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特開2024-112813サポートテーブルから物体をアンロードする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112813
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】サポートテーブルから物体をアンロードする方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/207 20060101AFI20240814BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G03F7/207 H
H01L21/68 P
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024073843
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2023015807の分割
【原出願日】2018-05-03
(31)【優先権主張番号】17174583.9
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18152220.2
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デ シモーネ,ジョバンナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ヒューヴェル,マルコ,アドリアヌス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ローラン,ティボー,サイモン,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ブロックス,ルート,ヘンドリカス,マルティヌス,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ロゼット,ニーク,ヤコブス,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ゲリッツェン,ジャスティン,ヨハネス,ヘルマヌス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アンロードプロセス中にサポートテーブルから物体をアンロードする方法を提供する。
【解決手段】露光プロセス中に、物体の中央部の下にあるサポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加え、物体の周辺部の下にあるサポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えることによって、物体はサポートテーブルにクランプされる。クランプの間、第1の圧力及び第2の圧力は、物体とシール部材との間に液体が保持されるように制御される。シール部材は、サポートテーブルの上面において半径方向で中央領域と周辺領域との間に位置決めされると共に、物体の方へ突出している。この方法は、第1の圧力を周囲圧力の方へ増大させることと、第2の圧力を低減させることによって、物体とシール部材との間に保持された液体の少なくとも一部を除去することと、第2の圧力を周囲圧力の方へ増大させることと、を含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンロードプロセス中にサポートテーブルから物体をアンロードする方法であって、露光プロセス中に、
前記物体の中央部の下にある前記サポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加え、
前記物体の周辺部の下にある前記サポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えることによって、前記物体は前記サポートテーブルにクランプされ、クランプの間、前記第1の圧力及び前記第2の圧力は前記物体とシール部材との間に液体が保持されるように制御され、前記シール部材は、前記サポートテーブルの上面において半径方向で前記中央領域と前記周辺領域との間に位置決めされると共に、前記物体の方へ突出し、前記方法は、
前記第1の圧力を周囲圧力の方へ増大させることと、
前記第2の圧力を低減させることによって、前記物体と前記シール部材との間に保持された前記液体の少なくとも一部を除去することと、
前記第2の圧力を前記周囲圧力の方へ増大させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記液体の少なくとも一部を除去する前記ステップは、前記第2の圧力を前記露光プロセス中よりも低減させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の圧力を低減させる前に、前記物体を隆起させるように前記中央領域に過圧が加えられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の圧力が実質的に一定であり、かつ、前記第1の圧力と前記第2の圧力との間の圧力差が前記露光プロセス中と実質的に等しい場合、前記第1の圧力を周囲圧力の方へ増大させる前記ステップの後の任意の時点で前記過圧が加えられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
物体を保持するためのサポートテーブルであって、
前記物体の中央部の下にある中央領域に第1の圧力を加えるための第1のチャネルと、
前記物体の周辺部の下にある周辺領域に第2の圧力を加えるための第2のチャネルと、
前記サポートテーブルの上面において半径方向で前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとの間に位置決めされ、前記物体の方へ突出しているシール部材と、
を含むサポートテーブルと、
コントローラであって、
露光プロセス中に前記物体と前記シール部材との間に液体が保持されるように前記露光プロセス中に前記第1の圧力及び前記第2の圧力を加えることを制御し、
前記第1の圧力を周囲圧力の方へ増大させ、
前記物体と前記シール部材との間に保持された前記液体の少なくとも一部を除去するように前記第2の圧力を低減させ、
アンロードプロセス中に前記第2の圧力を前記周囲圧力の方へ増大させる、
ように適合されたコントローラと、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項6】
リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムであって、前記サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、前記真空システムはフロー回路を含み、前記フロー回路は、
前記サポートテーブルを前記基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインを含む第1の圧力回路と、
第2の圧力回路であって、
前記物体の周辺部の下にある前記サポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインと、
前記物体を前記サポートテーブルにクランプするように、前記物体の中央部の下にある前記サポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインと、
前記第2の圧力回路に圧力を与えるよう構成された真空デバイスと、
前記第2の圧力回路から分岐している第4の真空圧力ラインと、
を含む第2の圧力回路と、
前記第2の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための第1のフローコントローラと、
前記第4の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための第2のフローコントローラと、
を備える、真空システム。
【請求項7】
前記第2の圧力回路において二相流を分離するための分離チャンバを更に備える、請求項6に記載の真空システム。
【請求項8】
前記真空デバイスは前記第4の真空圧力ラインにおいて第3のフローコントローラの上流にある真空チャンバを含む、請求項6又は7に記載の真空システム。
【請求項9】
前記第4の真空圧力ラインは前記第1の圧力回路と流体連通している、請求項8に記載の真空システム。
【請求項10】
前記真空デバイスはベンチュリポンプを含む、請求項6又は7に記載の真空システム。
【請求項11】
リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムであって、前記サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、前記真空システムはフロー回路を含み、前記フロー回路は、
第1の圧力回路であって、
前記サポートテーブルを前記基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインと、
前記物体の周辺部の下にある前記サポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインと、
前記物体を前記サポートテーブルにクランプするように、前記物体の中央部の下にある前記サポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインと、
を含む第1の圧力回路と、
前記第2の真空圧力ラインにおける圧力を制御するためのフローコントローラと、
周囲圧力から前記第3の真空圧力ラインへの流れを制御するための別のフローコントローラと、
を備える、真空システム。
【請求項12】
リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムであって、前記サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、前記真空システムはフロー回路を含み、前記フロー回路は、
第1の圧力回路であって、
前記サポートテーブルを前記基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインと、
前記物体を前記サポートテーブルにクランプするように、前記物体の中央部の下にある前記サポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインと、
を含む第1の圧力回路と、
前記物体の周辺部の下にある前記サポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインを含む第2の圧力回路と、
前記第2の真空圧力ラインにおける圧力を制御するためのフローコントローラと、
前記第3の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための別のフローコントローラと、
を備える、真空システム。
【請求項13】
リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムであって、前記サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、前記真空システムはフロー回路を含み、前記フロー回路は、
第1の圧力回路であって、
前記サポートテーブルを前記基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインを含む第1の圧力回路と、
第2の圧力回路であって、
前記物体の周辺部の下にある前記サポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインと、
前記物体を前記サポートテーブルにクランプするように、前記物体の中央部の下にある前記サポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインであって、前記第2の真空圧力ラインと前記第3の真空圧力ラインとの間に所定の圧力差を保持するためのフローコントローラを介して前記第2の真空圧力ラインに接続されている、第3の真空圧力ラインと、
を含む第2の圧力回路と、
周囲圧力から前記第2の真空圧力ラインへの流れを制御するための別のフローコントローラと、
を備える、真空システム。
【請求項14】
リソグラフィ装置のサポートテーブルを位置決めするためのポジショナであって、請求項6から13のいずれかに記載の真空システムを備えるポジショナ。
【請求項15】
