面、および特許請求の範囲を読むと当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、一実施形態による、基板を処理するために使用されるプロセスチャンバを備えた例示的な基板処理システムを示す図である。
【0025】
【
図2A】
図2Aは、一実施形態による、縁部プレナムが内部プレナムに接続されるシャワーヘッドの再設計の概略図である。
【
図2B】
図2Bは、一実施形態による、縁部プレナムが内部プレナムに接続されるシャワーヘッドの再設計の概略図である。
【
図2C】
図2Cは、一実施形態による、縁部プレナムが内部プレナムに接続されるシャワーヘッドの再設計の概略図である。
【0026】
【
図3】
図3は、一実施形態による、再設計シャワーヘッドが使用される基板処理システムの概略図である。
【0027】
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施態様における、内部プレナムに入る第2のガスの流れを調整することにより第1のガスおよび第2のガスの有効半径を動的に調整する例示的な実施形態を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施態様における、内部プレナムに入る第2のガスの流れを調整することにより第1のガスおよび第2のガスの有効半径を動的に調整する例示的な実施形態を示す図である。
【0028】
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施態様における、縁部プレナムに入る第2のガスの流れを制御する複数のガス流量弁を含む例示的なシャワーヘッドを示す図である。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施態様における、シャワーヘッドの縁部プレナム内の分配プレナムおよび適用プレナムを図示する、シャワーヘッドの一部の垂直断面図である。
【0029】
【
図6A】
図6Aは、一実施態様による、第1および/または第2のガスの流れを調整することによって達成できる第1および第2のガスの様々な半径を示す、シャワーヘッドに画成された内部プレナムの俯瞰図である。
【
図6B】
図6Bは、一実施態様による、第1および/または第2のガスの流れを調整することによって達成できる第1および第2のガスの様々な半径を示す、シャワーヘッドに画成された内部プレナムの俯瞰図である。
【
図6C】
図6Cは、一実施態様による、第1および/または第2のガスの流れを調整することによって達成できる第1および第2のガスの様々な半径を示す、シャワーヘッドに画成された内部プレナムの俯瞰図である。
【0030】
【
図7】
図7は、一実施態様による、プロセスレシピおよび基板処理システムのハードウェアを含む、様々な側面を制御するための例示的な制御モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の実施形態は、半導体基板を処理するために使用されるプロセスチャンバを含む。プロセスチャンバは、上面に均一な膜層を堆積するために、プロセスチャンバ内に受け取られた基板の上面に様々なガスを正確に送給するシャワーヘッドを含む。プロセスチャンバは、シングルステーションプロセスチャンバまたはマルチステーションプロセスチャンバとすることができる。シャワーヘッドは、内部プレナムと縁部のプレナムを含むように設計されている。縁部プレナムは、シャワーヘッド内で内部プレナムに接続され、2つのプロセスウィンドウ(すなわち、内部プレナムから画成され、第1のガスを送給する第1のウィンドウ、および内部プレナムの外縁において縁部プレナムから画成され、第2のガスを送給する第2のウィンドウ)を備えた単一プレナムを画成する。2つのプロセスウィンドウのサイズは、内部プレナムおよび/または縁部プレナムに流入するガス(例えば、ガス状前駆体)の流れを調整することによって、いつでも動的に調整することができる。内部プレナムおよび縁部プレナムに送給される様々なガスは、異なる組成または異なる濃度比とすることができる。プロセスウィンドウのサイズをこのように動的に調整することにより、基板表面の異なる部分に形成される膜層の厚さを制御することができる。
【0032】
従来のシャワーヘッドは、異なるガス状前駆体を基板の中心(「内部」プレナムを介して)と縁部(「縁部」プレナムを介して)に送給するように設計されていた。しかし、従来のシャワーヘッドの設計は、第1のガスを基板の中央エリアに供給するプレナム(すなわち、内部プレナム)と、第2のガスを基板の縁部エリアに供給するプレナム(すなわち、縁部プレナム)が、これら2つのプレナムを分離する規定の境界、およびシャワーヘッドの内部プレナムと縁部プレナムの各々に画成された別々の出口群によって区別して維持されており、基板がプロセスチャンバに受け取られたときに第1および第2のガスを供給して基板表面の様々なエリアを処理するものであった。内部プレナムおよび縁部プレナムがカバーするエリアのサイズを変更する必要がある場合、プロセスチャンバ内で使用されていたシャワーヘッドを、調整後のエリアのサイズをカバーするように設計された別のシャワーヘッドと交換する必要があった。シャワーヘッドの交換には、チャンバの真空を破り、既存のシャワーヘッドを新しいシャワーヘッドと交換し、チャンバを使用可能とする前にチャンバを真空シールする必要があるので、時間と労力の両方を要する。
【0033】
従来のシャワーヘッド設計の制限を克服するために、新しいシャワーヘッド設計が開示される。この新しい設計において、シャワーヘッドは、2つの異なるガスを受け入れる別々の内部プレナムと縁部プレナムを含んでおり、縁部プレナムがシャワーヘッドの内側から内部プレナムに接続される。シャワーヘッドの新しい設計では、縁部プレナムからプロセスチャンバへの従来の直接経路は使用できない。代わりに、シャワーヘッド内に、縁部プレナムと内部プレナムとの新しい接続が画成される。この新しい接続は、内部プレナムの外縁の近位に設けられる複数の導管を含む。新しい設計により、単一の連続プレナムをシャワーヘッド内に形成することが可能になり、ガスを分離する界面によどみ点が定められる。
【0034】
内部プレナムはシャワーヘッドの中央部分に形成され、縁部プレナムはシャワーヘッドの周辺部分に形成される。縁部プレナムからのガスは、複数の導管によって内部プレナムの外縁に供給される。シャワーヘッドの下面全体に形成された出口群により、内部プレナムからの様々なガスを基板表面の様々なエリアに適用することができる。内部プレナムに受け入れられたガスの流れを調整すると、内部プレナム内の様々なガスの半径が動的に調整され、その結果、内部プレナム内のガスを分離するよどみ点が動的に調整される。新しいシャワーヘッド設計は、基板の様々なエリアを処理するために使用される様々なガスの処理ウィンドウのサイズを動的に制御する効率的な方法を提供する。
【0035】
本実施形態は、プロセス、装置、システム、デバイス、または方法などの多数の形式で実施できることを理解されたい。いくつかの実施形態を以下に説明する。
【0036】
図1は、一実施態様における、基板101を処理するために使用される例示的な基板処理システム100を示している。システムは、下部チャンバ本体102bおよび上部チャンバ本体102aを有するプロセスチャンバを含む。下部チャンバ本体102bに画成される中柱は、台座140を支持するように構成される。台座140は、一実施形態では給電電極である。台座140は、処理する基板を受け取る基板支持面を提供する。台座140は、整合ネットワーク106を介して電源104に電気的に結合される。電源は、制御モジュール1000(例えば、コントローラ)によって制御される。制御モジュール1000は、プロセス入力・制御108の実行によって基板処理システム100を動作させるように構成される。プロセス入力・制御108には、ALD法またはPECVD法を介して基板101上に膜を堆積または形成するために、電力レベル、タイミングパラメータ、プロセスガス(例えば、前駆体)、プロセスガスの流量、基板101の機械的移動、圧力、プロセスチャンバ内の温度等のようなプロセスレシピを含めることができる。
【0037】
