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特開2024-108562情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108562
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/60 20130101AFI20240805BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240805BHJP
   G06F 9/44 20180101ALI20240805BHJP
【FI】
G06F21/60 360
G06F21/60 320
G06F3/12 303
G06F3/12 331
G06F3/12 385
G06F9/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012991
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】原田 幸太郎
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AA14
5B376AA21
(57)【要約】
【課題】移行元の電子機器から取得した設定情報が暗号化されている場合でも、暗号化された設定情報を移行先の電子機器に移行できるようにする。
【解決手段】情報処理装置は、第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置であって、前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する管理部と、前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する取得部と、前記第2の電子機器の情報を受け付ける受付部と、前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する送信部と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置であって、
前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する管理部と、
前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する取得部と、
前記第2の電子機器の情報を受け付ける受付部と、
前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する送信部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の電子機器は、第1の画像形成装置であり、
前記第2の電子機器は、前記第1の画像形成装置とは機種が異なる第2の画像形成装置である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の電子機器の情報は、前記第1の画像形成装置の機種を特定する情報を含み、
前記第2の電子機器の情報は、前記第2の画像形成装置の機種を特定する情報を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変換ルールは、前記第1の画像形成装置の機種である第1の機種の設定情報を、前記第2の画像形成装置の機種である第2の機種の設定情報に変換するための変換情報を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信ネットワークを介して通信可能な第1の電子機器と、
を含む情報処理システムであって、
前記第1の電子機器は、
前記第1の電子機器の設定情報を暗号化する暗号化キーの入力を受け付けるUI部と、
前記UI部が受け付けた暗号化キーで暗号化した前記第1の電子機器の設定情報と、前記第1の電子機器の情報とを、前記情報処理装置に送信する情報送信部と、
を有する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信ネットワークを介して通信可能な第2の電子機器と、
を含む情報処理システムであって、
前記第2の電子機器は、
前記情報処理装置から、暗号化された設定情報と変換ルールとを受信する情報受信部と、
前記暗号化された設定情報の暗号化キーの入力を受け付けるUI部と、
前記暗号化された設定情報を前記暗号化キーで復号した第1の設定情報を、前記変換ルールで変換した第2の設定情報を、前記第2の電子機器に設定する設定部と、
を有する、情報処理システム。
【請求項7】
第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置が、
前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する処理と、
前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する処理と、
前記第2の電子機器の情報を受け付ける処理と、
前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する処理と、
を実行する、情報処理方法。
【請求項8】
第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置に、
前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する処理と、
前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する処理と、
前記第2の電子機器の情報を受け付ける処理と、
前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機種が異なる電子機器の間で設定情報の移行を支援する情報処理装置が知られている。例えば、機種が異なる複合機の間で設定情報を移行する際に、移行する機種間で共通の設定情報を抽出し、共通の設定情報のみを移行先の複合機に適用する情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された技術では、移行元の電子機器から取得した設定情報に、暗号化された設定情報が含まれていると、暗号化された設定情報を移行先の電子機器に移行することができない場合がある。
