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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115859
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】研削装置及び研削方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 7/02 20060101AFI20240820BHJP
   B24B 53/02 20120101ALI20240820BHJP
   B24B 53/12 20060101ALI20240820BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B24B7/02
B24B53/02
B24B53/12 A
H01L21/304 631
H01L21/304 622M
H01L21/304 622H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021734
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】中川 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中野 翔太
【テーマコード(参考)】
3C043
3C047
5F057
【Fターム(参考)】
3C043BA01
3C043BA09
3C043BA11
3C043BA18
3C043CC04
3C043CC13
3C043DD02
3C043DD05
3C043DD12
3C043EE03
3C047BB01
3C047BB19
3C047EE01
3C047EE05
3C047EE18
5F057AA12
5F057AA31
5F057BA13
5F057CA14
5F057CA25
5F057DA11
5F057DA38
5F057EB16
5F057EB18
5F057EB20
5F057EB27
5F057FA13
5F057FA37
5F057FA39
5F057GA01
5F057GA12
5F057GA16
5F057GA27
5F057GA29
5F057GB03
5F057GB11
5F057GB13
(57)【要約】
【課題】クリープフィード研削の際の実質的な稼働時間の減少を抑えながら研削砥石のドレスを実施可能な研削装置を提供する。
【解決手段】クリープフィード研削を施す研削装置は、被加工物を吸引保持する保持面及びドレス部を上面側に有するチャックテーブルと、複数の研削砥石で規定される円環の外径が保持面の最大辺又は直径よりも大きい研削ユニットと、回転軸の周りにチャックテーブルを回転させる回転機構と、回転機構及び研削ユニットを相対的に移動させる移動機構と、回転機構の動作を制御するコントローラと、を備える。コントローラは、ドレス時には保持面と研削ホイールとの相対的な移動の経路上にドレス部を配置し、被加工物の研削時には経路の外にドレス部を配置するように、回転機構を使用し回転軸の周りのチャックテーブルの向きを調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物に対してクリープフィード研削を施す研削装置であって、
該被加工物を吸引保持する保持面と、該保持面の最大辺又は直径よりも直径が大きい円に沿って配列された複数の研削砥石を含む研削ホイールの該研削砥石に対してドレスを施す際に該研削砥石を接触させることができるように該保持面とは異なる位置に配置されたドレス部と、を上面側に有するチャックテーブルと、
該保持面に対して直交する高さ方向に沿って配置され下端部に該研削ホイールが装着されるスピンドルを有する研削ユニットと、
該高さ方向に沿う回転軸の周りに該チャックテーブルを回転させるモータを有する回転機構と、
該高さ方向と直交する所定方向において、該チャックテーブル及び該回転機構と、該研削ユニットと、を相対的に移動させる移動機構と、
メモリ及びプロセッサを有し、該回転機構の動作を制御するコントローラと、を備え、
該コントローラは、該研削砥石のドレス時には該所定方向に沿う該保持面と該研削ホイールとの相対的な移動の経路上に該ドレス部を配置し、該被加工物の研削時には該経路の外に該ドレス部を配置するように、該回転機構を使用して該回転軸の周りの該チャックテーブルの向きを調整する研削装置。
【請求項2】
該チャックテーブルと該研削ユニットとの高さ方向の位置の関係を調整する調整機構を更に有し、
該コントローラは、該調整機構により、該研削時には該研削砥石と該被加工物とが接触するように該高さ方向の位置の関係を調整し、該ドレス時には該研削砥石と該ドレス部とが接触するように該高さ方向の位置の関係を調整する請求項1記載の研削装置。
【請求項3】
被加工物に対してクリープフィード研削を施す研削方法であって、
該被加工物を吸引保持する保持面と、該保持面の最大辺又は直径よりも直径が大きい円に沿って配列された複数の研削砥石を含む研削ホイールの該研削砥石に対してドレスを施す際に該研削砥石を接触させることができるように該保持面とは異なる位置に配置されたドレス部と、を上面側に有するチャックテーブルの該保持面で、該被加工物を保持する保持工程と、