請求項14に記載のポジショナを備えるリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2017年6月6日に出願された欧州特許出願第17174583.9号及び2018年1月18日に出願された18152220.2号の優先権を主張する。これらは援用により全体が本願に含まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、アンロードプロセス中にサポートテーブルから物体をアンロードする方法、リソグラフィ装置、物体を保持するためのリソグラフィ装置のサポートテーブルのための真空システム、及びポジショナに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は例えば、パターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(しばしば「設計レイアウト」又は「設計」とも称される)を、基板(例えばウェーハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板にパターンを投影するため、リソグラフィ装置は電磁放射を用いることができる。この放射の波長は、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm、及び13.5nmである。4nm~20nmの範囲内の波長、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置を用いると、例えば193nmの波長の放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成することができる。
【0005】
[0005] より小さいフィーチャの解像度の向上を可能とするため、リソグラフィシステムに液浸技法が導入されている。液浸リソグラフィ装置では、装置の投影システム(パターン付きビームはこれを通過して基板の方へ投影される)と基板との間の空間に、比較的高い屈折率を有する液浸液の液体層が置かれる。液浸液は、最後に、投影システムの最終要素の下にある基板の一部を覆う。従って、露光が行われる基板の少なくとも一部は液体に浸される。液浸液の効果は、露光放射は気体中よりも液浸液中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化が可能となることである。(また、液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくすること、及び焦点深度を大きくすることであるとも考えられる。)
【0006】
[0006] 市場向けの液浸リソグラフィにおいて、液浸液は水である。通常、この水は、半導体製造工場で一般的に用いられる超純水(UPW)のような高純度の蒸留水である。液浸システムにおいて、UPWは精製されることが多く、液浸液として空間へ供給される前に追加の熱ステップを実行する場合がある。水以外に、高い屈折率を有する他の液体を液浸液として使用できる。その例として、フッ化炭化水素のような炭化水素、及び/又は水溶液が挙げられる。更に、液浸リソグラフィで使用するため、液体以外の他の流体も想定されている。
【0007】
[0007] 本明細書における記載では、使用中に最終要素と最終要素に対向する表面との間の空間に液浸液を閉じ込める局所液浸に言及している。対向表面は、基板の表面であるか、又は基板の表面と同一平面上にあるサポートテーブル(又は基板サポート)の表面である。(以下の文書で基板の表面に言及する場合は、特に明記しない限り、これに加えて又はこの代わりに基板サポートの表面のことも指し、その逆もまた同様であることに留意されたい)。投影システムとステージとの間に存在する流体ハンドリング構造を用いて、液浸液を空間に閉じ込める。液浸液によって充填される空間は平面視で基板の上面よりも小さく、この空間は、下方で基板及び基板ステージが移動している間、投影システムに対して実質的に静止状態に維持される。
【0008】
[0008] 非閉じ込め液浸システム(いわゆる「オールウェット(All Wet)」液浸システム)及び浴式液浸システムのような他の液浸システムも想定されている。非閉じ込め液浸システムにおいて、液浸液は、最終要素の下にある表面よりも広い面積を覆う。空間外の液体は薄い液膜として存在する。液浸液は基板の表面全体を覆うか、又は基板及びこの基板と同一平面上のサポートテーブルも覆う。浴式システムにおいて、基板は液浸液浴内に完全に浸される。
【0009】
[0009] 流体ハンドリング構造は、液浸液を空間に供給し、液浸液を空間から除去し、これによって液浸液を空間に閉じ込める構造である。これは、流体供給システムの一部である特徴部(feature)を含む。図2及び図3は、そのようなシステムで使用することができる異なる供給デバイスを示す。流体ハンドリング構造は、投影システムの最終要素とサポートテーブル又は基板との間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延出して、この空間を部分的に画定するようになっている。
【0010】
[00010] 流体ハンドリング構造は、選ばれた様々な機能を有することができる。各機能は、流体ハンドリング構造がその機能を達成することを可能とする対応した特徴部から得られる。流体ハンドリング構造は、例えばバリア部材、シール部材、流体供給システム、流体除去システム、液体閉じ込め構造等、それぞれが機能を表す多くの異なる用語によって言及されることがある。
【0011】
[0010] バリア部材としての流体ハンドリング構造は、空間からの液浸液の流れに対するバリアである。液体閉じ込め構造としての構造は、液浸液を空間に閉じ込める。シール部材としての流体ハンドリング構造の封止特徴部は、液浸液を空間に閉じ込めるシールを形成する。封止特徴部は、ガスナイフのようなシール部材の表面の開口からの追加のガス流を含み得る。
【0012】
[0011] 液浸装置では、基板の裏側とサポートテーブルの上部との間のシールに、液体(例えば水)メニスカスが固定される(stabilize)。サポートテーブルから基板を除去する場合、この液体の一部が基板上及びサポートテーブル上に残る可能性がある。サポートテーブルから基板を除去する場合に基板上及び/又はサポートテーブル上に残る液体の量を低減することが望ましい。
【発明の概要】
【0013】
[0012] 本発明の一態様に従って、アンロードプロセス中にサポートテーブルから物体をアンロードする方法が提供される。露光プロセス中に、
物体の中央部の下にあるサポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加え、
物体の周辺部の下にあるサポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えることによって、物体はサポートテーブルにクランプされ、クランプの間、第1の圧力及び第2の圧力は物体とシール部材との間に液体が保持されるように制御され、シール部材は、サポートテーブルの上面において半径方向で中央領域と周辺領域との間に位置決めされると共に、物体の方へ突出し、方法は、
第1の圧力を周囲圧力の方へ増大させることと、
第2の圧力を低減させることによって、物体とシール部材との間に保持された液体の少なくとも一部を除去することと、
第2の圧力を周囲圧力の方へ増大させることと、
を含む。
【0014】
[0013] 本発明の一態様に従って、リソグラフィ装置が提供される。このリソグラフィ装置は、
物体を保持するためのサポートテーブルであって、
物体の中央部の下にある中央領域に第1の圧力を加えるための第1のチャネルと、
物体の周辺部の下にある周辺領域に第2の圧力を加えるための第2のチャネルと、
サポートテーブルの上面において半径方向で第1のチャネルと第2のチャネルとの間に位置決めされ、物体の方へ突出しているシール部材と、
を含むサポートテーブルと、
コントローラであって、
露光プロセス中に物体とシール部材との間に液体が保持されるように露光プロセス中に第1の圧力及び第2の圧力を加えることを制御し、
第1の圧力を周囲圧力の方へ増大させ、
物体とシール部材との間に保持された液体の少なくとも一部を除去するように第2の圧力を低減させ、
アンロードプロセス中に第2の圧力を周囲圧力の方へ増大させる、
ように適合されたコントローラと、
を備える。
【0015】
[0014] 本発明の一態様に従って、リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムが提供される。サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、真空システムはフロー回路(flow circuit)を含み、フロー回路は、
サポートテーブルを基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインを含む第1の圧力回路と、
第2の圧力回路であって、
物体の周辺部の下にあるサポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインと、
物体をサポートテーブルにクランプするように、物体の中央部の下にあるサポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインと、
第2の圧力回路に圧力を与えるよう構成された真空デバイスと、
第2の圧力回路から分岐している第4の真空圧力ラインと、
を含む第2の圧力回路と、
第2の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための第1のフローコントローラと、
第4の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための第2のフローコントローラと、
を備える。
【0016】
[0015] 本発明の一態様に従って、リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムが提供される。サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、真空システムはフロー回路を含み、フロー回路は、
第1の圧力回路であって、
サポートテーブルを基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインと、
物体の周辺部の下にあるサポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインと、
物体をサポートテーブルにクランプするように、物体の中央部の下にあるサポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインと、
を含む第1の圧力回路と、
第2の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための第1のフローコントローラと、
周囲圧力から第3の真空圧力ラインへの流れを制御するための第4のフローコントローラと、
を備える。
【0017】
[0016] 本発明の一態様に従って、リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムが提供される。サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、真空システムはフロー回路を含み、フロー回路は、
第1の圧力回路であって、
サポートテーブルを基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインと、
物体をサポートテーブルにクランプするように、物体の中央部の下にあるサポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインと、
を含む第1の圧力回路と、
物体の周辺部の下にあるサポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインを含む第2の圧力回路と、
第2の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための第1のフローコントローラと、
第3の真空圧力ラインにおける圧力を制御するための第5のフローコントローラと、
を備える。
【0018】
[0017] リソグラフィ装置の基板テーブル及びサポートテーブルのための真空システムであって、サポートテーブルは物体を保持するためのものであり、真空システムはフロー回路を含み、フロー回路は、
第1の圧力回路であって、
サポートテーブルを基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインを含む第1の圧力回路と、
第2の圧力回路であって、
物体の周辺部の下にあるサポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインと、
物体をサポートテーブルにクランプするように、物体の中央部の下にあるサポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインであって、第2の真空圧力ラインと第3の真空圧力ラインとの間に所定の圧力差を保持するためのフローコントローラを介して第2の真空圧力ラインに接続されている、第3の真空圧力ラインと、
を含む第2の圧力回路と、
周囲圧力から第2の真空圧力ラインへの流れを制御するための別のフローコントローラと、
を備える、真空システム。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[0018] これより、添付の概略図を参照して本発明の実施形態を単に一例として説明する。添付図面において、対応する参照符号は対応する部分を示す。
