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特開2024-108915流量特定システム、流量管理システム、半導体製造装置、流量を特定する方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108915
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】流量特定システム、流量管理システム、半導体製造装置、流量を特定する方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/22 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
G01F1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013564
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有村 悟
(72)【発明者】
【氏名】辻本 雅夫
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CA07
2F030CA10
2F030CC01
2F030CC11
2F030CC12
2F030CE04
2F030CE27
(57)【要約】
【課題】非接触でフロートの位置を特定することを可能にする流量特定システムを提供する。
【解決手段】流量特定システム15は、半導体装置の生産に係る流体12を流す流量計13のフロート16の像を含む画像27のデジタル画像29を格納するように構成される記憶装置21と、記憶装置21に通信可能なように結合された処理装置23とを備え、処理装置23は、デジタル画像29内の少なくとも一部の領域であって流体12の流れ方向にフロート16の像データを横切るように特定された領域に対して画像処理を行って、単色化処理された画像データ35を生成し、単色化処理された画像データ25において流量計13の流路方向FDに関する明度の分布を表す明度データ34を生成し、明度データ34における明度の1又は複数の極値を特定し、並びに極値に基づき、フロート位置FLPを特定するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の生産に係る流体を流す管と前記管の内に配置されたフロートとを含む流量計の前記フロートの像を含む少なくとも1枚の画像のデジタル画像を格納するように構成される記憶装置と、
前記記憶装置に通信可能なように結合された処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記デジタル画像内の少なくとも一部である一次元及び二次元の領域であって前記流体の流れ方向に前記フロートの像データを横切るように特定された領域に対して画像処理を行って、単色化処理された画像データを生成し、
単色化処理された前記画像データにおいて前記流量計の流路方向に関する明度の分布を表す明度データを生成し、
前記明度データにおける明度の1又は複数の極値を特定し、並びに
前記極値に基づき、フロート位置を特定する、
ように構成される、
流量特定システム。
【請求項2】
前記記憶装置及び前記処理装置に結合された表示器を更に備え、
前記処理装置は、前記表示器に表示された前記画像の表示上の第1座標及び第2座標の入力を入力装置を介して受けるように構成され、
前記明度データは、前記第1座標と前記第2座標とを結ぶ直線上の単色化処理された前記画像データから生成される、
請求項1に記載された流量特定システム。
【請求項3】
前記デジタル画像は、前記流路方向に関連付けられたX方向、及び前記流路方向に交差する方向に関連付けられたY方向に配列されたピクセル配列を含み、
明度データを生成することは、
前記デジタル画像において前記X方向の少なくとも一つのピクセル列を選択すること、及び
前記ピクセル列の内のピクセルの明度値を格納するそれぞれのセルの配列を生成すること、
を含む、
請求項1に記載された流量特定システム。
【請求項4】
明度データを生成することは、
単色化処理された前記画像データから前記流路方向に関する明度値を格納するそれぞれのセルの配列を生成すること、及び
前記配列における各セルに対して平滑化処理を行って、前記明度データを得ること、
を含む、
請求項1に記載された流量特定システム。
【請求項5】
明度データを生成することは、
単色化処理された前記画像データから前記流路方向に関する明度値を格納するそれぞれのセルの配列を生成すること、及び
前記配列における各セルに対して移動平均を求める処理を行って、前記明度データを得ること、
を含む、
請求項1に記載された流量特定システム。
【請求項6】
前記明度の分布は、グレースケールで表される、
請求項1に記載された流量特定システム。
【請求項7】
前記流量計の前記管は、前記管に流れる前記流体の流量を表す目盛りを表す複数のマークを有し、
前記第1座標及び前記第2座標は、前記デジタル画像の前記表示の上の前記マークの位置に関連付けられる、
請求項2に記載された流量特定システム。
【請求項8】
前記処理装置は、
1又は複数の前記極値における前記流路方向のそれぞれの幅を特定し、並びに
前記極値に加えて前記幅に基づき、フロート位置を特定する、
ように構成される、
請求項1に記載された流量特定システム。
【請求項9】
前記処理装置に通信可能に結合された撮像装置を更に含み、