また、中柱はリフトピン制御122によって制御されるリフトピン120を含んだ状態で示されている。リフトピン120は、基板101を台座140から持ち上げてエンドエフェクタに基板を拾い上げさせるため、およびエンドエンドエフェクタによる載置後に基板101を下げるために使用される。基板処理システム100は、プロセスガス源114(例えば、設備からのガス供給部)に接続されたガス供給マニホールド112をさらに含む。実施される処理に応じて、制御モジュール1000は、ガス供給マニホールド112を介したシャワーヘッド150へのプロセスガス114の送給を制御する。次に、プロセスガスは、シャワーヘッド150において基板101に面する面と台座140に受け取られた基板101との間の空間容積によって画成されたプロセス領域に分配される。プロセスガスは、シャワーヘッドに画成された内部プレナムおよび/または縁部プレナムに入るプロセスガスの流れを制御することによって制御されるプロセスウィンドウに供給される。
【0038】
さらに、ガスは予混合されていてもよく、予混合されていなくてもよい。プロセスの堆積段階およびプラズマ処理段階中に正しいガスが確実に送給されるようにするため、適切な弁操作および質量流量制御(MFC)メカニズムを採用することができる。プロセスガスは、出口(図示せず)を介してチャンバを出る。真空ポンプ(図示せず)(例えば、1段または2段の機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ)が、スロットル弁または振り子弁などの閉ループ制御の流量制限デバイスによって、プロセスガスを引き出し、プロセスチャンバ内の適切な低圧を維持する。
【0039】
基板処理システム100は、台座140の外側領域を取り囲むキャリアリング153をさらに含む。キャリアリング153は、台座140の中心の基板支持領域より一段低いキャリアリング支持領域に載置されるように構成される。キャリアリング153はディスク構造を有し、ディスク構造の外縁側(例えば、外半径)と、ディスク構造の基板縁側であって基板101の載置場所に最も近い側(例えば、内半径)とを含む。キャリアリング153の基板縁側は、キャリアリング153がフォーク180によって持ち上げられたときに基板101を持ち上げるように構成された複数の接触支持構造を含む。キャリアリング153の移動は、キャリアリング持ち上げ・回転制御124によって制御されており、制御信号はキャリアリング持ち上げ・回転制御124が結合されているコントローラ110によって提供される。例えば、キャリアリング持ち上げ・回転制御124を用いて、キャリアリング153を基板101と共に持ち上げ、プロセスチャンバに出し入れすることができる(例えば、シングルステーションシステムの場合)。あるいは、キャリアリング持ち上げ・回転制御124を用いて、キャリアリング153を基板101と共に別のステーションに回転させることができる(例えば、マルチステーションシステムの場合)。
【0040】
RF電力をチャンバの電極(例えば、下部チャンバ部分102b内に設けられ、給電電極である台座140)に供給し、堆積のためにプラズマを生成できるようにする。代替の実施態様では、プラズマを遠隔で生成し、シャワーヘッドを通してプロセスチャンバに供給してもよい。さらに他の実施態様では、上部チャンバ部分を給電電極として、下部チャンバ部分(すなわち、台座140)を接地してもよい。そのような実施態様では、RF電力は、プラズマを生成するために給電電極に供給される。
【0041】
堆積プロセス中に別々の送給プレナムのガスを基板表面の異なる部分に提供する際に使用されていた従来のシャワーヘッドは、縁部プレナムとは別に画成された内部プレナムを含んでいた。内部プレナムは、プロセスチャンバ内に受け取られたた基板の表面の中央部分をカバーするように、第1のガスを第1の供給源からプロセスチャンバに直接提供していた。縁部プレナムは、基板表面の縁部部分をカバーするように、第2のガスを第2の供給源からプロセスチャンバに直接提供していた。内部プレナムおよび縁部プレナムの半径は固定されていた。その結果、内部プレナムからの第1のガスおよび縁部プレナムからの第2のガスによってカバーされるエリアは各々、基板表面の固定された半径をカバーしていた。このシャワーヘッド設計では、シャワーヘッドを交換せずに内部プレナムおよび縁部プレナムの半径を調整することができない。
【0042】
シャワーヘッドの従来の代替設計では、シャワーヘッドが別個の内部プレナムおよび縁部プレナムを使用していた。シャワーヘッドの底面に出口が配置されたため、内部プレナムからのガスがシャワーヘッドの特定の半径にわたってプロセスチャンバに適用され、縁部プレナムが内部プレナムの縁部部分と重なっていた。その結果、このシャワーヘッドを使用してガスを基板の表面に適用すると、基板表面の縁部部分は内部プレナムおよび縁部プレナムからの混合ガスに曝露され、基板表面の中央部分は内部プレナムの第1のガスに曝露されていた。基板表面の縁部部分に適用される混合ガスおよび中央部分に適用される内部プレナムの第1のガスの幅は固定されており、調整することはできなかった。適用幅の変更は、特定の適用幅に合わせて設計された別のシャワーヘッドでシャワーヘッドを変更することによってのみ達成することができた。
【0043】
例えば、ある従来のシャワーヘッドは、内部プレナムから画成され有効半径約147mmのエリアをカバーする第1のプロセスウィンドウと、縁部プレナムから画成され有効リング半径約152mm~約163mmの半径のエリアをカバーする第2のプロセスウィンドウとによる別個に固定されたプロセスウィンドウを含んでおり、第1のプロセスウィンドウと第2のプロセスウィンドウとの間(すなわち、約147mm~約152mm)に出口は画成されていなかった。異なるサイズのプロセスウィンドウをカバーするために、異なるサイズのプロセスウィンドウを備えた多数のシャワーヘッドが設計されていた。例えば、第2の従来のシャワーヘッドは、有効半径約140mmのエリアをカバーする第1のプロセスウィンドウと、有効リング半径約145mm~約163mmをカバーする第2のプロセスウィンドウとを含むように設計され、第1および第2のプロセスウィンドウの間(すなわち、約140mm~約145mm)に出口は画成されていなかった。同様に、第3の従来のシャワーヘッドは、有効半径約125mmのエリアをカバーする第1のプロセスウィンドウと、有効リング半径約130~約163mmをカバーする第2のプロセスウィンドウとを含み、第1および第2のプロセスウィンドウの間(すなわち、約125mm~約130mm)に出口は画成されていなかった。上記の3つの例示的なシャワーヘッドは、有効半径約150mmの基板の表面処理に使用されていた。他のシャワーヘッドは、内部プレナムと縁部プレナムに異なるカバーエリアを提供するように設計されていた。したがって、特定の処理ウィンドウが必要なとき、異なるプレナムのサイズが固定されて調整することができなかったため、所望の処理ウィンドウをカバーする特定のシャワーヘッドを選択して使用していた。
【0044】
図2A~
図2Cは、従来のシャワーヘッドを再設計して本開示の発明の特徴を達成するために必要とされた段階的な構造変化を示している。
図2Aは、既存の従来のシャワーヘッド150の一部を概略的に示している。シャワーヘッド150は、別個に分離されている送給プレナム(例えば、シャワーヘッド150の中央部分に画成された内部プレナム210、およびシャワーヘッド150の外周の近位に画成された縁部プレナム220)を含む。シャワーヘッドの中心に画成された第1の入口は、第1のガスを内部プレナム210に送給するための第1の供給源に結合される。縁部プレナム220には1つまたは複数の第2の入口が画成され、第2の供給源から第2のガスを受け入れるように構成される。シャワーヘッド150の設計は、第1のガスをシャワーヘッドの内部プレナムからプロセスチャンバ内の処理領域に供給するために下面全体に画成された第1の出口群を含む。処理領域は、プロセスチャンバ内で、シャワーヘッドの下面と基板支持システム(例えば、台座)の上面との間に画成される。第2の出口群は縁部プレナムに画成され、縁部プレナム220から処理領域に入る第2のガスの直接経路510を提供する。
【0045】
