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特開2024-116819マイクロニードル用振動型アプリケータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116819
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】マイクロニードル用振動型アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
A61M37/00 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022629
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000176626
【氏名又は名称】三島光産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(71)【出願人】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(71)【出願人】
【識別番号】594065582
【氏名又は名称】株式会社大石膏盛堂
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】東島 敦弘
(72)【発明者】
【氏名】松尾 正昭
(72)【発明者】
【氏名】田代 康典
(72)【発明者】
【氏名】中野 姫香
(72)【発明者】
【氏名】鬼木 喬玄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 高廣
(72)【発明者】
【氏名】引間 知広
(72)【発明者】
【氏名】冨永 健治
(72)【発明者】
【氏名】宮城 孝満
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA71
4C267BB11
4C267BB24
4C267BB53
4C267CC01
4C267CC05
4C267EE01
4C267GG16
4C267HH08
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で、マイクロニードルによる穿刺が簡単かつ適正に行われ、使用者に満足感を与え、十分な投薬効果を得ることができる操作性及び動作の安定性に優れたマイクロニードル用振動型アプリケータを提供する。
【解決手段】対象となる皮膚11の表面にマイクロニードルアレイ12を押付ける際に用いられるマイクロニードル用振動型アプリケータ10であって、電源16を有するアプリケータ本体13と、電源16からの電力供給により駆動される振動子18が内蔵されアプリケータ本体13の先側に配置されたヘッド14と、使用時に、マイクロニードルアレイ12を皮膚11の表面に押し当てて加振するヘッド14に発生する押圧力が設定上限値を超えると、振動子14の駆動を停止させる安全機構20とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となる皮膚の表面にマイクロニードルアレイを押付ける際に用いられるマイクロニードル用振動型アプリケータであって、
電源を有するアプリケータ本体と、前記電源からの電力供給により駆動される振動子が内蔵され前記アプリケータ本体の先側に配置されたヘッドと、使用時に、前記マイクロニードルアレイを前記皮膚の表面に押し当てて加振する前記ヘッドに発生する押圧力が設定上限値を超えると、前記振動子の駆動を停止させ又は警報を発する安全機構とを備えたことを特徴とするマイクロニードル用振動型アプリケータ。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記ヘッドは、前記アプリケータ本体に摺動可能に連結され、前記安全機構は、使用時に、前記ヘッドの先端面が前記マイクロニードルアレイを介して前記皮膚の表面に押し当てられ、前記ヘッドに前記設定上限値を超える押圧力が加わることにより、前記電源から前記振動子への電力供給を遮断する駆動停止スイッチ部を有することを特徴とするマイクロニードル振動式アプリケータ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記安全機構は、前記アプリケータ本体又は前記ヘッドに設けられた駆動表示ランプと、使用時に、前記ヘッドに発生する押圧力が設定下限値以上になると前記駆動表示ランプを点灯させ、前記ヘッドに発生する押圧力が前記設定上限値を超えると前記駆動表示ランプを消灯させる駆動報知スイッチ部を有することを特徴とするマイクロニードル振動式アプリケータ。
【請求項4】
請求項1記載のマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記ヘッドは、前記アプリケータ本体に摺動可能に連結され、前記安全機構は、前記アプリケータ本体又は前記ヘッドに設けられた警報手段と、使用時に、前記ヘッドの先端面が前記マイクロニードルアレイを介して前記皮膚の表面に押し当てられ、前記ヘッドに前記設定上限値を超える押圧力が加わることにより、前記警報手段を駆動する警報スイッチ部とを有することを特徴とするマイクロニードル振動式アプリケータ。
【請求項5】
