(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106077
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】情報収集装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240731BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010168
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松橋 悠汰
(72)【発明者】
【氏名】菅原 勉
(72)【発明者】
【氏名】林 成久
(72)【発明者】
【氏名】榎本 忠
【テーマコード(参考)】
5F045
【Fターム(参考)】
5F045AA06
5F045DP19
5F045DP28
5F045DQ05
5F045EM10
5F045GB04
5F045GB05
5F045GB06
5F045GB15
(57)【要約】
【課題】基板処理装置に後付け可能な、基板処理装置に関する情報を収集する情報収集装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置と通信可能な情報収集装置であって、前記情報収集装置を動作させる電力を供給する電源ユニットと、前記基板処理装置の状態を検知可能なセンサーに接続され、前記センサーが検出した前記基板処理装置の状態を示すセンサーデータを入力する入力ユニットと、前記センサーデータの伝送を中継する中継ユニットと、前記中継ユニットを介して前記入力ユニットが入力したセンサーデータを収集する制御ユニットと、を有する、情報収集装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置と通信可能な情報収集装置であって、
前記情報収集装置を動作させる電力を供給する電源ユニットと、
前記基板処理装置の状態を検知可能なセンサーに接続され、前記センサーが検出した前記基板処理装置の状態を示すセンサーデータを入力する入力ユニットと、
前記センサーデータの伝送を中継する中継ユニットと、
前記中継ユニットを介して前記入力ユニットが入力したセンサーデータを収集する制御ユニットと、
を有する、情報収集装置。
【請求項2】
前記情報収集装置は、前記基板処理装置に着脱可能に配置される、
請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記情報収集装置は、前記基板処理装置に組み込まれた制御装置とは独立して又は前記制御装置と連携して前記センサーデータを収集する、
請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記入力ユニットに接続されるセンサーは、前記基板処理装置に予め取り付けられ、前記制御装置に接続されている第1センサーとは別の、前記基板処理装置に増設した1以上の第2センサーである、
請求項3に記載の情報収集装置。
【請求項5】
前記第2センサーは、前記第1センサーが配置された位置とは異なる前記基板処理装置の位置に取り付けられる、
請求項4に記載の情報収集装置。
【請求項6】
前記制御ユニットは、収集した前記第2センサーのセンサーデータ及び/又は収集した前記第2センサーのセンサーデータから解析した結果の少なくともいずれかを前記制御装置に伝送する、
請求項4に記載の情報収集装置。
【請求項7】
前記情報収集装置は、有線又は無線により前記基板処理装置と通信可能である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項8】
前記センサーデータを前記入力ユニットから前記中継ユニットへ無線で伝送する際に使用する電力を供給する環境発電デバイスを有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記入力ユニットが入力したセンサーデータに加えて、前記中継ユニットを介して又は前記中継ユニットを介さずに、撮像装置が前記基板処理装置を撮像した撮像データを前記センサーデータとして収集する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、基板処理装置に含まれる複数の処理ユニットそれぞれについて、基板処理に関するプロセスを実行した際に処理ユニットに設けられたセンサーによって検出されたプロセスデータを収集し、管理装置へ送信する状態報告装置を提案する。
【0003】
例えば、特許文献2は、少なくとも1つのセンサー、第1データ通信ポート及び第2データ通信ポートを有するツールを含む半導体製造デバイスからのデータを処理する方法を提案する。前記方法は、第1ポートを通じてツールへの操作命令を実行するステップと、センサーデータを検出し、その後レポートするための、少なくとも1つのセンサーを操作するステップと、第2ポートを通じて、コンピュータ実行されたデータ取得工程へセンサーデータを通信するステップとを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-149438号公報
