(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114393
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】加工装置及び収容治具
(51)【国際特許分類】
B24B 45/00 20060101AFI20240816BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240816BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20240816BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20240816BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20240816BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20240816BHJP
B23Q 3/155 20060101ALI20240816BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B24B45/00 A
H01L21/68 A
B24B49/12
B24B41/06 A
B24B27/06 M
B24B53/12 Z
B24B41/06 L
B24B45/00 Z
B23Q3/155 K
H01L21/78 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020139
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 一貴
【テーマコード(参考)】
3C002
3C034
3C047
3C158
5F063
5F131
【Fターム(参考)】
3C002HH06
3C002LL08
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB52
3C034BB66
3C034BB73
3C034BB75
3C034BB81
3C034BB93
3C034CA14
3C034CA22
3C034CA26
3C034CB12
3C034DD10
3C047EE04
3C047EE09
3C047EE18
3C158AA03
3C158AA15
3C158AA19
3C158AB03
3C158AB04
3C158AC02
3C158BB02
3C158BC02
3C158BC03
3C158CB06
3C158DA17
5F063AA05
5F063CB05
5F063DD03
5F131AA02
5F131BA52
5F131CA09
5F131DA20
5F131DA32
5F131DA42
5F131DB15
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB73
(57)【要約】
【課題】ワークの破損リスクを抑制することができること。
【解決手段】加工装置1は、ワークを保持する保持テーブルと、保持テーブルで保持されたワークを切削する切削ユニットと、を備えた装置であって、加工装置1で使用されるドレスボード300を交換する交換機構と、ドレスボード300を収容するボード収容部430を有した収容治具400-1を収容するカセットと、カセットから収容治具400-1を取り出す搬出入ユニット86を含み、カセット51から交換機構による消耗品交換位置へと収容治具400-1を搬送する搬送ユニット80と、搬出入ユニット86がカセットから取り出した収容治具400-1を識別する識別ユニット90と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持する保持テーブルと、該保持テーブルで保持されたワークを加工する加工ユニットと、を備えた加工装置であって、
該加工装置で使用される消耗品を交換する交換機構と、
該消耗品を収容する収容部を有した収容治具を収容する治具収容部と、
該治具収容部から該収容治具を取り出す取出しユニットを含み、該治具収容部から該交換機構による消耗品交換位置へと該収容治具を搬送する搬送ユニットと、
該取出しユニットが該治具収容部から取り出した該収容治具を識別する識別ユニットと、を備えた加工装置。
【請求項2】
該保持テーブルは、ワークがテープを介してフレームに装着されたワークユニットの該ワークを該テープを介して保持し、
該加工装置は、ワークユニットと、該収容治具と、を収容したカセットが載置されるカセット載置台と、
該カセット載置台に隣接して配設され、該ワークユニットまたは該収容治具の両端部をそれぞれ支持する一対のガイドレールと、を備え、
該カセット載置台は該治具収容部を構成し、
該取出しユニットは、該カセット載置台上の該カセットから該ワークユニットまたは該収容治具を取出して該ガイドレール上に載置し、
該識別ユニットは、該ガイドレール上で支持している物品が該ワークユニットか該収容治具かを判別する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
該収容治具は欠損部を有し、
該識別ユニットは該ガイドレールで支持された該収容治具の該欠損部を検出する、請求項2に記載の加工装置。
【請求項4】
加工装置に装着される消耗品を収容する収容部を有した本体を備え、
該本体に形成された識別マークを有する、収容治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置、加工装置で利用される消耗品を収容する収容治具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハを切削する加工装置として切削ブレードを備えた加工装置が広く利用されている。切削ブレードは切削によって消耗する消耗品であり、切削ブレードが消耗した場合には新品の切削ブレードに交換する必要がある。
【0003】
切削ブレード等の消耗品を交換する交換装置を備えた加工装置と、複数の消耗品を収容する収容治具(搬送用治具)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に示された収容治具は、ワークとともにカセットに収容され、消耗品の交換時には搬送ユニットが収容治具をカセットから取り出して消耗品の交換位置へと搬送する。例えばあらかじめカセット内において収容治具を収容する位置とワークを収容する位置とをそれぞれ決めておくことで、搬送ユニットが収容治具とワークとを選択的に搬送できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1等に示された収容治具やワークがあらかじめ決められた位置ではない位置に収容されていた場合、収容治具を搬出しようとしてワークを消耗品交換位置へと搬送してしまい、ワークの破損リスクを高めるおそれがあるため、改善が切望されていた。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワークの破損リスクを抑制することができる加工装置及び収容治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工装置は、ワークを保持する保持テーブルと、該保持テーブルで保持されたワークを加工する加工ユニットと、を備えた加工装置であって、該加工装置で使用される消耗品を交換する交換機構と、該消耗品を収容する収容部を有した収容治具を収容する治具収容部と、該治具収容部から該収容治具を取り出す取出しユニットを含み、該治具収容部から該交換機構による消耗品交換位置へと該収容治具を搬送する搬送ユニットと、該取出しユニットが該治具収容部から取り出した該収容治具を識別する識別ユニットと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記加工装置では、該保持テーブルは、ワークがテープを介してフレームに装着されたワークユニットの該ワークを該テープを介して保持し、該加工装置は、ワークユニットと、該収容治具と、を収容したカセットが載置されるカセット載置台と、該カセット載置台に隣接して配設され、該ワークユニットまたは該収容治具の両端部をそれぞれ支持する一対のガイドレールと、を備え、該カセット載置台は該治具収容部を構成し、該取出しユニットは、該カセット載置台上の該カセットから該ワークユニットまたは該収容治具を取出して該ガイドレール上に載置し、該識別ユニットは、該ガイドレール上で支持している物品が該ワークユニットか該収容治具かを判別しても良い。
