(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117043
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】画像処理装置及び物理的固有識別キーの生成方法
(51)【国際特許分類】
H04L 9/10 20060101AFI20240821BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240821BHJP
G06F 21/73 20130101ALI20240821BHJP
H04N 1/32 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
H04L9/10 Z
H04N23/60 500
G06F21/73
H04N1/32 144
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040216
(22)【出願日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】10-2023-0020826
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 憲
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122EA01
5C122FH11
5C122HA06
5C122HA30
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】画像データに物理的固有識別キーを含ませる。
【解決手段】本技術による画像処理装置100は、ターゲット画像センサ及び基準画像センサのノイズ情報を管理するノイズ情報管理部110と、ノイズ情報に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決め、ターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成する物理的固有識別キー生成部120と、ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成する固有画像生成部130と、を含んでもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット画像センサ及び基準画像センサのノイズ情報を管理するノイズ情報管理部と、
上記ノイズ情報に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決め、上記ターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成する物理的固有識別キー生成部と、
上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成する固有画像生成部と、を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記ノイズ情報管理部は、
上記ターゲット画像センサ及び上記基準画像センサに含まれた画素のそれぞれに対応する固定パターンノイズとランダムノイズを合計した固有ノイズ情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記ノイズ情報管理部は、
同じ発生頻度に対応する上記固定パターンノイズとランダムに決まる上記ランダムノイズを合計し、上記固有ノイズ情報を複数回生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記固定パターンノイズは、
ノイズのサイズと発生頻度が対数正規分布に従い、
上記ランダムノイズは、
ノイズのサイズと発生頻度が正規分布に従うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記物理的固有識別キー生成部は、
上記固有ノイズ情報に基づいて複数のサイズを有する上記ターゲット画像センサと上記基準画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成し、上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補と上記基準画像センサの物理的固有識別キーの候補との間の相互ハミング距離に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決めることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記物理的固有識別キー生成部は、
上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補のうち上記相互ハミング距離のビット当たりの平均が0.5に最も近い物理的固有識別キーの候補のサイズを上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
上記物理的固有識別キー生成部は、
上記固有ノイズ情報に基づいて第1サイズに対応する上記ターゲット画像センサの第1物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応する上記ターゲット画像センサの第2物理的固有識別キーの候補を上記固有ノイズ情報が生成される回数だけ生成し、上記第1物理的固有識別キーの候補の第1内部ハミング距離及び上記第2物理的固有識別キーの候補の第2内部ハミング距離を算出し、上記ターゲット画像センサの内部ハミング距離が0に近い物理的固有識別キーの候補のサイズを上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
上記物理的固有識別キー生成部は、
上記固有ノイズ情報に基づいて第1サイズに対応する上記ターゲット画像センサの第1物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応する上記ターゲット画像センサの第2物理的固有識別キーの候補を上記固有ノイズ情報が生成される回数だけ生成し、上記固有ノイズ情報に基づいて上記第1サイズに対応する上記基準画像センサの第3物理的固有識別キーの候補及び上記第2サイズに対応する上記基準画像センサの第4物理的固有識別キーの候補を上記固有ノイズ情報が生成される回数だけ生成し、上記第1物理的固有識別キーの候補の第1内部ハミング距離及び上記第2物理的固有識別キーの候補の第2内部ハミング距離を算出し、上記第1物理的固有識別キーの候補と上記第3物理的固有識別キーの候補の第1相互ハミング距離及び上記第2物理的固有識別キーの候補と上記第4物理的固有識別キーの候補の第2相互ハミング距離を算出し、上記第1サイズまたは上記第2サイズのうち内部ハミング距離のビット当たりの平均が0に近く、相互ハミング距離のビット当たりの平均が0.5に近いサイズを上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項9】
上記ターゲット画像センサは、
