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特開2024-108846投影装置、制御装置、制御方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108846
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】投影装置、制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20240805BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240805BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 E
H04N5/74 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013452
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 和紀
(72)【発明者】
【氏名】古林 琢
(72)【発明者】
【氏名】清水 仁
(72)【発明者】
【氏名】永利 由紀子
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203GC07
5C058BA27
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA12
5C058EA26
(57)【要約】
【課題】投影像の位置をシフトさせても投影像のサイズを一定に維持することが可能な投影装置、制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】制御装置114を備え、レンズ装置120により投影を行う投影装置110は、レンズ装置120の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能である。制御装置114は、シフトの状態に応じて、投影像のサイズを、シフトの状態が第1シフト状態である場合の投影像の第1サイズに近づける処理を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、レンズ装置により投影を行う投影装置であって、
前記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能であり、
前記プロセッサは、
前記シフトの状態に応じて、前記投影像のサイズを、前記シフトの状態が第1シフト状態である場合の前記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
投影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記シフトは、光学シフトである、
投影装置。
【請求項3】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記第1シフト状態は、前記シフトの非実行状態、前記投影装置の起動時における前記シフトの状態、又はユーザが設定した前記シフトの状態である、
投影装置。
【請求項4】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記レンズ装置の光学特性に応じて投影画像に歪曲補正を行う、
投影装置。
【請求項5】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記シフトの後の前記投影像のサイズが前記第1サイズより大きくなる場合、投影画像を縮小する処理を行う、
投影装置。
【請求項6】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記シフトの後の前記投影像のサイズが前記第1サイズより小さくなる場合、投影画像を拡大する処理を行う、
投影装置。
【請求項7】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記投影像のサイズを前記第1サイズに近づける処理は、光学系の制御を含む、
投影装置。
【請求項8】
請求項7に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記光学系の制御によって生じる前記投影像の歪みを補正する処理を投影画像に行う、
投影装置。
【請求項9】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記投影像のサイズを前記第1サイズに近づける処理は、投影画像の処理を含む、
投影装置。
【請求項10】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記投影像のサイズと前記第1サイズとの差を所定範囲内に維持できる範囲で前記シフトを行う、
投影装置。
【請求項11】
請求項1に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記シフトによって前記投影像のサイズと前記第1サイズとの差を所定範囲内に維持できなくなった後は、前記投影像のサイズを前記第1サイズに近づける処理に代えて前記投影像のサイズを維持する処理を行う、
投影装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の投影装置であって、
前記レンズ装置は、前記投影装置に対して着脱可能である、
投影装置。
【請求項13】
請求項12に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記レンズ装置の光学特性と、前記シフトの状態と、に基づく拡縮パラメータを取得し、前記拡縮パラメータに基づいて前記投影像のサイズを前記第1サイズに近づける処理を行う、
投影装置。
【請求項14】
請求項13に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記レンズ装置による投影像を撮像して得られた撮像画像に基づいて前記光学特性を示す情報を取得する、
投影装置。
【請求項15】
請求項13に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、
取得した前記拡縮パラメータと、前記レンズ装置の型式及び前記シフトの状態と、の対応情報を不揮発メモリに保持させ、
前記レンズ装置が装着された状態で前記投影装置が起動された場合、又は前記レンズ装置が装着されたことを検知した場合、前記対応情報から前記拡縮パラメータを取得する、
投影装置。
【請求項16】
請求項15に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記レンズ装置の連続使用時間に応じて、前記対応情報を前記不揮発メモリに保持させる、
投影装置。
【請求項17】
請求項15に記載の投影装置であって、
前記プロセッサは、前記レンズ装置の連続非装着時間に応じて、前記対応情報を前記不揮発メモリに保持させる、
投影装置。
【請求項18】
レンズ装置により投影を行い、前記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能な投影装置の制御装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記シフトの状態に応じて、前記投影像のサイズを、前記シフトの状態が第1シフト状態である場合の前記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
制御装置。
【請求項19】
レンズ装置により投影を行い、前記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能な投影装置の制御装置による制御方法であって、
前記制御装置のプロセッサが、
前記シフトの状態に応じて、前記投影像のサイズを、前記シフトの状態が第1シフト状態である場合の前記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
