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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106843
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240801BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240801BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20240801BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20240801BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240801BHJP
【FI】
F21S2/00 414
H01L33/00 L
H01L33/58
F21S2/00 419
F21S2/00 413
G02F1/13357
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011311
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
5F142
【Fターム(参考)】
2H391AA03
2H391AA19
2H391AB04
2H391AB06
2H391AC32
2H391AC42
2H391AD10
2H391AD23
2H391AD26
3K244AA01
3K244BA07
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA13
3K244EA02
3K244EA16
3K244EA19
3K244EA32
3K244EA34
3K244EC03
3K244EC08
3K244EC28
3K244FA03
3K244FA04
3K244LA01
5F142AA12
5F142CE08
5F142CE16
5F142CE23
5F142CG01
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG26
5F142DA12
5F142DB38
5F142DB42
5F142EA02
5F142EA04
5F142EA34
5F142FA46
5F142GA11
(57)【要約】
【課題】発光素子から離れた領域の輝度を向上させる。
【解決手段】面状光源100は、矩形の上面120a、および、上面とは反対側の下面120bを有する導光部材120であって、上面から下面まで貫通する貫通孔20hを有する導光部材と、貫通孔に配置された、発光素子32を含む光源130と、導光部材よりも低い屈折率を有する透光性部材150とを備える。透光性部材は、貫通孔において少なくとも光源の側面130cを覆う第1部分51と、導光部材の上面上において矩形の対角線に沿って延びる少なくとも1つの第2部分52とを含んでいる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の上面、および、上面とは反対側の下面を有する導光部材であって、前記上面から前記下面まで貫通する貫通孔を有する導光部材と、
前記貫通孔に配置された、発光素子を含む光源と、
前記導光部材よりも低い屈折率を有する透光性部材と、
を備え、
前記透光性部材は、
前記貫通孔において少なくとも前記光源の側面を覆う第1部分と、
前記導光部材の前記上面上において前記矩形の対角線に沿って延びる少なくとも1つの第2部分と、
を含んでいる、面状光源。
【請求項2】
前記透光性部材の前記第2部分は、前記第1部分から連続して前記矩形の4つの角のうちの1つに向かって延びている、請求項1に記載の面状光源。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2部分は、前記矩形の4つの角のそれぞれに向かって1つずつ延びる4つの第2部分を含む、請求項2に記載の面状光源。
【請求項4】
前記透光性部材上に配置された光調整層であって、上面視において前記光源に重なる部分を含む光調整層をさらに備える、請求項3に記載の面状光源。
【請求項5】
前記光調整層は、隣り合う2つの第2部分の間において前記導光部材の前記上面に接する部分をさらに含んでいる、請求項4に記載の面状光源。
【請求項6】
前記透光性部材は、前記導光部材の前記上面上において前記矩形の4つの辺のうちの1つに向かって延びる少なくとも1つの第3部分をさらに含んでいる、請求項1から4のいずれか1項に記載の面状光源。
【請求項7】
前記透光性部材は、
前記貫通孔を規定する、前記導光部材の内側面に接する第1透光性部材と、
前記第1透光性部材よりも低い屈折率を有する第2透光性部材と、
を含み、
前記第3部分は、前記第2透光性部材の一部である、請求項6に記載の面状光源。
【請求項8】
前記透光性部材は、
前記貫通孔を規定する、前記導光部材の内側面に接する第1透光性部材と、
前記第1透光性部材よりも低い屈折率を有する第2透光性部材と、
を含み、
前記少なくとも1つの第2部分は、前記第2透光性部材の一部または全部である、請求項1から5のいずれか1項に記載の面状光源。
【請求項9】
前記透光性部材は、前記導光部材の前記上面上において前記矩形の4つの辺のうちの1つに向かって延びる少なくとも1つの第3部分をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2部分は、前記第2透光性部材の一部であり、
前記第3部分は、前記第2透光性部材の他の一部である、請求項8に記載の面状光源。
【請求項10】
前記光源は、上面を有し、
前記第2透光性部材は、前記光源の前記上面の少なくとも一部に接している、請求項7に記載の面状光源。
【請求項11】
前記光源は、上面を有し、
前記第2透光性部材は、前記光源の前記上面の少なくとも一部に接している、請求項8に記載の面状光源。
【請求項12】
前記光源は、上面を有し、
前記光源の前記上面の全体は、前記第1透光性部材に接している、請求項7に記載の面状光源。
【請求項13】
前記光源は、上面を有し、
前記光源の前記上面の全体は、前記第1透光性部材に接している、請求項8に記載の面状光源。
【請求項14】
前記光源の前記上面の形状は、矩形であり、
上面視において、前記光源の前記上面の一辺は、前記導光部材の前記上面の対角線に概ね平行である、請求項10に記載の面状光源。
【請求項15】
前記光源の前記上面の形状は、矩形であり、
上面視において、前記光源の前記上面の一辺は、前記導光部材の前記上面の対角線に概ね平行である、請求項12に記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの発光素子を二次元に配置した構成を有する直下型の発光装置が知られている。例えば下記の特許文献1の図3は、導光板の貫通孔の内部にLEDを配置し、LEDを覆うように貫通孔を接着部材で充填した構成を有する発光装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2009-0117419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
面状光源の分野、特に薄型の直下型バックライトの分野では、発光素子から離れた領域の輝度向上に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態による面状光源は、矩形の上面、および、上面とは反対側の下面を有する導光部材であって、前記上面から前記下面まで貫通する貫通孔を有する導光部材と、前記貫通孔に配置された、発光素子を含む光源と、前記導光部材よりも低い屈折率を有する透光性部材とを備え、前記透光性部材は、前記貫通孔において少なくとも前記光源の側面を覆う第1部分と、前記導光部材の前記上面上において前記矩形の対角線に沿って延びる少なくとも1つの第2部分とを含んでいる。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、発光素子から離れた領域の輝度向上が可能な面状光源を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態による面状光源の外観の一例を示す模式的な上面図である。
図2図1に示す面状光源を導光部材の上面に垂直に切断したときの断面の一部を模式的に示す図である。
図3図2に示す面状光源を導光部材の上面側から見たときの外観の一例を示す模式的な上面図である。
図4】透光性部材の構成の他の例を示す模式的な部分断面図である。
図5図4に対応する模式的な上面図である。
図6】透光性部材の構成のさらに他の例を示す模式的な部分断面図である。
図7図6に対応する模式的な上面図である。
図8】透光性部材の構成のさらに他の例を示す模式的な部分断面図である。
図9図8に対応する模式的な上面図である。
図10】透光性部材の構成のさらに他の例を示す模式的な部分断面図である。
図11図10に対応する模式的な上面図である。
図12】透光性部材の構成のさらに他の例を示す模式的な部分断面図である。
図13図12に対応する模式的な上面図である。
図14】本開示の実施形態による面状光源に適用可能な光源の構成の例を示す模式的な断面図である。
図15図14に示す光源を上面とは反対側から見たときの外観の一例を示す模式的な底面斜視図である。
図16】配線基板の配線層および導電部の配置の一例を説明するための底面透視図である。