【0010】
前記加工装置では、該収容治具は欠損部を有し、該識別ユニットは該ガイドレールで支持された該収容治具の該欠損部を検出しても良い。
【0011】
本発明の収容治具は、加工装置に装着される消耗品を収容する収容部を有した本体を備え、該本体に形成された識別マークを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ワークの破損リスクを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された加工装置の加工対象のワークを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された加工装置の保持テーブルを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示された加工装置の切削ユニットの断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された加工装置のカセットに収容される収容治具の構成例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、
図1に示された加工装置のカセットに収容される他の収容治具の構成例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図1に示された加工装置の搬送ユニットの一方の搬送アームの搬出入ユニットが収容治具をカセットから取り出した状態を模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図1に示された加工装置の交換機構の構成例を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、
図1に示された加工装置の識別ユニットが
図7に示された収容治具を検出した際の信号の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図1に示された加工装置の識別ユニットが
図5に示された収容治具を検出した際の信号の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、
図1に示された加工装置の識別ユニットが
図2に示されたフレームを検出した際の信号の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態2に係る加工装置の要部を模式的に示す斜視図である。
【
図15】
図15は、実施形態3に係る収容治具を模式的に示す平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態3に係る収容治具の他の例を模式的に示す平面図である。
【
図17】
図17は、実施形態3に係る収容治具の更に他の例を模式的に示す平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態3に係る収容治具の更に別の例を模式的に示す平面図である。
【
図19】
図19は、実施形態3に係る加工装置の要部を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0015】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る加工装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示された加工装置の加工対象のワークを示す斜視図である。
【0016】
(ワーク)
実施形態1に係る加工装置1は、
図2に示すワーク200を切削(加工)する装置である。実施形態1では、ワーク200は、シリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハである。ワーク200は、表面201に格子状に形成された複数の分割予定ライン202によって格子状に区画された領域にデバイス203が形成されている。
【0017】
また、本発明のワーク200は、中央部が薄化され、外周部に厚肉部が形成された所謂TAIKO(登録商標)ウェーハでもよく、ウェーハの他に、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状のパッケージ基板、セラミックス基板、フェライト基板、ガラス基板又はニッケル及び鉄の少なくとも一方を含む基板等でも良い。実施形態1において、ワーク200は、外周縁にフレーム211が装着されたテープ210に裏面204が貼着されて、フレーム211に支持されて、ワークユニット205を構成している。ワークユニット205は、ワーク200がテープ210を介してフレーム211に装着されて構成されている。
【0018】
フレーム211の外縁は、互いに平行な直線状の直線部221と、直線部221間に配置されかつ円弧状の円弧部222とが形成されている。また、実施形態1では、フレーム211の一つの直線部221(以下、符号221-1と記す)の両端には、切欠223が形成されている。切欠223は、フレーム211の外縁をフレーム211の内周側に向かって切り欠いて形成されている。
【0019】
(加工装置)
実施形態1に係る加工装置1は、
図1に示すように、ワーク200を保持面11で吸引保持する保持テーブル10と、保持テーブル10が保持するワーク200をスピンドル23に装着した消耗品である切削ブレード21で切削する切削ユニット20と、保持テーブル10に保持されたワーク200を撮影する図示しない撮像ユニットと、切削ユニット20の切削ブレード21を交換する交換機構3と、制御ユニット100とを備えて、ワーク200を保持テーブル10で保持し分割予定ライン202に沿って切削ブレード21で切削(加工に相当)する切削装置である。
【0020】
また、加工装置1は、保持テーブル10を水平方向と平行なX軸方向に加工送りする図示しないX軸移動ユニットと、切削ユニット20を水平方向と平行でかつX軸方向に直交するY軸方向に割り出し送りする図示しないY軸移動ユニットと、切削ユニット20をX軸方向とY軸方向との双方と直交する鉛直方向に平行なZ軸方向に切り込み送りする図示しないZ軸移動ユニットと、保持テーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニットとを少なくとも備える。加工装置1は、
図1に示すように、切削ユニット20を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの加工装置である。
【0021】
(保持テーブル)
次に、保持テーブル10を説明する。
図3は、
図1に示された加工装置の保持テーブルを示す斜視図である。保持テーブル10は、
図3に示すように円盤形状であり、ワーク200を保持する保持面11がポーラスセラミック等から形成されている。また、保持テーブル10は、X軸移動ユニットにより切削ユニット20の下方の加工位置と、切削ユニット20の下方から離間してワーク200が搬入出される搬入出位置とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転駆動源によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。
【0022】
保持テーブル10は、図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、保持面11に載置されたワーク200を吸引、保持する。実施形態1では、保持テーブル10は、ワークユニット205のワーク200の裏面204側をテープ210を介して吸引、保持する。また、保持テーブル10の周囲には、
図1及び
図3に示すように、フレーム211をクランプするクランプ部12が複数設けられている。なお、
図1は、ワーク200の表面201上のデバイス203及びクランプ部12の一部を省略している。
【0023】
また、保持テーブル10の隣には、
図3に示すように、X軸移動ユニットにより保持テーブル10とともにX軸方向に移動するサブチャックテーブル15が設けられている。即ち、加工装置1は、サブチャックテーブル15を備える。サブチャックテーブル15は、消耗品であるドレスボード300を保持するものである。
【0024】
