(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110513
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240808BHJP
G06F 21/12 20130101ALI20240808BHJP
【FI】
H04N1/00 838
G06F21/12 330
H04N1/00 912
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015111
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 達也
(72)【発明者】
【氏名】紺野 吉男
(72)【発明者】
【氏名】中田 光貴
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AB49
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】従来の技術では、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合の処理については考慮されていない、という課題がある。
【解決手段】情報処理装置2は、情報処理装置2は、ライセンスを示すライセンス情報を取得し(ステップS13-1-1)、所定の機能に係る処理の実行中に、ライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する(ステップS13-1-3、S13-1-5)。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置であって、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得手段と、
前記所定の機能に係る処理の実行中に、前記取得手段により前記ライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、前記所定の機能に係る処理の実行を制限する制御手段と、
を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、
当該情報処理装置に接続可能であって、前記ライセンス情報を記憶する情報記憶装置が当該情報処理装置に接続されている状態のとき、前記情報記憶装置から前記ライセンス情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の機能を実行中に前記ライセンス情報が取得不可能な状態に変化した場合、
前記制御手段は、
前記所定の機能に係る処理の実行の制限として、実行中の前記所定の機能の完了後に前記所定の機能に係る後続の処理の実行を停止する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の機能を実行中に前記ライセンス情報が取得不可能な状態に変化した場合、
前記制御手段は、
前記ライセンス情報が取得可能な状態において実行される機能よりも生産性の低い機能に係る処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の機能を実行中に前記ライセンス情報が取得可能な状態を維持している場合、
前記制御手段は、
前記所定の機能として、前記ライセンス情報が取得不可能な状態において実行される機能に係る処理よりも生産性の高い機能に係る処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ライセンス情報が取得可能な状態は、当該情報処理装置の電源が投入されている状態で、且つ、前記情報記憶装置が当該情報処理装置に接続されている状態である、
ことを特徴とする1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ライセンス情報が取得可能な状態は、前記情報記憶装置が当該情報処理装置に接続されている状態で、且つ、前記所定の機能に係る処理を実行可能にするアクティベート処理が実行済みの状態である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項3に記載の情報処理装置であって、更に、
前記後続の処理の停止にあわせて、前記所定の機能に係る処理の実行が停止された旨を含む通知を表示手段に表示させる表示制御手段、
を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記情報記憶装置が当該情報処理装置に未接続の状態で当該情報処理装置の電源が投入された場合、当該情報処理装置は更に、
当該情報処理装置に記憶されている機能情報に応じて、前記表示制御手段による前記通知を行うか、前記生産性の低い機能に係る処理の実行を行うか、の判断を行う判断手段、
を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信端末と、を有する情報処理システムであって、
前記通信端末は、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得手段と、
前記情報処理装置との通信が可能な状態で、前記ライセンス情報が取得不可能な場合に、前記所定の機能に係る処理の実行が制限される旨を含む通知を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記通知を前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記通信端末が送信した前記通知を受信する受信手段と、
前記所定の機能に係る処理の実行中に、前記受信手段により前記通知を受信した場合に、前記所定の機能に係る処理の実行を制限する制御手段と、
を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、
前記所定の機能に係る処理の実行中に、前記取得ステップにより前記ライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、前記所定の機能に係る処理の実行を制限する制御ステップと、
を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置に、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、
前記所定の機能に係る処理の実行中に、前記取得ステップにより前記ライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、前記所定の機能に係る処理の実行を制限する制御ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種機能を備える複合機などに対して、それらの機能ごとに使用可若しくは使用不可とする設定を可能としているものがある。このような機能の使用可否設定を行うため、ドングルと呼ばれる専用のライセンス認証器具を使用する技術が知られている。
【0003】
例えば、接続される画像処理装置1台につき1ライセンスを管理し、接続される画像処理装置の数を把握することによってライセンス管理することを目的として、設定ツールがノートPC(108)上で起動されるとドングル(109)との通信を試み、ドングルが付いているかどうかを確認し、ドングルが無いと判断された場合は、ドングルの必要のない設定動作を実行し、ドングルがあると判断された場合には、情報処理装置の設定モジュール(314)と初期化通信を行い、設定モジュール(314)を介して情報処理装置固有のシリアルNo.(323)を読み出す技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合の処理については考慮されていない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置であって、前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得手段と、前記所定の機能に係る処理の実行中に、前記取得手段により前記ライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、前記所定の機能に係る処理の実行を制限する制御手段と、を有する、ことを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置と情報記憶装置の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報記憶装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理装置及び情報記憶装置の各機能構成の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る利用機能管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図6】第1の実施形態に係る情報処理装置と情報記憶装置との間の各種情報処理を含むシーケンス図である。
【
図7】第1の実施形態に係る各種情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアラート表示画面の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る各種情報処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施形態に係る各種情報処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアラート表示画面の他の一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係る各種情報処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアクティベート画面の一例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図15】第2の実施形態に係る通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図16】第2の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図17】第2の実施形態に係る情報記憶装置と通信端末と情報処理装置との間の接続確認処理を含むシーケンス図である。
【
図18】第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図20】第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図21】第2の実施形態に係る通信端末におけるアラート表示画面の一例を示す図である。
【
図22】第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、発明を実施するための形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する部分があればその説明を省略する。
【0009】
〔第1の実施形態〕
〔情報処理装置及び情報記憶装置〕
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置と情報記憶装置の一例を示す図である。
【0010】
<情報処理装置>