図17】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図18】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図19】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図20】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図21】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図22】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図23】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図24】本実施形態による面状光源の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図25】本実施形態による面状光源の他の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図26】本実施形態による面状光源のさらに他の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による面状光源は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、工程、その工程の順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0009】
図面が示す構成要素の寸法、形状などは、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の面状光源における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」などの用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置などにおいて、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面などが0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面などが90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0011】
(面状光源の実施形態)
図1は、本開示の実施形態による面状光源の外観の一例を示す。図1には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印をあわせて図示している。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
【0012】
図1に示す面状光源1000は、例えば液晶表示装置の直下型バックライトに適用可能である。面状光源1000は、配線基板1100と、導光部材1200とを含む。
【0013】
配線基板1100は、導光部材1200を支持する上面1100aを有する。配線基板1100の上面1100aは、上面1100aの法線方向(ここでは図のZ方向に一致)に見た上面視において、矩形状の領域を含んでいる。導光部材1200は、配線基板1100の上面1100aのうちこの矩形状の領域上に配置される。導光部材1200と配線基板1100との間には、導光部材1200を配線基板1100の上面1100aに固定するための接着層などの他の部材が介在され得る。
【0014】
後に詳しく説明するように、配線基板1100は、例えばフレキシブルプリント基板(FPC基板)をその一部に含み得る。図1に例示する構成において、配線基板1100は、導光部材1200の配置される矩形状の領域から延びる延伸部110tを含む。この例では、延伸部110tの数は、4つである。延伸部110tのそれぞれは、外部の電源などへの接続のための端子を有する。
【0015】
図1に示す例において、導光部材1200は、図のY方向と比較してX方向に長い長方形状を有する板状の部材である。ここでは、導光部材1200の長方形状の長辺は、X方向に平行であり、短辺は、Y方向に平行である。
【0016】
導光部材1200は、それぞれがX方向またはY方向に延びる複数の溝部20gを有する。また、導光部材1200は、複数の貫通孔20hを有する。図1中に拡大して模式的に示すように、複数の貫通孔20hのそれぞれは、溝部20gによって四方を囲まれ得る。言い換えれば、複数の溝部20gは、それぞれが1つの貫通孔20hを有する複数の単位に導光部材1200を区画している。このように、導光部材1200は、複数の単位が二次元に配列された繰り返し構造を有し得る。
【0017】
図1中に破線で模式的に示すように、各貫通孔20hの内部に光源130が配置される。後に詳しく説明するように、各貫通孔20hの内部は、導光部材1200よりも低い屈折率を有する透光性部材で充填される。本開示の典型的な実施形態において、この透光性部材は、貫通孔20hの内部において光源130の上面および側面を覆う。なお、図1に示す例では、透光性部材150上に、貫通孔20hを覆う形状の光調整層140が配置されている。
【0018】
この透光性部材150の一部は、導光部材1200の上面1200a上に位置し得る。図1に示す例では、透光性部材150の一部が、導光部材1200のうち溝部20gによって矩形状に区画された部分の角部に向かって貫通孔20hの位置から延びている。このように、透光性部材150は、上面視において光調整層140からはみ出した部分を含み得る。
【0019】
図1に例示する面状光源1000は、それぞれが光源130を含む複数の単位構造100の集合体であるといえる。面状光源1000は、このような単位構造100が複数の行および列に配列された構成を有する。図1に示す例では、面状光源1000は、25行40列に配列された合計1000個の単位構造100を含む。本開示の実施形態において、面状光源1000中の単位構造100の数およびそれらの配置は、任意である。
【0020】
各単位構造100は、それ自身が発光可能な構造を有する。この意味で、単位構造100自身も面状光源であるということができる。以下、単位構造100を面状光源100と呼ぶことがある。このように、本明細書では、光源130を含む単位構造と、そのような単位構造を一次元または二次元に配列した構成を有する発光装置との両方に共通して「面状光源」の用語を用いる。言い換えれば、本明細書における「面状光源」の用語は、光源130を含む単位構造100と、複数の単位構造100の配列から構成された装置との両方を包含するように解釈される。
【0021】
図2は、面状光源100を導光部材1200の上面1200aに垂直に切断したときの断面を模式的に示す。図2に示すように、面状光源100は、配線基板1100の一部と、導光部材120と、光源130と、光調整層140と、透光性部材150とを含む。
【0022】
導光部材120は、図1に示す導光部材1200の一部であり、上面120aと、上面120aの反対側に位置する下面120bとを有する。導光部材120の下面120bは、導光部材120の2つの主面のうち、配線基板1100の上面1100aのより近くに位置する主面である。図1から理解されるように、ここでは、導光部材120の上面120aの上面視における形状は、矩形である。
【0023】
導光部材120は、上面視において、その中央付近に、導光部材120の上面120aから下面120bまで貫通する貫通孔20hを有する。貫通孔20hは、導光部材120の上面120aに位置する開口20aと、下面120bに位置する開口20bとを含む。ここで、「導光部材120がその中央付近に貫通孔20hを有する」とは、上面視において、貫通孔20hが、導光部材120の上面120aの矩形の対角線同士の交点と重なることを包含する。
【0024】
導光部材120は、貫通孔20hの形状を規定する少なくとも1つの内側面を有する。図1において破線で描かれているように、ここでは、貫通孔20hの2つの開口20a、20bは、上面視において円形状を有する。したがって、図2に示す例では、1つの内側面20cが貫通孔20hを規定している。貫通孔20hを規定する内側面の数は、3以上であってもよい。例えば貫通孔20hの開口20a、20bが多角形状を有する場合、貫通孔20hは、3以上の内側面によって規定され得る。
【0025】
上述したように、貫通孔20hの内部には光源130が位置する。光源130は、上面130aと、上面130aとは反対側に位置する下面130bとを有する。ここでは、上面130aは、矩形状を有しており(図1参照)、光源130は、上面130aと下面130bとの間に位置する4つの側面130cをさらに有している。
【0026】
図2に模式的に示すように、光源130は、少なくとも発光素子32をその一部に含む。発光素子32は、例えば青色LEDのダイであり、後に図面を参照しながら詳しく説明するように、光源130の下面130b側に一対の電極32eを有する。貫通孔20hの内部において、光源130の発光素子32は、これら電極32eを介して配線基板1100に電気的に接続される。
【0027】
面状光源100は、導光部材120の貫通孔20h内に位置する透光性部材150をさらに含む。透光性部材150は、導光部材120の材料よりも低い屈折率を有する材料から形成され、貫通孔20h内において少なくとも光源130の側面130cを覆う。図2に示す例では、透光性部材150は、光源130の側面130cだけでなく上面130aをも覆っている。
【0028】
