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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110147
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20240807BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
B65H31/26
G03G15/00 440
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014548
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】田中 美奈
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正紀
(72)【発明者】
【氏名】藤井 道夫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 大輔
【テーマコード(参考)】
2H072
3F054
【Fターム(参考)】
2H072AA17
2H072AA22
2H072AA29
2H072FB01
2H072FB07
3F054AA01
3F054AC02
3F054BA11
3F054BB16
3F054BG02
3F054DA16
(57)【要約】
【課題】収納部でシートのジャムを生じにくくする。
【解決手段】画像形成装置本体1において印刷の対象外となったシートPが、画像形成装置本体1の外部に取り出し可能に収納される収納部30が設けられている。また、収納部30に向けて搬送されたシートPに対して、収納部30の載置面49、又は、載置面49に載置された先行のシートP1、に当接させるように送風可能な送風装置40が設けられている。そして、既に収納部30の載置面49に載置された先行のシートP1と、収納部30に向けて搬送される後行のシートP2と、が干渉しないように送風装置40の送風をオン・オフする制御部90が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体において印刷の対象外となったシートが、前記画像形成装置本体の外部に取り出し可能に収納される収納部と、
前記収納部に向けて搬送されたシートに対して、前記収納部の載置面、又は、前記載置面に載置された先行のシート、に当接させるように送風可能な送風装置と、
既に前記収納部の前記載置面に載置された先行のシートと、前記収納部に向けて搬送される後行のシートと、が干渉しないように前記送風装置の送風をオン・オフする制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、既に前記収納部の前記載置面に先行のシートが載置された状態で、少なくとも、後行のシートの搬送方向先端が前記先行のシートの搬送方向後端を通過するまで送風するように前記送風装置の送風を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、既に前記収納部の前記載置面に先行のシートが載置された状態で、後行のシートが前記収納部に達する前に前記送風装置の送風を開始して、前記後行のシートの搬送方向先端が前記先行のシートの搬送方向後端を通過した後に前記送風装置の送風を停止することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記送風装置は、前記載置面に載置されるシートに対して略直交する方向に送風することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記送風装置は、前記載置面に載置されたシートの搬送方向後端に相当する位置に向けて送風することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記送風装置は、前記載置面に載置されるシートの搬送方向サイズに応じて複数設けられて、
前記制御部は、前記収納部に向けて搬送されるシートの搬送方向サイズに応じて、前記複数の送風装置のうち、前記搬送方向サイズに対応した送風装置をオン・オフ制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記載置面に載置されるシートの搬送方向後端又は幅方向端部に向けて前記送風装置から送風されるように、当該シートの搬送方向サイズ又は幅方向サイズに応じて、前記送風装置からの送風路を可変する可変手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記載置面に載置されるシートの厚さに応じて送風装置から送風される風量を調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記載置面は、前記送風装置から送風された空気を逃がすための孔部が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記収納部に向けてシートが搬送される搬送経路は、前記画像形成装置本体の画像形成部を通過して画像が形成されたシートを反転して前記画像形成装置本体の外部に排出する反転排出経路の一部と、前記画像形成部を通過して画像が形成されたシートを反転して前記画像形成部に向けて搬送する両面搬送経路の一部と、のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置本体においてジャムなどによって印刷の対象外となったシートが一時的に収納される収納部を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、紙詰まり(ジャム)などによって滞留するシート(用紙)を収納部(パージ部)に搬送して積載・収納する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献2には、排紙トレイ上におけるシートのスタック性を向上させることを目的として、正常な印刷がされて排紙トレイに載置されたシートに対して、ファンから風を吹き付ける技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置は、収納部に既に収納された先行のシートに、これから収納部に向けて搬送される後行のシートが干渉してしまうことがあった。