図1に示されているように、情報処理装置2は、例えば複数の機能を搭載したMFP(Multifunction Peripheral)である。情報処理装置2は、ドングル(dongle)若しくはプロテクトドングルと呼ばれるコンピュータに接続可能な小さな装置を接続するためのインターフェイス(I/F:Inter Face)を備えている。また上述したインターフェイスは、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスである。このUSBインターフェイスに情報記憶装置3を接続することにより、情報処理装置2は、情報記憶装置3に記憶されているライセンス情報を取得することができる。
【0011】
なお、情報処理装置2は、情報記憶装置3の各種データ(情報)の一括管理を行うことも可能である。つまり、情報処理装置2は、情報記憶装置3で管理されるデータテーブル及び各種画像データを一括管理するような装置として機能してもよい。
【0012】
上述したように、本実施形態では、情報処理装置2としてMFPを例に説明する。但し、情報処理装置2は、ソフトウエアが正規のライセンスの下に使用されているかをチェックするための情報記憶装置3(ドングル)が接続されることにより得られたライセンスに基づいて所定の機能に係る処理の実行を行う装置であればこれに限らない。つまり、情報処理装置2は、一般的に使用される電子ホワイトボード、プロジェクタ、タブレット端末、ゲーム機等であってもよい。
【0013】
<情報記憶装置>
図1に示されているように、情報記憶装置3は、例えば、情報処理装置2に設けられたUSBインターフェイス等のコネクタ部に接続される小型の装置(USBデバイス)である。情報記憶装置3(ドングル)は、正規のライセンスの下に使用されているかをチェック(一種のコピーガードの目的)するために使用されるライセンス認証器具で、本実施形態では情報記憶装置3を「ドングル」と呼ぶ場合がある。但し、ドングルは、物理媒体であればSDメモリカードなどの別形式の媒体でもよい。
【0014】
上述したように、本実施形態では、従来のように所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理を可能にする情報処理装置又は情報処理システムを提供する。
【0015】
〔ハードウエア構成〕
続いて、
図2及び
図3を用いて、実施形態に係る情報処理システムを構成する通信端末又は装置のハードウエア構成について説明する。なお、
図2及び
図3に示されている各装置のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。
【0016】
<情報処理装置のハードウエア構成>
図2は、実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。情報処理装置2は、コンピュータによって構築されており、例えばMFPである。
図2に示されているように、情報処理装置2は、コントローラ210、外部機器接続I/F225、エンジン制御部230、操作パネル240、ネットワークI/F250を含むハードウエア資源を備えている。
【0017】
これらのうち、コントローラ210は、コンピュータの主要部であるCPU201、システムメモリ(MEM-P)202、ノースブリッジ(NB)203、サウスブリッジ(SB)204、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)205、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)206、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ207及び記憶部であるHD(Hard Disk)208を有し、NB203とASIC205との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス221で接続した構成となっている。
【0018】
これらのうち、CPU201は、情報処理装置2の全体制御を行う制御部である。NB203は、CPU201と、MEM-P202、SB204及びAGPバス221とを接続するためのブリッジであり、MEM-P202に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0019】
MEM-P202は、コントローラ210の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM202a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM202bとからなる。なお、RAM202bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録して提供されるようにしてもよい。
【0020】
SB204は、NB203とPCIデバイス及び周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC205は、画像処理用のハードウエア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス221、PCIバス222、HD208及びMEM-C206をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC205は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC205において所定の優先順位に従って各信号の駆動タイミングの調停を行うアービタ(Arbiter)、MEM-C206を制御するメモリコントローラ、ハードウエアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、後述するスキャナ部231及びプリンタ部232との間でPCIバス222を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC205には、USBインターフェイスや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェイスが接続されるようにしてもよい。
【0021】
MEM-C206は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD208は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD208は、CPU201の制御にしたがってHD208に対するデータの読出し又は書込みを制御する。AGPバス221は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェイスであり、MEM-P202に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0022】
外部機器接続I/F225は、情報記憶装置3と接続するためのインターフェイスであり、例えば、USBインターフェイスである。
【0023】
情報処理装置2は近距離通信回路用アンテナを有する近距離通信回路を備えていてもよい。近距離通信回路は、例えば、NFC、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の通信回路である。
【0024】
更に、エンジン制御部230は、スキャナ部231、プリンタ部232及びFAX部233によって構成されている。また、操作パネル240は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部240a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に係る条件の設定値を受け付けるテンキー、及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を含む操作キー240bを備えている。本実施形態において、パネル表示部240aは表示手段の一例として機能する。コントローラ210は、情報処理装置2全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル240からの入力等を制御する。スキャナ部231又はプリンタ部232には、誤差拡散やガンマ(γ)変換などの画像処理部分が含まれている。また、FAX部233には、外部装置との間をつなぐアナログ回線(公衆回線)を利用してファクシミリ通信を行なうためのアナログI/F、モデム(MODEM)、スピーカ等が含まれる。
【0025】
なお、情報処理装置2は、操作パネル240のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0026】
また、ネットワークI/F250は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。外部機器接続I/F225及びネットワークI/F250は、PCIバス222を介して、ASIC205に電気的に接続されている。なお、情報処理装置2は、自装置のライセンス情報を後述する情報記憶装置3から取得して所定のソフトウエアを動作させることが可能な装置、通信端末であれば、上述したMFPに限らない。
【0027】
<情報記憶装置のハードウエア構成>
図3は、実施形態に係る情報記憶装置のハードウエア構成の一例を示す図である。上述したように、情報記憶装置3は、コンピュータに接続可能な小さな装置である。また、
図3に示されているように、情報記憶装置3は、CPU301、ROM302、RAM303、フラッシュメモリ304、外部機器接続I/F316及びバスライン320を備えている。
【0028】
これらのうち、CPU301は、情報記憶装置3全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ304は、CPU301の制御にしたがって、ライセンス情報等の各種データの読出しを行う。外部機器接続I/F316は、情報処理装置2と接続するためのインターフェイスであり、例えば、USBインターフェイスである。バスライン320は、CPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
なお、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標。以下省略)、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、情報処理装置2は、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係る情報処理方法を実現する。
【0030】
〔情報処理装置及び情報記憶装置の各機能構成〕
次に、
図4及び
図5を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置及び情報記憶装置の各機能構成の一例を示す図である。なお、
図4は、
図2及び
図3に示されている情報処理装置2又は情報記憶装置3のうち、後述する処理又は動作に関連するものを示す。
【0031】
<情報処理装置の機能構成>
まず、情報処理装置の機能構成について説明する。
図4に示されているように、情報処理装置2は、送受信部21、操作受付部22、検出取得部23、表示制御部24、判断部25、認証設定部26、生成部27、実行制御部28及び記憶読出部29を有する。これら各機能部は、
