IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧

特開2024-107534半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法
<>
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図1
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図2
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図3
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図4
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図5
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図6
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図7
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図8
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図9
  • 特開-半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107534
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20240802BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G02B6/12 301
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011501
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 正彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 匡廣
(72)【発明者】
【氏名】清田 和明
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2H137AB12
2H137BA35
2H137BA53
2H137BB02
2H137BB25
2H137CA19B
2H137CA19F
2H137CA56
2H137CA72
2H137CB03
2H137CB24
2H137CB25
2H137CB32
2H137DB09
2H137HA00
2H147AB03
2H147AB04
2H147AB24
2H147BB02
2H147BD01
2H147BD07
2H147BD10
2H147BG09
2H147CC07
2H147CD09
2H147EA12A
2H147GA00
2H147GA26
(57)【要約】
【課題】例えば、より改善された新規なアライメントマークを有した半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法を得る。
【解決手段】半導体光デバイスは、例えば、内部に第一導波路が設けられた第一積層部と、第一頂面と、第一端面と、第一端面の複数箇所で露出した第一導波路の第一端部であって第一方向および第二方向と交差した第三方向に互いに離れた複数の第一端部と、第一頂面に設けられ、第一頂面の第二方向の端部から第一端部の第一端面での延び方向と平行に延びて第一方向の反対方向に見た場合に複数の第一端部が間に位置するとともに第三方向において当該複数の第一端部と所定の相対位置関係となるように第三方向に互いに離れて設けられた二つの第一位置特定マークと、第一頂面に設けられ、第一方向の反対方向に見た場合に第一積層部における第三方向を特定可能な第一姿勢特定マークと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体光デバイスと、光機能素子と、を備えた光集積素子の、前記半導体光デバイスであって、
前記半導体光デバイスは、
内部に第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第一導波路が設けられた第一積層部と、
前記第一積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第一頂面と、
前記第一積層部の前記第一方向と交差した第二方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向を向いた第一端面と、
前記第一端面の複数箇所で露出した前記第一導波路の第一端部であって前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に互いに離れた複数の第一端部と、
前記第一頂面に設けられ、前記第一頂面の前記第二方向の端部から前記第一端部の前記第一端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第一端部が間に位置するとともに前記第三方向において当該複数の第一端部と所定の相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第一位置特定マークと、
前記第一頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第一積層部における前記第三方向を特定可能な第一姿勢特定マークと、
を有し、
前記光機能素子は、
内部に前記第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第二導波路が設けられた第二積層部と、
前記第二積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第二頂面と、
前記第二積層部の前記第二方向の反対方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向の反対方向を向いた第二端面と、
前記第二端面の複数箇所で露出した前記第二導波路の第二端部であって前記第三方向において前記複数の第一端部と対応した間隔となるように互いに離れた複数の第二端部と、
前記第二頂面に設けられ、前記第二頂面の前記第二方向の反対方向の端部から前記第二端部の前記第二端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第二端部が間に位置するとともに前記第三方向において前記複数の第一端部および前記二つの第一位置特定マークと同じ相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第二位置特定マークと、
