(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108941
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】検査システム、検査方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/30 20060101AFI20240805BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20240805BHJP
G11B 5/84 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G01B11/30 101
G01B11/24 D
G11B5/84 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013613
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 恭一
(72)【発明者】
【氏名】山下 尚晃
(72)【発明者】
【氏名】山元 正行
(72)【発明者】
【氏名】芹川 滋
(72)【発明者】
【氏名】田村 真太郎
【テーマコード(参考)】
2F065
5D112
【Fターム(参考)】
2F065AA47
2F065AA53
2F065BB01
2F065CC03
2F065FF51
2F065GG04
2F065GG23
2F065HH03
2F065LL02
2F065LL67
2F065MM06
2F065PP03
2F065RR06
5D112AA24
5D112JJ03
5D112JJ04
(57)【要約】
【課題】ディスクの所定の形状を検出する。
【解決手段】平面状の板の所定の形状と、当該所定の形状の原因となる前記板の製造工程における条件とを対応付けて格納する格納部と、前記板の表面の凹凸に基づいて、前記板の表面の所定の形状を検出し、前記所定の形状に対応する、前記板の製造工程における条件を前記格納部から抽出する制御部とを備える、検査システムとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の板の所定の形状と、当該所定の形状の原因となる前記板の製造工程における条件とを対応付けて格納する格納部と、
前記板の表面の凹凸に基づいて、前記板の表面の所定の形状を検出し、前記所定の形状に対応する、前記板の製造工程における条件を前記格納部から抽出する制御部と、
を備える、検査システム。
【請求項2】
平面状の透明板と、
前記透明板の一方の面側に、前記板を前記透明板と離間して固定する固定部と、
前記透明板の他方の面側から光を照射することにより、前記板の表面の複数の点に対して、前記板の表面の凹凸に相当する前記透明板との距離を測定する干渉計と、
を備える、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記干渉計によって測定された前記距離に基づいて、前記板の表面の複数の点に対する回帰平面を算出し、前記回帰平面と前記板の表面の複数の点との距離に基づいて、前記所定の形状を検出する、
請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記板は、円盤形状であり、
前記板の表面の複数の点は、前記板の中心を中心とする円の半径が第1所定値である円の円周上の点、及び、前記板の中心を中心とする円の半径が前記第1所定値より大きい第2所定値の円の円周上の点である、
請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記所定の形状は、(1)前記半径が前記第1所定値である円の円周上の点のすべてが前記回帰平面の一方側に存在し、(2)前記半径が前記第1所定値である円の円周上の点と前記回帰平面との距離の最大値が所定値以上であり、(3)前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点のすべてが前記回帰平面の他方側に存在し、(4)前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点と前記回帰平面との距離の最大値が前記所定値以上である形状である、
請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記所定の形状は、(1)前記半径が前記第1所定値である円の円周上の点の連なりが2周期の正弦波状であり、(2)前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点の連なりが2周期の正弦波状であり(3)前記半径が前記第1所定値である円の円周上の点の連なりの正弦波と前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点の連なりの正弦波との位相差が所定角度以内であり、(4)前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点と前記回帰平面との距離の最大値が前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点と前記回帰平面との距離の最大値よりも大きい形状である、
請求項4に記載の検査システム。
【請求項7】
前記所定の形状は、(1)前記半径が前記第1所定値である円の円周上の点の連なりが2周期の正弦波状であり、(2)前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点の連なりが2周期の正弦波状であり、(3)前記半径が前記第1所定値である円の円周上の点の連なりの正弦波と前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点の連なりの正弦波との位相差が所定角度以内であり、(4)前記回帰平面の一方側または他方側において、前記半径が前記第2所定値である円の円周上の点と前記回帰平面との距離の最大値に対する前記半径が前記第1所定値である円の円周上の点と前記回帰平面との距離の最大値の比が1を含む所定の範囲内である形状である、
請求項4に記載の検査システム。
【請求項8】
前記板は、円盤形状であり、
前記板の表面の複数の点は、前記板の中心を中心とする円の半径が第1所定値である円の円周上の点、前記板の中心を中心とする円の半径が前記第1所定値より大きい第2所定値の円の円周上の点、及び、前記板の中心を中心とする円の半径が前記第1所定値より大きく前記第2所定値よりも小さい円の円周上の点を含む、
請求項3に記載の検査システム。
【請求項9】
前記固定部は、前記板の面が鉛直面に対して所定の角度を有するように前記板を固定する、
請求項2から8のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項10】
前記固定部は、前記板の面が鉛直面に対して平行になるように前記板を固定する、
請求項2から8のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項11】
情報処理装置が、平面状の板の所定の形状と、当該所定の形状の原因となる前記板の製造工程における条件とを対応付けて格納し、前記板の表面の凹凸に基づいて、前記板の表面の所定の形状を検出し、前記所定の形状に対応する、前記板の製造工程における条件を抽出する、
検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクの平坦度を検出する検査システム、検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクには、大容量化が求められている。ディスクの厚みを減らし枚数を増量することで、ハードディスクの大容量化が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-018912号公報
