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特開2024-116064半導体パッケージおよびその形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116064
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】半導体パッケージおよびその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20240820BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H01L23/36 D
H01L23/12 J
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199022
(22)【出願日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】18/110,009
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 威宏
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA30
5F136BB18
5F136BC07
5F136DA25
5F136DA41
5F136FA01
5F136FA12
5F136FA23
5F136FA25
5F136FA51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体パッケージの反りを防ぎ、インターポーザモジュール上のサーマルインターフェース材料(TIM)層の剥離を防ぐ半導体パッケージ及びその形成方法を提供する。
【解決手段】半導体パッケージ100は、パッケージ基板110上のインターポーザモジュール120、インターポーザモジュール上のTIM層140、TIM層の側面及びインターポーザモジュールの側面上のTIM層保護構造170並びにインターポーザモジュール、TIM層及びTIM層保護構造上のパッケージリッド130を含む。TIM層保護構造は、TIM層保護構造インターフェース部を含み、TIM層保護構造界面部は、TIM層とモールディング材料層127との間の界面で、TIM層の側面及びモールディング材料層の側面と接触し、TIM層の側面からモールディング材料層の側面まで連続的に延在し、TIM層がモールディング材料層から剥離するのを抑制する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板上のインターポーザモジュール、
前記インターポーザモジュール上のサーマルインターフェース材料(TIM)層、
前記TIM層の側面および前記インターポーザモジュールの側面上のTIM層保護構造、ならびに
前記インターポーザモジュール、前記TIM層および前記TIM層保護構造上のパッケージリッドを含む半導体パッケージ。
【請求項2】
前記TIM層保護構造の厚さと前記インターポーザモジュールの厚さの比は、1.0~3.0の範囲内である請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記パッケージリッドは、第1の水平方向にパッケージリッドの長さを有し、前記TIM層保護構造は、前記第1の水平方向にTIM層保護構造の長さを有し、前記TIM層保護構造の長さと前記パッケージリッドの長さの比は、0.3~1.0の間の範囲にある請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記パッケージリッドは、前記第1の水平方向に垂直な第2の水平方向にパッケージリッドの幅を有し、前記TIM層保護構造は、前記第2の水平方向にTIM層保護構造の幅を有し、前記TIM層保護構造の幅と前記パッケージリッドの幅の比は、0.3~1.0の間の範囲にある請求項3に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記パッケージ基板に接着され、前記インターポーザモジュールの周囲に配置された補強リングをさらに含み、前記TIM層保護構造は、前記補強リングと前記インターポーザモジュールによって境界付けられた容積内に形成される請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記パッケージリッドは、前記TIM層保護構造上の充填プラグ、および前記TIM層保護構造上の脱ガスプラグを含む請求項5に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記パッケージリッドは、プレート部と、前記プレート部から延在し、前記インターポーザモジュールの周囲を囲んで前記パッケージ基板と接触する脚部とを含み、前記TIM層保護構造は、前記脚部と前記インターポーザモジュールとの間の容積に形成される請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
半導体パッケージの形成方法であって、前記方法は、
パッケージ基板上にインターポーザモジュールを実装するステップ、
前記インターポーザモジュール上にサーマルインターフェース材料(TIM)層を配置するステップ、
前記インターポーザモジュールと前記TIM層にパッケージリッドを配置するステップ、および
前記TIM層の側面と前記インターポーザモジュールの側面上にTIM層保護構造を形成するステップを含む方法。
【請求項9】
前記TIM層保護構造の形成は、前記パッケージリッドのガス抜き孔によって補強リングと前記インターポーザモジュールによって境界付けられた容積をガス抜きするステップを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
パッケージ基板上のインターポーザモジュール、
前記インターポーザモジュール上のサーマルインターフェース材料(TIM)層、
前記パッケージ基板上および前記インターポーザモジュールと前記TIM層の周囲に位置し、3ppm/℃と20ppm/℃との間の範囲の熱膨張係数、および1W/m・K以上の熱伝導率を有するTIM層保護構造、
前記パッケージ基板に接着され、前記インターポーザモジュールの周囲に配置され、前記TIM層保護構造は、補強リングと前記インターポーザモジュールによって境界付けられた容積内に形成された補強リング、ならびに
前記補強リング、前記インターポーザモジュール、前記TIM層、および前記TIM層保護構造に位置し、前記TIM層の上面および前記TIM層保護構造の上面に接触するパッケージリッドを含み、
前記パッケージリッドは、前記TIM層保護構造上に、3mm~10mmの範囲の直径を有する充填孔、
前記充填孔を塞ぐ充填プラグ、
前記TIM層保護構造上に位置し、3mm~10mmの範囲の直径を有するガス抜き孔、および
前記ガス抜き孔を塞ぐように用いられるガス抜きプラグを含み、
前記充填孔は、前記ガス抜き孔の反対側に位置する前記インターポーザモジュールの側に位置する半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2023年2月15日に出願された米国仮特許出願番号第18/110009号からの優先権を主張するものであり、これらの全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、半導体技術に関するものであり、特に、半導体パッケージおよびその形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体パッケージは、インターポーザ上に積層または実装される1つ以上の半導体ダイを含むことができる。動作中、半導体ダイは大量の熱を発生する可能性がある。パフォーマンスを向上させるために、発生した熱を放散することができる。
【0004】
半導体パッケージは、放熱を助けるサーマルインターフェイスマテリアル(TIM)層を含むことができる。特に、TIM層は、インターポーザから(例えば、インターポーザ上の半導体チップから)半導体パッケージのパッケージリッドへ熱を輸送するのを助けることができる。TIM層は、大型の半導体パッケージおよび先進的な半導体パッケージにおいて特に有益である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱変化(例えば、加熱、冷却)は、典型的な半導体パッケージに反り(例えば、熱応力による反り曲がり)を生じさせる可能性がある。このパッケージの反りは、インターポーザモジュールからのTIM層の剥離を引き起こす可能性があり、これにより、半導体パッケージの故障となる可能性がある。このようなパッケージの反りの場合、TIM層がインターポーザモジュールの角でインターポーザモジュールの上面から剥離する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態では、半導体パッケージが提供される。半導体パッケージは、パッケージ基板上のインターポーザモジュール、インターポーザモジュール上のサーマルインターフェース材料(TIM)層、TIM層の側面およびインターポーザモジュールの側面上のTIM層保護構造、ならびにインターポーザモジュール、TIM層、およびTIM層保護構造上のパッケージリッドを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、半導体パッケージの形成方法が提供される。この方法は、パッケージ基板上にインターポーザモジュールを実装するステップ、インターポーザモジュール上にサーマルインターフェース材料(TIM)層を配置するステップ、インターポーザモジュールとTIM層にパッケージリッドを配置するステップ、およびTIM層の側面とインターポーザモジュールの側面上にTIM層保護構造を形成するステップを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、半導体パッケージが提供される。半導体パッケージは、パッケージ基板上のインターポーザモジュール、インターポーザモジュール上のサーマルインターフェース材料(TIM)層、パッケージ基板上およびインターポーザモジュールとTIM層の周囲に位置し、TIM層保護構造は、3ppm/℃と20ppm/℃との間の範囲の熱膨張係数、および1W/m・K以上の熱伝導率を有するTIM層保護構造、パッケージ基板に接着され、インターポーザモジュールの周囲に配置され、TIM層保護構造は、補強リングとインターポーザモジュールによって境界付けられた容積内に形成された補強リング、ならびに補強リング、インターポーザモジュール、TIM層、およびTIM層保護構造に位置し、TIM層の上面およびTIM層保護構造の上面に接触するパッケージリッドを含み、パッケージリッドは、TIM層保護構造上に、3mm~10mmの範囲の直径を有する充填孔、充填孔を塞ぐ充填プラグ、TIM層保護構造上に位置し、3mm~10mmの範囲の直径を有するガス抜き孔、およびガス抜き孔を塞ぐように用いられるガス抜きプラグを含み、充填孔は、ガス抜き孔の反対側に位置するインターポーザモジュールの側に位置する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の1つ以上の実施形態は、TIM層保護構造を含むことができる。TIM層保護構造は、TIM層を保護し、TIM層がインターポーザモジュールから剥離するのを抑制(例えば、防止)するのに役立つことができる。従って、TIM層保護構造は、全体の半導体パッケージの向上した信頼性およびより良い放熱性能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施形態の態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を通じて明確に理解することができる。図面は、業界の標準的な慣行に従って、様々な特徴が縮尺通りに描かれておらず、説明の目的でのみ使用されている。実際、様々な特徴の寸法は、明確に説明できるようにするために、任意に拡大または縮小されることがある。