制御方法。
【請求項20】
レンズ装置により投影を行い、前記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能な投影装置の制御装置の制御プログラムであって、
前記制御装置のプロセッサに、
前記シフトの状態に応じて、前記投影像のサイズを、前記シフトの状態が第1シフト状態である場合の前記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ズーム機能を有する投写レンズユニットが交換可能に装着され、入力された映像信号に各種補正を行う映像処理部と、レンズシフト調整部とを備え、投写レンズユニットが、フォーカスレンズを駆動するフォーカス調整部と、湾曲調整レンズを駆動する像面湾曲調整部とを有し、フォーカス調整と像面湾曲調整とを個別に行うことが可能な画像投射装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、投射部に各種の投射レンズユニットが着脱可能に装着され、形状補正処理やズーム処理を含む画像処理を実行可能な画像処理部を備え、投射レンズユニットが、ズーム機能、フォーカス機能、レンズシフト機能、歪曲収差の補正機能を有し、投射レンズユニットから取得した情報に基づいて、投射レンズユニットが有しない機能については対応する制御動作を停止状態にするプロジェクタが記載されている。
【0004】
特許文献3には、電気的に投射画像の画角を拡大/縮小可能なデジタルスケーリング処理を行う画像処理装置と、レンズ装置を光軸に対して直交する方向にシフトさせるレンズシフト装置と、を備え、レンズ装置のシフト位置に応じて、その後にデジタルスケーリング処理を行う際の基準位置を変更することで、設置作業の効率を向上させるプロジェクタ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-144244号公報
【特許文献2】特開2017-181538号公報
【特許文献3】特開2020-122887号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の技術に係る1つの実施形態は、投影像の位置をシフトさせても投影像のサイズを一定に維持することが可能な投影装置、制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)
プロセッサを備え、レンズ装置により投影を行う投影装置であって、
上記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能であり、
上記プロセッサは、
上記シフトの状態に応じて、上記投影像のサイズを、上記シフトの状態が第1シフト状態である場合の上記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
投影装置。
【0008】
(2)
(1)に記載の投影装置であって、
上記シフトは、光学シフトである、
投影装置。
【0009】
(3)
(1)又は(2)に記載の投影装置であって、
上記第1シフト状態は、上記シフトの非実行状態、上記投影装置の起動時における上記シフトの状態、又はユーザが設定した上記シフトの状態である、
投影装置。
【0010】
(4)
(1)~(3)のいずれか1つに記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記レンズ装置の光学特性に応じて投影画像に歪曲補正を行う、
投影装置。
【0011】
(5)
(1)~(4)のいずれか1つに記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記シフトの後の上記投影像のサイズが上記第1サイズより大きくなる場合、投影画像を縮小する処理を行う、
投影装置。
【0012】
(6)
(1)~(5)のいずれか1つに記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記シフトの後の上記投影像のサイズが上記第1サイズより小さくなる場合、投影画像を拡大する処理を行う、
投影装置。
【0013】
(7)
(1)~(6)のいずれか1つに記載の投影装置であって、
上記投影像のサイズを上記第1サイズに近づける処理は、光学系の制御を含む、
投影装置。
【0014】
(8)
(7)に記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記光学系の制御によって生じる上記投影像の歪みを補正する処理を投影画像に行う、
投影装置。
【0015】
(9)
(1)~(8)のいずれか1つに記載の投影装置であって、
上記投影像のサイズを上記第1サイズに近づける処理は、投影画像の処理を含む、
投影装置。
【0016】
(10)
(1)~(9)のいずれか1つに記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記投影像のサイズと上記第1サイズとの差を所定範囲内に維持できる範囲で上記シフトを行う、
投影装置。
【0017】
(11)
(1)~(9)のいずれか1つに記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記シフトによって上記投影像のサイズと上記第1サイズとの差を所定範囲内に維持できなくなった後は、上記投影像のサイズを上記第1サイズに近づける処理に代えて上記投影像のサイズを維持する処理を行う、
投影装置。
【0018】
(12)
(1)から(11)のいずれか1項に記載の投影装置であって、
上記レンズ装置は、上記投影装置に対して着脱可能である、
投影装置。
【0019】
(13)
(12)に記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記レンズ装置の光学特性と、上記シフトの状態と、に基づく拡縮パラメータを取得し、上記拡縮パラメータに基づいて上記投影像のサイズを上記第1サイズに近づける処理を行う、
投影装置。
【0020】
(14)
(13)に記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記レンズ装置による投影像を撮像して得られた撮像画像に基づいて上記光学特性を示す情報を取得する、
投影装置。
【0021】
(15)
(13)又は(14)に記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、
取得した上記拡縮パラメータと、上記レンズ装置の型式及び上記シフトの状態と、の対応情報を不揮発メモリに保持させ、
上記レンズ装置が装着された状態で上記投影装置が起動された場合、又は上記レンズ装置が装着されたことを検知した場合、上記対応情報から上記拡縮パラメータを取得する、
投影装置。
【0022】
(16)
(15)に記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記レンズ装置の連続使用時間に応じて、上記対応情報を上記不揮発メモリに保持させる、
投影装置。
【0023】
(17)
(15)又は(16)に記載の投影装置であって、
上記プロセッサは、上記レンズ装置の連続非装着時間に応じて、上記対応情報を上記不揮発メモリに保持させる、
投影装置。
【0024】
(18)
レンズ装置により投影を行い、上記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能な投影装置の制御装置であって、
プロセッサを備え、
上記プロセッサは、
上記シフトの状態に応じて、上記投影像のサイズを、上記シフトの状態が第1シフト状態である場合の上記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
制御装置。
【0025】
(19)
レンズ装置により投影を行い、上記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能な投影装置の制御装置による制御方法であって、
上記制御装置のプロセッサが、
