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特開2024-110774情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110774
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0633 20230101AFI20240808BHJP
【FI】
G06Q10/0633
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015563
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 敏洋
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する情報をメンテナンスすること。
【解決手段】ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する作業に関する作業履歴を取得する取得部と、前記作業履歴に基づいて、前記作業の失敗に関するエラー情報を抽出する抽出部と、前記エラー情報に基づいて、発生頻度が高い前記失敗の原因に対応する文字列を決定する解析部と、前記解析部が決定した前記文字列を、前記作業に関して前記ユーザに提示される参照情報に追加する更新部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する作業に関する作業履歴を取得する取得部と、
前記作業履歴に基づいて、前記作業の失敗に関するエラー情報を抽出する抽出部と、
前記エラー情報に基づいて、発生頻度が高い前記失敗の原因に対応する文字列を決定する解析部と、
前記解析部が決定した前記文字列を、前記作業に関して前記ユーザに提示される参照情報に追加する更新部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記参照情報は、前記作業に関するマニュアル又はヘルプガイダンスである、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記エラー情報に含まれる固有表現が、前記参照情報に含まれないように前記文字列を決定し、
前記更新部は、前記固有表現が含まれないように前記参照情報を更新する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザが入力する情報にエラーが含まれるか否かを検出する検出部と、
前記検出部が前記エラーを検出した際に、前記エラーに関する情報を前記ユーザが操作する端末装置の画面に表示するための画面情報を生成する生成部と、
を更に有する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザが情報を入力する時間に基づいて、前記参照情報において修正が必要な修正箇所を推定する推定部と、
前記参照情報をメンテナンスする管理者に、前記修正箇所を通知する通知部と、
を更に有する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する作業に関する作業履歴を取得する取得部と、
前記作業履歴に基づいて、前記作業の失敗に関するエラー情報を抽出する抽出部と、
前記エラー情報に基づいて、発生頻度が高い前記失敗の原因に対応する文字列を決定する解析部と、
前記解析部が決定した前記文字列を、前記作業に関して前記ユーザに提示される参照情報に追加する更新部と、
を有する情報処理システム。
【請求項7】
ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する作業に関する作業履歴を取得する取得ステップと、
前記作業履歴に基づいて、前記作業の失敗に関するエラー情報を抽出する抽出ステップと、
前記エラー情報に基づいて、発生頻度が高い前記失敗の原因に対応する文字列を決定する解析ステップと、
前記解析ステップが決定した前記文字列を、前記作業に関して前記ユーザに提示される参照情報に追加する更新ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項8】
ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する作業に関する作業履歴を取得する取得ステップ、
前記作業履歴に基づいて、前記作業の失敗に関するエラー情報を抽出する抽出ステップ、
前記エラー情報に基づいて、発生頻度が高い前記失敗の原因に対応する文字列を決定する解析ステップ、
前記解析ステップが決定した前記文字列を、前記作業に関して前記ユーザに提示される参照情報に追加する更新ステップ、
を情報処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