図1A図1Aは、1つ以上の実施形態による、半導体パッケージの垂直断面図を示している。
図1B図1Bは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドの充填孔の拡大垂直断面図を示している。
図1C図1Cは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドのガス抜き孔の拡大垂直断面図を示している。
図1D図1Dは、1つ以上の実施形態による、図1Aに示されたパッケージリッドの平面図を示している。
図2A図2Aは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板上部ボンディングパッドおよびパッケージ基板下部ボンディングパッドを含む中間構造の垂直断面図である。
図2B図2Bは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板上面層およびパッケージ基板下面層を含む中間構造の垂直断面図である。
図2C図2Cは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板上面層の開口およびパッケージ基板下面層の開口を含む中間構造の垂直断面図である。
図2D図2Dは、1つ以上の実施形態による、インターポーザモジュールがパッケージ基板(例えば、フリップチップボンディング(FCB)プロセスを介して)上に実装されることができる中間構造の垂直断面図を示している。
図2E図2Eは、1つ以上の実施形態による、パッケージアンダーフィル層がパッケージ基板上に形成されることができる中間構造の垂直断面図を示している。
図2F図2Fは、1つ以上の実施形態による、TIM層がインターポーザモジュールの上面に取り付けられることができる中間構造の垂直断面図を示している。
図2G図2Gは、1つ以上の実施形態による、接着剤がパッケージ基板に塗布されることができる中間構造の垂直断面図を示している。
図2H図2Hは、1つ以上の実施形態による、補強リングがパッケージ基板に取り付けられる(例えば、実装される)ことができる中間構造の垂直断面図を示している。
図2I図2Iは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドが補強リングに取り付けられることができる中間構造の垂直断面図を示している。
図2J図2Jは、1つ以上の実施形態による、TIM層保護構造が半導体パッケージに加えられた中間構造の垂直断面図を示している。
図2K図2Kは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板上のTIM層保護構造を含む中間構造の平面図を示している。
図2L図2Lは、1つ以上の実施形態による、充填プラグおよびガス抜きプラグを含む中間構造の垂直断面図を示している。
図2M図2Mは、1つ以上の実施形態による、複数のはんだボールがパッケージ基板に形成されることができる中間構造の垂直断面図を示している。
図3図3は、1つ以上の実施形態による、半導体パッケージの形成方法を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドの第1の代替設計の平面図を示している。
図4B図4Bは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドの第2の代替設計の平面図を示している。
図4C図4Cは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドの第3の代替設計の平面図を示している。
図5図5は、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドの第4の代替設計の垂直断面図を示している。
図6図6は、1つ以上の実施形態による、パッケージリッドの第5の代替設計の垂直断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上方または上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴の間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。また、本開示は、複数の例において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0012】
さらに、「下の方」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と、別の(複数の)要素と(複数の)特徴との関係を記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。特に明記しない限り、同じ参照番号を有する各要素は、同じ材料組成を有し、同じ厚さ範囲内の厚さを有するものと推定される。
【0013】
熱変化(例えば、加熱、冷却)は、典型的な半導体パッケージに反り(例えば、熱応力による反り曲がり)を生じさせる可能性がある。このパッケージの反りは、インターポーザモジュールからのTIM層の剥離を引き起こす可能性があり、これにより、半導体パッケージの故障となる可能性がある。このようなパッケージの反りの場合、TIM層がインターポーザモジュールの角でインターポーザモジュールの上面から剥離する可能性がある。
【0014】
本開示の1つ以上の実施形態は、TIM層保護構造を含むことができる。TIM層保護構造は、TIM層を保護し、TIM層がインターポーザモジュールから剥離するのを抑制(例えば、防止)するのに役立つことができる。従って、TIM層保護構造は、全体の半導体パッケージの向上した信頼性およびより良い放熱性能を提供することができる。TIM層保護構造は、インターポーザモジュール(例えば、半導体ダイ/チップ、統合されたファンアウトチップレット、統合された複数のロジックチップレットなど)を囲むエアギャップ、およびパッケージリッドとパッケージ基板(例えば、集積回路(IC)基板)との間に配置されることができる。
【0015】
1つ以上の実施形態では、TIM層保護構造は、パッケージリッドがインターポーザモジュール上のパッケージ基板に取り付けられた後、半導体パッケージに加えられることができる。1つ以上の実施形態では、パッケージリッドは、充填孔およびガス抜き孔を含むことができる。TIM層保護構造材料(例えば、液体材料)が充填孔に注入されることができ、ガス(例えば、空気、窒素など)がガス抜き孔を通って半導体パッケージから排出されることができる。
【0016】
TIM層保護構造材料は、例えば、アンダーフィル材料などの材料、またはアンダーフィル材料に類似した材料を含むことができる。TIM層保護構造は、3ppm/℃~20ppm/℃の間の熱膨張係数(CTE)を有することができる。TIM層保護構造は、1W/m・K以上の熱伝導率を有することができる。
【0017】
TIM層保護構造材料は硬化して固体のTIM層保護構造を形成することができる。TIM層保護構造は、パッケージリッド、パッケージ基板、およびインターポーザモジュール(例えば、半導体ダイ/チップを含むことができる)の間に強固な接合を形成することができる。TIM層保護構造は、パッケージリッドの下方、パッケージ基板の上方、およびインターポーザモジュールを囲んで形成されることができる。
【0018】
TIM層保護構造の厚さとインターポーザモジュールの厚さ(例えば、チップの厚さ)の比は、1.0より大きく、3.0より小さいとすることができる。さらに、パッケージリッドは、第1の方向にパッケージリッドの長さを有することができ、TIM層保護構造は、第1の水平方向にTIM層保護構造の長さを有することができる。TIM層保護構造の長さとパッケージリッドの長さの比は、0.3~1.0の間の範囲にあることができる。パッケージリッドは、第1の水平方向に垂直な第2の水平方向にパッケージリッドの幅を有し、TIM層保護構造は、第2の水平方向にTIM層保護構造の幅を有することもできる。TIM層保護構造の幅とパッケージリッドの幅の比は、0.3~1.0の間の範囲にあることができる。
【0019】
図1A図1Dは、1つ以上の実施形態による、半導体パッケージ100(例えば、有機/シリコンインターポーザパッケージ)の異なる図を提供する。図1Aは、1つ以上の実施形態による、半導体パッケージ100の垂直断面図を示している。図1Bは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッド130の充填孔131の拡大垂直断面図を示している。図1Cは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッド130のガス抜き孔133の拡大垂直断面図を示している。図1Dは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッド130の平面図を示している。
【0020】
半導体パッケージ100は、パッケージ基板110、パッケージ基板110上に実装されたインターポーザモジュール120、およびインターポーザモジュール120上にあり、パッケージ基板110に取り付けられたパッケージリッド130を含むことができる。半導体パッケージ100は、インターポーザモジュール120上にTIM層140を含むこともできる。半導体パッケージ100は、TIM層140を保護することができるTIM層保護構造170を含むこともできる。特に、TIM層保護構造170は、インターポーザモジュール120の表面からのTIM層140の剥離を抑制または軽減することができる。
【0021】
パッケージ基板110は、例えば、コア112、コア112上(例えば、パッケージ基板110の第1の側またはチップ側)に形成されたパッケージ基板上部誘電体層(package substrate upper dielectric layer)114、およびコア112(例えば、パッケージ基板110の第2の側または基板側)上に形成されたパッケージ基板下部誘電体層116を含むことができる。特に、パッケージ基板110は、味の素ビルドアップフィルム(ABF)基板などのビルドアップフィルム基板を含むことができる。即ち、少なくとも1つの実施形態では、パッケージ基板上部誘電体層114およびパッケージ基板下部誘電体層116のそれぞれは、ABF層として説明されることができる。
【0022】
コア112は、パッケージ基板110に剛性を与えることができる。コア112は、例えば、ビスマレイミドトリアジンエポキシ(BTエポキシ)などのエポキシ樹脂および/または織ガラスラミネートを含むことができる。コア112は、代替的または追加的に、ポリマー材料などの有機材料を含むことができる。特に、コア112は、ポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)、またはポリベンゾビスオキサゾール(PBO)などの誘電ポリマー材料を含むことができる。他の適切な誘電体材料も本開示の意図される範囲内にある。
