(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111002
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ターゲット材料送達システムの寿命を延長する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240808BHJP
H05G 2/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H05G2/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024092721
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2021518177の分割
【原出願日】2019-10-25
(31)【優先権主張番号】62/752,116
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ローリンガー,ボブ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーシシェンコ,ゲオルギー オレゴヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】ラジャグル,チラグ
(72)【発明者】
【氏名】エルショフ,アレクサンダー イーゴレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ルーケンズ,ジョシュア マーク
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム,マシュー チーラン
(57)【要約】
【課題】システムの可用性を向上させる
【解決手段】開示されるのは、液滴ジェネレータのノズルのオリフィス320のターゲット材料を通って流れる電流が、この電流に対して、代替の、より低いインピーダンス経路を設けることによって、及び/又は液滴ジェネレータに印加される駆動信号の高周波成分を制限することによって制御される、EUV放射を生成するシステムである。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、
を含み、
前記電気駆動可能素子との電気接続が、前記オリフィスの前記ターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように配置される、装置。
【請求項2】
前記電気駆動可能素子との前記電気接続が、前記オリフィスの前記ターゲット材料を通過しない、前記電気駆動可能素子と接地との間の低インピーダンス経路を設けるように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
キャビティを規定する前記構造が、円筒チューブを含み、前記電気駆動可能素子が、前記円筒チューブの周りに配置され、且つ低インピーダンス経路によって接地に接続された内面を有する円筒圧電素子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記内面が、前記オリフィスに最も近い、前記電気駆動可能素子の部分で接地に接続される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ターゲット材料ディスペンサが、キャビティを規定する前記構造の少なくとも一部の周りに導電コーティングをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記導電コーティングが、約1E-06Ωm未満の抵抗率を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記導電コーティングが、前記オリフィスを含む、規定する前記構造のエリアに限定される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記電気駆動可能素子が、導電コーティングを持たない前記キャビティの第1の軸方向部分の周りに配置される、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記導電コーティングが、低インピーダンス経路によって接地に接続される、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記導電コーティング上に絶縁コーティングをさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記駆動信号発生器が、前記電気駆動可能素子で直接終端されるRF同軸ケーブルによって、前記電気駆動可能素子に電気的に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号の最高周波数成分が、約3.5MHz~約7MHzの範囲内の値に限定される、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項13】
前記電気駆動可能素子との電気接続が、前記オリフィスの前記ターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項15】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号の最大電圧が、前記オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項16】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項17】
前記バイアスが負である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記バイアスが正である、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記駆動波形が、正の極性を持つパルスから構成される場合は、前記バイアスが負であり、前記駆動波形が、極性複数を持つパルスから構成される場合は、前記バイアスが正である、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、
を含み、
前記オリフィスの前記ターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように、前記電気駆動可能素子との電気接続が配置され、及び前記駆動信号のパラメータが選択される、装置。
【請求項21】
EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、前記ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために前記電気駆動可能素子に前記駆動信号を供給するステップであって、前記駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、ステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、前記ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために前記電気駆動可能素子に前記駆動信号を供給するステップであって、前記駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、ステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、前記ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために前記電気駆動可能素子に前記駆動信号を供給するステップであって、前記駆動信号の最大電圧が、前記オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、ステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年10月29日に出願され、本明細書において、全体として参照により援用される、米国特許出願第62/752,116号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002] 本開示は、容器内のターゲット材料の放電又はレーザアブレーションによって生じたプラズマから、極端紫外線(「EUV」)放射を生成する装置及び方法に関する。このような用途では、例えば、半導体フォトリソグラフィ及び検査で使用するための放射の収集及び誘導を行うために、光学素子が使用される。
【背景技術】
【0003】
[0003] 極端紫外線放射、例えば、約50nm以下の波長を有し(軟x線と呼ばれることもある)、約13.5nmの波長の放射を含む電磁放射は、シリコンウェーハなどの基板において、非常に小さなフィーチャを生成するために、フォトリソグラフィプロセスで使用され得る。
【0004】
[0004] EUV放射を生成する方法は、ターゲット材料をプラズマ状態に変換することを含む。ターゲット材料は、好ましくは、電磁スペクトルのEUV部分に1つ又は複数の輝線を有する、少なくとも1つの元素、例えば、キセノン、リチウム、又はスズを含む。ターゲット材料は、固体、液体、又は気体でもよい。ある技術は、ターゲット材料の液滴の流れを生じさせ、液滴の少なくとも一部に1つ又は複数のレーザ放射パルスを照射することを伴う。このような放射源は、少なくとも1つのEUV放出元素を有するターゲット材料にレーザエネルギーを結合させ、数10eVの電子温度を有する高イオン化プラズマを生じさせることによって、EUV放射を生成する。
【0005】
[0005] 液滴を生じさせる技術の1つは、スズなどのターゲット材料を溶かした後に、高圧下で、それを強制的に比較的小さな直径のオリフィス(約0.5μm~約30μmの直径を有するオリフィスなど)に通すことによって、約30m/s~約150m/sの範囲内の液滴速度を有する液滴の流れを生じさせることを伴う。ほとんどの条件下で、レイリーの分裂と呼ばれるプロセスにおいて、オリフィスから出る流れの不安定性によって、流れが液滴に分裂させられる。これらの液滴は、可変速度を有することがあり、互いに結合して、より大きな液滴へと合体することがある。
【0006】
[0006] ここで考察しているEUV生成プロセスでは、分裂/合体プロセスを制御することが望ましい。例えば、液滴をドライブレーザの光パルスと同期させるために、ランダムノイズの振幅を上回る振幅を有する反復的擾乱が、連続した流れに加えられることがある。パルスレーザの繰り返し率と同じ周波数で(又はより高い調波で)擾乱を加えることによって、液滴をレーザパルスと同期させることができる。例えば、電気駆動可能素子(圧電材料など)を流れに結合させ、周期波形で電気駆動可能素子を駆動することによって、擾乱を流れに加えることができる。ある実施形態では、電気駆動可能素子は、(ナノメートルオーダーで)直径が伸縮する。この寸法変化は、対応する直径の収縮及び伸張を経験するチューブ又は毛細管などのキャビティを規定する構造に機械的に結合される。キャビティ内のターゲット材料(例えば、溶融スズ)柱も、直径が伸縮し(及び長さが伸縮し)、それによって、ノズル出口における流れの速度摂動が誘起される。
【0007】
[0007] 本明細書において、「電気駆動可能素子」という用語及びその派生語は、電圧、電場、磁場、又はこれらの組み合わせを受けたときに寸法変化を経験する材料又は構造を意味し、圧電材料、電歪材料、及び磁歪材料を含むが、これらに限定されない。電気駆動可能素子を使用することによって液滴の流れを制御する装置及び方法は、例えば、“Laser Produced Plasma EUV Light Source Having a Droplet Stream Produced Using a Modulated Disturbance Wave”という名称で、2009年1月15日に公開された米国特許出願公開第2009/0014668A1号、及び“Droplet Generator with Actuator Induced Nozzle Cleaning”という名称で、2013年8月20日に発行された米国特許第8,513,629号に開示されており、これらは共に、本明細書において、参照により全体として援用される。
【0008】
[0008] このように、液滴ジェネレータのタスクは、適切な大きさの液滴を、それらがEUVの生成に使用される一次焦点に配置することである。液滴は、特定の空間的及び時間的安定性基準内で、すなわち、許容可能限度内で再現可能な位置及びタイミングを有して、一次焦点に到達しなければならない。また、液滴は、所与の周波数及び速度で到達しなければならない。さらに、液滴は、完全に合体されなければならず、これは、液滴が(均一のサイズの)単分散で、所与の駆動周波数で到達しなければならないことを意味する。例えば、液滴の流れは、オンアクシス「サテライト」滴、すなわち、主要な液滴へと合体し損ねたターゲット材料のより小さな液滴が存在しない状態であるべきである。これらの基準を満たすことは、液滴ジェネレータの性能が経時的に変化するという事実によって複雑化する。例えば、液滴ジェネレータの性能が変化する場合、液滴ジェネレータは、一次焦点に到達する時までに完全に合体していない液滴を生成し得る。最終的には、液滴ジェネレータの性能は、液滴ジェネレータが、メンテナンス又は交換のためにオフラインにされなければならないレベルにまで劣化する。