デジタル世界に具現された仮想の画像センサであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
ターゲット画像センサ及び基準画像センサのノイズ情報を管理する段階と、
上記ノイズ情報に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーに対する内部ハミング距離及び上記ターゲット画像センサと上記基準画像センサの物理的固有識別キーに対する相互ハミング距離を算出する段階と、
上記内部ハミング距離及び上記相互ハミング距離に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決める段階と、
上記ターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいて上記サイズに対応する上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成する段階と、を含むことを特徴とする物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項11】
上記ノイズ情報を管理する段階は、
上記ターゲット画像センサ及び上記基準画像センサに含まれた画素のそれぞれに対応する固定パターンノイズとランダムノイズを合計した固有ノイズ情報を生成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項12】
上記ノイズ情報を管理する段階は、
上記固有ノイズ情報を複数回生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項13】
上記固定パターンノイズは、
ノイズのサイズと発生頻度が対数正規分布に従い、
上記ランダムノイズは、
ノイズのサイズと発生頻度が正規分布に従うことを特徴とする請求項11に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項14】
上記内部ハミング距離及び上記相互ハミング距離を算出する段階は、
上記固有ノイズ情報が生成される回数だけ複数のサイズに対応する上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成する段階と、
上記固有ノイズ情報が生成される回数だけ上記複数のサイズに対応する上記基準画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成する段階と、
上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補に基づいて上記内部ハミング距離に対する第1領域を生成する段階と、
上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補と上記基準画像センサの物理的固有識別キーの候補に基づいて上記相互ハミング距離に対する第2領域を生成する段階と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項15】
上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決める段階は、
上記第1領域と上記第2領域の重畳部分を最小化する上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを検出する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項16】
上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成する段階は、
第1サイズに対応する上記ターゲット画像センサの第1物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応する上記ターゲット画像センサの第2物理的固有識別キーの候補を生成する段階を含み、
上記基準画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成する段階は、
上記第1サイズに対応する上記基準画像センサの第3物理的固有識別キーの候補及び上記第2サイズに対応する上記基準画像センサの第4物理的固有識別キーの候補を生成する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項17】
上記第1領域を生成する段階は、
上記第1物理的固有識別キーの候補の第1内部ハミング距離及び上記第2物理的固有識別キーの候補の第2内部ハミング距離を算出する段階と、
上記第1内部ハミング距離と上記第2内部ハミング距離に基づいて上記第1領域を生成する段階と、を含むことを特徴とする請求項16に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項18】
上記第2領域を生成する段階は、
上記第1物理的固有識別キーの候補と上記第3物理的固有識別キーの候補の第1相互ハミング距離及び上記第2物理的固有識別キーの候補と上記第4物理的固有識別キーの候補の第2相互ハミング距離を算出する段階と、
上記第1相互ハミング距離と上記第2相互ハミング距離に基づいて上記第2領域を生成する段階と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【請求項19】
上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の物理的固有識別キーを生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置に関し、より具体的には画像処理装置及び物理的固有識別キーの生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、画像センサはCCD(Charge Coupled Device)画像センサと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)画像センサと、に分けられる。近年、製造費用が安くて消費電力が少なく、周辺回路との集積が容易なCMOS画像センサが注目されている。
【0003】
スマートフォン、タブレットPC、デジタルカメラなどに含まれる画像センサは、外部客体から反射された光を電気的信号に変換することにより、外部客体に対する画像情報を取得することができる。画像処理装置は画像情報から画像に含まれた特定オブジェクトを検出することができる。
【0004】