前記第二頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第二積層部における前記第三方向を特定可能な第二姿勢特定マークと、
を有した、
半導体光デバイス。
【請求項2】
前記第一端部および前記第一位置特定マークは、前記第二方向に対して同じ角度で傾斜した、請求項1に記載の半導体光デバイス。
【請求項3】
前記第二端部および前記第二位置特定マークは、前記第二方向に対して同じ角度で傾斜した、請求項1に記載の半導体光デバイス。
【請求項4】
前記第一端部および前記第一位置特定マークは、前記第二方向に対して同じ角度で傾斜し、
前記第二端部および前記第二位置特定マークは、前記第二方向に対して前記第一端部および前記第一位置特定マークとは異なる角度で傾斜した、請求項3に記載の半導体光デバイス。
【請求項5】
前記第一積層部には、前記第一導波路を含むメサと、前記メサに対して前記第三方向の両側に隣接し前記第一方向の反対方向に凹む第一凹部と、当該第一凹部と同じ深さで前記第一方向の反対方向に凹み前記第一位置特定マークを構成する第二凹部と、が設けられた、請求項1に記載の半導体光デバイス。
【請求項6】
前記第二凹部の底部が、メタル層で覆われた、請求項5に記載の半導体光デバイス。
【請求項7】
前記第一積層部には、前記第一凹部と同じ深さで凹み前記第一姿勢特定マークを構成する第三凹部が設けられた、請求項5または6に記載の半導体光デバイス。
【請求項8】
前記第三凹部の底部が、メタル層で覆われた、請求項7に記載の半導体光デバイス。
【請求項9】
前記第一姿勢特定マークとして、前記第二方向に離れた複数の第一姿勢特定マークを有した、請求項1に記載の半導体光デバイス。
【請求項10】
前記第一姿勢特定マークは、前記第三方向に延びた第一延部を有した、請求項1に記載の半導体光デバイス。
【請求項11】
前記第一姿勢特定マークは、前記第二方向に延び前記第三方向に離れた複数の第二延部を有した、請求項10に記載の半導体光デバイス。
【請求項12】
前記第一姿勢特定マークは、前記第三方向に離れた複数の部位を有した、請求項1に記載の半導体光デバイス。
【請求項13】
前記第一導波路として、アクティブ導波路を有した、請求項1に記載の半導体光デバイス。
【請求項14】
前記第一導波路として、折り返し導波路を介して光学的に接続された二つの第一導波路を有した、請求項13に記載の半導体光デバイス。
【請求項15】
前記折り返し導波路は、パッシブ導波路である、請求項14に記載の半導体光デバイス。
【請求項16】
それぞれが、前記折り返し導波路と、当該折り返し導波路を介して光学的に接続された二つの第一導波路と、を含む複数の導波路構造アセンブリを有した、請求項15に記載の半導体光デバイス。
【請求項17】
前記アクティブ導波路を含む半導体光増幅器または半導体発光素子を有した、請求項13に記載の半導体光デバイス。
【請求項18】
内部に第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第一導波路が設けられた第一積層部と、
前記第一積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第一頂面と、
前記第一積層部の前記第一方向と交差した第二方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向を向いた第一端面と、
前記第一端面の複数箇所で露出した前記第一導波路の第一端部であって前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に互いに離れた複数の第一端部と、
前記第一頂面に設けられ、前記第一頂面の前記第二方向の端部から前記第一端部の前記第一端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第一端部が間に位置するとともに前記第三方向において当該複数の第一端部と所定の相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第一位置特定マークと、
前記第一頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第一積層部における前記第三方向を特定可能な第一姿勢特定マークと、
を備えた、半導体光デバイス。
【請求項19】
半導体光デバイスと、光機能素子と、を備えた光集積素子の、前記半導体光デバイスの製造方法であって、
前記半導体光デバイスは、
内部に第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第一導波路が設けられた第一積層部と、
前記第一積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第一頂面と、
前記第一積層部の前記第一方向と交差した第二方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向を向いた第一端面と、
前記第一端面の複数箇所で露出した前記第一導波路の第一端部であって前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に互いに離れた複数の第一端部と、
前記第一頂面に設けられ、前記第一頂面の前記第二方向の端部から前記第一端部の前記第一端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第一端部が間に位置するとともに前記第三方向において当該複数の第一端部と所定の相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第一位置特定マークと、
前記第一頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第一積層部における前記第三方向を特定可能な第一姿勢特定マークと、
を有し、
前記光機能素子は、
内部に前記第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第二導波路が設けられた第二積層部と、
前記第二積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第二頂面と、
前記第二積層部の前記第二方向の反対方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向の反対方向を向いた第二端面と、
