(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108114
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】メモリ装置およびメモリ装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240802BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240802BHJP
H10B 43/10 20230101ALI20240802BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H10B43/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201863
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0012065
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヒョン ミ
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP76
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA27
5F083GA30
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA20
5F101BA45
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BH30
(57)【要約】
【課題】ウェハの反りを抑制できる方案を提示する。
【解決手段】本技術は、チップ領域110およびチップ領域110を囲んだエッジ領域120を含むウェハ100と、チップ領域110上に交互に積層された複数の絶縁膜11および複数の導電膜14を含む積層体STと、積層体ST内に配置される複数のチャンネル構造CSと、積層体STを区画する第1スリットSLT1と、エッジ領域120上に配置された上部絶縁膜13と、上部絶縁膜13の一部を貫通する複数の第2スリットSLT2と、を含むメモリ装置およびその製造方法を含む。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ領域および前記チップ領域を囲んだエッジ領域を含むウェハと、
前記チップ領域上に交互に積層された複数の絶縁膜および複数の導電膜を含む積層体と、
前記積層体内に配置される複数のチャネル構造と、
前記積層体を区画する第1スリットと、
前記エッジ領域上に配置された上部絶縁膜と、
前記上部絶縁膜の一部を貫通する複数の第2スリットと、を含むことを特徴とするメモリ装置。
【請求項2】
前記複数の第2スリットは、前記チップ領域を囲んで互いに離隔することを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記上部絶縁膜の一部を貫通する複数の第3スリットをさらに含み、
前記複数の第3スリットと前記第1スリットとの間に前記複数の第2スリットが位置することを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項4】
前記複数の第2スリットと前記複数の第3スリットは、第1方向に延びるライン状に形成され、
前記複数の第2スリットは、前記第1方向に交差する第2方向に配列され、
前記複数の第3スリットは、前記第2方向に配列されることを特徴とする請求項3に記載のメモリ装置。
【請求項5】
前記複数の第3スリットは、前記複数の第2スリットに前記第1方向に隣り合うことを特徴とする請求項4に記載のメモリ装置。
【請求項6】
前記複数の第3スリットは、前記複数の第2スリットに前記第1方向と前記第2方向との間の対角方向に隣り合うことを特徴とする請求項4に記載のメモリ装置。
【請求項7】
前記複数の第2スリット内に配置されたギャップ充填膜をさらに含み、
前記ギャップ充填膜は、導電物および絶縁物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項8】
チップ領域および前記チップ領域を囲んだエッジ領域を含むウェハと、
前記ウェハの前記チップ領域上に交互に積層された複数の導電膜および複数の絶縁膜を含み、前記複数の導電膜は、階段状構造の複数のパッド部を有する積層体と、
前記積層体内に配置される複数のチャネル構造と、
前記階段状構造を覆うように前記積層体上に形成され、前記ウェハの前記エッジ領域上に延びる上部絶縁膜と、
前記複数のパッド部に重畳された前記上部絶縁膜の一部を貫通して前記複数のパッド部に接触する複数のコンタクト構造体と、
前記上部絶縁膜の一部を貫通し、前記ウェハの前記エッジ領域に重畳されたスリットと、を含むことを特徴とするメモリ装置。
【請求項9】
前記スリット内部のギャップ充填膜をさらに含み、
前記ギャップ充填膜は、導電物および絶縁物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項10】
チップ領域および前記チップ領域を囲んだエッジ領域を有するウェハを提供するステップと、
前記ウェハの前記チップ領域上に複数の第1物質膜および複数の第2物質膜が交互に積層された積層体を形成するステップと、
前記複数の第1物質膜および複数の第2物質膜の一部をエッチングして階段状構造の複数のパッド部を形成するステップと、
前記複数のパッド部を覆い、前記エッジ領域の少なくとも一部を覆う絶縁膜を形成するステップと、
前記積層体内で垂直方向に延びる第1スリットを形成するステップと、
前記絶縁膜内に複数の第2スリットを形成するステップと、を含むことを特徴とするメモリ装置の製造方法。
【請求項11】
前記複数の第2スリットは、前記第1スリットと同時に形成されることを特徴とする請求項10に記載のメモリ装置の製造方法。
【請求項12】
前記複数の第2スリット内にギャップ充填膜を形成するステップをさらに含み、
前記ギャップ充填膜は、導電物と絶縁物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10に記載のメモリ装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1スリット内にスリット絶縁膜およびソースコンタクトを形成するステップと、
前記ソースコンタクト上に前記絶縁膜を覆うカバー膜を形成するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のメモリ装置の製造方法。
【請求項14】
前記ソースコンタクトを形成する間に、前記複数の第2スリットの下部領域に前記ソースコンタクトと同じ導電物が形成され、
前記カバー膜は、前記複数の第2スリットの上部領域に延びることを特徴とする請求項13に記載のメモリ装置の製造方法。
【請求項15】
前記複数の第2スリットは、前記チップ領域を囲んで互いに離隔して形成されることを特徴とする請求項10に記載のメモリ装置の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁膜内に複数の第3スリットを形成するステップをさらに含み、
前記複数の第3スリットと前記第1スリットとの間に前記複数の第2スリットが位置することを特徴とする請求項10に記載のメモリ装置の製造方法。
