IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-基板処理システム 図1
  • 特開-基板処理システム 図2
  • 特開-基板処理システム 図3
  • 特開-基板処理システム 図4A
  • 特開-基板処理システム 図4B
  • 特開-基板処理システム 図4C
  • 特開-基板処理システム 図5
  • 特開-基板処理システム 図6A
  • 特開-基板処理システム 図6B
  • 特開-基板処理システム 図6C
  • 特開-基板処理システム 図7
  • 特開-基板処理システム 図8
  • 特開-基板処理システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113080
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240814BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240814BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L21/304 648B
H01L21/304 651B
H01L21/68 A
H01L21/306 J
H01L21/304 642B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091329
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2023131332の分割
【原出願日】2019-10-10
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】金川 耕三
(72)【発明者】
【氏名】鶴崎 廣太郎
(72)【発明者】
【氏名】隠塚 恵二
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 義広
(57)【要約】
【課題】複数枚の基板を一括で処理した後、基板に対して1枚ずつ液体を供給することができる、技術を提供する。
【解決手段】基板処理システムは、複数枚の基板を収容したカセットが搬入出される搬入出部と、複数枚の前記基板を含むロットを、一括で処理するバッチ処理部と、前記ロットの前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部と、前記バッチ処理部と前記枚葉処理部との間で前記基板を受け渡すインターフェース部とを有する。前記バッチ処理部は、前記ロットが浸漬される処理液を貯留する処理槽を有する。前記インターフェース部は、前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部に搬送する搬送部を含む。前記枚葉処理部は、前記基板に対して1枚ずつ液体を供給する液処理装置を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を収容したカセットが搬入出される搬入出部と、複数枚の前記基板を含むロットを、一括で処理するバッチ処理部と、前記ロットの前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部と、前記バッチ処理部と前記枚葉処理部との間で前記基板を受け渡すインターフェース部とを有し、
前記バッチ処理部は、前記ロットが浸漬される処理液を貯留する処理槽を有し、
前記インターフェース部は、前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部に搬送する搬送部を含み、
前記枚葉処理部は、前記基板に対して1枚ずつ液体を供給する液処理装置を含む、基板処理システム。
【請求項2】
複数枚の基板を収容したカセットが搬入出される搬入出部と、複数枚の前記基板を含むロットを、一括で処理するバッチ処理部と、前記ロットの前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部と、前記バッチ処理部と前記枚葉処理部との間で前記基板を受け渡すインターフェース部とを有し、
前記バッチ処理部は、前記ロットが浸漬される処理液を貯留する処理槽を有し、
前記インターフェース部は、前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部に搬送する搬送部を含み、
前記枚葉処理部は、前記基板に対して1枚ずつ液体と超臨界流体とをこの順番で供給する乾燥装置を含む、基板処理システム。
【請求項3】
前記枚葉処理部は、前記搬送部から前記基板を受け取るトランジション装置と、前記トランジション装置から前記乾燥装置に前記基板を搬送する搬送装置と、を含む、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記搬送部は、前記基板を保持すると共に前記基板に対して高湿度ガスを供給する搬送アームを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の乾燥装置は、バッファ槽と、移送部と、回転乾燥部とを備える。バッファ槽は、水洗処理された半導体ウェハを水中に保持する。半導体ウェハは、複数枚が1つの保持台に載せられた状態で水洗処理され、保持台に載せられたままの状態でバッファ槽の水中に保持される。移送部は、バッファ槽から半導体ウェハを1枚ずつ取り上げて移送する。回転乾燥部は、移送部で移送された1枚の半導体ウェハを、主面が水平になるように支持し、高速回転させ、水を除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-162157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、複数枚の基板を一括で処理した後、基板に対して1枚ずつ液体を供給することができる、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る基板処理システムは、複数枚の基板を収容したカセットが搬入出される搬入出部と、複数枚の前記基板を含むロットを、一括で処理するバッチ処理部と、前記ロットの前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部と、前記バッチ処理部と前記枚葉処理部との間で前記基板を受け渡すインターフェース部とを有する。前記バッチ処理部は、前記ロットが浸漬される処理液を貯留する処理槽を有する。前記インターフェース部は、前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部に搬送する搬送部を含む。前記枚葉処理部は、前記基板に対して1枚ずつ液体を供給する液処理装置を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、複数枚の基板を一括で処理した後、基板に対して1枚ずつ液体を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る基板処理システムを示す平面図である。