そして、そのような場合には、収納部でシートが紙詰まり(ジャム)してしまうことがあった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、収納部でシートのジャムが生じにくい、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における画像形成装置は、画像形成装置本体において印刷の対象外となったシートが、前記画像形成装置本体の外部に取り出し可能に収納される収納部と、前記収納部に向けて搬送されたシートに対して、前記収納部の載置面、又は、前記載置面に載置された先行のシート、に当接させるように送風可能な送風装置と、既に前記収納部の前記載置面に載置された先行のシートと、前記収納部に向けて搬送される後行のシートと、が干渉しないように前記送風装置の送風をオン・オフする制御部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、収納部でシートのジャムが生じにくい、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】収納部を示す構成図である。
図3】収納部の動作を示す図である。
図4】送風装置の動作を示す図である。
図5】比較例としての、収納部で先行シートと後行シートとが干渉している状態を示す図である。
図6】送風装置の制御を示すフローチャートである。
図7】送風装置の制御を示すタイミングチャートである。
図8】変形例1としての、画像形成装置の要部を示す図である。
図9】別形態の、画像形成装置の要部を示す図である。
図10】変形例2としての、画像形成装置の要部を示す図である。
図11】変形例3としての、送風装置の制御を示すフローチャートである。
図12】変形例4としての、収納部における載置面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態において、画像形成装置1には、画像形成装置1内においてジャム(紙詰り)などにより滞留(搬送停止)したシートPを収納部30(パージ部)に向けて搬送して、滞留したシートPを装置内の搬送経路から一掃(パージ処理)するための搬送装置20が設置されている。
すなわち、収納部30は、画像形成装置本体1において印刷の対象外となったシートPが、画像形成装置本体1の外部に取り出し可能に収納されるものである。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置1の中央上方には、中間転写ベルト8が設置されている。また、中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した感光体ドラム2Y、2M、2C、2K(作像部)が並設されている。さらに、中間転写ベルト8は、その下方で2次転写ローラ15(2次転写ベルト16)に圧接して、画像形成部としての2次転写ニップを形成している。
【0012】
図1に示すように、ブラックに対応した感光体ドラム2Kの周囲には、帯電部3、現像部4、クリーニング部5、除電部などが配置されている。そして、感光体ドラム2K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム2Kの表面にブラック画像が形成されることになる。
【0013】
なお、他の3つの感光体ドラム2Y、2M、2Cの周囲もほぼ同じように構成されていて、それぞれのトナー色に対応した画像が感光体ドラム2Y、2M、2Cの表面に形成される。以下、他の3つの感光体ドラム2Y、2M、2C上の作像プロセスの説明を適宜に省略して、ブラックに対応した作像プロセスのみの説明をおこなうことにする。
【0014】
感光体ドラム2Kは、メインモータによって図1の反時計方向に回転駆動される。そして、帯電部3の位置で、感光体ドラム2Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム2Kの表面は、露光部7から発せられたレーザ光の照射位置に達して、この位置での幅方向(図1の紙面垂直方向であって、主走査方向である。)の露光走査によってブラックに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0015】
その後、感光体ドラム2Kの表面は、現像部4との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム2Kの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ6の対向位置に達して、この位置で感光体ドラム2Kの表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト8の表面に1次転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム2K上には、僅かながら未転写トナーが残留する。
【0016】
