(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106213
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】送信装置及び受信装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2389 20110101AFI20240731BHJP
H04N 21/84 20110101ALI20240731BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20240731BHJP
H04H 40/18 20080101ALI20240731BHJP
H04H 60/73 20080101ALI20240731BHJP
【FI】
H04N21/2389
H04N21/84
H04H20/28
H04H40/18
H04H60/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010407
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】青木 秀一
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164MB11P
5C164SB06S
5C164SB25P
(57)【要約】
【課題】 受信装置の誤動作を抑制することを可能とする送信装置及び受信装置を提供することを可能とする送信装置及び受信装置を提供する。
【解決手段】 送信装置は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを送信する送信部と、前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードに含める制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを送信する送信部と、
前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードに含める制御部と、を備える、送信装置。
【請求項2】
前記制御情報は、前記第1メタデータ及び前記第2メタデータの双方を含む第1制御情報を含む、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記制御情報は、前記第2メタデータを含まずに前記第1メタデータを含む第2制御情報を含む、請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記制御情報は、前記第1メタデータを含まずに前記第2メタデータを含む第3制御情報を含む、請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを受信する受信部と、
前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードから抽出する制御部と、を備える、受信装置。
【請求項6】
前記制御情報は、前記第1メタデータ及び前記第2メタデータの双方を含む第1制御情報を含む、請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記制御情報は、前記第2メタデータを含まずに前記第1メタデータを含む第2制御情報を含む、請求項5に記載の受信装置。
【請求項8】
前記制御情報は、前記第1メタデータを含まずに前記第2メタデータを含む第3制御情報を含む、請求項5に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
4K/8Kの衛星放送では、放送コンテンツを構成する信号をMMT(MPEG Media Transport)規格に準拠して送信することが規定されている(例えば、非特許文献2)。放送コンテンツは、映像信号、音声信号、字幕信号などを含む。
【0003】
MMT規格では、各種信号は、MPU(Media Processing Unit)として送信される。MMT規格では、MPUは、MPUメタデータ、ムービーフラグメントメタデータ(以下、MFメタデータ)、サンプルデータなどを含み得ると定義されている。MPUメタデータは、MPU全体の構成に関する情報を含む。MFメタデータは、符号化したメディアデータの情報を含む。サンプルデータは、符号化したメディアデータであり、1以上のMFU(Media Fragment Unit)によって構成される(例えば、非特許文献1)。
【0004】
4K/8Kの衛星放送の規格では、MPUメタデータ及びMFメタデータで提供されるコーデック情報等は制御情報として提供されるため、MPUメタデータ及びMFメタデータを送出しない旨が規定されている(例えば、非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ISO/IEC 23008-1:2017 Information technology - High efficiency coding and media delivery in heterogeneous environments -Part 1:MPEG media transport (MMT)
【非特許文献2】ARIB STD-B60 1.14版 デジタル放送におけるMMTによるメディアトランスポート方式
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した背景下において、発明者等は、鋭意検討の結果、MPUメタデータ及びMFメタデータを含むMPUがMMTP(MPEG Media Transport Protocol)ペイロードに格納されたMMTPパケットを送信すると、MPUメタデータ及びMFメタデータ(MMTPペイロードのタイプ)を識別することができず、これに起因する誤動作を生じる受信装置が存在し得ることを見出した。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、受信装置の誤動作を抑制することを可能とする送信装置及び受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の一態様は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを送信する送信部と、前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードに含める制御部と、を備える、送信装置である。
