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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107968
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】記録媒体処理装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20240802BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240802BHJP
   B41J 21/16 20060101ALI20240802BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240802BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240802BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240802BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240802BHJP
   B41J 13/00 20060101ALI20240802BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B41J29/00 A
H04N1/00 E
H04N1/00 567B
H04N1/00 519
B41J21/16
B41J29/38 204
G03G21/00 502
G03G21/00 370
G03G15/00 550
G03G21/16 133
B41J13/00
B65H7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012182
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松崎 寛央
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】紺野 吉夫
(72)【発明者】
【氏名】香川 英之
【テーマコード(参考)】
2C059
2C061
2C187
2H171
2H270
3F048
5C062
【Fターム(参考)】
2C059AA12
2C059AA44
2C059AA57
2C059AA70
2C059AA73
2C061AP01
2C061AP04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB02
2C061BB35
2C061CC01
2C061CD01
2C061HJ02
2C061HJ06
2C061HK05
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C187AC06
2C187AC08
2C187AD04
2C187AE07
2C187AG01
2C187BF09
2C187BF47
2C187BH18
2C187CD07
2C187DB27
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA22
2H171GA03
2H171GA04
2H171GA13
2H171HA02
2H171HA20
2H171HA22
2H171HA23
2H171HA24
2H171HA27
2H171JA16
2H171JA36
2H171JA42
2H171KA05
2H171KA16
2H171KA22
2H171KA30
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC36
2H171RA01
2H171RA03
2H171RA05
2H171SA02
2H171SA03
2H171SA07
2H171SA11
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA28
2H171SA31
2H270KA09
2H270KA28
2H270KA42
2H270KA49
2H270KA53
2H270KA54
2H270KA55
2H270LA54
2H270LB14
2H270LB15
2H270LC07
2H270LC10
2H270LD03
2H270MC57
2H270MF01
2H270MF08
2H270PA07
2H270PA16
2H270PA31
2H270PA36
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD00
3F048AA01
3F048AB01
3F048BB02
3F048BB04
3F048CA06
3F048DA06
3F048DB11
3F048DC15
3F048EB22
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB08
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB30
5C062AC04
5C062AC15
5C062AC64
5C062AC66
5C062AD02
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF10
5C062AF16
(57)【要約】
【課題】装置内に収納不能な大きなサイズの記録媒体に対する処理の処理結果の品質を向上させる。
【解決手段】記録媒体処理装置が、筐体より大きいサイズの記録媒体に対して処理を実行する処理部と、前記処理部を片持ち梁で支持する支持部と、前記処理が行われる前記記録媒体の領域である処理領域の一部である第1領域に対する第1処理と、前記第1領域とは異なる領域である第2領域に対する第2処理とを分けて、前記処理部に前記処理を複数回に分けて実行させる制御部とを備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体より大きいサイズの記録媒体に対して処理を実行する処理部と、
前記処理部を片持ち梁で支持する支持部と、
