(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106269
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】半導体製造装置、剥離ユニットおよび半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
H01L21/52 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010525
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直樹
【テーマコード(参考)】
5F047
【Fターム(参考)】
5F047CA00
5F047FA90
(57)【要約】
【課題】ダイの損傷を低減することが可能な技術を提供することにある。
【解決手段】半導体製造装置は、レーザ光によって剥離する粘着シートで形成され、ダイが貼付されたダイシングテープを保持するウエハ保持台と、前記ダイシングテープの下方に設けられる剥離ユニットと、を備える。前記剥離ユニットは、発せられた光が所定距離だけ離れた点で集光されるレーザ照射装置と、前記レーザ照射装置からの照射光により形成される照射領域を制限するマスクを有するマスク装置と、を備える。前記レーザ照射装置によって前記照射領域の大きさが変更可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光によって剥離する粘着シートで形成され、ダイが貼付されたダイシングテープを保持するウエハ保持台と、
前記ダイシングテープの下方に設けられる剥離ユニットと、
を備え、
前記剥離ユニットは、
発せられた光が所定距離だけ離れた点で集光されるレーザ照射装置と、
前記レーザ照射装置からの照射光により形成される照射領域を制限するマスクを有するマスク装置と、
を備え、
前記レーザ照射装置によって前記照射領域の大きさが変更可能である半導体製造装置。
【請求項2】
請求項1の半導体製造装置において、
前記レーザ照射装置の前記剥離ユニット内における上下方向の位置が変更可能である半導体製造装置。
【請求項3】
請求項2の半導体製造装置において、
前記剥離ユニットの上面が前記ダイシングテープに近接した状態において、前記レーザ照射装置の上面と前記ダイシングテープとの距離が前記所定距離よりも短く設定される半導体製造装置。
【請求項4】
請求項3の半導体製造装置において、
前記マスクの位置における前記照射領域の面積は前記ダイの面積よりも大きく設定される半導体製造装置。
【請求項5】
請求項1の半導体製造装置において、
前記マスクは前記照射領域の大きさが変更可能である半導体製造装置。
【請求項6】
請求項5の半導体製造装置において、
前記マスクは四角形状の開口を有し、当該開口の大きさが変更可能である半導体製造装置。
【請求項7】
請求項6の半導体製造装置において、
前記開口の中心は前記レーザ照射装置からの照射光の中心とオフセットすることが可能である半導体製造装置。
【請求項8】
請求項1の半導体製造装置において、
前記剥離ユニットは、さらに、前記レーザ照射装置の前記剥離ユニット内における上下方向の位置を変更する駆動部を備える半導体製造装置。
【請求項9】
請求項1の半導体製造装置において、
前記剥離ユニットは、さらに、前記マスク装置の上下方向の位置を変更する駆動部を備える半導体製造装置。
【請求項10】
請求項1の半導体製造装置において、
さらに、前記レーザ照射装置に接続される光ファイバと、前記光ファイバに接続されるレーザ光源と、を備える半導体製造装置。
【請求項11】
レーザ光によって剥離する粘着シートで形成され、ダイが貼付されたダイシングテープの下方に設けられる剥離ユニットであって、
発せられた光が所定距離だけ離れた点で集光されるレーザ照射装置と、
前記レーザ照射装置からの照射光により形成される照射領域を制限するマスクを有するマスク装置と、
を備え、
前記レーザ照射装置によって前記照射領域の大きさが変更可能である剥離ユニット。
【請求項12】
レーザ光によって剥離する粘着シートで形成され、ダイが貼付されたダイシングテープを保持するウエハ保持台と、前記ダイシングテープの下方に設けられる剥離ユニットと、を備え、前記剥離ユニットは、発せられた光が所定距離だけ離れた点で集光されるレーザ照射装置と、前記レーザ照射装置からの照射光により形成される照射領域を制限するマスクを有するマスク装置と、を備え、前記レーザ照射装置によって前記照射領域の大きさが変更可能である半導体製造装置に前記ダイシングテープを保持するウエハリングを搬入する工程と、
前記ダイシングテープから前記ダイを剥離する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体製造装置に関し、例えばレーザ光の照射により粘着力が弱まるダイシングテープが用いられるダイボンダに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程の一工程として、ウエハから分割されたダイをダイシングテープから剥離する剥離工程がある。ダイシングテープは粘着層を有し、ウエハが貼付されている。剥離工程では、ダイシングテープ裏面から突上げブロック等によってダイを突き上げて、ダイ供給部に保持されたダイシングテープから、1個ずつ剥離し、コレット等の吸着ノズルを使って基板上に搬送する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