【請求項17】
前記複数の第2スリットと前記複数の第3スリットは、第1方向に延びるライン状に形成され、
前記複数の第2スリットは、前記第1方向に交差する第2方向に配列され、
前記複数の第3スリットは、前記第2方向に配列されることを特徴とする請求項16に記載のメモリ装置の製造方法。
【請求項18】
前記複数の第2スリットおよび前記複数の第3スリットは、前記第1スリットと同時に形成されることを特徴とする請求項16に記載のメモリ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ装置およびその製造方法に関し、より具体的には、3次元メモリ装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ装置は、電源供給が遮断されると記憶されたデータが消滅する揮発性メモリ装置(volatile memory device)と、電源供給が遮断されても記憶されたデータが保持される不揮発性メモリ装置(non-volatile memory device)とに区分されることができる。
【0003】
不揮発性メモリ装置は、NANDフラッシュメモリ(NAND flash memory)、NORフラッシュメモリ(NOR flash memory)、抵抗メモリ(resistive random access memory:ReRAM)、相変化メモリ(phase-change memory:PRAM)、磁気抵抗メモリ(magnetoresistive random access memory:MRAM)、強誘電体メモリ(ferroelectric random access memory:FRAM(登録商標))、およびスピン注入磁化反転メモリ(spin transfer torque random access memory:STT-RAM)などを含むことができる。
【0004】
これらのうち、NANDフラッシュメモリシステムは、データを記憶するように構成されたメモリ装置と、メモリ装置を制御するように構成されたコントローラとを含むことができる。メモリ装置は、データを記憶するメモリセルアレイと、コントローラから伝送されたコマンドに応答してプログラム、リード、または消去動作を行うように構成された周辺回路とを含むことができる。
【0005】
半導体製造工程で用いられる物質膜は、固有の応力(stress)を有し、物質膜蒸着工程および熱処理工程により誘起される応力によってウェハに反り(warpage)が発生し得る。ウェハに反りが発生すると、ウェハ上に蒸着される物質膜間の浮きまたは亀裂が発生して、ウェハが構造的に不安定になり、半導体装置の動作特性または信頼性を低下させる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は、ウェハの反りを抑制できる方案を提示することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例によるメモリ装置は、チップ領域および前記チップ領域を囲んだエッジ領域を含むウェハと、前記チップ領域上に交互に積層された複数の絶縁膜および複数の導電膜を含む積層体と、前記積層体内に配置される複数のチャンネル構造と、前記積層体を区画する第1スリットと、前記エッジ領域上に配置された上部絶縁膜と、前記上部絶縁膜の一部を貫通する複数の第2スリットと、を含むことができる。
【0008】
本発明の実施例によるメモリ装置は、チップ領域および前記チップ領域を囲んだエッジ領域を含むウェハと、前記ウェハの前記チップ領域上に交互に積層された複数の導電膜および複数の絶縁膜を含み、前記複数の導電膜は、階段状構造の複数のパッド部を有する積層体と、前記積層体内で垂直方向に延びる複数のチャネル構造と、前記階段状構造を覆うように前記積層体上に形成され、前記ウェハの前記エッジ領域上に延びる上部絶縁膜と、前記複数のパッド部に重畳された前記上部絶縁膜の一部を貫通して前記複数のパッド部に接触する複数のコンタクト構造体と、前記上部絶縁膜の一部を貫通し、前記ウェハの前記エッジ領域に重畳されたスリットと、を含むことができる。
【0009】
本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法は、チップ領域および前記チップ領域を囲んだエッジ領域を有するウェハを提供するステップと、前記ウェハの前記チップ領域上に複数の第1物質膜および複数の第2物質膜が交互に積層された積層体を形成するステップと、前記複数の第1物質膜および複数の第2物質膜の一部をエッチングして階段状構造の複数のパッド部を形成するステップと、前記複数のパッド部を覆い、前記エッジ領域の少なくとも一部を覆う絶縁膜を形成するステップと、前記積層体内で垂直方向に延びる第1スリットを形成するステップと、前記絶縁膜内に複数の第2スリットを形成するステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例によれば、ウェハの反りを抑制して、半導体装置の動作特性および信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例によるウェハを説明するための図である。
【
図2】
図1に示されたウェハの一領域を説明するための拡大図である。
【
図3a】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の断面図である。
【
図3b】
図3aに示されたチャンネル構造領域を説明するための拡大図である。
【
図4a】
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の断面図である。
【
図4b】
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の断面図である。
【
図4c】
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の断面図である。
【
図5a】複数の第2スリットの様々な配列について説明するための拡大図である。
【
図5b】複数の第2スリットの様々な配列について説明するための拡大図である。
【
図5c】複数の第2スリットの様々な配列について説明するための拡大図である。
【
図5d】複数の第2スリットの様々な配列について説明するための拡大図である。
【
図6a】本発明の上部配線構造を説明するための断面図である。
【
図6b】本発明の上部配線構造を説明するための断面図である。
【
図7a】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7b】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7c】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7d】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7e】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7f】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7g】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7h】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7i】