【0009】
開示の一態様は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを受信する受信部と、前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードから抽出する制御部と、を備える、受信装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受信装置の誤動作を抑制することを可能とする送信装置及び受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る伝送システム10を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るMMTPパケットを示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るMPUを示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るMPUを示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るMPUメタデータを示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るMPUメタデータを示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るMFメタデータを示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るMFメタデータを示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る制御情報を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る動作例1を説明するための図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る動作例2を説明するための図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る動作例3を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0013】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0014】
[開示の概要]
開示の概要に係る送信装置は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを送信する送信部と、前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードに含める制御部と、を備える。
【0015】
開示の概要に係る受信装置は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを受信する受信部と、前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードから抽出する制御部と、を備える。
【0016】
開示の概要では、特定パケットのペイロードは、第1メタデータ及び第2メタデータの少なくともいずれか1つを制御情報として含む。このような構成によれば、第1メタデータ及び第2メタデータの少なくともいずれか1つがペイロードに含まれる制御情報として定義されるため、受信装置において、第1メタデータ及び第2メタデータの少なくともいずれか1つを適切に抽出することができ、受信装置の誤動作を抑制することができる。
【0017】
特に限定されるものではないが、送信装置と受信装置との間の通信は、MMT(MPEG Media Transport)規格に準拠して行われてもよい。このようなケースにおいて、第1ユニットは、MFU(Media Fragment Unit)と称されてもよく、第2ユニットは、MPU(Media Processing Unit)と称されてもよい。第1メタデータは、符号化したメディアデータの情報を含むムービーフラグメントメタデータ(以下、MFメタデータ)と称されてもよく、第2メタデータは、MPU全体の構成に関する情報を含むMPUメタデータと称されてもよい。制御情報は、MMT-SI(Signaling Information)と称されてもよく、特定パケットは、MMTP(MPEG Media Transport Protocol)パケットと称されてもよい。
【0018】
[実施形態]
(伝送システム)
以下において、実施形態に係る伝送システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る伝送システム10を示す図である。
図1に示すように、伝送システム10は、送信装置100及び受信装置200を備える。送信装置100及び受信装置200は、ネットワーク300を介して通信可能である。ネットワーク300は、インターネットを含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。
【0019】
実施形態では、送信装置100と受信装置200との間の通信がMMT規格に準拠して行われるケースについて例示する。MMT規格は、ISO/IEC 23008-1で規定される規格であると考えてもよい。MMT規格は、ARIB STD-B60 1.14版で採用されてもよい。
【0020】
図1に示すように、送信装置100は、制御部110と、送信部120と、を有する。
【0021】
制御部110は、放送コンテンツ(メディアデータ)を符号化するエンコーダを含む。制御部110は、符号化されたメディアデータをMFUに分割するとともに、1以上のMFUを含むMPUを構成する。制御部110は、MPU及び制御情報(MMT-SI)をペイロード(以下、MMTPペイロード)として含むMMTPパケットを構成する。