【0023】
コア112は、1つ以上の貫通ビア112aを含むことができる。1つ以上の貫通ビア112aは、コア112の下面からコア112の上面まで延びることができる。1つ以上の貫通ビア112aは、パッケージ基板上部誘電体層114とパッケージ基板下部誘電体層116との間の電気接続を可能にすることができる。1つ以上の貫通ビア112aは、例えば、1つ以上の層を含むことができ、金属、金属合金、および/または他の金属含有化合物(例えば、Cu、Al、Mo、Co、Ru、W、TiN、TaN、WNなど)を含むことができる。他の適切な金属材料も、本開示の意図される範囲内にある。
【0024】
パッケージ基板下部誘電体層116は複数の層を含むことができ、特にビルドアップフィルム(例えば、ABF)を含むことができる。パッケージ基板下部誘電層116は、ポリマー材料などの有機材料を含むことができる。特に、パッケージ基板下部誘電体層116は、ポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)、またはポリベンゾビスオキサゾール(PBO)などの誘電体ポリマー材料の1つ以上の層を含むことができる。他の適切な誘電体材料も、本開示の意図される範囲内にある。
【0025】
パッケージ基板下部誘電体層116は、パッケージ基板下部誘電体層116の基板側表面上に1つ以上のパッケージ基板下部ボンディングパッド116aを含むことができる。特に、パッケージ基板下部ボンディングパッド116aは、パッケージ基板下部誘電体層116の基板側表面上に露出されることができる。パッケージ基板下部誘電体層116は、1つ以上の金属相互接続構造116bも含むことができる。金属相互接続構造116bは、パッケージ基板下部ボンディングパッド116aおよびコア112内の貫通ビア112aに接続されることができる。金属相互接続構造116bは、金属層(例えば、銅トレース)および金属層を接続する金属ビアを含むことができる。パッケージ基板下部ボンディングパッド116aおよび金属相互接続構造116bは、例えば、1つ以上の層を含むことができ、金属、金属合金、および/または他の金属含有化合物(例えば、Cu、Al、Mo、Co、Ru、W、TiN、TaN、WNなど)を含むことができる。金属相互接続構造116b用の他の適切な金属材料は、本発明の意図される範囲内にある。
【0026】
パッケージ基板下面層110bは、パッケージ基板下部誘電体層116の基板側表面上に形成されることができる。パッケージ基板下面層110bは、パッケージ基板下部ボンディングパッド116aを部分的に覆うことができる。パッケージ基板下面層110bは、パッシベーション層および保護層のうちの1つ以上を含むことができる。パッケージ基板下面層110bは、例えば、ポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)、またはポリベンゾビスオキサゾール(PBO)などの誘電性ポリマー材料を含むことができる。パッケージ基板下面層110bは、代替的または追加的に、酸化シリコン、窒化シリコン、炭素ドープ酸化物などの低k誘電体材料、多孔質炭素ドープ二酸化シリコンなどの極低k誘電体材料、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。他の適切な誘電体材料も本開示の意図される範囲内にある。
【0027】
複数のはんだボール110cを含むボールグリッドアレイ(BGA)がパッケージ基板下部誘電体層116の基板側表面上に形成されることができる。はんだボール110cは、半導体パッケージ100がプリント回路基板(PCB)などの基板上にしっかりと取り付けられ、PCB基板に電気的に結合されるようにすることができる。はんだボール110cは、パッケージ基板下部ボンディングパッド116aとそれぞれ接触することができる。
【0028】
パッケージ基板上部誘電層114は、コア112の上面に形成されることができる。「パッケージ基板上部誘電体層114は複数の層を含んでもよく、特に、ビルドアップフィルム(例えば、ABF)を含んでもよい」は省略されている。パッケージ基板上部誘電体層114は、ポリマー材料などの有機材料を含むこともできる。特に、パッケージ基板上部誘電体層114は、ポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)、またはポリベンゾビスオキサゾール(PBO)などの誘電体ポリマー材料を含むことができる。他の適切な誘電体材料も本開示の意図される範囲内にある。
【0029】
パッケージ基板上部誘電体層114は、パッケージ基板上部誘電体層114のチップ側表面上に1つ以上のパッケージ基板上部ボンディングパッド114aを含むことができる。特に、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aは、パッケージ基板上部誘電体層114のチップ側表面上に露出されることができる。少なくとも1つの実施形態では、ボンディングパッド表面層(図示せず)(例えば、金属(例えば、錫、ニッケル、パラジウム、金など)および/または他の材料の1つ以上の層)がパッケージ基板上部ボンディングパッド114a上に形成され、はんだ接合の信頼性を向上させることができる。
【0030】
パッケージ基板上部誘電体層114は、1つ以上の金属相互接続構造114bを含むこともできる。金属相互接続構造114bは、金属層(例えば、銅トレース)および金属層を接続する金属ビアを含むことができる。パッケージ基板上部ボンディングパッド114aは、金属相互接続構造114b、貫通ビア112a、金属相互接続構造116b、およびパッケージ基板下部ボンディングパッド116aを介してBGAのはんだボール110cに電気的に接続されることができる。パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよび金属相互接続構造114bは、例えば、1つ以上の層を含むことができ、金属、金属合金、および/または他の金属含有化合物(例えば、Cu、Al、Mo、Co、Ru、W、TiN、TaN、WNなど)を含むことができる。他の適切な金属材料も本発明の意図される範囲内にある。
【0031】
パッケージ基板上面層110aは、パッケージ基板上部誘電体層114のチップ側面上に形成されることができる。パッケージ基板上面層110aは、コーティング層、ラミネート層などを含んでもよい。パッケージ基板上面層110aは、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aを少なくとも部分的に覆うように形成されることができる。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、パッケージ基板上面層110aは、ソルダーレジスト層(例えば、ソルダーマスク層)を含むことができる。ソルダーレジスト層は、ポリマー材料(例えば、エポキシポリマー)の薄層を含むことができる。ソルダーレジスト層は、約5μm~50μmの範囲の厚さを有することができる。少なくとも1つの実施形態では、ソルダーレジスト層は、約10μm~30μmの範囲の厚さを有することができる。より厚いまたはより薄い層のソルダーレジスト層が用いられることができる。ソルダーレジスト層は、パッケージ基板110のチップ側表面上のパッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよび他の金属フィーチャ(例えば、導電線、銅トレース)を覆うように形成されることができる。ソルダーレジスト層は、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよび他の金属フィーチャを酸化から保護することができる。ソルダーレジスト層は、間隔が接近した(closely spaced)金属フィーチャの間にソルダーブリッジ(例えば、意図しない電気的接続)が形成されるのを抑制(例えば、防止)することもできる。ソルダーレジスト層は、パッケージ基板上部ボンディングパッド114a上にソルダーレジスト開口(SRO)をそれぞれ含むことができる。パッケージ基板上部ボンディングパッド114aの上面は、SROによって露出されることができる。SROは、SROの直径(X-Y平面における)がパッケージ基板上部ボンディングパッド114aに向かう方向に減少するように、テーパ状の側壁を有することができる。
【0033】
パッケージ基板上面層110aは、代替的または追加的に、パッシベーション層または保護層などのソルダーレジスト層以外の層を含んでもよい。特に、パッケージ基板上面層110aは、代替的または追加的に、ポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)、またはポリベンゾビスオキサゾール(PBO)などの誘電性ポリマー材料、酸化シリコン、窒化シリコン、炭素ドープ酸化物などの低k誘電体材料、多孔質炭素ドープ二酸化シリコンなどの極低k誘電体材料、それらの組み合わせ、または他の適切な材料を含んでもよい。パッケージ基板上面層110aは、代替的または追加的に、例えば、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、スピンコーティング、積層(lamination)、または他の適切な堆積技術によって形成されてもよい。
【0034】
インターポーザモジュール120は、パッケージ基板110内のパッケージ基板上部ボンディングパッド114a上の制御崩壊チップ接続(controlled collapse chip connection;C4)バンプ121によって実装されることができる。インターポーザモジュール120は、C4バンプ121に電気的に接続された金属相互接続122aを含むことができるインターポーザ誘電体層122を含むことができる。インターポーザモジュール120は、インターポーザ誘電体層122上にそれぞれ実装されることができる第1の半導体ダイ123および第2の半導体ダイ124も含むことができる。任意の数の半導体ダイがインターポーザ誘電体層122上に実装されることができることに留意されたい。
【0035】
第1の半導体ダイ123および第2の半導体ダイ124は、金属相互接続122aに電気的に接続されることができるマイクロバンプ128によってインターポーザ誘電体層122上に実装されることができる。パッケージアンダーフィル層129は、インターポーザモジュール120をパッケージ基板110に固定するように、インターポーザモジュール120およびC4バンプ121の下部および周囲に形成されることができる。パッケージアンダーフィル層129は、エポキシ系のポリマー材料で形成されることができる。
【0036】
