(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113340
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】経路規制部材及び規制部材付電線
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20240815BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240815BHJP
F16B 2/08 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
H02G3/30
B60R16/02 623H
F16B2/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018243
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 秀彰
【テーマコード(参考)】
3J022
5G363
【Fターム(参考)】
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC14
3J022EC22
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA03
3J022GB43
3J022GB45
5G363AA07
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA16
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】この発明は、被覆電線を所望の方向に曲げることができるとともに、湾曲させた被覆電線にかかる負荷を軽減できる経路規制部材及び規制部材付電線を提供することを目的とする。
【解決手段】規制部材10は、ハーネス100を固定する第一固定体20と、ハーネス100の配索方向の下流側DSに配置され、第一固定体20から延伸するハーネス100を固定する第二固定体40と、第一固定体20と第二固定体40とを連結する連結部材30とが備えられ、第一固定体20に対する第二固定体40の角度を調整可能に規制する被係止部33及び弾性片631を有し、ハーネス100の配索方向において近接する第一固定体20と第二固定体40との端部同士が所定の間隔を隔てている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆電線を固定する第一固定体と、
前記被覆電線の長手方向の一方側に配置され、前記第一固定体から延伸する前記被覆電線を固定する第二固定体と、
前記第一固定体と前記第二固定体とを連結する連結部材とが備えられ、
前記第一固定体に対する前記第二固定体の角度を調整可能に規制する角度規制部を有し、
前記被覆電線の配索方向において近接する前記第一固定体と前記第二固定体との端部同士が所定の間隔を隔てた
経路規制部材。
【請求項2】
前記連結部材は、円弧状に構成され、
前記第一固定体及び前記第二固定体の少なくとも一方に、前記連結部材に沿って滑走させる滑走部が設けられた
請求項1に記載の経路規制部材。
【請求項3】
前記第一固定体及び前記第二固定体は、長尺状に構成され、
前記連結部材は、
前記第一固定体及び前記第二固定体の延伸方向で交わる交点を中心とする円弧状で構成された
請求項2に記載の経路規制部材。
【請求項4】
前記第一固定体が、前記連結部材に固定された
請求項2又は請求項3に記載の経路規制部材。
【請求項5】
前記角度規制部として、前記連結部材に対する前記第二固定体の滑走を規制する滑走規制部を備えられた
請求項4に記載の経路規制部材。
【請求項6】
前記滑走規制部は、
前記第二固定体及び前記連結部材の一方に設けられた、前記連結部材に対して前記第二固定体が滑走する方向と直交する方向に窪ませた凹状の被係止部と、
前記第二固定体及び前記連結部材の他方から前記一方に向けて突出し、前記被係止部と係止する係止部とで構成された
請求項5に記載の経路規制部材。
【請求項7】
前記滑走規制部は、
前記連結部材に沿って前記第二固定体を一方向にのみ滑走可能に構成された
請求項6に記載の経路規制部材。
【請求項8】
前記被係止部が、前記連結部材に沿って複数設けられ、
前記係止部は、前記連結部材に沿った前記第二固定体の前記一方向への移動でのみ弾性変形する
請求項7に記載の経路規制部材。
【請求項9】
前記係止部と前記被係止部との係止が、解除可能に構成された
請求項8に記載の経路規制部材。
【請求項10】
前記連結部材を短縮可能に構成された
請求項2又は請求項3に記載の経路規制部材。
【請求項11】
前記第一固定体と前記第二固定体は、前記被覆電線を固定する電線固定部を有する
請求項1又は請求項2に記載の経路規制部材。
【請求項12】
前記電線固定部は、
前記第一固定体及び前記第二固定体の前記長手方向の端部近傍に設けられた
請求項11に記載の経路規制部材。
【請求項13】
前記第一固定体が、前記連結部材に固定された
請求項1に記載の経路規制部材。
【請求項14】
前記第一固定体及び前記第二固定体の少なくとも一方は、
前記被覆電線を載置する電線載置部と、前記電線載置部から立設する側壁部とを有する
請求項1又は請求項2に記載の経路規制部材。
【請求項15】
前記第一固定体及び前記第二固定体の少なくとも一方に、
被固定部材に設置固定する設置固定部が設けられた
請求項1又は請求項2に記載の経路規制部材。
【請求項16】
長尺状の被覆電線と、
請求項1に記載の経路規制部材とで構成され、
前記被覆電線は、所定の角度に調整された前記第一固定体及び前記第二固定体に固定された
規制部材付電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両に配索される被覆電線の配索経路を規制する経路規制部材及び規制部材付電線に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の操作性や快適性を向上させるために搭載されている電気機器類は、被覆電線を介してバッテリーなどと電気的に接続されている。このように電気機器類に接続する被覆電線は、プロテクタなどの経路規制部材に取り付けることで、車両の形状に合わせた二次元的又は三次元的な配索経路に沿って経路規制されている。
【0003】
例えば特許文献1に開示されているクランプは、被覆電線を固定する第一固定体及び第二固定体が所望の角度となるように、第一固定体及び第二固定体の端部を組み付けることができるアンカーを備えている。これにより、所定の角度を形成する第一固定体及び第二固定体に被覆電線を固定することで被覆電線を曲げた状態で車両に固定できるため、被覆電線を所望の方向に曲げて配索できるとされている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているクランプでは、第一固定体及び第二固定体が形成する角度によっては、第一固定体及び第二固定体に固定された被覆電線の曲げが急となるため、被覆電線に負荷がかかるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑み、被覆電線を所望の方向に曲げることができるとともに、湾曲させた被覆電線にかかる負荷を軽減できる経路規制部材及び規制部材付電線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、被覆電線を固定する第一固定体と、前記被覆電線の長手方向の一方側に配置され、前記第一固定体から延伸する前記被覆電線を固定する第二固定体と、前記第一固定体と前記第二固定体とを連結する連結部材とが備えられ、前記第一固定体に対する前記第二固定体の角度を調整可能に規制する角度規制部を有し、前記被覆電線の配索方向において近接する前記第一固定体と前記第二固定体との端部同士が所定の間隔を隔てた経路規制部材であることを特徴とする。
