(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113805
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】トナー容器、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G03G15/08 343
G03G15/08 330
G03G15/08 348Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019009
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】野寺 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 達哉
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 秀男
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA05
2H077AA12
2H077AA14
2H077AA34
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB15
2H077AB18
2H077AC02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD18
2H077AE06
2H077DA10
2H077DA78
2H077EA03
2H077GA04
(57)【要約】
【課題】画像形成装置本体においてトナー容器を設置するための横方向のスペースを大きくなりにくくする。
【解決手段】カラー用のトナー容器32Y、32M、32Cは、内部に収容したトナーをキャップ部34に向けて搬送する略筒状の容器本体33が設けられている。また、画像形成装置本体100に設置されたトナー搬送ノズル91を容器本体33の内部に挿入するための貫通穴34aが中心部に形成されて、画像形成装置本体100に設置されたレバー97(嵌合部)が穴部34b(被嵌合部)に嵌合され画像形成装置本体100に非回転で位置決めされる略筒状のキャップ部34が設けられている。そして、穴部34bは、画像形成装置本体100に装着された状態のキャップ部34の上部と下部とにそれぞれ設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能なトナー容器であって、
内部に収容したトナーをキャップ部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、
前記画像形成装置本体に設置されたトナー搬送ノズルを前記容器本体の内部に挿入するための貫通穴が中心部に形成されて、前記画像形成装置本体に設置された嵌合部が被嵌合部に嵌合されて前記画像形成装置本体に非回転で位置決めされる略筒状の前記キャップ部と、
を備え、
前記被嵌合部は、前記画像形成装置本体に装着された状態の前記キャップ部の上部と下部とにそれぞれ設けられたことを特徴とするトナー容器。
【請求項2】
前記被嵌合部は、穴部であって、
前記嵌合部は、付勢部材によって前記穴部に嵌合する方向に付勢されるレバーであって、
前記容器本体の外径と、前記キャップ部の外径と、が略一致するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のトナー容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたトナー容器が、前記画像形成装置本体に複数並設され、
前記画像形成装置本体において、前記複数のトナー容器のうちの1つに隣り合うように、第2トナー容器が設置され、
前記第2トナー容器は、
内部に収容したトナーをキャップ部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、
前記画像形成装置本体に設置されたトナー搬送ノズルを前記容器本体の内部に挿入するための貫通穴が中心部に形成されて、前記画像形成装置本体に設置された嵌合部が被嵌合部に嵌合されて前記画像形成装置本体に非回転で位置決めされる略筒状の前記キャップ部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第2トナー容器の前記容器本体の外径は、前記第2トナー容器の前記キャップ部の外径よりも大きく、
前記トナー容器の前記容器本体の外径は、前記第2トナー容器の前記容器本体の外径よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2トナー容器の前記キャップ部の外径は、前記トナー容器の前記キャップ部の外径に略一致することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2トナー容器の前記被嵌合部は、前記画像形成装置本体に装着された状態の前記第2トナー容器の前記キャップ部の右側部と左側部とにそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記複数のトナー容器の前記キャップ部は、それぞれ、前記第2トナー容器から離れる側の側面に、前記画像形成装置本体と通信可能なIDチップが設置され、
前記第2トナー容器の前記キャップ部は、その上部に、前記画像形成装置本体と通信可能なIDチップが設置されたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数のトナー容器の前記キャップ部は、それぞれ、前記第2トナー容器に近づく側の側面に、当該キャップ部の他の周面に比べて凹んだ切欠き部が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記複数のトナー容器の前記キャップ部は、それぞれ、他のトナー容器と区別するための非互換形状部が形成されたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部にトナーが収容されたトナー容器と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、画像形成装置本体に着脱可能に設置される略筒状のトナー容器が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1において、トナー容器は、主として、略筒状の容器本体と、略筒状のキャップ部と、で構成されている。容器本体は、内周面に螺旋状の突起が形成されていて、その頭部がキャップ部で覆われている。キャップ部の中央部には貫通穴が形成されていて、トナー容器が画像形成装置本体にセットされると、キャップ部が非回転で保持されて、画像形成装置本体のトナー搬送ノズルが貫通穴を介して容器本体の内部に挿入される。