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8a】
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8b】
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8c】
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9】本発明のメモリ装置が適用されたSSD(Solid State Drive)システムを示す図である。
【
図10】本発明のメモリ装置が適用されたメモリカードシステムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書または出願に開示されている本発明の概念による実施例についての特定の構造的ないし機能的説明は、単に本発明の概念による実施例を説明する目的で例示されたものであって、本発明の概念による実施例は、多様な形態で実施され、本明細書または出願に説明された実施例に限定されると解釈されてはならない。
【0013】
本明細書又は出願に記載されている「第1、第2、第3」等の表現は、単に本発明の要素を他の要素から区別するための用途で使用されるものであって、「第1、第2、第3」等の表現によって本発明の要素の順序や個数が限定されると解釈されてはならない。
【0014】
本明細書又は出願に記載されているある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「結合」されると記載される場合、ある構成要素は他の構成要素に直接的に連結されるか又は接続されるだけでなく、ある構成要素が中間要素を介して他の構成要素に「連結」又は「結合」されることを含む。また、本明細書又は出願に記載されているある構成要素と他の構成要素の位置関係が説明される場合、例えば、ある構成要素の「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~そばに」他の構成要素が位置すると説明される場合、「真」または「直接」が使用されない限り、ある構成要素と他の構成要素との間に1つ以上の中間要素が位置することを含む。
【0015】
図1は、本発明の実施例によるウェハを説明するための図である。
【0016】
図1を参照すると、ウェハ100は、チップ領域110とチップ領域110を取り囲むエッジ領域120とを含むことができる。ウェハ100は、シリコンなどの半導体で形成された基板であり得る。一実施例では、ウェハ100は、ポリシリコンを含むことができる。ウェハ100は、基板上の回路及び/又は配線構造を含むことができる。回路及び/又は配線構造は、膜蒸着工程、マスクおよびエッチング工程、イオン注入工程などを繰り返し行うことによって形成されることができる。
【0017】
チップ領域110は、多数の半導体素子が集積される領域であって、平面上四角形の形状を有する複数の単位チップ領域CHRを含むことができる。複数の単位チップ領域CHRは、第1方向DR1および第1方向DR1に交差する第2方向DR2に沿ってマトリックス状に配列されることができる。複数の単位チップ領域CHRは、チップ領域110の面積が最大になるようにウェハ100内に配置されることができる。それぞれの単位チップ領域CHRは四角形の形状を有するので、チップ領域110の外郭線は、第1方向DR1への直線および第2方向DR2への直線の組み合わせで形成される形状を有することができる。一方、ウェハ100は、円形状またはこれと類似する形状を有することができる。したがって、ウェハ100をチップ領域110が全部埋めることができず、チップ領域110の外郭に残留する領域が存在することになる。この領域は、以下ではエッジ領域120と定義される。
【0018】
ウェハ100は、複数の単位チップ領域CHRおよび単位チップ領域CHRの間を横切るスクライブライン(scribe line)領域SLRを含むことができる。それぞれの単位チップ領域CHRは、スクライブライン領域SLRによって囲まれることができる。単位チップ領域CHR上にDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、NANDフラッシュメモリ(NAND Flash Memory)、およびRRAM(Resistive Random Access Memory)などのような半導体メモリ素子が提供されることができる。これとは異なり、単位チップ領域CHR上にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、光電子(optoelectronic)素子、CPU、またはDSPなどのプロセッサが提供されてもよい。または、単位チップ領域CHR上に論理和ゲートまたは論理積ゲートなどのような半導体素子を含んだ標準セルが提供されてもよい。各々の単位チップ領域CHRには、データまたは信号を半導体集積回路に入出力するための再配線チップパッドおよび信号をテスト回路に入出力する再配線パッドが連結されることができる。以下、単位チップ領域CHRにNANDフラッシュメモリ素子が提供されることに基づいて本発明の実施例を説明するが、本発明の実施例はこれに限定されない。
【0019】
スクライブライン領域SLRは、単位チップ領域CHRの間で第1方向DR1および第2方向DR2に延びることができる。図示されていないが、スクライブライン領域SLRは、ソーイングまたはダイシングマシン(sawing or cutting machine)によって切断されるカット領域およびカット領域と単位チップ領域CHRとの間のチップガード領域を含むことができる。
【0020】
図2は、
図1に示されたウェハの一領域101を説明するための拡大図である。
【0021】
図2を参照すると、ウェハの一領域101は、チップ領域110およびエッジ領域120を含むことができる。参照のために、
図1の単位チップ領域CHRのうち1つに参照符号111を付した。単位チップ領域111を第1及び第2方向DR1、DR2と交差する第3方向DR3に線A-A’に沿って切り取った断面図が
図3a及び
図3bに示される。第1方向DR1と第2方向DR2は、ウェハの表面に並んだ平面で互いに交差する軸が向かう方向と定義されることができ、第3方向DR3は、ウェハの表面に対して直交する垂直方向と定義されることができる。
【0022】
参照のために、エッジ領域120のうち単位チップ領域111と第1方向DR1に隣り合う単位エッジ領域に参照符号121を付した。単位エッジ領域121を第3方向DR3に線B-B’に沿って切り取った断面図が
図4a~
図4cに示される。
【0023】
図3aは、
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の断面図である。
【0024】
図3bは、
図3aに示されたチャネル構造領域CSRを説明するための拡大図である。
【0025】
図3aを参照すると、ウェハ100のチップ領域110上に積層体STが形成されることができる。積層体STは、第3方向DR3に向かうウェハ100の第1面上に配置されることができる。積層体STは、第3方向DR3に離隔して積層された複数の絶縁膜11を含むことができる。複数の絶縁膜11は、第2方向DR2に延びることができる。積層体STは、第3方向DR3に複数の絶縁膜11と交互に配置された複数の導電膜14をさらに含むことができる。