その後、感光体ドラム2Kの表面は、クリーニング部5との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム2K上に残留した未転写トナーがクリーニングブレードによってクリーニング部5内に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム2Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム2K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム2K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0017】
なお、上述した作像プロセスは、他の感光体ドラム2Y、2M、2Cの表面でも、ブラックの感光体ドラム2Kと同様におこなわれる。
そして、それぞれの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写されることになる。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0018】
その後、各色のトナー像が重ねて1次転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ15(2次転写ベルト16)との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ9が、2次転写ローラ15との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト16とを挟み込んで2次転写ニップ(画像形成部)を形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に2次転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残留する。
【0019】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に付着した未転写トナーなどの付着物が除去される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0020】
ここで、図1を参照して、2次転写ニップ(画像形成部)の位置に搬送されるシートPは、画像形成装置1の下方に配設された給紙部10から、給紙ローラ11やレジストローラ12等が配置された搬送経路K1を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙部10には、用紙などのシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ11が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPが搬送経路K1を経由してレジストローラ12のローラ間に向けて給送される。
【0021】
レジストローラ12に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ12のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ12が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップ(画像形成部)に向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0022】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、2次転写ベルト16によって搬送されて、2次転写ベルト16から分離された後に、搬送ベルト18によって定着部19の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
その後、シートPは、排出搬送経路K2を経由して、排紙ローラ25によって画像形成装置1の外部へと排出されて、排紙トレイ59上にスタックされる。
こうして、画像形成装置1における、一連の画像形成プロセス(印刷動作)が完了する。
【0023】
なお、図1に加えて図2をも参照して、シートPの両面(オモテ面とウラ面とである。)へのプリントをおこなう「両面プリントモード」が選択されている場合には、オモテ面への定着工程が終了したシートPは、第1、第2切替爪35、36の動作により、上述した「片面プリントモード」が選択されているときのようにそのまま画像形成装置1から排出されることなく、垂直搬送経路K3に導かれる。そして、垂直搬送経路K3に導かれたシートPは、第3、第4切替爪37、38の動作により、第2搬送経路K5に導かれる。そして、第2搬送経路K5に導かれたシートPは、その搬送方向が第2反転ローラ27の正回転から逆回転の駆動切替によって反転された後に、第3、第4切替爪37、38の動作により、水平搬送経路K6に導かれる。そして、水平搬送経路K6に導かれたシートPは、再び2次転写ニップ(画像形成部)の位置に向けて搬送される。そして、2次転写ニップの位置で先に説明したものと同様の画像形成プロセス(印刷動作)によってシートPのウラ面への画像形成がおこなわれ、その後に定着部19での定着工程を経て、排出搬送経路K2を経由して、画像形成装置1から排出される。
すなわち、「両面プリントモード」が選択されている場合には、垂直搬送経路K3、第2搬送経路K5、水平搬送経路K6が両面搬送経路として機能することになる。
【0024】
さらに、シートPのオモテ面とウラ面とを反転させて排出をおこなう「反転排出モード」が選択されている場合には、オモテ面(又は、両面)への定着工程が終了したシートPは、第1、第2切替爪35、36の動作により、そのまま画像形成装置1から排出されることなく、垂直搬送経路K3に導かれる。そして、垂直搬送経路K3に導かれたシートPは、その先端部側が第3、第4切替爪37、38の動作により、第1搬送経路K4に導かれる。そして、第1搬送経路K4に導かれたシートPは、その搬送方向が第1反転ローラ26の正回転から逆回転の駆動切替によって反転された後に、第2切替爪36の動作により、垂直搬送経路K3を経由して排出搬送経路K2に導かれる。そして、反転した状態のシートPが排出搬送経路K2を経由して、画像形成装置1から排出される。