第1の半導体ダイ123および第2の半導体ダイ124のそれぞれは、例えば、高性能コンピューティング(HPC)アプリケーション、人工知能(AI)アプリケーション、および5Gセルラーネットワークアプリケーション用の半導体チップまたはチップレット、ロジックダイ(例えば、モバイルアプリケーションプロセッサ、マイクロコントローラなど)、またはメモリダイ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)ダイ、ワイドI/Oダイ、M-RAMダイ、R-RAMダイ、NANDダイ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、中央処理装置(CPU)チップ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)チップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)チップ、ネットワーキングチップ、特定用途向け集積回路(ASIC)チップ、人工知能/ディープニューラルネットワーク(AI/DNN)アクセラレータチップなど、コプロセッサ、アクセラレータ、オンチップメモリバッファ、メモリキューブ(例えば、HBM、HMCなど)、高データレートトランシーバダイ、I/Oインターフェースダイ、IPDダイ(例えば、集積型パッシブデバイス)、パワーマネージメントダイ(例えば、パワーマネージメント集積回路(PMIC)ダイ)、無線周波数(RF)ダイ、センサーダイ、微小電気機械システム(MEMS)ダイ、信号処理ダイ(例えば、デジタル信号処理(DSP)ダイ)、フロントエンドダイ(例えば、アナログフロントエンド(AFE)ダイ)、モノリシック3Dヘテロジニアス(heterogeneous)チップレットスタッキングダイなどを含むことができる。
【0037】
第1の半導体ダイ123および第2の半導体ダイ124のそれぞれは、例えば活性領域(図示せず)を含むことができる。活性領域は、様々な電子デバイス(例えば、トランジスタ、抵抗器など)を含む電子回路を含むフロントエンドオブライン(FEOL)領域を含むことができる。特に、FEOL領域は、論理デバイス(例えば、論理ゲート)を含む1つ以上の論理回路、および/またはメモリデバイス(例えば、揮発性メモリ(VM)デバイスおよび/または不揮発性メモリ(NVM)デバイス)を含む1つ以上のメモリ回路を含むことができる。特に、活性領域は、複数の誘電体層を有する層間誘電体を含むことができるバックエンドオブライン(BEOL)領域も含むことができる。誘電体層は、例えば、SiO 、誘電体ポリマー、または他の適切な誘電体材料を含むことができる。層間誘電体は、その中に形成された1つ以上の金属相互接続構造を含むことができる。金属相互接続構造は、誘電体層内に形成された金属トレースおよび金属ビアを含み、FEOL領域内の電子回路への電気接続を提供することができる。
【0038】
インターポーザアンダーフィル層126は、マイクロバンプ128の周囲、第1の半導体ダイ123とインターポーザ誘電層122との間、および第2の半導体ダイ124とインターポーザ誘電層122との間に形成されることができる。インターポーザアンダーフィル層126は、図1Aに示されるように、第1の半導体ダイ123および第2の半導体ダイ124の両方の下に連続的に形成されることができる。あるいは、インターポーザアンダーフィル層126は、第1の半導体ダイ123および第2の半導体ダイ124のそれぞれの下に分離した部分として形成されてもよい。インターポーザアンダーフィル層126は、第1の半導体ダイ123と第2の半導体ダイ124との間に形成されてもよい。インターポーザアンダーフィル層126は、エポキシ系のポリマー材料で形成されてもよい。
【0039】
モールディング材料層127は、第1の半導体ダイ123、第2の半導体ダイ124、インターポーザアンダーフィル層126、およびインターポーザ誘電体層122上に形成されることができる。モールディング材料層127は、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)で形成されることができる。
【0040】
TIM層140は、例えば、ゲルTIM、グラファイトTIM、金属TIM、はんだTIM、およびカーボンナノチューブTIMを含むことができる。他のタイプのTIMも本開示の意図される範囲内にある。少なくとも1つの実施形態では、TIM層140は、30μm~150μmの範囲にあることができる。TIM層140は、インターポーザモジュール120上に形成され、半導体パッケージ100の動作(例えば、第1の半導体ダイ123および第2の半導体ダイ124の動作)中に発生した熱を放散することができる。TIM層140は、例えば、熱伝導性接着剤によってインターポーザモジュール120に取り付けることができる。特に、TIM層140は、第1の半導体ダイ123の上面、第2の半導体ダイ124の上面、モールディング材料層127の上面、および/またはインターポーザアンダーフィル層126の上面と接触することができる。TIM層140は、低いバルク熱インピーダンス(low bulk thermal impedance)と高い熱伝導率を有することができる。ボンドライン厚さ(bond-line-thickness;BLT)(例えば、パッケージリッド130とインターポーザモジュール120との間の距離)は、約100μm以下であってもよいが、これより大きいまたは小さい距離が用いられてもよい。
【0041】
半導体パッケージ100は、シリコン接着剤またはエポキシ接着剤などの接着剤160によってパッケージ基板110に固定されることができる補強リング150も含むことができる。他の接着剤も本開示の意図される範囲内にある。補強リング150は、ニッケルコーティングを施した銅、またはアルミニウム合金などの金属で形成されることができる。あるいは、補強リング150は、セラミック材料または硬質プラスチック(ポリマー)材料で形成されてもよい。補強リング150は、x-y平面においてインターポーザモジュール120を囲むようにパッケージ基板110上に形成されることができる。補強リング150は、パッケージ基板110から実質的に垂直方向(例えば、z方向)に延在することができる。補強リング150は、パッケージ基板110およびインターポーザモジュール120に剛性を与えるのに役立つことができる。
【0042】
パッケージリッド130は、インターポーザモジュール120を覆うように補強リング150に接続されることができる。パッケージリッド130は、接着剤161(例えば、シリコン接着剤またはエポキシ接着剤)によって補強リング150に固定されることができる。パッケージリッド130は、TIM層140の少なくとも一部に接触することができる。1つ以上の実施形態では、パッケージリッド130は、TIM層140の上面全体に直接接触することができる。パッケージリッド130は、例えば、金属、セラミック、またはポリマー材料で形成されることができる。パッケージリッド130は、板状(例えば、平面状)を有し、パッケージ基板110の上面と実質的に平行であることができる。パッケージリッド130は、例えば、図1Aのx-y平面内に延在することができる。パッケージリッド130は、インターポーザモジュール120の中央部分と実質的にz方向に整列した中央部分を含むことができる。
【0043】
パッケージリッド130は、底面130aと、z方向において底面130aに対向する上面130bとを含むことができる。パッケージリッド130は厚さT130を有することができる。パッケージリッド130の底面130aは、補強リング150の対向する側の間でパッケージリッド130を横切って延在し、TIM層140に接触することができる。TIM層140は、パッケージリッド130の底面130aとインターポーザモジュール120の上面との間で圧縮されることができる。パッケージリッド130の底面130aは、接着剤161によって補強リング150に固定されることができる。底面130aは実質的に平面であることができる。特に、パッケージ基板上面層110aからの底面130aの高さ(例えば、z方向)は、底面130aの全体にわたって実質的に均一であることができる。あるいは、パッケージリッド130は、底面130aから突出してTIM層140と接触することができる底部 段差領域(図示せず)を含むこともできる。底部段差領域は、底面130aから実質的に垂直方向に延在することができる。底部段差領域は、パッケージリッド130の中央領域の周囲に形成されることができる。
【0044】
半導体パッケージ100は、TIM層保護構造170も含むことができる。TIM層保護構造170は、TIM層140を保護するのに役立ち、特に、TIM層140がインターポーザモジュール120から剥離するのを抑制(例えば、防止)するのに役立つことができる。従って、TIM層保護構造170は、半導体パッケージ100の向上した信頼性およびより良い放熱性能を提供することができる。
【0045】
TIM層保護構造170は、パッケージアンダーフィル層129および/またはインターポーザアンダーフィル層126と実質的に同様の材料を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170は、ポリマー材料、特に、エポキシ系のポリマー材料を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170は、TIM層保護構造170の特性(例えば、熱伝導率、CTEなど)を改善するための追加の材料(例えば、充填材料)を含むことができる。追加される材料は、例えば、金属粉末、金属酸化物粉末などを含むことができる。TIM層保護構造170内の他の材料は、本開示の意図される範囲内にある。
【0046】
TIM層保護構造170は、インターポーザモジュール120を囲む空間(例えば、エアギャップ)、インターポーザモジュール120と補強リング150の間、およびパッケージリッド130とパッケージ基板110の間に位置することができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170は、インターポーザモジュール120を囲む空間(例えば、エアギャップ)を実質的に充填することができる。
【0047】
少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170は、3ppm/℃~20ppm/℃の間の熱膨張係数(CTE)を有することができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造は、1W/m・K以上の熱伝導率を有することができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造は、TIM層のCTEよりも大きいCTEを有することができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造は、TIM層の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有することができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170は、硬化して硬い固体構造を形成することができる硬化性材料で形成されることができる。TIM層保護構造170の厚さT170とインターポーザモジュール120の厚さT120(例えば、チップ厚さ)の比は、1.0より大きく3.0より小さいことができる。TIM層保護構造170は、パッケージリッド130、パッケージ基板110、およびインターポーザモジュール120の間に強固な接合を形成することができる。少なくとも一実施形態では、TIM層保護構造170は、パッケージリッド130の底面130a、パッケージ基板110の上面、TIM層140の外側面(側壁)、インターポーザモジュール120の外側面(側壁)、補強リング150の内側面(側壁)、パッケージアンダーフィル層129、接着剤160、および接着剤161のうちの1つ以上に接合されることができる。
