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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106075
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】導電性粘着テープ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20240731BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20240731BHJP
   C09J 9/02 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J133/00
C09J9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010166
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100214673
【弁理士】
【氏名又は名称】菅谷 英史
(74)【代理人】
【識別番号】100186646
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】山川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】今井 克明
(72)【発明者】
【氏名】木村 雪花
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA05
4J004AA10
4J004AA19
4J004AB01
4J004CA01
4J004CE01
4J004FA05
4J040EF181
4J040EF281
4J040HA066
4J040JA09
4J040JB09
4J040JB10
4J040KA16
4J040KA32
4J040NA19
(57)【要約】
【課題】十分に伸長させても良好な導電性を示し、かつ厚さ方向及び面方向に導電性を有する導電性粘着テープを提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一方の面に導電性粘着層を有する導電性粘着テープであって、前記導電性粘着テープの破断伸度が50%以上であり、前記導電性粘着層が導電性粒子を含有し、前記基材が導電性粒子を含有し、前記導電性粘着テープの引張伸度が50%の時の抵抗値が30Ω以下であることを特徴とする導電性粘着テープ。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の少なくとも一方の面に導電性粘着層を有する導電性粘着テープであって、
前記導電性粘着テープの破断伸度が50%以上であり、
前記導電性粘着層が導電性粒子を含有し、
前記基材が導電性粒子を含有し、
前記導電性粘着テープの引張伸度が50%の時の抵抗値が30Ω以下であることを特徴とする導電性粘着テープ。
【請求項2】
前記導電性粘着層が含有する前記導電性粒子がニッケル粒子である、
請求項1に記載の導電性粘着テープ。
【請求項3】
前記導電性粘着層が含有する前記導電性粒子の粒子径d50が、前記導電性粘着層の厚さの50~1000%である、
請求項1又は2に記載の導電性粘着テープ。
【請求項4】
前記導電性粘着層の前記導電性粒子の含有量が、前記導電性粘着層全体に対して0.01~10質量%であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の導電性粘着テープ。
【請求項5】
前記導電性粘着層が粘着剤を含有し、
前記粘着剤が、アクリル系粘着剤又は合成ゴム系粘着剤である、
請求項1又は2に記載の導電性粘着テープ。
【請求項6】
前記基材が含有する前記導電性粒子が銀粒子又は銀で被覆された粒子である、
請求項1又は2に記載の導電性粘着テープ。
【請求項7】
前記基材の前記導電性粒子の含有量が、前記基材全体に対して50~90質量%であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の導電性粘着テープ。
【請求項8】
前記基材が樹脂を含有し、
前記樹脂が、スチレン系樹脂又はウレタン樹脂である、
請求項1又は2に記載の導電性粘着テープ。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の導電性粘着テープを用いて固定された電子機器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性粘着テープ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性粘着テープは、電子機器部品を固定する用途に加えて、電気又は電子機器等から輻射する不要な漏洩電磁波のシールド用、他の電気又は電子機器から発生する有害な空間電磁波のシールド用、静電気帯電防止のアース用など幅広い用途で使用されている。近年では、ウエアラブルデバイスや人体に直接貼り合わせるセンサー、フレキシブルディスプレイにも導電性粘着テープが用いられるようになり、これらの用途で使用されている導電性粘着テープには、従来の性能に加えて伸縮性が求められる。
【0003】
そこで、ウエアラブルデバイスや人体に直接貼り合わせるセンサー、フレキシブルディスプレイに用いられる導電性粘着テープとして、伸縮性を有する導電性粘着テープが提案されている。(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
しかしながら、従来の伸縮性を有する導電性粘着テープは、ある程度伸ばされると抵抗値が急激に増大することや、十分に伸長せず破断してしまうことがあり、十分な伸縮性と導電性が両立できていないという問題があった。例えば、特許文献1の導電性粘着テープは導電性伸縮性布地が使用されているが、切断することなく伸長することができる伸度は少なくとも20%であり、伸長性が十分でない場合があった。また、特許文献2の導電性粘着テープは、伸長率が大きくなるにつれ抵抗値が非常に大きくなり、伸長時の導電性が十分でなかった。さらに、特許文献2の導電性粘着テープは接着層が導電性を有していないことから、厚さ方向への導電性が必要な用途で使用することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-101124号公報
【特許文献2】特開2019-527283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、十分に伸長させても良好な導電性を示し、かつ厚さ方向及び面方向に導電性を有する導電性粘着テープを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]基材の少なくとも一方の面に導電性粘着層を有する導電性粘着テープであって、前記導電性粘着テープの破断伸度が50%以上であり、前記導電性粘着層が導電性粒子を含有し、前記基材が導電性粒子を含有し、前記導電性粘着テープの引張伸度が50%の時の抵抗値が30Ω以下であることを特徴とする導電性粘着テープ。