【0009】
[0009] このような液滴ジェネレータの別の故障モードは、液滴の流れ角の漸進的ドリフトである。このようなドリフトにより、EUV放射源の動作の不安定性が生じ、場合によっては、角度が大きくなりすぎて、液滴が液滴ジェネレータの出口開口にぶつかり始めると、液滴の損失がもたらされる。このようなドリフトは、一方向のドリフトとなる可能性が高く、システムを動かしている液滴ジェネレータが、液滴位置を補正する範囲を使い切るまで、又は液滴が出口開口にぶつかるまで、大きくなり得る。この液滴の損失は、液滴ジェネレータの交換につながり、全体的なシステムの可用性に影響を与える。
【0010】
[0010] したがって、システムの可用性を向上させるために、このような液滴ジェネレータの寿命を延長する必要性がある。
【発明の概要】
【0011】
[0011] 以下は、1つ又は複数の実施形態の基本的理解を提供するために、それらの実施形態の概要を提示する。この概要は、全ての企図される実施形態の広範囲に及ぶ概説ではなく、また、全ての実施形態の主要素又は極めて重要な要素を特定することを意図したものでもなく、何れかの実施形態、又は全ての実施形態の範囲に制限を設けることを意図したものでもない。その唯一の目的は、後に提示される、より詳細な説明の前置きとして、簡略化した形で、1つ又は複数の実施形態のいくつかの概念を提示することである。
【0012】
[0012] 開示されるのは、液滴ジェネレータのノズルのオリフィスのターゲット材料を通って流れる電流が、この電流に対して、代替の、より低いインピーダンス経路を設けることによって、及び/又は液滴ジェネレータに印加される駆動信号の高周波成分を制限することによって制御される、EUV放射を生成するシステムである。
【0013】
[0013] ある実施形態の一態様によれば、ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、を含み、電気駆動可能素子との電気接続が、オリフィスのターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように配置される、EUV放射を生成する装置が開示される。電気駆動可能素子との電気接続は、オリフィスのターゲット材料を通過しない、電気駆動可能素子と接地との間の低インピーダンス経路を設けるように配置されてもよい。キャビティを規定する構造は、円筒チューブを含んでもよく、電気駆動可能素子は、円筒チューブの周りに配置され、且つ低インピーダンス経路によって接地に接続された内面を有する円筒圧電素子を含む。ターゲット材料ディスペンサは、キャビティを規定する構造の少なくとも一部の周りに導電コーティングをさらに含んでもよい。導電コーティングは、約1E-06Ωm未満の抵抗率を有してもよい。導電コーティングは、オリフィスを含む、規定する構造のエリアに限定されてもよい。電気駆動可能素子は、導電コーティングを持たないキャビティの第1の軸方向部分の周りに配置されてもよい。導電コーティングは、低インピーダンス経路によって接地に接続されてもよい。装置は、導電コーティングの上に絶縁コーティングをさらに含んでもよい。駆動信号発生器は、電気駆動可能素子で直接終端されるRF同軸ケーブルによって、電気駆動可能素子に電気的に結合されてもよい。
【0014】
[0014] ある実施形態の別の態様によれば、ターゲット材料ディスペンサターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号の最高周波数成分が、約3.5MHz~約7MHzの範囲内の値に限定される、駆動信号発生器と、を含む、EUV放射を生成する装置が開示される。
【0015】
[0015] ある実施形態の別の態様によれば、ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、駆動信号発生器と、を含む、EUV放射を生成する装置が開示される。
【0016】
[0016] ある実施形態の別の態様によれば、ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号の最大電圧が、オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、駆動信号発生器と、を含む、EUV放射を生成する装置が開示される。
【0017】
[0017] ある実施形態の別の態様によれば、ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、駆動信号発生器と、を含む、EUV放射を生成する装置が開示される。バイアスは、負でもよい。バイアスは、正でもよい。駆動波形が、正の複数を持つパルスから構成される場合は、バイアスは負でよく、駆動波形が、負の複数を持つパルスから構成される場合は、バイアスは正でよい。
【0018】
[0018] ある実施形態の別の態様によれば、ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、を生成する装置であって、駆動信号の最高周波数成分が、約3.5MHz~約7MHzの範囲内の値に限定され、電気駆動可能素子との電気接続が、オリフィスのターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように配置される、装置が開示される。
【0019】
[0019] ある実施形態の別の態様によれば、ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、を含み、オリフィスのターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように、電気駆動可能素子との電気接続が配置され、及び駆動信号のパラメータが選択される、EUV放射を生成する装置が開示される。
【0020】
[0020] ある実施形態の別の態様によれば、EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、駆動信号を供給するために電気駆動可能素子に駆動信号を供給するステップであって、駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、ステップと、を含む方法が開示される。
【0021】
[0021] ある実施形態の別の態様によれば、EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、駆動信号を供給するために電気駆動可能素子に駆動信号を供給するステップであって、駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、ステップと、を含む方法が開示される。