またこの発明は、長尺状の被覆電線と、上述の経路規制部材とで構成され、前記被覆電線は、所定の角度に調整された前記第一固定体及び前記第二固定体に固定された規制部材付電線であることを特徴とする。
【0008】
前記連結部材は、前記第一固定体及び前記第二固定体の一方と固定されている場合や、前記第一固定体及び前記第二固定体の一方と一体成型されている場合を含む。また、前記連結部材は、前記第一固定体及び前記第二固定体と別体で構成されている場合も含む。
【0009】
前記角度規制部は、前記第一固定体に対する前記第二固定体の角度を所望の角度に調整できるとともに、当該角度で規制できればよく、例えば、前記第一固定体及び前記第二固定体に固定された前記被覆電線が直線状となるような角度や直角状となるような角度の他、Uターン状に配索されるような角度に調整できてもよい。
【0010】
また前記角度規制部は、前記連結部材、前記第一固定体及び前記第二固定体のそれぞれに設けられている、あるいは、組み合わせて角度調整できる構成を前記第一固定体又は前記第二固定体と前記連結部材とに設けられていてもよいし、前記連結部材、前記第一固定体及び前記第二固定体と別部材であってもよい。
【0011】
さらにまた前記角度規制部は、前記第一固定体及び第二固定体の少なくとも一方を、前記連結部材に沿って相対移動させる、あるいは、前記第一固定体及び第二固定体を組み付けることで、前記第一固定体に対する第二固定体の角度を調整できる構成を含む。
【0012】
上述の前記第一固定体と前記第二固定体との端部同士が所定の間隔を隔てたとは、前記第一固定体に対する前記第二固定体の角度を様々な角度に調整した状態において、前記被覆電線の配索方向において近接する端面同士が所定の間隔を隔てていることをさす。すなわち、配索された被覆電線がUターン状となるような特定の配索経路において、前記被覆電線の配索方向において近接する前記第一固定体と前記第二固定体との端面の一部が離間している場合を含む。
【0013】
この発明によると、角度規制部で第一固定体に対して第二固定体が所望の角度となるように、第一固定体及び第二固定体を連結部材に配置することができる。これにより、第一固定体及び第二固定体に固定された被覆電線を所望の方向に曲げることができる。
【0014】
また、被覆電線の配索方向において近接する第一固定体及び第二固定体の端部同士が所定の間隔を隔てていることにより、被覆電線の配索方向において近接する第一固定体及び第二固定体の端部同士の間で被覆電線の規制が緩和される。このため、被覆電線の曲げを緩やかに形成することができる。
【0015】
このように、被覆電線の配索方向において近接する端部同士が離間した状態で第一固定体及び第二固定体を所望の角度に規制できるため、様々な配索経路に沿って被覆電線を曲げることができながら、被覆電線の曲げを緩やかに形成することができる。したがって、被覆電線を所望の方向に曲げることができるとともに、第一固定体及び第二固定体に規制された被覆電線にかかる負荷を軽減できる。
【0016】
この発明の態様として、前記連結部材は、円弧状に構成され、前記第一固定体及び前記第二固定体の少なくとも一方に、前記連結部材に沿って滑走させる滑走部が設けられてもよい。
前記円弧状とは、正円形状や楕円形状、オーバル形状などの全部や一部を含む。なお、前記円弧状には、扇型や円形状などの平板状に構成されている場合や環状に構成されている場合も含む。
【0017】
この発明により、第一固定体及び第二固定体の少なくとも一方を連結部材に滑走させるだけで、第一固定体に対する第二固定体の位置を容易に変えることができる。したがって、被覆電線の曲げ方向を容易に調整できる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記第一固定体及び前記第二固定体は、長尺状に構成され、前記連結部材は、前記第一固定体及び前記第二固定体の延伸方向で交わる交点を中心とする円弧状で構成されてもよい。
この発明により、連結部材のコンパクト化を図りながら、第一固定体に対して第二固定体を様々な位置に配置できる。したがって、コンパクトかつ簡易な構造で、様々な方向に被覆電線を曲げることができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記第一固定体が、前記連結部材に固定されてもよい。
この発明によると、第二固定体を連結部材に沿って滑走させるだけで、第一固定体に対して第二固定体を所定の角度に調整できる。したがって、部品点数を削減しながら、様々な方向に被覆電線を曲げることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記角度規制部として、前記連結部材に対する前記第二固定体の滑走を規制する滑走規制部を備えられてもよい。
この発明により、連結部材に対する第二固定体の滑走を規制することができ、連結部材に対する第二固定体の位置を規制できる。したがって、第一固定体に対する第二固定体の位置を調整できるため、所望の方向に被覆電線を曲げることができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記滑走規制部は、前記第二固定体及び前記連結部材の一方に設けられた、前記連結部材に対して前記第二固定体が滑走する方向と直交する方向に窪ませた凹状の被係止部と、前記第二固定体及び前記連結部材の他方から前記一方に向けて突出し、前記被係止部と係止する係止部とで構成されてもよい。
【0022】
この発明によると、被係止部に対して係止部を係止させるといった簡易な構造で、連結部材に対して第二固定体の滑走を規制できる。すなわち、第一固定体に対して第二固定体をより容易に所望の角度で固定できる。したがって、被覆電線をより簡易に所望の方向に曲がるように、被覆電線を第一固定体及び第二固定体に固定できる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記滑走規制部は、前記連結部材に沿って前記第二固定体を一方向にのみ滑走可能に構成されてもよい。
この発明により、意図せずに他方向に第二固定体が滑走することを抑制できるため、第一固定体に対する第二固定体の角度が意図せずに他方向に変化することを防止できる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記被係止部が、前記連結部材に沿って複数設けられ、前記係止部は、前記連結部材に沿った前記第二固定体の前記一方向への移動でのみ弾性変形してもよい。
この発明により、簡易な構造で、連結部材に沿って第二固定体を一方向にのみ滑走させることができる。
【0025】
詳述すると、連結部材に沿って第二固定体を一方向に滑走するように外力を作用させた場合、被係止部に係止する係止部が弾性変形して、被係止部との係止を解除できる。すなわち、連結部材に沿って第二固定体を一方向に滑走させることができる。
【0026】
一方で、連結部材に沿って第二固定体を他方向に滑走するように外力を作用させた場合には、被係止部に係止する係止部が弾性変形されないため、被係止部との係止を解除できない。すなわち、連結部材に沿って第二固定体を他方向に滑走できない。
【0027】
このように、簡易な構造で、係止部が連結部材に沿った他方向にのみ弾性変形することにより、連結部材に沿って第二固定体を一方向にのみ滑走させることができる。したがって、第一固定体に対する第二固定体の角度を容易に調整できるとともに、意図せずに他方向に第二固定体が滑走することを抑制し、第一固定体に対する第二固定体の角度が意図せずに変化することを防止できる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記係止部と前記被係止部との係止が、解除可能に構成されてもよい。
