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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114917
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ゼリー食品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 29/20 20160101AFI20240816BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240816BHJP
   A23L 29/269 20160101ALI20240816BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20240816BHJP
   A23L 29/281 20160101ALI20240816BHJP
【FI】
A23L29/20
A23L5/00 M
A23L29/269
A23L29/256
A23L29/281
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024104998
(22)【出願日】2024-06-28
(62)【分割の表示】P 2019189621の分割
【原出願日】2019-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2018196801
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006116
【氏名又は名称】森永製菓株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】窪 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】片桐 春奈
(72)【発明者】
【氏名】木下 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岩朝 義弘
(57)【要約】
【課題】本願発明は、タンパク質の含有量が高いゼリー食品の物性改良技術を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)タンパク質主成分及び(c)ゲル化剤が形成するゲル組織中に、(b)前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質であるタンパク質従成分を(但しゲル化能を有する成分についてはゲル化濃度未満で)分散させる。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)~(c)を含み、
(a)タンパク質主成分、
(b)タンパク質従成分、
(c)ゲル化剤、
(a)タンパク質主成分は、ホエイタンパク、大豆タンパク、及び卵白タンパクから選ばれ、
(b)タンパク質従成分は、前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質であり、
但し、タンパク質従成分としてゲル化能を有する成分を用いる場合には、ゼリー食品における該タンパク質従成分の濃度は、ゲル化濃度未満であり、
(a)及び(b)の合計量が8~30質量%であることを特徴とする、ゼリー食品。
【請求項2】
ゼリー食品における前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質の含有量が、0.01~1質量%であることを特徴とする、請求項1に記載のゼリー食品。
【請求項3】
前記タンパク質主成分10質量部に対する、前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質の含有量が、0.005~1質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゼリー食品。
【請求項4】
前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質が、ゼラチンであることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のゼリー食品。
【請求項5】
ゲル強度が0.2~2.2Nであり、破断距離が1.9~3.4mmであることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のゼリー食品。
【請求項6】
以下の(a)~(c)を水に溶解しゼリー液を調製する、ゼリー液調製工程、
(a)タンパク質主成分
(b)タンパク質主成分以外のアミノ酸源となるタンパク質従成分
(c)ゲル化剤、
(a)タンパク質主成分は、ホエイタンパク、大豆タンパク、及び卵白タンパクから選ばれ、
(b)タンパク質従成分は、前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質であり、タンパク質従成分としてゲル化能を有する成分を用いる場合には、ゼリー食品における該タンパク質従成分の濃度は、ゲル化濃度未満であり、
