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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114764
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】エフェクト顔料
(51)【国際特許分類】
   C09C 1/40 20060101AFI20240816BHJP
   C09C 3/06 20060101ALI20240816BHJP
   C09D 201/02 20060101ALI20240816BHJP
   C09D 7/62 20180101ALI20240816BHJP
【FI】
C09C1/40
C09C3/06
C09D201/02
C09D7/62
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024100281
(22)【出願日】2024-06-21
(62)【分割の表示】P 2022056577の分割
【原出願日】2017-02-23
(31)【優先権主張番号】16156942.1
(32)【優先日】2016-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ザビーネ ショエン
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル ユンクニッツ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン シュルター
(72)【発明者】
【氏名】クリステン フリッシェ
(72)【発明者】
【氏名】カルステン プルク
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー アンデス
(72)【発明者】
【氏名】ウールリヒ シェーネフェルト
(57)【要約】
【課題】 高い安定性および高い光沢度を有し、適用時に凝集しにくいエフェクト顔料の
提供。
【解決手段】 Al薄片が金属酸化物または金属酸化物の混合物の1以上の層でコ
ーティングされ、Al薄片のAlの量とコーティング層の金属酸化物の総量
との比が27:73から83:17の範囲であるエフェクト顔料
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Al薄片をベースにしたエフェクト顔料であって、Al薄片はドープされ
たものであり、Al薄片は、金属酸化物または金属酸化物の混合物の1以上の層で
コーティングされており、Al薄片のAlの量と、コーティング層の金属酸
化物の量との比が、全エフェクト顔料を基準として27:73から83:17の範囲であ
ることを特徴とする、エフェクト顔料。
【請求項2】
Al薄片の表面が、1つまたは2つの金属酸化物層でコーティングされているこ
とを特徴とする、請求項1に記載のエフェクト顔料。
【請求項3】
Al薄片が、TiO、ZrO、SiO、SnO、In、ZnO、
またはこれらの組合せでドープされていることを特徴とする、請求項1または2に記載の
エフェクト顔料。
【請求項4】
ドープ量が、Al薄片に対して0.01~5重量%であることを特徴とする、請
求項1から3のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項5】
TiOまたはZnOでドープされていることを特徴とする、請求項1から4のいずれ
か一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項6】
Al薄片の粒子の厚さが130~500nmの範囲であることを特徴とする、請
求項1から5のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項7】
Al薄片の厚さ分布の標準偏差が、80未満であることを特徴とする、請求項1
から6のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項8】
Al薄片が、下記の層順序:
Al薄片+TiO
Al薄片+TiO/Fe
Al薄片+Fe
Al薄片+Fe
Al薄片+TiO+Fe
Al薄片+TiO+Fe
Al薄片+TiO+SiO+TiO
Al薄片+TiO+MgO・SiO+TiO
Al薄片+Fe+SiO+TiO
Al薄片+TiO/Fe+SiO+TiO
Al薄片+TiO+SiO+TiO/Fe
Al薄片+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
Al薄片+TiO+SiO
Al薄片+TiO+SiO/Al
Al薄片+TiO+Al
Al薄片+SnO
Al薄片+SnO+Fe
Al薄片+SnO+TiO
Al薄片+ZrO
Al薄片+TiO+プルシアンブルー または
Al薄片+TiO+カルミンレッド
でコーティングされていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のエ
フェクト顔料。
【請求項9】
Al薄片が、ルチルまたはアナターゼ型のTiOでコーティングされているこ
とを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項10】
Al薄片が、ルチル型のTiOでコーティングされていることを特徴とする、
請求項1から9のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項11】
表面に保護層を含有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の
エフェクト顔料。
【請求項12】
保護層が、少なくとも1種の希土類金属酸化物と、ケイ素、アルミニウム、もしくはジ
ルコニウム、またはこれらの混合物から選択される少なくとも1種の金属酸化物と、有機
化合物とを含有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のエフェ
クト顔料。
【請求項13】
有機成分が、有機カップリング剤、有機官能性シラン、アミノ化合物、有機リン化合物
から選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のエフェクト
顔料。
【請求項14】
保護層中の希土類金属酸化物が、酸化セリウムであることを特徴とする、請求項1から
13のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項15】
エフェクト顔料中の希土類金属酸化物の量が、2重量%以下であることを特徴とする、
請求項1から14のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項16】
保護層が、少なくとも1種の希土類金属酸化物を0.2~2重量%、SiOを0.2
~2重量%、Alおよび/またはZrOを0.2~4重量%、および有機成分を
1~10重量%含有することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のエ
フェクト顔料。
【請求項17】
保護層が、0.5~10nmの厚さを有することを特徴とする、請求項1から16のい
ずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項18】
塗料、コーティング、自動車用コーティング、自動車用仕上げ、工業用コーティング、
塗料、粉末コーティング、印刷インク、セキュリティ用印刷インク、プラスチック、セラ
ミック材料、化粧品、ガラス、紙、紙コーティング、電子写真印刷プロセス用のトナー、
種子、温室用シート材料および防水布、機械またはデバイスの絶縁用の熱伝導性自立型電
気絶縁フレキシブルシートの分野の配合物における、紙およびプラスチックのレーザマー
キングでの吸収剤としての、プラスチックのレーザ溶接での吸収剤としての、水、有機お
よび/または水性溶媒を含む顔料ペーストにおける、顔料調製物および乾燥調製物におけ
る、請求項1から17のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項19】
請求項1から17のいずれか一項に記載の1種以上のエフェクト顔料を、配合物全体に
対して0.01から95重量%の量で含有する配合物。
【請求項20】
水、ポリオール、極性もしくは無極性油、脂肪、ワックス、被膜形成剤、ポリマー、コ
ポリマー、界面活性剤、フリーラジカルスカベンジャー、酸化防止剤、安定化剤、臭気増
強剤、シリコーン油、乳化剤、溶媒、保存剤、増粘剤、レオロジー添加剤、香料、着色剤
、エフェクト顔料、UV吸収剤、界面活性補助剤、および/または化粧品用活性成分、充
填剤、結合剤、真珠様顔料、カラー顔料、および有機染料の群から選択される少なくとも
1つの成分を含有することを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の1種
以上のエフェクト顔料を含有する配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い耐候性および低い光活性を持つ、Al薄片をベースにしたエフェ
クト顔料、ならびに塗料、工業用コーティング、自動車用コーティング、印刷インク、化
粧品配合物におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
真珠様光沢、金属様光沢、カラーフロップまたは多色効果の付与は、天然または合成の透
明薄片をベースにした真珠様顔料を使用することによって、実現することができる。α-
Al薄片をベースにした真珠様顔料は、文献において周知であり、Xiralli
c(登録商標)という商標でMerck KGaAから市販されている。
【0003】
二酸化チタンがドープされた酸化アルミニウム薄片をベースにした、金属酸化物でコ
ーティングされたAl薄片は、US5,702,519から公知である。
【0004】
WO 2006/101306 A1およびWO 2008/026829 A1は、亜鉛がドープされたAl薄片、
およびこれらのAl薄片をベースにした真珠様顔料に関する。これらの亜鉛がドー
プされたAl薄片は、酸性条件下で安定ではなく、したがって全ての用途において
は適切ではない。
【0005】
従来技術のAl薄片をベースにしたエフェクト顔料には、しばしば、非常に十分
高い化学および耐候安定性を持たず、灰色がかった色の質感を時々示し、かつ/または化
粧品および塗料の用途で添加されときに凝集し易いという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠点を示さずかつ高い安定性および高い光沢度を特徴とし