画像センサから生成される画像データは複製できるため、画像データの唯一性を保証することが困難であった。最近では、ブロックチェーン上で非代替性トークンなどを利用して画像データの唯一性を保証することができる。非代替性トークンを利用しても画像データの複製有無が分かるたけで、画像データを生成した画像センサに関する情報は分からない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、画像データを生成する画像センサの物理的固有識別キーをノイズ情報から生成し、物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成する画像処理装置及び物理的固有識別キーの生成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例による画像処理装置は、ターゲット画像センサ及び基準画像センサのノイズ情報を管理するノイズ情報管理部と、上記ノイズ情報に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決め、上記ターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成する物理的固有識別キー生成部と、上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成する固有画像生成部と、を含んでもよい。
【0007】
本発明の実施例による画像処理装置の物理的固有識別キーを生成する方法は、ターゲット画像センサ及び基準画像センサのノイズ情報を管理する段階と、上記ノイズ情報に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーに対する内部ハミング距離及び上記ターゲット画像センサと上記基準画像センサの物理的固有識別キーに対する相互ハミング距離を算出する段階と、上記内部ハミング距離及び上記相互ハミング距離に基づいて上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決める段階と、上記ターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいて上記サイズに対応する上記ターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成する段階と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本技術によると、物理的特徴のない仮想の画像センサから生成される画像データに物理的固有識別キーを含ませることができる。また、本技術によると、複数の画像センサのノイズ情報を比較することにより、最適のサイズの物理的固有識別キーを生成する画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例による画像処理装置を説明するための図である。
【
図2】本発明の実施例による物理的固有識別キーを生成する画像処理装置を説明するための図である。
【
図3】画像センサのノイズ情報を説明するための図である。
【
図4】固定パターンノイズとランダムノイズを説明するための図である。
【
図5】隣接する画素のノイズ値を比較する方法を説明するための図である。
【
図6】本発明の実施例による物理的固有識別キーのサイズを決める方法を説明するための図である。
【
図7】本発明の実施例による物理的固有識別キーを生成する方法を説明するためのフローチャートである。
【
図8】本発明の実施例による物理的固有識別キーのサイズを決める方法を説明するための図である。
【
図9】本発明の実施例による画像処理装置を含む電子装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書または出願に開示されている本発明の概念による実施例の特定の構造的または機能的説明は、本発明の概念による実施例を説明する目的でのみ例示されており、本発明の概念による実施例は様々な形態で実施することができ、本明細書または出願に説明された実施例に限定されると解釈すべきではない。
【0011】
以下において、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明の実施例による画像処理装置を説明するための図である。
【0013】
図1を参照すると、画像処理装置100は外部装置から受信したノイズ情報に基づいて画像センサの物理的固有識別キーを生成することができる。画像処理装置100は生成した物理的固有識別キーを含む固有画像データを出力することができる。
【0014】
仮想の画像センサとは物理的実体のないデジタル世界に存在する画像センサを意味することができる。仮想の画像センサは物理的特徴がないため、仮想の画像センサから生成される画像データは物理的固有識別キーを含まない。本発明の実施例では、画像処理装置100は仮想の画像センサに対応する物理的実体を有するターゲット画像センサのノイズ情報に基づいて物理的固有識別キーを生成し、生成した物理的固有識別キーを仮想の画像センサから生成された画像データに含めて固有画像データを生成することができる。
【0015】
本発明の実施例では、物理的固有識別キーは画像センサの固有IDであって、物理的複製防止技術(Physical Unclonable Function)を介して生成される画像センサを特定することができるデータを意味することができる。固有画像データに含まれた物理的固有識別キーに基づいて画像データを生成した仮想の画像センサを識別することができる。
【0016】
画像処理装置100はノイズ情報管理部110、物理的固有識別キー生成部120、及び固有画像生成部130を含んでもよい。
図1において、画像処理装置100はターゲット画像センサと基準画像センサからそれぞれノイズ情報を受信することができる。画像処理装置100は仮想の画像センサから生成された画像データに物理的固有識別キーを追加することによって固有画像データを生成することができる。
【0017】
ノイズ情報管理部110はターゲット画像センサ及び基準画像センサから受信したノイズ情報を管理することができる。ノイズ情報管理部110は画像センサのそれぞれに対応するノイズ情報を保存することができる。本発明の実施例では、ターゲット画像センサは画像データを生成した仮想の画像センサに対応する物理的実体を有する画像センサであってもよい。基準画像センサはターゲット画像センサのノイズ情報と比較されるノイズ情報を生成する物理的実体を有する画像センサであってもよい。
【0018】
物理的固有識別キー生成部120はターゲット画像センサと基準画像センサのノイズ情報に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決めることができる。物理的固有識別キー生成部120は様々なサイズのうち物理的固有識別キーの最も適切なサイズを決めることができる。物理的固有識別キー生成部120はターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成することができる。
【0019】
固有画像生成部130はターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成することができる。固有画像生成部130は仮想の画像センサから生成された画像データとターゲット画像センサの物理的固有識別キーとを合わせて固有画像データを生成することができる。
【0020】