前記第二端面の複数箇所で露出した前記第二導波路の第二端部であって前記第三方向において前記複数の第一端部と対応した間隔となるように互いに離れた複数の第二端部と、
前記第二頂面に設けられ、前記第二頂面の前記第二方向の反対方向の端部から前記第二端部の前記第二端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第二端部が間に位置するとともに前記第三方向において前記複数の第一端部および前記二つの第一位置特定マークと同じ相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第二位置特定マークと、
前記第二頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第二積層部における前記第三方向を特定可能な第二姿勢特定マークと、
を有し、
前記半導体光デバイスの製造方法は、基板上に前記第一積層部を積層する工程と、
前記第一積層部に、前記第一導波路を含むメサに対して前記第三方向の両側に隣接し前記第一方向の反対方向に凹む第一凹部、および当該第一凹部と同じ深さで前記第一方向の反対方向に凹み前記第一位置特定マークを構成する第二凹部を、形成する工程と、
を備えた、半導体光デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体レーザ素子や半導体光増幅器のような半導体光デバイスと、導波路を有した部位(以下、当該部位を光機能素子と称する)と、を一体に備えた半導体光集積素子が、知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-92262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の半導体光集積素子において、半導体光デバイスの導波路と光機能素子の導波路との間で所要の光の結合効率を得るには、半導体光デバイスと光機能素子との位置合わせが重要である。
【0005】
当該位置合わせ用のアライメントマークとして、例えば、製造ばらつきによらずより精度良く位置合わせすることを可能とするアライメントマークが得られれば、有益である。
【0006】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、より改善された新規なアライメントマークを有した半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法を得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体光デバイスは、例えば、半導体光デバイスと、光機能素子と、を備えた光集積素子の、前記半導体光デバイスであって、前記半導体光デバイスは、内部に第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第一導波路が設けられた第一積層部と、前記第一積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第一頂面と、前記第一積層部の前記第一方向と交差した第二方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向を向いた第一端面と、前記第一端面の複数箇所で露出した前記第一導波路の第一端部であって前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に互いに離れた複数の第一端部と、前記第一頂面に設けられ、前記第一頂面の前記第二方向の端部から前記第一端部の前記第一端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第一端部が間に位置するとともに前記第三方向において当該複数の第一端部と所定の相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第一位置特定マークと、前記第一頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第一積層部における前記第三方向を特定可能な第一姿勢特定マークと、を有し、前記光機能素子は、内部に前記第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第二導波路が設けられた第二積層部と、前記第二積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第二頂面と、前記第二積層部の前記第二方向の反対方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向の反対方向を向いた第二端面と、前記第二端面の複数箇所で露出した前記第二導波路の第二端部であって前記第三方向において前記複数の第一端部と対応した間隔となるように互いに離れた複数の第二端部と、前記第二頂面に設けられ、前記第二頂面の前記第二方向の反対方向の端部から前記第二端部の前記第二端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第二端部が間に位置するとともに前記第三方向において前記複数の第一端部および前記二つの第一位置特定マークと同じ相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第二位置特定マークと、前記第二頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第二積層部における前記第三方向を特定可能な第二姿勢特定マークと、を有する。
【0008】
前記半導体光デバイスでは、前記第一端部および前記第一位置特定マークは、前記第二方向に対して同じ角度で傾斜してもよい。
【0009】
前記半導体光デバイスでは、前記第二端部および前記第二位置特定マークは、前記第二方向に対して同じ角度で傾斜してもよい。
【0010】
前記半導体光デバイスでは、前記第一端部および前記第一位置特定マークは、前記第二方向に対して同じ角度で傾斜し、前記第二端部および前記第二位置特定マークは、前記第二方向に対して前記第一端部および前記第一位置特定マークとは異なる角度で傾斜してもよい。
【0011】
前記半導体光デバイスでは、前記第一積層部には、前記第一導波路を含むメサと、前記メサに対して前記第三方向の両側に隣接し前記第一方向の反対方向に凹む第一凹部と、当該第一凹部と同じ深さで前記第一方向の反対方向に凹み前記第一位置特定マークを構成する第二凹部と、が設けられてもよい。
【0012】
前記半導体光デバイスでは、前記第二凹部の底部が、メタル層で覆われてもよい。
【0013】
前記半導体光デバイスでは、前記第一積層部には、前記第一凹部と同じ深さで凹み前記第一姿勢特定マークを構成する第三凹部が設けられてもよい。