剥離工程では、ダイをダイシングテープから剥離してピックアップする際に、ダイに損傷が生じることがある。
【0005】
本開示の課題は、ダイの損傷を低減することが可能な技術を提供することにある。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、半導体製造装置は、レーザ光によって剥離する粘着シートで形成され、ダイが貼付されたダイシングテープを保持するウエハ保持台と、前記ダイシングテープの下方に設けられる剥離ユニットと、を備える。前記剥離ユニットは、発せられた光が所定距離だけ離れた点で集光されるレーザ照射装置と、前記レーザ照射装置からの照射光により形成される照射領域を制限するマスクを有するマスク装置と、を備える。前記レーザ照射装置によって前記照射領域の大きさが変更可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ダイの損傷を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態におけるダイボンダの構成例を示す概略上面図である。
【
図2】
図2は
図1において矢印A方向から見たときの概略構成を説明する図である。
【
図3】
図3は
図1に示すウエハ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【
図4】
図4は
図1に示すダイボンダを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5(a)は実施形態における剥離ユニットの正面図である。
図5(b)は
図5(a)に示す剥離ユニットのマスク装置がダイシングテープの位置まで上昇した場合の正面図である。
【
図6】
図6は
図5(a)に示す剥離ユニットの一部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は
図5(a)に示すレーザ照射装置の位置と照射領域の関係を示す概念図である。
【
図8】
図8は円形スポットの径と円形スポットに内接する正方形のダイとの関係を示す図である。
【
図9】
図9(a)は
図7に示すレーザ照射装置がダイシングテープからH1の距離に位置する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
図9(b)は
図7に示すレーザ照射装置がダイシングテープからH2の距離に位置する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
図9(c)は
図7に示すレーザ照射装置がダイシングテープからH3の距離に位置する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
【
図10】
図10はX1-X2方向がY1-Y2方向よりも小さい開口を形成する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
【
図11】
図11はX1-X2方向がY1-Y2方向よりも大きい開口を形成する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
【
図12】
図12は第一変形例におけるマスク装置の一部を示す上面図である。
【
図13】
図13は第二変形例におけるマスク装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0010】
半導体製造装置の一実施形態であるダイボンダの構成について
図1から
図3を用いて説明する。
図1は実施形態におけるダイボンダの構成例を示す概略上面図である。
図2は
図1において矢印A方向から見たときの概略構成を説明する図である。
図3は
図1に示すウエハ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【0011】
ダイボンダ1は、大別して、ウエハ供給部10と、ピックアップ部20、中間ステージ部30と、ボンディング部40と、搬送部50、基板供給部60と、基板搬出部70と、制御部(制御装置)80と、を有する。Y2-Y1方向がダイボンダ1の前後方向であり、X2-X1方向が左右方向であり、Z1-Z2方向が上下方向である。ウエハ供給部10がダイボンダ1の前側に配置され、ボンディング部40が後側に配置される。
【0012】
ウエハ供給部10は、ウエハカセットリフタ11と、ウエハ保持台12と、剥離ユニット13と、ウエハ認識カメラ14と、を有する。
【0013】
ウエハカセットリフタ11は複数のウエハリングWRが格納されるウエハカセット(不図示)をウエハ搬送高さまで上下動させる。ウエハ修正シュート(不図示)はウエハカセットリフタ11から供給されるウエハリングWRのアライメントを行う。ウエハエキストラクタ(不図示)はウエハリングWRをウエハカセットから取出してウエハ保持台12に供給したり、ウエハ保持台12から取り出してウエハカセットに収納したりする。