回覧文書の承認や物品購入申請の承認等を行うワークフローにおいて、ユーザが情報入力等の作業を実行する際に、ワークフローに関するマニュアル等の情報を参照することが可能である。特許文献1には、ワークフローに関する情報を用いて、ユーザによる作業に関する情報の検索や閲覧を効率良く実行するための技術が公開されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する情報をメンテナンスすることができなかった。例えば、ワークフローにおいて、ユーザが誤った情報を入力することを防止するために、マニュアルを更新させることができなかった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する情報をメンテナンスすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する作業に関する作業履歴を取得する取得部と、前記作業履歴に基づいて、前記作業の失敗に関するエラー情報を抽出する抽出部と、前記エラー情報に基づいて、発生頻度が高い前記失敗の原因に対応する文字列を決定する解析部と、前記解析部が決定した前記文字列を、前記作業に関して前記ユーザに提示される参照情報に追加する更新部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する情報をメンテナンスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置及び端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るデータベースの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係るワークフローの例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る参照情報の更新処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係るマニュアルの表示画面の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るエラー検出処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る情報入力画面の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係るエラー検出器の学習で用いる教師データの一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係るエラー検出器を説明する図である。
図12】本発明の実施形態に係るエラー検出結果の表示画面の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係るメンテナンス対象箇所の通知処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係るメンテナンス対象箇所の通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。図1の情報処理システム1は、例えば、社内LANやインターネット等の通信ネットワーク2に接続する情報処理装置5及び端末装置6を含む。情報処理装置5は、企業等の組織内において、回覧文書や物品購入の承認等を行うためのワークフローを管理する。ユーザは、端末装置6を操作することにより、情報処理装置5にアクセスして、ワークフローを実行するために必要な情報の入力を行う。
【0010】
情報処理システム1は、ワークフローにおける作業履歴を用いて解析した作業の失敗の発生頻度に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報を更新することが可能である。ここで、情報処理システム1は、個人名等の個人情報を含む情報や日時などの固有表現が参照情報に追加されることを防ぐことができる。また、情報処理システム1は、ワークフローにおいて、ユーザが入力した入力情報にエラー(誤り)があることを検出した場合、入力情報にエラーがある(可能性がある)ことを画面に表示して、ユーザによる入力情報の修正を受け付けることが可能である。また、情報処理システム1は、ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する時間に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報においてメンテナンスする対象箇所を管理者に通知することが可能である。このようにして、情報処理システム1は、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する情報をメンテナンスすることができる。
【0011】
なお、図1に示す情報処理システム1のシステム構成は一例である。例えば、情報処理システム1に含まれる端末装置6の台数は1台に限らず、任意の台数であってよい。また、通信ネットワーク2には、例えば、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。
【0012】
<ハードウェア構成例>
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置5及び端末装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、情報処理装置5及び端末装置6はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0013】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置5及び端末装置6全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0014】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0015】