すなわち、「反転排出モード」が選択されている場合には、垂直搬送経路K3、第1搬送経路K4、排出搬送経路K2が反転排出経路として機能することになる。
なお、「片面プリントモード」、「両面プリントモード」、「反転排出モード」は、ユーザーによる操作表示パネル95(画像形成装置1の外装部に設置されている。)の操作によって選択される。
【0025】
以下、本実施の形態における画像形成装置1において特徴的な、搬送装置20について詳述する。
本実施の形態における画像形成装置1には、給紙部10に隣り合う位置に、画像形成装置本体1内において印刷の対象外となったシートP(主に、ジャム(紙詰り)などにより滞留したシートPである。)が画像形成装置本体1の外部に取り出し可能に収納される収納部30(パージ部)が設置されている。
画像形成装置1の排紙ローラ25の近傍に設置されたジャム検知センサ41など、画像形成装置1における搬送経路中の複数箇所に配置したジャム検知センサによってシートPがジャム(紙詰り)した状態が光学的に検知されると、搬送経路中に滞留したすべてのシートPのうち、収納部30までの搬送経路が確保できるシートPがすべて搬送ローラの駆動により収納部30に向けて搬送されることになる。
なお、このような制御モードを、以下、適宜に「パージ処理」と呼ぶ。
【0026】
図1図2等を参照して、画像形成装置1には、収納部30(パージ部)、第1搬送経路K4、第2搬送経路K5、切替手段としての切替爪38、第1、第2フォトセンサ42、43、操作表示パネル95、制御部90、などが設けられている。
【0027】
収納部30は、複数枚のシートP(シート束PT)が積載され収納される部分である。詳しくは、収納部30は、画像形成装置本体1に滞留したシートPが収納されて、その収納されたシートP(シート束PT)を画像形成装置本体1の外部に取り出し可能に構成されている。
さらに具体的に、図2を参照して、収納部30には、シートPを載置(積載)するための載置面49(ガイド面)が設けられている。収納部30に搬送されたシートPは、載置面49に案内されながら、載置面49上に載置されることになる。本実施の形態において、載置面49は、略「く」の字状に形成され、またシートPが滑落しやすいように傾斜している。
また、収納部30には、収納部30にシートPがあるか否かを検知する第3フォトセンサ44(シート検知手段)、収納ガイド部49上に積載されたシート束PTを揃えるためのストッパ部31(壁部)、などが設けられている。
収納部30に収納されたシートP(シート束PT)は、適宜、ユーザーによって画像形成装置本体1から取り除かれる。詳しくは、収納部30の外装部としても機能する開閉ドア32が開放されて、収納部30が露呈された状態で、収納ガイド部49上に積載された不要なシート束PTが取り出されて、ユーザーによって処分されることになる。
【0028】
ここで、本実施の形態では、収納部30に向けてシートP(滞留して不要なシートPである。)を搬送する2つの搬送経路(第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とである。)が設けられていて、所定のタイミングで、2つの搬送経路のうちの1つが選択され、切替手段によって切替えられるように構成されている。
第1搬送経路K4は、先に図1等を用いて説明したように、画像形成装置本体1の画像形成部(2次転写ニップ)を通過して画像が形成されたシートPを反転して画像形成装置本体1の外部に排出する反転排出経路の一部としても機能する搬送経路である。
また、第2搬送経路K5は、先に図1等を用いて説明したように、画像形成装置本体1の画像形成部(2次転写ニップ)を通過して画像が形成されたシートPを反転して画像形成部(2次転写ニップ)に向けて搬送する両面搬送経路の一部でとしても機能する搬送経路である。
【0029】
ここで、第2搬送経路K5は、収納部30の上流部(図2において一点鎖線で囲んだ領域の上部である。)を基準にして第1搬送経路K4に対してシートPの厚み方向(図2の右方)に離れた位置に配置されている。換言すると、第2搬送経路K5は、収納部30の上流部を基準にして第1搬送経路K4に対して積載高さが高くなる方向に離れた位置に配置されている。
特に、本実施の形態において、第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とは、それぞれ、略垂直方向の上方から下方に向けてシートPを搬送するように構成されている。詳しくは、図2に示すように、第1搬送経路K4は、略垂直方向に延びるガイド板47(対向ガイド板)によって、その搬送経路が形成されている。同様に、第2搬送経路K5も、略垂直方向に延びるガイド板48(対向ガイド板)によって、その搬送経路が形成されている。そして、第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とは、水平方向に並設されている。
【0030】
また、収納部30における載置面49は、図2に示すように、第1搬送経路K4からシートPが排出される位置(ガイド板47の下端である。)に対して第2搬送経路K5から離れる方向の位置を上方の起点として、下方に向けて第2搬送経路K5の垂直方向下方の位置を越える位置まで屈曲するガイド部である。
