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特開2024-110919金属含有フォトレジスト用現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110919
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】金属含有フォトレジスト用現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/32 20060101AFI20240808BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240808BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G03F7/32
G03F7/004
G03F7/004 531
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197264
(22)【出願日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】10-2023-0015050
(32)【優先日】2023-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 景 鈴
(72)【発明者】
【氏名】文 炯 朗
(72)【発明者】
【氏名】許 倫 ▲びん▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 澤 秀
(72)【発明者】
【氏名】成 太 根
(72)【発明者】
【氏名】李 忠 憲
(72)【発明者】
【氏名】黄 丙 奎
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲びん▼ 秀
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
2H225
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA13
2H196GA03
2H196GA05
2H196GA06
2H197CA05
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197GA01
2H197HA03
2H197JA22
2H225AB03
2H225AM61P
2H225AN11P
2H225CA12
2H225CB08
2H225CC01
2H225CD05
(57)【要約】
【課題】金属含有フォトレジスト用現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法を提供する。
【解決手段】有機溶媒、第1酸解離定数pKa1が1.0≦pKa1≦4.8の範囲である酸化合物、ならびに非環式炭化水素から誘導されるジオール化合物および環状アルコール化合物の少なくとも一方であるアルコール系化合物を含む、金属含有フォトレジスト用現像液組成物。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶媒、
第1酸解離定数pKa1が、1.0≦pKa1≦4.8の範囲である酸化合物、ならびに
非環式炭化水素から誘導されるジオール化合物および環状アルコール化合物の少なくとも一方であるアルコール系化合物
を含む、金属含有フォトレジスト用現像液組成物。
【請求項2】
前記酸化合物の第1酸解離定数pKa1は、1.0≦pKa1≦4.5の範囲である、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物。
【請求項3】
前記酸化合物は、リン酸、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、ペニルホスフィン酸、P-(3-アミノプロピル)-P-ブチルホスフィン酸、クロロ酢酸、ギ酸、および酢酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物。
【請求項4】
前記非環式炭化水素から誘導されるジオール化合物は、下記化学式1または化学式2で表される化合物である、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物:
【化1】

前記化学式1および化学式2中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
nおよびmは、それぞれ独立して、2以上の整数である。
【請求項5】
前記環状アルコール化合物は、下記化学式3または化学式4で表される化合物である、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物:
【化2】

前記化学式3および化学式4中、
~R13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
この際、R~R13のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシ基である。
【請求項6】
前記金属含有フォトレジスト用現像液組成物は、前記金属含有フォトレジスト用現像液組成物の全質量に対して、前記酸化合物および前記アルコール系化合物の合計質量で0.05~10質量%と、
残部量の前記有機溶媒と、を含む、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物。
【請求項7】
前記酸化合物および前記アルコール系化合物は、1:0.5~1:200の質量比で含まれる、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物。
【請求項8】
前記金属含有フォトレジストは、有機スズヨウ素基、有機スズ有機オキシ基、有機スズカルボキシ基、および有機スズヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種を含む金属化合物を含む、請求項1に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物。
【請求項9】
前記金属化合物は、下記化学式5で表される化合物またはその縮合物である、請求項8に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物:
【化3】

前記化学式5中、
14は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、および-R-O-R(ここで、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)の中から選択され、
15~R17は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、-OR、および-OC(=O)Rの中から選択され、かつR15~R17のうちの少なくとも1つは、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項10】