【0008】
[2]前記導電性粘着層が含有する前記導電性粒子がニッケル粒子である、上記[1]に記載の導電性粘着テープ。
【0009】
[3]前記導電性粘着層が含有する前記導電性粒子の粒子径d50が、前記導電性粘着層の厚さの50~500%である、上記[1]又は上記[2]に記載の導電性粘着テープ。
【0010】
[4]前記導電性粘着層の前記導電性粒子の含有量が、前記導電性粘着層全体に対して0.1~10質量%であることを特徴とする、上記[1]から上記[3]の何れかに記載の導電性粘着テープ。
【0011】
[5]前記導電性粘着層が粘着剤を含有し、前記粘着剤が、アクリル系粘着剤又は合成ゴム系粘着剤である、上記[1]から上記[4]の何れかに記載の導電性粘着テープ。
【0012】
[6]前記基材が含有する前記導電性粒子が銀粒子又は銀で被覆された粒子である、上記[1]から上記[5]の何れかに記載の導電性粘着テープ。
【0013】
[7]前記基材の前記導電性粒子の含有量が、前記基材全体に対して50~90質量%であることを特徴とする、上記[1]から上記[6]の何れかに記載の導電性粘着テープ。
【0014】
[8]前記基材が樹脂を含有し、前記樹脂が、スチレン系樹脂又はウレタン樹脂である、上記[1]から上記[7]の何れかに記載の導電性粘着テープ。
【0015】
[9]上記[1]から上記[8]の何れかに記載の導電性粘着テープを用いて固定された電子機器
【発明の効果】
【0016】
本発明の導電性粘着テープによれば、導電性及び伸縮性を有する基材を用いており、かつ基材の少なくとも一方の面に導電性粘着層を有しているため、従来の導電性粘着テープよりも伸長時に良好な導電性示し、かつ厚さ方向及び面方向に導電性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の導電性粘着テープは、基材の少なくとも一方の面に導電性粘着層を有する導電性粘着テープであって、前記導電性粘着テープの破断伸度が50%以上であり、前記導電性粘着層が導電性粒子を含有し、前記基材が導電性粒子を含有し、前記導電性粘着テープの引張伸度が50%の時の抵抗値が30Ω以下であることを特徴とする導電性粘着テープである。
【0018】
本発明の導電性粘着テープは、上記の特徴を有することにより、伸長時に良好な導電性示し、かつ厚さ方向及び面方向に導電性を有する。
【0019】
以下に本発明の導電性粘着テープを、その構成要素に基づいて、更に詳しく説明する。
【0020】
本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートを意味する。
【0021】
「導電性粘着テープ」
本発明の導電性粘着テープは、前記基材の少なくとも一方の面に導電性粘着層を有する。また、前記導電性粘着テープは、必要により、前記基材の両面に導電性粘着層を有していてもよく、その場合導電性粘着層はそれぞれ同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。本発明の導電性粘着テープは、基材と粘着層の両方が導電性を有することにより、厚さ方向と面方向の両方に導電性を示すことから、面方向だけでなく厚さ方向への導電性が必要な用途で使用することができる。
【0022】
また、本発明の導電性粘着テープは破断伸度が50%以上であるため、伸縮性が求められる多くの用途への適用が可能である。さらに、本発明の導電性粘着テープは引張伸度が50%の時の抵抗値が30Ω以下であるため、伸長時も良好な導電性を維持しており、多くの電子機器への適用が可能である。
【0023】
<基材>
本発明における基材は単層構造であってもよく、2層、3層、又はそれ以上の複層構造であってもよい。
【0024】
前記基材は、破断応力が20~90MPaであり、好ましくは30~80MPaである。破断応力が20MPa以上であることにより、前記導電性粘着テープを伸長させた際に千切れることなく十分な導電性を発揮することができる。また、破断応力が90MPa以下であることにより、導電性粘着テープを伸長する際の応力が大きくなりすぎるのを避けることができる。
【0025】
前記基材の破断応力は、基材を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した応力値を指す。
【0026】
また、前記破断応力は、適宜材料を選択するとともに、基材の製造工程で延伸をかけるなどの方法で調整することができる。
【0027】
前記基材は、破断伸度が50~1000%であり、好ましくは100~800%である。破断伸度が50%以上であることにより、導電性粘着テープが導電性を維持しつつ、被着体に合わせて十分に伸長することができる。
【0028】
前記基材の破断伸度は、基材を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した応力値を指す。
【0029】
また、前記破断伸度は、適宜材料を選択するとともに、基材の製造工程で延伸をかけるなどの方法で調整することができる。
【0030】
前記基材は、厚さが5~100μmであり、好ましくは10~75μmであり、より好ましくは15~50μmである。基材の厚さが5μm以上であることにより、導電性粘着テープの強度を確保することができ、また、基材の厚さが100μm以下であることにより、厚さが厚すぎて導電性粘着テープを伸長しにくくなることを避けることができる。
【0031】
本発明における基材は、導電性粒子と樹脂とを含有するものであり、粘着テープに使用し得る公知の材料の中から適宜選択することができる。
【0032】
(導電性粒子)
前記導電性粒子としては、上記の特定の物性を有する基材を得ることができれば特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属粒子;金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属粒子の表面に金属被覆を有するもの;カーボン、グラファイト等の導電性樹脂;樹脂や中実ガラスビーズ、中空ガラスビーズの表面に金属被覆を有するもの等が使用できる。そのなかでも前記導電性粒子に銀粒子又は銀で被覆された粒子を使用すると、導電性粘着テープを伸長させた時の導電性に優れるためより好ましい。
【0033】
導電性粒子の形状としては球状、樹枝状、又は多数の金属粒子間で結合等を形成し連なった数珠状などが挙げられるが、中でも樹枝状が好ましい。
【0034】
導電性粒子の粒子径としては、特に限定されるものではないが、粒子径d50が1~20μmであることが好ましい。より好ましくは3~15μmであり、さらに好ましくは5~13μmであり、6~10μmであることが最も好ましい。なお、導電性粒子を2種以上混合する場合には、混合後の粒子径d50が上記範囲であることが好ましい。上記範囲の導電性粒子を用いることで、導電性粘着テープが良好な導電性を有することと導電性粘着テープを薄膜化することとを両立しやすい。
【0035】