図2に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM202a及びHD208のうち少なくとも一つからRAM202bに展開された情報処理装置2用のプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、情報処理装置2は、
図2に示されているROM202a及びHD208のうち少なくとも一つにより構築される記憶部2000を有している。更に、記憶部2000には、情報記憶装置3とUSBインターフェイスを介して通信を行うための通信プログラム、データテーブル等が記憶されている。
【0032】
<<情報処理装置の各機能構成>>
次に、情報処理装置2の各機能構成について詳細に説明する。
図4に示されている情報処理装置2の送受信部21は、主に、外部機器接続I/F225及びネットワークI/F250に対するCPU201の処理によって実現され、特に外部機器接続I/F225としてのUSBインターフェイスを介して、情報記憶装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部21は、通信端末4が送信した通知であり、情報処理装置2との通信が可能な状態でライセンス情報が取得不可能な場合に、所定の機能に係る処理の実行が制限される旨を含む通知を受信する。本実施形態において送受信部21は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0033】
操作受付部22は、主に、パネル表示部240a及び操作キー240bのうち少なくとも一方が受け付けた各種操作により生成された信号をCPU201が処理することによって実現される。本実施形態において操作受付部22は、受付手段の一例として機能する。
【0034】
検出取得部23は、主に、外部機器接続I/F225に対するCPU201の処理によって実現される。検出取得部23は、外部機器接続I/F225を介して接続された情報記憶装置3に記憶されているライセンス情報、情報処理装置2のタイプ情報(例えば100ppm/110ppm)等の各種情報等を取得する。また、検出取得部23は、情報処理装置2に接続可能であって、ライセンス情報を記憶する情報記憶装置3(ドングル)が情報処理装置2に接続されている状態のとき、情報記憶装置3からライセンス情報を取得する。このとき、情報処理装置2は、USBのプラグ&プレイ機能を利用して、ドングルの脱着(接続/非接続)の検出を行うことができる。本実施形態において検出取得部23は、取得手段の一例として機能する。
【0035】
表示制御部24は、主に、パネル表示部240aに対するCPU201の処理によって実現され、情報処理装置2における各種画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また表示制御部24は、後続の処理の停止にあわせて、所定の機能に係る処理の実行が停止された旨を含む通知をパネル表示部240aに表示させる。また、表示制御部24は、例えば、ブラウザを用いて、HTML等により生成された表示画面を、パネル表示部240aに表示させることも可能である。本実施形態において表示制御部24は、表示制御手段の一例として機能する。
【0036】
判断部25は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2内部の各種判断を行う。また判断部25は、情報記憶装置3が情報処理装置2に未接続の状態で情報処理装置2の電源が投入された場合、情報処理装置2に記憶されている機能情報に応じて、表示制御部24による所定の通知を行うか、生産性の低い機能に係る処理の実行を行うか、の判断を行う。本実施形態において判断部25は、判断手段の一例として機能する。
【0037】
認証設定部26は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2を利用する利用者の認証処理、及びドングルと情報処理装置2との間のライセンス認証処理を含めた処理を行う。本実施形態において認証設定部26は、判断手段の一例として機能する。
【0038】
生成部27は、主に、CPU201の処理によって実現され、パネル表示部240aに表示させる各種画面情報等を生成する。本実施形態において生成部27は、生成手段の一例として機能する。
【0039】
実行制御部28は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2における各種処理を実行する。また実行制御部28は、所定の機能に係る処理の実行中に、検出取得部23によりライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する。また実行制御部28は、所定の機能に係る処理の実行の制限として、実行中の所定の機能の完了後に所定の機能に係る後続の処理の実行を停止する。また実行制御部28は、ライセンス情報が取得可能な状態において実行される機能よりも生産性の低い機能に係る処理を実行する。また実行制御部28は、所定の機能を実行中にライセンス情報が取得可能な状態を維持している場合、所定の機能として、ライセンス情報が取得不可能な状態において実行される機能に係る処理よりも生産性の高い機能に係る処理を実行する。なお、ライセンス情報が取得可能な状態は、情報処理装置2の電源が投入されている状態で、且つ、情報記憶装置3が情報処理装置2に接続されている状態である。更にライセンス情報が取得可能な状態は、情報記憶装置3が情報処理装置2に接続されている状態で、且つ、所定の機能に係る処理を実行可能にするアクティベート処理が実行済みの状態である。また、実行制御部28は、所定の機能に係る処理の実行中に、通信端末4が送信した所定の機能に係る処理の実行が制限される旨を含む通知を送受信部21が受信した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する。本実施形態において実行制御部28は、制御手段の一例として機能する。
【0040】
記憶読出部29は、主に、ROM202a及びHD208のうち少なくとも一つに対するCPU201の処理によって実現され、記憶部2000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部2000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部29は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0041】
●利用機能管理テーブル●
図5は、利用機能管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部2000には、
図4に示されているような利用機能管理テーブルによって構成された利用機能管理DB2001が構築されている。利用機能情報管理テーブルでは、情報処理装置2で実行可能な機能を識別する識別情報を表す機能IDに関連付けられた利用機能が記憶、管理されている。利用機能は、例えば、モノクロ/カラー切替、特色の有効/無効切替、自動位置合わせ機能の有効/無効切替、周辺機構成を含む。
【0042】
これらのうち、モノクロ/カラー切替は、情報処理装置2の一例としての印刷装置として、モノクロ単独のみか、モノクロ/カラー印刷かを切り替える。モノクロ印刷であれば、色合わせなどカラーのみに使用する色を示すCMYに関わる調整動作などが不要となる。そのため、調整時間を短縮し、立ち上げ時間の短縮が可能になる。モノクロ/カラー切替については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態の場合に「カラー」、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に「モノクロ」としてもよいが、その逆でもよい。
【0043】
特色は、CMYK以外の特色印刷が可能かどうかを切り替える。特色印刷を機能的に許可しない場合には、トナー残量検知や特色に関わる異常検知、調整動作等を行わなくてよいため、特色動作がない場合に比べて調整時間の短縮が可能となる。また、特色トナーが入っていないなど、不要な表示を削除することも可能になる。特色については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態の場合に「有効」、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に「無効」としてもよいが、その逆でもよい。
【0044】
自動位置合わせ機能は、情報処理装置2の内部にラインセンサを設け、自動位置合わせ機能を有効にするかを切り替える。ラインセンサはコンタクトイメージセンサ(CIS)やCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどを想定している。このような機能を用いる場合には、画素ごとの読取レベルを均一にするためのシェーディング補正などの調整動作が必要となるが、機能が不要な場合には調整動作が不要なため、調整動作をスキップし立ち上げ時間を短縮することが可能になる。自動位置合わせ機能については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態の場合に「有効」、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に「無効」としてもよいが、その逆でもよい。
【0045】
周辺機構成は、周辺機の構成を制限するかどうかを切り替える。情報処理装置2では、給紙トレイ、手差しトレイ、長尺用紙対応などの給紙周辺機に加えて、折り、断裁、のりづけ、スタッカーなどの後処理を実行するための周辺機が接続可能である。糊付けなどは温めるための時間が長く、立ち上げに時間がかかる。この機能を許可しない場合には、立ち上げのための時間を待たなくてよいため、立ち上げ時間を短縮することが可能になる。周辺機構成については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態のときに各機能を「有効」とし、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に各機能を「無効」とするように設定してもよいが、その逆でもよい。
【0046】
上述したとおり、利用機能管理DB2001には、情報処理装置2において利用可能な各種機能を機能IDに関連付けて管理することが可能であるが、情報処理装置2では、この利用機能管理DB2001、又は記憶部2000の所定領域に、情報記憶装置3から取得した前回起動時の機械のタイプなどを記憶させておいてもよい。この記憶処理による情報に基づいて、情報処理装置2に接続されたドングルとのそれぞれの情報を比較して処理が行われる。
【0047】
本実施形態において利用機能管理テーブル(利用機能管理DB2001)は、利用機能管理手段の一例として機能する。
【0048】
<情報記憶装置の機能構成>
続いて、情報記憶装置の機能構成について説明する。
図4に示されているように、情報記憶装置3は、送受信部31、演算部36及び記憶読出部39を有する。これら各機能部は、
図3に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM302及びフラッシュメモリ304のうち少なくとも一つからRAM303に展開された情報記憶装置3用のプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、情報記憶装置3は、