該保持工程の後、該保持面に対して平行な所定方向において該研削ホイールが該チャックテーブルから離れた位置から、回転させた状態の該研削ホイールと該チャックテーブルとを該所定方向に沿って相対的に移動させることにより、該被加工物の上面側を研削するクリープフィード研削工程と、
該クリープフィード研削工程の後、該所定方向において該研削ホイールが該チャックテーブルから離れた位置から、回転させた状態の該研削ホイールと該ドレス部とを該所定方向に沿って相対的に移動させることにより、該複数の研削砥石に対してドレスを施すドレス工程と、
該保持工程の後、該クリープフィード研削工程の前に、該クリープフィード研削工程における該相対的な移動の経路の外に該ドレス部が配置されるように該保持面に対して直交する回転軸の周りの該チャックテーブルの向きを調整する研削用位置調整工程と、
該クリープフィード研削工程の後、該ドレス工程の前に、該ドレス工程における該相対的な移動の経路の中に該ドレス部が配置されるように該回転軸の周りの該チャックテーブルの向きを調整するドレス用位置調整工程と、を備える研削方法。
【請求項4】
該研削用位置調整工程では、該保持面に対して直交する高さ方向において該複数の研削砥石の下面が該被加工物の上面と該保持面との間の位置に位置付けられるように該チャックテーブルと該研削ホイールとの位置の関係を調整し、
該ドレス用位置調整工程では、該保持面に対して直交する高さ方向において該複数の研削砥石の該下面が該ドレス部の上端と下端との間の位置に位置付けられるように該チャックテーブルと該研削ホイールとの位置の関係を調整する請求項3記載の研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削装置及び研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機に代表される小型で軽量な電子機器には、IC(Integrated Circuit)及びLSI(Large Scale Integration)等の電子回路を備えた半導体チップが必須の構成として搭載されている。この半導体チップは、例えば、シリコン等の材料からなる半導体ウェーハの表面を、ストリートと呼ばれる複数の分割予定ラインで区画し、各領域に電子回路を形成した後、このストリートに沿って半導体ウェーハを切断することで製造される。
【0003】
近年、半導体チップの更なる小型化及び軽量化を目的として、半導体ウェーハを薄く加工できる研削装置の開発が進められている。研削装置の例として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、半導体ウェーハを保持する保持面を備えたチャックテーブルを、この保持面と略平行な面内で回転(公転)する研削砥石に向けて、保持面と略平行な方向(横方向)に移動させるクリープフィード研削と呼ばれる研削方法に用いられる研削装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-103192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クリープフィード研削では、上述したように、半導体ウェーハの横方向から主に研削砥石の側面によって半導体ウェーハが研削される。よって、チャックテーブルの保持面と略垂直な方向(縦方向)に研削砥石を移動させて研削砥石の下面を半導体ウェーハに押し当てるインフィード研削と呼ばれる研削方法と比較すると、研削砥石の下面の摩耗が進行しにくく、研削砥石が目詰まりを起こしやすい。
【0006】
特に、靭性が大きく研削されにくい樹脂のような材料を含む半導体ウェーハを研削する場合には、この目詰まりが顕著となる。このため、複数の半導体ウェーハを連続して研削する場合には、研削砥石のドレスをこまめに実施して、研削砥石の目詰まりを解消する必要がある。
【0007】
一方で、研削砥石のドレスを実施するためには、ドレスの開始前にチャックテーブルの保持面にドレス専用のドレスボードを保持させる作業と、ドレスの終了後にチャックテーブルの保持面からドレスボードを取り除く作業とが必要となる。そして、これらの作業にかかる時間が研削装置の実質的な稼働時間を減少させていた。
【0008】
よって、本発明の目的は、クリープフィード研削の際の実質的な稼働時間の減少を抑えながら研削砥石のドレスを実施可能な研削装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によれば、被加工物に対してクリープフィード研削を施す研削装置であって、該被加工物を吸引保持する保持面と、該保持面の最大辺又は直径よりも直径が大きい円に沿って配列された複数の研削砥石を含む研削ホイールの該研削砥石に対してドレスを施す際に該研削砥石を接触させることができるように該保持面とは異なる位置に配置されたドレス部と、を上面側に有するチャックテーブルと、該保持面に対して直交する高さ方向に沿って配置され下端部に該研削ホイールが装着されるスピンドルを有する研削ユニットと、該高さ方向に沿う回転軸の周りに該チャックテーブルを回転させるモータを有する回転機構と、該高さ方向と直交する所定方向において、該チャックテーブル及び該回転機構と、該研削ユニットと、を相対的に移動させる移動機構と、メモリ及びプロセッサを有し、該回転機構の動作を制御するコントローラと、を備え、該コントローラは、該研削砥石のドレス時には該所定方向に沿う該保持面と該研削ホイールとの相対的な移動の経路上に該ドレス部を配置し、該被加工物の研削時には該経路の外に該ドレス部を配置するように、該回転機構を使用して該回転軸の周りの該チャックテーブルの向きを調整する研削装置が提供される。