【特許文献2】特開2009-052886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ディスクの薄板化は強度を低下させ製造工程においてディスクを変形させる可能性を高める。また、記憶密度の向上には、記録媒体のディスクの平坦度が大きく影響していることが知られており、製造過程において変形を測定し管理することが求められる。そこでディスクの変形を検査することが求められるが、従来方式の測定処理能力では、製造したディスクすべてを検査することが難しい。
【0005】
また、ディスクの変形を低減するために、検出されたディスクの変形が、製造工程のどのプロセスに起因するものかを判断することが求められている。
【0006】
本件開示の技術は、ディスクの形状を測定し、ディスクの所定の形状を検出するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
平面状の板の所定の形状と、当該所定の形状の原因となる前記板の製造工程における条件とを対応付けて格納する格納部と、
前記板の表面の凹凸に基づいて、前記板の表面の所定の形状を検出し、前記所定の形状に対応する、前記板の製造工程における条件を前記格納部から抽出する制御部と、
を備える、検査システムとする。
【0008】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。なお、情報処理装置は、例えば、コンピュータである。コンピュータは、パソコンやサーバと呼ばれることもある。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、ディスクの形状を測定し、ディスクの所定の形状を検出するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態の検査システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態の検査システムの動作フローの例を示す図である。
【
図4】
図4は、ディスク800を固定する前のディスク固定装置600の状態の例(1)を示す図である。
【
図5】
図5は、ディスク800を固定する前のディスク固定装置600の状態の例(2)を示す図である。
【
図6】
図6は、ディスク800を固定した後のディスク固定装置600の状態の例(1)を示す図である。
【
図7】
図7は、ディスク800を固定した後のディスク固定装置600の状態の例(2)を示す図である。
【
図8】
図8は、ディスク800及び測定点の例を示す図である。
【
図9】
図9は、ディスク800の表面が第1型である場合の測定結果の例を示す図である。
【
図10】
図10は、ディスク800の表面が第2型である場合の測定結果の例を示す図である。
【
図11】
図11は、ディスク800の表面が第3型である場合の測定結果の例を示す図である。
【
図12】
図12は、変形例1の測定点の例(1)を示す図である。
【
図13】
図13は、変形例1の測定点の例(2)を示す図である。
【
図14】
図14は、変形例2のディスク支持台900の構成例を示す図である。
【
図15】
図15は、ディスク支持台900の開口部の中心を通り、xz平面に平行な面の断面図である。
【
図16】
図16は、変形例3のディスク保持台500の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0012】
〔実施形態1〕
(構成例)
図1は、本実施形態の検査システムの構成例を示す図である。
図1の検査システム10は、制御装置100、干渉計200、XYステージ300、ガラス板400、ディスク保持台500、ディスク固定装置600、昇降装置700を含む。
図1において、縦方向(下から上)をx方向、紙面の裏から表の方向をy方向、横方向(左から右)をz方向とする。測定対象のディスク800は、測定ごとに、搬送装置などにより把持されて、ガラス板400の近傍のディスク保持台500に搬送されるものとする。ディスク800は、平面状の板であり、円盤形状の板である。ディスク800は、中央部に円形の穴を有する。
図1では、ディスク800は、既に、測定位置に搬送されて、ディスク固定装置600によって、ディスク保持台500に固定されているものとする。ここでは、ディスク800の面は、xy平面に平行に配置されるとする。本実施形態の検査システム10は、測定位置に搬送された、測定対象のディスク800の表面の位置(高さ)を測定することにより、ディスク800の表面の凹凸(平坦度)を算出する。
図1のように、ディスク800の面(xy平面)は、鉛直方向に平行である。ここでは、-x方向を鉛直方向とする。このように、ディスク800の面(xy平面)を鉛直方向とすることで、ディスク800が自重により、ディスク800の面(xy平面)に直交する方向などに変形する(撓む)ことを抑制することができる。ディスク800の変形を抑制することでより正確にディスク8
00の表面の凹凸を測定することができる。ディスク800は、厚さが小さいほど、自重により変形しやすくなる。検査システム10は、制御装置100、干渉計200、XYステージ300、ガラス板400、ディスク保持台500、ディスク固定装置600、昇降装置700を含む1つの検査装置であってもよい。
【0013】
制御装置100は、検査システム10の動作を制御する。制御装置100は、制御部110、格納部120、通信部130を含む。制御部110は、干渉計200、XYステージ300、ディスク固定装置600、昇降装置700の動作を制御し、ディスク800の表面の凹凸を算出する。格納部120は、制御部110で使用されるデータ、プログラム等を格納する。通信部130は、制御部110等による指示により、干渉計200等との間で、データ等の送受信を行う。
【0014】
干渉計200は、例えば、変位を測定する分光干渉計である。干渉計200は、本体部210、導光路220、センサ部230を含む。本体部210は、センサ部230から出射(照射)するレーザ光を発生させる。本体部210は、センサ部230に入射された光を受光し、ガラス板400と測定対象のディスク800との距離を算出する。導光路220は、本体部210からの光をセンサ部230に通し、センサ部230からの光を本体部210に通す。導光路220は、例えば、光ファイバである。センサ部230は本体部210からの光を出射し、ガラス板400やディスク800で反射された光を受光する。ここで使用される光(レーザ)は、例えば、800nm乃至830nmの赤外光である。分光干渉計によって複数の波長を用いて測定することにより、単一の波長を用いる場合と比較して、より広範囲の距離の測定が可能となる。例えば、ガラス板400と測定対象のディスク800との距離が、単一の波長の測定で使用される光の波長以上変化しても、その単一の波長の前後の波長を用いることにより、広範囲に距離を測定することができる。センサ部230は、z方向に平行に光を出射するように設置される。干渉計200は、変位計の一例である。干渉計200の数は複数であってもよい。複数の干渉計200を使用することでより早く測定をすることができる。ガラス板400と測定対象のディスク800との距離は、ディスク800の表面の凹凸の例である。干渉計200は、ディスク800の表面の凹凸を測定する測定器の例である。ディスク800の表面の凹凸を測定する測定器は、干渉計200に限定されるものではなく、レーザ干渉方式、静電容量方式、光反射方式などの他の方式による測定器であってもよい。
【0015】
XYステージ300は、干渉計200のセンサ部230を、x方向、y方向において、任意の位置に移動させる装置である。XYステージ300は、センサ部230を、ガラス板400の面に平行に移動させることができる。センサ部230は、ガラス板400に直交して、干渉計200からの光を入射させるように設置される。
【0016】
