(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113925
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】温度調節装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240816BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240816BHJP
F25B 21/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
F25B21/02 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019208
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 敦
(72)【発明者】
【氏名】小室 亘
(72)【発明者】
【氏名】元山 崇
(72)【発明者】
【氏名】高橋 武孝
(72)【発明者】
【氏名】西河 秀平
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004BB25
5F004BB26
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA02
5F131CA18
5F131EA03
5F131EA04
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】載置面の平行度を改善することができる温度調節装置を提供する。
【解決手段】温度調節装置は、温調対象物が載置される載置面を有する載置部と、載置部と第1方向に対向する底部と、載置部と底部とによって第1方向両側から挟み込まれ、載置部の中央部を支持する第1支持部と、第1方向で載置部と底部との間に配置され、載置部を介して温調対象物の加熱及び冷却が可能な熱源と、第1方向で熱源と底部との間に配置され、熱源と熱交換を行う放熱部と、第1方向で載置部と底部との間に配置され、中央部を通り第1方向に延びる軸線に交差する第2方向で、軸線側に設けられ、放熱部の軸線側の端部を支持し、放熱部と底部とを第1方向に離間させる第2支持部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温調対象物が載置される載置面を有する載置部と、
前記載置部と第1方向に対向する底部と、
前記載置部と前記底部とによって前記第1方向両側から挟み込まれ、前記載置部の中央部を支持する第1支持部と、
前記第1方向で前記載置部と前記底部との間に配置され、前記載置部を介して前記温調対象物の加熱及び冷却が可能な熱源と、
前記第1方向で前記熱源と前記底部との間に配置され、前記熱源と熱交換を行う放熱部と、
前記第1方向で前記載置部と前記底部との間に配置され、前記中央部を通り前記第1方向に延びる軸線に交差する第2方向で、前記軸線側に設けられ、前記放熱部の前記軸線側の端部を支持し、前記放熱部と前記底部とを前記第1方向に離間させる第2支持部と、
を備える、温度調節装置。
【請求項2】
前記第2支持部は、
前記第1支持部と前記第2方向に離間して設けられ、前記放熱部を支持する本体部と、
前記本体部から前記第1方向で前記載置部側に延び、前記第1方向で前記載置部側の端部で前記第1支持部に接続された接続部と、
を有する、請求項1に記載の温度調節装置。
【請求項3】
前記軸線から前記第2方向に離間した前記底部の外周部に設けられ、前記底部から前記第1方向で前記載置部側に延び、前記軸線から前記第2方向に離間した前記載置部の外周部を支持する側部をさらに備える、請求項1又は2に記載の温度調節装置。
【請求項4】
前記第1方向で前記載置部と前記底部との間に設けられ、前記軸線から前記第2方向に離間した前記放熱部の外周部を支持する第3支持部をさらに備える、請求項1又は2に記載の温度調節装置。
【請求項5】
前記第2支持部は、前記第1支持部から前記第2方向に張り出し、前記放熱部の前記第2方向で前記軸線側の内側面に固定されている、請求項1又は2に記載の温度調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造装置では、ウェーハの温度調節を行う温度調節装置が用いられる。
例えば特許文献1には、温度調節装置の一例として、ウェーハを冷却する円形冷却プレートが記載されている。この円形冷却プレートは、一対の伝熱板間に複数のペルチェ素子を配設してなるサーモモジュールを備えている。
【0003】