【0014】
ウエハ保持台12は、ウエハリングWRを保持するエキスパンドリング121と、ウエハリングWRに保持されダイシングテープDTを水平に位置決めする支持リング122と、を有する。剥離ユニット13は支持リング122の内側に配置される。なお、ダイDのピックアップ性を向上させるため、ダイDの剥離時に、ウエハリングWRを保持しているエキスパンドリング121は下げられ、ウエハリングWRに保持されているダイシングテープDTが引き伸ばされダイDの間隔が広げられる。ダイシングテープDT上にウエハWが接着(貼付)されており、そのウエハWは複数のダイDに分割されている。
【0015】
ウエハ保持台12は図示しない駆動部によってX1-X2方向およびY1-Y2方向に移動し、ピックアップするダイDを剥離ユニット13の位置に移動させる。また、ウエハ保持台12は図示しない駆動部によってXY平面内においてウエハリングWRを回転させる。剥離ユニット13は後述する移動機構137によって上下方向に移動する。剥離ユニット13はダイシングテープDTからダイDを剥離する。
【0016】
ウエハ認識カメラ14はウエハWからピックアップするダイDのピックアップ位置を把握したり、ダイDの表面検査をしたりする。
【0017】
ピックアップ部20は、ピックアップヘッド21と、Y駆動部23と、を有する。ピックアップヘッド21には、剥離されたダイDを先端に吸着保持するコレット22が設けられる。ピックアップヘッド21はウエハ供給部10からダイDをピックアップし、中間ステージ31に載置する。Y駆動部23はピックアップヘッド21をY軸1-Y2方向に移動させる。ピックアップ部20は、ピックアップヘッド21を昇降、回転及びX1-X2方向移動させる各駆動部(不図示)を有する。
【0018】
中間ステージ部30は、ダイDが載置される中間ステージ31と、中間ステージ31上のダイDを認識するためのステージ認識カメラ34と、を有する。中間ステージ31は載置されたダイDを吸着する吸引孔を備える。載置されたダイDは中間ステージ31に一時的に保持される。中間ステージ31はダイDが載置される載置ステージであると共に、ダイDがピックアップされるピックアップステージでもある。
【0019】
ボンディング部40は、ボンドヘッド41と、Y駆動部43と、基板認識カメラ44と、ボンドステージ46と、を有する。ボンドヘッド41にはダイDを先端に吸着保持するコレット42が設けられる。Y駆動部43はボンドヘッド41をY1-Y2方向に移動させる。基板認識カメラ44は基板Sを撮像し、ボンド位置を認識する。ここで、基板Sは、例えば、配線基板やリードフレーム等がある。基板Sには、最終的に一つのパッケージとなる、複数の製品エリア(以下、パッケージエリアPという。)が形成されている。また、基板Sには、パッケージエリアPの位置認識マーク(不図示)が形成されている。ボンドステージ46は、基板SにダイDが載置される際、上昇させられ、基板Sを下方から支える。ボンドステージ46は基板Sを真空吸着するための吸引口(不図示)を有し、基板Sを固定することが可能である。ボンドステージ46は基板Sを加熱する加熱部(不図示)を有する。ボンディング部40は、ボンドヘッド41を昇降、回転及びX1-X2方向移動させる各駆動部(不図示)を有する。
【0020】
このような構成によって、ボンドヘッド41は、ステージ認識カメラ34の撮像データに基づいてピックアップ位置や姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップする。そして、ボンドヘッド41は、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板SのパッケージエリアP上にボンドし、または既に基板SのパッケージエリアPの上にボンドされたダイの上に積層する形でボンドする。
【0021】
搬送部50は、基板Sを掴み搬送する搬送爪51と、基板Sが移動する搬送レーン52と、を有する。基板Sは、搬送レーン52に設けられた搬送爪51の図示しないナットを搬送レーン52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによってX1方向に移動する。このような構成によって、基板Sは、基板供給部60から搬送レーン52に沿ってボンド位置まで移動し、ボンド後、基板搬出部70まで移動して、基板搬出部70に基板Sを渡す。
【0022】
基板供給部60は、搬送治具に格納されて搬入された基板Sを搬送治具から取り出して搬送部50に供給する。基板搬出部70は、搬送部50により搬送された基板Sを搬送治具に格納する。
【0023】