この発明により、過度に第二固定体を滑走させた場合や、被覆電線を固定した場合などにおいて、連結部材に対する第二固定体の係止を解除し、係止位置を調整できる。これにより、後から第一固定体に対する第二固定体の位置を調整できる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記連結部材を短縮可能に構成されてもよい。
上述の短縮可能とは、前記連結部材の一部を分断あるいは切断する場合や、前記連結部材の一部を折り曲げる、あるいは、収納することにより前記連結部材を短縮する場合を含む。
【0030】
この発明により、第一固定体に対する第二固定体の角度を調整した後に、連結部材を短縮することができる。これにより、経路規制部材のコンパクト化を図ることができる。
【0031】
またこの発明の態様として、前記第一固定体と前記第二固定体は、前記被覆電線を固定する電線固定部を有してもよい。
この発明により、第一固定体及び第二固定体に対して被覆電線をより確実かつ強固に固定することができるため、確実に被覆電線を規制できる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記電線固定部は、前記第一固定体及び前記第二固定体の前記長手方向の端部近傍に設けられてもよい。
前記端部近傍とは、前記被覆電線の配索方向において近接する前記第一固定体と前記第二固定体との端部や、前記被覆電線の配索方向において離間する前記第一固定体と前記第二固定体との端部を含む。すなわち、前記端部近傍とは、前記第二固定体の端部と前記配索方向に近接又は離間する前記第一固定体の端部近傍のいずれか、前記第一固定体の端部と前記配索方向に近接又は離間する前記第二固定体の端部近傍のいずれかの組み合わせ、あるいは、その全部を含む。
【0033】
この発明によると、第一固定体及び第二固定体の端部近傍において、被覆電線を確実に固定することができるため、所望の配索経路に沿うように被覆電線を曲げることができる。したがって、より確実に、被覆電線を所望の方向に曲げることができるとともに、第一固定体及び第二固定体に規制された被覆電線にかかる負荷を軽減できる。
【0034】
またこの発明の態様として、前記第一固定体が、前記連結部材に固定されてもよい。
この発明により、部品点数を削減しながら、様々な方向に被覆電線を曲げることができる。
【0035】
またこの発明の態様として、前記第一固定体及び前記第二固定体の少なくとも一方は、前記被覆電線を載置する電線載置部と、前記電線載置部から立設する側壁部とを有してもよい。
この発明により、車両に搭載されている他の部材と被覆電線との間に側壁部を配置できるため、例えば振動などにより、他の部材と当接して被覆電線が損傷することを抑制できる。
【0036】
またこの発明の態様として、前記第一固定体及び前記第二固定体の少なくとも一方に、被固定部材に設置固定する設置固定部が設けられてもよい。
前記被固定部材とは、例えば、車両のボディパネルや、電気接続箱など車両に搭載されている外装部材を含む。
【0037】
この発明により、第一固定体及び第二固定体に固定された被覆電線を、被固定部材における所望の位置に固定できる。したがって、所望の方向に曲げた被覆電線をより確実に被固定部材に配索することができる。
【発明の効果】
【0038】
この発明によれば、被覆電線を所望の方向に曲げることができるとともに、湾曲させた被覆電線にかかる負荷を軽減できる経路規制部材及び規制部材付電線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【発明を実施するための形態】
【0040】
この発明の一実施形態を、以下
図1乃至
図11とともに説明する。
図1は規制部材付ハーネス1の概略斜視図を示し、
図2は規制部材10の概略斜視図を示し、
図3乃至
図5は第一固定体20及び連結部材30の説明図を示し、
図6及び
図7は第二固定体40の説明図を示す。
図8は規制部材10の平面図を示し、
図9は規制部材10の説明図を示す。
図10及び
図11は、第一固定体20に対して第二固定体40を所定の角度に配置した状態の規制部材付ハーネス1の平面図を示す。
【0041】
図2乃至
図7、
図9及び
図11について詳述する。
図2(a)は上方から視た規制部材10の概略斜視図を示し、
図2(b)は下方から視た規制部材10の概略斜視図を示す。
図3(a)は第一固定体20及び連結部材30の概略平面図を示し、
図3(b)は上流側USから第一固定体20の長手方向に沿って視た第一固定体20及び連結部材30の概略正面図を示し、
図4は第一固定体20及び連結部材30の概略底面図を示す。
図5(a)は
図4におけるA-A矢視断面図を示し、
図5(b)は
図5(a)におけるa部の拡大概略断面図を示す。
【0042】
図6(a)は上流側USから第二固定体40の長手方向に沿って視た第二固定体40の概略正面図を示し、
図6(b)は第二固定体40の概略底面図を示し、
図7(a)は
図6(b)におけるB-B矢視断面図を示し、
図7(b)は
図6(b)におけるC-C矢視断面図を示し、
図7(c)は
図7(b)におけるb部の拡大概略断面図を示す。
【0043】
図9(a)は
図8におけるD-D矢視断面図を示し、
図9(b)は
図8におけるE-E矢視断面図を示し、
図9(c)は
図9(b)におけるc部の拡大概略断面図を示す。
図11(a)は上方から視て第一固定体20に対する第二固定体40の角度を90度とした場合の規制部材付ハーネス1の概略平面図を示し、
図11(b)は上方から視て第一固定体20に対する第二固定体40の角度を180度とした場合の規制部材付ハーネス1の概略平面図を示す。
【0044】
ここで、第一載置部21に対してハーネス100を載置する方向を上方とし、ハーネス100に対する第一載置部21の方向を下方とする。また、ハーネス100が配索される方向を配索方向とし、第一固定体20及び第二固定体40にハーネス100が固定された状態において、第二固定体40に対する第一固定体20の側を配索方向の上流側USとし、第一固定体20に対する第二固定体40の側を配索方向の下流側DSとする(
図1参照)。
【0045】
規制部材付ハーネス1は、
図1に示すように、車両に配索されるハーネス100と、ハーネス100の配索経路を規制する規制部材10とで構成され、例えば、車両における車体パネルPの所定箇所に固定されている。
【0046】
ハーネス100は、導体を絶縁被膜で囲繞した被覆電線を束ねたものであり、車両に搭載された電気機器類同士を電気的に接続している。このように構成されたハーネス100は、車体パネルPにおいて決められた配索経路に沿って配索されている。なお、ハーネス100は、通信ケーブルやアース線、電源線などを含んでいてもよいし、通信ケーブルや電源線のみで構成されていてもよい。
【0047】
規制部材10は、
図2に示すように、ハーネス100の上流側USを固定する長尺状の第一固定体20と、第一固定体20が固定された円弧状の連結部材30と、ハーネス100の下流側DSを固定する第二固定体40とで構成されている。
【0048】
第一固定体20は、
図2、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、断面略L字状に構成された板状部材であり、ハーネス100を載置する第一載置部21と、第一載置部21における幅方向の一端から上方に向けて立設する第一側壁部22とを有する。
【0049】
第一載置部21は、上面にハーネス100を載置できる、平面視略長方形状の平板であり、底面には、
図3(b)に示すように、車体パネルPに設置固定するための設置固定部50が設けられている。
【0050】
