(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108621
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】基板処理システム、および基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013073
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】パク ギョンミン
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信峰
(72)【発明者】
【氏名】赤間 俊紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀征
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA32
5F131CA42
5F131DA02
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DD03
5F131EA03
5F131EB11
(57)【要約】
【課題】基板およびリングの搬送において処理を効率化できる技術を提供する。
【解決手段】基板処理システムは、処理モジュールと、搬送ロボットを有する真空搬送モジュールと、制御部と、を備える。処理モジュールは、処理容器と、載置台と、基板を昇降させる第1リフタと、リングを昇降させる第2リフタと、を含む。制御部は、搬送ロボットにより基板およびリングを同時に搬送し、かつ少なくとも第2リフタを昇降させることで、載置台への基板およびリングの載置、または載置台からの基板およびリングの取り出しを行う同時搬送モードと、搬送ロボットにより基板を単独で搬送し、かつ第1リフタを昇降させることで、載置台への基板の載置、または載置台から基板の取り出しを行う単独搬送モードと、選択的に実施するように制御する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理モジュールと、
前記処理モジュールに接続され、前記基板、および前記基板の周囲に配置されるリングを搬送可能な搬送ロボットを有する真空搬送モジュールと、
制御部と、を備える基板処理システムであって、
前記処理モジュールは、
前記基板を収容可能な処理容器と、
前記処理容器の内部に設けられ、前記基板および前記リングを支持する載置台と、
前記基板を昇降させる第1リフタと、
前記リングを昇降させる第2リフタと、を含み、
前記制御部は、
前記搬送ロボットにより前記基板および前記リングを同時に搬送し、かつ少なくとも前記第2リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板および前記リングの載置、または前記載置台からの前記基板および前記リングの取り出しを行う同時搬送モードと、前記搬送ロボットにより前記基板を単独で搬送し、かつ前記第1リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板の載置、または前記載置台から前記基板の取り出しを行う単独搬送モードと、を選択的に実施するように制御する、
基板処理システム。
【請求項2】
前記同時搬送モードにおいて、前記搬送ロボットは、一のフォークにより前記基板および前記リングを支持して搬送する、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記真空搬送モジュールに接続され、前記リングの内側に前記基板を配置することで、前記基板および前記リングを組み合わせるための作業部を有する、
請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記作業部は、前記リングを複数収納するリング収納モジュールの内部または前記リング収納モジュールの隣接位置に設けられる、
請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記作業部は、前記真空搬送モジュールに接続され、大気圧雰囲気と真空雰囲気に切り替え可能なロードロックモジュールの内部に設けられる、
請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記基板および前記リングを支持した前記一のフォークを前記処理容器の内部に搬入し、
前記第1リフタを上昇させることにより前記基板を支持し、
前記第2リフタを上昇させることにより前記リングを支持し、
前記第1リフタおよび前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記処理容器の内部において、前記リングを前記載置台に載置した後に、前記基板を前記載置台に載置する、
請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記基板は、ダミー基板である、
請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記リングは、鉛直方向下側に向かって小径となるテーパ面を内側に有し、
前記搬送ロボットは、前記テーパ面により前記基板を支持して、前記基板および前記リングを搬送する、
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第2リフタを上昇させることにより、前記基板および前記リングを支持し、
前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記載置台に前記基板を載置する前に、前記第2リフタに支持された前記リングに前記基板を載せることで、前記テーパ面に沿って前記基板の位置を調整する、
請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記基板は、ダミー基板である、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記同時搬送モードにおいて、前記搬送ロボットは、一のフォークにより前記基板を支持して搬送すると共に、他のフォークにより前記リングを支持して搬送する、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項14】
前記制御部は、
前記基板を支持した前記一のフォーク、前記リングを支持した前記他のフォークを前記処理容器の内部に同時に搬入し、
前記第1リフタを上昇させることにより前記基板を支持し、
前記第2リフタを上昇させることにより前記リングを支持し、
前記第1リフタおよび前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
請求項13に記載の基板処理システム。
【請求項15】
前記制御部は、前記処理容器の内部において、前記リングを前記載置台に載置した後に前記基板を前記載置台に載置する、
請求項14に記載の基板処理システム。
【請求項16】
前記リングは、鉛直方向下側に向かって小径となるテーパ面を内側に有し、
前記制御部は、
前記載置台に前記基板を載置する前に、前記第2リフタに支持された前記リングに前記基板を載せることで、前記テーパ面に沿って前記基板の位置を調整する、
請求項14に記載の基板処理システム。
【請求項17】
前記制御部は、
前記第2リフタを上昇させることにより、前記基板および前記リングを支持し、前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
請求項16に記載の基板処理システム。
【請求項18】
前記基板は、ダミー基板である、
請求項14に記載の基板処理システム。
【請求項19】
基板を処理する処理モジュールと、
前記処理モジュールに接続され、前記基板、および前記基板の周囲に配置されるリングを搬送可能な搬送ロボットを有する真空搬送モジュールと、を備える基板処理システムの基板搬送方法であって、
前記処理モジュールは、
前記基板を収容可能な処理容器と、
前記処理容器の内部に設けられ、前記基板および前記リングを支持する載置台と、
前記基板を昇降させる第1リフタと、
前記リングを昇降させる第2リフタと、を含み、
前記基板搬送方法では、
(A)前記搬送ロボットにより前記基板および前記リングを同時に搬送し、かつ少なくとも前記第2リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板および前記リングの載置、または前記載置台からの前記基板および前記リングの取り出しを行う工程と、
(B)前記搬送ロボットにより前記基板を単独で搬送し、かつ前記第1リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板の載置、または前記載置台から前記基板の取り出しを行う工程と、を選択的に実施する、
基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システム、および基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板処理システムにおいて、基板を載置する載置台の周囲にリング(例えば、エッジリングやフォーカスリング)を配置して、プラズマ処理等の基板処理を行う技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、エッジリングにウエハ(基板)を載置した状態で、エッジリングを支持する複数の支持ピンを下降することにより、ウエハおよびエッジリングを静電チャック(載置台)に載置する技術が開示されている。また、特許文献2には、搬送装置の一のピックによりウエハを搬送し、さらにフォーカスリングの交換時に当該一のピックを利用してフォーカスリングを搬送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-205382号公報
【特許文献2】特開2018-10992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、基板およびリングの搬送において処理を効率化できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、基板を処理する処理モジュールと、前記処理モジュールに接続され、前記基板、および前記基板の周囲に配置されるリングを搬送可能な搬送ロボットを有する真空搬送モジュールと、制御部と、を備える基板処理システムであって、前記処理モジュールは、前記基板を収容可能な処理容器と、前記処理容器の内部に設けられ、前記基板および前記リングを支持する載置台と、前記基板を昇降させる第1リフタと、前記リングを昇降させる第2リフタと、を含み、前記制御部は、前記搬送ロボットにより前記基板および前記リングを同時に搬送し、かつ少なくとも前記第2リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板および前記リングの載置、または前記載置台からの前記基板および前記リングの取り出しを行う同時搬送モードと、前記搬送ロボットにより前記基板を単独で搬送し、かつ前記第1リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板の載置、または前記載置台から前記基板の取り出しを行う単独搬送モードと、を選択的に実施するように制御する、基板処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、基板およびリングの搬送において処理を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る基板処理システムの一例を示す図である。