前記処理が行われる前記記録媒体の領域である処理領域の一部である第1領域に対する第1処理と、前記第1領域とは異なる領域である第2領域に対する第2処理とを分けて、前記処理部に前記処理を複数回に分けて実行させる制御部と
を備える記録媒体処理装置。
【請求項2】
前記筐体をはみ出して搬送される前記記録媒体を保持する保持部を更に備える
請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項3】
前記第1処理が終了した後に、前記第2処理を実行する位置に、前記記録媒体を搬送するスイッチバック部を更に備える
請求項1又は2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項4】
前記第1領域に目印を形成する目印形成部を更に備える
請求項1又は2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項5】
前記目印は、
前記第1処理によって前記記録媒体に形成する画像の一部である
請求項4に記載の記録媒体処理装置。
【請求項6】
複数の前記目印を検出する検出部と、
前記目印の検出結果に基づき、前記第1処理による前記記録媒体の収縮率を計算する計算部と、
前記収縮率に基づく補正を行う補正部とを更に備える
請求項4に記載の記録媒体処理装置。
【請求項7】
前記筐体には、カバーが設置され、
前記カバーが開く、又は、前記カバーが取り外されると、前記支持部が前記片持ち梁の構造となる
請求項1又は2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項8】
前記第1領域、及び、前記第2領域は、各々の一部領域が重複する
請求項1又は2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項9】
前記記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部を更に備え、
前記記録媒体は用紙であって、
前記用紙は前記搬送方向に搬送されながら、画像を形成する前記処理が実行され、
前記制御部は、
前記画像を示す画像データを前記第1領域と、前記第2領域に分割し、
前記処理部は、
前記用紙を処理対象にして、前記画像を形成する前記処理を実行し、
前記第1領域に対して前記第1処理を実行し、かつ、前記第2領域に対して前記第2処理を実行し、
前記第1領域に対して、前記第1処理が実行され、
前記第1処理が終了すると、前記用紙の向きは、前記第1処理が実行された向きから垂直軸を中心に180度回転させた向きに変更され、
前記用紙の向きを変更した後に、前記第2領域に対して、前記第2処理が実行され、
前記第2処理は、前記目印を起点に実行される
請求項4に記載の記録媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体に所定の処理を施す記録媒体処理装置において、装置筐体内に収まらない大きなサイズの用紙に対して、画像形成等の処理を行う技術が知られている。例えば、「A4」(ISO(International Organization for Standardization) 216 Aシリーズで定める規格である。)サイズの記録媒体を装置内部で処理可能な構造を有する記憶媒体処理装置において、装置内部に収まらないサイズの用紙(以下「規定サイズ外用紙」と表記する。)としての「A3」サイズの用紙に対して画像形成を行う技術が知られている。
【0003】
具体的には、まず用紙を1回以上折り重ねて、装置内部に収まるサイズになるように折り畳み、装置内部を通紙が可能なサイズにする。ここで「通紙」とは、装置内部に当該用紙を移動させることを意味し、「搬送」と表現される動作に該当する。そして、折り畳まれた用紙を通紙して画像を形成する。このように通紙する用紙に対し、両面へ画像形成をすると、折りたたむ前の一面に画像が形成できる。そして、両面印刷後において、記録媒体処理装置から排出される際、又は、排出された後に、用紙を折り畳み状態から元の状態に戻すと、装置内では通紙できないサイズの用紙に対して画像形成を行うことができる。このように、例えば「A4」サイズの大きさまで対応可能なプリンタにおいて、「A4」サイズよりも大きなサイズ(例えば「A3」サイズ等である。)の用紙に対して画像形成を行う技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている従来技術では、折り目に相当する位置への画像が形成されず、また、折り目箇所への画像形成は困難故、排出された用紙の画像には、格子状の線が形成される等課題がある。すなわち、従来技術では、規定したサイズ以外の大きなサイズの用紙に対する処理(例えば、画像形成等の処理である。)において、処理結果の品質を向上させる点で課題がある。
【0005】
本発明は、上記に示す課題に鑑みて、装置内に収納不能な大きなサイズの記録媒体であっても、処理結果の品質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、記録媒体処理装置は、
筐体より大きいサイズの記録媒体に対して処理を実行する処理部と、
前記処理部を片持ち梁で支持する支持部と、
前記処理が行われる前記記録媒体の領域である処理領域の一部である第1領域に対する第1処理と、前記第1領域とは異なる領域である第2領域に対する第2処理とを分けて、前記処理部に前記処理を複数回に分けて実行させる制御部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置内に収納不能な大きなサイズの記録媒体に対する処理の処理結果の品質を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】記録媒体処理装置の例を示す図である。
図2】カバーを取り外す前の状態の例を示す図である。
図3】カバーを取り外した状態の例を示す図(その1)である。
図4】カバーを取り外した状態の例を示す図(その2)である。
図5】大きいサイズの記録媒体を用いる例を示す図である。
図6】画像形成例を示す図である。
図7】第1処理の例を示す図である。
図8】第2処理の例を示す図である。