上記シフトの状態に応じて、上記投影像のサイズを、上記シフトの状態が第1シフト状態である場合の上記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
制御方法。
【0026】
(20)
レンズ装置により投影を行い、上記レンズ装置の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能な投影装置の制御装置の制御プログラムであって、
上記制御装置のプロセッサに、
上記シフトの状態に応じて、上記投影像のサイズを、上記シフトの状態が第1シフト状態である場合の上記投影像の第1サイズに近づける処理を行う、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、投影像の位置をシフトさせても投影像のサイズを一定に維持することが可能な投影装置、制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態の投影装置110の一例を示す図である。
図2】投影装置110の内部構成の一例を示す図である。
図3】歪曲補正を施す前後の投影像の一例を示す図である。
図4】投影装置110の処理の一例を示すフローチャートである。
図5】投影像をシフトしたときに投影像のサイズが拡大する場合の補正処理の一例を示す図である。
図6】投影像をシフトしたときに投影像のサイズが縮小する場合の補正処理の一例を示す図である。
図7】投影装置110の起動時の処理の第1変形例を示すフローチャートである。
図8】投影装置110の起動時の処理の第2変形例を示すフローチャートである。
図9図8の第2変形例における投影像のシフトと補正処理の一例を示す図である。
図10】投影像のシフトと補正処理の変形例を示す図である。
図11】投影装置110の起動時の処理の第3変形例を示すフローチャートである。
図12】投影装置110の構成の変形例を示す図である。
図13】パーソナルコンピュータ200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
【0030】
<実施形態の投影装置110>
図1は、本実施形態の投影装置110の一例を示す図である。図1に示すように、投影装置110は、例えば、箱型の筐体110aを備え、その筐体110aにレンズ装置120が着脱可能(交換可能)に取り付けることができるように構成されている。筐体110aには、レンズ装置120を取り付けるためのレンズマウント130が設けられている。レンズ装置120は、例えば、撮像レンズを含む装置である。レンズ装置120は、その装置固有の情報、例えば、レンズ装置の型番情報や光学特性情報などを有している。
【0031】
<投影装置110の内部構成>
図2は、投影装置110の内部構成の一例を示す図である。図2に示すように、投影装置110は、投影部112と、制御装置114と、レンズ通信部116と、外部通信部117と、操作受付部118と、レンズマウント130と、を備える。制御装置114は、本発明におけるプロセッサの一例である。なお、投影装置110のレンズマウント130には、上記図1で説明したように、レンズ装置120が取り付けられる。
【0032】
投影部112、例えば液晶プロジェクタ又はLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いたプロジェクタ等によって構成される。以下では、投影部112が液晶プロジェクタであるものとして説明する。投影部112は、光源112aと、光変調部112bと、中継光学系112cと、制御回路112dと、を備える。
【0033】
光源112aは、レーザ又はLED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)等の発光素子を含み、例えば白色光を出射する。
【0034】
光変調部112bは、光源112aから出射されて図示省略の色分離機構によって赤、青、緑の3色に分離された各色光を、画像情報に基づいて変調して各色画像を出射する3つの液晶パネル(光変調素子)と、3つの液晶パネルから出射された各色画像を混合して同一方向に出射するダイクロイックプリズムと、によって構成される。この3つの液晶パネルにそれぞれ赤、青、緑のフィルタを搭載し、光源112aから出射された白色光を、各液晶パネルにて変調して各色画像を出射させてもよい。
【0035】
光変調部112bの全範囲を透過する光によって照射される領域が、投影部112により投影可能な投影可能範囲となる。この投影可能範囲のうち、光変調部112bから実際に透過する光によって照射される領域が、投影部112の投影範囲となる。例えば、光変調部112bのうち光が透過する領域の大きさ、位置、及び形状を制御することにより、投影可能範囲における投影部112の投影範囲の大きさ、位置、及び形状を変化させることができる。
【0036】
中継光学系112cは、光源112a及び光変調部112bからの光が入射されるものであり、例えばリレーレンズを含む光学系によって構成されている。中継光学系112cは、光源112a及び光変調部112bから入射された投影光をレンズ装置120に中継することが可能な位置に配置されている。中継光学系112cは、光軸方向に沿って移動可能に構成されている。
【0037】
また、中継光学系112cは、レンズ装置120の光軸方向に直交する方向へ投影像をシフトすることが可能なシフト機構112eを有する。シフト機構112eは、中継光学系112cのイメージサークルを維持しつつ、投影部112の投影範囲を機械的又は光学的に移動させることが可能である。中継光学系112cのイメージサークルは、中継光学系112cに入射した投影光が、光量落ち、色分離、周辺湾曲などの点から適正に中継光学系112cを通過する領域である。
【0038】
シフト機構112eは、光学系シフトを行う光学系シフト機構と、電子シフトを行う電子シフト機構と、の少なくともいずれかにより実現される。
【0039】
光学系シフト機構は、例えば、中継光学系112cを光軸に垂直な方向に移動させる機構、又は、中継光学系112cを移動させる代わりに光変調部112bを光軸に垂直な方向に移動させる機構である。また、光学系シフト機構は、中継光学系112cの移動と光変調部112bの移動とを組み合わせて行うものであってもよい。
【0040】
電子シフト機構は、光変調部112bにおいて光を透過させる範囲を変化させることによる疑似的な投影範囲のシフトを行う機構である。なお、シフト機構は、手動にて移動させるものの他、電動にて移動させるものであってもよい。
【0041】
制御回路112dは、制御装置114から入力される制御信号に基づいて、光源112a、光変調部112b、及び中継光学系112cを制御することにより、投影光をレンズ装置120へ中継させる。また、制御回路112dは、制御装置114から入力される制御信号に基づいて、中継光学系112cのシフト機構112eを制御することにより、投影像の位置を光軸方向に直交する方向へシフトさせる。また、制御回路112dは、制御装置114から入力される制御信号に基づいて、中継光学系112cのリレーレンズを光軸方向に沿って移動させる。また、制御回路112dは、制御装置114から入力される画像データと、中継光学系112cに入射される投影光とに基づいて、スクリーン(図示省略)に投影するための画像を生成させる。
【0042】
レンズマウント130にはレンズ装置120と投影部112とを接続する接続情報端子が設けられている。レンズ装置120がレンズマウント130に取り付けられると、例えば、接続情報端子とレンズ装置120との接続状態により、取り付けられたレンズ装置120の固有情報(型番情報や光学特性情報など)を制御回路112dが検出できるように構成されている。
【0043】
レンズ装置120は、投影光学系121と、制御回路122と、を備える。投影光学系121は、中継光学系112cからの投影光が入射されるものであり、例えば撮像レンズを含む光学系によって構成されている。投影光学系121は、中継光学系112cで生成された画像を拡大する。
【0044】
制御回路122は、制御装置114から入力される制御信号に基づいて、投影光学系121を制御することにより、画像を所定の倍率に拡大させる。なお、制御回路122は、レンズ装置120が投影装置110のレンズマウント130に取り付けられた際に、レンズ装置120の固有情報(型番情報や特性情報など)をレンズ通信部116を介して制御装置114へ送信するようにしてもよい。