基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する工程;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理工程;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する工程;ならびに
請求項1~9のいずれか1項に記載の金属含有フォトレジスト用現像液組成物を用いて現像する工程;
を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有フォトレジスト用現像液組成物、およびこれを用いた現像工程を含むパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業では臨界寸法の継続的な縮小が伴われ、このような寸法縮小により、ますます小さなフィーチャー(feature)の加工およびパターニングの要求を満足させるための新たな類型の高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が要求されている。
【0003】
伝統的な化学増幅型(chemically amplified、CA)フォトレジストは、高い感度のために設計されたが、それらの典型的な元素構成(主に、より少ない量(smaller quantities)のO(酸素)、F(フッ素)、S(硫黄)を有する、C(炭素))が13.5nmの波長でフォトレジストの吸光度を低下させる。その結果、感度が低下することにより、部分的にはEUV露光下でさらに困ることがある。CAフォトレジストはまた、小さなフィーチャー大きさで粗さ(roughness)イシューによって困ることがあり、部分的に酸触媒工程の本質に起因して、光速度が減少することによってLERが増加することが実験的に示された。CAフォトレジストの欠点および問題に起因して、半導体産業では新たな類型の高性能フォトレジストに対する要求がある。
【0004】
特に、フォトリソグラフィ工程で優れたエッチング耐性および解像力を維持すると同時に、感度および限界寸法の均一性を向上させることができ、LER(line edge roughness、ラインエッジ粗さ)特性を改善することができるフォトレジストの開発が必要であるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-195517号公報
【特許文献2】特許第3417432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、優れたコントラスト特性、優れた感度、およびラインエッジ粗さの低減を実現することができる金属含有フォトレジスト用現像液組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記金属含有フォトレジスト用現像液組成物を用いた現像工程を含むパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト用現像液組成物は、有機溶媒、第1酸解離定数pKa1が、1.0≦pKa1≦4.8の範囲である酸化合物、ならびに非環式炭化水素から誘導されるジオール化合物および環状アルコール化合物の少なくとも一方のアルコール系化合物を含む。
【0009】
上記酸化合物のpKa1は、1.0≦pKa1≦4.5であってもよい。
【0010】
上記酸化合物は、リン酸、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、ペニルホスフィン酸、P-(3-アミノプロピル)-P-ブチルホスフィン酸、クロロ酢酸、ギ酸、および酢酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0011】
上記非環式炭化水素から誘導されるジオール化合物は、下記化学式1または化学式2で表される化合物であり得る。
【0012】
【化1】
【0013】
上記化学式1および化学式2中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
nおよびmは、それぞれ独立して、2以上の整数である。
【0014】
上記環状アルコール化合物は、下記化学式3または化学式4で表される化合物であり得る。
【0015】
【化2】
【0016】
上記化学式3および化学式4中、
~R13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
この際、R~R13のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシ基である。
【0017】
上記金属含有フォトレジスト用現像液組成物は、金属含有フォトレジスト用現像液組成物の全質量に対して、上記酸化合物および上記アルコール系化合物の合計質量で0.05~10質量%と、残部量の上記有機溶媒と、を含むことができる。
【0018】
上記酸化合物および上記アルコール系化合物は、1:0.5~1:200の質量比で含まれてもよい。
【0019】
上記金属含有フォトレジストは、有機スズヨウ素基、有機スズ有機オキシ基、有機スズカルボキシ基、および有機スズヒドロキシ基の少なくとも一方を含む金属化合物を含むことができる。
【0020】
上記金属化合物は、下記化学式5で表される化合物またはその縮合物であり得る。
【0021】
【化3】
【0022】
上記化学式5中、
14は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
15~R17は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、-OR、および-OC(=O)Rの中から選択され、かつR15~R17のうちの少なくとも1つは、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0023】
およびRは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基であってもよい。
【0024】
本発明の他の実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する工程、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理工程、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する工程、ならびに上述の金属含有フォトレジスト用現像液組成物を用いて現像する工程、を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、優れたコントラスト特性、優れた感度、およびラインエッジ粗さの低減を実現することができる金属含有フォトレジスト用現像液組成物が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】パターン形成方法を工程順に示した断面概略図である。
図2】パターン形成方法を工程順に示した断面概略図である。
図3】パターン形成方法を工程順に示した断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明を説明するのにおいて、既に公知された機能あるいは構成に関する説明は、本発明の要旨を明瞭にするために省略することにする。
