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特開2024-110500デジタルELISA法によるBNPの検出方法
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  • 特開-デジタルELISA法によるBNPの検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110500
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】デジタルELISA法によるBNPの検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
G01N33/53 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015086
(22)【出願日】2023-02-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 龍司
(57)【要約】
【課題】脳性ナトリウム利尿ペプチド(以下、「BNP」という。)の検出感度を従来よりも向上させること
【解決手段】
・検体中のBNP、
・担体に固定化した抗BNP抗体BC23-11、及び
・酵素標識化した抗BNP抗体BM33-28
を反応させ、
生成した三者の複合体である「担体に固定化した抗BNP抗体BC23-11/BNP/酵素標識化した抗BNP抗体BM33-28」の酵素標識を検出することにより、BNPを検出する方法において、
酵素標識の検出時に、酵素の基質と当該複合体とを微細領域に封入して、酵素反応による基質分解物を輝点として計数する方法。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・検体中の脳性ナトリウム利尿ペプチド(以下、「BNP」という。)、
・担体に固定化したBNP結合分子、及び
・酵素標識化したBNP結合分子
を反応させ、
生成した三者の複合体である「担体に固定化したBNP結合分子/BNP/酵素標識化したBNP結合分子」の酵素標識を検出することにより、BNPを検出する方法において、
酵素標識の検出時に、酵素の基質と当該複合体とを微細領域に封入して、酵素反応による基質分解物を検出することを特徴とする方法。
【請求項2】
酵素反応による基質分解物を輝点として計数する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
BNP結合分子が抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
抗体がBC23-11である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
抗体がBM33-28である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
抗体としてBC23-11及びBM33-28を使用する、請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルELISA法による脳性ナトリウム利尿ペプチド(以下、「BNP」という。)の検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
心臓から分泌されるホルモンの一種に、BNPがある。BNPには利尿作用、血管拡張作用、レニン・アルドステロン分泌抑制作用、交感神経抑制作用などがあり、生体内では主に心筋保護の役割を担っている。そのため心不全などで心臓に負荷がかかると、その血中濃度が上昇すると知られている(非特許文献1)。
【0003】
血中BNP濃度を調べることにより、心不全の診断やその重症度を把握することが可能となる。そのため、その濃度を測定する様々な手法が開発されてきた。その中でも最も一般的な手法が、2種類の抗BNP抗体を用いたサンドイッチ型の酵素結合免疫吸着測定(ELISA)法である(図1)。この方法ではまず、一方の抗体(一次抗体)を担体に固定化しておき、この一次抗体の働きにより、BNPを担体上に固定する。次に酵素で標識したもう一方の抗体(二次抗体)をここに加える。この標識した二次抗体が担体上に固定されたBNPを捕捉して結合する。そしてこの標識した二次抗体により発せられるシグナルを検出することで、BNPを定量する。
【0004】
このサンドイッチELISA法では、抗体が抗原に対して高い親和性と特異性で結合する性質を利用している。そのため、血液のように様々な夾雑物が含まれるものの中からでも抗原のみを感度よく検出できる。しかし血液中にあるBNPの濃度は数十~数百pg/mlと非常に低い。そしてこの濃度域は、サンドイッチELISA法による抗原の検出限界と非常に近い。そのため、たとえサンドイッチELISA法を用いても、血中のBNPを検出することは容易でない。
【0005】