前記粒子径d50は粒度分布における50%累積値を指し、レーザー解析・散乱法により測定される値である。測定装置としては日機装社製マイクロトラックMT3000II、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定器SALD-3000等があげられる。
【0036】
前記範囲の粒子径d50に調整する方法としては、例えば導電性粒子をジェットミルで粉砕する方法や篩等による篩分け法が挙げられる。
【0037】
金属粒子の粒子径d50は、基材の厚さの10~90%であることが好ましい。さらに好ましくは20~70%であり、最も好ましくは30~60%である。上記範囲の金属粒子を用いることで、基材が厚さ方向と面方向の両方に導電性を有し、かつ導電性粘着テープを伸長させた時に良好な導電性を維持しやすい。
【0038】
前記基材中の導電性粒子の含有量としては、特に限定されるものではないが、前記基材全体に対して、50~95質量%が好ましく、さらに好ましくは60~90質量%であり、より好ましくは70~85質量%である。導電性粒子の含有量を上記範囲にすることで、基材が厚さ方向と面方向の両方に導電性を有し、かつ導電性粘着テープを伸長させた時に良好な導電性を維持しやすい。
【0039】
(樹脂)
前記樹脂としては、上記の特定の物性を有する基材を得ることができれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン等のポリウレタン樹脂;スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリメチルペンテン;ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルイミド;ポリイミドフィルム;フッソ樹脂;ナイロン;アクリル樹脂などを使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上併用することが好ましい。
【0040】
これらの中でも、スチレン系樹脂、又はポリウレタン樹脂は、基材が好適な破断応力や破断伸度を得易いため好ましい。
【0041】
前記樹脂にスチレン系樹脂を使用する場合、前記樹脂におけるスチレン系樹脂が占める割合(質量%)としては、50~100質量%が好ましく、60~100質量%がより好ましく、70~100質量%が更に好ましく、80~100質量%が特に好ましい。スチレン系樹脂の割合が前記好ましい範囲内であることで、破断伸度や破断応力が優れた基材を得ることができる。
【0042】
前記スチレン系樹脂として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、スチレン系ブロック共重合体を使用することができる。
【0043】
上記スチレン系ブロック共重合体としては、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-プロピレンブロック共重合体及びその水添タイプなどが挙げられる。
【0044】
スチレン系ブロック共重合体を使用する場合、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算で測定された重量平均分子量が、50,000~500,000の範囲であるものを使用することが好ましく、60,000~400,000の範囲であるものを使用することがより好ましく、65,000~300,000の範囲であるものを使用することが更に好ましい。スチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量が前記好ましい範囲内であることで、スチレン系ブロック共重合体の加熱流動性や溶剤希釈時の相溶性良好となり、製造工程における作業性が良好でありながら、十分な伸縮性を備えた基材を得ることができるため好ましい。
【0045】
スチレン系ブロック共重合体の製造方法としては、特に制限なく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、アニオンリビング重合法で逐次重合する方法、リビング性活性末端を有するブロック共重合体を製造した後にカップリング剤と反応させてカップリングしたブロック共重合体を製造する方法などが挙げられる。
【0046】
前記樹脂にポリウレタン樹脂を使用する場合、前記樹脂におけるポリウレタン樹脂が占める割合(質量%)としては50~100質量%が好ましく、60~100質量%がより好ましく、70~100質量%が更に好ましく、80~100質量%が特に好ましい。ポリウレタン樹脂の割合が前記好ましい範囲内であることで、破断伸度や破断応力が優れた基材を得ることができる。
【0047】
前記ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、ポリオールとポリイソシアネートとの反応物を好適に使用することができる。
【0048】
ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるポリエステル、ε-カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。
【0050】
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な低分子量のポリオールとしては、例えば、概ね重量平均分子量が60~280程度である、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール等の脂肪族アルキレングリコールや、シクロヘキサンジメタノールなどを使用することができる。
【0051】
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びそれらの無水物又はエステル化物などが挙げられる。
【0052】
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
【0053】
ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等を使用することができ、脂環式ポリイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナートエチル)-4-シクロヘキシレン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、反応容器に仕込んだポリオールを、常圧又は減圧条件下で加熱することにより水分を除去した後、ポリイソシアネートを一括又は分割して供給し反応させる方法などが挙げられる。
【0056】
(その他の成分)
前記基材におけるその他の成分としては、特に制限はなく、導電性粘着テープの特性を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、粘着付与樹脂;架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の充填剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記基材におけるその他の成分の含有量としては、導電性粘着テープの特性を損なわない範囲で適宜選択することができる。
【0057】
<導電性粘着層>