図2図2は、一実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図3図3は、図1のロット形成部の一例を示す平面図である。
図4A図4Aは、図3のロット形成部の動作の一例を示す側面図である。
図4B図4Bは、図4Aに続き、ロット形成部の動作の一例を示す側面図である。
図4C図4Cは、図4Bに続き、ロット形成部の動作の一例を示す側面図である。
図5図5は、図1のロット解除部の一例を示す平面図である。
図6A図6Aは、図5のロット解除部の動作の一例を示す断面図である。
図6B図6Bは、図6Aに続き、ロット解除部の動作の一例を示す断面図である。
図6C図6Cは、図6Bに続き、ロット解除部の動作の一例を示す断面図である。
図7図7は、図1のインターフェース部の搬送部の一例を示す側面図である。
図8図8は、搬送部の別の一例を示す側面図である。
図9図9は、図1の乾燥装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0009】
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出部2と、枚葉処理部3と、インターフェース部5と、バッチ処理部6と、制御部9とを有する。搬入出部2は、カセットCを載置する載置台21を有する。カセットCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを収容し、搬入出部2に対して搬入出される。カセットCの内部にて、基板Wは水平に保持され、鉛直方向に第1ピッチP1のN倍である第2ピッチP2(P2=N×P1)で保持される。Nは、2以上の自然数であり、本実施形態では2であるが、3以上であってもよい。枚葉処理部3は、基板Wを1枚ずつ処理する。インターフェース部5は、枚葉処理部3とバッチ処理部6との間で基板Wを受け渡す。バッチ処理部6は、複数枚(例えば50枚)の基板Wを第1ピッチP1で含むロットLを、一括で処理する。1つのロットLは、例えばN個のカセットCの基板Wで構成される。
【0010】
搬入出部2と、枚葉処理部3と、インターフェース部5と、バッチ処理部6とは、この順番で、X軸方向負側からX軸方向正側に向けて並ぶ。基板Wは、搬入出部2から図1に示す矢印A1、A2、A3、A4及びA5の順番で搬送され、搬入出部2に戻る。搬入出部2は搬入部と搬出部とを兼ねるので、基板処理システム1を小型化できる。
【0011】
搬入出部2は載置台21を有し、載置台21は複数の載置板22を有する。複数の載置板22には、複数のカセットCが載置される。なお、載置板22の数は特に限定されない。同様に、カセットCの数も特に限定されない。
【0012】
搬入出部2は第1搬送領域23を有し、第1搬送領域23は載置台21に隣接しており載置台21のX軸方向正側に配置される。第1搬送領域23には、第1搬送装置24が設けられる。第1搬送装置24は第1搬送アームを有し、第1搬送アームは水平方向(X軸方向及びY軸方向)及び鉛直方向に移動し、鉛直軸周りに回転する。第1搬送アームは、カセットCと、後述の受渡部25との間で、基板Wを搬送する。第1搬送アームの数は1つでも複数でもよく、後者の場合、第1搬送装置24は複数枚(例えば5枚)の基板Wを一括で搬送する。
【0013】
搬入出部2は受渡部25を有し、受渡部25は第1搬送領域23に隣接しており、第1搬送領域23のX軸方向正側に配置される。受渡部25は、基板Wを一時的に保管する第1トランジション装置26を有する。第1トランジション装置26の数は複数であってよく、複数の第1トランジション装置26が鉛直方向に積み重ねられてもよい。第1トランジション装置26は、第1搬送装置24から基板Wを受け取り、後述の第2搬送装置32に渡すまで、一時的に保管する。また、第1トランジション装置26は、第2搬送装置32から基板Wを受け取り、第1搬送装置24に渡すまで、一時的に保管する。
【0014】
枚葉処理部3は第2搬送領域31を有し、第2搬送領域31は受渡部25に隣接しており受渡部25のX軸方向正側に配置される。第2搬送領域31には、第2搬送装置32が設けられる。第2搬送装置32は第2搬送アームを有し、第2搬送アームは水平方向(X軸方向及びY軸方向)及び鉛直方向に移動し、鉛直軸周りに回転する。第2搬送アームは、第2搬送領域31に隣接する装置同士の間で基板を搬送する。第2搬送アームの数は1つでも複数でもよく、後者の場合、第2搬送装置32は複数枚(例えば5枚)の基板Wを一括で搬送する。
【0015】
枚葉処理部3は、第2搬送領域31の隣に、例えば、第2トランジション装置33と、液処理装置34と、乾燥装置35とを有する。第2トランジション装置33は第2搬送領域31に隣接しており第2搬送領域31のX軸方向正側に配置される。第2トランジション装置33は、第2搬送装置32から基板Wを受け取り、インターフェース部5に渡すまで、一時的に保管する。液処理装置34は、枚葉式であって、基板Wを1枚ずつ処理液で処理する。処理液は、複数であってもよく、例えば、DIWなどの純水と、純水よりも表面張力の低い乾燥液とであってよい。乾燥液は、例えばIPA(イソプロピルアルコール)などのアルコールであってよい。乾燥装置35は、枚葉式であって、基板Wを1枚ずつ超臨界流体で乾燥する。なお、液処理装置34と乾燥装置35の両方が枚葉式ではなくてもよく、液処理装置34が枚葉式であって乾燥装置35がバッチ式であってもよい。乾燥装置35は、複数枚の基板Wを一括で超臨界流体で乾燥してもよい。乾燥装置35で一括で処理される基板Wの枚数は、バッチ処理部6で一括で処理される基板Wの枚数以上であってもよいが、少なくてもよい。