請求項4記載のマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記警報手段は、使用時に、前記ヘッドに発生する押圧力が前記設定上限値を超えると点灯する過負荷報知ランプであることを特徴とするマイクロニードル振動式アプリケータ。
【請求項6】
請求項1記載のマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記安全機構は、使用時に、前記ヘッドの先端面が前記マイクロニードルアレイを介して前記皮膚の表面に押し当てられ、前記ヘッドに設定下限値以上の押圧力が加わることにより、前記電源と前記振動子を電気接続する駆動開始スイッチ部を有することを特徴とするマイクロニードル振動式アプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療目的又は美容目的で、従来使用されている注射器の代わりに、マイクロニードルアレイを使用して体内への投薬を行う際に用いられるマイクロニードル用振動型アプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
今後、少子高齢化が進むにつれ、医療の果たす役割は増大し、病院及び医師等の不足を招くものと考えられる。
医療行為には、外科的治療の他に投薬治療があり、投薬治療の中では、注射器による体内投薬が大きな比率を占める。この注射器による投薬は、通常、医師や看護師のような有資格者が病院で施行するが、糖尿病に対するインシュリン投与のように、中には患者自身が在宅で施行することを認められているものもある。
そこで、医師の処方に基づいて在宅で投薬を行う在宅投薬を普及させることができれば、患者の通院頻度が低くなり、医師及び患者(特に老齢者や勤労者)の負担を軽減することができるため、このような在宅投薬への関心が高まっている。特に、病院不足や医師不足の問題を抱える過疎地では、在宅投薬に対するニーズは大きい。
【0003】
しかし、注射器による投薬には、皮下や血管に直接投薬できるという長所がある一方で、痛みを伴い、投薬回数の増加と共に皮膚が傷付いたり、腫れたりするという欠点がある。
そこで、注射器の代わりに、先端が尖ったマイクロニードル(微小針)を平板上に複数有する樹脂製のマイクロニードルアレイを使用することが考えられている。このマイクロニードルアレイの特徴は、マイクロニードルが、皮下の無痛点の深さに到達可能な長さを有することにより、無痛で投薬を行うことができ、また、パッチ式に表皮に貼り当てるだけで患者自身が手軽に投薬できる点にあり、患者の負担を大幅に軽減することができる。そして、このようなマイクロニードルアレイは、医療目的だけでなく、美容目的でも使用が期待される。
以上のことから、マイクロニードルアレイの普及を目的として、マイクロニードルアレイを皮膚に押し付ける際に用いられるアプリケータについても様々な検討が行われている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、それぞれ筒状部材及び作動ボタンを指で押し、バネの力に抗してプランジャー及びピストンを軸方向に移動させることにより、マイクロニードルアレイ(マイクロニードルデバイス)を押圧して、皮膚に押付けるアプリケータが開示されている。
しかし、このようなアプリケータは、操作時に、指に強い力が必要であり、女性や高齢者等には使い難いという問題がある。また、これらのアプリケータは、マイクロニードルアレイを押圧する際に衝撃が加わるため、特に、目の下等のデリケートな部位に使用される美容用マイクロニードルには不向きで、用途が限定されるという問題もある。
一方、特許文献3には、電磁オシレータで生成される電磁振動をオシレータエネルギー変換器によりアプリケータヘッドの機械的運動に変換し、アプリケータヘッドに係合するマイクロニードルアレイに力を印加する装置(アプリケータ)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-191702号公報
【特許文献2】特開2018-102680号公報
【特許文献3】特開2017-136437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3のアプリケータは、スイッチを入れるだけでアプリケータヘッドが振動してマイクロニードルアレイに力が印加されるため、力の弱い女性や高齢者等でも簡単に使用することができ、省力化が図られている。
しかしながら、特許文献3では、電磁オシレータで生成される電磁振動をオシレータエネルギー変換器によりアプリケータヘッドの機械的運動に変換しており、構造が複雑で、部品点数も多く、故障が発生し易くなるという課題がある。
また、美容用マイクロニードルは、押圧力(押付力)が大き過ぎると、肌にダメージを与えてしまうおそれがあり、皮膚に紅斑が残る原因となることもある一方で、押圧力が小さいと、マイクロニードルの使用感が不十分となり、使用者の満足感が得られ難くなる可能性がある。従って、マイクロニードル(アプリケータ)の押圧力が適正に管理される必要があるが、使用者が感じる痛み及び心地良さには個人差があり、押圧力を規格化することは困難である。そこで、アプリケータに、マイクロニードルを皮膚に押付け過ぎないための過負荷防止機能(安全機構)が搭載され、過負荷防止機能が働かない範囲で、使用者が押圧力を任意に設定可能であることが望ましい。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡素な構成で、マイクロニードルによる穿刺が簡単かつ適正に行われ、使用者に満足感を与え、十分な投薬効果を得ることができる操作性及び動作の安定性に優れたマイクロニードル用振動型アプリケータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータは、対象となる皮膚の表面にマイクロニードルアレイを押付ける際に用いられるマイクロニードル用振動型アプリケータであって、