ガラス板400は、平面の板状のガラスである。ガラス板400の平面は、xy平面に平行に設けられる。ガラス板400は、ディスク保持台500の開口部に嵌め込まれて固定されている。ガラス板400の面は、測定対象のディスク800の面の面積以上の面積を有する。ガラス板400と測定対象のディスク800とをz方向から平面視した場合、ガラス板400は、測定対象のディスク800を包含する大きさを有する。ガラス板400は、z方向から平面視した場合、例えば、円形である。ガラス板400の表面の凹凸は、例えば、λ/4未満に抑えられることが望ましい。ここでのλは、546.07nmである。ガラス板400の表面の凹凸が大きいと、測定されるガラス板400とディスク800との距離の差が、ガラス板400の表面の凹凸によるのか、ディスク800の表面の凹凸によるのかが区別できなくなる。よって、ガラス板400の表面の凹凸は、測定するディスク800の表面の凹凸よりも十分小さい(例えば、10分の1以下)ことが望ましい。ガラス板400は、ディスク保持台500のディスク保持板510の開口部に嵌め込まれて固定される。ガラス板400は、測定対象のディスク800の面とほぼ平行に配置
される。ガラス板400の2つの表面は、ほぼ平行である。ガラス板400は、平面状の透明板の例である。ガラス板400の代わりに、干渉計200から出射される光を透過する樹脂製の平面状の透明板が用いられてもよい。透明板は、干渉計200から出射される光を透過する。
【0017】
ディスク保持台500は、ディスク800を保持する台である。ディスク保持台500は、ディスク保持板510、支軸520、軸支持部530、ディスク支持部540、ディスク固定部550、ディスク仮受部560を含む。ディスク保持板510は、平面状の板であり、ガラス板400が嵌め込まれる開口部を有する。ディスク保持板510は、ガラス板400と同様に、xy平面に平行に設けられる。支軸520は、ディスク固定装置600が回転する際の回転軸である。支軸520は、軸支持部530から+y方向に延伸する。軸支持部530は、ディスク800を保持する側に突出して存在し、ディスク保持板510に固定され、支軸520をねじや接着剤などにより固定して支持する部材である。ディスク支持部540は、搬送されるディスク800を支持する部材である。ディスク支持部540は、ディスク保持板510の開口部の周囲であって、当該開口部の中央よりも下の位置に設けられる。ディスク支持部540は、2つ設けられる。ディスク支持部540は、ディスク保持板510から離れるにしたがって大きくなる形状を有することで、ディスク保持板510との間に、ディスク800の一部が入る溝を形成する。2つのディスク支持部540のx方向の位置は、同じである。よって、2つのディスク支持部540を通る直線は、y方向に平行である。また、2つのディスク支持部540を通る直線上に、支軸520が存在する。搬送されたディスク800が固定される前、ディスク800は、2つのディスク支持部540によって支持される。ディスク固定部550は、ディスク固定装置600によってディスク800が固定される際に、ディスク800を押し付けられる部材である。ディスク固定部550は、ディスク保持板510の開口部の中央の上端の上部に設けられる。ディスク仮受部560は、ディスク800がディスク保持台500に搬送されてディスク固定装置600によって固定される前に、2つのディスク支持部540とともに、ディスク800を支持する部材である。ディスク仮受部560は、ディスク800と接触するディスク接触部561と、一端をディスク接触部561に接続され、他端をディスク保持板510に接続されるアーム部とを含む。
図1では、アーム部は省略されている。アーム部は、ディスク保持板510に固定されることで、ディスク接触部561を固定する。ディスク仮受部560のディスク接触部561は、ディスク保持台500に搬送されたディスク800のディスク保持板510側の反対側であって、搬送されてディスク支持部540に載置されるディスク800の上部の外端部を支持する位置に配置される。ディスク接触部561がディスク800の外端部を支持することで、ディスク800の磁気記録をする部分(外端部と内端部との間の部分)に対する傷や汚れを抑制することができる。ディスク仮受部560は、搬送されるディスク800やディスク800を搬送する搬送装置と干渉しない位置に設置される。ディスク仮受部560は、搬送されたディスク800が、-z方向に倒れてディスク保持台500から落下することを防ぐ。ディスク仮受部560のディスク接触部561は、ディスク800を支持できればよく、ディスク接触部561のディスク800と接触する部分は、平面であっても曲面であってもよい。
【0018】
ディスク固定装置600は、ディスク800をガラス板400の正面に固定する装置である。ディスク固定装置600は、第1アーム部610、円柱部620、第2アーム部630、ディスク押付部640を含む。第1アーム部610は、一端にy方向に延伸する穴を有する。当該穴には、ディスク保持台500の支軸520が挿入され、ベアリングなどの連結部材によって当該穴と支軸520とが連結される。ベアリングなどの連結部材は必須ではなく、当該連結部材がなくてもよい。これにより、支軸520を中心に、第1アーム部610を含むディスク固定装置600がxz平面で回動可能あるいは揺動可能となっている。第1アーム部610は、ディスク800を固定した状態のときに、当該穴を有す
る一端から-z方向に伸びる棒状の部材である。円柱部620は、第1アーム部610に固定される円柱状の部材である。円柱部620は、円柱状の部材の中心軸がy方向となるように、第1アーム部610に固定される。円柱部620の下面は、第1アーム部610に接続される。第2アーム部630は、一端を第1アーム部610の他端に接続される。第2アーム部630は、ディスク800を固定した状態のときに、xy平面に平行で、z方向から平面視した場合、第1アーム部610の他端からディスク固定部550の方向に伸びる棒状の部材である。ディスク押付部640は、一端を第2アーム部630の他端に接続される棒状の部材である。ディスク押付部640は、ディスク800を固定した状態のときに、第2アーム部630の他端からディスク固定部550の方向に伸びる棒状の部材である。ディスク押付部640の他端は、ディスク固定部550との間に、ディスク800の上端を挟み込むことで、ディスク800を固定する。
【0019】
昇降装置700は、ディスク固定装置600を動かす装置である。昇降装置700は、yz平面に平行な面を有する台を備える。当該台のyz平面に平行な面には、ディスク固定装置600の円柱部620が当接される。昇降装置700は、当該台をyz平面に平行な面を、x方向に移動(昇降)させることができる。昇降装置700の台がx方向に昇降
すると、ディスク固定装置600の円柱部620も昇降する。これにより、第1アーム部610、第2アーム部630、ディスク押付部640が、支軸520の周りに回転する。例えば、
図1において、昇降装置700が下降するのに伴い、円柱部620の位置が下がることで、第1アーム部610、第2アーム部630、ディスク押付部640が、支軸520の周りに反時計回りに回転する。これにより、ディスク押付部640の他端がディスク800から離れ、ディスク800の固定が解除される。また、昇降装置700が上昇するのに伴い、円柱部620の位置が上がることで、第1アーム部610、第2アーム部630、ディスク押付部640が、支軸520の周りに時計回りに回転する。これにより、ディスク押付部640の他端がディスク800に近づき、ディスク800に接触することで、ディスク800が固定される。このとき、ディスク800は、2つのディスク支持部540と、ディスク押付部640とによって、3点で固定されている。ディスク800の固定については、後に詳細に説明する。ディスク保持台500、ディスク固定装置600、昇降装置700は、固定部の例である。
【0020】
制御装置100は、PC(Personal Computer)、ワークステーション(WS、Work Station)のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電