図9】全体処理の完了例を示す図である。
図10】保持部の例を示す図である。
図11】収納状態、及び、使用状態の例を示す図である。
図12】目印の形成例を示す図である。
図13】収縮による「ずれ」の例を示す図である。
図14】目印の変形例を示す図である。
図15】第1領域と第2領域を重複させる例を示す図である。
図16】全体処理例を示す図である。
図17】機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。
【0010】
[記録媒体処理装置の例]
図1は、記録媒体処理装置の例を示す図である。以下、記録媒体処理装置が画像形成装置100である例で説明する。また、記録媒体は用紙であるとする。
【0011】
以下の説明では、用紙が搬送される方向(以下「搬送方向」という。)を「Y軸方向」とする。そして、搬送方向に対して直交する方向(以下「直交方向」という。)を「X軸方向」とする。また、用紙の記録面、すなわち、X-Y平面に垂直となる方向(以下「垂直方向」という。)を「Z軸方向」とする。
【0012】
画像形成装置100は、本体1、給紙装置2、及び、自動原稿搬送装置3を有する。具体的には、給紙装置2は、本体1の下部に装着される。また、本体1の上部に、自動原稿搬送装置3が設置される。
【0013】
本体1の内部には、露光装置10、及び、感光体ドラム11が配置される。具体的には、露光装置10は、本体1内の上部に設置される。また、感光体ドラム11は、本体1内の中央部に設置される。
【0014】
感光体ドラム11の周辺には、帯電装置12、除去装置13、現像ユニット14、転写搬送ユニット15、及び、クリーニングユニット16が配置される。これらによって、露光、帯電、現像、転写、及び、清掃といった作像が実現される。そして、感光体ドラム11、帯電装置12、除去装置13、現像ユニット14、転写搬送ユニット15、及び、クリーニングユニット16によって作像がされると、定着ユニット17が定着を行う。
【0015】
給紙装置2は、用紙を給紙する。具体的には、給紙装置2は、第1給紙トレイ21a、第2給紙トレイ21b、第3給紙トレイ21c、及び、第4給紙トレイ21dの4段を備える。第1給紙トレイ21a、第2給紙トレイ21b、第3給紙トレイ21c、及び、第4給紙トレイ21dには、用紙の有無を検知するセンサが各々に設置される。
【0016】
第1給紙ユニット20a、第2給紙ユニット20b、第3給紙ユニット20c、及び、第4給紙ユニット20dが各々の給紙トレイに設置される。そして、第1給紙ユニット20a、第2給紙ユニット20b、第3給紙ユニット20c、及び、第4給紙ユニット20dは、各々がローラを備える。
【0017】
各給紙ユニットが備えるロータに対し、第1給紙センサ22a、第2給紙センサ22b、第3給紙センサ22c、及び、第4給紙センサ22dが設置される。
【0018】
用紙は、第1給紙トレイ21a、第2給紙トレイ21b、第3給紙トレイ21c、又は、第4給紙トレイ21dから給紙される。また、給紙は、第1給紙ユニット20a、第2給紙ユニット20b、第3給紙ユニット20c、及び、第4給紙ユニット20dによって行われる。
【0019】
第1給紙ユニット20a、第2給紙ユニット20b、第3給紙ユニット20c、及び、第4給紙ユニット20dによって給紙された用紙は、搬送路23を通って、感光体ドラム11に向かって搬送される。そして、感光体ドラム11等が用紙に対して作像を行う。
【0020】
搬送路23には、中間ローラ6、及び、レジストローラ4等が設置される。そして、中間ローラ6、及び、レジストローラ4等の搬送部によって、用紙が感光体ドラム11に向かって搬送される。
【0021】
なお、画像形成装置100は、本体1の側面にも給紙装置があってもよい。具体的には、本体1の側面には、側面給紙トレイ24、及び、側面給紙ユニット25が設置される。また、側面給紙トレイ24には、には、用紙の有無を検知するセンサが設置される。
【0022】
まず、側面給紙トレイ24に、用紙がストックされる。次に、用紙は、側面給紙トレイ24から側面給紙ユニット25によって搬送される。そして、搬送された用紙は、横搬送経路26を通って、感光体ドラム11に向かって搬送される。続いて、感光体ドラム11等が用紙に対して作像を行う。
【0023】
側面給紙トレイ24は、支点24aを中心にして、回転方向Cに回転できる。したがって、支点24aを中心にして、回転方向Cに側面給紙トレイ24を閉じるように操作すると、本体1の内部へ側面給紙トレイ24が収納できる。このように、側面給紙トレイ24を使用しない場合には、側面給紙トレイ24は、本体1の内部へ収納する。
【0024】
また、画像形成装置100は、トレイ検知センサ24bを備える。例えば、トレイ検知センサ24bは、フォトインタラプタ、又は、プッシュスイッチ等である。そして、トレイ検知センサ24bによって、側面給紙トレイ24が用紙をストックできる状態、すなわち、側面給紙トレイ24が開いた状態であるか否かを判定する。
【0025】
例えば、自動原稿搬送装置3上に原稿Dが置かれると、原稿Dは、コンタクトガラス上に搬送される。又は、原稿Dは、コンタクトガラス上にユーザの操作によって置かれてもよい。次に、原稿Dに記載されている画像が読み取られる。
【0026】
露光装置10は、原稿Dを走査して、画像を読み取る。このように読み取られた画像が、露光工程により、感光体ドラム11上に投影される。そして、感光体ドラム11の表面上に、静電潜像が形成される。
【0027】
感光体ドラム11の表面は、露光工程より前に、帯電装置12によって帯電した状態となる。そして、除去装置13が、画像部分の電荷を除去する。このようにして、感光体ドラム11の表面上に、静電潜像が形成される。次に、静電潜像に対して、現像ユニット14がトナーを付着させると、トナー像が現像化される。
【0028】
一方で、第1給紙トレイ21a、第2給紙トレイ21b、第3給紙トレイ21c、及び、第4給紙トレイ21d、又は、側面給紙トレイ24のいずれかから、用紙が給紙される。給紙された用紙は、搬送位置27に搬送される。次に、搬送位置27から、レジストローラ4が、感光体ドラム11上に形成されるトナー像とタイミングを合わせて、用紙を感光体ドラム11に向かって搬送する。そして、用紙に、転写搬送ユニット15がトナー像を転写する。
