(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117073
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、表示装置、及び固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
G03F 7/027 20060101AFI20240821BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20240821BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G03F7/027 502
G03F7/004 505
G02B5/20 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016679
(22)【出願日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2023022829
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】幸 則孝
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
【Fターム(参考)】
2H148BE03
2H148BE12
2H148BE18
2H148BF16
2H148BG01
2H148BG11
2H148BH06
2H148BH18
2H148BH22
2H225AC35
2H225AC36
2H225AC43
2H225AC44
2H225AC46
2H225AC63
2H225AC72
2H225AD06
2H225AE13P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN94P
2H225AN97P
2H225AN98P
2H225BA16P
2H225BA33P
2H225BA35P
2H225CA17
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC13
(57)【要約】
【課題】本発明は、残渣がさらに低減されており、密着性が改善されたカラーフィルタを形成できる着色硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含み、前記重合性化合物(C)が、水酸基価10mgKOH/g超100mgKOH/g以下、アルキレンオキシ単位10以上の重合性化合物(C1)を含む着色硬化性樹脂組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含み、
前記重合性化合物(C)が、水酸基価10mgKOH/g超100mgKOH/g以下、アルキレンオキシ単位10以上の重合性化合物(C1)を含むことを特徴とする着色硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記重合性化合物(C1)が、式(1)で表される化合物を含む請求項1に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【化1】
(式中、Yは、水素原子又は(メタ)アクリロイル基を表し、少なくとも1つのYは、(メタ)アクリロイル基である。Zは、炭素数2~10のアルキレン基を表す。a~fは、独立して、アルキレンオキシの単位数を表し、a+b+c+d+e+fは、10以上である。)
【請求項3】
式(1)において、アルキレンオキシ単位が-CH2-CH2-O-又は-CH2-CH2-CH2-O-で表される請求項1に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記着色剤(A)がC.I.ピグメントレッド149、176、177、242、254、255、264、269、272、及び291からなる群から選択される1種以上の赤色顔料である請求項1又は2に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
【請求項6】
請求項5に記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【請求項7】
請求項5に記載のカラーフィルタを含む固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、表示装置、及び固体撮像素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、及びプラズマディスプレイ等の表示装置やCCDやCMOSセンサ等の固体撮像素子に使用されるカラーフィルタは、着色硬化性樹脂組成物から製造される。この着色硬化性樹脂組成物には、所定の重合性化合物が使用されることが知られている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-131517号公報
【特許文献2】特開2009-175724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の重合性化合物を用いた着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタを基板に形成した場合、着色塗膜に由来する残渣が見られ、着色塗膜と基板との密着性も十分ではないという問題があった。
そこで、本発明は、残渣がさらに低減されており、密着性が改善されたカラーフィルタを形成できる着色硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成し得た本発明の要旨は以下の通りである。
[1]着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含み、
前記重合性化合物(C)が、水酸基価10mgKOH/g超100mgKOH/g以下、アルキレンオキシ単位10以上の重合性化合物(C1)を含むことを特徴とする着色硬化性樹脂組成物。
[2]前記重合性化合物(C1)が、式(1)で表される化合物を含む[1]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【化1】
(式中、Yは、水素原子又は(メタ)アクリロイル基を表し、少なくとも1つのYは、(メタ)アクリロイル基である。Zは、炭素数2~10のアルキレン基を表す。a~fは、独立して、アルキレンオキシの単位数を表し、a+b+c+d+e+fは、10以上である。)
[3]式(1)において、アルキレンオキシ単位が-CH
2-CH
2-O-又は-CH
2-CH
2-CH
2-O-で表される[1]又は[2]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[4]前記着色剤(A)がC.I.ピグメントレッド149、176、177、242、254、255、264、269、272、及び291からなる群から選択される少なくも1種以上の赤色顔料である[1]~[3]のいずれかに記載の着色硬化性樹脂組成物。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[6][5]に記載のカラーフィルタを含む表示装置。