制御部80は、ダイボンダ1の各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウエア)およびデータを格納する記憶装置と、記憶装置に格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、入出力装置(不図示)と、を備える。入出力装置は、画像取込装置(不図示)およびモータ制御装置(不図示)等を有する。画像取込装置は、ウエハ認識カメラ14、ステージ認識カメラ34および基板認識カメラ44からの画像データを取り込む。モータ制御装置は、ウエハ供給部10の駆動部、ピックアップ部20の駆動部、ボンディング部40の駆動部等を制御する。
【0024】
ダイボンダ1を用いた半導体装置の製造工程の一部(半導体装置の製造方法)について
図4を用いて説明する。
図4は
図1に示すダイボンダを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。以下の説明において、ダイボンダ1を構成する各部の動作は制御部80により制御される。
【0025】
(ウエハ搬入工程:工程S1)
ウエハリングWRがウエハカセットリフタ11のウエハカセットに供給される。供給されたウエハリングWRがウエハ保持台12に供給される。なお、ウエハWは、例えば、半導体ウエハであり、ダイDは半導体チップである。ウエハWとダイシングテープDTとの間にダイアタッチフィルム(DAF)と呼ばれるフィルム状の接着材料DFを貼り付けている。接着材料DFは加熱することで硬化する。
【0026】
ダイシングテープDTとして、例えば、常温では粘着力があり、加熱すると粘着層が膨張して粘着力が弱まり剥がれる加熱剥離テープを使用する。なお、加熱剥離テープは、接着材料DFの硬化温度(通常150℃)よりも低い温度で剥離するものが好ましい。また、接着材料DFの硬化は、指定温度を長い時間(1時間程度)掛けるものであり、加熱剥離テープの加熱時間が短い場合、加熱剥離シートの剥離温度は接着材料DFの硬化温度と同程度であってもよい。
【0027】
(基板搬入工程:工程S2)
基板Sが格納された搬送治具が基板供給部60に供給される。基板供給部60で搬送治具から基板Sが取り出され、基板Sが搬送爪51に固定される。
【0028】
(ピックアップ工程:工程S3)
工程S1後、所望するダイDをダイシングテープDTからピックアップできるようにウエハ保持台12が動かされる。ウエハ認識カメラ14によりダイDが撮影され、撮影により取得された画像データに基づいてダイDの位置決めおよび表面検査が行われる。画像データを画像処理することによって、ダイボンダのダイ位置基準点からのウエハ保持台12上のダイDのずれ量(X、Y、θ方向)が算出されて位置決めが行われる。なお、ダイ位置基準点は、予め、ウエハ保持台12の所定の位置を装置の初期設定として保持されている。画像データを画像処理することによって、ダイDの表面検査が行われる。
【0029】
位置決めされたダイDは剥離ユニット13およびピックアップヘッド21によりダイシングテープDTから剥離される。ダイシングテープDTから剥離されたダイDは、ピックアップヘッド21に設けられたコレット22に吸着、保持されて、中間ステージ31に搬送されて載置される。
【0030】
ステージ認識カメラ34により中間ステージ31の上のダイDが撮影され、撮影により取得された画像データに基づいてダイDの位置決めおよび表面検査が行われる。画像データを画像処理することによって、ダイボンダのダイ位置基準点からの中間ステージ31上のダイDのずれ量(X、Y、θ方向)が算出されて位置決めが行われる。なお、ダイ位置基準点は、予め、中間ステージ31の所定の位置を装置の初期設定として保持されている。画像データを画像処理することによって、ダイDの表面検査が行われる。
【0031】
ダイDを中間ステージ31に搬送したピックアップヘッド21はウエハ供給部10に戻される。上述した手順に従って、次のダイDがダイシングテープDTから剥離され、以後同様の手順に従ってダイシングテープDTから1個ずつダイDが剥離される。
【0032】
(ボンド工程:工程S4)
搬送部50により基板Sがボンドステージ46に搬送される。ボンドステージ46上に載置された基板Sが基板認識カメラ44により撮像され、撮影によって画像データが取得される。画像データが画像処理されることによって、ダイボンダ1の基板位置基準点からの基板Sのずれ量(X、Y、θ方向)が算出される。なお、基板位置基準点は、予め、ボンディング部40の所定の位置を装置の初期設定として保持されている。
【0033】
工程S3において算出された中間ステージ31上のダイDのずれ量からボンドヘッド41の吸着位置が補正されてダイDがコレット42により吸着される。中間ステージ31からダイDを吸着したボンドヘッド41によりボンドステージ46に支持された基板Sの所定箇所にダイDがボンドされる。基板認識カメラ44により基板SにボンドされたダイDが撮影され、撮影により取得された画像データに基づいてダイDが所望の位置にボンドされたかどうか等の検査が行われる。
【0034】
ダイDを基板Sにボンドしたボンドヘッド41は中間ステージ31に戻される。上述した手順に従って、次のダイDが中間ステージ31からピックアップされ、基板Sにボンドされる。これが繰り返されて基板SのすべてのパッケージエリアPにダイDがボンドされる。
【0035】
(基板搬出工程:工程S5)