【0026】
積層体STとウェハ100との間には、ウェハ100の第1面に沿って第2方向DR2に延びるソース膜SLが配置されることができる。ソース膜SLは、第1ソース膜1Sおよび第2ソース膜2Sを含むことができ、第1及び第2ソース膜1S、2Sの間に配置される第3ソース膜3Sをさらに含むことができる。第1~第3ソース膜1S、2S、3Sそれぞれは、n型不純物およびp型不純物のうちの少なくとも1つを含むドープ半導体膜を含むことができる。一実施例として、第1~第3ソース膜1S、2S、3Sそれぞれは、n型ドープシリコン膜を含むことができる。
【0027】
積層体STの内部には、第3方向DR3に延びる複数のチャンネル構造CSが配置されることができる。複数のチャネル構造CSは、第2方向DR2に離隔して配置されることができる。複数のチャネル構造CSは、ソース膜SLの一部を貫通するように延びることができる。一実施例として、それぞれのチャンネル構造CSは、第2ソース膜2Sおよび第3ソース膜3Sを貫通することができ、第1ソース膜1Sの内部に延びることができる。
【0028】
それぞれのチャネル構造CSは、メモリ膜ML、チャネル膜CH、コアピラーCPおよびキャップ膜CAPを含むことができる。コアピラーCPは、キャップ膜CAPの下部に形成されることができる。コアピラーCPは、絶縁物質を含むことができる。チャネル膜CHは、キャップ膜CAPおよびコアピラーCPのそれぞれの側壁に沿って延びることができる。チャンネル膜CHは、半導体物質で形成されることができる。一実施例として、チャンネル膜CHは、シリコン膜で形成されることができる。キャップ膜CAPは、n型不純物およびp型不純物のうちの少なくとも1つを含むドープ半導体膜を含むことができる。一実施例として、キャップ膜CAPは、n型ドープ半導体膜を含むことができる。メモリ膜MLは、チャネル膜CHの側壁に沿って延びることができる。チャンネル膜CHは、第3ソース膜3Sと接触することができる。第3ソース膜3Sは、チャンネル膜CHに接触するようにメモリ膜MLの一部を貫通することができる。
【0029】
図3bを参照すると、メモリ膜MLは、トンネル絶縁膜TO、データ記憶膜DSおよびブロック膜BOを含むことができる。トンネル絶縁膜TOは、チャンネル膜CHの側壁に沿って延びることができる。トンネル絶縁膜TOは、絶縁物質を含むことができる。一実施例として、トンネル絶縁膜TOは、シリコン酸化膜などの酸化膜を含むことができる。データ記憶膜DSは、トンネル絶縁膜TOの側壁に沿って延びることができる。データ記憶膜DSは、電荷トラップ膜、可変抵抗膜、ナノドットなど様々な方式でデータを記憶できる物質を含むことができる。一実施例として、データ記憶膜DSは、電荷トラップが可能な窒化膜で形成されることができる。ブロック膜BOは、データ記憶膜DSの側壁に沿って延びることができる。ブロック膜BOは、絶縁物質を含むことができる。一実施例として、ブロック膜BOは、シリコン酸化膜などの酸化膜で形成されることができる。キャップ膜CAPおよびコアピラーCPを取り囲むようにチャネル膜CHが形成され、チャネル膜CHを取り囲むようにトンネル絶縁膜TOが形成され、トンネル絶縁膜TOを取り囲むようにデータ記憶膜DSが形成され、データ記憶膜DSを取り囲むようにブロック膜BOが形成されることができる。
【0030】
図3aを参照すると、複数の絶縁膜11および複数の導電膜14の段部を構成する複数のパッド部によって階段状構造が形成されることができる。複数のパッド部および積層体STを覆うように上部絶縁膜13が形成されることができる。上部絶縁膜13上にはカバー膜15が形成されることができる。カバー膜15は絶縁物を含むことができる。一実施例として、カバー膜15は、酸化物を含むことができる。カバー膜15および上部絶縁膜13を貫通するように複数のコンタクト構造体CTが形成されることができる。複数のコンタクト構造体CTは、複数の導電膜14の複数のパッド部それぞれ接触されることができる。具体的には、複数のコンタクト構造体CTのうちの一つのコンタクト構造体は、複数の導電膜14のパッド部のうちのそれに対応するパッド部に接触することができる。それぞれのコンタクト構造体CTは、コンタクトプラグCTPを介して上部配線ULと連結されることができる。コンタクト構造体CT、コンタクトプラグCTPおよび上部配線ULは、様々な導電物で形成されることができる。コンタクトプラグCTPおよび上部配線ULは、分離絶縁膜16内に形成されることができる。分離絶縁膜16は、カバー膜15の上部に配置されることができる。分離絶縁膜16は、単一膜または多層膜で形成されることができる。一実施例として、分離絶縁膜16は、カバー膜15上の第1絶縁膜および第1絶縁膜上の第2絶縁膜を含むことができる。コンタクトプラグCTPは、第1絶縁膜が配置されたレベルで第1絶縁膜を貫通することができ、上部配線ULは、第2絶縁膜が配置されたレベルで第2絶縁膜を貫通することができる。図示されてはいないが、カバー膜15と上部絶縁膜13との間にエッチング停止膜がさらに含まれてもよい。一実施例として、カバー膜15と上部絶縁膜13との間にエッチング停止膜として機能する窒化膜がさらに形成されてもよい。上部配線ULは、エッチング停止膜を貫通するように延びることができる。
【0031】
カバー膜15および上部絶縁膜13を貫通するように複数のビットラインプラグBPが形成されることができる。それぞれのビットラインプラグBPは、複数のチャネル構造CSのうち対応するチャネル構造に接触することができる。一実施例として、それぞれのビットラインプラグBPは、対応するチャネル構造CSのキャップ膜CAPと接触することができる。複数のチャネル構造CSは、複数のビットラインプラグBPを介して複数のビットラインBLに連結されることができる。複数のビットラインプラグBPは、分離絶縁膜16の一部を貫通することができる。ビットラインBLは、分離絶縁膜16内に形成されることができる。ビットラインプラグBPおよびビットラインBLは、様々な導電物で形成されることができる。
【0032】
複数のチャンネル構造CSの間には、第1スリットSLT1が配置されることができる。第1スリットSLT1は、第3方向DR3に延びることができる。一実施例として、第1スリットSLT1は、ソースコンタクトSCおよびスリット絶縁膜ISを含むことができる。ソースコンタクトSCは、ドープシリコン、金属、金属シリサイドなどの様々な導電物で形成されることができる。ソースコンタクトSCは、第2ソース膜2Sを貫通して第3ソース膜3Sに接触することができる。スリット絶縁膜ISは、積層体STとソースコンタクトSCとの間に配置されることができる。第1スリットSLT1は、上部絶縁膜13、複数の絶縁膜11および複数の導電膜14を貫通するように形成されることができる。複数の絶縁膜11および複数の導電膜14は、第1スリットSLT1によって積層体STごとに区画されることができる。
【0033】
図4a~
図4cは、
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の断面図である。
【0034】
図4a~
図4cを参照すると、
図3aに示された上部絶縁膜13は、ウェハ100のエッジ領域120上に延びることができる。上部絶縁膜13内に複数の第2スリットSLT2が形成されることができる。複数の第2スリットSLT2は、上部絶縁膜13の一部を貫通することができる。複数の第2スリットSLT2は、第2方向DR2に互いに離隔して配置されることができ、第3方向DR3に延びることができる。
