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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116936
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】吸収性物品の包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20240821BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A61F13/15 220
A61F13/56 110
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022812
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸亨
(72)【発明者】
【氏名】アルカバーズ ハディア
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200BA14
3B200BA16
3B200BB09
3B200BB20
3B200CA11
3B200DA11
3B200DA25
3B200DE03
3B200DE07
3B200DF08
3B200DF09
3B200EA18
(57)【要約】
【課題】包装フィルムの意図しない破断を抑制しつつ包装体を開封できる吸収性物品の包装体を提供する。
【解決手段】吸収性物品の包装体(1)は、トップシート(2)、バックシート(4)、吸収コア(3)、及び着用物品に止着する止着部(5)を有する吸収性物品(10)と、吸収性物品を包装する包装フィルム(20)と、包装フィルムと吸収性物品の間に配置された剥離シート(30)と、を有する。包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部(R1)を介して、剥離シート(30)と接合される。包装状態において、包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部(R2)を介して、包装フィルムの一端部に接合された開封テープ(50)と接合される。包装状態において、第2接合部の少なくとも一部は、第1接合部に重なっている。第1接合部に接する包装フィルムの内面の表面粗さは、第2接合部に接する包装フィルムの外面の表面粗さよりも粗い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品と、
前記吸収性物品を包装する包装フィルムと、
前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シートと、を有し、
前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる吸収性物品の包装体であって、
前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部を介して、前記剥離シートと接合され、
前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープと接合され、
前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっており、
前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面の表面粗さは、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面の表面粗さよりも粗い、吸収性物品の包装体。
【請求項2】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品と、
前記吸収性物品を包装する包装フィルムと、
前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シートと、を有し、
前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる吸収性物品の包装体であって、
前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部を介して、前記剥離シートと接合され、
前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープと接合され、
前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっており、
前記包装フィルムには、インクを有する印刷部が設けられており、
前記印刷部は、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面に設けられず、前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面に設けられている、吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記包装状態において、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部には、厚み方向に積層された前記包装フィルム同士が嵌合した嵌合部が設けられており、
前記印刷部は、前記嵌合部と重なる領域に設けられている、請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
前記印刷部は、前記包装フィルムの前記第1方向の端縁に設けられている、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記印刷部は、点状に配置されたインクである印刷構成部の集合体によって構成されており、
前記嵌合部は、間欠的に配置された嵌合構成部の集合体によって構成されており、
前記印刷構成部同士の間隔は、前記嵌合構成部同士の間隔よりも長い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記印刷部は、点状に配置されたインクである印刷構成部の集合体によって構成されており、
前記嵌合部は、間欠的に配置された嵌合構成部の集合体によって構成されており、
前記印刷構成部同士の間隔は、前記嵌合構成部同士の間隔よりも短い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項7】
前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合され、
前記印刷部は、前記包装フィルムの一端部の内面に配置された端部印刷部を有し、
前記端部印刷部の少なくとも一部は、前記第3接合部に重なっている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項8】
前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合され、
前記第3接合部は、前記包装フィルムの一端部と前記開封テープとが接合した領域に重なっている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項9】
前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合され、
前記包装状態において、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部には、厚み方向に積層された前記包装フィルム同士が嵌合された嵌合部が設けられており、
前記第3接合部は、前記嵌合部と重なる領域に設けられている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項10】
前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記包装フィルムの両端部間の領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項11】
前記吸収性物品と前記剥離シートが重なる領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記吸収性物品と前記剥離シートが重ならない領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項12】
前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記吸収性物品と前記剥離シートが重ならない領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項13】
前記開封テープには、インクを有するテープ印刷部が設けられており、
前記テープ印刷部は、前記第2接合部に接する前記開封テープの内面に設けられている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項14】
前記第2接合部における前記包装フィルムと前記開封テープの接合強度は、前記第1接合部における前記包装フィルムと前記剥離シートの接合強度よりも低い、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項15】
前記剥離シートは、紙の基材と、当該基材に付された離型剤と、を有している、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項16】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有しており、
前記開封テープは、前記包装フィルムの一端部の端縁を跨がって延びる縦方向と、前記縦方向と直交する横方向と、を有しており、
前記開封テープは、前記横方向の中心を通り、かつ前記縦方向に平行に延びる縦中心線を有し、
前記包装フィルムは、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる包装中心線を有し、
前記縦中心線と前記包装中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項17】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有しており、
前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有し、
前記第2接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第2接合中心線を有し、
前記第1接合中心線と前記第2接合中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項18】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有しており、
前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有し、