【0022】
[0022] ある実施形態の別の態様によれば、EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、駆動信号を供給するために電気駆動可能素子に駆動信号を供給するステップであって、駆動信号の最大電圧が、オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、ステップと、を含む方法が開示される。
【0023】
[0023] 添付の図面を参照して、本発明のさらなる実施形態、特徴、及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作を以下に詳細に説明する。
【0024】
[0024] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、限定としてではなく、例として、本発明の実施形態の方法及びシステムを図示する。詳細な説明と共に、これらの図面はさらに、本明細書に提示される方法及びシステムの原理を説明し、当業者が、それらの方法及びシステムを製造及び使用することを可能にすることに役立つ。図面では、同様の参照符号が同一又は機能的に類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[0025]本発明の一態様によるレーザ生成プラズマEUV放射源システムの全体的な広い概念のノンスケール概略図である。
【
図2】[0026]
図1のシステムの一部のノンスケール概略図である。
【
図3A】[0027]一実施形態のある態様による、液滴ジェネレータノズルアセンブリの図である。
【
図3B】[0028]一実施形態の別の態様による、液滴ジェネレータノズルアセンブリの図である。
【
図4A】[0029]本発明の一態様による、液滴ジェネレータノズルアセンブリの圧電素子の励起波形を示す。
【
図4B】[0029]本発明の一態様による、圧電素子において、結果として生じる電流を示す。
【
図4C】[0029]本発明の一態様による、液滴ジェネレータノズルアセンブリのオリフィスを通る、結果として生じるシミュレーション電流を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0030] 添付の図面を参照して、本発明のさらなる特徴及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載される具体的な実施形態に限定されないことに留意されたい。これらの実施形態は、本明細書では、単なる説明目的で提示されるものである。さらなる実施形態が、本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者には明らかとなるだろう。
【0027】
[0031] これより、図面を参照して様々な実施形態を説明する(これらの図面では、全体を通して、同様の参照符号を用いて、同様の要素を指す)。以下の記載では、説明を目的として、1つ又は複数の実施形態の十分な理解を促進するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、いくつかの例、又は全ての例において、下記の何れの実施形態も、下記の具体的な設計詳細を採用せずに実施可能であることが明白となり得る。他の例では、1つ又は複数の実施形態の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形で示される。
【0028】
[0032] しかし、このような実施形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施形態が実施され得る例示的な環境を提示することが有益である。以下に続く明細書及び特許請求の範囲において、「上へ」、「下へ」、「最上部」、「底部」、「垂直な」、「水平な」などの用語が使用されることがある。これらの用語は、重力に対する配向ではなく、相対的な配向のみを示すことが意図される。
【0029】
[0033] 最初に
図1を参照して、例示的なEUV放射源、例えば、本発明の一実施形態の一態様によるレーザ生成プラズマEUV放射源20の概略図が示されている。図示の通り、EUV放射源20は、パルスレーザ源又は連続レーザ源22(例えば、放射ビーム12を生成するパルスガス放電CO
2レーザ源でもよい)を含み得る。パルスガス放電CO
2レーザ源は、高出力及び高パルス繰り返し率で動作するDC又はRF励起を有し得る。
【0030】
[0034] EUV放射源20は、液滴又は連続した液体流の形でターゲット材料を送達するターゲット送達システム24も含む。この例では、ターゲット材料は液体であるが、ターゲット材料が固体又は気体である場合もある。ターゲット材料は、他の材料の使用が可能であるが、スズ又はスズ化合物から構成され得る。図示したシステムでは、ターゲット材料送達システム24は、プラズマを生成するためにターゲット材料が照射され得る照射領域28へと、ターゲット材料の液滴14を真空チャンバ26の内部に導入する。場合によっては、ターゲット材料が照射領域28に向けて、又は照射領域28から離れるように誘導されることを可能にするために、電荷がターゲット材料にかけられる。本明細書において、照射領域とは、ターゲット材料の照射が生じ得る領域であり、照射が実際に生じていない時でも照射領域であることに留意されたい。
【0031】
[0035] EUV放射源20は、EUV光源コントローラシステム60も含むことがあり、EUV光源コントローラシステム60は、レーザ発射制御システム65も含むことがある。EUV放射源20は、ターゲット液滴の絶対位置又は相対位置(例えば、照射領域28に対する)を示す出力を生成し、この出力をターゲット位置検出フィードバックシステム62に提供する1つ又は複数の液滴撮像装置70を含み得るターゲット位置検出システムなどの検出器も含み得る。
【0032】
[0036] ターゲット位置検出フィードバックシステム62は、液滴撮像装置70の出力を使用して、ターゲットの位置及び軌道を計算し、これらから、ターゲット誤差を計算することができる。ターゲット誤差は、液滴ごとに、又は平均して、又はその他の基準で計算することができる。次いで、ターゲット誤差は、光源コントローラ60への入力として提供され得る。それに応答して、光源コントローラ60は、レーザの位置、方向、又はタイミング補正信号などの制御信号を生成し得る。
【0033】
[0037]
