(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112730
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報表示プログラム、情報表示方法および情報表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/908 20190101AFI20240814BHJP
【FI】
G06F16/908
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017997
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504202472
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 潤
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明燮
(72)【発明者】
【氏名】吉武 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】二村 和明
(72)【発明者】
【氏名】越前 功
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175FB04
5B175HA01
(57)【要約】
【課題】発信された情報の信頼性を判断するための情報を提示することができること。
【解決手段】情報表示装置100は、ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析する。情報表示装置100は、発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析する。情報表示装置100は、発信情報と、信頼情報とを比較する。また、情報表示装置100は、発信情報の伝達経路を取得する。そして、情報表示装置100は、発信情報と、発信情報と信頼情報との比較結果、および発信情報の伝達経路を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、
前記発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析し、
前記発信情報と、前記信頼情報とを比較し、
前記発信情報の伝達経路を取得し、
前記発信情報と、前記比較結果および前記発信情報の伝達経路を表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項2】
取得した前記発信情報の伝達経路を解析し、前記発信情報がオリジナルであるか否かを判断する処理を含み、
前記表示する処理は、前記表示前記判断結果を併せて表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示プログラム。
【請求項3】
前記表示する処理は、前記発信情報がオリジナルであるか否かを示す情報、および前記発信情報の信頼性を示す情報を表示する、
処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報表示プログラム。
【請求項4】
前記比較する処理は、取得した前記信頼情報を解析して得た各要素について、要素数あるいは値の範囲が異なる設定を用いて前記発信情報を解析した各要素と比較し、
前記表示する処理は、前記異なる設定別に、前記発信情報の信頼性を示す情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示プログラム。
【請求項5】
前記発信情報を解析する処理、および前記信頼情報を解析する処理は、それぞれ、情報のジャンル、情報の発信時刻、情報のテキストに含まれる場所、情報のテキストに含まれるイベント、の各要素の少なくとも一つを抽出する、
処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報表示プログラム。
【請求項6】
前記比較する処理は、前記発信情報を解析した要素と、前記信頼情報を解析した要素と、の差分を抽出し、
前記表示する処理は、前記差分の情報を表示することを特徴とする請求項5に記載の情報表示プログラム。
【請求項7】
ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、
前記発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析し、
前記発信情報と、前記信頼情報とを比較し、
前記発信情報の伝達経路を取得し、
前記発信情報と、前記比較結果および前記発信情報の伝達経路を表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報表示方法。
【請求項8】
ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、
前記発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析し、
前記発信情報と、前記信頼情報とを比較し、
前記発信情報の伝達経路を取得し、
前記発信情報と、前記比較結果および前記発信情報の伝達経路を表示する、
処理を行う制御部を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
前記発信情報を送出するサーバに配置したことを特徴とする請求項8に記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記発信情報を取得し、表示するクライアントから、前記信頼情報を取得し、前記クライアントからのリクエストに基づき、前記発信情報と、前記比較情報との比較結果、および前記発信情報の伝達経路の情報を前記クライアントに返答することを特徴とする請求項8に記載の情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示プログラム、情報表示方法および情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやSNS(Social Networking Service)の普及により、個人や組織などが、インターネットを介して、いつでもどこでも世界に情報を発信できるようになっている。一方で、インターネットを介して取得できる情報は、取得した情報の内容の真偽を閲覧者が容易に確認できないものが多く、誤った情報が拡散する場合がある。また、複数の閲覧者が、情報の内容を誤解してしまうと、社会や経済の混乱を誘発する恐れがある。
【0003】
このため、閲覧者がインターネットを介して取得した情報に対して、情報の信頼性を確認できる情報を提示できる仕組みが求められている。例えば、利用者に対し、情報の判断の材料となる情報の提示が求められている。
【0004】
情報表示の先行技術としては、例えば、発言された情報を信憑性判定の情報により信憑性を判定し、信憑性の高い情報を他と異なる表示態様で表示する技術がある。また、Webやデータベースを検索して真偽の着目言明を解析し、着目言明の対立言明を特定し、直目言明の肯定と否定の度合いであるパッセージスコアを算出し、着目言明の状況を説明したパッセージを選択出力する技術がある。また、販売のアイテムのリストデータを信頼できるデータソースのリストデータと比較し、不一致の場合リストデータの一部をフィルタリングし、リストデータと信頼できるリストデータとを表示し、競合するデータを強調表示する技術がある。また、情報をソース情報と比較し、自然言語検索等を含めたファクトチェック結果に基づき、情報の状態を提供する技術がある。また、ニュースコンテンツに関連するメディア発信源、ジャーナリスト、所定トピック等の信頼性を判断する現行スコアに基づいてニュースの信頼性スコアを採点する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-162050号公報