前記開封テープは、前記包装フィルムの一端部の端縁を跨がって平行に延びる縦方向と、前記縦方向と直交する横方向と、を有しており、
前記開封テープは、前記横方向の中心を通り、かつ前記縦方向に延びる縦中心線を有し、
前記第1接合中心線と前記縦中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項19】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向と、を有しており、
前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有し、
前記第2接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第2接合中心線を有し、
前記第1接合中心線と、前記第2接合中心線と、は、前記第1方向においてずれている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルムによって吸収性物品を個別に包装した吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、包装フィルムによって吸収性物品を個別に包装した吸収性物品の包装体が開示されている。包装体は、包装フィルムによって吸収性物品を個別に包装した包装状態で、包装フィルムの一端部に接合された開封テープが包装フィルムの外面に接合し、包装フィルムが意図せずに開封しないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-10258号公報
【特許文献2】特開平11-104167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者が、包装体を開封する際は、開封テープを引っ張り、開封テープと包装フィルムの外面との接合を分離する。このとき、開封テープと包装フィルムの外面との接合が分離し難いと、包装フィルムに意図しない負荷がかかり、包装フィルムが破れてしまうことがあった。そのため、包装フィルムの意図しない破断を抑制するために、吸収性物品の包装体は改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、包装フィルムの意図しない破断を抑制しつつ包装体を開封できる吸収性物品の包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収性物品の包装体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品(10)と、前記吸収性物品を包装する包装フィルム(20)と、前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シート(30)と、を有する。包装体(1)は、前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる。前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部(R1)を介して、前記剥離シート(30)と接合される。前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部(R2)を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープ(50)と接合される。前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっている。前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面の表面粗さは、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面の表面粗さよりも粗い。
【0007】
他態様に係る吸収性物品の包装体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品(10)と、前記吸収性物品を包装する包装フィルム(20)と、前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シート(30)と、を有する。包装体は、前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる。前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部(R1)を介して、前記剥離シート(30)と接合される。前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部(R2)を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープ(50)と接合される。前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっている。前記包装フィルムには、インクを有する印刷部(60)が設けられている。前記印刷部は、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面に設けられず、前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、包装状態の吸収性物品の包装体を示した図である。図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA-A線に沿った模式断面図である。
図2図2は、第1展開状態の吸収性物品の包装体を肌側から見た平面図である。
図3図3は、第2展開状態の吸収性物品の包装体の肌側から見た平面図である。
図4図4は、第2展開状態の吸収性物品の包装体の非肌側から見た平面図である。
図5図5は、吸収性物品の包装体の部分拡大図である。図5(a)は、図1(a)に示すB部分の模式平面図である。図5(b)は、図5(a)に示すC-C線に沿った模式断面図である。図5(c)は、図5(b)に示すD部分の模式断面図である。
図6図6は、変形例に係る吸収性物品の包装体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る発明は、吸収性物品の包装体である。吸収性物品の包装体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装フィルムと、前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シートと、を有する。包装体は、前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる。前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部を介して、前記剥離シートと接合される。前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープと接合される。前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっている。前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面の表面粗さは、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面の表面粗さよりも粗い。本態様において、包装フィルムの内面の剥離シートに接合される領域の表面粗さは、包装フィルムの外面の開封テープに接合される領域の表面粗さよりも粗い。そのため、包装フィルムの剥離シートに接合される領域において、接着剤と接触する単位面積当たりの表面積は、包装フィルムの開封テープに接合される領域において、接着剤と接触する単位面積当たりにおける表面積よりも大きくなる。よって、開封テープを引っ張った際に、第1接合部が分離し難く、第2接合部が分離し易い。そのため、包装フィルムから開封テープを円滑に引き剥がすことができる。包装フィルムの意図しない破断を抑制しつつ、包装体を開封できる。
【0010】
態様2に係る発明は、吸収性物品の包装体である。吸収性物品の包装体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装フィルムと、前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シートと、を有する。包装体は、前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる。前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部を介して、前記剥離シートと接合される。前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープと接合される。前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっている。前記包装フィルムには、インクを有する印刷部が設けられている。前記印刷部は、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面に設けられず、前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面に設けられている。本態様によれば、第1接合部に接する包装フィルムの内面には、印刷部が設けられ、印刷部のインクの存在によって細かい凹凸が形成される。一方、第2接合部に接する包装フィルムの外面には、印刷部が設けられてなく、インクによる細かい凹凸が形成されていない。第1接合部及び第2接合部は、いずれも接着剤で接合されている。そのため、包装フィルムの剥離シートに接合される領域において、接着剤と接触する単位面積当たりの表面積は、包装フィルムの開封テープに接合される領域において、接着剤と接触する単位面積当たりにおける表面積よりも大きくなる。よって、開封テープを引っ張った際に、第1接合部が分離し難く、第2接合部が分離し易い。そのため、包装フィルムから開封テープを円滑に引き剥がすことができる。包装フィルムの意図しない破断を抑制しつつ、包装体を開封できる。
【0011】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装状態において、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部には、厚み方向に積層された前記包装フィルム同士が嵌合した嵌合部が設けられている。前記印刷部は、前記嵌合部と重なる領域に設けられている。包装体を開封する際は、第2接合部が分離した後に、包装体の第1方向の両端部に設けられた嵌合部の接合を分離する。本態様によれば、インクを有する印刷部に重なって嵌合部が設けられているため、当該インクの存在によって、インクがない形態と比較して、嵌合部の接合強度を抑えることができる。よって、嵌合部の接合を円滑に分離でき、分離時における包装フィルムの破断を抑制できる。
