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特開2024-115172屋外カバー及び屋外カバー付き給水装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115172
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】屋外カバー及び屋外カバー付き給水装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/16 20060101AFI20240819BHJP
   F04D 13/00 20060101ALI20240819BHJP
   F04B 23/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
F04B53/16 Z
F04D13/00 Z
F04B23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020709
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】伏見 航
(72)【発明者】
【氏名】武田 和也
【テーマコード(参考)】
3H071
3H130
【Fターム(参考)】
3H071AA02
3H071BB03
3H071CC47
3H071DD83
3H130AA03
3H130AB05
3H130AB22
3H130AB60
3H130AC30
3H130CA29
3H130DD01Z
3H130DJ01X
(57)【要約】
【課題】錆垂れが目立たない、外観が優れた屋外カバー及び屋外カバー付き給水装置の提供。
【解決手段】屋外カバー3は、対象装置の周囲に立設する複数のフレーム部20と、複数のフレーム部20の間を覆う、金属製の複数のパネル部40と、パネル部40の両側端部を、隣り合うフレーム部20に固定する固定部50と、を備え、パネル部40の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部40dは、フレーム部20に向かって折り曲げられた第1屈曲部61と、第1屈曲部61からパネル部40の他方の側端部に向かって折り返された第2屈曲部62と、を備え、第2屈曲部62が、固定部50によってフレーム部20に固定されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象装置の周囲に立設する複数のフレーム部と、
前記複数のフレーム部の間を覆う、金属製の複数のパネル部と、
前記パネル部の両側端部を、隣り合う前記フレーム部に固定する固定部と、を備え、
前記パネル部の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部は、
前記フレーム部に向かって折り曲げられた第1屈曲部と、
前記第1屈曲部から前記パネル部の他方の側端部に向かって折り返された第2屈曲部と、を備え、
前記第2屈曲部が、前記固定部によって前記フレーム部に固定されている、
屋外カバー。
【請求項2】
前記固定部は、ボルトを含む、
請求項1に記載の屋外カバー。
【請求項3】
前記第2屈曲部と対向する前記パネル部の対向部には、前記ボルトのヘッド部が挿通可能な第1孔部が形成され、
前記第2屈曲部には、前記ボルトのヘッド部が挿通不能且つ前記ボルトのネジ部が挿通可能な第2孔部が形成されている、
請求項2に記載の屋外カバー。
【請求項4】
前記第2屈曲部と対向する前記パネル部の対向部と、前記第2屈曲部との間には、板状のスペーサーが挟まっている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の屋外カバー。
【請求項5】
給水装置と、
前記給水装置を覆う屋外カバーと、を備える、屋外カバー付き給水装置であって、
前記屋外カバーは、
前記給水装置の周囲に立設する複数のフレーム部と、
前記複数のフレーム部の間を覆う、金属製の複数のパネル部と、
前記パネル部の両側端部を、隣り合う前記フレーム部に固定する固定部と、を備え、
前記パネル部の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部は、
前記フレーム部に向かって折り曲げられた第1屈曲部と、
前記第1屈曲部から前記パネル部の他方の側端部に向かって折り返された第2屈曲部と、を備え、
前記第2屈曲部が、前記固定部によって前記フレーム部に固定されている、