【
図2】プラズマ処理装置の一例を示す概略断面図である。
【
図4】
図4(A)は、搬送ロボットによる基板およびリングの保持状態を示す平面図である。
図4(B)は、搬送ロボットによる基板およびリングの保持状態を示す側面断面図である。
図4(C)は、第1変形例に係る搬送ロボットによる基板およびリングの保持状態を示す側面断面図である。
図4(D)は、第2変形例に係る搬送ロボットによる基板およびリングの保持状態を示す側面断面図である。
【
図5】
図5(A)~
図5(D)は、基板およびリングの交換時の動作を示す第1~第4動作図である。
【
図6】
図6(A)~
図6(D)は、基板およびリングの交換時の動作を示す第5~第8動作図である。
【
図7】
図7(A)~
図7(C)は、基板およびリングを同時搬送する場合の経路の例を示す第1~第3平面図である。
【
図8】リング収納モジュールを概略的に示す側面断面図である。
【
図9】
図9(A)~
図9(D)は、基板およびリングの組み合わせ作業を示す第1~第4動作図である。
【
図10】
図10(A)~
図10(D)は、基板およびリングの組み合わせ作業を示す第5~第8動作図である。
【
図11】
図11(A)~
図11(D)は、基板およびリングの搬入時における位置合わせの動作を示す第1~第4動作図である。
【
図12】
図12(A)および
図12(B)は、基板およびリングの搬入時における位置合わせの動作を示す第5および第6動作図である。
【
図13】基板処理システムが実施する基板搬送方法の一例を示すフローチャートである。
【
図14】第1応用例に係る基板搬送方法を示すフローチャートである。
【
図15】第2応用例に係る基板搬送方法を示すフローチャートである。
【
図16】
図16(A)~
図16(D)は、他の実施形態に係る基板搬送方法を示す第1~第4動作図である。
【
図17】他の実施形態に係る基板処理システムを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
[基板処理システム]
図1を参照し、実施形態に係る基板処理システムPSについて説明する。
図1は、実施形態に係る基板処理システムPSの一例を示す図である。
図1に示すように、基板処理システムPSは、プラズマ処理等の各種処理を基板Wに施すことが可能なシステムである。基板Wは、例えば、シリコンウエハ、もしくは化合物半導体ウエハ等の半導体基板、またはガラス基板があげられる。
【0011】
基板処理システムPSは、真空搬送モジュールTMと、複数の処理モジュールPM1~PM7と、リング収納モジュールRSMと、複数のロードロックモジュールLL1、LL2と、大気搬送モジュールLMと、ロードポートLP1~LP4と、アライナANと、制御部CUとを有する。真空搬送モジュールTMは、トランスファモジュールとも称される。処理モジュールPM1~PM7は、プロセスモジュールとも称される。リング収納モジュールRSMは、リングストッカモジュールとも称される。大気搬送モジュールLMは、ローダモジュールとも称される。
【0012】
真空搬送モジュールTMは、平面視において四角形状を有する。真空搬送モジュールTMには、処理モジュールPM1~PM7と、ロードロックモジュールLL1、LL2と、リング収納モジュールRSMとが接続される。真空搬送モジュールTMは、真空搬送室を有する。真空搬送室の内部は、真空雰囲気に維持される。真空搬送室(真空搬送モジュールTMの内部)には、搬送ロボットTR1が設けられる。
【0013】
搬送ロボットTR1は、旋回、伸縮、昇降自在に構成される。搬送ロボットTR1は、複数の搬送アームのうち末端の搬送アームに、エンドエフェクタである第1フォークFK1および第2フォークFK2を有する。例えば、第1フォークFK1は、末端の搬送アームの上側に連結され、第2フォークFK2は、末端の搬送アームの下側に連結される。第1フォークFK1および第2フォークFK2は、処理モジュールPM1~PM7と、ロードロックモジュールLL1、LL2と、リング収納モジュールRSMとの間で、基板Wおよびリング113を搬送する。
【0014】
第1フォークFK1には、位置検出センサS1が設けられる。第2フォークFK2には、位置検出センサS2が設けられる。位置検出センサS1、S2は、搬送ロボットTR1に保持する前の基板Wの位置またはリング113の位置を検出する。あるいは、位置検出センサS1、S2は、処理モジュールPM1~PM7に載置された基板Wの位置を検出する。位置検出センサS1、S2としては、例えば、光学式の変位センサ、カメラ等を適用し得る。
【0015】
真空搬送モジュールTMは、位置検出センサS11、S12を備えてもよい。位置検出センサS11、S12は、真空搬送モジュールTMから処理モジュールPM1に搬送する基板Wおよびリング113の搬送経路上に設けられる。例えば、位置検出センサS11、S12は、真空搬送モジュールTMにおいて、処理モジュールPM1を仕切るゲートバルブ(不図示)の近傍に設けられる。位置検出センサS11、S12は、互いの距離が基板Wの外径、およびリング113の内径よりも小さくなるように配置される。位置検出センサS11、S12は、真空搬送モジュールTMと処理モジュールPM1との間で、基板Wまたはリング113を搬入出する際に、基板Wの外縁またはリング113のエッジ(外縁、内縁)を検出する。真空搬送モジュールTMは、位置検出センサS11、S12と同様に、処理モジュールPM2~PM7の近傍に位置検出センサS21、S22、S31、S32、S41、S42、S51、S52、S61、S62、S71、S72を備えてもよい。また、真空搬送モジュールTMは、リング収納モジュールRSMの近傍に位置検出センサSR1、SR2を備えてもよい。
【0016】
処理モジュールPM1~PM7は、真空搬送モジュールTMに接続される。処理モジュールPM1~PM7は、真空処理室を有する。真空処理室の内部には、基板Wおよびリング113を載置可能な載置台11(
図2参照)が設けられる。処理モジュールPM1~PM7は、載置台11の上に基板Wが載置された後、内部を減圧して処理ガスを導入し、RF電力を印加してプラズマを生成し、プラズマによって基板Wにプラズマ処理を施す。真空搬送モジュールTMと処理モジュールPM1~PM7とは、開閉自在なゲートバルブ(不図示)で仕切られる。なお、処理モジュールPM1~PM7は、プラズマ処理以外の基板処理(熱処理等)を基板Wに施す装置でもよい。
【0017】
リング収納モジュールRSMは、リング113を複数収納する装置の一例であり、真空搬送モジュールTMに接続される。リング113は、搬送ロボットTR1によって、処理モジュールPM1~PM7とリング収納モジュールRSMとの間で搬送される。なお、基板処理システムPSは、複数のリング113(例えば、内側リング、外側リング等)を組み付けたリングアッセンブリとして、基板Wの周囲に配置されてもよい。真空搬送モジュールTMとリング収納モジュールRSMとは、開閉自在なゲートバルブ(不図示)で仕切られる。
【0018】
ロードロックモジュールLL1、LL2は、真空搬送モジュールTMと大気搬送モジュールLMとの間に設けられる。ロードロックモジュールLL1、LL2は、真空搬送モジュールTMおよび大気搬送モジュールLMに接続される。ロードロックモジュールLL1、LL2は、真空と大気圧との間で切り換え可能な内圧可変室を内部に有する。内圧可変室には、基板Wを載置可能なステージ(不図示)が設けられる。ロードロックモジュールLL1、LL2は、大気搬送モジュールLMから真空搬送モジュールTMへ基板Wを搬送する場合、内圧可変室を大気圧に維持して大気搬送モジュールLMから基板Wを受け取り、その後に内圧可変室を減圧して真空搬送モジュールTMへ基板Wを渡す。ロードロックモジュールLL1、LL2は、真空搬送モジュールTMから大気搬送モジュールLMへ基板Wを搬送する場合、内圧可変室を真空に維持して真空搬送モジュールTMから基板Wを受け取り、その後に内圧可変室を大気圧まで昇圧して大気搬送モジュールLMへ基板Wを渡す。ロードロックモジュールLL1、LL2と真空搬送モジュールTMとは、開閉自在なゲートバルブ(不図示)で仕切られる。ロードロックモジュールLL1、LL2と大気搬送モジュールLMとは、開閉自在なゲートバルブ(不図示)で仕切られる。
【0019】
大気搬送モジュールLMは、真空搬送モジュールTMに対向して設けられる。大気搬送モジュールLMは、例えば、EFEM(Equipment Front End Module)であってよい。大気搬送モジュールLMは、平面視において四角形状を有する。大気搬送モジュールLMは、大気搬送室を有する。大気搬送室の内部は、大気圧雰囲気に維持される。大気搬送室の内部には、搬送ロボットTR2が設けられる。搬送ロボットTR2は、旋回、伸縮、昇降自在に構成される。搬送ロボットTR2も、搬送ロボットTR1と同様に、基板Wを保持して搬送可能な2つのフォーク(第1フォーク、第2フォーク)を有する。搬送ロボットTR2は、ロードポートLP1~LP4と、アライナANと、ロードロックモジュールLL1、LL2との間で、基板Wを保持して搬送する。大気搬送モジュールLMは、清浄化したエアを大気搬送室に流通させるFFU(Fan Filter Unit)を有してもよい。
【0020】
ロードポートLP1~LP4は、大気搬送モジュールLMに接続される。ロードポートLP1~LP4には、複数の基板収納容器CSが載置される。基板収納容器CSは、複数(例えば、25枚)の基板Wを収納するFOUP(Front-Opening Unified Pod)であってよい。
【0021】
アライナANは、大気搬送モジュールLMに接続される。アライナANは、搬送ロボットTR2と協働して基板Wの位置の調整を行うように構成される。アライナANは、大気搬送室の内部に設けられてもよい。
【0022】
[プラズマ処理装置]
次に、
図2および
図3を参照して、
図1の処理モジュールPM1~PM7に適用されるプラズマ処理装置1(基板処理装置)の一例について説明する。
図2は、プラズマ処理装置1の一例を示す概略断面図である。