【0012】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様2又は3に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記印刷部は、前記包装フィルムの前記第1方向の端縁に設けられている。本態様によれば、前記包装フィルムの前記第1方向の端縁には、印刷部が設けられており、当該第1方向の端縁における嵌合部の接合強度を抑えることができる。包装フィルムの第1方向の端縁における嵌合部の接合を円滑に分離でき、当該端縁から剥離する場合には、剥離し始め部分における包装フィルムの破断を抑制でき、当該端縁が剥離終わりの場合には、剥離終わり部分における破断を抑制できる。
【0013】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様2から態様4に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記印刷部は、点状に配置されたインクである印刷構成部の集合体によって構成されている。前記嵌合部は、間欠的に配置された嵌合構成部の集合体によって構成されている。前記印刷構成部同士の間隔は、前記嵌合構成部同士の間隔よりも長い。本態様によれば、印刷構成部同士の間隔が比較的長いため、印刷構成部が嵌合構成部に重ならないで配置されることがある。印刷構成部が嵌合構成部に重ならない領域が設けられることで、嵌合部の接合強度を確保し、使用前(開封前)に嵌合部の接合が意図せずに分離することを抑制できる。
【0014】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様2から態様4に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記印刷部は、点状に配置されたインクである印刷構成部の集合体によって構成されている。前記嵌合部は、間欠的に配置された嵌合構成部の集合体によって構成されている。前記印刷構成部同士の間隔は、前記嵌合構成部同士の間隔よりも短い。本態様によれば、印刷構成部同士の間隔が比較的短いため、印刷構成部が嵌合構成部に重なって配置され易い。印刷構成部が嵌合構成部に重なることで、嵌合部の接合強度を抑えることができる。よって、嵌合部の接合を円滑に分離でき、分離時における包装フィルムの破断を抑制できる。
【0015】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様2から態様6に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合される。前記印刷部は、前記包装フィルムの一端部の内面に配置された端部印刷部を有する。前記端部印刷部の少なくとも一部は、前記第3接合部に重なっている。本態様によれば、端部印刷部の少なくとも一部は、前記第3接合部に重なっているため、端部印刷部のインクの存在によって包装フィルムの一端部の表面積が大きくなり、第3接合部の接合強度を確保できる。よって、包装フィルムの一端部(開口端部)を第3接合部において接合し、当該一端部が意図せずに開封することを抑制できる。
【0016】
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様2から態様7に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合される。前記第3接合部は、前記包装フィルムの一端部と前記開封テープとが接合した領域に重なっている。本態様によれば、前記包装フィルムの一端部と前記開封テープとの接合と重なる領域に第3接合部が設けられているため、開封テープを引っ張った際に、包装フィルムの一端部が浮き上がらず、包装フィルムの一端部と前記開封テープとが接合する部分と第3接合部とが重なる部分を基点として第2接合部にピールする力がかかり易くなり、包装フィルム等の破断を抑制しつつ包装体を円滑に開封できる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様2から態様8に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合される。前記包装状態において、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部には、厚み方向に積層された前記包装フィルム同士が嵌合された嵌合部が設けられている。前記第3接合部は、前記嵌合部と重なる領域に設けられている。包装体を開封する際は、第2接合部が分離した後に、包装体の第1方向の両端部に設けられた嵌合部の接合を分離する。このとき、嵌合部が設けられる領域に接着剤が付されているため、嵌合部において接着剤に触れる表面積が増え、嵌合部の接合強度を高くできる。よって、使用前に意図せずに、嵌合部の接合が分離することを抑制できる。
【0018】
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様2から態様9に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記包装フィルムの両端部間の領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い。本態様によれば、両端部の印刷部の面積比率が高いため、印刷部が嵌合部に重なって配置され易く、嵌合部の接合強度を抑えることができる。よって、嵌合部の接合を円滑に分離でき、分離時における包装フィルムの破断を抑制できる。
【0019】
好ましい態様によれば、態様11に係る発明は、態様2から態様10に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品と前記剥離シートが重なる領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記吸収性物品と前記剥離シートが重ならない領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い。吸収性物品と剥離シートが重ならない領域では、包装フィルムの印刷部が吸収性物品のバックシートに直に接し、印刷部によってバックシートが汚れるおそれがある。当該印刷部の面積を抑えることで、印刷部によってバックシートが汚れることを抑制できる。一方、吸収性物品と剥離シートが重なる領域は、吸収性物品のバックシートに直に接しない。当該領域にて印刷部を広く設けることで印刷部によってバックシートが汚れることを抑制しつつ装飾性を向上できる。また、前記吸収性物品と前記剥離シートが重なる領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率を高くすることで、剥離シートと包装フィルムを接合する第1接合部に印刷部が重なり易い。第1接合部に印刷部が重なることで、インクの凹凸によって接着剤に接する表面積を大きくし、第1接合部の接合強度を確保できる。
【0020】
好ましい態様によれば、態様12に係る発明は、態様2から態様11に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記吸収性物品と前記剥離シートが重ならない領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い。吸収性物品と剥離シートが重ならない領域において印刷部を広く設けないことで印刷部によってバックシートが汚れることを抑制できる。また、嵌合部が設けられる両端部に印刷部を広く設けることで、インクの存在によって嵌合部における接合強度を抑えることができる。嵌合部の接合強度を低減し、包装体の開封性を向上できる。
【0021】
好ましい態様によれば、態様13に係る発明は、態様2から態様12に係る発明において、以下の特徴を有してよい。開封テープは、インクを有するテープ印刷部が付されている。前記テープ印刷部は、前記第2接合部に接する前記開封テープの内面に設けられている。本態様によれば、第2接合部に接する開封テープの内面には、テープ印刷部が設けられ、印刷部のインクの存在によって細かい凹凸が形成される。そのため、開封テープの内面が第2接合部の接着剤と接触する表面積を確保できる。一方、第2接合部に接する包装フィルムの外面には、印刷部が設けられてなく、インクによる細かい凹凸が形成されていない。よって、開封テープを引っ張った際に、第2接合部が包装フィルムに対して分離し易く、第2接合部が開封テープと分離し難い。よって、開封時に、包装フィルムの一端部と開封テープの接合を維持しつつ、包装フィルムの外面から開封テープを円滑に引き剥がすことができる。包装フィルムの意図しない破断を抑制しつつ、包装体を開封できる。
【0022】
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様1から態様13に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2接合部における前記包装フィルムと前記開封テープの接合強度は、前記第1接合部における前記包装フィルムと前記剥離シートの接合強度よりも低い。本態様によれば、第2接合部の接合強度が比較的低く、第1接合部の接合強度が比較的高いため、包装フィルムが剥離シートと剥離する前に、開封テープと包装フィルムが剥離し易く、開封テープを引っ張って開封する際の包装フィルムの意図しない破断を抑制できる。
【0023】
好ましい態様によれば、態様15に係る発明は、態様1から態様14に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記剥離シートは、紙の基材と、当該基材に付された離型剤と、を有している。離型剤が紙の基材に付されているため、当該剥離シートに接する接着剤が含浸した場合であっても、当該接着剤が剥離シートの厚み方向の全体に含浸することを抑制でき、吸収性物品の止着部と、第1接合部の接着剤と、が直に接することを抑制できる。剥離シートに接する接着剤が含浸した場合には、当該含浸によって剥離シートの強度を高めつつ、離型剤によって接着剤の含浸を止めることができる。
【0024】
好ましい態様によれば、態様16に係る発明は、態様1から態様15に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有している。前記開封テープは、前記包装フィルムの一端部の端縁を跨がって延びる縦方向と、前記縦方向と直交する横方向と、を有している。前記開封テープは、前記横方向の中心を通り、かつ前記縦方向に平行に延びる縦中心線を有する。前記包装フィルムは、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる包装中心線を有する。前記縦中心線と前記包装中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である。本態様によれば、包装フィルムの一端部の端縁に対して開封テープが垂直でなく、垂直方向に対して僅かに傾いて配置されているため、包装フィルムの一端部の端縁を跨がる開封テープの長さを長くできる。そのため、開封テープの縦中心線と包装フィルムの包装中心線とが平行な構成と比較して、第2接合部の接合強度を低くしても、開封テープによる封止状態を維持できる。