屋外カバー付き給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外カバー及び屋外カバー付き給水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、作業者が、カバー内の各機器にアクセスするのに必要な部分のみを取り外して、給水装置のメンテナンス作業を行うことができる、給水装置用のカバーが開示されている。このカバーは、給水装置の周囲に配置される複数のフレームと、カバーの側壁を形成する少なくとも1つの壁部材と、を備え、フレームに壁部材を取り付けるための着脱構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-53350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、屋外に設置する給水装置には、上記のような屋外カバーを取り付けて、給水装置を雨風や落下物などから保護する必要がある。屋外カバーの側壁を形成するパネル部は、耐久性が高い金属製が好ましいが、塗装剥がれやキズ、ボルトで取り付ける場合はボルト自体から、経年と共に発錆する。その錆が雨水により流れ出すと、いわゆる錆垂れとなって固着、製品の外観を損ねる、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、錆垂れが目立たない、外観が優れた屋外カバー及び屋外カバー付き給水装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る屋外カバーは、対象装置の周囲に立設する複数のフレーム部と、前記複数のフレーム部の間を覆う、金属製の複数のパネル部と、前記パネル部の両側端部を、隣り合う前記フレーム部に固定する固定部と、を備え、前記パネル部の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部は、前記フレーム部に向かって折り曲げられた第1屈曲部と、前記第1屈曲部から前記パネル部の他方の側端部に向かって折り返された第2屈曲部と、を備え、前記第2屈曲部が、前記固定部によって前記フレーム部に固定されている。
【0007】
上記屋外カバーにおいては、前記固定部は、ボルトを含んでもよい。
上記屋外カバーにおいては、前記第2屈曲部と対向する前記パネル部の対向部には、前記ボルトのヘッド部が挿通可能な第1孔部が形成され、前記第2屈曲部には、前記ボルトのヘッド部が挿通不能且つ前記ボルトのネジ部が挿通可能な第2孔部が形成されていてもよい。
上記屋外カバーにおいては、前記第2屈曲部と対向する前記パネル部の対向部と、前記第2屈曲部との間には、板状のスペーサーが挟まっていてもよい。
【0008】
本発明の一態様に係る屋外カバー付き給水装置は、給水装置と、前記給水装置を覆う屋外カバーと、を備える、屋外カバー付き給水装置であって、前記屋外カバーは、前記給水装置の周囲に立設する複数のフレーム部と、前記複数のフレーム部の間を覆う、金属製の複数のパネル部と、前記パネル部の両側端部を、隣り合う前記フレーム部に固定する固定部と、を備え、前記パネル部の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部は、前記フレーム部に向かって折り曲げられた第1屈曲部と、前記第1屈曲部から前記パネル部の他方の側端部に向かって折り返された第2屈曲部と、を備え、前記第2屈曲部が、前記固定部によって前記フレーム部に固定されている。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明の一態様によれば、錆垂れが目立たない、外観が優れた屋外カバー及び屋外カバー付き給水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る屋外カバー付き給水装置の正面側斜視図である。
図2】第1実施形態に係る屋外カバー付き給水装置の背面側斜視図である。
図3】第1実施形態に係る屋根部及び4つのパネル部を取り外した状態の給水装置の正面側斜視図である。
図4】第1実施形態に係る屋根部及び4つのパネル部を取り外した状態の給水装置の背面側斜視図である。
図5】第1実施形態に係るパネル部の正面図である。
図6】第1実施形態に係るパネル部の背面図である。
図7図5に示すVII-VII断面図である。
図8図1に示す領域Aの拡大図である。
図9図8に示すIX-IX断面図である。
図10】第2実施形態に係る屋外カバー付き給水装置の正面側斜視図である。
図11】第2実施形態に係る屋根部及び4つのパネル部を取り外した状態の給水装置の正面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る屋外カバー付き給水装置1の正面側斜視図である。図2は、第1実施形態に係る屋外カバー付き給水装置1の背面側斜視図である。
これらの図に示すように、屋外カバー付き給水装置1は、給水装置2と、給水装置2を覆う金属製の屋外カバー3と、を備えている。
【0013】