そして、画像形成装置本体にセットされたトナー容器は、容器本体が回転駆動されることで、容器本体内のトナーがキャップ部の側に向けて搬送される。そして、容器本体内のトナーが、トナー搬送ノズルを介して容器外に排出される。そして、トナー容器から排出されたトナーは、トナー補給装置によって、現像装置に補給される。
【0004】
一方、特許文献1には、画像形成装置本体にトナー容器を装着する動作に連動して、画像形成装置本体の2つの嵌合部(容器ロック部材)が、キャップ部の両側部にそれぞれ形成された被嵌合部(ロック用開口)に嵌合して、キャップ部が画像形成装置本体に非回転で保持される技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトナー容器は、キャップ部の中央部に形成された貫通穴を介して容器本体に挿入されたトナー搬送ノズルによって容器外にトナーが排出されるため、キャップ部の底部に形成されたトナー排出口から容器外にトナーを排出する場合に比べて、キャップ部の下方がトナーで汚れる不具合が生じにくくなる効果が期待できる。
しかし、トナー容器のキャップ部の両側部にそれぞれ被嵌合部が設けられ、それらに対応する画像形成装置本体の位置に嵌合部が設けられるため、画像形成装置本体においてトナー容器(キャップ部)を設置するための横方向のスペースが大きくなってしまっていた。特に、画像形成装置本体において複数のトナー容器を横方向に並設する場合には、そのような不具合が無視できないものになっていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、画像形成装置本体においてトナー容器を設置するための横方向のスペースが大きくなりにくい、トナー容器、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明におけるトナー容器は、画像形成装置本体に対して着脱可能なトナー容器であって、内部に収容したトナーをキャップ部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、前記画像形成装置本体に設置されたトナー搬送ノズルを前記容器本体の内部に挿入するための貫通穴が中心部に形成されて、前記画像形成装置本体に設置された嵌合部が被嵌合部に嵌合されて前記画像形成装置本体に非回転で位置決めされる略筒状の前記キャップ部と、を備え、前記被嵌合部は、前記画像形成装置本体に装着された状態の前記キャップ部の上部と下部とにそれぞれ設けられたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置本体においてトナー容器を設置するための横方向のスペースが大きくなりにくい、トナー容器、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】トナー補給装置にトナー容器が設置された状態を示す図である。
【
図4】トナー容器が画像形成装置本体に装着される動作を示す側面図である。
【
図5】複数のトナー容器が画像形成装置本体に装着された状態を示す正面図である。
【
図6】(A)カラー用のトナー容器を示す側面図と、(B)ブラック用のトナー容器(第2トナー容器)を示す側面図と、である。
【
図7】比較例としての、複数のトナー容器が画像形成装置本体に装着された状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部70(
図5参照)には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。これらのトナー容器32Y、32M、32C、32Kは、ユーザーなどの操作者によって手動で画像形成装置本体100に装着されたり取り出されたりするものである。
トナー容器収容部70の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
トナー容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれ、トナー補給装置90が配設されている。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容されたトナーは、それぞれ、トナー補給装置90によって、作像部6Y、6M、6C、6Kの現像装置内に供給(補給)される。
【0012】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、除電装置、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Yの表面にイエロー画像が形成されることになる。
【0013】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる点、ブラック用のトナー容器32Kが大容量のものである点、などを除き、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0014】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、駆動モータによって
図2の時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(