前記撮像装置は、前記流量計を撮像するように位置決めされると共に前記画像を生成するように構成される、
請求項1に記載された流量特定システム。
【請求項10】
請求項9に記載された流量特定システムと、
前記流量特定システムの前記撮像装置によって撮像される流量計と、
を備える、
流量管理システム。
【請求項11】
請求項10に記載された流量管理システムと、
前記流量管理システムの前記流量計に接続された半導体処理装置と、
を備える、
半導体製造装置。
【請求項12】
半導体装置の生産に係る流体を流す管と前記管の内に配置されたフロートとを含む流量計の前記フロートの像を含む少なくとも1枚の画像を撮像装置から受けるステップと、
前記画像のデジタル画像内の少なくとも一部の領域であって前記流体の流れ方向に前記フロートの像データを横切るように特定された領域から、単色化処理された画像データを生成するステップと、
単色化処理された前記画像データから、前記流量計の流路方向に関する明度の分布を表す明度データを生成するステップと、
前記明度データにおける明度の1又は複数の極値を特定するステップと、
前記極値に基づきフロート位置を特定するステップと、
を備える、流量計の流量を特定する方法。
【請求項13】
前記明度データにおける明度の前記極値における前記流体の流れ方向の1又は複数の幅を特定するステップを更に備え、
前記極値に基づきフロート位置を特定するステップは、前記極値の大きさ及び前記幅の大きさに基づきフロート位置を特定することを含む、
請求項12に記載された、流量計の流量を特定する方法。
【請求項14】
請求項12に記載された方法におけるステップをコンピュータに実行させるための命令を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量特定システム、流量管理システム、半導体製造装置、流量を特定する方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、流量計を開示する。流量計は、流体に浮遊するフロートの位置を発光ダイオード(LED)アレイ及び光ラインセンサを用いて検出すると共に、検出情報に基づいて流体の流量を演算により求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平02-38816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
観察者が、流量計の目盛りに対するフロートの位置を目視により特定することができる。特許文献1のLEDアレイを用いる検出の精度は、LEDアレイ内の隣接する発光ダイオードの間隔及び受光のフォトダイオードの間隔に関連する。LEDアレイ及び光ラインセンサは、流量計の配管の外周に接触させて配置され、また発光ダイオード及びフォトダイオードへの新たな電気接続を必要とする。また、発光ダイオードからの監視光が、意図しないフォトダイオードにより検知される可能性がある。
【0005】
本発明は、非接触でフロートの位置を特定することを可能にする流量特定システム、流量特定システムを含む流量管理システム、流量管理システムを含む半導体製造装置、流量を特定する方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面に係る流量特定システムは、半導体装置の生産に係る流体を流す管と前記管の内に配置されたフロートとを含む流量計の前記フロートの像を含む少なくとも1枚の画像のデジタル画像を格納するように構成される記憶装置と、前記記憶装置に通信可能なように結合された処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記デジタル画像内の少なくとも一部である一次元及び二次元の領域であって前記流体の流れ方向に前記フロートの像データを横切るように特定された領域に対して画像処理を行って、単色化処理された画像データを生成し、単色化処理された前記画像データにおいて前記流量計の流路方向に関する明度の分布を表す明度データを生成し、前記明度データにおける明度の1又は複数の極値を特定し、並びに前記極値に基づき、フロート位置を特定する、ように構成される。
【0007】
本発明の第2側面に係る流量管理システムは、上記の側面に記載された流量特定システムと、前記流量特定システムの撮像装置によって撮像される流量計と、を備える。
【0008】
本発明の第3側面に係る半導体製造装置は、上記の側面に記載された流量管理システムと、前記流量管理システムの前記流量計に接続された半導体処理装置と、を備える。
【0009】
本発明の第4側面に係る流量を特定する方法は、半導体装置の生産に係る流体を流す管と前記管の内に配置されたフロートとを含む流量計の前記フロートの像を含む少なくとも1枚の画像を撮像装置から受けるステップと、前記画像のデジタル画像内の少なくとも一部の領域であって前記流体の流れ方向に前記フロートの像データを横切るように特定された領域から、単色化処理された画像データを生成するステップと、単色化処理された前記画像データから、前記流量計の流路方向に関する明度の分布を表す明度データを生成するステップと、前記明度データにおける明度の1又は複数の極値を特定するステップと、前記極値に基づきフロート位置を特定するステップと、を備える。
【0010】