なお、以下の説明において、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。X軸方向は、屋外カバー付き給水装置1の幅方向(左右方向)である。Y軸方向は、屋外カバー付き給水装置1の高さ方向(上下方向)である。Z軸方向は、屋外カバー付き給水装置1の奥行き方向(前後方向)である。なお、図1に示す給水装置2の吸込口11aが配置される側を正面側として、屋外カバー付き給水装置1の前後、上下、左右を定義する。
【0014】
屋外カバー3は、図1及び図2に示すように、屋根部30と、複数のパネル部40(パネル部40A~40D)と、を備えている。屋根部30は、給水装置2の上面を覆っている。パネル部40Aは、給水装置2の正面を覆っている。パネル部40Bは、給水装置2の右側面を覆っている。パネル部40Cは、給水装置2の背面を覆っている。パネル部40Dは、給水装置2の左側面を覆っている。
【0015】
本実施形態の給水装置2は、四方を4つのパネル部40(パネル部40A~40D)で覆われている。4つのパネル部40は、それぞれ略矩形板状に形成されている。屋根部30は、平面視矩形の有頂筒状に形成されている。4つのパネル部40の上端部は、屋根部30の内側に差し込まれた状態となっている。
【0016】
図3は、第1実施形態に係る屋根部30及び4つのパネル部40を取り外した状態の給水装置2の正面側斜視図である。図4は、第1実施形態に係る屋根部30及び4つのパネル部40を取り外した状態の給水装置2の背面側斜視図である。
これらの図に示すように、給水装置2は、ベース10と、複数台(本実施形態では2台)のポンプ11(ポンプ11A,11B)と、複数台(本実施形態では2台)の電動機組立体12(電動機組立体12A,12B)と、これらを制御する制御装置17と、を備えている。
【0017】
ポンプ11A,11Bは、同一の構造もしくは左右対称に配置できる構造を有している。同様に、電動機組立体12A,12Bは、同一の構造もしくは左右対称に配置できる構造を有している。したがって、以下、ポンプ11A,11Bを区別せずに単に、ポンプ11と称することがあり、電動機組立体12A,12Bを区別せずに単に、電動機組立体12と称することがある。なお、ポンプ11および電動機組立体12の台数および配置は、特に限定されない。
【0018】
電動機組立体12は、電動機と、当該電動機の可変速手段であるインバータが一体化された構造を有する。電動機の回転軸には、冷却ファン13が連結されている。電動機、インバータ、及び冷却ファン13は、電動機の回転軸の軸方向に直列に配置されている。冷却ファン13は、電動機組立体12の外周面に沿って、軸方向に送風する。
【0019】
冷却ファン13は、図4に示すように、メッシュ状の吸込口が形成されたファンカバーを有している。電動機組立体12Aに設けられた冷却ファン13を、冷却ファン13Aと称する。また、電動機組立体12Bに設けられた冷却ファン13を、冷却ファン13Bと称する。
【0020】
図3に示すように、ポンプ11は、吸込口11aと、吐出口11bと、を有している。吸込口11aは、ポンプ11の正面側に設けられている。吐出口11bは、ポンプ11の上面側に設けられている。ポンプ11は、電動機組立体12の回転軸に連結された羽根車と、当該羽根車を収容するポンプケーシングと、を備えている。羽根車が回転すると、吸込口11aから水が吸い込まれ、ポンプケーシングの内部で昇圧された水が吐出口11bから吐き出される。
【0021】
ポンプ11A,11Bのそれぞれ吐出口11bには、共通の吐出配管14が接続されている。吐出配管14には、内部の圧力(吐出圧力)を計測する圧力センサ14aが取り付けられている。吐出配管14は、左右方向(X軸方向)に水平に延びている。吐出配管14の左右方向の中央位置には、共通の吐出口15が形成されている。吐出口15は、正面側に開口している。
【0022】
吐出配管14には、圧力タンク16が接続されている。圧力タンク16は、ポンプ11A,11Bの吐出圧力を保持する。圧力タンク16は、ポンプ11A,11Bの間に配置されている。圧力タンク16は、耐圧容器内にゴム製のプラダが内蔵されており、ポンプ11の吐出圧力が上昇すると、プラダの外側の空気を圧縮し、水が加圧状態で貯留する。また、吐出配管14内の圧力が低下するにつれて、圧縮された空気が膨張し、貯留された水を吐出配管14に押し出す。このようにして、ポンプ11が停止しても、しばらくは圧力タンク16から吐出配管14に水が供給される。
【0023】
制御装置17は、圧力センサ14aによる吐出圧力の低下等の所定の始動条件に基づいて、ポンプ11を制御する。制御装置17は、推定末端圧一定制御や吐出圧一定制御にてポンプ11を制御してもよい。例えば、制御装置17は、ポンプ11の吐出圧力を所定の目標圧とすべくインバータに指令を出す。そして、制御装置17は、不図示の水量計にて小水量を検知したら、ポンプ11を停止させる。なお、制御装置17は、ローテーションや台数制御を伴ってポンプ11A,11Bを制御してもよい。
【0024】
