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特開2024-116006接続装置、相互接続システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116006
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】接続装置、相互接続システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20240820BHJP
   H04N 21/643 20110101ALI20240820BHJP
   H04L 69/08 20220101ALI20240820BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20240820BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20240820BHJP
   H04L 67/565 20220101ALI20240820BHJP
   G16Y 10/70 20200101ALI20240820BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/643
H04L69/08
H04L67/12
H04L12/28 500D
H04L67/565
G16Y10/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021969
(22)【出願日】2023-02-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 発行日(公開日) 令和4年(西暦2022年)9月14日(協定世界時) 令和4年(西暦2022年)9月15日(日本時間) 刊行物 WoT-enabled TV services with Hybridcast Connect Hiroki Endo(NHK) (Web公開(ダウンロード)URL) ・https://github.com/w3c/wot/blob/main/PRESENTATIONS/2022-09-hybrid-f2f/2022-09-14-WoT-F2F-TPAC2022_Breakout-Endo.pdf ・https://github.com/w3c/wot/tree/main/PRESENTATIONS/2022-09-hybrid-f2f <資 料> ウェブ掲載 プレゼンテーション資料 <資 料> ウェブ掲載 タイムスタンプ (2) 開催日(公開日) 令和4年(西暦2022年)9月14日(現地時間) 令和4年(西暦2022年)9月15日(日本時間)(会期:9月12日~9月16日(現地時間)) 集会名、開催場所 W3C TPAC 2022 World Wide Web Consortium 主催 Sheraton Vancouver Wall Centre 1000 Burrard Street,Vancouver British Columbia,V6Z 2R9 Canadaにおける開催と、インターネットによる通信を用いたオンライン開催との、ハイブリッド開催 <資 料> W3C TPAC 2022 開催概要 <資 料> W3C TPAC 2022 Breakouts スケジュール <資 料> W3C TPAC 2022 Breakouts セッション議事録
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
2.ECHONET
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】安岡 諒
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大礎
(72)【発明者】
【氏名】小川 展夢
(72)【発明者】
【氏名】大亦 寿之
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 寛
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164TB11P
5C164UB41S
5C164UB71P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】放送受信装置(テレビ)と様々なIoTデバイスとの間での相互通信を可能とする相互接続システムを提供する。
【解決手段】設定情報記憶部は、受信するメッセージと前記メッセージに対応する制御情報との対応関係を、設定情報として記憶する。第1プロトコル変換部は、放送受信装置によって放送信号から抽出された第1メッセージをハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、メッセージをIoT向けプロトコルに変換して送信する。メッセージ解釈部は、第1プロトコル変換部からIoT向けプロトコルで前記第1メッセージを受信した場合に、設定情報記憶部に記憶された対応関係に基づいて、受信した前記第1メッセージに対応する制御情報を決定する。制御送信部は、メッセージ解釈部によって決定された制御情報に対応する第1制御情報を、IoTデバイスに対して送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信するメッセージと前記メッセージに対応する制御情報との対応関係を、設定情報として記憶する設定情報記憶部(77)と、
放送受信装置によって放送信号から抽出された第1メッセージをハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記メッセージをIoT向けプロトコルに変換して送信する第1プロトコル変換部(66)と、
前記第1プロトコル変換部からIoT向けプロトコルで前記第1メッセージを受信した場合に、前記設定情報記憶部(77)に記憶された前記対応関係に基づいて、受信した前記第1メッセージに対応する制御情報を決定するメッセージ解釈部(72)と、
前記メッセージ解釈部(72)によって決定された前記制御情報に対応する第1制御情報を、IoTデバイスに送信する制御送信部(73)と、
を備える接続装置。
【請求項2】
請求項1に記載の接続装置と、
前記接続装置に前記第1メッセージを送信する放送受信装置と、
前記接続装置から前記第1メッセージに対応する前記制御情報を受信するIoTデバイスと、
を備える相互接続システム。
【請求項3】
前記放送受信装置は、
放送信号から抽出された前記第1メッセージを、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで前記第1プロトコル変換部(66)に向けて送信するハイコネテキスト送信部(57)、
を備える、
請求項2に記載の相互接続システム。
【請求項4】
前記制御送信部(73)は、前記IoTデバイスに前記第1制御情報を送信する際に、当該第1制御情報に関連付く第2制御情報を前記放送受信装置に向けて送信するものであり、
前記接続装置は、
前記制御送信部(73)からIoT向けプロトコルで送信された前記第2制御情報を、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換して送信する第2プロトコル変換部(62)をさらに備え、
前記放送受信装置は、
前記第2プロトコル変換部(62)から前記第2制御情報をハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記第2制御情報に基づいて当該放送受信装置を制御する制御部(55)を備える、
請求項2または3に記載の相互接続システム。
【請求項5】
前記メッセージ解釈部(72)は、前記IoTデバイスから送信された第2メッセージを受信した場合に、前記設定情報記憶部(77)に記憶された前記対応関係に基づいて、受信した前記第2メッセージに対応する第2制御情報を決定するものであり、
前記制御送信部(73)は、前記第2メッセージに基づいて前記メッセージ解釈部(72)によって決定された前記第2制御情報を、前記放送受信装置に向けて送信するものであり、
前記接続装置は、
前記制御送信部(73)からIoT向けプロトコルで送信された前記第2制御情報を、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換して送信する第2プロトコル変換部(62)をさらに備え、
前記放送受信装置は、
前記第2プロトコル変換部(62)から前記第2制御情報をハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記第2制御情報に基づいて当該放送受信装置を制御する制御部(55)
を備える、
請求項2または3に記載の相互接続システム。
【請求項6】
受信するメッセージと前記メッセージに対応する制御情報との対応関係を、設定情報として記憶する設定情報記憶部(77)と、
放送受信装置によって放送信号から抽出された第1メッセージをハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記メッセージをIoT向けプロトコルに変換して送信する第1プロトコル変換部(66)と、
前記第1プロトコル変換部からIoT向けプロトコルで前記第1メッセージを受信した場合に、前記設定情報記憶部(77)に記憶された前記対応関係に基づいて、受信した前記第1メッセージに対応する制御情報を決定するメッセージ解釈部(72)と、
前記メッセージ解釈部(72)によって決定された前記制御情報に対応する第1制御情報を、IoTデバイスに送信する制御送信部(73)と、
を備える接続装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置、相互接続システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビの視聴時間の減少などに伴い、視聴者が放送サービスに接する機会が減っている。一方で、テレビやスマートフォン以外にも、コンテンツの提示機能を持つ様々なIoTデバイスが登場し、身近に利用する機会が増えている。そういった状況において、テレビ受像機(放送受信装置)以外のデバイスに対しても放送コンテンツを届けて多様な生活空間において視聴者らが放送サービスを利用できることは好ましい。
【0003】
非特許文献1では、W3C標準のWeb of Things(WoT)プロトコルについて記載されている。
【0004】
非特許文献2では、放送通信連携システムであるハイブリッドキャスト(HybridCast)の標準プロトコルであるハイブリッドキャストコネクト(ハイコネ)について記載されている。ハイブリッドキャストコネクトは、テレビ受像機と他のデバイスとを連携させるための連携端末通信プロトコルである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“Web of Things (WoT) Architecture”,https://www.w3.org/TR/wot-architecture/,2023年1月24日ダウンロード.