サブチャックテーブル15は、矩形の板状に形成され、上面が保持テーブル10の保持面11と同一の高さとなる位置に配置されている。サブチャックテーブル15は、上面16にドレスボード300が載置される。サブチャックテーブル15は、上面16に図示しない真空吸引源と接続された吸引溝17が複数形成されている。サブチャックテーブル15は、吸引溝17が真空吸引源により吸引されることで、上面16に載置されたドレスボード300を吸引保持する。
【0025】
ドレスボード300は、目詰まりしたり目つぶれして切削能力が低下した切削ブレード21を目立てして、切削ブレード21の切削能力を回復させるものである。切削ブレード21を目立てして、切削ブレード21の切削能力を回復させることを、ドレスするという。
【0026】
ドレスボード300は、平面形状がサブチャックテーブル15の上面16と略同形状の矩形の板状に形成されている。ドレスボード300は、樹脂やセラミックスのボンド材に、WA(ホワイトアランダム、アルミナ系)、GC(グリーンカーボナイト、炭化ケイ素系)などの砥粒が混ぜ込まれて構成されている。
【0027】
(切削ユニット)
次に、切削ユニット20を説明する。
図4は、
図1に示された加工装置の切削ユニットの断面図である。
【0028】
切削ユニット20は、切削水を供給しながら保持テーブル10に保持されたワーク200を切削する加工ユニットである。切削ユニット20は、それぞれ、保持テーブル10に保持されたワーク200に対して、Y軸移動ユニットによりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動ユニットによりZ軸方向に移動自在に設けられている。
【0029】
一対の切削ユニット20は、それぞれ、Y軸移動ユニット及びZ軸移動ユニットを介して、装置本体2から立設した門型の図示しない支持フレームの一方の柱部に設けられている。切削ユニット20は、Y軸移動ユニット及びZ軸移動ユニットにより、保持テーブル10の保持面11の任意の位置に切削ブレード21を位置付け可能となっている。
【0030】
切削ユニット20は、
図4に示すように、Y軸移動ユニット及びZ軸移動ユニットによりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング22(
図1に示す)と、スピンドルハウジング22に軸心回りに回転自在に設けられかつ図示しないモータにより回転されるスピンドル23と、スピンドル23の先端部に装着されたマウントフランジ24とを有し、スピンドル23の先端にマウントフランジ24を介して切削ブレード21が装着される。このように、スピンドル23は、先端にマウントフランジ24を介して切削ブレード21が装着される。
【0031】
実施形態1において、スピンドル23の先端部は、先端に向うにしたがって徐々に外径が小さくなる円錐台状に形成されており、スピンドルハウジング22の先端から突出している。また、スピンドル23の先端部の外周面には、図示しない真空吸引源に接続された吸引路231が開口している。スピンドル23の先端面には、ボルト25が螺合可能なネジ穴232が設けられている。
【0032】
マウントフランジ24は、円筒状のボス部241と、ボス部241の軸心方向の中央に設けられたフランジ部242とを備えている。ボス部241は、一端部243内にスピンドル23の先端部が挿入され、他端部244内にボルト25を収容する。ボス部241の一端部243の内周面は、スピンドル23の先端部の外周面が密に接触可能に、他端部244に向うにしたがって徐々に内径が小さく形成されている。ボス部241の一端部243は、他端部244よりも外径が大きい。また、ボス部241の他端部244の内周面には、ボルト25のネジを通すワッシャ26が重ねられるワッシャ受け面245が形成されている。
【0033】
フランジ部242は、ボス部241の外径よりの大径な円環状に形成されている。フランジ部242は、外縁部に他端部244側に向かって凸の装着凸部246が全周に亘って設けられている。装着凸部246の表面247は、切削ブレード21を保持する保持面であり、マウントフランジ24の軸心に対して直交している。このために、マウントフランジ24は、装着凸部246の表面247を有する。
【0034】
マウントフランジ24は、ボス部241の一端部243内にスピンドル23の先端部を収容し、ワッシャ受け面245に重ねられるワッシャ26内を通ったボルト25のネジ部がネジ穴232にねじ込まれることで、
図4に示すように、スピンドル23の先端部に装着される。また、マウントフランジ24は、ボス部241の一端部243の内周面と、フランジ部242の装着凸部246の内側の表面248とに開口する吸引路249が設けられている。吸引路249は、マウントフランジ24がスピンドル23の先端部に装着されると、スピンドル23の吸引路231と連通する。
【0035】
切削ブレード21は、略リング形状を有する極薄の切削砥石である。実施形態1において、切削ブレード21は、いわゆるハブブレードであり、
図4、
図5及び
図6に示すように、アルミニウム合金等の金属で構成された円環状の支持基台212と、支持基台212の外周に固定されてワーク200を切削する円環状の切り刃213を備える。支持基台212は、マウントフランジ24のボス部241に装着するための装着孔214が中央に設けられている。装着孔214は、内側にマウントフランジ24のボス部241を通す。切り刃213は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなり所定厚みに形成されている。
【0036】
このように構成された切削ユニット20は、切削ブレード21の支持基台212の装着孔214がスピンドル23の先端部に装着されたマウントフランジ24のボス部241の他端部244の外周に嵌合される。このとき、支持基台212が装着凸部246の表面247に密に接触して保持される。切削ユニット20は、真空吸引源により吸引路231,249を介して、フランジ部242の表面248、装着凸部246及び支持基台212の裏面215の間の空間が吸引されることで、切削ブレード21をマウントフランジ24に固定する。
【0037】
なお、切削ユニット20のスピンドル23、マウントフランジ24及び切削ブレード21の軸心は、Y軸方向と平行に設定されている。
【0038】
撮像ユニットは、切削ユニット20と一体的に移動するように、切削ユニット20に固定されている。撮像ユニットは、保持テーブル10に保持された切削前のワーク200の分割すべき領域を撮影する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニットは、保持テーブル10に保持されたワーク200を撮影して、ワーク200と切削ブレード21との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット100に出力する。
【0039】
X軸移動ユニットは、保持テーブル10を加工送り方向であるX軸方向に移動させることで、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的にX軸方向に沿って加工送りするものである。Y軸移動ユニットは、切削ユニット20を割り出し送り方向であるY軸方向に移動させることで、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的にY軸方向に沿って割り出し送りするものである。Z軸移動ユニットは、切削ユニット20を切り込み送り方向であるZ軸方向に移動させることで、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的にZ軸方向に沿って切り込み送りするものである。
【0040】
X軸移動ユニット、Y軸移動ユニット及びZ軸移動ユニットは、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータ及び保持テーブル10又は切削ユニット20をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。回転移動ユニットは、保持テーブル10を軸心回りに回転するモータ等を備える。
【0041】
また、加工装置1は、保持テーブル10のX軸方向の位置を検出するため図示しないX軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニットとを備える。X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。Z軸方向位置検出ユニットは、モータのパルスで切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出する。X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、保持テーブル10のX軸方向、切削ユニット20のY軸方向又はZ軸方向の位置を制御ユニット100に出力する。
