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特開2024-115219多波長光源装置、光路長差計測装置および多波長光源装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115219
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】多波長光源装置、光路長差計測装置および多波長光源装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/06 20060101AFI20240819BHJP
   H01S 5/026 20060101ALI20240819BHJP
   H01S 5/024 20060101ALI20240819BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20240819BHJP
   G01B 9/02003 20220101ALI20240819BHJP
【FI】
H01S5/06
H01S5/026
H01S5/024
H01S5/026 618
G01B11/00 B
G01B11/00 G
G01B9/02003
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020802
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金堂 晃久
(72)【発明者】
【氏名】木村 賢宜
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 玲
【テーマコード(参考)】
2F064
2F065
5F173
【Fターム(参考)】
2F064AA01
2F064CC08
2F064EE01
2F064FF01
2F064FF06
2F064HH04
2F065AA06
2F065DD03
2F065FF51
2F065GG06
2F065GG23
2F065GG25
2F065JJ24
2F065LL33
2F065LL42
2F065QQ23
5F173SA02
5F173SA33
5F173SC10
5F173SE01
5F173SF08
5F173SF13
5F173SF17
5F173SF33
5F173SF43
(57)【要約】
【課題】出力する複数のレーザ光の波長を変更可能であり、かつ複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高い多波長光源装置およびその制御方法、ならびにこれを用いた光路長差計測装置を提供すること。
【解決手段】多波長光源装置であって、互いに異なる波長でシングルモード発振し、当該波長のレーザ光のそれぞれを出力する複数の半導体レーザ素子が一体集積された集積素子と、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、レーザ発振波長を変化させる波長変更電流を供給する電源部と、前記電源部と前記温度調節器とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記多波長光源装置が安定状態で動作していると判定した場合は、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、それぞれに応じた一定電流値の前記波長変更電流を供給するように前記電源部を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多波長光源装置であって、
互いに異なる波長でシングルモード発振し、当該波長のレーザ光のそれぞれを出力する複数の半導体レーザ素子が一体集積された集積素子と、
前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、レーザ発振波長を変化させる波長変更電流を供給する電源部と、
前記電源部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記多波長光源装置が安定状態で動作していると判定した場合は、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、それぞれに応じた一定電流値の前記波長変更電流を供給するように前記電源部を制御する
多波長光源装置。
【請求項2】
前記集積素子の温度を調節する温度調節器をさらに備え、
前記制御部は、前記集積素子の温度が初期設定温度から許容誤差範囲内であり、かつ前記波長変更電流の電流値が初期設定電流値から許容誤差範囲内である場合に、前記多波長光源装置が安定状態で動作していると判定する
請求項1に記載の多波長光源装置。
【請求項3】
前記電源部は、電流を出力する共通電源部と、前記共通電源部から出力された電流を分配し、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに供給される前記波長変更電流を生成する電流分配部と、を備え、
前記電流分配部は、複数の可変抵抗部を有し、前記複数の可変抵抗部のそれぞれは、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに電気的に接続されており、
前記制御部は、前記複数の可変抵抗部のそれぞれの抵抗値を調整することによって、前記波長変更電流のそれぞれを前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに応じた電流値にする
請求項1に記載の多波長光源装置。