【非特許文献2】IPTV規定 ハイブリッドキャスト運用規定,IPTVFJ STD-0013 2.10版,2022年1月21日改訂,一般社団法人IPTVフォーラム.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
IoTデバイスにおいて放送コンテンツに基づく提示を行うためには、放送信号を受信する受信装置からIoTデバイスに対して、コンテンツを届ける必要がある。しかしながら、従来技術においては、テレビ受像機側がハイブリッドキャストコネクトに対応していても、IoTデバイス側がハイブリッドキャストコネクトに対応していない場合には、双方のデバイスを接続して相互に通信を行うことができないという問題がある。また、IoTデバイスに関しては、製品群ごとに通信に使用するプロトコルが異なるという問題もあった。これらの問題のために、放送サービスと他のサービスとの間での連携は困難であった。
【0007】
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、放送受信装置(テレビ)と様々なIoTデバイスとの間での相互通信を可能とする接続装置、相互接続システム、およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による接続装置は、受信するメッセージと前記メッセージに対応する制御情報との対応関係を、設定情報として記憶する設定情報記憶部(77)と、放送受信装置によって放送信号から抽出された第1メッセージをハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記メッセージをIoT向けプロトコルに変換して送信する第1プロトコル変換部(66)と、前記第1プロトコル変換部からIoT向けプロトコルで前記第1メッセージを受信した場合に、前記設定情報記憶部(77)に記憶された前記対応関係に基づいて、受信した前記第1メッセージに対応する制御情報を決定するメッセージ解釈部(72)と、前記メッセージ解釈部(72)によって決定された前記制御情報に対応する第1制御情報を、IoTデバイスに対して送信する制御送信部(73)と、を備える。
【0009】
[2]また、本発明の一態様による相互接続システムは、上記[1]の接続装置と、前記接続装置に対して前記第1メッセージを送信する放送受信装置と、前記接続装置から前記第1メッセージに対応する前記制御情報を受信するIoTデバイスと、を備える。
【0010】
[3]また、本発明の一態様は、上記[2]の相互接続システムにおいて、前記放送受信装置は、放送信号から抽出された前記第1メッセージを、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで前記第1プロトコル変換部(66)に向けて送信するハイコネテキスト送信部(57)、を備えるものである。
【0011】
[4]また、本発明の一態様は、上記[2]または[3]の相互接続システムにおいて、前記制御送信部(73)は、前記IoTデバイスに対して前記第1制御情報を送信する際に、当該第1制御情報に関連付く第2制御情報を前記放送受信装置に向けて送信するものであり、前記接続装置は、前記制御送信部(73)からIoT向けプロトコルで送信された前記第2制御情報を、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換して送信する第2プロトコル変換部(62)をさらに備え、前記放送受信装置は、前記第2プロトコル変換部(62)から前記第2制御情報をハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記第2制御情報に基づいて当該放送受信装置を制御する制御部(55)を備える、というものである。
【0012】
[5]また、本発明の一態様は、上記[2]または[3]の相互接続システムにおいて、前記メッセージ解釈部(72)は、前記IoTデバイスから送信された第2メッセージを受信した場合に、前記設定情報記憶部(77)に記憶された前記対応関係に基づいて、受信した前記第2メッセージに対応する第2制御情報を決定するものであり、前記制御送信部(73)は、前記第2メッセージに基づいて前記メッセージ解釈部(72)によって決定された前記第2制御情報を、前記放送受信装置に向けて送信するものであり、前記接続装置は、前記制御送信部(73)からIoT向けプロトコルで送信された前記第2制御情報を、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換して送信する第2プロトコル変換部(62)をさらに備え、前記放送受信装置は、前記第2プロトコル変換部(62)から前記第2制御情報をハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記第2制御情報に基づいて当該放送受信装置を制御する制御部(55)を備える、というものである。
【0013】
[6]また、本発明の一態様は、受信するメッセージと前記メッセージに対応する制御情報との対応関係を、設定情報として記憶する設定情報記憶部(77)と、放送受信装置によって放送信号から抽出された第1メッセージをハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、前記メッセージをIoT向けプロトコルに変換して送信する第1プロトコル変換部(66)と、前記第1プロトコル変換部からIoT向けプロトコルで前記第1メッセージを受信した場合に、前記設定情報記憶部(77)に記憶された前記対応関係に基づいて、受信した前記第1メッセージに対応する制御情報を決定するメッセージ解釈部(72)と、前記メッセージ解釈部(72)によって決定された前記制御情報に対応する第1制御情報を、IoTデバイスに対して送信する制御送信部(73)と、を備える接続装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、設定情報記憶部に記憶された設定情報と、放送信号から抽出されたメッセージとに基づいて、IoTデバイスの挙動を制御することができる。つまり、放送信号に基づいてIoTデバイスを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態による相互接続システムの概略機能構成を示すブロック図である。
図2】同実施形態による放送受信装置の内部の概略機能構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態によるプロトコル変換装置の概略機能構成を示すブロック図である。
図4】同実施形態によるメッセージ処理装置の概略機能構成を示すブロック図である。
図5】同実施形態によるIoTデバイスの概略機能構成を示すブロック図である。
図6】同実施形態による相互接続システムを構成する各装置間における処理の流れを説明するシーケンス図(1/2)である。
図7】同実施形態による相互接続システムを構成する各装置間における処理の流れを説明するシーケンス図(2/2)である。
図8】同実施形態における放送受信装置(テレビ)のTD(Thing Description)のうちのテキスト表示のためのアクションの記述の部分の例を示す概略図である。
図9】同実施形態による放送受信装置(テレビ)のTDのうちのハイブリッドキャストコネクトリスナーのイベントの記述の部分の例を示す概略図である。
図10】同実施形態におけるIoTデバイス(空気清浄機)のTDのうちのairFlowLevel(動作レベル)という書き換え可能なプロパティーの記述の部分の例を示す概略図である。
図11】同実施形態によるメッセージ処理装置内の設定情報記憶部が記憶する設定情報の構成の一例を示す概略図である。
図12】同実施形態による設定情報を登録するためのユーザーインターフェース(画面)の一例を示す概略図である。
図13】同実施形態による相互接続システムを構成する各機能をコンピューターで実現する場合の内部構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、プロトコル変換装置6は、テレビ(放送受信装置5)が用いるハイブリッドキャスト標準プロトコルと、IoTデバイス8が用いる汎用的なプロトコルとの間でのプロトコル変換を行う。また、メッセージ処理装置7は、テレビ(放送受信装置5)側でのメッセージ(制御情報)とIoTデバイス8側でのメッセージ(制御情報)とを相互に変換する処理を行う。なお、IoTは、Internet of Things(もののインターネット)の略である。
【0017】