【特許文献2】特開2002-15969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、基板処理装置に後付け可能な、基板処理装置に関する情報を収集する情報収集装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、基板処理装置と通信可能な情報収集装置であって、前記情報収集装置を動作させる電力を供給する電源ユニットと、前記基板処理装置の状態を検知可能なセンサーに接続され、前記センサーが検出した前記基板処理装置の状態を示すセンサーデータを入力する入力ユニットと、前記センサーデータの伝送を中継する中継ユニットと、前記中継ユニットを介して前記入力ユニットが入力したセンサーデータを収集する制御ユニットと、を有する、情報収集装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、基板処理装置に後付け可能な、基板処理装置に関する情報を収集する情報収集装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報収集装置及びセンサーの一例を示す図。
【
図2】一実施形態に係る情報収集装置を配置した基板処理装置の一例を示す模式図。
【
図3】一実施形態に係る環境発電デバイスを有する情報収集装置の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
[はじめに]
基板処理装置には、処理容器内でプロセスを実行するときに基板処理装置を制御する装置が組み込まれている。また、基板処理装置には、基板処理装置の状態を検知するセンサーが予め組み込まれている。制御装置は、組み込まれたセンサーによって検出されるセンサーデータを収集し、収集したセンサーデータを記憶する機能と他の端末と通信する機能を有する。
【0011】
組み込まれたセンサーとは異なる位置に追加のセンサーを取り付け、かつ、追加のセンサーによって検出されたセンサーデータを収集する装置を基板処理装置に組み入れ、センサーデータの収集を行うには基板処理装置に大きな改造を要し、費用や時間がかかる。したがって、これまでは基板処理装置に予め組み込まれたセンサー及び制御装置を使用してセンサーデータを取得することに留まり、追加のセンサーや情報収集装置を基板処理装置に後付けで増設することは困難であった。そこで、一実施形態では、基板処理装置に後付け可能な情報収集装置及びセンサーを提供する。以下に、一実施形態に係る情報収集装置及びセンサーについて説明する。
【0012】
[情報収集装置及びセンサー]
基板処理装置に後付け可能な情報収集装置10及びセンサー20について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態に係る情報収集装置10及びセンサー20の一例を示す図である。
【0013】
情報収集装置10は、基板処理装置とは別体に構成され、基板処理装置から独立して動作することができる。これにより、基板処理装置の価格を上げることなく、基板処理装置へ情報収集装置10及びセンサー20を容易に後付けすることができる。
【0014】
以下、情報収集装置10の内部構成について説明する。情報収集装置10は、電源ユニット11、制御ユニット12、HUB13、ゲートウェイ14、マルチプレクサー15、アナログ入力回路16を有する。
【0015】
電源ユニット11は、基板処理装置から独立して情報収集装置10を動作させる電力を供給する。
【0016】
マルチプレクサー15及びアナログ入力回路16は、基板処理装置に取り付けられたセンサー等、基板処理装置の状態を検知可能なセンサーに接続され、センサーが検出した基板処理装置の状態を示すセンサーデータを入力する。
【0017】
ゲートウェイ14にはマルチプレクサー15が接続可能である。マルチプレクサー15は、温度センサー21、湿度センサー22、圧力センサー23、振動センサー24、距離センサー25等のセンサーに接続され、温度、湿度、圧力、振動、距離等の各センサーデータを持つデジタル信号を入力する。例えば、温度センサー21は赤外線温度計センサー(放射温度計センサー)等であってよく、距離センサー25はレーザ距離センサー等であってよい。ただし、マルチプレクサー15に接続されるセンサー20は上記センサー22~25に限らない。マルチプレクサー15は入力した各センサーデータのデジタル信号を処理し、2以上のデジタル信号に多重化して出力する。
【0018】
ゲートウェイ14にはアナログ入力回路(基板)16が接続可能である。アナログ入力回路16は、高速振動センサー26、27等のセンサーに接続され、高速振動信号等のアナログ信号を受信する。ただし、アナログ入力回路16に接続されるセンサーは上記センサー26、27に限らない。アナログ入力回路16は、アナログ信号をデジタル信号に変換し、出力する。
【0019】
マルチプレクサー15及びアナログ入力回路16は、基板処理装置に取り付けられたセンサー等、基板処理装置の状態を検知可能なセンサーに接続され、センサーが検出した基板処理装置の状態を示すセンサーデータを入力する入力ユニットの一例である。
【0020】
HUB13及びゲートウェイ14は、入力ユニットから伝送されるセンサーデータを中継する中継ユニットの一例である。ゲートウェイ14は、有線・無線を問わず末端のセンサー20との通信を行う機器であり、例えば異なるネットワーク同士を中継する。
【0021】
ゲートウェイ14は、マルチプレクサー15とI2C(Inter-Integrated Circuit)方式により通信を行う。ゲートウェイ14は、アナログ入力回路16とUSB(Universal Serial Bus)により接続されている。制御ユニット12は、HUB13を介してゲートウェイ14に接続されている。HUB13は、ゲートウェイ14が伝送するセンサーデータを制御ユニット12に伝送する。ゲートウェイ14及びHUB13は、マルチプレクサー15及びアナログ入力回路16が入力したセンサーデータを伝送する中継器の一例である。