【請求項4】
前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれから出力された前記レーザ光を合波して出力する合波部を備える
請求項1に記載の多波長光源装置。
【請求項5】
前記合波部は、前記集積素子に集積されている
請求項4に記載の多波長光源装置。
【請求項6】
被測定対象物に関する光路長差を計測する光路長差計測装置であって、
請求項1~5のいずれか一つに記載の多波長光源装置と、
前記多波長光源装置が出力する複数の前記レーザ光のそれぞれから生成された、前記光路長差に対応した位相の干渉成分を含む干渉光を出力する干渉計と、
前記干渉光を前記レーザ光の波長に応じて分光する分光部と、
前記分光された前記干渉光のそれぞれから前記位相を検出する位相検出部と、
前記位相検出部が検出した前記位相に基づいて前記光路長差を算出する処理部と、
を備える光路長差計測装置。
【請求項7】
互いに異なる波長でシングルモード発振し、当該波長のレーザ光のそれぞれを出力する複数の半導体レーザ素子が一体集積された集積素子と、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、レーザ発振波長を変化させる波長変更電流を供給する電源部とを備える多波長光源装置の制御方法であって、
制御部が、前記多波長光源装置が安定状態で動作していると判定した場合は、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、それぞれに応じた一定電流値の前記波長変更電流を供給するように前記電源部を制御する
多波長光源装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多波長光源装置、光路長差計測装置および多波長光源装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光の干渉を利用して光路長差を計測し、これにより被測定物までの距離を計測する測距技術として、合成波長を用いる技術が知られている(特許文献1~3)。合成波長を用いる技術においては、出力する複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高い多波長光源装置を用いることが有効である。
【0003】
特許文献2に開示される多波長光源装置は、波長差の安定性が高いと考えられるが、光学構成が複雑であり、大型化、高コスト化のおそれがある。一方、特許文献4には、出力する2つのレーザ光の間の波長差(周波数差)の安定性が高い半導体発光素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04-299203号公報
【特許文献2】特許第4000195号公報
【特許文献3】特許第5580718号公報
【特許文献4】特開2004-186301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
測距技術への応用に限らず、出力する複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高い多波長光源装置が求められている。さらに、複数のレーザ光の波長を変更可能な多波長光源装置であればより好ましい。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出力する複数のレーザ光の波長を変更可能であり、かつ複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高い多波長光源装置およびその制御方法、ならびにこれを用いた光路長差計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、多波長光源装置であって、互いに異なる波長でシングルモード発振し、当該波長のレーザ光のそれぞれを出力する複数の半導体レーザ素子が一体集積された集積素子と、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、レーザ発振波長を変化させる波長変更電流を供給する電源部と、前記電源部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記多波長光源装置が安定状態で動作していると判定した場合は、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、それぞれに応じた一定電流値の前記波長変更電流を供給するように前記電源部を制御する多波長光源装置である。
【0008】
前記多波長光源装置は、前記集積素子の温度を調節する温度調節器をさらに備え、前記制御部は、前記集積素子の温度が初期設定温度から許容誤差範囲内であり、かつ前記波長変更電流の電流値が初期設定電流値から許容誤差範囲内である場合に、前記多波長光源装置が安定状態で動作していると判定してもよい。
【0009】
前記電源部は、電流を出力する共通電源部と、前記共通電源部から出力された電流を分配し、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに供給される前記波長変更電流を生成する電流分配部と、を備え、前記電流分配部は、複数の可変抵抗部を有し、前記複数の可変抵抗部のそれぞれは、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに電気的に接続されており、
前記制御部は、前記複数の可変抵抗部のそれぞれの抵抗値を調整することによって、前記波長変更電流のそれぞれを前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに応じた電流値にしてもよい。