<機能について>
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。情報処理装置5は、取得部10、抽出部11、解析部12、更新部13、検出部14、生成部15、計測部16、推定部17、通知部18、及び通信部19を有する。これら各部は、情報処理装置5にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部20は、例えば、情報処理装置5が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。
【0016】
取得部10は、記憶部20が記憶する特定のワークフローにおける処理の履歴である作業履歴を取得する。作業履歴の詳細は後述する。また、取得部10は、ワークフローにおいて、ユーザが端末装置6を操作して入力した入力情報を取得する。
【0017】
抽出部11は、取得部10が取得した履歴情報から、作業の失敗に関する情報であるエラー情報を抽出する。
【0018】
解析部12は、抽出部11が抽出したエラー情報に基づいて、作業の失敗の原因又は理由(以降、原因とのみ記載する)を解析し、原因ごとに失敗の発生頻度を解析し、発生頻度が高い失敗の原因に対応する文字列を決定する。また、解析部12は、エラー情報に含まれる固有表現が、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する参照情報マニュアル、ヘルプガイダンス等)に含まれないように文字列を決定する。解析方法の詳細については後述する。
【0019】
更新部13は、解析部12が解析した原因ごとに失敗の発生頻度に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する参照情報(マニュアル、ヘルプガイダンス等)を更新する。更新部13は、例えば、解析部12が失敗の発生頻度が高いと決定した原因に対応する文字列を、発生頻度が高いエラー(又はエラーの原因)として、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する参照情報(マニュアルやヘルプガイダンス等)に追加する。また、更新部13は、固有表現が含まれないように参照情報を更新する。
【0020】
検出部14は、取得部10が取得した、ユーザにより入力された入力情報の項目(例えば、予算番号)の値にエラーがあるか否かを検出する。
【0021】
生成部15は、入力情報の項目(例えば、予算番号)の値がエラーである(可能性がある)ことをユーザが操作する端末装置6の画面に表示するための画面情報を生成する。
【0022】
計測部16は、ユーザが入力情報の入力を開始した時刻と終了した時刻に基づいて、ユーザが、各項目の情報を入力するのに要した時間を計測する。
【0023】
推定部17は、計測部16が計測した、ユーザが各項目の情報を入力するのに要した時間に基づいて、ワークフローのマニュアルを修正すべき修正箇所(メンテナンス対象箇所)を推定する。推定方法の詳細については後述する。
【0024】
通知部18は、推定部17が推定したワークフローのマニュアルを修正すべき修正箇所(メンテナンス対象箇所)を管理者に通知する。通知方法の詳細については後述する。
【0025】
通信部19は、情報処理装置5が有する通信機能であり、通信ネットワーク2を介して端末装置6と情報の送受信を行う。通信部19は、例えば、生成部15が生成した画面情報を端末装置6の通信部22に送信する。
【0026】
記憶部20は、ワークフローを管理するためのデータベースである、ワークフロー情報、ユーザ情報、文書情報、及び履歴情報を記憶する。各情報の詳細については後述する。
【0027】
端末装置6は、通信部22、表示制御部23、及び操作受付部24を有する。これら各部は、端末装置6にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0028】
通信部22は、端末装置6が有する通信機能であり、通信ネットワーク2を介して情報処理装置5と情報の送受信を行う。通信部22は、例えば、操作受付部24が受け付けたユーザによる入力操作に関する情報を情報処理装置5の通信部19に送信する。
【0029】
表示制御部23は、通信部22が受信した画面情報に基づいて、入力情報におけるある項目(「予算番号」等)の値がエラーである(又はエラーである可能性がある)ことを端末装置6の画面(ディスプレイ506等)に表示させる。
【0030】
操作受付部24は、端末装置6のキーボードやポインティングデバイスを介して、ユーザによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。操作受付部24は、例えば、ユーザによる入力情報の項目(「予算番号」等)の値を入力又は修正する操作を受け付ける。
【0031】
<ワークフローについて>
