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特開2024-114300プロセスチーズ類、プロセスチーズ類の製造方法並びにプロセスチーズ類の物性改善剤および物性改善方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114300
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】プロセスチーズ類、プロセスチーズ類の製造方法並びにプロセスチーズ類の物性改善剤および物性改善方法
(51)【国際特許分類】
   A23C 19/082 20060101AFI20240816BHJP
   C12G 3/022 20190101ALN20240816BHJP
【FI】
A23C19/082
C12G3/022 119V
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019976
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】下村 純美
【テーマコード(参考)】
4B001
4B115
【Fターム(参考)】
4B001AC20
4B001AC40
4B001BC02
4B001EC04
4B115CN98
(57)【要約】
【課題】硬さやねちゃつき等の食感が改善されたプロセスチーズ類を提供する。
【解決手段】酒粕を含有するプロセスチーズ類であって、前記プロセスチーズ類の加工前の原材料中の酒粕の配合量が、前記原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酒粕を含有するプロセスチーズ類であって、
前記プロセスチーズ類の加工前の原材料中の酒粕の配合量が、前記原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である、
プロセスチーズ類。
【請求項2】
前記原材料が溶融塩を含有する、請求項1に記載のプロセスチーズ類。
【請求項3】
下記測定方法(A)で測定される硬さが2700g以下である、請求項1または2に記載のプロセスチーズ類:
(A)プロセスチーズ類を10mm角にカットしてサンプルとし、サンプルの温度を10℃に調節する。温度調節したサンプルの上面から75mm×75mmの平板プレートを0.5mm/sの速度で降下させてサンプルを圧縮する。圧縮前の高さの80%の高さまでサンプルを2回圧縮し、2回の圧縮が終了するまでの平板プレートの最大試験力(単位:g)を硬さとする。
【請求項4】
プロセスチーズ類を製造する方法であって、
原料チーズと酒粕を含有する原材料を撹拌して加熱乳化する乳化工程を含み、
前記酒粕の配合量が、前記原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である、
プロセスチーズ類の製造方法。
【請求項5】
前記原材料が溶融塩を含有する、請求項4に記載のプロセスチーズ類の製造方法。
【請求項6】
酒粕を有効成分として含有する、プロセスチーズ類の物性改善剤。
【請求項7】
プロセスチーズ類の物性改善方法であって、
原料チーズに酒粕を配合する工程を含み、
前記酒粕の配合量が、前記原料チーズと前記酒粕を含有する原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である、
プロセスチーズ類の物性改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロセスチーズ類、プロセスチーズ類の製造方法並びにプロセスチーズ類の物性改善剤および物性改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロセスチーズ類は風味や食感の改善を目的として様々な提案がなされてきた。特許文献1には、ハイアミロースでん粉を含有することにより「ほろほろ」とした食感を有するプロセスチーズ類が開示されている。また、プロセスチーズをそのまま食した際の「硬さ」や「ねちゃつき」は、プロセスチーズにおいて好まれない食感の代表的なものとして認知されている。プロセスチーズの「硬さ」を改善する方法として、水分量を増やすこと等が知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-130032号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】中沢勇二、細野明義編、「新説チーズ科学」食品資材研究会、1989年9月1日、133頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水分量を増やすことでプロセスチーズ類の「硬さ」を改善できる一方で、プロセスチーズ類に含まれる水分量が多すぎるとかえって品質が劣化する傾向があり、改善には限度があった。したがって、プロセスチーズ類の食感を改善するための新たな手法が求められている。
【0006】