【0010】
前記多波長光源装置は、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれから出力された前記レーザ光を合波して出力する合波部を備えてもよい。
【0011】
前記合波部は、前記集積素子に集積されていてもよい。
【0012】
本発明の一態様は、被測定対象物に関する光路長差を計測する光路長差計測装置であって、前記多波長光源装置と、前記多波長光源装置が出力する複数の前記レーザ光のそれぞれから生成された、前記光路長差に対応した位相の干渉成分を含む干渉光を出力する干渉計と、前記干渉光を前記レーザ光の波長に応じて分光する分光部と、前記分光された前記干渉光のそれぞれから前記位相を検出する位相検出部と、前記位相検出部が検出した前記位相に基づいて前記光路長差を算出する処理部と、を備える光路長差計測装置である。
【0013】
本発明の一態様は、互いに異なる波長でシングルモード発振し、当該波長のレーザ光のそれぞれを出力する複数の半導体レーザ素子が一体集積された集積素子と、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、レーザ発振波長を変化させる波長変更電流を供給する電源部とを備える多波長光源装置の制御方法であって、制御部が、前記多波長光源装置が安定状態で動作していると判定した場合は、前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれに、それぞれに応じた一定電流値の前記波長変更電流を供給するように前記電源部を制御する多波長光源装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、出力する複数のレーザ光の波長を変更可能であり、かつ複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高い多波長光源装置およびその制御方法、ならびにこれを用いた光路長差計測装置を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態1に係る多波長光源装置を備える多波長光源モジュールの模式的な構成図である。
図2図2は、図1に示す多波長光源装置の模式的な構成図である。
図3図3は、図1に示す多波長光源装置の回路構成の一例を示す図である。
図4図4は、制御部が実行する制御フローの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態1に係る光路長差計測装置の模式的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0017】
(実施形態1)
[光モジュールの構成]
図1は、実施形態1に係る多波長光源装置を備える多波長光源モジュールの模式的な構成図である。多波長光源モジュール100は、実施形態1に係る多波長光源装置10と、筐体101と、基板102と、ビームスプリッタ103と、波長モニタ部104と、レンズ105と、光ファイバ106と、を備えている。
【0018】
筐体101は、多波長光源装置10と、基板102と、ビームスプリッタ103と、波長モニタ部104と、レンズ105とを収容している。多波長光源装置10は、平行光であるレーザ光L1を出力する。基板102は、ビームスプリッタ103と波長モニタ部104とを載置している。ビームスプリッタ103は、レーザ光L1の一部であるレーザ光L2を分岐して波長モニタ部104に出力する。レンズ105は、ビームスプリッタ103を通過したレーザ光L1を集光し、光ファイバ106に光学的に結合させる。光ファイバ106は、レーザ光L1を多波長光源モジュール100の外部に出力する。
【0019】
波長モニタ部104は、入力されたレーザ光L2に基づいて、レーザ光L1の波長に関する波長モニタ情報を含む波長モニタ電流を多波長光源装置10に出力する。波長モニタ部104は、レーザ光L1の波長を目標波長に近づける公知の制御(波長ロック制御とも呼ばれる)に使用され得る構成を備えていてもよい。すなわち、波長モニタ部104は、たとえばエタロンフィルタなどの、光の周波数的に周期的な透過特性を有する光学フィルタと、フォトダイオードなどの受光素子とを含んでいる。
【0020】
[多波長光源装置の構成]
図2は、多波長光源装置10の模式的な構成図である。多波長光源装置10は、集積素子1と、電源部2と、温度センサ3と、温度調節器4と、制御部5と、レンズ6と、を備えている。
【0021】
集積素子1は、半導体素子であって、nを3以上の整数として、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anと、合波部1bとが一体集積された構成を有する。集積素子1は、サブマウントに載置されていてもよい。
【0022】
半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anは、互いに異なる波長でシングルモード発振し、当該波長のレーザ光のそれぞれであるレーザ光L11、L12、・・・、L1nを合波部1bへ出力する。半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anは、たとえばDFB(Distributed FeedBack)レーザとして構成されている。さらに、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anは、DR(Distributed Reflector)構造を有していてもよい。DR構造は、たとえば、DFB構造とDBR(Distributed Bragg Reflector)構造とを組み合わせて構成できる。