図2Bは、導管群を通してシャワーヘッド内で縁部プレナムが内部プレナムに結合された再設計シャワーヘッド160を定義するため、シャワーヘッド150の構造に加える変更を示している。この結合により、第1および第2のガスを供給する異なるプロセスウィンドウを定める半径の動的調整が可能になる。既存のシャワーヘッド構造に加える変更は、縁部プレナム220から処理領域への直接経路510を提供する第2の出口群の除去を含む。第2の出口群の代わりに、1つまたは複数の導管520が、縁部プレナム220を内部プレナム210に結合してシャワーヘッド内で縁部プレナム220を内部プレナム210の外縁に接続するように画成される。1つまたは複数の導管は、縁部プレナムからの第2のガスが内部プレナム210の外縁に供給可能となるように画成される。縁部プレナム220から供給される第2のガスは、第1のガスの外縁から第2の半径で外側に広がる。
【0046】
図2Cは、シャワーヘッド160の内側で縁部プレナム220を内部プレナム210の外縁に接続する1つまたは複数の導管520を備えた再設計シャワーヘッド160を示している。内部プレナムの縁にある導管520の場所は、第2の供給源(図示せず)から受け入れられる第2のガスの周囲流を作り出す。第1のガスは、シャワーヘッド160の中心に画成された第1の入口162を通して第1の供給源(図示せず)から受け入れられる。第1のガスの導入は、内部プレナム内に第1のガスの内部流を作り出す。内部流は、中央領域から内部プレナムの外縁に向かって半径方向外側に移動する。導管520は、第2のガスが縁部プレナム220から内部プレナム210の外縁へ流れることを可能にする。第2のガスの流れは、内部プレナムの外縁から中央領域に向かって内側に流れる周囲流を作り出す。周囲流は、内部プレナム内のよどみ点において、第2のガスを内部流から流れる第1のガスと接触させる。よどみ点は、第1のガス、第2のガス、または第1および第2のガスの両方の流れを調整することによって制御できる調整可能な半径を定める。
【0047】
図2Cは、内部プレナムの第1のガス(青線で表示)が1つまたは複数の導管520を通って流れる縁部プレナムの第2のガス(赤線および赤色矢印で表示)と合流する中心半径での合流点(すなわち、よどみ点530)の場所を示している。台座に面するシャワーヘッド160の下面に設けられた複数の出口は、基板がプロセスチャンバ内の台座に受け取られたとき、内部プレナムからの第1および第2のガスが基板の上面に適用されるようにする(青色矢印および赤色矢印で示す)。よどみ点半径の内側のガスは主に内部流からの第1のガスであり、よどみ点半径の外側のガスは主に周囲流からの第2のガスである。その結果、内部流からの第1のガスはシャワーヘッドの中心に画成された第1の出口群から出て、周囲流からの第2のガスはシャワーヘッドの周辺領域に画成された第2の出口群から出る。2つのガスをプロセスチャンバに供給する前に内部プレナムで組み合わせることによって、基板表面の様々なエリアに適用される2つのガスの有効半径(すなわち、異なるプロセスウィンドウのサイズ)を調整することが一層簡単になる。再設計シャワーヘッド160は、異なるプレナムに供給される異なるガスのいずれか一方または両方の流れを調整することによって、それらのガスの半径方向の調節(すなわち、複数のウィンドウのサイズの調整)を可能にする。
【0048】
図3は、一実施態様における、シャワーヘッドの内部プレナム内に画成されたデュアルプレナムを備えた再設計シャワーヘッド160の概略図を示す。この実施態様におけるシャワーヘッド160は、第1の供給源(図示せず)から第1のガス(例えば、Chem1)を受け入れるためにシャワーヘッド160の中心に画成された第1の入口610を含む。第1の入口610は、第1の流量弁605(例えば、マルチフロー制御流量弁またはMFC1a)を通して第1の供給源に接続される。第1の流量弁605は、内部プレナムに入る第1のガスの流れを制御する。次に、第1の流量弁605(MFC1a)は、第1の入口610を通る第1のガスの流量を制御するために、信号を第1の流量弁605(MFC1a)に提供するコントローラ700(
図1のコントローラ110と同様)に接続される。第1の入口610は、第1のガスを第1の供給源から内部プレナム210に供給する。第1のガスは、出口群を通して基板の上面に適用される前にこの内部プレナム210において均等化される。均等化の一部として、第1のガスは、シャワーヘッドの中心から半径方向外側に内部プレナム210の外縁に向かって流れる内部流を作り出す。第1のガスに加えて、前駆体化学物質を第1の入口610を通して提供することもでき、第1の入口610は、第3の流量弁615(MFC1b)を通して前駆体源(図示せず)に接続される。前駆体化学物質は、アルゴンなどの不活性ガスに混合されたガスの混合物とすることができ、このガスは、前駆体機能を提供する第1のガスまたは任意の他のガスとすることができる。前駆体化学物質は、プロセスチャンバから第1のガスをパージした後に提供することができる。第3の流量弁615はコントローラ700に接続されており、コントローラ700は、内部プレナムを通ってプロセスチャンバに入る前駆体化学物質の流れを制御する信号を提供する。前駆体化学物質は、予め規定された期間にわたって適用して、その後パージすることができる。
【0049】
シャワーヘッド160はまた、第2の供給源(図示せず)から第2のガス(例えば、Chem2)を受け入れるために、シャワーヘッド160の周辺領域に沿って画成された縁部プレナム220を含む。縁部プレナムは、
図3に示される実施態様では、シャワーヘッド160に画成された中央チャネル620を通して第2の供給源から第2のガスを受け入れる。中央チャネル620は、第2の流量弁640(例えば、MFC2)を介して第2の供給源に接続される。次に、第2の流量弁640は、コントローラ700に接続され、縁部プレナム220に入る第2のガスの流量を制御する。中央チャネル620は、第1の入口610を囲んでいる。第2のガスは、第1のガスが内部プレナムに供給されるのとほぼ同時に縁部プレナムに供給されるので、2つのガスのそれぞれの流量を調整することによって2つのガスの半径を調整することができる。
【0050】
図3に示される実施態様では、縁部プレナム220は、分配プレナム625と適用プレナム635を含む。分配プレナム625は、第2の供給源から供給される第2のガスを受け入れ、第2のガスを均等化する。次に、均等化された第2のガスは、適用プレナム635および複数の導管520を介して内部プレナム210の外縁に供給される。第1および/または第2のガスの流量制御は、内部プレナム内の第1および第2のガスの半径を制御し、それによって内部プレナム内の2つのガスの界面に定められるよどみ点の半径を調整するように行われる。例えば、第1のガスの流れを一定に保ちながら縁部プレナムからの第2のガスの流れを増やすと、よどみ点が内側に移動する。その逆もまた同様である。
【0051】
図4A~
図4Bは、縁部プレナムからの第2のガスの流れを、内部プレナム内の第1のガスの半径および第2のガスの半径に基づいて調整する効果を示している。
図4Aに示されている一実施態様では、縁部プレナムを通して内部プレナムに供給される第2のガスの流れが内部プレナムに供給される第1のガスの流れよりも大きいとき、内部プレナム内の第2のガスプレナムの有効サイズが増加し、これに対応して内部プレナム内の第1のガスプレナムの有効サイズは減少する。その結果、よどみ点530はシャワーヘッドの中心に向かって内側に移動し、これにより第1のガスの内部ガス流と第2のガスの周囲ガス流との界面に定められるよどみ点530の半径が小さくなる。同様に、縁部プレナムを通って内部プレナムに供給される第2のガスの流れが内部プレナムに入る第1のガスの流れよりも小さいとき、
図4Bに示されるように、内部プレナム内で第2のガスプレナムの有効サイズが減少し、第1のガスプレナムの有効サイズは増加する。その結果、よどみ点530が外側に移動し、これによりよどみ点530の半径が大きくなる。
【0052】
代替の実施態様では、内部プレナム内の第1および第2のガスプレナムの有効サイズを調整するために、縁部プレナムからの第2のガスの流れを調整する代わりに第1のガスの流れを制御してもよい。例えば、第1のガスの流量を減少させると、内部プレナム内で第2のガスプレナムの有効サイズが増加するとともに第1のガスの有効サイズが減少するため、よどみ点530が内側に移動する。これは、第1のガスの流量と比較して、第2のガスの流量のほうが多いためである。さらに他の実施態様では、第1および第2のガスの両方の流量を調整して内部プレナム内でそれぞれのプレナムの有効サイズを増加または減少させることによって、各プレナムの有効半径方向サイズを制御してもよい。第1および第2のガスの一部は、よどみ点の近くで混ざり合うことに留意されたい。このように2つのガスが混ざり合うことにより、2つのガスの濃度は基板上方で滑らかでありながら連続的に遷移する。