図3に示されているROM302及びフラッシュメモリ304のうち少なくとも一つにより構築される記憶部3000を有している。更に、記憶部3000には、情報処理装置2とUSBインターフェイスを介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)等が記憶されている。
【0049】
<<情報処理装置の各機能構成>>
次に、情報記憶装置3の各機能構成について詳細に説明する。
図4に示されている情報記憶装置3の送受信部31は、主に、I/F305に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して情報処理装置2との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部31は、情報処理装置2が送信した、第1の所定のマーク及び第2の所定のマークを付与するためのマーク付与要求を受信する。本実施形態において送受信部31は、第2の送信手段及び第2の受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0050】
演算部36は、主に、CPU301の処理によって実現され、情報記憶装置3における各種演算を行う。本実施形態において演算部36は、演算手段の一例として機能する。
【0051】
記憶読出部39は、主に、ROM302及びフラッシュメモリ304のうち少なくとも一つに対するCPU301の処理によって実現され、記憶部3000からライセンス情報等の各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部39は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0052】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図6乃至
図13を用いて、第1の実施形態に係る情報処理装置における各処理又は動作を説明する。
【0053】
<情報記憶装置と情報処理装置との間で実行されるシーケンス処理>
図6は、第1の実施形態に係る情報処理装置と情報記憶装置との間の各種情報処理を含むシーケンス図である。
【0054】
まず、情報処理装置2の操作受付部22は、利用者による初期設定入力を受け付ける(ステップS11)。具体的には、操作受付部22は、初期設定入力として、情報処理装置2における各種機能における所定の処理を実行するための設定値入力を受け付ける。この設定値入力は、操作パネル240に対する入力により行われる。
【0055】
次に、記憶読出部29は、ドングルの情報を記憶する(ステップS12)。具体的には、記憶読出部29は、情報処理装置2の外部機器接続I/F225(例えば、USBインターフェイス)に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出した後、ドングルから取得した各種情報を利用機能管理DB2001(
図5参照)の機能IDに関連付けられた利用機能で管理されている項目に記憶させる。
【0056】
次に、実行制御部28をはじめとする各種機能部は、各種情報処理を実行する(ステップS13)。このとき、情報処理装置2は、各種情報を利用機能管理DB2001に記憶した各種情報を読み出して処理を行ってよい。
【0057】
<<各種情報処理の詳細>>
続いて、各種情報処理の詳細について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る各種情報処理の一例を示すフローチャートである。但し、
図7に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。まず、情報処理装置2の検出取得部23は、情報記憶装置3の一例としてのドングル(以下、単にドングルと呼ぶ)の接続有無を検出する(ステップS13-1-1)。具体的には、検出取得部23は、外部機器接続I/F225(USBインターフェイス)にドングルが接続されているかを検出する。
【0058】
次に、判断部25は、ドングル接続有りかを判断する(ステップS13-1-2)。例えば、判断部25は、情報処理装置2におけるCPU201のクロック等を用いて検出取得部23からの信号をポーリングで取得し、その信号に基づいてドングル接続の有無を判断するようにしてもよい。
【0059】
ドングル接続有りであると判断した場合(ステップS13-1-2:YES)、実行制御部28は、所定の機能に係る処理(印刷ジョブ等)を実行する(ステップS13-1-3)。具体的には、実行制御部28は、ドングルが接続されることにより取得したライセンス情報等に基づいて利用機能管理DB2001(
図5参照)に記憶した機能IDに関連付けられた利用機能にしたがって、所定の機能に係る処理を実行する。
【0060】
次に、判断部25は、処理(印刷ジョブ等)が終了したかを判断する(ステップS13-1-4)。処理が終了していない場合(ステップS13-1-4:NO)は、判断部25はステップS13-1-1の処理に戻り、印刷が終了した場合(ステップS13-1-4:YES)は、判断部25はこのフローを抜ける。
【0061】
他方、ドングル接続無しであると判断した場合(ステップS13-1-2:NO)、実行制御部28は、所定の機能に係る現在の処理を実行する(ステップS13-1-5)。但し、ステップS13-1-5では、実行制御部28は、ステップS13-1-3と同様の所定の機能に係る処理を実行するが、その処理のうち、現在(現時点で)情報処理装置2が実行している処理だけを実行する。そして、その処理の実行後、以降の処理を停止(キャンセル)する。更に、実行制御部28は、情報処理装置2における販売者側で実行可能なメンテナンスモード(例えば、SPモード)での使用も不可とする。これにより、更なる不正使用の防止を強化することが可能になる。
【0062】
現時点での処理を実行後、表示制御部24は、アラートを表示してこのフローを抜ける(ステップS13-1-6)。ステップS13-1-6で上述したような処理を行う理由は、ドングルが接続されていない状態に伴う不正使用の防止である。更に、MFP等の情報処理装置2において処理が中断されることによる用紙詰まり(用紙ジャム)等の回避のためである。
【0063】
●画面表示例●
ここで、情報処理装置2における表示画面例について説明する。
図8は、第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアラート表示画面の一例を示す図である。
図8に示されているように、情報処理装置2のパネル表示部240aには、表示制御部24によってアラート画面2111が表示される。アラート画面2111には、ドングルの接続が切れた旨、及びドングルを接続し直すことを促す旨のメッセージが表示される。アラート画面2111には更に、確認ボタン2151が表示される。情報処理装置2は、利用者によりこの確認ボタン2151が操作されることにより、ドングルの再接続を受け付ける処理を実行させてもよい。
【0064】
なお、
図8のようなアラート画面を表示し、現在実行中の処理を完了後に以降の処理を停止する狙いは、例えば、以下の理由による。それは、情報処理装置2に対して接続されていたドングルが非接続となった場合、或いは情報処理装置2の電源投入時からドングルが未接続の状態で利用者が所定の機能を利用しようとした場合に、情報処理装置2の不正使用、機能の改竄等を防止するためである。例えば、ある利用者が国Aにおいて価格Pで購入されているドングルを使用して、価格Pよりも高額な価格P+でそのドングルが販売されている国Bで情報処理装置2の利用を試みると、国Bにおいて情報処理装置2及びそのドングルを販売する販売者側に不利益な状況が発生する可能性がある。このような利用形態による不利益を防止するため、ドングルを接続して所定のライセンスに応じた機能の処理を保証している利用形態においては、ドングルが接続されていない状態では(途中でドングルの接続が外れた状態を含む)、それ以降のその機能に係る処理を停止するようにする。これにより、情報処理装置2の不正使用に伴う不利益を未然に防止し、販売者側を保護することが可能になる。
【0065】
<<各種情報処理の他の詳細>>
図9は、第1の実施形態に係る各種情報処理の他の一例を示すフローチャートである。但し、
図9に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。なお、本フローチャートで実行されるステップS13-2-1~S13-2-3までの処理は、上述したステップS13-1-1~S13-1-3までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0066】
図9では、ドングル接続が無い場合、すなわちステップS13-2-2:NOの場合、実行制御部28は、最小モードで起動し(ステップS13-2-4)このフローを抜ける。この場合の最小モードとは、例えば、ドングル接続の有無に応じて情報処理装置2が生産性を切り替えられる場合には、最も生産性の低い処理モードを表す。これにより、ライセンスに応じて保護された所定の生産性以上の機能が不用意に開放されることを防止することが可能になる。
【0067】
なお、
図9で示したフローチャートに基づく処理は、情報処理装置2に対する電源が投入された直後の処理であってもよい。
【0068】
<<各種情報処理の他の詳細>>
ここで、各種情報処理の他の詳細の例として、情報処理装置2の生産性を考慮した処理について説明する。
図10は、第1の実施形態に係る各種情報処理の他の一例を示すフローチャートである。但し、
図10に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。なお、本フローチャートで実行されるステップS13-3-1~S13-3-3までの処理は、上述したステップS13-1-1~S13-1-3までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0069】
図10では特に、情報処理装置2に対する電源投入時にドングル接続が無い場合、すなわちステップS13-3-2:NOの場合、判断部25は更に、情報処理装置2が高生産性機能を実行する状態又は設定であるかを判断する(ステップS13-3-4)。情報処理装置2が高生産性機能を実行する状態又は設定である場合(ステップS13-3-4:YES)、表示制御部24は、アラートを表示して(ステップS13-3-5)このフローを抜ける。具体的には、表示制御部24は、パネル表示部240aに、
図11に示す様なアラート画面を表示して処理を停止させ、このフローを抜ける。本実施形態では、高生産性とは、例えば、MFPにおける線速が低生産性のMFPよりも速いものをいう。
【0070】
他方、情報処理装置2が高生産性機能を実行する状態又は設定でない場合(ステップS13-3-4:NO)、実行制御部28は、低生産性機能に係る処理を実行して(ステップS13-3-6)このフローを抜ける。このときの低生産性機能とは、ドングル接続により与えられた所定のライセンスの下でのみ実行可能な機能以外の機能をいう。これらの機能は、例えば、利用者が設定した機能、且つ、利用機能管理DB2001で管理されているドングル接続が不要な機能であれば特に限定されない。これにより、ライセンスに応じて保護された所定の生産性以上の機能が不用意に開放されることを防止することが可能になる。
【0071】
●画面表示例●
図11は、第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアラート表示画面の他の一例を示す図である。
