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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107531
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】洗浄装置および液体吐出システム
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240802BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240802BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240802BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B41J2/165 401
B41J2/165 201
B05C11/10
B25J19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011497
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】陳 秉賢
【テーマコード(参考)】
2C056
3C707
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EC23
2C056JA06
2C056JA29
2C056JB04
2C056JB15
3C707AS13
3C707BS10
3C707DS01
3C707JS07
3C707KS10
3C707KS20
3C707KS29
3C707KT02
3C707KT05
3C707KT15
3C707LS15
4F041AA07
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA60
4F042AA09
4F042AB00
4F042CC04
4F042CC08
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよい洗浄装置および液体吐出システムを提供する。
【解決手段】
液体吐出装置の第一ヘッドに設けられた第一ノズル面に、洗浄液を供給する第一洗浄液供給口と、前記第一洗浄液供給口が露出する位置と、前記第一洗浄液供給口を遮蔽する位置との間で移動する第一シャッタと、前記第一洗浄液供給口を、前記第一ノズル面に近づく位置と、前記第一ノズル面から離れる位置との間で移動させる第一駆動手段と、を備え、前記第一シャッタの前記移動は、前記第一洗浄液供給口の前記移動に連動している。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吐出装置の第一ヘッドに設けられた第一ノズル面に、洗浄液を供給する第一洗浄液供給口と、
前記第一洗浄液供給口が露出する位置と、前記第一洗浄液供給口を遮蔽する位置との間で移動する第一シャッタと、
前記第一洗浄液供給口を、前記第一ノズル面に近づく位置と、前記第一ノズル面から離れる位置との間で移動させる第一駆動手段と、
を備え、
前記第一シャッタの前記移動は、前記第一洗浄液供給口の前記移動に連動していることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記液体吐出装置の第二ヘッドに設けられるとともに、前記第一ノズル面と異なる方向に向いて設けられた第二ノズル面に洗浄液を供給する第二洗浄液供給口と、
前記第二洗浄液供給口が露出する位置と、前記第二洗浄液供給口を遮蔽する位置との間で移動する第二シャッタと、
前記第二シャッタを駆動し、前記第二シャッタの前記移動を行わせる第二駆動手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記第一駆動手段は、エアシリンダを含むことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記第二駆動手段は、エアシリンダを含むことを特徴とする請求項2記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記第二シャッタは、リンク機構を介して前記エアシリンダに接続されることを特徴とする請求項4記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記第一シャッタは、前記第一洗浄液供給口を前記第一ノズル面に近づける動作により、前記第一洗浄液供給口が露出する位置に移動し、前記第一洗浄液供給口を前記第一ノズル面から離す動作により、前記第一洗浄液供給口を遮蔽する位置に移動することを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記第二シャッタは、前記第二ノズル面の洗浄時は、前記第二洗浄液供給口が露出する位置に移動し、前記第二ノズル面の非洗浄時は、前記第二洗浄液供給口を遮蔽する位置に移動することを特徴とする請求項2記載の洗浄装置。
【請求項8】
液体を吐出するノズルが形成された第一ノズル面を有する第一ヘッドと、
液体を吐出するノズルが形成され、前記第一ノズル面と異なる方向に向いて設けられた第二ノズル面を有する第二ヘッドと、
を備える液体吐出装置と、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の洗浄装置と、
を備えることを特徴とする液体吐出システム。
【請求項9】
前記洗浄装置は、洗浄に使われた洗浄液を排出口に導く側へ傾けて配置されていることを特徴とする請求項8記載の液体吐出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置および液体吐出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洗浄液吐出口とメンテナンス部材との間の開放と閉鎖とを自在とするよう配設されたシャッターを備え、洗浄液流通路における洗浄液の流通が停止されたとき、シャッターの閉鎖を行い、洗浄液がメディアに滴下して汚染することを回避するようにしたインクジェットヘッド洗浄装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-215433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車の車体塗装などに用いられる液体吐出システムでは、ロボットアームに、異なる方向に取り付けられた複数のヘッドを装着し、車体の形状等に応じて適宜ヘッドを切り替えながら車体塗装を行うようにしたものがある。従来技術では、異なる方向に取り付けられた複数のヘッドを洗浄する構成には対応できておらず、使い勝手が悪いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体吐出装置の第一ヘッドに設けられた第一ノズル面に、洗浄液を供給する第一洗浄液供給口と、前記第一洗浄液供給口が露出する位置と、前記第一洗浄液供給口を遮蔽する位置との間で移動する第一シャッタと、前記第一洗浄液供給口を、前記第一ノズル面に近づく位置と、前記第一ノズル面から離れる位置との間で移動させる第一駆動手段と、を備え、前記第一シャッタの前記移動は、前記第一洗浄液供給口の前記移動に連動していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使い勝手のよい洗浄装置および液体吐出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る液体吐出システムの一例を示す概略構成図。