(a)及び(b)の合計量が8~30質量%であり、
調製したゼリー液を50MPa以上の圧力で加圧処理する、加圧処理工程を含むことを特徴とする、ゼリー食品の製造方法。
【請求項7】
タンパク質を含むゼリー食品の食感改良方法であって、
(a)タンパク質主成分及び(c)ゲル化剤が形成するゲル組織中に、(b)前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質であるタンパク質従成分を分散させることを特徴とする、ゼリー食品の改良方法、
但し、タンパク質従成分としてゲル化能を有する成分を用いる場合には、ゼリー食品における該タンパク質従成分の濃度は、ゲル化濃度未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク含有量が高いゼリー、及び当該ゼリーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の低栄養状態が問題となっている。低栄養状態は、主にタンパク質とエネルギーが足りない状態であり、体力、免疫力及び筋力等の減少につながる。
【0003】
低栄養状態の要因は種々存在するが、その中でも、加齢による食欲低下、顎の筋力の低下、及び嚥下機能の低下により肉等のタンパク源となる食材を食べにくくなることが挙げられる。
【0004】
現在の市場には、手軽にタンパク質を摂取可能な栄養補助食品として、ゼリー状食品が数多く存在する。
このようなタンパク質を含むゼリー状食品は、アスリート等の筋力増強のための栄養源としても用いられている。
【0005】
例えば、特許文献1には、キサンタンガム/タラガム(重量比)=40/60の割合で組み合わせた増粘多糖類0.4重量部、デキストリン1.6重量部、低ゲル化性ホエイタンパク質2重量部、コラーゲンペプチド4重量部、砂糖2.5重量部及び水89.5重量部からなる、フローゼリー状態の嚥下食が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、クエン酸、乳酸カルシウム、シリコン消泡剤及び乳化剤を30kgの水に溶かし、乳ペプチド及びコラーゲンペプチドを添加し、当該混合物を剪断力のある分散手段で分散した後、大豆多糖類を添加した後、再度分散させたベース原料に、終濃度が0.2%になるようにジェランガムを水に分散させたゲル化剤原料を混合することで製造された、酸性ゲル状食品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-125435号公報
【特許文献2】特開2010-035517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、現在市場に存在するタンパク質を含むゼリー食品中に含まれるタンパク質濃度は、そのほとんどが1~6%程度である。
【0009】
前述の背景から、よりタンパク質の含有量が高いゼリー食品が求められている。
しかしながら、ゼリー食品においてタンパク質の含有量を多くすると、ボソボソとした食感やねっとりとした食感等、ゼリー食品として好ましい食感を得ることが難しいという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、タンパク質の含有量が高いゼリー食品の食感を改良する技術を提供することを課題とする。特に、本発明は、タンパク質を8質量%以上含み、かつ瑞々しくなめらかな食感のゼリー食品、当該ゼリー食品の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、主要な栄養素として用いるタンパク質主成分に加えて、従となるタンパク質従成分を用いて、ゼリーを製造することで、タンパク質の含有濃度が高く、食感に優れたゼリー食品となることを見出し、本発明に至った。
【0012】
すなわち、上記課題を解決する本発明は、
以下の(a)~(c)を含むゼリー食品である。
(a)タンパク質主成分
(b)タンパク質従成分
(c)ゲル化剤
【0013】
本発明において、(a)タンパク質主成分は、ホエイタンパク、大豆タンパク、及び卵白タンパクから選ばれる。
また、(b)タンパク質従成分は、アミノ酸、ペプチド、及び前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質から選ばれる。
ここで、(b)タンパク質従成分としてゲル化能を有する成分を用いる場合には、ゼリー食品における該タンパク質従成分の濃度は、ゲル化濃度未満である。
また、本発明のゼリー食品において、(a)及び(b)の合計量は8~30質量%である。
【0014】
上記ゼリー食品は、タンパク質の含有量が8~30質量%と高いにも関わらず、かつ瑞々しくなめらかな、ゼリー食品として好ましい食感を有している。
【0015】
本発明の好ましい形態では、(b)としてペプチドを含み、ゼリー食品におけるペプチドの含有量が、1~20質量%である。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記ペプチドが、ホエイペプチド、コラーゲンペプチド、大豆ペプチド及び卵白ペプチドから選ばれる1種又は2種以上である。