【0014】
前記半導体光デバイスでは、前記第三凹部の底部が、メタル層で覆われてもよい。
【0015】
前記半導体光デバイスは、前記第一姿勢特定マークとして、前記第二方向に離れた複数の第一姿勢特定マークを有してもよい。
【0016】
前記半導体光デバイスでは、前記第一姿勢特定マークは、前記第三方向に延びた第一延部を有してもよい。
【0017】
前記半導体光デバイスでは、前記第一姿勢特定マークは、前記第二方向に延び前記第三方向に離れた複数の第二延部を有してもよい。
【0018】
前記半導体光デバイスでは、前記第一姿勢特定マークは、前記第三方向に離れた複数の部位を有してもよい。
【0019】
前記半導体光デバイスは、前記第一導波路として、アクティブ導波路を有してもよい。
【0020】
前記半導体光デバイスは、前記第一導波路として、折り返し導波路を介して光学的に接続された二つの第一導波路を有してもよい。
【0021】
前記半導体光デバイスでは、前記折り返し導波路は、パッシブ導波路であってもよい。
【0022】
前記半導体光デバイスは、それぞれが、前記折り返し導波路と、当該折り返し導波路を介して光学的に接続された二つの第一導波路と、を含む複数の導波路構造アセンブリを有してもよい。
【0023】
前記半導体光デバイスは、前記アクティブ導波路を含む半導体光増幅器または半導体発光素子を有してもよい。
【0024】
また、本発明の半導体光デバイスは、例えば、内部に第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第一導波路が設けられた第一積層部と、前記第一積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第一頂面と、前記第一積層部の前記第一方向と交差した第二方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向を向いた第一端面と、前記第一端面の複数箇所で露出した前記第一導波路の第一端部であって前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に互いに離れた複数の第一端部と、前記第一頂面に設けられ、前記第一頂面の前記第二方向の端部から前記第一端部の前記第一端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第一端部が間に位置するとともに前記第三方向において当該複数の第一端部と所定の相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第一位置特定マークと、前記第一頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第一積層部における前記第三方向を特定可能な第一姿勢特定マークと、を備える。
【0025】
本発明の半導体光デバイスの製造方法は、例えば、半導体光デバイスと、光機能素子と、を備えた光集積素子の、前記半導体光デバイスの製造方法であって、前記半導体光デバイスは、内部に第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第一導波路が設けられた第一積層部と、前記第一積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第一頂面と、前記第一積層部の前記第一方向と交差した第二方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向を向いた第一端面と、前記第一端面の複数箇所で露出した前記第一導波路の第一端部であって前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に互いに離れた複数の第一端部と、前記第一頂面に設けられ、前記第一頂面の前記第二方向の端部から前記第一端部の前記第一端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第一端部が間に位置するとともに前記第三方向において当該複数の第一端部と所定の相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第一位置特定マークと、前記第一頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第一積層部における前記第三方向を特定可能な第一姿勢特定マークと、を有し、前記光機能素子は、内部に前記第一方向と交差して延びた少なくとも一つの第二導波路が設けられた第二積層部と、前記第二積層部の前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差するとともに前記第一方向を向いた第二頂面と、前記第二積層部の前記第二方向の反対方向の端部に位置し前記第二方向と交差するとともに前記第二方向の反対方向を向いた第二端面と、前記第二端面の複数箇所で露出した前記第二導波路の第二端部であって前記第三方向において前記複数の第一端部と対応した間隔となるように互いに離れた複数の第二端部と、前記第二頂面に設けられ、前記第二頂面の前記第二方向の反対方向の端部から前記第二端部の前記第二端面での延び方向と平行に延びて前記第一方向の反対方向に見た場合に前記複数の第二端部が間に位置するとともに前記第三方向において前記複数の第一端部および前記二つの第一位置特定マークと同じ相対位置関係となるように前記第三方向に互いに離れて設けられた二つの第二位置特定マークと、前記第二頂面に設けられ、前記第一方向の反対方向に見た場合に前記第二積層部における前記第三方向を特定可能な第二姿勢特定マークと、を有し、前記半導体光デバイスの製造方法は、基板上に前記第一積層部を積層する工程と、前記第一積層部に、前記第一導波路を含むメサに対して前記第三方向の両側に隣接し前記第一方向の反対方向に凹む第一凹部、および当該第一凹部と同じ深さで前記第一方向の反対方向に凹み前記第一位置特定マークを構成する第二凹部を、形成する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、より改善された新規なアライメントマークを有した半導体光デバイスおよび半導体光デバイスの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、第1実施形態の光集積素子の例示的かつ模式的な平面図である。
図2図2は、第1実施形態の光集積素子の一部の例示的かつ模式的な平面図である。
図3図3は、第1実施形態の光集積素子の図2とは別の部位の例示的かつ模式的な平面図であって、半導体光デバイスの端部の位置のばらつきに応じた当該半導体光デバイスの位置の光機能素子に対する相対位置の違いを示す図である。