図3は、
図2の一部を拡大して示す図である。
【0023】
プラズマ処理装置1は、処理容器10と、ガス供給部20と、RF電力供給部30と、排気システム40と、リフタ50と、処理装置制御部90とを含む。
【0024】
処理容器10は、基板Wを収容可能に構成され、載置台11と、上部電極12とを有する。載置台11は、処理容器10内のプラズマ処理空間10sの下部領域に配置される。上部電極12は、載置台11の上方に配置され、処理容器10の天板の一部として機能する。
【0025】
載置台11は、プラズマ処理空間10sにおいて基板Wを支持する。載置台11は、下部電極111と、静電チャック112と、リング113と、絶縁部材115とを含む。また、載置台11は、支持した基板Wおよびリング113を温度調整する支持部温度調整機構116を備える。
【0026】
静電チャック112は、下部電極111上に配置される。静電チャック112は、基板支持面112aおよびリング支持面112bを含む上面を有する。静電チャック112は、基板支持面112aで基板Wを支持する。静電チャック112は、リング支持面112bでリング113を支持する。静電チャック112は、絶縁部材112cと、第1の吸着電極112dと、第2の吸着電極112eとを有する。第1の吸着電極112dおよび第2の吸着電極112eは、絶縁部材112cに埋め込まれる。第1の吸着電極112dは、基板支持面112aの下方に位置する。静電チャック112は、第1の吸着電極112dに電圧を印加することにより、基板支持面112aの上に基板Wを吸着保持する。第2の吸着電極112eは、リング支持面112bの下方に位置する。静電チャック112は、第2の吸着電極112eに電圧を印加することにより、リング支持面112bの上にリング113を吸着保持する。
図2および
図3の例では、静電チャック112は、基板Wを吸着保持する単極型の静電チャックと、リング113を吸着保持する双極型の静電チャックとを含む。ただし、単極型の静電チャックに代えて双極型の静電チャックを用いてもよく、双極型の静電チャックに代えて単極型の静電チャックを用いてもよい。
【0027】
リング113は、円環形状を有し、下部電極111の周縁部上面において、基板Wの周囲に配置される。リング113は、プラズマから絶縁部材115の上面を保護すると共に、基板Wに対するプラズマ処理の均一性を向上させる。リング113は、例えば珪素(Si)、炭化珪素(SiC)等の導電性材料により形成される。なお、リング113は、石英等の絶縁材料により形成されてもよい。絶縁部材115は、下部電極111を囲むように配置される。絶縁部材115は、処理容器10の底部に固定され、下部電極111を支持する。
【0028】
支持部温度調整機構116は、基板Wおよびリング113を一体に温度調整する。支持部温度調整機構116は、静電チャック112内(または下部電極111内や絶縁部材115内)に設けられる。支持部温度調整機構116は、例えば、ヒータ、図示しない熱交換媒体循環部から熱交換媒体を循環させる構造、図示しないガス給排気部から伝熱ガスを供給する構造等を適用できる。
【0029】
上部電極12は、絶縁部材13と共に処理容器10を構成する。上部電極12は、ガス供給部20からの1種類以上の処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給する。上部電極12は、天板121と、支持体122とを含む。天板121の下面は、プラズマ処理空間10sを画成する。天板121には、複数のガス導入口121aが設けられる。複数のガス導入口121aの各々は、天板121の板厚方向(鉛直方向)に貫通する。支持体122は、天板121を着脱自在に支持する。支持体122の内部には、ガス拡散室122aが設けられる。ガス拡散室122aからは、複数のガス導入口122bが下方に延びる。複数のガス導入口122bは、複数のガス導入口121aにそれぞれ連通する。支持体122には、ガス供給口122cが設けられる。上部電極12は、1または2以上の処理ガスをガス供給口122cからガス拡散室122a、複数のガス導入口122bおよび複数のガス導入口121aを介してプラズマ処理空間10sに供給する。
【0030】
処理容器10の側壁には、搬入出口10pが設けられる。基板Wは、搬入出口10pを介して、プラズマ処理空間10sと処理容器10の外部との間で搬送される。搬入出口10pは、ゲートバルブGにより開閉される。
【0031】
ガス供給部20は、1以上のガスソース21と、1以上の流量制御器22とを含む。ガス供給部20は、1種類以上の処理ガスを、各々のガスソース21から各々の流量制御器22を介してガス供給口122cに供給する。流量制御器22は、例えばマスフローコントローラまたは圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。ガス供給部20は、1以上の処理ガスの流量を変調またはパルス化する1以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
【0032】
RF電力供給部30は、2つのRF電源(第1のRF電源31a、第2のRF電源31b)と、2つの整合器(第1の整合器32a、第2の整合器32b)とを含む。第1のRF電源31aは、第1のRF電力を第1の整合器32aを介して下部電極111に供給する。第1のRF電力の周波数は、例えば13MHz~150MHzであってよい。第2のRF電源31bは、第2のRF電力を第2の整合器32bを介して下部電極111に供給する。第2のRF電力の周波数は、例えば400kHz~13.56MHzであってよい。第2のRF電源31bに代えて、DC電源を用いてもよい。
【0033】
排気システム40は、例えば処理容器10の底部に設けられるガス排気口10eに接続される。排気システム40は、圧力調整弁と、真空ポンプとを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプまたはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0034】
リフタ50は、基板Wを昇降させる第1リフタ51と、リング113を昇降させる第2リフタ52と、を含む。
【0035】
第1リフタ51は、複数の支持ピン511と、アクチュエータ512とを含む。複数の支持ピン511は、下部電極111および静電チャック112に形成された貫通孔H1に挿通されて静電チャック112の上面に対して突没可能となっている。複数の支持ピン511は、静電チャック112の上面から突出することにより、上端を基板Wの下面に当接させて基板Wを支持する。アクチュエータ512は、複数の支持ピン511を昇降させる。アクチュエータ512としては、例えばDCモータ、ステッピングモータ、リニアモータ等のモータ、エアシリンダ等のエア駆動機構、ピエゾアクチュエータ等を利用できる。第1リフタ51は、例えば、搬送ロボットTR1と載置台11との間で基板Wの受け取りおよび受け渡しを行う際に、複数の支持ピン511を昇降させる。
【0036】
第2リフタ52は、複数の支持ピン521と、アクチュエータ522とを含む。
図3に示すように、各支持ピン521は、円柱形状(中実状)に形成されている。各支持ピン521は、下部電極111に形成された貫通孔H11、絶縁部材115に形成された貫通孔H12に挿通されて、絶縁部材115の上面に対して突没可能となっている。なお、絶縁部材115の上面は、静電チャック112のリング支持面112bと水平方向に面一に連続している。
【0037】
各支持ピン521の上端521aは、半球状に形成されており、リング113の裏面に形成された凹部113dに進入可能となっている。上端521aは、凹部113dよりも小さく形成されている。各支持ピン521は、上端521aを凹部113dに進入させてリング113を支持した際に、凹部113dの曲面および上端521aの曲面に応じて、各支持ピン521に対するリング113の位置ずれを修正できる。
【0038】
図2に示すように、アクチュエータ522は、複数の支持ピン521を昇降させる。アクチュエータ522は、アクチュエータ512と同様に構成されてよい。第2リフタ52は、搬送ロボットTR1と載置台11との間でリング113の受け取りおよび受け渡しを行う際に、複数の支持ピン521を昇降させる。
【0039】
処理装置制御部90は、プラズマ処理装置1の各部を制御する。処理装置制御部90は、例えばコンピュータ91を含む。コンピュータ91は、例えばプロセッサ911であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶部912と、通信インターフェース913とを含む。プロセッサ911は、記憶部912に格納されたプログラムに基づいて種々の制御を行う。記憶部912は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置からなるグループから選択される少なくとも1つのメモリタイプを含む。通信インターフェース913は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。処理装置制御部90は、制御部CUと別に設けられてもよく、制御部CUに含まれてもよい。
【0040】
制御部CUは、基板処理システムPSの各部を制御する。制御部CUは、例えば真空搬送モジュールTMに設けられる搬送ロボットTR1の動作、大気搬送モジュールLMに設けられる搬送ロボットTR2の動作、ゲートバルブの開閉を制御する。制御部CUは、例えばコンピュータであってよい。
【0041】
制御部CUは、プロセッサ991と、記憶部992と、通信インターフェース993とを含む。プロセッサ991は、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものである。記憶部992は、RAM、ROM、HDD、SSD等の補助記憶装置等を適宜組み合わせたものである。通信インターフェース993は、処理装置制御部90の通信インターフェース913等と通信可能に構成される。プロセッサ991は、ROMまたは補助記憶装置に格納されたプログラムに基づいて動作し、基板処理システムPSの各部を制御する。
【0042】
[基板Wおよびリング113の搬送]
以上の基板処理システムPSは、真空搬送モジュールTM内において搬送ロボットTR1により、基板Wおよびリング113を一体的に搬送する同時搬送を行う。次に、この基板Wおよびリング113の同時搬送について説明する。
図4(A)は、搬送ロボットTR1による基板Wおよびリング113の保持状態を示す平面図である。
図4(B)は、搬送ロボットTR1による基板Wおよびリング113の保持状態を示す側面断面図である。
図4(C)は、第1変形例に係る搬送ロボットTR1aによる基板Wおよびリング113の保持状態を示す側面断面図である。