図11に示されているように、ステップS13-3-5の処理により、情報処理装置2のパネル表示部240aには、表示制御部24によってアラート画面2121が表示される。アラート画面2121には、ドングルの接続が切れた旨、及び高生産性の機能が制限されるためドングルを接続し直すことを促す旨のメッセージが表示される。アラート画面2121には更に、確認ボタン2161が表示される。情報処理装置2は、利用者によりこの確認ボタン2161が操作されることにより、ドングルの再接続を受け付ける処理を実行させてもよい。なお、
図11に示されるようなアラート画面を表示させる狙いは、
図9に示した場合と同様である。
【0072】
<ドングル接続におけるアクティベートを伴う処理>
続いて、ドングル接続におけるアクティベートを伴う処理について説明する。
図12は、第1の実施形態に係る各種情報処理の他の一例を示すフローチャートである。但し、
図12に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。まず、情報処理装置2の判断部25は、情報処理装置2の電源投入時においてアクティベート済みであるかを判断する(ステップS13-4-1)。アクティベート済みである場合(ステップS13-4-1:YES)、検出取得部23は、ドングル接続を確認して(ステップS13-4-2)このフローを抜ける。なお、ステップS13-4-2におけるドングル接続の確認は、例えば、
1.検出取得部23によるドングル接続の検出
2.認証設定部26によるドングルと情報処理装置2との間のライセンス認証処理
である。
【0073】
他方、アクティベート済みでない場合(ステップS13-4-1:NO)、判断部25は更に、アクティベート要求有りを判断する(ステップS13-4-3)。なお、アクティベート要求有りか否かの判断は、例えば、販売者側のサービスパーソン等による
図13に示したメンテナンスモード設定画面(SPモード設定画面)の起動の有無を判断することである。
【0074】
アクティベート要求有りの場合(ステップS13-4-3:YES)、実行制御部28は、アクティベートを実行して(ステップS14-4-4)、このフローを抜ける。具体的には、実行制御部28は、販売者側のサービスパーソン等による
図13に示したメンテナンスモード設定画面(SPモード設定画面)の起動及び所望の設定値の入力を受け付けて、情報処理装置2に与えられたライセンスに応じた機能を設定する。
【0075】
他方、アクティベート要求無しの場合(ステップS13-4-3:NO)、判断部25は、このフローを抜ける。以上、
図12に示した例では、例えば、高生産性の情報処理装置となった後にドングルが接続状態から非接続状態になったことでアラートを出したいという背景がある。そのため、一度アクティベートされたことを前提に、ドングルが接続状態から非接続状態になった場合に、所定のアラートを出すという狙いの下、上述したような処理が行われる。
【0076】
●画面表示例●
図13は、第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアクティベート画面の一例を示す図である。
図13に示されているように、ステップS13-4-4の処理により、情報処理装置2のパネル表示部240aには、表示制御部24によってアクティベートのためのメンテナンスモード設定画面2131が表示される。メンテナンスモード設定画面2131では、販売者側のサービスパーソン等は、このメンテナンスモード設定画面2131を用いて所望の設定のための入力を行うことで、情報処理装置2に対するアクティベートを実行することが可能になる。これにより、ドングル接続により与えられたライセンスの下で所定の機能の実行が許される情報処理装置2において、更に機能の不正使用等を未然に防止することが可能になる。
【0077】
〔第1の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理装置2は、ライセンスを示すライセンス情報を取得し(ステップS13-1-1)、所定の機能に係る処理の実行中に、ライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する(ステップS13-1-3、S13-1-5)。これにより、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理が可能になる、という効果を奏する。
【0078】
〔第2の実施形態〕
続いて、
図14乃至
図22を用いて、第2の実施形態に係る情報処理システムにおける各処理又は動作を説明する。第2の実施形態では、情報処理装置2と通信可能な通信端末4を有する情報処理システム1において、ドングルを情報処理装置2に代えて通信端末4に接続した状態における情報処理システム1の処理について説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態に係る情報処理システム1を構成する情報処理装置2及び情報記憶装置3の各ハードウエア構成、並びに機能構成を共通に実施することができるため、これらの説明を省略し、差異の部分に係る説明を記載する。
【0079】
〔情報処理システムの全体構成〕
図14は、第2の実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図14に示されているように、情報処理システム1は、情報処理装置2、通信端末4、及び情報記憶装置3を有している。そして、情報記憶装置3は、通信端末4に接続可能若しくは接続された状態となっている。更に、情報処理システム1では、情報処理装置2及び通信端末4は、通信ネットワーク100を介してそれぞれ互いに接続され通信可能な状態となっている。
【0080】
通信ネットワーク100は、不特定多数の通信が行われる通信ネットワークであり、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信による通信ネットワークが含まれてもよい。なお、情報処理装置2及び情報記憶装置3は、専用の有線ケーブルで直接接続されていてもよい。
【0081】
なお、通信端末4では、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、通信端末4の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。通信端末4は、更に、ブラウザソフトウエア等のソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0082】
また、通信端末4は、情報処理装置2に対してプッシュ通知(送信)によりデータ(情報)を通知(送信)してもよい。その場合、通信端末4は、例えば、プッシュ通知サーバの一例であるFCM(Firebase Cloud Messaging)を介してプッシュ通知が行われるようにしてよい。
【0083】
<通信端末>
通信端末4は、情報処理システム1を利用する利用者(ユーザ)によって利用され、情報処理装置2と通信可能で、情報処理装置2に対して所定の機能の実行要求、所定の通知等を送信する通信端末である。また通信端末4は、一般的なOSなどが搭載された通信を行うための情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現され、情報処理装置2と同様に、情報処理システム1を構築する一つの構成要素である。また、通信端末4は、情報処理装置2と通信を行うための通信アプリを記憶手段にインストールして記憶している。
【0084】
なお、通信端末4は、一般的に使用されるPC(Personal Computer)、携帯型ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末(サングラス型、腕時計型等)の通信機能を有する通信端末であってもよい。通信端末4は更に、ブラウザソフトウエア、各種アプリのソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0085】
〔ハードウエア構成〕
続いて、実施形態に係る情報処理システムを構成する通信端末又は装置のハードウエア構成について説明する。なお、
図15に示されている通信端末のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。但し、第1の実施形態と同様のハードウエア構成を有する情報処理装置2及び情報記憶装置3については、それぞれのハードウエア構成の説明を省略する。
【0086】
<通信端末のハードウエア構成>
図15は、第2の実施形態に係る通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
図15に示されているように、通信端末4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、HD(Hard Disk)405、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ406、ディスプレイ407、近距離通信I/F408、CMOSセンサ409、撮像素子I/F410を備えている。通信端末4は更に、ネットワークI/F411、キーボード412、ポインティングデバイス413、メディアI/F415、外部機器接続I/F416、音入出力I/F417、マイク418、スピーカ419及びバスライン420を備えている。
【0087】
これらのうち、CPU401は、通信端末4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。HD405は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ406は、CPU401の制御にしたがってHD405に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。ここで、通信端末4は、HD405及びHDDコントローラ406に代えて、SSD(Solid State Drive)を搭載したハードウエア構成であってもよい。ディスプレイ407は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像などの各種情報を表示する。本実施形態において、ディスプレイ407は、表示手段の一例として機能する。近距離通信I/F408は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インターフェイスを備える通信装置又は通信端末等とデータ通信を行うための通信回路である。CMOSセンサ409は、CPU401の制御にしたがって被写体を撮像して画像データ又は動画データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、撮像手段は、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成される撮像手段であってもよい。撮像素子I/F410は、CMOSセンサ409の駆動を制御する回路である。
【0088】