【0016】
なお、液処理装置34及び乾燥装置35の配置及び数は図1のものに限定されない。例えば、液処理装置34は第2搬送領域31のY軸方向両側に配置されてもよい。また、液処理装置34はZ軸方向に積み重ねられてもよい。乾燥装置35の配置も、液処理装置34の配置と同様である。また、液処理装置34及び乾燥装置35以外の装置が第2搬送領域31の隣に配置されてもよい。
【0017】
インターフェース部5は、例えばロット形成部51と、搬送部52とを有する。ロット形成部51は、複数枚の基板Wを第1ピッチP1で保持し、ロットLを形成する。搬送部52は、枚葉処理部3からロット形成部51に基板Wを搬送し、且つ、バッチ処理部6から枚葉処理部3に基板Wを搬送する。
【0018】
搬送部52は、図7に示すように第1搬送ロボット53と第2搬送ロボット54とを含む。第1搬送ロボット53は、枚葉処理部3からロット形成部51に基板Wを搬送する。第2搬送ロボット54は、バッチ処理部6から枚葉処理部3に基板Wを搬送する。なお、搬送部52は、図8に示すように第1搬送ロボット53と第2搬送ロボット54を兼ねる1つの搬送ロボット41を含んでもよい。
【0019】
第1搬送ロボット53と第2搬送ロボット54とが別々に設けられるので、枚葉処理部3からバッチ処理部6に向う基板Wの流れA1と、バッチ処理部6から枚葉処理部3に向う基板Wの流れA3とを別々に制御できる。それゆえ、インターフェース部5にて基板Wの流れが停滞するのを抑制でき、スループットを向上できる。
【0020】
バッチ処理部6は第3搬送領域61を有し、第3搬送領域61はインターフェース部5に隣接しておりインターフェース部5のX軸方向正側に配置される。第3搬送領域61には、第3搬送装置62が設けられる。第3搬送装置62は第3搬送アームを有し、第3搬送アームは水平方向(X軸方向及びY軸方向)及び鉛直方向に移動し、鉛直軸周りに回転する。なお、第3搬送アームは、鉛直軸周りに回転しなくてもよい。第3搬送アームは、第3搬送領域61に隣接する装置同士の間で基板Wを搬送する。第3搬送アームは、ロットLを一括で搬送する。
【0021】
第3搬送領域61は平面視長方形であり、その長手方向はX軸方向である。第3搬送領域61の短辺の隣にロット形成部51が配置され、第3搬送領域61の長辺の隣に処理槽(例えば第3リンス液槽68)が配置され、ロット形成部51と処理槽の両方の隣に搬送部52が配置される。搬送部52がロット形成部51と処理槽の両方にアクセスしやすいので、第1搬送ロボット53及び第2搬送ロボット54として、手先の可動範囲の狭いものを使用できる。
【0022】
ところで、ロット形成部51は第3搬送領域61の短辺の隣に配置され、処理槽は第3搬送領域61の長辺の隣に配置されるので、ロット形成部51と処理槽とで、基板Wの配列方向が異なる。そこで、第3搬送装置62が鉛直軸周りに回転する。第3搬送装置62の回転によって、基板Wの配列方向をX軸方向とY軸方向との間で変更できる。なお、基板の配列方向の変更が不要である場合、第3搬送装置62は鉛直軸周りに回転しなくてもよい。
【0023】
バッチ処理部6は、第3搬送領域61の隣に、例えば、第1薬液槽63と、第1リンス液槽64と、第2薬液槽65と、第2リンス液槽66と、第3薬液槽67と、第3リンス液槽68とを有する。これらの処理槽は、第3搬送領域61の長辺に沿って並ぶ。具体的には、X軸方向正側からX軸方向負側に向けて、第1薬液槽63と、第1リンス液槽64と、第2薬液槽65と、第2リンス液槽66と、第3薬液槽67と、第3リンス液槽68とがこの順で並ぶ。
【0024】
なお、第3搬送領域61の隣に配置される処理槽の数は図1のものに限定されない。例えば、第2薬液槽65及び第2リンス液槽66は、図1では1組であるが、複数組であってもよい。
【0025】
第1薬液槽63は、ロットLが浸漬される第1薬液を貯留する。第1薬液は、特に限定されないが、例えば、DHF(希フッ酸)である。DHFは、自然酸化膜を除去する。DHFの代わりに、BHF(フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)が用いられてもよい。第1リンス液槽64は、ロットLが浸漬される第1リンス液を貯留する。第1リンス液は、基板Wから第1薬液を除去する純水であって、例えばDIW(脱イオン水)である。
【0026】
バッチ処理部6は、第3搬送装置62からロットLを受け取り、保持する第1処理具71を有する。第1処理具71は、複数枚の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持し、複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に保持する。また、バッチ処理部6は、第1処理具71をX軸方向及びZ軸方向に移動させる第1駆動装置72を有する。第1処理具71は、第1薬液中でロットLを保持し、次いで、第1リンス液中でロットLを保持し、その後、ロットLを第3搬送装置62に渡す。
【0027】
なお、第1処理具71と第1駆動装置72のユニットの数は、本実施形態では1つであるが、複数でもよい。後者の場合、1つのユニットが第1薬液にロットLを浸漬し、別のユニットが第1リンス液にロットLを浸漬する。この場合、第1駆動装置72は、第1処理具71をZ軸方向に移動させればよく、第1処理具71をX軸方向に移動させなくてもよい。
【0028】
第2薬液槽65は、ロットLが浸漬される第2薬液を貯留する。第2薬液は、特に限定されないが、例えば、リン酸水溶液である。リン酸水溶液は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜のうち、シリコン窒化膜を選択的にエッチングし、除去する。第2リンス液槽66は、ロットLが浸漬される第2リンス液を貯留する。第2リンス液は、基板Wから第2薬液を除去する純水であって、例えばDIW(脱イオン水)である。
【0029】
バッチ処理部6は、第3搬送装置62からロットLを受け取り、保持する第2処理具73を有する。第2処理具73は、第1処理具71と同様に、複数枚の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持し、複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に保持する。また、バッチ処理部6は、第2処理具73をZ軸方向に移動させる第2駆動装置74を有する。第2処理具73は、第2薬液中でロットLを保持し、その後、ロットLを第3搬送装置62に渡す。