【0004】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、移行元の電子機器から取得した設定情報が暗号化されている場合でも、暗号化された設定情報を移行先の電子機器に移行できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、一実施形態に係る情報処理装置は、第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置であって、前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する管理部と、前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する取得部と、前記第2の電子機器の情報を受け付ける受付部と、前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する送信部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、移行元の電子機器から取得した設定情報が暗号化されている場合でも、暗号化された設定情報を移行先の電子機器に移行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図3】一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る暗号化された設定情報の例を示す図である。
図6】一実施形態に係る暗号化されていない設定情報の例を示す図である。
図7】一実施形態に係る変換ルールの例を示す図である。
図8】一実施形態に係る画像形成装置の機能構成の例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る移行元の画像形成装置の処理の例を示すシーケンス図である。
図10】第1の実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すシーケンス図である。
図11】第1の実施形態に係る移行先の画像形成装置の処理の例を示すシーケンス図である。
図12】第2の実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すシーケンス図である。
図13】第2の実施形態に係る変換ルールの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、インターネット、及びLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク2に接続された情報処理装置10、画像形成装置101、画像形成装置102、及びユーザ端末11等を含む。情報処理システム1は、例えば、ユーザが新たに導入した画像形成装置102に、既存の画像形成装置101の設定情報を移行する移行処理を支援するシステムである。ここで、画像形成装置101と、画像形成装置102とは、例えば、機種、世代、又はオプションの構成等が異なり、設定値の構成に差異があるものとする。
【0009】
なお、画像形成装置101は、設定情報の移行元となる第1の電子機器の一例である。また、画像形成装置102は、設定情報の移行先となる第2の電子機器の一例である。第1の電子機器、及び第2の電子機器は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、又はデジタルサイネージ等の出力装置等であってもよい。また、第1の電子機器、及び第2の電子機器は、例えば、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、又は自動車(Connected Car)であってもよい。
【0010】
ここでは、一例として、第1の電子機器、及び第2の電子機器が、スキャン機能、コピー機能、印刷機能、及びFAX機能等を一つの筐体に搭載したMFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置であるものとして以下の説明を行う。
【0011】
情報処理装置10は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数のコンピュータを含むシステムである。情報処理装置10は、1つ以上のコンピュータで所定のプログラムを実行することにより、画像形成装置101の設定値を、画像形成装置102に移行する移行処理を支援する。
【0012】
画像形成装置101、及び画像形成装置102は、例えば、MFP等の電子機器であり、通信ネットワーク2を介して、情報処理装置10と通信可能に接続されている。
【0013】
ユーザ端末11は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、又はスマートフォン等の情報端末であり、ユーザが、情報処理装置10にログインして、例えば、移行先の画像形成装置102の情報等を入力するために用いられる。
【0014】
(処理の概要)
ユーザが、画像形成装置101で設定情報の移行操作を行うと、画像形成装置101は、画像形成装置101の設定情報を情報処理装置10に送信する。ここで、画像形成装置101の設定情報には、暗号化されていない設定情報と、暗号化された設定情報が含まれているものとする。例えば、画像形成装置101は、ユーザ情報、又はパスワード等の機密情報を暗号化して、情報処理装置10に送信する。
【0015】
情報処理装置10は、画像形成装置101に対応する設定情報の変換ルールを管理している。情報処理装置10は、例えば、ユーザ端末11から、移行先の画像形成装置102の情報を受け付けると、暗号化されていない設定情報を、変換ルールに従って、移行先の画像形成装置102用の設定情報に変換する。一方、情報処理装置10は、暗号化された設定情報を復号する暗号化キーを有していないので、暗号化された設定情報を復号し、画像形成装置102用の設定情報に変換することはできない。なお、情報処理装置10に暗号化キーを入力して、情報処理装置10で暗号化された設定情報を復号することは、情報漏洩のリスクがあり、セキュリティ上望ましくない。
【0016】
そのため、従来の技術では、情報処理装置10が、移行元の画像形成装置101から取得した設定情報に、変更が必要な暗号化された設定情報が含まれている場合、暗号化された設定情報を移行先の画像形成装置102に移行できないという問題がある。
【0017】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置10は、移行先の画像形成装置102用に変換した暗号化されていない設定情報と、暗号化された設定情報と、設定情報の変換ルールとを、移行先の画像形成装置102に送信する機能を有している。
【0018】
画像形成装置102は、例えば、情報処理装置10から受信した暗号化された設定情報と、設定情報の変換ルールを、記憶部等に記憶しておく。また、画像形成装置102は、ユーザによる暗号化キーの入力を受け付けると、入力された暗号化キーを用いて、暗号化された設定情報を復号する。さらに、画像形成装置102は、復号した設定情報を、設定情報の変換ルールを用いて、画像形成装置102用の設定情報に変換し、変換した設定情報を画像形成装置102に設定する。
【0019】
従って、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、移行元の画像形成装置(電子機器)101から取得した設定情報が暗号化されている場合でも、暗号化された設定情報を移行先の画像形成装置(電子機器)102に移行できるようになる。
【0020】
なお、情報処理装置10を用いて設定情報の変換を行うのは、例えば、新機種がリリースされたとき等に、互換性を保つための変換処理を情報処理装置10に追加すればよいためである。例えば、画像形成装置101、102等で変換処理を行う場合、新機種がリリースされるたびに、画像形成装置101、102を含む画像形成装置の各々に対して、変換処理をアップデートすることになる。