図4図4は、図1のIV-IV断面図である。
図5図5は、第1実施形態の半導体光デバイスの製造手順の一部を示す例示的なフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態の半導体光デバイスの図3と同等位置における例示的かつ模式的な断面図である。
図7図7は、第3実施形態の光集積素子の一部の例示的かつ模式的な平面図である。
図8図8は、第4実施形態の光集積素子の一部の例示的かつ模式的な平面図である。
図9図9は、第5実施形態の光集積素子の一部の例示的かつ模式的な平面図である。
図10図10は、第6実施形態の光集積素子の例示的かつ模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0029】
以下に示される複数の実施形態は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0030】
本明細書において、序数は、方向や、部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではないし、個数を限定するものでもない。
【0031】
各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。なお、Z方向は、積層方向や高さ方向と称されうる。
【0032】
また、各図は説明を目的とした模式図であって、各図と実物とでスケールや比率は、必ずしも一致しない。
【0033】
[第1実施形態]
[基本構成]
図1は、光集積素子100A(100)の平面図であり、図2は、図1の一部の拡大図である。図1に示されるように、光集積素子100A(100)は、半導体光デバイス10A(10)と、光機能素子20A(20)と、を備えている。半導体光デバイス10と、光機能素子20とは、半導体光デバイス10のX方向の端面11bと、光機能素子20のX方向の反対方向の端面21bと、が互いに微小な隙間をあけて面するかあるいは接した状態で、一体化されている。端面11bには、導波路12の複数の端面12d(図2参照)が露出するとともに、端面21bには、導波路22の複数の端面22d(図2参照)が露出している。半導体光デバイス10と光機能素子20とは、複数の端面12dと複数の端面22dとがY方向に極力ずれることなくX方向に面するよう、半導体光デバイス10に設けられたアライメントマーク14,15と光機能素子20に設けられたアライメントマーク24,25とが位置合わせされた状態で、一体化される。
【0034】
図1に示されるように、半導体光デバイス10は、頂面11aと、端面11bと、を有している。頂面11aは、積層部11のZ方向の端部に位置しZ方向と交差するとともにZ方向を向いている。端面11bは、積層部11のX方向の端部に位置しX方向と交差するとともにX方向を向いている。積層部11は、第一積層部の一例であり、頂面11aは、第一頂面の一例であり、端面11bは、第一端面の一例である。また、Z方向は、第一方向の一例であり、X方向は第二方向の一例である。
【0035】
積層部11の内部には、複数の導波路12が形成されている。複数の導波路12は、Y方向における間隔I1,I2が一定の状態で、X方向に延びている。導波路12は、第一導波路の一例であり、Y方向は、第三方向の一例である。なお、導波路12は、Z方向と交差した方向に延びればよく、X方向に延びた導波路12には限定されない。
【0036】
導波路12は、クラッド層や電流阻止層の内部に形成されたコア層である。クラッド層や電流阻止層は、例えば、n-InPおよびp-InPで作られる。また、コア層は、例えば、GaInAsPで作られる。積層部11において、クラッド層や電流阻止層がコア層の周囲を取り囲んでいる。
【0037】
本実施形態では、二つの導波路12は、Z方向の反対方向に見た場合にU字状に形成された導波路13を介して、光学的に結合されている。互いに光学的に結合された二つの導波路12と導波路13とは、導波路構造アセンブリ30Aを構成している。本実施形態では、積層部11は、二つの導波路構造アセンブリ30Aを備えている。なお、積層部11の、二つの導波路構造アセンブリ30Aの間には、頂面11aからZ方向の反対方向に凹みX方向に延びたトレンチ11eが形成されている。導波路13は、折り返し導波路の一例である。
【0038】
導波路構造アセンブリ30Aは、例えば、半導体光増幅器として構成されうる。この場合、導波路12は、アクティブ導波路として構成され、導波路13は、パッシブ導波路として構成される。導波路構造アセンブリ30Aは、二つの導波路12のうち一方の導波路12の端面12dから入力された光を光増幅し、二つの導波路12のうち他方の導波路12の端面12dから出力する。この場合、半導体光デバイス10Aは、半導体光増幅器アレイとなる。
【0039】
図2に示されるように、導波路12は、直線部12aと、斜行部12bと、湾曲部12cと、を有している。直線部12aは、X方向に延びている。斜行部12bは、端面11bからX方向に対して角度θ1だけ傾斜した方向に延びている。斜行部12bの端面12dは、端面11bにおいて積層部11から露出している。複数の端面12dは、Y方向において互いに離れている。湾曲部12cは、直線部12aと斜行部12bとを円滑に接続している。斜行部12bは、第一端部の一例である。
【0040】
また、図1に示されるように、光機能素子20は、頂面21aと、端面21bと、を有している。頂面21aは、積層部21のZ方向の端部に位置しZ方向と交差するとともにZ方向を向いている。端面21bは、積層部21のX方向の反対方向の端部に位置しX方向と交差するとともにX方向の反対方向を向いている。積層部21は、第二積層部の一例であり、頂面21aは、第二頂面の一例であり、端面21bは、第二端面の一例である。
【0041】
積層部21の内部には、複数の導波路22が形成されている。複数の導波路22は、Y方向における間隔I1,I2が一定の状態で、X方向に対して角度θ2だけ傾斜した方向に延びている。導波路22のX方向の反対側の端面22dは、端面21bにおいて積層部21から露出している。複数の端面22dは、Y方向において互いに離れている。導波路22は、第二導波路の一例であり、端部22bは、第二端部の一例である。
【0042】
図1から明らかとなるように、複数の端部22bおよび端面22dのY方向における間隔I1,I2は、半導体光デバイス10の複数の導波路12の斜行部12bおよび端面12d(図2参照)のY方向における間隔I1,I2と同じである。すなわち、複数の端部22bは、対応した複数の斜行部12bと同じ間隔で、Y方向に互いに離れて設けられている。したがって、半導体光デバイス10と光機能素子20とが正しく位置合わせされた状態では、複数の導波路12の端面12dと、複数の導波路22の端面22dとが、互いに面することになる。