【0030】
同様に、バッチ処理部6は、第3搬送装置62からロットLを受け取り、保持する第3処理具75を有する。第3処理具75は、第1処理具71と同様に、複数枚の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持し、複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に保持する。また、バッチ処理部6は、第3処理具75をZ軸方向に移動させる第3駆動装置76を有する。第3処理具75は、第2リンス液中でロットLを保持し、その後、ロットLを第3搬送装置62に渡す。
【0031】
第3薬液槽67は、ロットLが浸漬される第3薬液を貯留する。第3薬液は、特に限定されないが、例えば、SC1(アンモニアと過酸化水素と水の混合液)である。SC1は、有機物及びパーティクルを除去する。第3リンス液槽68は、ロットLが浸漬される第3リンス液を貯留する。第3リンス液は、基板Wから第3薬液を除去する純水であって、例えばDIW(脱イオン水)である。
【0032】
バッチ処理部6は、第3搬送装置62からロットLを受け取り、保持する第1保持具811を有する。第1保持具811は、複数枚の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持し、複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に保持する。また、バッチ処理部6は、第1保持具811をX軸方向及びZ軸方向に移動させる駆動装置818を有する。第1保持具811は、第3薬液中でロットLを保持し、次いで、第3リンス液中でロットLを保持する。
【0033】
なお、第1保持具811と駆動装置818のユニットの数は、本実施形態では1つであるが、複数でもよい。後者の場合、1つのユニットが第3薬液にロットLを浸漬し、別のユニットが第3リンス液にロットLを浸漬する。この場合、駆動装置818は、第1保持具811をZ軸方向に移動させればよく、第1保持具811をX軸方向に移動させなくてもよい。
【0034】
更に、バッチ処理部6は、第2ピッチP2(P2=N×P1)で並ぶ複数枚の基板Wを、第1保持具811から第3処理液中で受け取る第2保持具814を有する。第1保持具811と、第2保持具814と、駆動装置818とは、ロット解除部81を形成する。
【0035】
なお、バッチ処理部6で使用される薬液の種類は、希フッ酸、BFH、リン酸水溶液、及びSC1には限定されず、例えば、希硫酸、SPM(硫酸と過酸化水素と水の混合液)、SC2(塩酸と過酸化水素と水の混合液)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウムと水の混合液)、メッキ液などであってもよい。薬液は、剥離処理用又はメッキ処理用であってもよい。また、薬液の数は、特に限定されず、1つであってもよい。
【0036】
制御部9は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)91と、メモリなどの記憶媒体92とを備える。記憶媒体92には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部9は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、基板処理システム1の動作を制御する。また、制御部9は、入力インターフェース93と、出力インターフェース94とを備える。制御部9は、入力インターフェース93で外部からの信号を受信し、出力インターフェース94で外部に信号を送信する。
【0037】
上記プログラムは、例えばコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶され、その記憶媒体から制御部9の記憶媒体92にインストールされる。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、例えば、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどが挙げられる。なお、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、制御部9の記憶媒体92にインストールされてもよい。
【0038】
次に、図2を参照して、上記基板処理システム1の動作、つまり、基板処理方法について説明する。図2に示す処理は、制御部9による制御下で実施される。
【0039】
先ず、カセットCが、複数枚の基板Wを収容した状態で、搬入出部2に搬入され、載置板22に載置される。カセットCの内部にて、基板Wは水平に保持され、鉛直方向に第2ピッチP2(P2=N×P1)で保持される。Nは、2以上の自然数であり、本実施形態では2であるが、3以上であってもよい。
【0040】
次に、第1搬送装置24が、カセットC内の基板Wを取り出し(図2のS101)、第1トランジション装置26に搬送する。次いで、第2搬送装置32が、第1トランジション装置26から基板Wを受け取り、第2トランジション装置33に搬送する。その後、第1搬送ロボット53が、第2トランジション装置33から基板Wを受け取り、ロット形成部51に搬送する。
【0041】
次に、ロット形成部51が、複数枚の基板Wを第1ピッチP1(P1=P2/N)で保持し、ロットLを形成する(図2のS102)。1つのロットLは、例えばN個のカセットCの基板Wで構成される。基板Wのピッチが第2ピッチP2から第1ピッチP1に狭くなるので、一括で処理する基板Wの枚数を増加できる。
【0042】
次に、第3搬送装置62が、ロット形成部51からロットLを受け取り、第1処理具71に搬送する。その途中で、第3搬送装置62は、鉛直軸周りに回転し、複数枚の基板Wの配列方向をX軸方向からY軸方向に変更する。
【0043】
次に、第1処理具71が、第1薬液槽63の上方から下降し、第1薬液にロットLを浸漬し、第1薬液処理を実施する(図2のS103)。その後、第1処理具71は、第1薬液からロットLを引き上げるべく上昇し、続いて第1リンス液槽64の上方に向けてX軸方向に移動する。
【0044】
