(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114192
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0687 20060101AFI20240816BHJP
H01S 5/065 20060101ALI20240816BHJP
H01S 5/026 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01S5/0687
H01S5/065
H01S5/026 610
H01S5/026 650
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019788
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 玲
(72)【発明者】
【氏名】金堂 晃久
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173SA08
5F173SA12
5F173SA26
5F173SC01
5F173SE02
5F173SG21
(57)【要約】
【課題】レーザ光の波長を迅速に目標波長に制御すること。
【解決手段】波長可変レーザ装置1の制御装置3は、第1,第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出部311と、レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、レーザ光の波長を目標波長へと切り替える際の発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、目標波長に対応するとともにモニタ値の目標となる制御目標値を補正した補正目標値を生成する目標値補正部313と、モニタ値と、補正目標値とに基づいて、波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を目標波長に制御する動作制御部314とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、
前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、
前記温度調節器上に載置された発熱体と、
前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、
入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、
前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、
前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出部と、
前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記目標波長に対応するとともに前記モニタ値の目標となる制御目標値を補正した補正目標値を生成する目標値補正部と、
前記モニタ値と、前記補正目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御部とを備える
ことを特徴とする波長可変レーザ装置。
【請求項2】
前記発熱体は、
複数、設けられ、
前記特定の時定数は、
前記発熱体毎に異なる
ことを特徴とする請求項1に記載の波長可変レーザ装置。
【請求項3】
前記特定の時定数は、
前記発熱体の発熱量が増加する時と減少する時とで異なる
ことを特徴とする請求項1に記載の波長可変レーザ装置。
【請求項4】
出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、
前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、
前記温度調節器上に載置された発熱体と、
前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、
入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、
前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、
前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出部と、
前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記モニタ値を補正した補正モニタ値を生成するモニタ値補正部と、
前記補正モニタ値と、前記目標波長に対応するとともに前記補正モニタ値の目標となる制御目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御部とを備える
ことを特徴とする波長可変レーザ装置。
【請求項5】
出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、前記温度調節器上に載置された発熱体と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、
前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記目標波長に対応するとともに前記モニタ値の目標となる制御目標値を補正した補正目標値を生成する目標値補正ステップと、
前記モニタ値と、前記補正目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御ステップとを備える
ことを特徴とする波長可変レーザ装置の波長制御方法。
【請求項6】
出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、前記温度調節器上に載置された発熱体と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、
前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記モニタ値を補正した補正モニタ値を生成するモニタ値補正ステップと、
前記補正モニタ値と、前記目標波長に対応するとともに前記補正モニタ値の目標となる制御目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御ステップとを備える
ことを特徴とする波長可変レーザ装置の波長制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、波長可変レーザ装置において、入射する光の波長に対して周期的な透過特性(または反射特性)を有する光フィルタを用いて、出力するレーザ光の波長を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の波長可変レーザ装置は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、エタロン等の光フィルタと、光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、波長可変光源部の動作を制御する制御装置(演算回路)とを備える。