[7][5]に記載のカラーフィルタを含む固体撮像素子。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、残渣がさらに低減されており、密着性が改善されたカラーフィルタを形成できる着色硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含み、前記重合性化合物(C)が、水酸基価10mgKOH/g超100mgKOH/g以下、アルキレンオキシ単位10以上の重合性化合物(C1)を含むことを特徴とする。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらに溶剤(以下、溶剤(E)という場合がある)を含んでいてもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらに重合開始助剤(以下、重合開始助剤(D1)という場合がある)を含んでいてもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらにチオール化合物(以下、チオール化合物(T)という場合がある)を含んでいてもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらにレベリング剤(以下、レベリング剤(F)という場合がある)を含んでいてもよい。
なお、本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
【0008】
<着色剤(A)>
着色剤(A)としては、染料(A1)及び顔料(A2)が挙げられ、顔料(A2)が好ましい。これらは単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0009】
染料(A1)は特に限定されず、公知の染料を使用することができ、例えば、溶剤染料、酸性染料、直接染料、媒染染料等が挙げられる。染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、フタロシアニン染料、ペリレン染料、キノフタロン染料、イソインドリン染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
【0010】
具体的には、以下のようなカラーインデックス(C.I.)番号の染料が挙げられる。
C.I.ソルベントイエロー4、14、15、23、24、25、38、62、63、68、79、81、82、83、89、94、98、99、117、162、163、167、189;
C.I.ソルベントレッド24、45、49、90,91、111、118、119、122、124、125、127、130、132、143、145、146、150、151、155、160、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、41、54、56、77、86、99;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー4、5、14、18、35、36、37、38、44、45、58、59、59:1、63、67、68、69、70、78、79、83、90、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35;等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、33、34、35、37、40、42、44、50、51、52、57、66、73、76、80、87、88、91、92、94、95、97、98、103、106、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、155、158、160、172、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、289、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、388、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、149、162、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、15、16、17、19、21、23、24、25、30、34、38、49、72、102;
C.I.アシッドブルー1、3、5、7、9、11、13、15、17、18、22、23、24、25、26、27、29、34、38、40、41、42、43、45、48、51、54、59、60、62、70、72、74、75、78、80、82、83、86、87、88、90、90:1、91、92、93、93:1、96、99、100、102、103、104、108、109、110、112、113、117、119、120、123、126、127、129、130、131、138、140、142、143、147、150、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、187、192、199、203、204、205、210、213、229、234、236、242、243、249、256、259、267、269、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、6、7、8、9、11、13、14、15、16、22、25、27、28、41、50、50:1、58、63、65、80、104、105、106、109;等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、4、28、33、34、35、38、39、43、44、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、132、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、3、6、8、15、22、25、28、29、40、41、42、47、52、55、57、71、76、77、78、80、81、84、85、86、87、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、79、82;等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー51、54、76;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、6;0等のC.I.ディスパース染料、
C.I.ベーシックレッド1、10;
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、21、22、24、25、26、28、29、40、41、45、47、54、58、59、60、64、65、66、67、68、81、83、88、89;
C.I.ベーシックバイオレット2;
C.I.ベーシックレッド9;
C.I.ベーシックグリーン1;等のC.I.ベーシック染料、
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.リアクティブレッド36;等のC.I.リアクティブ染料、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、27、29、30、32、33、36、37、38、39、41、42、43、45、46、48、52、53、56、62、63、71、74、76、78、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、1:1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、27、28、30、31、32、33、36、37、39、40、41、44、45、47、48、49、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、13、15、19、21、23、26、29、31、33、34、35、41、43、53;等のC.I.モーダント染料、
C.I.バットグリーン1;等のC.I.バット染料等
【0011】
これらの染料は、所望するカラーフィルタの分光スペクトルに合わせて適宜選択すればよい。
【0012】