ダイDがボンドされた基板Sが基板搬出部70に搬送される。基板搬出部70で搬送爪51から基板Sが取り出されて搬送治具に格納される。ダイボンダ1から基板Sが格納されている搬送治具が搬出される。
【0036】
上述したように、ダイDは、基板S上に実装され、ダイボンダ1から搬出される。その後、例えば、ダイDが実装された基板Sが格納された搬送治具がワイヤボンディング工程に搬送され、ダイDの電極はAuワイヤ等を介して基板Sの電極と電気的に接続される。そして、基板Sがモールド工程に搬送され、ダイDとAuワイヤとをモールド樹脂(図示せず)で封止することによって、半導体パッケージが完成する。
【0037】
積層ボンドする場合は、ワイヤボンディング工程に続いて、ダイDが実装された基板Sが載置格納された搬送治具がダイボンダに搬入されて基板S上に実装されたダイDの上にダイDが積層され、ダイボンダから搬出された後、ワイヤボンディング工程でAuワイヤを介して基板Sの電極と電気的に接続される。第二段目より上のダイDは、上述した方法でダイシングテープDTから剥離された後、ボンディング部に搬送されてダイDの上に積層される。上記工程が所定回数繰り返された後、基板Sがモールド工程に搬送され、複数個のダイDとAuワイヤとをモールド樹脂(図示せず)で封止することによって、積層パッケージが完成する。
【0038】
次に、剥離ユニットの構成について
図5(a)、
図5(b)および
図6を用いて説明する。
図5(a)は実施形態における剥離ユニットの正面図である。
図5(b)は
図5(a)に示す剥離ユニットのマスク装置がダイシングテープの位置まで上昇した場合の正面図である。
図6は
図5(a)に示す剥離ユニットの一部を示す斜視図である。
【0039】
剥離ユニット13は、レーザ照射装置131と、保持部132と、移動機構(アクチュエータ、駆動部)133と、支持部134と、台座部135と、マスク装置136と、移動機構(アクチュエータ、駆動部)137と、を備える。
【0040】
レーザ照射装置131には、光ファイバ131a(
図7参照)を介して剥離ユニット13の外部に設置されるレーザ光源131b(
図7参照)が接続される。レーザ光源131bは、例えば、レーザダイオード(LD)であり、赤外線領域の波長のレーザ光を照射する。例えば、波長は940nmである。レーザ照射装置131は発せられた光がレーザ照射装置131の先端から所定距離だけ離れた点(集光点FP)で集光される。集光点FPはダイシングテープよりもZ1側に位置するように設定される。言い換えると、剥離ユニット13の上面がダイシングテープDTに近接した状態において、レーザ照射装置131の上面とダイシングテープDTとの距離が所定距離よりも短く設定される。
【0041】
保持部132はレーザ照射装置131の外周を覆ってレーザ照射装置131を保持する。保持部132は移動機構133に固定される。移動機構133は、Z1-Z2方向に延伸し支持部134に固定される固定部1331と、保持部132に固定される可動部1332と、を備える。移動機構133は、固定部1331に対して可動部1332を動かすことによって保持部132をZ1-Z2方向に動かすことが可能である。これにより、レーザ照射装置131は上下動が可能であり、レーザ照射装置131の上下方向の位置が変更可能であり、マスク装置136に近接したり、遠ざかったりすることが可能になる。
【0042】
支持部134はZ1-Z2方向に延伸する部分を有し、移動機構137に固定される。支持部134は台座部135を支持するための面をZ1側に有する。台座部135は平面視において八角形状の板状に形成され、中央部にレーザ光が通過する円形の開口を有する。台座部135は支持部134のZ1側の面に支持される。
【0043】
マスク装置136は、X軸開閉機構(駆動部、アクチュエータ)1361と、開閉爪1362と、Y軸開閉機構(駆動部、アクチュエータ)1363と、開閉爪1364と、を備える。
【0044】
X軸開閉機構1361は台座部135のY1側のZ1側の面に設けられる。X軸開閉機構1361は一対の開閉爪1362をX1-X2方向に動かす。一対の開閉爪1362は、それぞれ、X軸開閉機構1361からZ1方向に延伸する第一部分と、第一部分からY2方向に延伸する第二部分としての矩形状のプレート(マスクプレート)と、を有する。
【0045】
Y軸開閉機構1363は台座部135のX2側のZ1側の面に設けられる。Y軸開閉機構1363は一対の開閉爪1364をY1-Y2方向に動かす。一対の開閉爪1364は、それぞれ、Y軸開閉機構1363からZ1方向に延伸する第一部分と、第一部分からX1方向に延伸する第二部分としての矩形状のプレート(マスクプレート)と、を有する。
【0046】
一対の開閉爪1362および一対の開閉爪1364はレーザ光を遮蔽する部材で形成される。一対の開閉爪1362の第二部分と一対の開閉爪1364の第二部分とにより、中央部に大きさが可変な四角形状の開口が形成される。
【0047】
移動機構137は、Z1-Z2方向に延伸する固定部1371と、支持部134に固定される可動部1372と、を備える。固定部1371はウエハ供給部10のベース15に固定される。移動機構137は、固定部1371に対して可動部1372を動かすことによって支持部134をZ1-Z2方向に動かすことが可能である。これにより、マスク装置136は上下動が可能であり、マスク装置136の上下方向の位置が変更可能であり、ダイシングテープDTに近接したり、遠ざかったりすることが可能になる。例えば、