【0022】
ここで、放送コンテンツは、映像信号、音声信号、字幕信号などを含んでもよい。放送コンテンツが映像信号である場合には、MPUは、GOP(Group Of Picture)の単位で構成されてもよい。
【0023】
送信部120は、ネットワーク300を介して、制御部110によって構成されたMMTPパケットを受信装置200に送信する。
【0024】
図1に示すように、受信装置200は、受信部210と、制御部220と、を有する。
【0025】
受信部210は、ネットワーク300を介して、MMTPパケットを送信装置100から受信する。
【0026】
制御部220は、MPU及び制御情報(MMT-SI)をMMTPパケット(MMTPペイロード)から抽出する。制御部220は、MPUから1以上のMFUを抽出する。制御部220は、MFUを構成するメディアデータを復号するデコーダを含む。
【0027】
(MMTPパケット)
以下において、実施形態に係るMMTPパケットについて説明する。
図2は、実施形態に係るMMTPパケットを示す図である。
図3及び
図4は、実施形態に係るMPUを示す図である。
【0028】
図2に示すように、MMTPパケットは、MMTPペイロードを含み、MMTPペイロードは、MPUを含む。MPUは、1以上のアクセスユニットを含み、1以上のNAL(Network Abstraction Layer)ユニットを含む。アクセスユニットは、メディアデータの符号化又は復号の単位である。NALユニットは、映像信号におけるメディアデータの符号化又は復号の単位である。MFUは、アクセスユニット単位で構成されてもよく、NALユニット単位で構成されてもよい。
図2では省略されているが、制御情報(MMT-SI)は、MMTPペイロードに含まれる。
【0029】
図3及び
図4に示すように、ISO/IEC 23008-1で規定されるMMT規格では、MPUは、MPUメタデータ、ムービーフラグメントメタデータ(MFメタデータ)、サンプルデータを含む。
【0030】
図3に示すように、MPUは、2以上のMFメタデータ及び2以上のサンプルデータを含んでもよい。MPUメタデータは、MPU全体の構成に関する情報を含む。MFメタデータは、符号化したメディアデータの情報を含む。サンプルデータは、1以上のMFUを含む。
【0031】
図4に示すように、メディアデータが映像及び音声である場合に、GOP単位のメディアデータが1以上のNAL/AU(Network Abstraction Layer/Access Unit)に分割され、1以上のNAL/AUは、1以上のMFUとしてサンプルデータを構成する。MMTPペイロードにおいては、MFUは、ヘッダ及びデータユニットによってカプセル化される。
【0032】
なお、ARIB STD-B60 1.14版では、MPUメタデータ及びMFメタデータは送出されない旨が規定されている(「6.2 MFU/MPUの概要」を参照)。
【0033】
(MPUメタデータ)
以下において、実施形態に係るMPUメタデータについて説明する。
図5及び
図6は、実施形態に係るMPUメタデータを示す図である。
【0034】
図5及び
図6に示すように、MPUメタデータは、ファイルボックスタイプ(ftyp)、MPUボックス(mmpu)、ムービーボックス(moov)を含んでもよい。ファイルボックスタイプ(ftyp)のブランドとしては、MMT規格で規定されるMPUであることを示す’mpuf’が用いられてもよい。MPUボックス(mmpu)は、アセットID及びMPUシケースンス番号を含んでもよい。ムービーボックス(moov)は、ムービーエクステンションボックス(mvex)を含んでもよい。ムービーエクステンションボックス(mvex)は、MPU全体に共通するメタ情報及びムービーフラグメントの使用などの情報を含んでもよい。
【0035】
ここで、
図5及び
図6で例示するボックスは、ISO/IEC 14496-12で規定されるボックスであってもよく、ISO/IEC 23008-1で規定されるボックスであってもよい。
図5及び
図6で例示するボックスは、ISOBMFF(ISO Base Media File Format)に準拠する形式で記述されてもよい。
【0036】
MPUメタデータは、ISOBMFFの形式の1つのプロファイルであるCMAF(Common Media File Format、ISO/IEC 23000-19)に準拠する形式で記述されたボックスを含んでもよい。すなわち、MPUメタデータは、ISO/IEC 23000-19で規定するムービーボックス(moov)を含んでもよい。
【0037】
(MFメタデータ)
以下において、実施形態に係るMFメタデータについて説明する。
図7及び
図8は、実施形態に係るMFメタデータを示す図である。
【0038】
図7及び
図8に示すように、MFメタデータは、ムービーフラグメントボックス(moof)及びムービーデータボックス(mdat)を含んでもよい。ムービーフラグメントボックス(moof)は、符号化された実際のメディアデータ(映像、音声、字幕など)を含む。ムービーデータボックス(mdat)は、符号化された実際のメディアデータ(映像、音声、字幕など)以外のデータを含む。
【0039】
ここで、
図7及び
図8で例示するボックスは、ISO/IEC 14496-12で規定されるボックスであってもよく、ISO/IEC 23008-1で規定されるボックスであってもよい。
図7及び
図8で例示するボックスは、ISOBMFFに準拠する形式で記述されてもよい。
【0040】
MFメタデータは、ISOBMFFの形式の1つのプロファイルであるCMAFに準拠する形式で記述されたボックスを含んでもよい。すなわち、MFメタデータは、ISO/IEC 23000-19で規定するムービーフラグメントボックス(moof)を含んでもよい。
【0041】
(制御情報)
以下において、実施形態に係る制御情報について説明する。
図9は、実施形態に係る制御情報を示す図である。制御情報は、MMTのパッケージの構成及び放送サービスに関連する情報を示す伝送制御信号である。制御情報は、MMT-SIと称されてもよい。
【0042】