【0053】
図5Aは、一実施態様における、
図3を参照して説明されたシャワーヘッド160の代替設計を示している。この実施態様では、第1の入口610がシャワーヘッドの中心に画成され、複数の第2の入口630がシャワーヘッドの周辺部分に沿って画成された分配プレナムの上面の上方に画成される。第1の入口610は、第1の流量弁MFC1aを通して第1の供給源に接続される。第1の流量弁MFC1aは、コントローラ700に接続されている。コントローラ700は、信号を第1の流量弁に提供して内部プレナムの中心への第1のガスの流れを調整し、第1のガスの内部流を引き起こす。この内部流により、第1のガスがシャワーヘッドの周辺に向かって外側に流れる。第2の入口群630の各々は、対応する第2の流量弁を通して第2の供給源(すなわち、Chem2供給源)に接続される。
図5Aに示すシャワーヘッド160の簡略断面図では、複数の第2の流量弁(
図5Aに示すMFC2a~2f)がシャワーヘッドの周辺領域に沿って均一に分散配置され、単一の第2の供給源(例えば、Chem2供給源)に接続されている。
【0054】
図5Aでは、約10個の第2の流量弁が、シャワーヘッド160の周辺領域に沿って均一に分散配置されている。代替の実施態様では、2つ、4つ、8つ、またはそれ以上の第2の流量弁をシャワーヘッドの周辺領域に沿って均一に分散配置して、縁部プレナムに入る第2のガスの流れを制御してもよい。代替の実施態様では、複数の第2の入口630は、単一の第2の流量弁を通して第2の供給源に接続される。
図5Aに示される実施態様では、複数の第2の流量弁が、シャワーヘッドの外側で、複数の第2の入口630の対応するものの上方に配置される。代替の実施態様では、複数の第2の流量弁が、シャワーヘッドの内側で、第2の入口群630の対応するものの下方に配置されてもよい。
図5Aに示される実施態様では、第2の流量弁は単一の第2の供給源に接続される。代替の実施態様では、2つ以上の第2の供給源を使用して第2のガスを縁部プレナムに供給してもよく、第2の流量弁の1つまたは複数は、対応する第2の流量弁を介して第2の供給源の別個のものに接続される。第2の流量弁の数に関係なく、第2の流量弁の各々はコントローラ700に接続されており、コントローラは、縁部プレナムに入る第2のガスの流れを制御するために、信号を第2の流量弁のうち選択されたもの、または第2の流量弁のすべてに提供するように構成される。
【0055】
図5Bは、縁部プレナム220を画成するシャワーヘッドの一部の拡大断面図を示している。縁部プレナムは、複数の第2の入口630を通して、第2の流量弁(MFC2A)に結合される。第2のガスは、第2の供給源から複数の第2の入口630を通って分配プレナム625に流れ、その流れは、1つまたは複数の第2の流量弁によって制御される。第2のガスは、分配プレナム625と適用プレナム635の間に画成された第3の入口群630aを通って適用プレナム635に出る前に、分配プレナム625内で均等化される。第2のガスが均等化される前に内部プレナムに押し込まれることを回避するため、第3の入口群630aの各々は、縁部プレナムと内部プレナムの間に画成された導管520からずらして画成される。適用プレナム635に送り込まれた第2のガスは、縁部プレナム220と内部プレナム210の間に画成された複数の導管520を通って内部プレナムに流入する。導管520の場所、サイズ、および導管520の数は、第1のガスが内部プレナムにおいて供給され均等化されるのとほぼ同時に、第2のガスが十分な流れで内部プレナムの外縁において確実に受け入れられるようなものとする。第2の入口630の場所、サイズ、および数、第3の入口群630aの数、ならびに導管520の数は、(a)分配プレナム625内の第2のガスを均等化し、(b)適用プレナムを介して内部プレナムに適用するのにかかる時間が、内部プレナムに適用される第1のガスが均等化されるのにかかる時間とほぼ同じになるように定められる。このようにすれば、内部プレナム内で2つのプレナムを効果的に半径方向に調整することが可能になると思われる。
【0056】
いくつかの実施態様では、適用プレナム635への第3群の第2の入口の数は、第2のガスを分配プレナム625に供給する第2の入口630の数よりも多い。これは、第2のガスが高速かつ効率的に内部プレナムに供給されるようにするとともに、第2のガスが内部プレナムに不均一に適用されないようにするするためである(第2のガスが内部プレナムに不均一に適用されると、結果的に2つのガスの有効半径の制御の仕方に影響する可能性がある)。例えば、1つまたはごく少数の第2の入口630がシャワーヘッド内に不均一に分散配置されているとき、または第3の入口群630aの場所が導管520と一列に並んでいるとき、不均一な分配が生じて、分配プレナム625に供給される第2のガスが分配プレナムで均等化される前に1つまたはいくつかの特定の場所で内部プレナムを氾濫させ、その一方で内部プレナムの残りの場所が第2のガスを全く受け取っていないということが起こり得る。いくつかの実施態様では、分配プレナム625への第2の入口630がシャワーヘッドの周辺領域に沿って4個または8個以上画成され、第3の入口群630aが分配プレナム625と適用プレナム635との界面に8個または12個以上設けられる。様々な入口および出口の数は単なる例示であり、限定であると見なされるべきではないことに留意されたい。
【0057】
いくつかの実施態様では、第2のガス流量弁は、シャワーヘッド160の上方、かつプロセスチャンバの外側に配置される。第2のガス流量弁をプロセスチャンバの外側に設けることの利点は、第2のガス流量弁がコントローラを介してオンにされるとき、第2のガスが実質的に同時に縁部プレナムに送給されることである。いくつかの実施態様では、第2のガス流量弁は、複数の第2の入口からすぐ近くの周辺領域に沿って配置される。代替の実施態様では、第2のガス流量弁をシャワーヘッドの内側に配置してもよい。適用プレナム635から流出する第2のガスは、内部プレナムの外縁からシャワーヘッドの中心に向かって流れる周囲流を作り出し、第1の半径の外縁において第1のガスの内部流と合流する。第1のガスまたは第2のガスの流れは、第2のガスの周囲流が第1のガスの内部流の進行を制御するように、またはその逆になるように制御される。内部流と周囲流が接触する点は、内部プレナム内で第1および第2のガスを十分に分離したまま、第1のガスの一部が第2のガスと混ざり合うよどみ点によって定められる。いくつかの実施態様では、2つの連続する第2の入口630と2つの連続する第3の入口630aとの間の距離は、第2のガスの流れが処理領域を十分にカバーするように定められる。例えば、一実施態様において、10mmのプロセスウィンドウを同等のサイズの基板の縁部を処理するために画成するには、第2の入口630をシャワーヘッドの周囲に互いに10mm離して画成し、第3の入口群をシャワーヘッドの周囲に互いに5mm離して画成することも考えられる。いくつかの実施態様では、第3の入口群をシャワーヘッドの周囲に複数列で画成してもよく、第3の入口群の各列の入口を他の列の対応する入口からずらして配置する。あるいは、第3の入口群の各列の入口が他の列の対応する入口と一致していてもよい。
【0058】
いくつかの実施態様では、コントローラは、信号を第2のガス流量弁のうち選択されたもの、またはすべての第2のガス流量弁に送信し、分配プレナムに適用される第2のガスの流れを制御するように構成されてもよい。例えば、第2のガスの半径方向の幅を小さくする必要がある場合、第2の入口の一部のみを使用して第2のガスを適用し、縁部プレナムに適用される第2のガスの流量を減らすことができる。したがって、コントローラは、第2の入口630のうち選択されたもの(例えば、1つおき、または2つおき等)を通して第2のガスを供給するように第2のガス流量弁に信号を提供してもよい。あるいは、第2の入口630のすべてを使用し、第2の入口のすべてを通る第2のガスの流れを調整するように、コントローラから第2のガス流量弁へ信号を送ってもよい。
【0059】
図6A~
図6Cは、いくつかの実施態様における、シャワーヘッドの内部プレナム内の第1および第2のガスの半径の俯瞰図を示している。シャワーヘッドの中心から適用される第1のガスは、シャワーヘッドの中心から内部プレナムの周辺領域に向かって外側に流れる内部流を作り出す。第2のガスは、シャワーヘッドの周辺部分に沿って画成された第2の入口群を通して内部プレナムの外縁に供給される。第2のガス流は、周辺領域から中心に向かって流れ、よどみ点530で第1のガスの内部流と合流する周囲流を作り出す。