かつ適用例に組み込まれたときに凝集するいかなる傾向も示さない、Al薄片をベ
ースにした改善されたエフェクト顔料を提供することである。
【0007】
意外にも、1種以上の金属酸化物でコーティングされたアルミナ薄片をベースにしたエ
フェクト顔料の特性は、Al薄片(基材)のAlの量と、コーティング層の
全ての金属酸化物の総量との、厳密に定められた比を持つアルミナ薄片を使用することに
よって増大させることができることが、ついに見出された。
【0008】
詳しくは、エフェクト顔料の凝集挙動および耐候安定性は、定められたAl/金
属酸化物の比によって影響を受ける可能性がある。さらに、定められた比を持つエフェク
ト顔料は、改善された光沢、彩度および非常に澄んだ色を示す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって本発明は、Al薄片が金属酸化物または金属酸化物の混合物の1以上
の層でコーティングされ、Al薄片のAlの量とコーティング層の金属酸化
物の総量との比が全エフェクト顔料に対して27:73から83:17の範囲であること
を特徴とする、アルミナ薄片をベースにしたエフェクト顔料に関する。
【0010】
本発明によるエフェクト薄片は、例えばインク、コーティング、好ましくは自動車用コ
ーティング、工業用コーティング、プラスチック、化粧品配合物など、エフェクト顔料が
通常用いられる全ての配合物に用いることができる。
【0011】
従来技術に比べ、本発明によるエフェクト顔料は、改善された耐候安定性と、凝集し灰
色がかった色になる傾向が低くなるような、改善された付着特性を示し、同時に、改善さ
れた光学特性、特に高い彩度、より高い光沢、より低いヘーズ、および優れた仕上げを示
し、同時に高い化学安定性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によるエフェクト顔料の必須の特徴は、Al(基材)と、Al基材
の表面上の金属酸化物の総量との比である。「金属酸化物」という用語は、金属酸化物の
混合物も含む。
【0013】
本特許出願において、「量」という用語は、Al薄片の重量と、Al薄片
の表面上の全コーティング層の金属酸化物の混合物を含む全金属酸化物の重量である。
【0014】
1種以上の金属酸化物を持つAl基材のコーティングは周知であり、適切な金属
酸化物は、好ましくはTiO、Fe、Fe、SnO、ZrO、ZnO
、Cr、FeTiO、またはこれらの混合物から選択される。好ましい金属酸化
物の混合物は、TiO/Feから選択される。
【0015】
本特許出願における金属酸化物という用語は、SiOも含む。
【0016】
エフェクト顔料は、好ましくは130~500nmの厚さを有するAl薄片をベ
ースにする。好ましいAl薄片は、好ましくは130~400nmの厚さを有し、
特に150~350nmである。
【0017】
好ましいAl薄片は、体積サイズ画分が下記の通り分布しているガウス分布を特
徴とする粒度分布を有する:
- D50は、15~30μmの範囲であり、好ましくは15~25μmであり、
- D90は、30~45μmの範囲であり、好ましくは30~40μmである。
【0018】
本特許出願において、アルミナ薄片のD10、D50、およびD90は、Malver
n MS 2000を使用することによって評価される。
【0019】
粒度分布D50は、中位径または粒度分布の中央値としても知られ;これは累積分布の
50%での粒径の値であり、顔料の粒度を特徴付ける重要なパラメータの1つである。
【0020】
それに応じて、D90値は、球相当径の形態でレーザ粒度分析を用いて再び決定される
Al薄片の最大縦寸法であって、全Al粒子全体の90%の粒子が最大でそ
の値に到達しまたはそれを下回る、最大縦寸法を意味する。
【0021】
好ましい実施形態において、本発明によるアルミナ薄片のD10値は、9.5μm未満
であり、好ましくは9.0μm以下である。
【0022】
10値は、球状相当径の形態でレーザ粒度分析を用いて決定されるAl薄片の
縦寸法の値であって、全Al薄片全体の10%の薄片が最大でその値に到達しまた
はそれを下回る、縦寸法の値を意味する。
【0023】
好ましい実施形態では、本発明によるAl薄片の厚さ分布の標準偏差は、80未
満、好ましくは5~60、特に10~50である。
【0024】
本特許出願において、平均厚さは、Al薄片が基材に対して実質的に平面平行に
配向されている、硬化塗膜に基づいて決定される。この目的のため、硬化塗膜の横断面を
走査型電子顕微鏡(SEM)下で検査し、100個のAl薄片の厚さを確認して統
計的に平均する。
【0025】
所望のサイズおよび厚さ分布は、選択されたスクリーンを通して分級することなどによ
る、薄片の適切な分級によって得ることができる。
【0026】
本発明によるAl薄片は、好ましくは30~200、特に50~150のアスペ
クト比(直径/厚さの比)を有する。
【0027】
好ましい実施形態では、本発明のAl薄片は、α-Al薄片である。
【0028】
Al薄片は、文献に記載されているような、それ自体が公知の方法によって、調
製することができる。
【0029】
粒度、厚さ、光学特性、および/または表面形態を制御するために、ドープされたAl
を使用するのが助けになることがある。ドーパントは、以下の化合物の群:TiO
、ZrO、SiO、In、SnO、ZnO、およびこれらの組合せから、
好ましくは選択される。Al薄片は、1種以上のドーパントを、好ましくはAl
薄片に対して0.01~5重量%の量で含有することができる。好ましい実施形態で
は、Al薄片は、1種のドーパントのみ含有する。
【0030】
好ましい実施形態では、ドーパントは、Al薄片に対して0.05~3重量%の
量で好ましく使用される、TiO、ZrO、またはZnOである。
【0031】
Al薄片は、金属酸化物の層、例えばTiO、ZrO、SnO、ZnO、
Fe、Fe4、FeTiO、Cr、CoO、Coなどの層のよ
うな、少なくとも1つの高屈折率層で好ましくはコーティングされる。TiO層は、ル
チルまたはアナターゼ型にあってもよい。一般に、最高の品質および光沢であると同時に
最も適切なエフェクト顔料は、TiOがルチル型であるときに得られる。ルチル型を得
るために、TiOをルチル型に導くことができる添加剤を使用することができる。有用
なルチル誘導剤は、US4,038,099およびUS5,433,779およびEP 0 271 767に開示されている
。好ましいルチル誘導剤は、SnOである。
【0032】
Al薄片をベースにした好ましいエフェクト顔料は、金属酸化物の1以上の層で
、好ましくは1つの金属酸化物層のみで、特にTiO、Fe、Fe、Sn
、ZrO、またはCrでコーティングされる。TiOまたはFe
るいはこれらの混合物でコーティングされたAl薄片が特に好ましい。
【0033】
各高屈折率層の厚さは、所望の干渉色に依存する。Al薄片の表面の各層の厚さ
は20~400nm、好ましくは30~300nm、特に30~200nmである。
【0034】
Al薄片の表面の層の数は、好ましくは1または2層、さらに3、4、5、6、
または7層である。
【0035】
特に、Al薄片の表面の高および低屈折率層からなる干渉パッケージは、光沢度
が増大しかつ干渉色またはカラーフロップがさらに増大したエフェクト顔料をもたらす。
【0036】
コーティングするのに適切な無色の低屈折率材料は、好ましくは金属酸化物または対応
する酸化物水和物、例えばSiO、Al、AlO(OH)、B、MgO・
SiOなど、MgFなどの化合物、または前記金属酸化物の混合物である。
【0037】
Al薄片の表面に付着される多層の場合、干渉系は特にTiO-SiO-T
iOの層順序である。
【0038】
さらに、本発明によるエフェクト顔料は、外層として半透明金属層を有していてもよい
。このタイプのコーティングは、例えばDE 38 25 702 A1から公知である。金属層は、好
ましくは、層厚が5~25nmのクロムまたはアルミニウム層である。
【0039】
さらに、Al薄片をベースにしたエフェクト顔料は、トップコートとして最終的
には有機または無機染料で、好ましくはプルシアンブルーまたはカルミンレッドでコーテ
ィングすることができる。
【0040】
本発明によるAl薄片をベースにした特に好ましいエフェクト顔料は、下記の層
順序を有する:
Al薄片+TiO
Al薄片+TiO/Fe
Al薄片+Fe
Al薄片+Fe
Al薄片+TiO+Fe
Al薄片+TiO+Fe
Al薄片+TiO+SiO+TiO
Al薄片+TiO+MgO・SiO+TiO
Al薄片+Fe+SiO+TiO
Al薄片+TiO/Fe+SiO+TiO
Al薄片+TiO+SiO+TiO/Fe
Al薄片+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
Al薄片+TiO+SiO
Al薄片+TiO+SiO/Al
Al薄片+TiO+Al
Al薄片+SnO
Al薄片+SnO+Fe
Al薄片+SnO+TiO
Al薄片+ZrO
Al薄片+TiO+プルシアンブルー または
Al薄片+TiO+カルミンレッド。
【0041】
上述の好ましい実施形態におけるTiO層は、ルチルまたはアナターゼ型にすること
ができる。好ましい実施形態では、TiO層がルチル型である。好ましい実施形態では
、ルチル型は、まず1~20nmの範囲の層厚を有する薄いSnO層を付着させ、その
後、TiO層を付着させることによって調製される。
【0042】
好ましい実施形態における上述のAl薄片に、ドープすることができまたはドー
プしなくてもよい。
【0043】
本出願において、「コーティング」または「層」という用語は、本発明によるAl
薄片の完全な覆いを意味すると解釈される。
【0044】
ドープされたまたはドープされていないAl薄片をベースにしたエフェクト顔料
は、好ましくは全エフェクト顔料に対して27~83重量%のAl薄片と17~7
3重量%のコーティング層とからなる。
【0045】
エフェクト顔料の干渉色および/または質感色が銀色の場合、Al薄片のAl
の量と被覆層の金属酸化物の量の比は、全エフェクト顔料を基準として、60:40
~80:20の範囲であることが好ましい。
【0046】
エフェクト顔料の干渉色および/または質感色が青色の場合、Al薄片のAl
の量と被覆層の金属酸化物の量の比は、全エフェクト顔料を基準として、35:65
~60:40の範囲であることが好ましい。
【0047】
エフェクト顔料の干渉色および/または質感色が赤色の場合、Al薄片のAl
の量と被覆層の金属酸化物の量の比は、全エフェクト顔料を基準として、35:65
~65:35の範囲であることが好ましい。
【0048】
Al薄片は、CVDまたはPVDプロセスによって、湿潤化学コーティングによ