以下では、透光性部材150のうち、導光部材120の貫通孔20hの内部に位置し、かつ、光源130の側面130cを覆う部分を「第1部分51」と呼ぶ。以下に説明するように、本開示の実施形態において、透光性部材150は、第1部分51に加えて、導光部材120の上面120a上に位置する少なくとも1つの第2部分52をさらに有する。
【0029】
図3は、図2に示す面状光源100を導光部材120の上面120a側から見たときの外観の一例を模式的に示す。図3に示す例において、透光性部材150は、導光部材120の貫通孔20hから導光部材120の矩形状の4つの角のそれぞれに向かって1つずつ延びる4つの第2部分52を有している。第2部分52のそれぞれは、上面視において少なくとも一部が光調整層140から露出されている。
【0030】
以下では、透光性部材のうち導光部材120の上面120a上に位置する部分を便宜的に「第2部分52」、「第3部分53」、・・・のように呼ぶ。あるいは、「第2部分52」、「第3部分53」、・・・は、透光性部材のうち上面視において導光部材120の貫通孔20hに重ならない部分として定義されてもよい。なお、第1部分51と、透光性部材の他の部分(例えば第2部分52)との間に明瞭な境界が存在するとは限らない。例えば、第1部分51と第2部分52とが共通の材料から形成され、かつこれらの部分が連続している場合など、これら2つの部分の間に明瞭な境界を見出せないこともあり得る。
【0031】
図3に例示する構成において、第2部分52のそれぞれは、導光部材120の上面120aの矩形の対角線に沿って延びている。ここで、本明細書において「矩形の対角線に沿って延びる」とは、注目した部材がその矩形の対角線上に厳密に直線状に配置されている形状に限定されない。本明細書における「矩形の対角線に沿って延びる」は、対角線から多少ずれて直線状に延びる形状、対角線に概ね従って蛇行する形状、ある太さを持って直線状に延びているが対角線上にある部分が選択的に除去されているような形状なども包含するように解釈される。
【0032】
透光性部材150が、導光部材120の上面120a上に位置する第2部分52を含むことにより、光源130から発せられた光を導光部材120の内部だけでなく第2部分52の内部にも伝播させることが可能になる。光源130からの光を透光性部材150の第2部分52に伝播させることにより、導光部材120の周縁部に向けて、より多くの光を広げることができる。例えば図3に示すように、第2部分52が、導光部材120の上面120aの矩形の対角線に沿って延びる形状を有することにより、導光部材の対角方向に光を広げやすくなる。導光部材120の例えば対角方向への光の伝播を増大させることにより、矩形の中心部と比較して輝度が低下する傾向にある角部付近の輝度を向上させる効果を得られる。
【0033】
透光性部材150が導光部材120よりも低い屈折率を示すことにより、矩形状の導光部材120の例えば角部に向けて透光性部材150を介して効率的に光を広げ得る。図3に示すように、透光性部材150の第2部分52のそれぞれは、第1部分51から連続して導光部材120の矩形の角に向かって延びていてもよい。
【0034】
第2部分52は、第1部分51と同じ材料から形成されていてもよいし、第1部分51とは異なる材料から形成されていてもよい。第2部分52は、単一の部材として第1部分51と一体に形成されていてもよいし、第1部分51から分離した形で導光部材120の上面120a上に形成されていてもよい。
【0035】
各第2部分52の幅は、導光部材120の矩形の対角線に沿って概ね一定であってもよいし、図3に例示するように導光部材120の矩形の角に近づくにしたがって狭くなってもよい。また、各第2部分52の幅は、導光部材120の矩形の角に近づくにしたがって広くなってもよい。導光部材120の矩形の対角線に沿った、第2部分52の幅の縮小または拡大の度合いが一定であることは、必須ではない。例えば、第2部分52は、1以上のくびれを含む上面視形状を有していてもよい。第2部分52の「幅」は、上面視において第2部分52と重なる、導光部材120の上面120aの矩形の対角線に対して垂直な方向における第2部分52の寸法として定義し得る。
【0036】
各第2部分52の最大幅は、例えば、後述する光調整層140の一辺の長さの10%以上100%以下の範囲であり得る。各第2部分52の長さは、導光部材120の上面120aの矩形の対角線と光調整層140の一辺との交点から、その交点に最も近い、その矩形の角までの長さ(図3中に実線の矢印DSで示す)の30%以上100%以下の範囲であり得る。第2部分52の長さは、貫通孔20hから第2部分52の先端部までの最短距離として定義されてもよい。
【0037】
本実施形態において、面状光源100は、透光性部材150上に位置する光調整層140をさらに含んでいる。図2および図3から理解されるように、光調整層140は、上面視において光源130に重なる部分を有する。
【0038】
光調整層140は、例えば白色の樹脂層であり、光源130から発せられて光調整層140に入射した光の一部を透過させ、残余を配線基板1100の上面1100aに向けて反射させる。少なくともその一部が上面視において光源130に重なるようにして光調整層140を透光性部材150上に配置することにより、光調整層140の例えば拡散透過を利用して、面状光源100の発光面のうち光源130の直上の領域における輝度を適度に低下させることができる。これにより、面状光源100の発光面のうち光源130の直上の領域と、導光部材120の周縁部との間の輝度差を低減し得る。
【0039】
図3に例示する構成において、光調整層140は、導光部材120の上面120aと同様の矩形状を有している。ただし、図3に示す例では、光調整層140の矩形は、角が丸められた形状とされ、かつ、光調整層140の矩形の外形を構成する辺が、導光部材120の矩形の外形を構成する辺に対して45°傾けられている。なお、この例では、光調整層140の矩形の角は、導光部材120の上面120a上にある。言い換えれば、図3に示す例において、光調整層140は、それぞれが、隣り合う2つの第2部分52の間において導光部材120の上面120aに接する4つの部分を含んでいる。
【0040】
光調整層140は、上面視において導光部材120の貫通孔20hの全体を覆っていてもよいし、貫通孔20hの一部を覆う形状を有していてもよい。貫通孔20hの少なくとも一部を光調整層140が覆うことにより、光調整層140による反射(例えば拡散反射)を利用して、透光性部材150の例えば第1部分51から第2部分52に光を効果的に導入させ得る。
【0041】
光調整層140は、孔の無い連続した単一の膜であってもよいし、1以上の孔あるいは1以上のスリットを有していてもよい。光調整層140が複数のドットの集合から構成されていてもよい。
【0042】
図2および図3に例示する構成において、光調整層140は、光調整貫通孔140hを有する。光調整層140が光調整貫通孔140hを有すると、光調整層140の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、光調整貫通孔140hの大きさおよび位置を適宜に変更することにより、光源130からの光のうち、光調整層140によって遮られる光の割合を調整し得る。
【0043】
光調整貫通孔140hの形状および配置の制御により、光調整層140の直上領域における輝度の調整が容易になる結果、面状光源100の発光面のうち光源130の直上の領域における輝度を適度に低下させやすくなる。特に、光調整層140の光調整貫通孔140hが上面視において光源130から離れて位置するようにすることで、光源130の直上領域が明るくなりすぎることを回避し得る。
【0044】
各光調整貫通孔140hの上面視における形状は、特に限定されない。上面視における光調整貫通孔140hの形状は、図3に示すように円形状であってもよいし、楕円形、または、三角形、四角形、六角形もしくは八角形などの多角形であってもよい。光調整貫通孔140hは、上面視において線状の部分を含んでいてもよい。
【0045】
図4および図5は、透光性部材の構成の他の例を示す。図2および図3を参照しながら説明した面状光源100と比較して、図4および図5に示す面状光源100Aは、透光性部材150に代えて透光性部材150Aを有する。図3を参照しながら説明した例と同様に、透光性部材150Aは、導光部材120の貫通孔20hからそれぞれが導光部材120の矩形状の4つの角のうち対応する1つに向かって延びる4つの第2部分52を有している。
【0046】
透光性部材150Aは、相異なる屈折率を有する第1透光性部材151および第2透光性部材152を含んでいる。図4に模式的に示すように、この例では、透光性部材150Aのうち第1透光性部材151が導光部材120の貫通孔20hの内部に位置している。第1透光性部材151は、貫通孔20hの内側面20cに接し、かつ、光源130の側面130cを覆っている。
【0047】
他方、ここでは、光源130の上面130aは、透光性部材150Aの第2透光性部材152によって覆われる。なお、第1透光性部材151の一部が光源130の上面130a上に配置されていることもあり得る。すなわち、ここでは、第2透光性部材152は、光源130の上面130aの少なくとも一部に接する。
【0048】
図4および図5に例示する構成において、透光性部材150Aの第2透光性部材152は、光源130の上面130a上、第1透光性部材151の上面151a上、および、導光部材120の上面120a上にわたって配置されている。図4および図5に示す例では、光調整層140の全体が第2透光性部材152上に位置している。
【0049】
第2透光性部材152は、第1透光性部材151よりも低い屈折率を有する。すなわち、この例では、下記(1)式の関係が成立する。