図4(D)は、第2変形例に係る搬送ロボットTR1bによる基板Wおよびリング113の保持状態を示す側面断面図である。
【0043】
図4(A)および
図4(B)に示すように、搬送ロボットTR1の第1フォークFK1は、末端の搬送アームに連結される基部60と、基部60の先端側から延出する複数(2股)の延出板部61と、を有する。複数の延出板部61は、略V字状の空間62を挟んで相互に平行に延びている。各延出板部61は、基板Wを支持する複数の接触パッド63と、リング113を支持する複数の接触パッド64とを備える。例えば、各接触パッド63、64は、一の延出板部61の延出端側と基部60側、および他の延出板部61の延出端側と基部60側の各々に設けられる。
【0044】
搬送ロボットTR1は、図示しない吸着機構を備え、接触パッド63、64を介して基板Wまたはリング113に吸着機構の吸着圧力を伝達し、第1フォークFK1に対して基板Wまたはリング113を吸着してもよい。この場合、吸着機構は、基板Wおよびリング113の各々を独立して吸着可能な構成であるとよい。
【0045】
また、リング113は、基板Wの外縁よりも外側を周回する円環形状に形成されており、正円形状の内側空間113sを有する。そして、本実施形態に係るリング113は、内側空間113sに配置した基板Wを物理的に支持可能な構成となっている。具体的には、リング113は、内側空間113sを形成している内縁に、鉛直方向下側(上面から下面)に向かって小径となるテーパ面114を有する。リング113の上面に連なるテーパ面114の上端は、基板Wの外径よりも大きな内径に設定されている。その一方で、リング113の下面に連なるテーパ面114の下端は、基板Wの外径よりも小さな内径に設定されている。
【0046】
したがって、リング113の上方から基板Wを載せた場合、リング113のテーパ面114に基板Wの外縁が接触し、リング113により基板Wを支持することができる。特に、円環形状のリング113の内縁を周回するテーパ面114は、基板Wとの接触時に、テーパ面114に沿って基板Wを摺動させる。これにより、基板Wは、テーパ面114の上端に対して均等に離間するようになる。すなわち、テーパ面114は、基板Wの中心をリング113の中心と一致させるように位置を調整した(センタリングした)状態として、基板Wを保持できる。第1フォークFK1は、以上の基板Wを載せたリング113を支持することで、基板Wおよびリング113を一体的に搬送することが可能となる。
【0047】
また、第2フォークFK2も、第1フォークFK1と同様に、基板Wおよびリング113を同時に支持することができる。なお、搬送ロボットTR1の第1フォークFK1または第2フォークFK2が基板Wおよびリング113を同時に保持する構成は、上記に限定されず、種々の変形例をとり得る。
【0048】
図4(C)に示す第1変形例のように、リング113は、テーパ面114を内縁に備えずに、基板Wが内側空間113sを通過可能な構成であってもよい。この場合、搬送ロボットTR1aの第1フォークFK1および第2フォークFK2は、複数の接触パッド63により基板Wを支持しつつ、複数の接触パッド64によりリング113を支持して、同時搬送を行えばよい。また、基板Wとリング113のセンタリングは、搬送ロボットTR1の位置検出センサS1、S2(またはリング113に基板Wを組み付ける際のモジュールの位置検出センサ)による検出結果を用いて、相互の位置を補正することがあげられる。
【0049】
図4(D)に示す第2変形例のように、搬送ロボットTR1bの第1フォークFK1および第2フォークFK2は、基板Wとリング113の境界に複数のテーパ凸部66を備えてもよい。複数のテーパ凸部66は、内側において基板Wの外縁をセンタリングしつつ保持し、また外側においてリング113の内縁をセンタリングしつつ保持することができる。
【0050】
次に、上記の搬送ロボットTR1(第1フォークFK1、第2フォークFK2)により基板Wおよびリング113を同時搬送した場合における、処理モジュールPM1の基板Wおよびリング113の交換時の動作について説明する。なお、以下では、
図4(A)および
図4(B)に示すリング113により基板Wを支持する構成について、代表的に説明する。
【0051】
図5(A)~
図5(D)は、基板Wおよびリング113の交換時の動作を示す第1~第4動作図である。
図6(A)~
図6(D)は、基板Wおよびリング113の交換時の動作を示す第5~第8動作図である。なお、
図5および
図6では、説明の便宜のために、処理モジュールPM1の載置台11のみを概略的に図示すると共に、第1リフタ51の支持ピン511を1本で示す一方で、第2リフタ52の支持ピン521を2本で示す。以降の
図11および
図12も同様である。
【0052】
図5(A)に示すように、基板Wおよびリング113の交換では、第1フォークFK1および第2フォークFK2のうち一方に基板Wおよびリング113を保持し、他方は何も保持していない空の状態としている。図示例では、第2フォークFK2において基板およびリング113を保持し、第1フォークFK1を空の状態としているが、この関係は逆であってもよい。
【0053】
基板Wおよびリング113の交換では、最初に、載置台11に載置されている処理後の基板Wおよび使用済のリング113の搬出(取り出し)を行う。
図5(B)に示すように、まず処理モジュールPM1側において第1リフタ51および第2リフタ52を上昇させ、第1フォークFK1の支持面(各接触パッド63)よりも高い位置に、基板Wおよびリング113を配置させる。なお、リング113により基板Wを支持可能な構造では、第2リフタ52のみを上昇させてもよい。
【0054】
次に
図5(C)に示すように、処理モジュールPM1内に第1フォークFK1を進入させて、基板Wおよびリング113の下方に第1フォークFK1を配置する。そして
図5(D)に示すように、第1リフタ51および第2リフタ52を下降させることで、処理後の基板Wおよび使用済のリング113を第1フォークFK1に受け渡す。
【0055】
その後、
図6(A)に示すように、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM1から第1フォークFK1を後退させると共に、処理前の基板Wおよび交換用のリング113を保持した第2フォークFK2を処理モジュールPM1内に進入させる。交換用のリング113は、新品のリング113を適用してもよく、既に使用済であって消耗が少ないリング113を適用してもよい。
【0056】
この状態で
図6(B)に示すように、第1リフタ51および第2リフタ52を上昇させて、各支持ピン511の上端および各支持ピン521の上端を第2フォークFK2の支持面(各接触パッド63)よりも高い位置に配置する。これにより、各支持ピン511において基板Wを受け取ると共に、各支持ピン521においてリング113を受け取ることができる。なお、リング113により基板Wを支持する構造では、基板Wおよびリング113を受け取る際に、上記と同様に第2リフタ52のみを上昇させてもよい。
【0057】
この後、
図6(C)に示すように、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM1から第2フォークFK2を後退させる。最後に、
図6(D)に示すように、第1リフタ51および第2リフタ52を下降させることで、処理前の基板Wおよび交換用のリング113を載置台11に載置する。なお、基板Wおよびリング113を載置する際に、載置台11(リング113)に対する基板Wの位置を調整する動作を行ってもよい。この動作については、後の
図11および
図12において詳述する。
【0058】
以上のように、基板処理システムPSは、搬送ロボットTR1により基板Wおよびリング113を同時搬送して交換することで、例えば、基板Wを先に交換した後にリング113を交換する動作を行うよりも迅速に交換作業を行うことができる。
【0059】
図7(A)~
図7(C)は、基板Wおよびリング113を同時搬送する場合の経路の例を示す第1~第3平面図である。基板処理システムPSは、上記したように大気搬送モジュールLMのロードポートLP1~LP4に、複数の基板Wを有する基板収納容器CSをセットする一方で、リング収納モジュールRSMに複数のリング113を収納している。基板Wおよびリング113の同時搬送を行う場合は、基板処理システムPSのいずれかのモジュールにおいて、基板Wおよびリング113を組み合わせる必要がある。「基板Wおよびリング113を組み合わせる」とは、
図4(B)に示すように、リング113の内側空間113sに基板Wを配置した状態をいう。テーパ面114を備えないリング113は、基板Wを支持していなくても、内側空間113sにあれば組み合わせた状態となる。
【0060】
本実施形態に係る基板処理システムPSは、リング収納モジュールRSMにおいて基板Wとリング113を組み合わせる構成としている。このため、基板処理システムPSは、
図7(A)に示すように、基板収納容器CSの基板Wを処理モジュールPM1~PM7に搬入する前に、リング収納モジュールRSMに搬送する。詳細には、大気搬送モジュールLMの搬送ロボットTR2が、例えば、ロードポートLP1の基板収納容器CSから基板Wを取り出して、大気圧雰囲気のロードロックモジュールLL2内に当該基板Wを搬入する(
図7A(1))。なお、大気搬送モジュールLMでは、ロードロックモジュールLL2に基板Wを搬入する前に、アライナANで基板Wの位置を調整する。
【0061】
ロードロックモジュールLL2を真空雰囲気にした後、真空搬送モジュールTMの搬送ロボットTR1がロードロックモジュールLL2から基板Wを搬出して、リング収納モジュールRSMに当該基板Wを搬送する(
図7A(2))。そして、搬送ロボットTR1がリング収納モジュールRSMに基板Wを搬入する際に、リング収納モジュールRSM内で基板Wおよびリング113を組み合わせる。リング収納モジュールRSMでの基板Wおよびリング113を組み合わせる動作については、後述する。
【0062】
図7(B)に示すように、リング収納モジュールRSMで基板Wおよびリング113を組み合わせた後、搬送ロボットTR1がリング収納モジュールRSMから基板Wおよびリング113を搬出する。そして、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM1~PM7のうち目標の処理モジュール(
図7(B)では第1処理モジュールPM1)に基板Wおよびリング113を搬送する。処理モジュールPM1において、搬送ロボットTR1は、上記したように処理後の基板Wおよび使用済のリング113を先に搬出する(
図7B(3):
図5(A)~
図6(A)も参照)。そして、搬送ロボットTR1は、処理前の基板Wおよび交換用のリング113を処理モジュールPM1に搬入する(
図7B(4):
図6(A)~
図6(D)も参照)。
【0063】