設置固定部50は、車体パネルPに設けられた取付孔P1に装着可能な、いわゆるアンカーであり、第一載置部21の底面から下方に向けて延出する円柱状の連結軸部51と、連結軸部51から下方に延出する挿入軸部52と、挿入軸部52の先端に設けられた一対の係止アーム53と、傘形状に形成された弾性フランジ54とを備えている。
【0051】
挿入軸部52は、連結軸部51の底面から下方に延出する中空状の略円柱体であり、第一載置部21の幅方向に沿って貫通させた側方貫通孔521が設けられている(
図7(a)参照)。
係止アーム53は、
図3(b)に示すように、一端が挿入軸部52の下端と連結されているとともに、他端側に向かうに伴い外側に膨出している。この係止アーム53の上端は、側方貫通孔521の上端と略同じ位置となっている。また係止アーム53の膨出した先端部分には、挿入軸部52に向けて窪んだ係止部55が形成されている。
【0052】
弾性フランジ54は、下方に向けて拡がる傘形状で構成されており、連結軸部51と挿入軸部52との境界部分に設けられている。上下方向に対して弾性変形可能に構成されている。
【0053】
このように構成された設置固定部50は、車体パネルPに設けた取付孔P1に挿入軸部52を挿通させることで、係止アーム53が側方貫通孔521に向けて弾性変形する。そして、係止アーム53が車体パネルPを挿通することで、係止部55が車体パネルPの下方において取付孔P1の縁に係止される(
図3(b)参照)。なお、車体パネルPの上方側において車体パネルPが弾性フランジ54に当接されることで、設置固定部50を車体パネルPに固定できる。
【0054】
第一側壁部22は、第一載置部21の長手方向に沿って第一載置部21と同じ長さを有する平板形状をしており、長手方向の上流側USの端部近傍と、長手方向の中央部分に下方に向けて窪ませた第一テープ固定部221が設けられている。
【0055】
連結部材30は、
図3(a)、
図3(b)及び
図4に示すように、第一固定体20(第一載置部21)に対してハーネス100が載置される側である上方から視て、所定の幅及び厚みを有する略半円状の円弧形状で構成されている。この連結部材30における幅方向の両端には一対の連結凹部31が設けられ、連結部材30の底面部分には上方に向けて窪ませた係止溝部32が設けられている。
【0056】
ここで、連結部材30に沿った方向を周方向Rとする。そして、周方向Rに沿って、連結部材30の第一固定体20が固定されている側を一方側Raとし、第一固定体20が固定されている側と反対側を他方側Rbとする。
【0057】
連結凹部31は、
図3(b)に示すように、所定の厚みを有する連結部材30の径内側及び径外側の端面を窪ませた窪みである。より詳しくは、所定の厚みを有する連結部材30の両端面における板厚方向の中央部分を、幅方向の内側に窪ませて形成された窪みであり、連結部材30の一方側Raの端部から他方側Rbの他端近傍にわたって形成されている。
【0058】
係止溝部32は、
図4、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、連結部材30の底面における幅方向の中央部分を上方に向けて窪ませて形成された凹状の溝であり、連結部材30の一方側Raの端部から他方側Rbの他端近傍にわたって形成されている。この係止溝部32の深さは連結部材30の板厚のおよそ半分程度であり、係止溝部32の溝底には、被係止部33が周方向Rに沿って所定の間隔で設けられている。
【0059】
被係止部33は、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、他方側Rbから一方側Raに向かうに伴い係止溝部32の溝底から下方に向けて傾斜する傾斜面331と、傾斜面331における一方側Raの端部から係止溝部32の溝底に向けて延出する係止壁332とを有している。すなわち、被係止部33における周方向Rに沿って切断した断面形状は、一方側Raに向かうに伴い下方に向けて傾斜する傾斜面331を有する略直角三角形状に形成されている。
【0060】
換言すると、被係止部33は、連結部材30の底面を上方に窪ませて形成された凹状が周方向Rに沿って所定の間隔を隔てて複数設けられている。なお、係止壁332の高さは、係止溝部32の深さよりも低くなるように構成されている。
【0061】
このように構成された連結部材30は、傾斜面331における中央部分において、径方向に沿って切断できるように、上方側を径方向に沿って窪ませた切断溝部34が設けられている。すなわち、連結部材30には、周方向Rに所定の間隔を隔てて複数の切断溝部34が設けられている(
図3(a)参照)。
【0062】
第二固定体40は、第一固定体20の長手方向の下流側DSに配置されている。この第二固定体40は、
図6及び
図7に示すように、断面略L字状に構成された板状部材であり、ハーネス100を載置する第二載置部41と、第二載置部41における幅方向の一端から上方に向けて立設する第二側壁部42とを有する。
【0063】
第二載置部41は、上面にハーネス100を載置できる、平面視略長方形状の平板であり、底面には、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、連結部材30と第二固定体40を連結するとともに、連結凹部31に沿ってスライド可能に構成された滑走係止部60と、車体パネルPに設置固定するための設置固定部50が設けられている。
【0064】
第二側壁部42は、第二載置部41の長手方向に沿って第二載置部41と同じ長さを有する平板形状であり、長手方向の両端近傍に下方に向けて窪ませた第二テープ固定部421が設けられている。
【0065】
滑走係止部60は、
図6(a)、
図6(b)及び
図7(a)に示すように、第二載置部41の底面から下方に向けて対となって延設する第一壁部61と第二壁部62と、互いに対面する第一壁部61と第二壁部62の下端を連結する底面部63とで構成されている。
【0066】
第一壁部61は、
図6(b)及び
図7(a)に示すように、第二載置部41における第二側壁部42が立設している側の端部から反対側の端部まで延出する、連結部材30の曲率と同じ曲率で湾曲する円弧状の壁である。この第一壁部61の第二壁部62と対向する面には、第二壁部62に向けて突出する第一凸部611が上下方向の略中央部分に設けられている。
【0067】
第一凸部611は、
図7(a)に示すように、連結凹部31の溝幅と略等しい高さを有するとともに、連結凹部31の深さと略等しい突出量を有する突片であり、第一壁部61の幅に沿って一端から他端まで設けられている。すなわち、第一凸部611は、連結凹部31に対して遊嵌できるように構成されている。
【0068】
一方で、第二壁部62は、
図6(b)及び
図7(a)に示すように、第二載置部41における第二側壁部42が立設している側の端部から第二載置部41における幅の中央部分まで延出する、連結部材30の曲率と同じ曲率で湾曲する円弧状の壁である。この第二壁部62の第一壁部61と対向する面には、第一壁部61に向けて突出する第二凸部621が上下方向の略中央部分に設けられている。
【0069】
第二凸部621は、
図7(a)に示すように、第一凸部611と同様に、連結凹部31の溝幅と略等しい高さを有するとともに、連結凹部31の深さと略等しい突出量を有する突片であり、第二壁部62の幅に沿って一端から他端まで設けられている。すなわち、第二凸部621は、平面視において、第二壁部62の壁面に沿って円弧状に構成されており、連結凹部31に対して遊嵌できるように構成されている。
【0070】
第一壁部61と第二壁部62の下端を連結する底面部63は、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、第二載置部41と対向する板状体である。そして、底面部63における幅方向の中央部分には、底面部63における上方に向けて突出する弾性片631が設けられている。
【0071】