【0042】
また、加工装置1は、
図1に示すように、収容室40と、収容室40が設置されかつカセット51が載置されるカセット載置台50と、仮置き部であるテーブルカバー60と、切削加工後のワーク200を洗浄する洗浄ユニット70と、搬送手段である搬送ユニット80とを備える。
【0043】
次に、収容室40を説明する。収容室40は、後述する収容治具400,400-1(
図5及び
図7に示す)等の物品を収容可能な箱状に形成され、洗浄ユニット70側に設けられた図示しない開口を通して収容治具400,400-1等の物品を出し入れ自在とする。また、収容室40は、洗浄ユニット70から離れた側に開閉自在に設けられた開閉扉49(
図1に示す)を開閉することで、洗浄ユニット70から離れた側に設けられた図示しない開口を通して例えばオペレータ等が収容治具400,400-1等の物品を出し入れ自在とする。
【0044】
収容室40は、カセット載置台50上に設置されている。収容室40は、カセット51の下方でかつカセット載置台50上に設置されて、カセット載置台50とともに、Z軸方向に沿って昇降する。
【0045】
次に、カセット51を説明する。
図5は、
図1に示された加工装置のカセットに収容される収容治具の構成例を示す平面図である。
図6は、
図5中のVI-VI線に沿う断面図である。
図7は、
図1に示された加工装置のカセットに収容される他の収容治具の構成例を示す平面図である。
【0046】
カセット51は、ワークユニット205を収容するための箱状の収容器である。カセット51は、切削加工前後のワーク200をZ軸方向に間隔をあけて、ワークユニット205を複数収容する。カセット51は、洗浄ユニット70側の開口を通してワークユニット205を出し入れ自在とする。カセット51は、収容室40上に設置される。カセット51は、両端に切欠223を設けた直線部221-1を他の直線部221よりも洗浄ユニット70側の開口から最も離れた位置に位置する向きでワークユニット205を収容する。
【0047】
また、カセット51は、
図5及び
図6に示された収容治具400と、
図7に示す収容治具400-1とを収容する。このために、実施形態1では、カセット51は、収容治具400,400-1を収容する治具収容部でもあり、ワークユニット205と、収容治具400,400-1とを収容する。
図5及び
図6に示された収容治具400は、消耗品である切削ブレード21とドレスボード300を収容し、切削ユニット20に装着された切削ブレード21を交換する際、及びサブチャックテーブル15に保持されるドレスボード300を交換する際に、切削ブレード21及びドレスボード300をカセット51から搬入出位置の保持テーブル10を覆うテーブルカバー60上に運搬するための治具である。
【0048】
収容治具400は、外縁の平面形状がフレーム211の外縁の平面形状と等しい板状に形成された本体404を備えている。このために、収容治具400の外縁は、
図5に示すように、互いに平行な直線状の直線部401と、直線部401間に配置されかつ円弧状の円弧部402とが形成されている。また、実施形態1では、収容治具400の一つの直線部401(以下、符号401-1と記す)の両端には、切欠403が形成されている。切欠403は、収容治具400の外縁を収容治具400の内周側に向かって切り欠いて形成されている。
【0049】
収容治具400は、
図6に示すように、ガラスや樹脂等の透明な材料で構成された厚みが一様の透明板410(透明部材に相当)と、透明板410に積層されかつ厚みが一様の硬質板411とを備える。硬質板411は、例えば、ステンレス鋼等の金属などで構成され、厚みが一様に形成されている。
【0050】
硬質板411は、消耗品である切削ブレード21を収容するブレード収容部420(収容部に相当)とドレスボード300を収容するボード収容部430(収容部に相当)とをそれぞれ複数設けている。即ち、収容治具400の本体303は、ブレード収容部420とボード収容部430とをそれぞれ複数有する。
【0051】
実施形態1では、硬質板411は、外縁部に収容治具400の外縁に沿って間隔をあけてブレード収容部420を複数設け、中央部にボード収容部430を複数設けている。このように、収容治具400の本体404は、ブレード収容部420とボード収容部430とを有している。実施形態1において、ブレード収容部420は、硬質板411を貫通した円形孔421と、円形孔421内に設けられたスペーサ422と、スペーサ422から突出した凸部423とを備える。
【0052】
円形孔421は、平面形状が円形に形成され、内径が切り刃213の外径よりも大径である。スペーサ422は、直径が切り刃213の外径及び支持基台212の外径よりも小径でかつ硬質板411よりも薄い円板状に形成され、円形孔421内に円形孔421と同軸に配置されて、透明板410上に固定されている。凸部423は、外径が切削ブレード21の装着孔214の内径よりも若干小さい円柱状に形成されている。凸部423は、スペーサ422と同軸に配置されて、スペーサ422上に固定されている。ブレード収容部420は、凸部423が装着孔214に通されて、スペーサ422に裏面215側が重ねられて、円形孔421内に切削ブレード21を収容する。
【0053】
実施形態1では、ブレード収容部420は、切削ブレード21を収容する際に、スペーサ422が支持基台212の裏面215に当接して、切り刃213が透明板410即ち円形孔421の底面に接触することを規制する。
【0054】
実施形態1において、ボード収容部430は、硬質板411を貫通した矩形孔431により構成されている。矩形孔431は、平面形状がドレスボード300の平面形状と同様の矩形状に形成されている。ボード収容部430は、矩形孔431内に透明板410上に載置されたドレスボード300を収容する。
【0055】
前述した構成の収容治具400は、収容部420,430に切削ブレード21及びドレスボード300を収容した状態で、カセット51内に収容されることが可能であるとともに、搬送ユニット80によりフレーム211と同様に搬送されることが可能である。即ち、収容治具400は、ワーク200と共通の搬送ユニット80によって、カセット51と保持テーブル10上との間で搬送される。
【0056】
図7に示された収容治具400-1は、消耗品であるドレスボード300を収容し、サブチャックテーブル15に保持されるドレスボード300を交換する際に、ドレスボード300をカセット51から搬入出位置の保持テーブル10を覆うテーブルカバー60上に運搬するための治具である。なお、収容治具400-1の説明において、収容治具400と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0057】
収容治具400-1は、収容治具400と同様に、ガラスや樹脂等の透明な材料で構成された厚みが一様の透明板410(透明部材に相当)と、透明板410に積層されかつ厚みが一様の硬質板411とを備える。硬質板411は、例えば、ステンレス鋼等の金属などで構成され、厚みが一様に形成されている。
【0058】
硬質板411は、消耗品であるドレスボード300を収容するボード収容部430(収容部に相当)をそれぞれ複数設けている。即ち、収容治具400-1の本体404は、ボード収容部430を複数有している。
【0059】
実施形態1では、硬質板411は、互いに交差する直線部401に沿って間隔をあけてボード収容部430を複数設けている。
【0060】
前述した構成の収容治具400,400-1は、収容部420,430に切削ブレード21及びドレスボード300を収容した状態で、カセット51内に収容されることが可能であるとともに、搬送ユニット80によりフレーム211と同様に搬送されることが可能である。即ち、収容治具400は、ワーク200と共通の搬送ユニット80によって、カセット51と保持テーブル10上との間で搬送される。また、収容治具400,400-1は、両端に切欠403を設けた直線部401-1を他の直線部401よりも洗浄ユニット70側の開口から最も離れた位置に位置する向きでカセット51内に収容される。また、収容治具400,400-1は、予めカセット51内のZ軸方向の位置が定められている。
【0061】
カセット載置台50は、収容室40及びカセット51をZ軸方向に沿って昇降させる。
