(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107179
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】半導体メモリ装置
(51)【国際特許分類】
G11C 29/00 20060101AFI20240801BHJP
G11C 29/24 20060101ALI20240801BHJP
G11C 29/36 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G11C29/00 412
G11C29/24
G11C29/36
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092391
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2022176443の分割
【原出願日】2018-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 敏治
(57)【要約】
【課題】メモリセルの通常ブロック及び欠陥ブロックの配置関係を示すデータ列を短時間で出力することが可能な半導体メモリ装置を提供する。
【解決手段】複数のメモリブロックを有する通常メモリ領域と、複数のメモリブロックのうちの欠陥ブロックのアドレスに対するアクセスを他のアドレスに対するアクセスに置き換えるための領域であって他のアドレスを有する冗長ブロックを含む冗長メモリ領域と、を含むメモリ部と、通常メモリ領域における欠陥ブロックの位置を示すアドレス情報と、欠陥ブロックの置き換え対象である冗長ブロックの位置を示すアドレス情報とを対応付けて記憶する記憶部と、データ書き込み開始信号に応じて、記憶部に記憶された情報に基づいて、2値のデータのうちの一方の値のデータを欠陥ブロックに対応する冗長ブロックに書き込み、他方の値のデータを通常メモリ領域の欠陥ブロック以外のメモリブロックに書き込む固定値書込回路と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が複数個のメモリセルからなる複数のメモリブロックを有する通常メモリ領域と、前記複数のメモリブロックのうちの欠陥ブロックのアドレスに対するアクセスを他のアドレスに対するアクセスに置き換えるための領域であって当該他のアドレスを有する冗長ブロックを含む冗長メモリ領域と、を含むメモリ部と、
前記通常メモリ領域における前記欠陥ブロックの位置を示すアドレス情報と、当該欠陥ブロックの置き換え対象である冗長ブロックの位置を示すアドレス情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
データ書き込み開始信号に応じて、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、2値のデータのうちの一方の値のデータを前記欠陥ブロックに対応する冗長ブロックに書き込み、他方の値のデータを前記通常メモリ領域の前記欠陥ブロック以外のメモリブロックに書き込む固定値書込回路と、
を有することを特徴とする半導体メモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体メモリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリの製造工程において、当該半導体メモリが形成されたウェハのウェハテスト工程において、半導体メモリの良否を判定するためのテストが行われている。かかるテストでは、所定の動作条件を満たさないメモリセルが不良セルとして検出される。半導体メモリには通常のメモリ領域の他に冗長領域が設けられており、テストにおいて不良セルであると判定されたメモリセルは、冗長領域のセル(冗長セル)で置換される。すなわち、不良セルのアドレスに対してアクセスが試行された場合、当該不良セルに代わって冗長セルのアドレスに対してアクセスが行われる。冗長セルの数よりも多い不良セルが検出された場合、その半導体メモリは不良品であると判定される。
【0003】