ここで、制御装置は、第1,第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出する。また、制御装置は、光フィルタにおける所定の温度(以下、基準温度と記載)での透過特性(または反射特性)を用いて、レーザ光の目標波長に対応し、当該モニタ値の目標となる制御目標値を設定する。そして、制御装置は、モニタ値が制御目標値に合致するように、波長可変光源部の動作を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光フィルタの透過特性(または反射特性)は、当該光フィルタの温度が基準温度からずれると、波長軸上で全体がシフトするものである。すなわち、光フィルタの温度が基準温度からずれているにも拘らず、当該基準温度での透過特性(または反射特性)を用いて、レーザ光の目標波長に対応する制御目標値を設定した場合には、光フィルタの透過特性(または反射特性)が基準温度での透過特性(または反射特性)から波長軸上でシフトしているため、当該制御目標値は、レーザ光の目標波長に対応した値とはならない。このため、モニタ値が当該制御目標値に合致するように波長可変光源部の動作を制御すると、レーザ光の波長は、目標波長からずれた波長に制御されてしまう。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の波長可変レーザ装置では、温度制御装置によって、光フィルタの温度を基準温度となるように制御している。しかしながら、レーザ光の波長を現在の波長から特定の目標波長に切り替える際には、当該特定の目標波長への切替に伴う光フィルタへの熱流入によって、当該光フィルタの温度は、基準温度から時間の経過とともに変化する。すなわち、光フィルタの透過特性(または反射特性)は、時間の経過とともに波長軸上で順次、変化する。このため、光フィルタの透過特性(または反射特性)が基準温度で平衡状態となるまで待たなければ、当該光フィルタの波長軸上での透過特性(または反射特性)のシフトが安定しないため、当該レーザ光の波長を当該目標波長に切り替えることができない、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザ光の波長を迅速に目標波長に制御することができる波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る波長可変レーザ装置は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、前記温度調節器上に載置された発熱体と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出部と、前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記目標波長に対応するとともに前記モニタ値の目標となる制御目標値を補正した補正目標値を生成する目標値補正部と、前記モニタ値と、前記補正目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る波長可変レーザ装置では、上記発明において、前記発熱体は、複数、設けられ、前記特定の時定数は、前記発熱体毎に異なることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る波長可変レーザ装置では、上記発明において、前記特定の時定数は、前記発熱体の発熱量が増加する時と減少する時とで異なることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る波長可変レーザ装置は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、前記温度調節器上に載置された発熱体と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出部と、前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記モニタ値を補正した補正モニタ値を生成するモニタ値補正部と、前記補正モニタ値と、前記目標波長に対応するとともに前記補正モニタ値の目標となる制御目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る波長可変レーザ装置の波長制御方法は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、前記温度調節器上に載置された発熱体と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記目標波長に対応するとともに前記モニタ値の目標となる制御目標値を補正した補正目標値を生成する目標値補正ステップと、前記モニタ値と、前記補正目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る波長可変レーザ装置の波長制御方法は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部が載置され、前記波長可変光源部の温度を調節する温度調節器と、前記温度調節器上に載置された発熱体と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的な透過特性または反射特性を有し、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光を当該透過特性に応じた透過率で透過、または当該反射特性に応じた反射率で反射する光フィルタと、前記光フィルタを透過または反射したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長に対応するモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、前記レーザ光の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間と、前記レーザ光の波長を前記目標波長へと切り替える際の前記発熱体の発熱量の変動量と、特定の時定数とに基づいて、前記モニタ値を補正した補正モニタ値を生成するモニタ値補正ステップと、前記補正モニタ値と、前記目標波長に対応するとともに前記補正モニタ値の目標となる制御目標値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法によれば、レーザ光の波長を迅速に目標波長に制御することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る波長可変レーザ装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、波長可変光源部の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、記憶部に記憶された透過特性情報を示す図である。
【
図5】
図5は、記憶部に記憶されたシフト量算出用情報を示す図である。
【
図6】