【0062】
テーブルカバー60は、搬入出位置の保持テーブル10のY軸方向の隣に配置されている。テーブルカバー60は、平板状に形成され、装置本体2の外縁部にヒンジ61を中心に回転自在に設けられている。テーブルカバー60は、両表面が鉛直方向と平行でかつ保持テーブル10の保持面11から退避する
図1中に実線で示す待機位置と、両表面が水平方向と平行でかつ保持テーブル10の保持面11上に重なる
図1中に二点鎖線で示すテーブル保護位置とに亘って図示しない駆動装置により移動される。テーブルカバー60は、切削ブレード21及びドレスボード300の交換時に、テーブル保護位置に位置付けられて、収容治具400が仮置きされる。なお、テーブルカバー60がテーブル保護位置に位置付けられても、サブチャックテーブル15の上面16は、テーブルカバー60に覆われることなく露出する。
【0063】
洗浄ユニット70は、ワーク200を吸引保持するとともに、Z軸方向と平行な軸心回りに回転するスピンナーテーブル71と、スピンナーテーブル71に吸引保持されたワーク200に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルとを備える。実施形態1では、洗浄ユニット70は、カセット載置台50即ちカセット51及び収容室40のX軸方向の隣に配置され、かつ搬入出位置の保持テーブル10のY軸方向の隣に配置されている。
【0064】
次に、搬送ユニット80を説明する。
図8は、
図1に示された加工装置の搬送ユニットの一方の搬送アームの搬出入ユニットが収容治具をカセットから取り出した状態を模式的に示す斜視図である。搬送ユニット80は、ワーク200を切削する際に、ワーク200をカセット51、保持テーブル10、洗浄ユニット70、カセット51に順に搬送するものである。また、搬送ユニット80は、切削ブレード21及びドレスボード300の交換時に、カセット51からテーブル保護位置のテーブルカバー60上の消耗品交換位置へと収容治具400,400-1を搬送するとともに、テーブルカバー60上の消耗品交換位置からカセット51内に収容治具400,400-1を搬送するものである。
【0065】
搬送ユニット80は、
図1に示すように、一対の搬送アーム81と、一対のガイドレール82とを備える。実施形態1では、一対の搬送アーム81は、装置本体2にX軸方向及びY軸方向に移動自在に設けられかつ下方に伸張するシリンダユニット83と、シリンダユニット83のロッド84の先端に取り付けられた吸着部85とを備える。シリンダユニット83は、ロッド84が伸縮自在に設けられ、ロッド84の伸縮方向がZ軸方向と平行に配置されている。吸着部85は、フレーム211を吸引保持可能であるとともに、収容治具400の外縁部を吸引保持可能である。
【0066】
また、一方の搬送ユニット80の吸着部85は、フレーム211又は収容治具400,400-1の外縁部を保持して、ワーク200をカセット51に出し入れ自在とするとともに収容治具400,400-1をカセット51に出し入れ自在とする搬出入ユニット86が取り付けられている。搬出入ユニット86は、カセット51から収容治具400,400-1を取り出す取出しユニットである。取出しユニットである搬出入ユニット86は、カセット載置台50上のカセット51からワークユニット205または収容治具400,400-1を取り出してガイドレール82上に載置する。こうして、搬送ユニット80は、取出しユニットである搬出入ユニット86を含み、カセット51から交換機構3による消耗品交換位置へと収容治具400,400-1を搬送するものである。
【0067】
一対のガイドレール82は、カセット載置台50即ちカセット51及び収容室40のX軸方向の隣に隣接して配設され、互いにY軸方向に間隔をあけて配置されている。また、一対のガイドレール82は、X軸方向と平行な直線状に形成され、フレーム211及び収容治具400,400-1が上面に載置される載置壁87と、載置壁87の互いに離れた側の縁から立設した位置決め壁88とを備えている。一対のガイドレール82は、載置壁87上にフレーム211及び収容治具400,400-1のY軸方向の両端部が載置されて、フレーム211及び収容治具400,400-1のY軸方向の両端部をそれぞれ支持する。また、一対のガイドレール82は、Y軸方向に図示しない駆動機構により移動自在に設けられ、移動機構により互いに離れる方向又は互いに近付く方向に移動される。
【0068】
搬送ユニット80は、一対のガイドレール82が互いに離れた状態で一方の搬送アーム81が移動されかつ一方の搬送アーム81のシリンダユニット83のロッド84が伸縮されることで、カセット51内のワークユニット205のフレーム211を搬出入ユニット86で保持して、カセット51から一対のガイドレール82の載置壁87上に搬出する。また、搬送ユニット80は、同様に、
図8に示すように、カセット51の収容治具400,400-1を搬出入ユニット86で保持して、カセット51から一対のガイドレール82の載置壁87上に搬出する。なお、
図8は、収容治具400,400-1のうち収容治具400-1を代表して示している。
【0069】
搬送ユニット80は、一対のガイドレール82を互いに近づけ、位置決め壁88によりワーク200又は収容治具400をY軸方向に位置決めし、一方の搬送アーム81の吸着部85がフレーム211又は収容治具400,400-1を吸引保持し、一方の搬送アーム81のシリンダユニット83がY軸方向に移動されかつシリンダユニット83のロッド84が伸縮されることで、吸引保持したワーク200を保持テーブル10の保持面11上に搬送するとともに、収容治具400をテーブル保護位置のテーブルカバー60上に搬送する。
【0070】
搬送ユニット80は、切削加工後のワーク200を他方の搬送アーム81で洗浄ユニット70のスピンナーテーブル71に搬送した後、洗浄後のワーク200を一方の搬送アーム81でガイドレール82の載置壁87上に搬送した後、搬出入ユニット86でワーク200をカセット51内に収容する。また、搬送ユニット80は、テーブルカバー60上の収容治具400を一方の搬送アーム81でガイドレール82の載置壁87上に搬送した後、搬出入ユニット86でカセット51内に収容する。
【0071】
(交換機構)
次に、本明細書は、交換機構3を図面に基づいて説明する。
図9は、
図1に示された加工装置の交換機構の構成例を示す斜視図である。
図10は、
図9に示された交換機構の構成例を示す他の斜視図である。
【0072】
交換機構3は、加工装置1で使用される消耗品である切削ブレード21とドレスボード300を交換するものである。交換機構3は、
図1、
図9及び
図10に示すように、切削ユニット20に装着された切削ブレード21及びサブチャックテーブル15に保持されたドレスボード300を交換する交換装置30と、移動ユニット31とを備える。実施形態1において、交換機構3は、
図1に示すように、搬入出位置の保持テーブル10のY軸方向の隣に配置され、保持テーブル10との間にテーブルカバー60を設けている。
【0073】
移動ユニット31は、交換装置30を切削ユニット20及び搬入出位置の保持テーブル10の保持面11上から退避させた
図1及び
図9に示す待機位置と、交換装置30が切削ユニット20の切削ブレード21及びサブチャックテーブル15に保持されたドレスボード300を交換する
図10に示す交換位置との間で交換装置30を移動させるものである。
【0074】
実施形態1では、移動ユニット31は、装置本体2等に固定されたベース部311と、昇降部材312と、第1回転アーム313と、第2回転アーム314と、昇降機構315と、第1回転機構316と、第2回転機構317と、第3回転機構318とを備える。ベース部311は、Z軸方向と平行な直線状に形成され、実施形態1では、装置本体2の上面から上方に延びている。昇降部材312は、ベース部311にZ軸方向に移動自在に設けられている。
【0075】
第1回転アーム313及び第2回転アーム314は、直線状に延在している。第1回転アーム313は、一端部がZ軸方向と平行な第1回転軸3191回りに昇降部材312に回転自在に支持されている。第1回転アーム313の他端部と第2回転アーム314の一端部とがZ軸方向と平行な第2回転軸3192回りに互いに回転自在に支持されている。第2回転アーム314は、他端部がZ軸方向と平行な第3回転軸3193回りに交換装置30を回転自在に支持している。
【0076】