情報処理装置5は、企業等の組織内において、回覧文書や物品購入の承認等を行うためのワークフローを管理する。ユーザは、端末装置6を操作することにより、情報処理装置5にアクセスして、ワークフローを実行するために必要な情報の入力を行う。なお、情報処理システム1で扱われる情報に関して、例えば、文章と記載されていても、文章に限らず、単語、文字列、又は複数の文章などの何れであってもよい。
【0032】
図4は、本発明の実施形態に係るデータベースの一例を示す図である。情報処理装置5は、ワークフローを管理するために、例えば、図4に示すワークフロー情報100、ユーザ情報101、文書情報102、及び履歴情報103を用いる。
【0033】
ワークフロー情報100は、「フローID」、「フロー情報」、「審査者」、「承認者」、及び「参照情報」の項目を有する。
【0034】
「フローID」は、ワークフローを特定するための識別子である。
【0035】
「フロー情報」は、ワークフローにおいて実行される処理、及び処理の流れを定義するための情報である。
【0036】
「審査者」及び「承認者」は、ワークフローにおける審査及び承認を行うユーザを特定する情報であり、例えば、後述するユーザIDが用いられる。
【0037】
「参照情報」は、ワークフローにおける作業に関するマニュアル又はヘルプガイダンス等としてユーザに提示される情報である。
【0038】
ユーザ情報101は、「ユーザID」、「氏名」、「所属部門」、及び「役職」を有する。
【0039】
「ユーザID」は、ユーザを特定するための識別子である。
【0040】
「氏名」は、ユーザの氏名である。
【0041】
「所属部門」は、ユーザが所属する部門である。
【0042】
「役職」は、ユーザの役職である。
【0043】
文書情報102は、「文書ID」、「フローID」、「状態」、「作成者」、及び「文書内容」の項目を有する。
【0044】
「文書ID」は、文書情報を特定するための識別子である。
【0045】
「フローID」は、文書情報が用いられるワークフローを特定する識別子である。
【0046】
「状態」は、ワークフローにおける文書情報の状態であり、例えば、審査済、承認済、或いは、審査又は承認が却下された状態などを示す。
【0047】
「作成者」は、「文書内容」を入力したユーザを特定する情報(例えば、ユーザID)である。
【0048】
「文書内容」は、ユーザにより入力された文書(例えば、回覧文書や申請文書)の内容である。
【0049】
履歴情報103は、「履歴ID」、「フローID」、「処理ID」、「文書ID」、「入力情報」、「作業者」、「開始時間」、及び「終了日時」の項目を示す。
【0050】
「履歴ID」は、履歴情報を特定するための識別子である。
【0051】
「フローID」は、履歴情報に対応するワークフローを特定する識別子である。
【0052】
「処理ID」は、履歴情報に対応するワークフローにおける処理(文書情報の入力、審査、及び承認等)を特定する情報である。
【0053】
「文書ID」は、履歴情報に対応する文書情報を特定する識別子である。
【0054】
「入力情報」は、「作業者」により入力された文書情報、又は審査や承認における結果(承認、却下等)及び却下された原因に関する情報等である。ここで、「入力情報」として複数の項目に関する情報が入力される場合、「入力情報」は、入力される情報の項目(例えば、「予算番号」等)に関する情報を含んでもよい。また、審査や承認で却下された原因に関する情報は、予め定められた原因の候補から選択されたものであってもよいし、審査者又は承認者により記入された文章(又は、自然文、文字列等)であってもよい。
【0055】
「作業者」は、「入力情報」を入力したユーザを特定する情報(例えば、ユーザID)である。
【0056】
「開始日時」及び「終了日時」は、「入力情報」の入力を開始した日時及び終了した日時である。
【0057】
図5は、本発明の実施形態に係るワークフローの例を示す図である。図5の(a)は、企業内などで回覧する回覧文書の承認に関するワークフローである。以下、本ワークフローの各処理について説明する。
【0058】
ステップS30:ユーザは、端末装置6を操作することにより、回覧文書を作成して、作成した回覧文書を情報処理装置5に登録する。
【0059】
ステップS31:回覧文書に対して、最初の審査者による審査が実行される。回覧文書が審査を通過したならば、ステップS32に処理が遷移する。回覧文書が却下されたならば、ユーザに回覧文書の修正等を行わせるため、ステップS30に処理が遷移する。
【0060】
ステップS32:回覧文書に対して、第2の審査者による審査が実行される。回覧文書が審査を通過したならば、ステップS33に処理が遷移する。回覧文書が却下されたならば、ユーザに回覧文書の修正等を行わせるため、ステップS30に処理が遷移する。
【0061】
ステップS33:回覧文書に対して、承認者による最終承認が実行される。回覧文書が承認されたならば、本ワークフローの処理は終了となる。回覧文書が却下されたならば、ユーザに回覧文書の修正等を行わせるため、ステップS30に処理が遷移する。
【0062】
次に、別のワークフローの例について説明する。図5の(b)は、企業内などにおけるシステムの利用申請に関するワークフローである。以下、本ワークフローの各処理について説明する。
【0063】