弾性片631は、
図7(b)及び
図7(c)に示すように、底面部63における中央部分から、上方に向かうに伴い、第二側壁部42が配置された側と反対側に向けて延出する係止片であり、下方に向けて弾性変形可能に構成されている。すなわち、弾性片631は、第二側壁部42が配置された側と反対側、かつ、上方に向けて傾斜するように延出されており、弾性片631に対して下向きの外力が作用することにより、下方に向けて弾性変形可能に構成されている。
【0072】
このように構成された滑走係止部60は、
図7(a)乃至
図7(c)に示すように、平面視において連結部材30と同じ曲率を有する円弧状の連通口Sが形成され、第二載置部41が連結凹部31の上方に配置されるように、連結部材30を連通口Sに連通させることができる。すなわち、第一固定体20と第二固定体40とは、連結部材30を介して連結することができる。また、連結部材30を連通口Sに連通させた状態において、第一凸部611及び第二凸部621は、連結部材30の径外側及び径内側に配置されたそれぞれの連結凹部31に対応する位置に配置される。
【0073】
詳述すると、連結部材30を連通口Sに連通させることで、第一凸部611及び第二凸部621が連結凹部31に遊嵌することができるため(
図9(a)参照)、第二固定体40を連結部材30に沿って滑走させることができる。すなわち、滑走係止部60は、連結部材30に沿って第二固定体40を滑走可能に、連結部材30を第二固定体40に装着することができる。
【0074】
ここで、被係止部33は、一方側Raに向かうに伴い下方に向けて傾斜する傾斜面331を有するとともに、傾斜面331における一方側Raの端部から係止溝部32の溝底に向けて延出する係止壁332を有する、周方向Rの断面形状が略直角三角形状に形成されている。
【0075】
このため、連結部材30に装着させた第二固定体40を一方側Raに向けて滑走させた場合、弾性片631が傾斜面331と当接することで弾性変形する。そして、弾性片631の先端が傾斜面331を越えることで、弾性片631と係止壁332とが係止される(
図9(b)及び
図9(c)参照)。
【0076】
このように、第一固定体20に対して第二固定体40が所定の角度となるように、第二固定体40を連結部材30に沿って一方側Raに滑走させることができるとともに、所定の角度となる位置において第二固定体40を連結部材30に係止させることができる。すなわち、弾性片631と被係止部33とは、第一固定体20に対する第二固定体40の角度を調整するとともに、連結部材30に対する第二固定体40の滑走及び第一固定体20に対する第二固定体40の位置(角度)を規制することができる。
【0077】
一方で、第二固定体40を連結部材30に沿って他方側Rbに向けて滑走させようとした場合、弾性片631が係止壁332に引っかかることとなる。このため、弾性片631は弾性変形できず、係止壁332に係止されたままとなる。すなわち、弾性片631と被係止部33とは、連結部材30に沿って第二固定体40が他方側Rbに向けて滑走することを規制できる。したがって、第二固定体40が意図せずに他方側Rbに滑走することを規制でき、第一固定体20に対して所定の角度となるように第二固定体40を規制できる。
【0078】
上述のように、弾性片631は、連結部材30に沿って第二固定体40を一方側Raに移動させた場合にのみ、傾斜面331と干渉して弾性変形するように構成されているため、第二固定体40は連結部材30に沿って一方側Raにのみ移動できる。
【0079】
なお、弾性片631は下方に向けて弾性変形できるように構成されているため、例えば連通口Sにマイナスドライバーなどを挿入して弾性片631を変形させることで、弾性片631と係止壁332との係止状態を解除することができる。これにより、第二固定体40を一方側Raに過度に滑走させた場合などには、弾性片631と係止壁332との係止を解除して、第二固定体40を他方側Rbに移動させることができる。
【0080】
そして、第一固定体20に対して第二固定体40を所定の角度となるように規制した第一載置部21及び第二載置部41にハーネス100を載置するとともに、第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421とハーネス100の外周面とをテープCで巻き回すことで、ハーネス100を所望の方向に曲げた状態でハーネス100を規制部材10に固定した規制部材付ハーネス1を製造することができる(
図10参照)。
【0081】
このようにハーネス100を所望の方向に曲げて固定する規制部材10は、第一固定体20におけるハーネス100の下流側DSの端部と、第二固定体40におけるハーネス100の上流側USの端部とが所定の間隔を隔てるように形成されている。
【0082】
詳述すると、第一固定体20及び第二固定体40は、連結部材30を介して連結されている。この連結部材30は、平面視において、略長方形状の平板である第一載置部21の長手方向の先端側に延出した第一仮想線Xaと、略長方形状の平板である第二載置部41の長手方向の基端側に延出した第二仮想線Xbとの交点を中心とした円弧状に構成されている(
図8参照)。
【0083】
このため、連結部材30に沿って第二固定体40を滑走させた場合において、第一固定体20の下流側DSの端面と第二固定体40の上流側USの端面との間には、所定の間隔が隔てられることとなる。すなわち、所定の配索方向に対応するように曲げたハーネス100における湾曲部分は、第一固定体20及び第二固定体40に固定されていない。これにより、ハーネス100の湾曲部分の規制を緩和でき、ハーネス100の曲げを緩やかに形成することができる。
【0084】
また、規制部材10は、連結部材30に沿って第二固定体40を一方側Raに滑走させることができるため、例えば、
図11(a)に示すように、第一固定体20の長手方向と第二固定体40の長手方向が90度となるように、第二固定体40を係止固定することができる。また、一方側Raに向けて第二固定体40をさらに滑走させることで、
図11(b)に示すように、第一固定体20の長手方向と第二固定体40の長手方向とが平行となる位置で、第二固定体40を係止固定することもできる。
【0085】
上述のように、ハーネス100の湾曲部分が規制されることがないため、
図11(b)に示すように、ハーネス100をUターンさせるように曲げた場合においても、ハーネス100の湾曲部分の規制が緩和されることとなる。すなわち、規制部材10は、単に、一方側Raに向けて第二固定体40をさらに滑走させて、第一固定体20の長手方向と第二固定体40の長手方向とが平行となる位置で係止固定できるだけでなく、互いに平行となった第一固定体20と第二固定体40とに固定されたハーネス100の湾曲部分の規制を緩和し、負担を軽減できる。これにより、ハーネス100をUターンさせるように曲げた場合であっても、負担を軽減した状態で配索することができる。
【0086】
このように、第一固定体20に対して所望の角度となるように係止固定された第二固定体40と第一固定体20とにハーネス100を載置し、テープCを巻き回してハーネス100をテープ固定することで、ハーネス100を第一固定体20と第二固定体40に沿って直線状に固定できる。
【0087】
また、上述と同様に、ハーネス100の湾曲部分は固定されずに曲げることができるため、ハーネス100の湾曲部分にかかる負荷を軽減できる。したがって、所望の配索経路に応じて、負荷を軽減しながらハーネス100を曲げることができる。なお、第一固定体20に対して第二固定体40を所定の角度となるように規制した状態において、第二固定体40よりも他方側Rbの連結部材30は、切断溝部34で切断し、連結部材30を短くすることができ、規制部材10のコンパクト化を図ることができる(
図11参照)。
【0088】