【0029】
転写後、用紙は、定着ユニット17に搬送される。次に、定着ユニット17は、用紙上に形成されている未定着状態のトナー像を加熱して用紙に定着させる。このように、定着の処理が行われた後、用紙は、排出トレイへ排出される。
【0030】
画像形成装置100は、コントローラ30を備える。具体的には、コントローラ30は、演算装置、制御装置、及び、記憶装置等のハードウェアを有する。したがって、コントローラ30は、プログラムによる処理の開始、入力装置等によって操作が入力される、又は、外部装置からデータを通信装置が受信すると、演算装置、制御装置、及び、記憶装置を協働させて、各種処理を実行する。また、コントローラ30は、出力装置、又は、通信装置によって外部装置に処理結果等を出力する。
【0031】
また、画像形成装置100は、用紙の搬送において、スイッチバックができる装置を備えてもよい。例えば、転写搬送ユニット15が逆方向に用紙を搬送することで、スイッチバックができてもよい。又は、スイッチバックをさせるための専用の装置があってもよい。例えば、転写搬送ユニット15は、ある一方向(以下「順方向41」という。)に用紙を搬送する。そして、順方向41に搬送されながら、用紙には、処理が行われる。次に、順方向41への搬送、及び、処理が完了すると、用紙は、向きが変更される(ユーザの操作があってもよい)。このような変更があった後、転写搬送ユニット15は、順方向41とは逆方向(以下単に「逆方向42」という。)に用紙を搬送する。このように、転写搬送ユニット15は、順方向41、及び、逆方向42に搬送方向を切り替えるスイッチバックを行ってもよい。
【0032】
画像形成装置100は、光学センサ31を有するのが望ましい。なお、センサは、光学センサ31以外の種類でもよい。光学センサ31は、用紙上に形成される所定の画像を検出する。なお、光学センサ31は、図1に示す以外の位置にあってもよい。すなわち、光学センサ31は、処理が行われる前に用紙上に形成される所定の画像を検出できる位置であればよい。
【0033】
なお、記録媒体処理装置は、上記に説明する画像形成装置100に限られない。例えば、記録媒体処理装置は、上記に説明する以外の装置を備える構成でもよい。
【0034】
[カバー、及び、カバーの開閉例]
図2は、カバーを取り外す前の状態の例を示す図である。画像形成装置100は、開閉するカバーを備える構成であるのが望ましい。
【0035】
以下、カバーの例として、「ドア101」の例で説明する。ドア101のようなカバーがあると、画像形成装置100は、「標準」の用紙を対象に処理を行うのに、筐体内へ埃が入るのを防ぐことができる。また、ドア101のようなカバーがあると、画像形成装置100は、装置が駆動すると生じる騒音が漏れるのを防ぐことができる。
【0036】
なお、カバーは、形状、大きさ、及び、配置等が上記に説明したものでなくともよい。例えば、カバーは、取り外しでなく、開閉できる構造等でもよい。
【0037】
例えば、ドア101は、以下のように取り外しができる構造である。
【0038】
図3は、カバーを取り外した状態の例を示す図(その1)である。図2と比較すると、図3は、ドア101が取り外された状態である点が異なる。この状態を別の視点で見ると以下のようになる。
【0039】
図4は、カバーを取り外した状態の例を示す図(その2)である。図4は、図3と同様の状態を異なる視点の図(いわゆる側面図である。)である。
【0040】
以下、画像形成の処理を実行する上で用いる装置である、感光体ドラム11、帯電装置12、除去装置13、現像ユニット14、転写搬送ユニット15、及び、クリーニングユニット16をまとめて「処理装置1031」という。なお、処理装置1031は、処理内容によって異なる。
【0041】
図4に示すように、ドア101が取り外されると、ドア101が処理装置1031を支持する構造ではなくなる。すなわち、ドア101が取り外されると、処理装置1031を支柱103で支える片持ち梁の構造となる。
【0042】
なお、支柱103は、処理装置1031を支持できれば、筐体の一部等でもよい。すなわち、支柱103は、他の装置の筐体等を兼ねる機構でもよい。
【0043】
片持ち梁の構造では、処理装置1031がX軸方向における一端で支柱103によって支持されて、他端においては支持構造がなく、隙間102(空隙)が形成された状態になる。すなわち、片持ち梁の構造では、X軸方向における一端が支柱103によって閉口するのに対し、他端は、隙間102で開口する構造となる。具体的には、感光体ドラム11等の処理装置1031は、筐体に収納される。そして、支柱103は、処理装置1031を収納した筐体を下で支持する。したがって、処理装置1031を収納した筐体は、Z軸方向において、支柱103の上に搭載される位置となる。
【0044】
なお、筐体に収納される処理装置1031は、上記以外の装置であってもよい。例えば、画像形成装置100が自動原稿搬送装置3を有しない場合には、筐体に収納される処理装置1031は、感光体ドラム11等といった画像形成を行う装置だけとなる。このように、筐体に収納される処理装置1031、すなわち、支柱103が支持する対象は、上記に説明する以外の装置でもよい。
【0045】
隙間102は、用紙が搬送される空間となる。したがって、隙間102は、用紙が通過出る程度の空間(Z軸方向の大きさである。)であればよい。また、X軸方向において、一端が開口した構造、すなわち、片持ち梁の構造となると、一端が開口しているため、用紙が筐体をはみ出して搬送できる。
【0046】
具体的には、片持ち梁の構造であり、かつ、隙間102があると、以下のように筐体より大きなサイズを用いることができる。
【0047】
図5は、大きいサイズの記録媒体を用いる例を示す図である。図3、及び、図4のようにドア101を取り外した状態にすると、画像形成装置100は、大きいサイズの用紙(以下「大型紙104」という。)に対して、図5に示すように大型紙104を折り畳まずに、画像形成を行うことができる。
【0048】