【0010】
好ましくは、該チャックテーブルと該研削ユニットとの高さ方向の位置の関係を調整する調整機構を更に有し、該コントローラは、該調整機構により、該研削時には該研削砥石と該被加工物とが接触するように該高さ方向の位置の関係を調整し、該ドレス時には該研削砥石と該ドレス部とが接触するように該高さ方向の位置の関係を調整する。
【0011】
また、本発明の別の一側面によれば、被加工物に対してクリープフィード研削を施す研削方法であって、該被加工物を吸引保持する保持面と、該保持面の最大辺又は直径よりも直径が大きい円に沿って配列された複数の研削砥石を含む研削ホイールの該研削砥石に対してドレスを施す際に該研削砥石を接触させることができるように該保持面とは異なる位置に配置されたドレス部と、を上面側に有するチャックテーブルの該保持面で、該被加工物を保持する保持工程と、該保持工程の後、該保持面に対して平行な所定方向において該研削ホイールが該チャックテーブルから離れた位置から、回転させた状態の該研削ホイールと該チャックテーブルとを該所定方向に沿って相対的に移動させることにより、該被加工物の上面側を研削するクリープフィード研削工程と、該クリープフィード研削工程の後、該所定方向において該研削ホイールが該チャックテーブルから離れた位置から、回転させた状態の該研削ホイールと該ドレス部とを該所定方向に沿って相対的に移動させることにより、該複数の研削砥石に対してドレスを施すドレス工程と、該保持工程の後、該クリープフィード研削工程の前に、該クリープフィード研削工程における該相対的な移動の経路の外に該ドレス部が配置されるように該保持面に対して直交する回転軸の周りの該チャックテーブルの向きを調整する研削用位置調整工程と、該クリープフィード研削工程の後、該ドレス工程の前に、該ドレス工程における該相対的な移動の経路の中に該ドレス部が配置されるように該回転軸の周りの該チャックテーブルの向きを調整するドレス用位置調整工程と、を備えるクリープフィード研削方法が提供される。
【0012】
好ましくは、該研削用位置調整工程では、該高さ方向において該複数の研削砥石の下面が該被加工物の上面と該保持面との間の位置に位置付けられるように該チャックテーブルと該研削ホイールとの位置の関係を調整し、該ドレス用位置調整工程では、該高さ方向において該複数の研削砥石の該下面が該ドレス部の上端と下端との間の位置に位置付けられるように該チャックテーブルと該研削ホイールとの位置の関係を調整する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面に係る研削装置は、被加工物を保持する保持面と、保持面とは異なる位置に配置されたドレス部と、を上面側に有するチャックテーブルを備える。すなわち、ドレス部がチャックテーブル上に常に配置されているため、ドレスの開始前にチャックテーブルの保持面にドレスボードを取り付ける作業と、ドレスの終了後に保持面からドレスボードを取り除く作業とが不要となる。よって、従来よりもドレスにかかる時間を低減し、クリープフィード研削の際の実質的な稼働時間の減少を抑えながらドレスを実施可能な研削装置を提供することができる。
【0014】
研削砥石による研削対象(被加工物及びドレス部)の切り替えは、回転機構により実現される。すなわち、回転機構によりチャックテーブルを回転させることによって、ドレス部を、保持面と研削ホイールとの相対的な移動の経路上と、この経路の外と、のいずれかに配置することができる。したがって、ドレス部がチャックテーブル上に常に配置されていても、被加工物のクリープフィード研削と研削砥石のドレスとを適切に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係る研削装置の一部を模式的に示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る研削方法を示すフロー図である。
図3図3は、図2の研削工程時のチャックテーブル、ドレス部、被加工物及び研削砥石を模式的に示す上面図である。
図4図4は、図2のドレス用位置調整工程時の研削砥石、チャックテーブル、被加工物及びドレス部を模式的に示す上面図である。
図5図5は、図2のドレス工程時の研削砥石、チャックテーブル、被加工物及びドレス部を模式的に示す上面図である。