ステップS40:ユーザは、端末装置6を操作することにより、申請文書を作成して、作成した回覧文書を情報処理装置5に登録する。
【0064】
ステップS41:申請文書に記載されたシステム条件に問題がないかに関して審査が行われる。申請文書が審査を通過したならば、ステップS42に処理が遷移する。申請文書にエラーがあれば、ユーザに申請文書の修正等を行わせるため、ステップS40に処理が遷移する。
【0065】
ステップS42:申請文書に対して、承認者による承認が実行される。申請文書が承認されたならば、ステップS43に処理が遷移する。申請文書が却下されたならば、ユーザに申請文書の修正等を行わせるため、ステップS40に処理が遷移する。
【0066】
ステップS43:申請文書に記載されたシステム条件に基づいて、担当者がシステムの設定等の作業を実行する。
【0067】
<参照情報(マニュアル等)の更新処理>
図6は、本発明の実施形態に係る参照情報の更新処理に関するフローチャートの一例を示す図である。本フローチャートにおいて、情報処理装置5は、ワークフローにおける作業履歴を用いて解析した作業の失敗の発生頻度に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報を更新する。以下、図6の各ステップの処理について説明する。
【0068】
ステップS50:情報処理装置5の取得部10は、指定されたワークフローにおける作業履歴を取得する。例えば、取得部10は、図6に示した履歴情報103の「フローID」が指定された値である履歴情報103を取得する。
【0069】
ステップS51:情報処理装置5の抽出部11は、ステップS50で取得部10が取得した作業履歴から、作業の失敗に関する情報をエラー情報として抽出する。抽出部11は、例えば、図4の履歴情報103の「入力情報」が、審査又は承認が却下された際の原因を含む履歴情報、又は審査においてエラーとして判定された情報を含む履歴情報をエラー情報として抽出する。
【0070】
ステップS52:情報処理装置5の解析部12は、ステップS51で抽出部11が抽出したエラー情報に基づいて、作業の失敗の原因を解析し、原因ごとに失敗の発生頻度を解析する。以下、失敗の原因を解析する方法を、原因の記載方法が選択式と自由記述式のそれぞれの場合について説明する。
【0071】
選択式の場合は、失敗の原因は、選択された選択肢として一意に特定される。解析部12は、以下に示す3つ方法により、各原因に対して、失敗の発生頻度が高いか否かを解析する。
・第1の方法:ワークフローにおける全体の文書において、予め定めた割合を示す閾値(例えば、50%等)以上の文書が、同じ原因による失敗の履歴情報を含むならば、この原因による失敗の発生頻度は高いと決定する。例えば、全体の文書において、予め定めた50%以上が、「承認者が間違っている」という原因で失敗している(承認が却下されている)ならば、この原因による失敗の発生頻度は高いと決定する。
・第2の方法:ワークフローにおける全体の文書において、予め定めた数を示す閾値(例えば、50等)以上の文書が、同じ原因による失敗の履歴情報を含むならば、この原因による失敗の発生頻度は高いと決定する。
・第3の方法:エラー情報に含まれる原因の中で、最も履歴情報の数が多い原因による失敗の発生頻度は高いと決定する。
【0072】
自由記述式の場合は、原因として記載された文章が、同じ原因を意味するか否かを解析する必要がある。このために、まず、解析部12は、原因として記載された文章をベクトル化する。ベクトル化の方法は、例えば、TF-IDF(Term Frequency-Inverse Document Frequency)等の一般的な方法を用いる。TF-IDFでは、文章を形態素解析により品詞単位の単語に分割して、文章における各単語の出現数と全文章における出現数の逆数との積を用いることで、助詞のような出現頻度が高い単語の重要度を下げた、文章ごとに固有の特徴量を抽出できる。他のベクトル化の方法として、Doc2Vec、Word embedding、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)等を用いることができる。次に、ベクトル化した文章(文章ベクトル)に対して、最短距離法等の階層的手法、又はk平均法等の非階層的な手法によるクラスタリングを行うことで、文章をクラスタごとに分類する。例えば、以下のように文章は2のクラスタにクラスタリング(分類)される。
【0073】
第1クラスタ:
・承認者が間違っています。
・承認者に田中さんを設定してください
・承認者が空欄のため。
【0074】
第2クラスタ:
・申請原因が不適当なため。
・申請原因が空欄です。
・申請原因には業務上必要なためと記載してください。
【0075】
次に、分類された各クラスタにおける文章ベクトルにおいて、中央値に最も近い文章ベクトルを代表値とする。このようにしてクラスタリングされた文章ベクトルに対して、同一のクラスタに分類された文章ベクトルに対応する原因は同一の原因であるとし、原因に対応する文章は、代表値の文章ベクトルに対応する文章とする。解析部12は、選択式の場合で示した3つ方法により、各原因に対して、失敗の発生頻度が高いか否かを解析する。
【0076】