図1参照)から発せられるレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0015】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0016】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される(除電工程である。)。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0017】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光装置7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0018】
ここで、
図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング装置、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって
図1中の矢印方向に無端移動される。
【0019】
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0020】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0021】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙装置26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙装置26には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が
図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0022】
レジストローラ対28に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0023】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される。
その後、シートPは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0024】
次に、
図2にて、作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64Yに連通している。
【0025】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、
図2の矢印方向に回転する。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
【0026】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置90(
図3参照)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0027】
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(
図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0028】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、
図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0029】
次に、
図3を用いて、トナー補給装置90について詳述する。
トナー補給装置90は、トナー容器収容部70(
図1参照)の設置部31に設置されたトナー容器32Y(粉体収納容器)の容器本体33を所定方向(
図3の矢印方向である。)に回転駆動して、トナー容器32Yの内部に収納されたトナー(粉体)を容器外に排出して、サブホッパ65を介して被補給部としての現像装置5Yに導くためのものであって、トナー補給経路(トナー搬送経路)を形成している。
なお、
図3は、理解を容易にするために、トナー容器32Y、トナー補給装置90、現像装置5Yの配置方向などを変えて図示している。実際には、
図3において、トナー容器32Yとトナー補給装置90の一部との長手方向が紙面垂直方向になるように配設されている(
図1参照)。また、搬送管95、96の向きや配置も簡略化して図示している。
【0030】
画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)の設置部31に設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32K内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置90を経て適宜に各現像装置内に補給される。4つのトナー補給装置90は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造である。
詳しくは、
図3、
図4等を参照して、トナー容器32Yが装置本体100の設置部31(トナー容器収容部70)にセットされると、トナー容器32Yのシャッタ部材36が装置本体100のトナー搬送ノズル91(ノズル)に押動されて、トナー搬送ノズル91が貫通穴34aを介してトナー容器32Y(容器本体33)の内部に挿入される。これにより、トナー容器32Yの内部に収容されたトナーの排出(トナー搬送ノズル91を介した排出である。)が可能になる。
なお、トナー容器32Yの底部(
図3の左方である。)には、トナー容器32Yの設置部31への装着操作を容易にするための把持部33d(容器本体33の外径よりも小さな外径で形成されている。)が形成されている。ユーザーは、把持部33dを把持しながら、トナー容器32Yを設置部31にセットしたり、設置部31からトナー容器32Yを取り出したりすることになる。
【0031】
ここで、
図3を参照して、トナー容器32Yには、長手方向(