りコーティングすることができる。
【0049】
1つまたは複数の層、好ましくは1つまたは複数の金属酸化物層によるα-Al
薄片のコーティングは、好ましくは湿式化学法によって実施され、この方法は、真珠様顔
料の調製のために開発された湿式化学コーティング法を使用することが可能である。この
タイプの方法は、例えば、DE 14 67 468、DE 19 59 988、DE 20 09 566、DE 22 14 545、
DE 22 15 191、DE 22 44 298、DE 23 13 331、DE 15 22 572、DE 31 37 808、DE 31 37 8
09、DE 31 51 343、DE 31 51 354、DE 31 51 355、DE 32 11 602、DE 32 35 017、または
当業者に公知の他の特許文献およびその他の刊行物に記載されている。
【0050】
湿式コーティングの場合、Al薄片を水中に懸濁し、1種以上の加水分解性金属
塩を加水分解に適切なpHで添加するが、この値は、金属酸化物または金属酸化物加水分
解物が、2次沈殿を引き起こすことなく薄片上に直接沈殿するように選択される。pHは
通常、塩基および/または酸の同時計量添加によって一定に保たれる。その後、顔料を分
離し、洗浄し、50~150℃で1~18時間乾燥し、0.5~3時間仮焼するが、この
仮焼温度は、存在するそれぞれのコーティングに対して最適化することができる。一般に
、仮焼温度は500~1000℃、好ましくは600~900℃である。望む場合には、
顔料を、個々のコーティングの付着後に分離し、乾燥し、任意選択で仮焼し、次いで再び
再懸濁して、さらなる層の付着を行うことができる。
【0051】
Al薄片および/または既にコーティングされたAl薄片へのSiO
の付着は、一般に、適切なpHでカリウムまたはナトリウム水ガラス溶液を添加すること
によって実施される。
【0052】
さらにコーティングは、気相コーティングによって、流動床反応器内で実施することも
でき、このコーティングでは、例えば、相応に真珠様顔料を調製するためのEP 0 045 851
およびEP 0 106 235に提示された方法を使用することが可能である。
【0053】
本発明によるAl薄片をベースにしたエフェクト顔料の色相および彩度は、コー
ティング量またはそこから得られる層厚の異なる選択を通して、非常に広い範囲で変える
ことができる。ある色相または彩度に関する微細な調整は、視覚によるまたは測定技術に
よる制御下で所望の色に近付くことにより、単なる量の選択を超えて実現することができ
る。
【0054】
本発明によるエフェクト顔料は、屋内および屋外で用いることができる。屋外での適用
例は特に、エフェクト顔料が非常に求められている。この場合、エフェクト顔料に影響を
及ぼすような、光、高い大気湿度、高および低温への曝露など、様々な要因が生ずる。特
に、屋外での適用例に関するプラスチック部品および塗膜はしばしば、極端な耐候条件お
よび長時間続く強力な露光に、長時間にわたり供され、その結果、材料が老化する。
【0055】
ユーザ媒体に対する耐候性、分散性、および/または適合性を改善するために、例えば
、AlまたはZrOまたはこれらの混合物の機能性コーティングを、顔料表面に
付着させることが可能である。さらに、例えばEP 0090259、EP 0 634 459、WO 99/57204
、WO 96/32446、WO 99/57204、US5,759,255、US5,571,851、WO 01/92425、US RE41,858 E
、またはJ.J. Ponjee, Philips Technical Review、Vol. 44、No. 3、81 ff.およびP.H.
Harding J.C. Berg、J. Adhesion Sci. Technol. Vol. 11 No. 4、471~493頁に記載され
るように、例えばシランによる有機ポストコーティングが可能である。
【0056】
アフターコーティング層または機能性コーティング層が、金属酸化物の1以上の層を含
有する場合、機能性コーティング層の金属酸化物の量は、Al薄片のAl
量と、コーティング層の金属酸化物の量との比で考慮しなければならず、この比は27:
83から83:17でなければならない。
【0057】
前処理されかつ希土類金属化合物の少量の酸化物または水酸化物を含有する、本発明に
よるエフェクト顔料は、改善された耐候性と低いグレイッシュ効果とを示す。特に、希土
類金属化合物の酸化物または水酸化物を0.01~3%、特に0.05から2重量%の量
で含有する本発明によるエフェクト顔料は、さらに改善された光安定性および耐候安定性
を示す。
【0058】
したがって本発明はさらに、全顔料に対して希土類金属化合物の酸化物および水酸化物
を0.01~3重量%含有する、Al薄片をベースにしたエフェクト顔料に関する
【0059】
好ましい希土類金属化合物は、Ce、La、およびYである。
【0060】
希土類金属化合物、例えばCeに加え、保護層に存在する好ましい他の金属酸化
物は、Al、SiO、およびZrOである。さらに保護層は、有機カップリン
グ剤、有機官能性シラン、アミノ化合物、有機リン化合物から特に選択された有機成分を
含有することができる。
【0061】
適切なカップリング試薬は、例えば、オルガノシラン、オルガノアルミネート、オルガ
ノチタネート、および/またはジルコネートである。カップリング剤は、好ましくはオル
ガノシランである。
【0062】
オルガノシランの例は、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、
n-ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメ
トキシシラン、i-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、n
-デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、好ましくはn-オクチルトリメトキシシラン、およ
びn-オクチルトリエトキシシランである。適切なオリゴマー系アルコールフリーオルガ
ノシラン加水分解物は、とりわけ、Dynasylan(登録商標)Hydrosilと
いう商品名でEvonik Industriesから販売されている製品、例えば、D
ynasylan(登録商標)Hydrosil 2926、Dynasylan(登録
商標)Hydrosil 2909、Dynasylan(登録商標)Hydrosil
2907、Dynasylan(登録商標)Hydrosil 2781、Dynas
ylan(登録商標)Hydrosil 2776、Dynasylan(登録商標)H
ydrosil 2627などである。さらに、オリゴマー系ビニルシランとアミノシラ
ン加水分解物も、有機コーティングとして適切である。官能化有機シランは、例えば、3
-アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)、3-メタクリルオキシトリメトキシ
シラン(DAMO)、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)
、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-イソシアナ
トプロピルトリメトキシシラン、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,
3,3,-テトラメチルジシロキサン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、好ましく
は3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシトリメトキシシラン、
3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ-イソシアナトプロピルトリメトキシシランであ
る。ポリマーシラン系の例は、WO 98/13426に記載されており、例えばEvonik I
ndustriesからDynasylan(登録商標)Hydrosilという商標で
販売されている。有機コーティングの量は、エフェクト顔料に対して0.2から5重量%
の間にすることができ、好ましくは0.5から2重量%である。
【0063】
適切なカップリング剤は、とりわけ、下記の構造
【0064】
【化1】
【0065】
(式中、
Xは、NH、COOH、-COO、ヒドロキシフェニル、メタクリレート、カルボキ
シフェニル、アルキル、メルカプト、フェニル、H、ビニル、スチリル、メラミン、エポ
キシ、アリールまたはアルキルを示し、
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12を示す)
のアルミン酸ジルコニウムである。
【0066】
その他の適切なカップリング試薬は、下記の構造
(OR)
(式中、
Mは、Zr、Ti、またはAlを示し、
Nは、金属の価数を示し、
yは、金属の価数に応じて1、2、または3、
Rは、
(i) 1~12個の炭素原子のアルキルまたはアリール、
(ii) -N(アルキル)、-NH(アルキル)、-NH(アルキル)、-NH
、N(アリール)、-NH(アリール)、または-NH(アリール)、によって
置換されたアルキルまたはアリール(アリールは、ハロゲン、ニトロ、アミノ、または水
素により置換されていてもよい)、
(iii) -C-アリールまたはC-アルキル
を示す)
の金属酸エステルである。
【0067】
特に適切な金属酸エステル、例えばアクリレート官能性およびメタクリルアミド官能性
チタネートと、メタクリルアミド官能性ジルコネートが、市販されている。
【0068】
コーティング付きAl薄片の表面の保護層によって構成されたエフェクト顔料の
総量の割合は、2から20重量%、好ましくは2から10重量%、特に2から5重量%で
ある。保護層そのものは、希土類金属酸化物、好ましくはCeを0.2~2重量%
、SiOを0.2~2重量%、Alおよび/またはZrOを0.2~4重量%
、および有機成分を1~10重量%含有する。好ましい実施形態では、有機成分がカップ
リング剤である。
【0069】
好ましい実施形態では、保護層は、Ce 0.4~1.5重量%、SiO
.4~1重量%、Alおよび/またはZrO 0.5~2.5重量%、およびカ
ップリング剤2~5重量%からなる。
【0070】
全エフェクト顔料に対するCeの量が2重量%以下である保護層を含有する、本
発明によるエフェクト顔料が特に好ましい。
【0071】
酸化セリウム含量が2重量%以下である保護層を含有する本発明によるエフェクト顔料
は、さらなる利点を示し、即ち暗所で黄変せず、フェノール系酸化防止剤(例えば、BH
