IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 旭化成エレクトロニクス株式会社の特許一覧

特開2024-108029非接触温度測定装置及び装着判定方法
<>
  • 特開-非接触温度測定装置及び装着判定方法 図1
  • 特開-非接触温度測定装置及び装着判定方法 図2
  • 特開-非接触温度測定装置及び装着判定方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108029
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】非接触温度測定装置及び装着判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/00 20220101AFI20240802BHJP
【FI】
G01J5/00 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012281
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165951
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 憲悟
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 大志
(72)【発明者】
【氏名】小泉 佳彦
【テーマコード(参考)】
2G066
【Fターム(参考)】
2G066AC13
2G066AC20
2G066BC15
2G066CA08
2G066CA14
2G066CA20
(57)【要約】
【課題】正確に機器の装着を判定できる非接触温度測定装置及び装着判定方法が提供される。
【解決手段】非接触温度測定装置(10)は、使用者によって装着される機器の一部として使用される非接触温度測定装置であって、測定対象から放射される赤外線を検出する赤外線センサ(11)と、検出された赤外線のエネルギー量に応じた電気信号の変動を特定する信号処理部(21)と、変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲内である場合に、機器が装着されていると判定する判定部(23)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者によって装着される機器の一部として使用される非接触温度測定装置であって、
測定対象から放射される赤外線を検出する赤外線センサと、
検出された前記赤外線のエネルギー量に応じた電気信号の変動を特定する信号処理部と、
前記変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲内である場合に、前記機器が装着されていると判定する判定部と、を備える、非接触温度測定装置。
【請求項2】
前記電気信号に基づいて前記測定対象の温度を算出する温度算出部を備え、
前記判定部は、前記温度が所定の温度範囲内である場合に、前記赤外線センサの検出のサンプリング周波数を変更し、
前記信号処理部は、前記サンプリング周波数が変更された後の前記電気信号の変動を特定する、請求項1に記載の非接触温度測定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記赤外線センサによって検出された前記赤外線のみに基づいて、前記機器が装着されているか否かの判定を行う、請求項1又は2に記載の非接触温度測定装置。
【請求項4】
前記赤外線センサは量子型の赤外線センサである、請求項1又は2に記載の非接触温度測定装置。
【請求項5】
使用者によって装着される機器の一部として使用される非接触温度測定装置が実行する装着判定方法であって、
測定対象から放射される赤外線を検出することと、
検出された前記赤外線のエネルギー量に応じた電気信号の変動を特定することと、
前記変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲内である場合に、前記機器が装着されていると判定することと、を含む、装着判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は非接触温度測定装置及び装着判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
波長が2μm以上の赤外線は、その熱的効果及びガスによる赤外線吸収の効果から、人体を検知する人感センサ、非接触温度測定装置及びガスセンサ等に使用されている。例えば赤外線センサを用いる非接触温度測定装置は、測定対象から入射する赤外線のエネルギー量に基づいて温度を検出する。このような装置で温度測定の精度を高めるために、例えば特許文献1は、外的要因の影響を補正するための補正データを簡易かつ高精度に取得する方法を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5520238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、非接触温度測定装置は、使用者によって装着される機器の一部として使用されることがある。従来、機器が装着されたか否かの判定を温度だけに基づいて行うと、例えば温かい場所に放置されたような場合に装着されたと誤検出することがある。誤検出が生じると、機器で電力が無駄に消費されて、長時間の使用ができなくなる。そのため、近接センサなどの別のセンサの検出結果を用いて、機器が装着されたか否かの判定を行うことがある。ただし、別のセンサによって電力が消費されるため、やはり機器の時間使用が短くなり、コストも上昇する。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、正確に機器の装着を判定できる非接触温度測定装置及び装着判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係る非接触温度測定装置は、