図2】実施形態に係る液体吐出システムの一例を示す概略構成図。
図3】ヘッドの概略構成を説明する図。
図4】複数ノズルヘッドの構成例を示す図。
図5】複数ノズルヘッドの構成例を示す図。
図6】異なる方向に向いたノズル面を有するヘッドの構成例を示す斜視図。
図7】洗浄装置の構成を示す図。
図8】小ヘッド洗浄機構のシャッタ動作を説明する図。
図9】シャッタが開かれた状態で小ヘッド洗浄機構を密着部材側から見た図。
図10】大ヘッド洗浄機構のシャッタ動作を説明する図。
図11】洗浄装置の実装例を示す図。
図12】ヘッド洗浄時の動作を説明する概略平面図。
図13】塗装システムの機能構成の一例を示す図。
図14】制御装置のハードウエア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態を説明する。図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
<液体吐出システムの概要>
はじめに図1および図2を用いて液体吐出システムの概要について説明する。図1および図2は、実施形態に係る液体吐出システムの一例を示す概略構成図である。図1および図2では、自動車の車体を塗装する塗装ロボットを含む塗装システムが例示されている。
【0010】
液体吐出システムの一例である塗装システム10000において、被吐出物の一例である車体Uの右側には塗装ロボット1000Aが設置され、車体Uの左側には塗装ロボット1000Bが設置されている。例えば、塗装ロボット1000Aは車体Uの外板全体のうち右側半分を塗装し、塗装ロボット1000Bは車体Uの外板全体のうち左側半分を塗装する。以降、塗装ロボット1000Aと塗装ロボット1000Bを総称して説明する場合は「塗装ロボット1000」という。
【0011】
塗装ロボット1000は、例えば多関節ロボットであり、ベース1001、ベース1001と連結した第一アーム1002、第一アーム1002と連結した第二アーム1003、および第二アーム1003と連結したエンドエフェクタ1004を備える。また、塗装ロボット1000は、ベース1001と第一アーム1002とを連結する第一ジョイント1005、第一アーム1002と第二アーム1003とを連結する第二ジョイント1006、および第二アーム1003とエンドエフェクタ1004とを連結する第三ジョイント1007を備える。
【0012】
ベース1001は、Z軸と平行な軸を回転軸にして矢印a方向に旋回可能である。また、ベース1001は、第一アーム1002が水平軸(XY平面と平行な軸)を回転軸にして矢印b方向に回動可能となるように、第一ジョイント1005を介して第一アーム1002の一端部を支持している。第一アーム1002の他端部は、第二アーム1003が水平軸(XY平面と平行な軸)を回転軸にして矢印c方向に回動可能となるように、第二ジョイント1006を介して第二アーム1003の一端部に接続されている。
【0013】
第二アーム1003は、矢印c方向の回転軸と直交する軸も備え、この直交する軸を回転軸にして第二ジョイント1006に対し矢印d方向の回転も可能である。第二アーム1003の他端部は、エンドエフェクタ1004が水平軸(XY平面と平行な軸)を回転軸にして矢印e方向に回動可能となるように、第三ジョイント1007を介してエンドエフェクタ1004を支持している。エンドエフェクタ1004は、矢印e方向の回転軸と直交する軸も備え、この直交する軸を回転軸にして第三ジョイント1007に対し矢印f方向の回転も可能である。
【0014】
上記構成の塗装ロボット1000は、車体Uに対してエンドエフェクタ1004を自由に動かし、エンドエフェクタ1004に取り付けた吐出部200を車体Uの塗装を施す位置に正確に配置することができる。吐出部200は、塗装位置に配置されると車体Uに向けて液体の一例である塗料を吐出する。ここで、塗装ロボット1000は、液体吐出装置の一例である。
【0015】
塗装システム10000は、図2に示されるように塗装ロボット1000が届く範囲に維持ステーション2000を備える。維持ステーション2000は、維持・洗浄部2001を備え、塗装実施前、塗装終了時または塗装時間が規定の時間を経過した時、吐出部200は塗装ロボット1000によって維持・洗浄部2001に移される。
【0016】
維持・洗浄部2001には、例えば、吐出部200が有するヘッドに対して空吐出を実行させた際にヘッドから吐出された塗料を受けるための収容部(空吐出受け)や、ヘッドのノズルを吸引する吸引機構等の維持装置が備えられる。
【0017】
また、維持・洗浄部2001には、例えば、ヘッドのノズル面に付着した異物を掻き取るスクレーパ機構や、ヘッドのノズル面を拭き取る払拭部材を備えた払拭機構等の清掃装置が備えられる。
【0018】
さらに、維持・洗浄部2001には、例えば、ヘッドのノズル面に対して洗浄液や洗浄エアを供給してノズル面を洗浄する洗浄装置が備えられる。
【0019】
なお、本実施形態において塗装システム10000は、車体Uの両側に塗装ロボット1000を1台ずつ設置した構成としたが、これに限るものではない。塗装ロボットの数は、車体Uの塗装面積、作業効率等を踏まえて適宜決めてよく、塗装ロボットは塗装システム10000内に1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0020】
また、塗装ロボット1000が複数台の場合、維持ステーション2000は、複数の塗装ロボットで共用にしてもよいし、塗装ロボット毎に設置してもよい。維持ステーション2000は、上述の空吐出によってヘッドから吐出された塗料や、ヘッドのノズル面洗浄時の洗浄液などが車体Uに付着しないよう、車体Uから離れた位置に設置される。
【0021】
なお、被吐出物は自動車の車体に限るものではなく、航空機の機体、船舶の船体、鉄道車両の車体等、自動車以外の乗り物であってもよい。また、塗装ロボットは、定置型のロボットに限るものではなく、例えば、遠隔操作や自律走行によって移動が可能なロボットであってもよい。その場合の移動型ロボットは、地上を移動するものに限らず、壁面の登り降りが可能なクライミングロボット、あるいはドローンに代表される飛行が可能な無人飛行機を含む。移動型ロボットの場合、被吐出物は乗り物に限らず、道路や建物も被吐出物の対象となり、道路の路面標示(横断歩道、停止線、速度表示等)の塗装や、建物の外壁塗装等に対応することが可能になる。
【0022】
<ヘッドの概略構成と動作>
次に、図3を用いてヘッドの概略構成と動作について説明する。図3は、ヘッドの概略構成を説明する図であり、図3(a)はノズルが閉じた状態を示す要部概略図、図3(b)はノズルが開いた状態を示す要部概略図である。
【0023】
塗装ロボット1000のエンドエフェクタ1004には、実際は、複数のノズルを備えたヘッド(以下、複数ノズルヘッドともいう)を搭載するが、説明を簡潔にするために図3ではヘッド最小単位(1ノズル)の構成を示している。
【0024】
ヘッド100は、中空状に形成されたハウジング110と、ハウジング110の一端部に設けられたノズル板101を備える。ノズル板101は、塗料を吐出するノズル102が形成された板状の部材である。
【0025】
ハウジング110は、ノズル102近傍の側面に、塗料が供給される供給口113を備える。供給口113に供給された塗料は、ハウジング110内の液室114へ送られる。液室114は、概略としてノズル板101と、ハウジング110内に設けた封止部材135との間の空間によって形成される。
【0026】
封止部材135は、例えばゴム等の弾性体からなる。本実施形態では、封止部材135として環状のゴム部材(Oリング)が用いられ、封止部材135は、ハウジング110の内面と、液室114内に配置したニードル弁131の外周面との間の隙間を封止するように、ニードル弁131に嵌め込まれている。これにより、封止部材135は、液室114の塗料が圧電素子132側へ流入することを防止する。