図6は、記憶部に記憶された波長電力情報を示す図である。
【
図7】
図7は、制御装置による波長制御方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る記憶部に記憶されたシフト量算出用情報を示す図である。
【
図10】
図10は、実施の形態3に係る記憶部に記憶されたシフト量算出用情報を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態5に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、制御装置による波長制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、図中で適宜xyz座標軸を示し、これにより方向を説明する。
【0016】
(実施の形態1)
〔波長可変レーザ装置の概略構成〕
図1は、実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1の構成を示す図である。
波長可変レーザ装置1は、モジュール化された波長可変レーザモジュール2と、当該波長可変レーザモジュール2の動作を制御する制御装置3とを備える。
なお、
図1では、波長可変レーザモジュール2と制御装置3とを別体で構成しているが、当該各部材2,3を一体にモジュール化しても構わない。
【0017】
〔波長可変レーザモジュールの構成〕
波長可変レーザモジュール2は、制御装置3による制御の下、出力するレーザ光の波長を複数の波長のうちいずれか一波長のレーザ光に可変とし、当該一波長のレーザ光を出力する。この波長可変レーザモジュール2は、波長可変光源部4と、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)5と、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)6と、光検出部7と、温度センサ8と、温度調節器9とを備える。
【0018】
図2は、波長可変光源部4の構成を示す図である。
波長可変光源部4は、例えばバーニア効果を利用した波長可変レーザであり、制御装置3による制御の下、レーザ光L1を出力する。この波長可変光源部4は、出力するレーザ光L1の波長を可変とする光源部41と、制御装置3から供給される電力に応じて発熱する3つのマイクロヒータ421~423を有し、光源部41を局所的に加熱することで、光源部41から出力されるレーザ光L1の波長を変更する波長可変部42とを備える。
【0019】
光源部41は、共通の基部B1上にそれぞれ形成された第1,第2の導波路部43,44を備える。ここで、基部B1は、例えばn型InPからなる。そして、基部B1の裏面には、例えばAuGeNiを含んで構成され、当該基部B1とオーミック接触するn側電極45が形成されている。
【0020】
第1の導波路部43は、埋め込み導波路構造を有している。この第1の導波路部43は、導波路部431と、半導体積層部432と、p側電極433とを備える。
導波路部431は、半導体積層部432内にz方向に延伸するように形成されている。
また、第1の導波路部43内には、利得部431aと、DBR(Distributed Bragg Reflector)型の回折格子層431bとが配置されている。
ここで、利得部431aは、InGaAsPからなる多重量子井戸構造と光閉じ込め層とを有する活性層である。また、回折格子層431bは、InGaAsPとInPとからなる標本化回折格子で構成されている。
【0021】
半導体積層部432は、InP系半導体層が積層して構成されており、導波路部431に対してクラッド部の機能等を備える。
p側電極433は、半導体積層部432上において、利得部431aに沿うように配置されている。なお、半導体積層部432上には、SiN保護膜(図示略)が形成されている。そして、p側電極433は、当該SiN保護膜に形成された開口部(図示略)を介して半導体積層部432に接触している。
ここで、マイクロヒータ421は、半導体積層部432のSiN保護膜上において、回折格子層431bに沿うように配置されている。そして、マイクロヒータ421は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、回折格子層431bを加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ421に供給する電力を制御することによって回折格子層431bの温度が変化し、その屈折率が変化する。
【0022】
第2の導波路部44は、2分岐部441と、2つのアーム部442,443と、リング状導波路444とを備える。
2分岐部441は、1×2型の多モード干渉型(MMI)導波路441aを含む1×2型の分岐型導波路で構成され、2ポート側が2つのアーム部442,443のそれぞれに接続されるとともに1ポート側が第1の導波路部43側に接続されている。すなわち、2分岐部441により、2つのアーム部442,443は、その一端が統合され、回折格子層431bと光学的に結合される。
【0023】
アーム部442,443は、いずれもz方向に延伸し、リング状導波路444を挟むように配置されている。これらアーム部442,443は、リング状導波路444といずれも同一の結合係数κでリング状導波路444と光学的に結合している。κの値は、例えば0.2である。そして、アーム部442,443とリング状導波路444とは、リング共振器フィルタRF1を構成している。また、リング共振器フィルタRF1と2分岐部441とは、反射ミラーM1を構成している。
ここで、マイクロヒータ422は、リング状であり、リング状導波路444を覆うように形成されたSiN保護膜(図示略)上に配置されている。そして、マイクロヒータ422は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、リング状導波路444を加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ422に供給する電力を制御することによってリング状導波路444の温度が変化し、その屈折率が変化する。
【0024】
上述した2分岐部441、アーム部442,443、及びリング状導波路444は、いずれも、InGaAsPからなる光導波層44aがInPからなるクラッド層によって挟まれたハイメサ導波路構造を有している。
ここで、マイクロヒータ423は、アーム部443の一部のSiN保護膜(図示略)上に配置されている。当該アーム部443のうちマイクロヒータ423の下方の領域は、光の位相を変化させる位相調整部445として機能する。そして、マイクロヒータ423は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、位相調整部445を加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ423に供給する電力を制御することによって位相調整部445の温度が変化し、その屈折率が変化する。
【0025】
以上説明した第1,第2の導波路部43,44は、互いに光学的に接続された回折格子層431bと反射ミラーM1とにより構成される光共振器C1を構成している。また、利得部431aと位相調整部445とは、光共振器C1内に配置される。