図6図6は、第2実施形態に係る研削方法に係るドレス工程時の被加工物、チャックテーブル、ドレス部及び研削砥石を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の一側面に係る実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る研削装置2の一部を模式的に示す断面図であり、図2は、第1実施形態に係る研削方法を示すフロー図であり、図3は、研削装置2の一部の構造を模式的に示す上面図である。なお、図1において、X軸方向(第1水平方向、前後方向)とY軸方向(第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(高さ方向、上下方向、鉛直方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
【0017】
研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の上面側には、上端部が矩形状に開口した直方体状の収容空間4aが設けられている。収容空間4aの内側には、研削装置2による研削加工の対象物である被加工物11を保持する円盤状のチャックテーブル(保持テーブル)6が設けられている。チャックテーブル6の上面は、被加工物11を吸引保持する保持面6aと、保持面6aとは異なる位置に設けられたドレス部6bと、を有している。
【0018】
本実施形態に係るチャックテーブル6の保持面6aは、図3に示されるように、矩形状に形成されている。これにより、チャックテーブル6の保持面6aは、矩形の平板状に形成された被加工物11を保持することができる。ただし、保持面6aの形状や大きさは、被加工物11の大きさや形状等に応じて変更され得る。例えば、円板状の被加工物を保持する必要がある場合には、保持面6aは、円形状に形成される。
【0019】
本実施形態では、図3に示されるように、4つの保持面6aが、チャックテーブル6の上面の中央部を通る1本の直線に沿って概ね等しい間隔で配置されている。ただし、保持面6aの数や配列の方向は、この限りではない。
【0020】
チャックテーブル6の保持面6aは、セラミックスの多孔質体で構成されている。この保持面6aは、バルブが設けられた配管等を通じて吸引源(真空ポンプ等)に接続されている。よって、吸引源が負圧を発生し、バルブが開かれると、この負圧が保持面6aに作用し、保持面6aの表面に配置された被加工物11が保持面6aに吸引され、保持される。
【0021】
ドレス部6bは、被加工物11の研削に用いられる研削砥石のドレスに適した板状のドレスボードを含む。ドレスボードは、代表的には、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒と、砥粒を固定するメタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材(ボンド材)とを含む。このドレスボードが研削されるように研削砥石をドレスボードに接触させることで、研削砥石が摩耗し、研削砥石の目詰まりが解消される。
【0022】
チャックテーブル6は、チャックテーブル6を回転させる回転機構8に接続されている。回転機構8は、研削装置2の高さ方向に沿って配置されたスピンドル12を有している。スピンドル12の上端側はチャックテーブル6に固定され、スピンドル12の下端側はモータ10に接続されている。モータ10の駆動により、保持面6aと交差する回転軸(図1中の一点鎖線)の周りにスピンドル12が回転し、それによって、チャックテーブル6が回転軸の周りに回転する。
【0023】
なお、回転機構8は、スピンドル12とモータ10とがベルト及びプーリを介して接続されている物であっても良いし、スピンドル12とモータ10とが直に接続されるダイレクトドライブモータであっても良い。
【0024】
図1に示されるように、チャックテーブル6には、チャックテーブル6の傾きを調節する傾き調節機構14が連結されている。例えば、傾き調節機構14は、ベアリング(不図示)を介してチャックテーブル6を支持する円盤状のテーブルベース16と、それぞれがテーブルベース16を支持する1個の固定支持部材18A及び2個の可動支持部材18Bとを備える。なお、図1では、一方の可動支持部材18Bのみが示され、他方の可動支持部材18Bが省略されている。
【0025】
1個の固定支持部材18A及び2個の可動支持部材18Bは、テーブルベース16の周方向に沿って概ね等間隔(120°間隔)で配置される。そして、固定支持部材18Aの上端部及び可動支持部材18Bの上端部がそれぞれ、テーブルベース16の外周部の下面側に固定される。
【0026】
固定支持部材18Aは、その上端部が所定の高さ位置で固定されるように構成されている。一方、可動支持部材18Bは、その上端部をZ軸方向に沿って移動(昇降)可能に構成されている。後述のコントローラ62が可動支持部材18Bに制御信号を入力することにより、2個の可動支持部材18Bの上端のZ軸方向における位置(高さ位置)をそれぞれ変更することができる。これにより、チャックテーブル6及びスピンドル12の傾きが調節される。
【0027】
基台4の内側には、移動機構(移動ユニット)20が設けられている。移動機構20は、チャックテーブル6に連結されており、チャックテーブル6及びスピンドル12をX軸方向に沿って移動させる。
【0028】