図3の左右方向であって、容器本体33の回転軸方向である。)に螺旋状の溝33aが形成された略筒状の容器本体33が設けられている。具体的に、この螺旋状の溝33aは、容器本体33の外周面から内周面にかけて形成されていて、容器本体33を回転駆動して容器本体33内のトナーを
図3の左方から右方に搬送するためのものである。容器本体33の内部において
図3の左方から右方に搬送されたトナーは、トナー搬送ノズル91を介して容器外部に排出されることになる。
また、容器本体33の頭部側(
図3の右方である。)の外周面には、画像形成装置本体100の駆動ギア110に噛合するギア33bが形成されている。トナー容器32Yが設置部31に装着されると、容器本体33のギア33bが画像形成装置本体100の駆動ギア110に噛合することになる。そして、駆動モータ115が駆動されると、そのモータ軸に設置された駆動ギア110からギア33bに駆動(回転駆動)が伝達されて、容器本体33が回転駆動されることになる。すなわち、駆動モータ115と駆動ギア110とが、容器本体33を回転駆動する駆動機構として機能することになる。
なお、トナー容器32Yについては、後でさらに詳しく説明する。
【0032】
一方、
図3を参照して、トナー搬送ノズル91には、搬送スクリュ92が内設されている。そして、搬送スクリュ92がモータ93によって回転駆動されることで、トナー容器32Yの内部において開口91a(流入口)からトナー搬送ノズル91内に流入されたトナーが、搬送スクリュ92によって
図3の左方から右方に搬送される。そして、トナー搬送ノズル91の流出口からホッパ81に向けてトナーが排出される。
ここで、トナー搬送ノズル91の流出口の下方には、落下経路部82を介してホッパ81が設けられている。ホッパ81内に貯留されたトナーは、搬送手段によって下流にある現像装置に搬送される。
図3における搬送手段による搬送構成を以下に示す。
ホッパ81の底部には吸引口83が設けられていて、この吸引口83が搬送管95(チューブ)の一端に接続されている。搬送管95は、親トナー性の低いフレキシブルなゴム材料からなり、その他端が現像剤ポンプ60(ダイヤフラムポンプ)に接続されている。現像剤ポンプ60は、サブホッパ65、搬送管96を介して現像装置5Yに接続されている。
このように構成されたトナー補給装置90において、駆動モータ115(駆動機構)によってトナー容器32Yの容器本体33が回転駆動されて、トナー容器32Yの内部に収容されたトナーがトナー搬送ノズル91を介して容器外に排出される。トナー容器32Yから排出されたトナーは、落下経路部82を落下してホッパ81に貯留される。ホッパ81に貯留されたトナーは、現像剤ポンプ60が稼働することで、空気とともに吸引口83から吸引されて搬送管95を介して現像剤ポンプ60からサブホッパ65に向けて搬送される。そして、サブホッパ65に搬送されて貯留されたトナーは、搬送管96を介して現像装置5Y内に適宜に補給される。すなわち、トナー容器32Y内のトナーは、
図3中の破線矢印方向に搬送されることになる。
なお、搬送手段は上記のものに限られず、例えば、ホッパ81内に貯留されたトナーをホッパ81に設けられたスクリュ等で直接的に現像装置5Yに搬送するように構成されたものであってもよい。
【0033】
トナー残量検知センサ86は、トナー容器32Yの内部に収容されたトナーが空になった状態(トナーエンド状態)、又は、それに近い状態(トナーニアエンド状態)を間接的に検知するためのものであって、吸引口83に近い位置に設置されている。そして、トナー残量検知センサ86の検知結果に基づいて、トナー容器32Yからトナーを排出している。
詳しくは、トナー残量検知センサ86としては、圧電センサ、透過光センサなどを用いることができる。トナー残量検知センサ86の検知面の高さは、吸引口83の上方に堆積されるトナー量(堆積高さ)が狙いの値になるように設定されている。
そして、トナー残量検知センサ86の検知結果に基づいて、トナー容器32Y(容器本体33)を回転駆動する駆動モータ115の駆動タイミングや駆動時間が制御される。具体的に、トナー残量検知センサ86によってその位置にトナーがないものと判別された場合には駆動モータ115が所定時間だけ駆動されて、トナー残量検知センサ86によってその位置にトナーがあるものと判別された場合には駆動モータ115の駆動が停止されることになる。そして、そのような制御が繰り返しおこなわれても、トナー残量検知センサ86によってその位置にトナーがない状態が連続的に検知された場合には、トナー容器32Yの内部に収容されたトナーが空になった状態(トナーエンド状態)、又は、それに近い状態(トナーニアエンド状態)であるものと判別されることになる。
【0034】
以下、本実施の形態におけるトナー容器32Yの、特徴的な構成・動作について説明する。
先に説明したように、本実施の形態では、4色(4つ)のトナー容器32Y、32M、32C、32Kが、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)に対して着脱可能に設置されている。
ここで、カラー用の3つ(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー容器32Y、32M、32C(第1トナー容器)は、後述する非互換形状部34d(2次的加工などにより設置可能である。)を除き、ほぼ同じ形状からなるものであって、共通化されたものである。カラー用の3つのトナー容器32Y、32M、32Cは、
図5等に示すように、トナー容器収容部70(画像形成装置本体100)において略水平方向(横方向)に複数並設されている。
一方、第2トナー容器としてのブラック用のトナー容器32Kは、
図5、
図6等に示すように、カラー用のトナー容器32Y、32M、32Cと共通化されたものではなく、ブラック(黒色)を用いた印刷の使用頻度の多さから大容量化されたものになっている。このブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)は、
図5等に示すように、トナー容器収容部70(画像形成装置本体100)において、カラー用の複数のトナー容器32Y、32M、32Cのうちの1つ(シアン用のトナー容器32Cである。)に対して略水平方向(横方向)に隣り合うように設置されている。