固有画像生成部130は生成された固有画像データに基づいてブロックチェーン技術を用いて固有画像データの所有者を証明する仮想のトークンである非代替性トークン(Non-Fungible Token)を生成する動作を行うことができる。非代替性トークンを生成する方法は既に公開されている技術であるため、本発明の明細書では詳細な説明を省略することができる。
【0021】
図2は本発明の実施例による物理的固有識別キーを生成する画像処理装置を説明するための図である。
【0022】
図2を参照すると、画像処理装置100はターゲット画像センサ及び基準画像センサのノイズ情報に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成し、生成した物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成することができる。画像処理装置100が受信するノイズ情報はターゲット画像センサと基準画像センサのそれぞれに対するノイズ情報であってもよい。
【0023】
ノイズ情報管理部110はターゲット画像センサ及び基準画像センサに含まれた画素のそれぞれに対応する固定パターンノイズとランダムノイズを合計した固有ノイズ情報を生成することができる。固定パターンノイズは画像センサの出力のばらつきを表すことができる。固定パターンノイズは画像センサに含まれた増幅器またはアナログデジタルコンバータの出力のばらつき及び暗電流のばらつきにより発生したノイズであってもよい。ランダムノイズは画像センサの不規則な雑音を意味することができる。ランダムノイズは固定パターンノイズに比べて全体ノイズで占める割合が少なくてもよい。
【0024】
固定パターンノイズはノイズサイズと発生頻度が対数正規分布に従うことができる。ランダムノイズはノイズのサイズと発生頻度が正規分布に従うことができる。
【0025】
ノイズ情報管理部110は同じ発生頻度に対応する固定パターンノイズとランダムに決まるランダムノイズとを合計することができる。例えば、ノイズ情報管理部110はターゲット画像センサに含まれた画素のうち第1画素に対する固有ノイズ情報を生成することができる。ノイズ情報管理部110は発生頻度が0から1の間でランダムに決まった発生頻度に対応する固定パターンノイズ値とランダムに決まったランダムノイズ値とを合計して第1画素に対する固有ノイズ情報を生成することができる。
【0026】
ノイズ情報管理部110は複数の画素に対する固有ノイズ情報を複数回生成することができる。例えば、ノイズ情報管理部110は第1画素から第32画素のそれぞれに対する固有ノイズ情報を1000回生成することができる。固有ノイズ情報に含まれる固定パターンノイズ値はそれぞれの画素で同じであるが、固有ノイズ情報に含まれるランダムノイズ値は画素毎に異なってもよい。最初に生成された固有ノイズ情報の第1画素に対する固定パターンノイズ値は2番目または3番目に生成された固有ノイズ情報の第1画素に対する固定パターンノイズ値と同じであるが、固有ノイズ情報に含まれたランダムノイズ値は異なってもよい。固有ノイズ情報に含まれる固定パターンノイズの発生頻度はランダムに決まるため、画素のそれぞれに対応する固定パターンノイズ値は異なることがあるが、決まった後には固有ノイズ情報が複数回生成されても同じ画素に対応する固定パターンノイズ値は保持されることができる。
【0027】
ノイズ情報管理部110は物理的固有識別キーの候補のサイズに基づいて固有ノイズ情報を生成する画素の数を決めることができる。固有ノイズ情報を生成する画素の数だけ固有ノイズ情報が生成されてもよい。例えば、ノイズ情報管理部110は、物理的固有識別キーの候補のサイズが16ビットであれば、32個の画素に対する固有ノイズ情報を生成することができる。同様に、ノイズ情報管理部110は物理的固有識別キーの候補のサイズが1024ビットであれば、2048個の画素に対する固有ノイズ情報を生成することができる。
【0028】
物理的固有識別キー生成部120は、固有ノイズ情報に基づいて複数のサイズを有するターゲット画像センサと基準画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は、ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補の内部ハミング距離またはターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補と基準画像センサの物理的固有識別キーの候補との間の相互ハミング距離に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決めることができる。物理的固有識別キー生成部120は、ターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補のうち内部ハミング距離のビット当たりの平均が0.5に近いかまたは相互ハミング距離が0に近い物理的固有識別キーの候補のサイズをターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることができる。
【0029】
物理的固有識別キー生成部120は隣接する画素のノイズ値の差に基づいて物理的固有識別キーの候補を生成してもよい。例えば、物理的固有識別キー生成部120は第1画素のノイズ値と第2画素のノイズ値を比較することができる。物理的固有識別キー生成部120はノイズ値の比較結果に応じて第1画素に対応するビット値を1または0に決めることができる。同様の方法で、物理的固有識別キー生成部120は物理的固有識別キーの候補のサイズに対応するビット値を決め、ビット値を含む物理的固有識別キーの候補を生成することができる。
【0030】
ハミング距離はサイズの同じバイナリ符号の間で対応するビット値が一致しない数を意味することができる。例えば、10101010と10011010のハミング距離は2であり、ハミング距離のビット当たりの平均はハミング距離をビット数で割った値である0.25である。内部ハミング距離は同じ画像センサの固有ノイズ情報から生成された物理的固有識別キーの候補の間のハミング距離を示し、相互ハミング距離は異なる画像センサの固有ノイズ情報に基づいて生成された物理的固有識別キーの候補の間のハミング距離を示すことができる。内部ハミング距離が0に近いほど理想的であり、画像センサから物理的固有識別キーが複数回生成される場合でも同じ物理的固有識別キーが生成されることができる。
【0031】
本発明の実施例では、物理的固有識別キー生成部120は、固有ノイズ情報に基づいて第1サイズに対応するターゲット画像センサの第1物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応するターゲット画像センサの第2物理的固有識別キーの候補を固有ノイズ情報が生成される回数だけ生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1物理的固有識別キーの候補の第1内部ハミング距離及び第2物理的固有識別キーの候補の第2内部ハミング距離を算出し、ターゲット画像センサの内部ハミング距離が0に近い物理的固有識別キーの候補のサイズをターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることができる。