【0043】
なお、導波路12の斜行部12bの延び方向がX方向に対して角度θ1だけ傾斜し、かつ導波路22の端部22bの延び方向がX方向に対して角度θ2だけ傾斜しているのは、端面11b,21bで反射した光が導波路12,22に結合するのを抑制するためである。角度θ1,θ2は、半導体光デバイス10および光機能素子20のそれぞれの構成材料の屈折率等によって適宜に設定される。
【0044】
また、図1,2に示されるように、斜行部12bの両側には、頂面11aからZ方向の反対方向に凹む凹部11cが形成されている。すなわち、斜行部12bは、少なくとも部分的に、メサ11dを有している。なお、斜行部12bのメサ11dは、例えば、延び方向に沿って幅が徐々に変化するスポットサイズコンバータとして構成されてもよい。
【0045】
[アライメントマーク]
図1に示されるように、半導体光デバイス10の頂面11aには、アライメントマーク14,15A(15)が設けられ、光機能素子20の頂面21aには、アライメントマーク24,25が設けられている。
【0046】
半導体光デバイス10には、アライメントマーク14として、Y方向に互いに離れた二つのアライメントマーク14が設けられている。アライメントマーク14は、頂面11aのX方向の端部から、導波路12の斜行部12b(図2参照)の延び方向と平行に延びている。二つのアライメントマーク14は、Z方向の反対方向に見た場合に、複数の導波路12の斜行部12bが、これら二つのアライメントマーク14の間に位置するよう、設けられる。また、当該二つのアライメントマーク14は、複数の斜行部12bと、Y方向において所定の相対位置関係となるように、設けられる。具体的に、本実施形態では、最も近い斜行部12bとの間のY方向における間隔がI3となり、アライメントマーク14、四つの斜行部12b、およびもう一つのアライメントマーク14が、Y方向において、間隔I3,I1,I2,I1,I3で並ぶよう、設けられる。
【0047】
他方、光機能素子20には、アライメントマーク24として、Y方向に互いに離れた二つのアライメントマーク24が設けられている。アライメントマーク24は、頂面21aのX方向の端部から、導波路22の端部22b(図2参照)の延び方向と平行に延びている。二つのアライメントマーク24は、Z方向の反対方向に見た場合に、複数の導波路12の端部22bが、これら二つのアライメントマーク24の間に位置するよう、設けられる。また、当該二つのアライメントマーク24は、複数の端部22bと、Y方向において所定の相対位置関係、となるように、設けられる。具体的に、本実施形態では、最も近い端部22bとの間のY方向における間隔がI3となり、アライメントマーク24、四つの端部22b、およびもう一つのアライメントマーク24が、Y方向において、間隔I3,I1,I2,I1,I3で並ぶよう、設けられる。すなわち、図1に示されるように、アライメントマーク24、四つの端部22b、およびもう一つのアライメントマーク24は、Y方向において、アライメントマーク14、四つの斜行部12b、およびもう一つのアライメントマーク14と同じ間隔I3,I1,I2,I1,I3、すなわち同じ相対位置関係で並んでいる。
【0048】
したがって、アライメントマーク14のX方向の端部14aと、アライメントマーク24のX方向の反対方向の端部24aとがX方向に並んだ状態、言い換えるとX方向に面した状態となるように、半導体光デバイス10と光機能素子20とをY方向に位置合わせすることにより、互いに対応した導波路12の端面12d(図2参照)と導波路22の端面22d(図2参照)とがY方向にずれるのを抑制し、導波路12と導波路22との間で、所要の光の結合効率を得ることができる。アライメントマーク14は、第一位置特定マークの一例であり、アライメントマーク24は、第二位置特定マークの一例である。
【0049】
また、図1に示されるように、半導体光デバイス10の頂面11a上には、端面11bから離れた位置で、X方向における略一定の幅でY方向に延びたアライメントマーク15A(15)が設けられている。他方、光機能素子20の頂面21a上には、端面21bから離れた位置で、X方向における略一定の幅でY方向に延びたアライメントマーク25が設けられている。アライメントマーク15の撮影画像に対する画像処理あるいは作業者の視認により、アライメントマーク15の延方向、すなわちY方向、言い換えると半導体光デバイス10の姿勢を、把握することができる。また、アライメントマーク25の撮影画像に対する画像処理あるいは作業者の視認により、アライメントマーク25の延方向、すなわちY方向、言い換えると光機能素子20の姿勢を、把握することができる。アライメントマーク15は、第一姿勢特定マークの一例であり、アライメントマーク25は、第二姿勢特定マークの一例である。また、アライメントマーク15は、全体的にY方向に延びており、アライメントマーク25は、全体的にY方向に延びている。アライメントマーク15は、第一延部の一例である。
【0050】
上述した構成によれば、作業者あるいはロボットは、アライメントマーク15およびアライメントマーク25をY方向と平行に維持しながら、端面11bと端面21bとを近付けるとともに半導体光デバイス10と光機能素子20とを相対的にY方向に動かすことにより、二つのアライメントマーク14と対応する二つのアライメントマーク24とをX方向に面した状態となるように位置合わせすることができる。すなわち、本実施形態によれば、複数の導波路12と複数の導波路22とがX方向に面してより精度良く位置合わせされた状態を、より容易にあるいはより迅速に得ることができる。
【0051】
図3は、図1の、図2とは別の部位の平面図である。図3には、製造ばらつきによって端面11bの位置が異なった二つの積層部11-1,11-2(11)が示されている。図3では、積層部11-1の形状を二点鎖線で示し、積層部11-2の形状を実線で示している。図3は、半導体光デバイス10(積層部11-1,11-2(11))が光機能素子20と位置合わせされた状態を示している。端面11bが、例えば、劈開によって形成される場合、当該劈開の工程において、劈開位置にばらつきが生じると、光機能素子20を基準としてZ方向の反対方向に見た場合に、複数の半導体光デバイス10においてアライメントマーク15のX方向における位置の差δx(ばらつき、個体差)が生じる。これに伴い、位置合わせされた状態では、アライメントマーク15のY方向における位置の差δy(ばらつき、個体差)が生じる。しかしながら、図1に示されるように、アライメントマーク14および導波路12の斜行部12bは、いずれもX方向に対して同じ角度θ1で傾斜しており、互いに平行であるため、端面11bのX方向の位置によらず、二つのアライメントマーク14の端部14aおよび複数の導波路22のX方向の端面12dの間隔I3,I1,I2,I1,I3は同じになる。したがって、本実施形態によれば、端面11bのX方向の位置にばらつき(個体差)が生じた場合にあっても、アライメントマーク14の端部14aとアライメントマーク24の端部24aとがX方向に面するように、言い換えると正対するように、半導体光デバイス10と光機能素子20とを位置合わせすることで、複数の導波路12と複数の導波路22とが位置合わせされた状態を得ることができる。