本発明における導電性粘着層は、単層構造であってもよく、2層、3層、又はそれ以上の複層構造であってもよい。
【0058】
前記導電性粘着層は、破断応力が1~10MPaであり、好ましくは2~8MPaであり、より好ましくは3~6MPaである。破断応力が1MPa以上であることにより、前記導電性粘着テープを伸長させた際に千切れることなく十分な導電性を発揮することができる。また、破断応力が10MPa以下であることにより、導電性粘着テープの伸長に良好に追従することができる。
【0059】
前記導電性粘着層の破断応力は、導電性粘着層を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した応力値を指す。
【0060】
前記導電性粘着層は、破断伸度が300~1200%であり、好ましくは400~1500%であり、より好ましくは500~1000%である。破断伸度が300%以上であることにより、導電性粘着テープが導電性を維持しつつ、接着している被着体に合わせて十分に伸長することができる。
【0061】
前記導電性粘着層の破断伸度は、導電性粘着層を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した引張伸び率を指す。
【0062】
前記導電性粘着層は、厚さが2~50μmであり、好ましくは3~30μmであり、より好ましくは5~20μmである。厚さが2μm以上であることにより、導電性粘着テープが十分な接着力を示し、また、厚さが50μm以下であることにより、導電性粘着テープが優れた導電性と加工性を有する。
【0063】
本発明における導電性粘着層は、導電性粒子と粘着剤を含有するものが好ましく、粘着テープに使用し得る公知の材料の中から適宜選択することができる。
【0064】
(導電性粒子)
前記導電性粒子としては、上記の特定の物性を有する導電性粘着層を得ることができれば特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属粒子;金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属粒子の表面に金属被覆を有するもの;カーボン、グラファイト等の導電性樹脂;樹脂や中実ガラスビーズ、中空ガラスビーズの表面に金属被覆を有するもの等が使用できる。そのなかでもニッケルや銅や銀などの金属粒子が好ましく、なかでもニッケルからなる粒子が導電性、接着性、生産性に優れるためさらに好ましい。さらに好ましいものとしては、カーボニル法で製造される粒子表面に多数の針状形状を有する表面針状形状のニッケル粒子や、当該表面針状粒子を平滑化処理して球状粒子としたものや、超高圧旋回水アトマイズ法で製造される銅粉や銀粉が挙げられる。これらの導電性粒子は2種類以上混合して使用してもよい。
【0065】
前記導電性粒子の形状としては球状、表面針状形状、又は多数の導電性粒子間で結合等を形成し連なった数珠状などが挙げられるが、中でも球状又は数珠状が好ましい。
【0066】
前記導電性粒子の粒子径としては、特に限定されるものではないが、粒子径d50が5~50μmであることが好ましい。より好ましくは7~40μmであり、さらに好ましくは10~30μmである。なお、導電性粒子を2種以上混合する場合には、混合後の粒子径d50が上記範囲であることが好ましい。上記範囲の導電性粒子を用いることで、導電性粘着テープが接着性と導電性を両立しやすい。
【0067】
前記粒子径d50は粒度分布における50%累積値を指し、レーザー解析・散乱法により測定される値である。測定装置としては日機装社製マイクロトラックMT3000II、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定器SALD-3000等があげられる。
【0068】
前記範囲の粒子径d50に調整する方法としては、例えば導電性粒子をジェットミルで粉砕する方法や篩等による篩分け法が挙げられる。
【0069】
前記導電性粒子の粒子径d50は、導電性粘着層の厚さの50~1000%であることが好ましい。さらに好ましくは100~800%であり、最も好ましくは300~700%である。上記範囲の導電性粒子を用いることで、導電性粘着層が厚さ方向に導電性を有し、かつ伸長時に良好な導電性を維持しやすい。
【0070】
前記導電性粘着層中の前記導電性粒子の含有量としては、特に限定されるものではないが、粘着剤層全体に対して、0.01~10質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.3~3.0質量%である。導電性粒子の含有量を上記範囲にすることで、導電性粘着層が厚さ方向に導電性を有し、かつ伸長時に良好な導電性を維持しやすい。
【0071】
(粘着剤)
前記粘着剤としては、上記の特定の物性を有する導電性粘着層を得ることができれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。中でも粘着剤としては、合成ゴム系粘着剤とアクリル粘着剤を使用することが好ましい。合成ゴム系粘着剤としては、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体から成るビニル芳香族系ブロック共重合体等の合成ゴムを含有するものを使用することが好ましい。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリレート単独又は(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体等のアクリル系共重合体を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着剤は、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤を配合できる。
【0072】
前記合成ゴムとして、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体から成るビニル芳香族系ブロック共重合体を使用する場合には、ハードセグメントとして芳香族ビニル単量体単位からなる重合体ブロックが挙げられ、例えばスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン等から成る重合体ブロックが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0073】
前記芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体から成るビニル芳香族系ブロック共重合体を構成するソフトセグメントとしては、共役ジエン単量体単位からなる重合体ブロックが挙げられ、例えばブタジエン、イソブテン、イソプレン等の不飽和炭化水素やこれらの水素添物等から成る重合体ブロックが挙げられる。
【0074】
芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体から成るビニル芳香族系ブロック共重合体の具体例としては、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体及びこれらの水添タイプなどが挙げられる。