顔料(A2)としては、公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ系顔料、シアニン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キサンテン系顔料、アントラキノン系顔料、ナフトキノン系顔料、キノンイミン系顔料、メチン系顔料、アゾメチン系顔料、スクアリリウム系顔料、アクリジン系顔料、スチリル系顔料、クマリン系顔料、キノリン系顔料、ニトロ系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらのうち、フタロシアニン系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料等が好ましい。
【0013】
ピグメントに分類されている顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214、231、233等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等の橙色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、178、179、180、190、192、202、209、215、216、224、242、254、255、264、265、266、268、269、272、273、291等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等の紫色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59、62、63等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25等の茶色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7、31、32等の黒色顔料;等が挙げられる。
【0014】
これらの顔料は、所望するカラーフィルタの分光スペクトルに合わせて適宜選択すればよい。
【0015】
緑色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)としては、黄色染料及び黄色顔料(以下、これらを総称して「黄色着色剤」という場合がある)、緑色染料及び緑色顔料(以下、これらを総称して「緑色着色剤」という場合がある)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、黄色顔料及び/又は緑色顔料を含むことがより好ましい。
【0016】
黄色染料としては、上記染料のうち、色相が黄に分類されている染料が挙げられ、黄色顔料としては、上記顔料のうち、色相が黄に分類されている顔料が挙げられる。
黄色顔料のなかでも、キノフタロン黄色顔料、金属含有黄色顔料、イソインドリン黄色顔料が好ましく、C.I.ピグメントイエロー129、138、139、150、185がより好ましく、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185がさらに好ましく、C.I.ピグメントイエロー138、139、185がさらにより好ましい。
【0017】
緑色染料としては、上記染料のうち、色相が緑に分類されている染料が挙げられ、緑色顔料としては、上記顔料のうち、色相が緑に分類されている顔料が挙げられる。
緑色顔料のなかでも、フタロシアニン顔料が好ましく、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料及びハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59、62、63がさらに好ましく、C.I.ピグメントグリーン36、58、59がさらにより好ましい。
【0018】
緑色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)は、全着色剤100質量%中、黄色着色剤及び/又は緑色着色剤を合計で、例えば、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に95質量以上%含むことが好ましい。
また、黄色着色剤及び緑色着色剤の両方を含むことが好ましく、黄色着色剤及び緑色着色剤の両方を含む場合、黄色着色剤の含有率は、黄色着色剤及び緑色着色剤の合計100質量%中、例えば、10質量%以上70質量%以下であり、15質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上55質量%以下がより好ましい。
黄色着色剤及び緑色着色剤の両方を含む場合、緑色着色剤の含有率は、黄色着色剤及び緑色着色剤の合計100質量%中、例えば、30質量%以上90質量%以下であり、40質量%以上85質量%以下が好ましく、45質量%以上80質量%以下がより好ましい。
【0019】
赤色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)としては、黄色着色剤、赤色染料及び赤色顔料(以下、これらを総称して「赤色着色剤」という場合がある)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、黄色顔料及び/又は赤色顔料を含むことがより好ましい。
【0020】
黄色着色剤としては、緑色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合と同様の例が挙げられ、好ましい態様も同様である。
【0021】
赤色染料としては、上記染料のうち、色相が赤に分類されている染料が挙げられ、赤色顔料としては、上記顔料のうち、色相が赤に分類されている顔料が挙げられる。
赤色顔料のなかでも、C.I.ピグメントレッド149、176、177、242、254、255、264、269、272、及び291からなる群から選択される1種以上が好ましく、C.I.ピグメントレッド177、242、254、269、272、及び291からなる群から選択される1種以上がより好ましく、C.I.ピグメントレッド254、269、272、及び291からなる群から選択される1種以上がさらに好ましい。
【0022】
赤色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)は、全着色剤100質量%中、黄色着色剤及び/又は赤色着色剤を合計で、例えば、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に100質量%含むことが好ましい。また、黄色着色剤及び赤色着色剤の両方を含むことが好ましい。
【0023】
赤色の着色硬化性樹脂組成物が黄色着色剤及び/又は赤色着色剤を含む場合、赤色着色剤の含有率は、黄色着色剤及び赤色着色剤の合計に対し、例えば50質量%以上95質量%以下、好ましくは60質量%以上90質量%以下、より好ましくは70質量%以上85質量%以下である。
【0024】
青色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)としては、青色染料及び青色顔料(以下、これらを総称して「青色着色剤」という場合がある)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、青色顔料を含むことがより好ましい。
【0025】
青色染料としては、上記染料のうち、色相が青に分類されている染料が挙げられ、青色顔料としては、上記顔料のうち、色相が青に分類されている顔料が挙げられる。
青色顔料としては、フタロシアニン顔料が好ましく、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、16がより好ましい。
【0026】