【0027】
圧電素子132は、封止部材135を境に液室114の隣(図3では上方)に形成されたハウジング110の空間110a内に設けられる。圧電素子132には、ニードル弁131が接合されており、後述するヘッド制御部902からの指示に応じて、圧電素子132は、ノズル102を閉塞する位置とノズル102を開放する位置との間でニードル弁131を移動させる。ノズル102を閉塞する位置では、ニードル弁131の先端がノズル板101に当接した状態となり、ノズル102を開放する位置では、ニードル弁131の先端がノズル板101から離間した状態となる。圧電素子132は、ジルコニアセラミックス等を用いて形成されたピエゾ素子であり、圧電素子132の形状等は、吐出させる塗料の量などに応じて適宜設定される。
【0028】
上記構成において、例えば、圧電素子132に開放電圧が印加されると、図3(b)に示されるように圧電素子132が矢印Aの方向に収縮する。圧電素子132の収縮に伴いニードル弁131はノズル板101から離間する。これにより、ノズル102が開き、ノズル102と液室114とが連通し、液室114内の塗料はノズル102から吐出される。圧電素子132は、例えば2kHzの周波数でノズル102を高速開閉させ、塗料を一滴ずつ液滴Dとして吐出することができる。
【0029】
圧電素子132に閉塞電圧が印加された場合は、圧電素子132が矢印Aと反対の方向に伸長する。圧電素子132の伸長に伴いニードル弁131はノズル板101に当接する。これにより、ノズル102が閉じ、ノズル102と液室114との連通状態が遮断され、液室114内の塗料の吐出は停止される。
【0030】
<ヘッドの構成例>
続いて、図4乃至図6を用いてヘッドの構成例について説明する。図4および図5は、複数ノズルヘッドの構成例を示す図であり、それぞれヘッドをノズル板側から見た平面図である。図6は、異なる方向に向いたノズル面を有するヘッドの構成例を示す斜視図である。
【0031】
図4に示された複数ノズルヘッド100Aは、1つのノズル板101に、複数(本例では8個)のノズル102a~102hが形成されている。つまり、複数ノズルヘッド100Aは、図3に示されたヘッドを実質8セット備えた構成となっている。8個のノズル102a~102hのうち、ノズル102a,102b,102c,102dで1つのノズル列を形成し、ノズル102e,102f,102g,102hでもう1つのノズル列を形成している。2つのノズル列は、図において上からノズル102e、ノズル102a、ノズル102f、ノズル102b・・・、と互い違いに配置されるようにノズル板101に形成されており、複数のノズルが二次元配置されている。
【0032】
各ノズル102a~102hには、図3に示したようにニードル弁131および圧電素子132がノズル毎に設けられている。圧電素子132に開放電圧が印加されるとニードル弁131がノズル102を開く方向に移動し、ノズル102から塗料が吐出される。
【0033】
上記構成の複数ノズルヘッド100Aは、塗装ロボット1000のエンドエフェクタ1004に取り付けることが可能であり、車体Uに対しての塗装を可能にする。
【0034】
なお、複数ノズルヘッド100Aのノズルの数は一例であり、これに限るものではない。例えば、ノズル板101に形成されるノズルは8個より少なくてもよいし、多くてもよい。また、ノズル板101に形成されるノズル列は2列に限らず、3列以上としてもよい。
【0035】
複数ノズルヘッド100Aは、1個に限らず、複数ノズルヘッド100Aを複数個アレイ状につなげて用いてもよい。例えば、塗装ロボット1000のエンドエフェクタ1004に、複数ノズルヘッド100Aをアレイ状に隣接させて取り付けてもよい。これにより、塗装の解像度をより高めることができる。
【0036】
図5に示された複数ノズルヘッド100Bは、複数(本例では6個)の複数ノズルサブヘッド100a~100fから構成される。複数ノズルサブヘッド100a~100fはノズル板101を備え、各ノズル板101には複数(本例では8個)のノズル102a~102hが形成されている。つまり、それぞれの複数ノズルサブヘッド100a~100fは、図3に示されたヘッドを実質8セット備えた構成となっている。8個のノズル102a~102hのうち、ノズル102a,102b,102c,102dで1つのノズル列を形成し、ノズル102e,102f,102g,102hでもう1つのノズル列を形成している。2つのノズル列は、図において上からノズル102e、ノズル102a、ノズル102f、ノズル102b・・・、と互い違いに配置されるようにノズル板101に形成されており、複数のノズルが二次元配置されている。
【0037】
各ノズル102a~102hには、図3に示したようにニードル弁131および圧電素子132がノズル毎に設けられている。圧電素子132に開放電圧が印加されるとニードル弁131がノズル102を開く方向に移動し、ノズル102から塗料が吐出される。
【0038】
複数ノズルサブヘッド100a~100fは、それぞれのノズル102a~102hが相互に重ならないよう、上下方向にわずかに位置をずらして複数ノズルヘッド100Bのヘッド固定部材120に取り付けられている。これにより、例えば複数ノズルサブヘッド100aのノズル102eとノズル102aとの間は、別の複数ノズルサブヘッドのノズルによって補間され、高解像度での記録が可能になる。
【0039】
上記構成の複数ノズルヘッド100Bは、塗装ロボット1000のエンドエフェクタ1004に取り付けることが可能であり、車体Uに対して高解像度での塗装を可能にする。
【0040】
なお、複数ノズルサブヘッドの数、ノズルの数は一例であり、これに限るものではない。例えば、複数ノズルサブヘッドは6個より少なくてもよいし、多くてもよい。また、1つのノズル板101に形成されるノズルは8個より少なくてもよいし、多くてもよい。また、1つのノズル板101に形成されるノズル列は2列に限らず、3列以上としてもよい。
【0041】
複数ノズルヘッド100Bは、1つに限らず、複数ノズルヘッド100Bを複数個アレイ状につなげて用いてもよい。例えば、塗装ロボット1000のエンドエフェクタ1004に、複数ノズルヘッド100Bをアレイ状に隣接させて取り付けてもよい。これにより、塗装の解像度をより高めることができる。
【0042】
実施形態において、図4に示された複数ノズルヘッド100Aと、図5に示された複数ノズルヘッド100Bは、図6に示されるようにノズル面が異なる方向を向くようにして設けられる。これにより、被吐出物(例えば車体U)の塗装面の面積、表面形状、塗装箇所等に応じてヘッドを使い分けながら塗装を進められるようにしている。
【0043】
複数ノズルヘッド100Aは、例えば、8個のノズル102Aを有したノズル面101Aを備え、小さい面積や狭い箇所などを塗装する際に用いられる小さなヘッドを構成する(以下、小ヘッド100Aともいう)。複数ノズルヘッド100Bは、例えば、48個のノズル102Bを有したノズル面101Bを備え、これをアレイ状に2個並べることにより、大面積の塗装に用いられる大きなヘッドを構成する(以下、大ヘッド100Bともいう)。
【0044】
小ヘッド100Aは、吐出部200の小ヘッド保持部材200aに取り付けられ、小ヘッド保持部材200aを介して支持部材200cに設置される。大ヘッド100Bは、吐出部200の大ヘッド保持部材200bに取り付けられ、大ヘッド保持部材200bを介して支持部材200cに設置される。また、小ヘッド100Aと大ヘッド100Bは、ノズル面101A,101Bの向きを異ならせて支持部材200cに設置されており、実施形態では、ノズル面101Aとノズル面101Bとを90度異ならせて設置している。ここで、小ヘッド100Aは、第一ヘッドの一例であり、ノズル面101Aは第一ノズル面の一例である。また、大ヘッド100Bは、第二ヘッドの一例であり、ノズル面101Bは第二ノズル面の一例である。なお、ノズル102A、102Bの数や配列は一例であり、これに限るものではない。