【0021】
なお、図1に示した情報処理システム1のシステム構成は一例である。例えば、ユーザは、ユーザ端末11を用いずに、情報処理装置10を直接操作する構成であってもよい。
【0022】
<ハードウェア構成>
続いて、情報処理システム1に含まれる各装置のハードウェア構成について説明する。
【0023】
(情報処理装置、及びユーザ端末のハードウェア構成)
情報処理装置10は、例えば、図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。或いは、情報処理装置10は、複数のコンピュータ200によって構成される。ユーザ端末11は、例えば、図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。
【0024】
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ200は、例えば、図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HD(Hard Disk)204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)207、ネットワークI/F208、キーボード209、ポインティングデバイス210、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ212、メディアI/F214、及びバスライン215等を備えている。
【0025】
これらのうち、CPU201は、所定のプログラムを実行することにより、コンピュータ200全体の動作を制御する。ROM202は、例えば、起動用ファイル等のコンピュータ200の起動に用いられるプログラム、及びデータ等を記憶する。RAM203は、例えば、CPU201のワークエリア等として使用される。HD204は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーション、デバイスドライバ等のプログラムや、各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、例えば、CPU201の制御に従ってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0026】
ディスプレイ206は、例えば、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。なお、ディスプレイ206は、コンピュータ200の外部に設けられていても良い。外部機器接続I/F207は、コンピュータ200に、例えば、外部メモリ等の様々な外部装置を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F208は、例えば、通信ネットワーク2等を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0027】
キーボード209は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス210は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行なう入力手段の一種である。なお、キーボード209、及びポインティングデバイス210は、コンピュータ200の外部に設けられていても良い。
【0028】
DVD-RWドライブ212は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW211に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW211は、DVD-RWに限らず、他の着脱可能な記録媒体であっても良い。メディアI/F214は、フラッシュメモリ等のメディア213に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン215は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0029】
なお、図2に示すコンピュータ200の構成は一例である。コンピュータ200は、例えば、CPU201、ROM202、RAM203、及びネットワークI/F208等を有していれば、他の構成は任意の構成であって良い。
【0030】
(画像形成装置のハードウェア構成)
画像形成装置101、102は、例えば、図3に示すような画像形成装置300のハードウェア構成を有している。
【0031】
図3は、一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。画像形成装置300は、例えば、図3に示されるように、コントローラ310、近距離通信回路320、エンジン制御部330、操作パネル340、ネットワークI/F350、及び外部機器接続I/F360等を備えている。
【0032】
これらのうち、コントローラ310は、コンピュータの主要部であるCPU301、システムメモリ(MEM-P)302、ノースブリッジ(NB)303、サウスブリッジ(SB)304、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)305、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)306、HDDコントローラ307、及び、記憶部であるHD308等を有し、NB303とASIC305との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス311で接続した構成となっている。
【0033】
これらのうち、CPU301は、所定のプログラムを実行することにより、画像形成装置300の全体を制御する制御部である。NB303は、CPU301と、MEM-P302、SB304、及びAGPバス311とを接続するためのブリッジであり、MEM-P302に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0034】
MEM-P302は、コントローラ310の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM302a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM302bとからなる。なお、RAM302bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。また、ROM301aは、起動用ファイル121を記憶する起動用の記憶領域の一例である。
【0035】