使用者によって装着される機器の一部として使用される非接触温度測定装置であって、
測定対象から放射される赤外線を検出する赤外線センサと、
検出された前記赤外線のエネルギー量に応じた電気信号の変動を特定する信号処理部と、
前記変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲内である場合に、前記機器が装着されていると判定する判定部と、を備える。
【0007】
(2)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記電気信号に基づいて前記測定対象の温度を算出する温度算出部を備え、
前記判定部は、前記温度が所定の温度範囲内である場合に、前記赤外線センサの検出のサンプリング周波数を変更し、
前記信号処理部は、前記サンプリング周波数が変更された後の前記電気信号の変動を特定する。
【0008】
(3)本開示の一実施形態として、(1)又は(2)において、
前記判定部は、前記赤外線センサによって検出された前記赤外線のみに基づいて、前記機器が装着されているか否かの判定を行う。
【0009】
(4)本開示の一実施形態として、(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記赤外線センサは量子型の赤外線センサである。
【0010】
(5)本開示の一実施形態に係る装着判定方法は、
使用者によって装着される機器の一部として使用される非接触温度測定装置が実行する装着判定方法であって、
測定対象から放射される赤外線を検出することと、
検出された前記赤外線のエネルギー量に応じた電気信号の変動を特定することと、
前記変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲内である場合に、前記機器が装着されていると判定することと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、正確に機器の装着を判定できる非接触温度測定装置及び装着判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る非接触温度測定装置を含む非接触温度測定システムの一構成例のブロック図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る非接触温度測定装置の使用例を示す図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る装着判定方法の処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態に係る非接触温度測定装置及び装着判定方法が説明される。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号が付されている。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る非接触温度測定装置10を含む非接触温度測定システム1のブロック図である。図2は、本実施形態に係る非接触温度測定装置10の使用例を示す図である。非接触温度測定装置10は、測定対象から放射される赤外線を検出して、検出した赤外線のエネルギー量に基づいて測定対象の温度を測定する装置である。非接触温度測定装置10は使用者によって装着される様々な機器の一部として使用され得るが、本実施形態において、イヤホン40に内蔵される。また、本実施形態において非接触温度測定装置10が温度を測定する測定対象には、イヤホン40を使用する人(使用者)が含まれる。イヤホン40が装着されている場合に、非接触温度測定装置10は使用者の温度(体温)を測定できる。非接触温度測定装置10が、イヤホン40が装着されているか否かを判定すると、イヤホン40全体を制御するメイン制御装置が、判定結果に基づいてイヤホン40の電源オン又は電源オフなどの動作を制御してよい。
【0015】
非接触温度測定装置10は、赤外線センサ11と、制御装置20と、を備える。制御装置20は、信号処理部21と、温度算出部22と、判定部23と、を備える。制御装置20は、記憶部24と、通信部25と、をさらに備えてよい。非接触温度測定装置10の構成要素の詳細については後述する。
【0016】
図2に示すように、本実施形態において、非接触温度測定装置10はイヤホン40の内部に配置される。また、イヤホン40の非接触温度測定装置10が配置されている部分には、赤外線を透過させるように、窓材30が設けられていてよい。窓材30によって、非接触温度測定装置10を汚れなどから保護することができる。
【0017】
非接触温度測定装置10は、例えば端末装置50とともに、非接触温度測定システム1を構成してよい。端末装置50は、非接触温度測定装置10と通信が可能な装置である。非接触温度測定装置10と端末装置50とは、例えば双方向の無線通信を行ってよいが、このような通信形態に限定されない。端末装置50は、例えば使用者によって所持されるスマートフォン又はタブレット端末等の汎用の移動端末であるが、これらに限定されない。端末装置50は、非接触温度測定装置10からイヤホン40の装着の判定結果を示す信号を受け取ってよい。端末装置50は、例えば判定結果に応じて、使用者がイヤホン40で聞く音楽の再生を実行又は停止するなどの制御を実行してよい。
【0018】