【0020】
図1】[0019] 本発明の一実施形態に従ったリソグラフィ装置を示す。
図2】[0020] リソグラフィ投影装置における使用向けの液体供給システムを示す。
図3】[0021] 一実施形態に従った別の液体供給システムを示す側断面図である。
図4】[0022] 本発明の一実施形態に従ってサポートテーブル上に支持された基板を概略的に示す。
図5】[0023] 図4に示されている基板とサポートテーブルとの間に固定された液体メニスカスをクローズアップで概略的に示す。
図6】[0024] サポートテーブルから基板が除去された場合に液体メニスカスに起こり得ることをクローズアップで概略的に示す。
図7】[0025] 本発明の一実施形態に従ったアンロードプロセス中の異なる領域における時間と圧力との関係を示すグラフである。
図8】[0026] 比較例に従った異なる領域における時間と圧力との関係を示すグラフである。
図9】[0027] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図10】[0027] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図11】[0027] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図12】[0027] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図13】[0027] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図14】[0027] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図15】[0028] 本発明の一実施形態に従ってサポートテーブル上に支持された基板の側断面図を概略的に示す。
図16】[0029] 本発明の一実施形態に従ったアンロードプロセス中の異なる領域における時間と圧力との関係を示すグラフである。
図17】[0030] 比較例に従った異なる領域における時間と圧力との関係を示すグラフである。
図18】[0031] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図19】[0031] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図20】[0031] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図21】[0031] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
図22】[0031] 本発明の実施形態に従った真空システムの図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0032] 本文書において、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線放射(例えば365nm、248nm、193nm、157nm、又は126nmの波長を有する)を含む、あらゆるタイプの電磁放射を包含するため使用される。
【0022】
[0033] 「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、本文で用いる場合、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応して、入来する放射ビームにパターン付き断面を与えるため使用できる汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。また、この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型マスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)以外に、他のそのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイ及び/又はプログラマブルLCDアレイを含む。
【0023】
[0034] 図1はリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は以下のものを備えている。
a.任意選択として、放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL
b.パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MT
c.例えば、1つ以上のセンサを支持するセンサテーブル、又は基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成されたサポートテーブルWTのような、特定のパラメータに従って例えば基板W等のテーブルの表面を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続されたサポートテーブル
d.パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PS
【0024】
[0035] 動作中、照明システムILは、放射源SOからの放射ビーム又は放射を、例えばビームデリバリシステムBDを介して受光する。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気、及び/又は他のタイプの光学コンポーネントのような様々なタイプの光学コンポーネント、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。イルミネータILを用いて、パターニングデバイスMAの面において放射ビームBが断面内に所望の空間及び角度の強度分布を有するように調整することができる。
【0025】
[0036] 本明細書で用いられる「投影システム」PSという用語は、使用する放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用のような他の要因に合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム、及び/又は静電気光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈するべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0026】
[0037] リソグラフィ装置は、例えば2つ以上のサポートテーブル、又は1つ以上のサポートテーブルと1つ以上の洗浄テーブル、センサテーブル、もしくは測定テーブルとの組み合わせのように、2つ以上のサポートテーブルを有するタイプとすることができる。例えばリソグラフィ装置は、投影システムの露光側に位置付けられた2つ以上のテーブルを備えるマルチステージ装置であり、各テーブルが1つ以上の物体を備えている及び/又は保持している。一例において、テーブルのうち1つ以上は、放射感応性基板を保持することができる。一例において、テーブルのうち1つ以上は、投影システムからの放射を測定するセンサを保持することができる。一例において、マルチステージ装置は、放射感応性基板を保持するように構成された第1のテーブル(すなわちサポートテーブル)と、放射感応性基板を保持するように構成されていない第2のテーブル(以降、限定ではないが一般に、測定テーブル、センサテーブル、及び/又は洗浄テーブルと呼ぶ)とを備える。第2のテーブルは、放射感応性基板以外の1つ以上の物体を備える及び/又は保持することができる。このような1つ以上の物体には、投影システムからの放射を測定するセンサ、1つ以上のアライメントマーク、及び/又は(例えば液体閉じ込め構造を洗浄する)洗浄デバイスから選択された1つ以上のものが含まれ得る。
【0027】
[0038] 動作中、放射ビームBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイスMAに存在するパターン(設計レイアウト)に入射し、パターニングデバイスMAによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ、又は容量センサ)を用いて、例えば、放射ビームBの経路内の集束し位置合わせした位置に様々なターゲット部分Cを位置決めするように、サポートテーブルWを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示的に図示されていない)を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスマスクアライメントマークM、M及び基板アライメントマークP、Pを用いて位置合わせすることができる。図示されている基板アライメントマークM、Mは専用のターゲット部分を占有するが、それらをターゲット部分C間の空間に位置付けることも可能である(スクライブラインアライメントマークとして既知である)。
【0028】
[0039] 図2は、局所液体供給システム又は流体ハンドリングシステムを概略的に示す。液体供給システムには、投影システムPSの最終要素とサポートテーブルWT又は基板Wとの間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延出する流体ハンドリング構造IH(又は流体閉じ込め構造)が設けられている。流体ハンドリング構造IHは、XY面内で投影システムPSに対して実質的に静止状態であるが、Z方向(光軸の方向)では、ある程度の相対的な移動が生じ得る。一例においては、流体ハンドリング構造IHと基板Wの表面との間にシールが形成され、これは、ガスシール(ガスシールを有するそのようなシステムは欧州特許第1,420,298号に開示されている)又は液体シールのような無接触シールとすればよい。
【0029】
[0040] 流体ハンドリング構造IHは、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液浸液を閉じ込める。空間11は、投影システムPSの最終要素の下方で最終要素を取り囲むように位置決めされた流体ハンドリング構造IHによって少なくとも部分的に形成される。液浸液は、液体開口13のうち1つによって、投影システムPSの下方の流体ハンドリング構造IH内の空間11に導入される。液浸液は、液体開口13のうち別のものによって除去することも可能である。液浸液は、少なくとも2つの液体開口13を介して空間11内に導入してもよい。液浸液を供給するため液体開口13のうちどれを使用するか、また任意選択的に液浸液を除去するため液体開口13のうちどれを使用するかは、サポートテーブルWTの移動方向に応じて決定できる。
【0030】
[0041] 使用中に流体ハンドリング構造IHの底部と基板Wの表面との間に形成されるガスによって形成されたガスシール16等の無接触シールにより、液浸液を空間11に閉じ込めることができる。ガスシール16内のガスは、圧力下でインレット15を通って流体ハンドリング構造IHと基板Wとの間のギャップに提供される。ガスはアウトレット14を介して抜き取られる。ガスインレット15の過圧、アウトレット14の真空レベル、及びギャップのジオメトリは、液浸液を閉じ込める内側への高速ガス流が生じるように構成されている。そのようなシステムが、米国特許第2004/0207824号に開示されている(これは援用により全体が本願に含まれる)。一例において、流体ハンドリング構造IHはガスシール16を持たない。
【0031】
[0042] 図3は、一実施形態に従った別の液体供給システム又は流体ハンドリングシステムを示す側断面図である。図3に示すと共に以下で説明する構成は、上述し図1に示したリソグラフィ装置に適用することができる。液体供給システムには、投影システムPSの最終要素とサポートテーブルWT又は基板Wとの間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延出する流体ハンドリング構造IH(又は液体閉じ込め構造)が設けられている。
【0032】
[0043] 流体ハンドリング構造IHは、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液浸液を閉じ込める。空間11は、投影システムPSの最終要素の下方で最終要素を取り囲むように位置決めされた流体ハンドリング構造IHによって少なくとも部分的に形成される。一例において、流体ハンドリング構造IHは本体部材53及び多孔性部材33を備えている。多孔性部材33は板状であり、複数の孔(すなわち開口又は細孔)を有する。一実施形態において、多孔性部材33はメッシュプレートであり、多数の小さい孔84がメッシュ状に形成されている。このようなシステムは、米国特許第2010/0045949A1号に開示されている。これは援用により全体が本願に含まれる。
【0033】