図1に示されるように、ターゲット材料送達システム24は、ターゲット送達制御システム90を含み得る。ターゲット送達制御システム90は、信号(例えば、上記のターゲット誤差、又はシステムコントローラ60によって提供されたターゲット誤差から導出された、ある量)に応答して、照射領域28を通るターゲット液滴14の経路を調節するように動作可能である。これは、例えば、ターゲット送達機構92がターゲット液滴14を放出する点を再配置することによって達成され得る。液滴放出点は、例えば、ターゲット送達機構92を傾けることによって、又はターゲット送達機構92をシフトさせることによって、再配置され得る。ターゲット送達機構92は、チャンバ26内に延在し、好ましくは、ターゲット材料、及びターゲット送達機構92内のターゲット材料に圧力をかけるガス源が外的に供給される。
【0034】
[0038] 様々な液滴ディスペンサの構成及びそれらの相対的利点に関するさらなる詳細は、例えば、2011年1月18日に発行され、“Systems and Methods for Target Material Delivery in a Laser Produced Plasma EUV Light Source”という名称の米国特許第7,872,245号、2008年7月29日に発行された、“Method and Apparatus For EUV Plasma Source Target Delivery”という名称の米国特許第7,405,416号、及び2008年5月13日に発行された、“LPP EUV Plasma Source Material Target Delivery System”という名称の米国特許第7,372,056号に見つけることができ、これらの各特許の内容は、本明細書において、参照により全体として援用されるものである。
【0035】
[0039] 引き続き
図1を参照して、放射源20は、1つ又は複数の光学素子も含み得る。以下の説明では、コレクタ30が、このような光学素子の一例として使用されるが、その説明は、他の光学素子にも同様に当てはまる。コレクタ30は、例えば、熱誘起層間拡散を効果的に阻止するために、各境界面に堆積された追加の薄いバリア層(例えば、B
4C、ZrC、Si
3N
4、又はC)を備えたMLMとして実装される法線入射リフレクタでもよい。アルミニウム(Al)又はシリコン(Si)などの他の基板材料も使用することができる。コレクタ30は、レーザ放射12が通過して、照射領域28に到達することを可能にする中心開口を有した扁長楕円体の形でもよい。コレクタ30は、例えば、第1の焦点が照射領域28にあり、第2の焦点がいわゆる中間点40(中間焦点40とも呼ばれる)にある(中間点40では、EUV放射が、EUV放射源10から出力され、例えば、レチクル又はマスク54を用いた既知のやり方で、シリコンウェーハワークピース52を処理するために、例えば、上記放射を使用する集積回路リソグラフィスキャナ50に入力され得る)楕円体の形でもよい。次いで、シリコンウェーハワークピース52は、集積回路デバイスを得るために既知のやり方でさらに処理される。
【0036】
[0040]
図2は、液滴生成システムをより詳細に示す。ターゲット材料送達システム90は、チャンバ26内の照射場所/一次焦点28へと液滴を送達する。駆動信号発生器230は、液滴の流れに速度摂動を誘起させる液滴ジェネレータ90において、駆動波形を電気駆動可能素子に提供する。駆動波形は、単一の正弦波、異なる周波数を持つ、いくつかの正弦波の組み合わせ、又は正弦波及び脈波の組み合わせを含み得る。駆動波形のパラメータを慎重に選択することによって、EUV光源の通常動作に必要とされる液滴生成システムから5~20cmの一般的な距離で、40~100kHzの周波数で、液滴の形成を生じさせる溶融スズジェットに速度摂動を与えることができる。駆動信号発生器230は、コントローラ250の制御下で、少なくとも部分的にデータ処理モジュール252からのデータに基づいて、動作する。データ処理モジュール252は、データ1つ又は複数の検出器を受け取る。図示した例では、検出器は、カメラ254及びフォトダイオード256を含む。液滴は、1つ又は複数のレーザ258によって照明される。この一般的な配置では、検出器は、合体が既に生じたと考えられる、流れの中のある点において、液滴の検出/撮像を行う。また、検出器及びレーザは、真空チャンバ26の外に配置され、真空チャンバ26の壁のウィンドウを通して流れを見る。
【0037】
[0041] ターゲット材料送達システム90は、流体(例えば、溶融スズ)を圧力下で保持するリザーバを含み得る。リザーバは、後により大きな液滴へと合体する複数の微液滴へと後に分裂する連続した流れを確立するオリフィスを通って、リザーバ内の加圧流体が流れることを可能にするオリフィスを有するノズルで終端するキャビティと流体連通する。
【0038】
[0042] このような配置を
図3Aに示す。
図3Aでは、キャビティ300を規定する構造が、チューブ又は毛細管310の形である。毛細管310は、オリフィス320を有するノズルで終端する。キャビティ300内の溶融ターゲット材料柱は、圧力をかけられ、オリフィス320から流れとして放出され、液滴330に分裂する。上述の通り、キャビティ300内のターゲット材料柱の速度摂動が、図示例では円筒形である電気駆動可能素子340によって誘起される。電気駆動可能素子340は、例えば、圧電素子でもよい。図示した構成では、電気駆動可能素子340は、その外径上に電極350と、その内径上に電極360とを有する。電極350は、接続410によって駆動信号源230に接続される。接続410は、外側電極350で終端する(例えば、50Ωの公称インピーダンスを有する)RF同軸ケーブルでもよい。電極360は、接続420によって接地電位に接続される。駆動信号源230は、駆動信号を素子340に印加し、キャビティ300内のターゲット材料に機械的に結合される、電気駆動可能素子340の寸法変化を生じさせる。
【0039】
[0043] また、図示の通り、毛細管310は、例えばクロムでもよい導電性コーティング370でコーティングされる。また、導電性コーティング370は、絶縁コーティング380によってコーティングされてもよい。絶縁コーティング380は、例えば、電気駆動可能素子340と軸方向に同延するエリアにおいて、導電性コーティング370の一部のみを覆うように配置されてもよい。絶縁コーティング380の目的は、PZT電極360と導電コーティング370との間に絶縁層を設けることである。電気駆動可能素子340は、接着層390を形成する接着材料によって、導電コーティングに、又はもしあれば絶縁コーティングに接着される。液滴ジェネレータの端部は、液滴ジェネレータケージ400内に収納されてもよい。導電コーティング370の目的は、液滴が帯電し、互いに反発し合い、そして合体し損ねることがないように、毛細管上で相殺されない表面電荷によって生じた静電場から、オリフィス320を離れるターゲット材料を保護することである。導電コーティング370は、好ましくは、約1E-06Ωm以下の抵抗率を有する。導電コーティングは、オリフィスを通るスズの流れに接地されてもよい。オリフィスにおける接地経路に加えて、導電コーティング370は、接地された液滴ジェネレータハウジング450への専用接続も有し得る。