本開示は、硬さやねちゃつき等の食感が改善されたプロセスチーズ類を提供することを目的とする。本開示はさらに、食感が改善されたプロセスチーズ類の製造方法、プロセスチーズ類の物性改善剤、およびプロセスチーズ類の物性改善方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るプロセスチーズ類は、酒粕を含有するプロセスチーズ類であって、
前記プロセスチーズ類の加工前の原材料中の酒粕の配合量が、前記原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である。
【0008】
本開示に係るプロセスチーズ類の製造方法は、
原料チーズと酒粕を含有する原材料を撹拌して加熱乳化する乳化工程を含み、
前記酒粕の配合量が、前記原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である。
【0009】
本開示に係るプロセスチーズ類の物性改善剤は、酒粕を有効成分として含有する。
【0010】
本開示に係るプロセスチーズ類の物性改善方法は、
原料チーズに酒粕を配合する工程を含み、
前記酒粕の配合量が、前記原料チーズと前記酒粕を含有する原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、硬さやねちゃつき等の食感が改善されたプロセスチーズ類およびプロセスチーズ類の製造方法を提供できる。また、本開示によれば、プロセスチーズ類の食感を改善できる物性改善剤および物性改善方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示に係るプロセスチーズ類、プロセスチーズ類の製造方法、並びにプロセスチーズ類の物性改善剤および物性改善方法について説明する。本開示に係るプロセスチーズ類は、「乳および乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年12月27日厚生省令第52号)及び公正競争規約において規定されたプロセスチーズやチーズフードの他、乳等を主要原料とする食品等のうち、原料チーズを含み、加熱溶融し、乳化して得られる食品を全て包含するものである。
【0013】
[プロセスチーズ類]
本開示のプロセスチーズ類は、原料チーズと特定の配合量の酒粕を含有する原材料を撹拌して加熱乳化することにより得られる。
【0014】
(原料チーズ)
本開示のプロセスチーズ類において、原材料として含まれる原料チーズの種類は特に限定されない。原料チーズとしてクリームチーズ、ゴーダチーズ、モザレラチーズ、チェダーチーズ等のナチュラルチーズを使用してもよいし、チーズフードやプロセスチーズ類を使用してもよい。原料チーズは一種のみを使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。複数種を組み合わせて使用する場合、最終的に得られるプロセスチーズ類に必要な風味に合わせて、原料チーズの配合比を決定できる。
【0015】
(酒粕)
本開示のプロセスチーズ類は、特定の割合で配合された酒粕を含有する。酒粕を配合することにより、硬さやねちゃつき等の食感が改善されたプロセスチーズ類が得られる。酒粕の配合量は、加工前の原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である。酒粕の配合量が0.1重量%以上であると、食感を改善する効果が十分に得られる。酒粕の配合量が50重量%以下であると、ザラツキが生じるなどの食感への悪影響を回避できる。酒粕の配合量は好ましくは1.0重量%以上50重量%以下、より好ましくは6.0重量%以上40重量%以下である。なお、製造工程において原材料を複数回に分けて投入する場合、「原材料の総重量」とは、複数回にわたって投入されるすべての原材料の重量の合計を指す。また、原料チーズを加熱乳化した後に他の原材料を添加する場合、加熱乳化後に添加する原材料の重量も「原材料の総重量」に含まれる。
【0016】
本開示のプロセスチーズ類の原材料として配合される酒粕は、米を主な原料とする清酒の製造において、醪を搾って清酒を分離させた際に残る粕である。酒粕は、いずれの清酒製造において生じるものでも使用でき、清酒の種類や銘柄は特に限定されない。また、酒粕の発酵の有無、熟成度、水分量も特に限定されない。液状、ペースト状、固形状等、いずれの形態の酒粕でも使用できる。例えば醪を絞る際に生じる板粕やバラ粕を使用してもよいし、板粕やバラ粕を熟成させた練粕を使用してもよい。乾燥させて粉砕した粉末状の酒粕も使用できる。
【0017】
(溶融塩)
本開示のプロセスチーズ類は、原材料に溶融塩が含まれていてもよい。溶融塩が含まれることにより、原料チーズを加熱乳化する際の乳化状態を制御しやすくなる。溶融塩の種類は特に限定されず、プロセスチーズ類の製造で一般に用いられるものを用いることができる。溶融塩の例として、クエン酸塩、酒石酸塩、モノリン酸塩、ジリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。溶融塩は一種のみを用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