【0025】
好ましい態様によれば、態様17に係る発明は、態様1から態様16に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有している。前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有する。前記第2接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第2接合中心線を有する。前記第1接合中心線と前記第2接合中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である。本態様によれば、第1接合中心線と第2接合中心線とが僅かに傾いていることにより、第2接合部が接する包装フィルムの剛性が均等でなく、第2接合部において包装フィルムがたわみ易く、開封テープを引っ張った際に、第2接合部の接合を部分的に分離し、徐々に分離することができる。よって、小さい力で円滑に剥離させることができる。
【0026】
好ましい態様によれば、態様18に係る発明は、態様1から態様17に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有している。前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有する。前記開封テープは、前記包装フィルムの一端部の端縁を跨がって平行に延びる縦方向と、前記縦方向と直交する横方向と、を有している。前記開封テープは、前記横方向の中心を通り、かつ前記縦方向に延びる縦中心線を有する。前記第1接合中心線と前記縦中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である。使用者が開封テープを引張ると、第2接合部の接合が解除され、包装フィルムが展開方向に引っ張られつつ、包装フィルムに掛かる力が剥離シートに伝わる。そして、剥離シートが本体止着部51から剥離する。この包装フィルムから剥離シートに掛かる力は、第1接合部を介して伝わる。ここで、使用者は、開封テープを引っ張る際に、縦中心線に平行に力をかけ易い。縦中心線と第1接合中心線が僅かに傾いているため、開封テープを引っ張って開封する力が、第1接合部に徐々に伝わり、本体止着部と剥離シートの剥離始めの負荷を抑え、小さい力で円滑に剥離できる。また、本体止着部51と剥離シート30が徐々に剥離させることができるため、小さい力で本体止着部と剥離シートを剥離させることができる。
【0027】
好ましい態様によれば、態様19に係る発明は、態様1から態様18に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1接合中心線と、前記第2接合中心線と、は、前記第1方向においてずれている。本態様によれば、第1接合中心線と第2接合中心線とがずれ、第1接合中心線と第2接合中心線との間に間隔が設けられていることにより、第2接合部が接する包装フィルムの剛性が第1方向の全域に亘って均等でなく、第2接合部において包装フィルムがたわみ易く、開封テープを引っ張った際に、第2接合部の接合を部分的に分離し、徐々に分離することができる。よって、小さい力で円滑に剥離させることができる。
【0028】
(2)実施形態に係る吸収性物品の包装体
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品の包装体(以下、包装体1とする)について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。図1は、実施形態に係る包装体1の包装状態を示した図である。図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、図1に示すA-A線に沿った模式断面図である。
【0029】
包装体1は、互いに直交し、かつ平面方向に延びる第1方向D1及び第2方向D2と、第1方向D1及び第2方向D2に直交する厚み方向Tと、を有する。第1方向D1は、包装フィルム20の一端部21の端縁21Eに沿う方向である。厚み方向Tは、肌側と非肌側に延びる。ここで、「肌側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。吸収性物品10は、互いに直交する前後方向L、幅方向W、及び厚み方向Tを有する。吸収性物品10の前後方向Lにおいて、使用者の下腹部に当接する側を「前側」といい、使用者の臀部に当接する側を「後側」という。本実施形態の第1方向D1は、吸収性物品10の幅方向Wに沿っており、第2方向D2は、前後方向Lに沿っている。
【0030】
包装体1は、吸収性物品10と、吸収性物品10を包装する包装フィルム20と、包装フィルム20と吸収性物品10の間に配置された剥離シート30と、を少なくとも有する。包装フィルム20、剥離シート30、及び吸収性物品10が共に折り畳まれることによって、包装フィルム20によって吸収性物品10を個別に包装した包装状態となる。包装フィルム20、剥離シート30、及び吸収性物品10は、第1方向D1に沿う第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に折り畳まれている。包装フィルム20は、包装状態において包装体1の外面に配置された一端部21を有する。包装状態は、包装体1が未開封の状態であり、開封テープ50によって包装フィルム20の一端部21が封止されている状態である。使用者は、包装状態の包装体1の開封テープ50を把持して引っ張ることで、包装フィルム20等を展開し、吸収性物品10を取り出す。包装体1は、包装状態において略直方体形状であり、互いに対向する第1矩形面と第2矩形面を有する。第1矩形面は、包装フィルム20の一端部21が配置されており、包装体1を開封する際に操作する開封面となる。第2矩形面は、包装フィルム20の一端部21が配置されていない面である。
【0031】
吸収性物品10は、使用前に、第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に肌側同士が向き合うように折り畳まれてよい。第2折り目FL2は、第1折り目FL1よりも前側に位置する。ウイング40及びヒップフラップの少なくとも一方を有する形態にあっては、ウイング40及びヒップフラップを前後方向Lに沿うウイング折り目FLWを基点に幅方向Wの内側に折り畳んだ後に、第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に折り畳まれてもよい。なお、吸収性物品10を折り畳む折り目は、他にも設けられてもよい。
【0032】
図2は、図1に示す包装状態から第2折り目FL2を基点に展開した第1展開状態における肌側から見た包装体1の平面図である。図3及び図4は、図2に示す状態から第1折り目FL1を基点に展開した(図1に示す状態から第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に展開した)第2展開状態における包装体1の平面図である。図3は、肌側から見た平面図であり、図4は、非肌側から見た平面図である。本実施の形態の吸収性物品10は、ウイング40を有しており、第2展開状態においてウイング40がウイング折り目FLWを基点にトップシート2側に折り畳まれている。変形例において、ウイング40及びヒップフラップを有しない吸収性物品にあっては、第2展開状態において、吸収性物品10は、いずれの折り目によっても折り畳まれていない状態であってもよい。
【0033】
ここで、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外側縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外側縁である。なお、前後方向に一定の範囲を占める構成部材の外側縁は、当該構成部材において幅方向Wの外側に位置する点を、構成部材全体に亘って繋いだ縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。なお、前後方向に一定の範囲を占める構成部材の内側縁は、当該構成部材において幅方向Wの内側に位置する点を、構成部材全体に亘って繋いだ縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。また、内側辺は、内側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。外側辺は、外側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。なお、本明細書において、「前後方向Lに沿って」という用語は、前後方向Lに対して45°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Wに沿って」という用語は、幅方向Wに対して45°未満の角度を持った方向を意味する。
【0034】
吸収性物品10は、液透過性のトップシート2、液不透過性のバックシート4及び吸収コア3を含んでよい。トップシート2は、吸収コア3よりも肌側に配置され、着用者に当接するシートである。トップシート2は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成されてよい。バックシート4は、吸収コア3よりも非肌側に配置され、下着等の着用物品に当接するシートである。バックシート4は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
【0035】
図3及び図4等に示すように、吸収性物品10は、吸収性物品10を着用物品に止着するための止着部5を有している。止着部5は、バックシート4の非肌面に配置され、吸収性物品10を着用物品に止着するための止着手段(例えば、粘着剤)が設けられた領域である。止着部5は、吸収コア3と重なる領域に設けられた本体止着部51と、ウイング40に設けられたウイング止着部52と、を有してよい。本実施の形態の止着部5は、前後方向Lに延び、かつ幅方向Wに間隔を空けて複数設けられている。なお、変形例において、止着部は、幅方向Wに延び、前後方向Lに間隔を空けて複数設けられてよい。
【0036】
吸収コア3は、トップシート2とバックシート4の間に配置されている。吸収コア3は、液体を吸収する吸収材料によって構成されてよい。吸収コア3を構成する吸収材料は、例えば、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)を例示できる。吸収コア3は、少なくともパルプを有する。吸収性物品10は、吸収コア3を覆うコアラップシート(図示せず)を有してよい。コアラップシートは、例えば不織布やティッシュから構成することができる。
【0037】
吸収性物品10は、一対のウイング40を有してよい。ウイング40は、吸収コア3よりも幅方向Wの外側に延出している。ウイング40は、着用時に非肌側に折り返され、着用物品の非肌側に配置される。ウイング40には、少なくともトップシート2とバックシート4が配置されてよい。ウイング40の非肌面には、ウイング止着部52が設けられている。