【0035】
図4b及び
図4cを参照すると、複数の第2スリットSLT2の内部にギャップ充填膜GFが形成されることができる。ギャップ充填膜GFは、導電物および絶縁物のうちの少なくとも1つを含むことができる。複数の第2スリットSLT2は、後述するように、
図3aの第1スリットSLT1と同じ工程で形成されることができる。また、複数の第2スリットSLT2は、
図3aの第1スリットSLT1と同時に形成されることができる。第1スリットSLT1および第2スリットSLT2を形成した後に形成される物質が、第2スリットSLT2の内部のギャップ充填膜GFを構成することができる。例えば、ギャップ充填膜GFは、
図3aに示された第1スリットSLT1の内部のスリット絶縁膜IS用絶縁物、ソースコンタクトSC用導電物および
図3aに示されたカバー膜15用絶縁物のうちの少なくとも1つを含むことができる。
図3aに示されたウェハ100のチップ領域110上に形成される物質膜の一部は、ウェハ100のエッジ領域120上に配置されることができる。このとき、ウェハ100のエッジ領域120上での物質膜の蒸着厚さと
図3aに示されたウェハ100のチップ領域110上での物質膜の蒸着厚さとは異なってもよい。
【0036】
一実施例として、
図3a及び
図4bを参照すると、チップ領域110上のカバー膜15がエッジ領域120に延びることができる。カバー膜15は、複数の第2スリットSLT2の内部に延びてギャップ充填膜GFを構成することができる。
【0037】
他の実施例として、
図3a及び
図4cを参照すると、スリット絶縁膜ISのために蒸着される絶縁物18およびソースコンタクトSCのために蒸着される導電物17が複数の第2スリットSLT2の内部に形成されることができる。このとき、ソースコンタクトSCは、第1スリットSLT1の中心領域を埋めるように形成されるものと比較して、導電物17は、エッジ領域120に位置する複数の第2スリットSLT2の一部のみを埋めるように形成されることができる。一実施例として、複数の第2スリットSLT2の下部領域にソースコンタクトSCと同じ導電物17が形成されることができる。このとき、導電物17によって開口された複数の第2スリットSLT2の上部領域は、カバー膜15で埋められることができる。
【0038】
図5a~
図5dは、複数の第2スリットの様々な配列について説明するための拡大図である。
【0039】
図5a~
図5dは、
図2の単位エッジ領域121に対する拡大図である。
【0040】
図5a及び
図5bを参照すると、単位エッジ領域121上に複数の第2スリットSLT2が配置されることができる。複数の第2スリットSLT2は、第1方向DR1に延びるライン状に形成されることができる。複数の第2スリットSLT2の長さは、第1方向DR1に一定であっても、様々に変更されてもよい。複数の第2スリットSLT2は、
図2のチップ領域110を囲んで第1方向DR1に交差する第2方向DR2に互いに離隔して配置されることができる。単位エッジ領域121上に配置される複数の第2スリットSLT2の数は、図示したものに限定されず、複数の第2スリットSLT2が互いに離隔する距離は様々であり得る。一実施例として、
図5aに示すように、複数の第2スリットSLT2は、互いに一定の間隔を置いて離隔されることができる。他の実施例として、
図5bに示すように、複数の第2スリットSLT2は、第1グループG1の複数の第1サブスリット151及び第2グループG2の複数の第2サブスリット153を含むことができる。複数の第1サブスリット151および複数の第2サブスリット153は、
図2のチップ領域110を囲むように配置されることができ、第1方向DR1に延びるライン状に形成されることができる。複数の第1サブスリット151は、第2方向DR2に第1距離で離隔して隣り合うことができ、複数の第2サブスリット153は、第2方向DR2に第1距離で離隔して隣り合うことができる。第1グループG1と第2グループG2の境界に隣接する第1サブスリット151と第2サブスリット153は、第2方向DR2に第2距離で離隔して隣り合うことができる。このとき、前述の第1距離と第2距離は異なってもよい。
【0041】
図5c及び
図5dを参照すると、単位エッジ領域121上に複数の第2スリットSLT2の他に、複数の第3スリットSLT3がさらに配置されることができる。複数の第2スリットSLT2は、
図5aおよび
図5bを参照して説明したように、様々な距離で配列されることができる。複数の第2スリットSLT2は、
図3aのチップ領域110上の第1スリットSLT1と複数の第3スリットSLT3との間に配置されることができる。複数の第3スリットSLT3は、第1方向DR1に延びるライン状に形成されることができ、第2方向DR2に互いに離隔して配置されることができる。複数の第3スリットSLT3は、
図5a及び
図5bを参照して説明した複数の第2スリットSLT2と同様に、互いに様々な間隔を置いて離隔して配置されることができる。複数の第3スリットSLT3は、複数の第2スリットSLT2に並んで整列されても、ジグザグに整列されてもよい。一実施例として、
図5cに示すように、複数の第3スリットSLT3は、複数の第2スリットSLT2に第1方向DR1に隣り合うことができる。他の実施例として、
図5dに示すように、複数の第3スリットSLT3は、複数の第2スリットSLT2に第1方向DR1と第2方向DR2との間の対角方向に隣り合うことができる。
【0042】
複数の第2スリットSLT2および複数の第3スリットSLT3の配列は様々であることができ、
図5a~
図5dに示したものに限定されない。エッジ領域121上に配置されるスリットは、
図5a及び
図5bに示した複数の第2スリットSLT2のように1つの列を構成するか、
図5c及び
図5dに示した複数の第2スリットSLT2及び複数の第3スリットSLT3のように2つの列を構成することができるが、本発明の実施例はこれに限定されない。例えば、複数の第3スリットSLT3と隣り合う列に複数の第4スリットがさらに形成されてもよい。複数の第4スリットは、複数の第3スリットSLT3と第1方向DR1に隣り合うことができ、第1方向DR1と第2方向DR2との間の対角方向に隣り合うことができる。
【0043】
図6aおよび
図6bは、本発明の上部配線構造を説明するための断面図である。
【0044】
図6aを参照すると、上部配線UL上に複数の保護膜PLが配置されることができる。保護膜の数は図示されたものに限定されない。一実施例として、第1保護膜19、第2保護膜20及び第3保護膜21が、上部配線UL上に形成されることができる。このとき、上部配線UL上に形成される複数の保護膜PLを蒸着する工程およびその後の熱処理工程(anneal)により誘起される応力によって、ウェハに反り(warpage)が発生し得る。一実施例として、
図6aに示すように、第1~第3保護膜19、20、21を蒸着する工程までは、応力が複数の保護膜PLが引張られる方向に作用することができる。応力が複数の保護膜PLが引張られる方向に作用する場合には、