具体的には、移動機構20は、X軸方向に沿って配置されたボールねじ22を備える。ボールねじ22の端部には、ボールねじ22を回転させるパルスモータ24が連結されている。また、チャックテーブル6及び傾き調節機構14は支持台26により支持されており、この支持台26には、ナット部28が連結されている。そして、ボールねじ22はナット部28に螺合しており、パルスモータ24でボールねじ22を回転させるとチャックテーブル6がX軸方向に沿って移動する。
【0029】
チャックテーブル6及び移動機構20の後方(図1における右側)には、直方体状の支持構造(コラム)30が設けられている。支持構造30の表面側(前面側)には、調整機構(移動ユニット)32が設けられている。調整機構32は、支持構造30の表面側に固定された一対のガイドレール34を備える。一対のガイドレール34は、その長手の方向がZ軸方向に沿うように配置されており、Y軸方向において互いに離隔されている。
【0030】
一対のガイドレール34には、底のある円筒状に形成された保持部材36が、ガイドレール34に沿ってスライド可能に装着されている。保持部材36の背面側には、ナット部38が連結されており、ナット部38には、一対のガイドレール34の間にZ軸方向に沿って配置されたボールねじ40が螺合している。また、ボールねじ40の端部には、ボールねじ40を回転させるパルスモータ42が連結されている。パルスモータ42でボールねじ40を回転させると、保持部材36がガイドレール34に沿ってZ軸方向に移動(昇降)する。
【0031】
保持部材36は、被加工物11に研削加工を施す研削ユニット44を保持している。研削ユニット44は、中空の円柱状に形成され保持部材36に収容されたハウジング46を備える。ハウジング46の下面側は、ゴム等の弾性限度の高い弾性体でなる緩衝部材48を介して、保持部材36の底面によって支持されている。
【0032】
ハウジング46の内部には、Z軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル50が収容されている。スピンドル50の先端部(下端部)は、ハウジング46から露出しており、保持部材36の底部に設けられた開口を通じて保持部材36の下面から下方に突出している。また、スピンドル50の基端部(上端部)には、スピンドル50を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
【0033】
スピンドル50の先端部には、金属等でなる円盤状のホイールマウント52が固定されている。ホイールマウント52の下面側には、被加工物11を研削する円環状の研削ホイール54が着脱可能に装着される。例えば、研削ホイール54は、ボルト等の固定具によってホイールマウント52に固定される。
【0034】
研削ホイール54は、アルミニウム、ステンレス等の金属でなりホイールマウント52と概ね同径に形成された円環状のホイール基台56を備える。ホイール基台56の上面側がホイールマウント52の下面側に固定される。また、ホイール基台56の下面側には、複数の研削砥石58が固定されている。例えば、複数の研削砥石58は、いずれも直方体状に形成され、ホイール基台56の周方向に沿って概ね等間隔で円環状に配列される。
【0035】
複数の研削砥石58で規定される円環の外径(直径)は、チャックテーブル6の保持面6aの最大辺よりも大きくなるように構成されている。つまり、複数の研削砥石58は、保持面6aの最大辺よりも直径が大きい円に沿って配列されている。これは、チャックテーブル6を研削ユニット44に向かってX軸方向に移動させた際に、円環状に配列された研削砥石58によって保持面6aに保持された被加工物11の上面の全体が研削されるようにするためである。
【0036】
なお、円板状の被加工物を保持できるように保持面6aが円形状に形成されている場合には、複数の研削砥石58で規定される円環の外径(直径)は、チャックテーブル6の保持面6aの直径よりも大きくなるように構成される。つまり、この場合には、複数の研削砥石58が、保持面6aの直径よりも直径が大きい円に沿って配列される。
【0037】
研削砥石58は、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒と、砥粒を固定するメタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材(ボンド材)とを含む。ただし、研削砥石58の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。また、研削砥石58の数も任意に設定され得る。
【0038】
研削ホイール54は、回転駆動源(不図示)からスピンドル50及びホイールマウント52を介して伝達される動力により、Z軸方向に沿って設定された回転軸60の周りに回転する。すなわち、回転軸60は、スピンドル50、ホイールマウント52及び研削ホイール54の回転軸に相当する。そして、研削ホイール54を回転させると、複数の研削砥石58は、それぞれ、回転軸60を中心とする水平面(XY平面)と概ね平行な環状の軌道(経路)に沿って旋回し、環状の軌跡を描く。
【0039】
研削ユニット44の内部及び近傍には、純水等の液体(研削液)を供給するための研削液供給路(不図示)が設けられている。例えば、研削液供給路は、ホイールマウント52及び研削ホイール54の内部に形成された流路や、研削ユニット44の近傍に設けられたノズルによって構成される。