また、半導体メモリにおける不良ビットの検出率向上、テスタビリティ向上のため、期待値比較方式のパラレルテストが行われている。期待値比較方式のパラレルテストでは、メモリセルから読み出されたデータと期待値データとの比較を行う。その際、期待値比較方式のパラレルテストは、冗長セルではない通常のメモリセルを対象としているため、冗長領域にアクセスした場合、期待値が不明になるという問題がある。そこで、ノーマルエリアのテストと冗長エリアのテストとを分離して行い、ノーマルエリアのテストのときは冗長エリアからの論理回路の出力をマスクし、冗長エリアのテストのときはノーマルエリアからの論理回路の出力をマスクすることにより、冗長セルへの置換後においても期待値比較方式のパラレルテストを可能にした半導体記憶装置のテスト方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術のような方法でテストを行う場合、どのメモリセルが冗長セルに置き換えられているかを示す情報を取得する必要がある。しかし、当該情報を取得する際には、その準備として通常領域及び冗長領域にデータを書き込んでおく必要があり、DRAMの外部からDRAMコントローラ等が各メモリセルの書き込みに対応したWriteコマンドを発行する処理を各メモリセル全てに対して繰り返し行うため、書き込みに時間がかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、メモリセルの通常ブロック及び欠陥ブロックの配置関係を示すデータ列を短時間で出力することが可能な半導体メモリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体メモリ装置は、各々が複数個のメモリセルからなる複数のメモリブロックを有する通常メモリ領域と、前記複数のメモリブロックのうちの欠陥ブロックのアドレスに対するアクセスを他のアドレスに対するアクセスに置き換えるための領域であって当該他のアドレスを有する冗長ブロックを含む冗長メモリ領域と、を含むメモリ部と、前記通常メモリ領域における前記欠陥ブロックの位置を示すアドレス情報と、当該欠陥ブロックの置き換え対象である冗長ブロックの位置を示すアドレス情報とを対応付けて記憶する記憶部と、データ書き込み開始信号に応じて、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、2値のデータのうちの一方の値のデータを前記欠陥ブロックに対応する冗長ブロックに書き込み、他方の値のデータを前記通常メモリ領域の前記欠陥ブロック以外のメモリブロックに書き込む固定値書込回路と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る半導体メモリ装置によれば、メモリセルの通常ブロック及び欠陥ブロックの配置関係を示すデータ列を短時間で出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の半導体メモリ装置の構成を示すブロック図である。
【
図2B】冗長領域を使用した場合のイメージを模式的に示す図である。
【
図3A】通常領域のセルに“0”、冗長領域のセルに“1”を書き込んだ場合のメモリ領域を示す図である。
【
図3B】通常ブロック及び冗長ブロックへのアクセスを模式的に示す図である。
【
図4】固定値出力回路の構成及びデータの流れを示すブロック図である。
【
図5】データ取得処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【
図6】実施例2の半導体メモリ装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】固定値自動書込回路の構成及びデータの流れを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0011】
図1は、本実施例の半導体メモリ装置100の構成を示すブロック図である。半導体メモリ装置100は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)から構成されている。半導体メモリ装置100は、メモリ領域10、ヒューズ11、コントロールロジック回路12を含む。
【0012】
メモリ領域10は、通常領域A1及び冗長領域A2から構成されている。通常領域A1は、通常のメモリアクセスの対象となるメモリセルからなるメモリ領域である。冗長領域A2は、通常領域A1内の欠陥セルを所定数以上含むブロック(以下、欠陥ブロックと称する)の置き換え対象となる冗長ブロックを含むメモリ領域である。
【0013】
ヒューズ11は、欠陥ブロックのアドレスを「冗長アドレス」として、置き換え先の冗長ブロックのアドレスと対応付けて記憶する記憶部としての機能を有する。ヒューズ11は、複数のヒューズ素子から構成されており、ヒューズ素子の切断により冗長アドレスの情報を記憶する。