【0032】
本発明の他の実施例では、物理的固有識別キー生成部120は、固有ノイズ情報に基づいて第1サイズに対応するターゲット画像センサの第1物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応するターゲット画像センサの第2物理的固有識別キーの候補を固有ノイズ情報が生成される回数だけ生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は、固有ノイズ情報に基づいて第1サイズに対応する基準画像センサの第3物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応する基準画像センサの第4物理的固有識別キーの候補を固有ノイズ情報が生成される回数だけ生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1物理的固有識別キーの候補の第1内部ハミング距離及び第2物理的固有識別キーの候補の第2内部ハミング距離を算出することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1物理的固有識別キーの候補と第3物理的固有識別キーの候補の第1相互ハミング距離及び第2物理的固有識別キーの候補と第4物理的固有識別キーの候補の第2相互ハミング距離を算出することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1サイズまたは第2サイズのうち内部ハミング距離の平均が0に近く、相互ハミング距離の平均が0.5に近いサイズをターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることができる。
【0033】
物理的固有識別キー生成部120は決まったサイズに対応するターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成することができる。物理的固有識別キー生成部120はターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズを比較し、比較結果に応じて物理的固有識別キーを生成することができる。本発明の実施例では、物理的固有識別キー生成部120は既に生成された物理的固有識別キーの候補のうち決まったサイズに対応する候補をターゲット画像センサの物理的固有識別キーと決めることができる。
【0034】
固有画像生成部130はターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成することができる。固有画像生成部130は仮想の画像センサから生成された画像データとターゲット画像センサの物理的固有識別キーを合わせることができる。固有画像データはターゲット画像センサがデジタル世界に具現された仮想の画像センサから生成されたことを示す情報を含むことができる。
【0035】
図3は画像センサのノイズ情報を説明するための図である。
【0036】
図3を参照すると、各画素でノイズ情報が生成されることができる。本発明の実施例では、固定パターンノイズとランダムノイズが各画素で生成されると仮定することができる。各画素に対応するノイズ情報は低照度または暗室で生成された画素値に基づいて生成されてもよい。
【0037】
説明の便宜上、画像センサに含まれた画素が3×3の形態に配列されていると仮定することができる。
図3において、9つの画素はそれぞれ1つのフレームに対応することができる。
図3では、5つのフレームに対応する画素が例示されているが、ノイズ情報の生成に用いられるフレームの数は変わり得る。
【0038】
画像センサを低照度条件で動作させて複数のフレームに対応する画素値を取得することができる。固定パターンノイズの場合、複数のフレームに対応する時間の間、画像センサの露光時間が変わり、複数のフレームに対応する画素値を取得することができる。画素のそれぞれに対応する固定パターンノイズ値は取得する画素値の平均値であってもよい。ランダムノイズの場合、複数のフレームに対応する時間の間、画像センサの露光時間は等しく保持され、複数のフレームに対応する画素値を取得することができる。画素のそれぞれに対応するランダムノイズ値は取得する画素の標準偏差であってもよい。
【0039】
本発明の実施例では、固定パターンノイズ値またはランダムノイズ値は約30フレームの間に取得する画素値に基づいて決まってもよい。
【0040】
図4は固定パターンノイズとランダムノイズを説明するための図である。
【0041】
図4を参照すると、固定パターンノイズとランダムノイズに対するノイズ値と累積分布関数の関係が示されている。410は固定パターンノイズ値と累積分布関数の関係を示し、420はランダムノイズ値と累積分布関数の関係を示している。
【0042】
固定パターンノイズ値と累積分布関数の関係は対数正規分布であってもよい。ランダムノイズ値と累積分布関数の関係は正規分布であってもよい。
図2のノイズ情報管理部110はランダムに決まった発生頻度に対応する固定パターンノイズ値とランダムノイズ値を合計して画素に対応する固有ノイズ情報を生成することができる。固定パターンノイズ値を生成する方法は
図2の説明に代えられる。
【0043】
図5は隣接する画素のノイズ値を比較する方法を説明するための図である。
【0044】
図5を参照すると、第1画素で発生する第1ノイズ値、第2画素で発生する第2ノイズ値、及びランプ信号が比較器に入力され、比較器の出力がカウンタに入力されることができる。第1画素で発生するノイズ値は固定パターンノイズ値とランダムノイズ値を合計した固有ノイズ情報であってもよい。第1画素と第2画素は隣接する画素であると仮定することができる。
【0045】
第1画素は物理的固有識別キーの生成モードに対応して第1ノイズ値を保存する第1キャパシタを含んでもよい。同様に、第2画素は物理的固有識別キーの生成モードに対応して第2ノイズ値を保存する第2キャパシタを含んでもよい。第1ノイズ値と第2ノイズ値はアナログ信号であってもよい。第1キャパシタと第2キャパシタは選択信号に応じて保存されたアナログ信号を比較器に伝達することができる。
【0046】
本発明の実施例では、第1画素と第2画素は同じ列に位置することができる。同じ列に位置した画素の出力信号は順に比較器に伝達されることができる。画素の出力信号にはノイズ値が含まれてもよい。第1ノイズ値が比較器に伝達されると、第2ノイズ値は比較器に伝達されない。選択信号に応じて比較器には第1ノイズ値または第2ノイズ値が伝達されることができ、第1ノイズ値と第2ノイズ値は同時に伝達されない。
【0047】
比較器はランプ信号と第1ノイズ値を比較した第1比較信号を出力するか、またはランプ信号と第2ノイズ値を比較した第2比較信号を出力することができる。カウンタは、第1比較信号に基づいて第1ノイズ値がランプ信号より大きい時間である第1カウント値を出力することができる。同様に、カウンタは、第2比較信号に基づいて第2ノイズ値がランプ信号より大きい時間である第2カウント値を出力することができる。第1カウント値と第2カウント値に基づいて第1画素と第2画素のうちより大きいノイズ値を出力する画素が決まることができる。