【0038】
包装フィルム20は、吸収性物品を個別に包装するシートであり、フィルムによって構成されている。展開状態において包装フィルム20は、矩形状であり、第1方向D1に沿う一対の側辺と、第2方向D2に沿う一対の側辺と、を有する。包装フィルム20の一端部21は、第1方向D1に沿う一対の側辺のうち包装状態において包装体1の外面に位置する側辺から第2方向D2の内側に延びる一定範囲(例えば、10mmの範囲)である。包装フィルム20の一端部21は、第2展開状態で、第1折り目FL1側に位置し、吸収性物品10の後端縁側に位置している。
【0039】
剥離シート30は、包装フィルム20と吸収性物品10の間に配置され、吸収性物品の使用前に、本体止着部51を覆う。剥離シート30は、離型処理が施されたシートであってよい。なお、本実施の形態では、本体止着部51を覆う剥離シート30と、ウイング止着部52を覆うウイング剥離シート35と、が設けられている。剥離シート30は、本発明の「剥離シート」を構成し、ウイング剥離シート35は、本発明の「剥離シート」を構成しない。ウイング剥離シート35は、ウイング40がウイング折り目FLWを基点に折り畳まれた状態で、一対のウイング40を跨いで配置され、ウイング止着部52を覆っている。包装フィルム20と剥離シート30は、接着剤を有する第1接合部R1を介して接合されている。第1接合部R1は、包装フィルム20の内面と、剥離シート30の外面と、を接合している。第1接合部R1の接着剤は、包装フィルム20の内面と剥離シート30の外面との間に配置されていればよく、包装フィルム20の内面に塗布されてもよいし、剥離シート30の外面に塗布されていてもよい。第1接合部R1は、前後方向Lに間隔を空けて複数設けられてよい。本実施の形態の第1接合部R1は、第2折り目FL2よりも前側に1箇所設けられ、第1折り目FL1と第2折り目FL2の間に2箇所設けられ、第1折り目FL1よりも後側に1箇所設けられている。複数の第1接合部のうち、少なくとも一つの第1接合部R1が、後述する第2接合部R2に重なって配置されてよい。当該第2接合部R2に重なって配置された第1接合部R1(本実施の形態における第1折り目FL1よりも後側に位置する第1接合部R1)が、本発明における「第1接合部」を構成する。また、本発明の請求項18に掛かる「第1接合部」は、開封テープを引っ張って最初に展開する折り目よりも開封テープの一端部側に位置する第1接合部であってよい。本実施の形態における第2折り目FL2よりも前側に位置する第1接合部が、本発明の請求項18に掛かる「第1接合部」を構成する。
【0040】
包装状態において、第1方向D1における包装体の両端部22には、厚み方向Tに積層された包装フィルム20同士が嵌合した嵌合部70が設けられてよい。第1方向D1における包装体の端部22は、第2方向D2に沿う一対の側辺から第1方向D1の内側に延びる一定範囲(例えば、10mmの範囲)である。嵌合部70は、包装状態で、重なり合う包装フィルム20同士がかみ合っていればよい。嵌合部70は、例えば、溶着された溶着部であってもよいし、接合された部分であって接合部間がくり抜かれた穴部であってもよい。図5は、図1のB部分の模式拡大図である。嵌合部70は、間欠的に配置された嵌合構成部71の集合体によって構成されてよい。本実施の形態の嵌合構成部71は、第2方向D2に間隔を空けて並んだ列状であり、当該列が第1方向D1に間隔を空けて複数列(2列)配置されている。
【0041】
包装フィルム20には、インクを有する印刷部60が設けられてよい。図1(a)においては、平面視における印刷部60の位置を示しているが、図2から図4においては、印刷部60を省略している。印刷部60を構成するインクとしては、周知のものを用いることができ、例えば、着色剤成分として顔料(無機又は有機)と、顔料を転移させ固着させる役割として樹脂と、溶剤と、を含むものを例示できる。樹脂は、油分を含んでいる。印刷部60は、包装フィルムの少なくとも一部に設けられていればよく、包装フィルム20の全面に設けられていてもよい。図5(b)は、図5(a)のC-C線に沿った模式断面図であり、図5(c)は、図5(b)に示すD部分の模式断面図である。印刷部60は、点状に配置されたインクである印刷構成部61の集合体によって構成されてよい。印刷構成部61は、点状のインクが付された部分であり、ドット状に配置されてよい。印刷部60及び印刷構成部61の配置は、目視にて確認してよく、特に、印刷構成部61のような微細な構成は、マイクロスコープを用いて確認することが好ましい。
【0042】
次いで、このように構成された吸収性物品の包装体1における意図しない包装フィルム20の破断を抑制しつつ包装体を開封するための構成について詳細に説明する。意図しない包装フィルム20の破断を抑制しつつ包装体を開封するための態様は、大別すると第1態様と第2態様がある。以下、特段の記載がない構成は、第1態様と第2態様の共通の構成である。包装体1を開封する際は、開封テープ50による包装フィルム20の接合を分離する。図1に示すように、開封テープ50は、包装フィルム20の一端部21の端縁21Eを跨がって配置されている。開封テープ50において包装フィルム20の一端部21と重なる部分R51は、包装フィルム20の外面に、接着剤を有する第4接合部R4を介して接合されている。すなわち、第4接合部R4は、開封テープ50において包装フィルム20の一端部21と重なる部分R51と、包装フィルム20の外面と、を接合している。開封テープ50において一端部21と重ならない部分R52は、接着剤を有する第2接合部R2を介して、包装フィルム20の外面に接合されている。すなわち、第2接合部R2は、開封テープ50において一端部21と重ならない部分R52と、包装フィルム20の外面と、を接合している。第4接合部R4の接着剤及び第2接合部R2の接着剤は、開封テープ50の内面と包装フィルム20の外面との間に配置されていればよく、包装フィルム20の外面に塗布されてもよいし、開封テープ50の内面に塗布されていてもよい。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、第2接合部R2と第4接合部R4を別々に説明しているが、製品においては、第2接合部R2の接着剤と第4接合部R4と接着剤が共に開封テープ50に塗布され、一体化していてもよい。第2接合部R2と第4接合部R4は、隣接してよい。本実施の形態の図面においても、第2接合部R2と第4接合部R4を一体化して示している。
【0043】
このように構成された包装体1を開封する際には、使用者は、一端部21と重ならない部分R52を把持し、第2接合部R2の接合を分離する。開封テープにおいて一端部21と重ならない部分R52には、第2接合部R2が付されていなく、かつ開封時に開封テープ50を把持するための把持部53が設けられてよい。開封テープ50を引っ張って第2接合部R2による接合を分離することで、使用者は、第1展開状態及び第2展開状態にすることができる。使用者は、第1展開状態又は第2展開状態において、吸収性物品10を引っ張って、包装フィルム20から吸収性物品10を剥がすことができる。
【0044】
使用者が、包装体1を開封する際は、開封テープ50を引っ張り、開封テープ50と包装フィルム20の外面との第2接合部R2を分離する。このとき、第2接合部R2が分離し難いと、包装フィルム20に意図しない負荷がかかり、包装フィルム20が破れてしまうことがあった。本実施の形態の第2接合部R2の少なくとも一部は、包装状態において、第1接合部R1に重なっている。包装フィルム20と剥離シート30が接合された第1接合部R1に、第2接合部R2が重なっており、開封テープ50によって包装フィルム20を引っ張った際に、当該引っ張る力がかかる領域において包装フィルム20が剥離シート30に接合されており、包装フィルム20が剥離シート30側から離れ難い。よって、開封テープ50を引っ張る力に包装フィルム20が追従しすぎず、包装フィルム20から開封テープ50を円滑に引き剥がすことができる。例えば、開封テープ50を引っ張る力に包装フィルム20が追従し過ぎると、第2接合部R2において開封テープ50と包装フィルム20が円滑にピールせず、包装フィルム20が破れてしまうことがある。しかし、第1接合部R1に第2接合部R2が重なっていることで、第2接合部R2の接合を円滑に分離でき、包装フィルム20の意図しない破断を抑制しつつ、包装体1を開封できる。
【0045】
第1態様において、第1接合部R1に接する包装フィルム20の内面の表面粗さは、第2接合部R2に接する包装フィルム20の外面の表面粗さよりも粗くてよい。包装フィルム20の内面は、第1接合部R1によって剥離シート30に接合され、包装フィルム20の外面は、第2接合部R2によって開封テープ50に接合されている。包装フィルム20は、第1接合部R1と第2接合部R2によって挟まれている。本態様によれば、包装フィルム20の剥離シート30に接合される領域の表面粗さは、包装フィルム20の開封テープ50に接合される領域の表面粗さよりも粗い。第1接合部R1及び第2接合部R2は、いずれも接着剤で接合されている。そのため、包装フィルム20の剥離シート30に接合される領域において、接着剤と接触する単位面積当たりの表面積は、包装フィルム20の外面の開封テープ50に接合される領域において、接着剤と接触する単位面積あたりの表面積よりも大きくなる。よって、開封テープ50を引っ張った際に、第1接合部R1が分離し難く、第2接合部R2が分離し易い。そのため、包装フィルム20から開封テープ50を円滑に引き剥がすことができ、包装フィルム20の意図しない破断を抑制しつつ、包装体1を開封できる。
【0046】
表面粗さは、例えば、以下の方法によって測定できる。包装体を展開し、剥離シート及び吸収性物品と、包装フィルムと、を剥離させる。包装フィルムの表面の表面粗さは、キーエンス株式会社製 高精度2次元レーザー変位計LJ-Gシリーズ(型式:LJ-G030)を使用して測定できる。なお、第1接合部の接着剤及び第2接合部の接着剤を除去できない場合には、当該接合部の周囲のフィルムの表面の表面粗さを測定する。包装フィルムの内面の表面粗さと、包装フィルムの外面の表面粗さと、をそれぞれ測定し、比較する。
【0047】
第2態様において、印刷部60は、第2接合部R2に接する包装フィルム20の外面に設けられず、第1接合部R1に接する包装フィルム20の内面に設けられていてもよい。第1接合部R1に接する包装フィルム20の内面には、印刷部60が設けられ、印刷部60のインクの存在によって細かい凹凸が形成される。一方、第2接合部R2に接する包装フィルム20の外面には、印刷部60が設けられてなく、インク(印刷構成部61)による細かい凹凸(図5(c)参照)が形成されていない。第1接合部R1及び第2接合部R2は、いずれも接着剤で接合されている。そのため、包装フィルム20の剥離シート30に接合される領域において、接着剤と接触する単位面積当たりの表面積は、包装フィルムの外面の開封テープに接合される領域において、接着剤と接触する単位面積あたりの表面積よりも大きくなる。よって、開封テープ50を引っ張った際に、第1接合部R1が分離し難く、第2接合部R2が分離し易い。そのため、包装フィルム20から開封テープ50を円滑に引き剥がすことができ、包装フィルム20の意図しない破断を抑制しつつ、包装体1を開封できる。なお、第2態様において印刷部60は、包装フィルム20の外面のうち、第2接合部R2に接する領域に設けられていなければよく、包装フィルム20の外面のうち、第2接合部R2に接しない領域に設けられていてよい。また、第2態様において印刷部60は、包装フィルム20の内面のうち、第1接合部R1に接する領域に設けられていればよく、包装フィルム20の内面のうち、第1接合部R1に接しない領域に設けられていなくてもよい。