そして、その載置面49の終点(右方下端である。)には、略垂直方向の上方に向けて起立する壁部としてのストッパ部31が設けられている。第1搬送経路K4(又は、第2搬送経路K5)から排出されたシートPは、載置面49の傾斜面(又は、載置面49上のシートP)に沿って下端位置まで滑落して、その先端部がストッパ部31に当接することにより、その搬送方向(滑落方向)の姿勢が定まり揃えられることになる。したがって、ユーザーは、良好に揃え処理がされたシート束PTを収納部30から取り出すことができる。
【0031】
ここで、搬送装置20には、パージ処理時に、第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とを切替える切替手段としての切替爪(第4切替爪38である。)が設けられている。
切替手段としての第4切替爪38は、第1搬送経路K4の上流部と第2搬送経路K5の上流部とに繋がる上流側搬送経路(垂直搬送経路K3である。)の下流部に配置されている。そして、パージ処理時に、図3(A)に示すように、制御部90の制御によって第4切替爪38が第2搬送経路K5の上流部を塞ぐように回転すると、垂直搬送経路K3を通過したシートPが第1搬送経路K4を経由して収納部30に搬送されることになる。これに対して、パージ処理時に、図3(B)に示すように、制御部90の制御によって第4切替爪38が第1搬送経路K4の上流部を塞ぐように回転すると、垂直搬送経路K3を通過したシートPが第2搬送経路K5を経由して収納部30に搬送されることになる。
【0032】
また、本実施の形態における画像形成装置1は、収納部30に積載された複数枚のシートP(シート束PT)の積載高さを検知可能に構成されている。
具体的に、第1搬送経路K4を経由して収納部30に搬送されるシートPの枚数を第1フォトセンサ42によって検知して、第2搬送経路K5を経由して収納部30に搬送されるシートPの枚数を第2フォトセンサ43によって検知して、第1、第2搬送経路K4、K5を経由して収納部30に搬送されるシートPの厚さをユーザーによって操作表示パネル95に入力される情報から間接的に検知することで、収納部30の載置面49上のシートPの積載高さを把握する。
そして、本実施の形態では、図3(A)に示すように、積載高さが所定値に達するまでは、制御部90によって、シートPが第1搬送経路K4を介して収納部30に搬送されるように第4切替爪38(切替手段)が制御される。これに対して、図3(B)に示すように、積載高さが所定値に達してからは、制御部90によって、シートPが第2搬送経路K5を介して収納部30に搬送されるように第4切替爪38(切替手段)が制御される。
【0033】
ここで、図2図4等を参照して、本実施の形態における画像形成装置1には、収納部30に送風装置40が設置されている。
この送風装置40は、ファンであって、収納部30に向けて搬送されたシートPに対して、収納部30の載置面49、又は、載置面49に載置された先行のシートP(シート束PTを含む。)、に当接させるように送風可能に構成されている。
そして、制御部90は、既に収納部30の載置面49に載置された先行のシートP1と、収納部30に向けて搬送される後行のシートP2と、が干渉しないように送風装置40の送風をオン・オフすることになる。
【0034】
詳しくは、送風装置40は、載置面49に載置されるシートPに対して略直交する方向(図2図4の右方から左方に向かう方向である。)に送風するように配置されている。換言すると、送風装置40は、収納部30に搬送されるシートPの搬送方向に対して略直交する方向に空気を送ることになる。
また、本実施の形態において、送風装置40は、載置面49に載置されたシートP1の搬送方向後端P1b(図4参照)に相当する位置に向けて送風する。
なお、本実施の形態において、送風装置40は、載置面49に載置されるシートPに対して、幅方向(搬送方向に直交する方向であって、図2の紙面垂直方向である。)のほぼ全域にわたって送風するように構成しているが、幅方向の中央部に向けて送風するように構成することもできる。
【0035】
そして、制御部90は、図4(A)に示すように、既に前記収納部30の載置面49に先行のシートP1が載置された状態で、後行のシートP2が収納部30に達する前に送風装置40の送風を開始する。具体的に、第3フォトセンサ44によって載置面49上にシートP1が載置された状態が検知されている状態で、第1フォトセンサ42又は第2フォトセンサ43(図2参照)によって後行のシートP2の先端(搬送方向先端)が検知されると、制御部90によって送風装置40がオンされる。
その後、制御部90は、図4(B)に示すように、後行のシートP2の搬送方向先端P2aが先行のシートP1の搬送方向後端P1bを通過した後に、送風装置40の送風を停止する。具体的に、第1フォトセンサ42又は第2フォトセンサ43(図2参照)によって後行のシートP2の先端P2aが検知されてから所定時間T1が経過した後に、送風装置40がオフされる。なお、上述した「所定時間T1」は、第1、第2フォトセンサ42、43の位置から先行のシートP1の搬送方向後端P1bの位置までの距離を、シートPの搬送速度で割った値に余裕度分を加味した値である。
【0036】
このように送風装置40を制御することにより、収納部30でシートPのジャムが生じにくくなる。
図5に比較例として示す収納部130は、送風装置40が設置されていないため、収納部30の載置面49に既に収納された先行のシートP1に、これから収納部30に向けて搬送される後行のシートP2が干渉してしまうことがあった(破線で囲んだ部分を参照)。これは、載置面49に載置された先行のシートP1の後端が、シートP1のコシなどによって載置面49に密着することなくカールしてしまうことなどして、後行シートP2の進路にオーバーラップしてしまうことがあるためである。そして、そのような場合には、収納部30でシートP1、P2がジャムしてしまうことがあった。