抗原を感度よく検出する測定法として、近年、デジタルELISA法が開発された(非特許文献2)。この方法では、検出の際に微細領域に閉じ込められた抗原の数をデジタルカウンティングすることによって抗原検出感度の向上が図られている(図2)。しかしこの方法は微細領域を使用するため、抗原の大きさや抗原-抗体複合体の立体構造的な影響を受けやすい。そのためどのような抗原に対してでもデジタルELISA法による測定系が容易に構築できるわけではなく、大きな課題となっていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Aldo. C. et al., Measurement of cardiac natriuretic hormones in clinical practice : the need for a new generation of immunoassay methods. Clinical chemistry 46; 1529-1534 (2000)
【非特許文献2】S.H.Kim. et al., Large-scale femtoliter droplet array for digital counting of single biomolecules. Lab Chip.12;4986-4991 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、感度よくBNPを検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題に関し鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は以下のとおりである。
(1)・検体中のBNP、
・担体に固定化したBNP結合分子、及び
・酵素標識化したBNP結合分子
を反応させ、
生成した三者の複合体である「担体に固定化したBNP結合分子/BNP/酵素標識化したBNP結合分子」の酵素標識を検出することにより、BNPを検出する方法において、
酵素標識の検出時に、酵素の基質と当該複合体とを微細領域に封入して、酵素反応による基質分解物を検出することを特徴とする方法。
(2)酵素反応による基質分解物を輝点として計数する、(1)に記載の方法。
(3)BNP結合分子が抗体である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)抗体がBC23-11である、(3)に記載の方法。
(5)抗体がBM33-28である、(3)又は(4)に記載の方法。
(6)抗体としてBC23-11及びBM33-28を使用する、(3)に記載の方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明はデジタルELISA法でBNPを検出する方法に関するものであり、BNPと結合する分子(即ち、BNP結合分子)を利用してその有無や濃度を調べる方法に関するものである。
【0010】
測定に使用するBNP結合分子は、BNPと結合する性質を有すれば特にその種類が限定されるわけではなく、アプタマーやペプチド、受容体、抗体などを使用できる。またこのBNP結合分子が抗体である場合、特にそのサブクラスが限定されるわけでもなく、IgG1やIgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、IgEなどを利用することができる。またこの抗体はその由来やフォーマットに関しても特に限定されるものではなく、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ラクダ、魚類、鳥類などに由来するものや、一本鎖抗体、バイスペシフィック抗体、F(ab),F(ab’),F(ab’)2、scF(ab)、Fv,scFv,sdAbなどを利用することができる。一例として、後述の実施例で使用される抗体BC23-11、BM33-28があげられる。
【0011】
検体としては、特に限定されるものではないが、体液が好ましく、血液(全血、血清、血漿等)がさらに好ましい。
【0012】
担体としては特に限定されるものではないが、例えば樹脂、金属、ガラス製の微粒子が用いられる。これは、後述の微細領域に封入しうる大ききであることが必要である。
【0013】
酵素標識も特に限定はなく、例えばアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュパーオキシダーゼ等、免疫測定で使用されるものを適宜使用できる。
【0014】
酵素の基質は、酵素に応じて適宜選択すればよい。
【0015】
本発明で、検出時に基質と複合体「担体に固定化したBNP結合分子/BNP/酵素標識化したBNP結合分子」とを封入する微細領域は、BNP1分子の存在が確認できる程度に小さいものであれば特にその大きさや形状が限定されるわけではなく、マイクロウェル、ミセル、リポソーム、油中水型エマルション、水中油型エマルションなどを利用することができる。
【0016】
また基質分解物の検出方法についてもBNP1分子の存在が確認できれば特にその種類が限定されるわけではなく、吸光度測定、蛍光測定、化学発光測定、動的光散乱測定、FRETなどを利用することができる。特に標識に用いられた酵素の反応により生じた基質分解物を、輝点として検出し計数することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、従来よりも感度よくBNPを検出できる