【0045】
制御装置114は、投影装置110における投影の制御を行う。制御装置114は、各種のプロセッサにより構成される制御部と、各部と通信するための通信インタフェース(図示省略)と、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、又はROM(Read Only Memory)、不揮発メモリ等の記憶媒体114aと、を含む装置であり、投影部112を統括制御する。制御装置114における制御部の各種のプロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0046】
これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。制御装置114における制御部は、各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ又はCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。
【0047】
例えば、制御装置114は、投影像のシフトの状態に応じて、投影像のサイズを、シフトの状態が第1シフト状態である場合の投影像の第1サイズに近づける処理を行う。第1シフト状態は、例えば、投影像のシフトの非実行状態である。シフトの非実行状態とは、中継光学系112cのリレーレンズにおけるセンターサークルの中央を利用している状態(シフト量=0の状態)である。また、第1シフト状態は、例えば、投影装置110の起動時における投影像のシフトの状態であってもよいし、ユーザが設定した投影像のシフトの状態であってもよい。
【0048】
制御装置114は、レンズ装置120の光学特性に応じて、投影像に生じる歪を抑制するために、投影画像の歪曲補正を行う。
【0049】
制御装置114は、シフトの後の投影像のサイズが第1サイズより大きくなる場合、投影画像を縮小する処理を行う。また、制御装置114は、シフトの後の投影像のサイズが第1サイズより小さくなる場合、投影画像を拡大する処理を行う。例えば、制御装置114は、シフト後の投影像のサイズが第1サイズより大きくなっていたら、そのシフトを行った後に縮小する。また、制御装置114は、シフト後に第1サイズより大きくなる場合には、シフトする前に縮小してもよい。また、制御装置114は、投影像のシフトと縮小を同時に行ってもよい。なお、シフト後の投影像のサイズが第1サイズより小さくなる場合も同様に拡大してもよい。
【0050】
制御装置114は、例えば、光学系の制御を行うことにより、投影像のサイズを第1サイズに近づける。光学系の制御とは、例えば、中継光学系112cにおけるリレーレンズの位置を移動させることによる光学ズームである。なお、レンズ装置120の投影光学系121で光学ズームが可能である場合には、光学系の制御は、投影光学系121の撮像レンズによる光学ズームでもよい。制御装置114は、光学系の制御によって生じる投影像の歪みを補正する処理を投影画像に行う。
【0051】
また、制御装置114は、例えば、投影画像の処理を行うことにより、投影像のサイズを第1サイズに近づける。投影画像の処理とは、例えば、投影画像のデジタルズーム(電子拡縮)である。例えば、投影画像を縮小する場合、投影像と縮小後の投影画像との差領域には、黒色縁取りして投影像における画像がない部分を隠す処理を施す。
【0052】
制御装置114は、投影像のサイズと第1サイズとの差を所定範囲内に維持できる範囲で投影像のシフトを行う。所定範囲とは、0かそれに近い範囲である。例えば、制御装置114は、ユーザ操作に応じて投影像をシフトさせた後に、第1サイズが維持できなければシフト状態を戻す。また、制御装置114は、ユーザ操作を受け付けた段階で、シフト後に第1サイズが維持できるか否かを判定し、維持できなければ投影像をシフトしないようにしてもよい。
【0053】
制御装置114は、シフトによって投影像のサイズと第1サイズとの差を所定範囲内に維持できなくなった後は、投影像のサイズを第1サイズに近づける処理に代えて、投影像のサイズを維持する処理を行う。維持できなくなった場合とは、第1サイズに近づけることが可能な投影像のサイズの拡大限界又は縮小限界を超えた場合である。投影像のサイズを維持する処理とは、第1サイズに近づける処理を止めて、その時のサイズを可能な限り維持する処理である。その時とは、第1サイズに近づけることが可能な投影像のサイズの拡大限界時又は縮小限界時のことである。すなわち、シフトにより投影像が縮小して拡大可能な限界を超えた場合には、その後にシフト量が減って(投影像が逆方向へシフトされ)投影像が大きくなる場合でも、大きくせずに縮小処理することによってその時のサイズを維持する。ただし、シフト量が増えて投影像がさらに小さくなる場合は投影像のサイズを維持しない。同様に、シフトにより投影像が拡大して縮小可能な限界を超えた場合には、その後にシフト量が減って(投影像が逆方向へシフトされ)投影像が小さくなる場合でも、小さくせずに拡大処理することによってその時のサイズを維持する。ただし、シフト量が増えて投影像がさら大きくなる場合は投影像のサイズを維持しない。
【0054】
上記所定範囲内に維持できる範囲で投影像のシフトを行うか、あるいは所定範囲内に維持できなくなった後は投影像のサイズを維持するかは、ユーザの操作等で切り替えられるようにしてもよい。
【0055】
制御装置114は、レンズ装置120の光学特性と、投影像のシフトの状態と、に基づく拡縮パラメータを取得し、拡縮パラメータに基づいて投影像のサイズを第1サイズに近づける処理を行う。レンズ装置120の光学特性には、例えば、レンズ装置のディストーション特性を含む。投影像のサイズを第1サイズに近づける処理には、光学特性とシフト状態とに基づいて歪曲補正パラメータを取得し、歪曲補正パラメータに基づく処理も含まれる。拡縮パラメータとは、投影像の拡大率(0未満なら縮小)のことである。例えば、制御装置114は、レンズ装置120のレンズ型式と光学特性との対応情報を記憶しておき、レンズ装置120から取得したレンズ型式情報に基づいてレンズ装置120の光学特性を取得する。また、制御装置114は、レンズ装置120側からレンズ装置120の光学特性の情報を取得してもよい。また、制御装置114は、キャリブレーションにより光学特性を取得してもよい。
【0056】
制御装置114は、例えば、レンズ装置120による投影像を撮像装置によって撮像し、その撮像により得られた撮像画像に基づいて光学特性を示す情報を取得してもよい。例えば、制御装置114は、レンズ装置120によりテストパターンを投影し、それを撮像装置で撮像する。撮像装置の撮像は、シフト状態を変えながら複数回の行ってもよい。撮像装置は、投影装置110に内蔵されていてもよいし、投影装置110と通信可能な外部装置であってもよい。
【0057】
制御装置114は、取得した拡縮パラメータと、レンズ装置120の型式及び投影像のシフトの状態と、の対応情報を不揮発メモリ(記憶媒体114a)に保持させる。制御装置114は、レンズ装置120が装着された状態で投影装置110が起動された場合、又はレンズ装置120が装着されたことを検知した場合、対応情報から拡縮パラメータを取得して投影像のサイズを第1サイズに近づける処理を行う。
【0058】
制御装置114は、レンズ装置120の連続使用時間に応じて、対応情報を不揮発メモリに保持させる。レンズ装置120の連続使用時間とは、そのレンズ装置120を装着していた時間、そのレンズ装置120を装着した状態で連続起動していた時間、そのレンズ装置120を装着した状態で連続投影していた時間等である。制御装置114は、例えば、連続使用時間が所定時間以下の場合には対応情報を不揮発メモリに保持しない。制御装置114は、レンズ装置120の連続非装着時間に応じて、対応情報を不揮発メモリに保持させる。レンズ装置の連続非装着時間とは、そのレンズ装置120を最後に取り外してからの経過時間である。制御装置114は、例えば、連続非装着時間が所定時間を超えた場合にはそのレンズ装置120の対応情報を不揮発メモリから破棄する。