以下、非接触温度測定装置10の構成要素の詳細が説明される。赤外線センサ11は、測定対象から放射される赤外線を検出する。また、赤外線センサ11は、検出された赤外線のエネルギー量(以下、赤外線量)に応じた電気信号を出力する。赤外線量に応じた電気信号は例えば電流値であってよい。赤外線センサ11は、半導体に赤外線が照射されるとその光量子によって発生する電子又は正孔を利用して、赤外線を検出する量子型のセンサであってよい。量子型のセンサは、熱型赤外線センサに比べて、高感度で応答速度が速い。
【0019】
制御装置20は、演算及び制御を実行するプロセッサを備える装置などであってよく、例えばマイコン(Micro Controller Unit)によって実現されてよい。また、制御装置20が備えるプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。
【0020】
信号処理部21、温度算出部22及び判定部23の機能は、ソフトウェアによって実現されてよく、ハードウェアによって実現されてよい。例えば記憶部24又は制御装置20が備えるプロセッサによってアクセス可能な記憶装置に、1つ以上のプログラムが記憶されていてよい。記憶部24又は記憶装置に記憶されたプログラムは、制御装置20が備えるプロセッサによって読み込まれると、制御装置20を信号処理部21、温度算出部22及び判定部23として機能させてよい。
【0021】
信号処理部21は、検出された赤外線量に応じた電気信号の変動を特定する。ここで、赤外線センサ11は、判定部23によって設定されるサンプリング周波数に従って、ある時間間隔で赤外線を検出する。電気信号の変動とは、時系列データである複数の電気信号に生じる周期的な変化である。例えば信号処理部21は、ある時間における複数の電気信号を取得し、FFT(Fast Fourier Transform)などの手法で周波数解析を行って、電気信号の変動を特定する。例えば信号処理部21は、赤外線センサ11からの電気信号が、1分当たりで60回程度の極大値を示す(周波数が1Hz程度である)と、電気信号の変動を特定してよい。ここで、赤外線センサ11の測定対象が使用者である場合に、使用者の脈によって皮膚表面などが振動し、放射される赤外線量にも変化が生じる。したがって、例えば測定対象が使用者であれば、電気信号に脈に基づく周期的な変化が現れる。また、例えば測定対象が使用者でない物体であれば、電気信号に脈に基づく周期的な変化はない。この違いに基づいて、測定対象が使用者であるか否かを正確に判定することが可能である。また、測定対象が使用者でなければ、機器が装着されている状態でないと判定することが可能である。信号処理部21は、特定した電気信号の変動の情報を、判定部23に出力してよい。
【0022】
温度算出部22は、検出された赤外線量に応じた電気信号を赤外線センサ11から取得する。そして、温度算出部22は、電気信号に基づいて測定対象の温度を算出する。温度の算出において、温度算出部22は公知の算出式を用いてよい。温度算出部22は、算出した温度を判定部23に出力してよい。
【0023】
判定部23は、信号処理部21によって特定された変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲内である場合に、機器が装着されていると判定する。上記のように、測定対象が使用者であれば、電気信号に周期的な変化が現れるが、使用者の脈に起因するため50~200bpmに対応する変化となる。ここで、bpm(beat per minute)は心拍の1分間の回数を示す単位である。つまり、所定の範囲として50~200bpmを用いることができる。判定部23は、さらに温度算出部22によって算出された測定対象の温度が所定の温度範囲内である場合に、機器が装着されていると判定してよい。測定対象が使用者であれば、温度は体温である33~42℃の範囲に含まれる。つまり、所定の温度範囲として33~42℃を用いることができる。判定部23は、温度算出部22によって算出された温度を用いる温度判定を行うことによって、さらに誤検出を抑制する機器の装着判定を実行できる。ここで、所定の範囲及び所定の温度範囲である「50~200bpm」及び「33~42℃」はそれぞれ一例であって、他の境界値を用いて範囲を狭めたり、広げたりすることが可能である。
【0024】
判定部23は、信号処理部21が変動を確実に特定できるように、赤外線センサ11が赤外線を検出するサンプリング周波数を高くしてよい。測定対象の温度を測定する場合に、サンプリング周波数は例えば1Hzといった低い周波数でも可能である。本実施形態において、検出のサンプリング周波数のデフォルト設定は1Hzである。ただし、電気信号の変動を特定する場合には、赤外線センサ11が赤外線を検出するサンプリング周波数を少なくとも10Hz程度に高くする必要がある。例えば判定部23は、信号処理部21が電気信号の変動を特定する処理の前に、上記の温度判定を行ってよい。判定部23は、温度算出部22によって算出された温度が所定の温度範囲内である場合に(すなわち、測定対象が使用者である場合に)、赤外線センサ11の検出のサンプリング周波数を例えば10Hz以上の値に変更してよい。そして、信号処理部21は、サンプリング周波数が変更された後の電気信号の変動を特定してよい。ここで、判定部23は、例えば機器の装着を判定した後に、高くしたサンプリング周波数をデフォルト設定に戻す。必要な場合にサンプリング周波数を高くし、信号処理部21による電気信号の変動の特定が終わった後にデフォルト設定に戻す(小さくする)ことによって、正確な機器の装着判定を行いながらも、非接触温度測定装置10の消費電力が増大することを抑制できる。
【0025】