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】サンドイッチ型ELISA法の測定原理図である。
図2】デジタルELISA法の測定原理図である。
図3】サンドイッチ型ELISA法の測定結果の図である。
図4】蛍光顕微鏡による測定結果の図である。
【実施例0019】
以下、実施例によって本発明を具体的に示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。尚、本実施例に使用した薬品の組成及びpHは以下に示す通りである。
微粒子反応溶液(pH6.0)
10mM 2-モルホリノエタンスルホン酸1水和物
0.1% プロクリン00
微粒子保存液(pH8.0)
100mM トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン
0.1% ウシ血清アルブミン
0.1% アジ化ナトリウム
洗浄緩衝液(pH7.4)
1mM トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン
7.5mM 塩化ナトリウム
0.05% tween20
ブロッキング緩衝液(pH7.5)
8.1mM りん酸水素二ナトリウム・12水和物
1.5mM りん酸水素カリウム
137mM 塩化ナトリウム
2.7mM 塩化カリウム
1% スキムミルク
インキュベーション緩衝液(pH7.5)
8.1mM りん酸水素二ナトリウム・12水和物
1.5mM りん酸水素カリウム
137mM 塩化ナトリウム
2.7mM 塩化カリウム
0.1% スキムミルク
ALP緩衝液(pH9.8)
1M ジエタノールアミン
0.5mM 塩化マグネシウム
10mM 4-メチルウンベリフェリルリン酸。
【0020】
(1)デジタルELISA用マイクロウェルの作製
ファインフロストスライドガラス(松浪硝子工業社製)をアセトンに浸け、10分間超音波洗浄した。次にこのガラスをイソプロパノールに浸け、10分間超音波洗浄した。その後このガラスを超純水に浸け、10分間超音波洗浄した。最後にこのガラスを10M 水酸化カリウム溶液に浸け、1昼夜静置した。またこれと同時に9.5mlのエタノールと0.5mlの超純水と10μlの3-アミノプロピルトリエトキシシランとを混ぜて1昼夜静置し、シランカップリング溶液を作製した。
【0021】
水酸化カリウムに浸けたガラスを取り出して超純水ですすぎ、洗浄した。このガラス表面にシランカップリング溶液を数滴たらし、スピンコート(4,000rpm、20秒)した。シランカップリング処理したガラスを風乾した後、CYTOP(AGC社製)を数滴たらしてスピンコートした(500rpm、5秒→600rpm、20秒)。CYTOPでコーティングされたガラスをホットプレート上に置き、加熱した(50℃、10分→80℃、1時間→180℃、1時間)。このCYTOPによるコーティング操作は、全部で2回行った。
【0022】
CYTOPでコーティングされたガラスをソフトプラズマエッチング装置(メイワフォーシス社製、SEDE-PFA)に入れ、親水化処理(7mA、10秒)した。親水化処理したガラスにフォトレジスト(メルク社製、AZP4330)を数滴たらし、スピンコートした(500rpm、10秒→2,000rpm、30秒)。フォトレジストでコートされたガラスをホットプレート上に置き、加熱した(55℃、3分→110℃、5分)。
【0023】
直径4μmの微細孔が空いているフォトマスクを露光機(ウシオ電機社製、HB21503BY-C)にセットした。フォトレジストがコーティングされたガラスをこの露光機へセットし、紫外光を7秒間照射した。紫外光へ露光されたガラスをAZ用現像液(メルク社製)に浸け、25分間振とうした。その後このガラスを超純水に浸けて10分間振とうし、洗浄した。
【0024】
露光後に洗浄したガラスをドライエッチング装置(サムコ社製、RIE200L)に入れ、ドライエッチングした(エッチングガス:酸素、ガス流量:50sccm、圧力:10Pa、出力:50W、反応時間:24分)。エッチングされたガラスを装置から取り出し、アセトンに浸けて15分間振とうした。このアセトンによるガラス洗浄は、全部で2回行った。アセトン洗浄後のガラスをエタノールに浸け、15分間振とうした。その後このガラスを超純水ですすいで洗浄し、風乾した。風乾後のガラスをデジタルELISA用マイクロウェルとして実験に使用した。
【0025】
(2)微粒子に固定化した抗体の作製
粒子濃度50mg/ml、直径4μmの磁性微粒子(micromer-M、PEG-COOH、micromod社製)を42μl量り取り、チューブの中へ入れた。このチューブを磁石へ近づけて微粒子を集め、微粒子が懸濁されていた溶液を捨てた。このチューブに微粒子反応溶液を2ml加え、よく撹拌して微粒子を懸濁した。その後このチューブを磁石へ近づけて微粒子を集め、微粒子反応溶液を捨てた。集めた微粒子に微粒子反応溶液を再度2ml加え、この洗浄操作を全部で3回繰り返した。
【0026】
