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  • 特開-検査装置及び検査方法 図1
  • 特開-検査装置及び検査方法 図2
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  • 特開-検査装置及び検査方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114994
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
G01N21/85 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020403
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】株式会社日清製粉グループ本社
(71)【出願人】
【識別番号】394000873
【氏名又は名称】株式会社エム・アイ・エル
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】夏目 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】湯蓋 一博
(72)【発明者】
【氏名】石関 瑞樹
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA01
2G051AB10
2G051CA04
2G051CD07
2G051DA13
2G051ED21
(57)【要約】
【課題】棒状体を束ねた棒状体結束体の検査の省人化によるコストの削減を図ることである。
【解決手段】棒状体を束ねた棒状体結束体に湾曲部を含む棒状体が含まれるか否かを検査する検査装置であって、あらかじめ決められた量が結束された前記棒状体結束体を供給する供給部と、前記供給部により供給された前記棒状体結束体の端部を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された画像中のそれぞれの前記棒状体の端部の面積の中であらかじめ決められた面積より大きいものが含まれるときに前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断する検査部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状体を束ねた棒状体結束体に湾曲部を含む棒状体が含まれるか否かを検査する検査装置であって、
あらかじめ決められた量が結束された前記棒状体結束体を供給する供給部と、
前記供給部により供給された前記棒状体結束体の端部を撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された画像中のそれぞれの前記棒状体の端部の面積の中であらかじめ決められた面積より大きいものが含まれるときに前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断する検査部と
を備える検査装置。
【請求項2】
前記供給部により搬送される前記棒状体結束体の位置を検出する検出部を更に備え、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記撮影部により前記棒状体結束体の端部を撮影する請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記検査部により前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断された場合に、該棒状体結束体を前記供給部による搬送経路から排出する排出部を更に備える請求項1記載の検査装置。
【請求項4】
前記棒状体は食品である請求項1~3の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記食品は乾麺である請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記乾麺はロングパスタである請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
棒状体を束ねた棒状体結束体に湾曲部を含む棒状体が含まれるか否かを検査する検査方法であって、
あらかじめ決められた量が結束された前記棒状体結束体を供給する供給工程と、
前記供給工程により供給された前記棒状体結束体の端部を撮影部により撮影する撮影工程と、
前記撮影工程により撮影された画像中のそれぞれの前記棒状体の端部の面積の中であらかじめ決められた面積より大きいものが含まれるときに前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断する検査工程と
を有する検査方法。
【請求項8】
前記供給工程により搬送される前記棒状体結束体の位置を検出する検出工程を更に有し、
前記検出工程による検出結果に基づいて、前記撮影工程により前記棒状体結束体の端部を撮影する請求項7記載の検査方法。
【請求項9】
前記検査工程により前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断された場合に、該棒状体結束体を前記供給工程による搬送経路から排出する排出工程を更に有する請求項7記載の検査方法。
【請求項10】
前記棒状体は食品である請求項7~9の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項11】
前記食品は乾麺である請求項10に記載の検査方法。
【請求項12】