次に、第1処理具71が、第1リンス液槽64の上方から下降し、第1リンス液にロットLを浸漬し、第1リンス液処理を実施する(図2のS104)。その後、第1処理具71は、第1リンス液からロットLを引き上げるべく上昇する。続いて、第3搬送装置62が、第1処理具71からロットLを受け取り、第2処理具73に搬送する。
【0045】
次に、第2処理具73が、第2薬液槽65の上方から下降し、第2薬液にロットLを浸漬し、第2薬液処理を実施する(図2のS105)。その後、第2処理具73は、第2薬液からロットLを引き上げるべく上昇する。続いて、第3搬送装置62が、第2処理具73からロットLを受け取り、第3処理具75に搬送する。
【0046】
次に、第3処理具75が、第2リンス液槽66の上方から下降し、第2リンス液にロットLを浸漬し、第2リンス液処理を実施する(図2のS106)。その後、第3処理具75は、第2リンス液からロットLを引き上げるべく上昇する。続いて、第3搬送装置62が、第3処理具75からロットLを受け取り、第1保持具811に搬送する。
【0047】
次に、第1保持具811が、第3薬液槽67の上方から下降し、第3薬液にロットLを浸漬し、第3薬液処理を実施する(図2のS107)。その後、第1保持具811は、第3薬液からロットLを引き上げるべく上昇し、続いて第3リンス液槽68の上方に向けてX軸方向に移動する。
【0048】
次に、第1保持具811が、第3リンス液槽68の上方から下降し、第3リンス液にロットLを浸漬し、第3リンス液処理を実施する(図2のS108)。
【0049】
また、第1保持具811は、下降の途中で、ロットLの一部を第2保持具814に渡し、基板Wのピッチを第1ピッチP1から第2ピッチP2広げる(図2のS109)。第2保持具814が複数枚の基板Wを第2ピッチP2で保持し、第1保持具811も複数枚の基板Wを第2ピッチP2で保持する。なお、第1保持具811は、第2保持具814に渡す基板Wと、第2保持具814に渡すことなく保持し続ける基板Wとを、交互に繰り返し保持する。つまり、ロットLの一部である基板Wと、ロットLの残部である基板Wとは、交互に繰り返し並び、ロットLを形成する。
【0050】
次に、第2搬送ロボット54が、第3リンス液中で第1保持具811と第2保持具814とに分かれて保持される基板Wを、枚葉処理部3に搬送する。基板Wのピッチが広いので、基板Wと、第2搬送ロボット54との干渉を防止できる。また、ロットL形成時の基板Wのピッチを狭くでき、一括で処理する基板Wの枚数を増加できる。第2搬送ロボット54は、基板Wを1枚ずつ枚葉処理部3の液処理装置34に搬送する。
【0051】
次に、液処理装置34が、基板Wを1枚ずつ液体で処理する(図2のS110)。液体は、複数であってもよく、例えば、DIWなどの純水と、純水よりも表面張力の低い乾燥液とであってよい。乾燥液は、例えばIPA(イソプロピルアルコール)などのアルコールであってよい。液処理装置34は、基板Wの上面に、純水と乾燥液とをこの順で供給し、乾燥液の液膜を形成する。
【0052】
次に、第2搬送装置32が、液処理装置34から基板Wを受け取り、乾燥液の液膜を上に向けて基板Wを水平に保持する。第2搬送装置32は、基板Wを液処理装置34から乾燥装置35に搬送する。
【0053】
次に、乾燥装置35が、基板Wを1枚ずつ超臨界流体で乾燥する(図2のS111)。乾燥液を超臨界流体で置換でき、乾燥液の表面張力による基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制できる。超臨界流体は、耐圧容器を要するので、耐圧容器を小型化すべく、バッチ処理ではなく、枚葉処理で行われる。
【0054】
乾燥装置35は、図9に示すように、耐圧容器351と、可動トレー353と、供給ポート356とを含む。耐圧容器351は、基板Wを搬入出する搬入出口352を有する。可動トレー353は、搬入出口352を開閉する蓋354と、基板Wを水平に保持する保持部355とを有する。蓋354が搬入出口352を閉じた状態で、保持部355が耐圧容器351の内部に基板Wを水平に保持する。基板Wの上面には予め凹凸パターンが形成され、乾燥液の液膜が凹凸パターンを覆う。供給ポート356は、耐圧容器351の内部に、二酸化炭素などの超臨界流体を供給する。なお、供給ポート356の数及び位置は、図9に示すものには限定されない。枚葉式の乾燥装置35は、液膜を形成した基板Wを、1枚ずつ、超臨界流体で乾燥する。
【0055】
なお、乾燥装置35は、本実施形態では枚葉式であるが、上記の通り、バッチ式でもよい。バッチ式の乾燥装置35は、液膜を形成した複数枚の基板Wを、一括で、超臨界流体で乾燥する。枚葉式の乾燥装置35が保持部355を1つ有するのに対し、バッチ式の乾燥装置35は複数の保持部355を有する。
【0056】
なお、本実施形態の乾燥装置35は基板Wを超臨界流体で乾燥するが、乾燥の方式は特に限定されない。乾燥の方式は、基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制できるものであればよく、例えば、スピン乾燥、スキャン乾燥、又は撥水乾燥などでもよい。スピン乾燥は、基板Wを回転し、遠心力によって液膜を基板Wから振り切る。スキャン乾燥は、乾燥液の供給位置を基板Wの中心から基板Wの外周に向けて移動させながら、基板Wを回転し、遠心力によって液膜を基板Wから振り切る。スキャン乾燥は、更に、Nガスなどの乾燥ガスの供給位置を、乾燥液の供給位置に追従するように基板Wの中心から基板Wの外周に向けて移動させてもよい。
【0057】
その後、第2搬送装置32が、乾燥装置35から基板Wを受け取り、第1トランジション装置26に搬送する。
【0058】
次に、第1搬送装置24が、第1トランジション装置26から基板Wを受け取り、カセットC内に収納する(図2のS112)。カセットCは、複数枚の基板Wを収容した状態で、搬入出部2から搬出される。
【0059】
次に、図3図4A図4B及び図4Cを参照して、ロット形成部51について説明する。なお、図面のスペースの都合上、基板Wの枚数を、実際の枚数よりも少なく図示する。第1保持溝513の数、第2保持溝516の数、及び通過溝517の数について同様である。
【0060】
ロット形成部51は第1保持具511を有し、第1保持具511は図4Cに示すように複数枚(例えば50枚、図4Cには50枚中12枚のみ図示)の基板WをX軸方向に第1ピッチP1で保持し、ロットLを形成する。第1保持具511は図3に示すように複数本の第1アーム512を有する。第1アーム512の本数は、図示のものに限定されない。