また、判定部23は、赤外線センサ11によって検出された赤外線のみに基づいて、機器が装着されているか否かの判定を行うことができる。つまり、非接触温度測定装置10は、赤外線センサ11とは別のセンサ(近接センサなど)を必要としない。換言すると、パッシブセンサである赤外線センサ11だけで、正確な機器の装着判定を行うことができる。非接触温度測定装置10は、別のセンサによって電力が消費されることがないため、低消費電力を実現できる。また、非接触温度測定装置10は、別のセンサを必要としないためコスト上昇も抑えることができる。
【0026】
記憶部24は、1つ以上のメモリである。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られず任意のメモリとすることができる。記憶部24は、制御装置20が実行する各種の処理において使用される各種のデータを記憶する。また、記憶部24は、制御装置20が実行する各種の算出の結果及び中間データを記憶してよい。
【0027】
本実施形態において、記憶部24は測定対象の温度の算出で用いられる算出式、所定の範囲及び所定の温度範囲を記憶する。また、記憶部24は、制御装置20を信号処理部21、温度算出部22及び判定部23として機能させるためのプログラムを記憶してよい。
【0028】
通信部25は、端末装置50と通信するために、1つ以上の通信モジュールを含んで構成される。通信部25は、例えば4G(4th Generation)、5G(5th Generation)などの移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでよい。通信部25は、例えば無線のLAN規格(一例としてIEEE802.11)に対応する通信モジュールを含んでよい。
【0029】
図3は、本実施形態に係る非接触温度測定装置10が実行する装着判定方法の処理を示すフローチャートである。装着判定方法は、メイン制御装置からの開始を指示する指示信号に従って開始してよい。メイン制御装置は、例えばイヤホン40がケースから出されて、所定時間(例えば10秒)が経過した場合に、指示信号を生成してよい。また、イヤホン40が装着されていないと判定された場合に、例えば所定時間経過後に、再び装着判定方法の処理が開始されてよい。
【0030】
赤外線センサ11は、測定対象から放射される赤外線を検出する。このとき、検出のサンプリング周波数はデフォルト設定(例えば1Hz)である。温度算出部22は、検出された赤外線量に応じた電気信号を赤外線センサ11から取得し、電気信号に基づいて測定対象の温度を算出する(ステップS1)。
【0031】
判定部23は、温度算出部22によって算出された温度が所定の温度範囲(例えば33~42℃)内である場合に(ステップS2のYes)、測定対象が使用者であると判定する。判定部23は、イヤホン40の装着判定の処理を次に進めるために、赤外線センサ11の検出のサンプリング周波数を変更する(ステップS3)。変更されたサンプリング周波数は例えば10Hz以上である。
【0032】
判定部23は、温度算出部22によって算出された温度が所定の温度範囲内でなければ(ステップS2のNo)、イヤホン40が装着されていないと判定する(ステップS7)。判定部23は、装着されていないとの判定結果を示す信号を、メイン制御装置及び端末装置50の少なくとも1つに出力してよい。
【0033】
ステップS3の後に、信号処理部21は、サンプリング周波数が変更された後の電気信号の変動を特定する(ステップS4)。
【0034】
判定部23は、信号処理部21によって特定された変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲(例えば50~200bpm)内である場合に(ステップS5のYes)、イヤホン40が装着されていると判定する(ステップS6)。判定部23は、装着されているとの判定結果を示す信号を、メイン制御装置及び端末装置50の少なくとも1つに出力してよい。
【0035】
判定部23は、信号処理部21によって特定された変動の単位時間当たりの回数が所定の範囲内でなければ(ステップS5のNo)、イヤホン40が装着されていないと判定する(ステップS7)。判定部23は、装着されていないとの判定結果を示す信号を、メイン制御装置及び端末装置50の少なくとも1つに出力してよい。
【0036】
判定部23は、赤外線センサ11の検出のサンプリング周波数をデフォルト設定にする(ステップS8)。
【0037】
以上のように、本実施形態に係る非接触温度測定装置10及び装着判定方法は、上記の構成及び処理によって、正確に機器の装着を判定できる。
【0038】
本開示の実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【0039】
上記の実施形態において、非接触温度測定装置10は、イヤホン40に設けられるとして説明したが、イヤホン40に限らず様々な機器で使用可能である。例えば非接触温度測定装置10は、腕時計型の電子機器又はスマートグラスなどで使用され得る。
【0040】
上記の実施形態において、機器の装着判定で、温度算出部22によって算出された温度を用いる温度判定が行われているが、温度判定は省略可能である。つまり、図3において、ステップS1及びステップS2の処理が省略されてよい。さらに、デフォルト設定の検出のサンプリング周波数であっても変動を特定可能であるならば、図3において、ステップS3及びステップS8の処理が省略されてよい。
【符号の説明】
【0041】
1 非接触温度測定システム
10 非接触温度測定装置
11 赤外線センサ
20 制御装置
21 信号処理部
22 温度算出部
23 判定部
24 記憶部
25 通信部
30 窓材
40 イヤホン
50 端末装置
図1
図2
図3