本発明の第5側面に係るプログラムは、上記の側面に記載された方法におけるステップをコンピュータに実行させるための命令を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明のいくつかの側面によれば、非接触でフロートの位置を特定することを可能にする流量特定システム、流量管理システム、半導体製造装置、流量を特定する方法、及びプログラムが提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る流量管理システム、流量特定システム、及び半導体製造装置を概略的に示す図面である。
図2図2は、本実施の形態に係る流量特定システムの表示器の表示を示す図面である。
図3図3は、本実施の形態に係る流量特定システムの処理装置のモジュールを概略的に示す図面である。
図4図4は、本実施の形態に係る流量特定システムにおいて単色化処理された画像データの例示的な表示を示す図面である。
図5図5は、本実施の形態に係る流量特定システムにおいて単色化処理された画像データからの例示的な明度データを示す図面である。
図6図6は、図5に示された明度特性に平滑化処理、具体的には移動平均処理を適用した明度特性を示す図面である。
図7図7は、本実施の形態に係る流量特定システムにおけるデジタル画像を示す図面である。
図8図8は、本実施の形態に係る流量管理システムの処理装置の構成を示すブロック図である。
図9図9は、本実施の形態に係る流量計の流量を特定する方法における主要なステップを含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る流量管理システム、流量特定システム、及び半導体製造装置を概略的に示す図面である。図2は、本実施の形態に係る流量特定システムの表示器の表示を示す図面である。
【0015】
流量管理システム11は、流量計13及び流量特定システム15を含む。流量計13は、管14が鉛直方向に延在するように配置される。流量計13は、管14及びフロート16を含む。管14は、入路14a、出路14b及び計測管14cを有する。管14は、可視光を透過可能な材料を備え、また流れ方向に交差する方向に延在する複数のマーク14eを含む目盛りを有する。フロート16は、計測管14cの内に配置されており、計測管14cに流れる流体12の流量に応じて計測管14c内を移動する。管14内のフロート16の位置は、管14に流れる流体12の流量に関係付けられる。計測管14cに流す流体12は、例えば半導体装置の生産に係る蒸気、ガス、液体といった形態の媒体である。しかしながら、流量特定システム15は、半導体装置の生産に限定されることなく、流量計13を用いて流体12の流量を制御する様々な用途に用いられる。
【0016】
流量計13は、例えば半導体処理装置17のインレット(注入孔)17a及びアウトレット(排出孔)17bの少なくとも一方に接続されており、本実施例では、注入孔17aにバルブ16aを介して接続される。また、流量計13は、バルブ16bを介して流体12の供給器(図示せず)に接続されることができる。
【0017】
半導体処理装置17は、チャンバといった処理容器17cを有し、半導体装置の製造に係るプロセス、例えば成膜、エッチング、熱処理、研磨、塗布、洗浄、リンス処理といったプロセスを行う。半導体製造装置18は、流量管理システム11、及び流量管理システム11に配管を介して接続された半導体処理装置17を含むことができる。しかしながら、流量特定システム15は、半導体処理装置17に限定されることなく、流量計13を用いて流体12の流量を制御しながら処理を行う様々な処理装置に用いられる。
【0018】
流量特定システム15は、入力装置19、記憶装置21、及び処理装置23を含む。入力装置19は、流量計13におけるフロート16の像を含む少なくとも1枚の画像27を受けるように構成される。記憶装置21は、入力装置19に相互に通信可能に結合され、また画像27のデジタル画像29を格納するように構成される。処理装置23は、入力装置19及び記憶装置21のそれぞれに相互に通信可能に結合される。
【0019】
流量特定システム15によれば、流量計13の管14内の流体の流れの中にあるフロート16の位置を、非接触で且つ人の判断を伴うことなく、特定することができる。
【0020】
流量特定システム15は、記憶装置21及び処理装置23に通信可能なように結合された表示器31を更に備えることができる。
【0021】
また、流量特定システム15は、入力装置19に相互に通信可能に結合された撮像装置33を更に含むことができる。撮像装置33は、流量計13を撮像するように位置決めされることができ、また例えば、デジタル画像29を生成するように構成される。図2を参照すると、表示器31は、例示的なデジタル画像29を表示する。デジタル画像29は、マーク14e及びフロート16の像を含むことができる。図2には、理解の容易のために、流路方向FDが一点鎖線で示されている。
【0022】
図3は、本実施の形態に係る流量特定システムの処理装置のモジュールを概略的に示す図面である。図4は、本実施の形態に係る流量特定システムにおいて単色化処理された画像データの例示的な表示を示す図面である。
【0023】
処理装置23は、第1モジュール23a及び第2モジュール23bを含むことができる。
【0024】
第1モジュール23aは、デジタル画像29内の少なくとも一部の領域(例えば、図4において、一点鎖線REFに沿った一次元又は二次元のエリア、以下「REF領域」として参照される)であって流体12の流れ方向にフロート16の像データを横切るように特定されたREF領域に対して画像処理を行って、図4に示されるような、単色化処理された画像データ35を生成するように構成されることができる。