図1は、本実施形態による相互接続システムの概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、相互接続システム1は、放送受信装置5と、プロトコル変換装置6と、メッセージ処理装置7と、IoTデバイス8とを含んで構成される。なお、プロトコル変換装置6の機能とメッセージ処理装置7の機能とを合わせて、接続装置2として実現してもよい。また、放送受信装置5が、プロトコル変換装置6の機能を合わせて持つようにしてもよい。また、放送受信装置5が、プロトコル変換装置6の機能とメッセージ処理装置7の機能とを合わせて持つようにしてもよい。あるいは、IoTデバイス8が、メッセージ処理装置7の機能を合わせて持つようにしてもよい。また、IoTデバイス8が、メッセージ処理装置7の機能とプロトコル変換装置6の機能とを合わせて持つようにしてもよい。さらに、ハードウェアの構成としてその他の形態で機能を配置することによって図1に示す相互接続システム1を実現してもよい。図1に示す各装置の機能については、下で説明する。
【0018】
なお、相互接続システム1が持つ各機能部は、例えば、コンピューターと、プログラムとで実現することが可能である。また、各機能部は、必要に応じて、記憶手段を有する。記憶手段は、例えば、プログラム上の変数や、プログラムの実行によりアロケーションされるメモリーである。また、必要に応じて、磁気ハードディスク装置やソリッドステートドライブ(SSD)といった不揮発性の記憶手段を用いるようにしてもよい。また、各機能部の少なくとも一部の機能を、プログラムではなく専用の電子回路として実現してもよい。
【0019】
放送受信装置5は、放送信号を受信して、その放送信号から抽出したコンテンツをユーザーに対して提示する装置である。コンテンツは、映像および音声と、その他の形態(例えば、字幕テキスト等)の情報として構成される。放送受信装置5は、いわゆる「テレビ受像機」である。放送受信装置5は、放送受信のための専用の装置であってもよいし、放送信号の受信機能を持つ何らかのコンピューターであってもよい。
【0020】
プロトコル変換装置6は、放送受信装置5側とIoTデバイス8側との間での通信を可能とするためのプロトコル変換を行う。具体的には、プロトコル変換装置6は、放送受信装置5からハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで送信されるメッセージを、IoTデバイス8用の標準的なプロトコルに変換して、メッセージ処理装置7に向けて出力する。また、プロトコル変換装置6は、メッセージ処理装置7からIoTデバイス8用の標準的なプロトコルで送信されるメッセージを、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換して、放送受信装置5に向けて出力する。IoTデバイス8用の標準的なプロトコルの一例は、WoT(Web of Things)である。なお、プロトコル変換装置6を「相互接続機能」と呼んでもよい。
【0021】
メッセージ処理装置7は、放送受信装置5側およびIoTデバイス8側から相互に対して送信されるメッセージに関する処理を行う。メッセージ処理装置7は、具体的には、放送受信装置5側およびIoTデバイス8側のそれぞれから送信されるメッセージを受信し、それらのメッセージを解釈し、必要に応じてそれらのメッセージを他のメッセージに変換して、そのメッセージの相手側に向けて送信する。メッセージ処理装置7は、放送受信装置5側から送られてくるメッセージを、プロトコル変換装置6から受信する。また、メッセージ処理装置7は、放送受信装置5側に向けるメッセージを、プロトコル変換装置6に対して送信する。なお、メッセージ処理装置7の機能を、所定のコンピューター上で稼働するアプリケーションソフトウェア(アプリ)によるユーザーアプリとして実現してもよい。
【0022】
IoTデバイス8は、任意のIoTデバイスである。IoTデバイス8は、他の装置との間で通信を行う機能を持っている。IoTデバイス8は、インターネット等の通信回線を介して、他の装置から制御される。また、IoTデバイス8は、その通信回線を介して、自装置が検知した情報を他の装置に対して送信する。IoTデバイス8は、例えば、スマートフォンや、タブレット端末や、スマートウォッチや、その他のウェアラブル端末や、各種家電機器や、各種空調機器や、空気清浄機や、各種スピーカー(音を出力する装置)や、各種照明機器(映像コンテンツの演出効果を持つ照明を含む)や、各種の物理量等を検知するセンサーや、音を取得するマイクロフォンや、各種の画像を撮像する撮像装置や、データを処理したり中継したりする中継装置などを含むが、ここに例示した装置に限定されるものではない。
【0023】
本実施形態におけるIoTデバイス8は、放送受信装置5側から、プロトコル変換装置6およびメッセージ処理装置7を経由して送られてくるメッセージを受信し、そのメッセージの内容に基づいて動作することができる。言い換えれば、IoTデバイス8は放送受信装置5側からのメッセージに基づいて自装置を制御する。また、IoTデバイス8は、自装置の状態や自装置が検知した情報を、メッセージとして放送受信装置5側に送ることができる。その際、IoTデバイス8から送信されるメッセージは、メッセージ処理装置7およびプロトコル変換装置6を経由して、放送受信装置5によって受信される。
【0024】
IoTデバイス8が例えば空気清浄機である場合、そのIoTデバイス8(空気清浄機)は、外部(例えば、放送受信装置5)から受信するメッセージに応じて、自装置(空気清浄機能)の電源をオンあるいはオフしたり、自装置の運転モードを変更したりすることができる。この運転モードには、動作レベルを含む。この動作レベルは、空気清浄機の運転の強さ(空気の流れの量)を制御するためのものである。動作レベルを変更することにより、IoTデバイス8(空気清浄機)が周囲環境に対して発するノイズの音量が変化し得る。ここでのノイズとは、空気清浄機が稼働する際のモーター音等である。
【0025】
図2は、上記の放送受信装置5の、内部の機能構成を示すブロック図である。図示するように、放送受信装置5は、放送受信および提示機能部51と、アプリ稼働部53とを含んで構成される。
【0026】
放送受信および提示機能部51は、放送信号を受信し、放送信号を適宜復調し、放送信号から抽出される映像や音声等を適宜復号して、映像および音声を出力するものである。放送受信および提示機能部51は、映像を画面等に表示し、音声をスピーカー等に出力する。放送受信および提示機能部51は、内部に受信部52を含む。
【0027】
受信部52は、放送信号を受信して、放送受信および提示機能部51内の各部(不図示)に対してその放送信号を渡す。放送信号は、高周波の信号として、電波あるいはケーブルテレビの信号などとして伝搬されるものである。受信部52は、受信した放送信号の復調を行ってもよい。受信部52は、さらに、復調後の信号に含まれるそれぞれのリソース(映像や音声等)について復号を行ってもよい。本実施形態における受信部52は、放送信号を何らかの形で、後述するメッセージ抽出部56に渡す。この放送信号は、メッセージを含むものである。メッセージは、典型的には、放送規格において規定されるイベントメッセージ(EM)であってよい。メッセージは、文字列の情報として抽出され得るものである。
【0028】
アプリ稼働部53は、アプリケーションプログラムを稼働させることのできる、ハードウェア資源およびソフトウェア資源を有する機能である。アプリケーションプログラムは、例えば、HTML5で記述される。HTML5は、HyperText Markup Language(ハイパーテキストマークアップ言語)の1つである。アプリ稼働部53においては、ハイブリッドキャストアプリ54が稼働し得る。つまり、アプリ稼働部53は、ハイブリッドキャストアプリ54のコードを読み込んで実行させることができる。
【0029】
図2には、ハイブリッドキャストアプリ54の機能構成を示している。図示するように、ハイブリッドキャストアプリ54は、制御部55と、メッセージ抽出部56と、ハイコネテキスト送信部57とを含んで構成される。各部の機能は、下で説明する通りである。なお、このハイブリッドキャストアプリ54は、所定のタイミングで起動され、アプリ稼働部53上で常駐稼働する。
【0030】
制御部55は、放送受信装置5を制御する。制御部55は、具体的には、放送受信装置5の、電源のオン/オフを制御したり、受信する放送サービスの選局を制御したり、放送受信に関する様々な状態を制御したり、受信したコンテンツの提示に関する様々な状態を制御したりする。つまり、制御部55は、放送受信および提示機能部51の動作を制御する。本実施形態において制御部55は、プロトコル変換装置6から送られるメッセージを受信し、そのメッセージの内容に依存して放送受信装置5の制御を行う。このメッセージは、IoTデバイス8から、メッセージ処理装置7およびプロトコル変換装置6を経由して放送受信装置5に送られるものである。つまり、制御部55は、プロトコル変換装置6から制御情報(「第2制御情報」とも呼ばれる)をハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、当該制御情報に基づいて放送受信装置5の挙動等を制御するものである。
【0031】