【0040】
[0044] 上述の通り、最終的に流れが液滴ジェネレータケージ400の出口開口430の縁にぶつかるように、液滴の流れ330が横にドリフトする傾向が存在し得る。液滴の流れのドリフトを生じさせると考えられるメカニズムの1つは、ノズルオリフィスにおけるSnOx粒子の形成である。ノズルオリフィスにおけるSnOx粒子の形成は、電解メカニズム、電気泳動メカニズム、又はジュール加熱などの熱的メカニズムによって、ノズルオリフィスを通って流れるRF成分(本明細書ではRF信号と呼ばれる)を有する電流によって促進される。
【0041】
[0045] ノズルオリフィスを通って流れるRF電流のソースの1つは、ノズル上の導電コーティングを通って、ノズルの溶融スズにまで流れる電流であると考えられる。このRF電流の存在の理由の1つは、より高い周波数成分に関して、接着層(及びもしあれば絶縁層)を介した、毛細管の周りの圧電チューブの形の電気駆動可能素子と、導電コーティングとの間の寄生容量のインピーダンスが、より低い周波数成分の場合よりも小さく、接続420の概ね誘導性のインピーダンスが、より大きいことである。したがって、戻り電流のより多くの部分が、より低いインピーダンス経路に向けて、すなわち、寄生容量を通り、及びノズル内部のスズを通るように誘導される。
【0042】
[0046] したがって、戻り(接地)接続420の寄生インダクタンスを減少させることによって、ノズルを通って流れるRF電流を減少させることが望ましい。このインダクタンスを減少させる手段の1つは、内側電極360に対して非常に短い接続420を設けることによる。例えば、前の実施に関して、この戻り経路の物理的長さは、約50cm~約100cmの範囲内でもよい。これは、約0.5μH~約2μHの範囲に関する寄生インダクタンスに相当し得る。10cm以下などの、より短い接続は、液滴ジェネレータの様々な実施において、寄生インダクタンスを減少させることができる。
【0043】
[0047] より具体的には、電極360は、ノズルに設置され、且つそれ自体が接地された液滴ジェネレータケージ400に電気接続を設けることによって、接地され得る。この場合、接地までの電気経路の長さは、約3cmにまで縮小され、この接続に関連する寄生インダクタンスは、約35nHにまで減少する。電極360は、液滴ジェネレータのヒータブロックなどの他の接地素子に対する短い電気ワイヤ接続を設けることによっても接地され得る。接地接続420のインダクタンスは、内側電極360を液滴ジェネレータの金属ハウジングに接地することによっても達成することができる。
【0044】
[0048] このように、それによって液滴ジェネレータのコンポーネントの内外で電流が流れ得る複数の経路が存在する。液滴ジェネレータの主要な機能性の観点から、これらの異なる経路は、基本的に同等である。しかし、これらの経路のいくつかは、ノズルオリフィスのスズを通る望ましくない電流のフローをもたらし、その結果、スズのフローを妨げるSnOx粒子の形成が促進される。したがって、目標は、より多くの電流が、ノズルオリフィスのスズに関与しない経路を通って流れるようにすることである。上記の通り、これを達成する方策の1つは、接地への他の経路のいくつかのインダクタンスを減少させることでもよい。これを達成する別のやり方は、駆動信号の周波数を制御することであろう。ノズルオリフィスのスズを通る経路のインピーダンスが主に容量性であり、他の経路のインピーダンスが主に誘導性である限りは、駆動信号の高周波成分を制限する手段を講じることは、ノズルを通る経路がより高いインピーダンスを有するようにする傾向がある。
【0045】
[0049]
図3Bは、導電コーティング370が変更され、電気駆動可能素子340に対する接続350、360が、毛細管310のオリフィス320の端部のより近くに配置される、
図3Aの配置の代替形態を示す。
図3Bの構成では、毛細管310の部分は、導電コーティングを有さず、例えば、毛細管は、軸対称Crスパッタリング中に、自由飛行合体を難しくする微液滴の帯電を防止するために、毛細管310の表面と、オリフィス320のスズとの間に導電経路を維持しながら、内側圧電電極と、導電コーティング370との間の小ギャップキャパシタを除去するためにマスキングされる。また、
図3Bにおいて、電気駆動可能素子340に対する接続350、360は、再配置され、すなわち、微液滴を帯電し、自由飛行合体を難しくすることが知られている電磁場を抑制するために、内側電極360が、電気駆動可能素子340の(後面側表面に対する)前面側表面を包み込むように反転される。
【0046】
[0050] したがって、液滴のドリフトを軽減する別の方法は、変調信号の高周波成分を減少させることである。これは、例えば、より急峻な遷移における高周波フーリエ成分を避けるために、変調信号の脈波成分の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を増加させることによって、又は駆動信号が脈波成分を含まない場合は、正弦波の最大周波数を制限することによって、行うことができる。したがって、例えば、この目的のために、駆動信号におけるパルスの立ち上がり時間及び/又は立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内であることが望ましく、ドリフトの影響を軽減するために、正弦波周波数が、約3.5MHz~約7MHzに制限される。ここでも、これの理由は、より低い周波数では、接続420のインピーダンスが低く、圧電素子の寄生容量及びノズルのスズを含む経路のインピーダンスが、大幅により高いためである。したがって、ノズルのスズを通って流れるRF電流の大きさが減少する。また、駆動信号の大きさが減少し得る。しかし、前述の通り、これらの技術の可用性は、それらが、液滴合体効率を低下させ得るという考慮すべき事項によって制限され得る。
【0047】
[0051] 液滴の流れのドリフトを軽減するこの方法には、液滴ジェネレータのハードウェアの変更を必要としないという利点がある。しかし、この方法には、液滴の最適な合体を達成するために利用可能な信号の周波数成分の選択の幅を縮小させるというデメリットがある。この駆動信号は、一般的に、可能な限り最短の合体を得るように最適化され、より高い周波数成分は、通常、この結果をもたらす。励起波形の高周波成分のエネルギーを増加させることは、液滴タイミングの安定性も向上させる。