青色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、青色着色剤以外に、紫色染料及び紫色顔料(以下、これらを総称して「紫色着色剤」という場合がある)も含有することが好ましい。
【0027】
紫色染料としては、上記染料のうち、色相が紫に分類されている染料が挙げられ、紫色顔料としては、上記顔料のうち、色相が紫に分類されている顔料が挙げられる。
紫色着色剤としては、紫色顔料が好ましく、紫色顔料のなかでも、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29がより好ましい。
【0028】
青色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)は、全着色剤100質量%中、青色着色剤を、例えば、30質量%以上99質量%以下、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上含むことが好ましい。また、紫色着色剤を含む場合、青色着色剤の含有率は、青色着色剤及び紫色着色剤の合計100質量%中、例えば、5質量%以上95質量%以下であり、10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0029】
黄色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)としては、黄色着色剤を少なくとも一種を含むことが好ましく、黄色顔料を少なくとも一種を含むことがより好ましく、黄色顔料を二種以上含むことがさらに好ましい。
【0030】
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー129、138、139、150、185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185がより好ましい。
【0031】
黄色の着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤(A)は、全着色剤100質量%中、黄色着色剤を、例えば、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に100質量%含むことが好ましい。
【0032】
着色硬化性樹脂組成物が溶剤(E)を含む場合、予め着色剤(A)と溶剤(E)とを含む着色剤含有液を調製した後、該着色剤含有液を使用して着色硬化性樹脂組成物を調製してもよい。着色剤(A)が溶剤(E)に溶解しない場合、例えば着色剤(A)が顔料(A2)を含む場合等には、着色剤含有液は、着色剤(A)を溶剤(E)に分散させて混合することにより調製できる。着色剤含有液は、着色硬化性樹脂組成物に含有される溶剤(E)の一部又は全部を含んでいてもよい。
【0033】
着色剤含有液中の固形分の含有率は、着色剤含有液の総量に対して、100質量%未満であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下、より好ましくは2質量%以上70質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上65質量%以下である。
【0034】
着色剤含有液中の着色剤(A)の含有率は、着色剤含有液中の固形分の総量に対して、100質量%未満であり、好ましくは1質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上50質量%以下である。
【0035】
着色剤(A)は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による着色剤(A)表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法、ソルトミリング法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。着色剤(A)の粒径は、略均一であることが好ましい。
【0036】
着色剤(A)は、分散剤を含有させて分散処理を行うことで、着色剤(A)が溶液中で均一に分散した状態にすることができる。着色剤(A)として2種以上を組み合わせて使用する場合は、それぞれを単独で分散処理してもよく、複数種を混合して分散処理してもよい。
【0037】
分散剤としては、例えば、界面活性剤等が挙げられ、カチオン系、アニオン系、ノニオン系及び両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系及びアクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。分散剤としては、商品名で表すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF社製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)及びDisperbyk(登録商標)(ビックケミー(株)製)、BYK(登録商標)(ビックケミー(株)製)等が挙げられる。また、分散剤として、後述する樹脂(B)(好ましくは樹脂[K2]及び[K6]から選択される少なくとも1種)を使用してもよい。
【0038】
分散剤を用いる場合、該分散剤(固形分)の使用量は、着色剤含有液中の着色剤(A)100質量部に対して、通常1質量部以上10000質量部以下であり、好ましくは5質量部以上5000質量部以下であり、より好ましくは10質量部以上1000質量部以下であり、さらに好ましくは15質量部以上800質量部以下である。該分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の着色剤含有液(以下、着色剤分散液又は顔料分散液という場合がある)が得られる傾向がある。
【0039】
着色剤(A)と溶剤(E)とを含む着色剤含有液を予め調製した後、該着色剤含有液を使用して着色硬化性樹脂組成物を調製する場合、着色剤含有液は、着色硬化性樹脂組成物に含有される樹脂(B)の一部又は全部、好ましくは一部を予め含んでいてもよい。樹脂(B)を予め含ませておくことで、着色剤含有液の分散安定性をさらに改善できる。
【0040】
着色剤含有液が樹脂(B)を含有する場合、樹脂(B)の含有量は、着色剤含有液中の着色剤(A)100質量部に対して、例えば、10質量部以上10000質量部以下であり、20質量部以上5000質量部以下が好ましく、25質量部以上2500質量部以下がより好ましい。
【0041】
着色剤(A)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量中、好ましくは1質量%以上93質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上91質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上89質量%以下であり、よりさらに好ましくは18質量%以上87質量%以下である。着色剤(A)の含有率が前記の範囲にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中に樹脂(B)を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができることから好ましい。
ここで、本明細書における「固形分の総量」とは、着色硬化性樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0042】
<樹脂(B)>