処理装置1031を収納した筐体は、図5における例では、「筐体サイズ105」である。「標準」の処理では、画像形成装置100は、筐体サイズ105より小さなサイズの用紙でないと処理対象にできない。例えば、「標準」で扱う用紙のサイズは、処理装置1031が処理可能な範囲、又は、事前の設定等で定まる。例えば、処理装置1031が処理可能な範囲は、感光体ドラム11の幅(X軸方向の長さ等である。)で定まる。
【0049】
具体的には、「標準」のサイズが「A4」(210mm×297mm)以下の場合には、大型紙104は、「A3」(297mm×420mm)である。又は、「標準」のサイズが「A3」(297mm×420mm)以下の場合には、大型紙104は、「A2」(420mm×594mm)である。ただし、各サイズは、ISO等の規格で定まる以外の寸法であってもよい。
【0050】
大型紙104を処理対象とする場合、大型紙104は、X軸方向において、支柱103側が処理対象、及び、搬送のために挟持される。一方で、大型紙104は、X軸方向において、支柱103側とは反対側となる隙間102側が筐体をはみ出して搬送され、かつ、処理が行われない領域となる。
【0051】
したがって、画像形成装置100は、大型紙104を処理対象とする場合、処理領域を分けて処理するように制御する。そのため、大型紙104全体としては、複数回の処理がすべて実行されると、処理が完成する。以下、大型紙104を2回に分けて画像形成する例で説明する。
【0052】
2回の処理のうち、1回目の処理を「第1処理」という。また、第1処理で処理対象となる大型紙104の領域を「第1領域」という。さらに、2回の処理のうち、2回目の処理を「第2処理」という。また、第2処理で処理対象となる大型紙104の領域を「第2領域」という。
【0053】
図6は、画像形成例を示す図である。以下、大型紙104に、「A」「B」及び「C」の3文字を示す「画像106」を画像形成する処理を例に説明する。また、以下の説明では、各文字を上半分と下半分に分ける例で説明する。
【0054】
画像形成装置100は、画像106を示す画像データが入力されると、以下のように2回に分けて大型紙104に対して処理を行う。
【0055】
図7は、第1処理の例を示す図である。例えば、図7は、画像106のうち、半分の領域を「第1領域1061」とした場合の例である。
【0056】
図8は、第2処理の例を示す図である。例えば、図8は、画像106のうち、第1領域1061とは異なる半分の領域を「第2領域1062」とした場合の例である。
【0057】
図8は、図7のような処理、すなわち、第1処理が終了した後、第2処理を行う場合を示す図である。
【0058】
このように、画像106は、第1領域1061と第2領域1062に分割されて大型紙104に形成される。
【0059】
また、第2領域1062は、第1処理が実行された向きから垂直軸を中心に180度回転させた向きで設定される。すなわち、1回目で、第1処理によって、第1領域1061の画像が形成される。次に、第1処理が終了した後、大型紙104は、第1処理が実行された向きから垂直軸を中心に180度回転させた向きに変更される。そして、第2処理は、このような回転がされた後に行うため、第2領域1062は、第1処理が実行された向きから垂直軸を中心に180度回転させた向きに設定されるのが望ましい。
【0060】
なお、第1領域1061と第2領域1062は、上記以外の分割であってもよい。例えば、第1領域1061と第2領域1062は、同じ大きさの領域でなくともよい。
【0061】
以上のように、画像形成装置100は、処理を複数回に分けて実行する。具体的には、画像形成装置100は、1回目で片側の領域を処理対象として実行する。次に、画像形成装置100は、2回目で残りの片側の領域を処理対象として実行する。このように処理を実行すると、画像形成装置100は、「標準」より大きいサイズの用紙であっても、用紙に処理を行うことができる。
【0062】
図9は、全体処理の完了例を示す図である。図7、及び、図8に示すように、第1処理、及び、第2処理が両方とも実行されると、図9に示すように、大型紙104に画像106の全体を形成する処理が完了できる。
【0063】
[保持部の例]
図10は、保持部の例を示す図である。保持部は、例えば、保持板110である。
【0064】
保持板110は、用紙を保持できる程度の強度、及び、サイズである。図5に示すように、大型紙104を用いると、用紙の一部が筐体サイズ105からはみ出す。そのため、保持板110がないと、用紙の一部が垂れ下がる。このように垂れ下がると、用紙の重さで引っ張られて画質が低下する原因となる場合がある。
【0065】
そこで、保持板110を設置すると、用紙の一部が垂れ下がるのを防ぐことができる。
【0066】
保持板110は、用紙を保持できる材質であればよい。例えば、保持板110は、樹脂製である。樹脂製とすることで、保持板110を軽量とするのが望ましい。また、保持板110は、X軸方向に、用紙の4分の1以下のサイズであるのが望ましい。保持板110は、X軸方向に大きいと、突出した部位であるため、邪魔になりやすい。したがって、保持板110は、小さいサイズが望ましい。
【0067】
なお、「標準」の用紙を扱う場合には、保持板110がないのが望ましい。したがって、保持板110は、「標準」の用紙を扱う場合には、取り外せる、又は、画像形成装置100の内部に収納できる機構であるのが望ましい。
【0068】
図11は、収納状態、及び、使用状態の例を示す図である。例えば、大型紙104を用いる場合には、保持板110は、X軸方向に、筐体サイズ105から突出した状態(以下「使用状態111」という。)となるように操作される。一方で、「標準」の用紙を扱う場合には、保持板110は、筐体サイズ105内に収まる状態(以下「収納状態112」という。)となるように操作される。このように、保持板110は、収納状態112と使用状態111が切り替えられる機構であるのが望ましい。このような切り替えが可能な機構であると、「標準」の用紙を扱う場合と大型紙104を用いる場合を速やかに切り替えることができる。
【0069】
また、保持板110は、ドア101と兼ねてもよい。すなわち、ドア101を取り外して保持板110として取り付けられる、又は、ドア101が回転して保持板110となってもよい。
【0070】