昇降機構315は、ベース部311に対して昇降部材312をZ軸方向に移動させる。第1回転機構316は、昇降部材312に対して第1回転アーム313の一端部を第1回転軸3191回りに回転させる。第2回転機構317は、第1回転アーム313の他端部と第2回転アーム314の一端部とを互いに第2回転軸3192回りに回転させる。第3回転機構318は、第2回転アーム314の他端部に対して交換装置30を第3回転軸3193回りに回転させる。
【0077】
交換装置30は、装置本体301と、図示しない回転機構と、交換ユニット32とを備える。装置本体301は、移動ユニット31の第2回転アーム314の他端部に第3回転軸3193回りに回転自在に支持され、第3回転機構318により第3回転軸3193回りに回転される。回転機構は、装置本体2に対して交換ユニット32を水平方向と平行な軸心320回りに回転させる。
【0078】
交換ユニット32は、回転機構により軸心320回りに回転される図示しない回転軸と、回転軸の周囲に設けられた第1保持部33(
図10に示す)と、第2保持部34(
図10に示す)と、第3保持部35(
図9に示す)と、第4保持部36(
図10に示す)とを備える。
【0079】
保持部33,34,35,36は、回転軸の周囲に等間隔に配置されている。保持部33,34,35,36は、軸心が軸心320に対して直交する円板状に形成されている。また、保持部33,34,35,36は、互いに隣り合う軸心同士が直交している。保持部33,34,35,36は、軸心320の外周側に切削ブレード21及びドレスボード300を吸引保持する保持面331,341,351,361を有している。
【0080】
実施形態1において、各保持部33,34,35,36は、保持面331,341,351,361に切削ブレード21の支持基台212の裏面215の反対側の表面217(
図4に示す)及びドレスボード300の上面503(
図3に示す)を吸引保持するものである。実施形態1では、各保持部33,34,35,36は、保持面331,341,351,361の中央にマウントフランジ24のボス部241の他端部244を通すことができる装着穴325が設けられ、保持面331,341,351,361の装着穴325の外周に図示しない真空吸引源から吸引されることで切削ブレード21の支持基台212及びドレスボード300を吸引、保持する吸引保持溝326が設けられている。また、実施形態1では、各保持部33,34,35,36は、切削ブレード21の支持基台212の表面217を吸引保持しているが、本発明では、各保持部33,34,35,36に対する切削ブレード21の固定方法はこれに限定されない。
【0081】
前述した構成の交換機構3は、加工装置1の切削加工中では移動ユニット31が第1回転アーム313の一端部と第2回転アーム314の他端部とを互いに近づけ、交換装置30をベース部311に対向させて、交換装置30を
図1及び
図9に示す待機位置に位置付ける。交換機構3は、各切削ユニット20の切削ブレード21を交換する際、及びサブチャックテーブル15に保持されたドレスボード300を交換する際には、移動ユニット31が、第1回転アーム313の一端部と第2回転アーム314の他端部とを互いに遠ざけ、交換装置30を切削ユニット20に対向させて、交換装置30を
図10に示す交換位置に位置付ける。
【0082】
また、実施形態1において、収容治具400,400-1は、
図5及び
図7に示すように、本体404に形成された識別マーク500を有し、フレーム211は、
図2に示すように、識別マーク500を有していない。なお、識別マーク500は、カセット51から取り出されたものが収容治具400,400-1とフレーム211のいずれかであるかを識別するためのマークである。また、本発明では、識別マーク500は、収容治具400,400-1の種類を識別するためのマークであってもよい。
【0083】
実施形態1では、識別マーク500は、欠損部である貫通孔501を有している。収容治具400,400-1は、実施形態1では、一方のガイドレール82に支持される直線部401の縁部である互いに同じ位置の所定領域405に貫通孔501を有している。収容治具400は、所定領域405の両端と中央に貫通孔501を設けて、貫通孔501を合計3つ有している。また、収容治具400-1は、所定領域405の両端に貫通孔501を設けて、貫通孔501を合計2つ有している。
【0084】
また、加工装置1は、
図8に示すように、識別ユニット90を備えている。次に、識別ユニット90を説明する。
図11は、
図1に示された加工装置の識別ユニットが
図7に示された収容治具を検出した際の信号の一例を示す図である。
図12は、
図1に示された加工装置の識別ユニットが
図5に示された収容治具を検出した際の信号の一例を示す図である。
図13は、
図1に示された加工装置の識別ユニットが
図2に示されたフレームを検出した際の信号の一例を示す図である。
【0085】
識別ユニット90は、搬出入ユニット86がカセット51や収容室40である治具収容部から取り出した収容治具400,400-1を識別するものである。識別ユニット90は、搬出入ユニット86がカセット51から取り出してガイドレール82上で支持している物品がワークユニット205、収容治具400,400-1のいずれかであるかを識別するものである。即ち、実施形態1では、識別ユニット90は、搬出入ユニット86がカセット51から取り出してガイドレール82上で支持している物品がワークユニット205が収容治具400,400-1かを判別するものである。実施形態1では、識別ユニット90は、一方のガイドレール82の位置決め壁88から立設した立設部材91と、一方のガイドレール82の載置壁87に設けられた発光部92と、立設部材91に発光部92とZ軸方向に対向して設けられかつ発光部92が発光した光を受光する受光部93とを備える。
【0086】
発光部92が発光した光は、収容治具400,400-1の本体404及びフレーム211により遮られて受光部93に受光されない。発光部92が発光した光は、収容治具400,400-1の本体404の所定領域405に設けられた貫通孔501内を通って受光部93に受光される。受光部93は、
図11及び
図12に示すように、発光部92が発光した光を受光すると、光の受光に応じた信号94を制御ユニット100に出力するとともに、
図13に示すように、発光部92が発光した光を受光しないと、光の受光に応じた信号94を制御ユニット100に出力しない。なお、
図11、
図12及び
図13の横軸は、時間を示している。
【0087】
こうして、実施形態1では、識別ユニット90は、受光部93が光を受光するか否かで即ち信号94を出力するか否かで、ガイドレール82で支持された収容治具400,400-1の識別マーク500の欠損部である貫通孔501を検出する。また、実施形態1では、識別ユニット90は、一方のガイドレール82に設けられているので、搬出入ユニット86がカセット51から収容治具400,400-1及びワークユニット205を取り出す際に、信号94を制御ユニット100に出力する。ガイドレール82上に取り出された物品が収容治具400-1であると、
図11に示すように、受光部93が貫通孔501に応じた数の信号94を制御ユニット100に出力して、制御ユニット100は、ガイドレール82上に取り出されたものが収容治具400-1であると識別する。
【0088】
また、ガイドレール82上に取り出された物品が収容治具400であると、
図12に示すように、受光部93が貫通孔501に応じた数の信号94を制御ユニット100に出力して、制御ユニット100は、ガイドレール82上に取り出されたものが収容治具400であると識別する。ガイドレール82上に取り出された物品がワークユニット205であると、
図13に示すように、受光部93が信号94を制御ユニット100に出力せずに、制御ユニット100は、ガイドレール82上に取り出されたものがワークユニット205であると識別する。こうして、実施形態1では、識別ユニット90は、一方のガイドレール82に設けられているので、搬出入ユニット86がカセット51から収容治具400,400-1及びワークユニット205を取り出す際に、信号94を制御ユニット100に出力するか否か及び信号94間の時間間隔及び数により、ガイドレール82上で支持している物品がワークユニット205か収容治具400,400-1かを判別する。
【0089】
制御ユニット100は、加工装置1の上述した各構成要素をそれぞれ制御して、ワーク200に対する加工動作を加工装置1に実施させるものである。即ち、制御ユニット100は、少なくとも切削ユニット20と交換機構3を制御するものである。なお、制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して加工装置1の上述した構成要素に出力する。