このような温度調節装置では、トッププレートとボトムプレートとの間に熱源としてペルチェモジュールが配置され、ボトムプレート上に、ペルチェモジュール、トッププレートが積層されている。ボトムプレートは、下面に他の装置に搭載される搭載面を有し、トッププレートは、上面にウェーハ等の温調対象物が載置される載置面を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、温調時には、温度変化によってトッププレートとボトムプレートとが膨張、収縮する。通常、温度調節装置を構成する各部材で、膨張率や温度条件が異なる。このため、部材間で膨張・収縮量に差が生じる。上述した従来の温度調節装置では、トッププレートがボトムプレートに積層されているため、この膨張・収縮量の差によって、トッププレートの載置面がボトムプレートの搭載面に対して傾くように変形する虞がある。
特に半導体業界では、載置面には、例えば0.015mm程度の高い平行度が求められている。しかしながら、上述した従来技術では、温度変化によらず0.015mm程度の高い平行度を維持することが困難とされていた。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、載置面の平行度を改善することができる温度調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る温度調節装置は、温調対象物が載置される載置面を有する載置部と、前記載置部と第1方向に対向する底部と、前記載置部と前記底部とによって前記第1方向両側から挟み込まれ、前記載置部の中央部を支持する第1支持部と、前記第1方向で前記載置部と前記底部との間に配置され、前記載置部を介して前記温調対象物の加熱及び冷却が可能な熱源と、前記第1方向で前記熱源と前記底部との間に配置され、前記熱源と熱交換を行う放熱部と、前記第1方向で前記載置部と前記底部との間に配置され、前記中央部を通り前記第1方向に延びる軸線に交差する第2方向で、前記軸線側に設けられ、前記放熱部の前記軸線側の端部を支持し、前記放熱部と前記底部とを前記第1方向に離間させる第2支持部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、載置面の平行度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る、温度調節装置を示す平面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る温度調節装置のトッププレートの外周部を示す拡大図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る側部の斜視図である。
【
図5】本発明の第1の変形例に係る温度調節装置の断面図である。
【
図6】本発明の第2の変形例に係る温度調節装置の断面図である。
【
図7】本発明の第3の変形例に係る温度調節装置の断面図である。
【
図8】本発明の第4の変形例に係る温度調節装置のトッププレートの外周部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(温度調節装置の構成)
以下、本発明の実施形態に係る温度調節装置1について、
図1から
図4を参照して説明する。
図1に示す温度調節装置1は、例えば、半導体の製造装置に設置されている。この温度調節装置1は、半導体製造装置においてプラズマ処理、エッチング処理等の所定の処理が施される半導体ウェーハAを下方から支持する。温度調節装置1は、半導体ウェーハAを、所定の処理に適した温度に調節する。
【0011】
図1及び、
図2に示すように、温度調節装置1は、トッププレート10(載置部)と、ボトムプレート20(底部)と、第1支持部30と、側部40と、ペルチェモジュール2(熱源)と、クーリングプレート50(放熱部)と、第2支持部60と、を備える。
【0012】
(トッププレート)
トッププレート10は、温調対象物(本実施形態の場合は半導体ウェーハA)が載置される載置面11を有する。トッププレート10は、伝熱材により形成された、厚さが一様な円板状の部材である。以下では、トッププレート10の中心軸線Oを、単に軸線Oと称する。この軸線Oは、トッププレート10の中央部12を通り、トッププレート10の板厚方向で一直線状に延びている。この中央部12とは、板厚方向視でトッププレート10の中心Cを含む、中心C近傍の所定の領域である。本実施形態では、軸線Oは、中央部12のうち中心Cを通る。なお、軸線Oは、中央部12のうち中心Cから僅かにずれた位置を通るように延びていてもよい。
さらに、この軸線Oの径方向を単に「径方向」と称し、この軸線Oの周方向を単に「周方向」と称する。径方向は、軸線O方向と交差(直交)している。軸線O方向は第1方向の一例であり、径方向は第2方向の一例である。
また、以下では、トッププレート10が水平面に沿って配置され、トッププレート10の軸線Oが鉛直上下方向に延びている場合を例に説明する。