【0023】
合波部1bは、入力されたレーザ光L11、L12、・・・、L1nを合波して出力する。合波部1bは、たとえばMMI(多モード干渉)型の光カプラやAWG(Arrayed Waveguide Gratings)を有する。
【0024】
半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anは、後述するように電源部2から電流を供給されることによって、電流を供給された素子がレーザ光を出力する。したがって、合波部1bには、レーザ光L11、L12、・・・、L1nのうちのいずれか一つが入力される場合がある。この場合、集積素子1は、レーザ光L11、L12、・・・、L1nのうちのいずれか一つをレーザ光L1として出力する。一方、合波部1bには、レーザ光L11、L12、・・・、L1nのうちの少なくとも2つが入力される場合がある。この場合、集積素子1が出力するレーザ光L1は、レーザ光L11、L12、・・・、L1nのうち少なくとも2つを含む。
【0025】
レンズ6は、集積素子1から出力されたレーザ光L1を平行光にする。
【0026】
電源部2は、外部電源からの電流Ioを受け付け、電流Ioから波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnを生成し、それぞれを半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに供給する。波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnのそれぞれは、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれの光増幅エネルギーになるいわゆる利得電流であるとともに、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれのレーザ発振波長を変化させる電流である。半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれのレーザ発振波長が変化する理由は、主に、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnのそれぞれが素子温度をわずかに変化させるからである。
【0027】
温度センサ3は、検知した温度に関する情報を含む電気信号である温度センサ信号を制御部5に出力する。温度センサ3は、たとえばサーミスタを有している。温度センサ3が検知する温度は、集積素子1の素子温度と関連を有する。なお、温度センサ3が載置される位置は、図示されている位置には限られない。たとえば、温度センサ3は集積素子1の上に載置されていてもよい。
【0028】
温度調節器4は、集積素子1、温度センサ3、およびレンズ6を載置している。温度調節器4は、制御部5から供給される駆動電流によって制御され、集積素子1の温度を変化させる。具体的には、制御部5によって、温度調節器4は、集積素子1の温度を設定温度に近づけるように調節する。温度調節器4は、たとえばペルチェ素子のような電熱素子を有している。温度調節器4は、集積素子1、温度センサ3、およびレンズ6を載置する基板を備えていてもよい。
【0029】
制御部5は、電源部2と温度調節器4とを制御する。制御部5は、演算部と、記憶部と、入出力部と、電流供給部とを備えている。演算部は、制御部5が実行する処理や制御部5の機能の実現のための各種演算処理を行うものであり、たとえばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)で構成される。記憶部は、演算部が演算処理を行うために使用する各種プログラムやデータなどが格納される、たとえばROM(Read Only Memory)で構成される部分を備えている。また、記憶部は、演算部が演算処理を行う際の作業スペースや演算部の演算処理の結果などを記憶するなどのために使用される、たとえばRAM(Random Access Memory)で構成される部分を備えている。電流供給部は、演算部からの制御信号に従って、温度調節器4に駆動制御電流を出力する。入出力部は、温度センサ3や波長モニタ部104からの信号を受け付け、アナログ/デジタル変換して演算部等に出力する。また、入出力部は、演算部からのデジタル信号を受け付けてデジタル/アナログ変換し、制御信号として電源部2に出力する。
【0030】
また、制御部5は、波長モニタ部104からの波長モニタ電流に基づいて波長ロック制御を実行してもよい。
【0031】
図3は、多波長光源装置10の回路構成の一例を示す図である。図3に示す例では、電源部2は、共通電源部2aと、電流分配部2bと、を備えている。
【0032】
共通電源部2aは、外部電源からの電流Ioを受け付け、電流Ioから電流Icを生成して出力する。共通電源部2aは、たとえば電流源や電圧源を有する。また、共通電源部2aは、DC-DCコンバータの機能を有していてもよい。この場合、共通電源部2aは、電流Ioの電圧を半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anの両端電圧に近い電圧まで降圧した電流Icを生成する。
【0033】
電流分配部2bは、共通電源部2aから出力された電流Icを分配(たとえば等分配)し、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに供給される波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnを生成する。