これに対して、本実施の形態では、収納部30に設けた送風装置40による風力によって、少なくとも、収納部30に向けて搬送される後行シートP2の先端P2aが、載置面49に載置された先行シートP1の後端P1bを通過するまで、先行シートP1の後端P1bを載置面49に密着するように付勢しているため、上述したような不具合が軽減されることになる。
さらに換言すると、本実施の形態において、制御部90は、既に収納部30の載置面49に先行のシートP1が載置された状態で、少なくとも、後行のシートP2の搬送方向先端が先行のシートP1の搬送方向後端を通過するまで送風するように送風装置40の送風を制御する。これにより、上述したような不具合が軽減されることになる。
【0037】
以下、図6のフローチャートを用いて、送風装置40の制御の一例について説明する。
図6に示すように、まず、操作表示パネル95を介して指令されたジョブ(印刷)が終了したかが判別されて(ステップS1)、ジョブ中である場合に第3フォトセンサ44がオン状態であるかかが判別される(ステップS2)。すなわち、収納部30にシートP(先行シートP1)が存在するかが判別される。
その結果、第3フォトセンサ44がオン状態である場合、さらに第1フォトセンサ42又は第2フォトセンサ43がオフ状態からオン状態に変化したかが判別される(ステップS3)。すなわち、収納部30に先行シートP1が存在する状態で、収納部30に向けて後行シートP2が搬送されているかが判別される。
その結果、第1フォトセンサ42又は第2フォトセンサ43がオフ状態からオン状態に変化した場合、送風装置40をオフからオンにして(ステップS4)、所定時間T1が経過した後に送風装置40をオフする(ステップS5、S6)。
これらの、第1~第3フォトセンサ42~44のオン・オフと、送風装置40のオン・オフと、のタイミングは図7に示す通りである。
【0038】
<変形例1>
図8に示すように、変形例1における画像形成装置1は、収納部30の載置面49に載置されるシートP1、P1´の搬送方向サイズ(矢印方向のサイズである。)に応じて複数の送風装置40A、40Bが設けられている。
そして、制御部90は、収納部30に向けて搬送されるシートP1、P1´(P2、P2´)の搬送方向サイズに応じて、複数の送風装置40A、40Bのうち、搬送方向サイズに対応した送風装置をオン・オフ制御している。
具体的に、収納部30には、A3縦サイズのシートP1、P2に対応した第1の送風装置40Aと、A4縦サイズのシートP1´、P2´に対応した第2の送風装置40Bと、が上下方向に並設されている。そして、図8(A)に示すように、A3縦サイズのシートP1、P2が搬送・収納されるときには、第2の送風装置40Bを使用せずに、第1の送風装置40Aを用いて、載置面49上のシートP1の後端に向けて送風できるように、図6図7等を用いて説明した送風装置40Aの制御をおこなう。これに対して、図8(B)に示すように、A4縦サイズのシートP1´、P2´が搬送・収納されるときには、第1の送風装置40Aを使用せずに、第2の送風装置40Bを用いて、載置面49上のシートP1´の後端に向けて送風できるように、図6図7等を用いて説明した送風装置40Bの制御をおこなう。
このような制御をおこなうことで、搬送方向サイズの異なるシートP1、P1´(P2、P2´)が収納部30に収納される場合であっても、収納部30におけるシートのジャムを軽減することができる。
なお、シートP、P´の搬送方向サイズは、操作表示パネル95に入力されたシート情報や、画像形成装置1内のシートサイズセンサのシートサイズ情報に基づいて把握することができる。
また、図8の例では、簡単のため2つのサイズに対応して2つの送風装置40A、40Bを設置したが、サイズの数や送風装置の数はこれに限定されず3つ以上にすることができる。
【0039】
ここで、図9に示す変形例1における別形態としての画像形成装置1の収納部30には、載置面49に載置されるシートP1、P1´の搬送方向後端に向けて送風装置40から送風されるように、そのシートP1、P1´の搬送方向サイズに応じて、送風装置40からの送風路を可変する可変手段71、72が設けられている。
具体的に、収納部30には、1つの送風装置40が設置されていて、その送風装置40には2つの送風路(分岐路)が形成されたダクト71が接続されている。ダクト71は、A3縦サイズのシートP1、P2に対応した第1の送風路と、A4縦サイズのシートP1´、P2´に対応した第2の送風路と、が上下方向に並設されている。また、ダクト71には、第1の送風路を開放して第2の送風路を閉鎖した状態と、第1の送風路を閉鎖して第2の送風路を開放した状態と、を切り替える可動式のシャッタ72が設けられている。そして、図9(A)に示すように、A3縦サイズのシートP1、P2が搬送・収納されるときには、第1の送風路を開放して第2の送風路を閉鎖した状態となるようにシャッタ72を移動して、載置面49上のシートP1の後端に向けて送風できるように、図6図7等を用いて説明した送風装置40の制御をおこなう。これに対して、図9(B)に示すように、A4縦サイズのシートP1´、P2´が搬送・収納されるときには、第1の送風路を閉鎖して第2の送風路を開放した状態となるようにシャッタ72を移動して、載置面49上のシートP1´の後端に向けて送風できるように、図6図7等を用いて説明した送風装置40の制御をおこなう。
このような制御をおこなうことで、搬送方向サイズの異なるシートP1、P1´(P2、P2´)が収納部30に収納される場合であっても、収納部30におけるシートのジャムを軽減することができる。
なお、シートP、P´の搬送方向サイズは、操作表示パネル95に入力されたシート情報や、画像形成装置1内のシートサイズセンサのシートサイズ情報に基づいて把握することができる。