樹脂(B)(バインダー樹脂(B)ともいう)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K2];前記(a)に由来する構造単位と前記(b)に由来する構造単位と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K3];前記(a)に由来する構造単位と前記(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K4];前記(a)に由来する構造単位に前記(b)を付加させた構造単位と前記(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K5];前記(b)に由来する構造単位に前記(a)を付加させた構造単位と前記(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K6];前記(b)に由来する構造単位に前記(a)を付加させ、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位と前記(c)に由来する構造単位とを有する共重合体。
【0043】
単量体(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α-(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0044】
単量体(b)は、例えば、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2~4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
【0045】
単量体(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
【0046】
単量体(b1)としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-1)(以下「(b1-1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-2)(以下「(b1-2)」という場合がある)が挙げられる。
【0047】
単量体(b1-1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
【0048】
単量体(b1-2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド(登録商標)2000;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)A400;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)M100;(株)ダイセル製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
【0049】
【0050】
[式(I)及び式(II)中、Ra及びRbは、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Xa及びXbは、単結合、*-Rc-、*-Rc-O-、*-Rc-S-又は*-Rc-NH-を表す。
Rcは、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0051】
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
【0052】
Ra及びRbとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
【0053】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基等が挙げられる。
【0054】
Xa及びXbとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*-CH2-O-及び*-CH2CH2-O-が挙げられ、より好ましくは単結合、*-CH2CH2-O-が挙げられる(*はOとの結合手を表す)。
【0055】
式(I)で表される化合物としては、式(I-1)~式(I-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(I-1)、式(I-3)、式(I-5)、式(I-7)、式(I-9)又は式(I-11)~式(I-15)で表される化合物が好ましく、式(I-1)、式(I-7)、式(I-9)又は式(I-15)で表される化合物がより好ましい。
【0056】
【0057】
【0058】
式(II)で表される化合物としては、式(II-1)~式(II-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II-1)、式(II-3)、式(II-5)、式(II-7)、式(II-9)又は式(II-11)~式(II-15)で表される化合物が好ましく、式(II-1)、式(II-7)、式(II-9)又は式(II-15)で表される化合物がより好ましい。
【0059】
【0060】
【0061】
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上を併用してもよい。式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物を併用する場合、これらの含有比率〔式(I)で表される化合物:式(II)で表される化合物〕はモル基準で、好ましくは5:95~95:5、より好ましくは20:80~80:20である。
【0062】
単量体(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。単量体(b2)としては、3-メチル-3-メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
【0063】
単量体(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。単量体(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0064】
単量体(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、単量体(b1)であることが好ましい。さらに、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、単量体(b1-2)がより好ましい。
【0065】
単量体(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-9-イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル及びイタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン及び5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート及びN-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体;
スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン及びp-メトキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物;(メタ)アクリロニトリル等のビニル基含有ニトリル;塩化ビニル及び塩化ビニリデン等のハロゲン化炭化水素;(メタ)アクリルアミド等のビニル基含有アミド;酢酸ビニル等のエステル;1,3-ブタジエン、イソプレン及び2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等のジエン;等が挙げられる。
【0066】