子機器、コンピュータを搭載したPLC(Programmable Logic Controller)を使用して
実現可能である。干渉計200、XYステージ300は、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。
【0021】
図2は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示す情報処理装置は、一般的なコンピュータの構成を有している。制御装置100は、
図2に示すような情報処理装置90によって実現される。
図2の情報処理装置90は、プロセッサ91、メモリ92、記憶部93、入力部94、出力部95、通信制御部96を有する。これらは、互いにバスによって接続される。メモリ92及び記憶部93は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。コンピュータのハードウェア構成は、
図2に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0022】
情報処理装置90は、プロセッサ91が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0023】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。
【0024】
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ92は、主記憶装置とも呼ばれる。
【0025】
記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク
ドライブ(HDD、Hard Disk Drive)である。また、記憶部93は、リムーバブルメデ
ィア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部93は、二次記憶装置とも呼ばれる。
【0026】
記憶部93は、各種のプログラム、各種のデータ及び各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部93には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部93に格納される情報は、メモリ92に格納されてもよい。また、メモリ92に格納される情報は、記憶部93に格納されてもよい。
【0027】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部96を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置等には、例えば、他のコンピュータ、外部記憶装置等が含まれる。
【0028】
入力部94は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部94は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声の入力装置を含むことができる。
【0029】
出力部95は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パ
ネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部95は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
【0030】
通信制御部96は、他の装置と接続し、情報処理装置90と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部96は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、無線通信のための無線通信回路、有線通信のための通信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワークに接続される。
【0031】
制御装置100を実現するコンピュータは、プロセッサが補助記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、制御部110、通信部130としての機能を実現する。一方、格納部120は、主記憶装置または補助記憶装置の記憶領域に設けられる。
【0032】
(動作例)
図3は、本実施形態の検査システムの動作フローの例を示す図である。検査システム10の動作フローは、測定対象のディスク800が搬送装置などにより測定位置に搬送されることにより開始される。ガラス板400は、ディスク800の測定位置から離れた位置に存在する。また、昇降装置700の台は下げられており、ディスク固定装置600のディスク押付部640は、ディスク保持台500のディスク固定部550から離れている。
【0033】
S101では、検査システム10の制御装置100は、ディスク固定装置600により
、測定対象のディスク800をディスク保持台500に固定する。ディスク保持台500の開口部には、あらかじめ、ガラス板400が嵌め込まれて固定されている。
【0034】
図4及び
図5は、ディスク800を固定する前のディスク固定装置600の状態の例を示す図である。
図4は、-z方向からxy平面を見た平面図である。
図5は、+y方向からxz平面を見た平面図である。ディスク仮受部560は、搬送されたディスク800に接触するディスク接触部561と、ディスク接触部561をディスク保持板510に固定するアーム部562とを含む。測定対象のディスク800は、搬送装置などによって搬送されると、ディスク保持台500の2つのディスク支持部540及びディスク仮受部560のディスク接触部561によって支持される。
図4の例では、ディスク仮受部560は、-z方向からxy平面を見たとき、ディスク保持板510の右上から延びるアーム部562によってディスク接触部561を固定している。アーム部562とディスク保持板510との接続部分は、
図4の位置に限定されるものではない。
図5では、アーム部562は省略されている。このとき、ガラス板400とディスク800の面とは非平行である。昇降装置700の台は、下げられた状態であり、当該台に当接されるディスク固定装置600の円柱部620の位置も下がっている。これにより、ディスク固定装置600のディスク押付部640の他端は、ディスク保持台500のディスク固定部550、ディスク800から離れている。ここで、制御装置100の制御部110は、通信部130を介して、昇降装置700の台を上昇させることを指示する。昇降装置700は、制御装置100からの指示に従って、昇降装置700の台を上昇させる。当該台に当接されるディスク固定装置600の円柱部620が上昇する。円柱部620の上昇に伴い、第1アーム部610、第2アーム部630、ディスク押付部640が、+y方向から見て支軸520の周りに時計回りに回転する。
【0035】
図6及び
図7は、ディスク800を固定した後のディスク固定装置600の状態の例を示す図である。
図6は、-z方向からxy平面を見た平面図である。
図7は、+y方向からxz平面を見た平面図である。
図7では、アーム部562は省略されている。昇降装置700の台の上昇に伴い、ディスク固定装置600の円柱部620が上昇し、第1アーム部610、第2アーム部630、ディスク押付部640が、支軸520の周りに時計回りに回転する。これにより、ディスク押付部640の他端がディスク800に近づき、ディスク800に接触し、ディスク800の上部がディスク押付部640の他端によってディスク保持台500側に押され、ディスク800がディスク接触部561から離れる。ディスク押付部640の他端とディスク固定部550との間にディスク800が挟まれることで、ディスク800が固定される。このとき、ディスク800は、2つのディスク支持部540と、ディスク押付部640とによって、3点で固定されている。このとき、ガラス板400とディスク800の面とはほぼ平行である。ディスク800を支持する2つのディスク支持部540を通る直線上に、ディスク固定装置600の回転軸となる支軸520が存在することで、ディスク押付部640は、ディスク800の面に直交して、ディスク800の面に力を加えることができる。これにより、ディスク押付部640が、ディスク800にx方向やy方向の力を加えることがないため、ディスク800がx方向やy方向