SB304は、NB303とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC305は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス311、PCIバス312、HDDコントローラ307、及びMEM-C306をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC305は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC305の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C306を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転などを行なう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部331及びプリンタ部332との間でPCIバス312を介したデータ転送を行なうPCIユニットとからなる。なお、ASIC305には、USBのインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続するようにしても良い。
【0036】
MEM-C306は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD308は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行なうためのストレージである。なお、HD308は、例えば、OS、アプリケーション、デバイスドライバ等のプログラムや、各種データを記憶しても良い。HDDコントローラ307は、CPU301の制御に従ってHD308に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス311は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P302に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0037】
近距離通信回路320は、近距離通信回路用のアンテナ320a等を用いて、各種の近距離無線通信を行なう。エンジン制御部330は、例えば、スキャナ部331及びプリンタ部332等によって構成されている。スキャナ部331は、原稿等を読み取る読取装置である。プリンタ部332は、印刷データを印刷媒体に印刷する印刷装置である。スキャナ部331又はプリンタ部332には、例えば、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれている。
【0038】
操作パネル340は、現在の設定値や選択画面等を表示し、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部340a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作ボタン340bを備えている。コントローラ310は、画像形成装置300全体の制御を行ない、例えば、描画、通信、操作パネル340からの入力等を制御する。
【0039】
なお、画像形成装置300は、例えば、操作パネル340のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。例えば、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0040】
ネットワークI/F350は、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。外部機器接続I/F360は、画像形成装置300に、様々な外部装置を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路320、ネットワークI/F350、及び外部機器接続I/F360は、例えば、PCIバス312を介して、ASIC305に電気的に接続されている。
【0041】
なお、図3に示した画像形成装置300のハードウェア構成は、電子機器のハードウェア構成の一例である。電子機器は、例えば、CPU301、ROM302a、RAM302b、及びネットワークI/F208等を有していれば、他の構成は任意の構成であって良い。
【0042】
<機能構成>
続いて、情報処理装置10、及び画像形成装置101、102の機能構成の例について説明する。
【0043】
(情報処理装置の機能構成)
情報処理装置10は、記憶媒体に記憶した所定のプログラムをCPU201が実行することにより、例えば、通信部401、管理部402、取得部403、受付部404、変換部405、抽出部406、及び送信部407等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0044】
また、情報処理装置10は、例えば、HD204、及びHDDコントローラ205等のストレージデバイスによって実現される記憶部408を有している。
【0045】
通信部401は、例えば、ネットワークI/F208等を用いて、情報処理装置10を通信ネットワーク2に接続し、画像形成装置101、102等の他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0046】
管理部402は、移行元の画像形成装置101(第1の電子機器)に対応する変換ルール411を管理する管理処理を実行する。例えば、管理部402は、変換ルール411を記憶部408に記憶して管理する。なお、管理部402は、外部の記憶装置(例えば、ストレージサーバ、又はクラウドサービス等)に、変換ルール411を記憶して管理するものであってもよい。
【0047】
取得部403は、移行元の画像形成装置101(第1の電子機器)が送信する設定情報を取得する取得処理を実行する。なお、移行元の画像形成装置101が送信する設定情報には、例えば、暗号化していない設定情報、暗号化した設定情報、移行元の画像形成装置101の情報(第1の電子機器の情報)、及びユーザID等が含まれる。また、移行元の画像形成装置101の情報には、例えば、画像形成装置101の機種等を特定するための情報が含まれる。
【0048】
受付部404は、例えば、ユーザ端末11、又はディスプレイ206等に、ログイン画面、又は設定画面等のUI(User Interface)画面を表示して、ユーザが入力した情報を受け付ける受付処理を実行する。例えば、受付部404は、移行先の画像形成装置102の情報(第2の電子機器の情報)を受け付ける。なお、移行先の画像形成装置102の情報には、例えば、画像形成装置102、及び画像形成装置102の機種等を特定するための情報が含まれる。
【0049】
変換部405は、移行元の画像形成装置101に対応する設定情報の変換ルール411に基づいて、暗号化されていない設定情報を、移行先の画像形成装置102用の設定情報に変換する変換処理を実行する。
【0050】
抽出部406は、変換ルール411に複数の画像形成装置に対応する変換ルールが記憶されている場合、変換ルール411から、移行元の画像形成装置101に対応する変換ルールを抽出する抽出処理を実行する。
【0051】
送信部407は、移行先の画像形成装置102(第2の電子機器)に、暗号化された設定情報と、移行元の画像形成装置101(第1の電子機器)に対応する変換ルールとを含む設定情報を送信する送信処理を実行する。