【0061】
複数本の第1アーム512は、それぞれ、X軸方向に延びており、X軸方向に第1ピッチP1で並ぶ第1保持溝513を有する。第1保持溝513には基板Wの外周が挿入され、第1保持溝513が基板Wの外周を保持する。複数本の第1アーム512は、複数枚の基板Wのそれぞれの外周を周方向に沿って間隔をおいて保持する。
【0062】
また、ロット形成部51は第2保持具514を有し、第2保持具514は図4Bに示すように複数枚(例えば25枚、図4Bには25枚中6枚のみ図示)の基板WをX軸方向に第2ピッチP2で保持する。第2保持具514は図3に示すように複数本の第2アーム515を有する。第2アーム515の本数は、図示のものに限定されない。
【0063】
複数本の第2アーム515は、それぞれ、X軸方向に延びており、X軸方向に第2ピッチP2で並ぶ第2保持溝516を有する。第2保持溝516には基板Wの外周が挿入され、第2保持溝516が基板Wの外周を保持する。複数本の第2アーム515は、複数枚の基板Wのそれぞれの外周を周方向に沿って間隔をおいて保持する。
【0064】
また、複数本の第2アーム515は、X軸方向に第2ピッチP2で並ぶ通過溝517を更に有する。通過溝517にも基板Wの外周が挿入されるが、通過溝517は基板Wの外周を保持することなく基板Wを通過させる。通過溝517と第2保持溝516とは、X軸方向に交互に配置される。通過溝517と第2保持溝516は、複数の第1保持溝513のいずれかと同じX軸方向位置に配置される。
【0065】
更に、ロット形成部51は駆動装置518を有し、駆動装置518は第2保持具514に対して第1保持具511を昇降させる。第1保持具511は、第2保持具514よりも下方の退避位置(図4B参照)と、第2保持具514よりも上方のロット形成位置(図4C参照)との間で昇降させられる。
【0066】
次に、図4A図4B及び図4Cを再度参照して、ロット形成部51の動作について説明する。
【0067】
先ず、図4Aに示すように、第1保持具511は、第2保持具514よりも下方の受取位置で停止する。但し、受取位置は、退避位置とロット形成位置との間に設定さればよく第2保持具514よりも上方に設定されてもよい。第1搬送ロボット53が、基板Wを複数枚(例えば5枚、図4Aには5枚中2枚のみ図示)ずつ、第2保持具514の通過溝517に差し込み、第1保持具511に渡す。この動作が複数回繰り返され、第1保持具511が複数枚(例えば25枚、図4Aには25枚中6枚のみ図示)の基板Wを第2ピッチP2で保持する。なお、第1搬送ロボット53は、基板Wを1枚ずつ、第2保持具514の通過溝517に差し込み、第1保持具511に渡してもよい。
【0068】
次に、図4Bに示すように、第1保持具511は、基板Wと、第1搬送ロボット53の第1搬送アーム531との干渉を防止すべく、受取位置から退避位置まで下降する。そして、第1搬送ロボット53が、基板Wを複数枚(例えば5枚、図4Bには5枚中2枚のみ図示)ずつ、第2保持具514の第2保持溝516に差し込み、第2保持具514に渡す。この動作が複数回繰り返され、第2保持具514が複数枚(例えば25枚、図4Aには25枚中6枚のみ図示)の基板Wを第2ピッチP2で保持する。なお、第1搬送ロボット53は、基板Wを1枚ずつ、第2保持具514の第2保持溝516に差し込み、第2保持具514に渡してもよい。
【0069】
次に、図4Cに示すように、第1保持具511は、退避位置からロット形成位置まで上昇する。その途中で、第1保持具511は、空いている第1保持溝513で第2保持具514から基板Wを受け取り、元々保持していた基板Wと合わせ、ロットLを形成する。
【0070】
1つのロットLは、例えばN個のカセットCの基板Wで構成される。但し、1つのロットLは、1個のカセットCの基板Wで構成されてもよいし、3個以上のカセットCの基板Wで構成されてもよい。1つのロットLは、複数枚の基板Wを第1ピッチP1で含めばよい。
【0071】
ロット形成部51は不図示の第3保持具を更に有してもよい。第3保持具は、第2保持具514と同様に、複数枚の基板Wを第2ピッチP2で保持し、保持した基板Wを第1保持具511に渡す。第1保持具511が第2保持具514だけではなく第3保持具からも基板Wを受け取るので、第1ピッチP1と第2ピッチP2の比Nを大きくでき、一括で処理する基板Wの枚数を増加できる。
【0072】
次に、図5図6A図6B及び図6Cを参照して、ロット解除部81について説明する。なお、図面のスペースの都合上、基板Wの枚数を、実際の枚数よりも少なく図示する。第1保持溝813の数、第2保持溝816の数、及び通過溝817の数について同様である。
【0073】
ロット解除部81は第1保持具811を有し、第1保持具811は図6Aに示すように複数枚(例えば50枚、図6Aには50枚中12枚のみ図示)の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持する。第1保持具811は図5に示すように複数本の第1アーム812を有する。第1アーム812の本数は、図示のものに限定されない。
【0074】
複数本の第1アーム812は、それぞれ、Y軸方向に延びており、Y軸方向に第1ピッチP1で並ぶ第1保持溝813を有する。第1保持溝813には基板Wの外周が挿入され、第1保持溝813が基板Wの外周を保持する。複数本の第1アーム812は、複数枚の基板Wのそれぞれの外周を周方向に沿って間隔をおいて保持する。
【0075】
また、ロット解除部81は第2保持具814を有し、第2保持具814は図6Bに示すように複数枚(例えば25枚、図6Bには25枚中6枚のみ図示)の基板WをY軸方向に第2ピッチP2で保持する。第2保持具814は図5に示すように複数本の第2アーム815を有する。第2アーム815の本数は、図示のものに限定されない。
【0076】
複数本の第2アーム815は、それぞれ、Y軸方向に延びており、Y軸方向に第2ピッチP2で並ぶ第2保持溝816を有する。第2保持溝816には基板Wの外周が挿入され、第2保持溝816が基板Wの外周を保持する。複数本の第2アーム815は、複数枚の基板Wのそれぞれの外周を周方向に沿って間隔をおいて保持する。
【0077】