図7(C)に示すように、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM1から処理後の基板Wおよび使用済のリング113を搬出すると、例えば、リング収納モジュールRSMに使用済のリング113を搬送して、当該リング113を収納する(
図7C(5))。その後、搬送ロボットTR1は、真空雰囲気のロードロックモジュールLL1に処理後の基板Wを搬入する(
図7C(6))。ロードロックモジュールLL1を大気圧雰囲気にした後、大気搬送モジュールLMの搬送ロボットTR2がロードロックモジュールLL1から基板Wを搬出する。そして、搬送ロボットTR2は、処理後の基板Wを収納する(例えば、ロードポートLP2の)基板収納容器CSに基板Wを収納する(
図7C(7))。
【0064】
[リング収納モジュールRSMの構成および動作]
次に、リング113を収納すると共に、基板Wおよびリング113の組み合わせを行うリング収納モジュールRSMの一例について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、リング収納モジュールRSMを概略的に示す側面断面図である。
【0065】
リング収納モジュールRSMは、コンテナ70と、機械収納部71と、を有する。コンテナ70は、排気部72に接続された排気口70aを備え、排気部72によりコンテナ70の内部を減圧できる。また、コンテナ70は、ガス供給部(不図示)を備え、ガス供給部により不活性ガス(例えば、N2ガス)を供給することで、内部の圧力を調整できる。
【0066】
コンテナ70は、複数のリング113を保管可能なストレージ75を備える。ストレージ75は、ステージ73と、ステージ73の下部に設けられたカゴ74と、を有する。ストレージ75は、ボールねじ76の回転下により昇降可能となっている。機械収納部71は、このボールねじ76を駆動するモータ77を収容している。
【0067】
ステージ73は、リング113を載置して、θ方向に回転させる機能を有する。ステージ73のリング113を挟んだ上下には、リング113の外形を検出する透過型のセンサ79(発光部79a、受光部79b)が設けられている。センサ79は、発光部79aから照射された光の光量を受光部79bにおいて検出し、その検出結果を制御部CUへ出力する。受光部79bは、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、フォトダイオード等を適用し得る。また例えば、リング収納モジュールRSMは、透過型のセンサに代えて、他の光学的センサ、またはカメラを用いてもよい。
【0068】
制御部CUは、検出された光量がオリエンテーションフラットの有無によって変化することを利用して、リングのオリエンテーションフラットまたはノッチを検出する。すなわち、ステージ73およびセンサ79は、リング113のアライメント(位置合わせ)を行う位置合わせ装置を構成している。位置合わせでは、リング113のオリエンテーションフラットを所定の向きに合わせる。また、位置合わせでは、搬送ロボットTR1によりリング113を支持する際に、リング113の中心位置を合わせるようにしてもよい。なお、基板処理システムPSは、ストレージ75からリング113を取り出した際に、位置検出センサSR1、SR2(
図1参照)を用いて、リング113の外縁および内縁の位置を検出し、位置合わせを行う構成でもよい。
【0069】
カゴ74は、ステージ73の下部に設けられ、リング収納モジュールRSMの正面側(真空搬送モジュールTM側)が開放されている。カゴ74の内部には、1以上のカセット78が載置される。カセット78は、リング113を収容し、かつカゴ74から取り出し可能な収納容器である。カゴ74は、上下方向に間隔をあけて複数のカセット78を保持している。
【0070】
また、コンテナ70は、基板Wおよびリング113の組み合わせを行う作業部80を、ストレージ75の鉛直方向上側に備える。真空搬送モジュールTMに対してステージ73と、カゴ74と、作業部80とが鉛直方向に並んでいることで、真空搬送モジュールTMの搬送ロボットTR1は、リング収納モジュールRSMの各高さ位置に容易にアクセスすることができる。なお、作業部80は、ストレージ75の鉛直方向下側や側方等に設けられてもよい。また、作業部80は、リング収納モジュールRSMの隣接位置に設けられてもよい。
【0071】
作業部80は、リング113を支持するリングスロット81と、リングスロット81の上方において基板Wを保持する治具83を有する治具スロット82と、を含む。
【0072】
リングスロット81は、リング113を水平に支持する一対の可動棚板81aにより構成される。一対の可動棚板81aの間には、搬送ロボットTR1の第1フォークFK1(または第2フォークFK2)を通過させる間隙81sが形成されている。また、一対の可動棚板81aは、図示しない第1上下動駆動部に接続され、第1上下動駆動部の駆動に基づいて相互に一体に昇降する。これにより、リングスロット81は、リング113の水平姿勢を維持しながら、適宜の高さ位置にリング113を配置できる。
【0073】
治具スロット82は、可動バー84を介して治具83を保持している。治具83は、リングスロット81の間隙81sの幅方向中央位置に対向する位置に配置されている。治具83は、基板Wを保持可能な保持手段を有するものである。例えば、治具83は、基板Wを真空吸着するシリコンピッカを適用することができる。この場合、治具83は、図示しない吸着経路を介して吸着機構(不図示)に接続され、吸着機構による吸着圧力の付与に基づき基板Wを保持し、大気開放に基づき基板Wの保持を解除する。なお、基板Wの保持手段は、特に限定されず、静電吸着、機械式等を採用してもよい。
【0074】
可動バー84は、図示しない第2上下動駆動部に接続され、第2上下動駆動部の駆動に基づいて治具83を昇降させる。第2上下動駆動部は、第1上下動駆動部と独立して駆動することが可能である。これにより、治具スロット82は、リングスロット81に対して治具83の相対位置を変えることができる。
【0075】
次に、以上の作業部80において、基板Wおよびリング113を同時搬送する際の組み合わせ作業の一例について説明する。
図9(A)~
図9(D)は、基板Wおよびリング113の組み合わせ作業を示す第1~第4動作図である。
図10(A)~
図10(D)は、基板Wおよびリング113の組み合わせ作業を示す第5~第8動作図である。
【0076】
組み合わせ作業において、基板処理システムPSは、搬送ロボットTR1(例えば、第2フォークFK2)を用いて、ストレージ75にあるリング113を先に作業部80に搬送する。この際、搬送ロボットTR1は、目標のカセット78から交換用のリング113を取り出すと、ステージ73にリング113を搬送して、位置合わせ装置によりリング113の位置合わせを行う。そして
図9(A)に示すように、搬送ロボットTR1は、位置合わせ後のリング113をステージ73から取り出して、作業部80に搬入する。搬送ロボットTR1の第2フォークFK2は、作業部80内の作業空間においてリングスロット81よりも上方にリング113を搬入する。
【0077】
そして
図9(B)に示すように、作業部80は、まず一対の可動棚板81aを第2フォークFK2よりも上昇させて、当該一対の可動棚板81aによりリング113を受け取る。リング113が事前に位置合わせを行っていることで、一対の可動棚板81aは、位置合わせされたリング113を精度よく受け取ることができる。なお、一対の可動棚板81aは、リング113との接触部分に図示しないテーパ部等を有し、受け取り時にリング113の位置ずれを解消する構成でもよい。
【0078】
リングスロット81によりリング113を保持すると、
図9(C)に示すように、搬送ロボットTR1を作業部80から退出させ、また治具スロット82を下降させて適宜の高さ位置に配置する。その後、搬送ロボットTR1の第2フォークFK2は、ロードロックモジュールLL2(
図7(A)参照)の基板Wを作業部80に搬入する。
図9(D)に示すように、基板Wを保持した第2フォークFK2は、高さ位置が適宜調整されることで、リングスロット81と治具83との間に搬入される。これにより、基板Wの中心が治具83に対向する位置に配置されるようになる。第2フォークFK2により搬送される基板Wは、大気搬送モジュールLMのアライナANにおいて位置合わせが行われることで、第2フォークFK2に位置ずれすることなく載置されている。そのため、作業部80では、基板Wの中心と、治具83とを精度よく位置合わせすることができる。
【0079】
その後、作業部80は、
図10(A)に示すように、治具スロット82を下降して治具83と基板Wを接触させ、真空吸着させることで、基板Wを保持する。治具83により基板Wを保持すると、
図10(B)に示すように、搬送ロボットTR1は、第2フォークFK2を作業部80から退出させる。また、作業部80は、リング113を支持しているリングスロット81、および基板Wを保持している治具スロット82をそれぞれ上昇させる。
【0080】
そして
図10(C)に示すように、搬送ロボットTR1は、リングスロット81よりも鉛直方向下側に第2フォークFK2を再び進入させる。この状態で、
図10(D)に示すように、搬送ロボットTR1は、第2フォークFK2を上昇させてリングスロット81の間隙81sを通過させると、第2フォークFK2の上面にリング113が先に支持された状態となる。さらに、搬送ロボットTR1は、第2フォークFK2の上昇を継続すると、治具83に保持された基板Wをリング113の内側空間113sに配置することができる。治具83は、リング113内に基板Wが収容された状態で、基板Wの吸着を解除する。その結果、第2フォークFK2は、基板Wを保持した状態のリング113を支持することができる(
図4(B)も参照)。なお、治具83は、リング113が基板Wを内側空間113sに収容する前に基板Wの吸着を解除してもよい。これにより、リング113のテーパ面114に基板Wがガイドされることで、基板Wとリング113との位置ずれを解消することができる。
【0081】
以上の組み合わせ作業によって、基板Wおよびリング113は、真空搬送モジュールTM内において同時搬送されることが可能な形態となる。なお、作業部80では、第2フォークFK2が基板Wおよびリング113を支持した後、リングスロット81を下降させると共に、治具スロット82を上昇させることで、各スロットを初期の待機位置に配置する。
【0082】
また、基板Wとリング113の位置合わせ(センタリング)は、リング収納モジュールRSMにおいて実施することに限らず、他のモジュールにおいて実施してもよい。以下、処理モジュールPM1において基板Wおよびリング113を搬入する際に位置合わせを行う例について説明する。
図11(A)~
図11(D)は、基板Wおよびリング113の搬入時における位置合わせの動作を示す第1~第4動作図である。
図12(A)および