T)によりUV照射および湿度の下での黄変が少なくまたは黄変せず、高い光堅牢性、お
よび高い耐候安定性を示す。
【0072】
本発明によりエフェクト顔料上の保護コーティングは、当業者に公知の方法によって調
製される。好ましい実施形態では、エフェクト顔料は、湿式化学コーティングによって前
処理される。
【0073】
好ましい実施形態では、エフェクト顔料を水中に懸濁し、pHを3から5の値に調節し
た後に、希土類金属の水性塩溶液または固体塩と、金属アルミニウムおよびジルコニウム
の水性塩溶液または固体塩、またはこれらの混合物を、保護層の酸化物に対して1から4
重量%の濃度で、顔料懸濁液に添加する。pH値を9に上昇させ、pH値を一定に保ちな
がら希薄ケイ酸ナトリウムまたはカリウム溶液を添加する。最後のステップで、エフェク
ト顔料に対して、少なくとも1種のカップリング試薬を1~10重量%、好ましくは2か
ら5重量%を添加し、懸濁液を撹拌し、pH値を5から8の値に調節する。得られた処理
済みエフェクト顔料を後処理し、当業者にとって従来通りの方法によって、例えば濾過、
乾燥、および篩い分けによって単離する。
【0074】
乾燥は、好ましくは80から180℃の温度で、通常は10分間以上、必要に応じて6
~18時間実施することができる。
【0075】
全含量に対して2重量%以下のCeを含む保護層を含有する、本発明によるエフ
ェクト顔料は、分散性、安定性、色特性、微泡形成、膨潤、および光沢に関して、さらに
改善された特性、例えば、改善された光安定性、灰色がかった着色の低減、非常に良好な
耐候性、水希釈性表面コーティング系、特に自動車用塗料系に対する非常に良好な適切性
を示す。
【0076】
エフェクト顔料上の保護層の厚さは、好ましい実施形態において0.5~10nm、特
に1~5nmの範囲である。
【0077】
好ましい実施形態では、本発明によるエフェクト顔料は、BET法(DIN ISO
9277:2003-05)によって測定される、12m/g以下、好ましくは8m
/g以下の比表面積を有する。
【0078】
本発明によるAl薄片をベースにしたエフェクト顔料は、多数の表色系、好まし
くは塗料、自動車用コーティング、工業用コーティング、および印刷インクと、化粧品配
合物の領域からの多数の表色系に、適合可能である。例えばグラビア印刷、フレキソ印刷
、オフセット印刷、およびオフセットオーバーバーニッシング用の印刷インクを調製する
場合、多数の結合剤、特に水溶性グレードの結合剤、例えばBASF、Marabu、P
roll、Sericol、Hartmann、Gebr.Schmidt、Sicpa
、Aarberg、Siegberg、GSB-Wahl、Follmann、Ruco
、またはCoates Screen INKS GmbHから販売されているものが適
切である。印刷インクは、水をベースにしたものまたは溶媒をベースにしたものとするこ
とができる。顔料は、紙およびプラスチックのレーザマーキングと、農業部門での適用例
、例えば温室用シートと、例えばテント用天幕の着色にもさらに適切である。
【0079】
言うまでもないが、様々な適用例で、本発明によるエフェクト顔料は、有機染料、有機
顔料、またはその他の顔料、例えば透明および不透明な白色、着色、および黒色顔料と、
薄片形態の酸化鉄、ホログラフィック顔料、LCP(液晶ポリマー)、および従来の透明
な、着色された、黒色の光沢顔料であって、金属酸化物でコーティングされた雲母および
SiO薄片をベースにしたものなどと、ブレンドして有利に使用することもできる。本
発明によるAl薄片をベースにしたエフェクト顔料は、市販の顔料および充填剤と
任意の比で混合することができる。
【0080】
挙げられる充填剤は、例えば、天然および合成雲母、ナイロン粉末、純粋なまたは充填
されたメラミン樹脂、タルク、SiO、ガラス、カオリン、アルミニウム、マグネシウ
ム、カルシウム、または亜鉛の酸化物または水酸化物、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、およびこれらの物質の物理的な
または化学的な組合せである。充填剤の粒子形状に関して制約はない。例えば、要求に応
じて薄片状、球状または針状であってよい。
【0081】
本発明によるAl薄片をベースにしたエフェクト顔料は、取扱いが簡単で容易で
ある。Al薄片、およびAl薄片をベースにしたエフェクト顔料は、単純に
撹拌することによって、使用される系に添加することができる。労力を要するAl
薄片およびエフェクト顔料の粉化および分散は、必要ない。
【0082】
本発明によるAl薄片をベースにしたエフェクト顔料は、コーティング材料、印
刷インク、プラスチック、農業用フィルム、ボタンペーストを着色するのに、種子のコー
ティングに、食物の着色、医薬または化粧品配合物のコーティングに、使用することがで
きる。着色するのに使用される系内の、Al薄片およびエフェクト顔料の濃度は、
系の全固形分含量に対して一般に0.01から50重量%の間、好ましくは0.1から5
重量%の間である。この濃度は、一般に個別の適用例に依存する。
【0083】
0.1から50重量%、特に0.5から7重量%の量で、本発明のエフェクト顔料を含
有するプラスチックは、しばしば特定の光沢効果が注目に値する。
【0084】
コーティングの部門、特に自動車用コーティングおよび自動車仕上げでは、本発明によ
るエフェクト顔料が、0.5~10重量%の量で用いられる。
【0085】
コーティング材料において、本発明によるエフェクト顔料には、単層コーティング(1
コート系、または2コート系におけるベースコートとして)により所望の色および光沢度
が得られるという利点がある。
【0086】
結合剤系の顔料着色では、例えば凹版、オフセット、またはスクリーン印刷用の塗料お
よび印刷インクの場合、Eckart GmbH製のStapa(登録商標)-アルミニ
ウムおよび金青銅ペーストを含むAl薄片をベースにしたエフェクト顔料が、特に
適切であることが証明されている。エフェクト顔料は、2~50重量%、好ましくは5~
30重量%、特に8~15重量%の量で、印刷インクに添加される。金属エフェクト顔料
と組み合わせて、本発明によるエフェクト顔料を含有する印刷インクは、澄んだ色相を示
し、良好な粘度値により印刷可能性が改善されたものである。
【0087】
同様に本発明は、本発明によるエフェクト顔料、および他のエフェクト顔料、結合剤、
および必要に応じて添加剤を含有する顔料調製物を提供し、前記調製物は、実質的に溶媒
を含まない易流動性の顆粒の形態をとる。そのような顆粒は、本発明によるエフェクト顔
料を最大95重量%含有する。Al薄片および本発明によるAl薄片をベー
スにしたエフェクト顔料が、添加剤と共にまたは添加剤なしで、結合剤と共にかつ水およ
び/または有機溶媒と共にペースト処理されており、そのペーストが引き続き乾燥されか
つ圧密化微粒子形態にされ、例えば顆粒、ペレット、ブリケット、マスターバッチ、また
は錠剤にされている、顔料調製物が、印刷インク用の前駆体として特に適切である。
【0088】
したがって本発明は、塗料、コーティング、自動車用コーティング、自動車用仕上げ、
工業用コーティング、塗料、粉末コーティング、印刷インク、セキュリティ用印刷インク
、プラスチック、セラミック材料、化粧品の分野の配合物へのエフェクト顔料の使用にも
関する。コーティングされた、およびコーティングされていないAl薄片は、ガラ
スに、紙に、紙コーティングに、電子写真印刷プロセス用のトナーに、種子に、温室シー
ト材料および防水布に、機械またはデバイスの絶縁用の熱伝導性自立型電気絶縁性フレキ
シブルシートに、紙およびプラスチックのレーザマーキングでの吸収剤として、プラスチ
ックのレーザ溶接での吸収剤として、水、有機および/または水性溶媒を含む顔料ペース
トに、顔料調製物および乾燥調製物、例えば顆粒などに、例えば工業および自動車部門で
のクリアコートに、サンスクリーンに、充填剤として、特に自動車用コーティングおよび
自動車用仕上げに、さらに用いることができる。
【実施例0089】
本出願における全てのパーセンテージのデータは、特に指示しない限り重量パーセント
である。
【0090】
下記の実施例は、本発明をより詳細に、しかし本発明を限定することなく説明するもの
である。
実施例1
Al薄片の製造
硫酸アルミニウム18水和物74.6g、ポリ塩化アルミニウム(PAC:Centr
al Glass Co.,LTD、Alとしての10%溶液)57.1g、無水
硫酸ナトリウム57.3g、および硫酸カリウム46.9gを、60℃を超えて加熱する
ことによって脱イオン水300mlに溶解する。この溶液に、34.4%の硫酸チタニル
溶液3.0gを添加する。得られた溶液を、水溶液(a)と表す。
【0091】
第3リン酸ナトリウム12水和物0.45gおよび炭酸ナトリウム55.0gを、脱イ
オン水300mlに添加する。得られた溶液を、水溶液(b)と表す。
【0092】
水溶液(b)を、撹拌しながら水溶液(a)に添加し、約60℃に保つ。撹拌を1時間
続ける。得られた溶液(a)と溶液(b)との混合物は、スラリーである。このスラリー
を蒸発乾固し、乾燥した生成物を1150℃で6時間加熱する。水を、加熱した生成物に
添加して、遊離硫酸塩を溶解する。不溶固形分を濾別し、水で洗浄する。最後に、生成物
を乾燥する。
【0093】
得られたアルミナ薄片を、X線回折測定によって検査する。回折パターンは、コランダ
ム構造(α-アルミナ構造)に起因するピークのみを有する。
【0094】
得られたAl薄片は、そのD50値が16.0μmであり、D90値が30.8
μmであり、厚さは200nmである。
【0095】
α-Al薄片の厚さ分布の標準偏差は28である。
実施例2
Al薄片の製造
硫酸アルミニウム18水和物74.6g、ポリ塩化アルミニウム(PAC:Centr
al Glass Co.,LTD、Alとしての10%溶液)57.1g、無水
硫酸ナトリウム57.3g、および硫酸カリウム46.9gを、60℃を超えて加熱する
ことによって脱イオン水300mlに溶解する。この溶液に、34.4%の硫酸チタニル
溶液3.0gと、5.0%の塩化インジウム(III)溶液5.5gとを添加する。得ら
れた溶液を、水溶液(a)と表す。
【0096】
第3リン酸ナトリウム12水和物0.45gおよび炭酸ナトリウム55.0gを、脱イ
オン水300mlに添加する。得られた溶液を、水溶液(b)と表す。
【0097】
水溶液(b)を、撹拌しながら水溶液(a)に添加し、約60℃に保つ。撹拌を1時間
続ける。得られた溶液(a)と溶液(b)との混合物は、スラリーである。このスラリー
を蒸発乾固し、乾燥した生成物を1200℃で4時間加熱する。水を、加熱した生成物に