図6bに示すように、上部配線ULが複数の保護膜PLを見る方向に凸になるようにウェハに反り(warpage)が発生し得る。図示されてはいないが、第1~第3保護膜19、20、21上に第4保護膜が蒸着される場合には、応力が複数の保護膜PLが収縮する方向に作用することができる。図示されてはいないが、保護膜PLを蒸着した後の工程である熱処理工程(anneal)によって、応力が再度複数の保護膜PLが引張られる方向に作用し得る。このように、応力が作用する方向の急激な変化によって上部配線ULと複数の保護膜PLとの間の浮きや亀裂が発生し得る。本発明の実施例によれば、ウェハのエッジ領域に形成される複数のスリットによって応力が作用する方向を分散させることで、上部配線ULと複数の保護膜PLとの間の浮きや亀裂を防止することができる。
【0045】
図7a~
図7iは、
図2の線A-A’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
図7a~
図7iは、チップ領域に形成される構造を示す。
【0046】
図7aを参照すると、ウェハ100のチップ領域110上に第1ソース膜1S、犠牲膜SFおよび第2ソース膜2Sが順次積層されることができる。図示されてはいないが、第1ソース膜1Sを形成する前に、ウェハ100のチップ領域110上に周辺回路を含む下部構造体(図示せず)と下部構造体を覆う下部絶縁膜とが形成されることができる。
【0047】
第1ソース膜1Sおよび第2ソース膜2Sは、ソースライン(source line)として利用されることができる。第1ソース膜1Sおよび第2ソース膜2Sは、ドープ半導体膜、金属膜、金属シリサイド膜などの様々な導電物質で形成されることができる。一実施例として、第1ソース膜1Sおよび第2ソース膜2Sそれぞれは、ドープシリコン膜を含むことができる。犠牲膜SFは、後続工程で選択的に除去される物質で、第1及び第2ソース膜1S、2Sと異なるエッチング選択比を有する物質で形成されることができる。一実施例として、犠牲膜SFは、アンドープシリコン膜または窒化膜を含むことができる。図示されてはいないが、後続工程で第1及び第2ソース膜1S、2Sを保護するために、第1ソース膜1Sと犠牲膜SFとの間および第2ソース膜2Sと犠牲膜SFとの間にバッファ膜(buffer layer)がさらに形成されてもよい。例えば、バッファ膜は、酸化膜で形成されることができる。
【0048】
図示されてはいないが、第1スリットを形成するための後続工程の間のオーバーエッチングを防止するために、第2ソース膜2S内に埋め込まれるエッチング防止パターンをさらに形成することができる。エッチング防止パターンは、タングステンのような導電物質で形成されることができる。
【0049】
次いで、第2ソース膜2Sの上部に複数の第1物質膜11及び複数の第2物質膜12が一層ずつ交互に積層されることができる。例えば、第2ソース膜2S上に複数の第1物質膜11のうち一番目の層の第1物質膜を形成した後、一番目の層の第1物質膜上に複数の第2物質膜12のうち一番目の層の第2物質膜を形成することができ、続いて一番目の層の第2物質膜上に複数の第1物質膜11のうち二番目の層の第1物質膜を形成することができ、二番目の層の第1物質膜上に複数の第2物質膜12のうち二番目の層の第2物質膜を形成することができる。それぞれの第1物質膜11は、絶縁物質で形成されることができる。一実施例として、第1物質膜11は、シリコン酸化膜などの酸化膜で形成されることができる。それぞれの第2物質膜12は、後続工程で選択的に除去可能な物質で形成されることができる。すなわち、第2物質膜12は、第1物質膜11とエッチング選択比の異なる物質で形成されることができる。一実施例として、第2物質膜12は、窒化膜で形成されることができる。
【0050】
複数の第1物質膜11およびそれらと交互に積層された複数の第2物質膜12は、予備積層体PSTを形成することができる。予備積層体PSTの最下層と最上層それぞれに第1物質膜11が位置することができる。予備積層体PST上に予備積層体PSTを覆うようにハードマスクHMが形成されることができる。
【0051】
図7bを参照すると、ハードマスクHM内に開口部が形成されることができる。ハードマスクHMの開口部を介して予備積層体PSTの内部に第1及び第2物質膜11、12を貫通するチャンネル構造ホールCSHが形成されることができる。チャンネル構造ホールCSHを形成するために、第1及び第2物質膜11、12の一部を除去するためのエッチング工程が行われることができる。エッチング工程によってチャンネル構造ホールCSHが予備積層体PSTを貫通するように第3方向DR3に延びることができる。チャンネル構造ホールCSHは、第2ソース膜2Sおよび犠牲膜SFを貫通することができ、第1ソース膜1Sの内部に延びることができる。このために、第2ソース膜2S、犠牲膜SFおよび第1ソース膜1Sのそれぞれの一部をエッチングすることができる。
【0052】
チャンネル構造ホールCSHの内側壁を介して第1及び第2物質膜11、12が露出されることができる。また、チャンネル構造ホールCSHの内側壁を介して第2ソース膜2S、犠牲膜SFおよび第1ソース膜1Sが露出されることができる。チャンネル構造ホールCSHの内部には、チャンネル構造CSが形成されることができる。具体的には、チャンネル構造ホールCSHの内側壁に沿ってメモリ膜MLが蒸着されることができる。メモリ膜MLの内側壁に沿ってチャンネル膜CHが蒸着されることができる。チャンネル膜CHの内側壁に沿ってコアピラーCPおよびキャップ膜CAPが順次形成されることができる。
【0053】
図7cを参照すると、階段状構造が形成されるように予備積層体PSTの一部をエッチングすることができる。エッチング工程を経て、複数の第1及び第2物質膜11、12の段部によって階段状構造が定義されることができる。一実施例として、階段状構造を介して第2物質膜12それぞれの上面が露出されることができる。他の実施例として、階段状構造を介して第1物質膜11それぞれの上面が露出されることができる。階段状構造を構成する複数の第1及び第2物質膜11、12の段部がパッド部と定義されることができる。
【0054】
図7dを参照すると、予備積層体PST上に形成された
図7cのハードマスクHMを除去することができる。次いで、予備積層体PSTおよびチャンネル構造CSを覆う上部絶縁膜13が形成されることができる。複数の第2物質膜12の複数のパッド部は、上部絶縁膜13で覆われることができる。上部絶縁膜13は、絶縁物質を含むことができる。一実施例として、上部絶縁膜13は、酸化物を含むことができる。
【0055】
次いで、予備積層体PSTおよび上部絶縁膜13を貫通する第1スリットSLT1が形成されることができる。第1スリットSLT1は、予備積層体PSTおよび上部絶縁膜13内で第3方向DR3に延びることができる。第1スリットSLT1の内側壁を介して第1物質膜11および第2物質膜12が露出されることができ、第1スリットSLT1の底を介して第2ソース膜2Sが露出されることができる。このとき、第2ソース膜2Sは、第1スリットSLT1を形成する間のエッチング停止膜として利用されることができる。図示されてはいないが、第1スリットSLT1を形成する間にエッチング工程を精密に制御するために、第2ソース膜2S内に金属で形成されたエッチング防止パターンがさらに形成されることができる。この場合、エッチング防止パターンが露出されるように第1スリットSLT1を形成した後、エッチング防止パターンを除去することができる。
【0056】
図7eを参照すると、第1スリットSLT1を介して
図7dの複数の第2物質膜12が複数の第3物質膜14に置き換えられる工程が行われることができる。具体的には、第1スリットSLT1を介して
図7dの第2物質膜12をエッチング工程で除去することができる。第1スリットSLT1を介するエッチング工程は、第1物質膜11は残留させ、