【0048】
少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170は、パッケージリッド130の充填孔131によって半導体パッケージ100に追加されることができる。パッケージリッド130は、TIM層保護構造170の追加を容易にするために、ガス抜き孔133を含むこともできる。パッケージリッド130は、充填孔131とガス抜き孔133をそれぞれ塞ぐための充填プラグ132およびガス抜きプラグ134もさらに含むことができる。充填プラグ132およびガス抜きプラグ134は、ポリマー材料、特に、エポキシ系のポリマー材料を含むことができる。他の材料は本開示の意図される範囲内にある。
【0049】
図1Bに示すように、充填孔131は、3mm~10mmの範囲の直径D131(例えば、幅)を有することができる。直径D131は、充填孔131の高さ(z方向において)において実質的に均一であることができる。少なくとも1つの実施形態では、直径D131は、充填孔131の高さ(z方向において)において変化することができる。図1Bに示されるように、充填孔131は、パッケージリッド130に対して実質的に垂直なz方向に延在することができる。あるいは、充填孔131はパッケージリッド130に対して傾斜していてもよい。
【0050】
充填孔131は、TIM層保護構造170の中央領域に位置することができる。充填孔131は、内側長さL131iだけインターポーザモジュール120から分離されることができる。充填孔131は、外側長さL131oだけ補強リング150から分離されることができる。少なくとも1つの実施形態では、充填孔131は、インターポーザモジュール120と補強リング150との間で等距離にあることができる(例えば、L131i=L131o)。
【0051】
充填プラグ132は、パッケージリッド130の底面130aからパッケージリッド130の上面130bまで延在することができる。充填プラグ132の上面は、パッケージリッド130の上面130bと実質的に同一平面であることができる。充填プラグ132の底面は、パッケージリッド130の底面130aと実質的に同一平面であることができる。従って、充填プラグ132の厚さは、パッケージリッド130の厚さT130と実質的に同じであることができる。充填プラグ132は、充填孔131の全体を充填し、充填孔131を完全に密封することができる。充填プラグ132は、充填孔131の全体にわたって充填孔131の壁に接着して接合することができる。
【0052】
図1Bにさらに示されように、TIM層保護構造170は、TIM層保護構造インターフェース部170iを含むことができる。TIM層保護構造界面部170iは、TIM層140とモールディング材料層127との間の界面で、TIM層140の側面およびモールディング材料層127(例えば、インターポーザモジュール120)の側面と接触することができる。TIM層保護構造界面部170iは、TIM層140の側面からモールディング材料層127の側面まで連続的に延在し、それにより、TIM層140がモールディング材料層127から剥離するのを抑制(例えば、防止)するのに役立つことができる。
【0053】
図1Cに示すように、ガス抜き孔133は、3mm~10mmの範囲の直径D133(例えば、幅)を有してもよい。直径D133は、ガス抜き孔133の高さ(z方向において)において実質的に均一であることができる。少なくとも1つの実施形態では、直径D133は、ガス抜き孔133の高さ(z方向において)において変化することができる。少なくとも1つの実施形態では、ガス抜き孔133の直径D133は、充填孔131の直径D131とは異なっていてもよい(例えば、それより小さくてもよい)。図1Cに示されるように、ガス抜き孔133は、パッケージリッド130に対して実質的に垂直なz方向に延在することができる。あるいは、ガス抜き孔133はパッケージリッド130に対して傾斜していてもよい。
【0054】
ガス抜き孔133は、TIM層保護構造170の中央領域に位置することができる。ガス抜き孔133は、内側長さL133iだけインターポーザモジュール120から分離されることができる。ガス抜き孔133は、外側長さL133oだけ補強リング150から分離されることができる。少なくとも1つの実施形態では、ガス抜き孔131は、インターポーザモジュール120と補強リング150との間で等距離にあることができる(例えば、L131i=L131o)。少なくとも1つの実施形態では、内側長さL131iは、外側長さL133oより大きくてもよい(例えば、L131i>L131o)。即ち、ガス抜き孔133は、インターポーザモジュール120よりも補強リング150に近いパッケージリッド130に位置することができる。
【0055】
ガス抜きプラグ134は、パッケージリッド130の底面130aからパッケージリッド130の上面130bまで延在することもできる。ガス抜きプラグ134の上面は、パッケージリッド130の上面130bと実質的に同一平面であることができる。ガス抜きプラグ134の底面は、パッケージリッド130の底面130aと実質的に同一平面であることができる。従って、ガス抜きプラグ134の厚さは、パッケージリッド130の厚さT130と実質的に同じであることができる。ガス抜きプラグ134は、ガス抜き孔133の全体を充填し、ガス抜き孔133を完全に密封することができる。ガス抜きプラグ134は、ガス抜き孔133の全体にわたってガス抜き孔133の壁に接着して接合することができる。
【0056】
図1Dに示すように、パッケージリッド130は、破線で示された補強リング150、インターポーザモジュール120(およびTIM層140)、およびTIM層保護構造170のそれぞれの位置で示されている。図1Dに示されるように、パッケージリッド130は長方形の形状を有することができる。他の形状は本開示の意図される範囲内にある。
【0057】
特に、パッケージリッド130は、第1の水平方向(即ち、x方向)に長さL130を有し、第2の水平方向(即ち、y方向)に幅W130を有することができる。TIM層保護構造170は、インターポーザモジュール120およびTIM層140の周囲全体を囲んで形成されることができる。TIM層保護構造170は、第1の水平方向(即ち、x方向)に長さL170を有し、第2の水平方向(即ち、y方向)に幅W170を有することができる。TIM層保護構造170の長さL170とパッケージリッド130の長さL130の比R1は、0.3~1.0の間の範囲にあることができる。TIM層保護構造170の幅W170とパッケージリッド130の幅W130の比R2は、0.3~1.0の間の範囲にあることができる。比R1および比R2は、0.3~1.0の間の範囲にあることができ、TIM層保護構造170がパッケージリッド130、パッケージ基板110およびインターポーザモジュール120の間に十分な接合を提供することを保証する。
【0058】
図1Dに示されるように、充填孔131(および充填プラグ132)およびガス抜き孔133(およびガス抜きプラグ134)は、パッケージリッド130の対向する角および/またはインターポーザモジュール120の対向する角と実質的に位置合わせされることができる。充填孔131(および充填プラグ132)およびガス抜き孔133(およびガス抜きプラグ134)の他の位置は、本発明の意図される範囲内にある。充填孔131およびガス抜き孔133のそれぞれは、円形の断面形状を有することができる。他の形状(例えば、楕円形、線形、長方形)も、本開示の意図される範囲内にある。少なくとも1つの実施形態では、充填孔131(および充填プラグ132)の断面形状は、ガス抜き孔133(およびガス抜きプラグ134)の断面形状と異なることができる。
【0059】
充填孔131の直径D131およびガス抜き孔133の直径D133は、パッケージリッド130の厚さによって決まることができることに留意されたい。少なくとも1つの実施形態では、直径D131および直径D133は、パッケージリッド130の厚さが増加するにつれて増加することができる。直径D131および直径D133は、TIM層保護構造170によって充填された空間の容積(即ち、内側補強リング150およびインターポーザ120、パッケージ基板110の上面、およびパッケージリッド130の底面によって画定される容積)によって決まることもできる。少なくとも1つの実施形態では、直径D131および直径D133は、空間の容積が増加するにつれて増加することができる。
【0060】
図2A図2Iは、1つ以上の実施形態による、半導体パッケージ100の形成方法を示している。図2Aは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよびパッケージ基板下部ボンディングパッド116aを含む中間構造の垂直断面図である。パッケージ基板上部ボンディングパッド114aは、例えば、パッケージ基板上部誘電体層114の最上層の誘電体層上に形成されることができる。パッケージ基板上部ボンディングパッド114aは、金属相互接続構造114bと接触するように形成されることができる。パッケージ基板上部ボンディングパッド114aは、パッケージ基板上部誘電体層114の最上部の誘電体層上に金属層(例えば、銅、アルミニウム、または他の適切な導電性材料)を堆積することによって形成されることができる。次いで、金属層は、エッチング(例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングなど)によってパターン化され、これにより、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aを形成することができる。他の適切な金属層材料およびエッチングプロセスも、本開示の意図される範囲内にあることができる。
【0061】
パッケージ基板下部ボンディングパッド116aは、例えば、パッケージ基板下部誘電体層116の最下層の誘電体層上に形成されることができる。パッケージ基板下部ボンディングパッド116aは、金属相互接続構造116bと接触するように形成されることができる。パッケージ基板下部ボンディングパッド116aは、パッケージ基板上部誘電体層114の最下層の誘電体層上に金属層(例えば、銅、アルミニウム、または他の適切な導電性材料)を堆積することによって形成されることができる。次いで、金属層は、エッチング(例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングなど)によってパターン化され、パッケージ基板下部ボンディングパッド116aを形成することができる。他の適切な金属層材料およびエッチングプロセスも、本開示の意図される範囲内にあることができる。
【0062】
形成後、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよびパッケージ基板下部ボンディングパッド116aは、表面粗化処理(例えば、銅ザラザラ(CZ)処理とも呼ばれることができる銅表面粗化処理)を任意に受けることができる。表面粗化処理では、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aの表面(例えば、銅表面)およびパッケージ基板下部ボンディングパッド116aの表面(例えば、銅表面)が有機酸系マイクロエッチング液によりエッチングされ、超粗化表面(例えば、銅表面)を形成することができる。パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよびパッケージ基板下部ボンディングパッド116aの独特の粗化銅表面トポグラフィー(uniquely-roughened copper surface topography)は、銅と樹脂との高い接着力を実現するのに役立つことができる。