[0044] 本体部材53は、空間11に液浸液を供給することができる供給ポート72と、空間11から液浸液を回収することができる回収ポート73と、を備えている。供給ポート72は、通路74を介して液体供給装置75に接続されている。液体供給装置75は、対応する通路74を介して液浸液を供給ポート72に供給することができる。回収ポート73は、空間11から液浸液を回収することができる。回収ポート73は、通路79を介して液体回収装置80に接続されている。液体回収装置80は、回収ポート73を介して回収された液浸液を、通路29を通して回収する。多孔性部材33は回収ポート73に配置されている。供給ポート72を用いて液体供給動作を実行し、多孔性部材33を用いて液体回収動作を実行することで、一方側で投影システムPSと流体ハンドリング構造IHとの間に、他方側で基板Wとの間に空間11が形成される。
【0034】
[0045] 図4は、サポートテーブルWT上に支持された基板Wの断面を概略的に示す。以下では、物体の一例として基板Wを、サポートテーブルの一例としてサポートテーブルWTを参照して本発明を説明する。しかしながら、本発明は、基板WがサポートテーブルWT上に支持された状況に限定されない。例えば本発明は、支持構造MTによって支持されたパターニングデバイスMAに適用可能である。
【0035】
[0046] 図4に示されているように、基板WはサポートテーブルWTによって支持される。リソグラフィ装置の使用中、基板WはサポートテーブルWTにクランプすることができる。例えば、露光プロセス中、基板WはサポートテーブルWTにクランプされる。露光プロセスと露光プロセスとの間に、基板WはサポートテーブルWTからアンロードされる場合がある。例えば、基板交換シーケンス中、基板Wは基板WTから除去される場合がある。
【0036】
[0047] 図4に示されているように、一実施形態において、サポートテーブルWTは第1のチャネル26を含む。第1のチャネル26は、基板Wの中央部分WCの下にあるサポートテーブルWTの中央領域21に第1の圧力p1を加えるためのものである。図4に示されているように、一実施形態において、第1のチャネル26はサポートテーブルWTの本体20を貫通するように設けられている。一実施形態において、第1のチャネル26は、中央領域21に第1の圧力p1を加えるように構成された圧力回路に接続されている。第1の圧力p1は基板Wの上方の周囲圧力よりも小さいので、基板WはサポートテーブルWTにクランプされる。
【0037】
[0048] 一実施形態において、サポートテーブルWTは第2のチャネル27を含む。第2のチャネル27は、基板Wの周辺部分WPの下にあるサポートテーブルWTの周辺領域22に第2の圧力p2を加えるためのものである。第2のチャネル27は第1のチャネル26の半径方向外側にある。一実施形態において、第2のチャネル27はサポートテーブルWTの本体20を貫通して設けられている。代替的な実施形態では、第2のチャネル27は、本体20と本体20を半径方向に取り囲む抽出体(extraction body)との間のギャップとして設けられている。一実施形態において、第2のチャネル27は、周辺領域22に第2の圧力p2を加えるように構成された圧力回路に接続されている。
【0038】
[0049] 一実施形態において、サポートテーブルWTはシール部材24を含む。シール部材24は、半径方向で第1のチャネル26と第2のチャネル27との間に位置決めされている。シール部材24はサポートテーブルWTの上面に位置決めされている。シール部材24は平面視で環状である。シール部材24は基板Wの方へ突出している。しかしながら、基板WがサポートテーブルWTにクランプされた場合にシール部材24は基板Wと直接接触しない。シール部材24の上部と基板Wの裏側との間には小さいギャップがある。
【0039】
[0050] 一実施形態において、サポートテーブルWTは外側シール25を含む。外側シール25は第2のチャネル27の半径方向外側に位置決めされている。外側シール25はサポートテーブルWTの上面に位置決めされている。外側シール部材25は平面視で環状である。外側シール部材25は基板Wの方へ突出している。しかしながら、基板WがサポートテーブルWTにクランプされた場合に外側シール部材25は基板Wと直接接触しない。外側シール部材25の上部と基板Wの裏側との間には小さいギャップがある。
【0040】
[0051] 露光プロセス中、周辺領域22から第2のチャネル27を介して流体が抽出される。第2のチャネル27によって加えられる第2の圧力p2は、基板WをサポートテーブルWTにクランプするのを更に促進する。第2のチャネル27を通る流体流は、基板Wの裏側に到達する液浸液の量を低減させるのに役立つ。
【0041】
[0052] 露光プロセス中、シール部材24と基板Wとの間にシールが形成される。具体的には、シール部材24の上部と基板Wの底部との間で、液体メニスカス23がシール部材24上に固定される。液体メニスカス23は毛細管圧に基づいて固定化される。第1の圧力p1及び第2の圧力p2は、これらの圧力の差がシール部材24の上の毛細管圧よりも小さい(すなわち、シール部材24から液体メニスカス23を除去するために必要な力よりも小さい)ように制御される。
【0042】
[0053] 上述のように、第1のチャネル26及び第2のチャネル27は、以下で更に詳しく説明される真空システム40の一部を形成する1つ以上の圧力回路に接続されている。一実施形態において、真空システム40(すなわち真空供給)は、供給圧力が変動する場合であっても第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差が維持されるように構成されている。
【0043】
[0054] 第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差は、基板WとサポートテーブルWTとの間のギャップ(すなわちシール部材24から離れた領域)における毛細管圧よりも大きいように制御される。このため、図5に示されているように液体メニスカス23はシールにおいて固定する。図5は、サポートテーブルWTのシール部材24において固定化された液体メニスカス23のクローズアップである。
【0044】
[0055] 露光プロセス中、液体メニスカス23が存在するためシール部材24は濡れている。基板WがサポートテーブルWTからアンロードされた(すなわち除去された)場合、液体メニスカス23からの液体の一部が基板W上に残り、液体メニスカス23の液体の一部がシール部材24と接触した状態を保つ可能性がある。基板Wと接触した状態を保ってシール部材24上にある液体メニスカス23からの液体量を低減することが望ましい。
【0045】
[0056] 図1に示されているように、一実施形態において、リソグラフィ装置はコントローラ500を備えている。コントローラ500は、第1のチャネル26及び第2のチャネル27に接続された真空供給を制御するように構成されている。コントローラ500は、中央領域21及び周辺領域22にそれぞれ加えられる第1の圧力p1及び第2の圧力p2を制御するように構成されている。
【0046】
[0057] 図6は、基板WがサポートテーブルWTからアンロードされた後、基板W上に残ってシール部材24と接触した状態のままである液体メニスカス23からの液体を示す。この残留液体は望ましくない。
【0047】
[0058] 一実施形態では、基板Wをアンロードする直前に、周辺領域22における真空レベルを増大させることによってシール部材24上に大きい圧力差を生成する。これについては以下で更に詳しく説明する。
【0048】
[0059] 一実施形態において、コントローラ500は、露光プロセス中に基板Wとシール部材24との間で液体が保持されるように、露光プロセス中の第1の圧力p1及び第2の圧力p2の適用を制御するよう適合されている。これが図5に示された状況である。アンロードプロセスの直前及び実行中におけるコントローラ500の機能について以下で説明する。
【0049】
[0060] 図7は、アンロードプロセスの実行前及び実行中の異なる領域における時間と圧力との関係を示すグラフである。一点鎖線で形成された下方のラインは、アンロードプロセス実行中の周辺領域22における第2の圧力p2を示す。破線で形成された上方のラインは、アンロードプロセス実行中の中央領域21における第1の圧力p1を表す。
【0050】
[0061] 図7に示されている圧力変動は、アンロードプロセスの実行前及び実行中に第1の圧力p1及び第2の圧力p2がどのように変動するかを示す単なる一例を表している。しかしながら、本発明は図7に示されているような特定の形態のラインに限定されない。
【0051】
[0062] 図7に示されているように、一実施形態において、コントローラ500は第1の圧力p1を周囲圧力の方へ増大させるように適合されている。これは、図7に示されている(3つの時間期間のうち)中央の時間領域に示されている。
【0052】
[0063] 一実施形態において、コントローラ500は、基板Wとシール部材24との間に保持された液体の少なくとも一部が除去されるように、第2の圧力p2を低下させるよう適合されている。これは図7において、第2の圧力p2が低下する中央の時間期間の開始部分に示されている。
【0053】
[0064] これは、基板WがサポートテーブルWTから除去される前に行われる。従って、基板WがサポートテーブルWTのバール上に支持された状態のままであるときに、第2の圧力p2を低下させる(かつ、第1の圧力p1を増大させる)。この時点で(すなわち基板Wがアンロードされる前に)、液体メニスカス23からの液体の少なくとも一部が除去される。液体は第2のチャネル27を介して除去することができる。
【0054】
[0065] 一実施形態において、コントローラ500は、アンロードプロセス中に第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させるように適合されている。これは、図7に示されている中央の時間期間の後半部分及び右側の時間期間に示されている。具体的には、第2の圧力p2は、最小値に達した後に周囲圧力の方へ増大させる。第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させることによって、基板WをサポートテーブルWTから除去できるようにクランプ圧力を低下させる。
【0055】
[0066] アンロードプロセス前に液体の少なくとも一部を除去することによって、アンロードプロセス後に基板Wの裏側に残っている液体の量を低減させる。これは、アンロードした基板Wを後で処理する際に発生する恐れのある望ましくない問題を軽減する。例えば、アンロードした基板Wの裏側の液体残留物が毛細管力を発生させ、結果として基板Wに引っかき傷(scratch)が生じる可能性がある。これは基板Wの品質を低下させる。具体的に述べると、一部の基板Wは再利用されることがあるが、これは、基板WをサポートテーブルWTからアンロードした後、アンロードした基板Wを後に再びそのサポートテーブル(又は異なるサポートテーブル)WTにクランプする必要があることを意味する。クロージング基板(closing substrate)は、そのような基板Wの一例である。そのような再利用可能な基板Wが、例えば引っかき傷を発生させ得る液体残留物を有することは、望ましくない。
【0056】
[0067] アンロードプロセス前に液体の少なくとも一部を除去することによって、シール部材24及び/又は外側シール25に接触した状態のままである液体の量を低減させる。これは、後に基板WがサポートテーブルWT上のいずれかの特定位置に不必要に付着する可能性を低下させる。また、これは、一部の液体が測定に使用されるグリッドへ偶発的に移動するリスクを低下させる。また、これは、次の基板Wをロードする際に蒸発する可能性のある液体の量を低減させる。蒸発が起こると、低温スポット(cold spot)が生じ、このためサポートテーブルWTが不必要に変形する。また、これは、サポートテーブルWT上で伝達される汚染の量を低減させる。
【0057】
[0068] 上述の通り、基板Wをアンロードする直前に、周辺領域22における真空レベルを増大させると共に中央領域21における真空レベルを低下させることによって、シール部材24上に大きい圧力差を生成する。
【0058】
[0069] 比較例として、液体の量を低減させるための代替的な方法は、基板Wをアンロードするシーケンス中に液体メニスカス23を排出することである。まず、周辺領域22に真空が維持されている間に、中央領域21にガスを吹き込むことができる。これによって、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差が増大してシール部材24上の毛細管圧よりも大きくなる。この結果、シール部材24から液体メニスカス23が取り除かれる。その後、第2の圧力p2が増大して基板Wを解放できるように、第2の圧力p2のための真空をオフに切り換えることができる。
【0059】
[0070] 本発明の一実施形態は、この比較例に対する改善を達成することが予想される。具体的に述べると、本発明の一実施形態は、サポートテーブルWTのエッジにおけるバールの摩耗を軽減させることが予想される。
【0060】
[0071] これは、基板Wの周辺部分WPの下に第2の圧力p2を維持しながら基板Wの中央部分WCの下に過圧を加えた場合、基板Wが傘の形状に屈曲するからである。基板Wのエッジは、基板Wのエッジにおけるバールの上で滑る。これはバールを摩耗させる。