【0013】
また、トッププレート10の中央部12の下面には、締結孔13が形成されている。
上述したトッププレート10は、下方に配置された後述のペルチェモジュール2の熱の影響を受けて膨張収縮する。例えば、高温時にはトッププレート10が径方向に膨張し、低温時にはトッププレート10が径方向に収縮する。
【0014】
(ボトムプレート)
ボトムプレート20は、トッププレート10と軸線O方向に対向した位置に配置されている。ボトムプレート20は、中心軸線が軸線Oと一致した円板状に形成されている。ボトムプレート20は、トッププレート10と略同径に形成されている。
【0015】
ボトムプレート20は、軸線O方向でトッププレート10とは反対側に搭載面21を有する。搭載面21は、載置面11に対して平行に延在している。ボトムプレート20は、この搭載面21で半導体製造装置の装置本体等に搭載される。
また、ボトムプレート20には、軸線Oに沿って貫通した挿通孔22が形成されている。
【0016】
(第1支持部)
第1支持部30はトッププレート10とボトムプレート20とによって軸線O方向両側から挟み込まれている。第1支持部30は、トッププレート10の中央部12を支持する。第1支持部30は、軸線Oに沿って一方向に延びている。第1支持部30は、第1部分31と、第2部分32と、ボルト33とを有する。第1部分31と第2部分32とは、軸線Oに沿って並んで配置されている。第1部分31は軸線O方向でボトムプレート20側に配置され、第2部分32は軸線O方向でトッププレート10側に配置されている。
【0017】
第1部分31は、本実施形態ではボトムプレート20と一体形成されている。第1部分31は、基部31aと、凹部31bと、凸部31cとを有する。基部31aは、ボトムプレート20から軸線O方向に延びる円柱状の部材である。凹部31bは、基部31aの軸線O方向でボトムプレート20側の端部に設けられている。凹部31bは、ボトムプレート20の挿通孔22と連通している。凸部31cは、基部31aの軸線O方向でトッププレート10側の端部から第2部分32に向けて突出している。
【0018】
第2部分32は、基部32aと、凹部32bと、凸部32cとを有する。基部32aは、第1部分31の基部31aと同様に、軸線O方向に延びる円柱状の部材である。ただし、第2部分32の基部32aは、第1部分31の基部31aよりも僅かに大径に形成されている。凹部32bは、基部32aの軸線O方向でボトムプレート20側の端部に設けられている。凸部32cは、基部32aの軸線O方向でトッププレート10側の端部からトッププレート10に向けて突出している。凸部32cは、トッププレート10の締結孔13内に配置されている。凸部32cと締結孔13とが締結固定されることにより、第1支持部30に対してトッププレート10が固定されている。
【0019】
ボルト33は、ネジ部33bと、ヘッド33aとを有する。ボルト33は、第1部分31の凹部31bから軸線O方向に挿通されている。ネジ部33bは、第1部分31を貫通して第2部分32の基部32a内まで延び、ネジ部33bの先端部が第2部分32に締結されている。また、ヘッド33aは、第1部分31の凹部31b内に完全に収容されている。
【0020】
(側部)
側部40は、軸線Oから径方向に離間したボトムプレート20の外周部23に設けられている。側部40は、ボトムプレート20から軸線O方向でトッププレート10側に向けて延びている。側部40は、軸線Oから径方向に離間したトッププレート10の外周部14を支持する。本実施形態では、側部40は、ボトムプレート20の外周部23の全周に亘って設けられた、外周壁である。側部40によって、温度調節装置1の内部構造が遮蔽されている。さらに、
図3に示すように、側部40の軸線O方向でトッププレート10側の接触部41は、軸線O方向でトッププレート10側に向かうに従い先細るように形成されている。
また、
図4に示すように、接触部41には、溝部42が形成されている。溝部42は、例えば周方向に等間隔に並んで複数形成されている。
上述した側部40によって囲われた領域には、ペルチェモジュール2が配置されている。
【0021】
(ペルチェモジュール)
ペルチェモジュール2は、軸線O方向でトッププレート10とボトムプレート20との間に配置されている。ペルチェモジュール2は、トッププレート10を介して温調対象物の加熱及び冷却が可能とされている。ペルチェモジュール2は、第1支持部30を径方向外側から囲うように設けられている。
【0022】
(クーリングプレート)