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-9-イル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン及びベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート等が好ましく、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-9-イル(メタ)アクリレート、N-シクロヘキシルマレイミド、フェノキシベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0067】
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(b)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(b)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られるカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
【0068】
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
【0069】
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、撹拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色硬化性樹脂組成物の有機溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
【0070】
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
【0071】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~45モル%
(b)に由来する構造単位;2~95モル%
(c)に由来する構造単位;1~65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5~40モル%
(b)に由来する構造単位;5~80モル%
(c)に由来する構造単位;5~60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0072】
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(c)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(c)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0073】
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたものと同じ比率であることが好ましい。
【0074】
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60~130℃で、1~10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
【0075】
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5~80モルが好ましく、より好ましくは10~75モルである。この範囲にすることにより、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
【0076】
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
【0077】
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5~95モル%
(c)に由来する構造単位;5~95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10~90モル%
(c)に由来する構造単位;10~90モル%
であることがより好ましい。
【0078】
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5~100モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
【0079】
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらに多価カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。(b)に由来する環状エーテルと(a)に由来するカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、さらに多価カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物を反応させる。
多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、トリカルバニル酸等が挙げられる。カルボン酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。多価カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.05~1モルが好ましく、0.1~0.5モルがより好ましい。
【0080】
樹脂(B)としては、具体的に、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];
グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N-シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/フェノキシベンジル(メタ)アクリレート共重合体、3-メチル-3-(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];
ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];
ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらに無水コハク酸を反応させた樹脂、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート/トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらに無水コハク酸を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
樹脂(B)は、樹脂[K2]及び樹脂[K6]であることがより好ましく、樹脂[K6]であることが特に好ましい。
【0081】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000~100,000であり、より好ましくは5,000~50,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000である。分子量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの硬度が向上し、残膜率が高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4である。
【0082】
樹脂(B)の酸価は、固形分換算で、好ましくは20~170mg-KOH/gであり、より好ましくは25~150mg-KOH/g、さらに好ましくは30~135mg-KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0083】