【特許文献2】国際公開第2012/008503号明細書
【特許文献3】米国特許第10872100号明細書
【特許文献4】米国特許公開第2015/0248624号明細書
【特許文献5】特表2020-508518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術では、例えば、メディア出版局等、身元がある程度判明している人や団体等が発信する情報については信頼性に関するスコアを算出可能であるが、SNSで、一般の個人や匿名で発信している情報には適用することが難しい。また、発信された情報と、信頼性のある情報との違いを提示しておらず、発信された情報の信頼性をユーザが容易に判断できない。
【0007】
1つの側面では、本発明は、発信された情報の信頼性を判断するための情報を提示することができる情報表示装置、情報表示方法および情報表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、前記発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析し、前記発信情報と、前記信頼情報とを比較し、前記発信情報の伝達経路を取得し、前記発信情報と、前記比較結果および前記発信情報の伝達経路を表示する、処理を行うことを要件とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、発信された情報の信頼性を判断するための情報を提示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる情報表示装置の機能を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態の情報表示装置が行う処理概要の説明図である。
【
図3】
図3は、従来技術と実施の形態の情報表示方法の対比図である。
【
図4】
図4は、情報表示装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、信頼情報の取得リストの例を示す図表である。
【
図6】
図6は、第1の解析部の解析処理例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、信頼情報DBの情報例を示す図表である。
【
図8】
図8は、第2の解析部の解析処理例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2の解析部によるドメイン推定モデル例を示す図表である。
【
図10】
図10は、経路確認部の経路確認処理例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、信頼情報取得部の処理例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、信頼情報DBの検索条件の設定例を示す図表である。
【
図13】
図13は、比較部および表示制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、比較部が行う他の比較処理例を示す説明図である。
【
図16】
図16は、表示制御部が行う他の表示制御例を示す説明図である。
【
図17】
図17は、SNSサービスに対する情報通知機能の追加構成例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施の形態の情報表示装置を含むシステム構成例のブロック図である。
【
図19】
図19は、クライアント-サーバの利用形態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、開示の情報表示プログラム、情報表示方法および情報表示装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態にかかる情報表示方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる情報表示装置の機能を示すブロック図である。実施の形態の情報表示装置100は、例えば、インターネット上で個人等から不特定に発信された発信情報を解析し、解析結果に基づいて発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得する。そして、情報表示装置100は発信情報と、信頼情報とを比較し、比較結果を表示する処理を行い、また、発信情報の伝達経路を表示する。これにより、発信情報の信頼性をユーザが判断できるようになる。例えば、ユーザは、発信情報がオリジナルの情報であるか否かを容易に判断しやすくなる。情報表示装置100は、サーバ等のコンピュータを用いることができる。
【0013】
実施の形態の情報表示装置100は、第1の解析部101、信頼情報保存部102、信頼情報データベース(DB)103を含む。また、情報表示装置100は、第2の解析部104、経路確認部105、信頼情報取得部106、比較部107、表示制御部108、表示部109を含む。
【0014】
第1の解析部101は、発信情報に関連する信頼性のある情報(信頼情報)を取得し、取得した信頼情報を解析し、信頼情報に含まれる各要素を解析した結果を信頼情報保存部102に出力する。
【0015】
信頼情報保存部102は、第1の解析部101により解析した信頼情報を信頼情報DB103に格納する。
【0016】
第2の解析部104は、不特定の個人等がSNS等で発信する発信情報を取得し、取得した発信情報を解析し、発信情報に含まれる各要素を解析した結果を信頼情報取得部106に出力する。
【0017】
経路確認部105は、取得した発信情報の経路情報を取得し、取得した経路情報を表示制御部108に出力する。例えば、経路確認部105は、発信情報のネットワーク上での経路解析に基づき、発信情報がオリジナルな発信元から発信されたものであるか、あるいはオリジナルな発信元から発信された発信情報を用いた再投稿であるかを判断する。より具体的には、経路確認部105は、送信データのヘッダを解析し、返信用のヘッダの有無に基づきオリジナルであるか再投稿であるかを判断する。
【0018】
信頼情報取得部106は、第2の解析部104による発信情報の解析結果を元に、信頼情報DB103から信頼性を有する信頼情報を取得する。信頼情報は、例えば、政府や自治体が公開しているサイトの情報であり、具体的には、交通情報(https://www.jartic.or.jp/)河川情報(https://www.river.go.jp/)等がある。
【0019】
例えば、信頼情報取得部106は、発信情報に対する厳しい検索条件と、緩い検索条件とを用いて、信頼情報DB103を検索し、それぞれの検索結果を取得する。
【0020】
比較部107は、第1の解析部101による解析結果(信頼情報)と、第2の解析部104による解析結果(発信情報)とを比較し、比較結果を表示制御部108に出力する。また、比較部107は、信頼情報取得部106での検索条件に利用していない要素を比較してもよい。
【0021】