【0048】
図2の物理的固有識別キー生成部120は第1画素と第2画素のノイズ値の差に基づいて画像センサの物理的固有識別キーを生成することができる。例えば、画像センサの物理的固有識別キーのうち第1画素に対応するデータは0または1であることができる。第1画素に対応するデータは第1画素のノイズ値が第2画素のノイズ値より大きいかまたは同じ場合、1と決まることができる。逆に、第1画素のノイズ値が第2画素のノイズ値より小さい場合、第1画素に対応するデータは0と決まることができる。
【0049】
同様の方式で、第1画素から第n画素のそれぞれに対応するデータが0または1と決まることができる。画像センサの物理的固有識別キーは第1画素から第n画素のそれぞれに対応するデータが順に羅列されたビット値であってもよい。
【0050】
本発明の実施例において、画素にそれぞれ対応するノイズ値のサイズの比較は
図5に示された方法によって行われてもよい。入力される信号とランプ信号をそれぞれ比較してより大きい信号を判断する方法は既知の技術であるため、詳細な説明は省略することができる。
【0051】
図6は本発明の実施例による物理的固有識別キーのサイズを決める方法を説明するためのフローチャートである。
【0052】
図6を参照すると、複数回生成された物理的固有識別キーの候補に対するハミング距離と頻度が示されている。610は第1サイズに対応するターゲット画像センサの第1物理的固有識別キーの候補の第1内部ハミング距離と頻度を示し、620は第1物理的固有識別キーの候補と第1サイズに対応する基準画像センサの第3物理的固有識別キーの候補の第1相互ハミング距離と頻度を示すことができる。630は第2サイズに対応するターゲット画像センサの第2物理的固有識別キーの候補の第2内部ハミング距離と頻度を示し、640は第2物理的固有識別キーの候補と第2サイズに対応する基準画像センサの第4物理的固有識別キーの候補の第2相互ハミング距離と頻度を示すことができる。
【0053】
図6には、第1内部ハミング距離の平均611、第1相互ハミング距離の平均621、第2内部ハミング距離の平均631、及び第2相互ハミング距離の平均641が示されている。
図6において、第1サイズは16ビットで、第2サイズは1024ビットであると仮定することができる。
図6は
図2の構成と合わせて説明することができる。
【0054】
物理的固有識別キー生成部120はノイズ情報管理部により固有ノイズ情報が生成される回数だけ第1物理的固有識別キーの候補と第2物理的固有識別キーの候補を生成すことができる。同様に、物理的固有識別キー生成部120は第3物理的固有識別キーの候補と第4物理的固有識別キーの候補を生成することができる。
【0055】
物理的固有識別キー生成部120は第1物理的固有識別キーの候補に基づいて第1内部ハミング距離を算出することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1物理的固有識別キーの候補と第3物理的固有識別キーの候補との間の相互ハミング距離を算出することができる。例えば、1101011010000111と1101011001000111のハミング距離は2である。物理的固有識別キー生成部120は同一サイズの物理的固有識別キーの候補のハミング距離を算出することができる。
【0056】
図6では、第1内部ハミング距離の平均611は第1サイズの半分である8より0に近く、第1相互ハミング距離の平均621は0と8のうち8に近くてもよい。本発明の実施例では、相互ハミング距離の平均を物理的固有識別キーの候補のサイズで割った値が相互ハミング距離のビット当たりの平均であることができる。
【0057】
2つの物理的固有識別キーの候補のハミング距離のビット当たりの平均が0に近いと、2つの物理的固有識別キーの候補は同じ画像センサから生成されたと判断することができる。2つの物理的固有識別キーの候補のハミング距離のビット当たりの平均が0.5に近いと、1つの物理的固有識別キーの候補は異なる画像センサから生成されたと判断することができる。
【0058】
図6では、第1内部ハミング距離の平均611と第1相互ハミング距離の平均621との差が第1サイズの25%より大きいため、物理的固有識別キー生成部120は第1内部ハミング距離の平均611と第1相互ハミング距離の平均621が十分に離れていると判断することができる。物理的固有識別キー生成部120は、内部ハミング距離の平均と相互ハミング距離の平均が十分に離れている物理的固有識別キーの候補のサイズをターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることができる。
【0059】
逆に、第2内部ハミング距離の平均631は0より第2サイズの半分である512に近く、第2相互ハミング距離の平均641は0と512のうち512に近くてもよい。第2内部ハミング距離の平均631と第2相互ハミング距離の平均641との差が第2サイズの25%より小さいため、物理的固有識別キー生成部120は第2内部ハミング距離の平均631と第2相互ハミング距離の平均641が近く位置すると判断することができる。物理的固有識別キー生成部120は、内部ハミング距離の平均と相互ハミング距離の平均が近いと、ターゲット画像センサと基準画像センサの物理的固有識別キーが区別できないため、第2サイズがターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズに適さないと判断することができる。
【0060】
本発明の他の実施例では、物理的固有識別キー生成部120は、物理的固有識別キーの候補の内部ハミング距離に対する第1領域と物理的固有識別キーの候補の相互ハミング距離に対する第2領域とを比較することができる。第1領域は同じ画像センサから生成される内部ハミング距離と頻度の関係を示す610と630を含んでもよい。第2領域はターゲット画像センサと基準画像センサから生成される相互ハミング距離の頻度と関係を示す620と640を含んでもよい。
【0061】
物理的固有識別キー生成部120は第1領域と第2領域の重畳部分を最小化するサイズをターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることができる。第1領域と第2領域の重畳部分では異なる画像センサから生成された物理的固有識別キーが同じであり得るため、画像データを生成した画像センサが識別されにくい場合がある。物理的固有識別キー生成部120は複数のサイズのうち基準画像センサの物理的固有識別キーと最も区別されることができるターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決めることができる。
【0062】
図6では、第1サイズである16ビットと第2サイズである1024ビットを例に挙げて説明しているが、物理的固有識別キー生成部120は3以上のサイズに対応する物理的固有識別キーの候補を生成してターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決めてもよい。物理的固有識別キー生成部120は第1領域と第2領域との重畳部分が最も少ないサイズをターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズと決めることができる。