図6Aに示されるように、第1のガスは、第1の半径「r1」に広がる。第2のガスは、第1の半径r1の外縁から第2の半径「r2」に広がって、第2のガスの幅「d1」を定める。幅「d1」はr2とr1との差であると決定される。
図6Bでは、第1のガスが第1の半径r1’に広がり、第2のガスが第1の半径r1’の外縁から第2の半径r2’に広がって、第2のガスの幅「d2」を定める。幅「d2」はr2’とr1’との差として算出される。同様に、
図6Cでは、第1のガスが第1の半径r1’’に広がり、第2のガスが第1の半径r1’’の外縁から第2のガス半径r2’’に広がって第2のガスの幅「d3」を定める。幅「d3」はr2’’とr1’’との差として算出される。
図6A~
図6Cから、幅d2がd1よりも大きく、幅d3がd2およびd1よりも大きいと簡単に推定することができる。内部プレナム内の2つのガスプレナムの流れを動的に調整すると、それに応じて2つのプレナムの半径方向の幅が調整され、基板表面の様々な領域に影響を与える。
【0060】
シャワーヘッドの様々な実施態様により、シャワーヘッドを通して基板の上面に供給される様々なガスの半径方向の制御が可能になる。シャワーヘッドは、基板表面に適用される様々なガスに対して異なるプロセスウィンドウを画成するために様々なガスの流れを動的に調節する効果的な方法を可能にしており、シャワーヘッドの交換を必要とせずにそのような調節を実行することができる。本明細書では、2つの異なるプロセスウィンドウの提供に関する様々な実施態様を説明してきたことに留意されたい。実施形態は、別の導管をシャワーヘッドに追加して内部プレナム内に異なるガスの追加プレナムを画成することによって、3つ以上の異なるプロセスウィンドウを提供するように拡張できる。本明細書を読むと、当業者には様々な利点が明らかになるであろう。
【0061】
図7は、上述のシステムを制御するための制御モジュール700(
図1の制御モジュール110と同様)を示す。一実施形態では、
図1の制御モジュール110は、例示的な構成要素のうちいくつかを含むことができる。単なる例示として、制御モジュール700には、プロセッサと、メモリと、1つまたは複数のインターフェースとを含めることができる。制御モジュール700は、検知値に部分的に基づいてシステム内のデバイスを制御するために用いることができる。例えば、制御モジュール700は、検知値および他の制御パラメータに基づいて、弁702、フィルタヒータ704、ポンプ706、および他のデバイス708の1つまたは複数を制御することができる。制御モジュール700は、単なる例示として、圧力計710、流量計712、温度センサ714、および/または他のセンサ716から検知値を受信する。制御モジュール700はまた、前駆体の送給中および膜の堆積中のプロセス条件を制御するために用いられてもよい。制御モジュール700は、典型的には、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0062】
制御モジュール700は、前駆体送給システムおよび堆積装置の動作を制御することができる。制御モジュール700は、プロセスタイミング、送給システム温度、フィルタ間の圧力差、弁位置、ガスの混合、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウエハ温度、RF電力レベル、ウエハチャック位置または台座位置、および特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行する。制御モジュール700はまた、圧力差を監視し、蒸気前駆体の送給をある1つまたは複数の経路から別の1つまたは複数の経路に自動的に切り替えることができる。いくつかの実施形態では、制御モジュール700に関連するメモリデバイスに格納された他のコンピュータプログラムを用いることができる。
【0063】
典型的には、制御モジュール700に関連するユーザインターフェースが存在する。ユーザインターフェースは、ディスプレイ718(例えば、装置条件および/またはプロセス条件を表示するディスプレイ画面および/またはグラフィカルソフトウェアディスプレイ)およびユーザ入力デバイス720(例えば、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン等)を含むことができる。
【0064】
プロセスシーケンスにおける前駆体の送給、堆積、および他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語(例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートラン他)で書くことができる。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラム中で識別されたタスクを実施するためプロセッサによって実行される。
【0065】
制御モジュールのパラメータは、例えば、フィルタ圧力差、プロセスガスの組成および流量、温度、圧力、RF電力レベルおよび低周波RF周波数などのプラズマ条件、冷却ガス圧力、ならびにチャンバ壁温度などのプロセス条件に関連している。
【0066】
システムソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成することができる。例えば、様々なチャンバ構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、本発明の堆積プロセスを実行するために必要なチャンバ構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例としては、基板位置決めコード、プロセスガス制御コード、圧力制御コード、ヒータ制御コード、およびプラズマ制御コードが挙げられる。
【0067】
基板位置決めプログラムは、基板を台座またはチャック上にロードし、基板とガス入口および/またはターゲットなどのチャンバの他の部分との間隔を制御するために使用されるチャンバ構成要素を制御するためのプログラムコードを含むことができる。プロセスガス制御プログラムは、ガスの組成および流量を制御するためのコード、および任意で、チャンバ内の圧力を安定させるために堆積前にガスをチャンバに流すためのコードを含むことができる。フィルタ監視プログラムは、測定された差を所定の値と比較するコード、および/または経路を切り替えるコードを含む。圧力制御プログラムは、例えば、チャンバの排気システム内のスロットル弁を調節することによってチャンバ内の圧力を制御するためのコードを含むことができる。ヒータ制御プログラムは、前駆体送給システム内の構成要素、基板、および/またはシステムの他の部分を加熱するための加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、ヘリウムなどの熱伝達ガスのウエハチャックへの送給を制御してもよい。
【0068】
堆積中に監視され得るセンサの例としては、質量流量制御モジュール、圧力センサ(圧力計710など)、および送給システム、台座またはチャックに設けられる熱電対(例えば、温度センサ714)が挙げられるが、これらに限定されない。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、所望のプロセス条件を維持することができる。以上は、シングルまたはマルチチャンバ半導体処理ツールにおける本発明の実施形態の実施態様を説明している。
【0069】
実施形態に関する以上の説明は、例示および説明を目的として提供されたものであり、本発明を網羅することまたは限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態には限定されず、該当する場合には、たとえ具体的に図示または説明されていなくても選択された実施形態において代替可能であり、使用可能である。また、特定の実施形態の個々の要素または特徴は、様々な形で変更されてもよい。そのような変形は、本発明からの逸脱と見なされるべきではなく、そのようなすべての修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0070】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されているが、一定の変更および修正を添付の特許請求の範囲の範囲内で実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、実施形態は、本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内で修正されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するために使用される基板処理システムのシャワーヘッドであって、