保持部は、上記に説明したものに限られない。例えば、保持部は、上記以外に説明したのとは異なる形状、材質、サイズ、又は、構造であってもよい。
【0071】
[目印形成、収縮率の計算、及び、補正の例]
図12は、目印の形成例を示す図である。第1処理は、以下のように目印を形成する処理を含む処理であるのが望ましい。具体的には、目印は、十字107等である。
【0072】
なお、目印の形状、大きさ、及び、種類等は、十字107以外であってもよい。例えば、目印の形状、大きさ、及び、種類等は、ユーザの操作によって事前に設定される。
【0073】
第1処理、すなわち、1回目の処理において、十字107を形成する。その後、第2処理では、処理を開始する際に、十字107を検出する。例えば、十字107は、センサによって検出される。
【0074】
検出結果に基づき、十字107の位置が取得できると、画像形成装置100は、十字107の位置を起点に用いて用紙のレジストを合わせるため、第1領域1061と第2領域1062の位置合わせ等ができる。
【0075】
なお、目印は、視認しにくいように形成されるのが望ましい。具体的には、目印は、黄色で形成されるのが望ましい。目印は、画像106を構成する文字等ではないため、汚れにもなり得る。ゆえに、目印は、できるだけ視認されにくい色、又は、サイズであるのが望ましい。
【0076】
目印は、複数の位置に形成されるのが望ましい。具体的には、十字107は、2つ以上形成されるのが望ましい。
【0077】
用紙は、処理が行われると、定着処理における熱で水分が奪われる。このように、水分が失われると、用紙は、処理の前よりサイズが収縮する。このような収縮を考慮せずに、第1処理と第2処理を行うと、例えば、以下のような「ずれ」が生じる。
【0078】
図13は、収縮による「ずれ」の例を示す図である。図13は、図7、及び、図8に示す第1処理、及び、第2処理を実行した場合に、収縮が生じた場合の例を示す図である。
【0079】
第1処理が実行されると、大型紙104は、収縮により、処理の前よりサイズが小さくなる。したがって、収縮によるサイズの変化を考慮せず、第1領域1061と第2領域1062を同じ倍率で画像形成すると、「ずれ」が生じる。
【0080】
特に、第1領域1061と第2領域1062の繋ぎ目となる箇所(以下「接続箇所108」という。)では、「ずれ」がユーザに視認されやすい。具体的には、接続箇所108は、文字の「ずれ」が視認されやすい。このような「ずれ」があると、画質が悪くなる。
【0081】
そこで、画像形成装置100は、第1処理において目印を2つ以上形成する。そして、画像形成装置100は、第1処理の後(特に定着処理の後である。)、かつ、第2処理の前に、2つの目印を検出する。このように、複数の目印を検出できると、目印間の距離が計測できる。
【0082】
目印間の距離が計測できると、画像形成装置100は、処理の前後における距離の変化量によって、どの程度大型紙104が収縮したかの度合(以下「収縮率」という。)が計算できる。なお、検出、及び、収縮率の計算は、スイッチバックの際に行われてもよい。
【0083】
また、収縮率は、軸ごとに計算されるのが望ましい。具体的には、収縮率は、X軸方向、及び、Y軸方向で各々計算されるのが望ましい。このように、X軸方向、及び、Y軸方向の収縮率を計算する場合には、2つの目印は、X軸方向、及び、Y軸方向のそれぞれの位置が異なるのが望ましい。用紙は、軸ごとに収縮率が異なる場合がある。したがって、収縮率は、軸ごとに計算されると、収縮率に基づく補正が精度良くできる。
【0084】
図14は、目印の変形例を示す図である。目印は、第1処理によって形成する画像の一部であってもよい。例えば、第1領域1061に形成する画像の一部である「第1端部201」及び「第2端部202」が目印となってもよい。第1端部201、及び、第2端部202を目印とするのは事前に設定する。
【0085】
また、X軸方向、及び、Y軸方向の収縮率を計算するため、第1端部201、及び、第2端部202は、用紙の中心点に基づき、X軸方向、及び、Y軸方向に対称の位置関係が望ましい。
【0086】
他にも、目印は、「第3端部203」、及び、「第4端部204」のように、エッジ(edge)であってもよい。
【0087】
第1端部201、第2端部202、第3端部203、及び、第4端部204等を目印にすると、用紙上に目印が形成されることで、不要な画像が形成されるのを防ぐことができる。
【0088】
第2処理は、収縮率に基づいて補正された画像に基づいて実行されるのが望ましい。具体的には、収縮率が計算されると、大型紙104が第1処理の前後でどの程度収縮したかが定まる。したがって、画像形成装置100は、第2領域1062に形成する画像を収縮率に合わせてサイズを縮小させる補正を行う。そして、第2処理は、補正後の画像、すなわち、収縮した大型紙104に合わせて、画像を縮小させて実行される。
【0089】
このように、収縮率に基づく補正を行って第2処理を実行すると、画像形成装置100は、第1処理の影響を少なくできる。ゆえに、画像形成装置100は、例えば、図13に示すような「ずれ」を防ぎ、画質を向上させることができる。
【0090】
なお、補正は、収縮率に基づく補正以外があってもよい。例えば、補正は、第1処理で形成された画像に対して、色合わせ、又は、位置合わせ等を行う処理が含まれてもよい。
【0091】
[第1領域と第2領域を重複させる例]
図15は、第1領域と第2領域を重複させる例を示す図である。以下、第1領域1061と第2領域1062が重複する領域を「重複領域1063」という。
【0092】
重複領域1063は、第1領域1061と第2領域1062の両方の領域である。したがって、重複領域1063は、第1処理でも処理される領域であり、かつ、第2処理でも処理される領域である。
【0093】
このように重複領域1063があると、第1領域1061と第2領域1062の間に未処理の領域が生じるのを防ぐことができる。例えば、処理が画像形成である場合に、未処理の領域が生じてしまうと、画像を第1領域1061と第2領域1062に分割した箇所が目立ってしまう。一方で、重複領域1063を設定すると、画像を第1領域1061と第2領域1062に分割しても、画像の分割した箇所が視認されにくく、画質を向上させることができる。