【0063】
図7は本発明の実施例による物理的固有識別キーを生成する方法を説明するためのフローチャートである。
【0064】
図7を参照すると、画像処理装置はノイズ情報に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成することができる。
図7は
図2の構成と合わせて説明することができる。
【0065】
段階S710では、ノイズ情報管理部110はターゲット画像センサ及び基準画像センサのノイズ情報を管理することができる。ノイズ情報管理部110はターゲット画像センサ及び基準画像センサに含まれた画素のそれぞれに対応する固定パターンノイズとランダムノイズを合計した固有ノイズ情報を生成することができる。ノイズ情報管理部110は固有ノイズ情報を複数回生成することができる。固有ノイズ情報を生成する回数が増えるほど、物理的固有識別キーのサイズの精度が高くなることができる。
【0066】
段階S720では、物理的固有識別キー生成部120はノイズ情報に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーに対する内部ハミング距離及びターゲット画像センサと基準画像センサの物理的固有識別キーに対する相互ハミング距離を算出することができる。S730段階において、物理的固有識別キー生成部120は内部ハミング距離及び相互ハミング距離に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決めることができる。段階S720及び段階S730は
図8でより詳細に説明する。
【0067】
段階S740では、物理的固有識別キー生成部120はターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいて決まったサイズに対応するターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成することができる。段階S740は
図2及び
図5の説明に対応することができる。
【0068】
段階S740の後、固有画像生成部130はターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成することができる。固有画像生成部130は固有画像データを予め決まったコマンドに対応して出力することができる。
【0069】
図8は本発明の実施例による物理的固有識別キーのサイズを決める方法を説明するための図である。
【0070】
図8を参照すると、ターゲット画像センサと基準画像センサの物理的固有識別キーの候補が生成され、複数のサイズのうちターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズが決まることができる。
図8は
図2の構成と合わせて説明することができる。
【0071】
段階S810では、物理的固有識別キー生成部120は固有ノイズ情報が生成される回数だけ複数のサイズに対応するターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は、第1サイズに対応するターゲット画像センサの第1物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応するターゲット画像センサの第2物理的固有識別キーの候補を生成することができる。
【0072】
段階S820では、物理的固有識別キー生成部120は固有ノイズ情報が生成される回数だけ複数のサイズに対応する上記基準画像センサの物理的固有識別キーの候補を生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は、第1サイズに対応する基準画像センサの第3物理的固有識別キーの候補及び第2サイズに対応する基準画像センサの第4物理的固有識別キーの候補を生成することができる。
【0073】
段階S830では、物理的固有識別キー生成部120はターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補に基づいて内部ハミング距離に対する第1領域を生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は、第1物理的固有識別キーの候補の第1内部ハミング距離及び第2物理的固有識別キーの候補の第2内部ハミング距離を算出することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1内部ハミング距離と第2内部ハミング距離に基づいて第1領域を生成することができる。
【0074】
段階S840では、物理的固有識別キー生成部120はターゲット画像センサの物理的固有識別キーの候補と基準画像センサの物理的固有識別キーの候補に基づいて相互ハミング距離に対する第2領域を生成することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1物理的固有識別キーの候補と第3物理的固有識別キーの候補の第1相互ハミング距離及び第2物理的固有識別キーの候補と第4物理的固有識別キーの候補の第2相互ハミング距離を算出することができる。物理的固有識別キー生成部120は第1相互ハミング距離と第2相互ハミング距離に基づいて第2領域を生成することができる。第1領域と第2領域に対する説明は
図6の説明に対応することができる。
【0075】
段階S850では、物理的固有識別キー生成部120は第1領域と第2領域との重畳部分を最小化するターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを検出することができる。物理的固有識別キー生成部120が複数のサイズのうちターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決める方法は
図6に対する説明に代えられる。
【0076】
図9は本発明の実施例による画像処理装置を含む電子装置を示すブロック図である。
【0077】
図9を参照すると、電子装置2000は、画像センサ2010、プロセッサ2020、記憶装置(STORAGE DEVICE)2030、メモリ装置(MEMORY DEVICE)2040、入力装置2050及び出力装置2060を含んでもよい。
図9には示されていないが、電子装置2000はビデオカード、サウンドカード、メモリカード、USB機器などと通信するか、または他の電子機器と通信できるポート(port)をさらに含んでもよい。
【0078】
画像センサ2010は入射光に相応する画像データを生成することができる。本発明の実施例では、画像センサ2010は物理的に具現された装置の他にもデジタル世界で具現された仮想の画像センサが含まれてもよい。仮想の画像センサはデジタル世界に視覚的に具現された形状をセンシングし、センシング結果に対応する画像データを生成することができる。出力装置2060は画像データを表示することができる。記憶装置2030は画像データを保存することができる。プロセッサ2020は画像センサ2010、出力装置2060、及び記憶装置2030の動作を制御することができる。