樹脂(B)の含有率は、固形分の総量に対して、好ましくは1~50質量%であり、より好ましくは2~45質量%であり、さらに好ましくは3~40質量%である。樹脂(B)の含有率が、前記の範囲内にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
【0084】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物又はその変性物(例えばアルキレンオキシ変性物)である。
重合性化合物(C)は、水酸基価10mgKOH/g超100mgKOH/g以下、アルキレンオキシ単位10以上の重合性化合物(C1)を含む。重合性化合物(C1)は、1種であってもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0085】
重合性化合物(C1)は、好ましくは水酸基価12mgKOH/g以上95mgKOH/g以下、より好ましくは水酸基価15mgKOH/g以上85mgKOH/g以下、さらに好ましくは水酸基価20mgKOH/g以上75mgKOH/g以下、さらにより好ましくは70mgKOH/g以下を有する。水酸基価が10mgKOH/g以下であると、残渣が多くなって密着性が低下する虞があり、水酸基価が100mgKOH/g超であると、残渣が多くなる虞がある。複数の重合性化合物(C1)を含む場合、水酸基価は平均した水酸基価であってもよい。
【0086】
水酸基価は、JIS K 0070-1992に準拠し、試料にアセチル化試薬を加え、グリセリン浴中で加熱し、放冷後、指示薬として、フェノールフタレイン溶液を加え、水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して測定することができる。
【0087】
重合性化合物(C1)は、好ましくはアルキレンオキシ単位11以上24以下、より好ましくはアルキレンオキシ単位11以上20以下、さらに好ましくはアルキレンオキシ単位12以上18以下、さらにより好ましくはアルキレンオキシ単位12以上15以下である。アルキレンオキシ単位とは、1つの酸素原子とアルキレン基とからなる2価の基をいう。該アルキレンオキシ単位がポリオールに結合したものが重合性化合物(C1)として好ましい。
【0088】
重合性化合物(C1)は、ジペンタエリスリトール化合物に由来する構造を含むことが好ましく、式(1)で表される化合物を含むことがより好ましい。
【化7】
(式中、Yは、水素原子又は(メタ)アクリロイル基を表し、少なくとも1つのYは、(メタ)アクリロイル基である。Zは、炭素数2~10のアルキレン基を表す。a~fは、独立して、アルキレンオキシの単位数を表し、a+b+c+d+e+fは、10以上である。)
【0089】
式(1)において、6つのYは(メタ)アクリロイル基であってもよく、1つのYは水素原子であり、5つのYは(メタ)アクリロイル基であってもよく、2つのYは水素原子であり、4つのYは(メタ)アクリロイル基であってもよく、これらの混合物であってもよい。
中でも、式(1)で表される化合物は、6つのYが(メタ)アクリロイル基である化合物及び5つのYが(メタ)アクリロイル基であり1つのYが水素原子である化合物の混合物であることが好ましい。
【0090】
Zで表されるアルキレン基として、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等のアルキレン基が挙げられる。
Zは、好ましくは炭素数2~8のアルキレン基、より好ましくは炭素数2~6のアルキレン基、さらに好ましくは炭素数2~4のアルキレン基である。
【0091】
アルキレンオキシの単位数を表すa~fについて、a+b+c+d+e+fは、好ましくは11以上24以下、より好ましくは11以上20以下、さらに好ましくは12以上18以下、さらにより好ましくは12以上15以下である。
a~fはそれぞれ、好ましくは1~5の整数、より好ましくは1~4の整数、さらに好ましくは1~3の整数、さらに好ましくは2又は3の整数、さらにより好ましくは2である。
【0092】
式(I)において、アルキレンオキシ単位が-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-O-、又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-O-で表されることが好ましく、-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-CH2-O-、又は-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-O-で表されることがより好ましく、-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-O-、又は-CH2-CH2-CH2-CH2-O-で表されることがさらに好ましく、-CH2-CH2-O-又は-CH2-CH2-CH2-O-で表されることがさらにより好ましい。
式(I)に含まれるアルキレンオキシ単位は、全て同じアルキレンオキシ単位であってもよいが、異なるアルキレンオキシ単位を含んでいてもよく、全て同じアルキレンオキシ単位であることが好ましい。
【0093】
重合性化合物(C1)が(メタ)アクリロイル基の数が異なる2種以上の化合物を含む場合、(メタ)アクリロイル基が最も大きい(好ましくは6である)重合性化合物(C1-1)と、前記重合性化合物(C1-1)とは異なる(メタ)アクリロイル基の数である(好ましくは(メタ)アクリロイル基の数が5である)重合性化合物(C1-2)とのモル比[(C1-1)/(C1-2)]は、所望の水酸基価範囲を満たす観点から、例えば50/50~99/1、好ましくは55/45~90/10、より好ましくは60/40~85/15、さらに好ましくは65/35~80/20である。
【0094】
重合性化合物(C)は、水酸基価0mgKOH/g以上500mgKOH/g以下であり、かつアルキレンオキシ単位が10未満、好ましくは2未満である重合性化合物(C2)をさらに含んでもよい。
重合性化合物(C2)は、好ましくは水酸基価1mgKOH/g以上450mgKOH/g以下、より好ましくは5mgKOH/g以上400mgKOH/g以下、さらに好ましくは10mgKOH/g以上350mgKOH/g以下、さらにより好ましくは20mgKOH/g以上300mgKOH/g以下を有する。
重合性化合物(C2)は、アルキレンオキシ単位が1以下であることが好ましく、アルキレンオキシ単位が0であることがより好ましい。
【0095】
重合性化合物(C2)は、式(3)で表される化合物及び式(4)で表される化合物から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。重合性化合物(C2)は、1種であってもよく2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【化8】
(式中、Yは、水素原子又は(メタ)アクリロイル基を表す。少なくとも1つのYは、(メタ)アクリロイル基である。)
【化9】
(式中、Yは、水素原子又は(メタ)アクリロイル基を表す。少なくとも1つのYは、(メタ)アクリロイル基である。)
【0096】
式(3)において、4つのYは(メタ)アクリロイル基であってもよく、3つのYは(メタ)アクリロイル基、1つのYは水素原子であってもよく、2つのYは(メタ)アクリロイル基、2つのYは水素原子であってもよく、1つのYは(メタ)アクリロイル基、3つのYは水素原子であってもよく、これらから選ばれる2以上の混合物であってもよい。
中でも、式(3)で表される化合物は、4つのYが(メタ)アクリロイル基である化合物、3つのYが(メタ)アクリロイル基であり1つのYが水素原子である化合物、2つのYが(メタ)アクリロイル基であり2つのYが水素原子である化合物、及び1つのYが(メタ)アクリロイル基であり3つのYが水素原子である化合物の混合物であることが好ましい。