電源を有するアプリケータ本体と、前記電源からの電力供給により駆動される振動子が内蔵され前記アプリケータ本体の先側に配置されたヘッドと、使用時に、前記マイクロニードルアレイを前記皮膚の表面に押し当てて加振する前記ヘッドに発生する押圧力が設定上限値を超えると、前記振動子の駆動を停止させ又は警報を発する安全機構とを備える。
【0007】
ここで、マイクロニードルアレイは、対象となる皮膚の表面に予め載置されてもよいし、ヘッドの先側に装着(設置)されてもよい。マイクロニードルアレイがヘッドの先側に装着される場合は、ヘッドの先端面に直接、マイクロニードルアレイが装着されてもよいし、ヘッドの先側に取付けられるホルダー(押当部材)にマイクロニードルアレイが保持されてもよい。マイクロニードルアレイの基板部の大きさ又は形状等に応じて、ホルダーを交換することにより、1台のマイクロニードル用振動型アプリケータで各種のマイクロニードルアレイに対応することができる。
また、アプリケータ本体に、電源のオンオフを切替えるための手動スイッチが設けられてもよい。
【0008】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記ヘッドは、前記アプリケータ本体に摺動可能に連結され、前記安全機構は、使用時に、前記ヘッドの先端面が前記マイクロニードルアレイを介して前記皮膚の表面に押し当てられ、前記ヘッドに前記設定上限値を超える押圧力が加わることにより、前記電源から前記振動子への電力供給を遮断する駆動停止スイッチ部を有することが好ましい。
【0009】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記安全機構は、前記アプリケータ本体又は前記ヘッドに設けられた駆動表示ランプと、使用時に、前記ヘッドに発生する押圧力が設定下限値以上になると前記駆動表示ランプを点灯させ、前記ヘッドに発生する押圧力が前記設定上限値を超えると前記駆動表示ランプを消灯させる駆動報知スイッチ部を有することができる。
【0010】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記ヘッドは、前記アプリケータ本体に摺動可能に連結され、前記安全機構は、前記アプリケータ本体又は前記ヘッドに設けられた警報手段と、使用時に、前記ヘッドの先端面が前記マイクロニードルアレイを介して前記皮膚の表面に押し当てられ、前記ヘッドに前記設定上限値を超える押圧力が加わることにより、前記警報手段を駆動する警報スイッチ部とを有することもできる。
【0011】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記警報手段は、使用時に、前記ヘッドに発生する押圧力が前記設定上限値を超えると点灯する過負荷報知ランプであることが好ましい。
【0012】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、前記安全機構は、使用時に、前記ヘッドの先端面が前記マイクロニードルアレイを介して前記皮膚の表面に押し当てられ、前記ヘッドに設定下限値以上の押圧力が加わることにより、前記電源と前記振動子を電気接続する駆動開始スイッチ部を有することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータは、振動子が駆動されて、ヘッドでマイクロニードルアレイが加振される際に、ヘッドに発生する押圧力が設定上限値を超えると、振動子の駆動を停止させ又は警報を発する安全機構を備えているので、使用者の皮膚が過負荷状態となることを未然に防ぐことができ、使用者に満足感と適切な投薬効果を与えることができる。
【0014】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、ヘッドが、アプリケータ本体に摺動可能に連結され、安全機構が、使用時に、ヘッドの先端面がマイクロニードルアレイを介して皮膚の表面に押し当てられ、ヘッドに設定上限値を超える押圧力が加わることにより、電源から振動子への電力供給を遮断する駆動停止スイッチ部を有する場合、ヘッドに設定上限値を超える押圧力が加わった際に、振動子を直ちに停止させることができ、動作の確実性に優れる。
【0015】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、安全機構が、アプリケータ本体又はヘッドに設けられた駆動表示ランプと、使用時に、ヘッドに発生する押圧力が設定下限値以上になると駆動表示ランプを点灯させ、ヘッドに発生する押圧力が設定上限値を超えると駆動表示ランプを消灯させる駆動報知スイッチ部を有する場合、使用者は、マイクロニードルによる穿刺が適正に行われるように、駆動表示ランプを目視で確認しながら簡単に押圧力を調整することができ、操作性に優れる。