【0026】
回折格子層431bは、略所定の波長間隔で略周期的な反射特性を有する第1の櫛状反射スペクトルを生成する。一方、リング共振器フィルタRF1は、略所定の波長間隔で略周期的な反射特性を有する第2の櫛状反射スペクトルを生成する。
ここで、第2の櫛状反射スペクトルは、第1の櫛状反射スペクトルのピークの半値全幅よりも狭い半値全幅のピークを有し、第1の櫛状反射スペクトルの波長間隔とは異なる波長間隔で略周期的な反射特性を有する。但し、屈折率の波長分散を考慮すると、スペクトル成分は厳密には等波長間隔になっていないことに注意が必要である。
【0027】
各櫛状反射スペクトルの特性について例示すると、第1の櫛状反射スペクトルのピーク間の波長間隔(自由スペクトル領域:FSR)は、光の周波数で表すと373GHzである。また、各ピークの半値全幅は、光の周波数で表すと43GHzである。一方、第2の櫛状反射スペクトルのピーク間の波長間隔(FSR)は、光の周波数で表すと400GHzである。また、各ピークの半値全幅は、光の周波数で表すと25GHzである。すなわち、第2の櫛状反射スペクトルの各ピークの半値全幅(25GHz)は、第1の櫛状反射スペクトルの各ピークの半値全幅(43GHz)より狭い。
【0028】
波長可変光源部4では、レーザ発振を実現するために、第1の櫛状反射スペクトルのピークの一つと第2の櫛状反射スペクトルのピークの一つとを波長軸上で重ね合わせ可能に構成されている。このような重ね合わせは、マイクロヒータ421,422の少なくとも一つを用いて、マイクロヒータ421により回折格子層431bを加熱して熱光学効果によりその屈折率を変化させて第1の櫛状反射スペクトルを波長軸上で全体的に移動させて変化させる、及び、マイクロヒータ422によりリング状導波路444を加熱してその屈折率を変化させて第2の櫛状反射スペクトルを波長軸上で全体的に移動させて変化させる、の少なくともいずれか一つを行うことにより、実現することができる。
【0029】
一方、波長可変光源部4において、光共振器C1による共振器モードが存在する。そして、波長可変光源部4において、共振器モードの間隔(縦モード間隔)は、25GHz以下となるように光共振器C1の共振器長が設定されている。この設定の場合、光共振器C1の共振器長は、1800μm以上となり、発振するレーザ光の狭線幅化を期待することができる。なお、光共振器C1の共振器モードの波長は、マイクロヒータ423を用いて位相調整部445を加熱してその屈折率を変化させて共振器モードの波長を波長軸上で全体的に移動させることにより微調整することができる。すなわち、位相調整部445は、光共振器C1の光路長を能動的に制御するための部分である。
【0030】
波長可変光源部4は、制御装置3により、n側電極45及びp側電極433から利得部431aへ電流を注入し、利得部431aを発光させると、第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル成分のピーク、第2の櫛状反射スペクトルのスペクトル成分のピーク、及び光共振器C1の共振器モードの一つが一致した波長、例えば1550nmでレーザ発振し、レーザ光L1を出力するように構成されている。
また、波長可変光源部4では、バーニア効果を利用してレーザ光L1の波長を変化させることができる。例えば、回折格子層431bをマイクロヒータ421で加熱すると、熱光学効果により回折格子層431bの屈折率が上昇し、回折格子層431bの第1の櫛状反射スペクトルは、全体的に長波側にシフトする。その結果、1550nm付近における第1の櫛状反射スペクトルのピークは、リング共振器フィルタRF1の第2の櫛状反射スペクトルのピークとの重なりが解かれ、長波側に存在する第2の櫛状反射スペクトルの別のピーク(例えば1556nm付近)に重なる。さらに、位相調整部445をチューニングして共振器モードを微調し、共振器モードの一つを二つの櫛状反射スペクトルに重ねることで、1556nm付近でのレーザ発振を実現することができる。すなわち、波長可変光源部4では、回折格子層431bに対するマイクロヒータ421とリング共振器フィルタRF1に対するマイクロヒータ422とにより第1,第2の櫛状反射スペクトルをそれぞれチューニングすることで粗調、位相調整部445に対するマイクロヒータ423により共振器長をチューニングすることで微調を行う波長可変動作が実現される。
【0031】
半導体光増幅器5は、具体的な図示は省略したが、第1の導波路部43と同様の材料及び構造からなる活性コア層を備える埋め込み導波路構造を有する。但し、回折格子層431bは設けられていない。この半導体光増幅器5は、空間結合光学系(図示略)により波長可変光源部4に対して光学的に結合している。そして、波長可変光源部4から出力されたレーザ光L1は、半導体光増幅器5に入力される。また、半導体光増幅器5は、レーザ光L1を増幅してレーザ光L2として出力する。なお、半導体光増幅器5は、基部B1上に、波長可変光源部4とモノリシックに構成されていてもよい。
【0032】
平面光波回路6は、空間結合光学系(図示略)によりアーム部442に光学的に結合している。そして、レーザ光L1と同様に波長可変光源部4におけるレーザ発振により発生したレーザ光L3の一部は、アーム部442を介して平面光波回路6に入力される。なお、レーザ光L3は、レーザ光L1の波長と同一の波長を有する。この平面光波回路6は、
図1に示すように、光分岐部61と、光導波路62と、リング共振器型光フィルタ63aを有する光導波路63と、リング共振器型光フィルタ64aを有する光導波路64とを備える。
【0033】
光分岐部61は、入力したレーザ光L3を3つのレーザ光L4~L6に分岐する。
そして、光導波路62は、レーザ光L4を光検出部7における後述するPD(Photo Diode)71に導波する。また、光導波路63は、レーザ光L5を光検出部7における後述するPD72に導波する。さらに、光導波路64は、レーザ光L6を光検出部7における後述するPD73に導波する。
ここで、リング共振器型光フィルタ63a,64aは、入射する光の波長に対して周期的な透過特性をそれぞれ有し、当該透過特性に応じた透過率でレーザ光L5,L6をそれぞれ選択的に透過する。そして、リング共振器型光フィルタ63a,64aを透過したレーザ光L5,L6は、PD72,73にそれぞれ入力する。すなわち、リング共振器型光フィルタ63a,64aは、本発明に係る光フィルタに相当する。以下では、説明の便宜上、リング共振器型光フィルタ63a,64aを光フィルタ63a,64aと記載する。
なお、光フィルタ63a,64aは、例えば、1周期の1/3~1/5の範囲で互いに位相が異なる透過特性を有する。
【0034】
光検出部7は、
図1に示すように、PD71~73を備える。
PD71は、レーザ光L4(波長可変光源部4から出力されたレーザ光L1と同一)を受光し、当該レーザ光L4の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD71は、本発明に係る第1の受光素子に相当する。
PD72は、光フィルタ63aを透過したレーザ光L5を受光し、当該レーザ光L5の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD72は、本発明に係る第2の受光素子に相当する。