クーリングプレート50は、軸線O方向でペルチェモジュール2とボトムプレート20との間に配置され、ペルチェモジュール2と熱交換を行う。クーリングプレート50は、第1支持部30を径方向外側から囲う円環板状に形成されている。クーリングプレート50内には、冷媒Fが流通する流路51が形成されている。クーリングプレート50は、流路51内を流れる冷媒Fと、ペルチェモジュール2とで熱交換を行い、ペルチェモジュール2を冷却する。クーリングプレート50の内周側には、クーリングプレート50を下方から支持する第2支持部60が設けられている。
【0023】
(第2支持部)
第2支持部60は、軸線O方向でトッププレート10とボトムプレート20との間に配置されている。第2支持部60は、径方向で軸線O側に設けられている。第2支持部60は、クーリングプレート50の中央部12側の端部を支持し、クーリングプレート50とボトムプレート20とを軸線O方向に離間させている。
【0024】
本実施形態では、第2支持部60は、第1支持部30と径方向に離間して設けられ、クーリングプレート50を支持する本体部61と、本体部61から軸線O方向でトッププレート10側に延び、軸線O方向でトッププレート10側の端部で第1支持部30に接続された接続部62と、を有する。より詳細には、本体部61は、第1支持部30を径方向外側から囲う円環状に形成され、接続部62は、本体部61の内周端から軸線O方向でトッププレート10側に延びる円筒状に形成されている。接続部62は、内周面で第1支持部30の第2部分32の外周面と例えば螺合することによって固定されている。
また、ボトムプレート20の外周部23には、第3支持部70が設けられている。
【0025】
(第3支持部)
第3支持部70は、軸線O方向でトッププレート10とボトムプレート20との間に設けられている。第3支持部70は、軸線Oから径方向に離間したクーリングプレート50の外周部52を支持している。本実施形態の第3支持部70は、ボトムプレート20から軸線O方向に延びるボルトである。第3支持部70の軸線O方向でボトムプレート20側の端部がボトムプレート20と螺合することにより、第3支持部70は、ボトムプレート20に固定されている。第3支持部70の軸線O方向でトッププレート10側の端部には、クーリングプレート50が載置されている。第3支持部70は、周方向に並んで複数個(例えば8~12個)形成されている。
【0026】
このように、上述した温度調節装置1では、クーリングプレート50、ペルチェモジュール2、トッププレート10は、軸線O方向に順に積層されている。一方で、クーリングプレート50とボトムプレート20とは、第2支持部60と第3支持部70とによって軸線O方向に離間されている。
【0027】
<効果>
上述した実施形態の温度調節装置1は、以下に示す効果を発揮することができる。
本実施形態では、第2支持部60が径方向で軸線O側に設けられ、クーリングプレート50の軸線O側の端部を支持し、クーリングプレート50とボトムプレート20とを離間させている。
【0028】
これにより、クーリングプレート50の熱膨張収縮による変形がクーリングプレート50とボトムプレート20との間の空間ににげることができる。よって、クーリングプレート50の変形がトッププレート10に伝達されにくくなり、トッププレート10の載置面11の平行度の改善することができる。
また、トッププレート10は中央部12でのみ固定されており、径方向に自由に伸長することが可能となる。
【0029】
本実施形態では、第2支持部60は、第1支持部30と軸線O方向に離間して設けられ、クーリングプレート50を支持する本体部61と、軸線O方向でトッププレート10側に延び、軸線O方向でトッププレート10側の端部で第1支持部30に接続された接続部62と、を有する。
【0030】
これにより、クーリングプレート50とボトムプレート20とが熱的に離間され、ボトムプレート20が熱膨張収縮を起こすことが抑制される。これにより、ボトムプレート20からトッププレート10へ伝達されてしまう変形量が減少し、トッププレート10の傾きが抑制される。よって、トッププレート10の載置面11の平行度がより一層改善される。
【0031】
本実施形態では、温度調節装置1は、ボトムプレート20の外周部23に設けられ、ボトムプレート20から軸線O方向でトッププレート10側に延び、トッププレート10の外周部14を支持する側部40をさらに備える。
【0032】
これにより、トッププレート10が外周側からも支持されるので、安定性が向上される。よって、トッププレート10の傾きが抑制されるので、トッププレート10の載置面11の平行度がより一層改善される。
【0033】
本実施形態では、温度調節装置1は、軸線O方向でトッププレート10とボトムプレート20との間に設けられ、クーリングプレート50の外周部52を支持する第3支持部70をさらに備える。
【0034】
これにより、クーリングプレート50が外周側からも支持されるので、安定性が向上される。