メッセージ抽出部56は、受信部52が受信する放送信号に基づくメッセージを抽出する。抽出されるメッセージは、例えば、テキストのデータであってよい。放送信号から抽出されるメッセージは、例えば、放送の規格において規定されるイベントメッセージ(EM)である。ただし、メッセージ抽出部56は、イベントメッセージ以外のメッセージを抽出してもよい。メッセージ抽出部56は、抽出したメッセージを、ハイコネテキスト送信部57に渡す。
【0032】
ハイコネテキスト送信部57は、メッセージ抽出部56から受け取るテキスト(メッセージ、あるいは第1メッセージとも呼ぶ)を、ハイブリッドキャストコネクト(ハイコネ)のプロトコルを用いて、プロトコル変換装置6に対して送信する。言い換えれば、ハイコネテキスト送信部57は、放送受信装置5において放送信号から抽出されたメッセージ(第1メッセージ)を、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで、プロトコル変換装置6に送信する。
【0033】
次に、プロトコル変換装置6の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態によるプロトコル変換装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、プロトコル変換装置6は、受信部61と、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62と、IoT向けプロトコル変換部66と、送信部67とを含んで構成される。
【0034】
受信部61は、メッセージ処理装置7からメッセージを受信する。このメッセージは、IoTデバイス8からのメッセージに基づくものであり、IoT向けプロトコルによってメッセージ処理装置7から送られてくるものである。受信部61は、受信したメッセージをハイブリッドキャストプロトコル変換部62に渡す。
【0035】
ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、上記の受信部61から渡されるメッセージを、ハイブリッドキャストプロトコルのメッセージに変換する。ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、この変換後のメッセージをハイブリッドキャストプロトコルによって放送受信装置5に送信する。つまり、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、メッセージ処理装置7の送信部73からIoT向けプロトコルで送信された制御情報(第2制御情報)を、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換するとともに、変換後の制御情報(第2制御情報)を放送受信装置5の制御部55に対して送信する(図2参照)。なお、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、「第2プロトコル変換部」とも呼ばれる。
【0036】
IoT向けプロトコル変換部66は、放送受信装置5によって放送信号から抽出されたメッセージ(「第1メッセージ」と呼ぶ場合がある)を、ハイコネテキスト送信部57からハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信する(図2参照)。また、IoT向けプロトコル変換部66は、放送受信装置5からハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信したメッセージを、IoT向けプロトコル(WoT等)に変換する。なお、IoT向けプロトコル変換部66は、「第1プロトコル変換部」とも呼ばれる。
【0037】
送信部67は、IoT向けプロトコル変換部66によってIoT向けプロトコル変換に変換されたメッセージを送信する。具体的には、送信部67は、そのメッセージをメッセージ処理装置7に向けて送信する。
【0038】
図4は、本実施形態によるメッセージ処理装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、メッセージ処理装置7は、受信部71と、メッセージ解釈部72と、送信部73と、設定情報記憶部77と、デバイス情報記憶部78とを含んで構成される。各部の機能は、次の通りである。
【0039】
受信部71は、外部から送信されるメッセージを受信する。具体的には、受信部71は、プロトコル変換装置6から(放送受信装置5側から)送信されるメッセージを受信する。また、受信部71は、IoTデバイス8からメッセージが送信される場合には、そのメッセージを受信してもよい。受信部71は、受信したメッセージを、メッセージ解釈部72に渡す。
【0040】
メッセージ解釈部72は、メッセージ処理装置7が受信したメッセージを解釈する。メッセージ解釈部72は、メッセージの解釈を行うために、設定情報記憶部77に記憶されている情報を参照する。つまり、メッセージ解釈部72は、放送受信装置5側から受信したメッセージと、IoTデバイス8に対して送信する制御情報との対応関係を設定情報記憶部77から読み取ることによって、メッセージの解釈を行う。メッセージ解釈部72は、メッセージの解釈の結果として、そのメッセージに対応する制御情報を決定する。
【0041】
なお、後述するように、メッセージ解釈部72は、逆方向に送られるメッセージを解釈してもよい。つまり、メッセージ解釈部72は、IoTデバイス8からメッセージが送信される場合には、そのメッセージを、設定情報記憶部77に記憶されている設定情報に基づいて解釈してよい。この場合に、メッセージ解釈部72は、IoTデバイス8からのメッセージに対応する制御情報を決定する。
【0042】
送信部73は、メッセージ解釈部72によって決定された制御情報を、他の装置を制御するための情報として送信する。なお、送信部73は、他の装置を制御するための制御情報を送信するものであり、「制御送信部」とも呼ばれる。
【0043】
具体的には、送信部73は、放送受信装置5側から送信されてきたメッセージに基づいてメッセージ解釈部72が決定した制御情報(この方向の制御情報を「第1制御情報」と呼ぶ場合がある)を、IoTデバイス8に対して送信する。また、送信部73は、逆方向の制御情報を送信してもよい。IoTデバイス8に対して送信した制御情報(第1制御情報)に対応して、別の制御情報(「第2制御情報」と呼ぶ場合がある)を、放送受信装置5へ向けて(具体的には、プロトコル変換装置6に対して)送信する。つまり、送信部73は、IoTデバイス8に対して制御情報(第1制御情報)を送信する際に、当該第1制御情報に関連付く第2制御情報を放送受信装置5に向けて、プロトコル変換装置6に送信してよい。
【0044】
設定情報記憶部77は、相互接続システム1に関する設定情報を記憶する。この設定情報は、例えばユーザーの操作等によって設定可能である。あるいは、ユーザーの操作の有無にかかわらず予め設定されていてもよいし、何らかの装置等から設定情報を読み込むようにしてもよい。設定情報記憶部77が記憶する設定情報の代表は、メッセージと制御情報(制御動作に関する情報)との関係の設定に関する情報である。つまり、設定情報記憶部77は、メッセージ処理装置7が受信するメッセージと、当該メッセージに対応する制御情報との対応関係を記憶する。設定情報記憶部77は、放送受信装置5側から送信されてくるメッセージ(第1メッセージ)と、IoTデバイス8側から送信されてくるメッセージ(第2メッセージ)との、両者それぞれについて、対応する制御情報の情報を記憶していてもよい。なお、設定情報記憶部77が記憶する情報の構成例については、後で図11を参照しながら説明する。
【0045】
デバイス情報記憶部78は、放送受信装置5およびIoTデバイス8に関する情報(これらをデバイス情報と呼ぶ)を記憶する。本実施形態では、具体的には、デバイス情報記憶部78は、放送受信装置5(テレビ)のTD(Thing Description)と、各種のIoTデバイス8のTDを記憶する。これらのデバイス情報は、放送受信装置5やIoTデバイス8の各装置から提供されるものであってよい。なお、本実施形態では、デバイス情報はTDの形態でデバイス情報記憶部78に記憶されるが、デバイス情報の形式は任意であり、他の形態であってもよい。
【0046】
図5は、本実施形態によるIoTデバイスの概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、IoTデバイス8は、受信部81と、制御部82と、検知部83と、送信部84と、デバイス機能部88とを含んで構成される。各部の機能は、次の通りである。
【0047】
受信部81は、メッセージ処理装置7から送信される制御情報を受信する。具体的には、受信部81は、IoTデバイス向けプロトコルを用いて、制御情報を受信する。受信部81は、受信した制御情報を制御部82に渡す。
【0048】