添加して、遊離硫酸塩を溶解する。不溶固形分を濾別し、水で洗浄する。最後に、生成物
を乾燥する。
【0098】
得られたアルミナ薄片を、X線回折測定によって検査する。回折パターンは、コランダ
ム構造(α-アルミナ構造)に起因するピークのみを有する。
【0099】
得られたAl薄片は、そのD50値が19.0μmであり、D90値が35.6
μmであり、厚さは250nmである。
【0100】
α-Al薄片の厚さ分布の標準偏差は32である。
実施例3
Al薄片の製造
27%のAl(SO溶液1.3g、NaSO 345g、KSO
80g、およびZnSO・7HO溶液6gを、1,205mlの水に添加し、70℃
で加熱する。水900ml中NaCO 320gおよび(NaPO 2.7g
からなるアルカリ溶液を70℃で添加する。硫酸アルミニウム混合物溶液を、pH6.8
で撹拌しながらアルカリ溶液で滴定する。擬似ベーマイトおよびフラックスのゲル混合物
が得られる。ゲル混合物を90℃で20時間熟成させ、真空中で、60℃で蒸留し、11
0℃で20時間乾燥する。乾燥したゲル混合物を、5mm未満のサイズに粉砕し、2lの
アルミナ坩堝で、500℃で1時間仮焼することにより、湿分を除去する。温度を930
℃に上昇させ、0.5時間維持し、したがって、均質な溶融塩が形成され、針状アルミナ
粒子の凝固によって薄片状の結晶が形成されるようになる。結晶化は、1,150℃で5
.5時間行われ、濾過することによって薄片状のα-アルミナ結晶が得られる。薄片状α
-アルミナ結晶を、0.5%硫酸溶液3,000lに懸濁する。粒子を60℃で48時間
撹拌して分散を完了させる。混合物を再び濾過し、水で洗浄し、100℃で乾燥する。厚
さ255nmおよび平均粒度15.6μmの、透明な薄片状のα-アルミナが得られる。
実施例4
Al薄片のコーティング
実施例1のアルミナ薄片20gを、脱イオン水250mlに懸濁する。得られた懸濁液
を、10%HClを添加することによってpH1.8~1.9に調節し、手順全体を通し
て約75℃に保つ。10分間撹拌した後、SnCl 0.8gの脱イオン水15ml中
溶液と、NaOHの32%溶液とを、pH1.8~1.9に維持しながら同時に滴加する
。30分間撹拌した後、脱イオン水50ml中にTiCl 29gを含有する溶液を、
NaOHの10%溶液と同時に、pH1.8~1.9に保ちながら添加する。15分間撹
拌した後、pHを、32%水酸化ナトリウム溶液を添加することによってpH7.5に調
節する。撹拌の10分後、脱イオン水25ml中にNaSiO 4.8gを含有する
溶液を、懸濁液に添加する。同時に、HClの10%溶液を添加して、pHを7.5に保
つ。10分間の撹拌後、HClの10%溶液を添加することによって、pHを1.8に調
節する。懸濁液を沈降させ、沈降した粒子の最上部の透明溶液を部分的に除去することに
よって、体積を約280mlに調節する。
【0101】
撹拌しながら、SnCl 0.8gの脱イオン水15ml中溶液と水酸化ナトリウムの
32%溶液とをpH1.8~1.9に維持しつつ添加することにより、同時に滴加するこ
とによって、SnOの追加の層を堆積した。30分間撹拌した後、脱イオン水50ml
中にTiCl 21.9gを含有する溶液を、pH1.8~1.9に維持しながらNa
OHの10%溶液と同時に添加する。30分の撹拌後、pHを5.0~5.3に調節し、
濾過する。フィルタケーキを水で洗浄し、乾燥する。最後に、乾燥した固形分を850℃
で30分間仮焼することにより、非常に青味がかった光沢のある真珠様顔料が得られる。
光沢角で、強力な青味がかった色および非常に光沢度の高い外観を、より広い角度で見る
ことができる。
実施例5
Al薄片のコーティング
実施例2のアルミナ薄片20gを、脱イオン水400mlに懸濁する。得られた懸濁液
(約65℃に保つ)に、リットル当たりTiClを125g含有する溶液を添加する。
同時に、NaOHの10%溶液を添加して、pHを2.1に保つ。TiCl溶液の添加
は、得られた生成物が黄色がかった色を呈したら停止する。次いでリットル当たりNa
SiO 50gを含有する溶液を、得られた懸濁液に添加する。同時に、HClの10
%溶液を添加して、pHを7に保つ。次に、リットル当たりTiClを125g含有す
る溶液を、得られた懸濁液に添加する。同時に、NaOHの10%溶液を添加して、pH
を2.1に保つ。TiCl溶液の添加は、得られた生成物が青味がかった色を呈したら
停止する。懸濁固形分を濾別し、水で洗浄し、乾燥する。最後に、乾燥した固形分を85
0℃で30分間仮焼することにより、非常に青味がかった光沢のある真珠様顔料が得られ
る。光沢角で、強力な青味がかった色および非常に光沢度の高い外観を、より広い角度で
見ることができる。
実施例6
Al薄片のコーティング
実施例2のアルミナ薄片20gを、脱イオン水250mlに懸濁する。得られた懸濁液
を、10%HClを添加することによってpH1.8~1.9に調節し、手順全体を通し
て約75℃に保つ。10分間撹拌した後、SnCl 0.8gの脱イオン水15ml中
溶液と、NaOHの32%溶液とを、pH1.8~1.9に維持しながら同時に滴加する
。30分間撹拌した後、脱イオン水50ml中にTiCl 29gを含有する溶液を、
NaOHの10%溶液と同時に、pH1.8~1.9に保ちながら添加する。15分間撹
拌した後、pHを、32%水酸化ナトリウム溶液を添加することによってpH7.5に調
節する。撹拌の10分後、脱イオン水25ml中にNaSiO 4.8gを含有する
溶液を、懸濁液に添加する。同時に、HClの10%溶液を添加して、pHを7.5に保
つ。10分間の撹拌後、HClの10%溶液を添加することによって、pHを1.8に調
節する。懸濁液を沈降させ、沈降した粒子の最上部の透明溶液を部分的に除去することに
よって、体積を約280mlに調節する。
【0102】
撹拌しながら、SnCl 0.8gの脱イオン水15ml中溶液と水酸化ナトリウムの
32%溶液とをpH1.8~1.9に維持しつつ添加することにより、同時に滴加するこ
とによって、SnOの追加の層を堆積した。30分間撹拌した後、脱イオン水50ml
中にTiCl 21.9gを含有する溶液を、pH1.8~1.9に維持しながらNa
OHの10%溶液と同時に添加する。30分の撹拌後、pHを5.0~5.3に調節し、
濾過する。フィルタケーキを水で洗浄し、乾燥する。最後に、乾燥した固形分を850℃
で30分間仮焼することにより、非常に青味がかった光沢のある真珠様顔料が得られる。
光沢角で、強力な青味がかった色および非常に光沢度の高い外観を、より広い角度で見る
ことができる。
実施例7
Al薄片のコーティング
実施例3のアルミナ薄片20gを、脱イオン水400mlに懸濁する。得られた懸濁液
(約65℃に保つ)に、リットル当たりTiClを125g含有する溶液を添加する。
同時に、NaOHの10%溶液を添加して、pHを2.1に保つ。TiCl溶液の添加
は、得られた生成物が黄色がかった色を呈したら停止する。次いでリットル当たりNa
SiOを50g含有する溶液を、得られた懸濁液に添加する。同時に、HClの10%
溶液を添加して、pHを7に保つ。次に、リットル当たりTiClを125g含有する
溶液を、得られた懸濁液に添加する。同時に、NaOHの10%溶液を添加して、pHを
2.1に保つ。TiCl溶液の添加は、得られた生成物が青味がかった色を呈したら停
止する。懸濁固形分を濾別し、水で洗浄し、乾燥する。最後に、乾燥した固形分を850
℃で30分間仮焼することにより、非常に青味がかった光沢のある真珠様顔料が得られる
。光沢角で、強力な青味がかった色および非常に光沢度の高い外観を、より広い角度で見
ることができる。
実施例8
Al薄片のコーティング
実施例3のアルミナ薄片20gを、脱イオン水250mlに懸濁する。得られた懸濁液
を、10%HClを添加することによってpH1.8~1.9に調節し、手順全体を通し
て約75℃に保つ。10分間撹拌した後、SnCl 0.8gの脱イオン水15ml中
溶液と、NaOHの32%溶液とを、pH1.8~1.9に維持しながら同時に滴加する
。30分間撹拌した後、脱イオン水50ml中にTiCl 29gを含有する溶液を、
NaOHの10%溶液と同時に、pH1.8~1.9に保ちながら添加する。15分間撹
拌した後、pHを、32%水酸化ナトリウム溶液を添加することによってpH7.5に調
節する。撹拌の10分後、脱イオン水25ml中にNaSiO 4.8gを含有する
溶液を、懸濁液に添加する。同時に、HClの10%溶液を添加して、pHを7.5に保
つ。10分間の撹拌後、HClの10%溶液を添加することによって、pHを1.8に調
節する。懸濁液を沈降させ、沈降した粒子の最上部の透明溶液を部分的に除去することに
よって、体積を約280mlに調節する。
【0103】
撹拌しながら、SnCl 0.8gの脱イオン水15ml中溶液と水酸化ナトリウムの
32%溶液とをpH1.8~1.9に維持しつつ添加することにより、同時に滴加するこ
とによって、SnOの追加の層を堆積した。30分間撹拌した後、脱イオン水50ml
中にTiCl 21.9gを含有する溶液を、pH1.8~1.9に維持しながらNa
OHの10%溶液と同時に添加する。30分の撹拌後、pHを5.0~5.3に調節し、
濾過する。フィルタケーキを水で洗浄し、乾燥する。最後に、乾燥した固形分を850℃
で30分間仮焼することにより、非常に青味がかった光沢のある真珠様顔料が得られる。
光沢角で、強力な青味がかった色および非常に光沢度の高い外観を、より広い角度で見る
ことができる。
実施例9
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例4によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH7に調節された、得られた懸濁液
に、NaSiOを3.05g含有する水ガラス溶液100mlを、90分の間に添加
する。同時に、HClの溶液10%を添加して、pHを7に保つ。その後、硫酸アルミニ
ウム(Al(SO・18HO)6.5gを含有する溶液100mlを、10%
NaOHでpH7に保ちながら、90分の間に懸濁液に添加する。10%NaOHでpH
を7.5に上昇させた後、3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.1
3822-56-5)1.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラ
ン(CAS No.2530-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaO
HでpH7.0に保ちながら続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加する。懸濁固形分