洗浄した微粒子に微粒子反応溶液を1.6ml加え、よく撹拌して微粒子を懸濁した。微粒子反応溶液に10mg/mlとなるよう4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリドを溶かし、この溶液を先ほどの微粒子懸濁液に400μl加え、37℃で1時間反応させた。その後この微粒子を磁石で集め、反応させていた溶液を全て捨てた。再度この微粒子に微粒子反応溶液を2ml加えてよく混ぜ、微粒子を懸濁した。この微粒子を磁石で再度集め、微粒子反応溶液を全て捨てた。その後この微粒子に微粒子反応液を400μl加え、よく混ぜて懸濁した。
【0027】
微粒子反応溶液に0.15mg/mlとなるよう抗BNP抗体(BC23-11、BNPのC末端側を特異的に認識する。特開2011-122957号公報参照)を加えた。この抗体溶液を先ほどの微粒子懸濁液に1.6ml加え、37℃で2時間反応させた。抗体と反応させた微粒子を磁石で集め、反応液を全て捨てた。この微粒子に微粒子保存液を2ml加えてよく混ぜ、微粒子を懸濁した。その後微粒子を磁石で再度集め、微粒子保存液を全て捨てた。この微粒子に微粒子保存液を2ml加え、この洗浄操作を全部で2回繰り返した。洗浄した微粒子に微粒子保存液を2ml加え、30℃で17時間反応させた。反応後の微粒子を磁石で再度集め、2mlの微粒子保存液に懸濁した。
【0028】
(3)抗原抗体反応
抗BNP抗体BC23-11が固定化された微粒子の懸濁液をよく混ぜてから32μlとり、400μlのインキュベーション緩衝液に加えた。その後磁石で微粒子を集め、溶液を全て捨てた。この微粒子に400μlのインキュベーション緩衝液を加え、よく混ぜた。そしてこの微粒子懸濁液を50μlずつ8本の新たなチューブへ取り分けた。BNP濃度が既知のCalibrator溶液(Cal1~Cal6)のいずれかをチューブに50μl加え、室温で1時間反応させた(Cal1およびCal2はそれぞれ2本のチューブに加え、Cal3~Cal6はそれぞれ1本のチューブに加えた。)。なお実験に使用した各Callibrator溶液に含まれるBNP濃度は、Cal1:0pg/ml、Cal2:16pg/ml、Cal3:44pg/ml、Cal4:150pg/ml、Cal5:700pg/ml、Cal6:2420pg/mlとなっている。
【0029】
各反応チューブに磁石を近づけ微粒子を集め、溶液を全て捨てた。集めた微粒子に洗浄緩衝液をそれぞれ100μlずつ加え、よく撹拌して懸濁した。その後各微粒子を磁石で集め、溶液を捨てた。これらの微粒子に再度洗浄緩衝液を100μlずつ加え、この洗浄操作を全部で3回繰り返した。
【0030】
抗BNP抗体(BM33-28、BNPの環状部分を特異的に認識する。特開2012-140331号公報参照)をアルカリホスファターゼで標識し(以下、「BM33-28-ALP」とする)、0.1mg/mlとなるようインキュベーション緩衝液で希釈した。洗浄した微粒子にこの溶液をそれぞれ100μlずつ加えてよく混ぜ、室温で1時間反応させた。反応後の微粒子をそれぞれ磁石で集め、洗浄緩衝液で先ほどと同様に全部で3回洗浄した。
【0031】
(4)従来のサンドイッチ型ELISA法による検出(比較例)
Cal1~Cal6のいずれかとBM33-28-ALPとを反応させてから洗浄した微粒子に、ALP緩衝液を100μlずつ加えて30分反応させた。その後各微粒子を磁石で集め、各反応液を回収した。各反応液を96ウェルのブラックプレートへ移し、プレートリーダー(Tecan社製、Spark)で蛍光強度を測定し(Excitation 360nm/Emission 465nm)た。実験の結果、およそ150pg/ml以上の濃度であればこの方法でもBNPを検出できることが確認できた(図3)。
【0032】
(5)蛍光顕微鏡による輝点の観察
Cal1、Cal2のいずれかとBM33-28-ALPとを反応させてから洗浄した微粒子に、ALP緩衝液を100μlずつ加えた。そしてこの微粒子懸濁液を(1)で作製したマイクロウェルの作製されている反応ガラス上に数滴たらした。微粒子をたらした場所の上にカバーガラスをかぶせ、その後、この反応ガラスを磁石の上に置いて1分間静置した。次にカバーガラスのすき間からFluorinert FC-40(シグマアルドリッチ社製)を反応ガラスへ流し込み、ガラス上のマイクロウェルをオイルでシールした。
【0033】
オイルでシールした反応ガラスを蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX83)にセットし、蛍光観察で輝点の数を数えた(Excitation:360~370nm、DM:410nm、Emission:420nm)。実験の結果、Cal1では304個しか輝点を観測できなかったが、Cal2では5,133個の輝点を観測できた(図4)。またこの輝点の数についてCal2/Cal1のシグナル/ノイズ比(S/N比)を計算したところ、約16.9となった。そしてこのS/N比は、同じBNP濃度の際に、「(4)従来のサンドイッチ型ELISA法による検出(比較例)」で得られたS/N比(1.8)を大きく上回っていた。
【0034】
以上の結果から、デジタルELISA法により、BNP検出感度が従来のサンドイッチ型ELISA法の検出より大幅に向上していると明らかとなった。
図1
図2
図3
図4