内部プレナムであって、
第1の供給源から第1のガスを受け入れるために前記シャワーヘッドの中央に画成された単一の第1の入口であって、前記第1のガスは、第1の半径をカバーする前記内部プレナムの中央領域から外側に発生する内部流を作り出すために受け入れられる、単一の第1の入口と、
第2の供給源から前記内部プレナムへの第2のガスを受け入れるための前記シャワーヘッドの外縁に沿って画成された複数の第2の入口であって、前記第2のガスは、前記内部プレナムの外縁から前記中央領域に向かって内側に発生する周囲流を作り出すために受け入れられ、前記周囲流は、前記内部プレナムにおいて前記第1の半径の外縁から第2の半径に延び、前記第1のガスおよび前記第2のガスは、前記内部プレナムに同時に供給され、前記第1のガスの前記内部流および前記第2のガスの前記周囲流は、前記内部プレナム内で前記第1のガスを前記第2のガスから実質的に分離した状態で前記第1の半径を動的に調整するように制御される、複数の第2の入口と、
前記シャワーヘッドの下面全体に分散配置され、前記内部プレナムの前記第1の半径および前記第2の半径をカバーするように延びる複数の出口であって、前記基板処理システムに前記基板が存在するとき、前記第1のガスを前記内部プレナムから第1のプロセス領域に、前記第2のガスを前記内部プレナムから基板上に画成された第2のプロセス領域に、別々かつ同時に送給するように構成される、複数の出口と、
に結合された内部プレナムを備える、シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記単一の第1の入口は、第1の流量弁を介して前記第1の供給源に結合され、前記複数の第2の入口は、1つまたは複数の第2の流量弁を介して前記第2の供給源に結合され、
前記第1の流量弁および前記1つまたは複数の第2の流量弁に結合されたコントローラであって、前記第1の流量弁への第1の信号を発生させて前記第1のガスの第1の流量を制御し、前記1つまたは複数の第2の流量弁への第2の信号を発生させて前記複数の第2の入口を通る前記第2のガスの第2の流量を制御するように構成されるコントローラを更に備える、シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の流量弁および前記1つまたは複数の第2の流量弁は、前記シャワーヘッドの外側に配置される、シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項2に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の流量弁および前記1つまたは複数の第2の流量弁は、前記シャワーヘッドの内側に配置される、シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項2に記載のシャワーヘッドであって、
前記コントローラによって発生した前記第1の信号および前記第2の信号は、前記第2のガスの第2の流量が前記第1のガスの第1の流量とは異なるように、前記内部プレナムに同時に供給された前記第1のガスおよび前記第2のガスの流量を制御するように構成される、シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の第2の入口は、前記第1の入口を囲むように配置された中央チャネルを介して前記第2の供給源に結合され、前記第2の供給源から前記内部プレナムの前記外縁に供給された前記第2のガスは、前記中央チャネルを通じて供給される、シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッドは、前記外縁に沿って画成され、前記第2の供給源から前記第2のガスを受け入れるために前記複数の第2の入口に結合された縁部プレナムを含み、前記縁部プレナムは、前記内部プレナムの前記外縁の外側に画成され、前記第2のガスを前記内部プレナムに供給するために複数の導管を介して前記内部プレナムの前記外縁に結合される、シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載のシャワーヘッドであって、
前記縁部プレナムは、
前記第2の供給源から受け入れた前記第2のガスを均等化するように構成された分配プレナムと、
前記分配プレナムから前記第2のガスを受け入れるための適用プレナムであって、前記適用プレナムの底部は、前記第2のガスを前記内部プレナムの前記外縁に供給するために前記複数の導管に結合される、適用プレナムと、
を備える、シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記内部プレナムに同時に適用された前記第1のガスの前記内部流および前記第2のガスの前記周囲流は、前記内部プレナム内で前記第1のガスと前記第2のガスとの分離界面によどみ点を画成し、前記第1のガスの前記内部流および前記第2のガスの前記周囲流は、前記内部プレナム内で前記よどみ点の位置を調整するように制御される、シャワーヘッド。
【請求項10】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1のプロセス領域は、前記基板処理システムの上部チャンバ本体と下部チャンバ本体との間に画成されたエリアの中央に画成され、前記第1のプロセス領域は、前記内部プレナムに画成された前記よどみ点の直径にわたって延び、前記第2のプロセス領域は、前記よどみ点の前記直径から前記内部プレナムの前記外縁まで延びるように画成される、シャワーヘッド。
【請求項11】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッドは、前記基板処理システムの上部チャンバ本体に統合され、前記上部チャンバ本体は、下部チャンバ本体と嵌合して前記基板の処理中に密閉を提供するように構成される、シャワーヘッド。
【請求項12】
基板を処理するために使用される基板処理システムのプロセスチャンバであって、
前記基板を支持するための基板支持面を有する下部チャンバ本体と、
前記下部チャンバ本体と嵌合するように構成され、シャワーヘッドを有する上部チャンバ本体と、を備え、
前記シャワーヘッドは、内部プレナムであって、
第1の供給源から第1のガスを受け入れるために前記シャワーヘッドの中央に画成された単一の第1の入口であって、前記第1のガスは、第1の半径をカバーする前記内部プレナムの中央領域から外側に生じる内部流を作り出すために受け入れられる、単一の第1の入口と、
第2の供給源から前記内部プレナムへの第2のガスを受け入れるために前記シャワーヘッドの外縁に沿って画成された複数の第2の入口であって、前記第2のガスは、前記内部プレナムの外縁から前記中央領域に向かって内側に生じる周囲流を作り出すために受け入れられ、前記周囲流は、前記内部プレナムにおいて前記第1の半径の外縁から第2の半径に延び、前記第1のガスおよび前記第2のガスは、前記内部プレナムに同時に供給されるように構成され、前記第1のガスの前記内部流および前記第2のガスの前記周囲流は、前記内部プレナム内で前記第1のガスを前記第2のガスから実質的に分離した状態で前記第1の半径を動的に調整するように制御される、複数の第2の入口と、
前記シャワーヘッドの下面全体に分散配置され、前記内部プレナムの直径にわたって延びる複数の出口であって、前記基板処理システムに前記基板が存在するとき、前記第1のガスを前記内部プレナムから第1のプロセス領域に、前記第2のガスを前記内部プレナムから基板上に画成された第2のプロセス領域に、別々かつ同時に送給するように構成される、複数の出口と、
に結合される内部プレナムを備える、プロセスチャンバ。
【請求項13】
請求項12に記載のプロセスチャンバであって、