このようなペプチドを含むゼリー食品は、瑞々しい食感を有している。
【0017】
本発明の好ましい形態では、(b)として、アミノ酸を含み、ゼリー食品におけるアミノ酸の含有量が0.1~30質量%である。
このようなゼリー食品は、瑞々しい食感を有している。
【0018】
本発明の好ましい形態では、(b)として、前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質を含み、ゼリー食品における前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質の含有量が、0.01~1質量%である。
このようなゼリー食品は、瑞々しい食感を有している。
【0019】
本発明の好ましい形態では、ゲル強度が0.2~2.2Nであり、破断距離が1.9~3.4mmである。
上記物性を有するゼリー食品は、より優れた食感を有している。
【0020】
また、上記課題を解決する本発明は、以下の(a)~(c)を水に溶解しゼリー液を調製する、ゼリー液調製工程、
(a)タンパク質主成分
(b)タンパク質従成分
(c)ゲル化剤、
調製したゼリー液を50MPa以上の圧力で加圧処理する、加圧処理工程を含むことを特徴とする、ゼリー食品の製造方法である。
(a)及び(b)の種類や含有量については、本発明のゼリー食品と同じである。
【0021】
また、上記課題を解決する本発明は、タンパク質を含むゼリー食品の食感改良方法であって、
(a)タンパク質主成分及び(c)ゲル化剤が形成するゲル組織中に、(b)アミノ酸、ペプチド、及び前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質から選ばれるタンパク質従成分を分散させることを特徴とする、ゼリー食品の改良方法である。
本発明の食感改良方法において、タンパク質従成分としてゲル化能を有する成分を用いる場合には、ゼリー食品における該タンパク質従成分の濃度は、ゲル化濃度未満である。
【発明の効果】
【0022】
本発明のゼリー食品は、食感に優れ、タンパク質を手軽に補給することができる。
本発明のゼリー食品の製造方法によれば、高濃度のタンパク質を含み、かつ食感に優れたゼリー食品を製造することができる。
本発明のゼリー食品の食感改良方法によれば、タンパク質を含むゼリー食品の食感を瑞々しくなめらかなものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のゼリー食品は、以下の(a)、(b)及び(c)成分を含む。
(a)タンパク質主成分、
(b)タンパク質従成分、
(c)ゲル化剤。
以下、各成分について詳細に説明する。
【0024】
(1)(a)タンパク質主成分
本発明において、「タンパク質主成分」は、ゼリー食品中に含まれる栄養源として主要な成分である。
【0025】
タンパク質主成分としては、ホエイタンパク、大豆タンパク、及び卵白タンパクから選択される1種又は2種以上を用いることができ、中でもホエイタンパクを用いることが好ましい。ホエイタンパク源としては、WPI(分離ホエイタンパク)やWPC(濃縮ホエイタンパク)を用いることができる。
【0026】
タンパク質主成分の含有量は、ゼリー食品全体に対して2質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、8質量%以上が特に好ましい。
タンパク質主成分の含有量が一定以上のゼリー食品において、本発明の効果が顕著に得られる。
また、タンパク質主成分の含有量は、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、14質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下が特に好ましく、10質量%以下が一層好ましい。
タンパク質主成分の含有量を一定以下とすることで、ゼリー食品がより瑞々しい食感となる。
【0027】
(2)(b)タンパク質従成分
本発明において、「タンパク質従成分」は、(a)タンパク質主成分以外のアミノ酸源となる成分であって、ゼリー食品の食感を改良する機能を有する。タンパク質従成分は、前述した(a)タンパク質主成分と後述する(c)ゲル化剤が形成するゲル構造に作用することで、好ましい食感を有するゲル組織を形成する。
タンパク質従成分としては、アミノ酸、ペプチド、及び前記タンパク質主成分とは異なるタンパク質から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
例えば、アミノ酸とペプチド、アミノ酸とタンパク質、ペプチドとタンパク質、といった任意の組み合わせとすることもできる。
以下、各成分について説明する。
【0028】
(2-1)アミノ酸