【0035】
詳しくは、
図6(A)に示すように、カラー用のトナー容器32Y、32M、32C(第1トナー容器)は、その容器本体33の外径M1と、キャップ部34の外径N1と、が略一致するように形成されている(M1≒N1)。
そして、
図6(B)に示すように、本実施の形態において、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)の容器本体34の外径M2は、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)のキャップ部34の外径N2よりも大きくなっている(M2>N2)。
また、
図6(A)、(B)に示すように、カラー用のトナー容器32Y、32M、32C(第1トナー容器)の容器本体33の外径M1は、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)の容器本体34の外径M2よりも小さくなっていて(M1<M2)、ブラック用のトナー容器32Kのみが大容量化されている。
さらに、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)のキャップ部34の外径N2は、カラー用のトナー容器32Y、32M、32C(第1トナー容器)のキャップ部34の外径N1に略一致している(N1≒N2)。
なお、本願明細書等において、上述した容器本体33やキャップ部34の「外径」は、容器本体33やキャップ部34が完全な円筒でなくて、外周面に多少の凹凸が存在する場合であっても、概ね円筒となる仮想的な形状における外周面の外径であるものと定義する。
【0036】
さらに具体的に、カラー用の3つのトナー容器32Y、32M、32Cも、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)も、どちらも、主として、略筒状の容器本体33と、略筒状(キャップ状)のキャップ部34と、で構成されている。
容器本体33は、内部に収容したトナーをキャップ部34の側に向けて搬送するものである。
キャップ部34は、
図4等を参照して、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)に設置されたトナー搬送ノズル91を容器本体33の内部に挿入するための貫通穴34aが中心部(容器本体33の回転中心に対応する部分である。)に形成されている。そして、キャップ部34は、画像形成装置本体100へのトナー容器32Y、32M、32C、32Kの装着動作に連動して、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70の設置部31)に設置された嵌合部としてのレバー97が、被嵌合部としての穴部34bに嵌合されて画像形成装置本体100(設置部31)に非回転で位置決めされることになる。
【0037】
このように、本実施の形態におけるトナー容器32Y、32M、32C、32Kは、いずれも、キャップ部34の中央部に形成された貫通穴34aを介して容器本体33に挿入されたトナー搬送ノズル91によって容器外にトナーが排出されるため、キャップ部の底部に形成されたトナー排出口から容器外にトナーを排出する場合に比べて、キャップ部34の下方がトナーで汚れる不具合が生じにくくなる。
【0038】
なお、
図4~
図6等を参照して、本実施の形態において、被嵌合部としての穴部34bは、キャップ部34の外周面において、対向する位置(180度位相がズレた位置)にそれぞれ溝状(又は、貫通穴状)に形成されている。
嵌合部としてのレバー97は、キャップ部34の2つの穴部34bにそれぞれ対応するトナー容器収容部70の位置に配置されていて、付勢部材としてのトーションスプリング98によって穴部34bに嵌合する方向に付勢されるものである。レバー97は、軸部97aを中心に回動可能に設置されていて、その軸部97aにトーションスプリング98(2つの足部は上述した付勢を可能とするように引っ掛けられている。)の巻き部が挿入されている。また、図示は省略するが、トナー容器収容部70には、レバー97や、レバー97の付勢方向の回動を制限する突起や、後述する読取り装置99や設置部側非互換形状部79、などを保持する筐体ケースが形成されている。
そして、
図4(A)に示すように、トナー容器32Y(32M、32C、32K)が図の右方(トナー容器収容部70の装着方向奥側である。)に向けて、ユーザーによって押し込まれると、やがてキャップ部34がレバー97を付勢方向に抗する方向に押動する。そして、最終的に、
図4(B)に示すように、キャップ部34の穴部34bがレバー97の位置に達すると、穴部34bにレバー97が嵌合して、トナー容器収容部70におけるキャップ部34の位置が定められることになる(容器本体33の回転に連動せず、回転しないように保持されることになる)。
なお、上述した被嵌合部と嵌合部とは、本実施の形態のものに限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内において種々の形態のものを用いることができる。
【0039】
ここで、
図5(及び、
図4、
図6)を参照して、本実施の形態において、カラー用の3つのトナー容器32Y、32M、32Cにおける被嵌合部としての穴部34bは、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)に装着された状態のキャップ部34の上部と下部とにそれぞれ設けられている。そして、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)の嵌合部としてのレバー97は、トナー容器32Y、32M、32Cのキャップ部34の2つの穴部34bの位置に合わせて、キャップ部34を挟むように上方と下方とにそれぞれ設けられている。
【0040】
このように、カラー用の3つのトナー容器32Y、32M、32Cは、いずれも、キャップ部34の上部と下部にそれぞれ穴部34b(被嵌合部)が設けられ、それらに対応する画像形成装置本体100の位置にレバー97(嵌合部)が設けられているため、