前記シャワーヘッドの前記単一の第1の入口は、第1の流量弁を介して前記第1の供給源に結合され、前記複数の第2の入口は、1つまたは複数の第2の流量弁を介して前記第2の供給源に結合され、
前記第1の流量弁および前記1つまたは複数の第2の流量弁に結合されたコントローラであって、前記第1の流量弁への第1の信号を発生させて前記第1のガスの第1の流量を制御し、前記1つまたは複数の第2の流量弁への第2の信号を発生させて前記複数の第2の入口を通る前記第2のガスの第2の流量を制御するように構成されるコントローラを更に備える、プロセスチャンバ。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の流量弁および前記1つまたは複数の第2の流量弁は、前記シャワーヘッドの外側に配置される、プロセスチャンバ。
【請求項15】
請求項13に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の流量弁および前記1つまたは複数の第2の流量弁は、前記シャワーヘッドの内側に配置される、プロセスチャンバ。
【請求項16】
請求項13に記載のプロセスチャンバであって、
前記コントローラによって発生した前記第1の信号および前記第2の信号は、前記第2のガスの第2の流量が前記第1のガスの第1の流量とは異なるように、前記内部プレナムに同時に供給される前記第1のガスおよび前記第2のガスの流量を制御するように構成される、プロセスチャンバ。
【請求項17】
請求項12に記載のプロセスチャンバであって、
前記シャワーヘッドは、前記外縁に沿って画成され、前記第2の供給源から前記第2のガスを受け入れるために前記複数の第2の入口に結合された縁部プレナムを含み、前記縁部プレナムは、前記内部プレナムの前記外縁の外側に画成され、前記第2のガスを前記内部プレナムに供給するために複数の導管を介して前記内部プレナムの前記外縁に結合される、プロセスチャンバ。
【請求項18】
請求項17に記載のプロセスチャンバであって、
前記シャワーヘッドの前記縁部プレナムは、
前記第2の供給源から受け入れた前記第2のガスを均等化するように構成された分配プレナムと、
前記第2のガスを前記分配プレナムから受け入れるための適用プレナムであって、前記適用プレナムの底部は、前記第2のガスを前記内部プレナムの前記外縁に供給するために前記複数の導管に結合される、適用プレナムと、
をさらに含む、プロセスチャンバ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されているが、一定の変更および修正を添付の特許請求の範囲の範囲内で実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、実施形態は、本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内で修正されてもよい。本開示は以下の適用例を含む。
[適用例1]
基板を処理するために使用されるプロセスチャンバであって、
前記基板を支持するための基板支持面を有する下部チャンバ本体と、
前記下部チャンバ本体の上に嵌合するように構成され、シャワーヘッドを含む上部チャンバ本体と、を備えており、
前記シャワーヘッドは、
第1の供給源から内部プレナムの中央領域に第1のガスを受け入れるための第1の入口を有し、前記中央領域から前記内部プレナムの外縁に向かって半径方向外側に移動する前記第1のガスの内部流を作り出す内部プレナムと、
前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置され、第2の供給源から第2のガスを受け入れるための1つまたは複数の第2の入口を有する縁部プレナムと、
前記内部プレナムの前記外縁において前記縁部プレナムを前記内部プレナムに結合する複数の導管であって、前記複数の導管は、前記第2のガスを前記縁部プレナムから前記内部プレナムに供給し、前記内部プレナムの前記外縁から前記中央領域に向かって内側に流れる前記第2のガスの周囲流を作り出すものであり、前記第2のガスの前記周囲流が前記第1のガスの内部流と接触するよどみ点が、前記内部プレナム内に定められる複数の導管と、
下面全体に前記内部プレナムの直径にわたって分散配置された複数の出口であって、前記複数の出口は、前記第1のガスおよび前記第2のガスを前記内部プレナムから前記基板支持面に送給するように構成される複数の出口と
を含み、
前記よどみ点によって、調整可能な半径が定められ、前記調整可能な半径において、前記中心から前記よどみ点までは前記内部流からの前記第1のガスが前記複数の出口を出て、前記よどみ点から前記外縁までは前記周囲流からの前記第2のガスが前記複数の出口を出る、
プロセスチャンバ。
[適用例2]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記調整可能な半径は、前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整すること、または前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整すること、または前記第1のガスおよび前記第2のガスの前記流れを調整することによって定められる、プロセスチャンバ。
[適用例3]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記複数の出口は、
前記シャワーヘッドの中央部分に画成され、前記よどみ点にかけて広がる第1の出口の小群であって、前記第1の出口の小群は、前記第1のガスを前記内部流から前記基板支持面の中央部分に送給するように構成される第1の出口の小群と、
前記シャワーヘッドの周辺部分に沿って画成され、前記よどみ点から前記内部プレナムの前記外縁にかけて広がる第2の出口の小群であって、前記第2の出口の小群は、前記第2のガスを前記周囲流から前記基板支持面の縁部領域に送給するように構成される第2の出口の小群と
を含む、プロセスチャンバ。
[適用例4]
適用例3に記載のプロセスチャンバであって、
前記シャワーヘッド内の前記内部プレナムの前記直径は、少なくとも、前記プロセスチャンバに受け取られた前記基板の前記直径に等しく、それにより前記第1の出口の小群が前記基板の前記中央領域をカバーし、前記第2の出口の小群が前記基板の前記縁部領域をカバーする、プロセスチャンバ。
[適用例5]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の入口は、前記シャワーヘッドの中心に配置され、第1の流量弁を介して前記第1の供給源に結合され、前記1つまたは複数の第2の入口は、前記シャワーヘッドに画成された中央チャネルに接続され、前記中央チャネルは、前記第1の入口を囲んでおり、第2の流量弁を介して前記第2の供給源に結合される、プロセスチャンバ。
[適用例6]
適用例5に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁はコントローラに結合され、前記コントローラは、信号を前記第1の流量弁に提供して前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整し、信号を前記第2の流量弁に提供して前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される、プロセスチャンバ。
[適用例7]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の入口は、前記シャワーヘッドの中心に配置され、第1の流量弁を介して前記第1の供給源に結合され、
前記1つまたは複数の第2の入口は、前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置される複数の第2の入口であり、前記複数の第2の入口の各々は、その各々に対応して上方に配置された別個の第2の流量弁を介して前記第2の供給源に結合され、
前記第1の流量弁、および前記別個の第2の流量弁の各々は、コントローラに結合され、前記コントローラは、個々の信号を前記第1の流量弁に提供して前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整し、個々の信号を前記別個の第2の流量弁の各々に提供して前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される、
プロセスチャンバ。