【0034】
電流分配部2bは、複数の可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnを有している。可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnのそれぞれは、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに電気的に接続されている。図3に示す例では、可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnのそれぞれは、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに直列接続されている。波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnのそれぞれは、可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnのそれぞれを通って半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに供給される。
【0035】
ここで、可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnは、電界効果トランジスタを有している。制御部5は、可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnのそれぞれにゲート電圧を出力する。制御部5は、ゲート電圧を調整することによって可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnのそれぞれのオン抵抗の抵抗値を調整する。これによって、制御部5は、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnのそれぞれを、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに応じた電流値にすることができる。
【0036】
[多波長光源装置の動作]
以上のように構成された多波長光源装置10の動作について説明する。多波長光源装置10においては、制御部5は、多波長光源装置10が安定状態で動作していると判定した場合は、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに、それぞれに応じた一定電流値の波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnを供給するように電源部2を制御する。電源部2が図3に示す構成の場合、制御部5は、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnがそれぞれに応じた一定電流値になるように、ゲート信号にて可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnのそれぞれの抵抗値を制御する。なお、安定状態については後ほど説明する。
【0037】
ここで、仮に、レーザ発振波長を安定させようとして、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれ対して公知の波長ロック制御を行うと、それぞれが出力するレーザ光L11、L12、・・・、L1nの波長はそれぞれ個別には安定する。しかし、波長ロック制御はフィードバック制御であるために、レーザ光L11、L12、・・・、L1nの波長は時間に応じてわずかに揺らぎ得る。しかも、その揺らぎが長波長側への変化であるか短波長側の変化であるかは、異なる半導体レーザ素子の間では相関がない。その結果、波長ロック制御を行った際の複数のレーザ光の間の波長差の安定性は、レーザ光の個別の波長の安定性に比べて低くなり得る。たとえば、或る時刻に或るレーザ光の波長が短波長側に変動しているがその隣の波長のレーザ光の波長が長波長側に変動しており、別の時刻には或るレーザ光の波長が長波長側に変動しているがその隣の波長のレーザ光の波長が短波長側に変動している、ということが起こり得る。この場合は、波長差の変動は大きい。
【0038】
これに対して、多波長光源装置10では、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれには、それぞれに応じた一定電流値の波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnが供給されるので、それぞれのレーザ光の波長は、対応する波長変更電流の一定電流値に対応する波長に安定する。その結果、複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高くなる。
【0039】
さらに、多波長光源装置10では、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anは、集積素子1に集積されているためにお互いが熱的に接続される。その結果、レーザ光の間の波長差の安定性がより高くなる。
【0040】