【0090】
制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが加工条件などを登録する際に用いる入力ユニットと、報知ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。報知ユニットは、音と光のうち少なくとも一方を発して、オペレータに報知する。
【0091】
前述した構成の加工装置1は、収容治具400,400-1及びワークユニット205が収容されたカセット51がカセット載置台50に設置され、サブチャックテーブル15の上面16にドレスボード300が載置される。加工装置1は、オペレータが入力した加工条件を受け付けて、制御ユニット100に登録する。オペレータからの加工開始指示を受け付けると、加工動作を開始する。なお、加工条件は、カセット51内の収容治具400,400-1の位置を示す情報と、各収容治具400,400-1の種類と、識別マーク500の貫通孔501の数や貫通孔501間の間隔を紐付けた情報も含む。
【0092】
加工動作では、加工装置1は、制御ユニット100が、真空吸引源を駆動して各切削ユニット20のスピンドル23に取り付けられたマウントフランジ24に切削ブレード21を固定するとともに、切削水を供給しながらスピンドル23即ち切削ブレード21を加工条件で定められた回転数で回転する。実施形態1において、加工動作では、加工装置1は、制御ユニット100が、テーブルカバー60を待機位置に位置付け、交換機構3の交換装置30を待機位置に位置付けるとともに、サブチャックテーブル15の上面16にドレスボード300を吸引保持する。
【0093】
実施形態1において、加工動作では、加工装置1は、制御ユニット100が、搬送ユニット80にカセット51内からワークユニット205を搬入出位置の保持テーブル10まで搬送させ、テープ210を介して裏面204側を保持テーブル10の保持面11に吸引保持させるとともに、クランプ部12にフレーム211をクランプさせる。なお、加工装置1は、カセット51からワークユニット205をガイドレール82上に取り出す際に、制御ユニット100がカセット載置台50を制御して、取り出すワークユニット205のフレーム211の下面をガイドレール82の載置壁87の上面と同一平面上に位置付けた後、搬出入ユニット86によりカセット51内からワークユニット205を取り出す。実施形態1において、加工動作では、加工装置1は、制御ユニット100が、X軸移動ユニットに保持テーブル10を加工位置に向かって移動させて、撮像ユニットにワーク200を撮影させて、撮像ユニットが撮影して得た画像に基づいて、アライメントを遂行する。
【0094】
実施形態1において、加工動作では、加工装置1は、制御ユニット100が、分割予定ライン202に沿ってワーク200と切削ユニット20とを相対的に移動させながら、切削ブレード21を各分割予定ライン202に切り込ませてワーク200を個々のデバイス203に分割する。実施形態1において、加工動作では、加工装置1は、制御ユニット100が、個々のデバイス203に分割されたワーク200を洗浄ユニット70に洗浄させた後、搬送ユニット80にカセット51に収容させる。実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100が、カセット51内のワークユニット205のワーク200の切削加工が終了すると加工動作を終了する。
【0095】
また、加工装置1は、制御ユニット100が、各切削ユニット20に装着された切削ブレード21及びサブチャックテーブル15に保持したドレスボード300を交換する交換タイミングであると、加工装置1は、制御ユニット100が、各切削ユニット20の切削ブレード21の回転を停止し、切削水の供給を停止する。なお、交換タイミングは、各切削ユニット20の切削ブレード21及びサブチャックテーブル15に保持したドレスボード300を交換するタイミングであることをいい、切削ブレード21の交換タイミングは、例えば、予め設定された数のワーク200を切削する毎や切削ブレード21が予め設定された量消耗した毎であり、各切削ブレード21毎に定められ、加工条件の一部として制御ユニット100に登録される。
【0096】
ドレスボード300の交換タイミングは、例えば、予め設定された回数ドレスされた毎であり、加工条件の一部として制御ユニット100に登録される。また、本発明の交換タイミングは、まさに1枚のワーク200を加工している途中でも良く、複数のワーク200を連続して加工する際に、ワーク200を交換するタイミングでも良い。また、実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100が、保持テーブル10を搬入出位置に位置付け、テーブルカバー60をテーブル保護位置に位置付け、搬送ユニット80にカセット51内から収容治具400,400-1のいずれかを搬入出位置の保持テーブル10上まで搬送させて、テーブル保護位置のテーブルカバー60上に載置させる。
【0097】
なお、加工装置1は、カセット51から収容治具400,400-1のいずれかをガイドレール82上に取り出す際に、制御ユニット100がカセット載置台50を制御して、取り出す収容治具400,400-1の下面をガイドレール82の載置壁87の上面と同一平面上に位置付けた後、搬出入ユニット86によりカセット51内から収容治具400,400-1のいずれかを取り出す。なお、実施形態1では、消耗品交換位置は、テーブル保護位置に位置付けられたテーブルカバー60上の位置であるが、本発明では、一対のガイドレール82の載置壁87上の位置でも良い。加工装置1は、制御ユニット100が交換機構3を制御して、切削ブレード21及びドレスボード300を交換し、搬送ユニット80を制御して、収容治具400,400-1のいずれかをカセット51内に搬送する。
【0098】
また、加工装置1は、カセット51からワークユニット205と収容治具400,400-1のいずれかをガイドレール82上に取り出す際に、制御ユニット100がガイドレール82上の物品がワークユニット205と収容治具400,400-1のうちの所望の物品であるか否かを識別ユニット90により識別する。加工装置1は、カセット51からワークユニット205と収容治具400,400-1のいずれかをガイドレール82上に取り出した際に、制御ユニット100がガイドレール82上の物品がワークユニット205と収容治具400,400-1のうちの所望の物品であると識別ユニット90により識別すると、加工動作及び交換動作を継続する。加工装置1は、カセット51からワークユニット205と収容治具400,400-1のいずれかをガイドレール82上に取り出した際に、制御ユニット100がガイドレール82上の物品がワークユニット205と収容治具400,400-1のうちの所望の物品ではないと識別ユニット90により識別すると、加工動作及び交換動作を停止し、報知ユニットを動作させてオペレータに報知する。
【0099】
以上のように、実施形態1に係る加工装置1は、カセット51から収容治具400,400-1を取り出す搬出入ユニット86を含む搬送ユニット80と、搬出入ユニット86がカセット51から取り出した収容治具400,400-1を識別する識別ユニット90とを備える。このため、加工装置1は、搬出入ユニット86がカセット51から取り出した物品が収容治具400,400-1か否かを判別することができる。
【0100】
その結果、実施形態1に係る加工装置1は、ワーク200を消耗品交換位置へと搬送することを抑制することができ、ワーク200の破損リスクを抑制することができるという効果を奏する。
【0101】
また、実施形態1に係る収容治具400,400-1は、切削ブレード21やドレスボード300を収容する収容部420,430を有した本体404に識別マーク500を有しているので、カセット51から取り出した物品が収容治具400,400-1か否かを判別させることができる。
【0102】
なお、実施形態1では、識別マーク500が備える欠損部が貫通孔501であるが、本発明では、欠損部は、貫通孔501に限らず、収容治具400,400-1の本体404の一部を欠損していれば、貫通孔501に限定されない。
【0103】
〔実施形態2〕
実施形態2に係る加工装置を図面に基づいて説明する。
図14は、実施形態2に係る加工装置の要部を模式的に示す斜視図である。なお、