【0025】
単色化処理された画像データ35は、例えばグレースケールで表されることができる。しかしながら、単色化処理された画像データ35は、グレースケールに限定されることなく、デジタル画像29の色情報における選択されたある一色で表されることができる。
【0026】
また、処理装置23では、単色化処理は、デジタル画像29において流量計13の流路方向FDに関する一部分のデータに対して行われることができる。
【0027】
第2モジュール23bは、一次元又は二次元の単色化処理された画像データ35において流量計13の流路方向FDに関する明度の分布を表す明度特性の明度データを生成するように構成されることができる。このデータは、流体12の流れ方向にフロート16の像データを横切るように特定された領域における明度を示す。
【0028】
図5は、本実施の形態に係る流量特定システムにおいて単色化処理された画像データからの例示的な明度の特性を示す図面である。図5の縦軸は、座標を示し、横軸は、グレースケールで表された明度の特性を示す。図5を参照すると、単色化処理された画像データ35に関連付けられた明度特性32における極値の位置が、矢印(P1からP11)によって示され、例示的な幅の位置としての半値全幅(HWHM)の位置が矢印(Q1からQ11)によって示される。矢印FLに示されるエリアが、デジタル画像29におけるフロート16の像の位置(FLP)に対応する。
【0029】
デジタル画像29がフロート16及びマーク14eの像を含む画像データであることに起因して、図5には、明度特性32に細かな構造(例えば、マーク14eに起因するデータがフロート16の像データに重畳されている構造)が現れる。フロート位置FLPの特定を容易にするために、検討を行う。
【0030】
図6は、図5に示された特性線に平滑化処理、例えば移動平均処理、を適用した明度特性を示す図面である。図5の縦軸の最小位置から最大位置までの間の120ピクセルに対して、10ピクセル幅の移動平均処理を適用している。図6を参照すると、明度データ34は、極値(S1、S2、S3)と、これらの極値に対応する幅、例えば半値全幅(R1、R2、R3)を有する。生成された例示的な明度データは、グレースケールで表されることができる。
【0031】
図6に示されるように、明度データ34は、図5に示された明度特性32の極値の数に比べて少ない極値の数を有すると共に、フロート16の像に起因する極値において最大値を有する。また、最大値の極値における幅は、残りの極値における幅に比べて大きく、最大値を有する。
【0032】
この検討に従って、処理装置23には、第3モジュール23c、第4モジュール23d、及び第5モジュール23eが提供されることができる。
【0033】
第3モジュール23cは、単色化処理された画像データ35の少なくとも一部に平滑化処理を行うことによって、流路方向FDに関する明度の分布を表す明度データ(例えば明度データ34)を生成するように構成される。具体的には、平滑化処理を用いて明度データ34を生成することは、単色化処理された画像データ35に一次元又は二次元の平滑化処理を行って、平滑化処理された画像データを得ることを含むことができる。例示的な平滑化処理された画像データは、図6に示された明度データ34であることができる。これ故に、例示的な明度データ34は、平滑化処理された画像データから生成される。
【0034】
例示的な明度データ34は、単色化処理された画像データ35に平滑化処理を行うことによって生成される。具体的には、明度データ34を生成することは、単色化処理された画像データ35から流路方向FDに関する明度値を格納する一次元のセル配列を生成することを含むことができる。更に、明度データ34を生成することは、一次元セル配列における各セルに対して平滑化処理を行って明度データ34を得ることを含むことができる。例示的な明度データ34は、流路方向FDの明度値を格納する一次元セル配列として表されることができる。
【0035】
第4モジュール23dは、明度データ(例えば明度データ34)における明度の極値を特定するように構成されることができる。極値の特定は、例えば1又は複数の極値の座標、及び該極値における流路方向FDに関する幅(例えば、半値全幅又は底幅といった幅)の少なくとも一方を特定することを含む。
【0036】
明度の1又は複数の極値(例えば、極大値)の座標を特定することは、具体的には、明度データにおける流路方向FDの明度値を格納する一次元セル配列において、例えば数値微分を求めること、及び数値微分の値によって表される関数のゼロ点を求めること、を含むことができる。
【0037】
極大値における流路方向FDに関する幅を特定することは、具体的には、明度データにおける流路方向FDの明度値を格納する一次元セル配列において、極大値に対応するセルを特定すること、該セルの両側のセルの並びにおいてある同じ又は近い明度の値を格納するそれぞれのセルを特定すること、及びこれらのセルの座標に基づき幅を特定すること、を含むことができる。図5及び図6では、例示的な幅は、極値の座標を通過する基準線(図面上において横軸に平行な線)に直交する直線と明度の特性線との2つの交点の間隔をとして求められる。
【0038】
第5モジュール23eは、明度データ34における極値に基づき、フロート16の像のフロート位置FLPを特定するように構成される。
【0039】