【0048】
なお、第1態様及び第2態様において、第1接合部R1の接着剤と第2接合部R2の接着剤は、同等の接合強度を発揮する接着剤を用いることが好ましいが、異なっていてもよい。表面粗さが粗い方(単位面積当たりの表面積が大きい方)、又は印刷部60が設けられている方の接合強度が高くなるように構成されていればよい。すなわち、第2接合部R2における包装フィルム20と開封テープ50の接合強度は、第1接合部R1における包装フィルム20と剥離シート30の接合強度よりも低くてよい。第2接合部R2の接合強度が比較的低く、第1接合部R1の接合強度が比較的高いため、包装フィルム20が剥離シート30と剥離する前に、開封テープ50と包装フィルム20が剥離し易く、開封テープ50を引っ張って開封する際の包装フィルム20の意図しない破断を抑制できる。
【0049】
接合強度は、それぞれの接合を分離させるための単位面積当たりの力の大きさをいう。接合強度の測定は、周知の方法で測定することができるが、下記の方法で測定してもよい。まず、測定対象となる包装体1を用意し、同じ面積のサンプル1、2を切り出す。サンプル1は包装体1のうち、第1接合部R1が設けられた部分であり、サンプル2は、第2接合部R2が設けられた部分である。サンプルの寸法は、25mm幅で切り出し、25mm幅当たりの引っ張り強度(N/25mm)で比較することが好ましい。ただし、25mm幅でサンプルを切り出せない場合には、最大幅にてサンプルを切り出す。なお、測定対象のサンプルは、同一のパッケージ内に収容されたサンプルにて測定することが好ましい。次に、引張試験機(例えばインストロン株式会社製 インストロンシリーズ5564)の上下チャックにサンプル1又はサンプル2をセットする。その後、所定の引張速度(例えば100mm/min)で上下チャックを離間させ、サンプル1,2を引っ張る。チャック間距離が離れるまでの最大荷重(N)を取得する。サンプル1、2それぞれについて、n個(例えば5個)の測定結果を取得し、n個の最大荷重(N)の平均値を算出する。そして、サンプル1の平均値(N)を接合強度とし、両値を比較することができる。なお、以下の説明における接合強度についても、同様の測定方法によって比較することができる。
【0050】
以下、第1態様及び第2態様の両方において、好適な構成について説明する。図5(b)に示すように、印刷部60は、嵌合部70と重なる領域に設けられてよい。包装体1を開封する際は、第2接合部R2が分離した後に、嵌合部70の接合を分離しつつ包装フィルム20を展開する。このとき、インクを有する印刷部60に嵌合部70が設けられているため、当該インクの存在によって、インクがない形態と比較して、嵌合部70の接合強度を抑えることができる。より詳細には、インクは、顔料を有しており、当該顔料は、シール性を有しなく、顔料によって接着力を確保できず、顔料を挟んで配置されたフィルム同士が接合しない。すなわち、インクの顔料によってフィルム間に物理的な距離が形成され、フィルム同士の接合強度を抑えられる。また、印刷の手法によっては、インクを付す前処理としてフィルムの表面にコロナ処理を施す。当該コロナ処理によってフィルム表面に電荷の偏りが発生し、電荷によってフィルム同士の接合強度が低下する。加えて、インクの樹脂等の成分には、油分が含まれている。当該油分によってフィルム同士の接合強度が低下する。よって、嵌合部70の接合を円滑に分離でき、分離時における包装フィルム20の破断をより抑制できる。
【0051】
また、包装フィルムの内面に印刷部60が設けられているため、図5(b)に示すように、包装フィルム20の内面同士が当接する領域では、印刷部60同士が当接する。当該構成によれば、印刷部60同士が重なった部分では、包装フィルム20同士の接合強度がより抑えることができる。よって、嵌合部70の接合をより円滑に分離でき、分離時における包装フィルム20の破断をより抑制できる。
【0052】
印刷部60は、包装フィルム20の第1方向D1の端縁22Eに設けられてよい。すなわち、印刷部60は、包装フィルム20の第2方向D2に沿う側辺に設けられてよい。なお、印刷部60は、包装フィルムの第1方向D1の端縁22Eの全域に亘って設けられていてもよいし、端縁22Eの一部に設けられていてもよい。包装フィルム20の第1方向D1の端縁22Eには、印刷部60が設けられている。インクの存在によって、端縁22Eにおける嵌合部の接合強度を低減できる。包装フィルム20の端縁22Eにおける嵌合部70の接合を円滑に分離でき、当該端縁22Eから剥離する場合には、剥離し始め部分における包装フィルム20の破断を抑制でき、当該端縁22Eが剥離終わりの場合には、剥離終わり部分における破断を抑制できる。
【0053】
印刷構成部61同士の間隔は、嵌合構成部71同士の間隔よりも短くてよい。当該間隔は、平面方向における間隔である。印刷構成部61同士の間隔が比較的短いため、印刷構成部61が嵌合構成部71に重なって配置され易い。印刷構成部61が嵌合構成部71に重なることで、インクの存在によって、嵌合部70の接合強度を抑えることができる。よって、嵌合部70の接合を円滑に分離でき、分離時における包装フィルム20の破断を抑制できる。一例として、印刷構成部61同士の間隔は、0.05mm~1.0mmであり、嵌合構成部71同士の間隔は、0.5mm~1.0mmであってよい。
【0054】
また、変形例において、印刷構成部61同士の間隔は、嵌合構成部71同士の間隔よりも長くてもよい。印刷構成部61同士の間隔が比較的長いため、印刷構成部61が嵌合構成部71に重ならないで配置されることがある。印刷構成部61が嵌合構成部71に重ならない領域が設けられることで、嵌合部70の接合強度を確保し、使用前(開封前)に嵌合部70の接合が意図せずに分離することを抑制できる。
【0055】
包装フィルム20の一端部21の内面は、接着剤を有する第3接合部R3を介して、当該一端部21が覆う包装フィルム20に接合されてよい。第3接合部R3は、包装フィルム20の一端部21の内面と、一端部21と重なる包装フィルム20の外面と、を接合している。第3接合部R3の接着剤は、包装フィルム20の一端部21の内面と、一端部21と重なる包装フィルム20の外面の間に配置されていればよく、包装フィルム20の内面に塗布されてもよいし、包装フィルムの外面に塗布されていてもよい。本実施の形態では、包装フィルム20の内面に第3接合部R3の接着剤が塗布されてよい。第3接合部R3によって、包装フィルム20の一端部21を封止できるため、使用前に、意図せずに異物が包装体1内に混入することを抑制できる。第3接合部R3は、包装フィルム20の一端部21の端縁21Eに沿って延びてよい。第3接合部R3は、使用前に一端部21を止めておくためのものであり、使用時には、分離するものである。第3接合部R3の接合強度は、第1接合部R1の接合強度よりも低くてよい。また、開封テープ50を引っ張って包装フィルム20を分離する際に、第2接合部R2に次いで第3接合部R3が分離することが好ましく、第3接合部R3の接合強度は、第2接合部R2の接合強度よりも高くてよい。
【0056】
第3接合部R3の少なくとも一部は、包装フィルム20の一端部21と開封テープ50とが接合した領域(第4接合部R4)に重なってよい。本実施の形態では、第3接合部R3は、第2方向D2において、第4接合部R4の一部の領域に重なり、第1方向D1において、第4接合部R4の全域に重なり、第4接合部R4を越えて延びている。包装フィルム20の一端部21と開封テープ50とを接合する第4接合部R4に第3接合部R3が重なっていない形態にあっては、開封テープ50を引っ張った際に、包装フィルム20の一端部21が浮き上がる。そのため、開封テープ50と包装フィルム20の外面とを接合する第2接合部R2にせん断方向の力がかかり易い。しかし、第4接合部R4に第3接合部が重なっていることにより、開封テープ50を引っ張った際に、包装フィルム20の一端部21が浮き上がらず、第4接合部R4と第3接合部R3とが重なる部分を基点として、第2接合部R2にピールする力がかかり易くなり、包装フィルム20等の破断を抑制しつつ包装体を円滑に開封できる。第4接合部R4の接合強度は、第3接合部R3の接合強度よりも高い。よって、開封テープと包装フィルムの一端部との接合を維持しつつ、第3接合部R3の接合を分離できる。
【0057】
印刷部は、包装フィルム20の一端部21の内面に配置された端部印刷部62を有してよい。端部印刷部62は、包装フィルム20の一端部21において第1方向D1に沿って延びてよい。端部印刷部62の少なくとも一部は、第3接合部R3に重なり、第3接合部R3の接着剤に当接してよい。端部印刷部62のインクの存在によって包装フィルム20の一端部における接着剤と接する表面積が大きくなり、第3接合部R3の接合強度を確保できる。よって、包装フィルム20の一端部(開口端部)21を第3接合部R3において接合し、当該一端部21が意図せずに開封することを抑制できる。また、第3接合部R3は、包装フィルム20の一端部21の内面と、包装フィルム20の一端部21が重なる包装フィルム20の外面と、にそれぞれ当接している。端部印刷部62の少なくとも一部は、第3接合部R3に重なっているため、端部印刷部62のインクの存在によって、第3接合部R3と一端部21の内面と接合強度が、第3接合部R3と包装フィルムの外面と接合強度よりも高くなり易い。この接合強度の差によって、第3接合部R3が一端部21側に付着した状態で、第3接合部R3が包装フィルム20の外面と円滑に分離できる。
【0058】
第3接合部R3は、嵌合部70と離間してよい。第3接合部R3と嵌合部70の隙間を介して空気の出し入れが可能であり、包装体1内の空気抜きを行うことができる。一方、変形例において、第3接合部R3は、包装体1の第1方向D1の端部22に設けられた嵌合部70まで延び、嵌合部70と重なる領域に設けられてよい。当該形態にあっては、第3接合部R3と嵌合部70によって、封止状態を維持でき、異物の混入を抑制する効果を得やすい。加えて、嵌合部70が設けられる領域に接着剤が付されていることにより、嵌合部70によって接着剤に触れる表面積が増え、嵌合部70の接合強度を高くできる。よって、使用前に意図せずに、嵌合部70の接合が分離することを抑制できる。
【0059】
第1方向D1における包装体の両端部22における単位面積あたりの印刷部60の面積比率は、包装フィルム20の両端部22間の領域における単位面積あたりの印刷部の面積比率よりも高くてよい。両端部22の印刷部60の面積比率が高いため、インクの存在によって嵌合部70の接合強度を抑えることができる。よって、嵌合部70の接合を円滑に分離でき、分離時における包装フィルム20の破断を抑制できる。