図14は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0104】
実施形態2に係る加工装置1は、識別マーク500-2と識別ユニット90-2の構成が実施形態1と異なること以外、実施形態1と同じである。実施形態2において、識別マーク500-2は、収容治具400,400-1の本体404の所定領域405に付されている。実施形態2において、識別マーク500-2は、収容治具400,400-1の少なくとも種類を示す情報を含んでいる。実施形態2では、識別マーク500-2は、周知の2次元コードであるが、1次元コードでも良く、図形、数字、文字又はこれらの組み合わせでも良い。
【0105】
なお、本発明では、識別マーク500-2は、消耗品の種類、数、それらを置く位置の情報を含んでも良く、収容治具400,400-1のシリアルナンバーを示す情報を含んでも良い。また、本発明では、識別マーク500-2は、切削ブレード21の情報(品種、ロットナンバー、シリアルナンバー、刃先出し量、刃厚、外径など)、切削ブレード21が収容治具400,400-1のどの位置に載置されているかを示す情報を含んでも良い。また、本発明では、識別マーク500-2は、ドレスボード300の情報(品種、ロットナンバー、シリアルナンバー、大きさなど)、ドレスボード300が収容治具400,400-1のどの位置に載っているかを示す情報を含んでも良い。また、消耗品として、収容治具400,400-1がプリカットボードを収容する際には、識別マーク500-2は、プリカットボードの情報(品種、ロットナンバー、シリアルナンバー、大きさなど)、プリカットボードが収容治具400,400-1のどの位置に載っているかを示す情報を含んでも良い。また、消耗品として、収容治具400,400-1がシリコンピースを収容する際には、識別マーク500-2は、シリコンピースの情報(大きさ、厚さなど)、シリコンピースが収容治具400,400-1のどの位置に載っているか等)を示す情報を含んでも良い。
【0106】
実施形態2において、識別ユニット90-2は、ガイドレール82上に取り出された収容治具400,400-1の識別マーク500-2を読み取るものである。実施形態2では、読み取りユニット43は、立設部材91に設けられた撮像カメラ95を備える。撮像カメラ95は、ガイドレール82上に取り出された収容治具400,400-1の識別マーク500-2を撮像して、撮像して得た画像を制御ユニット100に出力する。撮像カメラ95は、識別マーク500-2を撮像するCCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子等の撮像素子を備えている。実施形態2において、識別ユニット90-2は、撮像カメラ95がガイドレール82上に取り出された収容治具400,400-1の識別マーク500-2を撮像して、撮像して得た画像を制御ユニット100に出力することで、搬出入ユニット86がカセット51から取り出してガイドレール82上で支持している物品がワークユニット205、収容治具400,400-1のいずれかであるかを識別する。
【0107】
実施形態2に係る加工装置1は、カセット51から収容治具400,400-1を取り出す搬出入ユニット86を含む搬送ユニット80と、搬出入ユニット86がカセット51から取り出した収容治具400,400-1を識別する識別ユニット90-2とを備える。その結果、加工装置1は、実施形態1と同様に、搬出入ユニット86がカセット51から取り出した物品が収容治具400,400-1か否かを判別することができ、ワーク200を消耗品交換位置へと搬送することを抑制することができ、ワーク200の破損リスクを抑制することができるという効果を奏する。
【0108】
また、実施形態2に係る加工装置1は、識別マーク500-2が周知の2次元コードであるので、収容治具400,400-1にシリアル番号等を与え、ホストコンピューター側で管理すれば収容治具400,400-1上の消耗品の情報を管理できる。
【0109】
また、実施形態2に係る収容治具400,400-1は、切削ブレード21やドレスボード300を収容する収容部420,430を有した本体404に識別マーク500-2を有しているので、カセット51から取り出した物品が収容治具400,400-1か否かを判別させることができる。
【0110】
また、本発明では、識別マーク500-2は、周知の2次元コード、1次元コードでも良く、図形、数字、文字又はこれらの組み合わせの代わりに、情報を書きこみ自在なRFID(Radio Frequency Identification)タグでも良く、この場合、識別ユニット90-2は、RFIDタグリーダであるのが望ましい。この場合、収容治具400,400-1上の消耗品の情報を書き換えることができる。
【0111】
〔実施形態3〕
実施形態3に係る加工装置を図面に基づいて説明する。
図15は、実施形態3に係る収容治具を模式的に示す平面図である。
図16は、実施形態3に係る収容治具の他の例を模式的に示す平面図である。
図17は、実施形態3に係る収容治具の更に他の例を模式的に示す平面図である。
図18は、実施形態3に係る収容治具の更に別の例を模式的に示す平面図である。
図19は、実施形態3に係る加工装置の要部を模式的に示す斜視図である。なお、
図15、
図16、
図17、
図18及び
図19は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0112】
実施形態3に係る収容治具400-2,400-3,400-4,400-5は、
図15、
図16、
図17及び
図18に示すように、識別マーク500が有する欠損部である貫通孔501が本体404の中央に少なくとも1以上設けられ、加工装置1は、
図19に示すように、識別ユニット90-3の発光部92と受光部93とがガイドレール82上の収容治具400-2,400-3,400-4,400-5の本体404の中央の貫通孔501を互いの間に位置付けることが可能な位置に設けられていること以外、実施形態1と同じである。なお、
図15及び
図17に示された収容治具400-2,400-4は、本体404の外縁部にブレード収容部420を間隔あけて複数設けた例を示し、
図16及び
図18に示された収容治具400-3,400-5は、本体404の外縁部にボード収容部430を間隔あけて複数設けた例を示している。
【0113】
実施形態3に係る加工装置1は、カセット51から収容治具400-2,400-3,400-4,400-5を取り出す搬出入ユニット86を含む搬送ユニット80と、搬出入ユニット86がカセット51から取り出した収容治具400-2,400-3,400-4,400-5を識別する識別ユニット90-3とを備える。その結果、加工装置1は、実施形態1と同様に、搬出入ユニット86がカセット51から取り出した物品が収容治具400-2,400-3,400-4,400-5か否かを判別することができ、ワーク200を消耗品交換位置へと搬送することを抑制することができ、ワーク200の破損リスクを抑制することができるという効果を奏する。
【0114】
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。実施形態1では、消耗品である切削ブレード21及びドレスボード300を交換する例を記載しているが、本発明では、ドレスボード300の代わりに、消耗品として、シリコンで構成された矩形板状のシリコンピース、プリカットボード等種々の消耗品を交換しても良い。また、本発明では、加工装置1は、収容室40内に収容治具400,400-1を収容しても良い。また、本発明では、収容室40とカセット51が治具収容部として機能しても良い。特に、収容室40が治具収容部として機能する場合、収容室40から搬出した収容治具400,400-1の種類を識別ユニット90で確認することが望ましい。
【符号の説明】
【0115】
1 加工装置
3 交換機構
10 保持テーブル
20 切削ユニット(加工ユニット)
21 切削ブレード(消耗品)
40 収容室(治具収容部)
50 カセット載置台
51 カセット(治具収容部)
80 搬送ユニット
82 ガイドレール
86 搬出入ユニット(取出しユニット)
90,90-2,90-3 識別ユニット
200 ワーク
205 ワークユニット
210 テープ
211 フレーム
300 ドレスボード
400,400-1,400-2,400-3,400-4,400-5 収容治具
404 本体
420 ブレード収容部(収容部)
430 ボード収容部(収容部)
500 識別マーク
501 貫通孔(欠損部)