ネットワークI/F411は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。キーボード412は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。なお、キーボード412に代えて又は加えて、所定のボタン、アイコン等を操作するタッチパネル等の入力手段を用いてもよい。ポインティングデバイス413は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディアI/F415は、フラッシュメモリ等の記録メディア414に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。外部機器接続I/F416は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスであり、情報記憶装置3とUSBインターフェイス又は専用の有線ケーブルを用いて接続される。そのため、外部機器はUSBメモリ等であってもよい。音入出力I/F417は、CPU401の制御にしたがってマイク418及びスピーカ419との間で音信号の入出力を処理する回路である。マイク418は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ419は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。バスライン420は、CPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0089】
〔情報処理システムの機能構成〕
次に、
図16を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図16は、第2の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図16は、
図2に示されている情報処理装置2、
図3に示されている情報記憶装置3、
図15に示されている通信端末4のうち、後述する処理又は動作に関連するものを示す。但し、情報処理装置2及び情報記憶装置3の機能構成、並びにデータテーブルは、第1の実施形態で説明した内容と同様のため、説明を省略する。
【0090】
<通信端末の機能構成>
続いて、通信端末の機能構成について説明する。
図16に示されているように、通信端末4は、送受信部41、操作受付部42、検出取得部43、表示制御部44、判断部45、生成部47及び記憶読出部49を有する。これら各機能部は、
図15に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM402、EEPROM404、HD405及び記録メディア414のうち少なくとも一つからRAM403に展開された通信端末4用のプログラムに従ったCPU401からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、通信端末4は、
図15に示されているROM402、EEPROM404、HD405及び記録メディア414のうち少なくとも一つにより構築される記憶部4000を有している。更に、記憶部4000には、情報処理装置2と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)、ブラウザアプリ等が記憶されている。
【0091】
<<通信端末の各機能構成>>
次に、通信端末の各機能構成について詳細に説明する。
図16に示されている通信端末4の送受信部41は、主に、近距離通信I/F408、ネットワークI/F411及び外部機器接続I/F416に対するCPU401の処理によって実現される。送受信部41は、特に外部機器接続I/F416としてのUSBインターフェイスを介して、情報記憶装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部41は、ライセンス情報が取得不可能な場合に、所定の機能に係る処理の実行が制限される旨を含む通知を情報処理装置2に対して送信する。本実施形態において送受信部41は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0092】
操作受付部42は、主に、ディスプレイ407、キーボード412及びポインティングデバイス413のうち少なくとも一方が受け付けた各種操作により生成された信号をCPU201が処理することによって実現される。本実施形態において操作受付部42は、受付手段の一例として機能する。
【0093】
検出取得部43は、主に、外部機器接続I/F416に対するCPU201の処理によって実現される。検出取得部43は、外部機器接続I/F416を介して接続された情報記憶装置3に記憶されているライセンスを示すライセンス情報、情報処理装置2のタイプ情報(例えば100ppm/110ppm)等の各種情報を取得する。本実施形態において検出取得部43は、取得手段の一例として機能する。
【0094】
表示制御部44は、主に、ディスプレイ407に対するCPU401の処理によって実現され、通信端末4における各種画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また、表示制御部44は、情報処理装置2との通信が可能な状態で、ライセンス情報が取得不可能な場合に、所定の機能に係る処理の実行が制限される旨を含む通知をディスプレイ407に表示させる。また、表示制御部44は、例えば、ブラウザを用いて、HTML等により生成された表示画面を、ディスプレイ407に表示させることも可能である。本実施形態において表示制御部44は、表示制御手段の一例として機能する。
【0095】
判断部45は、主に、CPU401の処理によって実現され、通信端末4内部の各種判断を行う。本実施形態において判断部45は、判断手段の一例として機能する。
【0096】
生成部47は、主に、CPU401の処理によって実現され、情報処理装置2に対して送信される印刷実行要求に含まれる各種情報を生成する。また生成部47は、ディスプレイ407に表示させる各種画面情報等を生成する。本実施形態において生成部47は、生成手段の一例として機能する。
【0097】
記憶読出部49は、主に、ROM402、EEPROM404、HD405及び記録メディア414のうち少なくとも一つに対するCPU401の処理によって実現され、記憶部4000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部4000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部49は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0098】
●利用機能管理テーブル●
第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた利用機能管理テーブル(利用機能管理DB2001)と同様のデータテーブル(利用機能管理DB4001)が通信端末4において管理される。つまり、データテーブルを管理する主体が情報処理装置2から通信端末4に変わっただけであるので、詳細の説明を省略する。
【0099】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図17乃至
図22を用いて、第2の実施形態に係る情報処理装置における各処理又は動作を説明する。
【0100】
<情報記憶装置と通信端末と情報処理装置との間で実行されるシーケンス処理>
図17は、第2の実施形態に係る情報記憶装置と通信端末と情報処理装置との間の接続確認処理を含むシーケンス図である。
【0101】
まず、通信端末4の送受信部41は、情報処理装置2に対して通信確立要求を送信する(ステップS21)。これにより、情報処理装置2の送受信部21は、通信端末4が送信した通信確立要求を受信する。このとき、通信確立要求には、通信端末の端末ID、IPアドレス、情報処理装置2との通信を行う際のセッションID等が含まれてよい。上述したステップS21及びS22の処理が実行されることにより、通信端末4と情報処理装置2との間において予め必要な通信セッション等が確立し、通信可能な状態となる。
【0102】
次に、情報処理装置2の送受信部21は、ステップS21に対する応答として、所定の通信確立処理を実行した後、通信端末4に対して通信確立応答を送信する(ステップS22)。これにより、通信端末4の送受信部41は、情報処理装置2が送信した通信確立応答を受信する。なお、ステップS21及びステップS22の処理は、公知の技術を用いて行われるものでよい。
【0103】
続いて、情報処理装置2の操作受付部22は、利用者による処理設定入力を受け付ける(ステップS23)。この処理は、第1の実施形態で説明したステップS11の処理と同様である。
【0104】
次に、通信端末4の記憶読出部49は、ドングルの情報を記憶する(ステップS24)。具体的には、記憶読出部49は、通信端末4の所定の外部機器接続I/F416(例えば、USBインターフェイス)に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出した後、ドングルから取得した各種情報を利用機能管理DB4001(利用機能管理DB2001と同様)の機能IDに関連付けられた利用機能で管理されている項目に記憶させる。
【0105】
次に、通信端末4の各種機能部は、ドングル接続確認を実行する(ステップS25)。このとき、通信端末4は、各種情報を利用機能管理DB4001に記憶した各種情報を読み出して処理を行ってよい。
【0106】
<<ドングル接続確認の詳細>>
続いて、ドングル接続確認の詳細について説明する。
図18は、第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の一例を示すフローチャートである。但し、
図18に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。まず、通信端末4の検出取得部43は、通信端末4の電源投入時又は起動時、及び情報処理装置2の動作中のいずれかにおいて、情報記憶装置3の一例としてのドングル(以下、単にドングルと呼ぶ)の接続有無を検出する(ステップS25-1-1)。具体的には、検出取得部43は、外部機器接続I/F416(USBインターフェイス)にドングルが接続されているかを検出する。
【0107】
次に、判断部45は、ドングル接続有りかを判断する(ステップS25-1-2)。例えば、判断部45は、通信端末4におけるCPU401のクロック等を用いて検出取得部43からの信号をポーリングで取得し、その信号に基づいてドングル接続の有無を判断するようにしてもよい。
【0108】
ドングル接続有りであると判断した場合(ステップS25-1-2:YES)、生成部47は、所定の機能に係る処理要求を生成する(ステップS25-1-3)。具体的には、生成部47は、ドングルが接続されることにより取得したライセンス情報等に基づいて利用機能管理DB4001に記憶した機能IDに関連付けられた利用機能にしたがって、所定の機能に係る処理要求を生成する。
【0109】
他方、通信端末4の電源投入時又は起動時、及び情報処理装置2の動作中のいずれかにおいて、ドングル接続が無い場合、すなわちステップS25-1-2:NOの場合、判断部25は更に、情報処理装置2が高生産性機能を実行する状態又は設定であるかを判断する(ステップS25-1-4)。情報処理装置2が高生産性機能を実行する状態又は設定である場合(ステップS25-1-4:YES)、表示制御部24は、アラートを表示して(ステップS25-1-5)このフローを抜ける。具体的には、表示制御部44は、ディスプレイ407に、
図21に示すような警告画面を表示して処理を停止させ、このフローを抜ける。
【0110】
●画面表示例●
ここで、通信端末4における表示画面例について説明する。