【0061】
[0072] 本発明の一実施形態は、基板Wの屈曲の低減を達成することが予想される。本発明の一実施形態では、基板Wの中央部分WPの下に、過圧(すなわち、第1の圧力p1を周囲圧力よりも大きく増大させること)は適用されない。従って、基板Wの屈曲によるバールの摩耗は軽減する。
【0062】
[0073] 別の比較例として、第1の圧力p1及び第2の圧力p2の双方を周囲圧力の方へ徐々に増大させることにより、基板Wをアンロードすることができる。図8は、そのような比較例に従って基板Wをアンロードする場合の異なる領域における時間と圧力との関係を示すグラフである。図8において、下方のラインは第2の圧力p2を示し、上方のラインは第1の圧力p1を示す。
【0063】
[0074] 図7及び図8に示されているシーケンスは、基板Wの周辺部分WPの下に加えられた真空を著しく低下させるまでは基板Wの中央部分Cの下に過圧を加えない。図7及び図8は、アンロードの最終段階で第1の圧力p1を周囲圧力よりも大きく増大させ得ることを示す。過圧によって基板Wは傘の形状に変形する。これによって基板Wが外側のバールの上で滑る可能性がある。しかしながら、第1の圧力p1が周囲圧力よりも大きくなるときには第2の圧力p2は周囲圧力に極めて近いので、この滑りがバールに加える垂直力は最小限である。この結果、サポートテーブルWTのエッジにおけるバールの摩耗は低減する。しかしながら、図8に示されているシーケンスでは、液体メニスカス23からの液体の望ましくない量が基板W及び/又はサポートテーブルWT上に残る。
【0064】
[0075] 本発明の一実施形態は、上述の比較例に対する改善を達成することが予想される。具体的に述べると、本発明の一実施形態は、アンロードプロセス中の基板Wのエッジにおける屈曲を回避しながら、シール部材24の上へ戻っていく液体の量を低減させることが予想される。
【0065】
[0076] 具体的に述べると、図8に示されているシーケンスでは、第2の圧力p2を増大させるとすぐに液体はシール部材24の上へ戻っていく。この結果、シール部材24は濡れた状態を保つので、次の基板WがサポートテーブルWTに不必要に付着する。
【0066】
[0077] 図7に示されているように、一実施形態において、コントローラ500は、基板Wとシール部材24との間に保持された液体の少なくとも一部を除去するように第2の圧力p2を低下させながら第1の圧力p1を増大させるよう適合されている。これは、図7において中央の時間期間の開始部分に示されている。第2の圧力p2を低下させると同時に第1の圧力p1を増大させる。この結果、第1の圧力p1と第2の圧力p2との圧力差はいっそう迅速に増大し、これによって液体メニスカス23はいっそう迅速に除去される。これは、基板WをサポートテーブルWTからいっそう迅速にアンロードできるので、スループットが増大し得ることを意味する。
【0067】
[0078] 図7に示されているように、一実施形態において、第2の圧力p2は、第1の圧力p1よりも後の時点で周囲圧力レベル(Y軸上のゼロライン)に到達する。第2の圧力p2は、サポートテーブルWTから基板Wをアンロードするプロセス全体を通して第1の圧力p1よりも低く維持される。図7に示されているように、一実施形態において、第2の圧力p2は、アンロードプロセス中に周囲圧力に対して第1の圧力p1よりも低いレベルで加えられる。従って、アンロードプロセス全体を通して、液体は中央領域21から第2のチャネル27の方へ動かされる。この結果、シール部材24の近傍の液体は中央領域21から離れる方へ動かされる。例えば、液体を第2のチャネル27を介して除去することにより、アンロードプロセスの終了後にサポートテーブルWT上に残っている液体の量を低減させることができる。
【0068】
[0079] 図9から図12の各々は、本発明の一実施形態に従った真空システム40を概略的に示す。図9から図12に示されている真空システム40を用いて、上述の圧力シーケンス(例えば図7に示されている圧力シーケンス)を実施することができる。
【0069】
[0080] 真空システム40は、基板Wを保持するためのサポートテーブルWTのためのものである。真空システム40は、第1の圧力回路43を含むフロー回路を備えている。第1の圧力回路43は第1の真空圧力ライン49を含む。第1の真空圧力ライン49は、サポートテーブルWTを基板テーブル65にクランプするためのものである(例えば図15に示されているように)。一実施形態において、真空システム40のフロー回路は第2の圧力回路42を備えている。第2の圧力回路42は、第2の真空圧力ライン41及び第3の真空圧力ライン54を含む。第3の真空圧力ライン54は、基板WをサポートテーブルWTにクランプするように、基板Wの中央部分WPの下にあるサポートテーブルWTの中央領域21に第1の圧力p1を加えるよう構成されている。例えば一実施形態において、第3の真空圧力ライン54は第1のチャネル26に接続されている。
【0070】
[0081] 図15に示されているように、一実施形態において、サポートテーブルWTは基板テーブル65によって支持されている。サポートテーブルWTは、サポートテーブルWTと基板テーブル65との間に周囲圧力よりも小さい圧力を加えることによって基板テーブル65にクランプされる。一実施形態において、第2のポジショナ(図1に示されている)は基板テーブル65を含む。一般に、サポートテーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。一実施形態において、ショートストロークモジュールは基板テーブル65を含む。第1の圧力回路43は、サポートテーブルWTを第2のポジショナPWにクランプするための圧力を加えるように構成されている。
【0071】
[0082] 一実施形態において、真空システム40のフロー回路は第2の圧力回路42を含む。第2の圧力回路42は、基板Wの周辺部分WPの下にあるサポートテーブルWTの周辺領域22に第2の圧力p2を加えるよう構成されている。一実施形態において、第2の圧力回路42は真空デバイスを含む。真空デバイスは、第2の圧力回路42に圧力を供給するよう構成されている。
【0072】
[0083] 図9から図12の各々に示されているように、一実施形態において、第2の圧力回路42は第2の真空圧力ライン41を含む。例えば一実施形態において、第2の真空圧力ライン41は、周辺領域22に第2の圧力p2を加えるように第2のチャネル27に接続されている。一実施形態において、第2の圧力回路42は、第2の圧力回路42から分岐した第3の真空圧力ライン50を含む。
【0073】
[0084] 図9から図12の各々に示されているように、真空システム40のフロー回路は第1のフローコントローラ44を含む。第1のフローコントローラ44は、第2の真空圧力ライン41における圧力を制御するように構成されている。例えば一実施形態において、第1のフローコントローラ44は、開放及び閉鎖することができるバルブである。第1のフローコントローラ44が開放された場合、第2の真空圧力ライン41は第2の圧力回路42の真空供給に接続される。
【0074】
[0085] 図9から図12の各々に示されているように、一実施形態において、真空システム40のフロー回路は第2のフローコントローラ45を含む。第2のフローコントローラ45は、第4の真空圧力ライン50における圧力を制御するように構成されている。例えば一実施形態において、第2のフローコントローラ45は、開放及び閉鎖することができるバルブである。
【0075】
[0086] 図9から図11に示されている実施形態において、第2のフローコントローラ45が開放された場合、第4の真空圧力ライン50は第1の圧力回路43と流体連通する。従って、第1のフローコントローラ44及び第2のフローコントローラ45を切り換えることにより、第2の真空圧力ライン41における圧力は、第2の圧力回路42の真空供給による供給から第1の圧力回路43の真空供給による供給へ切り換えることができる。このため、第1のフローコントローラ44及び第2のフローコントローラ45を切り換えることによって第2の圧力p2を制御できる。
【0076】
[0087] 例えば一実施形態において、第1の圧力回路43の真空供給は、第2の圧力回路42の真空供給に比べて低い圧力(すなわち、より強力な真空)を提供する。従って、露光プロセスの間は、第1のフローコントローラ44を開放すると共に第2のフローコントローラ45を閉鎖することで、第2の圧力回路42の真空供給によって第2の圧力p2を制御する。アンロードプロセスが開始する直前に、第1のフローコントローラ44を閉鎖すると共に第2のフローコントローラ45を開放して、第2の圧力p2を、圧力回路43の真空供給によって供給される圧力まで低下させることができる。
【0077】
[0088] サポートテーブルWTは真空圧によって基板テーブル65にクランプされる。基板Wは真空圧によってサポートテーブルWTにクランプされる。一実施形態において、サポートテーブルWTと基板テーブル65との間の領域に加えられる圧力は、基板WとサポートテーブルWTとの間の領域に加えられる圧力よりも低い。
【0078】
[0089] 図9から図12に示されている実施形態では、露光プロセスの間、第1の真空圧力ライン49は、第2の真空圧力ライン41又は第3の真空圧力ライン54に比べて低い圧力を与えるように構成されている。第1の圧力回路43は、第2の圧力回路42よりも低い圧力(すなわち、より深い真空)を供給することができる。
【0079】
[0090] 図9から図12の各々に示されているように、一実施形態において、第2の真空圧力ライン41は第3の真空圧力ライン54に接続されている。第2の真空圧力ライン41を第3の真空圧力ライン54に接続するため、接続ライン55が設けられている。同一の真空圧源が、第2の真空圧力ライン41及び第3の真空圧力ライン54の双方に負圧を供給する。例えば、露光プロセスの間、第2の圧力回路42が第2の圧力ライン41及び第3の真空圧力ライン54の双方に負圧を供給する。(例えばアンロードプロセスのため)液体メニスカス23を除去する必要がある場合、第2の圧力ライン41及び第3の真空圧力ライン54のための負圧源が切り換えられる。図9から図11に示されている実施形態では、負圧源は第2の圧力回路42から第1の圧力回路43に切り換えられる。図12に示されている実施形態では、負圧源は第2の圧力回路42から第3の圧力回路63に切り換えられる。
【0080】
[0091] 図9から図12に示されているように、一実施形態において、真空システム40は第4のフローコントローラ58を含む。第4のフローコントローラ58は、周囲圧力から第3の真空圧力ライン54への流れを制御するためのものである。例えば一実施形態において、第4のフローコントローラ58は制限部(restriction)である。周囲圧力から第3の真空圧力ライン54への流れは、第3の真空圧力ライン54によって中央領域21に提供される圧力を増大させる。その結果、中央領域21に供給される第1の圧力p1は、周辺領域22に加えられる第2の圧力p2よりも大きくなる。第4のフローコントローラ58は、露光動作中に第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の差が所定範囲内に収まるように構成されている。
【0081】
[0092] 図9から図12に示されているように、一実施形態において、真空システム40は第1の周囲圧力ライン57を含む。第1の周囲圧力ライン57は第3の真空圧力ライン54と流体連通している。第4のフローコントローラ58は第1の周囲圧力ライン57に設けられている。第1の周囲圧力ライン57は、第4のフローコントローラ58を介して第3の真空圧力ライン54に周囲圧力を接続する。
【0082】
[0093] 図9から図11に示されているように、一実施形態において、真空システム40は第6のフローコントローラ56を含む。第6のフローコントローラ56は、第2の真空圧力ライン41を第3の真空圧力ライン54に接続する接続ライン55に設けられている。第6のフローコントローラ56は、第2の真空圧力ライン41と第3の真空圧力ライン54との間の流れを制御するように構成されている。例えば一実施形態において、第6のフローコントローラ56は、流れを制限するよう構成された制限部である。一実施形態において、第6のフローコントローラ56は、第3の真空圧力ライン54から第2の真空圧力ライン41への流れを制限する。これは、第2の真空圧力ライン41と第3の真空圧力ライン54との間の圧力差を保つために役立つ。上述のように、周囲圧力から第3の真空圧力ライン54への流れも存在する。第6のフローコントローラ56は、周囲圧力から第2の真空圧力ライン41への流れを制限するように構成されている。
【0083】
[0094] 図9から図12に示されているように、一実施形態において、真空システム40は第7のフローコントローラ59を含む。第7のフローコントローラ59は第3の真空圧力ライン54に設けられている。第7のフローコントローラ59は、第3の真空圧力ライン54における圧力を制御するよう構成されている。一実施形態において、第7のフローコントローラ59は開放及び閉鎖することができるバルブである。露光プロセスの間、第7のフローコントローラ59は開放され、第1のフローコントローラ44も開放される。第7のフローコントローラ59を閉鎖することによって第1の圧力p1を増大させることができる。