【0022】
図1の例では、ゲートウェイ14とHUB13とは1対1に接続されているが、これに限らない。ゲートウェイ14には拡張性があり、複数に増やすことができ、ゲートウェイ14とHUB13とはn対1(nは1より大きい整数)に接続することができる。ゲートウェイ14を増設することにより、基板処理装置に取り付ける追加のセンサー20の個数について上限をなくすことができる。
【0023】
制御ユニット12は、ゲートウェイ14及びHUB13を介してマルチプレクサー15及びアナログ入力回路16が入力したセンサーデータを収集する。
【0024】
制御ユニット12は、本開示において述べられる種々のプロセス(基板処理)を基板処理装置に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。基板処理装置が実行するプロセスには、基板のエッチング処理、成膜処理、アッシング処理等が含まれる。制御ユニット12は、ここで述べられる種々のプロセスを実行するように基板処理装置の各要素を制御する。
【0025】
制御ユニット12は、処理部12a、記憶部12b及び通信インターフェース12cを含んでもよい。制御ユニット12は、例えばコンピュータにより実現される。
【0026】
処理部12aは、記憶部12bからセンサーデータ及び解析用のプログラムを読み出し、読み出されたセンサーデータに基づき解析用のプログラムを実行することにより収集したセンサーデータの解析を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部12bに格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部12bに格納され、処理部12aによって記憶部12bから読み出されて実行される。媒体は、コンピュータに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース12cに接続されている通信回線であってもよい。
【0027】
処理部12aは、マイクロコンピュータ又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部12bは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース12cは、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介して基板処理装置との間で通信してもよい。通信インターフェース12cは、有線又は無線により基板処理装置との間で通信を行うことができる。
【0028】
記憶部12bは、収集したセンサーデータを蓄積する。通信インターフェース12cは、センサー20から収集したセンサーデータを制御装置に送信してもよい。通信インターフェース12cは、センサー20から収集したセンサーデータに基づき基板処理装置の状態を解析した結果を制御装置に送信してもよい。制御装置は、センサー20から収集したセンサーデータを自己の記憶部に蓄積したり、センサー20から収集したセンサーデータと、後述する既存のセンサーから収集したセンサーデータとを比較し、比較結果から基板処理装置の状態を解析したりしてもよい。
【0029】
このようにして、情報収集装置10は、基板処理装置に組み込まれた制御装置とは独立してセンサーデータを収集することができる。また、情報収集装置10は、基板処理装置に組み込まれた制御装置と連携してセンサーデータを収集してもよい。
【0030】
[基板処理装置への配置例]
次に、情報収集装置10を配置した基板処理装置の一例について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、一実施形態に係る情報収集装置10を配置した基板処理装置の一例を示す模式図である。
図2の例では、基板処理装置1は、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)装置であり、複数の基板に対して一度に処理を行うバッチ式の装置である。
【0031】
基板処理装置1は、縦型の処理容器40(縦型炉)を有するエリア3を有し、半導体ウエハを一例とする基板Wは、ボート54に縦方向に沿って所定の間隔で複数枚、保持及び収容され、基板Wに対して酸化、拡散、減圧CVD等の各種の熱処理を施すことができる。処理容器40は、反応管41及びヒータ42を有する。処理容器40の反応管41内に設置されている基板Wに処理ガスを供給することによって、CVD法により基板Wに所望膜を形成する。
【0032】
ローディングエリア2は、基板Wの収納容器(図示せず)とボート54との間で基板Wの移載を行い、複数枚の基板Wが配置されたボート54はローディングエリア2から処理容器40内へロードされる。基板処理装置1は、複数の基板に対して一括して成膜ガスによる成膜処理を施す。成膜処理後、ボート54がローディングエリア2へアンロードされる。
【0033】