さらに、多波長光源装置10では、電源部2の共通電源部2aが出力した電流Icを電流分配部2bが分配し、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに供給される波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnを生成している。この場合、外部電源や共通電源部2aで発生した電流ノイズが電流Icに混入した場合に、この電流ノイズは分配されて波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnのそれぞれにも混入されることとなる。この場合、電流ノイズによる波長変更電流の電流変動によってレーザ光の波長が変動する場合にも、その変動の方向は全てのレーザ光で同じであり、その変動の程度も同程度である。たとえば、分配された電流ノイズにより或るレーザ光の波長が短波長側に変動すると、その他の波長のレーザ光の波長も分配された電流ノイズにより長波長側に変動する。これにより、レーザ光の間の波長差の安定性がより高くなる。
【0041】
ここで、図4を参照して、制御部5が実行する制御方法の制御フローの一例を説明する。図4の制御フローは、多波長光源装置10の電源投入などによる起動によりスタートする。
【0042】
はじめに、制御部5は、ステップS101において、起動処理を開始する。起動処理は、たとえば、制御部5が電源部2を制御して半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anに波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnを供給する処理を含む。このとき、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnの電流値のそれぞれは、レーザ光L11、L12、・・・、L1nのそれぞれの初期設定波長に対応する初期設定電流値に設定される。波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnは、制御部5によって初期設定電流値になるようにフィードバック制御される。起動処理開始からしばらくの間は、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnが初期設定電流値に収束しない期間がある。このような期間、多波長光源装置10はウォームアップ状態にある。
【0043】
また、起動処理において、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnは、制御部5によって初期設定電流値に徐々に到達するようにフィードフォワード制御されてもよい。この場合も、起動処理開始からしばらくの間は、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnが初期設定電流値に到達しない期間がある。このような期間、多波長光源装置10はウォームアップ状態にある。
【0044】
また、起動処理は、たとえば、制御部5が温度センサ3からの温度センサに基づいて温度調節器4を制御する処理を含む。このとき、制御部5が温度調節器4に出力する駆動電流は、集積素子1の初期設定温度に対応する初期設定駆動電流値に設定される。駆動電流は、制御部5によって、温度センサ3から入力される温度センサ信号が示す値が集積素子1の初期設定温度に対応する初期値になるようにフィードバック制御される。起動処理開始からしばらくの間は、温度センサ信号が示す値が初期値に収束しない期間がある。このような期間、多波長光源装置10はウォームアップ状態にある。
【0045】
つづいて、制御部5は、ステップS102において、多波長光源装置10が安定状態で動作しているかを判定する。多波長光源装置10が安定状態で動作しているかは、多波長光源装置10が所定の安定条件を満たしているかによって判定することができる。安定条件としては、様々な条件を採用することができる。たとえば、フィードバック制御において波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnが初期設定電流値に対して所定の許容誤差範囲内に収束していることは、安定条件の一例(第1安定条件)である。また、フィードフォワード制御において波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnが初期設定電流値に対して所定の許容誤差範囲内に到達していることは、安定条件の一例(第2安定条件)である。また、温度センサ信号が示す値が初期値に対して所定の許容誤差範囲内に収束していることは、安定条件の一例(第3安定条件)である。なお、第3安定条件は、集積素子1の温度が初期設定温度から許容誤差範囲内である状態と言うこともできる。また、第1安定条件または第2安定条件、および第3安定条件が成立していることは、安定条件の一例(第4安定条件)である。
【0046】
制御部5は、多波長光源装置10が安定状態で動作していないと判定した場合(ステップS102、No)は、ステップS102を繰り返し実行する。制御部5は、多波長光源装置10が安定状態で動作していると判定した場合(ステップS102、Yes)は、制御はステップS103に移行する。
【0047】
制御部5は、ステップS103において、波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnの電流値(図中のLD電流値)を記憶する。記憶される電流値は、第1安定条件、第2安定条件または第4安定条件を満たす電流値である。
【0048】
つづいて、制御部5は、ステップS104において、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anのそれぞれに、記憶された一定電流値の波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnを供給するように電源部2を制御する。これにより、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anの定電流制御が実現される。その後は、制御部5はステップS104を繰り返し実行する。