【0035】
本実施形態では、側部40の軸線O方向でトッププレート10側の接触部41は、軸線O方向でトッププレート10側に向かうに従い先細るように形成されている。
【0036】
これにより、側部40とトッププレート10側との接触面積が減少するため、トッププレート10の膨張、収縮が側部40によって妨げられること抑制することができる。よって、トッププレート10の載置面11が傾くことが抑制されるので、載置面11の平行度が改善される。
【0037】
さらに、本実施形態では、接触部41には、溝部42が形成されている。
【0038】
これにより、側部40とトッププレート10側との接触面積をより一層減少させることができるため、トッププレート10の膨張、収縮が側部40によって妨げられることより一層抑制することができる。よって、トッププレート10の載置面11が傾くことが抑制されるので、載置面11の平行度がより一層改善される。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記実施形態では、温度調節装置1は、半導体の製造装置に設置されているとしたが、これに限られず、半導体の検査装置に設置されていてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、温調対象物が半導体ウェーハAである場合を例に説明したが、これに限られない。
【0041】
また、上記実施形態では、載置部が一様な厚さを有した円板状の部材(トッププレート10)である場合を例に説明したが、これに限られない。載置部は、平坦な載置面11を有し、熱源によって加熱、冷却が可能な程度の厚さであればよい。例えば、載置部は、矩形板状であってもよく、ブロック状であってもよい。
【0042】
また、例えば、
図5に示すように、温度調節装置1は、トッププレート10の外周部14を支持する側部40を備えていなくてもよい。また、第1支持部30は、第1部分31と第2部分32とに分割されておらず、一本の柱状の部材であってもよい。上記実施形態では、第2支持部60が本体部61と接続部62と有した断面視L字状に形成されている場合を例に説明した。しかしながら、これに限られず、
図5で例示されるように、第2支持部60は、第1支持部30から径方向外側に向けて張り出したフランジ状に形成され、このフランジ状の第2支持部60上にクーリングプレート50が載置されていてもよい。
【0043】
また、例えば、
図6に示すように、第2支持部60は、第1支持部30から径方向外側にフランジ状に張り出していてもよい。この変形例では、第2支持部60は、クーリングプレート50の径方向で軸線O側の内周部53に固定されている。より詳細には、第2支持部60の径方向外側の端部は、例えば締結や溶接等によって内周部53の径方向で軸線O側を向く内側面53aに固定されている。この場合、温度調節装置1の軸線O方向の寸法が短くなり、温度調節装置1をより一層小型に製造することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、第3支持部70は、ボトムプレート20から軸線O方向に延びるボルトであるとしたが、これに限られない。例えば
図7に示すように、第3支持部70は、側部40の内周面から径方向内側に向けて延びる板状の部材であってもよい。また、温度調節装置1は、第3支持部70を備えていなくてもよい。ただし、温度調節装置1が第3支持部70を備えている場合の方が、ペルチェモジュール2やクーリングプレート50を安定して支持できるという点で優位性がある。
【0045】
また、例えば、
図8に示すように、トッププレート10の外周部14には、軸線O方向でボトムプレート20側に延びる固定部15が設けられていてもよい。固定部15は、側部40に径方向外側から重ねて配置され、ネジ16によって径方向に固定されている。これにより、トッププレート10と側部40とが連結されるので、温度調節装置1の強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1…温度調節装置、2…ペルチェモジュール(熱源)、10…トッププレート(載置部)、11…載置面、12…中央部、13…締結孔、14…外周部、15…固定部、16…ネジ、20…ボトムプレート(底部)、21…搭載面、22…挿通孔、23…外周部、30…第1支持部、31…第1部分、31a…基部、31b…凹部、31c…凸部、32…第2部分、32a…基部、32b…凹部、32c…凸部、33…ボルト、33a…ヘッド、33b…ネジ部、40…側部、41…接触部、42…溝部、50…クーリングプレート(放熱部)、51…流路、52…外周部、53…内周部、53a…内側面、60…第2支持部、61…本体部、62…接続部、70…第3支持部、A…半導体ウェーハ、C…中心、F…冷媒、O…軸線