制御部82は、受信部81から渡された制御情報にしたがって、デバイス機能部88を制御する。IoTデバイス8は、任意の機能を有するデバイスであってよい。制御部82による制御の内容は、IoTデバイス8が持つ機能に依存するものであってよい。IoTデバイス8は、例えば、音や光を発するものであったり、その他の手段で環境に作用を及ぼすものであったり、環境における様々な測定あるいは検知を行うものであったりしてよい。制御部82は、そのような多様なIoTデバイス8の、動作を制御する。一例として、IoTデバイス8が空気清浄機である場合、制御部82は、空気清浄機の動作レベル(空気清浄の動作における空気の流量など)を制御するものであってよい。即ち、制御部82は、受け取る制御情報に基づいて、自装置の動作レベルを変更することができる。
【0049】
検知部83は、IoTデバイス8自身(あるいは、デバイス機能部88)の状態を検知したり、環境における測定結果(例えば物理量等の測定)を検知したり、その他の様々な事象等を検知したりする。検知部83が検知する対象は様々であってよい。一例として、IoTデバイス8が空気清浄機である場合、制御部82は、現在の稼働状況(稼働中であるか否か)や、現在の動作レベルや、その他の事項を検知して、検知結果の情報を含んだメッセージを生成することができる。検知部83は、生成したメッセージを、送信部84に渡す場合がある。
【0050】
送信部84は、検知部83によって生成されたメッセージを、メッセージ処理装置7に対して送信することができる。具体的には、送信部84は、IoTデバイス向けプロトコルを用いて、メッセージを送信する。
【0051】
デバイス機能部88は、そのIoTデバイス8に特有の機能を持つ。一例として、IoTデバイス8が空気清浄機である場合には、デバイス機能部88は、所定の動作レベル(例えば、1から8までのいずれかの整数によって指定されるレベル)で、空気を吸入し、その空気を浄化(例えばフィルタリング処理等)し、浄化済みの空気を排出する。デバイス機能部88は、前記の制御部82によって制御される。制御部82による制御の一例として、制御部82は、デバイス機能部の動作レベルを変更する場合がある。動作レベルが変更されると、デバイス機能部88の機能(動作)の強さ等が変わる。また、デバイス機能部88の動作状況等を、検知部83が検知する場合がある。
【0052】
以上のような構成を有することにより、IoTデバイス8の制御部82は、受け取る制御情報にしたがって、IoTデバイス8自身の挙動を制御する。つまり、IoTデバイス8は、放送受信装置5が放送信号から抽出したメッセージに依存して挙動することができる。
【0053】
次に、図6および図7を参照しながら、相互接続システム1の動作手順について説明する。図6および図7は、相互接続システム1を構成する各装置間における処理の流れを説明するシーケンス図である。以下、これらの図に沿って処理の手順を説明する。なお、このシーケンス図の例においては、IoTデバイス8が空気清浄機であることを想定しているが、一般にはIoTデバイス8が空気清浄機以外のデバイスであってもよい。
【0054】
ステップS1において、IoTデバイス8(空気清浄機)は、TD(Thing Description)のデータをメッセージ処理装置7に対して送信する。メッセージ処理装置7は、そのTDを受信して保存する。なお、本ステップにおいてIoTデバイス8が送信するTDは、当該IoTデバイス8へのアクセスについて記述されたデータである。このIoTデバイス8のTDのデータ構成例の詳細については、後で図10を参照しながら説明する。
【0055】
ステップS2において、プロトコル変換装置6は、TDのデータをメッセージ処理装置7に対して送信する。メッセージ処理装置7は、そのTDを受信して保存する。本ステップにおいてプロトコル変換装置6が送信するTDは、放送受信装置5へのアクセスについて記述されたデータである。この放送受信装置5のTDのデータ構成例の詳細については、後で図8および図9を参照しながら説明する。なお、ステップS1の処理とステップS2の処理の順序が逆であってもよい。
【0056】
ステップS3において、メッセージ処理装置7は、ステップS1およびS2のそれぞれにおいて受信したTDに基づいて、IoTデバイス8および放送受信装置5を、接続されているデバイスとして認識する。メッセージ処理装置7は、これらのTDにおいて記述されている情報に基づいて、IoTデバイス8や放送受信装置5にアクセスすることができる。ステップS1およびS2のそれぞれにおいて受信されたTDや、その他のデバイスに関する情報は、メッセージ処理装置7内のデバイス情報記憶部78に書き込まれ、保持される。
【0057】
ステップS4において、メッセージ処理装置7は、ユーザー設定を行う。つまり、メッセージ処理装置7は、ユーザーからの操作に基づく設定を行うことができる。ユーザー設定に関する情報は、メッセージ処理装置7内の設定情報記憶部77に書き込まれ、保持される。
【0058】
このステップS4においてユーザーが入力することのできる設定の一例は、次の通りである。例えば、ユーザーは、「example:scene」という名前(ラベル)の付いた設定をメッセージ処理装置7に入力することができる。この設定の内容は、例えば、「「replay」メッセージを受信したら空気清浄機の動作レベル(動作モード)を1に変更する」というものであってよい。ここで「replay」(リプレイ)メッセージとは、放送受信装置5が受信する放送信号の中に「replay」というイベントメッセージ(EM)が含まれていたときに、放送受信装置5から、プロトコル変換装置6を経由してメッセージ処理装置7に渡されるメッセージである。放送信号の中の「replay」メッセージは、例えば、放送コンテンツ(番組)がスポーツ中継(サッカー中継等)である場合に、その重要なシーンのリプレイ映像が現在流されていることを表すメッセージであってよい。また、空気清浄機の動作レベルは、後述するIoTデバイス8のTDにおいても定義されている「airFlowLevel」という属性に対応するものである。つまり、本例のユーザー設定では、放送信号に含まれるメッセージ(EM)の内容に応じてIoTデバイスの動作レベルを変更する、というルールを設定しておくことを可能とする。ステップS4において行われたユーザー設定の内容は、適切に表現されたデータとして、メッセージ処理装置7内の設定情報記憶部77に書き込まれ、保持される。設定情報記憶部77が記憶している設定の情報は、必要時にメッセージ解釈部72によって読み出される。
【0059】
ステップS5の処理の時点までに、放送受信装置5は、特定のサービス(チャンネル)の放送信号の受信を開始している。放送信号は、映像や音声や字幕テキストやイベントメッセージ(EM)やその他の制御情報を含む。ステップS5において、放送受信装置5は、放送信号に含まれるメッセージ(EM)を受信する。具体的には、放送受信装置5が受信する放送信号には、標準規格であるARIB STD-B24の「第7.1.2節 汎用イベントメッセージ記述子」において規定される汎用イベントメッセージ記述子の形式でのメッセージが含まれる。本ステップにおいて放送受信装置5が受信するメッセージ(EM)の内容の例は、「replay」というメッセージである。放送受信装置5の受信部52は、受信した放送信号を、ハイブリッドキャストアプリ54に渡す。
【0060】
以下におけるステップS6、S7、S20、およびS21の処理は、放送受信装置5上で稼働するハイブリッドキャストアプリ54による処理である。
【0061】
ステップS6において、放送受信装置5上で稼働するハイブリッドキャストアプリ54内のメッセージ抽出部56は、受信部52から渡される放送信号からメッセージを抽出する。具体的には、メッセージ抽出部56は、ハイブリッドキャストの規格であるIPTVFJ STD-0011において規定されているaddGeneralEventMessageListenerというAPIを呼び出すことによって、汎用イベントメッセージリスナーを登録する。このリスナーにより、メッセージ抽出部56はイベントメッセージを取得する。言い換えれば、放送受信装置5上のメッセージ抽出部56は、受信中の放送信号からイベントメッセージを抽出する。メッセージ抽出部56が、前記の汎用イベントメッセージ記述子の形式でメッセージを抽出するようにしてよい。ステップS6において抽出されるイベントメッセージの内容の例は「replay」というメッセージである。
【0062】
ステップS7において、放送受信装置5上で稼働するハイブリッドキャストアプリ54内のハイコネテキスト送信部57は、上のステップS6において抽出されたメッセージを、プロトコル変換装置6に対して送信する。ハイコネテキスト送信部57は、メッセージの通信方法としては、IPTVFJ STD-0013の「第7.1.1.2.3節 メッセージング」において規定される方法を用いることができる。つまり、ハイコネテキスト送信部57は、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルを用いて、上記のメッセージを送信する。より具体的には、ハイコネテキスト送信部57は、「sendTextToCompanionDevice」のAPIを呼び出すことにより、ステップS6において抽出した汎用イベントメッセージをオブジェクト形式で送信することができる。この「sendTextToCompanionDevice」のAPIに関しては、IPTVFJ STD-0011の「第3.1.23節 端末連携のためのインターフェース」内のsendTextToCompanionDevice/addCompanionDeviceTextMessageListner/removeCompanionDeviceTextMessageListenerにおいて規定されている。