ローディングエリア2には、シャッター機構52、ボート54、及び移載機構(図示せず)が設けられている。シャッター機構52は、ローディングエリア2の上方に設けられている。シャッター機構52は、炉口43から処理容器40内の熱がローディングエリア2に放出されることを抑制する。ボート54は、基板Wを載置する載置部56、保温筒58、蓋体53及び回転機構59を有する。保温筒58は、ボート54(載置部56)が蓋体53側との伝熱により冷却されることを防止し、ボート54を保温するためのものである。回転機構59は、ボート54を回転するためのものである。回転機構59の回転軸は蓋体53を気密に貫通し、蓋体53上に配置された回転テーブル(図示せず)を回転する。
【0034】
基板処理装置1のバックドア8側には排気ボックス6、クーリングユニット5、N2ガスパージユニット4が設けられている。処理容器40に供給された成膜ガスは、反応管41内を下方から上方へと流れて反応管41の環状空間にて吸引され、排気ボックス6から外部に排気される。
【0035】
情報収集装置10は、基板処理装置1の外部に外付けされ、容易に着脱可能である。
図2の例では、情報収集装置10は、バックドア8側の排気ボックス6上のN
2ガスパージユニット4の上に取り付けられ、取り外すことができる。
【0036】
情報収集装置10は、基板処理装置1に後付けされた追加のセンサー20(21~27)に接続されている。配線Aは、湿度センサー22及び振動センサー24と情報収集装置10とを接続する。配線Bは、温度センサー21、圧力センサー23及び距離センサー25と情報収集装置10とを接続する。配線Cは、高速振動センサー26、27と情報収集装置10とを接続する。
【0037】
基板処理装置1には、基板処理装置1の全体を制御する制御装置30が予め取り付けられている。制御装置30は、基板処理装置1に予め取り付けられ、基板処理装置1から取り外すことはできない。また、制御装置30は、基板処理装置1に予め設置された既存のセンサー31、32と接続されている。配線Dはセンサー31と制御装置30とを接続し、配線Eはセンサー32と制御装置30とを接続する。
【0038】
制御装置30は、処理部30a、記憶部30b及び通信インターフェース30cを有する。処理部30aは、記憶部30bからプロセス実行用のプログラムを読み出し、読み出されたセンサーデータに基づきプロセス実行用のプログラムを実行することによりプロセスを実行するように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部30bに格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部30bに格納され、処理部30aによって記憶部30bから読み出されて実行される。媒体は、コンピュータに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース30cに接続されている通信回線であってもよい。
【0039】
また、処理部30aは、センサー31、32から収集したセンサーデータを記憶部30bに蓄積する。処理部30aは、記憶部30bからセンサーデータ及び解析用のプログラムを読み出し、読み出されたセンサーデータに基づき解析用のプログラムを実行することにより収集したセンサーデータの解析を行うように構成され得る。
【0040】
通信インターフェース30cは、情報収集装置10の通信インターフェース12cと有線又は無線により通信可能である。これにより、情報収集装置10は、収集した追加のセンサー20のセンサーデータ及び/又は収集した追加のセンサー20のセンサーデータから解析した結果を制御装置30に伝送する。
【0041】
処理部30aは、記憶部30bに蓄積したセンサーデータと、情報収集装置10から伝送されたセンサーデータとを比較して、基板処理装置1の状態を解析してもよい。情報収集装置10から伝送されたセンサーデータ及び/又は解析結果は、記憶部30bに記憶される。
【0042】
処理部30aは、CPUであってもよい。記憶部30bは、RAM、ROM、HDD、SSD、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース30cは、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介して基板処理装置との間で通信してもよい。
【0043】
情報収集装置10の入力ユニット(マルチプレクサー15、アナログ入力回路16)は、基板処理装置1に予め取り付けられ、制御装置30に接続されている第1センサーとは別の基板処理装置1に追加した第2センサーに接続されている。入力ユニットは、第2センサーのセンサーデータを収集する。
図2の例では、センサー31、32は第1センサー(既存のセンサー)の一例であり、追加のセンサー20(21~27)は第2センサーの一例である。
【0044】
追加のセンサー20は、センサー31、32のいずれかと同一種類のセンサーであってもよいし、異なる種類のセンサーであってもよい。追加のセンサー20は、センサー31、32が配置された位置とは異なる基板処理装置1の位置に取り付けられる。
【0045】
なお、制御ユニット12は、入力ユニットが入力したセンサーデータに加えて、カメラ等の撮像装置が基板処理装置1等を撮像した撮像データを収集してもよい。撮像装置は、追加のセンサー20の一例であり、撮像データは、センサーデータの一例である。撮像データは、制御ユニット12が直接取得してもよいし、中継ユニット(ゲートウェイ14)を介して収集されてもよい。
【0046】
[効果]
基板処理装置1に組み込まれた制御装置30は、基板処理装置1と一体に構成され、基板処理装置1から独立して動作することはできない。また、第1センサーは、基板処理装置1に予め設置されたセンサーであり、増設することはできない。