具体的には、フロート位置FLPは、明度データ34における明度の極値、具体的には極値の座標に関連付けられる。例えば、フロート位置FLPは、明度の最大値の座標であることができる。
【0040】
或いは、フロート位置FLPは、明度データ34における極値、具体的には個々の極値に関連付けられるそれぞれの幅(例えば、半値全幅又は底幅といった幅)に基づいて特定されることができる。この場合には、フロート位置FLPは、例えば最大幅の極値に関連付けられる。例えば、フロート位置FLPは、明度データ34における幅に対応する極値の座標、又は幅の中心座標といった座標であることができる。
【0041】
或いは、フロート位置FLPは、明度データ34における極値、具体的には極値の座標及び極値における幅(例えば、半値全幅又は底幅といった幅)に基づいて特定されることができる。この場合には、フロート位置FLPは、明度データ34における極値の座標と幅との両方に関連付けられる。フロート位置FLPは、明度データ34におけるある極値の座標、又は幅の中心座標といった座標であることができる。
【0042】
いずれの特定においても、可能な場合には、特定されたフロート位置FLPは、キャリブレーションのために実際の流量の値と対応付けられることができる。
【0043】
流量特定システム15によれば、第3モジュール23cの平滑化処理は、平滑化処理されたデータにおいて極値の数を減らすと共に、平滑化処理されたデータに残された個々の極値に明確な幅(例えば、半値全幅又は底幅)を提供する。
【0044】
この平滑化処理は、例えば移動平均を求める処理を含むことができる。一次元の5セルに対する平滑化処理のフィルタは、例えば(1/10、1/5、2/5、1/5、1/10)又は(1/5、1/5、1/5、1/5、1/5)であることができる。一次元の5セルに対する移動平均処理のフィルタは、例えば(1/5、1/5、1/5、1/5、1/5)であることができる。
【0045】
平滑化及び移動平均の処理サイズ幅の下限は、単色化処理された画像データ35におけるマーク14eの幅をセル数又はピクセル数に換算した値(デジタル画像29上におけるマーク14eのサイズ)に関連付けられる。これらの処理のサイズ幅の下限は、デジタル画像29上におけるマーク14eのサイズに等しい又はより大きい値であることができる。下限のサイズ幅は、例えば2ピクセルであることができる。
【0046】
平滑化及び移動平均の処理サイズ幅の上限は、単色化処理された画像データ35におけるフロート16の幅をセル数又はピクセル数に換算した値(デジタル画像29上におけるフロート16のサイズ)に関連付けられる。これらの処理サイズ幅の上限は、デジタル画像29上におけるフロート16のサイズに等しい又はより小さい値であることができる。上限のサイズ幅は、例えば16ピクセルであることができる。
【0047】
これらの処理によれば、デジタル画像29がフロート16及びマーク14eの両方の像を含む一方で、明度データ34において、マーク14eの像からの明度の寄与が低減される。
【0048】
平滑化処理及び移動平均処理は、フロート16及びマーク14eの両方の像を含むデジタル画像29から、明度データ34においてフロート16の位置を明確にできる。また、デジタル画像29において、フロート16の像及びマーク14eの像のそれぞれを検知する煩雑さを避けることができる。
【0049】
再び図5を参照すると、単色化処理された画像データ35に関連付けられた明度特性32が示される。明度特性32における極値の位置は、既に説明したように、矢印(P1からP11)によって示され、例示的な幅の位置としての半値全幅(HWHM)の位置が矢印(Q1からQ11)によって示される。
【0050】
矢印FLに示されるエリアが、デジタル画像29におけるフロート位置FLPに対応する。このエリアに対応する極値(P4)は、最大の半値全幅(Q4)を有する一方で、明度特性32における最大値ではない。具体的には、明度特性32は、フロート位置FLP付近では、明度の極値の大きさと、この極値に関連付けられた盛り上がった部分の幅とによって特徴付けられる。
【0051】
この検討によれば、フロート位置FLPは、明度特性32を明度データとして用いて明度特性32における極値とその極値における幅とに基づき特定されることができる。極値の大きさと極値に関連付けられる幅の大きさとの両方を用いて、明度特性32からフロート位置FLPを特定することができる。このような特定は、例えば、極値の大きさと極値の幅との積、極値を示す盛り上がった特性曲線の面積、極値と半値全幅とによって特定される三角形の面積、極値と盛り上がった特性曲線の底幅(BW)とによって特定される三角形の面積、二値化による線分の長さ(極値として盛り上がった特性曲線の幅)といった様々な指標を用いて行われることができる。また、極値に関連付けられる幅には、半値全幅(HWHM)の代わりに、個々の極値に関連付けられた盛り上がった部分特性線の底幅(BW)を用いることができる。また、二値化による線分の長さは、明度特性32における最大値と最小値との間の中間値、例えば最大値と最小値との相加平均の値を基準に、明度特性32を二値化することによって得られる。この例示的な二値化された明度特性32は、値「1」(図5における黒側)を有する1又は複数の線分と、値「0」(図5における白側)を有する1又は複数の線分とを含む。値「1」の線分のうち最も長い線分が、フロート位置FLPを示す。
【0052】