【0045】
上記構成において、吐出部200の支持部材200cを塗装ロボット1000のエンドエフェクタ1004に取り付け、車体Uの形状に応じて小ヘッド100Aと大ヘッド100Bとを切り替えることで複雑な表面形状への塗装が可能になる。
【0046】
<洗浄装置の構成>
次に、図7乃至図11を用いて、小ヘッド100Aおよび大ヘッド100Bを洗浄するための洗浄装置の構成について説明する。図7は、洗浄装置の構成を示す図である。
【0047】
図2に示された維持ステーション2000の維持・洗浄部2001には、例えば、図7に示されるような洗浄装置400が設けられる。洗浄装置400は、図7中、Y方向に伸びたフレーム部材401と、四角形状に組まれたフレーム部材402を備える。フレーム部材402は、おおよそフレーム部材401の左半分側に配置され、フレーム部材401とフレーム部材402とは固定されている。
【0048】
フレーム部材401の右半分側には、図6に示された吐出部200のうちの小ヘッド100Aの洗浄を行う第一洗浄機構410が設けられる(以下、小ヘッド洗浄機構410ともいう)。小ヘッド洗浄機構410は、シャッタ411と、密着部材412と、密着部材ホルダ413と、カバー部材414と、エアシリンダ415と、ベース部材416と、排液トレイ417等を備える。これらの他に小ヘッド洗浄機構410は、小ヘッド100Aのノズル面に向けて洗浄液と洗浄エアを供給するノズルを備えているが、これについては後述する。
【0049】
シャッタ411は、例えば、四角形の板金からなり、蝶番411aの片側に固定されている。蝶番411aのもう片方は取付板411bに固定されている。取付板411bは、例えば、排液トレイ417の下部など、定位置に固定された部材に取り付けられる。蝶番411aは、バネ性を有するバネ蝶番であり、シャッタ411を閉じる方向(図7では時計まわり方向)に付勢している。上記の構成により、シャッタ411は、図中の矢印方向に開閉可能となる。ここで、シャッタ411は第一シャッタの一例である。
【0050】
密着部材412は、例えば、変形可能な樹脂部材からなり、小ヘッド100Aのノズル面101Aに設けられた複数(本実施形態では8個)のノズル102Aの領域を囲むことができる大きさの開口部を備える。密着部材412は、小ヘッド100Aの洗浄時にはノズル面101Aに密着し、洗浄液や洗浄エアが外部に漏れるのを防止する。密着部材ホルダ413は、箱状の部材であり、密着部材412を保持する。カバー部材414は、概略箱状をした部材であり、後述する洗浄液ノズルや洗浄エアノズルから密着部材412の開口部に向けて供給される洗浄液や洗浄エアが外部に漏れるのを防止する。
【0051】
エアシリンダ415は、シリンダ部415aと、このシリンダ部415aに対して進退移動するピストン部415bとを備える。シリンダ部415aは、ベース部材416に固定され、さらに、ベース部材416は、フレーム部材401に固定される。ピストン部415bは、その一端側にカバー部材414を保持している。
【0052】
上記の構成により、エアシリンダ415のピストン部415bがY方向正側へ駆動されると、カバー部材414、密着部材ホルダ413および密着部材412もY方向正側へ移動する。この移動でシャッタ411は、密着部材412および密着部材ホルダ413によって押され、シャッタ411は、密着部材412が露出する位置まで開かれる。エアシリンダを用いることで、移動機構の構成を簡素化することができるとともに、密着部材412をY方向へ速やかに移動させることができ、洗浄工程全体の時間短縮にも寄与できる。ここで、エアシリンダ415は、第一駆動手段の一例である。
【0053】
排液トレイ417は、定位置に固定されており、小ヘッド100Aの洗浄に使われた洗浄液を回収し、使用後の洗浄液を排出口417aから排液タンク等へ排出する。
【0054】
フレーム部材401の左半分側に配置された四角形状のフレーム部材402には、図6に示された吐出部200のうちの大ヘッド100Bの洗浄を行う第二洗浄機構420が設けられる(以下、大ヘッド洗浄機構420ともいう)。大ヘッド洗浄機構420は、シャッタ421と、密着部材422と、密着部材ホルダ423と、カバー部材424と、エアシリンダ425と、リンク機構426と、排液トレイ427等を備える。これらの他に大ヘッド洗浄機構420にも、大ヘッド100Bのノズル面に向けて洗浄液と洗浄エアを供給するノズルが、小ヘッド洗浄機構410と同様に備えられる。
【0055】
シャッタ421は、例えば、四角形の板金からなり、シャッタ421の両端部は、フレーム部材402に設けたガイド部材421aに支持されている。上記の構成により、シャッタ421は、Z方向に移動可能となる。ここで、シャッタ421は第二シャッタの一例である。
【0056】
密着部材422は、小ヘッド洗浄機構410の密着部材412と同様、例えば、変形可能な樹脂部材からなり、大ヘッド100Bのノズル面101Bに設けられた複数のノズル102Bの領域を囲むことができる大きさの開口部422aを備える。実施形態では、12個の複数ノズルサブヘッドに対応させた12個の密着部材422を備えた構成を例示している。密着部材422は、大ヘッド100Bの洗浄時にはノズル面101Bに密着し、洗浄液や洗浄エアが外部に漏れるのを防止する。密着部材ホルダ423は、箱状の部材であり、密着部材422を保持する。カバー部材424は、概略箱状をした部材であり、後述する洗浄液ノズルや洗浄エアノズルから密着部材422の開口部422aに向けて供給される洗浄液や洗浄エアが外部に漏れるのを防止する。
【0057】
エアシリンダ425は、シリンダ部425aと、このシリンダ部425aに対して進退移動するピストン部425bとを備える。シリンダ部425aは、フレーム部材402に固定される。ピストン部425bは、その一端側にリンク機構426が接続されており、ピストン部425bはリンク機構426を介してシャッタ421と接続されている。
【0058】
上記の構成により、エアシリンダ425のピストン部425bがZ方向正側へ駆動されると、リンク機構426もZ方向正側へ移動する。この移動でシャッタ421は、密着部材422が露出する位置まで開かれる。エアシリンダを用いることで、移動機構の構成を簡素化することができるとともに、シャッタ421をZ方向へ速やかに移動させることができ、洗浄工程全体の時間短縮にも寄与できる。ここで、エアシリンダ425は、第二駆動手段の一例である。
【0059】
排液トレイ427は、フレーム部材402などの定位置に固定されており、大ヘッド100Bの洗浄に使われた洗浄液を回収し、使用後の洗浄液を排出口427aから排液タンク等へ排出する。
【0060】
図8は、小ヘッド洗浄機構のシャッタ動作を説明する図であり、図8(a)は、シャッタが閉じている状態を示し、図8(b)は、シャッタが開かれている状態を示す。図9は、シャッタが開かれた状態で小ヘッド洗浄機構を密着部材側から見た図である。
【0061】
小ヘッド洗浄機構410は、図7に示された部材の他に、小ヘッド100Aのノズル面に向けて洗浄エアを供給する洗浄エアノズル418aと、小ヘッド100Aのノズル面に向けて洗浄液を供給する洗浄液ノズル418bを備える。洗浄エアノズル418aおよび洗浄液ノズル418bは、ノズル保持部材419に保持されている。また、ノズル保持部材419は、ベース部材416、またはフレーム部材401に固定される。