図21は、第2の実施形態に係る通信端末におけるアラート表示画面の一例を示す図である。
図21に示されているように、通信端末4のディスプレイ407には、表示制御部44によって警告画面4111が表示される。警告画面4111には、ドングルの接続が切れた旨、及びドングルを接続し直すことを促す旨のメッセージが表示される。警告画面4111には更に、確認ボタン4151が表示される。通信端末4は、利用者によりこの確認ボタン4151が操作されることにより、ドングルの再接続を受け付ける処理を実行させてもよい。
【0111】
図16に戻り、情報処理装置2が高生産性機能を実行する状態又は設定でない場合(ステップS25-1-4:NO)、生成部47は、低生産性機能に係る処理要求を生成して(ステップS25-1-6)このフローを抜ける。このときの低生産性機能とは、ドングル接続により与えられた所定のライセンスの下でのみ実行可能な機能以外の機能をいう。これらの機能は、例えば、利用者が設定した機能、且つ、利用機能管理DB4001で管理されているドングル接続が不要な機能であれば特に限定されない。これにより、第1の実施形態と同様に、ライセンスに応じて保護された所定の生産性以上の機能が不用意に開放されることを防止することが可能になる。
【0112】
<<ドングル接続確認の他の詳細>>
ここで、ドングル接続確認の他の詳細について説明する。
図19は、第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の他の一例を示すフローチャートである。但し、
図19に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。
【0113】
まず、通信端末4の検出取得部43は、通信端末4と情報処理装置2との間で通信確立がされた状態(ステップS21及びS22の処理後)において、通信端末4へのドングルの接続有無を検出する(ステップS25-2-1)。具体的には、検出取得部43は、通信端末4と情報処理装置2との間での通信確立がされた後、外部機器接続I/F416(USBインターフェイス)にドングルが接続されているか否かを検出する。
【0114】
ドングル接続有りであると判断した場合(ステップS25-2-2:YES)、生成部47は、所定の機能に係る処理要求を生成する(ステップS25-2-3)。具体的には、生成部47は、ドングルが接続されることにより取得したライセンス情報等に基づいて利用機能管理DB4001に記憶した機能IDに関連付けられた利用機能にしたがって、所定の機能に係る処理要求を生成する。
【0115】
続いて、判断部45は、処理終了かを判断する(ステップS25-2-4)。ここでは、判断部45は、例えば、情報処理装置2からの印刷実行応答信号などを取得して、情報処理装置による所定機能の終了状態等を取得して処理終了かを判断する。
【0116】
処理終了である場合(ステップS25-2-4:YES)、判断部45は、このフローを抜ける。他方、処理終了でない場合(ステップS25-2-4:NO)、判断部45は、ステップS25-2-1の処理に戻る。
【0117】
ステップS25-2-2の判断処理において、ドングル接続無しであると判断した場合(ステップS25-2-2:NO)生成部47は、所定の機能に係る現在の処理要求を生成する(ステップS25-2-5)。但し、ステップS25-2-5では、生成部47は、ステップS25-2-3と同様の所定の機能に係る処理要求を生成するが、その処理要求のうち、現在(現時点で)情報処理装置2が実行している、又は実行可能な処理要求だけを生成する。そして、その処理要求に基づく情報処理装置2における処理の実行後、以降の処理を停止(キャンセル)する要求を生成する。更に、生成部47は、情報処理装置2における販売者側で実行可能なメンテナンスモード(例えば、SPモード)での使用も不可とする要求を生成する。これにより、更なる不正使用の防止を強化することが可能になる。
【0118】
現時点での処理要求を生成後、表示制御部44は、アラートを表示してこのフローを抜ける(ステップS13-2-6)。このアラートの表示は、上述したステップS25-1-5の処理内容と同様である。
【0119】
<<ドングル接続確認の他の詳細>>
次に、ドングル接続確認の他の詳細について説明する。
図20は、第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の他の一例を示すフローチャートである。但し、
図20に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。
図20では、通信端末4と情報処理装置2とがネットワークで正常に接続されているかの判断が追加されている。以下、各処理について説明する。
【0120】
ここで、ステップS25-3-1及びS25-3-2の各処理は、上述したステップS25-1-1及びS25-1-2の各処理と同様のため、説明を省略する。
【0121】
続いて、通信端末4の判断部45は、ネットワーク接続は正常かを判断する(ステップS25-3-3)。具体的には、判断部45は、検出取得部23を介してネットワークI/F411に接続されたネットワーク接続状態を確認し、通信ネットワーク100を介した情報処理装置2との接続が正常であるかを確認する。但し、通信端末4は、情報処理装置2との接続において、通信ネットワーク100に代えてUSBケーブル等の有線ケーブルで接続される形態であってもよい。
【0122】
ネットワーク接続が正常である場合(ステップS25-3-3:YES)、生成部47は、所定の機能に係る処理要求を生成する(ステップS25-3-4)。以降、ステップS25-3-4、ステップS25-3-6及びステップS25-3-7の各処理の詳細は、上述したステップS25-2-4、ステップS25-2-5及びステップS25-2-6の各処理の詳細と同様であるため、説明を省略する。
【0123】
図17に戻り、通信端末4の送受信部21は、情報処理装置2に対して、所定の機能に係る処理の実行要求を送信する(ステップS26)。これにより、情報処理装置2の送受信部21は、通信端末4が送信した所定の機能に係る処理の実行要求を受信する。このとき、所定の機能に係る処理の実行要求には、ドングル接続確認における確認結果に応じて処理可能な処理要求(実行命令)、及び対応する処理を実行するための各種データ(情報)が含まれる。
【0124】
次に、情報処理装置2の実行制御部28は、各種機能処理を実行する(ステップS27)。具体的には、実行制御部28は、ステップS26で受信した所定の機能に係る処理の実行要求に含まれる実行命令、及び対応する処理を実行するための各種データ(情報)等に基づいて、情報処理装置2における所定の機能に係る処理の実行を制限する。
【0125】
<情報処理装置におけるドングル接続確認処理の処理>
ここで、情報処理装置2側の視点によるドングル接続確認処理の詳細について説明する。
図22は、第2の実施形態に係る情報記憶装置の接続確認処理の一例を示すフローチャートである。但し、
図22に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。
【0126】
まず、情報処理装置2の判断部25は、ネットワーク接続は正常かを判断する(ステップS27-1)。具体的には、判断部25は、例えば、送受信部21を介した通信端末4との通信によりネットワーク接続状態を確認し、通信ネットワーク100を介した通信端末4との接続が正常であるかを確認する。
【0127】
ネットワーク接続は正常でないと判断した場合(ステップS27-1:NO)、判断部25は、後述するステップS27-6の処理に遷移する。
【0128】
他方、ネットワーク接続は正常と判断した場合(ステップS27-1:YES)、検出取得部23は、ドングル接続情報を取得する(ステップS27-2)。具体的には、ステップS27-1と同様に、検出取得部23は、送受信部21を介して通信端末4と通信を行う際に取得される情報に含まれるドングル接続情報を取得する。情報処理装置2は、例えば、通信端末4との通信におけるデータ中の特定のフラグをこのドングル接続状態フラグとして割り当て、そのフラグの状態を取得するようにしてもよい。
【0129】
次に、判断部25は、ドングル接続有りかを判断する(ステップS27-3)。具体的には、判断部25は、ステップS27-2で取得したドングル接続状態フラグの内容に基づいてドングル接続有かを判断する。
【0130】
ドングル接続有りの場合(ステップS27-3:YES)、実行制御部28は、所定の機能に係る処理(通信端末4が送信した印刷ジョブ等)を実行する(ステップS27-4)。具体的には、実行制御部28は、ドングルが接続されることにより取得したライセンス情報等に基づいて利用機能管理DB2001(
図5参照)に記憶した機能IDに関連付けられた利用機能にしたがって、印刷機能等の所定の機能に係る処理(印刷ジョブ等)を実行する。
【0131】
次に、判断部25は、処理(印刷ジョブ等)が終了したかを判断する(ステップS27-5)。処理が終了していない場合(ステップS27-5:NO)は、判断部25はステップS27-1の処理に戻り、印刷が終了した場合(ステップS27-5:YES)は、判断部25はこのフローを抜ける。
【0132】
他方、ドングル接続無しであると判断した場合(ステップS27-3:NO)、実行制御部28は、所定の機能に係る現在の処理を実行する(ステップS27-6)。但し、ステップS27-6では、実行制御部28は、ステップS27-4と同様の所定の機能に係る処理を実行するが、その処理のうち、現在(現時点で)情報処理装置2が実行している処理だけを実行する。そして、その処理の実行後、以降の処理を停止(キャンセル)する。更に、実行制御部28は、情報処理装置2において、自装置単体でも動作可能なスキャン機能、コピー機能等の処理に対しても、その処理の実行に一定の制限をかけるようにする。これにより、通信端末4側でのドングル接続状態が検出できない状態となった場合に、以降の情報処理装置2における不正使用を未然に防止することが可能になる。
【0133】
続いて現時点での処理を実行後、表示制御部24は、パネル表示部240aにアラートを表示してこのフローを抜ける(ステップS27-7)。ステップS27-7で上述したような処理を行う理由は、上述したように、ドングルが接続されていないと判断された状態における不正使用の未然防止のためである。更に、MFP等の情報処理装置2において所定の機能に係る処理が中断されることによる用紙詰まり(用紙ジャム)等の回避のためである。
【0134】
再び
図17に戻り、情報処理装置2の送受信部21は、ステップS26の所定機能に係る処理の実行要求に対する応答として、所定機能に係る処理の実行応答を通信端末4に対して送信する(ステップS28)。これにより、通信端末4の送受信部41は、情報処理装置2が送信した所定機能に係る処理の実行応答を受信する。なお、ステップS28の処理は省略されてもよい。
【0135】
本実施形態では、上述したステップS25-S28までの処理を、情報処理装置2における所定の機能の処理が完了するまで繰り返し行う(ループ処理の実行)。
【0136】
本実施形態に係る情報処理システムでは、例えば、上述したステップS21及びS22、ステップS26及びS28の各処理が通信ネットワーク100を介して実行される場合、通信端末4と情報処理装置2との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、通信端末4と情報処理装置2との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置等を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、通信端末4と情報処理装置2との間に他の処理ステップが存在した場合でも適用することが可能である。但し、