制御装置17は、圧力タンク16を跨るように配置された支持部材18に支持されている。つまり、制御装置17は、圧力タンク16の上方に配置されている。制御装置17の背面側には、図4に示すように、運転パネル17aが設けられている。運転パネル17aは、液晶表示部と、ボタン操作部と、を有する。また、制御装置17は、外部装置と通信可能な通信部を備えてもよい。
【0025】
ベース10は、上述した各構成機器(ポンプ11、電動機組立体12、圧力タンク16、制御装置17等)を支持する支持台である。支持部材18は、ベース10の上面に固定されている。ベース10は、平面視で矩形状に形成されている。ベース10の4つのコーナー部(角部)には、パネル部40を固定するフレーム部20が立設している。フレーム部20は、ベース10の左右の両サイドに連結された一対の連結フレーム24の前端部と後端部のそれぞれに固定され、高さ方向(Y軸方向)に立設している。
【0026】
フレーム部20は、平面視L字のアングル状に形成されている。フレーム部20の第1面部20aには、パネル部40を固定するためのパネル固定孔21と、屋根部30を固定するための屋根固定孔22と、が形成されている。パネル固定孔21は、高さ方向(Y軸方向)に間隔をあけて一対で形成されている。屋根固定孔22は、パネル固定孔21の上方に1つ形成されている。
【0027】
第1面部20aと直交する、フレーム部20の第2面部20bにも、同様に、一対のパネル固定孔21と、1つの屋根固定孔22とが形成されている。4つのフレーム部20は、同様の構成を有している。なお、給水装置2の大きさ等に応じて、フレーム部20の数を増やしても、減らしてもよく、また、フレーム部20の形状も同じでなくてもよい。また、フレーム部20の数に応じて、パネル部40の数を増やしても、減らしてもよい。
【0028】
図1に戻り、正面のパネル部40Aには、給水装置2の吸込口11aを外部に露出させる第1の切欠部41が形成されている。第1の切欠部41は、吸込口11aの数及び配置に応じて一対で形成されている。また、正面のパネル部40には、給水装置2の吐出口15(図3参照)を外部に露出させる第2の切欠部42が形成されている。第2の切欠部42は、一対の第1の切欠部41の間に形成されている。第2の切欠部42には、蓋部43が取り付けられ、吐出口15と対向する部分が開口している。
【0029】
右側面のパネル部40Bには、ポンプ11B、電動機組立体12B、制御装置17等にアクセスするための窓部44が着脱可能に取り付けられている。なお、図2に示す左側面のパネル部40Dには、上記のような窓部44は取り付けられていない。
【0030】
図2に示すように、背面のパネル部40Cには、冷却ファン13と軸方向で対向する吸気口45が形成されている。吸気口45は、複数のスリットを有する。吸気口45は、冷却ファン13A,13Bの配置に応じて一対で形成されている。背面のパネル部40Cにおける吸気口45より上方の位置には、制御装置17、特に運転パネル17a(図4参照)にアクセスするための窓部46が着脱可能に取り付けられている。
【0031】
図1に示すように、パネル部40Aの両側端部40b,40dは、固定部50によって、隣り合うフレーム部20(図3参照)に固定されている。以下、パネル部40Aの固定構造について、詳しく説明する。なお、パネル部40B~パネル部40Dも、パネル部40Aと同様の固定構造を有する。したがって、パネル部40B~パネル部40Dの固定構造については説明が重複するため、その説明は割愛する。
【0032】
図5は、第1実施形態に係るパネル部40Aの正面図である。図6は、第1実施形態に係るパネル部40Aの背面図である。図7は、図5に示すVII-VII断面図である。
これらの図に示すように、パネル部40Aは、正面視において略四角形の外形を有する。パネル部40Aは、フレーム部20に取り付けたときに、上下方向に対向する上端部40a及び下端部40cと、左右方向に対向する側端部40b,40dと、を含む。
【0033】
下端部40cには、上述した一対の第1の切欠部41と、第2の切欠部42と、が形成されている。第2の切欠部42の両サイドには、上述した蓋部43を取り付けるための折曲部42aが形成されている。折曲部42aは、奥側(+Z)に窪んでおり、折曲部42aに取り付けられた蓋部43は、パネル部40Aの正面側の面と、略同一面を形成する。
【0034】
パネル部40の側端部40b,40dのうち、少なくとも一方の側端部(例えば側端部40d)は、フレーム部20に向かって折り曲げられた第1屈曲部61と、第1屈曲部61からパネル部40の他方の側端部(例えば側端部40b)に向かって折り返された第2屈曲部62と、を備えている。なお、本実施形態では、側端部40dだけでなく、側端部40bも同様の構成を有する。
【0035】