図7に比較例として示すトナー容器132Y、132M、132Cのようにキャップ部134の両側部にそれぞれ穴部34b(被嵌合部)を設ける場合に比べて、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)においてトナー容器32Y、32M、32C(キャップ部34)を設置するための横方向のスペースX1を小さくすることができる。すなわち、
図5、
図7を参照比較して、X1<X11となる。
特に、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)において3つのトナー容器32Y、32M、32C(キャップ部34)を横方向に並設する場合には、3つの横方向のスペースの差異が大きくなる。すなわち、
図5、
図7を参照して、3つのトナー容器32Y、32M、32Cを設置するためのスペース(3×X1)は、
図7の比較例のもの(3×X11)に比べて、かなり小さくなる(3×X1<<3×X11)。
カラー用のトナー容器32Y、32M、32Cは、ブラック用のトナー容器32Kとは異なり、容器本体33とキャップ部34との外径差がほとんどなく、互いに隣接するキャップ部34同士の隙間に、画像形成装置本体100のレバー97(及び、レバー97を保持する筐体ケースの部分)が配置されてしまうと、全体の横方向のスペースが大きくなってしまう。しかし、互いに隣接するキャップ部34同士の隙間に、画像形成装置本体100のレバー97が配置しないようにすることで(穴部34bをキャップ部34も上下に配置することで)、全体の横方向のスペースが小さくなる。
【0041】
これに対して、ブラック用のトナー容器32K(画像形成装置本体100に装着された状態の第2トナー容器である。)は、キャップ部34の右側部と左側部にそれぞれ穴部34b(被嵌合部)が設けられ、それらに対応する画像形成装置本体100の位置にレバー97(嵌合部)が設けられている。
ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)は、キャップ部34の外径N2に比べて容器本体33の外径M2が大きく、
図5に示すように、キャップ部34の側を正面として見たときに、画像形成装置本体100のレバー97を両側部の側に配置するための横方向のスペースがあるため、そのような配置になっている。
そして、全体的にみたときに、
図7に比較例として示す画像形成装置100において4つのトナー容器132Y、132M、132C、32Kを設置するための横方向のスペースX10に比べて、
図5に示す画像形成装置100において4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kを設置するための横方向のスペースX0はかなり小さなものとなる(X0<<X10)。したがって、本実施の形態における画像形成装置100(トナー容器収容部70)は、
図7に示すものに比べて、横方向に小型化されることになる。
【0042】
ここで、本実施の形態において、カラー用の複数のトナー容器32Y、32M、32Cのキャップ部34は、それぞれ、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)から離れる側の側面(左側の側面である。)に、画像形成装置本体100の読取り装置99と通信可能なIDチップ80が設置されている。これは、カラー用の複数のトナー容器32Y、32M、32Cのキャップ部34は、上下に穴部34b(被嵌合部)を設けており、その穴部34bに嵌合するように画像形成装置本体100に設けられたレバー97(嵌合部)に、IDチップ80が干渉するのを避けるためである。
同様の理由から、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)のキャップ部34は、その上部に、画像形成装置本体100の読取り装置99と通信可能なIDチップ80が設置されている。
なお、画像形成装置本体100の読取り装置99と、トナー容器32Y、32M、32C、32KのIDチップ80と、の間でやり取りされる情報としては、トナー容器内のトナーの情報(色、容量、製造ロットなどである。)や、リサイクルの有無に関する情報、などがある。
【0043】
なお、
図5を参照して、本実施の形態において、カラー用の複数のトナー容器32Y、32M、32Cのキャップ部34は、それぞれ、ブラック用のトナー容器32K(第2トナー容器)に近づく側の側面に(右側の側面である。)、キャップ部34の他の周面に比べて凹んだ切欠き部34cが形成されている。
このようにキャップ部34の外周部に切欠き部34cを形成することで、隣接するトナー容器のIDチップ80や読取り装置99との干渉を防止することができる。
【0044】
また、
図5を参照して、本実施の形態において、カラー用の複数のトナー容器32Y、32M、32Cのキャップ部34は、それぞれ、他のカラー用のトナー容器と区別するための非互換形状部34dが形成されている。また、画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)には、そのような非互換形状部34dの形状に合わせて、非互換形状部34dに嵌合可能な設置部側非互換形状部79が設けられている。
これにより、カラー用のトナー容器32Y、32M、32Cは、他の色の設置部31に設置しようとしても、非互換形状部34dが設置部側非互換形状部79に干渉して、その設置ができないことになり、設置ミスがによる混色を避けることができる。
なお、ブラック用のトナー容器32Kは、カラー用のトナー容器32Y、32M、32Cに比べて大容量化されていて、容器全体として非互換性がある。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態におけるカラー用のトナー容器32Y、32M、32Cは、画像形成装置本体100に対して着脱可能なトナー容器であって、内部に収容したトナーをキャップ部34に向けて搬送する略筒状の容器本体33が設けられている。また、画像形成装置本体100に設置されたトナー搬送ノズル91を容器本体33の内部に挿入するための貫通穴34aが中心部に形成されて、画像形成装置本体100に設置されたレバー97(嵌合部)が穴部34b(被嵌合部)に嵌合され画像形成装置本体100に非回転で位置決めされる略筒状のキャップ部34が設けられている。そして、穴部34bは、画像形成装置本体100に装着された状態のキャップ部34の上部と下部とにそれぞれ設けられている。