【0075】
前記ビニル芳香族系ブロック共重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは50,000~500,000の範囲であり、より好ましくは100,000~400,000の範囲である。
【0076】
前記ビニル芳香族系ブロック共重合体の製造方法としては、特に制限なく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、アニオンリビング重合法で逐次重合する方法、リビング性活性末端を有するブロック共重合体を製造した後にカップリング剤と反応させてカップリングしたブロック共重合体を製造する方法などが挙げられる。
【0077】
前記アクリル系共重合体として、(メタ)アクリレート単独又は(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体を使用する場合には、アルキル基の炭素数1~14の(メタ)アクリレートモノマーを主たるモノマー成分とするアクリル系共重合体を好ましく使用でき、炭素数1~14の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のモノマーがあげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。なかでも、アルキル基の炭素数が4~12の(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が4~9の直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリレートが更に好ましい。なかでもn-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートを好ましく使用でき、これらは各々単独で使用しても併用してもよい。
【0078】
前記アクリル系共重合体中のアルキル基の炭素数1~14の(メタ)アクリレートの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の80~98.5質量%であることが好ましく、90~98.5質量%であることがより好ましい。
【0079】
また、前記アクリル系共重合体は高極性ビニルモノマーを共重合することも好ましく、高極性ビニルモノマーとしては、カルボキシル基を有するビニルモノマー、水酸基を有するビニルモノマー、アミド基を有するビニルモノマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。なかでもカルボキシル基含有モノマーは粘着剤の接着性を好適な範囲に調整しやすいため好ましく使用できる。
【0080】
カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが好ましい。
【0081】
カルボキシル基を有するビニルモノマーを使用する場合には、その含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の0.2~15質量%であることが好ましく、0.4~10質量%であることがより好ましく、0.5~6質量%であることが更に好ましい。当該範囲で含有することにより、粘着剤の接着性を好適な範囲に調整しやすい。
【0082】
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。
【0083】
また、アミド基を有するモノマーとしては、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、等が挙げられる。
【0084】
その他の高極性ビニルモノマーとして、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有モノマー、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の末端アルコキシ変性(メタ)アクリレートがあげられる。
【0085】
高極性ビニルモノマーの含有量は、その総量が前記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の0.2~15質量%であることが好ましく、0.4~10質量%であることがより好ましく、0.5~6質量%であることが更に好ましい。当該範囲で含有することにより、粘着剤の接着性を好適な範囲に調整しやすい。
【0086】
前記アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など公知の方法で共重合させることにより得ることができる。
【0087】
前記アクリル系共重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは100,000~1,500,000の範囲であり、より好ましくは400,000~1,000,000の範囲である。
【0088】
本発明の導電性粘着テープにおける(メタ)アクリル系粘着剤は、凝集力向上のため3次元架橋構造を形成するのが好ましい。架橋構造形成の指標として、(メタ)アクリル系粘着剤の良溶媒であるトルエンに24時間浸漬した後の不溶分で表されるゲル分率を用いる。その場合、30~80質量%であることが好ましく、より好ましくは40~70質量%である。ゲル分率が当該範囲であることにより、粘着剤の接着性を好適な範囲に調整しやすい。
【0089】
ゲル分率は、以下の式で算出する。
ゲル分率(質量%)={(トルエンに浸漬した後の粘着剤質量)/(トルエンに浸漬する前の粘着剤質量)}×100
*粘着剤質量=(導電性粘着テープの質量)-(基材の質量)-(導電性粒子の質量)
【0090】
架橋構造の形成には、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤など、公知の架橋剤などが挙げられる。架橋剤の種類は、前述の単量体成分の官能基に応じて選定するのが好ましい。架橋剤の添加量としては、ゲル分率を30~80質量%に調整できる量であれば特に規定はしない。
【0091】
(粘着付与樹脂)
さらに、導電性粘着テープの粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加しても良い。本発明で使用する粒子分散型の粘着剤に添加する粘着付与樹脂は、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族(C5系)や芳香族(C9系)などの石油樹脂、スチレン系樹脂フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、メタクリル系樹脂などが挙げられる。そのなかでも、ロジン系樹脂が好ましく、特に重合ロジン系樹脂が好ましい。粘着付与樹脂の添加量としては、(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、1~40質量%添加するのが好ましい。
【0092】
(その他の成分)