PD73は、光フィルタ64aを透過したレーザ光L6を受光し、当該レーザ光L6の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD73は、本発明に係る第2の受光素子に相当する。
そして、PD71~73からそれぞれ出力された電気信号は、制御装置3による波長ロック制御(波長可変光源部4から出力されるレーザ光L1を目標波長にするための制御)に用いられる。
【0035】
温度センサ8は、例えばサーミスタ等で構成され、波長可変光源部4及び平面光波回路6の周囲温度を検出する。
温度調節器9は、例えばペルチェ素子を含むTEC(Thermo Electric Cooler)等で構成されている。この温度調節器9の設置面91には、波長可変光源部4、半導体光増幅器5、平面光波回路6、及び光検出部7が載置される。そして、温度調節器9は、制御装置3による制御の下、当該制御装置3から供給された電力に応じて当該各部材4~7の温度を基準温度となるように調節する。
【0036】
〔制御装置の構成〕
次に、制御装置3の構成について説明する。
図3は、制御装置3の構成を示すブロック図である。
制御装置3は、例えばユーザインターフェースを備えた上位の制御装置(図示略)と接続されており、当該上位の制御装置を介したユーザからの指示にしたがって、波長可変レーザモジュール2の動作を制御する。
なお、以下では、本発明の要部である制御装置3による波長ロック制御を主に説明する。また、
図3では、説明の便宜上、制御装置3の構成として、波長ロック制御を実行する構成のみを図示している。さらに、以下で説明する波長ロック制御では、説明の便宜上、PD72,73からそれぞれ出力された電気信号のうち、PD72から出力された電気信号を用いることとする。
この制御装置3は、
図3に示すように、制御部31と、記憶部32とを備える。
【0037】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のコントローラによって、記憶部32に記憶された各種のプログラムが実行されることにより実現され、波長可変レーザ装置1全体の動作を制御する。なお、制御部31は、CPUやMPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されても構わない。この制御部31は、
図3に示すように、モニタ値算出部311と、目標値算出部312と、目標値補正部313と、動作制御部314とを備える。
【0038】
モニタ値算出部311は、PD71から出力された電気信号の出力値とPD72から出力された電気信号の出力値とに基づいて、レーザ光L1の波長に対応するモニタ値を算出する。本実施の形態1では、モニタ値算出部311は、PD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率をモニタ値(以下、PD比と記載)として算出する。
【0039】
目標値算出部312は、上位の制御装置(図示略)から取得した目標波長と、記憶部32に記憶された透過特性情報とに基づいて、PD比の目標となる制御目標値を算出する。
【0040】
図4は、記憶部32に記憶された透過特性情報を示す図である。なお、
図4では、光フィルタ63aが基準温度に設定された場合での透過特性情報を示している。
透過特性情報は、複数の波長λ1~λn[nm]と、レーザ光L1の波長を当該波長λ1~λn[nm]にそれぞれ設定した場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率である各PD比の参照値となる複数の制御参照値とがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、PD比は、光フィルタ63aの透過率に略比例する。このため、透過特性情報は、光フィルタ63aにおける透過特性を示す情報である。
【0041】
目標値補正部313は、以下の式(1)にて算出されるシフト量ΔFに基づいて、目標値算出部312にて算出された制御目標値を補正した補正目標値を生成する。当該変動量ΔFは、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの経過時間tでの光フィルタ63aの波長軸上での透過特性のシフト量である。
【0042】
【0043】
ここで、式(1)において、τは、特定の時定数である。また、ΔF0は、以下の式(2)によって表される。
【0044】
【0045】
ここで、式(2)において、ΔP1は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ421の発熱量の変動量である。当該変動量は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ421に供給する電力の変動量から算出することができる。また、ΔP2は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ422の発熱量の変動量である。当該変動量は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ422に供給する電力の変動量から算出することができる。さらに、ΔP3は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ423の発熱量の変動量である。当該変動量は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ423に供給する電力の変動量から算出することができる。
【0046】
すなわち、本発明に係る発熱体は、マイクロヒータ421~423に相当する。なお、本発明に係る発熱体としては、光フィルタ63aの温度に影響を及ぼす熱を当該光フィルタ63aに流入させる構成であれば、マイクロヒータ421~423に限らず、その他の発熱体、例えば半導体光増幅器5等を採用しても構わない。
なお、光フィルタ63aへの熱流入は、発熱体から当該光フィルタ63aへ直接、伝わる直接的な熱流入に限定されず、以下の間接的な熱流入も含むものである。
当該間接的な熱流入は、発熱体から温度調節器9の制御対象へ熱が加わり、その熱変動を相殺する方向へ当該温度調節器9が働くことで光フィルタ63aの温度が変動するといった間接的な熱流入である。
【0047】
また、式(2)において、aは、マイクロヒータ421における第1の熱流入係数である。bは、マイクロヒータ422における第2の熱流入係数である。cは、マイクロヒータ423における第3の熱流入係数である。
【0048】
図5は、記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報を示す図である。
第1~第3の熱流入係数a~c及び時定数τに関するシフト量算出用情報は、記憶部32に記憶されている。
ここで、シフト量算出用情報(第1~第3の熱流入係数a~c及び時定数τ)は、予め実験により、マイクロヒータ421~423の発熱量を所定の変動量ΔP
1~ΔP
3で変動させた際に、当該変動量ΔP
1~ΔP
3、測定した時間t、及び光フィルタ63aの波長軸上での透過特性のシフト量ΔFを式(1),(2)に当てはめることによって、算出されたものである。