図5(a)に示す可動部1372がZ1方向に移動することにより、支持部134がZ1方向に移動して、
図5(b)に示すようにマスク装置136はZ1方向に移動する。
【0048】
レーザ照射装置131がZ1-Z2方向に移動可能であることによる作用について
図7を用いて説明する。
図7は
図5(a)に示すレーザ照射装置の位置と照射領域の関係を示す概念図である。
【0049】
レーザ照射装置131は集光点FPで集光されるので、レーザ照射装置131とダイシングテープDTとの間の距離(H)によって、ダイシングテープDTにおける照射領域の径(スポット径(φ))が変化する。レーザ照射装置131の先端からダイシングテープDTまでの距離(H1)が長い場合、ダイシングテープDTにおける照射領域IR1の径(φ1)は小さくなる。レーザ照射装置131の先端からダイシングテープDTまでの距離(H3)がH1よりも短い場合、照射領域IR3の径(φ3)はφ1よりも大きくなる。レーザ照射装置131の先端からダイシングテープDTまでの距離(H2)がH1とH3の間である場合、照射領域IR2の径(φ2)はφ1とφ3の間の大きさになる。
【0050】
したがって、ダイサイズが小さいダイD1を剥離する場合、距離(H)を大きくし(H=H1)、スポット径(φ)を小さくする(φ=φ1)。ダイサイズが大きいダイD3を剥離する場合、距離(H)を小さくし(H=H3)、スポット径(φ)を大きくする(φ=φ3)。ダイサイズがダイD1とダイD3の間のダイD2を剥離する場合、距離(H)をH1とH3の間にし(H=H2)、スポット径(φ)をφ1とφ3の間の大きさする(φ=φ2)。
【0051】
よって、レーザ照射装置131をZ1-Z2方向(上下方向)に動かすことにより、剥離したいダイDのサイズと照射領域IRを一致させることが可能である。ここで、ダイDのサイズと照射領域IRの一致とは、ダイDが照射領域IRに内接することである。言い換えると、ダイDの対角線の長さが照射領域IRの径と一致することである。ただし、この場合、ダイDの面積は照射領域IRの面積よりも小さい。
【0052】
ダイDのサイズと照射領域IRの一致の効果について
図8を用いて説明する。
図8は円形スポットの径と円形スポットに内接する正方形のダイとの関係を示す図である。
【0053】
φは照射領域IRの円形スポットの径、Saはその円形スポットの面積、Lbはその円形スポットに内接する正方形のダイDの一辺の長さ、Scはその正方形のダイDの面積である。dはその円形スポットの面積(Sa)とその正方形のダイDの面積(Sc)との差分、eはその正方形のダイDの面積(Sc)とその円形スポットの面積(Sa)との比、fはその正方形のダイDの面積(Sc)とφ=35における円形スポットの面積との比である。
【0054】
すなわち、
Sa=π(φ/2)2
Lb=φ/√2
Sc=Lb2
d=Sa-Sc
e=Sc/Sa
f=Sc/{π(35/2)2}
【0055】
eはレーザ照射装置131の高さを変えるときの照射効率を表し、fはレーザ照射装置131の高さをスポット径が最大(φ=35)の場合の高さに固定するときの照射効率を表す。レーザ照射装置131の高さを固定するときダイサイズが小さいほど照射効率が低下する。しかし、レーザ照射装置131の高さを変えるときダイサイズに関係なく照射効率は一定になる。すなわち、ダイサイズが小さいほど照射効率の向上が可能である。
【0056】
マスク装置136の作用について
図9(a)から
図9(c)を用いて説明する。
図9(a)は
図7に示すレーザ照射装置がダイシングテープからH1の距離に位置する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
図9(b)は
図7に示すレーザ照射装置がダイシングテープからH2の距離に位置する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
図9(c)は
図7に示すレーザ照射装置がダイシングテープからH3の距離に位置する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
【0057】
一対の開閉爪1362(第二部分1362a,1362b)および一対の開閉爪1364(第二部分1364a,1364b)によって四角形の開口が形成される。その開口を円形の照射領域IRに内接するように、第二部分1362aと第二部分1362bとのX1-X2方向の間隔および第二部分1364aと第二部分1364bとのY1-Y2方向の間隔が調整される。ここで、照射領域IRの中心と開口の中心は一致している。
【0058】
開閉爪1362の第二部分1362aがX1方向に移動する場合、第二部分1362bがX2方向に移動する。開閉爪1362の第二部分1362aがX2方向に移動する場合、第二部分1362bがX1方向に移動する。
【0059】