【0016】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、ヘッドが、アプリケータ本体に摺動可能に連結され、安全機構が、アプリケータ本体又はヘッドに設けられた警報手段と、使用時に、ヘッドの先端面がマイクロニードルアレイを介して皮膚の表面に押し当てられ、ヘッドに設定上限値を超える押圧力が加わることにより、警報手段を駆動する警報スイッチ部とを有する場合、皮膚への過負荷状態を警報によって使用者に直ちに知らせることができ、過負荷状態を解消させたり、使用を止めさせたりすることができる。
【0017】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、警報手段が、使用時に、ヘッドに発生する押圧力が設定上限値を超えると点灯する過負荷報知ランプである場合、過負荷状態を光によって使用者に知らせることができる。
【0018】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、アプリケータ本体に、電源のオンオフを切替えるための手動スイッチが設けられている場合、使用者は、手動スイッチを操作することにより、電源のオンオフを簡単に切替えることができ、皮膚への過負荷状態の発生を含む非常時に、強制的に電源をオフにして振動子を停止させることが可能で、安全性に優れる。
【0019】
本発明に係るマイクロニードル用振動型アプリケータにおいて、安全機構が、使用時に、ヘッドの先端面がマイクロニードルアレイを介して皮膚の表面に押し当てられ、ヘッドに設定下限値以上の押圧力が加わることにより、電源と振動子を電気接続する駆動開始スイッチ部を有する場合、マイクロニードルアレイが皮膚に押し付けられる力が不足することがなく、マイクロニードルによる穿刺が確実かつ効率的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータの構造を示す要部断面正面図である。
図2】(A)は同マイクロニードル用振動型アプリケータの正常使用時の状態を示す要部断面正面図であり、(B)は同マイクロニードル用振動型アプリケータの過負荷発生時の状態を示す要部断面正面図である。
図3】本発明の第2の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータの構造を示す要部断面正面図である。
図4】同マイクロニードル用振動型アプリケータの過負荷発生時の状態を示す要部断面正面図である。
図5】本発明の第3の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータの構造を示す要部断面正面図である。
図6】(A)は同マイクロニードル用振動型アプリケータの正常使用時の状態を示す要部断面正面図であり、(B)は同マイクロニードル用振動型アプリケータの過負荷発生時の状態を示す要部断面正面図である。本発明の第4の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータの要部断面正面図である。
図7】本発明の第4の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータの構造を示す要部断面正面図である。
図8】(A)は同マイクロニードル用振動型アプリケータの正常使用時の状態を示す要部断面正面図であり、(B)は同マイクロニードル用振動型アプリケータの過負荷発生時の状態を示す要部断面正面図である。本発明の第4の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータの要部断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
続いて、添付した図面を参照して本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1及び図2(A)、(B)に示す本発明の第1の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータ10(以下、単にアプリケータ10という)は、対象となる患者等の皮膚11の表面に予め載置されるマイクロニードルアレイ12を皮膚11に押付け(振動を与え)て穿刺を行う際に用いられるものである。
図1及び図2(A)、(B)に示すように、アプリケータ10は、アプリケータ本体13と、アプリケータ本体13の先側に配置されたヘッド14とを備えている。アプリケータ本体13は、円筒状のケース15を有し、その中に電源16が収容されている。また、ケース15の基側端部に電源16のオンオフを切替える押しボタン式の手動スイッチ17が取付けられている。そして、ヘッド14には電源16からの電力供給により駆動される振動子18が内蔵されている。
【0022】
従って、アプリケータ10の使用時に、ヘッド14の先端面14aが、マイクロニードルアレイ12の基板部12aに当接され、マイクロニードルアレイ12が皮膚11の表面に押し当てられた状態で、振動子18が駆動されることにより、マイクロニードルアレイ12がヘッド14で加振される。
ここで、ケース15の先側に、アプリケータ本体13の軸方向に沿って摺動可能な摺動部材19が取付けられており、その摺動部材19に対してさらにヘッド14が摺動可能に保持されている。つまり、ヘッド14は、摺動部材19を介して、アプリケータ本体13に摺動可能に連結されている。そして、アプリケータ10は、アプリケータ10の使用時に、マイクロニードルアレイ12を皮膚11の表面に押し当てて加振するヘッド14に発生する押圧力が設定上限値を超えると、振動子18の駆動を停止させる安全機構20を備えている。