【0048】
[0052]
図4A、4B、及び4Cは、スズジェットの変調にパルス信号が使用される液滴ジェネレータの動作中のシミュレーション電流/電圧波形の例を示す。
図4Aは、電気駆動可能素子(この場合、圧電素子)に関する駆動信号の入力電圧波形を示し、
図4Bは、結果として生じる入力電流を示す。
図4Cは、結果として生じるオリフィス電流を示す。見て分かるように、この動作中に、電圧/電流スパイクが生成される。ノズルの溶融Snを通って伝搬する寄生電流スパイクが、SnOx形成を促進する。これらに関して、
図4Cのオリフィス電流波形が参照される。SnOx形成は、上記のように、これらの電流スパイクによって活発化する。したがって、ノズルオリフィスにおけるSnOx形成の問題は、これらの電流スパイクの制御(すなわち、排除を含む減少)によって軽減され得る。
【0049】
[0053] 上述の通り、これらの寄生電流スパイクを制御する方策の1つは、電気駆動可能素子内側電極に対して、低インピーダンス電気接続を設けることである。一般的に、長い(約0.5m~約1m)のワイヤが、液滴ジェネレータの全体を通って、ワイヤの端部でRFタイプのコネクタ(例えば、バヨネットナットコネクタ(BNC))にまで伸びる。ワイヤの電気インダクタンスは、約0.5μHであり、これは、このワイヤを通して、高速立ち上がり(約10ns~約20nsの立ち上がり時間)駆動信号が送られたときに、電圧/電流スパイクを生じさせる。短い(約10cm未満)ワイヤを用いて、接地への電気駆動可能素子の代替低インダクタンス電気接続を設けることは、これらのスパイクを減少させ、ドリフトの問題を解決することに役立つ。
【0050】
[0054] パルス変調信号波形が使用されるときにSnOx形成を引き起こす電流スパイクが、ある特定の極性を有する場合、これらのスパイクが、さもなければSnOx形成に寄与する値に達することを防止するために、反対の極性へと駆動信号にバイアスをかけるDCが使用され得る。例えば、電流スパイクが正の場合、約-2V~約-10Vの範囲の負のバイアスがかけられてもよく、その逆でもよい。
【0051】
[0055] 特定の機能及びそれらの関係の実施を示す機能ビルディングブロックを用いて、本発明を上記に説明した。これらの機能ビルディングブロックの境界は、本明細書では、説明の便宜上、任意に規定されたものである。特定の機能及びそれらの関係が適切に実施される限り、代替の境界が規定され得る。
【0052】
[0056] 具体的な実施形態の上述の説明は、他の人々が、当該分野の技能の知識を適用することによって、過度の実験を行うことなく、本発明の一般概念から逸脱することなく、このような具体的な実施形態を容易に変更し、及び/又はこのような実施形態を様々な用途に適応させることができるほど十分に、本発明の一般的性質を明らかにするだろう。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示される教示及びガイダンスに基づいて、開示された実施形態の均等物の趣旨及び範囲内であることが意図される。本明細書の表現又は用語は、本明細書の用語又は表現が、教示及びガイダンスに鑑みて、当業者によって解釈されるように、限定ではなく、説明を目的としたものであることが理解されるものとする。本発明の広がりと範囲は、上記の例示的な実施形態の何れによっても限定されるべきものではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきものである。
【0053】
[0057] 本発明の他の態様を以下の番号付き条項に詳述する。
【0054】
1. EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、
を含み、
電気駆動可能素子との電気接続が、オリフィスのターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように配置される、装置。
【0055】
2. 電気駆動可能素子との電気接続が、オリフィスのターゲット材料を通過しない、電気駆動可能素子と接地との間の低インピーダンス経路を設けるように配置される、条項1に記載の装置。
【0056】
3. キャビティを規定する構造が、円筒チューブを含み、電気駆動可能素子が、円筒チューブの周りに配置され、且つ低インピーダンス経路によって接地に接続された内面を有する円筒圧電素子を含む、条項1に記載の装置。
【0057】
4. 内面が、オリフィスに最も近い、電気駆動可能素子の部分で接地に接続される、条項3に記載の装置。
【0058】
5. ターゲット材料ディスペンサが、キャビティを規定する構造の少なくとも一部の周りに導電コーティングをさらに含む、条項1に記載の装置。
【0059】
6. 導電コーティングが、約1E-06Ωm未満の抵抗率を有する、条項5に記載の装置。
【0060】
7. 導電コーティングが、オリフィスを含む、規定する構造のエリアに限定される、条項5に記載の装置。
【0061】
8. 電気駆動可能素子が、導電コーティングを持たないキャビティの第1の軸方向部分の周りに配置される、条項5に記載の装置。
【0062】
9. 導電コーティングが、低インピーダンス経路によって接地に接続される、条項5に記載の装置。
【0063】
10. 導電コーティング上に絶縁コーティングをさらに含む、条項5に記載の装置。
【0064】
11. 駆動信号発生器が、電気駆動可能素子で直接終端されるRF同軸ケーブルによって、電気駆動可能素子に電気的に結合される、条項1に記載の装置。
【0065】
12. EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号の最高周波数成分が、約3.5MHz~約7MHzの範囲内の値に限定される、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【0066】
13. 電気駆動可能素子との電気接続が、オリフィスのターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように配置される、条項12に記載の装置。
【0067】
14. EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【0068】
15. EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号の最大電圧が、オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【0069】
16. EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【0070】
17. バイアスが負である、条項16に記載の装置。
【0071】
18. バイアスが正である、条項16に記載の装置。
【0072】
19. 駆動波形が、正の極性を持つパルスから構成される場合は、バイアスが負であり、駆動波形が、極性複数を持つパルスから構成される場合は、バイアスが正である、条項16に記載の装置。
【0073】
20. EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
駆動信号を供給するために、電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、
を含み、
オリフィスのターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように、電気駆動可能素子との電気接続が配置され、及び駆動信号のパラメータが選択される、装置。
【0074】
21. EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために電気駆動可能素子に駆動信号を供給するステップであって、駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、ステップと、
を含む、方法。
【0075】
22. EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために電気駆動可能素子に駆動信号を供給するステップであって、駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、ステップと、
を含む、方法。
【0076】
23. EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及びキャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために電気駆動可能素子に駆動信号を供給するステップであって、駆動信号の最大電圧が、オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、ステップと、
を含む、方法。
【0077】
[0058] 他の実施は、特許請求の範囲内である。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号の最高周波数成分が、約3.5MHz~約7MHzの範囲内の値に限定される、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項2】
前記電気駆動可能素子との電気接続が、前記オリフィスの前記ターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項4】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号の最大電圧が、前記オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項5】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器であって、前記駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、駆動信号発生器と、
を含む、装置。
【請求項6】
前記DCバイアスが負である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記DCバイアスが正である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動信号が、正の極性を持つパルスから構成される場合は、前記DCバイアスが負であり、前記駆動信号が、極性複数を持つパルスから構成される場合は、前記DCバイアスが正である、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
EUV放射を生成する装置であって、
ターゲット材料ディスペンサであって、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ターゲット材料ディスペンサと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子と、
前記駆動信号を供給するために、前記電気駆動可能素子に電気的に結合された駆動信号発生器と、
を含み、
前記オリフィスの前記ターゲット材料を通って流れる電流の量を制御するように、前記電気駆動可能素子との電気接続が配置され、及び前記駆動信号のパラメータが選択される、装置。
【請求項10】
EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、前記ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために前記電気駆動可能素子に前記駆動信号を供給するステップであって、前記駆動信号が、実質的に一定のDCバイアスを含む、ステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、前記ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために前記電気駆動可能素子に前記駆動信号を供給するステップであって、前記駆動信号の最小立ち上がり/立ち下がり時間が、約50ns~約100nsの範囲内である、ステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
EUV放射を生成する装置において、ターゲット材料をディスペンスする方法であって、
ターゲット材料ディスペンサを設けるステップであって、前記ターゲット材料ディスペンサが、ターゲット材料を受け取るように配置されたキャビティを規定する構造、及び前記キャビティからターゲット材料を受け取り、且つターゲット材料の液滴の流れを送達するように配置されたオリフィスを含む、ステップと、
前記キャビティに機械的に結合され、且つ駆動信号に基づいて前記液滴の流れに速度摂動を誘起するように配置された電気駆動可能素子を設けるステップと、
駆動信号を供給するために前記電気駆動可能素子に前記駆動信号を供給するステップであって、前記駆動信号の最大電圧が、前記オリフィスのターゲット材料を通る電流のフローを制限するように限定される、ステップと、
を含む、方法。
【外国語明細書】