(第2透光性部材152の屈折率)<(第1透光性部材151の屈折率)<(導光部材120の屈折率) …(1)
なお、本明細書における「屈折率」は、光源130中の発光素子32の発光ピーク波長を有する光に対する屈折率を指す。
【0050】
図4および図5に示す例において、透光性部材150Aの第1透光性部材151は、導光部材120の上面120a上に位置する部分を有しない。言い換えれば、この例では、透光性部材150Aにおける第2部分52は、第2透光性部材152の一部である。しかしながら、このような例に限定されず、以下に説明するように、第2部分52が第2透光性部材152の全部を含んでいてもよい。
【0051】
図6および図7は、透光性部材の構成のさらに他の例を示す。図4および図5を参照しながら説明した面状光源100Aと比較して、図6および図7に示す面状光源100Bは、透光性部材150Aに代えて透光性部材150Bを有する。
【0052】
図4および図5に示す透光性部材150Aと同様に、面状光源100Bの透光性部材150Bは、相異なる屈折率を有する第1透光性部材151および第2透光性部材152を含む。ただし、この例では、第1透光性部材151は、光源130の側面130cだけでなく上面130aをも覆っている。言い換えれば、この例では、光源130の上面130aの全体が第1透光性部材151に接する。他方、第2透光性部材152は、光源130のいずれの部分にも接しない。
【0053】
図6および図7に模式的に示すように、ここでは、第2透光性部材152は、それぞれが独立した4つの部分152a~152dを含んでおり、これら4つの部分152a~152dのそれぞれは、導光部材120の上面120aの矩形の角のうち対応する1つに向かって延びている。また、ここでは、これら4つの部分152a~152dのいずれも、導光部材120の上面120a上に位置している。すなわち、この例では、第2透光性部材152の全部が透光性部材150Bの第2部分52を構成している。
【0054】
なお、図6および図7に示す例では、導光部材120の上面120a上に第1透光性部材151の一部も位置している。すなわち、ここでは、透光性部材150Bの第2部分52は、第2透光性部材152に加えて第1透光性部材151の一部も含んでいるといえる。
【0055】
図6および図7に示すように、第2透光性部材152の4つの部分152a~152dのそれぞれは、第1透光性部材151から延びていてもよい。言い換えれば、第2透光性部材152は、第1透光性部材151と接していてもよい。
【0056】
上述したように、第2透光性部材152は、第1透光性部材151よりも低い屈折率を有し得る。屈折率の異なる2つの媒質(ここでは第1透光性部材151および第2透光性部材152)の界面を透光性部材の内部に形成することは、導光部材120の角部への光の伝播に有利に働くことがあり得る。
【0057】
透光性部材は、光源130の側面130cを覆う第1部分51および上述の第2部分52に加えてさらに第3の部分を含んでいてもよい。図8および図9は、透光性部材の構成のさらに他の例を示す。図8および図9に示す面状光源100Cは、透光性部材150Cをその一部に含んでいる。
【0058】
図6および図7を参照しながら説明した面状光源100Bの透光性部材150Bと同様に、面状光源100Cの透光性部材150Cは、光源130の側面130cおよび上面130aを覆う第1透光性部材151と、4つの部分152a~152dを含む第2透光性部材152とを有している。第1透光性部材151の一部と、第2透光性部材152の全部とから第2部分52が構成される点も面状光源100Bの例と同様である。ただし、透光性部材150Cは、さらに、少なくとも1つの第3部分53を含む点で、上述した各例と異なっている。
【0059】
図8および図9に示す例において、透光性部材150Cは、それぞれが導光部材120の上面120a上において上面120aの矩形状の4つの辺のうちの1つに向かって延びる4つの第3部分53を含んでいる。また、この例において、各第3部分53は、互いに隣り合う2つの第2部分52の間に配置されている。言い換えれば、各第3部分53は、導光部材120の上面120a上において、第2透光性部材152の4つの部分152a~152dのうちの2つの間に位置する。
【0060】
これら第3部分53は、例えば第2透光性部材152と同じ材料から形成され、第1部分51から連続した形で導光部材120の上面120a上に設けられ得る。第3部分53が第2部分と同様に第2透光性部材152と同じ材料から形成される場合、第2部分52は、第2透光性部材152の一部であり、第3部分53は、第2透光性部材152のうち第2部分52とは異なる他の一部であるといえる。
【0061】
透光性部材が第2部分52に加えて第3部分53をさらに有することにより、光源130からの光を透光性部材の第2部分52のみならず第3部分53にも伝播させることが可能になる。光源130からの光を第2部分52および第3部分53の両方に伝播させることにより、導光部材120の周縁部と、光源130の直上の領域との間の輝度差をいっそう効果的に低減し得る。
【0062】
第3部分53は、図8および図9に示す例のように、第2部分52から分離された形で第1部分51から延びていてもよい。あるいは、第3部分53は、第2部分52から連続していてもよい。言い換えれば、第3部分53は、第2部分52に接する部分を有していてもよい。
【0063】
第2部分52と同様に、各第3部分53の最大幅も例えば光調整層140の一辺の長さの10%以上100%以下の範囲であり得る。第3部分53の幅は、例えば、導光部材120の上面120aの矩形を構成する辺の垂直二等分線に対して垂直な方向における第3部材53の寸法として定義できる。各第3部分53の長さは、導光部材120の上面120aの矩形の外形を構成する辺の垂直二等分線と光調整層140の角部における外縁との交点から、導光部材120の上面120aの矩形の外形を構成する辺までの最短距離(図9中に実線の矢印SSで示す)の30%以上100%以下の範囲であり得る。第3部分53の長さは、貫通孔20hから第3部分53の先端部までの最短距離として定義することもできる。
【0064】
図10および図11は、透光性部材の構成のさらに他の例を示す。図10および図11に示す面状光源100Dは、透光性部材150Dをその一部に含んでおり、透光性部材150Dは、図4および図5に示す透光性部材150Aと同様に、光源130の側面130cを選択的に覆う第1透光性部材151と、光源130の上面130aの少なくとも一部に接する第2透光性部材152とを含む。
【0065】
図8および図9を参照しながら説明した例と同様に、透光性部材150Dは、それぞれが導光部材120の上面120aの矩形の角に向かって延びる4つの第2部分52と、それぞれが2つの第2部分52の間に位置する4つの第3部分53とを含んでいる。この例のように、光源130の上面130aを覆うように構成された第2透光性部材152が第2部分52と第3部分53とを有していてもよい。
【0066】
透光性部材が、相異なる屈折率を有する第1透光性部材151および第2透光性部材152を含む場合に限定されず、例えば透光性部材が単一の材料から構成される場合において、透光性部材が第2部分52に加えて第3部分53を有していてもよい。図12および図13は、透光性部材150Eをその一部に含む面状光源100Eの例を示している。透光性部材150Eは、図3に示す面状光源100の透光性部材150と同様に、第1部分51および第2部分52を有する。ただし、面状光源100Eの透光性部材150Eは、上述の透光性部材150Cおよび透光性部材150Dと同様に、第1部分51および第2部分52に加えて第3部分53をさらに有している。第3部分53は、第1部分51および第2部分52と同じ材料から形成されてもよいし、第1部分51および第2部分52の材料とは異なる材料から形成されもよい。
【0067】
ここで、本開示の実施形態の面状光源に適用可能な光源130の例を説明する。図2を参照しながら説明したように、光源130は、少なくとも発光素子32をその一部に含む。
【0068】
図14は、面状光源に適用可能な光源130の例示的な構成を示す。図14に例示する構成において、光源130は、発光素子32と、第3透光性部材33と、第3透光性部材33上の第1光反射層36と、発光素子32の下面32b側に位置する第2光反射層38とを含む。
【0069】
発光素子32は、配線基板1100の上面1100a側に位置する下面32bに一対の電極32eを有する。電極32eは、複数の層を含む積層構造を有し得る。図14に示す例では、電極32eは、銅などから形成された柱状の第1導電部材3と、第1導電部材3のうち第2光反射層38から露出された部分を覆う保護層4とを含んでいる。保護層4は、例えばニッケルおよび金の積層膜である。
【0070】
図15は、図14に示す光源130を上面130aとは反対側から見たときの外観の一例を示す。図15に示す例では、光源130の下面130bに相当する、第2光反射層38の下面38bに電極32eの保護層4が現れている。言い換えれば、電極32eの下面32ebは、第2光反射層38から露出されている。
【0071】
発光素子32は、下面32bとは反対側の上面32aを有する。第3透光性部材33は、発光素子32の上面32aと、側面32cの少なくとも一部とを覆う。第1光反射層36は、第3透光性部材33の上面33a上に配置されることにより、発光素子32の上面32aの上方に位置する。第1光反射層36の上面36aは、光源130の上面130aを構成する。ここでは、光源130の上面130aとしての上面36aは、上面視において矩形状を有する。上面36aの矩形状の一辺の長さは、例えば850μm程度であり得る。
【0072】