図17に示したシーケンス図は一例であり、これに限らない。
【0137】
また、第2の実施形態では、情報処理システム1において、情報処理装置2側で通信端末4に接続されているドングルと同様のドングルが接続された場合、その接続状態を通信端末4側で検出し、通信端末4側に接続されているドングルに基づくライセンスを優先にシステムを制御するようにしてもよい。更に、必要に応じて通信端末4及び情報処理装置2に所定の通知(アラート)を表示するようにしてもよい。これにより、情報処理装置2において実行される所定の機能に係る処理の可否を、通信端末4において制御することが可能になる。その結果、通信端末4を利用する利用者は、情報処理装置2から物理的に離れた場所であっても、情報処理装置2に同様のドングルが接続されたタイミングで情報処理装置2において不正機能が行われる可能性を未然に防止することも可能になる。
【0138】
〔第2の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、通信端末4は、ライセンスを示すライセンス情報を取得し(ステップS25-2-1)、ライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合等に応じて、所定の機能に係る処理要求を生成する(ステップS25-1-3、S25-1-5、等)。これにより、第1の実施形態による効果と同様に、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理が可能になるという効果を奏する。
【0139】
〔実施形態の補足〕
上述した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたデバイスを含むものとする。このデバイスとは、例えば、プロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び従来の回路モジュール等をいう。
【0140】
また、上述した実施形態において、情報処理装置2及び通信端末4は、各種判断を機械学習(人工知能:AIを利用した学習)により実行するようにシステムを構築してもよい。例えば、情報処理装置2及び通信端末4は、ドングル接続確認の結果に基づく情報処理装置2及び通信端末4の処理を、機械学習を利用した解析手法を用いて処理可能な機能を抽出し、実行するようにしてもよい。
【0141】
これまで本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更又は削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0142】
■まとめ■
本発明に係る態様は、例えば、以下のとおりである。
【0143】
<第1態様>
第1態様としての情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)は、ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行し、ライセンスを示すライセンス情報を取得する検出取得部23(取得手段の一例。以下省略)と、所定の機能に係る処理の実行中に、検出取得部23によりライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する実行制御部28(制御手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0144】
第1態様によれば、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理が可能になる。
【0145】
<第2態様>
第2態様としての情報処理装置2の検出取得部23は、第1態様において、情報処理装置2に接続可能であって、ライセンス情報を記憶する情報記憶装置3(情報記憶装置の一例。以下省略)が情報処理装置2に接続されている状態のとき、情報記憶装置3からライセンス情報を取得する。
【0146】
第2態様によれば、取得しているライセンス情報にしたがった処理が可能になる。
【0147】
<第3態様>
第3態様としての情報処理装置2の実行制御部28は、第1態様又は第2態様において、所定の機能を実行中にライセンス情報が取得不可能な状態に変化した場合、所定の機能に係る処理の実行の制限として、実行中の所定の機能の完了後に所定の機能に係る後続の処理の実行を停止する。
【0148】
第3態様によれば、機能の不正使用を未然の防ぐことが可能になる。
【0149】
<第4態様>
第4態様としての情報処理装置2の実行制御部28は、第1態様又は第2態様において、所定の機能を実行中にライセンス情報が取得不可能な状態に変化した場合、ライセンス情報が取得可能な状態において実行される機能よりも生産性の低い機能に係る処理を実行する。
【0150】
第4態様によれば、機能の不正使用を未然の防ぐことが可能になる。
【0151】
<第5態様>
第5態様としての情報処理装置2の実行制御部28は、第1態様乃至第4態様のいずれかにおいて、所定の機能を実行中にライセンス情報が取得可能な状態を維持している場合、所定の機能として、ライセンス情報が取得不可能な状態において実行される機能に係る処理よりも生産性の高い機能に係る処理を実行する。
【0152】
第5態様によれば、取得しているライセンス情報を保証する処理を実行することが可能になる。
【0153】
<第6態様>
第6態様としての情報処理装置2におけるライセンス情報が取得可能な状態は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、情報処理装置2の電源が投入されている状態で、且つ、情報記憶装置3が情報処理装置2に接続されている状態である。
【0154】
第6態様によれば、取得しているライセンス情報を保証する処理を実行することが可能になる。
【0155】
<第7態様>
第7態様としての情報処理装置2におけるライセンス情報が取得可能な状態は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、情報記憶装置3が情報処理装置2に接続されている状態で、且つ、所定の機能に係る処理を実行可能にするアクティベート処理が実行済みの状態である。
【0156】
第7態様によれば、機能の不正使用を未然の防ぐことが可能になる。
【0157】
<第8態様>
第8態様としての情報処理装置2は、第3態様において、後続の処理の停止にあわせて、所定の機能に係る処理の実行が停止された旨を含む通知をパネル表示部240a(表示手段の一例。以下省略)に表示させる表示制御部24(表示制御手段の一例。以下省略)を有する。
【0158】
第8態様によれば、ライセンス情報の取得状況を利用者に適切に通知することが可能になる。
【0159】
<第9態様>
第9態様としての情報処理装置2は更に、第8態様において、情報記憶装置3が情報処理装置2に未接続の状態で情報処理装置2の電源が投入された場合、情報処理装置2に記憶されている機能情報に応じて、表示制御部24による通知を行うか、生産性の低い機能に係る処理の実行を行うか、の判断を行う判断部25(判断手段の一例。以下省略)を有する。
【0160】
第9態様によれば、ライセンス情報に基づく機能に対して、柔軟な処理を行うことが可能になる。
【0161】
<第10態様>
第10態様としての情報処理システム1(情報処理システムの一例。以下省略)は、
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)と、情報処理装置2と通信可能な通信端末4(通信端末の一例。以下省略)と、を有し、通信端末4は、ライセンスを示すライセンス情報を取得する検出取得部43(取得手段の一例。以下省略)と、情報処理装置2との通信が可能な状態で、ライセンス情報が取得不可能な場合に、所定の機能に係る処理の実行が制限される旨を含む通知をディスプレイ407(表示手段の一例。以下省略)に表示させる表示制御部44(表示制御手段の一例。以下省略)と、通知を情報処理装置2に対して送信する送受信部41(送信手段の一例。以下省略)と、を有し、情報処理装置2は、通信端末4が送信した通知を受信する送受信部21(受信手段の一例。以下省略)と、所定の機能に係る処理の実行中に、送受信部21により通知を受信した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する実行制御部28(制御手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0162】
第10態様によれば、第1態様と同様に、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理が可能になる。
【0163】
<第11態様>
第11態様としての情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)が実行する情報処理方法は、ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、所定の機能に係る処理の実行中に、取得ステップによりライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する制御ステップと、を実行する。
【0164】
第11態様によれば、第1態様と同様に、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理が可能になる。
【0165】
<第12態様>
第12態様としての情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)に実行させるプログラムは、ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、所定の機能に係る処理の実行中に、取得ステップによりライセンス情報が取得可能な状態から取得不可能な状態に変化した場合に、所定の機能に係る処理の実行を制限する制御ステップと、を実行させる。
【0166】
第12態様によれば、第1態様と同様に、所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理が可能になる。
【符号の説明】
【0167】
1 情報処理システム(情報処理システムの一例)
2 情報処理装置(情報処理装置の一例)
3 情報記憶装置(情報記憶装置の一例)
4 通信端末(通信端末の一例)
21 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
22 操作受付部(受付手段の一例)
23 検出取得部(取得手段の一例)
24 表示制御部(表示制御手段の一例)
28 実行制御部(制御手段の一例)
240a パネル表示部(表示手段の一例)
41 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
42 操作受付部(受付手段の一例)
43 検出取得部(取得手段の一例)
44 表示制御部(表示制御手段の一例)
47 生成部(生成手段の一例)
407 ディスプレイ(表示手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0168】