図12(B)は、基板Wおよびリング113の搬入時における位置合わせの動作を示す第5および第6動作図である。
【0083】
図11(A)に示すように、搬送ロボットTR1は、処理前の基板Wおよび交換用のリング113を有する第2フォークFK2を、処理モジュールPM1の載置台11の上方に搬送する。基板Wとリング113の位置合わせでは、
図11(B)に示すように、まず第1リフタ51の各支持ピン511を上昇させ、各支持ピン511より基板Wをリング113よりも高い位置に上昇させる。これにより、リング113による基板Wの保持状態が一旦解消される。
【0084】
次に
図11(C)に示すように、処理モジュールPM1は、第2リフタ52の各支持ピン521を上昇させて、各支持ピン521によりリング113を第2フォークFK2から浮上させる。これにより、第2フォークFK2から基板Wとリング113が離間した状態となる。またこの際、各支持ピン521の上端521aは、リング113の凹部113dに挿入され、載置台11に対するリング113の位置ずれを修正することができる。
【0085】
その後、
図11(D)に示すように、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM1から第2フォークFK2を退出させる。さらに、処理モジュールPM1では、第1リフタ51の各支持ピン521を下降させることで、リング113のテーパ面114に基板Wの外縁を接触させながら基板を下降させる。これにより、リング113に対する基板Wの位置ずれが調整され、基板Wの中心とリング113の中心とを一致させた(センタリングさせた)状態となる。
【0086】
そして、
図12(A)に示すように、処理モジュールPM1は、先に第2リフタ52の各支持ピン521を下降させることで、載置台11のリング支持面112bにリング113を載置する。処理モジュールPM1は、このリング支持面112bへの載置し、第2の吸着電極112eに電圧を印加することで、リング113を吸着保持する。
【0087】
最後に、
図12(B)に示すように、処理モジュールPM1は、第1リフタ51の各支持ピン511を下降させることで、載置台11の基板支持面112aに基板Wを載置する。処理モジュールPM1は、この基板支持面112aへの載置し、第1の吸着電極112dに電圧を印加することで、基板Wを吸着保持する。なお、処理モジュールPM1は、リング113をリング支持面112bへ載置すると共に、基板Wを基板支持面112aへ載置した後、第1の吸着電極112dおよび第2の吸着電極112eの各々に同時に(または時間をずらして)電圧を印加することにより、リング113と基板Wを同時に(または時間をずらして)吸着保持してもよい。
【0088】
以上のように、基板処理システムPSは、搬送ロボットTR1(第1フォークFK1、第2フォークFK2)に基板Wおよびリング113を良好に支持して同時搬送できる。さらに、基板処理システムPSは、基板Wおよびリング113の位置合わせを精度よく行うことができる。特に、基板Wおよびリング113を処理モジュールPM1に搬入する際に、両者の位置合わせを行うことで、基板Wおよびリング113を載置台11に精度よく配置でき、基板処理を安定的に実施させることができる。
【0089】
なお、基板Wおよびリング113の位置合わせは、上記の方法に限定されず、種々の変形例をとり得る。例えば、リング113がテーパ面114を有する場合に、制御部CUは、第1リフタ51を動作させずに第2リフタ52を上昇させることにより、基板Wおよびリング113を支持してもよい。その後、制御部CUは、第2リフタ52を下降させることにより、基板Wおよびリング113を載置台11に載置することで、より迅速に基板Wおよびリング113を載置台11に載置できる。
【0090】
例えば、搬送ロボットTR1は、第1フォークFK1および第2フォークFK2を用いて、複数の基板Wおよび複数のリング113を同時搬送する動作を実施してもよい。この場合の交換作業の一例として、まず、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM1に対して空の第1フォークFK1を進入させ、処理モジュールPM1から処理後の基板Wおよび使用済のリング113を搬出する。次に、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM2に対して空の第2フォークFK2を進入させ、処理モジュールPM2から処理後の基板Wおよび使用済のリング113を搬出する。
【0091】
搬送ロボットTR1は、第1フォークFK1および第2フォークFK2の各々が保持する処理後の基板Wおよび使用済のリング113について、例えば、先にリング収納モジュールRSMに搬送して2つのリング113を個別に収納する。その後、搬送ロボットTR1は、ロードロックモジュールLL1に第1フォークFK1を搬送して処理後の基板Wを受け渡し、ロードロックモジュールLL2に第2フォークFK2を搬送して処理後の基板Wを受け渡す。そして、大気搬送モジュールLMの搬送ロボットTR2は、ロードロックモジュールLL1、LL2の各々の基板Wを順次取り出して、基板収納容器CSにそれぞれ収納する。
【0092】
また、処理前の基板Wおよび交換用のリング113を処理モジュールPM1、PM2の各々に搬入する場合、大気搬送モジュールLMの搬送ロボットTR2は、ロードロックモジュールLL1、LL2の各々に処理前の基板Wを搬入する。真空搬送モジュールTMの搬送ロボットTR1は、第1フォークFK1によりロードロックモジュールLL1から基板Wを取り出して、リング収納モジュールRSMにおいて基板Wとリング113を同時に保持する。さらに、搬送ロボットTR1は、第2フォークFK2によりロードロックモジュールLL2から基板Wを取り出して、リング収納モジュールRSMにおいて基板Wとリング113を同時に保持する。
【0093】
そして、搬送ロボットTR1は、処理モジュールPM1に対して第1フォークFK1により基板Wおよびリング113を搬入する。その後に、搬送ロボットTR2は、処理モジュールPM2に対して第2フォークFK2により基板Wおよびリング113を搬入する。このように、搬送ロボットTR1が複数の基板Wおよび複数のリング113を同時搬送する構成でも、他の処理モジュールPM3~PM7の基板処理中に動作を行うことで、基板処理システムPS全体としての処理の効率化を図ることができる。
【0094】
[基板搬送方法]
基板処理システムPSは、基本的には以上のように構成され、以下その動作(基板搬送方法)について、具体的に説明していく。
【0095】
図13は、基板処理システムPSが実施する基板搬送方法の一例を示すフローチャートである。制御部CUは、基板Wを搬送する場合に、
図13に示すステップS101~ステップS103を実施する。
【0096】
制御部CUは、処理モジュールPM1~PM7の基板処理において、リング113を交換するか否かを判定する(ステップS101)。例えば、リング113の交換条件として、制御部CUは、処理モジュールPM1~PM7毎にリング113をセットしたタイミングを記憶すると共に、セット後の基板処理の回数をカウントし、所定回数に達したか否かを監視することがあげられる。あるいはリング113の交換条件として、制御部CUは、セット後の処理容器10内でのRF積算時間を計測し、所定期間に達したか否かを監視してもよい。
【0097】
制御部CUは、リング113の交換が不要と判定した場合(ステップS101:NO)、搬送ロボットTR1により基板Wのみを搬送する単独搬送モードを選択する(ステップS102)。なお、以下では、処理モジュールPM1において基板W(または基板Wおよびリング113)を交換する場合を例にして説明する。単独搬送モードは、搬送ロボットTR1により基板Wを単独で搬送し、第1リフタ51を昇降させることで、載置台11への基板Wの載置、または載置台11から基板Wの取り出しを行うモードである。
【0098】
単独搬送モードを選択すると、制御部CUは、例えば、大気搬送モジュールLMの搬送ロボットTR2により基板収納容器CSから処理前の基板Wを取り出して、ロードロックモジュールLL2に処理前の基板Wを搬入する。なお、ロードロックモジュールLL2に搬入する前に、制御部CUは、大気搬送モジュールLMのアライナANにおいて処理前の基板Wの位置合わせを行う。そして、制御部CUは、搬送ロボットTR2(例えば、第2フォークFK2)によりロードロックモジュールLL2の処理前の基板Wを取り出し、処理モジュールPM1に搬送する。
【0099】
そして、制御部CUは、処理モジュールPM1において、第1フォークFK1により処理後の基板Wを搬出した後、第2フォークFK2により処理前の基板Wを搬入する。なお、制御部CUは、処理後の基板Wを搬出した後に、処理モジュールPM1内をクリーニングし、その後に処理前の基板Wを搬入してもよい。
【0100】
処理モジュールPM1では、処理後の基板Wを第1リフタ51により上昇させ、その後に第1フォークFK1を進出させて、第1リフタ51を下降させることで処理後の基板Wを第1フォークFK1に受け渡す。また、第2フォークFK2により処理前の基板Wが搬入されると、処理モジュールPM1は、第1リフタ51を再び上昇させて処理前の基板Wを受け取り、第2フォークFK2の後退後に第1リフタ51を下降させることで、載置台11に処理前の基板Wを載置する。
【0101】
制御部CUは、第1フォークFK1に保持した処理後の基板WについてロードロックモジュールLL1に搬入する。さらに、制御部CUは、大気搬送モジュールLMの搬送ロボットTR2により、ロードロックモジュールLL1の処理後の基板Wを基板収納容器CSに搬送する。
【0102】
一方、制御部CUは、リング113の交換が必要と判定した場合(ステップS101:YES)、搬送ロボットTR1により基板Wおよびリング113を搬送する同時搬送モードを選択する(ステップS103)。同時搬送モードは、搬送ロボットTR1により基板Wおよびリング113を同時に搬送し、かつ第1リフタ51および第2リフタ52を昇降させることで、載置台11への基板Wおよびリング113の載置、または載置台11からの基板Wおよびリング113の取り出しを行うモードである。
【0103】
この同時搬送モードにおいて、制御部CUは、
図7(A)、
図7(B)に示すように、リング収納モジュールRSMにおいて処理前の基板Wおよび交換用のリング113の組み合わせ作業を行い、これらを処理モジュールPM1へ同時搬送する。この組み合わせ作業は、処理モジュールPM1の基板処理中に実施してもよい。
【0104】
処理モジュールPM1において基板処理が終了すると、制御部CUは、
図5(A)~
図6(D)に示すように、処理前の基板Wおよび交換用のリング113を処理モジュールPM1に向けて同時搬送する。制御部CUは、処理後の基板Wおよび使用済のリング113を搬出する一方で、処理前の基板Wおよび交換用のリング113を搬入する。その後、制御部CUは、