また、図9の例では、簡単のため2つのサイズに対応してダクト71に2つの送風路を設けたが、サイズの数や送風路の数はこれに限定されず3つ以上にすることができる。
【0040】
<変形例2>
図10に示すように、変形例2における画像形成装置1は、載置面49に載置されるシートP1、P1´の幅方向端部に向けて送風装置40から送風されるように、そのシートP1、P1´の幅方向サイズに応じて、送風装置40からの送風路を可変する可変手段71、72が設けられている。
具体的に、収納部30には、幅方向(搬送方向に直交する方向であって、図2の紙面垂直方向、図10の左右方向である。)の両端部にそれぞれ、1つの送風装置40が設置されていて、その送風装置40には2つの送風路(分岐路)が形成されたダクト71が接続されている。ダクト71は、A3縦サイズのシートP1の幅方向端部に対応した第1の送風路と、A4縦サイズのシートP1´の幅方向端部に対応した第2の送風路と、が幅方向に並設されている。また、ダクト71には、第1の送風路を開放して第2の送風路を閉鎖した状態と、第1の送風路を閉鎖して第2の送風路を開放した状態と、を切り替える可動式のシャッタ72が設けられている。そして、図10に示すように、A3縦サイズのシートP1が搬送・収納されるときには、第1の送風路を開放して第2の送風路を閉鎖した状態となるようにシャッタ72を移動して、載置面49上のシートP1の後端の幅方向両端部に向けて送風できるように、図6図7等を用いて説明した送風装置40の制御をおこなう。これに対して、図示は省略するが、A4縦サイズのシートP1´が搬送・収納されるときには、第1の送風路を閉鎖して第2の送風路を開放した状態となるようにシャッタ72を移動して、載置面49上のシートP1´の後端の幅方向両端部に向けて送風できるように、図6図7等を用いて説明した送風装置40の制御をおこなう。
このような制御をおこなうことで、幅方向サイズの異なるシートP1、P1´が収納部30に収納される場合であっても、収納部30におけるシートのジャムを軽減することができる。特に、変形例2の構成は、収納部30において載置面49に載置された先行シートP1と、収納部30に搬送される後行シートP2と、の幅方向端部が干渉しやすい場合に有用である。
なお、シートP、P´の搬送方向サイズは、操作表示パネル95に入力されたシート情報や、画像形成装置1内のシートサイズセンサのシートサイズ情報に基づいて把握することができる。
また、図9の例では、簡単のため2つのサイズに対応してダクト71に2つの送風路を設けたが、サイズの数や送風路の数はこれに限定されず3つ以上にすることができる。さらに、図9図8との関係を参照して、可変手段71、72の構成に代わって、幅方向に並設された複数の送風装置を用いることもできる。
【0041】
<変形例3>
図11に示すように、変形例3における画像形成装置1は、収納部30の載置面49に載置されるシートPの厚さに応じて送風装置40から送風される風量を調整する調整手段が設けられている。
このような調整手段として、例えば、送風装置40のファン回転数を増減するものを用いることもできるし、送風装置40に接続されたダクトの排出口の開口面積を増減するシャッタを用いることもできる。
このような制御をおこなうのは、シートPの厚さが厚い場合には、薄い場合に比べて、シートのコシが強くて図5に示すように先行シートP1の湾曲が生じにくく、後行シートP2との干渉が生じにくいためである。
具体的に、図11に示すように、まず、パージ処理されるシートPが厚紙であるかが判別される(ステップS10)。その結果、厚紙である場合には、後行シートP2との干渉が生じにくいものとして、送風装置40はオンしないか、又は風量を小さく設定する(ステップS11)。
これに対して、厚紙でない場合には、パージ処理されるシートPが薄紙であるかが判別される(ステップS12)。その結果、薄紙である場合には、後行シートP2との干渉が生じやすいものとして、送風装置40の風量を大きく設定する(ステップS13)。これに対して、薄紙でない場合には、普通紙であって後行シートP2との干渉がある程度生じるものとして、送風装置40の風量を中程度(デフォルト値)に設定する(ステップS14)。
このように制御することで、送風装置40を無駄に稼働することなく、収納部30におけるシートPのジャムを効率的に軽減することができる。
【0042】
<変形例4>
図12に示すように、変形例4における画像形成装置1は、収納部30の載置面49に、送風装置40から送風された空気を逃がすための孔部49aが形成されている。
具体的に、載置面49には、シートPで覆われない部分に、送風装置40から送風された空気を裏側に逃がすための孔部49a複数形成されている。
このように載置面49に孔部49aを設けることで、送風装置40から吐出された空気が逃げ場を失って、シートPの搬送や収納に影響する不具合が軽減される。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置1は、画像形成装置本体1において印刷の対象外となったシートPが、画像形成装置本体1の外部に取り出し可能に収納される収納部30が設けられている。また、収納部30に向けて搬送されたシートPに対して、収納部30の載置面49、又は、載置面49に載置された先行のシートP1、に当接させるように送風可能な送風装置40が設けられている。そして、既に収納部30の載置面49に載置された先行のシートP1と、収納部30に向けて搬送される後行のシートP2と、が干渉しないように送風装置40の送風をオン・オフする制御部90が設けられている。
これにより、収納部30でシートPのジャムが生じにくくなる。
【0044】