粘着剤におけるその他の成分としては、特に制限はなく、導電性粘着テープの特性を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、老化防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の充填剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0093】
<導電性粘着テープ>
本発明の導電性粘着テープは、基材と、当該基材の少なくとも一方の表面に導電性粘着層とを備えるものであれば、その形状・寸法は特に限定されず、例えば、所定の被着体へ貼り付けるために適した形状・寸法を有する導電性粘着テープ(例えば打ち抜き加工された後の状態の導電性粘着テープ)、及びシート状の長尺の導電性粘着テープ(例えば特定の形状に加工される前の導電性粘着テープ)が含まれる。
【0094】
本発明の導電性粘着テープは、導電性粘着層が厚さ方向に導電性を有しており、かつ基材が厚さ方向と面方向の両方に導電性を有していることで、導電性粘着テープとして厚さ方向と面方向の両方に導電性を示す。
【0095】
前記導電性粘着テープの厚さとしては、特に制限はなく、導電性粘着層及び基材の厚さなどに応じて適宜選択することができるが、10~150μmであることが好ましく、20~100μmであることがより好ましく、25~75μmであることが更に好ましく、30~60μmであることが特に好ましい。導電性粘着テープの厚さが20~60μmであることにより、導電性粘着テープが優れた導電性と加工性を有する。
【0096】
前記導電性粘着テープは、破断応力が20~90MPaであり、好ましくは30~80MPaである。破断応力が20MPa以上であることにより、前記導電性粘着テープを伸長させた際に千切れることなく十分な導電性を発揮することができる。また、破断応力が90MPa以下であることにより、導電性粘着テープを伸長する際の応力が大きくなりすぎるのを避けることができる。
【0097】
前記導電性粘着テープの破断応力は、前記導電性粘着テープを、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した応力値を指す。
【0098】
前記導電性粘着テープは、破断伸度が50~1000%であり、好ましくは100~800%である。破断伸度が50%以上であることにより、導電性粘着テープが導電性を維持しつつ、接着している被着体に合わせて十分に伸長することができる。
【0099】
前記導電性粘着テープの破断伸度は、導電性粘着テープを、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した引張伸び率を指す。
【0100】
前記導電性粘着テープの伸長前の抵抗値は、用途に合わせて適宜変化しうるが、例えば抵抗値が0.01~10Ωであり、好ましくは0.01~8Ωであり、より好ましくは0.01~5Ωである。導電性粘着テープの抵抗値が上記範囲であれば、多くの電子機器で使用可能である。
【0101】
前記導電性粘着テープを伸長させたときの抵抗値は、用途に合わせて適宜変化しうるが、例えば導電性粘着テープの引張伸度が25%の時は、0.01~20Ωが好ましく、0.01~10Ωが更に好ましい。導電性粘着テープの引張伸度が50%の時は、0.01~30Ωが好ましく、0.01~10Ωが更に好ましい。導電性粘着テープの引張伸度が75%の時は、0.01~50Ωが好ましく、0.01~30Ωが更に好ましい。導電性粘着テープの引張伸度が50%の時の抵抗値が30Ω以下であれば、導電性粘着テープが伸長時も良好な導電性を維持しており多くの電子機器で使用可能である。
【0102】
前記導電性粘着テープの伸長前及び伸長時の抵抗値の測定方法は下記の通りである。
まず、前記導電性粘着テープを長さ50mm、幅10mmの短冊状に打ち抜く。前記導電性粘着テープの両端部に、金属端子間の距離が20mmになるように、金属端子(銅箔)を貼り合わせて試験片を作成する。前記試験片を23℃、50%RH下で1時間放置後、23℃、50%RH下で前記試験片の金属端子間の抵抗値を抵抗値計(日東精工アナリテック社製、ロレスタ-GX MCP-T700 低抵抗 抵抗率計)で測定する。この時の測定値を、伸長前の抵抗値とする。次に、23℃、50%RH下でテンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、前記試験片を引張速度50mm/分間で引張伸度が25%になるまで伸長し、その時の抵抗値を測定する。同様にして、引張伸度が50%、75%のときの抵抗値を測定する。
なお、前記金属端子は、導電性粘着テープの導電性粘着層の表面のみに貼り合わせる。本発明の導電性粘着テープは、導電性粘着層が厚さ方向に導電性を有し、かつ基材が厚さ方向と面方向の両方に導電性を有することによって、導電性粘着テープの厚さ方向と面方向の両方に通電するため、金属端子を導電性粘着層の表面のみに貼り合わせた際の金属端子間の抵抗値を測定することが可能である。
【0103】
前記導電性粘着テープを伸長させたときの抵抗値の変動としては、伸長前の抵抗値を1とすると、導電性粘着テープの引張伸度が25%の時の抵抗値は、1.0~3.0倍が好ましく、1.0~2.0倍が更に好ましい。導電性粘着テープの引張伸度が50%の時の抵抗値は、1.0~8.0倍が好ましく、1.0~4.0倍が更に好ましい。導電性粘着テープの引張伸度が75%の時の抵抗値は、1.0~15.0倍が好ましく、1.0~7.0倍が更に好ましい。導電性粘着テープの引張伸度が50%の時の抵抗値の変動が上記範囲であれば、導電性粘着テープが伸長時も良好な導電性を維持しており多くの電子機器で使用可能である。
【0104】
「導電性粘着テープの製造方法」
本発明において、導電性粘着テープの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができる。本発明の導電性粘着テープの製造方法では、基材の製造工程と、導電性粘着層の製造工程と、導電性粘着層と基材との積層工程とを含むことが好ましく、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
【0105】
(基材の製造工程)
本発明の基材の製造工程は、少なくとも、樹脂に導電性粒子を分散させる工程と、剥離シートなどに樹脂を塗布して基材を形成する工程と、を含むことが好ましい。
【0106】
前記基材に含まれる樹脂に前記導電性粒子を分散する方法としては、分散攪拌機で分散する方法が挙げられる。市販の分散攪拌機としては、井上製作所製ディゾルバー、バタフライミキサー、BDM2軸ミキサー、プラネタリーミキサーが挙げられる。そのなかでも撹拌中の樹脂の増粘が少ない中程度のシェアをかけられるディゾルバーやバタフライミキサーが好ましい。
【0107】
前記基材を形成する工程は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートプレス法、押し出し成型によるキャスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法、カレンダー法、溶液法などが挙げられる。これらの方法は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0108】