【0059】
レンズ通信部116は、レンズ装置120との間で通信が可能なインタフェースである。例えば、レンズ通信部116は、制御装置114から出力されるレンズ装置120への制御信号をレンズ装置120の制御回路122に送信する。
【0060】
外部通信部117は、外部機器との間で通信が可能なインタフェースである。例えば、外部通信部117は、制御装置114から出力されるユーザへの報知情報を外部機器に送信する。また、外部通信部117は、外部機器から送信される投影部112及びレンズ装置120を制御するための信号を制御装置114へ出力する。なお、外部通信部117は、有線通信を行う有線通信インタフェースであってもよいし、無線通信を行う無線通信インタフェースであってもよい。
【0061】
操作受付部118は、ユーザからの各種の操作を受け付けることにより、ユーザからの指示を検出する。操作受付部118は、制御装置114に設けられたボタン、キー、ジョイスティック等であってもよいし、制御装置114の遠隔操作を行うリモートコントローラからの信号を受け付ける受信部等であってもよい。操作受付部118は、ユーザからの指示操作に基づいて、例えば、投影部112及びレンズ装置120を制御することが可能である。具体的には、操作受付部118は、ユーザの指示操作により投影像の位置を光軸に直交する方向へシフトさせることが可能である。
【0062】
上述した制御装置114から投影部112の制御回路112dに入力される制御信号及び制御装置114からレンズ装置120の制御回路122に入力される制御信号は、例えば、操作受付部118によって受け付けられるユーザからの指示操作に基づく制御信号であってもよいし、外部通信部117によって受信される外部機器からの指示操作に基づく制御信号であってもよい。
【0063】
<投影像の歪曲収差>
図3は、歪曲補正を施す前後の投影像の一例を示す図である。本例では、投影像の一例としてテストパターンを用いている。
【0064】
レンズ装置120の撮像レンズは、各レンズ特有の歪を有する。このため、歪曲補正が施されていない場合、図3の上図に示すように、レンズ装置120から投影対象物140に投影された投影像は、例えば糸巻き型の歪曲収差が生じた投影像141aのようになる。したがって、このような場合には、歪曲収差を解消するために、例えば投影画像に歪曲収差を打ち消すための歪曲補正を施す。投影画像に歪曲補正を施すことにより、例えば図3の下図に示すように、糸巻き型の歪曲収差が解消された投影像141bのようにすることができる。また、歪曲収差は、例えば投影像の投影位置をシフトさせた場合にも発生し得る。したがって、投影像の投影位置をシフトした場合にも、発生した歪曲収差を解消するために、投影画像に歪曲補正を施すことが必要である。また、投影像の投影位置をシフトした場合、歪曲収差が生じるとともに、そのシフトに伴って投影像のサイズが変化する。したがって、投影像の投影位置をシフトした場合、歪曲補正を施すとともに、投影像のサイズを維持するためにサイズの拡縮調整を施すことが必要である。
【0065】
<投影装置110の処理例>
図4は、投影装置110の処理の一例を示すフローチャートである。本例では、投影装置110の起動時における処理の一例を説明する。
【0066】
まず、投影装置110の制御装置114は、投影装置110のレンズマウント130に接続されているレンズ装置120の光学特性情報を取得する(ステップS11)。制御装置114は、例えば、レンズ装置120の接続状態からレンズの形式情報を検出し、型式情報と対応付けられているレンズの光学特性情報を記憶媒体114aから取得する。
【0067】
次に、制御装置114は、ステップS11で取得したレンズ装置120の光学特性と、投影像のシフト状態と、拡大率と、に基づいて、起動時の投影像のサイズ(第1サイズ)を算出する(ステップS12)。本例では、起動時のシフト状態の投影像のサイズを第1サイズとする。起動時のシフト状態は、例えば、シフト量=0の状態でもよいし、前回の処理の終了時における投影像のシフト状態であってもよい。シフト量がゼロの状態である場合、投影像の拡大率は1となる。また、投影像のサイズは、例えば、「横10m、縦5m」のような実サイズでもよいし、投影装置110で設定されている所定サイズに対する比でもよい。
【0068】
次に、制御装置114は、レンズ装置120の光学特性と、投影像のシフト状態と、拡大率と、に基づいて、投影像のサイズを算出する(ステップS13)。例えば、制御装置114は、光学特性とシフト状態とに基づいて歪曲補正パラメータを算出し、歪曲補正パラメータから投影像のサイズを算出する。歪曲補正は、投影像のシフト状態に応じてパラメータを変えながら行う。なお、ステップS13における投影像のサイズの算出は、投影像のシフト状態が変化した場合に必要となる算出である。このため、起動時における最初のステップS13の算出では、投影像のサイズは、ステップS12で算出した第1サイズと同じサイズとなる。
【0069】
次に、制御装置114は、ステップS13で算出した現在の投影像のサイズと、ステップS12で算出した投影像の第1サイズと、の差が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS14)。差とは、例えば、現在の投影像のサイズに対する投影像の第1サイズの比(比が1からどれだけ離れているか)であってもよい。一例としては、制御装置114は、現在の投影像のサイズに対する投影像の第1サイズの比が1±0.03の範囲外であるか否かを判定する。
【0070】
ステップS14において、第1サイズとの差が所定値以上ではない場合(ステップS14:No)には、制御装置114は、投影像の拡縮処理を行わずに、投影像のシフト状態に変化が生じたか否かを判定する(ステップS21)。投影像のシフトは、上述したように操作受付部118を介してユーザから入力される指示操作に基づいて変化し得る。投影像のシフト量は、例えば、操作受付部118に対するユーザの指示操作の回数や、連続操作時間等で変化する。制御装置114は、例えば、投影像の細かなシフトの変化をシフト状態に変化なしとみなしてもよい。
【0071】
ステップS14において、第1サイズとの差が所定値以上である場合(ステップS14:Yes)には、制御装置114は、現在の投影像のサイズが投影像の第1サイズよりも大きいか否かを判定する(ステップS15)。拡大率は、第1サイズ/現在の投影像のサイズで算出される。拡大率の初期値は1である。
【0072】
ステップS15において、現在の投影像のサイズが投影像の第1サイズよりも大きい場合(ステップS15:Yes)には、制御装置114は、現在の投影像に電子縮小処理を施して、現在の投影像のサイズを投影像の第1サイズに近づける(ステップS16)。制御装置114は、電子縮小処理を施した後、ステップS21へ進み、投影像のシフト状態に変化が生じたか否かを判定する。
【0073】
ステップS15において、現在の投影像のサイズが投影像の第1サイズよりも大きくない場合(ステップS15:No)には、制御装置114は、光学拡大の余裕があるか否かを判定する(ステップS17)。光学拡大の余裕とは、光学拡大を施すことにより現在の投影像のサイズを投影像の第1サイズまで拡大することができる程度の余裕である。
【0074】
ステップS17において、光学拡大の余裕がある場合(ステップS17:Yes)には、制御装置114は、現在の投影像に光学拡大の処理を施して、現在の投影像のサイズを投影像の第1サイズに近づける(ステップS18)。制御装置114は、光学拡大処理を施した後、ステップS21へ進み、投影像のシフト状態に変化が生じたか否かを判定する。
【0075】
ステップS17において、光学拡大の余裕がない場合(ステップS17:No)には、制御装置114は、電子拡大の余裕があるか否かを判定する(ステップS19)。電子拡大の余裕とは、電子拡大を施すことにより現在の投影像のサイズを投影像の第1サイズまで拡大することができる程度の余裕である。
【0076】