(その他の副原料)
本開示のプロセスチーズ類の原材料として用いられるその他の副原料は特に限定されず、チーズ類の製造に使用できるものであればいずれの原料を配合してもよい。その他の副原料としては、プロセスチーズ類の製造に使用できる溶融塩以外の乳化剤、安定剤(増粘多糖類、セルロース等)、pH調整剤、香料等の食品添加物のほか、乳タンパク質源としての乳素材、ゼラチン、寒天等の食品、動物油脂、植物油脂、風味付け等に使用するシーズニング等を例示することができる。
【0019】
(水分)
本開示に係るプロセスチーズ類の製造においては、最終的に得られるプロセスチーズ類の水分量が適切な範囲内となるように、原材料中の水の割合を適宜調整することができる。プロセスチーズ類の食感と保存性の観点から、最終的に得られるプロセスチーズ類の水分量が45~50重量%の範囲内となるように、原材料に配合する水分量を調整することが好ましい。なお、上述の「原材料の総重量」は、原材料に配合される水分の重量も含む。
【0020】
(硬さ)
本開示では、下記の測定方法(A)で測定される値(単位:g)をプロセスチーズ類の硬さとして定義する。
(A)プロセスチーズ類を10mm角にカットしてサンプルとし、サンプルの温度を10℃に調節する。温度調節したサンプルの上面から75mm×75mmの平板プレートを0.5mm/sの速度で降下させてサンプルを圧縮する。圧縮前の高さの80%の高さまでサンプルを2回圧縮し、2回の圧縮が終了するまでの平板プレートの最大試験力(単位:g)を硬さとする。
【0021】
本開示のプロセスチーズ類は酒粕を含有しているため、酒粕を含有しないプロセスチーズ類と比べて硬さが低減される。具体的には、酒粕を含有すること以外は同じ条件で製造したプロセスチーズ類と比較して、硬さを例えば100g以上小さくすることができ、好ましくは500g以上小さくすることができる。硬さを低減することでやわらかい食感が得られるため好ましい。原材料における酒粕の割合を増加させることにより、プロセスチーズ類の硬さをより低減させることができる。
【0022】
また、本開示のプロセスチーズ類は、硬さが2700g以下であることが好ましく、2500g以下であることがより好ましく、2000g以下であることがさらに好ましい。硬さがこの範囲であると、やわらかさが増し、さらに食感に優れる。なお、原料チーズとして硬質チーズや半硬質チーズを用いた場合、酒粕を添加しても硬さが上述の範囲とならない場合がある。その場合でも酒粕を添加しない場合と比較して相対的に硬さを低減することが可能であり、したがって食感改善の効果は奏される。プロセスチーズ類の硬さの下限は特に限定されないが、例えば100g以上である。
【0023】
[プロセスチーズ類の製造方法]
次に、本開示のプロセスチーズ類の製造方法について説明する。本開示のプロセスチーズ類の製造方法は、原料チーズと特定の割合で配合された酒粕を含有する原材料を撹拌して加熱乳化する乳化工程を含む。
【0024】
本開示のプロセスチーズ類の製造方法において、加熱乳化工程は、一般的にプロセスチーズ類の製造に用いられるケトル型、ステファン型の乳化機や、ジュール型加熱機、連続式乳化機を用いて行うことができる。乳化工程後は必要に応じてストレーナーを通過させ、充填機にて適当な形状に包装する。プロセスチーズ類の形状は特に限定されず、立方体、直方体、球、半球、円盤、平板等、任意の形状を採用できる。本開示のプロセスチーズ類の食感を活かす形状を採用することが好ましい。
【0025】
本開示のプロセスチーズ類の製造方法において、酒粕は、原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下配合される。配合量が0.1重量%以上であると食感を改善する効果が十分に得られる。配合量が50重量%以下であると、ザラツキが生じるなどの食感への悪影響を回避できる。好ましい酒粕の配合量は、上述のプロセスチーズ類におけるものと同様であるため、ここでは省略する。
【0026】
本開示のプロセスチーズ類の製造方法において使用される原料チーズおよびその他の原材料は、上述のプロセスチーズ類におけるものと同様であるため、ここでは省略する。
【0027】
[プロセスチーズ類の物性改善剤]
本開示のプロセスチーズ類の物性改善剤は、酒粕を有効成分として含有する。本開示の物性改善剤に含まれる酒粕は、いずれの清酒製造において生じるものであってもよく、清酒の種類や銘柄は特に限定されない。酒粕の発酵の有無、熟成度、水分量も特に限定されない。また、物性改善剤の形態としては、液状、ペースト状、固形状等、いずれの形態であってもよく、乾燥させて粉砕した粉末状であってもよい。本開示のプロセスチーズ類の物性改善剤は、酒粕のほかに安定剤等の食品添加物を含んでもよい。
【0028】
本開示のプロセスチーズ類の物性改善剤は、プロセスチーズ類の製造工程において原材料に添加することで、プロセスチーズ類の硬さ等の物性を改善し、食感を改善できる。別の態様として、製造したプロセスチーズ類に本開示の物性改善剤を添加することによって、プロセスチーズ類の物性を改善し、食感を改善することもできる。