[適用例8]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
コントローラと、
前記第1の入口、前記第1の供給源、および前記コントローラに接続された第1の流量弁であって、前記コントローラは、信号を前記第1の流量弁に提供し、前記第1の入口を通って前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整するように構成される第1の流量弁と、
前記1つまたは複数の第2の入口、前記第2の供給源、および前記コントローラに接続された第2の流量弁であって、前記コントローラは、信号を前記第2の流量弁に提供し、前記1つまたは複数の第2の入口を通って前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される第2の流量弁と
をさらに含み、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁は、前記シャワーヘッドの外側に配置されている、
プロセスチャンバ。
[適用例9]
適用例8に記載のプロセスチャンバであって、
前記コントローラは、前記内部プレナム内に定められる前記よどみ点の前記調整可能な半径を動的に変更するために、信号を選択的に提供するように構成されており、(a)前記第1の流量弁のみに信号を提供し、前記内部プレナムに入る前記第1のガスの前記流れを調整する、または(b)前記第2の流量弁のみに信号を提供し、前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの前記流れを調整する、または(c)前記第1および前記第2の流量弁の両方に信号を提供し、前記内部プレナムに入る前記第1のガスの前記流れおよび前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの前記流れを調整するように構成される、プロセスチャンバ。
[適用例10]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記1つまたは複数の第2の入口、前記第2の供給源、およびコントローラに結合された流量弁をさらに含み、前記コントローラは、前記内部プレナム内に定められる前記よどみ点の前記調整可能な半径を動的に変更するために、信号を前記流量弁に提供し、前記内部プレナムに入る前記第2のガスの前記周囲流を制御するように構成される、プロセスチャンバ。
[適用例11]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記第1の入口、前記第1の供給源、およびコントローラに結合された流量弁をさらに含み、前記コントローラは、前記内部プレナム内に定められる前記よどみ点の前記調整可能な半径を動的に変更するために、信号を前記流量弁に提供し、前記第1の入口を通って前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを制御するように構成される、プロセスチャンバ。
[適用例12]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記縁部プレナムは、
前記1つまたは複数の第2の入口を有し、前記第2の供給源によって提供される前記第2のガスを受け入れて均等化する分配プレナムと、
第3の入口群を有し、前記分配プレナムから前記第2のガスを受け入れ、前記第2のガスを前記複数の導管を通して前記内部プレナムの外縁に供給する適用プレナムと
をさらに含む、プロセスチャンバ。
[適用例13]
適用例1に記載のプロセスチャンバであって、
前記縁部プレナム内の前記第2の入口の数は、前記縁部プレナムを前記内部プレナムに結合する前記複数の導管の数よりも少ない、プロセスチャンバ。
[適用例14]
基板を処理するために使用される基板処理システムのシャワーヘッドであって、
第1の供給源から内部プレナムの中央領域に第1のガスを受け入れるための第1の入口を有し、前記中央領域から前記内部プレナムの外縁に向かって半径方向外側に移動する前記第1のガスの内部流を作り出す内部プレナムと、
前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って配置され、第2の供給源から第2のガスを受け入れるための複数の第2の入口を有する縁部プレナムと、
前記内部プレナムの前記外縁において前記縁部プレナムを前記内部プレナムに結合する複数の導管であって、前記複数の導管は、前記第2のガスを前記縁部プレナムから前記内部プレナムに供給し、前記内部プレナムの前記外縁から前記中央領域に向かって内側に流れる前記第2のガスの周囲流を作り出すものであり、前記第2のガスの前記周囲流が前記第1のガスの内部流と接触するよどみ点が、前記内部プレナム内に定められる複数の導管と、
下面全体に前記内部プレナムの直径にわたって分散配置された複数の出口であって、前記複数の出口は、前記基板処理システムに基板が存在するとき、前記第1のガスおよび前記第2のガスを前記内部プレナムから前記基板に送給するように構成される複数の出口と
を備え、
前記よどみ点によって、調整可能な半径が定められ、前記調整可能な半径において、前記中央領域から前記よどみ点までは前記内部流からの前記第1のガスが前記複数の出口を出て、前記よどみ点から前記外縁までは前記周囲流からの前記第2のガスが前記複数の出口を出る、
シャワーヘッド。
[適用例15]
適用例14に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の入口は第1の流量弁を介して前記第1の供給源に接続され、前記第1の流量弁はコントローラに結合され、前記コントローラは、信号を前記第1の流量弁に提供し、前記第1の入口を通って前記内部プレナムに入る前記第1のガスの流れを調整するように構成され、
前記複数の第2の入口の各々は第2の流量弁を介して前記第2の供給源に接続され、前記第2の流量弁は前記コントローラに結合され、前記コントローラは、信号を前記第2の流量弁に提供し、前記複数の第2の入口の各々を通って前記縁部プレナムに入る前記第2のガスの流れを調整するように構成される、
シャワーヘッド。
[適用例16]
適用例15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁が前記シャワーヘッドの外側に配置されている、シャワーヘッド。
[適用例17]
適用例15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の流量弁および前記第2の流量弁が前記シャワーヘッドの内側に配置されている、シャワーヘッド。
[適用例18]
適用例14に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の入口は前記シャワーヘッドの中心に配置され、前記複数の第2の入口は前記シャワーヘッドの周辺領域に沿って分散配置され、前記複数の第2の入口の各々は中央チャネルを通して前記第2の供給源に接続され、前記中央チャネルは前記第1の入口を囲むように画成される、シャワーヘッド。
[適用例19]
適用例14に記載のシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッドは、前記基板処理システムの一部であるプロセスチャンバの上部チャンバ本体の一部であり、前記上部チャンバ本体は、前記プロセスチャンバの下部チャンバ本体と嵌合するように構成され、前記下部チャンバ本体は、処理のために基板を受け取ったときに前記基板を支持するための基板支持面を含む、シャワーヘッド。
[適用例20]
適用例19に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の出口は、
前記シャワーヘッドの中央部分に画成され、前記よどみ点にかけて広がる第1の出口の小群であって、前記第1の出口の小群は、基板が前記基板支持面に受け取られたとき、前記第1のガスを前記内部流から基板の中央領域に送給するために使用される第1の出口の小群と、
前記シャワーヘッドの周辺部分に沿って画成され、前記よどみ点から前記内部プレナムの前記外縁にかけて広がる第2の出口の小群であって、前記第2の出口の小群は、前記第2のガスを前記周囲流から前記基板支持面上に受け取られた前記基板の縁部領域に送給するために使用される第2の出口の小群と
を含む、シャワーヘッド。
【外国語明細書】