表示制御部108は、経路確認部105が出力する経路情報と、比較部107が出力する比較結果とに基づき、発信情報と、発信情報に関連する信頼できる情報(信頼情報)と、を表示部109に表示出力する。表示制御部108は、発信情報と信頼情報とを単に表示するだけではなく、比較部107の比較結果、および経路確認部105による経路確認結果に基づいて、発信情報と信頼情報との関連状態を示す関連情報を表示する。
【0022】
図2は、実施の形態の情報表示装置が行う処理概要の説明図である。情報表示装置100は、発信情報と、発信情報に関連する信頼情報とを比較し、信頼情報がヒットした検索条件と、発信情報の伝達経路に基づいて、発信情報とともに、発信情報と信頼情報との関連状態を示す関連情報を提示する。
【0023】
発信情報の信頼性の判断では、発信情報について、「いつの情報かを確かめる」、「一次情報すなわちオリジナルの情報であるか否かを確かめる」、「他の情報と比較する」等の対策が必要となる。本発明における情報の信頼性は、発信情報の内容真実性を示す。内容真実性は、発信情報を取得した時点で直ちに判断することは難しい。
【0024】
このため、実施の形態の情報表示装置100は、発信情報の信頼性(信憑性)を「正しい」とした信頼情報に基づき判断する。情報表示装置100は、発信情報について、「正しい」とした信頼情報をどのようにして検索できたか、および、発信情報がどのような経路で到来しているか、等に基づき、ユーザが発信情報を見る際に、発信情報の信頼性(信憑性)の判断を補助する。このため、情報表示装置100は、発信情報とともに、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報を提示する。
【0025】
例えば、関連情報は、発信情報と信頼情報との差分を示す情報や、取得した信頼情報の発信元URL等である。
【0026】
このため、実施の形態の情報表示装置100では、発信情報について、発信情報に関連する信頼できる情報(信頼情報)との比較、適切な検索条件を用いた比較、発信情報の伝達経路等、の処理を行う。このように、情報表示装置100は、発信情報とともに、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報を提示することで、ユーザが発信情報の信頼性を容易に判断できるようにする。
【0027】
図2に示すように、情報表示装置100は、発信情報を取得すると、発信情報に関連する信頼できる情報(信頼情報)を取得する(ステップS201)。信頼情報が取得できなかった場合(ステップS201:No)、情報表示装置100は、発信情報に関連する信頼できる情報(信頼情報)がないことを通知出力する。
【0028】
信頼情報が取得できた場合(ステップS201:Yes)、情報表示装置100は、発信情報について、厳しい検索条件に対してヒットしたか、あるいは緩い検索条件でヒットしたかを判断する。例えば、情報表示装置100は、発信情報に含まれる複数の情報、例えば、ドメイン名、発信情報の内容(テキスト)、時刻、場所等に対応して複数の検索条件を設定しておく。そして、情報表示装置100は、発信情報に含まれる複数の情報が検索条件に一致したか否かを判断する。例えば、厳しい検索条件では検索条件の数を増やし、緩い検索条件では検索条件の数を減らす。
【0029】
ステップS201の処理後、発信情報が厳しい検索条件でヒットした場合、情報表示装置100は、発信情報がオリジナルであるか否かを判断する(ステップS202)。判断の結果、発信情報がオリジナルであれば(ステップS202:オリジナル)、情報表示装置100は、発信情報について、発信情報とともに、信頼できる情報(信頼情報)との差分や信頼情報のURLを表示する。一方、判断の結果、発信情報がオリジナルでなければ(ステップS202:再投稿)、情報表示装置100は、発信情報とともに、発信情報が再投稿であることを通知し、また、信頼できる情報(信頼情報)との差分や信頼情報のURLを表示する。
【0030】
また、ステップS201の処理後、発信情報が緩い検索条件でヒットした場合、情報表示装置100は、発信情報がオリジナルであるか否かを判断する(ステップS203)。判断の結果、発信情報がオリジナルであれば(ステップS203:オリジナル)、情報表示装置100は、発信情報とともに、関連情報の一部(参考情報)として信頼できる情報(信頼情報)のURLを表示する。一方、判断の結果、発信情報がオリジナルでなければ(ステップS203:再投稿)、情報表示装置100は、発信情報とともに、発信情報が再投稿であることを通知し、また、参考情報として信頼できる情報(信頼情報)のURLを表示する。
【0031】
(従来技術と実施の形態との対比)
図3は、従来技術と実施の形態の情報表示方法の対比図である。
図3(a)に示す従来技術1では、発信情報(ブログ等の記事)の解析により、発信情報に関連する属性別(例えば、出版社スコア、ライタースコア、トピックスコア)の信憑性スコアSを算出し、ユーザに提示している。
【0032】
図3(b)に示す従来技術2では、ビッグデータ解析により、発信情報に類似した情報をインターネット等のネットワークNW上で検索し、検索結果Rを統計的な解析結果として出力している。
【0033】
これらに対し、
図3(c)に示す実施の形態の情報表示装置100では、発信情報に類似した情報であり、かつ、信頼できる情報(信頼情報)をインターネット等のネットワークNW上で検索し、検索結果Rとして信頼できる情報を出力する。さらに、情報表示装置100は、発信情報と信頼情報との比較により、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報として、発信情報と信頼情報との差分の情報や、発信情報の経路に関する情報を表示する。ここで、情報表示装置100は、
図2に示したように、発信情報と信頼情報との差分(検索条件別)と、発信情報の経路(オリジナルか否か)と、の組み合わせにより、それぞれ異なる表示内容をユーザに提示する。
【0034】
このように、従来技術1,2では、発信情報の信頼性について、ユーザ判断が必要である。これに対し、実施の形態の情報表示装置100では、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報をユーザに提示することで、発信情報の信頼性をより容易に判断可能にする。
【0035】
(情報表示装置のハードウェア構成例)
図4は、情報表示装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4において、情報表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)401と、メモリ402と、ネットワークI/F(Interface)403と、記録媒体I/F404と、記録媒体405とを有する。また、各構成部は、バス400によってそれぞれ接続される。
【0036】
ここで、CPU401は、情報表示装置100の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
【0037】
ネットワークI/F403は、通信回線を通じてネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F403は、ネットワークNWと内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F403は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
【0038】