【0052】
記憶部408は、例えば、前述した変換ルール411、及び移行元の画像形成装置101から受信した設定情報等の様々な情報、データ、及びプログラム等を記憶する。
【0053】
(情報処理装置が管理する情報の例)
図5は、一実施形態に係る暗号化された設定情報の例を示す図である。図5(A)は、情報処理装置10が、移行元の画像形成装置101等から取得する設定情報に含まれる、暗号化した設定情報501の一例を示している。
【0054】
移行元の画像形成装置101は、画像形成装置101の設定情報のうち、例えば、ユーザ情報、認証情報、又はネットワーク情報等の機密情報を暗号化して、例えば、図5(A)に示すような暗号化した設定情報501を、情報処理装置10に送信する。
【0055】
画像形成装置101の設定情報は、例えば、図5(A)に示すように、大項目、中項目、及び小項目等に分類され、階層構造となっていてもよい(階層構造となっていなくてもよい)。また、図5(A)の例では、暗号化された設定情報には、例えば、ユーザのID、ユーザのパスワード、画像形成装置101のIPアドレス、及びサブネットマスク等の設定値が、暗号化されて記憶されている。
【0056】
なお、設定情報の暗号化に用いられる暗号化アルゴリズムは、任意の暗号化アルゴリズムであってよい。図5(A)の例では、一例として、暗号化アルゴリズムAES(Advanced Encryption Standard)256を用い、暗号化キーに「test」を指定して暗号化した例を示している。
【0057】
この場合、暗号化した設定情報501を、暗号化に用いた暗号化キー「test」を用いて、AES256で復号することにより、例えば、図5(B)に示すような、復号した設定情報502を得ることができる。
【0058】
図6は、一実施形態に係る暗号化されていない設定情報の例を示す図である。図6は、情報処理装置10が、移行元の画像形成装置101等から取得する設定情報に含まれる、暗号化していない設定情報600の一例を示している。
【0059】
移行元の画像形成装置101は、画像形成装置101の設定情報のうち、例えば、用紙サイズ、紙種、表示言語、又はフォントサイズ等の機密性が低い情報を、暗号化していない設定情報600として、情報処理装置10に送信する。なお、移行元の画像形成装置101は、機密性が低い情報についても、暗号化した設定情報501で、情報処理装置10に送信してもよい。
【0060】
図7は、一実施形態に係る変換ルールの例を示す図である。図7(A)は、暗号化した設定情報の変換ルール411aの一例を示している。暗号化した設定情報の変換ルール411aのうち、大項目ID、大項目、中項目ID、中項目、小項目ID、及び小項目は、設定情報を特定する情報701であり、条件、移行元、移行先、及びルールが、変換ルール702を示している。
【0061】
変換ルール702のうち、「条件」は、例えば、設定情報を特定する情報701で特定された設定情報が、「条件」を満たす場合に、「ルール」を適用することを示している。なお、「条件」が「なし」である場合、無条件で「ルール」を適用する。「移行元」は、移行元の画像形成装置101の機種等を示す情報であり、「移行先」は、移行先の画像形成装置102の機種等を示す情報である。
【0062】
例えば、移行元の画像形成装置101の機種が「機種A」であり、移行先の画像形成装置102の機種が「機種B」であるものとする。また、機種Aのパスワードは「半角8文字以上、256文字以内」であり、機種Bのパスワードは「半角4文字以上、8文字以内」であるものとする。
【0063】
この場合、画像形成装置101に、半角9文字以上のパスワードが設定されていると、画像形成装置101のパスワードを画像形成装置102に移行するときに、文字数が溢れるため、パスワードを移行することができない。
【0064】
そこで、情報処理システム1は、例えば、変換ルール411aに基づいて、画像形成装置101の9文字以上のパスワード(例えば「1234567890」)を、無条件で8文字に切り捨てて、8文字のパスワード(例えば「12345678」)に変換する。これにより、情報処理システム1は、移行元の画像形成装置101の半角9文字以上のパスワードを、移行先の画像形成装置102に移行することができる。
【0065】
図7(B)は、暗号化していない設定情報の変換ルール411bの一例を示している。例えば、移行元の画像形成装置101の機種が「機種A」であり、移行先の画像形成装置102の機種が「機種B」であるものとする。また、機種Aの表示言語は、「日本語」、「英語(英)」、「英語(米)」、及び「仏語」に対応しており、機種Bの表示言語は、「日本語」、及び「英語(米)」に対応しているものとする。
【0066】
この場合、画像形成装置101の表示言語が、「英語(英)」(又は「仏語」)に設定されていると、画像形成装置101の表示言語を画像形成装置102に移行するときに、対応する表示言語がないため、表示言語の設定を移行することができない。
【0067】
そこで、情報処理装置10の変換部405は、例えば、変換ルール411bに基づいて、画像形成装置101の表示言語が、条件「英語(英)」を満たす場合、ルール「英語(米)に置換」に従って、表示言語を「英語(米)」に置換する。これにより、変換部405は、移行元の画像形成装置101の表示言語「英語(英)」を、移行先の画像形成装置102に、表示言語「英語(米)」として移行できるようになる。
【0068】
なお、図7(A)、(B)の例では、変換ルール411a、411bの「ルール」が、日本語で記載されているが、ルールの記載は、例えば、図7(C)に示すように、ルールを実行する「変換コマンド」で記載されていてもよい。図7(C)の例では、変換コマンド「cut -c 1-8」は、Unix(登録商標)のシェルコマンドとして動作し、ルール「先頭8文字に切り捨て」を実行するコマンドである。同様に、変換コマンド「sed -e 's/^2$/3/'」は、Unixのシェルコマンドとして動作し、ルール「英語(英)(id=2)を英語(米)(id=3)に置換」を実行するコマンドである。
【0069】
さらに、変換ルール411a、411bの「ルール」は、例えば、関数、又はスクリプト等で処理内容が定義されているもの等であってもよい。なお、図7に示した変換ルール411a、411bは一例であり、様々な変形、又は応用が可能である。
【0070】
(画像形成装置の機能構成)
画像形成装置101、102は、記憶媒体に記憶した所定のプログラムをCPU301が実行することにより、例えば、通信部801、UI部802、情報送信部803、暗号化部804、情報受信部805、復号部806、変換部807、及び設定部808等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0071】
また、画像形成装置101、102は、例えば、HD308、及びHDDコントローラ307等のストレージデバイスによって実現される記憶部809を有している。
【0072】
通信部401は、例えば、ネットワークI/F305等を用いて、画像形成装置101、102を通信ネットワーク2に接続し、情報処理装置10等の他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0073】