開閉爪1364の第二部分1364aがY2方向に移動する場合、第二部分1364bがY1方向に移動する。開閉爪1362の第二部分1364aがY1方向に移動する場合、第二部分1364bがY2方向に移動する。
【0060】
開閉爪1362,1364がレーザ光を遮蔽する部材で形成されるので、開閉爪1362,1364はレーザ照射装置131からの照射光を部分的にマスクすることが可能である。また、開閉爪1362,1364はマスク領域(開口領域)をスポットサイズ(ダイサイズ)に合わせて変更することが可能である。
【0061】
例えば、
図9(a)に示すように、照射領域IR1の径がφ1の場合、開口OP1が照射領域IR1に内接するように、開閉爪1362の第二部分1362a,1362bの間隔と開閉爪1364の第二部分1364a,1364bの間隔が調整される。ここで、照射領域IR1の中心と開口OP1の中心は一致している。照射領域IR1のうち、第二部分1362a,1362b,1364a,1364bに位置する部分がマスクされる。
【0062】
例えば、
図9(b)に示すように、照射領域IR2の径がφ2の場合、開口OP1が照射領域IR2に内接するように、開閉爪1362の第二部分1362a,1362bの間隔と開閉爪1364の第二部分1364a,1364bの間隔が調整される。ここで、照射領域IR2の中心と開口OP2の中心は一致している。照射領域IR2のうち、第二部分1362a,1362b,1364a,1364bに位置する部分がマスクされる。
【0063】
例えば、
図9(c)に示すように、照射領域IR3の径がφ3の場合、開口OP3が照射領域IR3に内接するように、開閉爪1362の第二部分1362a,1362bの間隔と開閉爪1364の第二部分1364a,1364bの間隔が調整される。ここで、照射領域IR3の中心と開口OP3の中心は一致している。照射領域IR3のうち、第二部分1362a,1362b,1364a,1364bに位置する部分がマスクされる。
【0064】
図9(a)から
図9(c)に示す開口OP1~OP3は正方形の例であるが、開口を矩形状にすることも可能である。これについて
図10および
図11を用いて説明する。
図10はX1-X2方向がY1-Y2方向よりも小さい開口を形成する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
図11はX1-X2方向がY1-Y2方向よりも大きい開口を形成する場合の開閉爪の位置を示す上面図である。
【0065】
図10に示すように、開閉爪1362の第二部分1362a,1362bのX1-X2方向の間隔を開閉爪1364の第二部分1364a,1364bのY1-Y2方向の間隔よりも小さくすることにより、開口OP4はX1-X2方向がY1-Y2方向よりも小さい矩形状になる。これにより、照射領域IR4のうち、第二部分1362a,1362b,1364a,1364bに位置する部分がマスクされる。
【0066】
図11に示すように、開閉爪1362の第二部分1362a,1362bのX1-X2方向の間隔を開閉爪1364の第二部分1364a,1364bのY1-Y2方向の間隔よりも大きくすることにより、開口OP5はX1-X2方向がY1-Y2方向よりも大きい矩形状になる。これにより、照射領域IR5のうち、第二部分1362a,1362b,1364a,1364bに位置する部分がマスクされる。
【0067】
なお、レーザ照射装置131でレーザ光をダイシングテープDTに照射する場合、ダイシングテープDTを介してダイDも加熱され得る。ダイDを介してコレット22が加熱されてもよい場合、コレット22はダイDに接触させてもよい。これにより、剥離対象のダイDを安定させることが可能である。ダイDを介してのコレット22への加熱を防止する場合、コレット22をダイDへ接触させずに待機させる。
【0068】
実施形態によれば、下記の少なくとも一つの効果を有する。
【0069】
(a)突上げブロックやスライドブロック等、移動するブロックを使用しないので、機械的にダイにストレスが加わることがない。これにより、低ストレスで剥離することが可能であり、ダイの損傷(クラックや変形、割れ、欠け等)を低減することが可能となる。
【0070】
(b)レーザ照射装置131とダイシングテープDTとの距離を変更することが可能であるので、剥離するダイへ効率的にレーザ光を照射することが可能である。これにより、短時間でダイを剥離することが可能になる。
【0071】
(c)ダイシングテープDTの裏面近傍に照射光のマスクが配置されるので、剥離対象のダイのみへレーザ光を照射することが可能である。これにより、剥離対象外のダイが所望のタイミング以外で剥離されないことが可能になる。
【0072】
(d)ダイの剥離時間を短縮可能であるので、ダイボンダの処理能力(UPH)を上げることが可能である。
【0073】
(e)ダイを剥離する際にダイへのストレスを低減することが可能であるので、半導体製品(半導体装置)の品質の向上が可能になる。
【0074】
<変形例>
以下、実施形態の代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施例の一部、および、複数の変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0075】