記録媒体I/F404は、CPU401の制御に従って記録媒体405に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F404は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体405は、記録媒体I/F404の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体405は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体405は、情報表示装置100から着脱可能であってもよい。
【0039】
情報表示装置100は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、情報表示装置100は、記録媒体I/F404や記録媒体405を複数有していてもよい。また、情報表示装置100は、記録媒体I/F404や記録媒体405を有していなくてもよい。
【0040】
図1に示した情報表示装置100の各機能(第1の解析部101、信頼情報保存部102、第2の解析部104~比較部107)は、
図4に示したCPU401がプログラム実行することにより実現される。
図1に示した信頼情報DB103は、
図4に示したメモリ402や記録媒体405等の記録領域により実現される。
【0041】
(信頼情報の取得リスト)
図5は、信頼情報の取得リストの例を示す図表である。情報表示装置100(第1の解析部101)は、信頼情報の取得リスト500に基づき、信頼情報を取得する。信頼情報の取得リスト500は、
図4に示したメモリ402や記録媒体405等の記憶領域により実現される。
【0042】
信頼情報の取得リスト500には、信頼情報として取得する情報源のURLと、ドメイン(ジャンル)と、が各レコードに設定される。
図4に示す例では、ドメイン(ジャンル)「気象情報」と情報源のURL、ドメイン(ジャンル)「交通情報」と、情報源のURL、ドメイン(ジャンル)「地震情報」と、情報源のURL、とがそれぞれ設定されている。ドメインは、キーワードの重みによるジャンル推定等を利用して設定してもよい。
【0043】
(第1の解析部101の解析処理例)
図6は、第1の解析部の解析処理例を示すフローチャートである。はじめに、情報表示装置100(第1の解析部101)は、信頼情報の取得リスト500を参照し、該当するURLから信頼情報を取得する(ステップS601)。
図6の例では、第1の解析部101は、URL「https://www.river.go.jp/」、気象情報にアクセスすることで、取得した「9時10分に多摩川(二子玉川)の水位:1.5m、避難情報なし」との内容の信頼情報を取得する。
【0044】
次に、第1の解析部101は、取得した信頼情報をパース(分析・抽出)する(ステップS602)。例えば、第1の解析部101は、HTML/XML/JSON等で記述された信頼情報に含まれるテキスト情報と、Key,Valueの要素を抽出する。
【0045】
次に、第1の解析部101は、抽出したテキストを構文解析する(ステップS603)、第1の解析部101は、汎用の構文解析により、テキストから時間要素、場所要素、イベント要素(係り受ける要素)を抽出する。例えば、第1の解析部101は、情報取得時刻要素「アクセス時刻」、情報更新時刻要素「9時10分」、場所要素「多摩川(二子玉川)」、ドメイン要素「気象情報」、イベント要素「水位1.5m」、イベント要素「避難情報なし」の各要素を得る。
【0046】
次に、第1の解析部101は、テキストの特徴量を抽出する(ステップS604)。例えば、第1の解析部101は、Word2VecやCLIP等の汎用モデルを利用して、テキスト中の単語の特徴ベクトルの平均値を算出する。
【0047】
次に、第1の解析部101は、解析結果を信頼情報DB103に保存する(ステップS605)。例えば、第1の解析部101は、解析した信頼情報の各要素を信頼情報DB103に(Key,Value)の形で保存し、以上の処理を終了する。
【0048】
(信頼情報DB103の情報例)
図7は、信頼情報DBの情報例を示す図表である。信頼情報DB103には、KeyとValueにそれぞれ信頼情報の各要素が設定される。
図7の例では、信頼情報DB103の各レコードのKey,Valueには、「ID,URL(https:///…」、「情報取得時刻,2022.08.24.9:15」、「情報更新時刻,2022.08.24.9:10」が設定される。また、「場所,二子玉川,多摩川」、「ドメイン,気象情報」、「イベント,水位1.5m、避難情報なし」、「ベクトル表現,…」が設定される。
図7の例では、ベクトル表現のValueには、第1の解析部101が特徴量抽出したテキスト中の単語の特徴ベクトルの平均値が設定される。
【0049】
(第2の解析部104の解析処理例)
図8は、第2の解析部の解析処理例を示すフローチャートである。はじめに、情報表示装置100(第2の解析部104)は、発信情報を取得する(ステップS801)。例えば、第2の解析部104は、情報表示装置100を利用するユーザが、ある発信者がSNSで発信した発信情報「二子玉、多摩川が氾濫しそう」を取得した際に、発信情報を取得する。ここで、発信情報は、HTML/XML/JSON等の形式であるとする。
【0050】
次に、第2の解析部104は、取得した発信情報をパース(分析・抽出)する(ステップS802)。例えば、第2の解析部104は、HTML/XML/JSON等で記述された信頼情報に含まれるテキスト情報と、Key,Valueの要素を抽出する。
【0051】
次に、第2の解析部104は、抽出したテキストを構文解析する(ステップS803)、第2の解析部104は、汎用の構文解析により、テキストから時間要素、場所要素、イベント要素(係り受ける要素)を抽出する。例えば、第2の解析部104は、場所要素「二子玉、多摩川」、イベント要素「氾濫しそう」の各要素を得る。
【0052】
次に、第2の解析部104は、テキストの特徴量を抽出する(ステップS804)。例えば、第2の解析部104は、第1の解析部101と同様に汎用モデルを利用して、テキスト中の単語の特徴ベクトルの平均値を算出する。
【0053】
次に、第2の解析部104は、発信情報のドメインを推定する(ステップS805)。例えば、第2の解析部104は、キーワード「多摩川」、「氾濫」から、ドメインが「気象情報」と推定する。そして、第2の解析部104は、発信情報の解析結果として、例えば、時刻「投稿日時」、場所「多摩川、二子玉」、ドメイン「気象情報」、イベント「氾濫しそう」との解析結果を得て(ステップS806)、以上の処理を終了する。
【0054】
(第2の解析部104のドメイン推定モデル例)
図9は、第2の解析部によるドメイン推定モデル例を示す図表である。第2の解析部104は、ドメイン推定(
図8のステップS805)を行う際には、
図9に示すドメイン推定モデル900を参照してドメイン推定を行ってもよい。ドメイン推定モデル900は、予め情報表示装置100のメモリ402に保持しておく。
【0055】
図9に示す例のドメイン推定モデル900には、ドメインと、ドメイン毎の関連キーワードが関連付けて設定されている。例えば、ドメイン「気象情報」には、関連キーワード「川、洪水、氾濫、大雨、…」が設定されている。また、ドメイン「道路交通情報」には、関連キーワード「事故、渋滞、インターチェンジ名、…」が設定されている。また、ドメイン「地震情報」には、関連キーワード「震度、揺れ、停電、…」が設定されている。
【0056】
(経路確認部の経路確認処理例)