【0094】
重複領域1063は、狭い領域であるのが望ましい。具体的には、600dpiであれば、重複領域1063は、X軸方向に0.1mm乃至0.2mm程度であるのが望ましい。
【0095】
重複領域1063は、複数回処理が実行されるため、他の領域よりも色が濃くなりやすい。特に、グラデーション、又は、濃淡をつけている面が含まれていると、重複領域1063が目立ってしまう場合がある。したがって、画像形成装置100は、重複領域1063を狭く設定すると、画質を向上させることができる。
【0096】
[全体処理例]
図16は、全体処理例を示す図である。大型紙104を処理対象にする設定がされると、画像形成装置100は、以下のような全体処理を行う。
【0097】
ステップS1601では、画像形成装置100は、第1処理と第2処理に分ける制御を行う。例えば、図6に示す画像106を画像形成するように指示する画像データが入力されると、画像形成装置100は、図7、及び、図8のように、画像データを分割する。以降に行う第1処理、及び、第2処理は、第1領域用、及び、第2領域用に分割されたデータ(以下「分割データ」という。)を用いるように制御される。
【0098】
ステップS1602では、画像形成装置100は、第1処理を行う。なお、目印を形成する設定である場合には、第1処理に含めて、又は、第1処理の前後に、目印形成の処理が実行される。
【0099】
ステップS1603では、記録媒体の向きを変更する処理、又は、操作が行われる。大型紙104は、ユーザによる操作、又は、スイッチバック処理等によって、向きが変更される。
【0100】
ステップS1604では、画像形成装置100は、目印を検出する処理を行う。例えば、画像形成装置100は、センサによって、図12に示す十字107を検出する。そして、十字107を検出した位置等を示す座標データを生成する。
【0101】
ステップS1605では、画像形成装置100は、収縮率を計算する処理を行う。具体的には、画像形成装置100は、ステップS1604で検出した目印等を用いて収縮率を計算する。
【0102】
ステップS1606では、画像形成装置100は、収縮率に基づき補正する処理を行う。具体的には、画像形成装置100は、収縮率に基づき第2領域用の分割データを縮小する等の補正を行う。
【0103】
ステップS1607では、画像形成装置100は、第2処理を行う。具体的には、第2処理は、ステップS1606で補正された第2領域用の分割データを用いて実行される。また、第2処理は、ステップS1604で検出された十字107を起点にして、位置合わせ等を行って実行される。
【0104】
なお、全体処理は、上記に説明する以外の手順、又は、順序でなくともよい。例えば、全体処理を構成する各手順は、全部、又は、一部が並列、分散、又は、冗長して実行されてもよい。
【0105】
[機能構成例]
図17は、機能構成例を示す図である。具体的には、画像形成装置100は、処理部301、支持部302、及び、制御部303を備える。なお、画像形成装置100は、保持部304、スイッチバック部305、目印形成部306、検出部307、計算部308、補正部309、及び、搬送部310を更に備えるのが望ましい。
【0106】
処理部301は、大型紙104に対して処理を実行する処理手順を行う。例えば、処理部301は、処理装置1031等で実現する。
【0107】
支持部302は、処理部301を片持ち梁で支持する。例えば、支持部302は、支柱103等で実現する。
【0108】
制御部303は、第1領域に対する第1処理と、第2領域に対する第2処理とを分けて、処理部301に処理を複数回に分けて実行させる制御手順を行う。例えば、制御部303は、コントローラ30等で実現する。
【0109】
保持部304は、記録媒体が、処理部301が収納される筐体より大きいサイズである大型紙104である場合に、筐体をはみ出して搬送される大型紙104を保持する。例えば、保持部304は、保持板110等で実現する。
【0110】
スイッチバック部305は、第1処理が終了した後に、第2処理を実行する位置に、大型紙104を搬送するスイッチバック手順を行う。例えば、スイッチバック部305は、転写搬送ユニット15等で実現する。
【0111】
目印形成部306は、第1領域に目印を形成する目印形成手順を行う。例えば、目印形成部306は、処理装置1031等で実現する。
【0112】
検出部307は、目印を検出する検出手順を行う。例えば、検出部307は、光学センサ31等で実現する。
【0113】
計算部308は、目印の検出結果に基づき、第1処理による大型紙104の収縮率を計算する計算手順を行う。例えば、計算部308は、コントローラ30等で実現する。
【0114】
補正部309は、収縮率に基づく補正手順を行う。例えば、補正部309は、コントローラ30等で実現する。
【0115】
搬送部310は、大型紙104をY軸方向に搬送する搬送手順を行う。例えば、搬送部310は、転写搬送ユニット15等で実現する。
【0116】
以上のように、支持部302が処理部301を片持ち梁で支持する構造であると、図4に示すように、X軸方向において片側が開口しているため、画像形成装置100は、大型紙104を図5のように、筐体をはみ出して搬送できる。そのため、大型紙104のように、筐体サイズよりも大きなサイズの記録媒体であっても折り畳まずに、画像形成装置100は、記録媒体に対して処理を行うことができる。また、折り畳み等を行わないと、折り畳みによる品質劣化を防ぐことができる。このように、画像形成装置100は、大きなサイズの記録媒体にしても、処理結果の品質を向上させることができる。
【0117】
[その他の実施形態]
記録媒体に対する処理は、例えば、インクジェット方式、又は、トナー方式による画像形成である。また、画像形成は、複数の色を用いるカラー、又は、単色であるモノクロのどちらでもよい。
【0118】
記録媒体は、例えば、用紙(「普通紙」等ともいう。)である。なお、記録媒体は、用紙の束でもよい。ただし、記録媒体は、用紙以外のコート紙、ラベル紙等の他、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、又は、可撓性を持つ薄板等でもよい。すなわち、記録媒体の素材は、インク滴が付着可能、一時的に付着可能、付着して固着、又は、付着して浸透する材質等であればよい。具体的には、記録媒体は、用紙、フィルム、若しくは、布等の被記録媒体、電子基板、圧電素子(「圧電部材」等ともいう。)等の電子部品、粉体層(「粉末層」等ともいう。)、臓器モデル、又は、検査用セル等である。