UI部802は、例えば、ログイン画面、設定画面、又は操作画面等のUI画面を操作パネル340等に表示し、ユーザが入力したログイン情報、設定情報、又は操作情報等を受け付けるUI処理を実行する。例えば、UI部802は、設定情報を暗号化するための暗号化キー、又は暗号化された設定情報を復号するための暗号化キーの入力を受け付ける。
【0074】
情報送信部803は、例えば、UI部802が受け付けた暗号化キーで暗号化した、移行元の画像形成装置101の設定情報と、画像形成装置101の情報とを含む設定情報を、情報処理装置10に送信する情報送信処理を実行する。
【0075】
暗号化部804は、移行元の画像形成装置101の設定情報を、UI部802が受け付けた暗号化キーで暗号化する暗号化処理を実行する。
【0076】
情報受信部805は、情報処理装置10から送信される、暗号化された設定情報と、変換ルールとを含む設定情報を受信する情報受信処理を実行する。
【0077】
復号部806は、情報受信部805が受信した暗号化された設定情報を、UI部802が受け付けた暗号化キーで復号する復号処理を実行する。
【0078】
変換部807は、復号部806が復号した設定情報を、情報受信部805が受信した変換ルールで、移行先の画像形成装置102用の設定情報に変換する変換処理を実行する。
【0079】
設定部808は、変換部807が変換した移行先の画像形成装置102用の設定情報等を、移行先の画像形成装置102に設定する設定処理を実行する。
【0080】
記憶部809は、例えば、情報受信部805が受信した設定情報等の様々なデータ、情報、及びプログラム等を記憶する。
【0081】
図8に示した機能構成により、画像形成装置101、102は、移行元の画像形成装置101、又は移行先の画像形成装置102として機能する。なお、移行元の画像形成装置101は、図8に示した機能構成のうち、例えば、情報受信部805、復号部806、変換部807、及び設定部808等を有していなくてもよい。また、移行先の画像形成装置102は、図8に示した機能構成のうち、例えば、情報送信部803、及び暗号化部804等を有していなくてもよい。
【0082】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る情報処理方法の処理の流れについて説明する。
【0083】
[第1の実施形態]
(移行元の画像形成装置の処理)
図9は、第1の実施形態に係る移行元の画像形成装置の処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、図8に示すような機能構成を有する、移行元の画像形成装置101(第1の電子機器)が実行する処理の例を示している。
【0084】
ステップS901において、情報処理システム1において管理者の権限を有するユーザが、移行元の画像形成装置101に対してログイン操作を行うものとする。このログイン操作は、例えば、UI部802が表示するログイン画面に対して、ユーザIDとパスワードを入力するものであってもよいし、ICカード認証、又は生体認証等によりログイン操作を行うものであってもよい。
【0085】
ステップS902、S903において、画像形成装置101のUI部802は、管理者の権限を有するユーザのログインを受け付けると、設定情報を移行するための設定移行操作を受け付ける設定画面を表示する。
【0086】
ステップS904において、ユーザは、表示された設定画面に対して、設定移行操作を行う。例えば、ユーザは、設定画面に表示された設定移行ボタンを選択し、暗号化キーの入力欄に暗号化キーを入力する。
【0087】
ステップS905において、UI部802は、例えば、ユーザが入力した暗号化キー、及びユーザIDを含む設定移行要求を、情報送信部803に通知する。
【0088】
ステップS906において、画像形成装置101の情報送信部803は、移行元の画像形成装置101の設定情報を取得する。
【0089】
ステップS907において、情報送信部803は、暗号化部804に対して、取得した設定情報の暗号化を要求する暗号化要求を暗号化部804に通知する。この暗号化要求には、例えば、UI部802から通知された暗号化キーが含まれる。
【0090】
好ましくは、情報送信部803は、取得した設定情報のうち、予め設定された設定情報(例えば、ユーザ情報、ネットワーク情報等)の暗号化を、暗号化部804に要求する。
【0091】
ステップS908において、暗号化部804は、要求された設定情報を、暗号化キーで暗号化し、暗号化した設定情報を情報送信部803に通知する。これにより、情報送信部803は、例えば、図5(A)に示すような、暗号化した設定情報501を取得することができる。
【0092】
ステップS909において、情報送信部803は、設定情報の送信を要求する送信要求を通信部801に通知する。ここで、設定情報には、例えば、図6に示すような暗号化されていない設定情報、図5(A)に示すような暗号化された設定情報、及びユーザID等の情報が含まれる。
【0093】
ステップS910、S911において、通信部801は、情報送信部803から通知された設定情報に、移行元の画像形成装置101の情報を追加して、情報処理装置10へ送信する。ここで、移行元の画像形成装置101の情報には、画像形成装置101の機種等を特定するための情報(例えば、機種名、機種ID、又は装置ID等)が含まれる。
【0094】
なお、設定情報に、移行元の画像形成装置101の情報を追加する処理は、情報送信部803が実行してもよい。
【0095】
図9の処理により、移行元の画像形成装置101は、情報処理装置10に対して、暗号化していない設定情報、暗号化した設定情報、ユーザID、及び画像形成装置101の情報等を含む設定情報を送信する。
【0096】
(情報処理装置の処理)
図10は、一実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、移行元の画像形成装置101が、図9で説明した処理を実行した後に、情報処理装置10が実行する処理の一例を示している。
【0097】
ステップS1001において、情報処理装置10の通信部401は、図9のステップS911で、移行元の画像形成装置101が送信した設定情報を受信する。
【0098】
ステップS1002、S1003において、情報処理装置10の取得部403は、通信部401が受信した設定情報を取得し、取得した設定情報を記憶部408等に記憶する。この設定情報には、前述したように、暗号化されていない設定情報、及び暗号化された設定情報に加えて、ユーザID、及び移行元の画像形成装置101の情報等が含まれる。
【0099】
ステップS1001~S1003の処理を実行した後に、ステップS1011において、情報処理装置10の受付部404が、ユーザのログインを受け付けると、情報処理装置10は、ステップS1012以降の処理を実行する。ここで、ログインを受け付けたユーザは、図9のステップS901で、移行元の画像形成装置101にログインしたユーザと同じユーザであるものとする。
【0100】