アミノ酸の種類は特に限定されず、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、中性アミノ酸、脂肪族アミノ酸、分岐鎖アミノ酸、芳香族アミノ酸、含硫アミノ酸、親水性アミノ酸、疎水性アミノ酸、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、σ-アミノ酸、D-アミノ酸、L-アミノ酸又はこれらの塩等を用いることができ、α-アミノ酸を用いることが好ましい。
アミノ酸としては、タンパク質構成アミノ酸を用いることが好ましい。
【0029】
アミノ酸の分子量としては、300g/mol以下が好ましく、200g/mol以下がより好ましくは、150g/mol以下がさらに好ましく、100g/mol以下が特に好ましい。
【0030】
アミノ酸として具体的には、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、リジン、ヒドロキシリジン、アラニン、セリン、アスパラギン酸及びグルタミン酸又はこれらの塩等から選ばれる1種又は2種以上のアミノ酸が例示でき、グリシン、アルギニン、グルタミン酸、及びアラニンを用いることが好ましい。
【0031】
アミノ酸の含有量は特に限定されないが、ゼリー食品に対し、好ましくは0.1~20質量%、より好ましくは0.2~10質量%、さらに好ましくは0.4~7質量%、特に好ましくは0.5~3質量%である。
【0032】
また、別の形態として、アミノ酸の含有量は、ゼリー食品に対し、好ましくは0.1~30質量%、より好ましくは0.5~20質量%、さらに好ましくは1~20質量%、特に好ましくは1~15質量%であり、最も好ましくは1~10質量%である。
【0033】
また、タンパク質主成分10質量部に対するアミノ酸の含有量は、好ましくは0.1~20質量部であり、より好ましくは0.2~10質量部であり、さらに好ましくは0.4~7質量部であり、特に好ましくは0.5~3質量部である。
【0034】
また、別の形態として、タンパク質主成分10質量部に対するアミノ酸の含有量は、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは0.5~20質量部であり、さらに好ましくは1~20質量部であり、特に好ましくは1~15質量部であり、最も好ましくは1~10質量部である。
【0035】
アミノ酸を複数種用いる場合には、その合計含有量、又はタンパク質主成分10質量部に対するアミノ酸の合計含有量が、前記範囲であることが好ましい。
【0036】
(2-2)ペプチド
ペプチドの構成アミノ酸数は、特に限定されず、ジペプチド、トリペプチド及びテトラペプチド等のオリゴペプチド、並びにポリペプチドを用いることができる。
【0037】
ペプチドの構成アミノ酸は、特に限定されないが、グリシン、アルギニン、グルタミン酸、及びアラニンから選択される1種又は2種以上を構成アミノ酸として含むことが好ましい。
また、構成アミノ酸のうちグリシンが占める割合が30%以上であることが好ましい。このようなペプチドとして、コラーゲンペプチドが例示できる。
コラーゲンペプチドとしては、市販のものを用いることもでき、例えば、「TYPE M」(新田ゼラチン社製)、「ニッピペプタイドFCP」(ニッピ社製)が例示できる。
【0038】
ペプチドの分子量は、特に限定されないが、好ましくは100~10000g/molであり、より好ましくは、1000~8000g/molであり、さらに好ましくは2000~6000g/molであり、特に好ましくは3000~5000g/molである。
【0039】
また、ペプチドとして、コラーゲンペプチドの他に、ホエイペプチド、カゼインペプチド、大豆ペプチド及び卵白ペプチドから選択される1種又は2種以上を用いることも好ましく、中でもホエイペプチドを用いることが好ましい。
【0040】
ペプチドの含有量は、特に限定されないが、良好なゼリー食品としての食感という観点から、タンパク質主成分の含有量に応じて調整することが好ましい。
例えば、タンパク質主成分の含有量が2~10質量%である場合、ペプチドの含有量は、好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは1~17質量%であり、さらに好ましくは1~15質量%以下であり、特に好ましくは1~13質量%であり、一層好ましくは1~11質量%であり、より一層好ましくは1~9質量%であり、さらに一層好ましくは1~7質量%であり、最も好ましくは1~5質量%である。
【0041】
タンパク質主成分の含有量が10質量%より多く、15質量%以下である場合、ペプチドの含有量は、好ましくは1~19質量%であり、より好ましくは1~16質量%であり、さらに好ましくは1~12質量%であり、特に好ましくは1~11質量%であり、一層好ましくは1~9質量%であり、より一層好ましくは1~7質量であり、特に好ましくは1~4質量%である。
【0042】
タンパク質主成分の含有量が15質量%より多く、19質量%以下である場合、ペプチドの含有量は、好ましくは1~5質量%であり、より好ましくは1~4質量%であり、さらに好ましくは2~4質量である。
【0043】
ここで、ペプチドを複数種用いる場合には、その合計含有量が前記範囲であることが好ましい。