発光素子32の上面32aの上方に第1光反射層36を配置することにより、発光素子32から上方に向けて出射された光の少なくとも一部を第1光反射層36で反射させることができる。第1光反射層36と第3透光性部材33との界面での反射により、主に光源130の側方に光を取り出すことが可能になり、面状光源100の発光面のうち光源130の直上の領域における輝度(特に発光素子32の光軸上の輝度)を抑えることができる。
【0073】
次に、図2を参照しながら、導光部材120を支持する配線基板1100の概略を説明する。図2に例示する構成において、配線基板1100は、上面110aおよび下面110bを有する支持体110と、支持体110の下面110b上に配置された配線層116と、支持体110を貫通する導電部160と、支持体110の下面110b側に位置する絶縁層170とを含む。
【0074】
配線基板1100の支持体110の典型例は、FPC基板である。ここでは、支持体110は、それぞれが下面110bから上面110aに達する複数の貫通孔10hを有している。1つの面状光源100に注目すると、支持体110は、発光素子32の一対の電極32eに対応して一対の貫通孔10hを有する。
【0075】
図2に模式的に示すように、各貫通孔10hの内部には、導電部160の一部が配置される。各導電部160の一方の端部は、発光素子32の電極32eのうち対応する1つの下面32eb(図14および図15を参照)に接することにより、その電極との間に電気的接続を有する。導電部160のそれぞれは、貫通孔10h内部から支持体110の下面110b側において配線層116まで延び、配線層116に電気的に接続される。
【0076】
図16は、配線層116および導電部160の配置の一例を模式的に示す。図16に例示する構成において、導電部160は、発光素子32の電極32eよりも広がった形状を有しており、支持体110の下面110bの配線層116に接続されている。
【0077】
図16に示す例では、配線層116は、それぞれが図のY方向に延びる配線16a~16dを含む。これらの配線16a~16dは、Y方向に隣り合う他の面状光源100との間の電気的接続の機能を有する。この例において、配線16a~16dのうち配線16bは、X方向へ延びる枝部16bbを有しており、ここでは、この枝部16bbの先端が二股に分かれた形で一対の導電部160のうちの1つに接続されている。また、配線16a~16dのうち配線16cは、X方向へ延びる枝部16ccを有している。枝部16ccも枝部16bbと同様に二股に分かれた先端を有し、これら先端の部分で一対の導電部160のうちの他の1つに接続されている。
【0078】
配線層116は、配線基板1100の延伸部110tの端子部(図1および図2を参照)まで延びる。このような導電構造を有することにより、配線基板1100は、支持体110の下面110b側の配線層116と、貫通孔10h内部の導電部160とを介して、外部の電源から発光素子32に所定の電流を供給可能である。ここでは、支持体110の下面110b側に、導電部160の一部および配線層116を覆う絶縁層170がさらに配置されている。
【0079】
次に、支持体110の上面110a側に注目する。図2に示す例では、支持体110の上面110a上に第1接着層112が配置されている。また、この例では、第1接着層112上に光反射性シート114が配置されている。すなわち、この例では、配線基板1100は、支持体110に加えて第1接着層112および光反射性シート114を含んでおり、光反射性シート114の上面が配線基板1100の上面1100aを構成している。
【0080】
さらにこの例では、導光部材120と光反射性シート114との間に第2接着層180が配置されている。導光部材120は、第2接着層180によって配線基板1100に固定される。図2から理解されるように、上述の導電部160は、第1接着層112、光反射性シート114および第2接着層180を貫通して発光素子32の電極32eの下面32ebに達する。
【0081】
以下、面状光源100の各構成要素をより詳細に説明する。
【0082】
[発光素子32]
発光素子32の典型例は、LEDである。発光素子32は、サファイアまたは窒化ガリウムなどの透光基板と、透光基板上の半導体積層体と、半導体積層体に電気的に接続された一対の電極32eとを有し得る。発光素子32が透光基板を有する場合、透光基板の主面のうち、半導体積層体が配置された主面とは反対側の主面が、発光素子32の上面32aを構成する。
【0083】
半導体積層体は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸(SQW)などの構造を有していてもよいし、多重量子井戸(MQW)のようにひとかたまりの活性層群をもつ構造を有していてもよい。半導体積層体は、可視光または紫外光を発光可能に構成されている。このような発光層を含む半導体積層体は、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含み得る。
【0084】
半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、半導体積層体は、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、数nm程度のばらつきがある場合も含む。各発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0085】
[第3透光性部材33]
第3透光性部材33は、発光素子32の上面32a上と、側面32cの少なくとも一部上とに位置する。発光素子32が複数の側面32cを有する場合、第3透光性部材33は、各側面32c(例えば4つの側面32cのそれぞれ)の一部または全部を覆う。
【0086】
第3透光性部材33の材料には、透明な樹脂を母材として含む樹脂材料を適用できる。第3透光性部材33の母材として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。
【0087】
第3透光性部材33は、発光素子32の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光の取出し効率を高める観点から、発光素子32の発光ピーク波長における第3透光性部材33の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
【0088】
第3透光性部材33は、蛍光体などの波長変換材料を含有し得る。例えば、発光素子32に青色LEDを用い、発光素子32からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する波長変換材料を第3透光性部材33に含有させ得る。この場合、第3透光性部材33を通過した青色光と、第3透光性部材33に含まれる波長変換材料から発せられた黄色光との混色によって白色光が得られる。
【0089】
第3透光性部材33に含有させる波長変換材料には、公知の蛍光体を適用できる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体(例えばKSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えばK(Si,Al)F:Mn)などのフッ化物系蛍光体およびCASNなどの窒化物系蛍光体(例えばCaAlSiN:Eu、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)、YAG系蛍光体(例えばY(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば(Si,Al)(O,N):Eu)などである。KSF系蛍光体、KSAF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換材料の例であり、YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換材料の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換材料の例である。蛍光体は、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えばCsPb(F,Cl,Br,I))、または、量子ドット蛍光体(例えばCdSe、InP、AgInSまたはAgInSe)であってもよい。
【0090】
なお、本明細書における「透光性」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。母材とは異なる屈折率を有する光拡散材が分散させられることにより、第3透光性部材33が光拡散機能を有していてもよい。例えば、第3透光性部材33が、二酸化チタン、酸化ケイ素の粒子などの光拡散材をさらに含有していてもよい。
【0091】
[第1光反射層36]
第1光反射層36は、第3透光性部材33の上面33a上に配置され、典型的には、上面33aの全体を覆う。第1光反射層36の材料には、例えば、白色の樹脂材料を用いることができる。白色の樹脂材料は、典型的には、母材と、母材とは異なる屈折率の粒子などのフィラーとを含む。母材にフィラーを分散させることにより、第1光反射層36に光反射性を付与することができ、第1光反射層36を光反射層として機能させ得る。
【0092】
本明細書において、「光反射性」とは、発光素子32の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。第1光反射層36の反射率は、面状光源100の用途によって適宜に調整され得る。第1光反射層36は、発光素子32から出射された光を適度に反射させ、発光素子32直上の輝度を適度に低下できればよい。第1光反射層36が発光素子32からの光を完全に遮蔽することは、必須ではない。