【0049】
以上のように構成された多波長光源装置10およびこれを備えた多波長光源モジュール100であれば、出力する複数のレーザ光の波長を変更可能であり、かつ複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高い。
【0050】
(実施形態2)
図5は、実施形態1に係る光路長差計測装置の模式的な構成図である。光路長差計測装置1000は、被測定対象物Oに関する光路長差を計測する。光路長差計測装置1000は、実施形態1に係る多波長光源装置10を備える多波長光源モジュール100と、干渉計1001と、分光部1002と、位相検出部1003と、処理部1004と、を備えている。
【0051】
多波長光源モジュール100は、レーザ光L1を出力する。レーザ光L1は、複数のレーザ光であるレーザ光L11、L12、・・・、L1nを全て含んでいるとする。光路長差計測装置1000で計測を行う際は、多波長光源装置10は安定状態で動作する。したがって、レーザ光L11、L12、・・・、L1nは波長差の安定性が高い状態である。
【0052】
干渉計1001には、多波長光源モジュール100からレーザ光L1が入力される。干渉計1001は、レーザ光L1の一部を測定光Lmとして被測定対象物Oに出力し、被測定対象物Oで反射された光である反射光Lrを受け付ける。干渉計1001は、反射光Lrと、レーザ光L1の前記一部とは異なる部分である参照光とを干渉させて干渉光Liを生成する。この干渉光Liは、被測定対象物Oに関する光路長差(たとえば測定光Lmと参照光との光路長差)に対応した位相の干渉成分を含む。なお、干渉計1001は、たとえばフィゾー干渉計やマイケルソン干渉計である。
【0053】
分光部1002は、干渉計1001から入力された干渉光Liを、レーザ光L11、L12、・・・、L1nの波長に応じて分光する。分光された干渉光Liを、それぞれ干渉光Li1、Li2、・・・、Linとする。分光部1002は、たとえばAWGやバルク型の回折格子を有している。
【0054】
位相検出部1003は、分光部1002から入力された干渉光Li1、Li2、・・・、Linのそれぞれから、干渉成分の位相を検出する。そして、位相検出部1003は、各位相の情報を含む位相情報信号を処理部1004に出力する。位相検出部1003は、偏光素子と受光素子アレイとを用いる構成などの公知の構成を有している。
【0055】
処理部1004は、たとえばパーソナルコンピュータおよびその周辺機器を備えている。処理部1004は、位相検出部1003を制御するとともに、位相検出部1003から位相情報信号が入力される。処理部1004は、位相情報信号から得られた、位相検出部1003が検出した位相に基づいて、被測定対象物Oに関する光路長差を算出する。
【0056】
処理部1004が光路長差を算出する方法は、特に限定されないが、たとえば合成波長および合成位相を用いる方法を用いる。合成波長および合成位相を用いる方法であれば、光路長差の計測可能レンジであるUMR(Unambiguous Measurement Range)を広くすることができる。
【0057】
合成波長は、レーザ光L11、L12、・・・、L1nから複数を選択し、選択したレーザ光の波長を組み合わせることによって得られることが知られている。選択するレーザ光の数が2である場合は、合成波長Λ12は、以下の式(1)で定義される。なお、二つの光の合成波長は、レーザ光の数が3以上の場合にも、式(1)で定義される。合成波長は、組み合わせる波長よりも長くなる。
Λ12=(λ1・λ2)/(λ2-λ1) ・・・ (1)
ここで、λ1、λ2はレーザ光の波長である。ただし、λ1<λ2であるとする。
【0058】
合成位相は、干渉光Li1、Li2、・・・、Linから複数を選択し、選択したレーザ光の位相を組み合わせることによって得られることが知られている。選択するレーザ光の数が2である場合は、合成位相φ12は、以下の式(2)で定義される。なお、二つの光の合成位相は、レーザ光の数が3以上の場合にも、式(2)のように定義される。
φ12=φ1-φ2 ・・・ (2)
ここで、φ1、φ2は干渉光の干渉成分の位相である。
【0059】
処理部1004は、合成波長と合成位相とから光路長差を算出する。光路長差Loは以下の式(3)を用いて算出できる。
Lo=(m+φ12/2π)λs ・・・ (3)
ここで、mは干渉の次数である。また、Λ12は合成波長であり、φ12はΛ12に対応する合成位相であるが、合成波長が複数ある場合はmがよりゼロに近くなるような合成波長を用いる。なお、mは数値の丸め処理をして整数としてもよい。
【0060】
処理部1004は、式(3)においてmをゼロとして、一次計測値としての一次光路長差を算出する。
【0061】
一次光路長差は、合成波長と合成位相とを用いて算出したので、各波長や各位相の誤差を累積的に含む。そこで、処理部1004は、一次光路長差に基づいてより正確な計測値としての二次光路長差を算出する。二次光路長差Losは以下の式(4)を用いて算出できる。
Los=(k+φi/2π)λi ・・・ (4)
ここで、kは干渉の次数である。iは1~nまでのいずれかの整数である。したがって、φiは干渉光Li1、Li2、・・・、Linのうちいずれかの位相である。λiはレーザ光L1、L2、・・・、Lnのうちいずれかの波長である。ここで、次数kは、Losが一次光路長差に最も近い値になるように一意に決定することができる。