図10は、経路確認部の経路確認処理例を示すフローチャートである。はじめに、情報表示装置100(経路確認部105)は、発信情報を取得する(ステップS1001)。ここで、発信情報は、HTML/XML/JSON等の形式であるとする。
【0057】
なお、経路確認部105によるステップS1001の処理(発信情報の取得)は、上述した第2の解析部104によるステップS801の処理(発信情報の取得)と同一であり、情報表示装置100は、共通処理してもよい。
【0058】
次に、経路確認部105は、発信情報をパース(分析・抽出)する(ステップS1002)。例えば、経路確認部105は、HTML/XML/JSON等で記述された信頼情報に含まれるテキスト情報と、Key,Valueの要素を抽出する。
【0059】
次に、経路確認部105は、発信情報に返信用のヘッダが存在するか否かを判断する(ステップS1003)。例えば、経路確認部105は、SNSのreply_id、メールのmessage_idに相当する返信用のヘッダの有無を判断する。
【0060】
ステップS1003の判断結果、発信情報に返信用のヘッダが存在しなれば(ステップS1003:No)、経路確認部105は、発信情報がオリジナル(発信者が作成した)と判断する(ステップS1004)。一方、発信情報に返信用のヘッダが存在すれば(ステップS1003:Yes)、経路確認部105は、発信情報が再投稿(発信者が作成したものではなく、オリジナルの再利用)と判断する(ステップS1005)。ステップS1004またはステップS1005の処理により、経路確認部105は、以上の処理を終了する。
【0061】
(信頼情報取得部の処理例)
図11は、信頼情報取得部の処理例を示すフローチャートである。はじめに、情報表示装置100(信頼情報取得部106)は、第2の解析部104による発信情報の解析結果を取得する(ステップS1101)。例えば、発信情報の解析結果として、時刻「投稿日時」、場所「多摩川、二子玉」、ドメイン「気象情報」、イベント「氾濫しそう」の各情報を取得したとする。
【0062】
そして、信頼情報取得部106は、発信情報に基づいて、信頼情報DB103に格納された信頼情報の検索時、検索条件を変更して検索を行う。例えば、信頼情報取得部106は、「厳しい検索条件」では、検索条件の数の増加、範囲(類似度)を狭くする、等の設定で信頼情報DB103を検索する。一方、「緩い検索条件」では、検索条件の数の減少、範囲(類似度)を広くする、等の設定で信頼情報DB103を検索する。
【0063】
検索条件としては、例えば、1.ドメインの一致、2.テキストの類似、3.時刻(例えば、誤差1時間内での一致)、4.場所(同一市区町村内)、等がある。テキストの類似は、例えば、ベクトル表現のコサイン類似度が 0.8以上、等であれば類似していると判断する。
【0064】
図11の例では、まず、信頼情報取得部106は、ドメインに対する厳しい検索条件で信頼情報DB103の検索を行う(ステップS1102)。そして、信頼情報取得部106は、厳しい検索条件として、例えば、1.ドメインの一致、2.テキストの類似、3.時刻の誤差が1時間内、4.場所が同一市区町村内、の4つの検索条件全てを満たした検索結果があるか否かを判断する(ステップS1103)。
【0065】
ステップS1103の判断結果、検索結果があれば(ステップS1103:Yes)、信頼情報取得部106は、「厳しい検索条件の検索結果:あり」との検索結果を出力する(ステップS1104)。
【0066】
ステップS1103の判断結果、検索結果がなければ(ステップS1103:No)、信頼情報取得部106は、ドメインに対する緩い検索条件で検索を行う(ステップS1105)。そして、信頼情報取得部106は、緩い検索条件として、1.ドメインの一致、2.テキストの類似、3.時刻の誤差、4.場所、の4つの検索条件のうちいずれかを省いて検索条件の数を少なくしたり、誤差や範囲を広げたりした検索を行う(ステップS1106)。
【0067】
ステップS1106の判断結果、検索結果がなければ(ステップS1106:No)、信頼情報取得部106は、「検索結果:なし」との検索結果を出力する(ステップS1107)。一方、検索結果があれば(ステップS1106:Yes)、信頼情報取得部106は、「検索結果:緩い検索条件の検索結果:あり」との検索結果を出力する(ステップS1108)。ステップS1104、ステップS1107、ステップS1108の処理により、信頼情報取得部106は、以上の処理を終了する。
【0068】
(検索条件の例)
図12は、信頼情報DBの検索条件の設定例を示す図表である。信頼情報取得部106が信頼情報DB103の検索時の検索条件の設定例を示す。
図12(a)は、厳しい検索条件1201であり、各ドメイン毎に、時刻検索、位置検索、その他検索条件、の各検索項目が設定されている。例えば、厳しい検索条件1201において、ドメイン「気象情報」では、時刻検索「誤差1日」、位置検索「同一市区町村」、その他検索条件「テキストが類似(類似度0.8)」が設定されている。厳しい検索条件1201は、情報表示装置100のメモリ402や記録媒体405等の記憶領域に設定保持されている。
【0069】
信頼情報取得部106は、例えば、発信情報のドメイン「信頼情報」に対し、信頼情報を厳しい検索条件1201と対比して検索を行う。この検索時、信頼情報取得部106は、発信情報の「投稿日時」と、信頼情報の時刻(情報更新時刻)の差が、時刻検索「誤差1日」内とした検索条件を満たすか否かを判断する。また、信頼情報取得部106は、発信情報の位置が示す市区町村が、信頼情報の場所「同一市区町村」に含まれるとした検索条件を満たすか否かを判断する。また、信頼情報取得部106は、発信情報のテキスト、例えば、「イベント」と、信頼情報の「イベント」との類似度が比較的に高い(類似度0.8)とした検索条件を満たすか否かを判断する。信頼情報取得部106は、厳しい検索条件では、発信情報が厳しい検索条件1201の全ての検索条件を満たすか否かを検索する。
【0070】
一方、
図12(b)は、緩い検索条件1202である。緩い検索条件1202においても、ドメイン毎に、時刻検索、位置検索、その他検索条件、の各検索項目が設定されている。ここで、緩い検索条件1202では、ドメイン「気象情報」では、時刻検索が「誤差2日」であり、厳しい検索条件の「誤差1日」に比して誤差の範囲を広げている。また、位置検索「同一市区町村」については、厳しい検索条件と同条件である。また、その他検索条件が「テキストが類似(類似度0.7)であり、厳しい検索条件の「類似度0.8」に比して類似度を低く設定している。信頼情報取得部106は、緩い検索条件においても、厳しい検索条件と同様に、緩い検索条件1202の全ての検索条件を満たすか否かを検索するが、緩い検索条件では、一部の検索条件を検索に用いず検索条件の数を減らした検索を行うこととしてもよい。
【0071】
このように、信頼情報取得部106は、厳しい検索条件1201と、緩い検索条件1202とを参照し、発信情報と信頼情報とを対比することで、厳しい検索条件による検索結果と、緩い検索条件による検索結果と、を得ることができる。
【0072】
(比較部および表示制御部の処理例)
図13は、比較部および表示制御部の処理例を示すフローチャートである。はじめに、情報表示装置100(比較部107)は、取得した発信情報が上述した発信情報「二子玉、多摩川が氾濫しそう」であるとする。はじめに、情報表示装置100(比較部107)は、この発信情報の取得に基づき、信頼情報DB103から信頼情報が取得できているか否かを判断する(ステップS1301)。
【0073】