ステップS19において、電子拡大の余裕がある場合(ステップS19:Yes)には、制御装置114は、現在の投影像に電子拡大の処理を施して、現在の投影像のサイズを投影像の第1サイズに近づける(ステップS20)。制御装置114は、電子拡大処理を施した後、ステップS21へ進み、投影像のシフト状態に変化が生じたか否かを判定する。
【0077】
ステップS19において、電子拡大の余裕がない場合(ステップS19:No)には、制御装置114は、ステップS21へ進み、投影像のシフト状態に変化が生じたか否かを判定する。
【0078】
ステップS21において、投影像のシフト状態に変化が生じた場合(ステップS21:Yes)には、制御装置114は、ステップS13に戻り、それ以降の各処理を繰り返す。ステップS21において、投影像のシフト状態に変化が生じていない場合(ステップS21:No)には、制御装置114は、終了操作がされたか否かを判定する(ステップS22)。終了操作とは、例えば、投影装置110が電源オフされることである。
【0079】
ステップS22において、終了操作がされていない場合(ステップS22:No)には、制御装置114は、ステップS21に戻り、各処理を繰り返す。ステップS22において、終了操作がされた場合(ステップS22:Yes)には、制御装置114は本処理を終了する。
【0080】
<投影像のシフトと補正処理>
図5は、投影像をシフトしたときに投影像のサイズが拡大する場合の補正処理の一例を示す図である。
【0081】
投影装置110の起動時において、例えば図5上段のシフト前状態150Aに示すように、投影像152aがスクリーン151上に表示されたとする。投影像152aは、この上段図に示すように、スクリーン151上における中央下部に表示されているとする。投影装置110は、レンズ装置120の光学特性と投影像152aのシフト状態とに基づいて、投影像152aのサイズ(第1サイズ)を算出する。起動時のシフト状態はシフト量がゼロであるとする。
【0082】
図5中段の図は、投影像のシフト操作が行われている最中のシフト中状態150Bを示す図である。本例のシフト操作では、矢印153で示すように投影像がスクリーン151の中央部に向けて上方向へシフトされたとする。そして、その上方向へのシフトに伴い、投影像のサイズが、例えば投影像152aのサイズから投影像152bのサイズに変化したとする。投影装置110は、レンズ装置120の光学特性と投影像152bのシフト状態とから歪曲補正パラメータを取得し、取得した歪曲補正パラメータに基づいて投影像152bのサイズを算出する。
【0083】
図5下段の図は、投影像のシフト操作が行われた後のシフト後状態150Cを示す図である。投影装置110は、投影像152bのサイズと投影像152aの第1サイズとを比較し、そのサイズ差に基づいて投影像152bのサイズを投影像152aの第1サイズに近づける拡縮処理(歪曲補正を含む)を行う。本例の場合には、シフト操作に伴い投影像のサイズが投影像152aの第1サイズから投影像152bのサイズに拡大したので、投影装置110は、投影像152bのサイズを投影像152aの第1サイズに近づける縮小処理を行う。これにより、シフト後状態150Cに示すように、上方向へシフトされた投影像は、シフト前状態150Aの投影像152aと略同じサイズの投影像152cとしてスクリーン151の略中央部に投影される。
【0084】
図6は、投影像をシフトしたときに投影像のサイズが縮小する場合の補正処理の一例を示す図である。
【0085】
投影装置110の起動時において、例えば図6上段のシフト前状態150Aに示すように、投影像152dがスクリーン151上に表示されたとする。投影像152dは、この上段図に示すように、スクリーン151上における中央下部に表示されているとする。投影装置110は、レンズ装置120の光学特性と投影像152dのシフト状態とに基づいて、投影像152dのサイズ(第1サイズ)を算出する。起動時のシフト状態はシフト量がゼロであるとする。
【0086】
図6中段の図は、投影像のシフト操作が行われている最中のシフト中状態150Bを示す図である。本例のシフト操作では、矢印153で示すように投影像がスクリーン151の中央部に向けて上方向へシフトされたとする。そして、その上方向へのシフトに伴い、投影像のサイズが、例えば投影像152dのサイズから投影像152eのサイズに変化したとする。投影装置110は、レンズ装置120の光学特性と投影像152eのシフト状態とから歪曲補正パラメータを取得し、取得した歪曲補正パラメータに基づいて投影像152eのサイズを算出する。
【0087】
図6下段の図は、投影像のシフト操作が行われた後のシフト後状態150Cを示す図である。投影装置110は、投影像152eのサイズと投影像152dの第1サイズとを比較し、そのサイズ差に基づいて投影像152eのサイズを投影像152dの第1サイズに近づける拡縮処理(歪曲補正を含む)を行う。本例の場合には、シフト操作に伴い投影像のサイズが投影像152dの第1サイズから投影像152eのサイズに縮小したので、投影装置110は、投影像152eのサイズを投影像152dの第1サイズに近づける拡大処理を行う。これにより、シフト後状態150Cに示すように、上方向へシフトされた投影像は、シフト前状態150Aの投影像152dと略同じサイズの投影像152fとしてスクリーン151の略中央部に投影される。
【0088】
以上のように、本実施形態の投影装置110は、レンズ装置120の光軸方向に直交する方向への投影像のシフトが可能であり、投影像のシフトの状態に応じて、シフトした投影像のサイズを、シフトの状態が第1シフト状態である場合の投影像の第1サイズに近づける処理を行う。この構成によれば、投影像の位置をシフトさせても、そのシフトした投影像のサイズを一定のサイズに維持することができる。これにより、投影像をシフトさせた際に、ユーザの意図しない投影像の変化を防ぐことができる。また、投影像の位置を所定の位置へシフトさせる際の、ユーザによる投影像のシフト位置の調整を容易にすることができる。
【0089】
また、投影装置110によれば、投影像の第1シフト状態は、例えばシフトの非実行状態、投影装置110の起動時におけるシフトの状態、又はユーザが設定したシフトの状態である。これらのシフト状態における投影像のサイズに近づけることにより、さらにユーザの意図しない投影像の変化を防ぐことができる。
【0090】
また、投影装置110によれば、投影像のサイズを第1サイズに近づける処理は、光学ズームによる投影像の拡大処理を含む。これにより、中継光学系112cのリレーレンズ、あるいは投影光学系121の撮像レンズを制御することで投影像を第1シフト状態の第1サイズに近づけることができる。
【0091】
また、投影装置110によれば、投影像のサイズを第1サイズに近づける処理は、デジタルズームによる投影画像の拡縮処理を含む。これにより、投影像の歪みを打ち消すとともに投影像を第1シフト状態の第1サイズに近づけることができる。
【0092】
また、投影装置110によれば、レンズ装置120の光学特性と、投影像のシフトの状態と、に基づく拡縮パラメータを取得し、拡縮パラメータに基づいて投影像のサイズを第1サイズに近づける処理を行う。これにより、各レンズ装置120のディストーション特性に応じた投影像の適切な拡大率を取得することができ、投影像を第1シフト状態の第1サイズに近づけることができる。
【0093】
また、投影装置110によれば、取得した拡縮パラメータと、レンズ装置120の型式及びシフトの状態と、の対応情報を不揮発メモリに保持させる。これにより、レンズ装置120を識別するだけで拡縮パラメータをメモリから読み出すことができるので、装着されたレンズ装置120に対して投影像を容易且つ適切に第1シフト状態の第1サイズに近づけることができる。
【0094】
また、投影装置110によれば、レンズ装置120の連続使用時間及び連続非装着時間に応じて、各レンズ装置120の対応情報を不揮発メモリに保持させる。これにより、メモリを効率的に使用することができる。
【0095】
<投影装置110の処理の第1変形例>
図7は、投影装置110の起動時の処理の第1変形例を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップS11からステップS17までの各処理は、図4で説明したステップS11からステップS17までの各処理と同様であるため説明を省略する。