【0044】
また、栄養源としてタンパク質主成分を十分に含むという観点、及び良好なゼリー食品としての食感という観点から、タンパク質主成分10質量部に対するペプチドの含有量は、好ましくは1~50質量部であり、より好ましくは1~30質量部であり、さらに好ましくは1~15質量部であり、特に好ましくは1~10質量部であり、一層好ましくは1~5質量部である。
ここで、ペプチドを複数種用いる場合には、その合計含有量が前記範囲であることが好ましい。
【0045】
(2-3)タンパク質主成分とは異なるタンパク質
タンパク質従成分として、タンパク質を用いる場合には、タンパク質主成分として選択したタンパク質とは異なるタンパク質を選択する。
【0046】
タンパク質の種類は、タンパク質主成分として選択したタンパク質とは異なれば特に限定されないが、ホエイタンパク、大豆タンパク及び卵白タンパク、並びに、ゼラチン、小麦タンパク及びヘンプタンパクから選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、ゼラチン、又は小麦タンパクを用いることが好ましく、ゼラチンを用いることがより好ましい。
ここで、ゲル化能を有するタンパク質のゼリー食品における濃度は、ゲル化濃度未満に制限される。
【0047】
本明細書中において「ゲル化濃度」とは、当該タンパク質のみを含む水溶液で測定した際のゲル化濃度を意味する。
ゲル化濃度は、常法により測定することができ、例えば、動的粘弾性測定により測定することができる。
例えば、ゼラチンは、種類によってゲル化濃度が1.5~4.0質量%程度の幅があることが知られているが、上述したゲル化濃度の測定方法によりゲル化濃度を測定し、当該測定したゲル化濃度未満となるようにゼリー食品に含むことができる。
【0048】
上述の通り、タンパク質従成分としてタンパク質を用いる場合のゼリー食品における濃度は、ゲル化濃度未満であれば特に限定されない。
タンパク質従成分としてのタンパク質の含有量は、ゼリー食品において好ましくは0.01~0.2質量%であり、より好ましくは0.02~0.1質量%であり、さらに好ましくは0.04~0.08質量%である。
【0049】
また、別の形態として、タンパク質従成分としてのタンパク質の含有量は、ゼリー食品において好ましくは0.01~1質量%であり、より好ましくは0.02~0.5質量%であり、さらに好ましくは0.02~0.2質量%であり、さらにより好ましくは0.02~0.15質量%であり、特に好ましくは0.02~0.1質量%であり、最も好ましくは0.03~0.07質量%である。ここで、タンパク質従成分としてのタンパク質を複数種用いる場合には、その合計含有量が前記範囲であることが好ましい。
【0050】
また、タンパク質主成分10質量部に対する、タンパク質従成分としてのタンパク質の含有量は、好ましくは0.005~1質量部であり、より好ましくは0.01~1質量部であり、さらに好ましくは0.02~0.1質量部であり、特に好ましくは0.03~0.06質量部である。
【0051】
また、別の形態として、タンパク質主成分10質量部に対する、タンパク質従成分としてのタンパク質の含有量は、好ましくは0.001~1質量部であり、より好ましくは0.005~0.5質量部であり、さらに好ましくは0.01~0.13質量部であり、特に好ましくは0.02~0.1質量部であり、最も好ましくは0.02~0.05質量部である。ここで、タンパク質従成分としてのタンパク質を複数種用いる場合には、その合計含有量が前記範囲であることが好ましい。
【0052】
(3)(c)ゲル化剤
本発明のゼリー食品は、ゲル化剤を含む。
【0053】
ゲル化剤の種類は、特に限定されないが、ジェランガム、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、寒天等が例示でき、ジェランガムを含むことが好ましい。また、ゲル化剤を2種以上含んでもよい。
【0054】
ゲル化剤の含有量は、各ゲル化剤のゲル化濃度の範囲内であれば特に限定されず、0.01~3質量%程度とすることができる。
【0055】
(4)ゼリー食品
本発明のゼリー食品は、(a)~(c)を含む。
【0056】
ここで、(a)及び(b)の合計量は、ゼリー食品に対して8~30質量%であり、好ましくは8~25質量%であり、より好ましくは8~20質量%であり、さらに好ましくは8~15質量%である。
これにより、タンパク質の含有量を高めつつ、食感を良好にすることができる。
【0057】
また、本発明のゼリー食品におけるタンパク質(タンパク質従成分としてもタンパク質を含む場合には、主成分と従成分の合計量)とペプチドの合計量は、好ましくは、8~30質量%が好ましく、8~25質量%がより好ましく、8~20質量%である。
上限値を前記範囲とすることにより、ゼリー食品の食感をより優れたものとすることができる。
【0058】
また、本発明のゼリー食品におけるタンパク質(タンパク質従成分としてもタンパク質を含む場合には、主成分と従成分の合計量)と、アミノ酸の合計量は、好ましくは8~30質量%であり、より好ましくは10~25質量%であり、さらに好ましくは10~20質量%である。