ステップS53:情報処理装置5の更新部13は、ステップS52で解析部12が解析した、原因ごとの失敗の発生頻度に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関する参照情報を更新する。更新部13は、例えば、ステップS53で解析部12が失敗の発生頻度が高いと決定した原因に対応する文章を、発生頻度が高いエラー(又はエラーの原因)として、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアルやヘルプガイダンスに追加する。なお、本ステップの処理は、ユーザがワークフローにおける作業を実行する頻度が低い、例えば、深夜や週末に実行されることが好ましい。
【0077】
図7は、本発明の実施形態に係るマニュアルの表示画面の一例を示す図である。図7のマニュアル表示画面110には、物品購入におけるワークフローに関するマニュアルを表示する表示領域111と、物品購入におけるワークフローにおいて発生頻度が高いエラーを表示する表示領域112が表示されている。ここで、表示領域112には、発生頻度が高いエラーとして、図6のステップ52で解析部12が、失敗の発生頻度が高いと判定した原因に対応する文章(「予算番号が間違っている」等)が表示されている。或いは、マニュアルの表示画面ではなく、ワークフローにおけるユーザが情報を入力する画面で、特定のボタンを押下することで表示されるヘルプガイダンスの画面において、同様に、失敗の発生頻度が高いと判定した原因に対応する文章を表示してもよい。
【0078】
以上の処理により、情報処理システム1は、ワークフローにおける作業履歴を用いて解析した失敗の発生頻度に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報を更新することが可能である。このように、情報処理システム1は、作業に関してユーザに提示される情報をメンテナンスすることができる。
【0079】
<固有表現の除外処理>
図6に示したフローチャートの処理において、失敗の発生頻度が高いと決定した原因に対応する文章をマニュアル等に追加する際に、例えば、以下のような個人名等の個人情報を含む情報や日時などの固有表現が追加されることは好ましくない。
・承認者には田中さんを指定してください。
・明日までに項目Aを埋めてください。
【0080】
従って、情報処理装置5の解析部12は、ステップS51で抽出部11が抽出したエラー情報から、固有表現を含む文章ベクトルを除外する。固有表現を除外する方法として、事前に辞書に登録した固有表現を抽出する方法、又はBERT等を用いて事前に固有表現を学習しておく方法がある。或いは、解析部12は、固有表現を含む文章に対応する文章ベクトルをクラスタリングの代表値の選択候補に含めないようにすることで、固有表現を含む文章がマニュアル等の参照情報から除外されるようにしてもよい。
【0081】
以上の処理により、情報処理システム1では、個人名等の個人情報を含む情報や日時などの固有表現がユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報に追加されることを防ぐことができる。
【0082】
<エラー検出処理>
図8は、本発明の実施形態に係るエラー検出処理に関するフローチャートの一例を示す図である。本フローチャートでは、情報処理システム1は、ワークフローにおいて、ユーザが入力した入力情報の予算番号の項目にエラーを検出した場合、エラーがある(可能性がある)ことを画面に表示して、ユーザによる入力情報の修正を受け付ける。以下、図8の各ステップの処理について説明する。
【0083】
ステップS70:情報処理装置5の取得部10は、ワークフローにおいて、ユーザが入力した入力情報を取得する。図9は、本発明の実施形態に係る情報入力画面の一例を示す図である。図9の情報入力画面130は、物品購入の申請を行うワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する画面であり、入力項目131、入力情報132、ボタン133、及びボタン134を有する。
【0084】
入力項目131は、申請を行うために入力する情報の項目名である。
【0085】
入力情報132は、入力項目131で示される項目として入力される値(単語、文字列、文章など)である。
【0086】
ボタン133は、各項目における値の入力を開始する際と入力を終了する際に押下するボタンである。
【0087】
ボタン134は、全ての項目の値の入力が完了した時に押下するである。図8に戻って説明する。
【0088】
ステップS71:情報処理装置5の検出部14は、ステップS70で取得部10が取得した入力情報における予算番号の項目の値にエラーがあるか否かを検出し、エラーを検出したならば、処理をステップS72に遷移させ、エラーを検出しなければ、本フローチャートの処理を終了させる。エラーを検出する方法として、検出部14は、例えば、予め入力情報と検出結果(エラー有/無)の組み合わせである教師データを用いて学習されたエラー検出器を用いる。
【0089】
