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  • 特開-チップの加工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113415
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】チップの加工方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 7/04 20060101AFI20240815BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240815BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240815BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20240815BHJP
   B23K 26/364 20140101ALI20240815BHJP
【FI】
B24B7/04 A
H01L21/304 631
B24B41/06 L
B24B27/06 M
B23K26/364
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018381
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 成規
(72)【発明者】
【氏名】大前 巻子
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
3C158
4E168
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB73
3C034BB75
3C034BB76
3C034DD10
3C043BA03
3C043BA09
3C043BA12
3C043BA16
3C043CC04
3C043CC13
3C043DD02
3C043DD03
3C043DD04
3C043DD05
3C043DD06
3C158AA03
3C158AB04
3C158AB08
3C158CB01
3C158DA17
4E168AD01
4E168AD18
4E168CB07
4E168HA01
4E168JA12
5F057AA12
5F057AA23
5F057BA30
5F057BB03
5F057CA34
5F057DA11
5F057EC10
(57)【要約】
【課題】チップの大きさが小さくなっても、チップをテープから脱落させることなく一方の面を研削することができるチップの加工方法を提供する。
【解決手段】チップの一方の面を研削するチップの加工方法であって、チップの大きさに対応する大きさの開口部を備えたプレートを準備するプレート準備工程と、該プレートの開口部にチップを収容して他方の面に該プレートと共にテープを配設して一体にしてユニットを形成するユニット形成工程と、該プレートに対応する大きさの保持面を有するチャックテーブルに該ユニットのテープ側を保持する保持工程と、該プレートと共にチップの一方の面を研削するチップ研削工程と、を含み構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップの一方の面を研削するチップの加工方法であって、
チップの大きさに対応する大きさの開口部を備えたプレートを準備するプレート準備工程と、
該プレートの開口部にチップを収容して他方の面に該プレートと共にテープを配設して一体にしてユニットを形成するユニット形成工程と、
該プレートに対応する大きさの保持面を有するチャックテーブルに該ユニットのテープ側を保持する保持工程と、
該プレートと共にチップの一方の面を研削するチップ研削工程と、
を含み構成されるチップの加工方法。
【請求項2】
該プレート準備工程において、該開口部が2以上形成されているプレートが準備される請求項1に記載のチップの加工方法。
【請求項3】
該プレート準備工程において、切削ブレード又はレーザー光線によって該プレートに該開口部を形成する請求項1に記載のチップの加工方法。
【請求項4】
該チップは、半導体チップであり、半導体基板の上面に回路が形成され該チップの他方の面を構成する請求項1に記載のチップの加工方法。
【請求項5】
該プレート準備工程において、該プレートは、該半導体基板と同質の半導体で形成されたプレートが準備される請求項4に記載のチップの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップの一方の面を研削するチップの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削され所定の厚みに形成された後、ダイシング装置、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
また、個々のデバイスチップに分割された後に、個別にデバイスチップの一方の面(裏面)をさらに研削して、所望の厚みに加工する技術が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