【0014】
図2Aは、メモリ領域10及びヒューズ11の構成を模式的に示す図である。メモリ領域10の通常領域A1及び冗長領域A2の各々は、複数のセルから構成されている。本実施例において、通常領域A1内のセルには、行毎にアドレスが割り当てられている。本実施例の半導体メモリ装置100では、通常領域A1と冗長領域A2とは同数の列を有し、行毎に通常セルから冗長セルへの置き換えが行われる。すなわち、通常領域A1では、行毎に欠陥ブロックが構成される。また、冗長領域A2では、行毎に冗長ブロックが構成される。ヒューズ11は、冗長領域A2の各行(すなわち、各冗長ブロック)に対応する記憶領域を有する。
【0015】
図2Bは、本実施例の半導体メモリにおいて冗長領域を使用した場合のイメージを模式的に示す図である。ここでは、通常領域A1のアドレスPP、OO、NN及びMMのブロックを欠陥ブロックとし、斜線で示している。
【0016】
ヒューズ11には、欠陥ブロックのアドレスであるPP、OO、NN及びMMが、冗長アドレスとして設定され、記憶される。これにより、通常領域A1のアドレスPP、OO、NN及びMMのブロックが、それぞれ冗長領域A2の1行目、2行目、3行目及び4行目のブロックに置き換えられる。
【0017】
再び
図1を参照すると、コントロールロジック回路12は、ユーザIF21、コマンド/アドレス解析部22、テストモード制御部23、Read/Write制御部24、冗長領域使用判定部25、ヒューズインタフェース26、メモリセルIF27及び固定値出力回路28を含む。
【0018】
ユーザIF21は、半導体メモリ装置100の外部からメモリ領域10への書き込みや読み出し等のコマンド(指令信号)を受けるインタフェース部である。
【0019】
コマンド/アドレス解析部22は、ユーザIF21が受信したコマンドについて、当該コマンドが何を指しているのか(例えば、書き込みか読み出しか)を解析する。また、コマンド/アドレス解析部22は、当該コマンドの対象となるメモリセルのアドレスを解析する。
【0020】
テストモード制御部23は、テストモードにおけるコントロールロジック回路12内の各部の動作を制御する。例えば、テストモード制御部23は、ユーザIF21を介して受信したコマンドに基づいて、固定値出力回路28の固定値出力機能の有効又は無効を切り替える。
【0021】
Read/Write制御部24は、メモリ領域10の各メモリセルに対する読み出し及び書き込みの動作を制御する。Read/Write制御部24は、コマンド/アドレス解析部22が解析したコマンドに基づいて、読み出し動作又は書き込み動作の制御を行う。
【0022】
冗長領域使用判定部25は、コマンド/アドレス解析部22により解析されたアドレスに基づいて、メモリ領域10の通常領域A1又は冗長領域A2のどちらにアクセスするかの判定を行う。
【0023】
ヒューズインタフェース26は、Read/Write制御部24の制御時に、メモリ領域のアクセス先を決定するため、ヒューズ11にアクセスする。具体的には、ヒューズインタフェース26は、ユーザIF21から指定されたメモリ領域へのアクセス先ブロックが冗長ブロックとの置き換え対象ブロックとなっているかを確認するため、ヒューズ11へのアクセスを行う。
【0024】
メモリセルIF27は、Read/Write制御部24の制御に応じてメモリ領域10へのアクセスを行うインタフェース部である。メモリセルIF27は、アクセス先ブロックが冗長ブロックとの置き換え対象ブロックである場合には当該冗長ブロックにアクセスし、置き換え対象ブロックでない場合にはユーザIF21から指定されたメモリ領域 にアクセスする。
【0025】
固定値出力回路28は、テストモード制御部23の制御に応じて有効又は無効に制御され、有効時には固定値を出力する。具体的には、固定値出力回路28は、通常メモリ領域A1における欠陥ブロックと欠陥ブロック以外のブロック(通常ブロック)との配置関係を示す2値のデータからなるデータ列を出力する。例えば、固定値出力回路28は、通常ブロックのメモリセルに“0”、冗長ブロックのメモリセルに“1”が書き込まれた状態のメモリ領域10からメモリセル1列分のデータを連続して読み出した場合に現れる“0”又は“1”のデータ列を出力する。
【0026】
図3Aは、通常ブロックのメモリセルに“0”、冗長ブロックのメモリセルに“1”を書き込んだ場合のメモリ領域10の様子を示す図である。アドレスPP、OO、NN及びMMのブロックは冗長ブロックに置き換えられるため、これらのブロックのメモリセルに対するアクセスがあった場合、データ“0”ではなくデータ“1”が読み出されることになる。