【0093】
第1光反射層36の母材の例は、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)などである。フィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。フィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウムなどの各種希土類酸化物の粒子などである。
【0094】
第1光反射層36は、白色の樹脂層に限定されない。第1光反射層36は、Ag膜もしくはAl膜などの金属膜または誘電体多層膜などの反射膜であってもよい。第1光反射層36は、白色の樹脂層と反射膜との複合体であってもよい。例えば、第1光反射層36は、白色の樹脂層と金属膜との複合体であってもよい。
【0095】
[第2光反射層38]
第2光反射層38は、発光素子32の下面32b側に位置し、発光素子32の下面32bのうち電極32eの配置された領域以外の領域と、第3透光性部材33の下面とを覆う。第2光反射層38は、例えば、第1光反射層36と同様に、母材と、光反射性のフィラーとを含有する。光源130において発光素子32の下面32b側に第2光反射層38を配置することにより、発光素子32の下面32b側からの光の漏れを低減でき、光の取出し効率の低下を回避し得る。
【0096】
なお、面状光源100に適用される光源が、第3透光性部材33、第1光反射層36および第2光反射層38のすべてを有していることは、本開示の実施形態において必須ではない。例えば、発光素子32の下面32b側に位置する第2光反射層38が省略されることがあり得る。光源130から第3透光性部材33が省略されてもよい。この場合、第1光反射層36は、発光素子32の上面32a上に直接に接する。さらにこの場合において、第2光反射層38が省略されてもよい。すなわち、発光素子32と、発光素子32の上面32a上の第1光反射層36とから構成される光源を面状光源100に適用してもよい。あるいは、第3透光性部材33、第1光反射層36および第2光反射層38のいずれをも有しない発光素子32単体を光源130として利用することも可能である。
【0097】
[導光部材120]
導光部材120は、配線基板1100の上面1100a側に位置する。導光部材120は、透光性を有し、例えば150μm以上800μm以下の範囲の厚さを有する。
【0098】
導光部材120は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、または、エポキシ、シリコーンなどの熱硬化性樹脂で構成される。導光部材120の材料として、ガラスを用いてもよい。導光部材120は、母材とは異なる屈折率を有する光拡散材を含有していてもよい。導光部材120中に光拡散材を分散させることにより、導光部材120に光拡散機能を付与することができる。
【0099】
導光部材120は、光源130からの光をその内部に伝播させて上面120aから出射させる機能を有する。本開示の典型的な実施形態において、導光部材120の上面120aは、矩形状を有する。上面120aの矩形状の一辺の長さは、8.6mm程度であり得る。図1に示す例においては、複数の導光部材120の上面120aの集合が面状光源1000の発光面を構成している。
【0100】
各導光部材120の上面120aおよび下面120bは、典型的には平坦面である。しかしながら、各導光部材120は、上面120aまたは下面120bに開口する凹部を有していてもよい。導光部材120が例えばその上面120aに凹部を有することにより、導光部材120の表面積を大きくしやすい。導光部材120の表面積の増大により、導光部材120の表面から導光部材120の外部に取り出される光の量を増大させやすくなり、面状光源1000の光取り出し効率を向上させ得る。例えば、貫通孔20hを取り囲むように1以上のV溝などを配置してもよい。
【0101】
上述したように、導光部材1200は、複数の溝部20gを有し得る。溝部20gは、例えば、面状光源1000において、互いに隣接する2つの単位構造100の境界に設けられ、上面視において各単位構造100の導光部材120の貫通孔20hを取り囲む配置を有する。導光部材120に溝部20gを設けることにより、例えばローカルディミング駆動下において、互いに隣り合う2つの単位構造100の間におけるコントラスト比(光源が点灯させられた単位構造と、その単位構造に隣り合い、かつ光源が消灯させられた単位構造との間における輝度変化の急峻さ)を有利に向上させ得る。
【0102】
図2に示す例では、各溝部20gは、導光部材120の上面120aに位置する開口を含み、その底は、第2接着層180の上面にまで達している。溝部20gは、第2接着層180および光反射性シート114をも貫通して第1接着層112まで達していてもよい。支持体110に配線層116を形成したことに起因する、配線基板1100の応力の緩和の観点からは、第1接着層112に達する深さで溝部20gを形成すると有利である。
【0103】
溝部20gの形状を規定する内側面は、断面視において、導光部材120の上面120aに対して傾いていてもよいし、図2に例示するように上面120aに垂直であってもよい。溝部20gの内側面は、断面視において段差を有していてもよい。
【0104】
溝部20gの内部に光反射性の区画部材が配置されることもある。区画部材は、例えば、母材としての樹脂と、母材とは異なる屈折率を有するフィラーとを含有する樹脂材料で構成される。区画部材の材料としては、第1光反射層36または第2光反射層38と同様の材料を用い得る。区画部材は、白色の樹脂層であり得る。
【0105】
区画部材の材料は、樹脂を母材とする材料に限定されない。区画部材は、金属膜(Ag膜、Al膜など)、誘電体多層膜などの反射膜であってもよい。なお、区画部材は、その一部が導光部材120の上面120aを覆う形状を有していてもよい。
【0106】
各溝部20gの上面視における幅は、例えば200μm以上1000μm以下である。なお、導光部材1200の外縁に位置する溝部20gは、省略されることがあり得る。
【0107】
[透光性部材150、150A~150E]
透光性部材の材料には、導光部材120よりも低い屈折率を有する材料を適用できる。透光性部材の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂である。
【0108】
図4図11を参照して説明した各例のように、透光性部材は、互いに屈折率の異なる2以上の部材、例えば、第1透光性部材151および第2透光性部材152から構成されていてもよい。第1透光性部材151および第2透光性部材152は、例えば、公知の透明な樹脂材料で形成され得る。(第2透光性部材152の屈折率)<(第1透光性部材151の屈折率)の関係を満足するように、第1透光性部材151および第2透光性部材152を構成する樹脂材料をそれぞれ選択すればよい。
【0109】
導光部材120の屈折率は、例えば約1.40以上約1.58以下であり、第1透光性部材151および第2透光性部材152のそれぞれの材料は、屈折率が約1.30以上約1.50以下の範囲内で、かつ上記の関係を満足するように選択される。透明な樹脂材料として、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂を含む熱硬化性樹脂を用いることができる。あるいは、そのような熱硬化性樹脂にナノ粒子などを分散させた樹脂材料を用いることができる。
【0110】
透光性部材が第1透光性部材151および第2透光性部材152から構成される場合、これらのうち第1透光性部材151は、光源130の少なくとも側面130cを覆う。第1透光性部材151は、導光部材120の貫通孔20hの内部において、光源130の側面130cの少なくとも一部に接し、かつ、貫通孔20hの内側面20cにも接する。光源130からの光を透光性部材の第2部分52の内部に効率的に導入する観点からは、第1透光性部材151が第2透光性部材152の材料よりも高い屈折率を有していると有利であることを本発明者は見出した。第1透光性部材151は、単層であってもよいし、複数の層を含む積層構造を有していてもよい。
【0111】
また、透光性部材が第1透光性部材151および第2透光性部材152から構成される場合、透光性部材の第2部分52は、典型的には、第2透光性部材152の一部または全部であり得る。上記した(1)式の関係が満足されることにより、第2透光性部材152を介した光の伝播を効果的に生じさせ、各第2部分52の先端付近まで光を広げ得る。
【0112】
図8図13に示す例のように、透光性部材が第3部分53を含む場合には、第3部分53は、第2部分52と同じ材料から形成されてもよいし、異なる材料から形成されてもよい。ただし、第3部分53内の光の伝播を利用して導光部材120の周縁部まで光を広げる観点からは、第3部分53が第1部分51よりも高い屈折率を有すると有利である。
【0113】
透光性部材に波長変換材料を含有させてもよい。また、波長変換材料に代えて、あるいは、波長変換材料に加えて、透光性部材に光拡散材を含有させてもよい。なお、面状光源1000の製造工程において、導電部160の形成後の動作確認の際に、光源130からの光の色度が所期の色度からずれていると判明することがある。そのような場合であっても、動作確認の結果に基づき、単位構造100ごとに透光性部材中の波長変換材料の含有の有無および量を変えることにより、光源130を点灯させた時の透光性部材の上面の色度を、面状光源1000中の複数の単位構造100の間で揃えることができる。このように、透光性部材に波長変換材料を含有させることは、事後的な色補正を可能にする。すなわち、所期の色度からのずれが発見された光源自体を取り換えることなく、面状光源1000の歩留まりを向上させ得る。