【0040】
そして、研削ホイール54で被加工物11を研削する際には、この研削液供給路から、研削液が被加工物11及び研削砥石58に供給される。これにより、被加工物11及び研削砥石58が冷却されるとともに、研削加工によって発生した屑(研削屑)が洗い流される。なお、研削液供給路は、研削ユニット44の内部と近傍との一方のみに設けられてもよい。
【0041】
また、研削装置2は、研削装置2を制御するコントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)62を備える。コントローラ62は、研削装置2の構成要素(チャックテーブル6、傾き調節機構14、移動機構20、調整機構32、研削ユニット44等)に接続されており、各構成要素の動作を制御する制御信号を生成する。
【0042】
例えば、コントローラ62は、コンピュータによって構成され、研削装置2の稼働に必要な演算を行うプロセッサ62aと、研削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶するメモリ62bとを含む。プロセッサ62aは、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成される。メモリ62bは、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)で構成される。
【0043】
次に、第1実施形態に係る研削方法について説明する。図2は第1実施形態に係る研削方法を示すフロー図である。なお、この第1実施形態では、研削方法を構成する各工程が、コントローラ62の指令に基づき遂行される。
【0044】
第1実施形態の研削方法では、まず、チャックテーブル6の保持面6aにより被加工物11を保持する保持工程S1が実行される。具体的には、この保持工程S1では、例えば、搬送機構(ロボットアーム等)により研削装置2の外部からチャックテーブル6に被加工物11が搬入され、保持面6aに載せられる。上述したように、本実施形態のチャックテーブル6は、4つの保持面6aを有しており、4つの保持面6aのそれぞれに、矩形状の上面を有する被加工物11が載せられる。
【0045】
その後、配管等の流路に設けられたバルブを開いて保持面6aに吸引源の負圧を作用させると、被加工物11は、保持面6aに吸引される。すなわち、4つの被加工物11は、チャックテーブル6の4つの保持面6aにより保持される。なお、被加工物11は、オペレーター等によって手動でチャックテーブル6の保持面6aに載せられてもよい。
【0046】
次に、被加工物11の研削に適した状態となるように保持面6aやドレス部6bの位置を調整する研削用位置調整工程S2が実行される。この工程では、研削ホイール54が研削装置2の高さ方向と直交する所定方向においてチャックテーブル6から離れた状態で、複数の研削砥石58の下面を被加工物11の被研削面(上面)と保持面6aとの間の高さ位置に位置付けるように、調整機構32により研削ユニット44の高さが調整される。
【0047】
研削砥石58の下面が位置づけられる位置は、代表的には、被加工物11の被研削面から5μm~20μmの距離に設定される。一方、研削工程S3が粗研削である場合は20μ程度この場合には、被加工物11の研削量(研削により除去される厚み)が概ね5μm~20μmとなる。ただし、研削砥石58の下面が位置づけられる位置は、被加工物11が適切に研削される範囲内で変更され得る。
【0048】
後述する研削工程S3が粗研削である場合、研削砥石58の下面は、被加工物11の被研削面から20μ程度に位置付けられる。一方、後述する研削工程S3が仕上げ研削である場合、研削砥石58の下面は、被加工物11の被研削面から5μ程度に位置付けられる。
【0049】
また、ドレス部6bが研削ホイール54(研削砥石58)と干渉する可能性のある位置に配置されている場合には、ドレス部6bが研削ホイール54(研削砥石58)と干渉しない位置に配置されるように、チャックテーブル6の向きが調整される。すなわち、保持面6aと研削ホイール54との相対的な移動の経路の外にドレス部6bが配置されるように、コントローラ62は、回転機構12を使用してチャックテーブル6の回転軸の周りの向きを調整する。
【0050】
続いて、被加工物11を研削する研削工程(クリープフィード研削工程)S3が実行される。この研削工程は、粗研削であっても良いし、仕上げ研削であっても良い。図3には、図2の研削工程時のチャックテーブル6、ドレス部6b、被加工物11及び研削砥石58が模式的に示され、チャックテーブル6、ドレス部6b及び被加工物11の軌跡が点線によって示されている。また、図3中の一点鎖線は、研削の際に研削砥石58が通るチャックテーブル6上の領域の外縁を示している。
【0051】
被加工物11を研削する際には、図3に示されるように、コントローラ6が移動機構20を用いてチャックテーブル6をX軸方向に移動させる。すなわち、チャックテーブル6及び回転機構8と、研削ユニット44と、がX軸方向に沿って相対的に移動する。上述のように、研削砥石58の下面は、被加工物11の被研削面(上面)と保持面6aとの間の高さ位置に位置付けられている。そのため、チャックテーブル6が移動機構20によりX軸方向に移動すると、被加工物11の上面側の部分が、回転する研削砥石58の側面及び下面により側方から研削される(クリープフィード研削)。