そして、ハーネス100をテープ固定した第一固定体20及び第二固定体40に設けられた設置固定部50を取付孔P1に挿入することで、ハーネス100を規制部材10に固定した規制部材付ハーネス1を車体パネルPに固定することができ、ハーネス100を所望の配索経路で配索することができる。
【0089】
このように規制部材10は、ハーネス100を固定する第一固定体20と、ハーネス100の長手方向の一方側である配索方向の下流側DSに配置され、第一固定体20から延伸するハーネス100を固定する第二固定体40と、第一固定体20と第二固定体40とを連結する連結部材30とが備えられ、第一固定体20に対する第二固定体40の角度を調整可能に規制する被係止部33及び弾性片631を有する。そして、ハーネス100の配索方向において近接する第一固定体20と第二固定体40との端部同士が所定の間隔を隔てている。
なお、規制部材付ハーネス1は、長尺状のハーネス100と、規制部材10とで構成され、ハーネス100は、所定の角度に調整された第一固定体20及び第二固定体40に固定されている。
【0090】
これにより、被係止部33及び弾性片631で第一固定体20に対して第二固定体40が所望の角度となるように、第一固定体20及び第二固定体40を連結部材30に配置することができる。したがって、第一固定体20及び第二固定体40に固定されたハーネス100を所望の方向に曲げることができる。
【0091】
また、ハーネス100の配索方向において近接する第一固定体20及び第二固定体40の端部同士が、より具体的には、第一固定体20における下流側DSの端部と第二固定体40における上流側USの端部とが、所定の間隔を隔てている。これにより、ハーネス100の配索方向において近接する第一固定体20及び第二固定体40の端部同士の間でハーネス100の規制が緩和され、ハーネス100の曲げを緩やかに形成することができる。
【0092】
このように、ハーネス100の配索方向において近接する端部同士が離間した状態で第一固定体20及び第二固定体40を所望の角度に規制できるため、様々な配索経路に沿ってハーネス100を曲げることができながら、ハーネス100の曲げを緩やかに形成することができる。したがって、ハーネス100を所望の方向に曲げることができるとともに、第一固定体20及び第二固定体40に規制されたハーネス100にかかる負荷を軽減できる。
【0093】
また、連結部材30は、円弧状に構成され、第一固定体20及び第二固定体40の少なくとも一方に、連結部材30に沿って滑走させる滑走係止部60が設けられている。これにより、第一固定体20及び第二固定体40の少なくとも一方を連結部材30に滑走させるだけで、第一固定体20に対する第二固定体40の位置を容易に変えることができる。したがって、ハーネス100の曲げ方向を容易に調整できる。
【0094】
さらにまた、第一固定体20及び第二固定体40は、長尺状に構成され、連結部材30は、第一固定体20の長手方向に沿って延出する第一仮想線Xaと、第二固定体40の長手方向に沿って延出する第二仮想線Xbとが交わる交点を中心とする円弧状で構成されている。これにより、連結部材30のコンパクト化を図りながら、第一固定体20に対して第二固定体40を様々な位置に配置できる。したがって、コンパクトかつ簡易な構造で、様々な方向にハーネス100を曲げることができる。
【0095】
さらにまた、第一固定体20が、連結部材30に固定されていることにより、第二固定体40を連結部材30に沿って滑走させるだけで、第一固定体20に対して第二固定体40を所定の角度に調整できる。したがって、部品点数を削減しながら、様々な方向にハーネス100を曲げることができる。
【0096】
また、被係止部33及び弾性片631は、連結部材30に対する第二固定体40の滑走を規制することにより、連結部材30に対して第二固定体40を滑走できるとともに、連結部材30に対する第二固定体40の位置を規制できる。したがって、第一固定体20に対する第二固定体40の位置を調整できるため、所望の方向にハーネス100を曲げることができる。
【0097】
さらにまた、被係止部33は、連結部材30に設けられた、連結部材30に対して第二固定体40が滑走する方向と直交する方向である上方に窪ませた凹状で構成され、弾性片631は、第二固定体40から連結部材30に向けて突出し、被係止部33と係止するように構成されている。
【0098】
これにより、被係止部33に対して弾性片631を係止させるといった簡易な構造で、連結部材30に対して第二固定体40の滑走を規制できる。すなわち、連結部材30に沿って第二固定体40を滑走させることができるとともに、第一固定体20に対して第二固定体40をより容易に所望の角度で固定できる。したがって、ハーネス100をより簡易に所望の方向に曲がるように、ハーネス100を第一固定体20及び第二固定体40に固定できる。
【0099】
また、被係止部33及び弾性片631は、連結部材30に沿って第二固定体40を一方向(一方側Ra)にのみ滑走できる。これにより、意図せずに他方向(他方側Rb)に第二固定体40が滑走することを抑制できるため、第一固定体20に対する第二固定体40の角度が意図せずに他方向(他方側Rb)に変化することを防止できる。
【0100】
さらにまた、被係止部33が、連結部材30に沿って複数設けられ、弾性片631は、連結部材30に沿った第二固定体40の一方向(一方側Ra)への移動でのみ弾性変形する。これにより、簡易な構造で、連結部材30に沿って第二固定体40を一方向にのみ滑走させることができる。
【0101】
詳述すると、連結部材30に沿って第二固定体40を一方向(一方側Ra)に滑走するように外力を作用させた場合、被係止部33に係止する弾性片631が弾性変形して、被係止部33との係止を解除できる。すなわち、連結部材30に沿って第二固定体40を一方向(一方側Ra)に滑走させることができる。
【0102】
一方で、連結部材30に沿って第二固定体40を他方向(他方側Rb)に滑走するように外力を作用させた場合には、被係止部33に係止する弾性片631が弾性変形されないため、被係止部33との係止を解除できない。すなわち、連結部材30に沿って第二固定体40を他方向(他方側Rb)に滑走できない。
【0103】
このように、簡易な構造で、弾性片631は、第二固定体40の連結部材30に沿った一方側Raへの移動でのみ弾性変形することにより、連結部材30に沿って第二固定体40を一方向(一方側Ra)にのみ滑走させることができる。したがって、第一固定体20に対する第二固定体40の角度を容易に調整できるとともに、意図せずに他方向(他方側Rb)に第二固定体40が滑走することを抑制し、第一固定体20に対する第二固定体40の角度が意図せずに変化することを防止できる。
【0104】
また、弾性片631と被係止部33との係止が、解除可能に構成されていることにより、過度に第二固定体40を滑走させた場合や、ハーネス100を第一固定体20や第二固定体40に固定した場合などにおいて、連結部材30に対する第二固定体40の係止を解除し、係止位置を調整できる。これにより、後から第一固定体20に対する第二固定体40の位置を調整できる。
【0105】
また、連結部材30の一部を切断により短縮可能に構成されていることにより、第一固定体20に対する第二固定体40の角度を調整した後に、連結部材30を短縮することができる。これにより、規制部材10のコンパクト化を図ることができる(
図11参照)。
【0106】
また、第一固定体20と第二固定体40は、ハーネス100を固定する第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421を有していることにより、第一固定体20及び第二固定体40に対してハーネス100をより確実かつ強固に固定することができるため、確実にハーネス100を規制できる。
【0107】