【0062】
洗浄エアノズル418aは、図8(b)の状態、つまり、密着部材412がエアシリンダ415によって押し出され、密着部材412の開口部412aが露出する位置にある状態の時、洗浄エアが開口部412aを通過できる位置(角度、高さ)に設定されている。洗浄エアは、洗浄エアノズル418aのところまで圧縮エアが供給されており、洗浄エアノズル418aが開かれた場合、エアが密着部材412の開口部412aに向けて供給(噴射)される。ヘッド洗浄時は、密着部材412には小ヘッド100Aのノズル面101Aが密着しており、開口部412aから供給される洗浄エアによってノズル面101Aは洗浄される。
【0063】
また、洗浄液ノズル418bも同様に、図8(b)の状態において、洗浄液が開口部412aを通過できる位置(角度、高さ)に設定されている。洗浄液は、洗浄液ノズル418bのところまで加圧された状態で供給されており、洗浄液ノズル418bが開かれた場合、洗浄液が開口部412aに向けて供給(噴射)される。ヘッド洗浄時は、密着部材412には小ヘッド100Aのノズル面101Aが密着しており、開口部412aから供給される洗浄液によってノズル面101Aは洗浄される。ノズル面101Aのノズル102Aの周囲は密着部材412によって囲まれているため、洗浄液が外部に漏れ出ることはなく、ノズル面101Aに供給された洗浄液は、ノズル面101Aによってカバー部材414側へ跳ね返される。カバー部材414側へ跳ね返された洗浄液は、カバー部材414の排出口414aから排液トレイ417へ流れる。ここで、密着部材412の開口部412aは、第一洗浄液供給口の一例である。
【0064】
小ヘッド100Aの洗浄が終了し、エアシリンダ415によって密着部材412を小ヘッド100Aから離れる方向へ移動させて行くと、シャッタ411は、蝶番411aのバネ性(復元力)によって連動し、シャッタ411は図8(a)に示されるように開口部412aを遮蔽する。これにより、小ヘッド100Aが不在の状態で、洗浄液ノズル418bから不用意に洗浄液が噴射されてしまった場合でも、開口部412aの前方をシャッタ411が遮蔽するため、維持ステーション2000の周囲の汚れを低減することができる。
【0065】
上述のように本実施形態は、塗装ロボット1000の小ヘッド100Aに設けられたノズル面101Aに、洗浄液を供給する開口部412aと、開口部412aが露出する位置と、開口部412aを遮蔽する位置との間で移動するシャッタ411と、開口部412aを、ノズル面101Aに近づく位置と、ノズル面101Aから離れる位置との間で移動させる駆動手段415と、を備え、シャッタ411の移動は、開口部412aの移動に連動している。
【0066】
また、上述のように、シャッタ411は、開口部412aをノズル面101Aに近づける動作により、開口部412aが露出する位置に移動し、開口部412aをノズル面101Aから離す動作により、開口部412aを遮蔽する位置に移動する。
【0067】
これらにより、非洗浄時に洗浄液ノズル418bから不用意に洗浄液が噴射された場合でも、開口部412aをシャッタ411が遮蔽するため、周囲の汚れが低減され、使い勝手を改善することができる。
【0068】
また、上述のように駆動手段は、エアシリンダ415を含む。
【0069】
これにより、移動機構の構成を簡素化することができるとともに、密着部材412(開口部412a)を速やかに移動させることができ、洗浄工程全体の時間短縮に寄与できる。
【0070】
図10は、大ヘッド洗浄機構のシャッタ動作を説明する図であり、図10(a)は、シャッタが閉じている状態を示し、図10(b)は、シャッタが開かれている状態を示す。なお、図10では、シャッタ421の位置をわかりやすくするため、カバー部材424と排液トレイ427の図示は省略されている。
【0071】
上述のように、シャッタ421は、フレーム部材402に設けたガイド部材421aによって、図中、上下方向に移動可能である。シャッタ421は、エアシリンダ425のピストン部425bに、リンク機構426を介して接続されている。上記の構成により、エアシリンダ425のピストン部425bが上方向へ駆動されると、リンク機構426を介してシャッタ421も上方向へ動き、シャッタ421は、密着部材422が露出する位置まで開かれる。
【0072】
大ヘッド洗浄機構420のカバー部材424(図7参照)の内部には、大ヘッド100Bのノズル面に向けて洗浄エアを供給する洗浄エアノズルと、洗浄液を供給する洗浄液ノズルが、小ヘッド洗浄機構410と同様に備えられている。本実施形態では、12個の複数ノズルサブヘッドに対応させた12個の密着部材422を備えており、洗浄エアノズルおよび洗浄液ノズルも、それぞれの密着部材422に対応させて12組備えられている。
【0073】
洗浄エアノズルは、図10(b)の状態、つまり、シャッタ421が開かれ、密着部材422の開口部422aが露出する状態の時、洗浄エアが開口部422aを通過できる位置(角度、高さ)に設定されている。洗浄エアは、洗浄エアノズルのところまで圧縮エアが供給されており、洗浄エアノズルが開かれた場合、エアが密着部材422の開口部422aに向けて供給(噴射)される。ヘッド洗浄時は、密着部材422には大ヘッド100Bのノズル面101Bが密着しており、開口部422aから供給される洗浄エアによってノズル面101Bは洗浄される。
【0074】
また、洗浄液ノズルも同様に、図10(b)の状態において、洗浄液が開口部422aを通過できる位置(角度、高さ)に設定されている。洗浄液は、洗浄液ノズルのところまで加圧された状態で供給されており、洗浄液ノズルが開かれた場合、洗浄液が開口部422aに向けて供給(噴射)される。ヘッド洗浄時は、密着部材422には大ヘッド100Bのノズル面101Bが密着しており、開口部422aから供給される洗浄液によってノズル面101Bは洗浄される。ノズル面101Bのノズル102Bの周囲は密着部材422によって囲まれているため、洗浄液が外部に漏れ出ることはなく、ノズル面101Bに供給された洗浄液は、ノズル面101Bによってカバー部材424側へ跳ね返される。カバー部材424側へ跳ね返された洗浄液は、カバー部材424に設けられた排出口から排液トレイ427(図7参照)へ流れる。ここで、密着部材422の開口部422aは、第二洗浄液供給口の一例である。
【0075】
大ヘッド100Bの洗浄が終了し、大ヘッド100Bが密着部材422から離れた後は、エアシリンダ425およびリンク機構426によってシャッタ421が閉じられ、シャッタ421は開口部422aを遮蔽する位置に移動する。これにより、大ヘッド100Bが不在の状態で、洗浄液ノズルから不用意に洗浄液が噴射されてしまった場合でも、開口部422aの前方をシャッタ421が遮蔽するため、維持ステーション2000の周囲の汚れを低減することができる。
【0076】
上述のように本実施形態は、塗装ロボット1000の大ヘッド100Bに設けられるとともに、小ヘッド100Aのノズル面101Aと異なる方向に向いて設けられたノズル面101Bに洗浄液を供給する開口部422aと、開口部422aが露出する位置と、開口部422aを遮蔽する位置との間で移動するシャッタ421と、シャッタ421を駆動し、シャッタ421の移動を行わせる駆動手段425と、を備える。
【0077】
また、上述のように、シャッタ421は、ノズル面101Bの洗浄時は、開口部422aが露出する位置に移動し、ノズル面101Bの非洗浄時は、開口部422aを遮蔽する位置に移動する。
【0078】
これらにより、非洗浄時に洗浄液ノズルから不用意に洗浄液が噴射された場合でも、開口部422aをシャッタ421が遮蔽するため、周囲の汚れが低減され、使い勝手を改善することができる。
【0079】