【0063】
ステップS8において、プロトコル変換装置6のIoT向けプロトコル変換部66は、ステップS7において放送受信装置5から送信されたメッセージを、受信する。
【0064】
ステップS9において、プロトコル変換装置6のIoT向けプロトコル変換部66は、ステップS8において受信したメッセージを、WoTプロトコルのメッセージに変換する。IoT向けプロトコル変換部66は、例えば、ハイブリッドキャストコネクトとWoTとの間での双方向の変換のためのテーブルを予め記憶しておき、そのテーブルを参照することによって、プロトコルの変換を行う。IoT向けプロトコル変換部66は、例えば、放送受信装置5のTDに記述されるイベント「hybridcastCompanionConnectListener」(後で図8を参照しながら説明する)が持つプロパティー「data」(図8の第8行から第10行まで)に沿って、WoTのオブジェクトへの変換を行う。IoT向けプロトコル変換部66は、プロトコル変換後のメッセージを、送信部67に渡す。
【0065】
ステップS10において、プロトコル変換装置6の送信部67は、上のステップS9においてIoT向けプロトコル変換部66から受け取ったメッセージを、WoTプロトコルにより、メッセージ処理装置7に対して送信する。
【0066】
まず、ステップS11において、メッセージ処理装置7の受信部71は、ステップS10においてプロトコル変換装置6の送信部67から送信されたメッセージを、受信する。受信部71は、放送受信装置5のTDに記述されているイベント「hybridcastCompanionConnectListener」の通知としてこのメッセージを含んだオブジェクトを受信する。受信部71は、受信したメッセージを、メッセージ解釈部72に渡す。
【0067】
図7に移り、ステップS12において、メッセージ処理装置7のメッセージ解釈部72は、設定情報記憶部77を参照しながら、ステップS11において受信部71から渡されたメッセージを解釈する。前述の通り、設定情報記憶部77は、ユーザーが設定したルールを記憶している。ステップS4において説明した例では、設定情報記憶部77は、「example:scene」の名前の付いた設定として、「「replay」メッセージを受信したら空気清浄機の動作レベルを1に変更する」という設定を記憶している。つまり、上のステップS11において受信したメッセージが「replay」であるとき、メッセージ解釈部72は、上記のような設定に基づき、空気清浄機の動作レベルを1に変更すべきであるという解釈を行う。メッセージ解釈部72は、受信されたメッセージを解釈した結果として、IoTデバイス8(空気清浄機)の動作レベルを1に変更するための制御情報を出力する。具体的には、メッセージ解釈部72は、IoTデバイス8(空気清浄機)を制御するための制御情報を、送信部73に渡す。
【0068】
具体的には、メッセージ内において、シーン情報を表す「example:scene」の値が「replay」(リプレイ)である場合、メッセージ解釈部72は、この「replay」に合致する制御情報を、設定情報記憶部77から探し出す。この設定情報に基づいて、メッセージ解釈部72は、プロパティー「airFlowLevel」(図10)のformsを参照することによって「空気清浄機の動作レベルを「1」に変更する」という制御情報を決定する。
【0069】
次に、ステップS13において、メッセージ処理装置7の送信部73は、ステップS12においてメッセージ解釈部72が出力した制御情報を、IoTデバイス8(空気清浄機)に対して送信する。IoTデバイス8(空気清浄機)のTDは、プロパティーの1つとして、「airFlowLevel」(動作レベル)に関する記述を含む(後で図10を参照しながら説明する)。このプロパティー「airFlowLevel」の値は、1以上且つ8以下の数値または「auto」(自動)である(図10の第7行目から第19行目まで)。IoTデバイス8(空気清浄機)のプロパティー「airFlowLevel」の値を読み取ったり変更したりする操作については、そのTDの要素「forms」内に記述されている(図10の第29行目から第32行目まで)。送信部73は、デバイス情報記憶部78に記憶されている上記のようなIoTデバイス8(空気清浄機)のTDの記述に基づいて、IoTデバイス8(空気清浄機)の動作レベルを「1」に変更するための制御情報を送信する。
【0070】
ステップS14において、IoTデバイス8(空気清浄機)の受信部81は、ステップS13においてメッセージ処理装置7から送信された制御情報(動作レベルを変更する制御)を受信する。受信部81は、メッセージ処理装置7から受信した上記の制御情報を制御部82に渡す。
【0071】
次に、ステップS15において、IoTデバイス8(空気清浄機)の制御部82は、ステップS14で受信部81から渡された制御情報に基づいて、自装置を制御する。具体的には、制御部82は、自装置のデバイス機能部88に対して作用することにより、自装置の動作レベル(airFlowLevel)を「1」に変更する。「1」は、受信した制御情報の中において指定されている値である。本例におけるIoTデバイス8(空気清浄機)は、8段階(1から8まで)の動作レベルを持ち、この値「1」は最も弱い動作(発するノイズも小さい)に対応する。つまり、放送受信装置5によって受信された放送信号に基づいて、IoTデバイス8(空気清浄機)の動作レベルを弱くする結果となっている。
【0072】
一方で、ステップS16において、メッセージ処理装置7の送信部73は、制御結果を表すメッセージをプロトコル変換装置6に対して送信する。本ステップにおいて送信されるメッセージは、メッセージ処理装置7がIoTデバイス8(空気清浄機)に対して送信した制御情報の内容(動作レベルを「1」に変更)を表すテキスト等である。そのメッセージの一例は、「空気清浄機のairFlowLevelを1に変更しました。」というテキストである。言い換えれば、メッセージ処理装置7の送信部73は、放送受信装置5の画面に特定のメッセージを表示するための制御を行う。
【0073】
放送受信装置5のTDには、「displayText」というアクションが記述されている(後で図8を参照しながら説明する)。上のステップS16におけるメッセージ処理装置7からプロトコル変換装置6に対するメッセージの送信は、このアクション「displayText」を用いて行われるものである。図8の第4行目から第11行目までには、要素「forms」が記述されている。この「forms」の中には、要素「href」が存在し(図8の第8行目)ており、ここに放送受信装置5に対するアクション「displayText」を起動するためのURLが記述されている。
【0074】
ステップS17において、プロトコル変換装置6の受信部61は、ステップS16においてメッセージ処理装置7から送信されたメッセージを受信する。受信部61は、本ステップで受信したメッセージをハイブリッドキャストプロトコル変換部62に渡す。
【0075】
次に、ステップS18において、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、ステップS17で受け取ったメッセージをハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換する。
【0076】
そして、ステップS19において、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、変換後のメッセージを放送受信装置5に送信する。具体的には、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、放送受信装置5のTDに記述されているアクション「displayText」に沿って、上記メッセージを含んだオブジェクトを、放送受信装置5に送信する。アクション「displayText」を起動する際の入力データ(オブジェクト)については、図8の第12行目から第25行目までの要素「input」として記述されている。図8のこの要素「input」に沿った入力データ(オブジェクト)の一例は、下記の通りである。
[例]
“@type”:”Message”,
“example:action”:”display”,
“text”:“空気清浄機のairFlowLevelを1に変更しました。”
【0077】