信頼情報DB103から信頼情報が取得できていれば(ステップS1301:Yes)、比較部107は、厳しい検索条件で検索結果を取得できたか否かを判断する(ステップS1302)。一方、信頼情報DB103から信頼情報が取得できていなけれれば(ステップS1301:No)、情報表示装置100(表示制御部108)は、信頼情報がないことを表示する(ステップS1303)。例えば、表示制御部108は、「二子玉、多摩川が氾濫しそう(信頼できる情報なし)」と表示部109に表示し、発信情報に対応した信頼情報がないことをユーザに通知する。
【0074】
ステップS1302での判断結果、厳しい検索条件で検索結果を取得できていれば(ステップS1302:Yes)、比較部107は、経路確認部105での確認結果に基づき、発信情報がオリジナルであるか否かを判断する(ステップS1304)。一方、厳しい検索条件で検索結果を取得できていなければ(ステップS1302:No)、比較部107は、ステップS1305の処理に移行する。
【0075】
ステップS1304での判断結果、発信情報がオリジナルであれば(ステップS1304:Yes)、 比較部107は、発信情報と信頼情報との差分を求める。そして、表示制御部108は、発信情報と信頼情報との差分や、信頼情報のURLを表示部109に表示する(ステップS1306)。
【0076】
一方、ステップS1304での判断結果、発信情報がオリジナルでなければ(ステップS1304:No)、比較部107は、信頼情報との差分を求める。そして、表示制御部108は、発信情報が再投稿であること、さらに、発信情報と信頼情報との差分や、信頼情報のURLを表示部109に表示する(ステップS1307)。
【0077】
ステップS1305では、比較部107は、経路確認部105での確認結果に基づき、発信情報がオリジナルであるか否かを判断する(ステップS1305)。判断結果、発信情報がオリジナルであれば(ステップS1305:Yes)、表示制御部108は、発信情報が正確な情報であることを表示部109に表示する(ステップS1308)。一方、判断結果、発信情報がオリジナルでなければ(ステップS1305:No)、表示制御部108は、発信情報が再投稿であること、さらに、正確な情報を得るべきであることを表示部109に表示する(ステップS1309)。
【0078】
比較部107および表示制御部108は、ステップS1303、ステップS1306~ステップS1309の処理により、発信情報の信頼性を示す情報(発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報)をユーザに提示することができる。ステップS1303、ステップS1306~ステップS1309の処理により、比較部107および表示制御部108は、以上の処理を終了する。
【0079】
(比較部の他の比較例)
図14は、比較部が行う他の比較処理例を示す説明図である。情報表示装置100(比較部107)は、発信情報と信頼情報との比較を行うが、検索条件(例えば
図12参照)に使用していない要素を比較することとしてもよい。
【0080】
図14(a)のフローチャートに示すように、比較部107は、信頼情報(例えば、
図7の信頼情報DB103のデータ)を取得する(ステップS1401)。また、比較部107は、第2の解析部104による発信情報の解析結果(
図8参照)を取得する(ステップS1402)。そして、比較部107は、取得した発信情報の解析結果と信頼情報とを比較する。上述の説明では、比較部107は、要素「ドメイン」に対する検索を行っている。
【0081】
ここで、
図14(a)に示すように、比較部107では、検索条件に使用していない要素を比較し(ステップS1403)、比較結果を出力する(ステップS1404)、こととしてもよい。例えば、比較部107は、検索処理で用いた要素「ドメイン」に対する検索条件に使用していない他の要素「イベント」について、発信情報を信頼情報と比較することができる。
【0082】
比較部107が要素「イベント」で比較を行った場合、
図14(b)に示すように、解析結果は発信情報のテキスト「氾濫しそう」、検索結果は信頼情報に基づき「水位1.5m、避難情報なし」を得ることができる。
【0083】
(表示部の表示例)
図15は、表示部の表示例を示す図である。
図15(a)~(d)には、
図13で説明した処理により表示部109の表示画面1500に表示される各表示例を示す。
【0084】
図15(a)は、表示画面1500に、発信情報を表示し、また、発信情報と信頼情報との差分や信頼情報のURLを表示する例である。この状態は、
図13のステップS1306による表示例に相当する。例えば、表示制御部108は、表示部109の表示画面1500上に発信情報「二子玉、玉川が氾濫しそう」と表示する。また、表示制御部108は、表示画面1500上には、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報1501として、ポップアップ等で「水位:1.5m、警告なし、URLリンク」を表示する。
【0085】
図15(b)は、表示画面1500に、発信情報を表示し、また、発信情報が再投稿であること、発信情報と信頼情報との差分や信頼情報のURLを表示する例である。この状態は、
図13のステップS1307による表示例に相当する。例えば、表示制御部108は、表示部109の表示画面1500上に発信情報「二子玉、玉川が氾濫しそう」と表示する。また、表示制御部108は、表示画面1500上の発信情報部分にカーソル移動させると、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報1501として、ポップアップ等で「水位:1.5m、警告なし、URLリンク」を表示する。
【0086】
図15(c)は、表示画面1500に、発信情報を表示し、また、正確な情報を得るべきことを表示する例である。この状態は、
図13のステップS1308による表示例に相当する。例えば、表示制御部108は、表示部109の表示画面1500上に発信情報「二子玉、玉川が氾濫しそう(正確な情報を得てください)」と表示する。また、表示制御部108は、表示画面1500上の発信情報部分にカーソル移動させると、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報1501として、ポップアップ等で「緩い検索条件でヒットした情報のURL」を表示する。
【0087】
図15(d)は、表示画面1500に、発信情報を表示し、また、正確な情報を得るべきことを表示する例である。この状態は、
図13のステップS1309による表示例に相当する。例えば、表示制御部108は、表示部109の表示画面1500上に発信情報「二子玉、玉川が氾濫しそう(正確な情報を得てください)再投稿です。元記事を確認してください」と表示する。また、表示制御部108は、表示画面1500上の発信情報部分にカーソル移動させると、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報1501として、ポップアップ等で「緩い検索条件でヒットした情報のURL」を表示する。
【0088】
(表示制御部による他の表示例)
図16は、表示制御部による他の表示制御例の説明図である。表示制御部108は、発信情報および信頼情報が古い情報であった場合、また、表示制御部108は、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報として、「古い情報」であることをさらに表示してもよい。
【0089】