図9に示すように、制御情報は、テーブル及び記述子を格納するメッセージ、特定の情報を示す要素又は属性を有するテーブル、テーブルよりも詳細な情報を示す記述子などの階層を有してもよい。メッセージは、1以上のテーブルを含むことが可能であり、MMTPペイロードに格納され、MMTPパケットによって送信される。
【0043】
(課題)
以下において、実施形態に係る課題について説明する。
【0044】
具体的には、上述したように、ARIB STD-B60 1.14版では、MPUメタデータ及びMFメタデータは送出されない旨が規定されている(「6.2 MFU/MPUの概要」を参照)。また、ISO/IEC 23008-1で規定されるMMT規格に準拠して、MPUメタデータ及びMFメタデータをMPUに含めると、受信装置200がMPUメタデータ及びMFメタデータ(MMTPペイロードのタイプ)を識別することができず、これに起因する誤動作を生じる可能性がある。
【0045】
このような状況を踏まえて、実施形態では、MPUメタデータ及びMFメタデータの少なくともいずれか1つを含む制御情報(MMT-SI)を新たに定義する。具体的な方法は以下に示す通りである。
【0046】
(動作例1)
以下において、実施形態に係る動作例1について説明する。動作例1では、新たに定義される制御情報の階層がメッセージであるケースについて例示する。新たに定義される制御情報は、特定MPUメッセージと称されてもよい。
【0047】
特定MPUメッセージは、PA(Package Access)メッセージ又はM2(MPEG-2)セクションメッセージなどと同様の構造を有してもよい。例えば、特定MPUメッセージは、メッセージ識別子、バージョン番号、メッセージ長を含んでもよい。特定MPUメッセージは、メッセージ長に後続するメッセージペイロードにおいて、MPUメタデータ及びMFメタデータの少なくともいずれか1つを含んでもよい。特定MPUメッセージとしては、以下に示す例が考えられる。
【0048】
図10の例1Aに示すように、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む特定MPUメッセージが定義されてもよい。特定MPUメッセージは、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む第1制御情報の一例である。
【0049】
図10の例1Bに示すように、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む特定MPUメッセージAに加えて、MPUメタデータを含まずにMFメタデータを含む特定MPUメッセージBが定義されてもよい。特定MPUメッセージAは、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む第1制御情報の一例である。特定MPUメッセージBは、MPUメタデータを含まずにMFメタデータを含む第2制御情報の一例である。
【0050】
(動作例2)
以下において、実施形態に係る動作例2について説明する。動作例2では、新たに定義される制御情報の階層がテーブルであるケースについて例示する。新たに定義される制御情報は、特定MPUテーブルと称されてもよい。
【0051】
特定MPUテーブルは、既存のメッセージ(例えば、PAメッセージ)に格納されてもよい。特定MPUテーブルは、PAメッセージ以外の既存のメッセージに格納されてもよい。特定MPUテーブルは、既存のメッセージに格納されることなく、MMTPペイロードに格納されてもよい。特定MPUテーブルは、MPUメタデータ及びMFメタデータの少なくともいずれか1つを含んでもよい。特定MPUテーブルとしては、以下に示す例が考えられる。
【0052】
図11の例2Aに示すように、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む特定MPUテーブルが定義されてもよい。特定MPUテーブルは、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む第1制御情報の一例である。
【0053】
図11の例2Bに示すように、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む特定MPUテーブルAに加えて、MPUメタデータを含まずにMFメタデータを含む特定MPUテーブルBが定義されてもよい。特定MPUテーブルAは、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む第1制御情報の一例である。特定MPUテーブルBは、MPUメタデータを含まずにMFメタデータを含む第2制御情報の一例である。
【0054】
(動作例3)
以下において、実施形態に係る動作例3について説明する。動作例3では、新たに定義される制御情報の階層が記述子であるケースについて例示する。新たに定義される制御情報は、特定記述子と称されてもよい。
【0055】
特定記述子は、既存のテーブル(例えば、MP(MMT Package)テーブル)に格納されてもよい。特定記述子は、MPテーブル以外の既存のテーブルに格納されてもよい。特定記述子は、既存のテーブルに格納されることなく、MMTPペイロードに格納されてもよい。特定記述子は、MPUメタデータ及びMFメタデータの少なくともいずれか1つを含んでもよい。特定記述子としては、以下に示す例が考えられる。
【0056】
図12の例3Aに示すように、MPUメタデータを含む特定記述子A及びMFメタデータを含む特定記述子Bを含むMPテーブルが定義されてもよい。特定記述子Aは、MFメタデータを含まずにMPUメタデータを含む第3制御情報の一例である。特定記述子Bは、MPUメタデータを含まずにMFメタデータを含む第2制御情報の一例である。
【0057】
なお、特定記述子A及び特定記述子Bを含むMPテーブルは、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む第1制御情報の一例であると考えてもよい。
【0058】