【0052】
光機能素子20についてもこれと同様の効果が得られる。すなわち、アライメントマーク24および導波路22の端部22bは、いずれもX方向に対して同じ角度θ2で傾斜しており、互いに平行であるため、端面21bのX方向に位置によらず、二つのアライメントマーク24の端部24aおよび複数の導波路22の端面22dの間隔I3,I1,I2,I1,I3は同じになる。したがって、本実施形態によれば、端面21bのX方向の位置に個体差ばらつきが生じた場合にあっても、アライメントマーク14の端部14aとアライメントマーク24の端部24aとがX方向に面するように、言い換えると正対するように、半導体光デバイス10と光機能素子20とを位置合わせすることで、複数の導波路12と複数の導波路22とが位置合わせされた状態を得ることができる。
【0053】
また、アライメントマーク15のX方向における位置の差δxと、アライメントマーク15のY方向における位置の差δyと、角度θ1と、の間には、次の式(1)が成り立つ。
tanθ1=δy/δx ・・・(1)
式(1)の関係を利用すれば、X方向におけるアライメントマーク15の基準位置(例えば、端面21bとのX方向の距離がd1となる位置)に対する位置の差δxから、Y方向におけるアライメントマーク15の基準位置(例えば、アライメントマーク25のY方向の端部25aのY方向における位置)に対する端部15aの位置の差δyを、推定することができる。位置の差δyは、Y方向におけるアライメントマーク14の基準位置に対する位置の差でもある。したがって、例えば、撮影画像の画像処理から得られたアライメントマーク15の位置情報から、Y方向におけるアライメントマーク14の位置を推定することができるため、当該位置の推定により、アライメントマーク14とアライメントマーク24とのX方向の位置合わせを補い、当該X方向における位置合わせの迅速化や精度向上に役立てることができる。
【0054】
図4は、図1のIV-IV断面図である。図4に示されるように、半導体光デバイス10は、Z方向と交差して広がる基板16と、基板16上に積層された積層部11と、を有している。図4に示されるように、積層部11には、メサ11dに対してY方向の両側で凹み相対的に当該メサ11dを形成する二つの凹部11cと、当該メサ11dとY方向にずれてアライメントマーク14を構成する凹部11fと、アライメントマーク15を構成する凹部11gと、が設けられている。メサ11dのZ方向の中間位置には、導波路12を構成するコア12eが形成されている。凹部11cは、第一凹部の一例であり、凹部11fは、第二凹部の一例であり、凹部11gは、第三凹部の一例である。
【0055】
図5は、半導体光デバイス10の積層部11の形成に関する手順の一部を示すフローチャートである。図5に示されるように、まずは、基板16上に積層部11を形成し(S1)、その後、凹部11c、凹部11f、および凹部11gを形成する(S2)。S2において、凹部11c、凹部11f、および凹部11gの、Z方向における頂面11aからの深さは、同じになる。このように、凹部11c、凹部11f、および凹部11gを同一工程(S2)において形成することにより、導波路12とアライメントマーク14とを、Z方向と交差する方向において、精度良く位置合わせすることができるという利点が得られる。また、凹部11c、凹部11f、および凹部11gをそれぞれ別の工程で形成した場合に比べて、製造に要する手間や時間を減らすことができるという利点も得られる。
【0056】
また、図1,3に示されるように、アライメントマーク14とアライメントマーク15とは互いに接続されている。これにより、アライメントマーク14とアライメントマーク15とが互いに近くに配置されることになるため、これらが離れて配置される場合に比べて、例えば、アライメントマーク14,15の占有領域をより狭くして、ひいては半導体光デバイス10をより小さく構成できたり、アライメントマーク14,15の撮影範囲をより狭くできる分、より拡大したアライメントマーク14,15の撮影画像からより精度良くアライメントマーク14の位置や、アライメントマーク15の延び方向ひいては半導体光デバイス10の姿勢を特定できたり、といった利点が得られる。また、アライメントマーク24,25も、アライメントマーク14,15と同様に、互いに接続されている。よって、アライメントマーク24,25についても、例えば、アライメントマーク24,25の占有領域をより狭くして、ひいては光機能素子20をより小さく構成できたり、アライメントマーク24,25の撮影範囲をより狭くできる分、より拡大したアライメントマーク24,25の撮影画像からより精度良くアライメントマーク24の位置や、アライメントマーク25の延び方向ひいては光機能素子20の姿勢を特定できたり、といった利点が得られる。
【0057】
以上、説明したように、本実施形態によれば、アライメントマーク14,15とアライメントマーク24,25とを用いた位置合わせにより、例えば、製造ばらつきによらず導波路12と導波路22とをより精度良く位置合わせすることができるなどの効果が得られる。
【0058】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の半導体光デバイス10B(10)の図4と同等位置における断面図である。半導体光デバイス10Bは、第1実施形態の半導体光デバイス10Aに替えて、光集積素子100に組み込むことができる。半導体光デバイス10Bは、半導体光デバイス10Aと同様の構成を備えており、当該半導体光デバイス10Aと同様の効果が得られる。
【0059】
ただし、本実施形態では、図6に示されるように、アライメントマーク14,15を構成する凹部11f,11gの底部が、メタル層17で覆われている。このような構成によれば、例えば、アライメントマーク14,15がより視認しやすくなったり、撮影画像においてアライメントマーク14,15がより明確になる分、より精度良くアライメントマーク14の位置や、アライメントマーク15の延び方向ひいては半導体光デバイス10の姿勢を特定できたり、といった利点が得られる。