この第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421は、第一固定体20及び第二固定体40の長手方向の端部近傍に設けられてもいる。これにより、第一固定体20及び第二固定体40の端部近傍において、ハーネス100を確実に固定することができるため、所望の配索経路に沿うようにハーネス100を曲げることができる。したがって、より確実に、ハーネス100を所望の方向に曲げることができるとともに、第一固定体20及び第二固定体40に規制されたハーネス100にかかる負荷を軽減できる。
【0108】
より具体的には、第一テープ固定部221は第一固定体20の長手方向における上流側USの端部と中央部分に配置され、第二テープ固定部421は第二固定体40の長手方向における上流側US及び下流側DSの端部近傍に配置されている。これにより、ハーネス100の湾曲部分の規制を緩和しつつ、ハーネス100の下流側DSが第二固定体40の長手方向に沿うように、直線状に規制できるとともに、第一固定体20よりも上流側USにおいて、ハーネス100を規制することができる。
【0109】
また、第一固定体20及び第二固定体40は、ハーネス100を載置する第一載置部21及び第二載置部41と、第一載置部21及び第二載置部41から立設する第一側壁部22及び第二側壁部42とを有していることにより、車両に搭載されている他の部材とハーネス100との間に第一側壁部22及び第二側壁部42を配置できる。したがって、例えば振動などにより、他の部材と当接してハーネス100が損傷することを抑制できる。
【0110】
また、第一固定体20及び第二固定体40の少なくとも一方に、車体パネルPに設置固定する設置固定部50が設けられている。これにより、第一固定体20及び第二固定体40に固定されたハーネス100を、車体パネルPにおける所望の位置に固定できる。したがって、所望の方向に曲げたハーネス100をより確実に車体パネルPに配索することができる。
【0111】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の被覆電線は、実施形態のハーネス100に対応し、
以下同様に、
第一固定体は、第一固定体20に対応し、
第二固定体は、第二固定体40に対応し、
連結部材は、連結部材30に対応し、
角度規制部は、被係止部33及び弾性片631に対応し、
経路規制部材は、規制部材10に対応し、
滑走部は、滑走係止部60に対応し、
延伸方向は、第一仮想線Xa及び第二仮想線Xbに対応し、
滑走規制部は、弾性片631及び被係止部33に対応し、
被係止部は、被係止部33に対応し、
係止部は、弾性片631に対応し、
電線固定部は、第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421に対応し、
電線載置部は、第一載置部21及び第二載置部41に対応し、
側壁部は、第一側壁部22及び第二側壁部42に対応し、
被固定部材は、車体パネルPに対応し、
設置固定部は、設置固定部50に対応し、
規制部材付電線は、規制部材付ハーネス1に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0112】
例えば、本実施形態において、第一固定体20と連結部材30とは一体成型されることにより、固定されているが、例えば第一固定体20を第二固定体40と同じ構成とし、第一固定体20及び第二固定体40の双方を連結部材30に沿って滑走させてもよい。もちろん、第二固定体40を連結部材30と固定し、第一固定体20を連結部材30に沿って滑走させてもよい。
【0113】
また、本実施形態において、連結部材30と第二固定体40とは、被係止部33と弾性片631とが係止することで、位置規制しているが、この構成に限定されず、第二固定体40における滑走係止部60に下方に向けて窪ませた被係止部33を設け、連結部材30の底面から第二固定体40に向けて突出する弾性片631を周方向Rに沿って複数設けてもよい。
【0114】
また、本実施形態において、連結部材30は上方から視て略半円状の円弧形状としているが、半円である必要はなく、例えば、円周形状が正円形状や楕円形状、オーバル形状などの扇型状としてもよいし、これらを周方向Rに閉じた略円環状としてもよい。
【0115】
さらにまた、本実施形態において、設置固定部50は車体パネルPに設けた取付孔P1に挿入して固定しているが、設置固定部50の固定箇所は車体パネルPに限定されず、例えば、電気接続箱など車両に搭載されている外装部材などとしてもよい。
【0116】
また、本実施形態において、設置固定部50はアンカーとしているが、これに限定されず、車体パネルPなどに設けられたボルトなどの他の部材に対して固定できる構造としてもよい。
また、本実施形態では、連結部材30に複数の切断溝部34を設けることにより、第二固定体40の位置に合わせて連結部材30を短縮できる構成としているが、切断溝部34の代わりに、引き離すなどで分断して短縮できる構成としてもよいし、連結部材30の一部を折り曲げる、あるいは、収納させることで短縮できる構成としてもよい。
【0117】
また、第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421が設けられた箇所は、本実施形態の位置に限定されず、適宜変更できる。例えば、第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421を上流側USの端部近傍及び下流側DSの端部近傍の少なくとも一方のみとしてもよいし、上流側USの端部近傍及び下流側DSの端部近傍に設けてもよい。また、第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421を上流側USの端部近傍及び下流側DSの端部近傍のどちらかに設けるとともに、もう一つを長手方向の中央部分に設けてもよい。このように、第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421は上述の組み合わせを含め、様々なパターンで設けることができる。
【0118】
仮に、第一固定体20の上流側USの端部近傍のみに第一テープ固定部221が配置され、第二固定体40の下流側DSの端部近傍のみに第二テープ固定部421が配置されている場合には、ハーネス100の湾曲部分がテープCなどでより規制されないため、ハーネス100の湾曲部分の負担をより軽減できる。
【0119】
一方で、第一固定体20の下流側DSの端部近傍に第一テープ固定部221が配置され、第二固定体40の上流側USの端部近傍に第二テープ固定部421が配置されている場合には、ハーネス100を所望の配索経路に応じて湾曲させることができる。
なお、第一テープ固定部221及び第二テープ固定部421は、下方に向けて窪ませた形状としているが、例えば、板厚方向に貫通させた貫通孔であってもよい。
【0120】
また、本実施形態において、連結部材30の幅方向の両端に設けられた一対の連結凹部31に、第一凸部611及び第二凸部621が遊嵌することで、第二固定体40を連結部材30に沿って滑走させることができるが、連結凹部31は、連結部材30の幅方向の一方にのみに設けるとともに、対応する第一凸部611又は第二凸部621が遊嵌することで、第二固定体40を連結部材30に沿って滑走できる構成であってもよい。なお、連結凹部31を連結部材30の幅方向の両端の少なくとも一方に設ける代わりに、連結凹部31を連結部材30の上面側又は下面側を板厚方向に窪ませて形成し、対応する凸部を滑走係止部60に設けてもよい。
【0121】
さらにまた、滑走係止部60が形成する連通口Sに連結部材30を挿通させることで、連結部材30に対して第二固定体40を滑走させているが、必ずしもこの構成である必要はない。