図16(a)は、表示制御部の他の表示制御例を示すフローチャートである。情報表示装置100(表示制御部108)は、取得した発信情報および信頼情報の時刻と現在時刻との差が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1601)。例えば、発信情報については投稿時刻と現在時刻との差を判断し、信頼情報については情報更新時刻と現在時刻との差を判断する。
【0090】
判断結果、発信情報および信頼情報の時刻と現在時刻との差が閾値以上であれば(ステップS1601:Yes)、表示制御部108は、該当する発信情報あるいは信頼情報について「古い情報」であることを関連情報として追加表示する(ステップS1602)。一方、発信情報および信頼情報の時刻と現在時刻との差が閾値未満であれば(ステップS1601:No)、表示制御部108は、該当する発信情報あるいは信頼情報についての追加表示は行わない(ステップS1603)。ステップS1602あるいはステップS1603の処理により、表示制御部108は、以上の処理を終了する。
【0091】
図16(b)には、
図16(a)で用いる閾値の設定例を示す。閾値テーブル1610には、予めドメイン別の閾値が設定されている。例えば、ドメイン「気象情報」の閾値は「3日」、ドメイン「道路交通情報」の閾値は「1日」、ドメイン「地震情報」の閾値は「3か月」に設定されている。
【0092】
表示制御部108は、
図16(a)の処理により、発信情報および信頼情報のドメインに対応する閾値を用いて、取得した発信情報および信頼情報が「古い情報」であるか否かを判断する。そして、表示制御部108は、「古い情報」であれば、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報として表示部109に追加表示する。これにより、発信情報および信頼情報のドメイン別に、情報自体の新しさ(古さ)をユーザに通知できるようになる。
【0093】
(SNSサービスに対する情報通知機能の追加構成例)
図17は、SNSサービスに対する情報通知機能の追加構成例を示す図である。SNSサーバ1700の一部機能として、実施の形態で説明した情報表示装置100の機能を有してもよい。
【0094】
ユーザUは、クライアント(端末装置)1701のアプリケーションやブラウザ1702でSNSサイトを閲覧する。この場合、クライアント1701は、SNSの表示画面をSNSサーバ1700にリクエストする(ステップS1701)。このリクエストに応じてSNSサーバ1700は、レスポンスとしてSNSの発信情報をクライアントに返答する(ステップS1702)。このレスポンス時、SNSサーバ1700内の情報表示装置100の機能は、上述した関連情報、すなわち、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報を併せてクライアント1701に返答する。
【0095】
このように、SNSサーバ1700が発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報をユーザUに通知する機能を有する構成としてもよい。この場合、ユーザUがブラウザ1702の表示画面1500上に表示された発信情報「二子玉、多摩川が氾濫しそう」を閲覧する際、SNSサーバ1700は、関連情報1501をユーザに提示する。図示のように、SNSサーバ1700は、マウスを発信情報のメッセージ部分に移動させると、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報1501として、発信情報と信頼情報との差分や、信頼情報のURLを表示する。
【0096】
(クライアント-サーバのシステム構成例)
図18は、実施の形態の情報表示装置を含むシステム構成例のブロック図である。
図17に示したクライアント-サーバのシステム構成時の各機能を示し、
図1と同様の機能部には同一の符号を付してある。
【0097】
サーバ1800は、信頼情報を取得する第1の解析部101、信頼情報保存部102、信頼情報DB103、第2の解析部104、信頼情報取得部106、比較部107を含む。また、サーバ1800は、クライアント1801からのリクエストを受信するリクエスト受信部1811、比較部107の比較結果をクライアントに送信する比較結果送信部1812を含む。
【0098】
クライアント1801には、
図1で説明した経路確認部105、表示制御部108、表示部109の機能を配置する。また、クライアント1801は、発信情報を取得する受信部1821、サーバ1800へリクエストを送信するリクエスト送信部1822、サーバ1800から比較結果を受信する比較結果受信部1823を含み設ける。
【0099】
上記システム構成例において、ユーザがクライアント1801上でSNS等を閲覧している際、ユーザが発信情報のメッセージ部分にマウスを移動させたとする。この場合、クライアント1801は、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報をサーバ1800にリクエストする。そして、サーバ1800が発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報を生成してクライアント1801に返答する。
図18の構成例によれば、クライアント1801は、取得した発信情報に加えて、サーバ1800で生成された関連情報を併せて表示することができ、クライアント1801は、処理負担を軽減して関連情報の表示を行えるようになる。
【0100】
(クライアント-サーバの利用形態例)
図19は、クライアント-サーバの利用形態例を示す図である。
図18のクライアント-サーバのシステム構成例に対応する利用形態例を示す。
【0101】
ユーザUは、例えば、スマートフォン等のクライアント(端末装置)1801のアプリケーションやブラウザ1802でSNSサイトを閲覧する。この場合、クライアント1801は、取得した発信情報を含むSNSの表示画面をクライアント1801上に表示する。そして、クライアント1801は、発信情報に基づくリクエストをサーバ1800に送信する(ステップS1901)。
【0102】
このリクエストに応じてサーバ1800は、レスポンスとして発信情報と信頼情報とを比較した比較情報をクライアントに返答する(ステップS1902)。このレスポンス時、サーバ1800内の情報表示装置100の機能は、比較情報、すなわち、信頼情報と、発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報をクライアント1801に返答する。
【0103】
クライアント1801は、表示しているSNSの表示画面の発信情報に、サーバ1800から返答されたメッセージ、すなわち、信頼情報および発信情報に対する信頼情報の関連状態を示す関連情報と、を併せて重畳等により表示する(ステップS1903)。
【0104】
このように、クライアント1801は、SNS等の発信情報を取得する場合、クライアント1801は、サーバ1800から発信情報に対応した信頼情報、信頼情報の関連状態を示す関連情報を取得して、発信情報、信頼情報および関連情報をユーザUに通知する。
【0105】
以上説明した実施の形態の情報表示装置100は、ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析する。そして、情報表示装置100は、発信情報と、信頼情報とを比較する。また、情報表示装置100は、発信情報の伝達経路を取得する。そして、情報表示装置100は、発信情報と、比較結果および発信情報の伝達経路を表示する。これにより、表示された比較結果および発信情報の伝達経路により、発信された情報の信頼性を判断するための情報をユーザに提示でき、ユーザが発信情報の信頼性を容易に判断できるようになる。