【0096】
次に、ステップS17において、光学拡大の余裕がある場合(ステップS17:Yes)には、制御装置114は、現在の投影像に光学拡大の処理を施すとともに、その光学拡大の処理に伴って生じる投影像の歪みを補正するために投影画像の歪み補正処理を施して、現在の投影像のサイズを投影像の第1サイズに近づける(ステップS18)。光学拡大処理を施した後、ステップS21へ進み、投影像のシフト状態に変化が生じたか否かを判定する処理は図4の処理と同様である。
【0097】
なお、図7におけるステップS19からステップS22までの各処理は、図4で説明したステップS19からステップS22までの各処理と同様であるため説明を省略する。
【0098】
第1変形例の投影装置110によれば、光学ズームによる投影像の拡大処理を行うとともに、光学ズームによって生じる投影像の歪みを補正するための投影画像の処理を行い投影像のサイズを第1サイズに近づける。これにより、投影像の歪を補正しつつ投影像のサイズを調整できるので、さらに正確に投影像のサイズを第1サイズに近づけることができる。このため、投影像のサイズを一定のサイズに維持でき、投影像をシフトさせた際に、ユーザの意図しない投影像の変化を防ぐことができる。また、ユーザによる投影像のシフト位置の調整を容易にすることができる。
【0099】
<投影装置110の処理の第2変形例>
図8は、投影装置110の起動時の処理の第2変形例を示すフローチャートである。図8に示すように、ステップS11からステップS20までの各処理は、図4で説明したステップS11からステップS20までの各処理と同様であるため説明を省略する。
【0100】
次に、ステップS19において、電子拡大の余裕がない場合(ステップS19:No)には、制御装置114は、現在の投影像のサイズを投影像の第1サイズに近づけることが可能なシフト状態に投影像のシフトの状態を変更する(ステップS20A)。なお、本第2変形例では、シフトした投影像のサイズを第1サイズに維持できなくなったとき、投影像のシフト状態を手前のシフト状態に戻す場合について説明しているが、これに限定されない。例えば、制御装置114は、投影像のシフト操作を受け付けた段階で投影像のサイズを第1サイズに維持できるか否かの判定を行い、維持できないと判定し場合には投影像をシフトしないようにしてもよい。
【0101】
図8におけるステップS21からステップS22までの各処理は、図4で説明したステップS21からステップS22までの各処理と同様であるため説明を省略する。
【0102】
図9は、図8で説明した第2変形例における投影像のシフトと補正処理の一例を示す図である。本例では、投影像のシフトと共にそのサイズが縮小して、投影像の第1サイズに維持できなくなったとき(図8のステップS20A)の補正処理を説明する。
【0103】
投影装置110の起動時において、例えば図9上段のシフト前状態150Aに示すように、投影像152gがスクリーン151上に表示されたとする。投影像152gは、この上段図に示すように、スクリーン151上における中央下部に表示されているとする。投影装置110は、レンズ装置120の光学特性と投影像152gのシフト状態とに基づいて、投影像152gのサイズ(第1サイズ)を算出する。起動時のシフト状態はシフト量がゼロであるとする。
【0104】
図9中段の図は、投影像のシフト操作が行われている最中のシフト中状態150Bを示す図である。本例のシフト操作では、繰り返してシフト操作が行われ、矢印153で示すように投影像がスクリーン151の上方向へ徐々にシフトされて、例えば投影像152iの位置までシフトされたとする。投影装置110は、シフトされるごとにレンズ装置120の光学特性と投影像のシフト状態とから歪曲補正パラメータを取得してその時の投影像のサイズを算出し、投影像152gの第1サイズとのサイズ差に基づいてその時の投影像のサイズを投影像152gの第1サイズに近づける拡縮処理(歪曲補正を含む)を行う。本例の場合には、シフト操作に伴い投影像のサイズが投影像152gの第1サイズよりも縮小するので、投影装置110は、投影像のサイズを投影像152gの第1サイズに近づける拡大処理を行う。ところが、投影像の位置が投影像152iの位置までシフトするとそのシフトに伴って縮小した投影像152iのサイズを投影像152gの第1サイズに拡大する余裕がなくなり拡大できなくなる。
【0105】
図9下段の図は、投影像のシフト量が閾値を超えたシフト閾値状態150Dを示す図である。投影装置110は、上記のように投影像152iのサイズを投影像152gの第1サイズに拡大できなくなった場合、投影像のシフト状態を投影像152gの第1サイズに拡大することが可能なシフト状態、例えば投影像152hのシフト状態に戻す。この場合、戻された投影像152hのサイズは投影像152gの第1サイズに拡大される。なお、投影像152iの位置を超えてさらに投影像が上方向へシフトされた場合は、同様に投影像の状態は投影像152hのシフト状態に戻される。また、本例では、投影像のシフト状態を投影像152hのシフト状態に戻す場合を説明したが、これに限定されず、例えば投影像のシフト前の状態、すなわち投影像152gの位置まで戻してもよい。
【0106】
第2変形例の投影装置110によれば、投影像のサイズと第1サイズとの差を所定範囲内に維持できる範囲で投影像のシフトを行う。このように、サイズを維持できない状態になった場合、シフト操作がされても投影像をそれ以上シフトさせないで第1サイズに拡大可能な手前のシフト状態に戻すので、ユーザの意図しない投影像の変化を抑制することができる。
【0107】
<投影像のシフトと補正処理の変形例>
図10は、投影像のシフトと補正処理の変形例を示す図である。本変形例は、投影像のシフトと共にそのサイズが縮小し、投影像の第1サイズに維持できなくなった後の補正処理を説明する。
【0108】
投影装置110の起動時において、例えば図10上段のシフト前状態150Aに示すように、投影像152jがスクリーン151上に表示されたとする。投影像152jは、この上段図に示すように、スクリーン151上における中央下部に表示されているとする。投影装置110は、レンズ装置120の光学特性と投影像152jのシフト状態とに基づいて、投影像152jのサイズ(第1サイズ)を算出する。起動時のシフト状態はシフト量がゼロであるとする。
【0109】
図10中段の図は、投影像のシフト操作が行われている最中のシフト中状態150Bを示す図である。本例のシフト操作では、繰り返してシフト操作が行われ、矢印153で示すように投影像がスクリーン151の上方向へ徐々にシフトされて、例えば投影像152kの位置までシフトされたとする。投影装置110は、シフトされるごとにレンズ装置120の光学特性と投影像のシフト状態とから歪曲補正パラメータを取得してその時の投影像のサイズを算出し、投影像152jの第1サイズとのサイズ差に基づいてその時の投影像のサイズを投影像152jの第1サイズに近づける拡縮処理(歪曲補正を含む)を行う。本例の場合には、シフト操作に伴い投影像のサイズが投影像152jの第1サイズよりも縮小するので、投影装置110は、投影像のサイズを投影像152jの第1サイズに近づける拡大処理を行う。ところが、投影像の位置が投影像152kの位置までシフトするとそのシフトに伴って縮小した投影像152kのサイズを投影像152jの第1サイズに拡大することができなくなる。なお、投影像152kの位置を超えてさらに投影像を上方向へシフトした場合には、投影像のサイズがさらに縮小しつつその位置が上方向へシフトする。
【0110】
図10下段の図は、投影像のシフト量が閾値を超えたシフト閾値状態150Dを示す図である。投影装置110は、上記のように投影像152kのサイズを投影像152jの第1サイズに拡大できなくなった場合において、例えばその後に投影像152kの位置が下方向へシフト操作されて投影像152kのサイズが拡大する場合、投影像の電子縮小処理を行うことによって、その時の投影像152kのサイズを維持する。これにより、下段図に示すように、投影像152kは、その位置が下方向へシフトされるとともに、そのサイズが維持された投影像152kとなって表示される。