【0060】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態の光集積素子100C(100)の一部の平面図である。光集積素子100Cは、光集積素子100Aと同様の構成を備えており、当該光集積素子100Aと同様の効果が得られる。
【0061】
ただし、本実施形態では、図7に示されるように、半導体光デバイス10C(10)は、互いに平行な複数のアライメントマーク15C(15)を有している。これら複数のアライメントマーク15Cは、X方向に所定間隔で設けられている。このような構成によれば、X方向において端面11bの劈開位置がばらついた場合にあっても、複数のアライメントマーク15Cのうちいずれかが残存するため、当該残存したアライメントマーク15Cを用いて、半導体光デバイス10Cと光機能素子20Cとの位置合わせを行うことができる。また、光機能素子20C(20)も、半導体光デバイス10Cと同様に、互いに平行な複数のアライメントマーク25C(25)を有している。これら複数のアライメントマーク25Cは、X方向に所定間隔で設けられている。よって、光機能素子20Cにおいても、半導体光デバイス10Cと同様の効果が得られる。
【0062】
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態の光集積素子100D(100)の一部の平面図である。光集積素子100Dは、光集積素子100Aと同様の構成を備えており、当該光集積素子100Aと同様の効果が得られる。
【0063】
ただし、本実施形態では、図8に示されるように、半導体光デバイス10D(10)のアライメントマーク15D(15)は、Y方向に延びた部位15bと、Y方向に所定間隔(例えば、一定間隔)で設けられそれぞれX方向に延びた複数の部位15cと、を有している。部位15bと、複数の部位15cとは互いに交差している。この場合、部位15bによって、半導体光デバイス10DのY方向、ひいては半導体光デバイス10Dの姿勢を特定することができる。また、複数の部位15cにより、アライメントマーク15DのY方向における位置を特定しやすくなり、これに基づいて、幾何学的に、アライメントマーク14の端部14aの位置を演算して、当該アライメントマーク14とアライメントマーク24とのX方向の位置合わせを補い、当該X方向における位置合わせの迅速化や精度向上に役立てることができる。部位15bは、第一延部の一例であり、部位15cは、第二延部の一例である。また、光機能素子20D(20)のアライメントマーク25D(25)も、アライメントマーク15Dと同様に、Y方向に延びた部位25bと、Y方向に所定間隔(例えば、一定間隔)で設けられそれぞれX方向に延びた複数の部位25cと、を有している。よって、光機能素子20Dにおいても、半導体光デバイス10Dのアライメントマーク15Dによる効果と同様の効果が得られる。
【0064】
[第5実施形態]
図9は、第5実施形態の光集積素子100E(100)の一部の平面図である。光集積素子100Eは、光集積素子100Aと同様の構成を備えており、当該光集積素子100Aと同様の効果が得られる。
【0065】
ただし、本実施形態では、図9に示されるように、半導体光デバイス10E(10)のアライメントマーク15E(15)は、Y方向に離れた複数の部位15dを有している。この場合、複数の部位15dから、Y方向を特定することができる。この場合、アライメントマーク15Dをより小型に構成することができる分、例えば、当該アライメントマーク15Eの製造に要する手間や時間を低減できるという利点が得られる。また、光機能素子20E(20)のアライメントマーク25E(25)も、アライメントマーク15Eと同様に、Y方向に離れた複数の部位25dを有している。よって、光機能素子20Eにおいても、半導体光デバイス10Eのアライメントマーク15Eによる効果と同様の効果が得られる。
【0066】
[第6実施形態]
図10は、第6実施形態の光集積素子100F(100)の平面図である。光集積素子100Fは、半導体光デバイス10F(10)と、第1実施形態と同様の光機能素子20Aと、を備える。光集積素子100Fは、光集積素子100Aと同様の構成を備えており、当該光集積素子100Aと同様の効果が得られる。
【0067】
ただし、半導体光デバイス10Fが備える導波路構造アセンブリ30Fは、それぞれ、例えば半導体レーザのような半導体発光素子として作動する。これらの半導体発光素子は、導波路12の端面12dから光を出力する。すなわち、本実施形態の半導体光デバイス10Fは、半導体発光素子アレイとして構成されている。導波路12は、アクティブ導波路である。半導体発光素子が半導体レーザである場合、導波路構造アセンブリ30Fはレーザ共振器を構成する反射膜を備えている。また、半導体発光素子がDFB型の半導体レーザである場合、各導波路構造アセンブリ30Fは、レーザ発振波長を定めるための回折格子層をさらに備えている。また、各導波路構造アセンブリ30Fは、P側電極としての電極30pと、N側電極としての電極30nと、を有している。なお、電極30nは、凹部11hの底面から側面を経て頂面11aに至る範囲で設けられている。
【0068】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
10,10A~10F…半導体光デバイス
11,11-1,11-2…積層部(第一積層部)
11a…頂面(第一頂面)
11b…端面(第一端面)
11c…凹部(第一凹部)
11d…メサ
11e…トレンチ
11f…凹部(第二凹部)
11g…凹部(第三凹部)
11h…凹部
12…導波路(第一導波路)
12a…直線部
12b…斜行部(第一端部)
12c…湾曲部
12d…端面
12e…コア
13…導波路(折り返し導波路)
14…アライメントマーク(第一位置特定マーク)
14a…端部
15,15A~15E…アライメントマーク(第一姿勢特定マーク)
15a…端部
15b…部位
15c…部位
15d…部位
16…基板
17…メタル層
20,20A,20C~20E…光機能素子
21…積層部(第二積層部)
21a…頂面(第二頂面)
21b…端面(第二端面)
22…導波路(第二導波路)
22b…端部(第二端部)
22d…端面
24…アライメントマーク(第二位置特定マーク)
24a…端部
25,25C~25E…アライメントマーク(第二姿勢特定マーク)
25a…端部
25b…部位
25c…部位
25d…部位
30A,30F…導波路構造アセンブリ
30n…電極
30p…電極
100,100A,100C~100F…光集積素子
I1~I3…間隔
X…方向(第二方向)
Y…方向(第三方向)
Z…方向(第一方向)
δx…差
δy…差
θ1…角度
θ2…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10