【0106】
また、情報表示装置100は、取得した発信情報の伝達経路を解析し、発信情報がオリジナルであるか否かを判断する処理を含み実行し、表示する処理は、表示判断結果を併せて表示することとしてもよい。これにより、発信情報の信頼性をユーザがより適切に判断できるようになる。
【0107】
また、情報表示装置100は、表示する処理は、発信情報がオリジナルであるか否かを示す情報、および発信情報の信頼性を示す情報を表示する、処理を含み実行してもよい。これにより、発信情報の信頼性をユーザがより適切に判断できるようになる。
【0108】
また、情報表示装置100は、比較する処理は、取得した信頼情報を解析して得た各要素について、要素数あるいは値の範囲が異なる設定を用いて発信情報を解析した各要素と比較する。そして、情報表示装置100は表示する処理は、異なる設定別に、発信情報の信頼性を示す情報を表示することとしてもよい。これにより、発信情報の信頼性別に複数の情報をユーザに表示でき、発信情報の信頼性をユーザがより適切に判断できるようになる。
【0109】
また、情報表示装置100は、発信情報を解析する処理、および信頼情報を解析する処理は、それぞれ、情報のジャンル、情報の発信時刻、情報のテキストに含まれる場所、情報のテキストに含まれるイベント、の各要素の少なくとも一つを抽出する、処理を含み実行してもよい。これにより、発信情報の各要素について信頼情報と比較処理でき、発信情報の信頼性を判断するための細かな情報をユーザに提示できるようになる。
【0110】
また、情報表示装置100は、比較する処理は、発信情報を解析した要素と、信頼情報を解析した要素と、の差分を抽出し、表示する処理は、差分の情報を表示することとしてもよい。この差分の情報により、ユーザは、発信情報の信頼性を要素ごとに正しく判断できるようになる。
【0111】
また、情報表示装置100は、比較する処理は、発信情報および信頼情報それぞれの情報の古さを判断し、所定の閾値以上の情報の古さであるか否かを判断する。そして、情報表示装置100は、表示する処理は、古いと判断された発信情報または信頼情報が古い情報である旨を併せて表示することとしてもよい。これにより、ユーザは、発信情報の古さを含め、信頼性を正しく判断できるようになる。
【0112】
なお、本発明の実施の形態で説明した情報表示方法は、予め用意されたプログラムをサーバ等のプロセッサに実行させることにより実現することができる。本方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本方法は、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0113】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0114】
(付記1)ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、
前記発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析し、
前記発信情報と、前記信頼情報とを比較し、
前記発信情報の伝達経路を取得し、
前記発信情報と、前記比較結果および前記発信情報の伝達経路を表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報表示プログラム。
【0115】
(付記2)取得した前記発信情報の伝達経路を解析し、前記発信情報がオリジナルであるか否かを判断する処理を含み、
前記表示する処理は、前記表示前記判断結果を併せて表示する、
ことを特徴とする付記1に記載の情報表示プログラム。
【0116】
(付記3)前記表示する処理は、前記発信情報がオリジナルであるか否かを示す情報、および前記発信情報の信頼性を示す情報を表示する、
処理を含むことを特徴とする付記1に記載の情報表示プログラム。
【0117】
(付記4)前記比較する処理は、取得した前記信頼情報を解析して得た各要素について、要素数あるいは値の範囲が異なる設定を用いて前記発信情報を解析した各要素と比較し、
前記表示する処理は、前記異なる設定別に、前記発信情報の信頼性を示す情報を表示する、
ことを特徴とする付記1に記載の情報表示プログラム。
【0118】
(付記5)前記発信情報を解析する処理、および前記信頼情報を解析する処理は、それぞれ、情報のジャンル、情報の発信時刻、情報のテキストに含まれる場所、情報のテキストに含まれるイベント、の各要素の少なくとも一つを抽出する、
処理を含むことを特徴とする付記1に記載の情報表示プログラム。
【0119】
(付記6)前記比較する処理は、前記発信情報を解析した要素と、前記信頼情報を解析した要素と、の差分を抽出し、
前記表示する処理は、前記差分の情報を表示することを特徴とする付記5に記載の情報表示プログラム。
【0120】
(付記7)前記比較する処理は、前記発信情報および前記信頼情報それぞれの情報の古さを判断し、所定の閾値以上の情報の古さであるか否かを判断し、
前記表示する処理は、古いと判断された前記発信情報または前記信頼情報が古い情報である旨を併せて表示する、
処理を含むことを特徴とする付記1に記載の情報表示プログラム。
【0121】
(付記8)ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、
前記発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析し、
前記発信情報と、前記信頼情報とを比較し、
前記発信情報の伝達経路を取得し、
前記発信情報と、前記比較結果および前記発信情報の伝達経路を表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報表示方法。
【0122】
(付記9)ネットワーク上で不特定に発信された発信情報を取得および解析し、
前記発信情報に関連し、信頼性があると判断された信頼情報を取得および解析し、
前記発信情報と、前記信頼情報とを比較し、
前記発信情報の伝達経路を取得し、
前記発信情報と、前記比較結果および前記発信情報の伝達経路を表示する、
処理を行う制御部を有することを特徴とする情報表示装置。
【0123】
(付記10)前記発信情報を送出するサーバに配置したことを特徴とする付記9に記載の情報表示装置。
【0124】
(付記11)前記発信情報を取得し、表示するクライアントから、前記信頼情報を取得し、前記クライアントからのリクエストに基づき、前記発信情報と、前記比較情報との比較結果、および前記発信情報の伝達経路の情報を前記クライアントに返答することを特徴とする付記9に記載の情報表示装置。
【符号の説明】
【0125】
100 情報表示装置
101 第1の解析部
102 信頼情報保存部
103 信頼情報DB
104 第2の解析部
105 経路確認部
106 信頼情報取得部
107 比較部
108 表示制御部
109 表示部
401 CPU
402 メモリ
405 記録媒体
500 信頼情報の取得リスト
900 ドメイン推定モデル
1201 厳しい検索条件
1202 緩い検索条件
1500 表示画面
1501 関連情報
1610 閾値テーブル
1700 SNSサーバ
1701,1801 クライアント
1702,1802 ブラウザ
1800 サーバ
1811 リクエスト受信部
1812 比較結果送信部
1821 受信部
1822 リクエスト送信部
1823 比較結果受信部
NW ネットワーク
U ユーザ