【0119】
また、記録媒体上に3次元的な物体が形成されてもよい。このように、記録媒体の材質は、液体が付着可能であって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又は、これらの組み合わせ等であればよい。また、液体は、上記の用途に応じて、インク以外の種類である、記録液、定着処理液、又は、樹脂等が含まれてもよい。
【0120】
上記手順による記録媒体処理方法は、例えば、コンピュータに処理を実行させて実現させる。なお、本発明に係る記録媒体処理方法は、上記に示す以外の処理が含まれてもよい。また、記録媒体処理方法は、一部の処理を外部装置による処理又は操作等で実行される方法を含む。
【0121】
上記の記録媒体処理方法は、上記に例示する処理、又は、上記に示す処理と等価な処理を実行する記録媒体処理プログラム(ファームウェア、及び、プログラムに準ずるものを含む。以下単に「プログラム」という。)で実現されてもよい。
【0122】
すなわち、上記の記録媒体処理方法は、コンピュータに対して指令を行って所定の結果が得られるように、プログラミング言語等で記載されたプログラム等で実現されてもよい。なお、プログラムは、処理の一部をIC(集積回路、Integrated Circuit)等のハードウェア等で実行する構成であってもよい。
【0123】
プログラムは、コンピュータが有する演算装置、制御装置、及び、記憶装置等を協働させて上記に示す処理等をコンピュータに実行させる。すなわち、プログラムは、主記憶装置等にロードされて、演算装置に命令を発して演算を行わせてコンピュータを動作させる。
【0124】
また、プログラムは、コンピュータが読み込み可能な記録媒体、又は、ネットワーク等の電気通信回線を介して提供されてもよい。
【0125】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
【0126】
<1>記録媒体処理装置は、
筐体より大きいサイズの記録媒体に対して処理を実行する処理部と、
前記処理部を片持ち梁で支持する支持部と、
前記処理が行われる前記記録媒体の領域である処理領域の一部である第1領域に対する第1処理と、前記第1領域とは異なる領域である第2領域に対する第2処理とを分けて、前記処理部に前記処理を複数回に分けて実行させる制御部と
を備える記録媒体処理装置である。
【0127】
<2>前記筐体をはみ出して搬送される前記記録媒体を保持する保持部を更に備える
上記<1>に記載の記録媒体処理装置である。
【0128】
<3>前記第1処理が終了した後に、前記第2処理を実行する位置に、前記記録媒体を搬送するスイッチバック部を更に備える
上記<1>又は<2>に記載の記録媒体処理装置である。
【0129】
<4>前記第1領域に目印を形成する目印形成部を更に備える
上記<1>乃至<3>のいずれかに記載の記録媒体処理装置である。
【0130】
<5>前記目印は、
前記第1処理によって前記記録媒体に形成する画像の一部である
上記<4>に記載の記録媒体処理装置である。
【0131】
<6>複数の前記目印を検出する検出部と、
前記目印の検出結果に基づき、前記第1処理による前記記録媒体の収縮率を計算する計算部と、
前記収縮率に基づく補正を行う補正部とを更に備える
上記<4>又は<5>に記載の記録媒体処理装置である。
【0132】
<7>前記筐体には、カバーが設置され、
前記カバーが開く、又は、前記カバーが取り外されると、前記支持部が前記片持ち梁の構造となる
上記<1>乃至<6>のいずれかに記載の記録媒体処理装置である。
【0133】
<8>第1領域、及び、前記第2領域は、各々の一部領域が重複する
上記<1>乃至<7>のいずれかに記載の記録媒体処理装置である。
【0134】
<9>前記記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部を更に備え、
前記記録媒体は用紙であって、
前記用紙は前記搬送方向に搬送されながら、画像を形成する前記処理が実行され、
前記制御部は、
前記画像を示す画像データを前記第1領域と、前記第2領域に分割し、
前記処理部は、
前記用紙を処理対象にして、前記画像を形成する前記処理を実行し、
前記第1領域に対して前記第1処理を実行し、かつ、前記第2領域に対して前記第2処理を実行し、
前記第1領域に対して、前記第1処理が実行され、
前記第1処理が終了すると、前記用紙の向きは、前記第1処理が実行された向きから垂直軸を中心に180度回転させた向きに変更され、
前記用紙の向きを変更した後に、前記第2領域に対して、前記第2処理が実行され、
上記<4>に記載の記録媒体処理装置である。
【0135】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、上記に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
30 :コントローラ
31 :光学センサ
100 :画像形成装置
101 :ドア
102 :隙間
103 :支柱
104 :大型紙
105 :筐体サイズ
106 :画像
107 :十字
110 :保持板
111 :使用状態
112 :収納状態
201 :第1端部
202 :第2端部
203 :第3端部
204 :第4端部
301 :処理部
302 :支持部
303 :制御部
304 :保持部
305 :スイッチバック部
306 :目印形成部
307 :検出部
308 :計算部
309 :補正部
310 :搬送部
1031 :処理装置
1061 :第1領域
1062 :第2領域
1063 :重複領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【特許文献1】国際公開第2006/068236号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17