なお、前記基材は、前記導電性粘着層との密着性をより一層向上させることを目的として、表面処理が施されたものであってもよい。
【0109】
表面処理法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から、導電性粘着テープの特性を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、表面研磨・摩擦法、コロナ放電処理法、クロム酸処理法、火炎処理法、熱風処理法、オゾン処理法、紫外線照射処理法、酸化処理法などが挙げられる。
【0110】
(導電性粘着層の製造工程)
本発明の導電性粘着層の製造工程は、少なくとも、粘着剤に導電性粒子を分散させる工程と、剥離シートや基材などに粘着剤を塗布して導電性粘着層を形成する工程と、を含むことが好ましい。
【0111】
前記導電性粘着層に含まれる粘着剤に前記導電性粒子を分散する方法としては、分散攪拌機で分散する方法が挙げられる。市販の分散攪拌機としては、井上製作所製ディゾルバー、バタフライミキサー、BDM2軸ミキサー、プラネタリーミキサーが挙げられる。そのなかでも撹拌中の粘着剤の増粘が少ない中程度のシェアをかけられるディゾルバーやバタフライミキサーが好ましい。
【0112】
前記導電性粘着層を形成する工程は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剥離シートの表面に、ヒートプレス法、押し出し成型によるキャスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法、カレンダー法、溶液法などの方法により導電性粘着層を形成する方法などが挙げられる。
【0113】
剥離シートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン(二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、一軸延伸ポリプロピレン(CPP))、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルム;前記紙と樹脂フィルムとを積層したラミネート紙、前記紙にクレーやポリビニルアルコールなどで目止め処理を施したもの;これらの片面若しくは両面に、シリコーン系樹脂等の剥離処理を施したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0114】
(導電性粘着層と基材との積層工程)
導電性粘着層と基材との積層工程は、基材と、導電性粘着層とを積層する工程である。基材と導電性粘着層とを積層する方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができる。例えば、基材に粘着剤を直接塗布し、導電性粘着層の形成と、電性粘着層と基材の積層工程とを同時に行う方法や、導電性粘着層を製造したのち導電性粘着層と基材とを加圧してラミネートする方法などが挙げられる。
【0115】
「導電性粘着テープの用途」
本発明の導電性粘着テープは、上記したように伸長時に良好な導電性示し、かつ厚さ方向及び面方向に導電性を有するため、導体回路および配線以外にも、体外デバイス、体表デバイス、電子皮膚デバイス、体内デバイス等のウエアラブルデバイス用の導電体の形成に好適に用いることができる。また、フレキシブルプリント基板の電極に適用し、感圧センサーやタッチセンサー、またはアンテナ配線用等に利用することもできる。さらに、フレキシブルディスプレイ等の導電体の層を形成するのにも適している。
本発明の導電性粘着テープは、導電性粘着テープを用いて部品と部品とを固定すること以外に、ウエアラブルデバイスのような用途では直接皮膚と部品とを固定することにも適用できる。
【実施例0116】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。各実施例及び比較例で得られた、導電性粘着テープの測定は、次の方法に基づいて行った。結果は下記表1、表2に示す。
なお、表1、表2中の「-」は、該当しない項目または測定できなかったことを示す。
【0117】
(導電性粘着テープの破断伸度測定)
各導電性粘着テープ及び各試験片を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エ-・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張ることで、各導電性粘着テープ及び各試験片の破断伸度を測定した。
【0118】
(導電性粘着テープの抵抗値測定)
各導電性粘着テープ及び各試験片を長さ50mm、幅10mmの短冊状に打ち抜き、金属端子間の距離が20mmになるように、両端部に縦20mm×横10mmの金属端子(銅箔、厚さ35μm)を貼り合わせた。
次に、金属端子を貼り合わせた各導電性粘着テープ及び各試験片を23℃、50%RH下で1時間放置した後、23℃、50%RH下で金属端子間の抵抗値を抵抗値計(日東精工アナリテック社製、ロレスタ-GX MCP-T700 低抵抗 抵抗率計)で測定した。この時の測定値を伸長前の抵抗値とした。次に、23℃、50%RH下でテンシロン引張試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、金属端子を貼り合わせた各導電性粘着テープ及び各試験片を引張速度50mm/分間で引張伸度が25%になるまで伸長し、その時の抵抗値を測定した。同様にして、引張伸度が50%、75%のときの抵抗値を測定した。
【0119】
(導電性粘着テープの接着力測定)
各導電性粘着テープ及び各試験片の接着力は、JIS-Z0237(2000)の180度引き剥がし接着力の試験方法に従って下記の手順により求めた。
各導電性粘着テープ及び各試験片を、幅20mmの大きさに裁断した。
次に、各導電性粘着テープ及び各試験片の片面側を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした。
次に、環境温度23℃及び湿度50%の条件下、前記裏打ちされた各導電性粘着テープ及び各試験片を、ステンレス板(SUS板)に貼付し、その上面を2kgのローラーで1往復しそれらを圧着させ、その後、上記温度下に1時間放置した。
前記裏打ちされた各導電性粘着テープ及び各試験片を、テンシロン引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、上記と同一の温度湿度条件下、で300mm/minの速度で引き剥がすことによって、180度引き剥がし接着力を測定した。
【0120】
続いて、実施例、比較例で用いた各材料等は下記のとおりである。
【0121】
(粘着剤組成物の調製)