また、上述のように駆動手段は、エアシリンダ425を含む。
【0080】
また、上述のようにシャッタ421は、リンク機構426を介してエアシリンダ425に接続される。
【0081】
これにより、移動機構の構成を簡素化することができるとともに、シャッタ421を速やかに移動させることができ、洗浄工程全体の時間短縮に寄与できる。
【0082】
図11は、洗浄装置の実装例を示す図である。
【0083】
上述の洗浄装置400は、フレーム部材401が水平となるように、維持ステーション2000の本体フレーム2000fに実装してもよいし、あるいは、図11に示されるようにフレーム部材401を本体フレーム2000fに対して傾斜させて実装してもよい。
【0084】
例えば、洗浄装置400は、小ヘッド洗浄機構410の密着部材412(開口部412a)の移動方向が、水平線に対して角度θ1を成して交わるように傾斜配置される。または、洗浄装置400は、大ヘッド洗浄機構420のシャッタ421の移動方向が、水平線に対して角度θ2を成して交わるように傾斜配置される。
【0085】
この場合の傾斜方向は、各洗浄機構410,420で洗浄に使われた洗浄液を、それぞれの排出口417a,427aに導く側へ傾けるようにすることが好ましい。これにより、使用後の洗浄液は各排出口417a,427aに集まりやすくなり、排液路417b,427bを通して排液タンク430に効率よく回収することができる。
【0086】
上述のように本実施形態は、塗料を吐出するノズル102Aが形成されたノズル面101Aを有する小ヘッド100Aと、塗料を吐出するノズル102Bが形成され、小ヘッド100Aのノズル面101Aと異なる方向に向いて設けられたノズル面101Bを有する大ヘッド100Bと、を備える塗装ロボット1000と、上述の洗浄装置400と、を備える。
【0087】
また、上述のように洗浄装置400は、洗浄に使われた洗浄液を排出口417a,427aに導く側へ傾けて配置されている。
【0088】
これにより、使用後の洗浄液を効率よく回収できるようになり、使い勝手を改善することができる。
【0089】
<洗浄装置の動作>
続いて、図12を用いて、小ヘッド100Aおよび大ヘッド100Bを洗浄する際の洗浄装置の動作について説明する。図12は、ヘッド洗浄時の動作を説明する概略平面図である。
【0090】
塗装実施前、塗装終了時、または塗装時間が規定の時間を経過した時などヘッド洗浄が必要となった場合、塗装システム10000の制御装置からヘッド洗浄の指示が出される。制御装置からの指示に基づき、塗装ロボット1000は、吐出部200を維持ステーション2000に実装された洗浄装置400に移す(図12(a))。
【0091】
大ヘッド洗浄機構420のシャッタ421が開かれ、密着部材422(開口部422a)が露出した状態となったならば、塗装ロボット1000は、大ヘッド100Bのノズル面101Bを密着部材422に密着させる(図12(b))。
【0092】
次に、吐出部200の小ヘッド100Aに向けて小ヘッド洗浄機構410を移動させる。小ヘッド洗浄機構410のシャッタ411は、小ヘッド洗浄機構410の移動に連動して開かれ、小ヘッド100Aのノズル面101Aに小ヘッド洗浄機構410の密着部材412が密着する(図12(c))。
【0093】
各ヘッドのノズル面101A,101Bが、各洗浄機構の密着部材412,422に密着されたならば、各洗浄機構410,420にて洗浄液、洗浄エアにより洗浄が行われる。洗浄が終了したならば、上記と逆の順番で動作が行われて洗浄工程を完了させる。
【0094】
<塗装システムの機能構成>
図13は、塗装システムの機能構成の一例を示す図である。
【0095】
図13において、塗装システム10000は、制御装置901、ヘッド制御部902、端末装置903、ロボット制御部904、維持制御部905、塗装ロボット1000、および維持ステーション2000を備える。
【0096】
制御装置901は、算出部9011、特定部9012、判断部9013、記憶・読出部9014、記憶部9015、撮影制御部9016、画像処理部9017、同期制御部9018および環境情報取得部9019等を備える。
【0097】
制御装置901は、車体Uの塗装データや指示を端末装置903から受信し、塗装システム10000の全体動作を制御する。
【0098】
算出部9011は、後述のCPU9001の処理によって実現され、端末装置903から受信する塗装データに基づいて車体Uの塗装領域における吐出部200の移動方向、および当該塗装領域において塗料を吐出させるノズル数を算出する。
【0099】
特定部9012は、後述のCPU9001の処理によって実現され、端末装置903から受信する塗装データに基づいて車体Uの塗装領域等を特定する。
【0100】
判断部9013は、後述のCPU9001の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0101】
記憶・読出部9014は、主に、後述のCPU9001の処理によって実現され、記憶部9015に各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部9015から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0102】
記憶部9015は、後述のROM9002、RAM9003、HDD/SSD9004等によって構築され、端末装置903から受信した塗装データ、塗装対象範囲(塗装対象サイズ)データ、塗装領域データ、塗料の仕様データ等を格納する。
【0103】
撮影制御部9016は、主に、後述するI/Oインターフェース9005に対するCPU9001の処理によって実現され、例えば、塗装ロボット1000がカメラ等の撮影装置を備える場合、塗装ロボット1000の撮影部1010に対する撮影処理を制御する。撮影制御部9016は、例えば、撮影部1010に対する撮影処理を指示する。また、撮影制御部9016は、例えば、撮影部1010による撮影処理で得られた撮影画像を取得する。
【0104】
画像処理部9017は、主に、後述のCPU9001の処理によって実現され、撮影制御部9016が撮影部1010から取得した撮影画像に対して所定の処理を実行する。画像処理部9017は、例えば、撮影制御部9016が取得した吐出部200の試し打ち画像(テストパターンを撮影した画像)に対して所定の処理を実行し、塗料の吐出状態の判断に用いる画像データを生成する。
【0105】
同期制御部9018は、後述のCPU9001の処理によって実現され、端末装置903から受信した塗装データおよび塗装指示等に基づき、塗装ロボット1000の動作と、塗料吐出部1030の吐出動作とを同期させる。
【0106】
環境情報取得部9019は、主に、後述するI/Oインターフェース9005に対するCPU9001の処理によって実現され、例えば、塗装システム10000内の環境温度、あるいは塗料の温度等を示す温度情報を取得する。
【0107】
ヘッド制御部902は、制御装置901からの指示に基づき塗料吐出部1030における塗料の吐出動作を制御する。
【0108】
端末装置903は、RIP(Routing Information Protocol)部9031、レンダリング部9032、表示制御部9033および受付部9034を備える。
【0109】
RIP部9031は、カラープロファイルやユーザの設定に応じて画像処理を行う。
【0110】
レンダリング部9032は、塗装データを走査毎(例えば吐出部200の主走査方向の移動毎)の画像データに分解する。
【0111】
表示制御部9033は、主に、後述のCPU9001の処理によって実現され、ディスプレイ等の表示部に各種画面を表示させる。
【0112】