【0052】
例えば、研削ホイール54の直径は、300mm、チャックテーブル6の直径は、600mm、被加工物11の横の長さは、200mm、被加工物11の縦の長さは、60mmである。また、例えば、チャックテーブル6のX軸方向への移動速度(送り速度)は、5~60mm/s、スピンドル50の回転数は、2000rpm、研削液の流量は、研削ホイール54の内部に形成された流路(インナーノズル)で4L/min、研削ホイール54の外部のノズル(アウターノズル)で10L/minに設定される。ただし、各部の大きさや研削の条件等は、被加工物11が適切に研削される範囲内で変更され得る。
【0053】
研削工程S3が実行される際には、事前に実行される研削用位置調整工程S2により、ドレス部6bは、保持面6aと研削ホイール54との相対的な移動の経路の外に配置されている。すなわち、ドレス部6bは、研削装置2内で研削砥石58と干渉しない位置(研削砥石58により研削されない位置)に配置されている。研削工程S3が終了した後には、コントローラ62は、移動機構20を用いてチャックテーブル6を研削の開始の位置まで戻す。
【0054】
次に、被加工物11の研削が終了したか否かを判定する第1判定工程S4が実行される。研削が終了したか否かは、例えば、図示しない厚さ測定器により測定される被加工物11の厚さを用いて、目標とする被加工物11の厚さを基準にコントローラ62により判定される。
【0055】
例えば、厚さ測定器により測定される被加工物11の厚さが目標とする被加工物11の厚さに達し、被加工物11の研削が終了したと判定された場合(第1判定ステップS4の判定が「Yes」の場合)、被加工物11は、搬送機構により研削装置2の外部に搬出され、本フローが終了する。なお、研削が終了したか否かは、研削工程S3が実行された回数等に基づいて判定されてもよい。
【0056】
一方、被加工物11の研削が終了していないと判定された場合(第1判定ステップS4の判定が「No」の場合)、続いて、研削砥石58のドレスが必要か否かを判定する第2判定工程S5が実行される。ドレスが必要か否かは、例えば、スピンドル50を回転させる回転駆動源にかかる負荷の変化に基づいて、コントローラ62により判定される。
【0057】
例えば、スピンドル50を回転させる回転駆動源にかかる負荷が極端に大きくなった場合(モータの電流値が極端に上昇した場合)には、研削砥石58の状態が悪化していると考えられる。よって、このような場合には、コントローラ62は、研削砥石58のドレスが必要と判定する。
【0058】
また、コントローラ62は、被加工物11の累積研削量に基づき、研削砥石58のドレスが必要か否かを判定してもよい。被加工物11の累積研削量が多くなると、研削砥石54の状態が悪化する。そこで、コントローラ62は、被加工物11の累積研削量が、研削砥石54に許容される閾値を超えた場合に、研削砥石58のドレスが必要と判定する。
【0059】
また、コントローラ62は、研削後の被加工物11の厚さに基づいて、研削砥石58のドレスが必要か否かを判定してもよい。研削砥石58の状態が良い場合には、研削砥石58が適切に消耗するので、研削用位置調整工程S2において調整された研削ユニットの高さから想定される研削後の被加工物11の厚さと、実際に測定される研削後の被加工物11の厚さと、の間に僅かなずれが生じる。
【0060】
一方で、想定される研削後の被加工物11の厚さと、研削後の被加工物11の厚さと、の差が小さい場合には、研削砥石58が適切に消耗しておらず、研削砥石58の状態が悪化していると考えられる。よって、このような場合には、コントローラ62は、研削砥石58のドレスが必要と判定する。
【0061】
第2判定工程S5においてドレスが不要と判定された場合(第2判定工程S5の判定が「No」の場合)、研削用位置調整工程S2及び研削工程S3が再び実行される。なお、この場合には、次に実行される研削用位置調整工程S2において、研削ユニット44の高さのみが調整されればよい。すなわち、チャックテーブル6の回転軸の周りの向きは、調整されなくてよい。
【0062】
一方、第2判定工程S5においてドレスが必要と判定された場合(第2判定ステップS5の判定が「Yes」の場合)、ドレス用位置調整工程S6が実行される。図4は、図2のドレス用位置調整工程時の研削砥石58、チャックテーブル6、被加工物11及びドレス部6bを模式的に示す上面図である。図4には、チャックテーブル6、ドレス部6b及び被加工物11の軌跡が点線によって示されている。また、図4中の一点鎖線は、ドレスの際に研削砥石58が通るチャックテーブル6上の領域の外縁を示している
【0063】
図4に示されるように、ドレス用位置調整工程S6では、ドレス部6bが保持面6aと研削ホイール54との相対的な移動の経路の中に配置され、かつ、被加工物11がこの経路の外に配置されるように、回転機構8により、チャックテーブル6の回転軸周りの位置が調整される。具体的には、回転機構8により、チャックテーブル6が図4中の矢印の方向に回転される。なお、研削工程S3が終了した段階で、チャックテーブル6は、研削の開始の位置まで戻されている。つまり、このドレス用位置調整工程S6では、研削装置2の高さ方向と直交する所定方向において、研削ホイール54がチャックテーブル6から離れた状態にある。