ステップS1012において、受付部404は、移行先の画像形成装置102の情報を取得する。この移行先の画像形成装置102の情報には、例えば、移行先の画像形成装置102、及び画像形成装置102の機種を特定する情報が含まれているものとする。
【0101】
ステップS1013、S1014において、受付部404は、ログインしたユーザのユーザIDを用いて、記憶部408から、ユーザIDに対応する設定情報を取得する。なお、記憶部408に、ユーザIDに対応する設定情報が複数ある場合、受付部404は、ユーザIDに対応する設定情報の一覧を表示し、ユーザに、取得する設定情報を選択させてもよい。
【0102】
ステップS1015において、受付部404は、取得した設定情報に、ステップS1012で受け付けた移行先の画像形成装置102の情報を付加して、送信部407に通知する。
【0103】
ステップS1016において、情報処理装置10の送信部407は、移行元の画像形成装置101に対応する変換ルール411を取得する。例えば、送信部407は、記憶部408等から、図7(A)に示すような、暗号化した設定情報の変換ルール411a、及び図7(B)に示すような、暗号化していない設定情報の変換ルール411b等を取得する。
【0104】
ステップS1017において、送信部407は、変換部405を用いて、受付部404から通知された設定情報に含まれる、暗号化されていない設定情報を、移行先の画像形成装置102用の設定情報に変換する。例えば、変換部405は、図7(B)に示すような、暗号化していない設定情報の変換ルール411bを用いて、図6に示すような、暗号化されていない設定情報600を、移行先の画像形成装置102用の設定情報に変換する。
【0105】
ステップS1018において、送信部407は、設定情報の送信を要求する送信要求を、通信部401に通知する。ここで、送信を要求する設定情報には、例えば、ステップS1017で変換した暗号化されていない設定情報、暗号化した設定情報、暗号化した設定情報の変換ルール411a、ユーザID、及び移行先の画像形成装置102の情報等が含まれる。
【0106】
ステップS1019において、通信部401は、送信部407から要求された設定情報を、移行先の画像形成装置102へ送信する。
【0107】
図10の処理により、情報処理装置10は、移行先の画像形成装置102に対して、暗号化していない設定情報、暗号化した設定情報、暗号化した設定情報の変換ルール411a、及びユーザID等を含む設定情報を送信する。
【0108】
(移行先の画像形成装置の処理)
図11は、第1の実施形態に係る移行先の画像形成装置の処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、情報処理装置10が、図10で説明した処理を実行した後に、移行先の画像形成装置102が実行する処理の例を示している。
【0109】
ステップS1101において、移行先の画像形成装置102の通信部801は、図10のステップS1019で、情報処理装置10が送信した設定情報を受信する。
【0110】
ステップS1102、S1103において、画像形成装置102の情報受信部805は、通信部801が受信した設定情報を取得し、取得した設定情報を記憶部809等に記憶する。この設定情報には、前述したように、暗号化していない設定情報、及び暗号化した設定情報に加えて、ユーザID、及び暗号化した設定情報の変換ルール411a等が含まれる。
【0111】
ステップS1101~S1103の処理を実行した後に、ステップS1111、S1112において、画像形成装置102のUI部802が、ユーザのログインを受け付けると、画像形成装置102は、ステップS1113以降の処理を実行する。ここで、ログインを受け付けたユーザは、図9のステップS901で、移行元の画像形成装置101にログインしたユーザと同じユーザであるものとする。
【0112】
ステップS1113、S1114において、UI部802は、ログインしたユーザのユーザIDを用いて、記憶部809から、ユーザIDに対応する設定情報を取得する。なお、記憶部809に、ユーザIDに対応する設定情報が複数ある場合、UI部802は、ユーザIDに対応する設定情報の一覧を表示し、ユーザに、取得する設定情報を選択させてもよい。
【0113】
ステップS1115において、UI部802は、暗号化された設定情報を復号するための暗号化キーの設定を受け付ける設定画面を表示する。
【0114】
ステップS1116、S1117において、UI部802は、ユーザによる暗号化キーの設定操作を受け付けると、取得した設定情報と、受け付けた暗号化キーとを含む設定要求を、設定部808に通知する。ここで、取得した設定情報には、前述したように、暗号化していない設定情報、暗号化した設定情報、ユーザID、及び暗号化した設定情報の変換ルール411a等が含まれる。
【0115】
ステップS1118において、設定部808は、復号部806を用いて、暗号化した設定情報を、暗号化キーで復号する。例えば、設定部808は、図5(A)に示すような、暗号化した設定情報501を、暗号化キーで復号して、図5(B)に示すような復号した設定情報502を得る。
【0116】
ステップS1119において、設定部808は、変換部807を用いて、復号した設定情報を、変換ルール411aで変換する。例えば、設定部808は、図5(B)に示すような復号した設定情報502を、図7(A)に示すような、暗号化した設定情報の変換ルール411aを用いて、移行先の画像形成装置102用の設定情報に変換する。
【0117】
ステップS1120において、設定部808は、ステップS1117で受け付けた設定情報に含まれる暗号化されていない設定情報、及びステップS1119で変換した設定情報を、画像形成装置102に設定する。
【0118】
図9~11の処理により、情報処理システム1は、移行元の画像形成装置101の設定情報を、移行先の画像形成装置102に移行することができる。
【0119】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、情報処理装置10が管理する変換ルール411に、複数の移行元の画像形成装置101に対応する変換ルール、及び複数の移行先の画像形成装置102に対応する変換ルールが含まれている場合の処理の例について説明する。
【0120】
<処理の流れ>
図12は、第2の実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すシーケンス図である。なお、図12に示した処理のうち、ステップS1001~S1003、S1011~S1015、S1019の処理は、図10で説明した第1の実施形態に係る情報処理装置の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0121】
ステップS1201において、情報処理装置10の送信部407は、受付部404から設定情報を受け付けると、抽出部406を用いて、例えば、図13に示すような変換ルール411から、移行元の画像形成装置101に対応する変換ルールを抽出する。
【0122】
図13は、第2の実施形態に係る変換ルールの例を示す図である。図13に示すように、第2の実施形態に係る変換ルール411には、複数の移行元(機種A、機種B)、及び複数の移行先(機種B、機種C)の変換ルールが含まれている。