受付部9034は、主に、通信インターフェース9006に対するCPU9001の処理によって実現され、ユーザから各種の選択または入力を受け付ける。受付部9034は、例えば、車体Uに施す塗装データおよび座標データの設定や、塗装モードの選択、塗装範囲(塗装開始位置、塗装終了位置)の設定、塗装指示等を受け付ける。なお、受付部9034はタッチパネルで構成されてもよい。
【0113】
また、端末装置903は、受付部9034が受け付けた塗装データ、および塗装ロボット1000が備えるヘッド位置測定部1020から取得した位置データに基づき、塗装ロボット1000の移動軌跡を生成する。
【0114】
ロボット制御部904は、制御装置901からの指示に基づきアーム駆動部1050の駆動を制御する。アーム駆動部1050の駆動を制御することによって、塗装ロボット1000の第一アーム1002、第二アーム1003およびエンドエフェクタ1004(吐出部200)は所望の位置に移動する。また、ロボット制御部904は、アーム駆動部1050の駆動状態を示す駆動状態情報を制御装置901に送信する。
【0115】
維持制御部905は、制御装置901からの指示に基づき維持ステーション2000の洗浄液供給部2010、洗浄エア供給部2020および維持駆動部2030を制御する。また、維持制御部905は、維持ステーション2000の動作状態を示す動作状態情報を制御装置901に送信する。
【0116】
塗装ロボット1000は、撮影部1010、ヘッド位置測定部1020、塗料吐出部1030、アーム位置検出部1040およびアーム駆動部1050を備える。
【0117】
撮影部1010は、例えば、塗装ロボット1000に取り付けた吐出部200の近くに設置されるカメラ等の撮影装置によって実現され、撮影制御部9016からの指示に応じて撮影処理を実行する。また、撮影部1010は、撮影制御部9016からの指示に応じて撮影処理で得られた撮影画像を制御装置901へ送信する。
【0118】
ヘッド位置測定部1020は、例えば、塗装ロボット1000に取り付けた吐出部200の近傍に設置されるセンサによって実現され、車体Uの表面(塗装面)に対する吐出部200の位置や姿勢(塗装面に対する傾き等)を測定する。ヘッド位置測定部1020には、3Dセンサ、3Dカメラ、レーザ変位計等を用いることができる。例えば、3Dセンサや3DカメラによってXY方向の位置や傾きの測定、塗装開始位置の検出、および塗装対象サイズの検出等を行う。また、レーザ変位計によってZ方向の測定、塗装面までの距離、および塗装面の表面形状(曲率等)の検出等を行う。また、ヘッド位置測定部1020は、上記の測定結果および検出結果を制御装置901へ送信する。
【0119】
塗料吐出部1030は、塗装ロボット1000に取り付けた吐出部200によって実現され、ヘッド制御部902からの指示に基づき塗料を吐出する。
【0120】
アーム位置検出部1040は、例えば第一ジョイント1005、第二ジョイント1006および第三ジョイント1007等が備えるエンコーダの各スリットを光学的に検出する。そして、第一アーム1002、第二アーム1003およびエンドエフェクタ1004の回転量からそれらの位置を検出し、エンドエフェクタ1004の3次元での位置情報を取得する。
【0121】
アーム駆動部1050は、ロボット制御部904からの指示に基づき塗装ロボット1000の第一アーム1002、第二アーム1003およびエンドエフェクタ1004(吐出部200)等を所望の位置へ動かす。また、アーム駆動部1050は、第一アーム1002、第二アーム1003およびエンドエフェクタ1004等の駆動状態を示す駆動状態情報等をロボット制御部904に送信する。
【0122】
維持ステーション2000は、洗浄液供給部2010、洗浄エア供給部2020および維持駆動部2030を備える。維持ステーションは、洗浄液供給部2010および洗浄エア供給部2020の供給動作の状態を示す動作状態情報、ならびに維持駆動部2030の駆動状態を示す駆動状態情報を維持制御部905に送信する。
【0123】
洗浄液供給部2010は、ヘッド100(100A,100B)のノズル板101(101A,101B)およびノズル102(102A,102B)に洗浄液を供給する洗浄液ノズル等を備え、維持制御部905からの指示に基づき洗浄液を吐出する。
【0124】
洗浄エア供給部2020は、ヘッド100(100A,100B)のノズル板101(101A,101B)およびノズル102(102A,102B)に洗浄エアを供給する洗浄エアノズル等を備え、維持制御部905からの指示に基づき洗浄エアを吐出する。
【0125】
維持駆動部2030は、例えば、洗浄液ノズルや洗浄エアノズルをヘッド100(100A,100B)に対して進退移動させる移動機構、ノズル面を拭き取り清掃する清掃部材を移動させる移動機構、空吐出受けをヘッド100に対して進退移動させる移動機構、エアシリンダ等の動力シリンダを作動させる機構等、各種移動機構を駆動する。また、維持駆動部2030は、維持ステーション2000が、ヘッド100にテストパターンを打たせるためのメディア板を備えている場合、当該メディア板をヘッド100に対して進退移動させる移動機構を駆動する。
【0126】
なお、ヘッド制御部902およびロボット制御部904は、塗装ロボットを複数台(1000A,1000B,・・・)設置する場合は、塗装ロボット毎に設けられる。また、端末装置903に設けたRIP部9031、レンダリング部9032の機能、ならびにヘッド制御部902、ロボット制御部904および維持制御部905の機能は、制御装置901に設ける構成としてもよい。
【0127】
<制御装置のハードウェア構成>
次に、図14を用いて制御装置901のハードウエア構成について説明する。図14は、制御装置のハードウエア構成の一例を示す説明図である。なお、図14に示されているハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
【0128】
制御装置901は、CPU(Central Processing Unit)9001、ROM(Read Only Memory)9002、RAM(Random Access Memory)9003、HDD(Hard Disk Drive)/SSD(Solid State Drive)9004、I/O(Input/Output)インターフェース9005、通信インターフェース9006、およびバスライン9007を備える。
【0129】
CPU9001は、ROM9002に格納されたプログラムもしくはデータをRAM9003上に読み出し、処理を実行することで、対象とする装置または対象とするユニットの各機能を実現する演算装置である。
【0130】
ROM9002は、電源を切ってもプログラムまたはデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
【0131】
RAM9003は、CPU9001のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。
【0132】
HDD/SSD9004は、CPU9001の制御にしたがって各種データの読み出し、または書き込みを制御する。
【0133】
I/Oインターフェース9005は、塗装ロボット1000、ヘッド制御部902、ロボット制御部904、維持制御部905等の機器との間で入出力するためのインターフェースである。
【0134】
通信インターフェース9006は、通信ネットワークを経由して端末装置903などのデータ処理を行う機器との通信(接続)を行うインターフェースである。
【0135】