図7(C)に示すように、搬送ロボットTR1により、リング収納モジュールRSMに使用済のリング113を搬送する。さらに、制御部CUは、搬送ロボットTR1により、ロードロックモジュールLL1に処理後の基板Wを搬送し、搬送ロボットTR2により処理後の基板Wを基板収納容器CSに搬送する。
【0105】
以上のように、基板処理システムPSおよび基板搬送方法は、基板Wのみを搬送する単独搬送モードと、リング113の交換において基板Wおよびリング113を同時搬送する同時搬送モードとを選択的に行う。特に、リング113を交換する場合、制御部CUは、処理モジュールPM1~PM7の基板処理中に、リング収納モジュールRSMにおいて基板Wおよびリング113の組み合わせ作業を行い、基板Wおよびリング113の同時搬送を直ちに実施可能にする。これにより、処理モジュールPM1~PM7の基板処理後に、当該処理モジュールPM1~PM7の内部において基板Wおよびリング113の組み合わせ作業を行わなくても済むようになる。その結果、基板処理システムPSは、基板Wおよびリング113の搬送において処理を効率化でき、システム全体の処理の迅速に行うことが可能となる。
【0106】
なお、基板搬送方法は、上記の実施形態に限定されず、種々の応用例を適用し得る。以下、
図14および
図15を参照して他の基板搬送方法について説明する。
【0107】
図14は、第1応用例に係る基板搬送方法を示すフローチャートである。
図14に示すように、制御部CUは、処理モジュールPM1~PM7の処理容器10内においてクリーニング処理を行う構成としている点で、上記した基板搬送方法と異なる。
【0108】
具体的には、制御部CUは、同時搬送モードにおいて、ステップS201~ステップS206を実施する。なお、制御部CUによる単独搬送モードおよび同時搬送モードの選択は、上記した基板搬送方法の判定(
図13のステップS101)と同じであってよい。以降の第2応用例の場合も同様である。
【0109】
制御部CUは、まず搬送ロボットTR1(例えば、第1フォークFK1)により処理後の基板Wのみを受け取って、処理モジュールPM1から搬出する(ステップS201)。そして、搬送ロボットTR1は、処理後の基板WをロードロックモジュールLL1に搬送する。
【0110】
次に、制御部CUは、リング113が残った状態の処理モジュールPM1において、第1クリーニング処理を行う(ステップS202)。すなわち、第1クリーニング処理は、基板支持面112aに基板Wが載置されておらず、かつリング支持面112bにリング113が載置された状態で実施される。第1クリーニング処理は、処理モジュールPM1での基板処理の内容に応じて適切な方法を採用すればよく、例えば、処理容器10内のデポを除去可能な処理ガスを供給しながら、RF電力を供給してプラズマ処理を行うことがあげられる。なお、制御部CUは、第2リフタ52によりリング113を上昇させてリング支持面112bから離間した状態で、第1クリーニング処理を行ってもよい。
【0111】
第1クリーニング処理の後、制御部CUは、搬送ロボットTR1(例えば、第1フォークFK1)により使用済のリング113を受け取って、処理モジュールPM1から搬出する(ステップS203)。使用済のリング113は、第1クリーニング処理を経ることでデポが低減された状態となっている。このため、基板処理システムPSは、使用済のリング113の搬送時に、真空搬送モジュールTM内へのデポの落下(拡散)を抑制できる。
【0112】
制御部CUは、使用済のリング113を搬出した処理モジュールPM1において、再びクリーニング処理(第2クリーニング処理)を行う(ステップS204)。すなわち、第2クリーニング処理は、基板支持面112aに基板Wが載置されておらず、かつリング支持面112bにリング113が載置されていない状態で実施される。これにより、リング113があったリング支持面112bのデポを良好に除去することができる。なお、第2クリーニング処理は、第1クリーニング処理と同じレシピでもよく、異なるレシピでもよい。また、第2クリーニング処理は実施しなくてもよい。
【0113】
その後、制御部CUは、搬送ロボットTR1により処理前の基板Wおよび交換用のリング113を同時搬送して、処理モジュールPM1内に搬入する(ステップS205)。この基板Wおよびリング113の搬入動作は、上記の実施形態と同様であってよい(例えば、
図11(A)~
図12(B)参照)。
【0114】
処理モジュールPM1に基板Wを搬入すると、制御部CUは、処理モジュールPM1において基板Wに対して基板処理を行う(ステップS206)。
【0115】
以上のように、第1応用例に係る基板搬送方法は、使用済のリング113の搬出前にクリーニング処理を行うことで、使用済のリング113に付着するデポを低減することが可能となる。これにより、基板処理システムPSは、使用済のリング113の搬送時に真空搬送モジュールTM内が汚染されることを可及的に抑制できる。なお、第1応用例に係る基板搬送方法では、同時搬送モードの処理フローを説明したが、基板Wのみを搬送する単独搬送モードにおいても適宜のタイミングでクリーニング処理を実施してよいことは勿論である。
【0116】
図15は、第2応用例に係る基板搬送方法を示すフローチャートである。
図15に示すように、第2応用例に係る基板搬送方法は、処理モジュールPM1~PM7内のクリーニング処理に加えて、処理モジュールPM1~PM7内の基板処理の環境を整えるシーズニング処理を行う点で、上記した基板搬送方法と異なる。
【0117】
具体的には、制御部CUは、同時搬送モードにおいて、ステップS301~ステップS308を実施する。ただし、ステップS301~ステップS304までは、第1応用例に係る基板搬送方法のステップS201~ステップS204と同様の処理を行ってよい。なお、第2応用例に係る基板搬送方法でも、第2クリーニング処理については実施してもよく、実施しなくてもよい。
【0118】
ステップS304の後(第2クリーニング処理の後)、制御部CUは、搬送ロボットTR1によりダミー基板(不図示)および交換用のリング113を同時搬送して、処理モジュールPM1内に搬入する(ステップS305)。ダミー基板および交換用のリング113の搬入動作は、上記の実施形態と同様であってよい(例えば、
図11(A)~
図12(B)参照)。なお、ダミー基板は、リング収納モジュールRSMに保管しておいてもよいし、大気搬送モジュールLMのロードポートLP1~LP4のいずれかに保管しておいてもよい。リング収納モジュールRSMにダミー基板を保管する場合、ダミー基板のみで保管してもよいし、アライメントした状態のダミー基板を交換用のリング113に組み合わせて保管してもよい。
【0119】
そして、制御部CUは、ダミー基板を載置した処理モジュールPM1において、シーズニング処理を行う(ステップS306)。シーズニング処理において、制御部CUは、例えば、基板処理のレシピに基づいてダミー基板に対して基板処理を行うことで、処理容器10内の環境を基板処理に応じた環境に近づける。なお、制御部CUは、第2クリーニング処理後にシーズニング処理を行う構成に限らず、第3クリーニング処理を行ってもよく、(同一のダミー基板で)第3クリーニング処理後にシーズニング処理を行ってもよい。
【0120】
シーズニング処理の後、制御部CUは、搬送ロボットTR1により処理モジュールPM1からダミー基板を搬出する(ステップS307)。なお、制御部CUは、ダミー基板を用いたシーズニング処理を複数回実施してもよい。複数回のシーズニング処理を行う場合、同じダミー基板を継続的に使用してもよく、適宜のタイミングでダミー基板を入れ替えてもよい。
【0121】
ダミー基板の搬出後、制御部CUは、搬送ロボットTR1により、基板処理を行う処理前の基板Wを処理モジュールPM1に搬入する(ステップS308)。そして、制御部CUは、処理モジュールPM1において、搬入された基板Wに基板処理を行う(ステップS309)。
【0122】
以上のように、第2応用例に係る基板搬送方法は、ダミー基板およびリング113を同時搬送し、その後にシーズニング処理を行うことで、処理モジュールPM1内を基板処理に応じた環境に良好に調整できる。これにより、基板処理システムPSは、リング113の交換直後でも、基板Wを安定的に基板処理することができる。なお、第2応用例に係る基板搬送方法では、同時搬送モードの処理フローを説明したが、基板Wのみを搬送する単独搬送モードでも、クリーニング処理およびシーズニング処理を実施してよいことは勿論である。
【0123】
また、基板処理システムPSおよび基板搬送方法は、上記の構成に限定されず、種々の実施形態をとり得る。例えば、基板処理システムPSの搬送ロボットTR1は、2つのフォーク(第1フォークFK1および第2フォークFK2)を備えていたが、1つのフォークにより基板Wおよびリング113を搬送する構成でもよい。
【0124】
図16(A)~
図16(D)は、他の実施形態に係る基板搬送方法を示す第1~第4動作図である。
図16(A)および
図16(B)に示すように、基板処理システムPSは、第1フォークFK1および第2フォークFK2のうち、一方において基板Wを支持すると共に、他方においてリング113を支持して、処理モジュールPM1内に搬送してもよい。例えば、第1フォークFK1により基板Wを支持する一方で、第2フォークFK2によりリング113を支持する。処理モジュールPM1に対する基板Wおよびリング113の搬入タイミングは、同時でもよく、異なるタイミングでもよい。
【0125】
図16(C)に示すように、処理モジュールPM1内では、第2フォークFK2に支持されたリング113に対して、第2リフタ52を上昇させることによりリング113を支持する。さらに、処理モジュールPM1内では、第1フォークFK1に支持された基板Wに対して、第1リフタ51を上昇させることにより基板Wを支持する。なお、
図16(C)では、第1リフタ51および第2リフタ52を同時に上昇させて、基板Wおよびリング113を支持した状態を図示している。ただし、処理モジュールPM1は、第1リフタ51および第2リフタ52のうち一方を先に上昇させて基板Wおよびリング113の一方を受け取り、その後に他方を上昇させて他方を受け取ってもよい。
【0126】
そして
図16(D)に示すように、処理モジュールPM1は、第1リフタ51および第2リフタ52を下降させることにより、基板Wおよびリング113を載置台11に載置する。基板Wおよびリング113の載置では、先にリング113を下降してリング支持面112bに載置した後、基板Wを下降して基板支持面112aに載置する。
【0127】
また、基板Wおよびリング113を載置する前に、制御部CUは、
図11(C)~