図10は、本発明の実施形態に係るエラー検出器の学習で用いる教師データの一例を示す図である。図10に示す正解教師データ120は、入力情報における項目として「文書ID」、「予算番号」、「購入物品」、「状態」、及び「原因」の値を有し、検出結果は「エラー有(正解)」である。また、図10に示す不正解教師データ121についても、正解教師データ120と同じ項目の値を有し、検出結果は「エラー無(不正解)」である。例えば、不正解教師データ121における「文書ID」の項目の値が「005」の教師データは、「原因」の項目の値が「審査者に田中さんを追加して下さい。」であることから、審査者が誤りであり、「予算番号」の値は正しいため、検出結果は「エラー無(不正解)」である。
【0090】
図11は、本発明の実施形態に係るエラー検出器を説明する図である。まず、図10の(a)に示すように、エラー検出器に、図10に示した入力情報と検出結果の組み合わせである教師データを入力して、エラー検出器の学習を行う。学習方法として、例えば、SVM(サポートベクターマシン)による機械学習モデル用いて方法がある。これはn次元のデータの集合に対して正解データと不正解データを分類する境界面となる線形関数を求める手法である。或いは、他の教師あり学習アルゴリズムを用いてもよい。次に、図10の(b)に示すように、学習したエラー検出器に入力情報を入力することにより、検出結果(エラー有/無)を得ることができる。図8に戻って説明する。
【0091】
ステップS72:情報処理装置5の生成部15は、入力情報の「予算番号」の項目の値がエラーである(可能性がある)ことをユーザが操作する端末装置6の画面に表示するための画面情報を生成する。情報処理装置5の通信部19は、生成部15が生成した画面情報を端末装置6の通信部22に送信する。端末装置6の表示制御部23は、端末装置6の通信部22が受信した画面情報に基づいて、端末装置6の画面に入力情報の「予算番号」の項目の値がエラーである(可能性がある)こと表示させる。図12は、本発明の実施形態に係るエラー検出結果の表示画面の一例を示す図である。図12の情報入力画面140のエラー検出結果表示領域141には、「入力情報に以下の誤りがある可能性があります。「予算番号が間違っている」」のメッセージが表示されている。更に、エラー検出結果表示領域141には、ユーザが入力情報を修正するために、情報入力画面に戻る際に押下するボタン142と、入力情報を修正せずに確定する際に押下するボタン143が表示されている。図8に戻って説明する。
【0092】
ステップS73:端末装置6の操作受付部24は、ユーザによる入力情報の「予算番号」の項目の値を修正する操作を受け付ける。
【0093】
以上の処理により、情報処理システム1は、ワークフローにおいて、ユーザが入力した入力情報にエラー(誤り)があることを検出した場合、入力情報にエラーがある(可能性がある)ことを画面に表示して、ユーザによる入力情報の修正を受け付けることが可能である。これにより、情報処理システム1では、ユーザが誤った情報を入力することを防止することができる。
【0094】
<メンテナンス対象箇所の通知処理>
図13は、本発明の実施形態に係るメンテナンス対象箇所の通知処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本フローチャートでは、情報処理システム1は、ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する時間に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報においてメンテナンスする対象箇所を管理者に通知する。以下、図13の各ステップの処理について説明する。
【0095】
ステップS80:端末装置6の操作受付部24は、ワークフローにおいて、ユーザによる情報を入力する操作を受け付ける。操作受付部24は、例えば、図9の情報入力画面130において、入力情報132の入力を開始する際にボタン133を押下する操作、入力情報132を入力する操作、及び入力情報132の入力を終了する際にボタン133を押下する操作を受け付ける。
【0096】
ステップS81:端末装置6の通信部22は、操作受付部24が受け付けたユーザによる入力操作に関する情報を情報処理装置5の通信部19に送信する。
【0097】
ステップS82:情報処理装置5の計測部16は、ユーザが入力情報の入力を開始した時刻と終了した時刻に基づいて、ユーザが、各項目の入力情報132(例えば「業務用PCの購入」)を入力するのに要した時間(入力時間とよぶ)を計測する。計測部16は、例えば、入力情報132の入力を開始する際にボタン133を押下した情報を受信した時刻から、入力情報132の入力を終了する際にボタン133を押下した情報を受信した時刻までの時間を、入力時間として計測する。或いは、端末装置6から情報処理装置5に送信されるユーザによる入力操作に関する情報に、ユーザが入力情報132の入力を開始した時刻と終了した時刻が含まれており、計測部16は、これらの時刻に基づいて、入力時間を計測してもよい。また、記憶部20は、ユーザが入力情報の入力を開始した時刻と終了した時刻、又は計測部16が計測した入力時間を履歴情報103の一部として記憶してもよい。
【0098】
ステップS80からステップS82の処理は、入力情報132の項目ごとに繰り返して実行される。
【0099】