に移動することを抑制する。よって、ディスク800は、安定して固定される。また、ディスク800を支持する2つのディスク支持部540を通る直線上に、ディスク固定装置600の回転軸となる支軸520が存在することで、ディスク800のxz平面に直交する回転軸がディスク固定装置600の回転軸とが一致する。これにより、ディスク800とディスク固定装置600との回転運動軌跡が同じとなることで、摺動、摩耗の原因となる、ディスク800とディスク固定装置600との間の相対運動が抑制される。これにより、摩耗によるディスク800のディスク傷や塵埃の発生が軽減される。
【0036】
S102では、制御装置100は、干渉計200により、ガラス板400とディスク800との距離を測定する。制御装置100の制御部110は、XYステージ300により
、干渉計200のセンサ部230を、ディスク800上の測定点の1つにセンサ部230からの光を当てられる位置に移動させる。測定点は、ディスク800の表面の高さを測定する点である。
【0037】
図8は、ディスク800及び測定点の例を示す図である。ここで、ディスク800の半径(ディスク800の最外周の半径)をRとする。ディスク800の開口部(最内周)の半径をrとする。ここでは、測定点は、例えば、ディスク800の最外周近傍(外周という)の複数の点、及び、ディスク800の開口部近傍(内周という)の複数の点とする。ディスク800の最外周近傍の複数の点は、例えば、ディスク800の最外周の円から1mm内側の円の円周上の複数の点である。ディスク800の開口部近傍の複数の点は、例えば、ディスク800の開口部の円から1mm外側の円の円周上の複数の点である。ここでディスク800の外周とは、ディスク800の面上で、ディスク800の最外周からディスク800の半径の5%の距離までの部分をいう。ディスク800の外周とは、ディスク800の面上で、ディスク800の中心を中心とする円の半径がRの円と、ディスク800の中心を中心とする円の半径が0.95Rの円とに囲まれる部分をいう。また、ディスク800の内周とは、ディスク800の面上で、ディスク800の開口部からディスク800の半径の5%の距離までの部分をいう。ディスク800の内周とは、ディスク800の面上で、ディスク800の中心を中心とする円の半径rの円と、ディスク800の中心を中心とする円の半径r+0.05Rの円とに囲まれる部分をいう。測定点は、例えば、ディスク800の中心を中心とする円の半径が第1所定値である円の円周上の複数の点、及び、ディスク800の中心を中心とする円の半径が第2所定値(>第1所定値)である円の円周上の複数の点であってもよい。第1所定値は、例えば、r以上r+0.05R以下の値である。第2所定値は、例えば、0.95R以上R以下の値である。センサ部230は、z方向に平行に光を出射するため、測定点の1つにセンサ部230からの光を当てられるセンサ部230の位置は、ディスク800上の測定点とx座標y座標が一致する、XYステージ300上の位置である。また、ディスク800の外周は、ディスク800の面上で、ディスク800の最外周からディスク800の半径の10%の距離までの部分であってもよい。このとき、ディスク800の外周は、ディスク800の面上で、ディスク800の中心を中心とする円の半径がRの円と、ディスク800の中心を中心とする円の半径が0.90Rの円とに囲まれる部分である。また、ディスク800の内周は、ディスク800の面上で、ディスク800の開口部からディスク800の半径の10%の距離までの部分であってもよい。このとき、ディスク800の内周とは、ディスク800の面上で、ディスク800の中心を中心とする円の半径がrの円と、ディスク800の中心を中心とする円の半径がr+0.10Rの円とに囲まれる部分である。測定点の数は、例えば、内周で720点、外周で720点である。
【0038】
制御装置100は、センサ部230が所定位置に移動すると、ディスク800の表面の測定点の高さの測定を開始する。制御装置100の制御部110は、通信部130を介して、干渉計200に、ディスク800の表面の高さを測定することを指示する。干渉計200は、制御装置100からの指示により、ディスク800の表面の高さを測定する。干渉計200は、本体部210から所定の光(レーザ光)を出射し、導光路220を介してセンサ部230からガラス板400に向けて出射する。センサ部230から出た光の一部は、ガラス板400のディスク800側の表面で反射され、センサ部230に入射される。また、センサ部230のから出た光の一部は、ガラス板400を通り抜け、ディスク800の測定点で反射され、再び、ガラス板400を通り抜け、センサ部230に入射される。センサ部230に入射された光は、導光路220を通り、本体部210で受光される。
【0039】
干渉計200の本体部210は、プロセッサを含み、ガラス板400で反射された光と、ディスク800の表面で反射された光の位相差を求めることで、ガラス板400(のデ
ィスク800側の表面)とディスク800の表面との距離を算出する。ガラス板400の表面がほぼ平らであるため、算出した距離は、ディスク800の表面の高さに対応する。干渉計200は、算出した高さを、制御装置100に送信する。制御装置100の制御部110は、干渉計200から、通信部130を介して、干渉計200で算出された高さを取得する。ここで、ディスク800の表面の高さが高いとは、ガラス板400とディスク800の表面との距離が相対的に短いことを示す。また、ディスク800の表面の高さが低いとは、ガラス板400とディスク800の表面との距離が相対的に長いことを示す。制御部110は、取得した干渉計200で算出された高さの情報を、XYステージ300の現在の位置の情報とともに、格納部120に格納する。XYステージ300の位置のx座標y座標は、ディスク800上の測定点のx座標y座標に相当する。干渉計200で算出された高さは、測定点のz座標に相当する。よって、このx座標y座標z座標が測定された点として、格納部120に格納される。
【0040】
制御装置100は、1つの測定点での測定が終了すると、制御装置100の制御部110は、XYステージ300により、干渉計200のセンサ部230を、ディスク800上の別の測定点にセンサ部230からの光を当てられる位置に移動させる。移動先の別の測定点は、例えば、測定を終えていない測定点のうち、現在の測定点に最も近い測定点とする。最も近い測定点に移動することにより、より早く測定を終了させることができる。以後、制御装置100は、同様にして、すべての測定点に対して、測定(算出)を行う。すべての測定点に対する測定後、制御装置100の格納部120には、すべての測定された点についての3次元座標(x座標y座標z座標)が格納されている。ここで、ディスク800は、ディスク800を搬送する搬送装置によって、ディスク800の搬送のために搬送装置に固定される。制御装置100は、1つの測定点において、複数回測定して、各測定のz座標(測定結果)の平均値を当該測定点のz座標としてもよい。また、制御装置100は、1つの測定点の測定と当該測定点の周囲の測定点の測定とのz座標の平均値を当該1つの測定点のz座標としてもよい。例えば、干渉計200のセンサ部230、ディスク保持台500、ガラス板400、検査システム10が設置される床等が、測定の周期よりも長い周期で振動している場合、振動などの外乱の影響が測定結果に表れるおそれがある。このとき、複数の測定結果の平均値をとることで、干渉計200のセンサ部230、ディスク保持台500、ガラス板400、検査システム10が設置される床等の振動などの外乱の影響(周期的なノイズなど)を測定結果から除去することができる。制御装置100は、XYステージ300により、センサ部230をディスク800の外周または内周で連続的に移動させ、干渉計200で連続的に(所定のサンプリング周波数で)測定してもよい。このとき、制御装置100は、干渉計200による測定結果にローパスフィルタをかけることで、外乱の影響(周期的なノイズなど)を除去してもよい。