ステップS20において、放送受信装置5の制御部55は、ステップS19でプロトコル変換装置6から送信されたメッセージを受信する。具体的には、制御部55は、ハイブリッドキャストのAPI「addCompanionDeviceTextMessageListener」を用いて受信したメッセージを抽出する。API「addCompanionDeviceTextMessageListener」は、IPTVFJ STD-0011の「第3.1.23節 端末連携のためのインターフェース」において規定されている。
【0078】
次に、ステップS21において、放送受信装置5の制御部55は、ステップS20で取得したメッセージ(本例では、「空気清浄機のairFlowLevelを1に変更しました。」というテキスト)を画面に表示する。
【0079】
上記の処理の例では、放送受信装置5の制御部55は、放送受信装置5が画面上にメッセージを表示するように制御を行った。制御部55は、放送受信装置5が他の動作をするように制御を行ってもよい。例として、制御部55は、放送受信装置5が出力する音量を変更するように制御したり、放送受信装置5が受信する放送サービスの選局動作(特定の放送チャンネルへの切り替え)をするように制御したり、放送受信装置5の電源をオンあるいはオフするように制御したりすることができる。
【0080】
また、上記の処理(図6図7)の例では、メッセージ処理装置7の送信部73は、ステップS13においてIoTデバイス8に対して制御情報(第1制御情報)を送信する一方で、このアクションをトリガーとして、ステップS16においては放送受信装置5に特定のメッセージを表示するための制御情報(第2制御情報)を放送受信装置5に向けて、すなわちプロトコル変換装置6に対して送信している。その代わりに、メッセージ処理装置7の送信部73は、IoTデバイス8から送出されるメッセージに対応する制御情報(第2制御情報)を放送受信装置5に向けて送信するようにしてもよい。
【0081】
その場合の処理の流れは、次の通りである。即ち、IoTデバイス8の送信部84は、IoTデバイス8の何らかの処理結果に基づいて生成されるメッセージ(このメッセージを「第2メッセージ」とも呼ぶ)を、メッセージ処理装置7に送信する。メッセージ処理装置7は、そのIoTデバイス8からのメッセージ(第2メッセージ)を受信する。IoTデバイス8から送信されたメッセージ(第2メッセージ)を受信した場合に、メッセージ解釈部72は、設定情報記憶部77に記憶された対応関係に基づいて、受信されたメッセージ(第2メッセージ)に対応する制御情報を決定する。送信部73は、上記のメッセージ(第2メッセージ)に基づいてメッセージ解釈部72によって決定された制御情報(第2制御情報)を、放送受信装置5側に向けて(即ち、プロトコル変換装置6に対して)送信する。プロトコル変換装置6のハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、メッセージ処理装置7の送信部73からIoT向けプロトコルで送信された制御情報(第2制御情報)を、ハイブリッドキャストコネクトのプロトコルに変換する。また、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62は、変換後の制御情報(第2制御情報)を、放送受信装置5に対して送信する。放送受信装置5の制御部55は、ハイブリッドキャストプロトコル変換部62から、制御情報(第2制御情報)をハイブリッドキャストコネクトのプロトコルで受信し、当該制御情報に基づいて放送受信装置5を制御する。
【0082】
以上の一連の処理で説明したように、相互接続システム1においては、放送受信装置5が放送信号から抽出したメッセージの内容に基づいて、IoTデバイス8の動作を制御することができる。また、ステップS1からS21までの処理には含まれないが、IoTデバイス8から送信されるメッセージの内容に基づいて、放送受信装置5の動作を制御することができる。
【0083】
次に、図8図9、および図10を参照しながら、相互接続システム1が動作する際に使用されるTD(Thing Description)のデータ構成の例について説明する。図示するようにTDはJSON形式(JSONは、JavaScript Object Notation の略)のデータとして記述され得るが、TDの表現方法等がこれに限定されるわけではない。なお、図8図9、および図10においては、参照のための行番号を付与している。図8は、放送受信装置5のTDにおけるというアクションについて記述した部分を示す概略図である。図9は、放送受信装置5のTDにおける「hybridcastCompanionConnectListener」(ハイブリッドキャスト連携端末接続リスナー)というイベントについて記述した部分を示す概略図である。図10は、IoTデバイス8の一つである空気清浄機のTDにおける「airFlowLevel」(空気フローレベル、空気清浄機の動作レベル)という属性について記述した部分を示す概略図である。
【0084】
図8に示す放送受信装置5のアクション「displayText」の詳細について説明する。第1行目から第27行目までは、要素「actions」である。要素「actions」は、1つまたは複数のアクションの記述を含んでよい。本例では、要素「actions」に含まれるアクションは、要素「displayText」(第2行目から第26行目まで)のみである。この「displayText」というアクションは、放送受信装置5の画面等にテキストを表示するための機能を表す。要素「displayText」は、要素「title」(第3行目)と、要素「forms」(第4行目から第11行目まで)と、要素「input」(第12行目から第25行目まで)とを含む。要素「title」は、当該アクションの「Display messages」というタイトル(文字列)を持つ。要素「forms」は、当該アクションを起動するための所在情報「https://tv.example.net/antwapp/displayMessage」や、方法「POST」を含む。要素「input」は、当該アクションに対する入力データ(オブジェクト)の構成に関する記述を含む。具体的には、要素「input」は、要素「type」(第13行目)と、要素「properties」(第14行目から第24行目まで)とを含む。この要素「properties」は、要素「@type」(第15行目から第17行目まで)と、要素「example:action」(第18行目から第20行目まで)と、要素「text」(第21行目から第23行目まで)とを含む。
【0085】
図9に示す放送受信装置5のイベント「hybridcastCompanionConnectListener」の詳細について説明する。第1行目から第24行目までは、要素「events」である。要素「events」は、1つまたは複数のイベントの記述を含んでよい。本例では、要素「events」に含まれるイベントは、要素「hybridcastCompanionConnectListener」(第2行目から第23行目まで)のみである。この「hybridcastCompanionConnectListener」というイベントは、放送受信装置5から連携端末に対して送出されるメッセージを通知するためのイベントである。この要素「hybridcastCompanionConnectListener」は、要素「title」(第3行目)と、要素「titles」(第4行目から第7行目まで)と、要素「data」(第8行目から第10行目まで)と、要素「properties」(第11行目から第15行目まで)と、要素「forms」(第16行目から第22行目まで)とを含む。
【0086】
第3行目の要素「title」は、値として「Message is emitted.」という文字列を持つ。第4行目から第7行目までの要素「titles」は、上記の要素「title」に対応するものであり、英語(en)によるタイトルの文字列「Message is emitted.」と、日本語(ja)によるタイトルの文字列「メッセージが送出された.」とを持つ。第16行目から第22行目までの要素「forms」は、イベントの通知を受けるための所在情報等の情報を含む。
【0087】
図10に示す属性「airFlowLevel」の詳細について説明する。図10の第1行目以後は、要素「properties」である。この要素「properties」は、1つまたは複数のプロパティーに関する記述を含み得る。本例では、要素「properties」は、要素「airFlowLevel」(第2行目から第41行目まで)を含む。要素「properties」が、その他のプロパティーに相当する要素を含んでもよいが、図10では第42行目以後の記載を省略している。
【0088】
上記の要素「airFlowLevel」は、要素「echonet:epc」(第3行目)と、要素「readOnly」(第4行目)と、要素「writeOnly」(第5行目)と、要素「observable」(第6行目)と、要素「oneOf」(第7行目から第19行目まで)と、要素「forms」(第20行目から第38行目まで)と、要素「title」(第39行目)と、要素「description」(第40行目)とを含む。
【0089】