【0064】
また、複数の研削砥石58の下面をドレス部6bの被研削面(上端)とドレス部6bの下端との間の位置に位置付けるように、調整機構32により研削ユニット44の高さが調整される。研削砥石58の下面が位置づけられる高さ方向の位置(ドレス部6bの被研削面からの距離)は、研削用位置調整工程と同様でよい。
【0065】
次に、ドレス工程S7が実行される。図5は、図2のドレス工程時の研削砥石58、チャックテーブル6、被加工物11及びドレス部6bを模式的に示す上面図である。図5には、チャックテーブル6、ドレス部6b及び被加工物11の軌跡が点線によって示されている。また、図5中の一点鎖線は、ドレスの際に研削砥石58が通るチャックテーブル6上の領域の外縁を示している。
【0066】
ドレス部6bを研削する際には、図5に示されるように、コントローラ6が移動機構20を用いてチャックテーブル6をX軸方向に移動させる。すなわち、チャックテーブル6及び回転機構8と、研削ユニット44と、がX軸方向に沿って相対的に移動する。上述のように、研削砥石58の下面は、ドレス部6bの上端と下端との間の高さ位置に位置付けられている。
【0067】
そのため、チャックテーブル6が移動機構20によりX軸方向に移動すると、ドレス部6bの上面側の部分が、回転する研削砥石58の側面及び下面により側方から研削され、ドレスされる。ドレス工程S7が終了した後、移動機構20によりチャックテーブル6がドレスを実施する前の位置まで戻る。
【0068】
ドレス工程S7が終了した後、研削用位置調整工程S1及び研削工程S2が実行される。以降、被加工物11の研削が終了するまで、S2~S7のステップが繰り返される。
【0069】
上述したように、第1実施形態に係る研削装置2は、被加工物11を保持する保持面6aと、保持面6aとは異なる位置に配置されたドレス部6bと、を上面側に有するチャックテーブル6を備える。すなわち、ドレス部6bがチャックテーブル6上に常に配置されているため、ドレス工程S7においてチャックテーブル6の保持面6aにドレスボードを取り付ける作業と、保持面6aからドレスボードを取り除く作業とが不要となる。よって、従来よりもドレスにかかる時間を低減し、クリープフィード研削の際の実質的な稼働時間の減少を抑えながらドレスを実施可能な研削装置2を提供することができる。
【0070】
研削砥石58による研削対象(被加工物11及びドレス部6b)の切り替えは、回転機構8により実現される。すなわち、回転機構8によりチャックテーブル6を回転させることによって、ドレス部6bを、保持面6aと研削ホイール54との相対的な移動の経路上と、この経路の外と、のいずれかに配置することができる。したがって、ドレス部6bがチャックテーブル6上に常に配置されていても、被加工物11のクリープフィード研削と研削砥石58のドレスとを適切に実施することができる。
【0071】
図6は、第2実施形態に係る研削方法のドレス工程S7時のチャックテーブル6、ドレス部6a、被加工物11及び研削砥石58を示す上面図である。第2実施形態は、第1実施形態と同様にS1~S6の工程を含む。図6に示されるように、チャックテーブル6の上面にドレス部6bが2つ設けられていても良い。例えば、複数の種類の研削砥石58に対応させるように、ドレス部6bを構成する砥石の種類が異なる2種類のドレス部6bが2か所に配置されても良い。また、砥石の種類が同じ2つのドレス部6bを設け、一方のドレス部6bがある程度まで消耗した後に、他方のドレス部6bでドレスが実施されるようにしても良い。
【0072】
ドレス部6bの数及び配置は、この限りでは無い。研削工程S3の際に、ドレス部6bが保持面6aと研削砥石58との相対的な移動経路の外に配置されていれば、任意の数のドレス部6bをチャックテーブル6の任意の位置に配置することができる。
【0073】
その他、上述した実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施され得る。
【符号の説明】
【0074】
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 チャックテーブル(保持テーブル)
6a 保持面
6b ドレス部
8 回転機構
10 モータ
12 スピンドル
14 傾き調節機構
16 テーブルベース
18A 固定支持部材
18B 可動支持部材
20 移動機構(移動ユニット)
22 ボールねじ
24 パルスモータ
26 支持台
28 ナット部
30 支持構造(コラム)
32 調整機構(移動ユニット)
34 ガイドレール
36 保持部材
38 ナット部
40 ボールねじ
42 パルスモータ
44 研削ユニット
46 ハウジング
48 緩衝部材
50 スピンドル
52 ホイールマウント
54 研削ホイール
56 ホイール基台
58 研削砥石
60 回転軸
62 コントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)
62a プロセッサ
62b メモリ
11 被加工物
図1
図2
図3
図4
図5
図6