【0123】
例えば、移行元の画像形成装置101が「機種A」である場合、抽出部406は、図13に示すような変換ルール411から、移行元が「機種A」となっている変換ルールを抽出する。このように、移行先の機種に関係なく、移行元が「機種A」となっている全ての変換ルールを移行先の画像形成装置102に送信することにより、変換ルールのデータサイズは大きくなるが、処理を簡略化できる効果がある。
【0124】
ステップS1202において、送信部407は、変換部405を用いて、受付部404から通知された設定情報に含まれる、暗号化されていない設定情報を、移行先の画像形成装置102用の設定情報に変換する。
【0125】
ステップS1203において、送信部407は、設定情報の送信を要求する設定情報の送信要求を、通信部401に通知する。ここで、送信を要求する設定情報には、例えば、ステップS1202で変換した暗号化していない設定情報、暗号化した設定情報、ステップS1201で抽出した変換ルール、ユーザID、及び移行先の情報等が含まれる。
【0126】
このように、第2の実施形態によれば、変換ルール411に、複数の移行元の画像形成装置101に対応する変換ルール、及び複数の移行先の画像形成装置102に対応する変換ルールが含まれている場合でも、処理を簡略化することができる。
【0127】
以上、本発明の各実施形態に係る情報処理システム1によれば、移行元の電子機器から取得した設定情報が暗号化されている場合でも、暗号化された設定情報を移行先の電子機器に移行できるようになる。
【0128】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0129】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。ある実施形態では、情報処理装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0130】
また、情報処理装置10は、1つの装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。さらに、情報処理装置10、及び画像形成装置101、102の機能構成のうち、少なくとも一部は、外部のクラウドサービス等を利用して実行するものであってもよい。
【0131】
<付記>
本明細書には、下記の各項の情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムが開示されている。
(第1項)
第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置であって、
前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する管理部と、
前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する取得部と、
前記第2の電子機器の情報を受け付ける受付部と、
前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する送信部と、
を有する、情報処理装置。
(第2項)
前記第1の電子機器は、第1の画像形成装置であり、
前記第2の電子機器は、前記第1の画像形成装置とは機種が異なる第2の画像形成装置である、
第1項に記載の情報処理装置。
(第3項)
前記第1の電子機器の情報は、前記第1の画像形成装置の機種を特定する情報を含み、
前記第2の電子機器の情報は、前記第2の画像形成装置の機種を特定する情報を含む、
第2項に記載の情報処理装置。
(第4項)
前記変換ルールは、前記第1の画像形成装置の機種である第1の機種の設定情報を、前記第2の画像形成装置の機種である第2の機種の設定情報に変換するための変換情報を含む、第2項又は第3項に記載の情報処理装置。
(第5項)
第1項~第4項のいずれかに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信ネットワークを介して通信可能な第1の電子機器と、
を含む情報処理システムであって、
前記第1の電子機器は、
前記第1の電子機器の設定情報を暗号化する暗号化キーの入力を受け付けるUI部と、
前記UI部が受け付けた暗号化キーで暗号化した前記第1の電子機器の設定情報と、前記第1の電子機器の情報とを、前記情報処理装置に送信する情報送信部と、
を有する、情報処理システム。
(第6項)
第1項~第5項のいずれかに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信ネットワークを介して通信可能な第2の電子機器と、
を含む情報処理システムであって、
前記第2の電子機器は、
前記情報処理装置から、暗号化された設定情報と変換ルールとを受信する情報受信部と、
前記暗号化された設定情報の暗号化キーの入力を受け付けるUI部と、
前記暗号化された設定情報を前記暗号化キーで復号した第1の設定情報を、前記変換ルールで変換した第2の設定情報を、前記第2の電子機器に設定する設定部と、
を有する、情報処理システム。
(第7項)
第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置が、
前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する処理と、
前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する処理と、
前記第2の電子機器の情報を受け付ける処理と、
前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する処理と、
を実行する、情報処理方法。
(第8項)
第1の電子機器から第2の電子機器への設定情報の移行を支援する情報処理装置に、
前記第1の電子機器に対応する設定情報の変換ルールを管理する処理と、
前記第1の電子機器から、暗号化された設定情報と前記第1の電子機器の情報を取得する処理と、
前記第2の電子機器の情報を受け付ける処理と、
前記第2の電子機器に、前記暗号化された設定情報と前記第1の電子機器に対応する前記変換ルールとを送信する処理と、
を実行させる、プログラム。
【0132】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 情報処理システム
2 通信ネットワーク
10 情報処理装置
101 画像形成装置(第1の電子機器、第1の画像形成装置)
102 画像形成装置(第2の電子機器、第2の画像形成装置)
200 コンピュータ
300 画像形成装置
402 管理部
403 取得部
404 受付部
407 送信部
411、411a、411b 変換ルール
802 UI部
803 情報送信部
805 情報受信部
808 設定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【特許文献1】特開2017-216530号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13