なお、本実施の形態では、カラーの画像形成装置1に対して本発明を適用したが、モノクロの画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、後処理装置が設置されていない画像形成装置1に対して本発明を適用したが、後処理装置が設置された画像形成装置(画像形成システム)に対しても当然に本発明を適用することができる。その場合、収納部には後処理装置で滞留したシート(印刷の対象外となったシートである。)もパージ処理できるように構成することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷装置などである。)に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0045】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0046】
なお、本願明細書等において、「シート」とは、通常の用紙に限定されることなく、シート状の記録媒体のすべて、例えば、コート紙、ラベル紙、OHPシート、金属シート、フィルム、等も含むものと定義する。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置、
30 収納部、
31 ストッパ部(壁部)、
42 第1フォトセンサ、
43 第2フォトセンサ、
44 第3フォトセンサ(シート検知手段)、
40、40A、40B 送風装置、
49 載置面(ガイド面、ガイド部)、
71 ダクト、
72 シャッタ、
90 制御部、
95 操作表示パネル(厚さ検知手段、高さ検知手段)、
K3 垂直搬送経路(上流側搬送経路、反転搬送経路、両面搬送経路)、
K4 第1搬送経路(反転搬送経路)、
K5 第2搬送経路(両面搬送経路)、
K6 水平搬送経路(両面搬送経路)、
P、P1、P2 シート、 PT シート束。
【0048】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~9の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
画像形成装置本体において印刷の対象外となったシートが、前記画像形成装置本体の外部に取り出し可能に収納される収納部と、
前記収納部に向けて搬送されたシートに対して、前記収納部の載置面、又は、前記載置面に載置された先行のシート、に当接させるように送風可能な送風装置と、
既に前記収納部の前記載置面に載置された先行のシートと、前記収納部に向けて搬送される後行のシートと、が干渉しないように前記送風装置の送風をオン・オフする制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(付記2)
前記制御部は、既に前記収納部の前記載置面に先行のシートが載置された状態で、少なくとも、後行のシートの搬送方向先端が前記先行のシートの搬送方向後端を通過するまで送風するように前記送風装置の送風を制御することを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
(付記3)
前記制御部は、既に前記収納部の前記載置面に先行のシートが載置された状態で、後行のシートが前記収納部に達する前に前記送風装置の送風を開始して、前記後行のシートの搬送方向先端が前記先行のシートの搬送方向後端を通過した後に前記送風装置の送風を停止することを特徴とする付記1又は付記2に記載の画像形成装置。
(付記4)
前記送風装置は、前記載置面に載置されるシートに対して略直交する方向に送風することを特徴とする付記1~付記3のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記5)
前記送風装置は、前記載置面に載置されたシートの搬送方向後端に相当する位置に向けて送風することを特徴とする付記1~付記4のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記6)
前記送風装置は、前記載置面に載置されるシートの搬送方向サイズに応じて複数設けられて、
前記制御部は、前記収納部に向けて搬送されるシートの搬送方向サイズに応じて、前記複数の送風装置のうち、前記搬送方向サイズに対応した送風装置をオン・オフ制御することを特徴とする付記5に記載の画像形成装置。
(付記7)
前記載置面に載置されるシートの搬送方向後端又は幅方向端部に向けて前記送風装置から送風されるように、当該シートの搬送方向サイズ又は幅方向サイズに応じて、前記送風装置からの送風路を可変する可変手段を備えたことを特徴とする付記1~付記6のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記8)
前記載置面に載置されるシートの厚さに応じて送風装置から送風される風量を調整する調整手段を備えたことを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記9)
前記載置面は、前記送風装置から送風された空気を逃がすための孔部が形成されたことを特徴とする付記1~付記8のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記10)
前記収納部に向けてシートが搬送される搬送経路は、前記画像形成装置本体の画像形成部を通過して画像が形成されたシートを反転して前記画像形成装置本体の外部に排出する反転排出経路の一部と、前記画像形成部を通過して画像が形成されたシートを反転して前記画像形成部に向けて搬送する両面搬送経路の一部と、のうち少なくとも一方であることを特徴とする付記1~付記9のいずれかに記載の画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特開2009-47807号公報
【特許文献2】特開平8-277055号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12