【0028】
本発明を明確に説明するために、説明上不必要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
【0029】
図面において様々な層および領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。そして図面において説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという場合、これは他の部分「の直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0030】
本明細書において、「置換」とは、水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~40のシリル基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはシアノ基で置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されずに水素原子として残っていることを意味する。
【0031】
本明細書において、「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状、分枝鎖状、または環状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であってもよい。
【0032】
上記アルキル基は、炭素数1~20のアルキル基であってもよい。より具体的に、前記アルキル基は炭素数1~10のアルキル基または炭素数1~6のアルキル基であってもよい。例えば、炭素数1~4のアルキル基はアルキル鎖に1~4個の炭素原子が含まれることを意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、およびtert-ブチル基からなる群より選択される基であることを意味する。
【0033】
上記アルキル基は、具体的な例を挙げれば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを意味する。
【0034】
本明細書において、「シクロアルキル基」とは、別途の定義がない限り、1価の脂環式炭化水素基を意味する。
【0035】
本明細書において、「アルケニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の二重結合を含む脂肪族不飽和アルケニル基を意味する。
【0036】
本明細書において、「アルキニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の三重結合を含む脂肪族不飽和アルキニル基を意味する。
【0037】
本明細書において、「アリール基」は、環状の置換基の全ての元素がp-軌道を有しており、これらp-軌道が共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、単環または縮合多環(即ち、炭素原子の隣接した対を共有する環)官能基を含む。
【0038】
以下、本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト用現像液組成物を説明する。
【0039】
本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト用現像液組成物は、有機溶媒、第1酸解離定数pKa1が1.0≦pKa1≦4.8の範囲である酸化合物、ならびに非環状炭化水素から誘導されるジオール化合物および環状アルコール化合物の少なくとも一方であるアルコール系化合物を含む。
【0040】
上記酸化合物のpKa1は、1.0≦pKa1≦4.5の範囲であってもよい。
【0041】
上記酸化合物は、リン酸、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、ペニルホスフィン酸、P-(3-アミノプロピル)-P-ブチルホスフィン酸、クロロ酢酸、ギ酸、および酢酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0042】
一例として、上記酸化合物は、リン酸、ホスホン酸、メチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、クロロ酢酸、ギ酸、および酢酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0043】
上記非環状炭化水素から誘導されるジオール化合物は、飽和炭化水素または不飽和炭化水素から誘導されるジオール化合物であってもよく、例えば、下記化学式1または化学式2で表される化合物であり得る。
【0044】
【化4】
【0045】
上記化学式1および化学式2中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
nおよびmは、それぞれ独立して、2以上の整数である。
【0046】
一例として、上記非環状炭化水素から誘導されるジオール化合物は、1,2-エタンジオール、プロピレングリコール、2-ブテン-2,3-ジオール、2-ヘキセン-2,3-ジオール、および1,2-ブタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0047】
上記環状アルコール化合物は、下記化学式3または化学式4で表される化合物であり得る。
【0048】
【化5】
【0049】
上記化学式3および化学式4中、
~R13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
この際、R~R13のうちの少なくとも1つはヒドロキシ基である。
【0050】
一例として、上記化学式3中のR~Rのうちの少なくとも1つは、ヒドロキシ基であってもよい。
【0051】
具体的な一例として、前記環状アルコール化合物は、下記グループ1に列記された化合物のうちの少なくとも1種であり得る。
【0052】
【化6】
【0053】
上記グループ1中、
~R13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である。
【0054】
例えば、上記環状アルコール化合物は、下記グループ2に列記されたピロカテコール化合物、およびトロポロンからなる群より選択される少なくとも1種であり得る。
【0055】
【化7】
【0056】
上記金属含有フォトレジスト用現像液組成物は、金属含有フォトレジスト用現像液組成物の全質量に対して上記酸化合物および上記アルコール系化合物の合計質量で0.05~10質量%と、残部量の上記有機溶媒と、を含むことができる。
【0057】
上記酸化合物および上記アルコール系化合物は、1:0.5~1:200の質量比で含まれてもよい。
【0058】
一例として、上記酸化合物および上記アルコール系化合物は、1:1~1:200の質量比で含まれてもよく、例えば1:1~1:100の質量比で含まれてもよい。
【0059】
上記の含有量の範囲内であれば、上記酸化合物の含有量は1質量%未満であってもよく、具体的には0.9質量%以下であってもよく、さらに具体的には0.8質量%以下であってもよい。
【0060】