図12の例3Bに示すように、MPUメタデータを含む特定記述子A及びMFメタデータを含む特定記述子Bが1つのMPテーブルに加えて、特定記述子Aを含まずに特定記述子Bを含むMPテーブルが定義されてもよい。特定記述子Aは、MFメタデータを含まずにMPUメタデータを含む第3制御情報の一例である。特定記述子Bは、MPUメタデータを含まずにMFメタデータを含む第2制御情報の一例である。
【0059】
なお、特定記述子A及び特定記述子Bを含むMPテーブルは、MPUメタデータ及びMFメタデータの双方を含む第1制御情報の一例であると考えてもよい。特定記述子Aを含まずに特定記述子Bを含むMPテーブルは、MPUメタデータを含まずにMFメタデータを含む第2制御情報の一例であると考えてもよい。
【0060】
(まとめ)
実施形態では、送信部120は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニット(MFU)を含む第2ユニット(MPU)をペイロード(MMTPペイロード)として含む特定パケット(MMTPパケット)を送信する送信部を構成する。制御部110は、第1ユニットに関する第1メタデータ(MFメタデータ)及び第2ユニットに関する第2メタデータ(MPUメタデータ)の少なくともいずれか1つを特定パケットに関する制御情報(MMT-SI)としてペイロードに含める制御部を構成する。
【0061】
実施形態では、受信部210は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニット(MFU)を含む第2ユニット(MPU)をペイロード(MMTPペイロード)として含む特定パケット(MMTPパケット)を受信する受信部を構成する。制御部220は、第1ユニットに関する第1メタデータ(MFメタデータ)及び第2ユニットに関する第2メタデータ(MPUメタデータ)の少なくともいずれか1つを特定パケットに関する制御情報(MMT-SI)としてペイロードから抽出する制御部を構成する。
【0062】
(作用及び効果)
実施形態では、MMTPペイロードは、MPUメタデータ及びMFメタデータの少なくともいずれか1つを制御情報として含む。このような構成によれば、MPUメタデータ及びMFメタデータの少なくともいずれか1つがMMTPペイロードに含まれる制御情報として定義されるため、受信装置200において、MPUメタデータ及びMFメタデータの少なくともいずれか1つを適切に抽出することができ、受信装置200の誤動作を抑制することができる。
【0063】
実施形態では、MPUメタデータ及びMFメタデータは、ISOBMFFの形式で記述されてもよい。このような構成によれば、受信装置200は、ブラウザベースでメディアデータ(映像、音声、字幕など)を復号することができ、ブラウザベースでメディアデータ(映像、音声、字幕など)を視聴することができる。
【0064】
[その他の実施形態]
本発明は上述した開示によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0065】
上述した開示では、MMT規格について主として説明したが、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、MMT規格以外の規格に適用されてもよい。
【0066】
上述した開示において、MPUメタデータを含む制御情報は、MFメタデータを含む制御情報とは別に定義されてもよい。MPUメタデータを含む制御情報の階層は、MFメタデータを含む制御情報の階層と同じであってもよく、MFメタデータを含む制御情報の階層と異なっていてもよい。1つのMPUに対してMFメタデータを含む2以上の制御情報が含まれてもよい。
【0067】
上述した開示では特に触れていないが、送信装置100及び受信装置200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0068】
或いは、送信装置100及び受信装置200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【0069】
(付記)
上述した開示は、以下に示すように表現されてもよい。
【0070】
第1の特徴は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを送信する送信部と、前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードに含める制御部と、を備える、送信装置である。
【0071】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記制御情報は、前記第1メタデータ及び前記第2メタデータの双方を含む第1制御情報を含む、送信装置である。
【0072】
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御情報は、前記第2メタデータを含まずに前記第1メタデータを含む第2制御情報を含む、送信装置である。
【0073】
第4の特徴は、第1の特徴乃至第3の特徴の少なくともいずれか1つにおいて、前記制御情報は、前記第1メタデータを含まずに前記第2メタデータを含む第3制御情報を含む、送信装置である。
【0074】
第5の特徴は、符号化されたメディアデータによって構成される1以上の第1ユニットを含む第2ユニットをペイロードとして含む特定パケットを受信する受信部と、前記第1ユニットに関する第1メタデータ及び前記第2ユニットに関する第2メタデータの少なくともいずれか1つを前記特定パケットに関する制御情報として前記ペイロードから抽出する制御部と、を備える、受信装置である。
【0075】
第6の特徴は、第5の特徴において、前記制御情報は、前記第1メタデータ及び前記第2メタデータの双方を含む第1制御情報を含む、受信装置である。
【0076】
第7の特徴は、第5の特徴又は第6の特徴において、前記制御情報は、前記第2メタデータを含まずに前記第1メタデータを含む第2制御情報を含む、受信装置である。
【0077】
第8の特徴は、第5の特徴乃至第7特徴の少なくともいずれか1つにおいて、前記制御情報は、前記第1メタデータを含まずに前記第2メタデータを含む第3制御情報を含む、受信装置である。
【符号の説明】
【0078】
10…伝送システム、100…送信装置、110…制御部、120…送信部、200…受信装置、210…受信部、220…制御部、300…ネットワーク