【0111】
投影像のシフトと補正処理の変形例によれば、投影装置110は、シフトによって投影像のサイズと第1サイズとの差を所定範囲内に維持できなくなった後は、投影像のサイズを第1サイズに近づける処理に代えて投影像のサイズを維持する処理を行う。これにより、シフト操作されて投影像のサイズが第1サイズに拡大できなくなるまで小さくなった場合には、その後にシフト量を減らす方向へシフト操作がされても、投影像のサイズは大きくならずに小さくなったままの状態に維持される。このため、投影像のサイズを一定のサイズに維持でき、投影像をシフトさせた際に、ユーザの意図しない投影像の変化を抑制することができる。
【0112】
<投影装置110の処理の第3変形例>
図11は、投影装置110の起動時の処理の第3変形例を示すフローチャートである。まず、制御装置114は、投影装置110に接続されているレンズ装置120の光学特性情報を取得する(ステップS11)。この処理は、図4におけるステップS11の処理と同様である。
【0113】
次に、制御装置114は、ステップS11で光学特性情報を取得できたか否かを判定する(ステップS11A)。
【0114】
ステップS11Aにおいて、光学特性情報を取得できない場合(ステップS11A:No)には、制御装置114は、レンズ装置120による例えばテストパターンの像を投影する(ステップS11B)。次に、制御装置114は、ステップS11Bで投影されたテストパターンを撮像装置によって撮像する(ステップS11C)。ステップS11B及びS11Cにおけるテストパターンの投影及びその撮像は、投影像のシフト量を変化させながら行ってもよい。
【0115】
次に、制御装置114は、ステップS11Cで撮像した撮像画像に基づいてレンズ装置120の光学特性情報を生成する(ステップS11D)。そして、制御装置114は、ステップS12へ進み、ステップS11Dで生成した光学特性と、投影像のシフト状態と、拡大率と、に基づいて、起動時の投影像のサイズ(第1サイズ)を算出する(ステップS12)。
【0116】
なお、図11に示すように、ステップS13からステップS22までの各処理は、図4で説明したステップS13からステップS22までの各処理と同様であるため説明を省略する。
【0117】
第3変形例の投影装置110によれば、レンズ装置120による投影像を撮像装置により撮像し、撮像された画像に基づいてレンズ装置120の光学特性を示す情報を取得する。これにより、光学特性の情報を取得できないレンズ装置120が装着された場合でも、そのレンズ装置120の光学特性に関する情報を投影装置110の起動時に生成することができるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
<投影装置110の構成の変形例>
図12は、投影装置110の構成の変形例を示す図である。上述した実施形態では、投影装置110を制御する制御装置114は、投影装置110の筐体110a内に設けられていたが、これに限定されない。制御装置114は、例えば、投影装置110の外部にあるパーソナルコンピュータ200に搭載されたプロセッサ201(図13参照)であってもよい。プロセッサ201は、投影装置110における制御装置114の機能の全部を備えるものであってもよいし、一部を備えるものであってもよい。パーソナルコンピュータ200は、信号線110bを介して投影装置110と通信可能に接続されている。パーソナルコンピュータ200は、投影装置110と無線通信可能に接続されていてもよい。
【0119】
<パーソナルコンピュータ200のハードウェア構成>
図13は、パーソナルコンピュータ200のハードウェア構成の一例を示す図である。図12に示したパーソナルコンピュータ200は、図13に示すように、プロセッサ201と、メモリ202、通信インタフェース203と、ユーザインタフェース204と、を備える。プロセッサ201、メモリ202、通信インタフェース203、及びユーザインタフェース204は、例えばバス209によって接続される。
【0120】
プロセッサ201は、信号処理を行う回路であり、例えばパーソナルコンピュータ200の全体の制御を司るCPUである。なお、プロセッサ201は、FPGAやDSP(Digital Signal Processor)などの他のデジタル回路により実現されてもよい。また、プロセッサ201は、複数のデジタル回路を組み合わせて実現されてもよい。
【0121】
メモリ202には、例えばメインメモリ及び補助メモリが含まれる。メインメモリは、例えばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、プロセッサ201のワークエリアとして使用される。
【0122】
補助メモリは、例えば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。補助メモリには、パーソナルコンピュータ200を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてプロセッサ201によって実行される。
【0123】
また、補助メモリは、パーソナルコンピュータ200から取り外し可能な可搬型のメモリを含んでもよい。可搬型のメモリには、USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブやSD(Secure Digital)メモリカードなどのメモリカードや、外付けハードディスクドライブなどがある。
【0124】
通信インタフェース203は、パーソナルコンピュータ200の外部(例えば投影装置110の外部通信部117)との間で通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース203は、プロセッサ201によって制御される。通信インタフェース203は、有線通信を行う有線通信インタフェースであってもよいし、無線通信を行う無線通信インタフェースであってもよいし、有線通信インタフェース及び無線通信インタフェースの両方を含んでもよい。
【0125】
ユーザインタフェース204は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、例えばポインティングデバイス(例えばマウス)、キー(例えばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、例えばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイス及び出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース204は、プロセッサ201によって制御される。
【0126】
なお、前述した実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、制御装置に含まれるものであってもよいし、制御装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら制御装置及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【符号の説明】
【0127】
110 投影装置
110a 筐体
110b 信号線
112 投影部
112a 光源
112b 光変調部
112c 中継光学系
112d,122 制御回路
112e シフト機構
114 制御装置
114a 記憶媒体
116 レンズ通信部
117 外部通信部
118 操作受付部
120 レンズ装置
121 投影光学系
130 レンズマウント
140 投影対象物
141a,141b,152a~152k 投影像
150A シフト前状態
150B シフト中状態
150C シフト後状態
150D シフト閾値状態
151 スクリーン
153 矢印
200 パーソナルコンピュータ
201 プロセッサ
202 メモリ
203 通信インタフェース
204 ユーザインタフェース
209 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13