【0049】
動作制御部314は、上位の制御装置(図示略)から取得した目標波長と、記憶部32に記憶された波長電力情報と、モニタ値算出部311にて算出されたPD比と、目標値補正部313にて生成された補正目標値とに基づいて、マイクロヒータ421~423にそれぞれ供給する複数の電力を変化させ、レーザ光L1の波長を目標波長に制御する。
【0050】
図6は、記憶部32に記憶された波長電力情報を示す図である。
波長電力情報は、複数の波長λ1~λn[nm]と、レーザ光L1の波長を当該波長λ1~λn[nm]に制御するためにマイクロヒータ421~423にそれぞれ供給する複数の電力(初期電力)とがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、
図6では、説明の便宜上、マイクロヒータ421~423にそれぞれ供給する総電力を各電力P1~Pn[W]として記載している。
【0051】
記憶部32は、制御部31にて実行されるプログラムや、当該制御部31の処理に必要な情報(例えば、透過特性情報、シフト量算出用情報、及び波長電力情報等)等を記憶する。
【0052】
〔波長制御方法〕
次に、上述した制御装置3による波長制御方法(波長ロック制御)について説明する。
図7は、制御装置3による波長制御方法を示すフローチャートである。
先ず、制御装置3は、ユーザインターフェースを介して上位の制御装置(図示略)に入力された目標波長を当該上位の制御装置から取得する(ステップS1)。
【0053】
ステップS1の後、動作制御部314は、記憶部32に記憶された波長電力情報を参照し、当該ステップS1にて取得された目標波長に関連付けられた各電力(初期電力)をマイクロヒータ421~423にそれぞれ供給する(ステップS2)。
【0054】
ステップS2の後、目標値算出部312は、記憶部32に記憶された透過特性情報における複数の制御参照値(例えば制御参照値Pd21~Pd2n)のうち、ステップS1にて取得された目標波長(例えば波長λ1)に関連付けられた制御参照値(例えば制御参照値Pd21)を制御目標値として算出する(ステップS3)。
【0055】
ステップS3の後、目標値補正部313は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間(ステップS2が実行されてからの経過時間t)、当該レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ421~423の発熱量の変動量ΔP1~ΔP3、及び記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報に基づいて、式(1),(2)からシフト量ΔFを算出する。そして、目標値補正部313は、当該算出したシフト量ΔFに基づいて、ステップS3にて算出された制御目標値を補正した補正目標値を生成する(ステップS4:目標値補正ステップ)。
【0056】
ステップS4の後、モニタ値算出部311は、PD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率であるPD比を算出する(ステップS5:モニタ値算出ステップ)。
【0057】
ステップS5の後、動作制御部314は、ステップS4にて生成された補正目標値に対してステップS5にて算出されたPD比が合致するように、マイクロヒータ421~423にそれぞれ供給する電力を変化させる波長調整制御を実行する(ステップS6:動作制御ステップ)。この後、制御装置3は、ステップS4に戻る。
【0058】
図8は、波長制御方法を説明する図である。具体的に、
図8は、光フィルタ63aの透過特性を示した図であり、横軸を波長とし、縦軸をPD比としている。ここで、
図8において、曲線CL1は、光フィルタ63aが基準温度である場合での当該光フィルタ63aの透過特性を示している。また、曲線CL2は、ステップS2が実行されたからの所定の経過時間tにおいて、マイクロヒータ421~423等からの熱流入によって光フィルタ63aが基準温度から特定の温度に変化した場合での当該光フィルタ63aの透過特性を示している。
光フィルタ63aの温度が基準温度からずれると、当該光フィルタ63aの透過特性は、波長軸上で全体がシフト(曲線CL1から曲線CL2にシフト)する。すなわち、光フィルタ63aの温度が基準温度からずれて当該光フィルタ63aの透過特性が曲線CL2になっているにも拘わらず、当該基準温度に対応する透過特性情報(曲線CL1)における目標波長TWに関連付けられた制御参照値を制御目標値PDTとして波長調整制御を実行した場合には、レーザ光L1の波長は、目標波長TWからずれた波長TW´に制御されてしまう。
【0059】
そこで、本実施の形態1では、ステップS4において、ステップS2が実行されてからの経過時間tに応じた光フィルタ63aの透過特性の波長軸上でのシフト量ΔF(
図8)を算出するとともに、当該シフト量ΔFに対応した透過特性(曲線CL2)に基づいて、目標波長TWに関連付けられた制御目標値PDTを補正した補正目標値PDT´を生成する。そして、制御装置3は、PD比が補正目標値PDT´に合致するように、波長調整制御を実行する。
【0060】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1では、レーザ光L1の波長を目標波長TWへと切り替えを開始してからの時間t、当該レーザ光L1の波長を目標波長TWへと切り替える際のマイクロヒータ421~423の発熱量の変動量ΔP1~ΔP3、及び記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報に基づいて、式(1),(2)からシフト量ΔFを算出する。そして、目標値補正部313は、当該算出したシフト量ΔFに基づいて、制御目標値PDTを補正した補正目標値PDT´を生成する。そして、波長可変レーザ装置1では、補正目標値PDT´にPD比が合致するように、マイクロヒータ421~423にそれぞれ供給する電力を変化させる波長調整制御を実行する。
このため、レーザ光L1の波長を目標波長TWへと切り替える際に、マイクロヒータ421~423から光フィルタ63aへの熱流入によって当該光フィルタ63aの温度が基準温度から時間の経過とともに変化した場合であっても、当該変化した時の温度に応じた光フィルタ63aの透過特性に応じた目標波長TWに対応する補正目標値PDT´を順次、生成することができる。したがって、当該順次、生成した補正目標値PDT´に対してPD比が合致するように波長調整制御を実行すれば、光フィルタ63aの温度が基準温度で平衡状態となるまで待つ必要がなく、レーザ光L1の波長を目標波長TWに迅速に切り替えることができる。
【0061】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
上述した実施の形態1では、シフト量算出用情報における時定数τとして、マイクロヒータ421~423によらずに一律の値を採用していた。
これに対して、本実施の形態2では、シフト量算出用情報における時定数τとして、マイクロヒータ421~423毎に異なる値が設けられている。
【0062】