図7に示すように、第1屈曲部61は、パネル部40Aの本体に対して、奥側(+Z側)に直角に屈曲している。また、第2屈曲部62は、第1屈曲部61に対して、更に左側(+X側)に直角に屈曲している。なお、第1屈曲部61とパネル部40Aの本体とのコーナー部(角部)、及び、第1屈曲部61と第2屈曲部62とのコーナー部(角部)は、実際には、曲げによって丸みを帯びている。これにより、パネル部40Aの両側端部40b,40dの強度が向上し、且つ、作業者のハンドリング性が向上する。
【0036】
更に、第2屈曲部62と対向するパネル部40Aの対向部63(パネル部40Aの本体部分)と、第2屈曲部62との間には、板状のスペーサー60が挟まっている。これにより、パネル部40Aの両側端部40b,40dの強度がさらに向上する。スペーサー60は、例えば、溶接等によりパネル部40Aに固定されている。
【0037】
図5に示すように、第2屈曲部62と対向するパネル部40の対向部63には、高さ方向(Y軸方向)に間隔をあけて複数(本実施形態では3つ)の第1孔部71が形成されている。一方、第2屈曲部62には、3つの第1孔部71のうち、下の2つの第1孔部71と奥行き方向(Z軸方向)に対向する第2孔部72と、最上位の第1孔部71と奥行き方向(Z軸方向)に対向する第3孔部73と、が形成されている。
【0038】
第2孔部72は、第1孔部71よりも小径である。第3孔部73は、第1孔部71と同径である。スペーサー60は、下の2つの第1孔部71(第2孔部72)の間に配置されている。下の2つの第1孔部71(第2孔部72)は、パネル部40Aをフレーム部20に固定するための孔である。つまり、スペーサー60は、パネル部40Aの固定部分を補強している。なお、最上位の第1孔部71(第3孔部73)は、屋根部30(図1参照)をフレーム部20に固定するための孔である。
なお、パネル部40の上端部40aも、両側端部40b,40dと同様に屈曲部が形成されているが、幅が狭くスペーサー60は配置されていない。
【0039】
図8は、図1に示す領域Aの拡大図である。図9は、図8に示すIX-IX断面図である。
これらの図に示すように、パネル部40をフレーム部20に固定する固定部50は、ボルトを含む。固定部50は、図9に示すように、すり割りが形成されたヘッド部51と、ネジが形成されたネジ部52と、を備えている。
【0040】
第2屈曲部62と対向するパネル部40の対向部63には、ヘッド部51が挿通可能な第1孔部71が形成されている。第2屈曲部62には、ヘッド部51が挿通不能且つネジ部52が挿通可能な第2孔部72が形成されている。つまり、第2屈曲部62が、固定部50によってフレーム部20に固定されている。
【0041】
具体的に、固定部50は、ヘッド部51とフレーム部20との間に、第2屈曲部62を締結固定している。なお、フレーム部20のパネル固定孔21には、ネジ部52が螺合可能なタップを切ってもよいし、フレーム部20の背面側にネジ部52が螺合可能なボルトを配置してもよい。
【0042】
このようなパネル部40の固定構造によれば、図8に示すように、外観上、固定部50がパネル部40にほぼ埋まった状態となり、実際に締結固定されている第2屈曲部62は露出しない。したがって、第2屈曲部62において塗装剥がれやキズが発生し、または固定部50(ボルト)自体から経年と共に発錆しても、錆垂れがパネル部40の本体の裏側を伝うので、当該錆垂れが目立たず、屋外カバー3の外観を損ねることはない。
【0043】
したがって、上述の本実施形態の屋外カバー3によれば、対象装置の周囲に立設する複数のフレーム部20と、複数のフレーム部20の間を覆う、金属製の複数のパネル部40と、パネル部40の両側端部40b,40dを、隣り合うフレーム部20に固定する固定部50と、を備え、パネル部40の両側端部40b,40dのうち、少なくとも一方の側端部(例えば側端部40d)は、フレーム部20に向かって折り曲げられた第1屈曲部61と、第1屈曲部61からパネル部40の他方の側端部(例えば側端部40b)に向かって折り返された第2屈曲部62と、を備え、第2屈曲部62が、固定部50によってフレーム部20に固定されている。この構成によれば、錆垂れが目立たない、外観が優れた屋外カバー3を提供できる。
【0044】
また、本実施形態では、固定部50は、ボルトを含む。この構成によれば、パネル部40の着脱が容易になる。なお、固定部50としては、特開2022-53350号公報に記載された「引っかけ穴」と「引っかけ具」を採用しても良いし、その他の公知の固定手段を採用してもよい。
【0045】
また、本実施形態では、第2屈曲部62と対向するパネル部40の対向部63には、ボルトのヘッド部51が挿通可能な第1孔部71が形成され、第2屈曲部62には、ボルトのヘッド部51が挿通不能且つボルトのネジ部52が挿通可能な第2孔部72が形成されている。この構成によれば、外観上、固定部50がパネル部40にほぼ埋まった状態となり、実際に締結固定されている第2屈曲部62が露出しないようにすることができる。
【0046】