【0059】
また、本発明のゼリー食品におけるタンパク質(タンパク質従成分としてもタンパク質を含む場合には、主成分と従成分の合計量)の合計量は、2質量%以上であって、20質量%以下が好ましく、特に10質量%以下が好ましい。
上限値を前記範囲とすることにより、ゼリー食品の食感をより優れたものとすることができる。
【0060】
本発明のゼリー食品は、(a)~(c)成分の他に、糖原料、香料等、通常ゼリー食品に用いられる副原料を含んでいてもよい。
【0061】
本発明のゼリー食品は、好ましくはゲル強度が0.2~2.2Nであり、破断距離が1.9~3.4mmである。
このような物性のゼリー食品は、食感に優れる。
【0062】
(5)ゼリー食品の製造方法
本発明のゼリー食品は、前述した(a)~(c)を含むゼリー液を調製し、これを冷却することで製造することができる。
ここで、本発明の製造方法では、(a)~(c)を十分に混合することで、(b)を(a)及び(c)が形成するゲル構造に分散させることが重要である。
以下、本発明のゼリー食品の製造方法として、好ましい形態について説明を加える。
【0063】
(5-1)ゼリー液調製工程
ゼリー液の調製は、ゼリー食品における各成分の含有量と同含有量で、水に各成分を分散ないし混合することで行うことができる。水の温度は、15~30℃とすることが好ましい。
【0064】
ゼリー液のpHは、特に限定されないが、pH1.0~7.0が好ましく、pH1.0~4.0あるいはpH3.0~7.0がより好ましく、pH3.0~4.6がさらに好ましく、pH3.0~4.0が特に好ましい。常温流通のためには、pH4.6以下が好ましく、pH4.0以下がさらに好ましい。
【0065】
(5-2)加圧処理工程
続いて、調製したゼリー液を加圧処理する。加圧処理の圧力は50MPa以上であることが好ましい。
このように、前記タンパク質組成物を加圧処理することで、(b)を(a)及び(c)が形成するゲル構造に分散させることができる。
【0066】
また、加圧処理と同時に、加熱処理を行うこと好ましい。加熱処理は、ゼリー液の品温が100℃以上とならないようにすることが好ましく、より好ましくは95℃以上とならないように、さらに好ましくは90℃以上とならないようにする。
加熱処理は、特段の操作を行わない限り、加圧処理を行えば必然的に加熱がされる。
本発明のゼリー食品の製造方法は、加圧処理と同時に行う加熱処理以外に、別途加熱処理(例えば、殺菌処理)を行ってもよいが、当該別途加熱処理を行わないことが好ましい。
別途加熱処理を行わないことで、熱によるタンパク質の変性を抑制することができる。
【0067】
加圧処理方法は特に限定されないが、キャビテーションまたは摩擦力が発生するように加圧してもよく、前記ゼリー液に含まれる前述した成分を衝突させながら、または微細化しながら、あるいは剪断力を加えながら加圧するのが好ましい。加圧に用いる装置も特に限定されないが、高圧ホモジナイザー(例えば、三和エンジニアリング(株)社製、(株)イズミフードマシナリ社製)、高圧噴射装置、湿式微粒化装置(例えば、装置名:スターバーストラボ(株)スギノマシン社製、装置名:システマイザー(株)システムサポート社製)等が例示できる。
【0068】
衝突を起こすように加圧する方法においては、例えば、加圧装置内にセラミックボール等の衝突対象を設置し、これをゼリー液と衝突させる形態であっても、ゼリー液同士を、衝突させる形態であってもよい。
【0069】
加圧装置としては、高圧ホモジナイザー、高圧噴射装置及び湿式微粒化装置等が例示できる。
【0070】
加圧する圧力は、50MPa以上であれば特に限定されないが、好ましくは70MPa以上であり、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは200MPa以上である。
また、好ましくは1000MPaであり、より好ましくは400MPaであり、さらに好ましくは350MPaであり、特に好ましくは300MPaである。
【0071】
加圧時間は、上述した通り、ゼリー液の品温が100℃以上とならないように加圧することが好ましく、具体的には、10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましく、1分以下であることがさらに好ましく、30秒以下であることが特に好ましく、10秒以下であることが一層好ましい。
【0072】
(5-3)冷却工程
加圧処理後、ゼリー液を常法により冷却処理することで、ゼリー食品を得ることができる。
冷却温度は、ゼリー液がゲル化する温度であれば特に限定されず、好ましくは品温5~50℃になるまで冷却し、より好ましくは5~40℃、さらに好ましくは5~30℃まで冷却する。
【実施例0073】
以下の実施例で使用した原料は、以下の通りである。
ホエイタンパク:Lacprodan DI-9213(タンパク含有量85%、アーラ社)
コラーゲンペプチド:SOLUGEL 5000(タンパク含有量91%、PBゼラチン社)
ゼラチン:#300微粉-P(タンパク含有量87.6%、新田ゼラチン社)