上記した特許文献1に記載の技術は、リング状のフレームの中央領域に複数のチップを収容して、テープで一体にし、該フレームと共に該チップの裏面を研削しながら、該フレームの厚みを計測することで、チップを所望の厚みとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-351890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した技術では、チップの大きさが5mm角以下と小さくなるにしたがってテープに保持されたチップが安定せず、チップがテープから脱落して破損するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、チップの大きさが小さくなっても、チップをテープから脱落させることなく一方の面を研削することができるチップの加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、チップの一方の面を研削するチップの加工方法であって、チップの大きさに対応する大きさの開口部を備えたプレートを準備するプレート準備工程と、該プレートの開口部にチップを収容して他方の面に該プレートと共にテープを配設して一体にしてユニットを形成するユニット形成工程と、該プレートに対応する大きさの保持面を有するチャックテーブルに該ユニットのテープ側を保持する保持工程と、該プレートと共にチップの一方の面を研削するチップ研削工程と、を含み構成されるチップの加工方法が提供される。
【0009】
該プレート準備工程において、該開口部が2以上形成されているプレートが準備されることが好ましい。また、該プレート準備工程において、切削ブレード又はレーザー光線によって該プレートに該開口部を形成することができる。該チップは、半導体チップであり、半導体基板の上面に回路が形成され該チップの他方の面を構成することができる。さらに、該プレート準備工程において、該プレートは、該半導体基板と同質の半導体で形成されたプレートが準備されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のチップの加工方法は、チップの大きさに対応する大きさの開口部を備えたプレートを準備するプレート準備工程と、該プレートの開口部にチップを収容して他方の面に該プレートと共にテープを配設して一体にしてユニットを形成するユニット形成工程と、該プレートに対応する大きさの保持面を有するチャックテーブルに該ユニットのテープ側を保持する保持工程と、該プレートと共にチップの一方の面を研削するチップ研削工程と、を含み構成されことから、チップ研削工程において、テープに対するチップの動きが制限され、チップの大きさが小さい場合(例えば5mm角以下の大きさ)であっても、チップがテープから脱落することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】プレート準備工程の実施態様を示す斜視図である。
図2】ユニット形成工程の実施態様を示す斜視図である。
図3】本発明の研削工程を実施するのに好適な研削装置の全体斜視図である。
図4】保持工程の実施態様を示す斜視図である。
図5】研削工程の実施態様を示す斜視図である。
図6】ピックアップ工程の実施態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に基づいて構成されるチップの加工方法に係る実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0013】
図1(a)には、後述するチップの一方の面を研削する際に使用するプレート10を準備するプレート準備工程の実施態様が示されている。図中左方側には、プレート準備工程を施す前のプレート10が示されている。図示のプレート10は、例えば、インゴットから切り出された後、両面が所望の粗さになるように研削され、研削加工前の該チップと略同等の厚み(例えば300μm)で形成されたウエーハであり、研削加工が施されるチップを構成する半導体と同質の素材、例えばシリコン(Si)で形成されている。プレート10は、チップを研削する際に使用する研削装置(追って説明する)において、チップを保持するチャックテーブルに対応した大きさの円板形状をなしている。プレート10には、デバイス等は形成されておらず、表面、裏面は同一の面であり実際には区別されないが、説明の都合上、図1(a)に示される上方の面を表面10aとし、下方の面を裏面10bとする。
【0014】
プレート準備工程は、例えば、図1(a)に示すレーザー加工装置20(一部のみを示している)に加工前のプレート10を搬送し実行される。レーザー加工装置20は、図示を省略する保持手段と、該保持手段に保持されるプレート10にレーザー光線LBを照射するレーザー光線照射手段21とを備えている。また、レーザー加工装置20は、該保持手段とレーザー光線照射手段21とを相対的にX軸方向に加工送りするX軸送り手段と、該保持手段とレーザー光線照射手段21とを相対的にX軸方向と直交するY軸方向に加工送りするY軸送り手段と、該保持手段を回転させる回転駆動手段とを備えている(いずれも図示は省略する)。
【0015】
レーザー加工装置20に搬送されたプレート10は、該保持手段に吸引保持されて、図示を省略するアライメント手段によって撮像され、プレート10の外形が検出される。レーザー加工装置20の図示を省略する制御手段には、プレート10に形成されるチップD(図2を参照)に対応する大きさの開口部18(図1(b)を参照)に基づき設定される開口予定部16の輪郭12aの座標と、該輪郭12aに直交する方向の輪郭12bの座標とが記憶されている。なお、本実施形態のプレート10には、図示の如く開口部18に対応する9つの開口予定部16が設定されているが、本発明はこれに限定されない。プレート10に形成する開口部18の数は任意に設定することが可能であり、該開口部18を2つ以上設けることで、後述するチップ研削工程の効率を向上させることができる。
【0016】