例えば、連結部材30に設けられている係止溝部32の代わりに、連結部材30の板厚方向に沿って貫通する貫通孔を、連結部材30の曲率と同じ円弧形状に設ける。また、第二固定体40に設けられている滑走係止部60を、第二載置部41の底面から突出する軸部と、軸部の下端部分から延出する延出部とで断面逆T字状に構成する。そして、軸部を貫通孔に挿通することで、軸部を貫通孔に沿って滑走可能に構成してもよい。なお、延出部を設けることにより、軸部が貫通孔から抜け落ちることを規制できる。
【0122】
この場合において、連結部材30の底面には、貫通孔に沿って被係止部33が設けられるとともに、滑走係止部60に設けた延出部に弾性片631を設けることで、本実施形態と同様に、第二固定体40を連結部材30に対して係止固定できる。
なお、連結部材30は所定の幅を有する略半円状の円弧形状としているが、上述の構成において、連結部材30を円形状の平板や矩形状の平板などとすることもできる。
【0123】
また、本実施形態において、第一固定体20が固定された連結部材30は円弧状とし、第二固定体40は連結部材30に沿って滑走可能としているが、必ずしも連結部材30は第二固定体40に対して滑走する必要はない。例えば、
図12及び
図13に示すように、第一固定体20に対応する第一固定体20a及び第二固定体40に対応する第二固定体40aを、連結部材30に対応する連結部材30aに組み付ける規制部材10aとしてもよい。
以下、規制部材10aについて、
図12及び
図13に基づき簡単に説明する。なお、規制部材10aにおいて、規制部材10と同じ構成については、同じ付番を付し、その説明を省略する。
【0124】
図12は規制部材10aの概略斜視図を示し、
図13は規制部材10aの概略平面図を示す。詳しくは、
図12(a)は規制部材10aの概略斜視図を示し、
図12(b)は規制部材10aの概略分解斜視図を示す。
図13(a)及び
図13(b)は第一固定体20aと第二固定体40aが異なる角度となるように組み付けた規制部材10aの平面図を示す。なお、
図12(a)及び
図13において規制部材10aの構造を明確にするため、ハーネス100は破線で示し、透過させた状態を図示する。
【0125】
規制部材付ハーネス1aは、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、第一固定体20aと、第一固定体20が固定された連結部材30aと、第二固定体40aとで構成されている。
詳述すると、連結部材30に対応する連結部材30aは、平面視長方形状の平板で構成されている。この連結部材30aの上流側US及び下流側DSの端部近傍には、上方に向けて突出する正六角形状の係止突部37がそれぞれ設けられている。
【0126】
第一固定体20aは、平面視略長方形状の平板である第一載置部21aと第一側壁部22とで構成されている。第一載置部21aにおける長手方向の両端部分には、係止突部37に対して嵌合可能な正十二角形状の第一嵌合孔23が設けられている。なお、第一載置部21aの底面には、設置固定部50が設けられている。
【0127】
第二固定体40aは、第一固定体20aと略同じ構成をしている。すなわち、第二固定体40aは、平面視略長方形状の平板である第二載置部41aと第二側壁部42とで構成されている。第二載置部41aにおける長手方向の両端部分には、係止突部37に対して嵌合可能な正十二角形状の第二嵌合孔43が設けられている。なお、第二載置部41aの底面には、設置固定部50が設けられている。
【0128】
このように構成された第一固定体20a及び第二固定体40aは、第一嵌合孔23及び第二嵌合孔43に係止突部37を組み付けることで、
図12(a)、
図13(a)及び
図13(b)に示すように、連結部材30の長手方向に対して、それぞれを所定の角度で組み付けることができる。
【0129】
詳述すると、所定の方向に沿って配置した第一固定体20aの長手方向に対して、連結部材30aの長手方向を30度だけ傾けて配置し、係止突部37と第一嵌合孔23とを嵌合させる。また、連結部材30aの長手方向に対して第二固定体40aの長手方向を30度だけ傾けて配置し、係止突部37と第一嵌合孔23とを嵌合させる。これにより、第一固定体20aにおける下流側DSの端部と第二固定体40aにおける上流側USの端部とが所定の間隔を隔てた状態で、第一固定体20aの長手方向に対して第二固定体40aの長手方向を60度だけ傾けることができる。
【0130】
このように、60度だけ傾けた第一固定体20aと第二固定体40aにハーネス100をテープ固定することで、規制部材付ハーネス1と同様に、ハーネス100の湾曲部分の負荷を軽減しながら、ハーネス100を所定の方向に曲げることができる。
【0131】
また、第一固定体20aの長手方向に対して連結部材30aの長手方向を60度だけ傾け、係止突部37と第一嵌合孔23とを嵌合するとともに、連結部材30aの長手方向に対して第二固定体40aの長手方向を60度だけ傾けることで、第一固定体20aの長手方向に対して第二固定体40aの長手方向を120度だけ傾けることができる。
【0132】
このように、第一固定体20aと連結部材30a,第二固定体40aと連結部材30aとの角度を適宜変更しながら、第一嵌合孔23と係止突部37、第二嵌合孔43と係止突部37とを嵌合することで、第一固定体20aにおける下流側DSの端部と第二固定体40aにおける上流側USの端部との間に所定の間隔を隔てた状態で第一固定体20aに対して第二固定体40aを所望の角度とすることができる。
【0133】
このため、第一固定体20a及び第二固定体40aに固定されたハーネス100は、規制部材10に固定されたハーネス100と同様に、所望の方向に湾曲させることができるとともに、ハーネス100の曲げを緩やかに形成することができる。
【0134】
このように規制部材10aは、ハーネス100を固定する第一固定体20aと、ハーネス100配索方向の下流側DSに配置され、第一固定体20aから延伸するハーネス100を固定する第二固定体40aと、第一固定体20aと第二固定体40aとを連結する連結部材30aとが備えられ、第一固定体20aに対する第二固定体40aの角度を調整可能に規制する係止突部37、第一嵌合孔23及び第二嵌合孔43を有する。そして、ハーネス100の配索方向において近接する第一固定体20aと第二固定体40aとの端部同士が所定の間隔を隔てている。
【0135】
このように、ハーネス100の配索方向において近接する端部同士が離間した状態で第一固定体20a及び第二固定体40aを所望の角度に規制できるため、様々な配索経路に沿ってハーネス100を曲げることができながら、ハーネス100の曲げを緩やかに形成することができる。したがって、ハーネス100を所望の方向に曲げることができるとともに、第一固定体20a及び第二固定体40aに規制されたハーネス100にかかる負荷を軽減できる。
【0136】
なお、本実施形態において、第一嵌合孔23及び第二嵌合孔43を正十二角形の孔とし、係止突部37を第一嵌合孔23及び第二嵌合孔43に嵌合可能な正六角形に突出させているが、この組み合わせに限らない。すなわち、係止突部37を所定の正多角形状とし、第一嵌合孔23及び第二嵌合孔43を係止突部37の整数倍の多角形状としてもよいし、係止突部37を歯車状とし、第一嵌合孔23及び第二嵌合孔43を係止突部37と同形状の歯車状の孔としてもよい。
【符号の説明】
【0137】
1…規制部材付ハーネス
10,10a…規制部材
20,20a…第一固定体
21…第一載置部
22…第一側壁部
23…第一嵌合孔
30,30a…連結部材
33…被係止部
37…係止突部
40,40a…第二固定体
41…第二載置部
42…第二側壁部
43…第二嵌合孔
50…設置固定部
60…滑走係止部
100…ハーネス
221…第一テープ固定部
421…第二テープ固定部
631…弾性片
P…車体パネル
Xa…第一仮想線
Xb…第二仮想線