ステップS83:情報処理装置5の推定部17は、ステップS82で情報処理装置5の計測部16が計測した、ユーザが各項目の情報を入力するのに要した時間(入力時間)に基づいて、ワークフローのマニュアルを修正すべき修正箇所(メンテナンス対象箇所)を推定する。推定部17は、例えば、入力時間の平均値が最も大きい項目をメンテナンス対象箇所と推定する。或いは、推定部17は、他の項目における入力時間の平均値に対して、入力時間の平均値が異常に大きい項目をメンテナンス対象箇所と推定してもよい。ここで、入力時間の平均値が異常に大きいことは、例えば、スミルノフ=グラブス検定等の外れ値を検出する手法を用いて検出する。或いは、推定部17は、入力時間の平均値が、予め管理者が各項目に対して設定した想定入力時間を超えた項目をメンテナンス対象個所と推定してもよい。
【0100】
ステップS84:情報処理装置5の通知部18は、ステップS83で推定部17が推定したワークフローのマニュアルを修正すべき修正箇所(メンテナンス対象箇所)を管理者に通知する。通知の実行は、例えば、予め定められた日時(例えば、1カ月ごと)に行うようにしてもよい。通知部18は、例えば、管理者のメールアドレスにメンテナンス対象箇所を記載したメールを送信する。或いは、通知部18は、マニュアルをメンテナンスする画面に、メンテナンス対象箇所を表示させることで、管理者への通知を実行してもよい。図14は、本発明の実施形態に係るメンテナンス対象箇所の通知画面の一例を示す図である。図14の通知画面150には、「下記の入力項目は、ユーザによる入力時間が長い傾向にあり、マニュアルをメンテナンスすることをお勧めします。」のメッセージと、メンテナンス対象箇所である「予算番号」と「承認者」の項目が表示されている。
【0101】
以上の処理により、情報処理システム1は、ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する時間に基づいて、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報においてメンテナンスする対象箇所を管理者に通知することが可能である。これにより、情報処理システム1は、ユーザに提示されるワークフローにおける作業に関するマニュアル等の参照情報を管理者にメンテナンスさせることができる。
【0102】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、図3の機能ブロックの構成図の一例は、情報処理システム1及び情報処理装置5による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。情報処理システム1及び情報処理装置5における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0103】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0104】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム1及び情報処理装置5は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0105】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>ワークフローにおいて、ユーザが情報を入力する作業に関する作業履歴を取得する取得部と、前記作業履歴に基づいて、前記作業の失敗に関するエラー情報を抽出する抽出部と、前記エラー情報に基づいて、発生頻度が高い前記失敗の原因に対応する文字列を決定する解析部と、前記解析部が決定した前記文字列を、前記作業に関して前記ユーザに提示される参照情報に追加する更新部と、を有する情報処理装置である。
<2>前記参照情報は、前記作業に関するマニュアル又はヘルプガイダンスである、前記<1>に記載の情報処理装置である。
<3>前記解析部は、前記エラー情報に含まれる固有表現が、前記参照情報に含まれないように前記文字列を決定し、前記更新部は、前記固有表現が含まれないように前記参照情報を更新する、前記<1>又は前記<2>に記載の情報処理装置である。
<4>前記ユーザが入力する情報にエラーが含まれるか否かを検出する検出部と、前記検出部が前記エラーを検出した際に、前記エラーに関する情報を前記ユーザが操作する端末装置の画面に表示するための画面情報を生成する生成部と、を更に有する、前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の情報処理装置である。
<5>前記ユーザが情報を入力する時間に基づいて、前記参照情報において修正が必要な修正箇所を推定する推定部と、前記参照情報をメンテナンスする管理者に、前記修正箇所を通知する通知部と、を更に有する、前記<1>乃至前記<4>のいずれかに記載の情報処理装置である。
【符号の説明】
【0106】
1 情報処理システム
2 通信ネットワーク
5 情報処理装置
6 端末装置
10 取得部
11 抽出部
12 解析部
13 更新部
14 検出部
15 生成部
16 計測部
17 推定部
18 通知部
19 通信部
20 記憶部
22 通信部
23 表示制御部
24 操作受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2002-230248号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14