図9は、実施の形態2に係る記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報を示す図である。
本実施の形態2に係るシフト量算出用情報は、上述した実施の形態1にて説明した第1~第3の熱流入係数a~cの他、第1~第3の時定数τa~τcに関する情報である。
【0063】
第1の時定数τaは、マイクロヒータ421から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
第2の時定数τbは、マイクロヒータ422から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
第3の時定数τcは、マイクロヒータ423から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
【0064】
そして、本実施の形態2では、目標値補正部313は、ステップS4において、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間(ステップS2が実行されてからの経過時間t)、当該レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ421~423の発熱量の変動量ΔP1~ΔP3、及び記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報に基づいて、以下の式(3)からシフト量ΔFを算出する。
【0065】
【0066】
なお、本実施の形態2に係るシフト量算出用情報(第1~第3の熱流入係数a~c及び第1~第3の時定数τa~τc)は、上述した実施の形態1にて説明したシフト量算出用情報と同様に、予め実験により、マイクロヒータ421~423の発熱量を所定の変動量ΔP1~ΔP3で変動させた際に、当該変動量ΔP1~ΔP3、測定した時間t、及び光フィルタ63aの波長軸上での透過特性のシフト量ΔFを式(3)に当てはめることによって、算出されたものである。
【0067】
以上説明した本実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本実施の形態2では、シフト量算出用情報における時定数τとして、マイクロヒータ421~423毎に異なる値が設けられている。このため、式(3)により、より精度良くシフト量ΔFを算出することができる。すなわち、当該シフト量ΔFに基づいて精度良く補正目標値PDT´を生成することができ、レーザ光L1の波長を目標波長TWに精度良く制御することができる。
【0068】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態2と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施の形態3では、シフト量算出用情報における第1~第3の時定数τa~τcとして、マイクロヒータ421~423の発熱量が増加する時と減少する時とで異なる値が設けられている。
【0069】
図10は、実施の形態3に係る記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報を示す図である。
本実施の形態3に係るシフト量算出用情報は、上述した実施の形態2にて説明した第1~第3の熱流入係数a~cの他、第1の時定数τaを2つに分類した第1の時定数τa1,τa2と、第2の時定数τbを2つに分類した第2の時定数τb1,τb2と、第3の時定数τcを2つに分類した第3の時定数τc1,τc2とに関する情報である。
第1の時定数τa1は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際にマイクロヒータ421の発熱量が増加する場合での当該マイクロヒータ421から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
第1の時定数τa2は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際にマイクロヒータ421の発熱量が減少する場合での当該マイクロヒータ421から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
【0070】
第2の時定数τb1は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際にマイクロヒータ422の発熱量が増加する場合での当該マイクロヒータ422から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
第2の時定数τb2は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際にマイクロヒータ422の発熱量が減少する場合での当該マイクロヒータ422から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
【0071】
第3の時定数τc1は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際にマイクロヒータ423の発熱量が増加する場合での当該マイクロヒータ423から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
第3の時定数τc2は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際にマイクロヒータ423の発熱量が減少する場合での当該マイクロヒータ423から光フィルタ63aへの熱流入に対応した時定数である。
【0072】
そして、本実施の形態2では、目標値補正部313は、ステップS4において、式(3)からシフト量ΔFを算出する際、第1~第3の時定数τa~τcの代わりに、マイクロヒータ421~423の発熱量が増加する場合には第1~第3の時定数τa1~τc1を採用し、当該マイクロヒータ421~423の発熱量が減少する場合には第1~第3の時定数τa2~τc2を採用する。
【0073】
以上説明した本実施の形態3によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本実施の形態3では、シフト量算出用情報における第1~第3の時定数τa~τcとして、マイクロヒータ421~423の発熱量が増加する時と減少する時とで異なる値が設けられている。このため、式(3)により、より精度良くシフト量ΔFを算出することができる。すなわち、当該シフト量ΔFに基づいて精度良く補正目標値PDT´を生成することができ、レーザ光L1の波長を目標波長TWに精度良く制御することができる。
【0074】
(実施の形態4)
次に、本実施の形態4について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施の形態4では、目標値補正部313は、記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報における第1~第3の熱流入係数a~cを補正する。
【0075】