【0060】
吸収性物品10と剥離シート30が重なる領域における単位面積あたりの印刷部60の面積比率は、吸収性物品10と剥離シート30が重ならない領域における単位面積あたりの印刷部60の面積比率よりも高くてよい。吸収性物品10と剥離シート30が重ならない領域では、包装フィルム20の印刷部60が吸収性物品10のバックシート4に直に接し、印刷部60によってバックシート4が汚れるおそれがある。当該印刷部60の面積を抑えることで、印刷部60によってバックシート4が汚れることを抑制できる。一方、吸収性物品10と剥離シート30が重なる領域は、吸収性物品10のバックシート4に直に接しない。当該領域にて印刷部60を広く設けることで印刷部60によってバックシート4が汚れることを抑制しつつ装飾性を向上できる。また、吸収性物品10と剥離シート30が重なる領域における単位面積あたりの印刷部60の面積比率を高くすることで、剥離シート30と包装フィルム20を接合する第1接合部R1に印刷部60が重なり易い。第1接合部R1に印刷部60が重なることで、インクの凹凸によって接着剤に接する表面積を大きくし、第1接合部R1の接合強度を確保できる。
【0061】
また、第1方向D1における包装体の両端部22における単位面積あたりの印刷部60の面積比率は、吸収性物品10と剥離シート30が重ならない領域における単位面積あたりの印刷部60の面積比率よりも高くてよい。吸収性物品10と剥離シート30が重ならない領域において印刷部60を広く設けないことで印刷部60によってバックシート4が汚れることを抑制できる。また、嵌合部70が設けられる両端部22に印刷部60を広く設けることで、インクの存在によって嵌合部70における接合強度を抑えることができる。嵌合部70の接合強度を低減し、包装体1の開封性を向上できる。
【0062】
図1(b)に示すように、開封テープ50は、インクを有するテープ印刷部64が付されてよい。テープ印刷部64は、第2接合部R2に接する開封テープ50の内面に設けられてよい。テープ印刷部64は、第2接合部R2に接する領域の少なくとも一部に設けられてよく、開封テープ50の内面全体に設けられていてもよいし、開封テープ50の内面の把持部53以外の領域に設けられいてもよい。第2接合部R2に接する開封テープ50の内面には、テープ印刷部64が設けられ、印刷部60のインクの存在によって細かい凹凸が形成される。一方、第2接合部R2に接する包装フィルム20の外面には、印刷部60が設けられてなく、インクによる細かい凹凸が形成されていない。そのため、開封テープ50の内面が、第2接合部R2の接着剤と接触する単位面積当たりの表面積は、包装フィルム20の外面が、第2接合部のR2の接着剤と接触する表面積よりも大きくなり易い。よって、開封テープ50を引っ張った際に、第2接合部R2が包装フィルム20に対して分離し易く、第2接合部R2が開封テープ50と分離し難い。よって、開封時に、包装フィルム20の一端部21と開封テープ50の接合を維持しつつ、包装フィルム20の外面から開封テープ50を円滑に引き剥がすことできる。包装フィルム20の意図しない破断を抑制しつつ包装体1を円滑に開封できる。
【0063】
同様に、テープ印刷部64は、第4接合部R4に接する開封テープ50の内面に設けられてよい。当該構成によれは、第4接合部R4が包装フィルム20に対して分離し易く、第4接合部R4が開封テープ50と分離し難い。よって、開封時に、包装フィルム20の一端部21と開封テープ50の接合を維持しつつ、包装フィルム20の外面から開封テープ50を円滑に引き剥がすことができる。包装フィルム20の意図しない破断を抑制しつつ包装体を円滑に開封できる。
【0064】
剥離シート30は、紙の基材と、当該基材に付された離型剤と、を有してよい。離型剤は、シート表面の摩擦係数を低くできるものであってよく、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、四フッ化エチレン系樹脂を例示できる。離型剤が紙の基材に付されているため、当該剥離シートに接する接着剤(第1接合部R1を構成する接着剤)が含浸した場合であっても、当該接着剤が剥離シートの厚み方向の全体に含浸することを抑制でき、吸収性物品10の止着部5と、第1接合部R1の接着剤と、が直に接することを抑制できる。剥離シート30に接する接着剤が含浸した場合には、当該含浸によって剥離シート30の強度を高めつつ、離型剤によって接着剤の含浸を止めることができるため、吸収性物品10の止着部5と、第1接合部R1の接着剤と、が直に接することを抑制できる。
【0065】
次いで、図6を参照して変形例に係る包装体について説明する。図6は、変形例に係る包装体1Xの包装状態の平面図である。なお、以下の変形例の説明において、上述の実施形態と同様の構成は、同符号を用いて説明を省略する。開封テープ50は、包装フィルム20の一端部21の端縁21Eを跨がって延びる縦方向Xと、縦方向Xと直交する横方向Yと、有する矩形状である。開封テープ50は、横方向Yの中心を通り、かつ縦方向Xに平行に延びる縦中心線50XLを有する。包装フィルム20は、第1方向D1の中心を通り、かつ第2方向D2に平行に延びる包装中心線20CLを有する。包装状態において、縦中心線50XLと包装中心線20CLとがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満であってよい。包装フィルム20の一端部21の端縁21Eに対して開封テープ50が垂直でなく、垂直方向に対して僅かに傾いて配置されるため、包装フィルム20の一端部21の端縁21Eを跨がる開封テープ50の長さを長くできる。そのため、開封テープ50の縦中心線50XLと包装フィルム20の包装中心線20CLとが平行な構成と比較して、第2接合部R2の接合強度を低くしても開封テープ50による封止状態を維持できる。
【0066】
また、開封テープ50と包装フィルム20の一端部が第4接合部R4によって接合されている形態にあっては、開封テープ50の縦中心線50XLと包装フィルム20の包装中心線20CLとが傾斜しているため、包装フィルムの一端部21の端縁21Eに対する第4接合部R4の幅(第1方向の長さ)を長くすることができる。第4接合部R4の幅(第1方向の長さ)を長くすることで、開封テープ50から包装フィルム20に掛かる力を分散でき、開封時における包装フィルム20の破断を抑制できる。
【0067】
また、第2接合部R2は、第1方向D1の中心を通り、かつ第2方向D2に平行に延びる第2接合中心線R2CLを有する。第2接合中心線R2CLと、包装中心線20CLと、がなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満であってよい。包装中心線20CLに対して第2接合中心線R2CLが僅かに傾いて配置されるため、包装中心線20CLと平行な方向に開封テープ50を引っ張って開封すると、第2接合部R2が徐々に分離し、分離始めの負荷を抑え、包装フィルムの破断を抑制できる。また、第2接合部R2が徐々に分離させることができるため、小さい力で第2接合部R2を分離することができる。
【0068】
第1接合部R1は、第1方向D1の中心を通り、かつ第2方向に平行に延びる第1接合中心線R1CLを有する。第2接合部R2は、第1方向D1の中心を通り、かつ第2方向D2に平行に延びる第2接合中心線R2CLを有する。第1接合中心線R1CLと第2接合中心線R2CLとがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満であってよい。第1接合中心線R1CLと第2接合中心線R2CLとが僅かに傾いていることにより、第2接合部が接する包装フィルムの剛性が第1方向の全域に亘って均等でなく、第2接合部において包装フィルムがたわみ易く、開封テープを引っ張った際に、第2接合部の接合を部分的に分離し、徐々に分離することができる。よって、小さい力で円滑に剥離させることができる。
【0069】
第1接合中心線R1CLと縦中心線50XLとがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満であってよい。使用者が開封テープ50を引張っると、第2接合部R2の接合が解除され、包装フィルム20が展開方向(第2折り目FL2を基点に展開する方向)に引っ張られつつ、包装フィルム20に掛かる力が剥離シート30に伝わる。そして、剥離シート30が本体止着部51から剥離する。この包装フィルム20から剥離シート30に掛かる力は、第1接合部R1を介して伝わる。ここで、使用者は、開封テープ50を引っ張る際に、縦中心線50XLに平行に力をかけ易い。縦中心線50XLと第1接合中心線R1CLが僅かに傾いているため、開封テープを引っ張って開封する力が、第1接合部R1に徐々に伝わり、本体止着部51と剥離シート30の剥離始めの負荷を抑え、小さい力で円滑に剥離できる。また、本体止着部51と剥離シート30が徐々に剥離させることができるため、小さい力で本体止着部51と剥離シート30を剥離させることができる。また、図6に示すように、本体止着部51と剥離シート30を円滑に剥離させるために、本体止着部51の前後方向の端縁51Eが延びる方向(本実施の形態では、幅方向W)51ELと、第1接合中心線R1CLと、がなす角度は、90度でなく、90度に対して±5度であってよい(85度以上、95度以下、ただし、90度を除く)。また、本体止着部51の前後方向の端縁から徐々に剥離させることができ、剥離始めの負荷を低減し、小さい力で本体止着部51と剥離シート30を剥離させることができる。
【0070】
第1接合中心線R1CLと、第2接合中心線R2CLと、は、第1方向D1においてずれてよい。第1接合中心線R1CLと第2接合中心線R2CLが傾斜している形態にあっては、第1方向D1に沿う任意の仮想線(例えば、端縁21E)上において、第1接合中心線R1CLと、第2接合中心線R2CLとの位置がずれていればよい。開封テープ50を剥がす際は、第1接合中心線R1CLと第2接合中心線R2CLが第1方向D1において一致していると、第2接合部R2の第1方向D1の全域に亘って包装フィルム20側の剛性が均等であり、包装フィルム20がたわみ難い。そのため、開封テープ50を引っ張った力によって、第2接合部R2の全域に亘って引っ張られ、剥離に力がかかったり、力を強くかけることで包装フィルム20が破断したりするおそれがある。これに対して、第1接合中心線R1CLと第2接合中心線R2CLとがずれ、第1接合中心線R1CLと第2接合中心線R2CLとの間に間隔が設けられていることにより、第2接合部が接する包装フィルムの剛性が第1方向の全域に亘って均等でなく、第2接合部において包装フィルムがたわみ易く、開封テープを引っ張った際に、第2接合部の接合が部分的に分離し、徐々に分離することができる。よって、小さい力で円滑に剥離させることができる。
【0071】