【0027】
図3Bは、メモリセルからのデータの読み出しイメージを表す図である。ここでは、欠陥ブロックが冗長ブロックに置き換えられた分布パターンが現れる。固定値出力回路28が出力するデータ列の読出し位置やサイズは予め定められ、半導体メモリ装置100の外部のDRAMコントローラ等(図示せず)により発行されるコマンドに含まれる情報の一部として、半導体メモリ装置100に供給される。例えば、通常領域A1の一列分のデータが指定された場合、図にDS1として示すように、“00010010010001000”が出力される。また、一列分に満たない一部の領域が指定された場合、例えば図にDS2として示すように“001001000”が出力される。
【0028】
図4は、固定値出力回路28の構成及びデータの入出力を示すブロック図である。固定値出力回路28は、機能切替ブロック31、データ切替ブロック32及びアドレスデコーダ33から構成されている。
【0029】
機能切替ブロック31は、テストモード制御部23から供給された機能有効化信号FESに応じて、データ切替ブロック32からの出力データ又はメモリセルIF27を介してメモリ領域10から読み出されたデータのいずれかを出力するように、出力機能の切り替えを行う。例えば、機能有効化信号FESが無効な場合、機能切替ブロック31は、メモリセルIF27を介してメモリ領域10から読み出したデータを出力する。一方、機能有効化信号FESが有効な場合、機能切替ブロック31は、データ切替ブロック32側のデータである固定値を出力する。
【0030】
データ切替ブロック32は、アドレスデコーダ33による切り替えに応じて、固定値“0”又は“1”を機能切替ブロック31に出力する。
【0031】
アドレスデコーダ33は、冗長領域使用判定部25による判定結果(アクセス先が通常領域A1か冗長領域A2か)に基づいて、データ切替ブロック32を切り替える。具体的には、アクセス先が通常領域A1である場合には“0”、冗長領域A2である場合には“1”を出力するようにデータ切替ブロック32の切り替えを行う。
【0032】
これにより、固定値出力回路28の固定値出力機能が有効に設定されている場合、通常領域A1への読み出しアクセス時には“0”、冗長領域A2への読み出しアクセス時には“1”が出力される。一方、固定値出力回路28の固定値出力機能が無効に設定されている場合、メモリ領域10へのアクセスが行われ、メモリセルに保存されたデータの読み出しが行われる。すなわち、固定値出力回路28は第1の出力モード(固定値出力が有効)に設定されているときには“0”及び“1”からなるデータ列を出力し、第2の出力モード(固定値出力が無効)に設定されているときにはメモリ領域10に実際に記憶されているデータを出力する。
【0033】
次に、本実施例の半導体メモリ装置100によるデータ取得処理の処理動作について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まず、半導体メモリ装置100の外部(例えば、DRAMコントローラ)から固定値出力回路28の固定値出力機能を有効にするコマンドを含むテストモード制御コマンドが発行される。半導体メモリ装置100は、ユーザIF21を介して当該テストモード制御コマンドを受信する(STEP101)。
【0035】
コマンド/アドレス解析部22はコマンドの解析を行い、テストモード制御部23に供給する。テストモード制御部23は、機能ブロック31がデータ切替ブロック32側のデータを出力するように機能ブロック31の切り替えを行う。これにより、半導体メモリ装置100は、メモリセルの保持するデータの内容に関わらず、通常領域A1へのReadアクセス時には常に“0”を出力し、冗長領域A2へのReadアクセス時には常に“1”を出力する状態となる。
【0036】
次に、半導体メモリ装置100は、ユーザIF21を介してReadコマンド(読み出しコマンド)を受信する(STEP102)。固定値出力回路28は、メモリ領域10の通常領域A1に“0”、冗長領域A2に“1”を書き込んだ場合に現れる分布パターンを出力する。Readコマンド(読み出しコマンド)と共に出力したいアドレスを指定した場合は、メモリ領域10の通常領域A1に“0”、冗長領域A2に“1”を書き込んだ場合に現れる分布パターンから指定したアドレスに基づいて抜き出したデータ列を出力する。
【0037】
半導体メモリ装置100は、データ列の読み込みが完了したか否かを判定する(STEP103)。読出しが完了していないと判定すると(STEP103:No)、STEP102に戻って再びReadコマンドの受信を待つ。