【0063】
図2Bは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板上面層110aおよびパッケージ基板下面層110bを含む中間構造の垂直断面図である。少なくとも1つの実施形態では、パッケージ基板上面層110aは、ソルダーマスクとも呼ばれるソルダーレジスト層(例えば、ポリマー材料)を含むことができる。パッケージ基板上面層110aは、上部ソルダーレジスト層110aとも呼ばれることができ、パッケージ基板下面層110bは下部ソルダーレジスト層110bとも呼ばれることができる。
【0064】
パッケージ基板上面層110aとパッケージ基板下面層110bは同時に適用されてもよい。パッケージ基板上面層110aとパッケージ基板下面層110bは、例えば、液状感光性フィルム(liquid photo-imageable film)として適用されることができる。液状感光性フィルムは、例えば、液状感光性フィルムをパッケージ基板110の表面上にシルクスクリーン印刷またはスプレーすることによって適用されることができる。液状感光性フィルムは、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよびパッケージ基板下部ボンディングパッド116a上に適用されることができる。パッケージ基板上面層110aおよびパッケージ基板下面層110bは、パッケージ基板110の表面上、およびパッケージ基板上部ボンディングパッド114aとパッケージ基板下部ボンディングパッド116a上にそれぞれ真空ラミネートされる(vacuum-laminated)ことができるドライフィルム感光性フィルムとして代替的に適用されることができる。
【0065】
パッケージ基板上面層110aおよびパッケージ基板下面層110bは、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよびパッケージ基板下部ボンディングパッド116aの厚さより若干厚い厚さを有するようにそれぞれ適用されることができる。あるいは、パッケージ基板上面層110aおよびパッケージ基板下面層110bは、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aおよびパッケージ基板下部ボンディングパッド116aの上面と実質的に同一平面上にある上面を有するようにそれぞれ適用されることができる。
【0066】
図2Cは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板上面層110aの開口O110aおよびパッケージ基板下面層110bの開口O110bを含む中間構造の垂直断面図である。
【0067】
開口O110aは、パッケージ基板上部ボンディングパッド114aの上面を露出させるようにパッケージ基板上面層110aに形成されることができる。開口O110bは、パッケージ基板下部ボンディングパッド116aの上面を露出させるようにパッケージ基板下面層110bに形成されることができる。開口O110bおよび開口O110bは、例えば、フォトリソグラフィプロセスを用いることにより形成されることができる。少なくとも1つの実施形態では、開口O110bと開口O110bは、別のフォトリソグラフィプロセスで形成されることができる。
【0068】
開口O110aを形成するように用いられるフォトリソグラフィプロセス(例えば、複数のプロセス)は、パッケージ基板上面層110a上にパターン化されたフォトレジストマスク(図示せず)を形成するステップ、およびフォトレジストマスクの開口によって露出したパッケージ基板上面層110aの上面をエッチング(例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングなど)するステップを含むことができる。フォトレジストマスクは、その後、フォトレジストマスクをアッシング、溶解することによって、またはエッチングプロセス中にフォトレジストマスクを消費(consuming)することによって除去することができる。
【0069】
開口O110bを形成するように用いられるフォトリソグラフィプロセス(例えば、複数のプロセス)は、パッケージ基板下面層110b上にパターン化されたフォトレジストマスク(図示せず)を形成するステップ、およびフォトレジストマスクの開口によって露出したパッケージ基板下面層110bの上面をエッチング(例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングなど)するステップを含むことができる。フォトレジストマスクは、その後、フォトレジストマスクをアッシング、溶解することによって、またはエッチングプロセス中にフォトレジストマスクを消費(consuming)することによって除去することができる。
【0070】
開口O110aがパッケージ基板上面層110aに形成され、開口O110bがパッケージ基板下面層110bに形成された後、パッケージ基板上面層110a(上部ソルダーレジスト層)およびパッケージ基板下面層110bは、例えば、熱硬化または紫外線(UV)硬化によって硬化されることができる。
【0071】
図2Dは、1つ以上の実施形態による、インターポーザモジュール120がパッケージ基板110上に実装されることができる(例えば、フリップチップボンディング(FCB)プロセスを介して)中間構造の垂直断面図を示している。図2Dに示されるように、インターポーザモジュール120のC4バンプ121がパッケージ基板110のパッケージ基板上部ボンディングパッド114a上に位置され、加熱されて、C4バンプ121をパッケージ基板上部ボンディングパッド114aに接合するようにさせることができる。
【0072】
図2Eは、1つ以上の実施形態による、パッケージアンダーフィル層129がパッケージ基板110上に形成されることができる中間構造の垂直断面図を示している。パッケージアンダーフィル層129は、エポキシ系のポリマー材料で形成されることができる。図2Eに示されるように、パッケージアンダーフィル層129は、インターポーザモジュール120をパッケージ基板110に固定するように、インターポーザモジュール120およびC4バンプ121の下および周囲に形成(例えば、注入)されることができる。次いで、パッケージアンダーフィル層129は、例えば、ボックスオーブン内で120℃~180℃の範囲の温度で約60分~120分間硬化されて、パッケージアンダーフィル層129に十分な剛性と機械的強度を提供することができる。
【0073】
図2Fは、1つ以上の実施形態による、TIM層140がインターポーザモジュール120の上面に取り付けられることができる中間構造の垂直断面図を示している。TIM層140は、例えば、ゲルTIM、グラファイトTIM、金属TIM、はんだTIM、およびカーボンナノチューブTIMを含むことができる。TIM層140は、熱伝導性接着剤をインターポーザモジュール120の上面(またはTIM層140の底面)に塗布し、次いでTIM層140をインターポーザモジュール120上にプレスすることにより、インターポーザモジュール120の上面に取り付けられることができる。
【0074】
図2Gは、1つ以上の実施形態による、接着剤160がパッケージ基板110に塗布されることができる中間構造の垂直断面図を示している。接着剤は、例えば、シリコン接着剤またはエポキシ接着剤を含むことができる。接着剤は、補強リング150の位置に対応する位置に、補強リング150をパッケージ基板110に確実に接着するのに十分な量で、パッケージ基板110上に位置されることができる。
【0075】
図2Hは、1つ以上の実施形態による、補強リング150がパッケージ基板110に取り付けられる(例えば、実装される)ことができる中間構造の垂直断面図を示している。上述のように、補強リング150は、金属、セラミック、またはプラスチックで構成されることができる。補強リング150は、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)フライス盤(milling machine)を用いてフライス加工することにより、または成形もしくはスタンピングにより形成されることができる。
【0076】
図2Hでは、インターポーザモジュール120を有するパッケージ基板110は、表面上に配置され、補強リング150はインターポーザモジュール120上でパッケージ基板110上に下降されることができる。次いで、補強リング150は、パッケージ基板110上に形成された接着剤160(例えば、接着材料のリング)と位置合わせされることができる。次いで、補強リング150は、補強リング150の上面に下向きの押圧力を加えて下方に押し下げ、これにより、補強リング150は接着剤160によりパッケージ基板110に確実に固定されることができる。あるいは、補強リング150は表面(例えば、平坦面)上に配置され、パッケージ基板110上のインターポーザモジュール120は反転されて補強リング150に挿入されてもよい。次いで、下向きの力がパッケージ基板110を補強リング150に接合させるために、パッケージ基板110のパッケージ基板下面層110bに加えられることができる。
【0077】
図2Iは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッド130が補強リング150に取り付けられることができる中間構造の垂直断面図を示している。図2Iに示されるように、半導体パッケージを形成する方法のこのとき、パッケージリッド130は、充填孔131およびガス抜き孔133を含むことができる。このとき、充填プラグ132およびガス抜きプラグ134はパッケージリッド130に含まれないことができる。
【0078】
接着剤161は、補強リング150の上面(例えば、上面全体)に塗布されることができる。あるいは、接着剤161は、補強リング150の位置に対応する位置でパッケージリッド130の底面130aに塗布されてもよい。次いで、パッケージリッド130は補強リング150と位置合わせされ、補強リング150およびTIM層140上に下降されることができる。次いで、パッケージリッド130は、パッケージ基板110に一定時間クランプされ、接着剤161および接着剤160を硬化させ、パッケージ基板110と、補強リング150と、パッケージリッド130との間に確実な接合を形成することができる。例えば、ヒートクランプモジュールを用いてパッケージ基板110へのパッケージリッド130のクランプが実行されることができる。ヒートクランプモジュールは、パッケージリッド130の上面にわたって均一な力を加えることができる。図5に示すように、以下により詳細に図示および説明するように、いくつかの実施形態では、補強リング150は、単一構造でパッケージリッド130と一体的に形成されてもよい。
【0079】