【0084】
[0095] 図9から図11の各々に示されているように、一実施形態において、真空システムは真空チャンバ47を含む。真空チャンバ47は第3のフローコントローラ48の上流にある。第3のフローコントローラ48は、真空チャンバ47から第1の圧力回路43への流れを制御するよう構成されている。図9及び図10に示されているように、一実施形態において、第3のフローコントローラ48は第4の真空圧力ライン50にある。あるいは、図11に示されているように、一実施形態において第3のフローコントローラ48は第5の真空圧力ライン51にある(これについては以下で更に詳しく説明する)。一実施形態において、第3のフローコントローラ48は、真空チャンバ47から第1の圧力回路43の真空供給への連続流を制限するように構成された制限部を含む。
【0085】
[0096] 第1のフローコントローラ44が閉鎖されると共に第2のフローコントローラ45が開放された場合、第2の真空圧力ライン41は真空チャンバ47と流体連通する。この結果、第2の圧力p2は真空チャンバ47内の圧力の方へ低下する。
【0086】
[0097] 第2の圧力p2のこの低下は、1秒未満、任意選択的に0.5秒未満、任意選択的に0.2秒未満、任意選択的に0.1秒未満、実行され得る。シール部材24と基板Wとの間から液体メニスカス23を除去するように、第2の圧力p2を低下させる。
【0087】
[0098] 第2の圧力p2を低下させた後、図7に示されているように、第2の圧力を再び周囲圧力の方へ増大させる。このとき、第2のフローコントローラ45を閉鎖すると共に、真空チャンバ47内の圧力を再び第1の圧力回路43の真空供給によって供給される圧力の方へ低下させることができる。
【0088】
[0099] 第2のフローコントローラ45を開放させた場合はいつでも、第2の真空圧力ライン41によって与えられる負圧は増大する。これは、第2の圧力p2が一時的に低下することを意味する。これが発生すると、第1の圧力回路43内の真空圧力は迅速に増大する。これは、第1の圧力回路43が第2の真空圧力ライン41における高い真空圧力に露呈されるからである。第2の真空圧力ライン41によって与えられる負圧の一時的な低下の後、第1の圧力回路43によって供給される最初の真空レベルを回復させる。真空チャンバ47は、真空圧力を蓄え、第2の真空圧力ライン41によって与えられる負圧を増大させる場合にその蓄えた真空圧力を解放するためのものである。真空デバイスが真空チャンバ47を含むように構成することによって、最初の真空レベルをいっそう迅速に回復させることができる。これは基板Wのスループットを増大させるために有用である。具体的に述べると、これは、第1の圧力回路43によって供給される真空レベルを回復させるために必要である使用と使用との間の待機時間を短縮する。真空チャンバ47内の真空レベルの回復は、他の真空レベルを妨げないように、測定及び露光プロセス中に(すなわち基板交換シーケンスと基板交換シーケンスとの間に)低い流量で実行できる。
【0089】
[00100] 図10から図12の各々に示されているように、一実施形態において、真空システム40は分離チャンバ60を備えている。分離チャンバ60は二相流を分離するためのものである。二相流は、液体と気体の双方を含む流れである。分離チャンバ60は第2の圧力回路42に設けられている。二相流は、第2の真空圧力ライン41から(例えば第2のチャネル27から)分離チャンバ60内に入る。
【0090】
[00101] 液体は、分離チャンバ60から液体アウトレット62を介して出力される。気体は、分離チャンバ60からガスアウトレット61を介して出力される。液体アウトレット62は分離チャンバ60の底部に位置決めされている。二相流からの液体は重力のため分離チャンバ60の底部に集まる。図10及び図12に示されているように、一実施形態では、第1のフローコントローラ44を開放させた場合、液体を分離チャンバ60から抽出することができる。あるいは図11に示されているように、一実施形態では、第4の真空圧力ライン50に第5のフローコントローラ52が設けられている。第5のフローコントローラ52を開放させた場合、液体を分離チャンバ60から抽出することができる。しかしながら、第1のフローコントローラ44(図10もしくは図12を参照のこと)又は第5のフローコントローラ52(図11を参照のこと)を閉鎖させた場合、液体は分離チャンバ60内に留まる。一実施形態において、第2の圧力p2を低下させている場合(例えば第2のフローコントローラ45を開放させた場合)、液体抽出は阻止される。次いで、第2のフローコントローラ45を閉鎖させると共に第1のフローコントローラ44を開放させると、液体抽出が復活する。これは、基板Wがアンロードされた後に実行される。
【0091】
[00102] 分離チャンバ60を設けることにより、第1の圧力回路43へ出力される液体の量は低減するか又は無くなる。これによって、第1の圧力回路43の要素は液体から保護される。第2の利点は、第1の圧力回路43を単相流が流れることで、第1の真空圧力ライン49における圧力がいっそう安定することである。これは、二相流が通常望ましくない圧力変動を生じるからである。
【0092】
[00103] 分離チャンバ60は、液体を抽出するために、ガス抽出に使用される真空レベルよりも深い真空レベルを必要としない。従って、最低圧力を有する第1の圧力回路43にガスアウトレット61を接続することができる(図10及び図11を参照のこと)。
【0093】
[0100] 一実施形態において、分離チャンバ60は、少なくとも1ミリリットル、任意選択的に少なくとも2ミリリットル、任意選択的に少なくとも5ミリリットルの容積を有する。一実施形態において、分離チャンバ60は、最大で10ミリリットル、任意選択的に最大で5ミリリットル、任意選択的に最大で2ミリリットルの容積を有する。
【0094】
[0101] 図10及び図12に示されているように、分離チャンバ60は第1のフローコントローラ44及び第2のフローコントローラ45の上流にある。図10及び図12に示されているように、一実施形態において、分離チャンバ60は第2の真空圧力ライン41及び第4の真空圧力ライン50と流体連通している。
【0095】
[0102] 第4の真空圧力ライン50は分離チャンバ60のガスアウトレット61に接続されている。第1のフローコントローラ44は分離チャンバ60からの液体抽出を制御するように構成されている。第2のフローコントローラ45は、アンロードプロセスの直前に使用される最低圧力に第2の真空圧力ライン41が接続されるか否かを制御するように構成されている。
【0096】
[0103] 一実施形態において、第2の真空圧力ライン41は液体流(flow of liquid)のために構成され、第4の真空圧力ライン50は気体流(flow of gas)のために構成されている(図10及び図12を参照のこと)。従って、第1のフローコントローラ44を開放させた場合、液体は分離チャンバ60から第2の真空圧力ライン41内へ、更に第1のフローコントローラ44を介して流れる。その間、第4の真空圧力ライン50には実質的に液体は流れない。これは、分離チャンバ60によって二相流から液体が分離されているからである。この結果、最低圧力を与える第1の圧力回路43を乾燥状態に保つことができる。
【0097】
[0104] 図9から図12の各々に示されているように、一実施形態において、真空デバイス46、47は第2のフローコントローラ45の下流にあり、第4の真空圧力ライン50に圧力を与えるよう構成されている。第2のフローコントローラ45を閉鎖させた場合、低い圧力は周辺領域22に与えられない。第2のフローコントローラ45を開放させた(かつ、第1のフローコントローラ44を閉鎖させた)場合、低い圧力が周辺領域22に与えられる。
【0098】
[0105] 図9から図11の各々に示されているように、一実施形態において、第4の真空圧力ライン50は第1の圧力回路43と流体連通している。これは、第1の圧力回路43が、サポートテーブルWTを基板テーブル65にクランプするため使用されるだけでなく、低い圧力をアンロードプロセスの直前に周辺領域22に与え、露光プロセス中に真空チャンバ47に与えるためにも使用され得ることを意味する。
【0099】
[0106] 一実施形態において、第3のフローコントローラ48は、第2の圧力回路42から第1の圧力回路43内への流れの量を制御するように構成されている(図9から図11を参照のこと)。図9から図11に示されている実施形態において、第3のフローコントローラ48は、例えば露光及び測定動作中に真空チャンバ47内の圧力を低速で低下させることを可能とする制限部である。
【0100】
[0107] 図12に示されているように、一実施形態において、真空デバイスはベンチュリポンプ46を含む。ベンチュリポンプ46はベンチュリ効果によって真空を生成する。一実施形態において、ベンチュリポンプ46は、エジェクタジェットポンプ(ejector-jet pump)タイプの吸引器である。
【0101】
[0108] 図12に示されているように、一実施形態において、第4の真空圧力ライン50は第3の圧力回路63と流体連通している。第3の圧力回路63は、ベンチュリポンプ46によって生成された真空を有する。ベンチュリポンプ46は、アンロードプロセスの前に第2の圧力p2を低下させるのに必要な深真空を生成する代替的な方法である。ベンチュリポンプ46は、小さい真空流のためにかなり小型とすることができる。一実施形態において、第3の圧力回路63は圧縮乾燥空気の供給を含む。圧縮乾燥空気の供給はベンチュリポンプ46に与えられ、これがベンチュリ効果を生じて真空を生成するようになっている。
【0102】
[0109] 真空デバイスがベンチュリポンプ46を含むように構成することによって、第1の圧力回路43の真空供給は第2の圧力p2を低下させることによる影響を受けない。
【0103】
[0110] 一実施形態において、第3の圧力回路63における圧縮乾燥空気の供給は、基板Wのアンロード中に基板Wの方へ空気を吹き付けるためにも使用できる。一実施形態において、圧縮乾燥空気は更にフローコントローラを活性化するために使用される。
【0104】
[0111] 以下で、図11の実施形態と図9及び図10の実施形態との相違について特に説明する。図11に示されているように、一実施形態では、真空チャンバ47及び分離チャンバ60を組み合わせることができる。一実施形態において、真空システム40は第5の真空圧力ライン51を含む。第5の真空圧力ライン51は第4の真空圧力ライン50から分岐している。第5の真空圧力ライン51は、組み合わせた真空チャンバ47及び分離チャンバ60を第1の圧力回路43に接続するためのものである。
【0105】
[0112] 図11に示されているように、一実施形態において、分離チャンバ60は、第4の真空ライン50において第2のフローコントローラ45の下流にあると共に第5のフローコントローラ52の上流にあり、第4の真空圧力ライン50及び第5の真空圧力ライン51と流体連通している。
【0106】
[0113] 図11に示されているように、一実施形態において、第4の真空圧力ライン50は第2の圧力回路42と流体連通しており、第5の真空圧力ライン51は第1の圧力回路43と流体連通している。
【0107】
[0114] 一実施形態において、第4の真空圧力ライン50は液体流及び気体流のために構成され、第5の真空圧力ライン51は気体流のために構成されている。従って、第4の真空圧力ライン50は二相流を入力するため分離チャンバ60に接続されている。第4の真空圧力ライン50の下流セクションは分離チャンバ60の液体アウトレット62に接続されている。第5の真空圧力ライン51は分離チャンバ60のガスアウトレット61に接続されている。
【0108】
[0115] 従って、図11に示されているように一実施形態において、真空チャンバ47は分離チャンバ60を含む。真空システム40は、第5の真空圧力ライン51における圧力を制御するための第3のフローコントローラ48を含む。この実施形態における第3のフローコントローラ48は、図9及び図10の実施形態における第3のフローコントローラ48と同様に動作する。すなわち、第3のフローコントローラ48は、真空チャンバ47から第1の圧力回路43の真空供給への連続流を制限するように構成された制限部を含む。
【0109】
[0116] 一実施形態では、基板Wのアンロード中の任意の時点で、第2の圧力p2は周囲圧力に対して第1の圧力p1よりも低い圧力に構成されている。これは図7にも示されている。更に、基板Wのアンロード中の任意の時点で、第2の圧力p2は低下するように構成されている。
【0110】
[0117] 図9から図12に示されている実施形態の各々では、第2の真空圧力ライン41にどの真空源を接続するかを切り換えることにより、第2の真空圧力ライン41によって供給される第2の圧力p2を一時的に低下させることができる。この機能を必要としない2つの代替的な実施形態について、図13及び14を参照して説明する。
【0111】
[0118] 図13及び図14の実施形態におけるコンポーネントのいくつかは、図9から図12の実施形態におけるコンポーネントと同一である。これが当てはまる場合、これらの図面において同一の参照番号を使用し、詳細な説明は省略する。