要素「echonet:epc」は、要素「readOnly」は、当該属性値(airFlowLevel)が読み出し専用(リードオンリー)であるか否かを表す真偽値(「true」または「false」)を持つ。要素「writeOnly」は、当該属性値(airFlowLevel)が書き込み専用(ライトオンリー)であるか否かを表す真偽値を持つ。要素「observable」は、当該属性値(airFlowLevel)が観測可能であるか否かを表す真偽値を持つ。要素「oneOf」は、当該属性値(airFlowLevel)が、最小値が1且つ最大値が8の数値(第8行目から第12行目までのブロック)であるか、「auto」(自動)という値のストリング(文字列)であるか、のいずれかであることを表す。要素「forms」は、当該属性値(airFlowLevel)へのアクセス(読み取りや書き込み)のための所在情報や方法等についての記述を含む。要素「title」は、当該属性値に付与されているタイトル(名称)の情報(本例では、「airFlowLevel」)を持つ。要素「description」は、当該属性値についての説明(記述)の情報を持つ。
【0090】
図11は、メッセージ処理装置7内の設定情報記憶部77が記憶する設定情報の構成の一例を示す概略図である。図示するように、1件の設定情報は、受信メッセージの条件と制御情報との対として構成される情報である。つまり、1件の設定情報は、メッセージ処理装置7がメッセージを受信した際に、そのメッセージの種類・内容等に応じてどのような制御が行われるものであるかを規定する情報である。図示する例では、設定情報記憶部77に記憶されている設定情報は、設定情報1、設定情報2、設定情報3、・・・を含む。これらのうち、設定情報1(便宜的に行番号を付している)は、受信メッセージの条件(第2行目から第6行目までの要素「condition」)においては、受信メッセージの送信元(第5行目の「from」要素)は「放送受信装置」であり、メッセージテキストは「“example:scene”:”replay”」という記述が含まれる「replay」のメッセージである。なお、第3行目は、条件のタイプが「Message」(受信メッセージ)であることを表す。また、この受信メッセージに対応する制御の対象はIoTデバイス8(空気清浄機)であり、その制御の内容は「動作レベル(airFlowLevel)を「1」に設定する」である。即ち、設定情報1の制御情報(第7行目から第11行目までの「control」要素)においては、制御ターゲット(第8行目の「target」要素)が「空気清浄機」であり、制御対象の属性(第9行目の「property」要素)が「setAirFlowLevel」であり、制御値(第10行目の「value」要素)が「1」である。つまり、設定情報1としては、放送受信装置5側から「replay」のメッセージを受信した場合には、メッセージ処理装置7は、空気清浄機の動作レベルを1に設定するための制御情報を送出することが設定されている。設定情報2以後については説明を省略するが、設定情報1と同様にそれぞれに設定情報において条件と制御情報との対が定義され得る。なお、ここに図示した設定情報は単なる一例であり、受信メッセージの条件と制御情報との関係については様々な種類の設定がなされ得る。
【0091】
なお、図11に示したような設定情報は、例えばユーザーが画面等を操作することによって設定されるものであってもよいし、あるいは他の装置から指示されたり何らかの記憶装置から読み出されたりして設定されるものであってもよい。
【0092】
図12は、設定情報を登録するための画面(ユーザーインターフェース)の一例を示す概略図である。例えば図6の処理手順において説明したステップS4の処理(ユーザー設定)は、例えば、このような図12の画面をユーザーが操作することによって行われ得る。図12のような設定画面は、メッセージ処理装置7がディスプレイ装置等に表示するものであってもよいし、他の装置によって表示されるものであってもよい。図12の画面が表示された際に、ユーザーは、キーボード等から文字を入力したり、マウス操作(あるいは画面タップの操作)によってプルダウンメニューからの項目の選択を行ったりすることができる。図12に示す設定画面の例は、図11で説明した設定情報1に対応している。即ち、受信メッセージの送信元は放送受信装置であり、メッセージテキストが「“example:scene”:”replay”」を含む条件である。また、その受信メッセージに対応する制御の対象はIoTデバイス(空気清浄機)であり、制御の内容は「動作レベル(airFlowLevel)を「1」に設定する」である。
【0093】
図13は、相互接続システム1を構成する各機能をコンピューターで実現する場合の内部構成の例を示すブロック図である。図示するように、そのコンピューターは、中央処理装置901と、RAM902と、入出力ポート903と、入出力デバイス904や905等と、バス906と、を含んで構成される。コンピューター自体は、既存技術を用いて実現可能である。中央処理装置901は、RAM902等から読み込んだプログラムに含まれる命令を実行する。中央処理装置901は、各命令にしたがって、RAM902にデータを書き込んだり、RAM902からデータを読み出したり、算術演算や論理演算を行ったりする。RAM902は、データやプログラムを記憶する。RAM902に含まれる各要素は、アドレスを持ち、アドレスを用いてアクセスされ得るものである。なお、RAMは、「ランダムアクセスメモリー」の略である。入出力ポート903は、中央処理装置901が外部の入出力デバイス等とデータのやり取りを行うためのポートである。入出力デバイス904や905は、入出力デバイスである。入出力デバイス904や905は、入出力ポート903を介して中央処理装置901との間でデータをやりとりする。バス906は、コンピューター内部で使用される共通の通信路である。例えば、中央処理装置901は、バス906を介してRAM902のデータを読んだり書いたりする。また、例えば、中央処理装置901は、バス906を介して入出力ポート903にアクセスする。
【0094】
上述した実施形態における相互接続システムが持つ機能の少なくとも一部の機能をコンピューターで実現することができる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。つまり、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、非一過性の(non-transitory)コンピューター読み取り可能な記録媒体であってよい。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的に、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0095】
以上、複数の実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。
【0096】
例えば、図1から図5までにおいて、本実施形態の装置およびその機能の構成を説明した。しかしながら、どの機能を括って一つの筐体内に収納して「装置」として構成するかの形態は、図1から図5までにおいて示した形態に限られるものではない。同様の機能部を有して同様の作用をするならば、ハードウェアとしての「装置」の構成は任意である。
【0097】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0098】
なお、特許請求の範囲内において括弧内に記している数値(符号)は実施形態における構成との対応関係を表すものであるが、これらの数値(符号)は、特許請求の範囲を実施形態の構成に限定することを意図するものではない。これらの数値(符号)は、特許請求の範囲を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、例えば、放送受信装置(テレビ)とIoTデバイスとを連携動作させるためのシステムとして利用することができる。但し、本発明の利用範囲はここに例示したものには限られない。
【符号の説明】
【0100】
1 相互接続システム
2 接続装置
5 放送受信装置
6 プロトコル変換装置
7 メッセージ処理装置
8 IoTデバイス
51 放送受信および提示機能部
52 受信部
53 アプリ稼働部
54 ハイブリッドキャストアプリ
55 制御部
56 メッセージ抽出部
57 ハイコネテキスト送信部
61 受信部
62 ハイブリッドキャストプロトコル変換部(第2プロトコル変換部)
66 IoT向けプロトコル変換部(第1プロトコル変換部)
67 送信部
71 受信部
72 メッセージ解釈部
73 送信部(制御送信部)
77 設定情報記憶部
78 デバイス情報記憶部
81 受信部
82 制御部
83 検知部
84 送信部
88 デバイス機能部
901 中央処理装置
902 RAM
903 入出力ポート
904,905 入出力デバイス
906 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13