【0023】
以下、安全機構20を含めたアプリケータ10の内部構造について具体的に説明する。
まず、ヘッド14の基側(アプリケータ本体13側)からヘッド14の内部に挿入される摺動部材19の先側端部には先端フランジ21が形成され、先端フランジ21の先側端面21aには、電源16と電気接続される一対の(正負の)出力端子22a、22bが配置されている。また、ヘッド14の内部には、初期状態で一対の出力端子22a、22bと間隔を空けて対向するように振動子18の一対の入力端子23a、23bが配置されている。そして、出力端子22a、22bが取付けられた先端フランジ21の先側端面21aと、ヘッド14の内部で入力端子23a、23bを支持する端子配置面24との間には、出力端子22a、22bと入力端子23a、23bの間隔を広げる方向に付勢する第1の付勢ばね25が配置されている。
【0024】
次に、アプリケータ本体13のケース15の先側(ヘッド14側)の内側端面26には、一対の電源端子27a、27bが配置されている。また、アプリケータ本体13(ケース15)の先側(ヘッド14側)からケース15の内部に挿入される摺動部材19の基側外周には、ケース15の内側端面26と平行に基側フランジ28が形成され、基側フランジ28の先側表面28aには電源端子27a、27bと対向するように一対の中継端子29a、29bが配置されている。そして、ケース15の内部の摺動部材19の基側(ここでは、電源16と摺動部材19の間)には、摺動部材19と対向するように仕切り部材31が取付けられており、仕切り部材31の先側表面31aの中央部に形成された凹部31bの中には、先側が摺動部材19の基側端面19aに当接し、摺動部材19をヘッド14側に付勢して、初期状態で電源端子27a、27bと中継端子29a、29bをそれぞれ接触させる第2の付勢ばね32が収容されている。
なお、一端が出力端子22aに接続された配線33a及び一端が出力端子22bに接続された配線33bの他端は、それぞれ摺動部材19の中空状(円筒状)の胴部34の中を通って、中継端子29a、29bと接続されている。また、一端が電源16に接続された配線35a、35bの他端は、それぞれ仕切り部材31に形成された貫通路31cを通って、電源端子27a、27bと接続されている。
【0025】
以上のように構成されたアプリケータ10の使用方法(動作)について説明する。
アプリケータ10の使用時に、図1の状態から、使用者がアプリケータ本体13(ケース15)を皮膚11側に移動させると、図2(A)に示すように、第1の付勢ばね25が圧縮され、ヘッド14に対してアプリケータ本体13及び摺動部材19が摺動する。このとき、電源端子27a、27bと中継端子29a、29bは接触したまま(電気接続されたまま)で、さらに出力端子22a、22bと入力端子23a、23bが接触することにより、振動子18が駆動される。つまり、ヘッド14の先端面14aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、ヘッド14に設定下限値以上の押圧力が加わることにより、第1の付勢ばね25が、安全機構20の駆動開始スイッチ部として機能し、電源16と振動子18が電気的に接続され、電源16から振動子18に電力が供給されて、振動子18の駆動が開始される。
【0026】
図2(A)の状態から、使用者がさらにアプリケータ本体13(ケース15)を皮膚11側に移動させると、図2(B)に示すように、第2の付勢ばね32が圧縮され、ヘッド14及び摺動部材19に対してアプリケータ本体13のみが摺動する。このとき、出力端子22a、22bと入力端子23a、23bは接触したまま(電気接続されたまま)で、電源端子27a、27bと中継端子29a、29bが離間することにより、振動子18が停止する。つまり、ヘッド14の先端面14aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、ヘッド14に設定上限値を超える押圧力が加わる(=ヘッド14に発生する押圧力が設定上限値を超える)ことにより、第2の付勢ばね32が、安全機構20の駆動停止スイッチ部として機能し、電源16から振動子18への電力供給が遮断され、振動子18の駆動が停止される。
【0027】
以上、説明したように、アプリケータ10によれば、設定下限値以上、設定上限値以下の押圧力でマイクロニードルアレイ12を皮膚11の表面に押し当ててヘッド14で加振することができ、使用者の皮膚11に過負荷を与えることなく、皮膚11への穿刺が効果的に行われ、適切な投薬効果が得られる。なお、ヘッド14による押圧力の設定下限値及び設定上限値は、第1の付勢ばね25及び第2の付勢ばね32のばね定数が、適宜、選択されることにより、調整される。
ここで、振動子18は、皮膚11の表面と垂直方向にマイクロニードルアレイ12を加振することができるものであればよい。例えば、振動の周波数としては、20Hz~40kHzが好ましいが、この範囲に限定されるものではなく、使用の目的等に応じて、適宜、選択される。また、マイクロニードルアレイは、対象となる皮膚の表面に予め載置されていてもよいし、ヘッドの先側に装着(設置)された状態で皮膚の表面に押し当てられてもよい。
【0028】