を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0104】
表面処理されたエフェクト顔料は、良好な耐湿性(湿潤試験)、残された光活性による
適度な耐候性を示す。
実施例10
コーティング付きAl薄片の表面処理
次亜リン酸ナトリウム(NaHPO・HO)2.55gを含有する2重量%水溶
液を、室温で撹拌しながら、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl・8HO)3.90g
を含有する5重量%水溶液に、いかなる白色沈殿物も形成されないようにゆっくり添加し
た。このように得られた透明溶液に、35重量%の塩酸を4.1g添加し、酸塩化ジルコ
ニウムと次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液を得た。
【0105】
実施例4によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH2.5に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)2.95gを添加する。酸塩
化ジルコニウムおよび次亜リン酸ナトリウムの溶液を、10%NaOHでpH2.5に保
ちながら60分の間に添加する。次いでpHを、10%NaOHを添加することによって
60分の間に7.0に上昇させる。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS
No.13822-56-5)1.5g、3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシ
シラン(CAS No.2530-83-8)1.5g、およびn-ヘキシルトリメトキ
シシラン(CAS No.3069-19-0)0.5gを、10%HClまたは10%
NaOHでpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸
濁固形分を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0106】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性および耐候性を示す。
実施例11
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例4によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH3.0に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)1.70gおよび硫酸アルミ
ニウム(Al(SO・18HO)3.27gを添加する。pHを、10%Na
OHで、90分の間に7.5に上昇させる。次いで3.03gのNaSiOを含有す
る水ガラス溶液50mlを、10%HClでpH7.5に保ちながら90分の間に添加す
る。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13822-56-5)
1.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.2
530-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOHでpH7.5に保ち
ながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分を濾別し、水で洗浄
し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0107】
セリウム含量が低減された、実施例11により表面処理したエフェクト顔料は、実施例
9および10に比べ、優れた湿度特性(非常に良好な湿度)および耐候性を示す。
実施例12
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例5によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH7に調節された、得られた懸濁液
に、NaSiO 3.05gを含有する水ガラス溶液100mlを、90分の間に添
加する。同時に、HClの10%溶液を添加して、pHを7に保つ。その後、硫酸アルミ
ニウム(Al(SO・18HO)6.5gを含有する溶液100mlを、10
%NaOHでpH7に保ちながら90分の間に懸濁液に添加する。10%NaOHでpH
を7.5に上昇させた後、3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.1
3822-56-5)1.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラ
ン(CAS No.2530-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaO
HでpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形
分を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0108】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性(湿潤試験)、残された光活性による適
度な耐候性を示す。
実施例13
コーティング付きAl薄片の表面処理
次亜リン酸ナトリウム(NaHPO・HO)2.55gを含有する2重量%水溶
液を、室温で撹拌しながら、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl・8HO)3.90g
を含有する5重量%水溶液に、いかなる白色沈殿物も形成されないようにゆっくり添加し
た。このように得られた透明溶液に、35重量%の塩酸を4.1g添加し、酸塩化ジルコ
ニウムと次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液を得た。
【0109】
実施例5によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH2.5に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)2.95gを添加する。酸塩
化ジルコニウムおよび次亜リン酸ナトリウムの溶液を、10%NaOHでpH2.5に保
ちながら60分の間に添加する。次いでpHを、10%NaOHを添加することによって
60分の間に7.0に上昇させる。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS
No.13822-56-5)1.5g、3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシ
シラン(CAS No.2530-83-8)1.5g、およびn-ヘキシルトリメトキ
シシラン(CAS No.3069-19-0)0.5gを、10%HClまたは10%
NaOHでpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸
濁固形分を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0110】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性および耐候性を示す。
実施例14
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例5によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH3.0に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)1.70gおよび硫酸アルミ
ニウム(Al(SO・18HO)3.27gを添加する。pHを、10%Na
OHで、90分の間に7.5に上昇させる。次いで3.03gのNaSiOを含有す
る水ガラス溶液50mlを、10%HClでpH7.5に保ちながら90分の間に添加す
る。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13822-56-5)
1.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.2
530-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOHでpH7.5に保ち
ながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分を濾別し、水で洗浄
し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0111】
セリウム含量が低減された、実施例14により表面処理したエフェクト顔料は、実施例
12および13に比べ、優れた湿度特性(非常に良好な湿度)および耐候性を示す。
実施例15
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例6によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH7に調節された、得られた懸濁液
に、3.05gのNaSiOを含有する水ガラス溶液100mlを、90分の間に添
加する。同時にHClの10%溶液を添加して、pHを7に保つ。その後、硫酸アルミニ
ウム(Al(SO・18HO)6.5gを含有する溶液100mlを、10%
NaOHでpH7に保ちながら90分の間に懸濁液に添加する。10%NaOHでpHを
7.5に上昇させた後、3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13
822-56-5)1.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン
(CAS No.2530-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOH
でpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分
を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0112】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性(湿潤試験)、残された光活性による適