【0029】
[プロセスチーズ類の物性改善方法]
本開示のプロセスチーズ類の物性改善方法は、原料チーズに酒粕を配合する工程を含む。ここでの「原料チーズ」は、上述したプロセスチーズ類の製造方法における「原料チーズ」と同様、ナチュラルチーズのほか、チーズフードやプロセスチーズ類等を包含する。本開示のプロセスチーズ類の物性改善方法は、プロセスチーズ類を製造する際の加熱乳化工程において実施してもよいし、加熱乳化後のプロセスチーズ類に対して実施してもよい。
【0030】
本開示のプロセスチーズ類の物性改善方法において、酒粕の配合量は、原料チーズと酒粕を含む原材料の総重量に対して0.1重量%以上50重量%以下である。酒粕の配合量がこの範囲であることで、プロセスチーズ類の物性を好適に改善できる。ここでの「原材料の総重量」には、原料チーズおよび酒粕の重量のほか、溶融塩、その他の副原料および水分の重量も含まれる。加熱乳化後のプロセスチーズ類に対して本開示の物性改善方法を実施する場合、「原材料の総重量」は通常当該プロセスチーズ類と酒粕の重量の合計を指すが、その他の材料をあわせて配合する場合には当該材料の重量も含む。好ましい酒粕の配合量は、上述のプロセスチーズ類におけるものと同様であるため、ここでは省略する。
【実施例0031】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。以下に示す例のうち、例1は比較例、例2~13は実施例である。
【0032】
(例1のプロセスチーズ類の製造)
原材料であるナチュラルチーズ、溶融塩(リン酸塩)、pH調整剤、水を、表1に示す配合量で縦型せん断式乳化機に投入した。数字は重量%で示されており、空欄は0を意味する。ナチュラルチーズとしてはゴーダチーズとチェダーチーズを使用した。水の配合量は、得られるプロセスチーズ類の水分含有量が所定の範囲内となるよう適宜調整した。次いで、縦型せん断式乳化機にて750rpmで60秒撹拌後、ジャケット内に蒸気を吹き込みながら82℃まで加熱撹拌した。82℃達温後、60秒間加熱保持することで、充分に加熱乳化した。加熱乳化後、縦横10cm程度の樹脂製の袋に充填し、上部を密封し、5℃で24時間以上冷却し、プロセスチーズ類を得た。
【0033】
(例2のプロセスチーズ類の製造)
原材料としてさらに酒粕A(八海山練粕)を使用し、表1に示す配合量で原材料を縦型せん断式乳化機に投入したこと以外は例1と同様にして、例2のプロセスチーズ類を得た。例2において、酒粕は練粕の状態で使用した。
【0034】
(例3、4、7~9、11~13のプロセスチーズ類の製造)
原材料の配合量を表1または表2に示す通りに変更した以外は例2と同様にして、例3、4、7~9、11~13のプロセスチーズ類を得た。
【0035】
(例5、6のプロセスチーズ類の製造)
使用する酒粕を、酒粕A(八海山練粕)から酒粕B(山田の鶴練粕)または酒粕C(沢の鶴練粕)に変更した以外は例4と同様にして、例5、6のプロセスチーズ類を得た。
【0036】
(例10のプロセスチーズ類の製造)
酒粕として練粕に代えて板粕を使用した以外は例9と同様にして、例10のプロセスチーズ類を得た。
【0037】
(水分含有量)
得られたプロセスチーズ類の水分含有量を水分分析計(SMART6,CEM社製)で測定した。結果を表1、2に示す。
【0038】
(硬さ)
得られたプロセスチーズ類を10mm角にカットしてサンプルとし、サンプルの温度を10℃に調節した。テクスチャーアナライザ(TA-XT-plus terre analyzer,Stable Micro Systems社製)を用いて、サンプルの上面から75mm×75mmの平板プレートを0.5mm/sの速度で降下させてサンプルを圧縮した。圧縮前の高さの80%の高さまでサンプルを2回圧縮し、2回の圧縮が終了するまでの平板プレートの最大試験力(単位:g)を硬さとした。結果を表1、2に示す。
【0039】
(官能評価)
得られたプロセスチーズ類の「ねちゃつき」および「やわらかさ」の食感について、専門のパネラー6名による官能評価を実施した。各パネラーは、各プロセスチーズ類について「ねちゃつきがある」または「ねちゃつきがない」のいずれか、および「やわらかい」または「硬い」のいずれかの判定を行った。各パネラーの判定に基づき、以下に示す基準で各プロセスチーズ類を評価した。結果を表1、2に示す。
<ねちゃつき>
A:「ねちゃつきがない」と判定した評価者が4~6名
B:「ねちゃつきがない」と判定した評価者が2~3名
C:「ねちゃつきがない」と判定した評価者が0~1名
<やわらかさ>
A:「やわらかい」と判定した評価者が4~6名
B:「やわらかい」と判定した評価者が2~3名
C:「やわらかい」と判定した評価者が0~1名
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
表1、2に示されるように、酒粕を0.10~50.0重量%配合した実施例に係るプロセスチーズ類は、「ねちゃつき」および「やわらかさ」のいずれか又は両方に優れていた。