バスライン9007は、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等であり、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号等を伝送する。CPU9001、ROM9002、RAM9003、HDD/SSD9004、I/Oインターフェース9005、および通信インターフェース9006は、バスライン9007を介して相互に接続されている。
【0136】
<補足>
本発明において「液体吐出装置」は、液体を吐出するヘッドを備え、ヘッドを駆動させて液体を吐出する装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0137】
この「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの供給、搬送、排出に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0138】
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0139】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、紙、フィルム、布、鋼板などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0140】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、アルミニウム箔や銅箔といった集電体、または集電体上に活物質層が形成された電極など、液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0141】
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、電極材料として用いられる活物質や固体電解質、導電性材料や絶縁性材料を含むインクなどを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどが挙げられる。これらは例えば、塗工用塗料、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液、電極、電気化学素子等の用途で用いることができる。
【0142】
また、「液体吐出装置」は、ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、ヘッドを移動させるシリアル型装置、ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0143】
また、「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0144】
また、「液体吐出装置」は、定置型の装置に限るものではない。液体吐出装置は、例えば、ヘッドが搭載された、遠隔操作や自律走行によって移動が可能なロボットであってもよく、移動可能なロボットにより建物の外壁塗装や道路の路面標示(横断歩道、停止線、速度表示等)の塗装等への適用も可能になる。この場合の建物や道路もまた「液体が付着可能なもの」に含まれる。
【0145】
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0146】
[第1態様]
第1態様は、液体吐出装置(例えば塗装ロボット1000)の第一ヘッド(例えば小ヘッド100A)に設けられた第一ノズル面(例えばノズル面101A)に、洗浄液を供給する第一洗浄液供給口(例えば密着部材412の開口部412a)と、前記第一洗浄液供給口が露出する位置と、前記第一洗浄液供給口を遮蔽する位置との間で移動する第一シャッタ(例えばシャッタ411)と、前記第一洗浄液供給口を、前記第一ノズル面に近づく位置と、前記第一ノズル面から離れる位置との間で移動させる第一駆動手段と、を備え、前記第一シャッタの前記移動は、前記第一洗浄液供給口の前記移動に連動していることを特徴とするものである。
【0147】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記液体吐出装置の第二ヘッド(例えば大ヘッド100B)に設けられるとともに、前記第一ノズル面と異なる方向に向いて設けられた第二ノズル面(例えばノズル面101B)に洗浄液を供給する第二洗浄液供給口(例えば密着部材422の開口部422a)と、前記第二洗浄液供給口が露出する位置と、前記第二洗浄液供給口を遮蔽する位置との間で移動する第二シャッタ(例えばシャッタ421)と、前記第二シャッタを駆動し、前記第二シャッタの前記移動を行わせる第二駆動手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0148】
[第3態様]
第3態様は、第1態様または第2態様において、前記第一駆動手段は、エアシリンダ(例えばエアシリンダ415)を含むことを特徴とするものである。
【0149】
[第4態様]
第4態様は、第2態様または第3態様において、前記第二駆動手段は、エアシリンダ(例えばエアシリンダ425)を含むことを特徴とするものである。
【0150】
[第5態様]
第5態様は、第2態様乃至第4態様のいずれかにおいて、前記第二シャッタは、リンク機構(例えばリンク機構426)を介して前記エアシリンダに接続されることを特徴とするものである。
【0151】
[第6態様]
第6態様は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記第一シャッタは、前記第一洗浄液供給口を前記第一ノズル面に近づける動作により、前記第一洗浄液供給口が露出する位置に移動し、前記第一洗浄液供給口を前記第一ノズル面から離す動作により、前記第一洗浄液供給口を遮蔽する位置に移動することを特徴とするものである。
【0152】
[第7態様]
第7態様は、第2態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記第二シャッタは、前記第二ノズル面の洗浄時は、前記第二洗浄液供給口が露出する位置に移動し、前記第二ノズル面の非洗浄時は、前記第二洗浄液供給口を遮蔽する位置に移動することを特徴とするものである。
【0153】
[第8態様]
第8態様は、液体を吐出するノズルが形成された第一ノズル面(例えばノズル面101A)を有する第一ヘッド(例えば小ヘッド100A)と、液体を吐出するノズルが形成され、前記第一ノズル面と異なる方向に向いて設けられた第二ノズル面(例えばノズル面101B)を有する第二ヘッド(例えば大ヘッド100B)と、を備える液体吐出装置(例えば塗装ロボット1000)と、第1態様乃至第7態様のいずれかの洗浄装置(例えば洗浄装置400)と、を備えることを特徴とする液体吐出システム(例えば塗装システム10000)である。
【0154】
[第9態様]
第9態様は、第8態様において、前記洗浄装置は、洗浄に使われた洗浄液を排出口(例えば排出口417a,427a)に導く側へ傾けて配置されていることを特徴とするものである。
【符号の説明】
【0155】
100A 小ヘッド
100B 大ヘッド
101A,101B ノズル面
102A,102B ノズル
200 吐出部
400 洗浄装置
401 フレーム部材
402 フレーム部材
410 小ヘッド洗浄機構
411 シャッタ
412 密着部材
415 エアシリンダ
420 大ヘッド洗浄機構
421 シャッタ
422 密着部材
425 エアシリンダ
426 リンク機構
1000 塗装ロボット
2000 維持ステーション
10000 塗装システム
図1
図2
図3
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図5
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