【0041】
S103では、検査システム10の制御装置100は、ディスク固定装置600によるディスク800の固定を解除する。制御装置100の制御部110は、通信部130を介して、昇降装置700の台を下降させることを指示する。昇降装置700は、制御装置100からの指示に従って、昇降装置700の台を下降させる。当該台に当接されるディスク固定装置600の円柱部620が下降する。円柱部620の下降に伴い、第1アーム部610、第2アーム部630、ディスク押付部640が、+y方向から見て支軸520の
周りに反時計回りに回転する。これにより、ディスク押付部640の他端がディスク800から離れ、ディスク800の固定が解除される。このとき、ディスク800は、ディスク接触部561側に倒れ、ディスク接触部561及び2つのディスク支持部540によって支持される。この後、ディスク800の搬送装置は、ディスク800を把持して測定位置から移動させ、次の測定対象のディスク800を測定位置まで搬送する。
【0042】
S104では、制御装置100は、測定対象のディスク800について測定された点の座標から、ディスク800の表面の形状を算出する。制御装置100の制御部110は、
格納部120に格納されるすべての測定された点の3次元座標を抽出する。制御部110は、すべての測定された点に対する回帰平面を求める。回帰平面は、3次元空間内のすべての平面のうち、平面とすべての測定された点との距離の2乗の和が最も小さくなる平面である。複数の点に対する回帰平面は、周知の方法により算出され得る。例えば、回帰平面をz=ax+by+c(a、b、cは係数)とすると、当該回帰平面と測定された各点との距離の2乗の和が最も小さくなる係数a、b、cを求めることにより回帰平面を求めることができる。当該回帰平面は、最小2乗平面ともいう。ここで算出される回帰平面は、ディスク800の基準面に相当する。即ち、回帰平面からの距離は、ディスク800の基準面からの距離に相当する。ディスク800の表面の点と回帰平面との距離は、ディスク800の表面の凹凸の例である。
【0043】
また、制御部110は、ディスク800の表面の形状が所定の形状(例えば、第1型、第2型、第3型)であるか否かを判定する。例えば、第1型(ボウル型)は、ディスク800の中心に近い内周が高く、中心から遠い外周が低い形状である。第2型(サドル型)は、ディスク800の面上の第1軸方向には高さが中心から遠ざかるにつれて高くなり、第1軸に直交するディスク800の面上の第2軸方向には高さが中心から遠ざかるにつれて低くなる形状である。第3型(シリンダ型)は、ディスク800の面上の第1軸方向には高さが変化せず、第1軸に直交するディスク800の面上の第2軸方向には中心から遠ざかるにつれて高くなる形状である。ここで、高さの高低は逆であっても同様である。ここに挙げる第1型、第2型、第3型は、ディスク800の製造工程における何らかの不具合に起因する形状(異常な形状)である。所定の形状は、ここに挙げるものに限定されるものではない。また、所定の形状は、ディスク800の製造工程において不具合が発生しなかった場合の正常な形状であってもよい。
【0044】
図9は、ディスク800の表面が第1型である場合の測定結果の例を示す図である。
図9のグラフの横軸は、内周又は外周の測定位置の中心角である。例えば、ディスク800の中心から+y方向を中心角0度、360度(0、2π)、+x方向を中心角90度(π/2)、-y方向を中心角180度(π)、-x方向を中心角270度(3π/2)などと定義する。以下の図においても同様である。
図9のグラフの縦軸は、回帰平面からの距離である。ここでは、回帰平面から+z方向を正の値、-z方向を負の値とする。測定点と回帰平面との距離は、回帰平面からの距離(グラフの縦軸の値)の絶対値である。以下の図においても同様である。制御部110は、次の(1)乃至(4)を満たす場合に、第1型であると判定する。(1)内周の測定点のすべてが回帰平面の一方の側に存在する。(2)内周上の点と回帰平面との距離の最大値が所定値(例えば、5μm)以上である。(3)外周の測定点のすべてが回帰平面の他方の側に存在する。(4)外周上の点と回帰平面との距離の最大値が所定値(例えば、5μm)以上である。当該所定値は、1μmから20μmまでの範囲で決められてもよい。
【0045】
図10は、ディスク800の表面が第2型である場合の測定結果の例を示す図である。
図10のグラフの横軸は、内周又は外周の測定位置の中心角である。
図10のグラフの縦軸は、回帰平面からの距離である。制御部110は、次の(1)乃至(4)を満たす場合に、第2型であると判定する。(1)内周の測定点の連なりが2周期の正弦波状である。(2)外周の測定点の連なりが2周期の正弦波状である。(3)内周の正弦波と外周の正弦波との位相差が所定角度(例えば30度)以内である。(4)外周上の点と回帰平面との距離の最大値が内周上の点と回帰平面との距離の最大値よりも大きい。また、制御部110は、内周上の点と回帰平面との距離の最大値が所定値(例えば、2μm)未満である場合(内周の測定点の連なりの形状が明瞭でない場合)、(1)の条件を考量しなくてもよい。
【0046】
図11は、ディスク800の表面が第3型である場合の測定結果の例を示す図である。
図11のグラフの横軸は、内周又は外周の測定位置の中心角である。
図11のグラフの縦軸は、回帰平面からの距離である。制御部110は、次の(1)乃至(4)を満たす場合に、第3型であると判定する。(1)内周の測定点の連なりが2周期の正弦波状である。(2)外周の測定点の連なりが2周期の正弦波状である。(3)内周の正弦波と外周の正弦波との位相差が所定角度(例えば30度)以内である。(4)回帰平面の一方側または他方側において、外周上の点と回帰平面との距離の最大値に対する内周上の点と回帰平面との距離の最大値の比が1を含む所定の範囲内(例えば、0.9以上1.1以下)である。
【0047】
制御部110は、測定点の連なりが2周期の正弦波であるか否かを判定する際、例えば、カーブフィッティングと呼ばれる方法を使用する。カーブフィッティングでは、例えば、2周期の正弦波の式と、測定点の連なりとに基づいて、最小2乗法により回帰式(正弦波の式)が決定される。さらに、カーブフィッティングでは、当該回帰式の振幅がノイズに対し有意な検出レベル(例えば、2μm以上)である場合に、測定点の連なりが2周期の正弦波であるとする。また、2つの正弦波の位相差は、2つ回帰式の位相差により算出され得る。測定点の連なりが2周期の正弦波であるか否かを判定する際、他の方法が使用されてもよい。
【0048】
また、制御部110は、(1)測定点と回帰平面との距離の最大値が所定値(例えば、5μm)以下である場合、ディスク800の表面の形状が正常であると判定してもよい。当該所定値は、1μmから20μmまでの範囲で決められてもよい。
【0049】
ディスク800は、例えば、アルミニウムロール製造工程、ブランク材料製造工程、アルミニウムサブストレート製造工程、メッキサブストレート製造工程などを経て製造される。アルミニウムロール製造工程には、溶融プロセス、鋳造プロセス等が含まれる。ブランク材料製造工程には、打ち抜きプロセス、積層プロセス、焼鈍プロセス等が含まれる。アルミニウムサブストレート製造工程には、焼鈍プロセス、研削プロセス、洗浄プロセス等が含まれる。メッキサブストレート製造工程には、メッキプロセス、焼鈍プロセス、研磨プロセス等が含まれる。各プロセスにおいて、条件の不具合等により、ディスク800の表面の形状が、所定の形状(第1型など)となることがある。従って、所定の形状を検出することで、当該形状の原因となるプロセスの条件が分かる。異常な形状の原因となるプロセスの条件が分かることで、当該プロセスの条件を修正することにより、より正常な形状のディスク800を製造することができる。例えば、アルミサブストレート製造工程の研削プロセスで、加工の程度の差により、ディスク800の面の膨張、収縮が発生する。加工の程度とは、研削の加工速度、研削の切込みの大きさなどである。また、ブランク材料製造工程における焼鈍プロセスでは、温度の差により、ディスク800の面の膨張、収縮が発生する。相対的に、温度が高い方が膨張し、温度が低い方が収縮する。また、メッキサブストレート製造工程のメッキプロセスでは、メッキのリン含有率の差により、ディスク800の面の膨張、収縮が発生する。相対的にリン含有率が高い方が収縮し、リン含有率が低い方が膨張する。