【0114】
[光調整層140]
本開示の実施形態による面状光源100は、その少なくとも一部が透光性部材上に位置する光調整層140を有し得る。光調整層140には、第1光反射層36または第2光反射層38と同様の材料を適用できる。
【0115】
光調整層140は、典型的には、導光部材120の上面120a側において貫通孔20hの全体を覆う。光調整層140の上面視における形状は、貫通孔20hの開口20aの形状に相似でなくてもよいし、相似であってもよい。
【0116】
光調整層140を光源130の上方に配置することにより、発光素子32から上方に向けて出射された光の少なくとも一部を光調整層140で反射させることができる。したがって、面状光源100の発光面のうち発光素子32から離れた位置にある領域と比較して、発光素子32の直上に位置する領域の輝度が極端に高くなることを回避し得る。すなわち、上面視において、貫通孔20hとその周囲との間に輝度の急峻な変化が生じることをより効果的に抑制することが可能になる。
【0117】
[支持体110]
支持体110は、導光部材1200の、上面1200aとは反対側の下面側に位置し、導光部材1200を支持する。支持体110の例は、FPC基板である。支持体110は、両面プリント基板であってもよいし、片面プリント基板であってもよい。
【0118】
支持体110は、光源130の電極32eに対応する位置に貫通孔10hを有する。貫通孔10h内部には、光源の電極32eを支持体110の下面110b上の配線層116に電気的に接続する導電部160が配置される。
【0119】
図2に示す例では、支持体110の下面110bは、例えば樹脂から形成される絶縁層170で覆われている。絶縁層170は、支持体110の下面110b上の配線層116と、導電部160の一部とを覆う。
【0120】
[第1接着層112]
第1接着層112は、支持体110と光反射性シート114との間に配置され、光反射性シート114を支持体110の上面110aに固定する。第1接着層112は、例えば、アクリル系樹脂などの樹脂材料で構成される接着層であり得る。ボンディングシートなどの、接着剤の層を有する公知の樹脂シートを第1接着層112として用いてもよい。後述の第2接着層180と同様に、第1接着層112は、光反射性を有していてもよい。
【0121】
[光反射性シート114]
光反射性シート114は、支持体110と、光源130との間に位置し、導光部材120内部において支持体110側に向かって進行する光を導光部材120の上面120aに向けて反射させることにより、光の取出し効率を向上させる。
【0122】
光反射性シート114は、例えば白色の部材であり、光反射性シート114の材料としては、光拡散材として光反射性のフィラーを含有する樹脂材料を適用できる。光反射性シート114は、例えば、ポリエチレンテレフタラートを母材として含む樹脂シートであり得る。光拡散材としては、例えば二酸化チタンの粒子を用いることができる。母材中に光拡散材を含有する材料で光反射性シート114を構成することに代えて、多数の気泡を含む白色のポリエチレンテレフタラートのシートを光反射性シート114として用いてもよい。
【0123】
[第2接着層180]
第2接着層180としては、接着剤の層を有する公知の樹脂シートを用いることができる。例えば、シート状の光学用透明粘着剤(OCA)を第2接着層180に適用できる。
【0124】
第2接着層180は、例えば、第2接着層180の母材とは異なる屈折率を有するフィラーを含有することにより、光反射性を有していてもよい。第2接着層180が光反射性を有することにより、光源から導光部材120に導入されて導光部材120の下面に向かう光を第2接着層180により導光部材120の上面120aに向けて反射させることができ、光の取出し効率が向上する。
【0125】
(面状光源の製造方法)
以下、面状光源の例示的な製造方法の概略を説明する。
【0126】
まず、図17に示すように、下面110b側に、銅などの導電材料から形成された配線層116が設けられた支持体110を準備する。支持体110の上面110aには、第1接着層112により光反射性シート114を接合する。図17に示す例では、光反射性シート114上にさらに第2接着層180を配置している。支持体110は、購入によって準備されてもよい。
【0127】
次に、光源130の配置される領域ごとに一対の貫通孔10hを支持体110に形成する。支持体110の上面110a側に複数の光源130を例えば複数の行および列に配置する場合には、支持体110に、貫通孔10hの組が複数の行および列に設けられる。図18に示す例では、第1接着層112、光反射性シート114および第2接着層180の積層体にも、支持体110の貫通孔10hに連通する貫通孔を形成している。
【0128】
貫通孔10hは、パンチングまたはレーザ加工などにより形成できる。支持体110への貫通孔10hの形成の際、第1接着層112、光反射性シート114および第2接着層180にも一括して貫通孔を形成してよい。各貫通孔の開口の形状は、図18に示すような三角形状に限定されず、円形状など、任意の形状であってよい。
【0129】
次に、透光性を有する、例えば樹脂シートを準備し、樹脂シートの所定の箇所に貫通孔20hを形成することにより、導光部材1200を得る。貫通孔20hの形成方法に特に限定は無く、パンチングまたはレーザ加工などを適用し得る。導光部材1200は、単層構造に限定されず、積層構造を有していてもよい。例えば、複数の透光性シートの積層後に貫通孔20hを形成することにより、導光部材1200を得てもよい。
【0130】
導光部材1200の準備後、第2接着層180によって導光部材1200を光反射性シート114に接合する。このとき、図19に示すように、支持体110に設けられた一対の貫通孔10hが、支持体110の上面110aの法線方向に見た上面視において導光部材1200の貫通孔20hの内側に位置するようにして、第2接着層180上に導光部材1200を配置する。
【0131】
図19に示す例では、導光部材1200の上面1200aに表れた、貫通孔20hの開口20aは、円形状を有している。また、貫通孔20hの内側面20cは、支持体110の上面110aに対して垂直である。すなわち、この例では、貫通孔20hは、円柱形状を有する。貫通孔20hの形状は、円柱形状に限定されず、求める光学特性に応じて適宜変更され得る。例えば、貫通孔20hの内側面20cは、支持体110の上面110aに対して垂直から傾いていることもあり得る。
【0132】
その後、必要に応じて、ダイシングブレード、超音波カッターなどを用いて導光部材1200に複数の溝部20gを形成する。図20に示す例では、溝部20gの形成により、導光部材1200が複数の導光部材120に分割されている。なお、この例では、溝部20gは、第2接着層180まで達しており、複数の導光部材120は、互いに空間的に分離されている。あるいは、第1接着層112に達する深さで溝部20gを形成することにより、導光部材1200と同様に、第2接着層180および光反射性シート114のそれぞれを複数の部分に分割してもかまわない。なお、溝部20gが第2接着層180まで達していることは、本開示の実施形態において必須ではない。複数の導光部材120が互いに空間的に分離されないこともあり得る。
【0133】
次に、図21に示すように、別途に準備した光源130を、第2接着層180のうち導光部材120の貫通孔20hの内部に露出された部分上に配置する。図21に示すように、ここでは、上面視において光源130の上面130aの矩形状の一辺が導光部材120の上面120aの対角線に概ね平行となるように光源130を第2接着層180上に配置している。
【0134】
導光部材120の上面120aの矩形状の一辺に対して光源130の上面130aの矩形状の一辺が例えば45°傾くように光源130を配置することにより、光源130の側面130cを導光部材120の角部に対向させることができる。光源130の側面130cを導光部材120の角部に対向させることにより、光源130の側面130cから出射された光を導光部材120の角部付近に到達させやすくなる。
【0135】
光源130の配置に際しては、第2接着層180に形成された貫通孔、あるいは、導光部材120の貫通孔20hの開口20aを位置合わせの基準に利用できる。具体的には、光源130に含まれる発光素子32の電極32eが上面視において支持体110の貫通孔10hに重なるように光源130を第2接着層180上に配置する。支持体110の貫通孔10hは、光源130の配置により閉塞される。
【0136】
支持体110に設けられた貫通孔10hが光源130によって閉塞されていることを確認後、貫通孔10hの内部に導電部160を配置する。典型的には、導電部160の形成工程では、例えば、支持体110、第1接着層112、光反射性シート114および第2接着層180に設けられた貫通孔を導電ペーストで充填した後、加熱により導電ペーストを硬化させる。このとき、導電ペーストは、支持体110の下面110bに設けられた配線層116に接触するように、配線層116上まで延ばされ得る。導電ペーストの硬化により、図22に示すように、一端が光源130の電極32eに接続された導電部160を得られる。
【0137】