図2Jは、1つ以上の実施形態による、TIM層保護構造170が半導体パッケージ100に加えられた中間構造の垂直断面図を示している。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170を形成するための材料(例えば、硬化性材料、液体材料)が、充填孔131によって半導体パッケージに加えられることができる。特に、材料は、半導体パッケージ100内に注入(例えば、手動注入)され、これにより、インターポーザモジュール120の周囲の容積(例えば、エアギャップ)を充填し、補強リング150およびパッケージリッド130によって拘束される(constrained)ようにすることができる。材料の注入と同時に、ガス(例えば、空気、窒素など)が、パッケージリッド130のガス抜き孔133によって半導体パッケージ100から出ることができる。
【0080】
少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170の材料は、TIM層保護構造170の材料がガス抜き孔133に達するまで充填孔131に注入されることができる。即ち、TIM層保護構造170の材料がガス抜き孔133に達したとき、材料の注入が停止されることができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170の最上面が、底面130a、充填孔131の底端、およびガス抜き孔133の底端と実質的に同一平面上にあるとき、材料の注入を停止することができる。少なくとも1つの実施形態では、材料の注入は、TIM層保護構造170がインターポーザモジュール120と補強リング150との間の容積全体を充填したとき、停止することができる。
【0081】
図2Kは、1つ以上の実施形態による、パッケージ基板100上のTIM層保護構造170を含む中間構造の平面図を示している。パッケージリッド130は説明を容易にするために、図2Kから省略されている。充填孔131の位置およびガス抜き孔133の位置は、図2Kに破線で示されている。
【0082】
図2Kの方向矢印は、TIM層保護構造170の材料が充填孔131内に注入されるときの、その材料の流れの方向を示している。さらに図示されるように、材料は最初に充填孔131の周囲に局所的に広がることができる。材料は、パッケージ基板上面層110aに沿ってインターポーザモジュール120に向かって広がることができる。材料の第1の部分は、インターポーザモジュール120によって、最初にx方向にインターポーザモジュール120の周りを流れることができる。材料の第2の部分は、インターポーザモジュール120によって、最初にy方向にインターポーザモジュール120の周りを流れることができる。第1の部分の流量と第2の部分の流量は実質的に同じであることができる。第1の部分と第2の部分は、実質的に同時にガス抜き孔133に達することができる。
【0083】
少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170の材料の充填は自動化されることができる。特に、充填プロセスの様々な態様は、制御システム(例えば、電子制御システム、中央処理装置(CPU))によってコンピュータ制御されることができる。少なくとも1つの実施形態では、材料の注入の開始、材料の注入の流量、および材料の注入の停止は、制御システムによって制御されることができる。
【0084】
少なくとも1つの実施形態では、真空ラインがガス抜き孔133に接続され、インターポーザモジュール120の周囲の容積が真空になるようにすることができる。撮像装置(例えば、カメラ)が、ガス抜き孔133内に挿入された真空ラインの一部に接続されることができる。真空ラインおよび撮像装置も制御システムによって制御されることができる。撮像装置は、TIM層保護構造170の材料のレベルを検出することができる。撮像装置の出力は、制御システムに送信される(例えば、有線または無線信号によって)ことができる。制御システムは、撮像装置の出力が、材料が半導体パッケージ100内の特定のレベルに達したことを示したとき(例えば、材料がガス抜き孔133に達したとき)、材料の注入を停止させ、真空ライン内の真空を停止させることができる。
【0085】
あるいは、制御システムは、様々な入力パラメータに基づいて所定量の材料を注入するようにプログラムされてもよい。入力パラメータは、例えば、インターポーザモジュール120の周囲の空間の容積、インターポーザモジュール120のサイズ、パッケージリッド130のサイズ、補強リング150のサイズなどを含むことができる。
【0086】
少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170を形成するための材料(例えば、エポキシ系のポリマー材料)は、毛細管材料(例えば、毛細管アンダーフィルタイプの材料)を含むことができる。材料は低粘度を有することができる。特に、材料の粘度は、パッケージアンダーフィル層129の材料の粘度よりも低くてもよい。少なくとも1つの実施形態では、粘度は10rpmで約5,000cP以下であることができる。少なくとも1つの実施形態では、材料は、プレポリマー内の熱伝導性材料(例えば、金属、金属酸化物)の低粘度懸濁液を含むことができる。低粘度は、インターポーザモジュール120の周囲およびインターポーザモジュール120の周囲の空間全体にわたる材料の輸送を促進するのに役立つことができる。低粘度は、TIM層保護構造170でのボイドの形成を回避するのにも役立つことができる。少なくとも1つの実施形態では、TIM層保護構造170は実質的にボイドがないことができる。
【0087】
TIM層保護構造170の材料を追加するプロセスにおいて、材料はパッケージ基板上面層110a(例えば、ソルダーレジスト層)の表面に接触し、その上を流れることができる。パッケージ基板上面層110aの表面は、低い表面粗さを有することができる。特に、パッケージ基板上面層110aの表面粗さは、パッケージリッド130の底面130aの表面粗さより小さいことができる。少なくとも1つの実施形態では、パッケージ基板上面層110aの表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))は、1.0nm以下(Ra<1.0nm)であることができる。低い表面粗さは、インターポーザモジュール120の周囲の空間における材料の流れ(輸送)を促進するのに役立つことができる。表面粗さ値は、例えば、算術平均粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)、平均線からのプロファイルの逸脱(the departures of the profile from the mean line)の二乗平均平方根(root-mean-square;rms)値(Rq)、および/または最大のさまたは深さ(Rmax)を含むことができる。しかしながら、粗さの他の測定は、本開示の範囲内にあることができる(例えば、プロファイルの不規則性(profile irregularities)の平均間隔(Sm)、プロファイルの局所的ピークの平均間隔(S)、およびプロファイルベアリング長さ比(profile bearing length ratio;tp))。
【0088】
図2Lは、1つ以上の実施形態による、充填プラグ132およびガス抜きプラグ134を含む中間構造の垂直断面図を示している。TIM層保護構造170を形成するための材料が追加された(例えば、空間に充填された)後、充填プラグ132が充填孔131に追加される(例えば、注入される、挿入される)ことができる。ガス抜きプラグ134は、パッケージリッド130のガス抜き孔133に追加される(例えば、注入される、挿入される)こともできる。充填プラグ132およびガス抜きプラグ134は、TIM層保護構造170の材料と同じ材料を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、充填プラグ132は、プラグ材料(エポキシ系のポリマー材料)を充填孔131内に注入することにより充填孔131に形成されることができる。ガス抜きプラグ134は、プラグ材料(エポキシ系のポリマー材料)をガス抜き孔133内に注入することによりガス抜き孔133に形成されることができる。少なくとも1つの実施形態では、充填プラグ132およびガス抜きプラグ134は、TIM層保護構造170の形成と同時に形成されることができる。
【0089】
代替実施形態では、充填プラグ132の材料は、ガス抜きプラグ134の材料と異なっていてもよい。例えば、充填プラグ132およびガス抜きプラグ134のうちの一方の材料は、シリコン系の材料を含むことができ、充填プラグ132およびガス抜きプラグ134のうちの他方の材料は、エポキシ系のポリマー材料を含むことができる。別の代替実施形態では、充填プラグ132および/または脱ガスプラグ134の材料は、TIM層保護構造170の材料と異なっていてもよい。
【0090】
図2Mは、1つ以上の実施形態による、複数のはんだボール110cがパッケージ基板110に形成されることができる中間構造の垂直断面図を示している。複数のはんだボール110cは、パッケージ基板下面層110bの開口によって下部ボンディングパッド116a上に形成されることができる。はんだボール110cは、例えば、電気めっきプロセスにより形成されることができる。はんだボール110cは、例えば、補強リング150の下およびインターポーザモジュール120の下に位置するように形成されることができる。複数のはんだボール110cは、半導体パッケージ100がプリント回路基板などの基板上に確実に実装され(例えば、表面実装技術(SMT)により)、基板に電気的に結合されるようにすることができるボールグリッドアレイ(BGA)を構成することができる。はんだボール110cの形成は、半導体パッケージ100の形成を完了することができる。
【0091】
図3は、1つ以上の実施形態による、半導体パッケージの形成方法を示すフローチャートである。ステップ310は、パッケージ基板上にインターポーザモジュールを実装することを含む。ステップ320は、インターポーザモジュール上にサーマルインターフェース材料(TIM)層を配置することを含む。ステップ330は、インターポーザモジュールおよびTIM層上にパッケージリッドを配置することを含む。ステップ340は、パッケージリッドの充填孔によって、TIM層およびインターポーザモジュールの側面上にTIM層保護構造を形成することを含む。
【0092】
図4A図4Cは、1つ以上の実施形態による、パッケージリッド130の代替設計の平面図を示している。特に、図4Aは、1つ以上の実施形態によるパッケージリッド130の第1の代替設計の平面図を示している。第1の代替設計では、ガス抜き孔133と補強リング150の隣接する角との間の距離は、充填孔131と補強リング150の隣接する角との間の距離より小さくてもよい。この設計は、材料がガス抜き孔133に達する前に、インターポーザモジュール120と補強リング150との間の空間が、より多くのTIM層保護構造170の材料で充填されるようにするのに役立つことができる。
【0093】
図4Bは、1つ以上の実施形態によるパッケージリッド130の第2の代替設計の平面図を示している。第2の代替設計では、充填孔131およびガス抜き孔133は、x方向においてインターポーザモジュール120(およびTIM層140)の反対側に位置することができる。x方向は、パッケージリッド130の長手方向を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、充填孔131およびガス抜き孔133は、インターポーザモジュール120(およびTIM層140)の中央領域と実質的に位置合わせされることができる。