図7dの第2物質膜12を選択的に除去できるエッチャントを利用して行われることができる。
図7dの第2物質膜12が除去されると、第1物質膜11の間の空間が開口されることができる。このとき、開口された第1物質膜11の間の空間に第3物質膜14が形成されることができる。第3物質膜14は、ドレイン選択ライン、ソース選択ラインおよびワードラインのようなゲートライン(Gate lines)のために提供されることができ、導電物質で形成されることができる。例えば、第3物質膜14は、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)及びポリシリコン(Poly-Si)などで形成されることができる。
【0057】
図7fを参照すると、第1スリットSLT1内にスリット絶縁膜ISが形成されることができる。スリット絶縁膜ISは、第1スリットSLT1の内側壁に沿って第3方向DR3に延びることができる。次いで、犠牲膜SFを露出させるために第1スリットSLT1の開口された領域を介して第2ソース膜2Sの一部をエッチングすることができる。第2ソース膜2Sがエッチングされた領域を介して犠牲膜SFが露出されることができる。
【0058】
図7gを参照すると、
図7fの露出された犠牲膜SFをエッチング工程で除去することができる。これにより、
図7fのメモリ膜MLの一部が露出されることができる。その後、露出されたメモリ膜MLの一部を除去することができる。これにより、第2ソース膜2Sと第1ソース膜1Sとの間の空間を介してチャンネル膜CHの側壁の一部が露出されることができる。
【0059】
次いで、開口された第2ソース膜2Sと第1ソース膜1Sとの間の空間内に第3ソース膜3Sが形成されることができる。第3ソース膜3Sは、n型不純物およびp型不純物のうちの少なくとも1つを含んだドープ半導体膜を含むことができる。一実施例として、第3ソース膜3Sは、n型ドープシリコン膜を含むことができる。第3ソース膜3Sは、チャンネル膜CHの側壁の一部と接触することができる。その後、第3ソース膜3Sと接触するソースコンタクトSCが第1スリットSLT1内に形成されることができる。ソースコンタクトSCは、スリット絶縁膜ISの側壁に沿って第3方向DR3に延びることができる。ソースコンタクトSCは、様々な導電物を含むことができる。例えば、ソースコンタクトSCは、ドープシリコンのようなドープ半導体、タングステンまたはニッケルのような金属、チタン窒化膜のような金属シリサイド膜などの導電物質で形成されることができ、単一膜または二重層以上の膜で形成されることができる。
【0060】
図7hを参照すると、ソースコンタクトSCおよび上部絶縁膜13を覆うようにカバー膜15が形成されることができる。図示されてはいないが、カバー膜15が形成される前にエッチング停止膜がさらに形成されることができる。エッチング停止膜は、カバー膜15と上部絶縁膜13との間に配置されることができる。一実施例として、エッチング停止膜は、窒化膜で形成されることができる。
【0061】
次いで、カバー膜15および上部絶縁膜13を貫通する複数のコンタクト構造体CTが形成されることができる。複数のコンタクト構造体CTは、複数の第3物質膜14に個別に連結されることができ、複数の第3物質膜14に直接連結されることができる。複数のコンタクト構造体CTのうちの1つは、階段状構造をなす複数の第3物質膜14の複数のパッド部のうち、それに対応するパッド部に連結されることができる。
【0062】
図7iを参照すると、複数のコンタクト構造体CTに連結された複数のコンタクトプラグCTPおよび複数のチャネル構造CSに連結された複数のビットラインプラグBPを形成することができる。次いで、複数のコンタクトプラグCTPに連結された複数の上部配線ULおよび複数のビットラインプラグBPに連結された複数のビットラインBLを形成することができる。複数のコンタクトプラグCTP、複数のビットラインプラグBP、複数の上部配線ULおよび複数のビットラインBLは、様々な方式の製造工程を経て形成されることができる。
【0063】
一実施例として、複数のビットラインプラグBPおよび複数のコンタクトプラグCTPを形成するステップは、カバー膜15上に分離絶縁膜16の下部を構成する第1絶縁膜を形成するステップと、第1絶縁膜を貫通する複数のホールを形成するステップと、複数のホールを導電物で埋めるステップと、を含むことができる。一実施例として、複数の上部配線ULおよび複数のビットラインBLを形成するステップは、分離絶縁膜16の第1絶縁膜上に分離絶縁膜16の上部を構成する第2絶縁膜を形成するステップと、第2絶縁膜を貫通する複数のトレンチを形成するステップと、複数のトレンチを導電物で埋めるステップと、を含むことができる。
【0064】
図8a~
図8cは、
図2の線B-B’に沿って切り取った本発明の実施例によるメモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
図8a~
図8cは、エッジ領域に形成される構造を示す。
【0065】
図7d及び
図8aを参照すると、ウェハ100のチップ領域110上に上部絶縁膜13を形成する際に、上部絶縁膜13は、ウェハ100のエッジ領域120上に延びることができる。
【0066】
図7d及び
図8bを参照すると、ウェハ100のチップ領域110上に第1スリットSLT1を形成する際に、複数の第2スリットSLT2が形成されることができる。複数の第2スリットSLT2は、ウェハ100のエッジ領域120上に配置された上部絶縁膜13を一部貫通することができる。
【0067】
一実施例として、第1スリットSLT1を形成した後に蒸着される物質膜は、複数の第2スリットSLT2を完全に埋めることができず、複数の第2スリットSLT2が全体的または部分的に開口されることができる。エッジ領域120で複数の第2スリットSLT2の開口された領域は、後続工程のストレスを緩和するに利用されることができる。
【0068】
他の一実施例として、複数の第2スリットSLT2は、
図8cに示すように、ギャップ充填膜GFで埋められることができる。
【0069】
図7h及び
図8cを参照すると、ウェハ100のチップ領域110上にカバー膜15を形成する際に、カバー膜15が複数の第2スリットSLT2の内部を埋めるようにウェハ100のエッジ領域120上に延びることができる。このとき、ギャップ充填膜GFは、カバー膜15で構成されることができる。この場合、複数の第2スリットSLT2がカバー膜15で埋められた状態で、後続工程のストレスを緩和するに利用されることができる。
【0070】
さらに他の実施例として、ギャップ充填膜GFは、
図4cを参照して説明した導電物17、絶縁物18およびカバー膜15を含むことができる。
図4c及び
図7fを参照すると、絶縁物18は、第1スリットSLT1の側壁上にスリット絶縁膜ISを形成する間に、スリット絶縁膜ISと同じ物質で形成されることができ、複数の第2スリットSLT2の側壁上に形成されることができる。
図4c及び
図7gを参照すると、導電物17は、第1スリットSLT1の内部にソースコンタクトSCを形成する間に、ソースコンタクトSCと同じ物質で形成されることができ、複数の第2スリットSLT2の下部領域に形成されることができる。
図4c及び