また、複数本の第2アーム815は、Y軸方向に第2ピッチP2で並ぶ通過溝817を更に有する。通過溝817にも基板Wの外周が挿入されるが、通過溝817は基板Wの外周を保持することなく基板Wを通過させる。通過溝817と第2保持溝816とは、Y軸方向に交互に配置される。通過溝817と第2保持溝816は、複数の第1保持溝813のいずれかと同じY軸方向位置に配置される。
【0078】
更に、ロット解除部81は駆動装置818を有し、駆動装置818は第2保持具814に対して第1保持具811を昇降させる。第1保持具811は、第2保持具814よりも上方の下降開始位置(図6A参照)と、第2保持具814よりも下方の下降終了位置(図6B参照)との間で昇降させられる。
【0079】
次に、図6A図6B及び図6Cを再度参照して、ロット解除部81の動作について説明する。
【0080】
先ず、図6Aに示すように、第1保持具811は、下降開始位置にて、複数枚の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持する。第1保持具811は、複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に保持する。下降開始位置は、第3リンス液槽68の上方に設定される。
【0081】
次に、図6Bに示すように、第1保持具811は、ロットLの一部を第2保持具814に渡すべく下降する。第2保持具814は、第2ピッチP2で並ぶ複数枚の基板Wを、第1保持具811から第3リンス液中で受け取る。第1保持具811は、下降終了位置にて、第2保持具814の通過溝817を通過した複数枚の基板Wを、第2ピッチP2で保持する。
【0082】
その結果、複数枚の基板Wは、第3リンス液中で、第1保持具811と第2保持具814とに分かれて保持される。第2保持具814は、第1保持具811よりも上方で、複数枚の基板Wを第2ピッチP2で保持する。同様に、第1保持具811は、複数枚の基板Wを第2ピッチP2で保持する。複数枚の基板Wは、それぞれ、鉛直に保持される。
【0083】
次に、図6Bに示すように、第2搬送ロボット54が、第2保持具814から基板Wを受け取り、基板Wを1枚ずつ第3リンス液から引き上げ、枚葉処理部3に搬送する。基板Wは第2ピッチP2で保持されるので、基板Wと、第2搬送ロボット54の第2搬送アーム541との干渉を防止できる。なお、第2搬送ロボット54は、基板Wを複数枚ずつ第3リンス液から引き上げてもよい。その引き上げは、第2保持具814から基板Wが無くなるまで、繰り返される。
【0084】
次に、図6Cに示すように、第1保持具811は、基板Wを第2搬送ロボット54に渡すべく上昇する。第1保持具811は、第2保持具814よりも僅かに下方の位置で停止するが、第2保持具814よりも上方の位置で停止してもよい。基板Wが、第3リンス液中に浸漬され続ければよい。
【0085】
次に、図6Cに示すように、第2搬送ロボット54が、第1保持具811から基板Wを受け取り、基板Wを1枚ずつ第3リンス液から引き上げ、枚葉処理部3に搬送する。基板Wは第2ピッチP2で保持されるので、基板Wと、第2搬送ロボット54の第2搬送アーム541との干渉を防止できる。なお、第2搬送ロボット54は、基板Wを複数枚ずつ第3リンス液から引き上げてもよい。その引き上げは、第1保持具811から基板Wが無くなるまで、繰り返される。
【0086】
上記の通り、基板Wは、第2搬送ロボット54で第3リンス液から引き上げられるまで、第3リンス液中で保持される。第3リンス液の液面よりも下に基板Wが存在するので、第3リンス液の表面張力が基板Wに作用せず、基板Wの凹凸パターンの倒壊を防止できる。
【0087】
ロット解除部81は不図示の第3保持具を更に有してもよい。第3保持具は、第2保持具814と同様に、第2ピッチP2で並ぶ複数枚の基板Wを、第1保持具811から第3リンス液中で受け取る。第1保持具811が第2保持具814だけではなく第3保持具にも基板Wを渡すので、第1ピッチP1と第2ピッチP2の比Nを大きくできる。
【0088】
なお、ロット解除部81は、バッチ処理部6を小型化すべく第3リンス液槽68に設置されるが、専用の処理槽に設置されてもよい。その処理槽は、第3リンス液槽68と同様に、純水を貯留するものであってよい。純水を用いれば、第2搬送ロボット54の第2搬送アーム541の劣化を抑制できる。なお、第2搬送アーム541の劣化を抑制できる限り、ロット解除部81は薬液槽に設置されてもよい。
【0089】
次に、図7を参照して、第1搬送ロボット53及び第2搬送ロボット54について説明する。なお、図面のスペースの都合上、第1搬送ロボット53の第1搬送アーム531の数を、実際の数よりも少なく図示する。
【0090】
第1搬送ロボット53は、枚葉処理部3からインターフェース部5のロット形成部51に基板Wを搬送する。基板Wは、ロット形成部51によってロットLになった後、ロット形成部51からバッチ処理部6に搬送される。
【0091】
第1搬送ロボット53は、例えば6軸ロボットであり、6つの回転軸R1、R2、R3、R4、R5、R6を有する。なお、第1搬送ロボット53は、7軸ロボットでもよい。また、第1搬送ロボット53は、多関節ロボットではなくてもよく、直交ロボットなどであってもよい。直交ロボットは、回転軸を有してもよい。
【0092】
第1搬送ロボット53は、その手先に第1搬送アーム531を有する。第1搬送アーム531は、基板Wを保持する。第1搬送アーム531の厚さは、第2ピッチP2で配列される基板W同士の間に第1搬送アーム531を挿入できるような厚さに設定される。第1搬送アーム531は、複数枚(例えば5枚、図7には5枚中2枚のみ図示)の基板Wを一括で搬送できるように、複数設けられてよい。
【0093】
第2搬送ロボット54は、バッチ処理部6から枚葉処理部3に基板Wを搬送する。例えば、第2搬送ロボット54は、第3リンス液槽68から液処理装置34に基板Wを搬送する。第3リンス液槽68から液処理装置34への基板Wの搬送には、第2搬送ロボット54が用いられ、第2搬送装置32は用いられない。従って、第2搬送装置32が第3リンス液で濡れるのを抑制できる。なお、搬送元は、バッチ処理部6の構成に応じて適宜選択される。同様に、搬送先は、枚葉処理部3の構成応じて適宜選択される。
【0094】
第2搬送ロボット54は、第1搬送ロボット53と同様に構成され、その手先に第2搬送アーム541を有する。第2搬送アーム541は、基板Wを保持する。第2搬送アーム541の厚さは、第2ピッチP2で配列される基板W同士の間に第2搬送アーム541を挿入できるような厚さに設定される。第2搬送アーム541は、基板Wを1枚ずつ搬送すべく1つのみ設けられるが、複数枚の基板Wを一括で搬送できるように、複数設けられてもよい。