具体的に、波長可変レーザ装置1の出荷時において、周囲温度が温度センサ8にて測定された周囲温度であり、マイクロヒータ421~423に特定の電力をそれぞれ供給した場合に、各部材4~7の温度を基準温度とするために必要な温度調節器9に供給する電力を測定する。そして、当該マイクロヒータ421~423にそれぞれ供給した特定の電力(以下、ヒータ電力と記載)と、当該周囲温度と、当該温度調節器9に供給した電力(以下、調節器電力と記載)との組合せに関する組合せ情報を記憶部32に記憶しておく。
【0076】
そして、目標値補正部313は、記憶部32に記憶された組合せ情報を参照し、当該組合せ情報におけるヒータ電力と同一の電力をマイクロヒータ421~423にそれぞれ供給しつつ、当該組合せ情報における周囲温度と同一の温度が温度センサ8にて測定されているにも拘わらず、各部材4~7の温度を基準温度とするために必要な調節器電力のみが当該組合せ情報における調節器電力と異なる場合に、記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報における第1~第3の熱流入係数a~cを補正する。
【0077】
以上説明した本実施の形態4によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
ところで、マイクロヒータ421~423と光源部41との結合部分については、経年劣化によって当該結合度合いが変化する場合がある。このような場合には、第1~第3の熱流入係数a~cも変化すると考えられる。
本実施の形態4では、目標値補正部313は、上述したように第1~第3の熱流入係数a~cを補正する。このため、上述した場合においても、式(3)により、シフト量ΔFを精度良く算出することができる。すなわち、当該シフト量ΔFに基づいて精度良く補正目標値PDT´を生成することができ、レーザ光L1の波長を目標波長TWに精度良く制御することができる。
【0078】
(実施の形態5)
次に、本実施の形態5について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1~4と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図11は、実施の形態5に係る制御装置3の構成を示すブロック図である。
図12は、制御装置3による波長制御方法を示すフローチャートである。
上述した実施の形態1~4に係る波長可変レーザ装置1では、制御目標値PDTを補正した補正目標値PDT´を生成し、PD比が当該補正目標値PDT´に合致するように波長調整制御を実施していた。
これに対して、本実施の形態5に係る波長可変レーザ装置1では、PD比自体を補正して補正モニタ値を生成し、当該補正モニタ値が制御目標値PDTに合致するように波長調整制御を実行する。そして、本実施の形態5に係る波長可変レーザ装置1(制御装置3)では、
図11に示すように、上述した実施の形態1~4で説明した波長可変レーザ装置1(制御装置3)に対して、目標値補正部313の代わりにモニタ値補正部315の機能が採用している。
【0079】
以下、モニタ値補正部315の機能について、
図12を参照しつつ説明する。
本実施の形態5に係る制御装置3による波長制御方法は、
図12に示すように、上述した実施の形態1~4で説明したステップS4の代わりにステップS7が採用されている点が異なる。以下では、ステップS7を主に説明する。
ステップS3の後に、ステップS5が実行される。そして、ステップS7は、ステップS5の後に実行される。
【0080】
具体的に、モニタ値補正部315は、レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替えを開始してからの時間(ステップS2が実行されてからの経過時間t)、当該レーザ光L1の波長を目標波長へと切り替える際のマイクロヒータ421~423の発熱量の変動量ΔP1~ΔP3、及び記憶部32に記憶されたシフト量算出用情報に基づいて、式(1),(2)(または式(3))からシフト量ΔFを算出する。そして、モニタ値補正部315は、当該算出したシフト量ΔFに基づいて、ステップS5にて算出されたPD比を補正した補正モニタ値を生成する(ステップS7:モニタ値補正ステップ)。
【0081】
ステップS7の後、動作制御部314は、ステップS3にて算出された制御目標値に対してステップS7にて生成された補正モニタ値が合致するように、マイクロヒータ421~423にそれぞれ供給する電力を変化させる波長調整制御を実行する(ステップS6:動作制御ステップ)。この後、制御装置3は、ステップS5に戻る。
【0082】
以上説明した本実施の形態5のように波長ロック制御を実行した場合であっても、上述した実施の形態1~4と同様の効果を奏する。
【0083】
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1~5によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1~5では、本発明に係る光フィルタとして、リング共振器型光フィルタ63a,64aを採用していたが、これに限らない。入射する光の波長に対して周期的な透過特性を有する光フィルタであれば、エタロン等のその他の光フィルタを本発明に係る光フィルタとして採用しても構わない。また、本発明に係る光フィルタの数は、2つに限らず、1つでもよく、あるいは、3つ以上であっても構わない。
【0084】
上述した実施の形態1~5において、本発明に係る光フィルタ及び第1,第2の受光素子を配設する位置は、上述した実施の形態1~5で説明した位置に限らない。例えば、波長可変光源部4から出力されたレーザ光L1を2つのレーザ光に分岐し、一方のレーザ光を半導体光増幅器5に出力する光分岐部を設ける。そして、本発明に係る光フィルタ及び第1,第2の受光素子として、光分岐部にて分岐された他方のレーザ光を受ける位置に配設しても構わない。
【0085】
上述した実施の形態1~5では、波長可変レーザ装置1は、光フィルタ63aの透過特性を用いて、出力されるレーザ光L1の波長を制御していたが、これに限らず、光フィルタ63aの反射特性を用いて、出力されるレーザ光L1の波長を制御しても構わない。
【符号の説明】
【0086】
1 波長可変レーザ装置
2 波長可変レーザモジュール
3 制御装置
4 波長可変光源部
5 半導体光増幅器
6 平面光波回路
7 光検出部
8 温度センサ
9 温度調節器
31 制御部
32 記憶部
41 光源部
42 波長可変部
43 第1の導波路部
44 第2の導波路部
44a 光導波層
45 n側電極
61 光分岐部
62 光導波路
63 光導波路
63a リング共振器型光フィルタ
64 光導波路
64a リング共振器型光フィルタ
71~73 PD
91 設置面
311 モニタ値算出部
312 目標値算出部
313 目標値補正部
314 動作制御部
315 モニタ値補正部
421~423 マイクロヒータ
431 導波路部
431a 利得部
431b 回折格子層
432 半導体積層部
433 p側電極
441 2分岐部
441a 多モード干渉型導波路
442,443 アーム部
444 リング状導波路
445 位相調整部
B1 基部
C1 光共振器
CL1,CL2 曲線
L1~L6 レーザ光
M1 反射ミラー
PDT 制御目標値
PDT´ 補正目標値
RF1 リング共振器フィルタ
TW 目標波長
TW´ 波長