【0112】
[0119] 図13に示されている実施形態では、第1の圧力回路43に、第1の真空圧力ライン49、第2の真空圧力ライン41、及び第3の真空圧力ライン54の各々が含まれている。第2の圧力回路42は必要ない。第1の圧力回路43は、サポートテーブルWTを基板テーブル65にクランプするため深真空を与えるように構成されている。従って図13の実施形態では、基板WとサポートテーブルWTとの間に加えられる圧力は、サポートテーブルWTと基板テーブル65との間の領域に与えられる圧力にいっそう近いものとすることができる。これは、図9から図12に示されている実施例において、サポートテーブルWTを基板テーブル65にクランプするための圧力の方が基板WをサポートテーブルWTにクランプするための圧力よりも著しく小さいのとは異なる。
【0113】
[0120] アンロードプロセスの間、第7のフローコントローラ59を閉鎖させる。これによって、中央領域21に加えられる第1の圧力p1は周囲圧力の方へ増大する。これは第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の差を増大させる。この差が充分に大きい場合、メニスカス23の液体の少なくとも一部が除去される。続いて、第1のフローコントローラ44を閉鎖させる。これによって第2の圧力p2は周囲圧力の方へ増大する。その後、基板WをサポートテーブルWTから持ち上げることが可能となる。
【0114】
[0121] 従って、図13の実施形態を用いたアンロードプロセスは、図8に示したものと同様のパターンに従うことができる。しかしながら、第2の真空圧力ライン41及び第3の真空圧力ライン54は、第1のプレッサ回路43のいっそう深い真空源に接続されている。この結果、第7のフローコントローラ59を閉鎖させた場合、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差を増大させることができる。この圧力差の増大は、基板Wの裏側及びシール部材24上に残っている液体が低減するようにメニスカス23を除去するのに役立つ。
【0115】
[0122] 図14に示されているように、一実施形態では、第1の圧力回路43に第3の真空圧力ライン54が含まれている。従って、露光プロセスの間、中央領域21には第1の圧力p1として深真空が与えられる。図14に示されているように、一実施形態では第2の圧力回路42が設けられている。第2の圧力42は第2の真空圧力ライン41を含む。図9から図12に示されている実施形態では、第1の圧力回路43は第2の圧力回路42よりも深い真空を与えるように構成されている。しかしながら、図14の実施形態では、第2の圧力回路42は第1の圧力回路43と同様の深さの真空を与えるように構成されている。これにより、露光プロセス中、第1の圧力p1(第3の真空圧力ライン54によって与えられる)と第2の圧力p2(第2の真空圧力ライン41によって与えられる)との間の圧力差を小さくすることができる。シール部材24上にシールを形成するため、露光プロセス中の圧力差は小さいことが望ましい。露光プロセス中の圧力差が大きすぎる場合、シールを形成する液体が除去されるので、シールが存在しなくなる。
【0116】
[0123] アンロードプロセス中、第1の圧力p1が増大するように第7のフローコントローラ59を閉鎖させる。これによって第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差が増大するので、メニスカス23が除去される。この後、第1のフローコントローラ44を閉鎖させるので、第2の圧力p2は周囲圧力の方へ増大する。その後、基板WをサポートテーブルWTから除去することが可能となる。
【0117】
[0124] 図14に示されている実施形態において、露光プロセス中、第1の圧力p1及び第2の圧力p2の双方は深真空に対応する。このため、第7のフローコントローラ59を閉鎖させた場合、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間に大きい圧力差が生じる。メニスカス23を除去するため、また、アンロードプロセス後に基板W及び/又はサポートテーブルWT上に残っている液体の量を低減させるように、この圧力差を充分に大きくすることができる。
【0118】
[0125] 図16は、アンロードプロセスの実行前及び実行中の異なる領域における時間と圧力との関係を示すグラフである。一点鎖線で形成された下方のラインは、アンロードプロセス中の周辺領域22における第2の圧力p2を示す。破線で形成された上方のラインは、アンロードプロセス中の中央領域21における第1の圧力p1を示す。
【0119】
[0126] 図16に示されている圧力変動は概略に過ぎず、アンロードプロセスの実行前及び実行中に第1の圧力p1及び第2の圧力p2がどのように変動するかの一例を表す。しかしながら、本発明は図16に示されているような特定の形態のラインに限定されない。
【0120】
[0127] 図16に示されているように、一実施形態において、コントローラ500は第1の圧力p1を周囲圧力の方へ増大させるように適合されている。図16に示されているように、コントローラ500は更に、第1の圧力p1を周囲圧力の方へ増大させると同時に第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させるように適合されている。一実施形態において、第1の圧力p1及び第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させる間、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差は実質的に一定のままである。
【0121】
[0128] 第1の圧力p1及び第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させた後、第1の圧力p1及び第2の圧力p2は実質的に一定のレベルに到達する。これを定常状態と呼ぶことができる。定常状態において、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差は露光プロセス中の圧力差と実質的に等しい。
【0122】
[0129] 一実施形態において、コントローラ500は、基板Wとシール部材24との間に保持された液体の少なくとも一部が除去されるように、第2の圧力p2を低下させるよう適合されている。これは図16において、定常状態値の終了時に第2の圧力p2が低下する箇所に示されている。
【0123】
[0130] これが実行されるのは、基板WをサポートテーブルWTから除去する前である。従って、基板WがサポートテーブルWTのバール上に支持された状態のままであるときに、第2の圧力p2を低減させる。この時点で、すなわち基板Wをアンロードする前に、液体メニスカス23からの液体の少なくとも一部が除去される。液体は第2のチャネル27を介して除去することができる。
【0124】
[0131] 一実施形態では、基板Wを隆起させるように中央領域21に過圧が加えられる。基板Wが隆起すると、基板Wの形状は変形して上下逆さの椀形(bowl shape)になる。基板Wが隆起すると、基板Wは中央領域21のバールと接触しなくなる。しかしながら、基板Wは周辺部でサポートテーブルWTとの接触を維持する。基板Wの隆起は、シール部材24と基板Wとの間のギャップを広げるのに役立つ。シール部材24と基板Wとの間のギャップ拡大は、基板Wとシール部材24との間に保持された液体を除去するのに役立つ。本発明の一実施形態は、基板Wとシール部材24との間から排出される液体量を増大させることが予想される。
【0125】
[0132] 一実施形態では、第2の圧力p2を低下させる前に、基板Wを隆起させるように中央領域21に過圧が加えられる。第2の圧力p2を低下させるのは、シール部材24と基板Wとの間のギャップを拡大させた後である。第2の圧力p2を低下させると、シール部材24と基板Wとの間から、より多い液体量を除去することができる。
【0126】
[0133] 図16は、中央領域21に過圧が加えられることを示す。これは図16において、楕円形の境界線で強調されたセクションに示されている。図16の強調した楕円形のセクションに示されているように、第1の圧力p1は周囲圧力よりも大きく増大させる。過圧を加えた後まもなく基板Wは隆起する。
【0127】
[0134] 図16に示されているように、一実施形態において、第1の圧力p1が実質的に一定であり、かつ、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差が露光圧力中と実質的に等しい場合、第1の圧力p1を周囲圧力の方へ増大させるステップの後の任意の時点で、過圧が加えられる。第1の圧力p1及び第2の圧力p2が定常状態であるときに過圧が加えられる。定常状態において、第1の圧力p1及び第2の圧力p2は所定の既知の値を有する。これらの値は、以下で更に詳しく説明するように制御できる。従って、第1の圧力p1及び第2の圧力p2(及びそれらの差)が既知の値を有する時点で、基板Wを隆起させるように中央領域21に過圧が加えられる。これらの既知の値は、露光プロセス中の第1の圧力p1及び第2の圧力p2よりも周囲圧力に近い。言い換えると、定常状態においてクランプ圧力は大幅に低下する。クランプ圧力が大幅に低下しているときに、過圧が加えられる。
【0128】
[0135] 過圧が加えられると、基板Wは隆起する。基板Wが隆起すると、基板WのエッジはサポートテーブルWT上の最も外側のバール上で滑る。この滑りによってバールの摩耗が生じる可能性がある。しかしながら、この滑りが発生するのはクランプ圧力が大幅に低下しているときである。このため、外側バールを摩耗させる可能性のある摩擦エネルギは大幅に低減する。バールを摩耗させる可能性のある摩擦力は、滑りが発生するときのクランプ力に正比例する。
【0129】
[0136] 本発明に従って、基板Wの隆起が発生するときを制御することができる。隆起は、基板Wの変形が完了して基板Wの形状が変化しなくなり上下逆さの椀形になったときに発生すると考えられる。本発明の一実施形態は、サポートテーブルWTの外側のバールの摩耗の低減を達成すると予想される。
【0130】
[0137] 図17は、比較例に従った、アンロードプロセス中の異なる領域における時間と圧力との間の関係を示すグラフである。この比較例では、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の圧力差が増大している任意の時点で、中央領域21に過圧が加えられる。基板Wの周辺部をクランプしている第2の圧力p2が図16に示した実施形態に比べて小さい任意の時点で、中央領域21に過圧が加えられる。この結果、本発明におけるよりも大きいクランプ圧力が存在する任意の時点で基板Wが隆起する。これは、基板WのエッジがサポートテーブルWTの外側バールの上で滑った場合、外側バールを摩耗させる可能性のあるいっそう大きい力が存在することを意味する。これは、中央領域21に過圧が加えられる時点で、より大きいクランプ圧力があるからである。
【0131】
[0138] 図16に示されているように、コントローラ500は、アンロードプロセス中に第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させるように適合されている。具体的には、液体の一部を除去するように第2の圧力p2を低減させた後、第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させる。第2の圧力p2を周囲圧力の方へ増大させることによって、基板WをサポートテーブルWTから除去できるようにクランプ圧力が低減される。
【0132】
[0139] 図18は、本発明の一実施形態に従った真空システム40を概略的に示す。図18に示されている真空システム40を用いて、上述の圧力シーケンス(図16に示されている圧力シーケンス)を実施することができる。
【0133】
[0140] 真空システム40は、基板Wを保持するためのサポートテーブルWTのためのものである。真空システム40は、第1の圧力回路43を含むフロー回路を備えている。第1の圧力回路43は第1の真空圧力ライン49を含む。第1の真空圧力ライン49は、サポートテーブルWTを基板テーブル65にクランプするためのものである。
【0134】
[0141] 一実施形態において、真空システム40のフロー回路は第2の圧力回路42を備えている。第2の圧力回路42は、第2の真空圧力ライン41及び第3の真空圧力ライン54を含む。第3の真空圧力ライン54は、基板WをサポートテーブルWTにクランプするように、中央領域21に第1の圧力p1を加えるよう構成されている。第2の真空圧力ライン41は、第2の圧力p2を周辺領域22に加えるように、第2のチャネル27に接続されている。
【0135】
[0142] 図18から図22の実施形態におけるコンポーネントのいくつかは、図9から図14の実施形態におけるコンポーネントと同一である。これが当てはまる場合、これらの図面において同一の参照番号を使用し、詳細な説明は省略する。
【0136】