該アライメント手段によりプレート10の外形を検出したならば、図示を省略するX軸送り手段を作動して、プレート10を、レーザー光線照射手段21の下方に搬送する。次いで、該制御手段に記憶された開口予定部16の輪郭12aの座標情報に基づいて、上記した回転駆動手段を作動して、所定の輪郭12aをX軸方向に沿うように位置付けると共にレーザー光線照射手段21の直下に位置付ける。次いで、プレート10をX軸方向に加工送りしながら、レーザー光線照射手段21を作動して、X軸方向に沿う複数の輪郭12aに集光点を位置付けて、プレート10を構成するシリコンに対して吸収性を有する波長のレーザー光線LBを照射して、アブレーション加工を施し、裏面10b側に貫通する加工溝14を形成する。
【0017】
所定の輪郭12aに沿って複数の加工溝14を形成したならば、プレート10をY軸方向に所定の間隔だけ割り出し送りして、Y軸方向で隣接する未加工の輪郭12aをレーザー光線照射手段21の直下に位置付ける。そして、上記したのと同様にしてレーザー光線LBを照射し、プレート10をX軸方向に加工送りして加工溝14を形成する。このようにして、X軸方向に沿う全ての輪郭12aに沿って加工溝14を形成したならば、プレート10を90度回転させて、既に加工溝14を形成した輪郭12aに直交する方向の未加工の輪郭12bをX軸方向に整合させる。そして、各輪郭12bに対して、上記したのと同様にしてレーザー光線LBの集光点を位置付けて照射して輪郭12bに対応する加工溝14を形成する。このように、開口予定部16に対応して設定された全ての輪郭12a、12bに沿って加工溝14を形成することで、図1(b)に示すように、後述するチップを収容可能な大きさの開口部18を備えたプレート10が準備され、プレート準備工程が完了する。
【0018】
本発明のプレート準備工程は、上記したレーザー加工装置20によって実施することに限定されない。例えば、レーザー加工装置20に替えて、図1(c)に示すような切削装置30(一部のみを示している)に、上記した未加工のプレート10を搬送して実行してもよい。切削装置30には、図示を省略する保持手段と、円形の回転可能な切削ブレード34を備えた切削手段32とが配設されており、該切削ブレード34を高速で回転させて、上記した開口予定部16を構成する輪郭12a、12bに対し上方から垂直に切り込ませて加工溝14を形成する。加工溝14を形成する際に、切削ブレード34を切り込ませる深さを調整することにより、切削幅が適宜調整される。該保持手段をX軸方向、Y軸方向、回転方向に移動する送り手段(図示は省略している)を作動して、上記した輪郭12a、12bに切削ブレード34を位置付けて切り込ませることで、図1(b)に示すように、開口部18を複数備えたプレート10を形成することができる。なお、開口部18の寸法が小さい場合は、切削装置30を使用して加工溝14を形成するよりも、レーザー加工装置20を使用して形成する方が有利である。
【0019】
上記したように、プレート準備工程を実施したならば、以下に説明するユニット形成工程を実施する。該ユニット形成工程は、図2に示すように、チップDと、プレート10と、テープTとを一体とする工程である。なお、このユニット形成工程で一体とされるチップDは、例えば、分割予定ラインによって区画された上面に回路が形成された半導体(シリコン)基板の裏面を、研削装置によって研削して、所定の厚み(例えば300μm)に形成した後、ダイシング装置、又はレーザー加工装置によって分割予定ラインに沿って分割することにより得た半導体チップである。このチップDに分割された後に、さらに研削される面を一方の面Daとし、回路が形成された面を他方の面Dbとする。
【0020】
ユニット形成工程を実施するに際し、まず、図2に示すように、プレート10と略同一寸法で形成されたテープTを用意し、チップDの一方の面Daを上方に向け、プレート10の開口部18にチップDを収容すると共に、プレート10の裏面10bとチップDの他方の面DbをテープTに貼着して一体とする。なお、上記したように、プレート10に形成された開口部18は、チップDの大きさに対応する大きさで形成されている。該チップDに対応する大きさとは、チップDが開口部18に収容されテープTに貼着された場合、後述するチップ研削工程時に、テープTに対するチップDの動きが制限される程度の僅かな隙間(例えば1mm未満)がチップDの周囲に形成される大きさである。以上によりユニット形成工程が完了する。
【0021】
上記したユニット形成工程が完了したならば、以下に説明する保持工程とチップ研削工程を実施する。図3には、該保持工程及びチップ研削工程を実施するのに好適な研削装置40の斜視図が示されている。
【0022】
研削装置40は、略直方体状の装置ハウジング41を備えている。装置ハウジング41の後端側には、支持壁42が立設されている。支持壁42の内側面には、上下方向(Z軸方向)に延びる1対の案内レール42a、42aが設けられている。案内レール42a、42aには研削手段としての研削ユニット45が上下方向に移動可能に装着されている。
【0023】
研削ユニット45は、ユニットハウジング45eと、ユニットハウジング45eに回転自在に支持された回転軸45aと、回転軸45aの下端に配設されたホイールマウント45bと、ホイールマウント45bに装着され下面に環状に複数の研削砥石45dが配置された研削ホイール45cと、ユニットハウジング45eの上端に装着されホイールマウント45bを矢印R1で示す方向に回転させる電動モータ45gと、ユニットハウジング45eを、支持部材45fを介して支持する移動基台44とを備えている。
【0024】
移動基台44には、上記した支持壁42に設けられた案内レール42a、42aに摺動可能に嵌合する被案内溝が設けられており、研削ユニット45が上下方向に移動可能に支持されている。また、研削装置40は、研削ユニット45の移動基台44を案内レール42a、42aに沿って昇降させる昇降手段として配設された研削送り機構47を備えている。研削送り機構47は、支持壁42に案内レール42a、42aと平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド47aと、該雄ねじロッド47aを回転駆動するためのパルスモータ47bと、移動基台44の裏面側に装着され雄ねじロッド47aと螺合する図示を省略する雌ねじブロックを備えており、パルスモータ47bによって雄ねじロッド47aを正転及び逆転駆動することにより、研削ユニット45を上下方向に移動させる。電動モータ45gによって回転させられる回転軸45aには、研削水を供給する研削水供給手段(図示は省略する)が接続されている。