この検討に従って、処理装置23には、以下のような第4モジュール23d及び第5モジュール23eが提供されることができる。具体的には、第4モジュール23dは、明度特性32(明度データ)における明度の1又は複数の極値の座標、及び該極値における流路方向FDに関する幅(例えば、半値全幅又は底幅といった幅)の両方を特定するように構成されることができる。また、第5モジュール23eは、明度特性32(明度データ)における極値、具体的には極値の大きさ及び該極値の幅に基づき、フロート位置FLPを特定するように構成される。
【0053】
可能な場合には、特定されたフロート位置FLPは、キャリブレーションのために実際の流量の値に対応付けられる。
【0054】
上記の説明によれば、図4に示されるような単色化処理された画像データ35を第1モジュール23aを用いて生成する。次いで、第2モジュール23bを用いて、単色化処理された画像データ35から、図5に示されるような明度特性32を明度データとして生成する。この後に、平滑化処理を用いることなく、第4モジュール23d及び第5モジュール23eを用いて、フロート位置FLPを特定することができる。これらのモジュールによれば、明度特性32を明度データとして用いてフロート16の像を特定できる。
【0055】
図7は、本実施の形態に係る流量特定システムにおけるデジタル画像を示す図面である。デジタル画像29は、流路方向FDに関連付けられたX方向、及び流路方向FDに交差する方向に関連付けられたY方向に配列されたピクセル配列37を含むことができる。
【0056】
ピクセル配列37のサイズは、撮像装置33の撮像デバイス(例えば、画像センサ)の解像度に依存する。しかしながら、デジタル画像29は、フロート16の位置の検知のための処理に先立って、必要な場合には、撮像装置33の解像度より少ないピクセル数に変換されていることができる。流量特定システム15によれば、二次元のピクセル配列37が、フロート位置FLPを特定するために利用される。
【0057】
明度データ34を生成することは、デジタル画像29においてX方向の少なくとも一つのピクセル列を選択すること、及びピクセル列の内のピクセルの明度を表す値を格納するそれぞれのセルの配列を生成すること、を含むことができる。
【0058】
また、撮像装置33を流量計13に位置合わせすること、具体的には撮像装置33におけるX軸を流路方向FDに位置合わせする。撮像装置33におけるX軸と流路方向FDとのズレは、デジタル画像29上において補正可能である。
【0059】
例示的な補正手順を以下に説明する。図7に示されるように、表示器31にデジタル画像29を表示する。デジタル画像29上において、画像処理のアシストを受けること(例えば、流路方向FDを指すラインを画面に表示すること)によって、或いは目視によって、管14の入路14a及び出路14bの位置を利用して、流路方向FDを特定できる。また、流路方向FDは、フロート16の像と交差するように配置されることができる。さらに、画像処理のアシストを受けること(例えば、表示されたラインとフロート像との交差長の値を表示すること)によって、或いは目視によって、流路方向FDとフロート16の像との交差の長さがより大きくなるように流路方向FDの位置を微調整することができる。
【0060】
マーク14eの列のうち、フロート16の位置より流路の上流側のマーク14e、例えば最上のマーク14e上又はその近傍の位置を表示器31の表示上で選択して(例えば、クリックして)、第1位置PS1を特定することができる。また、マーク14eの列のうち、フロート16の位置より流路の下流側のマーク14e、例えば最下のマーク14e上又はその近傍の位置を表示器31の表示上で選択して(例えば、クリックして)、第2位置PS2を特定することができる。
【0061】
図7において、流路方向FDを示す一点鎖線は、第1位置PS1及び第2位置PS2を通過するように位置する。データ処理は、流路方向FDを示す一点鎖線に交差するセル又はピクセル、或いは、加えてこれらに隣接する1又は複数のセル又はピクセルを含む領域に対して行われることができる。
【0062】
図7を参照すると、第1位置PS1及び第2位置PS2は、マーク14eの位置に置かれている。位置PS1及び位置PS2の距離(デジタル画像29上における距離)は、流量計13の目盛りに関連付けられる。具体的には、第1位置PS1及び第2位置PS2の距離をマーク14eの間隔の数によって除算すると、マーク14eの間隔が、デジタル画像29を用いて特定される。デジタル画像29上における第1位置PS1及び第2位置PS2の座標に基づき、図5及び図6の縦軸の座標を規定することができる。
【0063】
処理装置23は、図3に示されるように、第6モジュール23fを含むことができる。第6モジュール23fは、表示器31に表示された画像データ35の表示上の第1位置PS1及び第2位置PS2の座標入力を入力装置19を介して受けるように構成される。入力装置19は、キーボード、マウス、表示器31の画面を指示するタッチペン、マイクといった音響入力デバイス、デジタイザー、等の様々な入力デバイスを含むことができる。例えば、タッチペンは、表示器31のデジタル画像29の表示上において第1位置PS1及び第2位置PS2として指定されるべき場所をタッチにより指定できる。或いは、第1位置PS1及び第2位置PS2の座標、並びにマーク14eの間隔の数は、キーボード及び/又はマウスを介して入力されることができる。
【0064】