【0038】
データ列の読出しが完了すると(STEP103:Yes)、半導体メモリ装置100を通常の使用状態に戻すため、半導体メモリ装置100の外部(例えば、DRAMコントローラ)から固定値出力回路28の機能を無効にするコマンドが発行される。半導体メモリ装置100は、ユーザIF21を介して当該コマンドを受信する(STEP104)。
【0039】
コマンド/アドレス解析部22はコマンドの解析を行い、テストモード制御部23に供給する。テストモード制御部23は、機能ブロック31がメモリセルIF27側のデータを出力するように機能ブロック31の切り替えを行う。これにより、半導体メモリ装置100は、メモリセルに保持されたデータの内容を出力する状態となる。
【0040】
以上のように、本実施例の半導体メモリ装置100は、固定値出力回路28を有し、通常ブロックと欠陥ブロックとの配置関係を示す2値のデータからなるデータ列を出力する。かかる構成によれば、メモリ領域への実際のデータの書き込みを経ることなく、通常領域A1のメモリセルに“0”、冗長領域A2のメモリセルに“1”を書き込んだ場合と同
様のデータ列を短時間で得ることができる。
【0041】
また、データ列出力のための書き込みを要さず、メモリ領域10内の保存データを維持したままデータ列を出力することができるため、メモリ領域10の使用状況に影響されずにデータ列を得ることが可能となる。
固定値自動書込回路40は、テストモード制御部23に設けられている。固定値自動書込回路40は、メモリ領域10の通常領域A1の全面に“0”を書き込み、冗長領域A2の全面に“1”を自動で書き込む機能を有する。
カウンタ41は、半導体メモリ装置200の外部のDRAMコントローラ等からコマンド/アドレス解析部22を経て供給されたコマンドに応じて、カウントを開始する。カウンタ41は、メモリ領域10の全領域の書き込み回数分カウントアップを行う。
アドレスデコーダ44は、アドレス生成部42により生成されたアドレスが、通常領域A1及び冗長領域A2のどちらを示すかを判定し、その結果をデータ切替ブロック45に供給する。
データ切替ブロック45は、アドレスデコーダ44による判定結果が通常領域A1である場合には“0”、冗長領域A2である場合には“1”をメモリ領域10に書き込むデータとして決定する。
固定値自動書込回路40は、半導体メモリ装置200の外部のDRAMコントローラ等から通常・冗長領域の全面書き込み用のコマンドの発行を受けて書き込み処理を行う。すなわち、半導体メモリ装置200は、ユーザIF21を介した全面書き込み用のコマンドの受信に応じて自動書き込み開始信号を生成し、テストモード制御部23に供給する。固定値自動書込回路40は、当該自動書込信号に応じて、通常領域A1の全面に“0”、冗長領域A2の全面に“1”を書き込む。
半導体メモリ装置200は、半導体メモリ装置200の外部のDRAMコントローラ等からユーザIF21を介してReadコマンドを受信すると、これに応じてメモリ領域10に書き込まれた“0”及び“1”のデータからなるデータ列を出力する。
以上のように、本実施例の半導体メモリ装置200では、テストモード制御部23の内部に設けられた固定値自動書込回路40が、メモリ領域の通常領域A1への“0”の書き込み及び冗長領域A2への“1”の書き込みを行う。かかる構成によれば、半導体メモリ装置200の外部から書き込みを行う場合と比べて少ない時間で書き込みを行うことができる。
例えば、データレートが最大1600Mbpsの1GbitのDRAMの場合、通常領域A1の全面書き込みに最低でも1024Mbit/1600Mbps=640ms必要である。さらに、DRAMコントローラが800万回以上のコマンドを発行する繰り返しの処理時間が必要となる。これに対し、本実施例の半導体メモリ装置200によれば、DRAMコントローラからのコマンドの発行が1回で済むため、処理時間が大幅に短縮される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例2では、DRAMコントローラから通常・冗長領域の全面書込み用のコマンドを発行し、これに応じて固定値自動書込回路40が“0”又は“1”のデータを通常領域A1及び冗長領域A2に書き込む場合について説明した。しかし、データの書き込みのタイミングはこれに限られない。例えば、DRAMコントローラからのコマンドによらず、リセット解除後に自動的に書き込み処理を行うようにすることも可能である。