なお、アプリケータ10では、配線35bの途中に手動スイッチ17が接続されているので、アプリケータ10の使用中に、使用者が手動スイッチ17を操作して電源16と電源端子27bとの電気接続を切断し、電源16から振動子18への電力供給を強制的に遮断して、振動子18の駆動を停止させることができる。また、アプリケータ10の使用時以外は、手動スイッチ17で電源16と電源端子27bとの電気接続を切断することができ、外力でヘッド14が押され、出力端子22a、22bと入力端子23a、23bが接触しても、電源16から振動子18に電力が供給されることはなく、振動子18の誤作動が防止される。
本実施の形態では、ヘッド14の先端面14aを平坦状に形成したが、対象となる皮膚の表面形状(凹凸及び湾曲)に合わせてヘッドの先端面の形状は適宜、選択される。
アプリケータ本体及びヘッドの材質は金属でも合成樹脂でもよい。なお、ヘッドの少なくとも先端部を軟質性の合成ゴム等で形成し、皮膚の表面形状に応じて(追従させて)変形させてもよいし、必要に応じて、皮膚の表面形状に対応して湾曲した当接面を有する押当部材(図示せず)をヘッドの先端部に着脱可能に装着してもよい。また、アプリケータ本体を手で握り易くするために、ケースの外周面に、指の形に合わせて凹凸を形成してもよいし、合成ゴム等で形成された滑り止めを巻き付けてもよい。
【0029】
続いて、図3及び図4に示す本発明の第2の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータ10A(以下、単にアプリケータ10Aという)について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図3及び図4に示すアプリケータ10Aがアプリケータ10と異なる点は、ヘッド37の基側に形成された摺動部38がアプリケータ本体15の先側に挿通されることにより、ヘッド37が、アプリケータ本体13に摺動可能に連結されている点と、アプリケータ10Aの使用時に、ヘッド37に発生する押圧力が設定上限値を超えると、過負荷報知ランプ(警報手段の一例)39により警報を発する安全機構20Aを備えている点と、手動スイッチ17の操作のみで振動子18の駆動の有無が切替えられる点である。
【0030】
以下、安全機構20Aを含めたアプリケータ10Aの内部構造について具体的に説明する。
アプリケータ10Aでは、一端が電源16に接続された配線40a、40bの他端は、それぞれ仕切り部材31に形成された貫通路31c及び中空状(円筒状)の摺動部38の内部を通って、振動子18と接続されている。配線40bの途中に手動スイッチ17が接続されているので、アプリケータ10Aの使用中に、使用者が手動スイッチ17を操作して(電源16のオンオフを切替えて)電源16から振動子18への電力供給の有無を切替えることができる。
また、アプリケータ本体13(ケース15)の先側(ヘッド37側)からケース15の内部に挿入される摺動部38の基側外周には、ケース15の内側端面26と平行にフランジ41が形成されている。過負荷報知ランプ39は、点灯により警報を発する警報手段であり、フランジ41の基側表面41aに、過負荷報知ランプ39の一対の警報用入力端子42a、42bが配置されている。そして、仕切り部材31の先側表面31aには、それぞれ配線40a、40bと電気接続された一対の接続端子43a、43bが警報用入力端子42a、42bと対向するように配置されている。仕切り部材31の凹部31bに収容された付勢ばね45は、先側が摺動部38の基側端面38aに当接することにより、警報用入力端子42a、42bと接続端子43a、43bの間隔を広げる方向に付勢している。
【0031】
以上のように構成されたアプリケータ10Aの使用方法(動作)について説明する。
アプリケータ10Aの使用時に、図3の状態から、使用者が手動スイッチ17を操作して(電源16をオンにして)電源16から振動子18への電力供給が開始されることにより、振動子18が駆動される。その後、使用者がアプリケータ本体13(ケース15)を皮膚11側に移動させると、ヘッド37の先端面37aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、加振されたマイクロニードルアレイ12により穿刺が行われる。そして、ヘッド37に設定上限値を超える押圧力が加わることにより、図4に示すように、付勢ばね45が圧縮され、警報用入力端子42a、42bと接続端子43a、43bが接触し、過負荷報知ランプ39が点灯する。つまり、アプリケータ10Aの使用時に、ヘッド37の先端面37aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、ヘッド37に設定上限値を超える押圧力が加わることにより、付勢ばね45が、過負荷報知ランプ39を駆動する警報スイッチ部として機能し、電源16と過負荷報知ランプ39が電気接続され、電源16から過負荷報知ランプ39に電力が供給されて、過負荷報知ランプ39の点灯による警報が発せられる。
【0032】
この過負荷報知ランプ39の点灯により、使用者は、皮膚11が過負荷状態となっていることを知ることができる。なお、過負荷報知ランプ39の色としては、赤色又は黄色が好適に用いられるが、過負荷報知ランプ39の色は、これらに限定されることなく、適宜、選択される。また、過負荷報知ランプは、所定の時間間隔で点滅したり、色を変化させたりして警報を発することもできる。