度な耐候性を示す。
実施例16
コーティング付きAl薄片の表面処理
次亜リン酸ナトリウム(NaHPO・HO)2.55gを含有する2重量%水溶
液を、室温で撹拌しながら、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl・8HO)3.90g
を含有する5重量%水溶液に、いかなる白色沈殿物も形成されないようにゆっくり添加し
た。このように得られた透明溶液に、35重量%の塩酸を4.1g添加し、酸塩化ジルコ
ニウムと次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液を得た。
【0113】
実施例6によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH2.5に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)2.95gを添加する。酸塩
化ジルコニウムおよび次亜リン酸ナトリウムの溶液を、10%NaOHでpH2.5に保
ちながら60分の間に添加する。次いでpHを、10%NaOHを添加することによって
60分の間に7.0に上昇させる。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS
No.13822-56-5)1.5g、3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシ
シラン(CAS No.2530-83-8)1.5g、およびn-ヘキシルトリメトキ
シシラン(CAS No.3069-19-0)0.5gを、10%HClまたは10%
NaOHでpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸
濁固形分を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0114】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性および耐候性を示す。
実施例17
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例6によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH3.0に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)1.70gおよび硫酸アルミ
ニウム(Al(SO・18HO)3.27gを添加する。pHを、10%Na
OHで90分の間に7.5に上昇させる。次いでNaSiO 3.03gを含有する
水ガラス溶液50mlを、10%HClでpH7.5に保ちながら90分の間に添加する
。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13822-56-5)1
.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.25
30-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOHでpH7.5に保ちな
がら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分を濾別し、水で洗浄し
、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0115】
セリウム含量が低減された、実施例17による表面処理したエフェクト顔料は、実施例
15および16に比べ、優れた湿度特性(非常に良好な湿度)および耐候性を示す。
実施例18
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例7によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH7に調節された、得られた懸濁液
に、3.05gのNaSiOを含有する水ガラス溶液100mlを、90分の間に添
加する。同時にHClの10%溶液を添加して、pHを7に保つ。その後、硫酸アルミニ
ウム(Al(SO・18HO)6.5gを含有する溶液100mlを、10%
NaOHでpH7に保ちながら90分の間に懸濁液に添加する。10%NaOHでpHを
7.5に上昇させた後、3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13
822-56-5)1.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン
(CAS No.2530-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOH
でpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分
を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0116】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性(湿潤試験)、残された光活性による適
度な耐候性を示す。
実施例19
コーティング付きAl薄片の表面処理
次亜リン酸ナトリウム(NaHPO・HO)2.55gを含有する2重量%水溶
液を、室温で撹拌しながら、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl・8HO)3.90g
を含有する5重量%水溶液に、いかなる白色沈殿物も形成されないようにゆっくり添加し
た。このように得られた透明溶液に、35重量%の塩酸を4.1g添加し、酸塩化ジルコ
ニウムと次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液を得た。
【0117】
実施例7によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH2.5に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)2.95gを添加する。酸塩
化ジルコニウムおよび次亜リン酸ナトリウムの溶液を、10%NaOHでpH2.5に保
ちながら60分の間に添加する。次いでpHを、10%NaOHを添加することによって
60分の間に7.0に上昇させる。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS
No.13822-56-5)1.5g、3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシ
シラン(CAS No.2530-83-8)1.5g、およびn-ヘキシルトリメトキ
シシラン(CAS No.3069-19-0)0.5gを、10%HClまたは10%
NaOHでpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸
濁固形分を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0118】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性および耐候性を示す。
実施例20
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例7によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH3.0に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)1.70gおよび硫酸アルミ
ニウム(Al(SO・18HO)3.27gを添加する。pHを、10%Na
OHで90分の間に7.5に上昇させる。次いでNaSiO 3.03gを含有する
水ガラス溶液50mlを、10%HClでpH7.5に保ちながら90分の間に添加する
。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13822-56-5)1
.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.25
30-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOHでpH7.5に保ちな
がら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分を濾別し、水で洗浄し
、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0119】
セリウム含量が低減された、実施例20による表面処理したエフェクト顔料は、実施例
18および19に比べ、優れた湿度特性(非常に良好な湿度)および耐候性を示す。
実施例21
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例8によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH7に調節された、得られた懸濁液
に、3.05gのNaSiOを含有する水ガラス溶液100mlを、90分の間に添
加する。同時にHClの10%溶液を添加して、pHを7に保つ。その後、硫酸アルミニ
ウム(Al(SO・18HO)6.5gを含有する溶液100mlを、10%
NaOHでpH7に保ちながら90分の間に懸濁液に添加する。10%NaOHでpHを
7.5に上昇させた後、3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13
822-56-5)1.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン
(CAS No.2530-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOH
でpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分
を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0120】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性(湿潤試験)、残された光活性による適
度な耐候性を示す。
実施例22
コーティング付きAl薄片の表面処理
次亜リン酸ナトリウム(NaHPO・HO)2.55gを含有する2重量%水溶