【0025】
装置ハウジング41の上面には、上記したユニット19を保持するチャックテーブル48が配設されている。チャックテーブル48は、ユニット19を構成するプレート10に対応する大きさの保持面を形成する円形の吸着チャック48aと、該吸着チャック48aを囲繞する枠体48bとを備えている。チャックテーブル48には、枠体48bを介して、図示を省略する吸引手段が接続されており、該吸引手段を作動することにより吸着チャック48aの上面に負圧が生成される。チャックテーブル48は、図示を省略するX軸送り手段によって、図3においてチャックテーブル48が位置付けられている搬出入位置と、研削ユニット45の直下で研削加工が施される研削加工位置との間を移動する。またチャックテーブル48は、図示を省略する回転駆動手段によって回転可能に構成されている。
【0026】
研削装置40は、概ね上記したとおりの構成を備えており、図3に加え、図4、5を参照しながら、本発明に基づき実施される保持工程及びチップ研削工程について説明する。
【0027】
保持工程は、上記したユニット19を研削装置40に搬送し、図4に示すように、搬出入位置に位置付けられたチャックテーブル48の保持面(吸着チャック48a)に、ユニット19のテープT側を載置し、上記した吸引手段を作動して、該保持面に負圧を生成し、ユニット19をチャックテーブル48に吸引保持することで完了する。該保持工程により、チャックテーブル48に保持されたユニット19のプレート10の表面10aと、チップDの一方の面Daが上方に露出した状態となる。
【0028】
上記の保持工程を実施したならば、チップ研削工程を実施する。チップ研削工程は、図5(a)に示すように、チャックテーブル48を、研削ユニット45の直下の研削加工位置に位置付け、研削ユニット45を作動して、研削ホイール45cを図中矢印R1で示す方向に、例えば6000rpmで回転させると共に、チャックテーブル48を、図5において矢印R2で示す方向に例えば300rpmで回転させる。そして、上記した研削送り機構47を作動して、研削ユニット45を、図中矢印R3で示す方向に下降させて、研削砥石45dを、プレート10の表面10a及びチップDの一方の面Daに上方から接近、当接させ、その後、例えば0.1μm/秒の研削送り速度で研削送りする。この際、上記した研削水供給手段を作動して、研削ホイール45cの下面から、研削砥石45dとプレート10の表面10a及びチップDの一方の面Daとに向けて研削水を供給し、図示を省略する厚み検出手段によって、プレート10の外周領域の厚みを検出しながら研削加工を実施する。
【0029】
上記したように、プレート10は、チップDを構成する半導体(シリコン)と同質の材料で形成されており、上記した研削加工は、プレート10とチップDとに対して、略同様の研削速度で進行する。よって、プレート10の外周領域の厚みを検出することで、チップDの厚みを間接的に検出することができ、チップDが所望の厚み、例えば200μmとなったことを検出することで、チップ研削工程が完了する。該チップ研削工程が施されることで、図5(b)に示すように、プレート10の表面10aとチップDの一方の面Daには、図示のような研削痕100が形成される。以上により、本実施形態のチップの加工方法が完了する。なお、チップ研削工程が完了したならば、必要に応じて。図6に示すように、プレート10からチップDをピックアップし、次の工程(例えばボンディング工程)に搬送する。
【0030】
上記した実施形態によれば、プレート10の開口部18にチップDを収容してチップDの他方の面Dbにプレート10と共にテープTを配設して一体にしてユニット19が形成されており、特に、プレート10に形成する開口部18の大きさを、チップDの大きさに対応した大きさとし、該開口部18にチップDを収容するようにしている。これにより、テープTに対するチップDの動きが制限され、チップDの大きさが小さい場合(例えば5mm角以下の大きさ)であっても、チップDが、テープTから脱落することが防止される。
【0031】
上記した実施形態では、1つの開口部18に1つのチップDを収容する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、開口部18を、複数のチップDを合わせた大きさに対応する大きさで設定し、該開口部18に該複数のチップDを収容して、ユニット形成工程を実施するようにしてもよい。このように構成した場合であっても、チップ研削工程に、テープTに対するチップDの動きが制限され、チップDがテープTから脱落することが防止される。
【符号の説明】
【0032】
10:プレート
10a:表面
10b:裏面
12a、12b:輪郭
14:加工溝
16:開口予定部
18:開口部
20:レーザー加工装置
21:レーザー光線照射手段
30:切削装置
32:切削手段
34:切削ブレード
40:研削装置
41:装置ハウジング
42:支持壁
42a:案内レール
44:移動基台
45:研削ユニット
45a:回転軸
45b:ホイールマウント
45c:研削ホイール
45d:研削砥石
45e:ユニットハウジング
45f:支持部材
45g:電動モータ
47:研削送り機構
47a:雄ねじロッド
47b:パルスモータ
48:チャックテーブル
48a:吸着チャック
48b:枠体
D:チップ
Da:一方の面
Db:他方の面
図1
図2
図3
図4
図5
図6