【0079】
プロセッサ2020は画像センサ2010から受信する画素データを処理する演算を行い、処理した画像データを出力する画像処理装置であってもよい。ここで、処理は、EIS(Electronic Image Stabilization)、補間、色調補正、画質補正、サイズ調整などであってもよい。
【0080】
プロセッサ2020は画像センサ2010とは独立したチップで具現されてもよい。例えば、プロセッサ2020はマルチチップパッケージ(multi-chip package)で具現されてもよい。本発明の他の実施例では、プロセッサ2020は画像センサ2010の一部として含まれ、1つのチップで具現されてもよい。
【0081】
プロセッサ2020は電子装置2000の動作を実行及び制御することができる。本発明の実施例によると、プロセッサ2020はマイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)またはアプリケーションプロセッサ(application processor、AP)であってもよい。プロセッサ2020はアドレスバス(address bus)、制御バス(control bus)及びデータバス(data bus)を介して記憶装置2030、メモリ装置2040、入力装置2050、及び出力装置2060に接続されて通信を行うことができる。
【0082】
本発明の実施例では、プロセッサ2020は画像センサからノイズ情報を受信して保存することができる。プロセッサ2020はノイズ情報に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決め、ターゲット画像センサに含まれた画素のうち隣接する画素のノイズ値の差に基づいてターゲット画像センサの物理的固有識別キーを生成することができる。プロセッサ2020はターゲット画像センサの物理的固有識別キーを含む固有画像データを生成することができる。プロセッサ2020はノイズ情報に基づいてターゲット画像センサと基準画像センサの内部または相互ハミング距離を算出し、算出したハミング距離に基づいて複数のサイズのうちターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズを決めることができる。ターゲット画像センサの物理的固有識別キーのサイズはターゲット画像センサの物理的固有識別キーと基準画像センサの物理的固有識別キーとで最も差の出るサイズであってもよい。
【0083】
記憶装置2030は、フラッシュメモリ装置(flash memory device)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive;SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;HDD)、シーディーロム(CD-ROM)、及び全ての形態の不揮発性メモリ装置などを含んでもよい。
【0084】
メモリ装置2040は電子装置2000の動作に必要なデータを保存することができる。例えば、メモリ装置2040は動的ランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory;DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory;STAM)などの揮発性メモリ装置と、イーピーロム(Erasable Programmable Read-Only Memory;EPROM)、イーイーピーロム(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory;EEPROM)及びフラッシュメモリ装置(flash memory device)などの不揮発性メモリ装置と、を含んでもよい。プロセッサ2020はメモリ装置2040に保存された命令語セットを実行して画像センサ2010と出力装置2060を制御することができる。
【0085】
入力装置2050はキーボード、キーパッド、マウスなどの入力手段を含み、出力装置2060はプリンタ装置、ディスプレイなどの出力手段を含んでもよい。
【0086】
画像センサ2010は様々な形態のパッケージで具現されてもよい。例えば、画像センサ2010の少なくとも一部の構成は、PoP(Package on Package)、Ball grid arrays(BGAs)、Chip scale packages(CSPs)、Plastic Leaded Chip Carrier(PLCC)、Plastic Dual In-Line Package(PDIP)、Die in Waffle Pack、Die in Wafer Form、Chip On Board(COB)、Ceramic Dual In-Line Package(CERDIP)、Plastic Metric Quad Flat Pack(MQFP)、Thin Quad Flat Pack(TQFP)、Small Outline Integrated Circuit(SOIC)、Shrink Small Outline Package(SSOP)、Thin Small Outline Package(TSOP)、System In Package(SIP)、Multi Chip Package(MCP)、Wafer-level Fabricated Package(WFP)、Wafer-Level Processed Stack Package(WSP)などのパッケージを利用して具現されてもよい。
【0087】
一方、電子装置2000は画像センサ2010を利用する全てのコンピューティングシステムと解釈することができる。電子装置2000はパッケージ化されたモジュール、部品などの形態で具現されてもよい。例えば、電子装置2000はデジタルカメラ、モバイル機器、スマートフォン(smart phone)、PC(Personal Computer)、タブレットPC(tablet personal computer)、ノート型パソコン(notebook)、PDA(personal digital assistant)、EDA(enterprise digital assistant)、PMP(portable multimedia player)、ウェアラブルデバイス(wearable device)、ブラックボックス、ロボット、自律走行車両などで具現されてもよい。
【0088】
本発明の範囲は上記の詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味と範囲及びその等価概念から導出される全ての変更または変形された形態は本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0089】
100 画像処理装置
110 ノイズ情報管理部
120 物理的固有識別キー生成部
130 固有画像生成部