【0047】
これに対して、情報収集装置10は、基板処理装置1とは別体に構成され、基板処理装置1から独立して動作することができる。情報収集装置10を基板処理装置1とは別体とすることで、基板処理装置1の価格を上げることなく情報収集装置10を基板処理装置1に着脱可能に外付けすることができる。
【0048】
また、追加のセンサー20を基板処理装置1の好適な位置に設置することができ、基板処理装置1に取り付けるセンサー数に上限がなくなる。また、センサーデータの収集が不要になったとき、情報収集装置10及びセンサー20を容易に基板処理装置1から取り外すことができる。
【0049】
また、情報収集装置10及びセンサー20は、基板処理装置と無線又は有線による通信が可能である。無線通信を使用することで、有線による配線が困難な位置にも容易に情報収集装置10及びセンサー20を設置でき、センサーデータの収集開始までの工数を削減できる。
【0050】
このようにセンサー20の増設及びセンサーデータの収集が容易になることで、基板処理装置1が扱えるセンサーデータの種類やデータ量を増やすことができる。このため、収集したセンサーデータに基づくデータ解析精度が向上し、データ解析結果を基板処理装置1に有用に活用することができる。
【0051】
例えば、従前よりも多い種類のセンサーの組み合わせにより、いままでは予見できなかった基板処理装置又はプロセスに関する状況を予見できるようになる。例えば、基板処理装置1の様々な位置に振動センサーを配置し、各振動センサーが検知したセンサーデータの振る舞いを解析することにより、最も振動センサーのセンシングに適した位置を知ることができる。この解析結果に基づき、適正位置に振動センサーを設置してセンシングすることができる。
【0052】
また、例えば、
図2に示す温度センサー22を反応管41及びヒータ42が設置されるエリア3に追加設置することにより、ヒータ42の温度制御の性能を向上させることができる。
【0053】
[その他]
図2に示すように、情報収集装置10は、基板処理装置1上に配置されることに限らず、基板処理装置1と通信可能なネットワークに接続されてもよい。
【0054】
また、
図3に示すように、情報収集装置10は、無線通信回路17からゲートウェイ14へ無線通信34によりセンサーデータを伝送する際に使用する電力を、環境発電デバイス36から供給してもよい。無線通信回路17は、入力ユニットの一例である。
【0055】
無線通信回路17は、環境発電デバイス36から供給される電力を使用して、センサー20が検出したセンサーデータを無線通信34によりゲートウェイ14経由で制御ユニット12まで伝送する。これにより、センサーデータの収集の際、太陽電池や熱電素子などの環境発電デバイス36に蓄電しておくことで、省エネを図り、環境に考慮したシステムを構築することができる。
【0056】
なお、制御装置30は、センサーやロボットを制御する装置制御コントローラMC(Machine Controller)経由でセンサーデータを収集する自律制御コントローラAC(Autonomous Controller)であってもよい。
【0057】
以上に説明したように、本開示の実施形態によれば、基板処理装置1に後付け可能な情報収集装置10及びセンサー20を提供することができる。これにより、基板処理装置1に後付け可能なセンサー20が検知するセンサーデータを含めてセンサーデータを収集でき、センサーデータの種類やデータ量を増やすことができる。このため、収集したセンサーデータに基づくデータ解析精度が向上し、データ解析結果を基板処理装置1に有用に活用することができる。
【0058】
今回開示された実施形態に係る情報収集装置10は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0059】
本明細書に開示の基板処理装置は、バッチ式の装置に限らず、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の装置であってもよい。また、例えば基板処理装置1は、1つの処理容器内に複数の載置台を備えた複数枚葉装置であってもよい。また、基板処理装置1は、処理容器内の回転テーブルの上に配置した複数の基板を回転テーブルにより公転させ、一の成膜ガスが供給される領域と他のガスが供給される領域とを順番に通過させて基板に対して処理を行うセミバッチ式の装置であってもよい。
【0060】
また、本明細書に開示の基板処理装置は、プラズマを用いて基板を処理する装置であってもよいし、プラズマを用いずに基板を処理する装置であってもよい。
【0061】
本開示の基板処理装置は、Atomic Layer Deposition(ALD)装置、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna(RLSA)、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のいずれのタイプの装置でも適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 情報収集装置
11 電源ユニット
12 制御ユニット
12a 処理部
12b 記憶部
12c 通信インターフェース
13 HUB
14 ゲートウェイ
15 マルチプレクサー
16 アナログ入力回路
20 センサー
21 温度センサー
22 湿度センサー
23 圧力センサー
24 振動センサー
25 距離センサー
26,27 高速振動センサー
30 制御装置