大豆タンパク:プロリーナBU(タンパク含有量65.5%、不二製油社)
ホエイペプチド:Thermax690(タンパク含有量85%、グランビア社)
寒天:M-8(伊那食品工業社)
ジェランガム:ケルコゲル(ケルコ社)
グルコン酸液:50%(扶桑化学工業社)
グルコン酸カルシウム:(扶桑化学工業社)
グリシン:グリシンC(有機合成薬品工業社)
なお、表1~7に記載のタンパク質の含有量は、各原料におけるタンパク質含有量を考慮した、ゼリー全量に対する実質的なタンパク含有量である。
【0074】
(試験例1)ホエイタンパク、コラーゲンペプチド及びジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表1に記載の組成物に基いて各成分を混合し、それぞれゼリー液を調製した。なお、グルコン酸は、ゼリー液のpHが3.6となるように適量添加した。
各ゼリー液を湿式微粒化装置(「スターバーストラボ」株式会社スギノマシン社製)に投入し、200MPaで加圧処理を行った。
加圧後、各ゼリー液を20℃まで冷却することでゲル化し、ゼリー食品を得た。
【0075】
各ゼリー食品について、レオメーター(「CR-500DV」サン科学社製)を用いて、圧縮試験(直径10mmの円柱型プランジャー、進入速度60mm/分)を行い、ゲル強度(N)及び破断距離(mm)を測定した。結果を表1に示す。
また、本発明の技術分野に精通する技術者が、各ゼリー食品を喫食し、以下の評価基準に従って食感を評価した。結果を表1に示す。
【0076】
(評価基準)
A・・・瑞々しくなめらかな食感を有している
B・・・瑞々しくなめらかな食感を有しているが、Aと比して瑞々しさがない、又はボソボソしている
C・・・瑞々しくなめらかな食感を有しているが、Bと比して瑞々しさがない、又はボソボソしている
D・・・ねっとりとしてボソボソとした食感を有している
E・・・Dと比して、ねっとりとしてボソボソとした食感を有している、又はゲル化しておらず測定不能
【0077】
【表1】
【0078】
表1の結果から、タンパク質主成分であるホエイタンパクの含有量が同一である、実施例1と比較例1、実施例3と比較例2、及び実施例4と比較例3とをそれぞれ比較すると、ペプチドとしてコラーゲンペプチドを含む実施例1、実施例3及び実施例4は、ペプチドを含まない比較例1、比較例2及び比較例3と比して、瑞々しくなめらかな、ゼリー食品として良好な食感を有していることがわかる。
また、タンパク質及びペプチドの合計含有量が同一である、実施例2と比較例3、及び実施例5と比較例4とをそれぞれ比較すると、ペプチドとしてコラーゲンペプチドを含む実施例2及び実施例5は、ペプチドを含まない比較例3及び比較例4と比して、瑞々しくなめらかな、ゼリー食品として良好な食感を有していることがわかる。
【0079】
以上の結果から、タンパク質の含有量が高いゼリー食品において、タンパク質主成分と、ペプチドとを組み合わせて配合することで、瑞々しくなめらかな、ゼリー食品として良好な食感を有するゼリー食品となることがわかる。
【0080】
このような食感改良が得られる理由について、(b)タンパク質従成分であるペプチドが、(a)タンパク質主成分であるホエイペプチド及び(c)ゲル化剤であるジェランガムに何らかの作用をし、形成されるゲル構造に何らかの影響を与えているものと考えられる。
【0081】
(試験例2)ホエイタンパク、コラーゲンペプチド及びジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表2に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表2に示す。なお、参考例として、タンパク質主成分を含まず、ペプチドを含むゼリー食品を試験例1と同様に製造した。
【0082】
【表2】
【0083】
表1及び表2の結果から、全体として、タンパク質及びペプチドの合計量が高いほど、食感が悪い傾向にあることがわかる。
これより、ゼリー食品に含まれるタンパク質及びペプチドの合計量は、8~30質量%が好ましく、8~25質量%がより好ましく、8~20質量%がさらに好ましく、8~15質量%が特に好ましいことがわかる。
【0084】
また、タンパク質の含有量が高いほど、食感が悪い傾向にあることがわかる。
これより、タンパク質の合計量は、2質量%以上であって、20質量%以下が好ましく、特に10質量%以下が好ましいことがわかる。
【0085】
また、ペプチドの含有量は、タンパク質主成分の含有量に応じて、好ましい量が異なることがわかる。
タンパク質主成分の含有量が2~10質量%である場合、ペプチドの含有量は、1~20質量%であれば、ゼリー食品として十分好ましい食感となるが、なるべく少ない方が好ましく、1~5質量%が最も好ましい。
【0086】
(試験例3)ホエイタンパク、コラーゲンペプチド及び寒天を含むゼリー食品の食感評価
表3に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表3に示す。
【0087】
【表3】
【0088】