【0050】
制御装置100の格納部120には、あらかじめ、所定の形状(例えば、第1型、第2型、第3型)と、これらの形状の原因となるディスク800の製造工程における条件とがあらかじめ対応付けられて格納されている。例えば、第1型には、次の(1)乃至(4)が挙げられる。(1)ブランク材料製造工程における焼鈍プロセスで、焼鈍加熱後に室温まで徐冷し平坦矯正を解放するとき、ディスク800の内周側が外周側よりも高温である。(2)アルミサブストレート製造工程の研削プロセスで、一方の面の加工の程度が他方の面の加工の程度よりも大きい。(3)メッキサブストレート製造工程のメッキプロセスで、一方の面側におけるメッキのリン含有率が他方の面側におけるメッキのリン含有率よりも大きい。(4)メッキサブストレート製造工程のメッキプロセスで、一方の面側にお
けるメッキのメッキ厚が他方の面側におけるメッキのメッキ厚よりも厚い。第2型には、次の(1)乃至(3)が挙げられる。(1)ブランク材料製造工程における焼鈍プロセスで、焼鈍加熱後に室温まで徐冷し平坦矯正を解放するとき、ディスク800の内周側が外周側よりも低温である。(2)アルミサブストレート製造工程の研削プロセスで、外周側の加工の程度が内周側の加工の程度よりも大きい。(3)メッキサブストレート製造工程のメッキプロセスで、内周側におけるメッキのリン含有率が外周側におけるメッキのリン含有率よりも大きい。第3型には、次の(1)が挙げられる。(1)アルミサブストレート製造工程の研削プロセスで、加工軌跡が平行で直交する方向に異方性があり、かつ、一方の面側の加工の程度が他方の面側の加工の程度よりも大きい。所定の形状として、第1型、第2型、第3型、正常の形状以外の形状が、存在してもよい。また、所定の形状に対応付けられる他の条件が存在してもよい。
【0051】
制御装置100の制御部110は、検出した所定の形状に対応する製造工程における条件を抽出する。制御部110は、検査対象のディスク800と、これに対して検出した所定の形状と、抽出した製造工程における条件とを対応付けて、格納部120に格納する。これにより、検査対象のディスク800毎に、所定の形状(第1型など)、当該形状の原因となる製造工程における条件を対応付けることができる。
【0052】
(変形例1)
上記の例では、制御装置100は、最外周近傍の測定点と、最内周近傍の測定点とを用いて、ディスク800の形状を判定した。変形例1では、最外周と最内周との間の測定点を用いる例ついて説明する。
【0053】
図12は、変形例1の測定点の例(1)を示す図である。上記の例では、干渉計200のセンサ部230は、最外周近傍の測定点を測定した後、最内周近傍の測定点に移動する。上記の例では、移動中に、測定を行わないが、ここでは、移動中も測定する。最外周近傍の測定点から最内周近傍の測定点に移動する際、センサ部230は、最外周近傍と最内周近傍との間の点を通る。このとき、制御装置100の制御部110は、最外周近傍の測定点、最内周近傍の測定点と同様に、測定を行う。
【0054】
図13は、変形例1の測定点の例(2)を示す図である。ここでは、制御装置100の制御部110は、測定点を最外周近傍から最内周近傍まで、らせん状に設定し、干渉計200のセンサ部230を、当該測定点に移動させながら、測定を行う。測定点が、最外周近傍から最内周近傍まで、らせん状に設定されることで、制御部110は、ディスク800の全面にわたって、高さを測定できる。
【0055】
図12、
図13のように、最外周近傍、最内周近傍の測定点だけでなく、最外周と最内周との間の測定点を測定することにより、上記の第1型、第2型、第3型以外の形状を検出し得る。例えば、内周から、内周と外周との中間に向かって、回帰平面との距離が大きくなり、さらに、外周に向かって、回帰平面との距離が小さくなるような形状(第4型、トーラス型)が検出されうる。第4型には、(1)ブランク材料製造工程における焼鈍プロセスで、焼鈍加熱後に室温まで徐冷し平坦矯正を解放するとき、ディスク800の内周と外周との中間が他の部分よりも高温であることが、ディスク800の製造工程における条件として挙げられる。また、最外周近傍、最内周近傍の測定点だけでなく、最外周と最内周との間の測定点を測定することにより、第1型、第2型、第3型のより詳細な形状を検出することができる。
【0056】
(変形例2)
変形例2では、ディスク保持台500の変形例、ディスク支持台900について説明する。ディスク保持台500の、ディスク800が接するディスク保持板510の面は、鉛
直面(xy平面)に平行であり、ディスク800はディスク固定装置600によって固定されるものであった。ディスク支持台900では、ディスク800が接するディスク保持板の面は、鉛直面に対して傾いており、ディスク800はその重力により固定されるものである。
【0057】
図14は、変形例2のディスク支持台900の構成例を示す図である。ディスク支持台900は、土台910、ディスク保持板920、ディスク土台930、ディスク支持部940、振動部950を含む。土台910は、平面に設置され、ディスク支持台900全体を支える。ディスク保持板920は、平面状の板であり、ガラス板400が嵌め込まれる開口部を有する。ディスク保持板920の面は、鉛直面に対して、角度θの角度を有して、土台910に固定される。角度θは、例えば、2度以上10度未満である。角度θが2度未満であると、ディスク土台930によってディスク800が支持されにくくなる。ディスク土台930は、ディスク保持板920の開口部の周囲に設けられる中空の円形の部材である。ディスク土台930は、ディスク800と同様の径を有する。ディスク土台930は、ディスク800と接する中空の円形の面を有し、当該面は、ディスク800の面と同等の平面である。ディスク土台930の面は、ディスク保持板920の面とほぼ平行である。ここで、x方向は鉛直方向であり、y方向はx方向に直交し、かつ、ディスク土台930の面に平行であり、z方向はx方向及びy方向に直交する方向とする。即ち、デ
ィスク保持板920の面(ディスク土台930の面)は、鉛直面であるxy平面に対して角度θの角度を有する。
図15は、ディスク支持台900の開口部の中心を通り、xz平面に平行な面の断面図である。
図15の例では、ディスク800がディスク支持台900に既に載置されている。ディスク支持部940は、搬送されるディスク800を支持する部材である。ディスク支持部940は、ディスク土台930の周囲であって、ディスク土台930の中央よりも下の位置に設けられる。ディスク支持部940は、2つ設けられる。ディスク支持部940は、テーパ円筒状の形状を有し、当該テーパ円筒状の小径側の面がディスク保持板920に接続される。ディスク支持部940は、ディスク土台930に載置されるディスク800の重力による落下を抑止する。振動部950は、ディスク支持台900を振動させる。振動部950は、例えば、振動アクチュエータである。振動部950は、ディスク土台930に搬送されるディスク800が載置された際に、ディスク支持台900全体を振動させる。ディスク支持部940は、円柱状の形状を有してもよい。
【0058】