【0094】
図4Cは、1つ以上の実施形態によるパッケージリッド130の第3の代替設計の平面図を示している。第3の代替設計では、充填孔131および充填プラグ132は、楕円形または楕円形の断面形状を有することができる。充填孔131および充填プラグ132の長手方向は、パッケージリッド130の対向する角と交差する対角線に対して実質的に垂直であってもよい。ガス抜き孔133(およびガス抜きプラグ134)は、円形の断面形状を有してもよい。
【0095】
図5は、1つ以上の実施形態による、パッケージリッド130の第4の代替設計の垂直断面図を示している。図5に示されるように、図1Aの元の設計におけるパッケージリッド130と補強リング150のツーピースユニット(two-piece unit)は、補強リング150の代わりに外側脚部130cを有する一体型のパッケージリッド130に置き換えられることができる。特に、第4の代替設計のパッケージリッド130(例えば、一体型パッケージリッド130)は、プレート部130p、およびプレート部130pから延在する外側脚部130cを含むことができる。外側脚部130cは、プレート部130pとユニットとして一体的に形成されることができ(例えば、CNCプロセスにより)、プレート部130pの周囲を囲んでプレート部130pから垂直に突出することができる。
【0096】
図5に示されるように、充填孔131およびガス抜き孔133は、外側脚部130cの内側(例えば、x方向)に位置することができる。従って、TIM層保護構造170は、外側脚部130c、プレート部130p、パッケージ基板110、およびインターポーザモジュール120(およびTIM層140)により境界付けられた空間内に形成されることができる。第4の代替設計は、パッケージリッド130を補強リング150に接合するステップを省略することができ、それにより、図1Aのパッケージリッド130の元の設計よりも必要な処理時間を短縮することができる。
【0097】
図6は、1つ以上の実施形態による、パッケージリッド130の第5の代替設計の垂直断面図を示している。図6に示されるように、第5の代替設計におけるパッケージリッド130は、第4の代替設計と同様であってもよいが、追加的に内側脚部130dを含んでもよい。特に、第5の代替設計のパッケージリッド130は、プレート部130p、およびプレート部130pとユニットとして一体的に形成された外側脚部130cを含んでもよい。外側脚部130cは、プレート部130pの周囲を囲んでプレート部130pから垂直に突出することができる。
【0098】
第5の代替設計におけるパッケージリッド130は、外側脚部130cの内側に形成された内側脚部130dも含むこともできる。内側脚部130dは、プレート部130pから実質的に垂直に突出することができる。内側脚部130dは、z方向において外側足部130cと同じ長さ、または異なる長さを有してもよい。内側脚部130dは、接着剤160によりパッケージ基板110に接続されることもできる。
【0099】
図6に示されるように、充填孔131およびガス抜き孔133は、内側脚部130dの内側(例えば、x方向)に位置することができる。従って、TIM層保護構造170は、内側脚部130d、プレート部130p、パッケージ基板110、およびインターポーザモジュール120(およびTIM層140)により境界付けられた容積内に形成されることができる。結果として、第5の代替設計は、図1Aのパッケージリッド130の元の設計と比較して、インターポーザモジュール120の周囲の容積を充填するために必要な材料が少なくなり、容積を充填するのに必要な時間が短縮されることができる。
【0100】
図1A図6に示されるように、半導体パッケージ100は、パッケージ基板110上のインターポーザモジュール120、インターポーザモジュール120上のサーマルインターフェース材料(TIM)層140、TIM層140の側面とインターポーザモジュール120の側面上のTIM層保護構造170、インターポーザモジュール120上のパッケージリッド130、TIM層140、およびTIM層保護構造170を含むことができる。TIM層保護構造170の厚さとインターポーザモジュール120の厚さの比は、1.0~3.0の範囲内であることができる。パッケージリッド130は第1の水平方向にパッケージリッド長さL130を有することができ、TIM層保護構造170は第1の方向にTIM層保護構造長さL170を有することができ、TIM層保護構造の長さL170とパッケージリッドの長さL130の比R1は、0.3~1.0の間の範囲にあることができる。パッケージリッド130は、第1の水平方向に垂直な第2の水平方向にパッケージリッドの幅W130を有することができ、TIM層保護構造170は、第2の方向にTIM層保護構造の幅W170を有することができ、TIM層保護構造の幅W170とパッケージリッドの幅W130の比R2は、0.3~1.0の間の範囲にあることができる。TIM層保護構造170は、3ppm/℃と20ppm/℃との間の範囲の熱膨張係数を有することができる。TIM層保護構造170は、1W/m・K以上の熱伝導率を有することができる。パッケージリッド130は、TIM層140の上面およびTIM層保護構造体170の上面に接触することができる。TIM層保護構造170は、TIM層140の周囲を囲んで形成されることができる。TIM層保護構造170は、TIM層140とインターポーザモジュール120の成形材料層127との間の界面を横切って延在することができる。半導体パッケージ100は、インターポーザモジュール120の周囲のパッケージ基板110に接着された補強リング150をさらに含むことができ、TIM層保護構造170は、補強リング150とインターポーザモジュール120によって境界付けられた容積内に形成されることができる。TIM層保護構造170は、補強リング150に接合されることができ、補強リング150からインターポーザモジュール120まで連続的に延在することができる。TIM層保護構造170は、パッケージリッド130およびパッケージ基板110に接合されることができ、パッケージリッド130からパッケージ基板110まで連続的に延在することができる。パッケージリッド130は、TIM層保護構造170上の充填プラグ132、およびTIM層保護構造170上の脱ガスプラグ134を含むことができる。パッケージリッド130は、プレート部130pと、プレート部130pから延在し、インターポーザモジュール120の周囲を囲んでパッケージ基板110と接触する脚部130c、130dとを含むことができ、TIM層保護構造170は、脚部130c、130dとインターポーザモジュール120との間の空間に形成されることができる。
【0101】
再度、図1A図6に示すように、半導体パッケージ100の形成方法は、パッケージ基板110上にインターポーザモジュール120を実装するステップ、インターポーザモジュール120上にサーマルインターフェース材料(TIM)層を配置するステップ、インターポーザモジュール120およびTIM層140上にパッケージリッド130を配置するステップ、およびパッケージリッド130内の充填孔131によって、TIM層140の側面とインターポーザモジュール120の側面上にTIM層保護構造170を形成するステップを含むことができる。TIM層保護構造170の形成は、パッケージリッド130のガス抜き孔133によって補強リング150とインターポーザモジュール120との間の空間をガス抜きすることを含むことができる。この方法は、パッケージリッド130の充填孔131を塞ぐステップ、およびパッケージリッド130のガス抜き孔133を塞ぐステップをさらに含むことができる。TIM層保護構造170の形成は、TIM層保護構造材料がガス抜き孔133に達するまで、充填孔131にTIM層保護構造材料を注入することを含むことができる。TIM層保護構造170の形成は、TIM層保護構造材料を充填孔131に注入し、これにより、TIM層保護構造材料の上面がTIM層140の周囲を囲んでパッケージリッド130の底面に接触するようにすることを含むことができる。
【0102】
再度、図1A図6に示すように、半導体パッケージ100は、パッケージ基板110上のインターポーザモジュール120、インターポーザモジュール120上のサーマルインターフェース材料(TIM)層、ならびにパッケージ基板上およびインターポーザモジュールとTIM層の周囲のTIM層保護構造170を含むことができ、TIM層保護構造170は、3ppm/℃と20ppm/℃の間の範囲の熱膨張係数、および1W/m・K以上の熱伝導率を有することができ、補強リング150は、インターポーザモジュール120の周囲のパッケージ基板110に接着され、TIM層保護構造170は、補強リング150とインターポーザモジュール120によって境界付けられた容積内に形成されることができ、パッケージリッド130は、補強リング150、インターポーザモジュール120、TIM層140、およびTIM層保護構造170上に位置し、パッケージリッド130は、TIM層140の上面およびTIM層保護構造170の上面に接触することができる。パッケージリッド130は、TIM層保護構造170上に、3mm~10mmの範囲の直径を有する充填孔131を含むことができ、充填プラグ132は充填孔131を塞ぐように用いられ、ガス抜き孔133はTIM層保護構造170上に位置し、3mm~10mmの範囲の直径を有し、ガス抜きプラグ134は、ガス抜き孔133を塞ぐように用いられ、充填孔131は、ガス抜き孔133の反対側に位置することができるインターポーザモジュール120の側に位置することができる。
【0103】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の趣旨および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。
【符号の説明】
【0104】
100 半導体パッケージ
110 パッケージ基板
110a パッケージ基板上面層
110b パッケージ基板上面層
110c はんだボール
112 コア
112a 貫通ビア
114 パッケージ基板上部誘電体層
114a パッケージ基板上部ボンディングパッド
114b 金属相互接続構造
116 パッケージ基板下部誘電体層
116a パッケージ基板下部ボンディングパッド
116b 金属相互接続構造
120 インターポーザモジュール
121 制御崩壊チップ接続バンプ
122 インターポーザ誘電体層
122a 金属相互接続
123 第1の半導体ダイ
124 第2の半導体ダイ
126 インターポーザアンダーフィル層
127 モールディング材料層
128 マイクロバンプ
129 パッケージアンダーフィル層
130 パッケージリッド
130a 底面
130b 上面
130c、130d 脚部
130p プレート部
131 充填孔
132 充填プラグ
133 ガス抜き孔
134 ガス抜きプラグ
140 TIM層
150 補強リング
160、161 接着剤
170 TIM層保護構造
170i TIM層保護構造インターフェース部
310、320、330、340 ステップ
131、D133 直径
130、L131i、L131o、L133i、L133o、L170 長さ
110a、O110b 開口
120、T130、T170 厚さ
130、W170
X、Y、Z 軸
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6