上記の含有量の範囲内であれば、上記アルコール系化合物の含有量は10質量%未満であってもよく、具体的には9質量%以下であってもよく、さらに具体的には8質量%以下、または7質量%以下であってもよく、例えば5質量%以下であってもよい。
【0061】
これを含む金属含有フォトレジスト用現像液組成物を適用することによって、露光工程後に金属含有フォトレジスト膜に存在するディフェクトを最少化し、容易に現像されるようにすることによって、優れたパターン特性を実現することができるようにする。
【0062】
それだけでなく、本発明によれば、優れた感度および減少したラインエッジ粗さ(LER)も実現できる。
【0063】
一方、本発明に係る酸化合物を添加することによって、ラインエッジ粗さ、パターン形成性を改善することができる。上記酸化合物の分子の大きさによってパターン形成性の低下が発生することがあるが、本発明によるアルコール系化合物を共に添加することによって、これを補完することができるようになるので、パターン形成性において顕著に改善された効果が得られる。
【0064】
なお、本明細書において、第1酸解離定数pKa1は、25℃で測定された値である。酸化合物のカタログや技術資料に記載された値を採用してもよい。
【0065】
本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト用現像液組成物に含まれる有機溶媒の例として、エーテル、アルコール、グリコールエーテル、芳香族炭化水素化合物、ケトン、およびエステルからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、上記有機溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、4-メチル-2-ペンタノール(または、methyl isobutyl carbinol(MIBC)と記載できる)、ヘキサノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート、メトキシベンゼン、酢酸n-ブチル、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネート、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
その他の添加剤を含む場合、上記有機溶媒は、含まれる構成を除いた残部量で含まれてもよい。
【0067】
上記金属含有フォトレジスト用現像液組成物の現像の対象となる金属含有フォトレジストは、有機スズヨウ素基、有機スズ有機オキシ基、有機スズカルボキシ基、および有機スズヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種を含む金属化合物を含むことができる。
【0068】
一例として、上記金属化合物は、下記化学式5で表される化合物またはその縮合物であり得る。
【0069】
【化8】
【0070】
上記化学式5中、
14は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、および-R-O-R(ここで、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)の中から選択され、
15~R17は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、-OR、および-OC(=O)Rの中から選択され、かつR15~R17のうちの少なくとも1つは、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0071】
一例として、上記金属化合物は、アルキルスズヨウ素基、アルキルスズアルコキシ基、アルキルスズカルボキシ基、およびアルキルスズヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0072】
例えば、上記RおよびRは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基であってもよい。
【0073】
なお、上記金属化合物は、オリゴマーや高分子の形態であってもよい。
【0074】
一方、本発明の他の一実施形態によれば、上述の金属含有フォトレジスト用現像液組成物を用いた現像工程を含むパターン形成方法を提供することができる。一例として、製造されたパターンは、ネガ型フォトレジストパターンであってもよい。
【0075】
本発明の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する工程、塗布された上記金属含有フォトレジスト組成物を乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理工程、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する工程、ならびに上述の金属含有フォトレジスト用現像液組成物を用いて現像する工程を含む。
【0076】
より具体的には、金属含有フォトレジスト組成物を使用してパターンを形成する工程は、金属含有フォトレジスト組成物を薄膜が形成された基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェット印刷などで塗布する工程および塗布された金属含有フォトレジスト組成物を乾燥してフォトレジスト膜を形成する工程を含むことができる。上記金属含有フォトレジスト組成物はスズ系化合物を含むことができ、例えば、上記スズ系化合物はアルキルスズヨウ素基、アルキルスズアルコキシ基、アルキルスズカルボキシ基、およびアルキルスズヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0077】
次いで、上記金属含有フォトレジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。第1熱処理工程は、80℃~120℃の温度で行うことができ、この過程で溶媒は蒸発し、金属含有フォトレジスト膜は基板にさらに堅固に接着し得る。
【0078】
そして、上記フォトレジスト膜を選択的に露光する。
【0079】
一例として、露光工程で使用できる光の例としては、i-線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長を有する光だけでなく、EUV(極端紫外線、Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0080】
より具体的に、本発明の一実施形態による露光用の光は、5nm~150nmの波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(極端紫外線、Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であってもよい。
【0081】
上記フォトレジストパターンを形成する工程において、ネガ型パターンを形成することができる。
【0082】
フォトレジスト膜中の露光された領域は、有機金属化合物間の縮合など架橋反応によって重合体を形成することにより、フォトレジスト膜の未露光の領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0083】