流量特定システム15によれば、第1位置PS1及び第2位置PS2は、第1位置PS1と第2位置PS2とを結ぶ線分がフロート16の像と交差するように選択される。処理装置23は、この線分を表示器31に表示することができる。これにより、オペレータは、明度データ34が生成されるべきライン、具体的には第1位置PS1の座標と第2位置PS2の座標とを結ぶ線分、を視覚的に認識できる。このように、流量特定システム15は、一枚の画像27から、フロート16の位置を特定することができる。
【0065】
再び図1を参照すると、少なくとも1枚の画像27は、一連の時系列画像27sqを更に含むことができる。処理装置23は、人手の介在なしに、時系列画像27sqの各々においてフロート位置FLP(図5及び図6)を特定することができ、このための繰り返しのモジュールを含むことができる。記憶装置21は、時系列画像27sqの各々におけるフロート位置FLPのデータ(図1に示されるデータ36)を格納することができる。
【0066】
処理装置23は、第7モジュール23gを含むことができる。第7モジュール23gは、時系列画像27sqの各々におけるフロート位置FLPが第1範囲(例えば、流量特定システム15の環境における流量変動の限界値)内にあるか否かに係る判定を行うように構成されることができる。また、第7モジュール23gは、この判定が、第1範囲にフロート位置FLPがないことを示す場合に、アラート信号を生成し、この判定が第1範囲にフロート位置FLPがあることを示す場合、他の処理、例えば時系列画像27sq内の次の画像の処理を行う、ように構成されることができる。流量特定システム15によれば、継続的に流量のモニタを行うことができる。
【0067】
継続的に流量のモニタは、表示器31に、時系列のデータとして表又はグラフの形式で表示されることができる。
【0068】
処理装置23は、第8モジュール23hを含むことができる。第8モジュール23hは、時系列画像27sqの各々におけるフロート位置FLPが第1範囲より狭い第2範囲(例えば、流量特定システム15の環境において流量の揺らぎを越える値)内にあるか否かの判定を行うように構成されることができる。また、第8モジュール23hは、この判定が第2範囲にフロート位置FLPがないことを示す場合に第1範囲又は第2範囲の中心値に対するフロート位置FLPの座標の大小判定(中心値を基準に大きいか、或いは小さいかの判定)を行い、大小判定の結果を示す予備アラート信号を生成するように構成されることができる。記憶装置21は、第1範囲及び第2範囲に係るデータ40を格納することができる。また、第8モジュール23hは、この判定が第2範囲にフロート位置FLPがあることを示す場合に、他の処理、例えば時系列画像27sq内の次の画像の処理を行う、ように構成されることができる。
【0069】
記憶装置21は、少なくとも1つの流量レシピのデータ38を格納することができる。処理装置23は、第9モジュール23iを含むことができる。第9モジュール23iは、時系列画像27sqのフロート位置FLPを記憶装置21の流量レシピのデータ38及び第1範囲のデータ40と比較するように構成されることができる。
【0070】
図8は、本実施の形態に係る流量管理システムの処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。処理装置23のための例示的なコンピュータ20は、中央処理装置(CPU)41、メモリ42、入出力ポート43、及びネットワークポート44を含むことができ、必要な場合には、入力デバイス45及びディスプレイ46を含むことができる。メモリ42は、中央処理装置41に通信可能に結合される。入出力ポート43は、中央処理装置41に通信可能に結合される。入出力ポート43は、撮像装置に結合されて、画像27を受信することができる。ネットワークポート44は、中央処理装置41に通信可能に結合されると共に(外部)ネットワークに接続される。入力デバイス45は、中央処理装置41に通信可能に結合される。ディスプレイ46は、中央処理装置41及びメモリ42に通信可能に結合される。処理装置23に所望の動作を引き起こすプログラム命令が、メモリ42に格納され、或いはネットワークからネットワークポート44を介して提供される。プログラム命令は、中央処理装置41によって実行されて、処理装置23に所望の動作を引き起こす。図8に示された例示的なコンピュータ20では、中央処理装置(CPU)41、メモリ42、入出力ポート43、入力デバイス45、及びディスプレイ46は、バスというよりは、インターネット又はイントラネットといったネットワークを介して相互に通信可能なように結合されることができる。このネットワークは、無線又は有線、並びにこれらの両方の通信路を含むことができる。これに従って「通信可能に結合される」及び「相互に通信可能に結合される」は、当該コンピュータ20に含まれる通信路を介することなく行われてもよい。
【0071】
図9は、本実施の形態に係る流量計の流量を特定する方法における主要なステップを含むフローチャートである。引き続く説明において、可能な場合には、理解の容易のために、既に使用された参照符号を使用する。流量計の流量を特定する方法100は、流量特定システム15及び流量管理システム11、具体的には、処理装置23のモジュール、を用いて実行されることができ、しかしながら、これに限定されない。まず、流量特定システム15、流量管理システム11及び半導体製造装置18が準備されることができる。
【0072】
方法100は、単独に或いは他のステップと一緒にステップS101を含むことができる。ステップS101では、流量計13におけるフロート16の像を含む少なくとも1枚の画像27を撮像装置33から受けることができる。