液を、室温で撹拌しながら、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl・8HO)3.90g
を含有する5重量%水溶液に、いかなる白色沈殿物も形成されないようにゆっくり添加し
た。このように得られた透明溶液に、35重量%の塩酸を4.1g添加し、酸塩化ジルコ
ニウムと次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液を得た。
【0121】
実施例8によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH2.5に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)2.95gを添加する。酸塩
化ジルコニウムおよび次亜リン酸ナトリウムの溶液を、10%NaOHでpH2.5に保
ちながら60分の間に添加する。次いでpHを、10%NaOHを添加することによって
60分の間に7.0に上昇させる。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS
No.13822-56-5)1.5g、3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシ
シラン(CAS No.2530-83-8)1.5g、およびn-ヘキシルトリメトキ
シシラン(CAS No.3069-19-0)0.5gを、10%HClまたは10%
NaOHでpH7.0に保ちながら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸
濁固形分を濾別し、水で洗浄し、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0122】
表面処理したエフェクト顔料は、良好な耐湿性および耐候性を示す。
実施例23
コーティング付きAl薄片の表面処理
実施例8によりコーティングされたアルミナ薄片100gを、脱イオン水1000ml
に懸濁する。約70℃に保たれかつ10%HClでpH3.0に調節された、得られた懸
濁液に、塩化セリウム(III)(CeCl・7HO)1.70gおよび硫酸アルミ
ニウム(Al(SO・18HO)3.27gを添加する。pHを、10%Na
OHで90分の間に7.5に上昇させる。次いでNaSiO 3.03gを含有する
水ガラス溶液50mlを、10%HClでpH7.5に保ちながら90分の間に添加する
。3-アミノプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.13822-56-5)1
.5gおよび3-グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン(CAS No.25
30-83-8)1.5gを、10%HClまたは10%NaOHでpH7.5に保ちな
がら、続けてそれぞれ15分の間に懸濁液に添加した。懸濁固形分を濾別し、水で洗浄し
、140℃で乾燥し、篩い分け(325メッシュ)する。
【0123】
セリウム含量が低減された、実施例23による表面処理したエフェクト顔料は、実施例
21および22に比べ、優れた湿度特性(非常に良好な湿度)および耐候性を示す。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Al薄片をベースにしたエフェクト顔料であって、該エフェクト顔料は、銀色、
青色、または赤色の干渉色および/または質感色を有し、Al薄片は、金属酸化物
または金属酸化物の混合物の1以上の層でコーティングされており、Al薄片のA
の量と、コーティング層の金属酸化物の量との比が、全エフェクト顔料を基準と
して27:73から83:17の範囲であることを特徴とする、エフェクト顔料。
【請求項2】
エフェクト顔料の干渉色および/または質感色が銀色の場合、Al 薄片のAl
の量と被覆層の金属酸化物の量の比は、全エフェクト顔料を基準として、60:40
~80:20の範囲であり、
エフェクト顔料の干渉色および/または質感色が青色の場合、Al 薄片のAl
の量と被覆層の金属酸化物の量の比は、全エフェクト顔料を基準として、35:65~
60:40の範囲であり、および
エフェクト顔料の干渉色および/または質感色が赤色の場合、Al 薄片のAl
の量と被覆層の金属酸化物の量の比は、全エフェクト顔料を基準として、35:65~
65:35の範囲である請求項1記載のエフェクト顔料。
【請求項3】
Al薄片の表面が、1つまたは2つの金属酸化物層でコーティングされているこ
とを特徴とする、請求項1または2に記載のエフェクト顔料。
【請求項4】
Al薄片が、TiO、ZrO、SiO、SnO、In、ZnO、
またはこれらの組合せでドープされていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか
一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項5】
ドープ量が、Al薄片に対して0.01~5重量%であることを特徴とする、請
求項1からのいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項6】
TiOまたはZnOでドープされていることを特徴とする、請求項1からのいずれ
か一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項7】
Al薄片の粒子の厚さが130~500nmの範囲であることを特徴とする、請
求項1からのいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項8】
Al薄片の厚さ分布の標準偏差が、80未満であることを特徴とする、請求項1
からのいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項9】
Al薄片が、下記の層順序:
Al薄片+TiO
Al薄片+TiO/Fe
Al薄片+Fe
Al薄片+Fe
Al薄片+TiO+Fe
Al薄片+TiO+Fe
Al薄片+TiO+SiO+TiO
Al薄片+TiO+MgO・SiO+TiO
Al薄片+Fe+SiO+TiO
Al薄片+TiO/Fe+SiO+TiO
Al薄片+TiO+SiO+TiO/Fe
Al薄片+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
Al薄片+TiO+SiO
Al薄片+TiO+SiO/Al
Al薄片+TiO+Al
Al薄片+SnO
Al薄片+SnO+Fe
Al薄片+SnO+TiO
Al薄片+ZrO
Al薄片+TiO+プルシアンブルー または
Al薄片+TiO+カルミンレッド
でコーティングされていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のエ
フェクト顔料。
【請求項10】
Al薄片が、ルチルまたはアナターゼ型のTiOでコーティングされているこ
とを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項11】
Al薄片が、ルチル型のTiOでコーティングされていることを特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項12】
表面に保護層を含有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の
エフェクト顔料。
【請求項13】
保護層が、少なくとも1種の希土類金属酸化物と、ケイ素、アルミニウム、もしくはジ
ルコニウム、またはこれらの混合物から選択される少なくとも1種の金属酸化物と、有機
化合物とを含有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のエフェ
クト顔料。
【請求項14】
有機成分が、有機カップリング剤、有機官能性シラン、アミノ化合物、有機リン化合物
から選択されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のエフェクト
顔料。
【請求項15】
保護層中の希土類金属酸化物が、酸化セリウムであることを特徴とする、請求項1から
14のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項16】
エフェクト顔料中の希土類金属酸化物の量が、2重量%以下であることを特徴とする、
請求項1から15のいずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項17】
保護層が、少なくとも1種の希土類金属酸化物を0.2~2重量%、SiOを0.2
~2重量%、Alおよび/またはZrOを0.2~4重量%、および有機成分を
1~10重量%含有することを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のエ
フェクト顔料。
【請求項18】
保護層が、0.5~10nmの厚さを有することを特徴とする、請求項1から17のい
ずれか一項に記載のエフェクト顔料。
【請求項19】
塗料、コーティング、自動車用コーティング、自動車用仕上げ、工業用コーティング、
塗料、粉末コーティング、印刷インク、セキュリティ用印刷インク、プラスチック、セラ
ミック材料、化粧品、ガラス、紙、紙コーティング、電子写真印刷プロセス用のトナー、
種子、温室用シート材料および防水布、機械またはデバイスの絶縁用の熱伝導性自立型電
気絶縁フレキシブルシートの分野の配合物における、紙およびプラスチックのレーザマー
キングでの吸収剤としての、プラスチックのレーザ溶接での吸収剤としての、水、有機お
よび/または水性溶媒を含む顔料ペーストにおける、顔料調製物および乾燥調製物におけ
る、請求項1から18のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項20】
請求項1から18のいずれか一項に記載の1種以上のエフェクト顔料を、配合物全体に
対して0.01から95重量%の量で含有する配合物。
【請求項21】
水、ポリオール、極性もしくは無極性油、脂肪、ワックス、被膜形成剤、ポリマー、コ
ポリマー、界面活性剤、フリーラジカルスカベンジャー、酸化防止剤、安定化剤、臭気増
強剤、シリコーン油、乳化剤、溶媒、保存剤、増粘剤、レオロジー添加剤、香料、着色剤
、エフェクト顔料、UV吸収剤、界面活性補助剤、および/または化粧品用活性成分、充
填剤、結合剤、真珠様顔料、カラー顔料、および有機染料の群から選択される少なくとも
1つの成分を含有することを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の1種
以上のエフェクト顔料を含有する配合物。