また、開封テープ50の縦中心線50XLは、包装中心線20CLに対して第1方向D1にずれていてもよい。縦中心線50XLと包装中心線20CLが傾斜している形態にあっては、第1方向D1に沿う任意の仮想線(例えば、端縁21E)上において、縦中心線50XLと包装中心線20CLの位置がずれていればよい。開封テープに対して第1方向のD1の両側に位置する嵌合部70に対する距離が均等でなく、異なるため、開封テープ50を引っ張って開封する際に、それぞれの嵌合部70の接合を解除するタイミングがずれ、小さい力で円滑に嵌合部70の接合を解除することができる。
【0072】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0073】
1 :包装体
2 :トップシート
3 :吸収コア
4 :バックシート
5 :止着部
10 :吸収性物品
20 :包装フィルム
20CL :包装中心線
21 :一端部
30 :剥離シート
50 :開封テープ
50XL :縦中心線
60 :印刷部
61 :印刷構成部
62 :端部印刷部
64 :テープ印刷部
70 :嵌合部
71 :嵌合構成部
D1 :第1方向
D2 :第2方向
R1 :第1接合部
R1CL :第1接合中心線
R2 :第2接合部
R2CL :第2接合中心線
R3 :第3接合部
X :縦方向
Y :横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品と、
前記吸収性物品を包装する包装フィルムと、
前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シートと、を有し、
前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる吸収性物品の包装体であって、
前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部を介して、前記剥離シートと接合され、
前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープと接合され、
前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっており、
前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面の表面粗さは、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面の表面粗さよりも粗い、吸収性物品の包装体。
【請求項2】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コア、及び前記バックシートの非肌面に配置され、着用物品に止着する止着部を有する吸収性物品と、
前記吸収性物品を包装する包装フィルムと、
前記包装フィルムと前記吸収性物品の間に配置され、前記止着部を覆う剥離シートと、を有し、
前記包装フィルム、前記剥離シート、及び前記吸収性物品が共に折り畳まれることによって、前記包装フィルムによって前記吸収性物品を個別に包装した包装状態となる吸収性物品の包装体であって、
前記包装フィルムの内面は、接着剤を有する第1接合部を介して、前記剥離シートと接合され、
前記包装状態において、前記包装フィルムの外面は、接着剤を有する第2接合部を介して、前記包装フィルムの一端部に接合された開封テープと接合され、
前記包装状態において、前記第2接合部の少なくとも一部は、前記第1接合部に重なっており、
前記包装フィルムには、インクを有する印刷部が設けられており、
前記印刷部は、前記第2接合部に接する前記包装フィルムの外面に設けられず、前記第1接合部に接する前記包装フィルムの内面に設けられている、吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記包装状態において、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部には、厚み方向に積層された前記包装フィルム同士が嵌合した嵌合部が設けられており、
前記印刷部は、前記嵌合部と重なる領域に設けられている、請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
前記印刷部は、前記包装フィルムの前記第1方向の端縁に設けられている、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記印刷部は、点状に配置されたインクである印刷構成部の集合体によって構成されており、
前記嵌合部は、間欠的に配置された嵌合構成部の集合体によって構成されており、
前記印刷構成部同士の間隔は、前記嵌合構成部同士の間隔よりも長い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記印刷部は、点状に配置されたインクである印刷構成部の集合体によって構成されており、
前記嵌合部は、間欠的に配置された嵌合構成部の集合体によって構成されており、
前記印刷構成部同士の間隔は、前記嵌合構成部同士の間隔よりも短い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項7】
前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合され、
前記印刷部は、前記包装フィルムの一端部の内面に配置された端部印刷部を有し、
前記端部印刷部の少なくとも一部は、前記第3接合部に重なっている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項8】
前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合され、
前記第3接合部は、前記包装フィルムの一端部と前記開封テープとが接合した領域に重なっている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項9】
前記包装フィルムの一端部の内面は、接着剤を有する第3接合部を介して、当該一端部が覆う包装フィルムに接合され、
前記包装状態において、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部には、厚み方向に積層された前記包装フィルム同士が嵌合された嵌合部が設けられており、
前記第3接合部は、前記嵌合部と重なる領域に設けられている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項10】
前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記包装フィルムの両端部間の領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項11】
前記吸収性物品と前記剥離シートが重なる領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記吸収性物品と前記剥離シートが重ならない領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項12】
前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向における前記包装体の両端部における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率は、前記吸収性物品と前記剥離シートが重ならない領域における単位面積あたりの前記印刷部の面積比率よりも高い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項13】
前記開封テープには、インクを有するテープ印刷部が設けられており、
前記テープ印刷部は、前記第2接合部に接する前記開封テープの内面に設けられている、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項14】
前記第2接合部における前記包装フィルムと前記開封テープの接合強度は、前記第1接合部における前記包装フィルムと前記剥離シートの接合強度よりも低い、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項15】
前記剥離シートは、紙の基材と、当該基材に付された離型剤と、を有している、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項16】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有しており、
前記開封テープは、前記包装フィルムの一端部の端縁を跨がって延びる縦方向と、前記縦方向と直交する横方向と、を有しており、
前記開封テープは、前記横方向の中心を通り、かつ前記縦方向に平行に延びる縦中心線を有し、
前記包装フィルムは、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる包装中心線を有し、
前記縦中心線と前記包装中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項17】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有しており、
前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有し、
前記第2接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第2接合中心線を有し、
前記第1接合中心線と前記第2接合中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項18】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向と直交する第2方向と、を有しており、
前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有し、
前記開封テープは、前記包装フィルムの一端部の端縁を跨がって延びる縦方向と、前記縦方向と直交する横方向と、を有しており、
前記開封テープは、前記横方向の中心を通り、かつ前記縦方向に延びる縦中心線を有し、
前記第1接合中心線と前記縦中心線とがなす角度は、0度よりも大きく、かつ10度未満である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項19】
前記包装フィルムは、前記包装フィルムの一端部の端縁に沿う第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向と、を有しており、
前記第1接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第1接合中心線を有し、
前記第2接合部は、前記第1方向の中心を通り、かつ前記第2方向に平行に延びる第2接合中心線を有し、
前記第1接合中心線と、前記第2接合中心線と、は、前記第1方向においてずれている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。