【0073】
方法100は、単独に或いは他のステップと一緒にステップS102を含むことができる。ステップS102では、画像27のデジタル画像29内の少なくとも一部の領域であって流体12の流路方向FDにフロート16の像データを横切るように特定された領域(例えば、REF領域)のデータから、単色化処理された画像データ35を生成する。
【0074】
方法100は、単独に或いは他のステップと一緒にステップS103を含むことができる。ステップS103では、単色化処理された画像データ35から、流量計13の流路方向に関する明度の分布を表す明度データ(例えば、明度データ34)を生成する。
【0075】
方法100は、単独に或いは他のステップと一緒にステップS104を含むことができる。ステップS104では、明度データ34における明度の1又は複数の極値を特定することができ、及び/又は、明度データ34における明度の極値における流路方向FDのそれぞれの幅を特定することができる。
【0076】
方法100は、単独に或いは他のステップと一緒にステップS105を含むことができる。ステップS105では、極値、具体的には極値の大きさ及び/又は極値における幅、に基づきフロート位置FLPを特定する。フロート位置FLPを特定することは、例えば、最大値を示す極値の座標をフロート位置FLPとして特定することを含むことができ、又は極値のうち最大幅を示す極値の位置をフロート位置FLPとして特定することを含むことができる。また、特定は、極値と幅との積、極値を示すピークの特性曲線の面積、極値と半値全幅とによって特定される三角形の面積、極値とピークの底幅(BW)とによって特定される三角形の面積、二値化による線分の長さ(極値として盛り上がった特性曲線の幅)といった様々な指標を用いて行われることができる。
【0077】
この方法100によれば、流量計13の管14内の流体12の流れの中にあるフロート16のフロート位置FLPを、非接触で且つ人の判断を伴うことなく、特定することができる。また、方法100及び流量特定システム15には、ニューラルネットワークの学習のための大量のデータが不要である。さらに、方法100及び流量特定システム15は、ニューラルネットワークの計算のような重い処理をハードウエアに要求しない。
【0078】
この方法100では、1又は複数の極値を特定することは、明度データ34における極値及び極値それぞれにおける流体12の流路方向FDの幅を特定することを含むことができる。また、極値の大きさに基づき極値の位置をフロート位置FLPとして特定することは、明度データ34における明度の1又は複数の極値と該極値におけるそれぞれの幅(流路方向FDに関する幅)を特定することを含むことができる。これによれば、極値の大きさ及び幅の大きさに基づき極値の位置をフロート位置FLPとして特定する。
【0079】
図3に示された処理装置23のモジュールを中央処理装置41に実行させることができる命令を含むプログラムは、例えば記憶装置21に格納されることができる。また、図8に示された方法100の主要なステップを中央処理装置41に実行させることができる命令を含むプログラムは、例えばネットワークポート44を介して伝送されて処理装置23に適用されることができる。このプログラムによれば、流量計13の管14内の流体12の流れの中にあるフロート16のフロート位置FLPを、非接触で、且つ人の判断を伴うことなく特定することができる。
【0080】
流量管理システム11及び流量特定システム15を用いて、半導体装置を製造することができる。具体的には、流量管理システム11及び流量特定システム15を用いて、流量の安定を監視しながら、半導体処理装置17によって半導体装置を製造することができる。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態によれば、非接触でフロート位置の高精度な特定を可能にする流量特定システム、流量管理システム、流量を特定する方法、及びプログラムが提供されることができる。
【0082】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0083】
11・・・流量管理システム、12・・・流体、13・・・流量計、14・・・管、14a・・・入路、14b・・・出路、14c・・・計測管、14e・・・マーク、15・・・流量特定システム、16・・・フロート、16a、16b・・・バルブ、17・・・半導体処理装置、17c・・・処理容器、18・・・半導体製造装置、19・・・入力装置、20・・・コンピュータ、21・・・記憶装置、23・・・処理装置、23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23i・・・モジュール、27・・・画像、27sq・・・時系列画像、29・・・デジタル画像、31・・・表示器、32・・・明度特性、33・・・撮像装置、34・・・明度データ、35・・・画像データ、37・・・ピクセル配列、41・・・中央処理装置、42・・・メモリ、43・・・入出力ポート、44・・・ネットワークポート、45・・・入力デバイス、46・・・ディスプレイ、100・・・方法、FD・・・流路方向、FL・・・矢印(フロート幅)、FLP・・・フロート位置、PS1・・・第1位置、PS2・・・第2位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9