また、本実施形態では、第2屈曲部62と対向するパネル部40の対向部63と、第2屈曲部62との間には、板状のスペーサー60が挟まっている。この構成によれば、パネル部40Aの両側端部40b,40dの強度が更に向上する。
【0047】
また、本実施形態の屋外カバー付き給水装置1は、給水装置2と、給水装置2を覆う屋外カバー3と、を備える、屋外カバー付き給水装置1であって、屋外カバー3は、給水装置2の周囲に立設する複数のフレーム部20と、複数のフレーム部20の間を覆う、金属製の複数のパネル部40と、パネル部40の両側端部40b,40dを、隣り合うフレーム部20に固定する固定部50と、を備え、パネル部40の両側端部40b,40dのうち、少なくとも一方の側端部は、フレーム部20に向かって折り曲げられた第1屈曲部61と、第1屈曲部61からパネル部40の他方の側端部に向かって折り返された第2屈曲部62と、を備え、第2屈曲部62が、固定部50によってフレーム部20に固定されている。この構成によれば、錆垂れが目立たない、外観が優れた屋外カバー付き給水装置1を提供できる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0049】
図10は、第2実施形態に係る屋外カバー付き給水装置1の正面側斜視図である。図11は、第2実施形態に係る屋根部30及び4つのパネル部40を取り外した状態の給水装置2の正面側斜視図である。
これらの図に示すように、給水装置2の各構成機器の配置と、それらに対応する各パネル部40の切欠部及び窓部の配置が、上記第1実施形態と異なっていてもよい。なお、パネル部40の両側端部40d,40bの固定構造は、上記第1実施形態と同じである。
【0050】
図11に示すように、第2実施形態では、ポンプ11A、電動機組立体12A、冷却ファン13A(図11では不図示)の上に、圧力タンク16が配置されている。また、ポンプ11B、電動機組立体12B、冷却ファン13Bの上に、制御装置17が配置されている。すなわち、第2実施形態の給水装置2は、第1実施形態よりもコンパクトな配置となっている。
【0051】
第2実施形態では、共通の吐出配管14の両端部に吐出口15が形成され、片方の吐出口15が閉止蓋19によって閉止されている。つまり、第2実施形態では、閉止蓋19の着脱によって、吐出口15の位置を左右に変更できるようになっている。これに対応して、右側面のパネル部40Bには、図10に示すように、閉止蓋19と対向する位置に、窓部47が取り付けられている。なお、不図示であるが、左側面のパネル部40Dには、吐出口15を露出させる開口が形成されている。
【0052】
なお、図10に示す符号48は、制御装置17にアクセスするための窓部である。また、図11に示す符号31は、屋根部30をフレーム部20の上端部に固定するための固定具である。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0054】
例えば、上記実施形態では、パネル部40の両側端部40b,40dに第1屈曲部61及び第2屈曲部62が形成されていたが、パネル部40の両側端部40b,40dの片方のみに第1屈曲部61及び第2屈曲部62が形成されていてもよい。
【0055】
また、例えば、上記実施形態では、給水装置2を対象装置として屋外カバー3を取り付けた構造を例示したが、本発明の屋外カバーは、給水装置以外の、屋外に配置される装置全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…屋外カバー付き給水装置、2…給水装置(対象装置)、3…屋外カバー、10…ベース、11…ポンプ、11a…吸込口、11A…ポンプ、11b…吐出口、11B…ポンプ、12…電動機組立体、12A…電動機組立体、12B…電動機組立体、13…冷却ファン、13A…冷却ファン、13B…冷却ファン、14…吐出配管、14a…圧力センサ、15…吐出口、16…圧力タンク、17…制御装置、17a…運転パネル、18…支持部材、19…閉止蓋、20…フレーム部、20a…第1面部、20b…第2面部、21…パネル固定孔、22…屋根固定孔、24…連結フレーム、30…屋根部、31…固定具、40…パネル部、40a…上端部、40A…パネル部、40b…側端部、40b…両側端部、40B…パネル部、40c…下端部、40C…パネル部、40d…側端部、40d…両側端部、40D…パネル部、41…第1の切欠部、42…第2の切欠部、42a…折曲部、43…蓋部、44…窓部、45…吸気口、46…窓部、47…窓部、48…窓部、50…固定部、51…ヘッド部、52…ネジ部、60…スペーサー、61…第1屈曲部、62…第2屈曲部、63…対向部、71…第1孔部、72…第2孔部、73…第3孔部
図1
図2
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図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11