前記乾麺はロングパスタである請求項11に記載の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状体を束ねた棒状体結束体の検査を行う検査装置及び検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロングパスタの製造工程においては、複数の穴を有するダイスから押し出されて成型された線状のパスタは、長さ方向の中央部を棒状部材に掛けた状態で乾燥される。そして乾燥されたU字状のパスタは、U字部(湾曲部)と裾部分を切り落とし、所定の長さに切断されてあらかじめ定められた量が束ねられてロングパスタの結束体とされた状態で包装される。
【0003】
ここでロングパスタの結束体には、U字状のパスタの湾曲部を切り落とす際に直線状のパスタから分離したはずの湾曲部の一部が残存した状態のロングパスタが混入することがある。湾曲部の一部が残存した状態のロングパスタが含まれるロングパスタの結束体は、食品としての安全性は全く問題ないが、外観上の問題として不良品として取り除く必要がある。
【0004】
なお特許文献1には、ロッド状物品、特にシガレットの端部を検査することにより欠陥品を検出し、検出した欠陥品を取り除く装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-159658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来はロングパスタの結束体の不良品を取り除く場合には、包装前にコンベヤ上に載置されて搬送されるロングパスタの結束体を検査員が側方から目視することにより不良品を取り除いていた。そのため、検査員の疲労度や技量により検査成績が左右されるととともにコストがかさむという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、棒状体を束ねた棒状体結束体の検査の省人化によるコストの削減を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検査装置は、棒状体を束ねた棒状体結束体に湾曲部を含む棒状体が含まれるか否かを検査する検査装置であって、あらかじめ決められた量が結束された前記棒状体結束体を供給する供給部と、前記供給部により供給された前記棒状体結束体の端部を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された画像中のそれぞれの前記棒状体の端部の面積の中であらかじめ決められた面積より大きいものが含まれるときに前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断する検査部とを備える。
【0009】
また本発明の検査装置は、前記供給部により搬送される前記棒状体結束体の位置を検出する検出部を更に備え、前記検出部による検出結果に基づいて、前記撮影部により前記棒状体結束体の端部を撮影する。
【0010】
また本発明の検査装置は、前記検査部により前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断された場合に、該棒状体結束体を前記供給部による搬送経路から排出する排出部を更に備える。
【0011】
また本発明の検査装置は、前記棒状体が食品である。また本発明の検査装置は、前記食品が乾麺である。また本発明の検査装置は、前記乾麺がロングパスタである。
【0012】
本発明の検査方法は。棒状体を束ねた棒状体結束体に湾曲部を含む棒状体が含まれるか否かを検査する検査方法であって、あらかじめ決められた量が結束された前記棒状体結束体を供給する供給工程と、前記供給工程により供給された前記棒状体結束体の端部を撮影部により撮影する撮影工程と、前記撮影工程により撮影された画像中のそれぞれの前記棒状体の端部の面積の中であらかじめ決められた面積より大きいものが含まれるときに前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断する検査工程とを有する。
【0013】
また本発明の検査方法は、前記供給工程により搬送される前記棒状体結束体の位置を検出する検出工程を更に有し、前記検出工程による検出結果に基づいて、前記撮影工程により前記棒状体結束体の端部を撮影する。
【0014】
また本発明の検査方法は、前記検査工程により前記棒状体結束体に湾曲部を有する前記棒状体が含まれると判断された場合に、該棒状体結束体を前記供給工程による搬送経路から排出する排出工程を更に有する。
【0015】
また本発明の検査方法は、前記棒状体が食品である。 また本発明の検査方法は、前記食品が乾麺である。また本発明の検査方法は、前記乾麺はロングパスタである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、棒状体を束ねた棒状体結束体の検査の省人化によるコストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態に係る検査装置の側面図である。
図2】実施の形態に係る検査装置の平面図である。
図3】実施の形態に係る検査装置のシステム構成を示す図である。
図4】実施の形態に係るカメラにより撮影したロングパスタ結束体の端部の画像である。
図5】実施の形態に係る通常麺とU字麺の画像である。
図6】実施の形態に係る検査装置の排出機構を駆動させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して実施の形態に係る棒状体を束ねた棒状体結束体の検査を行う検査装置について説明する。図1は実施の形態に係る検査装置の側面図、図2は実施の形態に係る検査装置の平面図である。
【0019】
図1及び図2に示すように検査装置2は、第1コンベヤ10、第1コンベヤ10の下流側に配設されている第2コンベヤ12、第2コンベヤ12の下流側に配設されている第3コンベヤ14を備えており、第1コンベヤ10、第2コンベヤ12及び第3コンベヤ14により、あらかじめ決められた量のロングパスタが結束されたロングパスタ結束体(棒状体結束体)16を図中に示す矢印方向に搬送する。ここであらかじめ決められた量は、重さ、本数、断面積の何れであってもよい。