図7hを参照すると、カバー膜15は、複数の第2スリットSLT2の上部領域を埋めるように導電物17上に延びることができる。この場合、複数の第2スリットSLT2が導電物17、絶縁物18およびカバー膜15で埋められた状態で、後続工程のストレスを緩和するに利用されることができる。
【0071】
ウェハ100のエッジ領域120上に複数の第2スリットSLT2の他に、
図5c及び
図5dに示すように、複数の第3スリットSLT3をさらに形成しようとする場合、複数の第3スリットSLT3は、
図7eを参照して説明した第1スリットSLT1の形成工程の間に第1スリットSLT1と同時に形成されることができる。
図5c及び
図5dに示された複数の第3スリットSLT3は、
図4a及び
図8aに示された複数の第2スリットSLT2のように開口された状態で残留して、後続工程のストレスを緩和するに利用されることができる。これとは異なり、
図5c及び
図5dに示された複数の第3スリットSLT3は、
図4b及び
図8bに示された複数の第2スリットSLT2のようにカバー膜15で構成されたギャップ充填膜で埋められた状態で、後続工程のストレスを緩和するに利用されることができる。または、
図5c及び
図5dに示された複数の第3スリットSLT3は、
図4cに示された複数の第2スリットSLT2のように導電物17、絶縁物18およびカバー膜15で埋められた状態で、後続工程のストレスを緩和するに利用されることができる。
【0072】
図9は、本発明のメモリ装置が適用されたSSD(Solid State Drive)システムを示す図である。
【0073】
図9を参照すると、SSDシステム4000は、ホスト4100およびSSD4200を含む。SSD4200は、信号コネクタ4001を介してホスト4100と信号を受け渡し、電源コネクタ4002を介して電源の入力を受ける。SSD4200は、コントローラ4210、複数のメモリ装置4221~422n、補助電源装置4230、およびバッファメモリ4240を含む。
【0074】
コントローラ4210は、ホスト4100から受信された信号に応答して複数のメモリ装置4221~422nを制御することができる。例示的に、信号は、ホスト4100およびSSD4200のインターフェースに基づいて伝送されることができる。例えば、信号は、USB(Universal Serial Bus)、MMC(multimedia card)、eMMC(embedded MMC)、PCI(peripheral component interconnection)、PCI-E(PCI-express)、ATA(Advanced Technology Attachment)、Serial-ATA、Parallel-ATA、SCSI(small computer system interface)、ESDI(enhanced small disk interface)、IDE(Integrated Drive Electronics)、ファイヤーワイヤー(Firewire)、UFS(Universal Flash Storage)、WIFI、Bluetooth、NVMeなどのようなインターフェイスのうちの少なくとも1つによって定義されることができる。
【0075】
複数のメモリ装置4221~422nは、データを記憶するように構成された複数のメモリセルを含むことができる。複数のメモリ装置4221~422nそれぞれは、
図1に示されたメモリ装置100と同一に構成されることができる。複数のメモリ装置4221~422nは、チャネルCH1~CHnを介してコントローラ4210と通信することができる。
【0076】
補助電源装置4230は、電源コネクタ4002を介してホスト4100と連結される。補助電源装置4230は、ホスト4100から電源電圧の入力を受けて、充電することができる。補助電源装置4230は、ホスト4100からの電源供給が円滑でない場合、SSD4200の電源電圧を提供することができる。例示的に、補助電源装置4230は、SSD4200内に位置しても、SSD4200の外部に位置してもよい。例えば、補助電源装置4230は、メインボードに位置し、SSD4200に補助電源を提供することもできる。
【0077】
バッファメモリ4240は、SSD4200のバッファメモリとして動作する。例えば、バッファメモリ4240は、ホスト4100から受信されたデータまたは複数のメモリ装置4221~422nから受信されたデータを一時記憶するか、メモリ装置4221~422nのメタデータ(例えば、マッピングテーブル)を一時記憶することができる。バッファメモリ4240は、DRAM、SDRAM、DDR SDRAM、LPDDR SDRAMなどのような揮発性メモリまたはFRAM(登録商標)、ReRAM、STT-MRAM、PRAMなどのような不揮発性メモリを含むことができる。
【0078】
図10は、本発明のメモリ装置が適用されたメモリカードシステムを説明するための図である。
【0079】
図10を参照すると、メモリシステム(Memory System)70000は、メモリカード(memory card)またはスマートカード(smart card)で具現されることができる。メモリシステム70000は、メモリ装置1100、コントローラ1200およびカードインターフェース(Card Interface)7100を含むことができる。
【0080】
コントローラ1200は、メモリ装置1100とカードインターフェース7100との間でデータの交換を制御することができる。メモリ装置1100は、
図1に示されたメモリ装置100と同一に構成されることができる。実施例によれば、カードインターフェース7100は、SD(secure digital)カードインターフェースまたはMMC(multi-media card)インターフェースであり得るが、これに限定されるものではない。
【0081】
カードインターフェース7100は、ホスト(HOST)60000のプロトコルに従ってホスト60000とコントローラ1200との間でデータ交換をインターフェースすることができる。実施例によれば、カードインターフェース7100は、USB(Universal Serial Bus)プロトコル、IC(Inter Chip)-USBプロトコルを支援することができる。ここで、カードインターフェース7100は、ホスト60000が使用するプロトコルを支援できるハードウェア、前記ハードウェアに搭載されたソフトウェアまたは信号伝送方式を意味することができる。
【0082】
メモリシステム70000がPC、タブレットPC、デジタルカメラ、デジタルオーディオプレーヤー、携帯電話、コンソールビデオゲームハードウェア、またはデジタルセット-トップボックスのようなホスト60000のホストインターフェース6200と接続されると、ホストインターフェース6200は、マイクロプロセッサ(Microprocessor;μP)6100の制御に従って、カードインターフェース7100とコントローラ1200を介してメモリ装置1100とデータ通信を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
100 ウェハ
110 チップ領域
120 エッジ領域
111 単位チップ領域
121 単位エッジ領域
CS チャンネル構造
SLT1 第1スリット
SC ソースコンタクト
IS スリット絶縁膜
13 上部絶縁膜
15 カバー膜
CT コンタクト構造体
BL ビットライン
BP ビットラインプラグ
UL 上部配線
16 分離絶縁膜
CTP コンタクトプラグ
SLT2 第2スリット
GF ギャップ充填膜
17 導電物
18 絶縁物