次に、ポッティングなどにより、導光部材120の貫通孔20hの内部を透光性の樹脂材料で充填する。貫通孔20h内への樹脂材料の充填および樹脂材料の硬化により、透光性部材の第1部分51を形成できる。樹脂材料の充填に際しては、導光部材120の上面120aから盛り上がる程度に樹脂材料を付与してもよい。図22に示すように、硬化後の樹脂材料の一部は、貫通孔20hの開口20aを越えて導光部材120の上面120a上に配置され得る。
【0138】
その後、図23に模式的に示すように、例えばディスペンサを利用した樹脂材料150rの描画により、導光部材120の上面120a上に、貫通孔20hから矩形状の上面120aの4つの角部のそれぞれに向かって延びるように樹脂材料150rを配置する。導光部材120の上面120aに付与した樹脂材料150rの硬化により、透光性部材の第2部分52を形成できる。ディスペンサ先端の移動および樹脂材料150rの吐出量の調整により、任意の形状の第2部分52を導光部材120の上面120a上に配置し得る。このような手順により、第1部分51および第2部分52を有する透光性部材150を得られる。
【0139】
透光性部材150の形成後、図24に示すように、透光性部材150の上面150aの少なくとも一部を覆う形で光調整層140を配置してもよい。光調整層140として、例えば、光調整貫通孔140hが予め形成された白色の樹脂シートを透光性部材150上に配置してもよい。なお、光調整層140は、透光性部材150の上面150aだけでなく、導光部材120の上面120aの一部をも覆っていてもよい。
【0140】
さらに、図24に示す例のように、導電部160のうち支持体110の下面110b上に現れた部分と、配線層116とを覆う絶縁層170を支持体110の下面110b側に配置してもよい。絶縁層170は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂などから例えば印刷および紫外線の照射により形成され、導電部160および配線層116を保護する機能を有する。なお、光調整層140を形成する工程と、絶縁層170を形成する工程とは、いずれが先に実行されてもかまわない。絶縁層170の形成の後に光調整層140が形成されることもあり得る。
【0141】
必要に応じ、導光部材1200を支持する構造の外形を切断によって整え、延伸部110tを形成する。以上の工程により、図2および図3に示す面状光源100を得られる。
【0142】
貫通孔20h内部への透光性部材の第1部分51の形成後、貫通孔20hから矩形状の上面120aの4つの角部のそれぞれに向かって延びるように樹脂材料を配置するだけでなく、矩形状の各辺に向かって延びるように上面120a上に樹脂材料を配置してもよい。上面120a上の樹脂材料の硬化により、第2部分52および第3部分53を有する透光性部材150Eを得られる。その後、上述の例と同様にして光調整層140、絶縁層170等を形成すれば、図12および図13に示す面状光源100Eを得られる。
【0143】
なお、本開示の実施形態において、単一の材料から透光性部材を形成することは、必須ではない。屈折率の異なる複数の部材を順次に形成することにより、第1部分51および第2部分52を有する透光性部材を得てもよい。
【0144】
透光性部材の形成の工程において、まず、透光性の第1の樹脂材料を導光部材120の貫通孔20h内に付与してもよい。例えば、光源130の側面130cが覆われるようにして第1の樹脂材料を貫通孔20h内に配置する。その後、第1の樹脂材料を硬化させることにより、図25に示すように、貫通孔20hの内側面20cと、光源130の側面130cとに接する形状の第1透光性部材151を形成できる。この例では、光源130の上面130aは、第1透光性部材151から露出されている。第1透光性部材151の上面151aは、図25に例示するように、配線基板1100の支持体110に向かって窪んだ形状を有していてもよい。
【0145】
第1透光性部材151を得た後、導光部材120の上面120aの一部および第1透光性部材151の上面151aに、第1の樹脂材料とは異なる屈折率を有する、透光性の第2の樹脂材料を付与する。その後、第2の樹脂材料を硬化させることにより、第2透光性部材152を形成する。第2の樹脂材料の硬化により、第2の樹脂材料を付与する領域の形状に応じた形状の第2部分52を形成できる。すなわち、図4および図5を参照して説明した構成の透光性部材150Aを得られる。
【0146】
第2の樹脂材料を付与する範囲を調整することにより、図10および図11を参照しながら説明した例のような、第3部分53をさらに有する透光性部材150Dを得ることが可能である。第3部分53を形成するための材料は、第2の樹脂材料とは異なる材料であってもよい。第1の樹脂材料よりも低い屈折率を有する材料を、第3部分53を形成するための材料に選択すればよい。
【0147】
第1の樹脂材料の付与の工程において、光源130の側面130cだけでなく上面130aも覆われるようにして貫通孔20h内に第1の樹脂材料を配置してもよい。また、このとき、図22を参照しながら説明した例と同様に、導光部材120の上面120aから盛り上がる程度に第1の樹脂材料を付与してもよい。第1の樹脂材料の硬化により、図26に示すように、光源130の側面130cおよび上面130aを覆う形状の第1透光性部材151を得られる。なお、図26に示す例においては、第1透光性部材151の上面151aは、平坦面であるが、第1透光性部材151の上面151aは、図25に例示するように、配線基板1100の支持体110に向かって窪んだ形状を有していてもよい。
【0148】
その後、ディスペンサを利用した描画などにより、導光部材120の上面120aの一部上に第2の樹脂材料を付与する。第2の樹脂材料の硬化により、図6および図7に示す例と同様の、第1部分51および第2部分を有する透光性部材150Bを得られる。第2の樹脂材料を付与する範囲の調整により、さらに第3部分53を有する透光性部材150Cを得ることが可能である。
【0149】
以上に説明したように、本開示によると、以下の面状光源が提供される。
【0150】
[項1]
矩形の上面、および、上面とは反対側の下面を有する導光部材であって、前記上面から前記下面まで貫通する貫通孔を有する導光部材と、
前記貫通孔に配置された、発光素子を含む光源と、
前記導光部材よりも低い屈折率を有する透光性部材と、
を備え、
前記透光性部材は、
前記貫通孔において少なくとも前記光源の側面を覆う第1部分と、
前記導光部材の前記上面上において前記矩形の対角線に沿って延びる少なくとも1つの第2部分と、
を含んでいる、面状光源。
【0151】
[項2]
前記透光性部材の前記第2部分は、前記第1部分から連続して前記矩形の4つの角のうちの1つに向かって延びている、項1に記載の面状光源。
【0152】
[項3]
前記少なくとも1つの第2部分は、前記矩形の4つの角のそれぞれに向かって1つずつ延びる4つの第2部分を含む、項2に記載の面状光源。
【0153】
[項4]
前記透光性部材上に配置された光調整層であって、上面視において前記光源に重なる部分を含む光調整層をさらに備える、項3に記載の面状光源。
【0154】
[項5]
前記光調整層は、隣り合う2つの第2部分の間において前記導光部材の前記上面に接する部分をさらに含んでいる、項4に記載の面状光源。
【0155】
[項6]
前記透光性部材は、前記導光部材の前記上面上において前記矩形の4つの辺のうちの1つに向かって延びる少なくとも1つの第3部分をさらに含んでいる、項1から4のいずれか1項に記載の面状光源。
【0156】
[項7]
前記透光性部材は、
前記貫通孔を規定する、前記導光部材の内側面に接する第1透光性部材と、
前記第1透光性部材よりも低い屈折率を有する第2透光性部材と、
を含み、
前記第3部分は、前記第2透光性部材の一部である、項6に記載の面状光源。
【0157】
[項8]
前記透光性部材は、
前記貫通孔を規定する、前記導光部材の内側面に接する第1透光性部材と、
前記第1透光性部材よりも低い屈折率を有する第2透光性部材と、
を含み、
前記少なくとも1つの第2部分は、前記第2透光性部材の一部または全部である、項1から5のいずれか1項に記載の面状光源。
【0158】
[項9]
前記透光性部材は、前記導光部材の前記上面上において前記矩形の4つの辺のうちの1つに向かって延びる少なくとも1つの第3部分をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2部分は、前記第2透光性部材の一部であり、
前記第3部分は、前記第2透光性部材の他の一部である、項8に記載の面状光源。
【0159】
[項10]
前記光源は、上面を有し、
前記第2透光性部材は、前記光源の前記上面の少なくとも一部に接している、項7から9のいずれか1項に記載の面状光源。
【0160】
[項11]
前記光源は、上面を有し、
前記光源の前記上面の全体は、前記第1透光性部材に接している、項7から9のいずれか1項に記載の面状光源。
【0161】
[項12]
前記光源の前記上面の形状は、矩形であり、
上面視において、前記光源の前記上面の一辺は、前記導光部材の前記上面の対角線に概ね平行である、項10または11に記載の面状光源。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本開示の実施形態は、液晶表示装置用バックライトなどに有利に適用できる。
【符号の説明】
【0163】
51…透光性部材の第1部分、52…透光性部材の第2部分、53…透光性部材の第3部分、100、100A~100E…面状光源、120…導光部材、130…光源、140…光調整層、150、150A~150E…透光性部材、151…第1透光性部材、152…第2透光性部材、1000…面状光源、1200…導光部材
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