これにより、画像形成装置本体100においてトナー容器32Y、32M、32Cを設置するための横方向のスペースが大きくなりにくくなる。
【0046】
なお、本実施の形態では、トナー容器32Y、32M、32C、32K内にトナーのみを収容したが、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を現像装置に適宜に供給する画像形成装置に対してはトナー容器32Y、32M、32C、32K内に2成分現像剤を収容することもできる。
そして、そのような場合であっても、上述した本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、本実施の形態において、作像部6Y、6M、6C、6Kの一部又は全部をプロセスカートリッジとすることもできる。その場合であっても、上述した本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0048】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0049】
5Y 現像装置、
31 設置部、
32Y、32M、32C カラー用のトナー容器(トナー容器)、
32K ブラック用のトナー容器(第2トナー容器)、
33 容器本体、
34 キャップ部、
34a 貫通穴、
34b 穴部(被嵌合部)、
34c 切欠き部、
34d 非互換形状部、
70 トナー容器収容部、
79 設置部側非互換形状部、
80 IDチップ(情報通信手段)、
97 レバー(嵌合部)、
98 トーションスプリング(付勢部材)、
99 読取り装置、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)。
【0050】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~9の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
画像形成装置本体に対して着脱可能なトナー容器であって、
内部に収容したトナーをキャップ部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、
前記画像形成装置本体に設置されたトナー搬送ノズルを前記容器本体の内部に挿入するための貫通穴が中心部に形成されて、前記画像形成装置本体に設置された嵌合部が被嵌合部に嵌合されて前記画像形成装置本体に非回転で位置決めされる略筒状の前記キャップ部と、
を備え、
前記被嵌合部は、前記画像形成装置本体に装着された状態の前記キャップ部の上部と下部とにそれぞれ設けられたことを特徴とするトナー容器。
(付記2)
前記被嵌合部は、穴部であって、
前記嵌合部は、付勢部材によって前記穴部に嵌合する方向に付勢されるレバーであって、
前記容器本体の外径と、前記キャップ部の外径と、が略一致するように形成されたことを特徴とする付記1に記載のトナー容器。
(付記3)
付記1又は付記2に記載されたトナー容器が、前記画像形成装置本体に複数並設され、
前記画像形成装置本体において、前記複数のトナー容器のうちの1つに隣り合うように、第2トナー容器が設置され、
前記第2トナー容器は、
内部に収容したトナーをキャップ部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、
前記画像形成装置本体に設置されたトナー搬送ノズルを前記容器本体の内部に挿入するための貫通穴が中心部に形成されて、前記画像形成装置本体に設置された嵌合部が被嵌合部に嵌合されて前記画像形成装置本体に非回転で位置決めされる略筒状の前記キャップ部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(付記4)
前記第2トナー容器の前記容器本体の外径は、前記第2トナー容器の前記キャップ部の外径よりも大きく、
前記トナー容器の前記容器本体の外径は、前記第2トナー容器の前記容器本体の外径よりも小さいことを特徴とする付記3に記載の画像形成装置。
(付記5)
前記第2トナー容器の前記キャップ部の外径は、前記トナー容器の前記キャップ部の外径に略一致することを特徴とする付記3又は付記4に記載の画像形成装置。
(付記6)
前記第2トナー容器の前記被嵌合部は、前記画像形成装置本体に装着された状態の前記第2トナー容器の前記キャップ部の右側部と左側部とにそれぞれ設けられたことを特徴とする付記3~付記5のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記7)
前記複数のトナー容器の前記キャップ部は、それぞれ、前記第2トナー容器から離れる側の側面に、前記画像形成装置本体と通信可能なIDチップが設置され、
前記第2トナー容器の前記キャップ部は、その上部に、前記画像形成装置本体と通信可能なIDチップが設置されたことを特徴とする付記3~付記6のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記8)
前記複数のトナー容器の前記キャップ部は、それぞれ、前記第2トナー容器に近づく側の側面に、当該キャップ部の他の周面に比べて凹んだ切欠き部が形成されたことを特徴とする付記3~付記7のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記9)
前記複数のトナー容器の前記キャップ部は、それぞれ、他のトナー容器と区別するための非互換形状部が形成されたことを特徴とする付記3~付記8のいずれかにに記載の画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】