表3の結果から、ゲル化剤として寒天を使用した場合であっても、ジェランガムを使用した場合と同様に、(b)タンパク質従成分としてのコラーゲンペプチドを添加することによる食感改良の効果が得られることがわかった。
【0089】
(試験例4)大豆タンパク、コラーゲンペプチド及びジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表4に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】
表4の結果から、(a)タンパク質主成分として大豆タンパクを用いた場合でも、ホエイタンパクを用いた場合と同様に、(b)タンパク質従成分としてのコラーゲンペプチドを添加することによる食感改良の効果が得られることがわかった。
【0092】
(試験例5)ホエイタンパク、ホエイペプチド及びジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表5に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表5に示す。また、表5には、参考として表1に記載の比較例3を再掲する。
【0093】
【表5】
【0094】
表5の結果から、コラーゲンペプチドのみならず、ホエイペプチドも食感改良効果を有していることがわかった。
これより、(b)タンパク質従成分としては、種々のペプチドを用いることができることがわかった。
【0095】
(試験例6)ホエイタンパク、グリシン及びジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表6に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表6に示す。
【0096】
【表6】
【0097】
表6の結果から、コラーゲンペプチドのみならず、その主要な構成単位であるグリシンも食感改良効果を有していることがわかった。
これより、(b)タンパク質従成分としては、アミノ酸を用いることができることがわかった。グリシンは、1.15質量%、及び3質量%の何れの場合でもあっても、食感評価がAであり、良好であった。
【0098】
なお、本試験において、実施例31のゼリー食品の評価はAであるが、前述した試験における評価Aのホエイタンパク及びコラーゲンペプチドを含むゼリー食品と比して、より瑞々しい食感であった。
【0099】
(試験例7)ホエイタンパク、アルギニン、及びジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表7に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表7に示す。
【0100】
【表7】
【0101】
表7の結果から、タンパク質従成分として、アミノ酸であるアルギニンを使用した場合であっても食感が良好であることがわかった。
【0102】
(試験例8)ホエイタンパク、グルタミン酸、ジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表8に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表8に示す。
【0103】
【表8】
【0104】
表8の結果から、タンパク質従成分としてグルタミン酸を含むゼリー食品は、十分に瑞々しくなめらかな食感を有していることがわかった。
【0105】
(試験例9)
ホエイタンパク、アラニン、ジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表9に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。結果を表9に示す。
【0106】
【表9】
【0107】
表9の結果から、タンパク質従成分としてアラニンを1~10質量%含むゼリー食品(実施例36~39)は、瑞々しくなめらかな食感を有していることがわかった。また、アラニンを0.5質量%含むゼリー食品(実施例35)は、実施例36~39と比して劣るものの、十分に瑞々しくなめらかな食感を有していた。
試験例6~9の結果から、タンパク質従成分として種々のアミノ酸を使用した場合であっても食感が改良されたゼリー食品が得られることがわかった。
【0108】
(試験例10)ホエイタンパク、ゼラチン及びジェランガムを含むゼリー食品の食感評価
表10に記載の組成に従い、試験例1と同様にゼリー食品を製造し、ゲル強度及び破断距離を測定した。また、試験例1と同様に食感を評価した。結果を表10に示す。
【0109】
【表10】
【0110】
表10の結果から、ペプチドのみならず、タンパク質主成分と異なるタンパク質をゲル化濃度未満で加えることで、食感改良効果を発揮することがわかった。
これより、(b)タンパク質従成分として、タンパク質主成分とは異なるタンパク質を用いることができることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、高齢者向けの高タンパク含有ゼリー食品、アスリート向けの高タンパク含有ゼリー飲料として応用できる。