【0095】
第2搬送アーム541は、第3リンス液中から基板Wを引き上げるので、第3リンス液で濡れる。第3リンス液が第2搬送アーム541からその手首に垂れるのを抑制すべく、第2搬送ロボット54はインターフェース部5の天井55に吊下げられる。一方、第1搬送ロボット53は、インターフェース部5の床56に設置される。
【0096】
なお、第2搬送ロボット54と第1搬送ロボット53との配置は逆でもよく、第1搬送ロボット53が天井55に吊下げられ、第2搬送ロボット54が床56に設置されてもよい。この場合、第2搬送アーム541に付いた第3リンス液が第1搬送ロボット53に垂れるのを抑制できる。第1搬送ロボット53は、常に乾いた状態で、基板Wを搬送できる。
【0097】
なお、第1搬送ロボット53と第2搬送ロボット54が、両方とも天井55に吊下げられてもよいし、両方とも床56に設置されてもよい。また、第1搬送ロボット53と第2搬送ロボット54の1つ以上が、側壁に設置されてもよい。側壁は、天井55と床56の間に配置されるものであり、天井55及び床56とは異なり、鉛直に配置される。天井55及び床56は、水平に配置される。
【0098】
なお、第2搬送アーム541による基板Wの搬送中に、基板Wの乾燥防止を目的として基板Wに対して高湿度ガスを供給してもよい。第2搬送ロボット54には、第2搬送アーム541に付いた液滴を吹き飛ばすガスノズルが設けられてもよい。また、第2搬送ロボット54には、第2搬送アーム541からその手首に向けて垂れる液滴を回収するドレインパンが設けられてもよい。液滴は、第3リンス液、又は高湿度ガスの凝縮したものである。
【0099】
以上、本開示に係る基板処理システム及び基板処理方法の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0100】
例えば、上記実施形態及び上記変形例では、カセットCは、その内部に基板Wを第2ピッチP2で収容するが、第2ピッチP2以外のピッチで収容してもよく、第2ピッチP2よりも狭いピッチ(例えば第1ピッチP1)で収容してもよいし、第2ピッチP2よりも広いピッチで収容してもよい。ロット解除部81が基板Wのピッチを第1ピッチP1から第2ピッチP2に広げれば、基板Wと搬送ロボット54、58との干渉を抑制できる。
【0101】
上記実施形態及び上記変形例では、ロット形成部51は、ロットLの形成時に、基板Wのピッチを狭めるが、狭めなくてもよい。例えば、カセットCの最大収容枚数よりも少ない枚数の基板WがカセットCに収容されている場合、ロット形成部51は、基板Wのピッチを狭めなくてもよい。いずれにしろ、ロット解除部81が基板Wのピッチを第1ピッチP1から第2ピッチP2に広げれば、基板Wと搬送ロボット54、58との干渉を抑制できる。
【0102】
上記実施形態及び上記変形例では、ロット解除部81は、基板Wよりも大きい塊状の処理液中で、基板Wのピッチを第1ピッチP1から第2ピッチP2に広げるが、霧状の処理液中で、基板Wのピッチを第1ピッチP1から第2ピッチP2に広げてもよい。処理液は、霧状であっても、基板Wの乾燥を防止できるので、基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制できる。
【0103】
上記実施形態及び上記変形例では、搬送部52は、図7に示すように第1搬送ロボット53と第2搬送ロボット54とを含むが、図8に示すように1つの搬送ロボット41を含んでもよい。搬送ロボット41は、第1搬送ロボット53と第2搬送ロボット54とを兼ねる。
【0104】
搬送ロボット41は、第1搬送ロボット53の第1搬送アーム531と、第2搬送ロボット54の第2搬送アーム541とを有する。第1搬送アーム531と第2搬送アーム541は、それぞれ、搬送ロボット41の手先に取り付けられる。搬送ロボット41は、第1搬送アーム531にて枚葉処理部3からロット形成部51に基板Wを搬送し、第2搬送アーム541にてバッチ処理部6から枚葉処理部3に基板Wを搬送する。
【0105】
図8に示すように、搬送ロボット41は、第1搬送アーム531と第2搬送アーム541とを独立に動作させるべく、第1搬送アーム531に対して相対的に第2搬送アーム541を移動させる移動機構411を更に有する。移動機構411は、例えば搬送ロボット41の手先に設けられる。移動機構411は、図8では搬送ロボット41の手先に対して第2搬送アーム541を移動させるが、搬送ロボット41の手先に対して第1搬送アーム531を移動させてもよい。
【0106】
搬送ロボット41は、図8に示すように天井55に吊下げられてもよいし、床56に設置されてもよいし、側壁に設置されてもよい。
【0107】
上記実施形態及び上記変形例では、バッチ処理部6がロット解除部81を有するが、ロット解除部81のうちの少なくとも一部、より詳細には第2保持具814を有しなくてもよい。搬入出部2と、枚葉処理部3と、インターフェース部5と、バッチ処理部6とがこの順番で並び、インターフェース部5がロット形成部51と搬送部52とを有していれば、上記の通り、基板Wの搬送経路を確保でき、基板処理システム1を小型化できる。搬入出部2は搬入部と搬出部とを兼ねるからである。
【0108】
上記実施形態及び上記変形例では、枚葉処理部3が液処理装置34と乾燥装置35の両方を有するが、乾燥装置35のみを有してもよい。この場合、搬送部52が基板Wを乾燥装置35へ直接搬送してもよいし、搬送部52が基板Wを第2トランジション装置33へ搬送し、第2搬送装置32が第2トランジション装置33から受け取った基板Wを乾燥装置35へ搬送してもよい。また、この場合、乾燥装置35の蓋354が開き、且つ保持部355が基板Wを保持した状態(図9に示す状態)で、乾燥液が基板Wの上面に供給され、乾燥液の液膜が基板Wに形成されてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 基板処理システム
2 搬入出部
3 枚葉処理部
5 インターフェース部
51 ロット形成部
52 搬送部
6 バッチ処理部
W 基板
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9