測定対象のディスク800は、ディスク支持台900に搬送されてディスク支持部940に載置される。このとき搬送位置のばらつきにより、ディスク800はディスク土台930の斜面に平行に接触した状態とはならない。ここで、振動部950により、ディスク支持台900を振動させる。振動部950は、例えば、制御装置100の指示により、ディスク支持台900を、所定時間、振動させる。ディスク支持台900のディスク土台930に載置されたディスク800は、振動によりディスク支持台900との凝着が解け、見かけの摩擦係数は低減する。移動容易となったディスク800は重力によってディスク土台930の方向へ移動し、ディスク土台930の斜面に平行に接触し安定する。これにより、上記のように、ディスク固定装置600を用いてディスク800を3点で支持しなくてもよい。即ち、ディスク保持板920、ディスク土台930が鉛直面に対して、傾いていることにより、外周の特定点に力を与えることなくディスク800をディスク土台930で支持することができる。また、ディスク支持部940により、ディスク800を支持することで、ディスク800がディスク土台930から滑り落ちることを抑制することができる。
【0059】
(変形例3)
変形例3では、ディスク保持台500の別の変形例について説明する。ディスク保持台500のディスク固定部550は、ディスク保持板510に固定されていたが、変形例3では、ディスク固定部550とディスク保持板510との間にバネ等の弾性体を設ける。
【0060】
図16は、変形例3のディスク保持台500の例を示す図である。変形例3のディスク保持台500は、ディスク固定部550とディスク保持板510との間に、バネ等の弾性体551を設ける。弾性体551は、両端をディスク固定部550及びディスク保持板510に固定される。先に説明したディスク保持台500では、
図7の状態でディスク800に対する測定が終了し、ディスク押付部640の他端がディスク800から離れ、ディスク800の固定が解除されたとき、ディスク800の面は、鉛直面に平行になっている。よって、このとき、ディスク800がディスク接触部561側に倒れないおそれがある。ディスク800がディスク接触部561側に倒れないと、搬送装置によるディスク800の把持が困難になる。変形例3のディスク保持台500では、
図7の状態から、ディスク押付部640の他端がディスク800から離れたときに、ディスク固定部550とディスク保持板510との間の弾性体551が、伸長する。これにより、弾性体551が、ディスク固定部550を介して、ディスク800をディスク接触部561側に押す。これにより、ディスク800は、ディスク接触部561側に倒れ、ディスク接触部561及び2つのディスク支持部540によって支持される。弾性体551の伸長量は、例えば、2mm以上5mm以下であることが好ましい。当該伸長量は、ディスク800の自重による回転モーメントがディスク800を倒すのに十分な長さである。弾性体551の伸長力は、2g以上50g以下であることが好ましい。また、ディスク固定装置600によって、ディスク800が固定されているとき、弾性体551は、初期状態から収縮している。
【0061】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態の検査システム10は、制御装置100、干渉計200、XYステージ300、ガラス板400、ディスク保持台500、ディスク固定装置600、昇降装置700を備える。ディスク固定装置600は、測定対象のディスク800をディスク保持台500に固定する。ディスク800がガラス板400を埋め込まれたディスク保持台500に固定されるため、ディスク保持台500が振動した場合にディスク800と同位相で振動し、ディスク保持台500に嵌め込まれるガラス板400とディスク800との距離が変化しない。よって、検査システム10は、干渉計200により、ガラス板400とディスク800との間の距離を測定しても、ディスク保持台500の振動の影響を受けにくい。また、検査システム10は、すべての測定された点の3次元座標から回帰平面を算出し、測定された点と回帰平面との距離に基づいて、ディスクの所定の形状を算出する。回帰平面を算出することで、ガラス板400の表面に対してディスク800の表面が平行でない場合であっても、簡易に正確にディスクの所定の形状を検出することができる。回帰平面は、3次元空間内のすべての平面のうち、平面とすべての測定された点との距離の2乗の和が最も小さくなる平面である。したがって、回帰平面は凹凸の変化をいわば平滑化したディスク800の姿勢を示している。即ち、回帰平面を算出することで、ディスク800の固定位置が多少ずれても、正確にディスク800の所定の形状を検出することができる。検査システム10は、ディスク800の所定の形状として、ディスク800の中心に近い内周が高く、中心から遠い外周が低い形状である第1型を検出する。また、検査システム10は、ディスク800の所定の形状として、第2型を検出する。第2型は、ディスク800の面上の第1軸方向では回帰平面からの高さがディスク800の中心から遠ざかるにつれて高くなり、第1軸方向に直交するディスク800の面上の第2軸方向では距離がディスク800の中心から遠ざかるにつれて低くなる形状である。さらに、検査システム10は、ディスク800の所定の形状として、第3型を検出する。第3型は、ディスク800の面上の第1軸方向では回帰平面からの高さが変化せず、第1軸方向に直交するディスク800の面上の第2軸方向では回帰平面からの高さが前記板の中心から遠ざかるにつれて高くなる形状である。検査システム10によれば、制御装置100が最外周の測定点と最内周の測定点とを測定することにより、第1型、第2型、第3型のような所定の形状を簡易に正確に検出できる。また、ディスク800の表面の所定の形状は、ディスク800の製造工程における条件に対応付けられる。検査システム10は、ディスク800のそ
れぞれの所定の形状がディスク800の製造工程における条件に対応付けられることで、ディスク800のそれぞれの所定の形状に対応する製造工程における問題の認識を容易にできる。
【0062】
検査システム10は、ディスク支持台900のように、ディスク保持板920を鉛直面に対して傾斜をつける(ディスク800が鉛直面に対して所定の角度を有して固定される)ことで、測定の際のディスク800の支持をより簡易に行うことができる。
【0063】
検査システム10は、ディスク800の測定点を、ディスク800の最外周の近傍(外周)と、開口部の近傍(内周)としている。ディスク800の表面は、中心に近い内周が低く、中心から遠い外周が高い形状(第1型)等の所定の形状に変形することが多い。これらの場合、ディスク800の面上で、回帰平面からの距離が最も大きい点は、ディスク800の最も外側またはディスク800の最も内側に存在する。よって、測定点を、ディスク800の最外周の近傍(外周)と、開口部の近傍(内周)とすることで、ディスク800の面上で、回帰平面からの距離が最も大きい点に近い点を測定点とすることができる。検査システム10は、回帰平面からの距離が最も大きい点に近い点を測定点とすることで、より適切にディスク800の所定の形状を検出できる。
【0064】
以上の各実施形態は、可能な限りこれらを組み合わせて実施され得る。
【符号の説明】
【0065】
10 :検査システム
90 :情報処理装置
91 :プロセッサ
92 :メモリ
93 :記憶部
94 :入力部
95 :出力部
96 :通信制御部
100 :制御装置
110 :制御部
120 :格納部
130 :通信部
200 :干渉計
210 :本体部
220 :導光路
230 :センサ部
300 :XYステージ
400 :ガラス板
500 :ディスク保持台
510 :ディスク保持板
520 :支軸
530 :軸支持部
540 :ディスク支持部
550 :ディスク固定部
551 :弾性体
560 :ディスク仮受部
561 :ディスク接触部
562 :アーム部
600 :ディスク固定装置
610 :第1アーム部
620 :円柱部
630 :第2アーム部
640 :ディスク押付部
700 :昇降装置
800 :ディスク
900 :ディスク支持台
910 :土台
920 :ディスク保持板
930 :ディスク土台
940 :ディスク支持部
950 :振動部