使用者は、過負荷報知ランプ39による警報が発せられたら、過負荷報知ランプ39が消えるまでアプリケータ本体13を皮膚11から離す方向に移動させ、ヘッド37に加わる押圧力を設定上限値以下として使用を継続するか、手動スイッチ17を操作して電源16から振動子18への電力供給を遮断し(電源16をオフにし)、振動子18の駆動を停止させることができる。なお、ヘッド37による押圧力の設定上限値は、付勢ばね45のばね定数が、適宜、選択されることにより、調整される。
【0033】
続いて、図5及び図6(A)、(B)に示す本発明の第3の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータ10B(以下、単にアプリケータ10Bという)について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5及び図6(A)、(B)に示すアプリケータ10Bがアプリケータ10と異なる点は、アプリケータ10Bの使用時に、マイクロニードルアレイ12を皮膚11の表面に押し当てて加振するヘッド14に発生する押圧力が設定上限値を超えると、振動子18の駆動を停止させる代わりに、過負荷報知ランプ39により警報を発する安全機構20Bを備えている点である。
【0034】
以下、安全機構20Bを含めたアプリケータ10Bの内部構造について具体的に説明する。
アプリケータ10Bでは、出力端子22a、22bは配線46a、46bにより電源16に直接接続されている。過負荷報知ランプ39は、点灯により警報を発する警報手段であり、摺動部材19の基側フランジ28の基側表面28bに、過負荷報知ランプ39の一対の警報用入力端子42a、42bが配置されている。そして、仕切り部材31の先側表面31aには、それぞれ配線46a、46bと電気接続された一対の接続端子43a、43bが警報用入力端子42a、42bと対向するように配置されている。
【0035】
以上のように構成されたアプリケータ10Bの使用方法(動作)について説明する。
アプリケータ10Bの使用時に、図5の状態から、使用者がアプリケータ本体13(ケース15)を皮膚11側に移動させると、図6(A)に示すように、第1の付勢ばね25が圧縮され、ヘッド14に対してアプリケータ本体13及び摺動部材19が摺動する。このとき、警報用入力端子42a、42bと接続端子43a、43bは離れたままで、出力端子22a、22bと入力端子23a、23bのみが接触する(電気接続される)ことにより、振動子18が駆動される。つまり、ヘッド14の先端面14aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、ヘッド14に設定下限値以上の押圧力が加わることにより、第1の付勢ばね25が、安全機構20Bの駆動開始スイッチ部として機能し、電源16と振動子18が電気的に接続され、電源16から振動子18に電力が供給されて、振動子18の駆動が開始される。
【0036】
図6(A)の状態から、使用者がさらにアプリケータ本体13(ケース15)を皮膚11側に移動させると、図6(B)に示すように、第2の付勢ばね32が圧縮され、ヘッド14及び摺動部材19に対してアプリケータ本体13のみが摺動する。このとき、出力端子22a、22bと入力端子23a、23bは接触したまま(電気接続されたまま)で、さらに警報用入力端子42a、42bと接続端子43a、43bが接触する(電気接続される)ことにより、過負荷報知ランプ39が点灯する。つまり、ヘッド14の先端面14aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、ヘッド14に設定上限値を超える押圧力が加わることにより、第2の付勢ばね32が、過負荷報知ランプ39を駆動する警報スイッチ部として機能し、電源16から過負荷報知ランプ39への電力供給が開始され、過負荷報知ランプ39の点灯による警報が発せられる。
【0037】
使用者は、過負荷報知ランプ39による警報が発せられたら、過負荷報知ランプ39が消えるまでアプリケータ本体13を皮膚11から離す方向に移動させ、ヘッド14に加わる押圧力を設定下限値以上、設定上限値以下として使用を継続するか、ヘッド14に加わる押圧力を設定下限値未満として電源16から振動子18への電力供給を遮断し、振動子18の駆動を停止させることができる。また、使用者は、過負荷報知ランプ39による警報が発せられた段階で、手動スイッチ17を操作して電源16から振動子18への電力供給を遮断し(電源16をオフにし)、振動子18の駆動を停止させることもできる。
なお、アプリケータ10Bでは、ヘッド14に加わる押圧力を加減するだけで電源16から振動子18への電力供給の開始と遮断を切替え、振動子18の駆動の有無を選択することができるので、手動スイッチ17は省略されてもよい。
【0038】
続いて、図7及び図8(A)、(B)に示す本発明の第4の実施の形態に係るマイクロニードル用振動型アプリケータ10C(以下、単にアプリケータ10Cという)について説明する。なお、第1~第3の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7及び図8(A)、(B)に示すアプリケータ10Cがアプリケータ10と異なる点は、ヘッド14に駆動表示ランプ47が設けられ、アプリケータ10Cの使用時に、ヘッド14に発生する押圧力が設定下限値以上になると駆動表示ランプ47を点灯させ、ヘッド14に発生する押圧力が設定上限値を超えると駆動表示ランプ47を消灯させると共に振動子18の駆動を停止させる安全機構10Cを備えている点である。