【0020】
第1コンベヤ10の下流端近傍には、ロングパスタ結束体16の端部の撮影を行うカメラ(撮影部)18が配置されており、第1コンベヤ10上部のカメラ18の位置よりも少し上流側の位置には、ロングパスタ結束体16の位置を検出する位置センサー20が配置されている。ここでカメラ18の周囲には、ロングパスタ結束体16の端部の照明を行うリング照明(図示せず)が備えられている。なお第1コンベヤ10は、ロングパスタ結束体16をカメラ18による撮影位置に供給する供給部として機能する。
【0021】
更に第2コンベヤ12の上流端の側部には、不良品のロングパスタ結束体16を第1コンベヤ10、第2コンベヤ12及び第3コンベヤ14による搬送経路から排出する排出機構22が配置されている。
【0022】
図3は検査装置2のシステム構成を示す図である。検査装置2は、装置全体を統括的に制御する制御部30を備えており、制御部30には、第1コンベヤ10を駆動する第1コンベヤ駆動部32、第2コンベヤ12を駆動する第2コンベヤ駆動部34、第3コンベヤ14を駆動する第3コンベヤ駆動部36、排出機構22を駆動する排出機構駆動部38、位置センサー20、カメラ18、カメラ18により撮影された画像を記憶する画像記憶部40が接続されている。
【0023】
次に実施の形態に係る棒状体結束体の検査方法について説明する。まず制御部30は、第1コンベヤ駆動部32、第2コンベヤ駆動部34、第3コンベヤ駆動部36を制御し、第1コンベヤ10、第2コンベヤ12、第3コンベヤ14を駆動する。第1コンベヤ10上に載置されたロングパスタ結束体16は、図中に示す矢印方向に搬送され(供給工程)、位置センサー20によりロングパスタ結束体16がカメラ18による撮影位置まで搬送されたことを検出した場合には(検出工程)、検出信号を制御部30に送信する。
【0024】
制御部30は、位置センサー20から検出信号を受信した場合には、カメラ18によりロングパスタ結束体16の端部の撮影を行い(撮影工程)、撮影された画像を画像記憶部40に記憶させる。
【0025】
制御部30は、画像記憶部40に記憶されているロングパスタ結束体16の端部の画像中のそれぞれのロングパスタの端部の面積の中であらかじめ決められた面積より大きいものが含まれるときにロングパスタ結束体16に湾曲部を有するロングパスタが含まれると判断する(検査工程)。
【0026】
ここで検査工程においては、制御部30は、画像記憶部40に記憶されているロングパスタ結束体16の端部の画像(図4参照)を読み出し、画像中のそれぞれのロングパスタの端部の面積の中であらかじめ決められた面積であるもの、即ち図5に示す通常麺とほぼ同一の面積を有するものは通常麺と判定し、あらかじめ決められた面積より大きいもの、例えば図5に示すU字麺のような通常麺よりも大きな面積を有するものは不良麺と判定する。そして不良麺を含む場合に、ロングパスタ結束体16に湾曲部を有するロングパスタが含まれると判断する。
【0027】
制御部30は、検査工程によりロングパスタ結束体16に湾曲部を有するロングパスタが含まれると判断された場合に、排出機構駆動部38を制御して、図6に示すように第2コンベヤ12の上流側のローラを中心として第2コンベヤ12の下流側を下方に回動させてロングパスタ結束体16を搬送経路から排出する(排出工程)。
【0028】
この実施の形態に係る検査装置によれば、ロングパスタを束ねたロングパスタ結束体16の検査の省人化によるコストの削減を図ることができる。
【0029】
なお、上述の実施の形態においては、棒状体としてロングパスタを例として、ロングパスタ結束体16の端部の検査を行っているが、素麺、冷麺、うどんなどの乾麺の棒状体、その他食品の棒状体の端部の検査を行ってもよい。さらに、本願で言うロングパスタは、形状が一般に販売されている長さ25cm程度のもの以外にも、その半分程度の長さやそれ以外の長さで販売されているものなどを含み、販売形態として、結束されているものが含まれる。ロングパスタ以外の乾麺、その他の食品についても同様である。
【0030】
また、上述の実施の形態においては、カメラ18によりロングパスタ結束体16の一方の端部の撮影を行っているが、第1コンベヤ10の両側部にカメラ18を備え、ロングパスタ結束体16の両方の端部の撮影を行い、ロングパスタ結束体16に湾曲部を有するロングパスタが含まれているか否かの検査を行うようにしてもよい。ここで第1コンベヤ10の両側部に備えたカメラ18によるロングパスタ結束体16の両方の端部の撮影は、同時に行っても、一方ずつ時間をずらして行ってもよい。
【0031】
また上述の実施の形態においては、カメラ18により一度に1つのロングパスタ結束体16の端部の撮影を行っているが、複数のロングパスタ結束体16の端部の撮影を行い、一度に複数のロングパスタ結束体16に湾曲部を有するロングパスタが含まれているか否かの検査を行うようにしてもよい。
【0032】
また上述の実施の形態においては、ロングパスタ結束体16の位置を位置センサー20により検出しているが、カメラ18の視野内にロングパスタ結束体16の端部が含まれたことを画像認識により検出し、ロングパスタ結束体の位置を検出してもよい。
【0033】
また上述の実施の形態においては、ロングパスタ結束体16を第1コンベヤ10によりカメラ18の撮影位置に供給しているが、ロボットによりロングパスタ結束体16をカメラ18の撮影位置に供給してもよい。さらに、ロボットによりカメラ18を撮影位置に移動して、ロングパスタ結束体16を撮影してもよい。
【符号の説明】
【0034】
2…検査装置、10…第1コンベヤ、12…第2コンベヤ、14…第3コンベヤ、16…ロングパスタ結束体、18…カメラ、20…位置センサー、22…排出機構、30…制御部、32…第1コンベヤ駆動部、34…第2コンベヤ駆動部、36…第3コンベヤ駆動部、38…排出機構駆動部、40…画像記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6