[0143] 図18に示されているように、一実施形態において、真空システム40は第6のフローコントローラ56を含む。第2の真空圧力ライン41は、第6のフローコントローラ56を介して第3の真空圧力ライン54に接続されている。第6のフローコントローラ56は、第2の真空圧力ライン41と第3の真空圧力ライン54との間の流れを制御するように構成されている。
【0137】
[0144] 第1の周囲圧力ライン57は、周囲圧力から第3の真空圧力ライン54への流れを与える。第6のフローコントローラ56は、周囲圧力から第2の真空圧力ライン41への流れを制限するよう構成されている。これは、第2の真空圧力ライン41と第3の真空圧力ライン54との間の圧力差を保持するのに役立つ。第2の真空圧力ライン41と第3の真空圧力ライン54との間の圧力差(すなわち小さい圧力差)を保持することによって、シール部材24と基板Wとの間に液体を保持することができる。あるいは、第2の真空圧力ライン41と第3の真空圧力ライン54との間に小さい圧力差を維持できない場合、液体が不必要に除去されることにより、例えば露光プロセス中にシールを破壊するリスクが増大する。
【0138】
[0145] 図18に示されているように、一実施形態において、真空システム40は第2の周囲圧力ライン81を含む。第2の周囲圧力ライン81は、第2の真空圧力ライン41を周囲圧力に流体接続する。第8のフローコントローラ82は、周囲圧力から第2の真空圧力ライン41への流れを制御するよう構成されている。例えば一実施形態において、第8のフローコントローラ82は、流れを制限するように構成された制限部である。
【0139】
[0146] 一実施形態において、真空システム40は第9のフローコントローラ83を含む。第9のフローコントローラ83は、開放及び閉鎖することができるバルブである。露光プロセス中、第9のフローコントローラ83は閉鎖されている。しかしながら、第9のフローコントローラ83はアンロードプロセスのために開放される。
【0140】
[0147] 上記に記載され、図16に示されているように、基板Wをアンロードする前、第1の圧力p1及び第2の圧力p2を共に周囲圧力の方へ増大させる(すなわち、第1の圧力p1と第2の圧力p2との間の小さい圧力差を維持する)。第1の圧力p1及び第2の圧力p2はそれらの定常状態値まで増大される。これは、第9のフローコントローラ83を開放することによって達成される。第9のフローコントローラ83が開放された場合、第2の真空圧力ライン41は第8のフローコントローラ82を介して第2の周囲圧力ライン81に沿って周囲圧力に接続される。これにより、周囲圧力から第2の真空圧力ライン41への流れが可能となる。これは第2の圧力p2を増大させる。同時に、第2の真空圧力ライン41における圧力増大は、第1の圧力p1が同じ割合で増大するように第3の真空圧力ライン54における圧力を増大させる。
【0141】
[0148] 第9のフローコントローラ83が開放した状態では、第1の圧力p1及び第2の圧力p2は、定常状態値に達するまで周囲圧力の方へ増大し続ける。定常状態値は第8のフローコントローラ82の構成に応じて異なる。第8のフローコントローラ82によって周囲圧力から第2の真空圧力ライン41へ可能となる流れが大きくなればなるほど、定常状態値は周囲圧力に近付く。従って、第8のフローコントローラ82の制限部におけるオリフィスの大きさを選択することにより、第1の圧力p1及び第2の圧力p2の定常状態値を制御することができる。一実施形態において、第1の圧力p1の定常状態値は、周囲圧力よりも約1kPa~約20kPa低い範囲内である。任意選択的に、第1の圧力p1の定常状態値は、周囲圧力よりも約5kPa~約10kPa低い範囲内である。
【0142】
[0149] 図18に示されているように、真空システム40には、バルブ(すなわち第9のフローコントローラ83)を有するブリード(bleed)(すなわち第8のフローコントローラ82を有する第2の周囲圧力ライン81)が備えられている。正常なクランプ動作では、基板Wを完全にクランプするため、(確実に第9のフローコントローラ83を閉鎖することによって)ブリードは閉鎖される。基板Wのアンロードの間、(第9のフローコントローラ83を開放することによって)ブリードを開放して、基板Wのためのクランプ圧力を低減させる。一度、定常状態で低減クランプ圧力を達成したら、基板Wが隆起するように中央領域21に過圧を供給する。基板Wのエッジにおけるクランプが定常状態の低減レベルにある間に、基板Wのエッジは外側バール上で滑る。これにより、外側バールの摩擦エネルギは低減する。
【0143】
[0150] 認められるように、上述の特徴部は他の実施形態と共に使用することができる。例えば図16は、第2の圧力p2を、露光動作中(すなわち図16のグラフの一番左側)とほぼ同じレベルまで低減させることを示す。しかしながら、第2の圧力p2は、露光プロセス中よりも低いレベルまで低下させてもよい。これは、シール部材24と基板Wとの間から液体を除去するのに役立つ。これは、例えば図19から図22のいずれかに示されるような真空システム40を用いて達成できる。
【0144】
[0151] 図19は、第2の周囲圧力ライン81、第8のフローコントローラ82、及び第9のフローコントローラ83が、図9に示す真空システム40に適用されている真空システム40を概略的に示す。第1の圧力p1及び第2の圧力p2をそれらの定常状態値(すなわち低減クランプ圧力)まで増大させるように、第9のフローコントローラ83を開放させる。次いで、基板Wを変形させて隆起形状を形成するように、中央領域21に過圧が加えられる。一度隆起したら、第2の圧力p2を露光プロセス中よりも低いレベルまで低減させるように、第2のフローコントローラ45を開放させる。隆起が実施されたら、第2の真空圧力ライン41から第3の真空圧力ライン54を切断する。例えば、第6のフローコントローラ56を閉鎖させればよい。第6のフローコントローラ56は可変制限部としてもよい。
【0145】
[0152] 図20は、第2の周囲圧力ライン81、第8のフローコントローラ82、及び第9のフローコントローラ83が、図10に示す真空システム40に適用されている真空システム40を概略的に示す。第1の圧力p1及び第2の圧力p2をそれらの定常状態値(すなわち低減クランプ圧力)まで増大させるように、第9のフローコントローラ83を開放させる。次いで、基板Wを変形させて隆起形状を形成するように、中央領域21に過圧が加えられる。一度隆起したら、第2の圧力p2を露光プロセス中よりも低いレベルまで低減させるように、第2のフローコントローラ45を開放させる。
【0146】
[0153] 図21は、第2の周囲圧力ライン81、第8のフローコントローラ82、及び第9のフローコントローラ83が、図11に示す真空システム40に適用されている真空システム40を概略的に示す。第1の圧力p1及び第2の圧力p2をそれらの定常状態値(すなわち低減クランプ圧力)まで増大させるように、第9のフローコントローラ83を開放させる。次いで、基板Wを変形させて隆起形状を形成するように、中央領域21に過圧が加えられる。一度隆起したら、第2の圧力p2を露光プロセス中よりも低いレベルまで低減させるように、第2のフローコントローラ45を開放させる。
【0147】
[0154] 図22は、第2の周囲圧力ライン81、第8のフローコントローラ82、及び第9のフローコントローラ83が、図12に示す真空システム40に適用されている真空システム40を概略的に示す。第1の圧力p1及び第2の圧力p2をそれらの定常状態値(すなわち低減クランプ圧)まで増大させるように、第9のフローコントローラ83を開放させる。次いで、基板Wを変形させて隆起形状を形成するように、中央領域21に過圧が加えられる。一度隆起したら、第2の圧力p2を露光プロセス中よりも低いレベルまで低減させるように、第2のフローコントローラ45を開放させる。
【0148】
[0155] 認められるように、上述の特徴部の任意のものを他の任意の特徴部と共に使用することができ、本出願に包含されるのは明示的に記載された組み合わせだけではない。例えば、本発明の一実施形態を図3の例に適用することも可能である。
【0149】
[0156] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及できるが、本明細書におけるリソグラフィ装置は、マイクロスケール又はナノスケールのコンポーネントやフィーチャの製造における他の用途を有し得ることを理解するべきである。他の用途の例として、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造が挙げられる。
【0150】
[0157] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実施することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実施することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含み得る。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号等)、及び他のものを含み得る。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、本明細書において特定のアクションを実行するものとして記載され得る。しかしながら、そのような記載は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスが、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行することによって生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることは認められよう。
【0151】
[0158] 本発明の具体的な実施形態を上述したが、本発明は記載したもの以外でも実施され得ることは認められよう。上記の記載は限定でなく例示を意図している。従って、以下に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に対して変更を加え得ることは、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2024-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポートテーブル及び基板テーブルを含むステージシステムのための真空システムであって、
基板を保持するように構成された前記サポートテーブルを前記基板テーブルにクランプするよう構成された第1の真空圧力ラインと、
前記基板の周辺部の下にある前記サポートテーブルの周辺領域に第2の圧力を加えるよう構成された第2の真空圧力ラインと、
前記基板を前記サポートテーブルにクランプするように、前記基板の中央部の下にある前記サポートテーブルの中央領域に第1の圧力を加えるよう構成された第3の真空圧力ラインと、を備え、
前記真空システムは、前記基板を前記サポートテーブルからアンロードする前に、前記第1の圧力が第1の所定レベルに、かつ前記第2の圧力が第2の所定レベルにそれぞれ到達するまで、前記第2の圧力が前記第1の圧力よりも低く維持されたまま、前記第1の圧力及び前記第2の圧力を周囲圧力の方へ増大するように構成される、
真空システム。
【請求項2】
前記第2の圧力は、前記第1の圧力が前記周囲圧力の方へ増大させられるのと同時に、前記周囲圧力の方へ増大させられる、請求項1に記載の真空システム。
【請求項3】
前記第1の圧力及び前記第2の圧力の圧力差は、前記第1の圧力が前記第1の所定レベルに到達し、かつ前記第2の圧力が前記第2の所定レベルに到達するまで一定に維持される、請求項1又は2に記載の真空システム。
【請求項4】
前記圧力差は、露光プロセス中の圧力差と実質的に等しい、請求項3に記載の真空システム。
【請求項5】
前記基板が前記周辺領域に接触した状態を保っている間に、前記中央領域に過圧が供給される、請求項3に記載の真空システム。
【請求項6】
前記過圧は、前記第1の圧力が第1の所定時間の間前記第1の所定レベルに維持された後に供給される、請求項5に記載の真空システム。
【請求項7】
前記過圧は、前記第2の圧力が前記第2の所定レベルに維持されている時に供給される、請求項5に記載の真空システム。
【請求項8】
前記過圧は、第3の所定時間の間第3の所定レベルで供給される、請求項5に記載の真空システム。
【請求項9】
前記第2の圧力は、前記過圧が加えられた後に更に低下させられる、請求項5に記載の真空システム。
【請求項10】
前記第2の圧力は、前記第2の圧力が第2の所定時間の間前記第2の所定レベルに維持された後に更に低下させられる、請求項5に記載の真空システム。
【請求項11】
前記過圧は、前記第1の圧力と前記第2の圧力との間に大きい圧力差があるときに加えられる、請求項5に記載の真空システム。
【請求項12】
前記第2の圧力は、第4の所定時間の間第4の所定レベルに維持される、請求項10に記載の真空システム。
【請求項13】
前記第2の圧力は、前記第4の所定の時間の後で前記周囲圧力の方へ更に増大させられる、請求項12に記載の真空システム。
【外国語明細書】