(第一変形例)
第一変形例におけるマスク装置について
図12を用いて説明する。
図12は第一変形例におけるマスク装置の一部を示す上面図である。
【0076】
実施形態では、二対の開閉爪1362,1364を用いる例を説明したが、開閉爪は一対のみでもよい。第一変形例では、剥離ユニット13はX軸開閉機構1361および一対の開閉爪1362(第二部分1362a,1362b)を備えるが、Y軸開閉機構1363および一対の開閉爪1364(第二部分1364a,1364b)は備えていない。これにより、照射領域IRのうち、第二部分1362a,1362bに位置する部分がマスクされる。
【0077】
照射領域IRのY1側およびY2側がマスクされないが、ダイDのX1-X2方向がY1-Y2方向よりも小さい矩形状の場合、照射領域IRのY1側およびY2側のダイDからはみ出す領域は小さいので、隣接するダイへの影響は小さい。
【0078】
なお、剥離ユニット13はY軸開閉機構1363および一対の開閉爪1364(第二部分1364a,1364b)を備えて、X軸開閉機構1361および一対の開閉爪1362(第二部分1362a,1362b)は備えないようにしてもよい。この場合、ダイDのX1-X2方向がY1-Y2方向よりも大きい矩形状の場合に有効である。
【0079】
(第二変形例)
第二変形例におけるマスク装置について
図13を用いて説明する。
図13は第二変形例におけるマスク装置を示す上面図である。
【0080】
実施形態では、開閉爪1362,1364が照射領域の中心を基準に開閉して開口OPが照射領域IRの中心に位置する例を説明したが、開口OPを照射領域IRの中心からオフセットして位置するようにしてもよい。
【0081】
第二変形例におけるマスク装置136は、X軸開閉機構1361a,1361bと、開閉爪1362a,1362bと、Y軸開閉機構1363a,1363bと、開閉爪1364a,1364bと、を備える。
【0082】
X軸開閉機構1361aは開閉爪(第二部分)1362aをX1-X2方向に動かす。X軸開閉機構1361bは開閉爪(第二部分)1362bをX1-X2方向に動かす。開閉爪(第二部分)1362aおよび開閉爪(第二部分)1362bは独立して作動可能である。
【0083】
Y軸開閉機構1363aは開閉爪(第二部分)1364aをY1-Y2方向に動かす。Y軸開閉機構1363bは開閉爪(第二部分)1364bをY1-Y2方向に動かす。開閉爪(第二部分)1364aと開閉爪(第二部分)1364bは独立して作動可能である。
【0084】
このような構成により、開口OPを照射領域IRの中心以外にオフセットさせた領域に配置することが可能であるので、照射領域IRの中心(レーザ照射装置131からの照射光の中心)からオフセットして照射可能になる。これにより、剥離対象のダイDの中心が照射領域IRの中心からずれて位置する場合でも、ウエハ保持台12を微移動することなく、ダイDが位置する領域に照射することが可能になる。
【0085】
以上、本開示者によってなされた開示を実施形態および変形例に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0086】
例えば、実施形態では、ダイシングテープとして加熱性剥離テープを用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、紫外線剥離テープを用いてもよい。この場合、レーザ光源は紫外線を照射する。
【0087】
実施形態では、レーザ照射装置131が剥離ユニット13内における上下方向の位置を変えることによって(レーザ照射装置131によって)、照射領域のサイズを変える例を説明したが、例えば、レーザ照射装置131内のレンズによって照射領域のサイズを変えるようにしてもよい。
【0088】
また、実施形態では、ダイアタッチフィルムを用いる例を説明したが、基板に接着剤を塗布するプリフォーム部を設けてダイアタッチフィルムを用いなくてもよい。
【0089】
また、実施形態では、ウエハ供給部からダイをピックアップヘッドでピックアップして中間ステージに載置し、中間ステージに載置されたダイをボンドヘッドで基板にボンドするダイボンダについて説明したが、これに限定されるものではなく、ウエハ供給部からダイをピックアップするダイボンディング装置に適用可能である。
【0090】
例えば、中間ステージとピックアップヘッドがなく、ウエハ供給部のダイをボンドヘッドで基板にボンドするダイボンダにも適用可能である。
【0091】
また、中間ステージがなく、ウエハ供給部からダイをピックアップしダイピックアップヘッドを上に回転してダイをボンドヘッドに受け渡しボンドヘッドで基板にボンディングするフリップチップボンダに適用可能である。
【0092】
実施形態では、ダイボンダを例に説明したが、ピックアップしたダイをトレイに載置する半導体製造装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・ダイボンダ(半導体製造装置)
12・・・ウエハ保持台
13・・・剥離ユニット
131・・・レーザ照射装置
136・・・マスク装置