【0039】
以下、安全機構20Cを含めたアプリケータ10Cの内部構造について具体的に説明する。
アプリケータ10Cでは、振動子18と出力端子22a、22bが、配線48a、48bにより直接、電気接続されている。また、ヘッド14の内部には、初期状態で一対の出力端子22a、22bと間隔を空けて対向するように駆動表示ランプ47の一対の表示用入力端子49a、49bが配置されている。そして、出力端子22a、22bが取付けられた先端フランジ21の先側端面21aと、ヘッド14の内部で表示用入力端子49a、49bを支持する端子配置面24との間には、出力端子22a、22bと表示用入力端子49a、49bの間隔を広げる方向に付勢する第1の付勢ばね25が配置されている。
【0040】
以上のように構成されたアプリケータ10Cの使用方法(動作)について説明する。
アプリケータ10Cの使用時に、図7の状態から、使用者が手動スイッチ17を操作して(電源16をオンにして)電源16から振動子18への電力供給を開始することにより、振動子18が駆動される。その後、使用者がアプリケータ本体13(ケース15)を皮膚11側に移動させると、図8(A)に示すように、第1の付勢ばね25が圧縮され、ヘッド14に対してアプリケータ本体13及び摺動部材19が摺動する。このとき、電源端子27a、27bと中継端子29a、29bは接触したまま(電気接続されたまま)で、さらに出力端子22a、22bと表示用入力端子49a、49bが接触することにより、駆動表示ランプ47が点灯する。つまり、ヘッド14の先端面14aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、ヘッド14に設定下限値以上の押圧力が加わることにより、第1の付勢ばね25が安全機構20Cの駆動報知スイッチ部として機能し、電源16と駆動表示ランプ47が電気接続され、電源16から駆動表示ランプ47に電力が供給されて、駆動表示ランプ47が点灯する。
【0041】
図8(A)の状態から、使用者がさらにアプリケータ本体13(ケース15)を皮膚11側に移動させると、図8(B)に示すように、第2の付勢ばね32が圧縮され、ヘッド14及び摺動部材19に対してアプリケータ本体13のみが摺動する。このとき、出力端子22a、22bと表示用入力端子49a、49bは接触したまま(電気接続されたまま)で、電源端子27a、27bと中継端子29a、29bが離間することにより、駆動表示ランプ47が消灯すると共に、振動子18が停止する。つまり、ヘッド14の先端面14aがマイクロニードルアレイ12を介して皮膚11の表面に押し当てられ、ヘッド14に設定上限値を超える押圧力が加わる(=ヘッド14に発生する押圧力が設定上限値を超える)ことにより、第2の付勢ばね32が、安全機構20Cの駆動報知スイッチ部及び駆動停止スイッチ部として機能し、電源16から駆動表示ランプ47及び振動子18への電力供給が遮断され、駆動表示ランプ47が消灯されると共に、振動子18の駆動が停止される。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
安全機構の構造及び構成は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜、選択される。例えば、警報手段として、光で警報を発する過負荷報知ランプの代わりに、音で警報を発するブザー等が用いられてもよい。また、上記実施の形態では、駆動表示ランプ及び過負荷報知ランプ(警報手段)は、ヘッドに設けられているが、アプリケータ本体に設けられてもよい。そして、駆動表示ランプ及び過負荷報知ランプ(警報手段)の配置に応じて、安全機構を構成する各端子及び各付勢ばね等の配置も、適宜、選択される。また、上記実施の形態では、付勢ばねとしてコイルバネが用いられているが、コイルバネの代わりにその他のバネ又は合成ゴム等の弾性部材が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10、10A、10B、10C:マイクロニードル用振動型アプリケータ、11:皮膚、12:マイクロニードルアレイ、12a:基板部、13:アプリケータ本体、14:ヘッド、14a:先端面、15:ケース、16:電源、17:手動スイッチ、18:振動子、19:摺動部材、19a:基側端面、20、20A、20B、20C:安全機構、21:先端フランジ、21a:先側端面、22a、22b:出力端子、23a、23b:入力端子、24:端子配置面、25:第1の付勢ばね、26:内側端面、27a、27b:電源端子、28:基側フランジ、28a:先側表面、28b:基側表面、29a、29b:中継端子、31:仕切り部材、31a:先側表面、31b:凹部、31c:貫通路、32:第2の付勢ばね、33a、33b:配線、34:胴部、35a、35b:配線、37:ヘッド、37a:先端面、38:摺動部、38a基側端面、39:過負荷報知ランプ、40a、40b:配線、41:フランジ、41a:基側表面、42a、42b:警報用入力端子、43a、43b:接続端子、45:付勢バネ、46a、46b:配線、47:駆動表示ランプ、48a、48b:配線、49a、49b:表示用入力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8