【0062】
干渉計1001の内部での反射光Lrと参照光との光路長差(内部光路長差)は既知であり、処理部1004の記憶部に記憶されている。そこで、処理部1004は、二次光路長差から内部光路長差を減算して、干渉計1001と被測定対象物Oとの間の光路長差の計測値として算出する。
【0063】
以上のように構成された光路長差計測装置1000によれば、複数のレーザ光の間の波長差の安定性が高い多波長光源装置10を備えているので、高精度の光路長差の計測を実現できる。
【0064】
なお、光路長差計測装置1000の干渉計1001は電気光学変調器を備えていてもよい。この場合、電気光学変調器が干渉計1001の内部光路長差を変更することで、干渉光Li1、Li2、・・・、Linのそれぞれを複数得ることができる。この場合、処理部1004は、それぞれが複数ある干渉光Li1、Li2、・・・、Linから得られた干渉を用いて光路長差の算出を行ってもよい。
【0065】
また、図3に示す構成では、可変抵抗部2b1、2b2、・・・、2bnは電界効果トランジスタを有しているが、電界効果トランジスタの代わりに、制御部5が電気的に制御して抵抗値を調整できる他のデバイスを有していてもよい。
【0066】
また、電源部2の構成は図3に示す構成に限られない。電源部2は、制御部5によって波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnを一定の電流値に制御できる構成であればよい。
【0067】
また、上記実施形態では、合波部1bが集積素子1に集積されているが、これには限定されない。たとえば、合波部は多波長光源装置における集積素子の外部に設けられていてもよい。また、合波部は多波長光源モジュールにおける多波長光源装置の外部に設けられていてもよい。
【0068】
また、上記実施形態において、制御部5は、温度調節器4を制御し、集積素子1の全体の温度を変化させることによって、レーザ光L11、L12、・・・、L1nの波長を変更してもよい。この場合、集積素子1の全体の温度が変化するので、レーザ光L11、L12、・・・、L1nの波長は波長軸上で同じ方向に同じ程度だけ変化する。したがって、波長差の安定性の低下が抑制された状態で波長を変更することができる。また、この場合、レーザ光L11、L12、・・・、L1nのいずれか一つの波長を波長モニタ部104によってモニタして、制御部5がそのモニタ結果をもとに波長ロック制御をしてもよい。なお、上記のような波長の変更や波長ロック制御は、図4に示したステップS104における半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anの定電流制御の実行中に行われてもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、半導体レーザ素子1a1、1a2、・・・、1anは、光増幅エネルギーとなる利得電流と、レーザ発振波長を変化させる波長変更電流とが別個に供給される構成でもよい。このような構成の半導体レーザ素子としては、バーニア型の波長可変半導体レーザ素子がある。この場合、利得電流は半導体レーザ素子の利得部に供給され、波長変更電流は回折格子や受動導波路部のような波長変更部に入力される。この場合は波長変更部に供給される波長変更電流が一定電流値に制御される。ただし、波長変更電流だけでなく利得電流も一定電流値に制御してもよい。これにより、波長安定性がより一層高くなる。
【0070】
また、上記実施形態において、半導体レーザ素子の数は2でもよい。
【0071】
図4のステップS101において実施されうる、起動処理の別の例を述べる。制御部5は、波長モニタ部104から出力される波長モニタ電流に基づいて波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnの電流値のそれぞれを調整する波長ロック制御を実施しても良い。波長ロック制御により、波長モニタ部104から出力される波長モニタ電流が各半導体レーザ素子の初期設定波長に対応する初期波長モニタ電流値に一致するような波長変更電流Is1、Is2、・・・、Isnが設定される。起動処理開始からしばらくの間は、波長モニタ電流値が初期波長モニタ電流値に収束しない期間がある。このような期間、多波長光源装置10はウォームアップ状態にある。波長モニタ部104から出力される波長モニタ電流値が初期波長モニタ電流値に対して所定の許容誤差範囲内に収束していることは、安定条件の一例(第5安定条件)である。また、第2安定条件よび第5安定条件が成立していることは、安定条件の一例(第6安定条件)である。
【0072】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 :集積素子
1a1、1a2、・・・、1an:半導体レーザ素子
1b :合波部
2 :電源部
2a :共通電源部
2b :電流分配部
2b1、2b2、・・・、2bn:可変抵抗部
3 :温度センサ
4 :温度調節器
5 :制御部
6、105:レンズ
10 :多波長光源装置
100 :多波長光源モジュール
101 :筐体
102 :基板
103 :ビームスプリッタ
104 :波長モニタ部
106 :光ファイバ
1000 :光路長差計測装置
1001 :干渉計
1002 :分光部
1003 :位相検出部
1004 :処理部
Ic、Io:電流
Is1、Is2、・・・、、Isn:波長変更電流
L1、L11、・・・、L1n、L2:レーザ光
Li、Li1、Li2、・・・、Lin:干渉光
Lm :測定光
Lr :反射光
O :被測定対象物
図1
図2
図3
図4
図5