次いで、上記基板に第2熱処理工程を行う。第2熱処理工程は、90℃~200℃の温度で行うことができる。第2熱処理工程を行うことによって、フォトレジスト膜の露光された領域は現像液に溶解し難い状態となる。
【0084】
具体的に、上述の金属含有フォトレジスト用現像液組成物を使用して未露光の領域に該当するフォトレジスト膜を溶解させた除去することによって、ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターンが完成できる。
【0085】
上述のように、i-線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(極端紫外線、Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたフォトレジストパターンは、5nm~100nm厚さの幅を有することができる。一例として、フォトレジストパターンは、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅で形成できる。
【0086】
一方、フォトレジストパターンは、50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下のハーフピッチ、および10nm以下、5nm以下、3nm以下、2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0087】
下記に、パターンを形成する方法を、図面を例として挙げて具体的に説明する。
【0088】
図1図3は、パターン形成方法を説明するために工程順に示した断面概略図である。
【0089】
図1を参照すれば、露光されたフォトレジスト膜を現像して、フォトレジストパターン130Pを形成する。
【0090】
例示的な実施形態で、露光されたフォトレジスト膜を現像してフォトレジスト膜の未露光の領域を除去し、フォトレジスト膜の露光された領域からなるフォトレジストパターン130Pを形成することができる。フォトレジストパターン130Pは、複数の開口部OPを含むことができる。
【0091】
例示的な実施形態で、フォトレジスト膜の現像はNTD(negative-tone development)工程で行うことができる。この際、現像液組成物として本発明の一実施形態による金属含有フォトレジスト用現像液組成物を使用することができる。
【0092】
図2を参照すれば、図1の結果物であるフォトレジストパターン130Pを用いてフィーチャー層110を加工する。
【0093】
例えば、フィーチャー層110を加工するために、フォトレジストパターン130Pの開口部OPを通じて露出されるフィーチャー層110をエッチングする工程、フィーチャー層110に不純物イオンを注入する工程、開口部OPを通じてフィーチャー層110上に追加の膜を形成する工程、開口部OPを通じてフィーチャー層110の一部を変形させる工程など多様な工程を行うことができる。図2には、フィーチャー層110を加工する例示的な工程として、開口部OPを通じて露出されるフィーチャー層110をエッチングしてフィーチャーパターン110Pを形成する場合を例示した。
【0094】
図3を参照すれば、図2の結果物であるフィーチャーパターン110P上に残っているフォトレジストパターン130Pを除去する。フォトレジストパターン130Pを除去するために、アッシングおよびストリップ工程を用いることができる。
【実施例0095】
以下、前述の金属含有フォトレジスト用現像液組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、下記実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるものではない。
【0096】
(金属含有フォトレジスト用現像液組成物の製造)
PP製ボトルに、有機溶媒と添加剤とを、それぞれ下記表1の組成で混合した後、常温(25℃)で振って完全に溶解させた。その後、1μmポアサイズを有するPTFE材質のフィルターを通過させて、現像液組成物を得た。なお、下記表1のカッコ内の数値は、各成分の含有量(単位:質量%)を表す。
【0097】
【表1】
【0098】
(金属含有フォトレジスト組成物の製造)
下記化学式Cで表される構造単位を有する有機金属化合物を、4-メチル-2-ペンタノールに1質量%の濃度で溶かした後、0.1μm PTFEシリンジフィルターを用いてろ過して、金属含有フォトレジスト組成物を製造した。
【0099】
【化9】
【0100】
(金属含有フォトレジストパターンの製造)
8インチシリコンウェーハに、上記で製造した金属含有フォトレジスト組成物をコーティングし、180℃で60秒間ソフトベーキングを行った。コーティングされたウェーハを、ニコン株式会社製のKrFスキャナーを用いて、照射量を分けて露光した。露光されたウェーハを、実施例1~9および比較例1~4による現像液にそれぞれ30秒間浸漬させた後、同一の現像液で15秒間追加洗浄してネガティブトーンイメージを形成、即ち、未露光のコーティング部分を除去した。最終的に、240℃で60秒間、ホットプレート焼成を行って、工程を終結させ、フォトレジストパターンを製造した。
【0101】
(評価1:パターン上下部差測定)
上記で製造されたパターンに対して、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、イメージから確認された1:1パターンラインの上部と下部のサイズを測定して、上部パターンサイズを下部パターンサイズで除した値を「上下部差」と定義し、上下部差の数値をパーセントで表し、下記の基準により評価した。
【0102】
[上下部差]
○:70%超
×:70%以下。
【0103】
評価2:感度およびラインエッジ粗さ(LER)評価
上記で製造されたパターンに対して、測長SEM(CD-SEM)を用いて1:1パターンラインサイズを測定し、目標パターンサイズ値でのエネルギーを感度に設定した。この際、当該感度で線のラインエッジ粗さ(LER)を測定した後、下記基準によりラインエッジ粗さを、下記基準により2段階で評価して、下記表2に示した。
【0104】
[感度]
○:120mJ/cm以下
×:120mJ/cm
[ラインエッジ粗さ(LER)]
○:2.6nm以下
×:2.6nm超。
【0105】
【表2】
【0106】
表2を参照すれば、実施例1~実施例9による金属含有フォトレジスト用現像液組成物を適用する場合、比較例1~4による金属含有フォトレジスト用現像液組成物を適用する場合と比べて、優れたパターン特性、優れた感度、および減少したラインエッジ粗さを示すのを確認することができる。
【0107】
以上、本発明の特定の実施例が説明され図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せず多様に修正および変形できることは、この技術の分野における通常の知識を有する者に自明なことである。したがって、そのような修正例または変形例は本発明の技術的思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。
【符号の説明】
【0108】
100 基板、
OP 開口部、
110 フィーチャー層、
110P フィーチャーパターン、
130P フォトレジストパターン。
図1
図2
図3