図11(D)の処理を行って、リング113に対する基板Wの位置を調整(センタリング)することが好ましい。なお、リング113がテーパ面114を有する場合に、制御部CUは、第1リフタ51を下降して基板Wをリング113に載せた後に、第2リフタ52を下降して基板Wおよびリングを載置台11に載置してもよい。また、リング113がテーパ面114を有する場合に、制御部CUは、第1リフタ51を動作させずに第2リフタ52を上昇させることにより、基板Wおよびリング113を支持してもよい。そして、制御部CUは、第2リフタ52を下降させることにより、基板Wおよびリングを載置台11に載置する。これにより、基板処理システムPSは、基板Wおよびリング113をより迅速に搬送することができる。
【0128】
あるいは、基板処理システムPSは、リング113を支持した第2フォークFK2を処理モジュールPM1内に先に搬入して、第2リフタ52によりリング113を支持して載置してもよい。そしてリング113の載置直後に、基板処理システムPSは、基板Wを支持した第1フォークFK1を処理モジュールPM1内に搬入して、第1リフタ51により基板Wを支持して載置する。この場合でも、処理モジュールPM1に対して搬送ロボットTR1を対向させる動作の後に、搬送ロボットTR1の姿勢を変えずに、基板Wおよびリング113を処理モジュールPM1に連続的に搬入しており、搬送効率の低下が抑制される。すなわち、本明細書における同時搬送モードとは、処理モジュールPM1~PM7に対して基板Wとリング113とを別のタイミングで搬入する動作も含む概念である。
【0129】
図17は、他の実施形態に係る基板処理システムPSaを示す平面図である。
図17に示すように、基板処理システムPSaは、ロードロックモジュールLL1、LL2において基板Wおよびリング113の組み合わせ作業を行う点で、上記の基板処理システムPSとは異なる。
【0130】
詳細には、基板処理システムPSaは、ロードロックモジュールLL1、LL2において効率的に基板Wおよびリング113を組み合わせるために、ロードロックモジュールLL1、LL2の隣接位置にリング収納モジュールRSMを備える。例えば、基板処理システムPSaは、適宜のロードロックモジュールLL1、LL2にリング113を配置した後に基板Wを搬入することで、基板Wおよびリング113の組み合わせを行う。リング収納モジュールRSMからロードロックモジュールLL1、LL2へのリング113の搬送は、真空搬送モジュールTMの搬送ロボットTR1を用いてもよく、大気搬送モジュールLMの搬送ロボットTR2を用いてもよい。あるいは、リング収納モジュールRSM内に、ロードロックモジュールLL1、LL2にリング113を搬送する図示しない搬送装置を備えてもよい。これにより、真空搬送モジュールTMの搬送ロボットTR1は、適宜のロードロックモジュールLL1、LL2から、基板Wおよびリング113を同時に保持して搬出し、処理モジュールPM1~PM7に搬送することができる。
【0131】
なお、リング収納モジュールRSMの位置、または基板Wおよびリング113の組み合わせ作業を行う作業部80の位置は、上記の実施形態に限定されない。例えば、基板処理システムPSは、リング収納モジュールRSMから離れた位置に(一例として、処理モジュールPM1~PM7のいずれかに代えて)作業部80を設置した構成でもよい。
【0132】
また例えば、大気搬送モジュールLMのロードポートLP1~LP4のいずれかにリング収納モジュールRSMを設置すると共に、大気搬送モジュールLMに作業部80を接続してもよい。すなわち、基板処理システムPSは、大気搬送モジュールLMにおいて基板Wおよびリング113の組み合わせ作業を行った後に、これらの基板Wおよびリング113を真空搬送モジュールTMに搬送できる。
【0133】
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
(付記1)
基板を処理する処理モジュールと、
前記処理モジュールに接続され、前記基板、および前記基板の周囲に配置されるリングを搬送可能な搬送ロボットを有する真空搬送モジュールと、
制御部と、を備える基板処理システムであって、
前記処理モジュールは、
前記基板を収容可能な処理容器と、
前記処理容器の内部に設けられ、前記基板および前記リングを支持する載置台と、
前記基板を昇降させる第1リフタと、
前記リングを昇降させる第2リフタと、を含み、
前記制御部は、
前記搬送ロボットにより前記基板および前記リングを同時に搬送し、かつ少なくとも前記第2リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板および前記リングの載置、または前記載置台からの前記基板および前記リングの取り出しを行う同時搬送モードと、前記搬送ロボットにより前記基板を単独で搬送し、かつ前記第1リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板の載置、または前記載置台から前記基板の取り出しを行う単独搬送モードと、を選択的に実施するように制御する、
基板処理システム。
(付記2)
前記同時搬送モードにおいて、前記搬送ロボットは、一のフォークにより前記基板および前記リングを支持して搬送する、
付記1に記載の基板処理システム。
(付記3)
前記真空搬送モジュールに接続され、前記リングの内側に前記基板を配置することで、前記基板および前記リングを組み合わせるための作業部を有する、
付記2に記載の基板処理システム。
(付記4)
前記作業部は、前記リングを複数収納するリング収納モジュールの内部または前記リング収納モジュールの隣接位置に設けられる、
付記3に記載の基板処理システム。
(付記5)
前記作業部は、前記真空搬送モジュールに接続され、大気圧雰囲気と真空雰囲気に切り替え可能なロードロックモジュールの内部に設けられる、
付記3に記載の基板処理システム。
(付記6)
前記制御部は、
前記基板および前記リングを支持した前記一のフォークを前記処理容器の内部に搬入し、
前記第1リフタを上昇させることにより前記基板を支持し、
前記第2リフタを上昇させることにより前記リングを支持し、
前記第1リフタおよび前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
付記2乃至5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
(付記7)
前記制御部は、前記処理容器の内部において、前記リングを前記載置台に載置した後に、前記基板を前記載置台に載置する、
付記6に記載の基板処理システム。
(付記8)
前記基板は、ダミー基板である、
付記6または7に記載の基板処理システム。
(付記9)
前記リングは、鉛直方向下側に向かって小径となるテーパ面を内側に有し、
前記搬送ロボットは、前記テーパ面により前記基板を支持して、前記基板および前記リングを搬送する、
付記2乃至5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
(付記10)
前記制御部は、
前記第2リフタを上昇させることにより、前記基板および前記リングを支持し、
前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
付記9に記載の基板処理システム。
(付記11)
前記制御部は、
前記載置台に前記基板を載置する前に、前記第2リフタに支持された前記リングに前記基板を載せることで、前記テーパ面に沿って前記基板の位置を調整する、
付記9または付記10に記載の基板処理システム。
(付記12)
前記基板は、ダミー基板である、
付記1乃至7、付記9乃至11のいずれか1項に記載の基板処理システム。
(付記13)
前記同時搬送モードにおいて、前記搬送ロボットは、一のフォークにより前記基板を支持して搬送すると共に、他のフォークにより前記リングを支持して搬送する、
付記1に記載の基板処理システム。
(付記14)
前記制御部は、
前記基板を支持した前記一のフォーク、前記リングを支持した前記他のフォークを前記処理容器の内部に同時に搬入し、
前記第1リフタを上昇させることにより前記基板を支持し、
前記第2リフタを上昇させることにより前記リングを支持し、
前記第1リフタおよび前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
付記13に記載の基板処理システム。
(付記15)
前記制御部は、前記処理容器の内部において、前記リングを前記載置台に載置した後に前記基板を前記載置台に載置する、
付記14に記載の基板処理システム。
(付記16)
前記リングは、鉛直方向下側に向かって小径となるテーパ面を内側に有し、
前記制御部は、
前記載置台に前記基板を載置する前に、前記第2リフタに支持された前記リングに前記基板を載せることで、前記テーパ面に沿って前記基板の位置を調整する、
付記14または15に記載の基板処理システム。
(付記17)
前記制御部は、
前記第2リフタを上昇させることにより、前記基板および前記リングを支持し、前記第2リフタを下降させることにより、前記基板および前記リングを前記載置台に載置する、
付記16に記載の基板処理システム。
(付記18)
前記基板は、ダミー基板である、
付記14乃至17のいずれか1項に記載の基板処理システム。
(付記19)
基板を処理する処理モジュールと、
前記処理モジュールに接続され、前記基板、および前記基板の周囲に配置されるリングを搬送可能な搬送ロボットを有する真空搬送モジュールと、を備える基板処理システムの基板搬送方法であって、
前記処理モジュールは、
前記基板を収容可能な処理容器と、
前記処理容器の内部に設けられ、前記基板および前記リングを支持する載置台と、
前記基板を昇降させる第1リフタと、
前記リングを昇降させる第2リフタと、を含み、
前記基板搬送方法では、
(A)前記搬送ロボットにより前記基板および前記リングを同時に搬送し、かつ少なくとも前記第2リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板および前記リングの載置、または前記載置台からの前記基板および前記リングの取り出しを行う工程と、
(B)前記搬送ロボットにより前記基板を単独で搬送し、かつ前記第1リフタを昇降させることで、前記載置台への前記基板の載置、または前記載置台から前記基板の取り出しを行う工程と、を選択的に実施する、
基板搬送方法。
【0134】
今回開示された実施形態に係る基板処理システムPSおよび基板搬送方法は、すべての点において例示であって制限的なものではない。実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形および改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0135】
10 処理容器
11 載置台
51 第1リフタ
52 第2リフタ
113 リング
CU 制御部
PM1~PM7 処理モジュール
PS、PSa 基板処理システム
TM 真空搬送モジュール
TR1 搬送ロボット
W 基板