冷却管、撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えた反応容器にn-ブチルアクリレート75.0質量部、2-エチルヘキシルアクリレート19.0質量部、酢酸ビニル3.9質量部、アクリル酸2.0質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、及び、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチルニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換した後、80℃で12時間重合することによって、重量平均分子量60万のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
【0122】
前記アクリル系重合体の酢酸エチル溶液の固形分100質量部に対し、ペンセルD-135(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンペンタエリスリトールエステル、軟化点135℃)10質量部、スーパーエステルA-100(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジングリセリンエステル、軟化点100℃)10質量部を配合し、酢酸エチルを用いて、アクリル系重合体の固形分濃度を40質量%に調製することによってアクリル系粘着剤組成物を得た。
【0123】
(導電性粘着剤組成物Aの調製)
前記アクリル系粘着剤組成物(固形分濃度40質量%)100質量部と、数珠状導電性粒子として福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:26.0μm)0.4質量部と、架橋剤としてバーノックNC40(DIC株式会社製のイソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2質量部と、希釈溶剤として酢酸エチルを70質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤組成物Aを調製した。
【0124】
(導電性粘着剤組成物Bの調製)
前記アクリル系粘着剤組成物(固形分濃度40質量%)100質量部と、球状導電性粒子として福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI123(d50:12.0μm)0.4質量部と、架橋剤としてバーノックNC40(DIC株式会社製のイソシアネート系架橋剤、固形分濃度40質量%)2質量部と、希釈溶剤として酢酸エチルを70質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤組成物Bを調製した。
【0125】
(基材組成物Cの調製)
スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)樹脂(日本ゼオン株式会社製、クインタック3620)をトルエンに希釈してトルエン溶液(固形分濃度40質量%)を得た。次に前記トルエン溶液(固形分濃度40質量%)100質量部と、球状導電性粒子として福田金属箔粉工業社製銀コート銅粉(粉末形状:樹枝状、銀コート量:20質量%、d50:8.9μm)160質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって基材組成物Cを調製した。
【0126】
(実施例1)
導電性粘着剤組成物Aを、ニッパ株式会社製の剥離フィルム「PET38×1 A3」上に、乾燥後の導電性粘着層の厚さが5μmとなるようにコンマコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥器中で2分間乾燥させることによって、導電性粘着層を作成した。
【0127】
次に、基材組成物Cを、ニッパ株式会社製の剥離フィルム「PET38×1 A3」上に、乾燥後の導電性粘着層の厚さが30μmとなるようにコンマコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥器中で5分間乾燥させることによって、基材を作成した。
【0128】
基材の剥離フィルムを剥離後、当該基材の両面に、前記導電性粘着層を貼り合わせたのち、40℃で48時間養生することによって、導電性粘着テープ1を得た。
【0129】
(実施例2)
乾燥後の導電性粘着層の厚さを10μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着テープ2を得た。
【0130】
(実施例3)
乾燥後の基材の厚さを20μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着テープ3を得た。
【0131】
(実施例4)
乾燥後の基材の厚さを10μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着テープ4を得た。
【0132】
(実施例5)
導電性粘着剤組成物Aの代わりに導電性粘着剤組成物Bを用いて、かつ乾燥後の導電性粘着層の厚さを10μmにしたこと以外は、実施例4と同様の方法で導電性粘着テープ5を得た。
【0133】
(比較例1)
基材組成物Cを、ニッパ株式会社製の剥離フィルム「PET38×1 A3」上に、乾燥後の厚さが30μmとなるようにコンマコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥器中で5分間乾燥させることによって、基材を得た。得られた基材を試験片1とした。
【0134】
(比較例2)
導電性粘着剤組成物Aを、ニッパ株式会社製の剥離フィルム「PET38×1 A3」上に、乾燥後の厚さが5μmとなるようにコンマコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥器中で2分間乾燥させることによって、導電性粘着層を得た。得られた導電性粘着層を試験片2とした。
【0135】
(比較例3)
導電性粘着剤組成物Aを、ニッパ株式会社製の剥離フィルム「PET38×1 A3」上に、乾燥後の導電性粘着層の厚さが5μmとなるようにコンマコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥器中で2分間乾燥させた後、厚さ20μmの導電性不織布(ポリエステル系不織布にニッケルメッキが施された不織布)の両面に貼り合わせたのち、40℃で48時間養生することによって導電性粘着テープ6を得た。
【0136】
(比較例4)
導電性粘着剤組成物Aを、ニッパ株式会社製の剥離フィルム「PET38×1 A3」上に、乾燥後の導電性粘着層の厚さが5μmとなるようにコンマコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥器中で2分間乾燥させた後、厚さ15μmの電解銅箔(福田金属箔粉工業株式会社製、CF-T9FZ-HS-12)の両面に貼り合わせたのち、40℃で48時間養生することによって導電性粘着テープ7を得た。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
上記表1、表2の実験結果から、本発明の導電性粘着テープは、比較例に対して十分に伸長させても良好な導電性を示し、かつ厚さ方向及び面方向に導電性を有することが確認された。