【0097】
式(4)において、6つのYは(メタ)アクリロイル基であってもよく、5つのYは(メタ)アクリロイル基、1つのYは水素原子であってもよく、4つのYは(メタ)アクリロイル基、2つのYは水素原子であってもよく、3つのYは(メタ)アクリロイル基、3つのYは水素原子であってもよく、2つのYは(メタ)アクリロイル基、4つのYは水素原子であってもよく、1つのYは(メタ)アクリロイル基、5つのYは水素原子であってもよく、これらから選ばれる2以上の混合物であってもよい。
中でも、式(4)で表される化合物は、6つのYが(メタ)アクリロイル基である化合物及び5つのYが(メタ)アクリロイル基であり1つのYが水素原子である化合物の混合物であることが好ましい。
【0098】
前記重合性化合物(C1)及び(C2)の市販品としては、A-DPH-12EL、A-9530、A-TMM-3LM-N(新中村化学工業株式会社)、アロニックスMT-3545、MT-3548(東亞合成株式会社)等が挙げられる。
【0099】
重合性化合物(C)が重合性化合物(C1)及び重合性化合物(C2)を含む場合、重合性化合物(C1)/重合性化合物(C2)の質量比は、例えば1~20、好ましくは1.2~10、より好ましくは1.5~5、さらに好ましくは1.8~3.5である。
【0100】
本発明の重合性化合物(C)は、重合性化合物(C1)及び/又は重合性化合物(C2)を含み本発明の効果を奏する限り、他の重合性化合物(C3)を含んでいてもよい。
【0101】
他の重合性化合物(C3)としては以下のものが挙げられる。
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、例えば、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、N-ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0102】
エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル及び3-メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0103】
エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0104】
重合性化合物(C3)の重量平均分子量は、好ましくは50以上4,000以下であり、より好ましくは70以上3,500以下であり、さらに好ましくは100以上3,000以下であり、よりさらに好ましくは150以上2,900以下であり、特に好ましくは250以上1,500以下である。
【0105】
重合性化合物(C1)、(C2)、及び(C3)の含有率(好ましくは重合性化合物(C1)及び(C2)の含有率又は重合性化合物(C1)の含有率)は、重合性化合物(C)100質量%中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらにより好ましくは100質量%である。
【0106】
重合性化合物(C)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量に対して、例えば1質量%以上99質量%以下であってよく、好ましくは3質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上80質量%以下であり、さらに好ましくは7質量%以上70質量%以下である。
【0107】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であればよい。
【0108】
重合開始剤(D)として、O-アシルオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物及びアシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
【0109】
前記O-アシルオキシム化合物は、式(d-1)で表される部分構造を有する化合物である。式中、*は結合手を表す。
【0110】
【0111】
前記O-アシルオキシム化合物としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセチルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロヘキシルプロパン-1-オン-2-イミン等が挙げられる。イルガキュアOXE01(N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン)、イルガキュアOXE02(N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン)(以上、BASF製)、N-1919(ADEKA製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O-アシルオキシム化合物は、N-アセチルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロヘキシルプロパン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン及びN-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、N-アセチルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロヘキシルプロパン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミンがより好ましい。これらのO-アシルオキシム化合物であると、高明度な光学フィルタが得られる傾向にある。
【0112】
前記アルキルフェノン化合物は、式(d-2)で表される部分構造又は式(d-3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。式中、*は結合手を表す。
【0113】
【0114】
式(d-2)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]ブタン-1-オン等が挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF製)等の市販品を用いてもよい。
【0115】
式(d-3)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロペニルフェニル)プロパン-1-オンのオリゴマー、α,α-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d-2)で表される部分構造を有する化合物が好ましい。
【0116】
前記トリアジン化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0117】
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF製)等の市販品を用いてもよい。
【0118】
前記ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6-75372号公報、特開平6-75373号公報等参照)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48-38403号公報、特開昭62-174204号公報等参照)、4,4’5,5’-位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているビイミダゾール化合物(例えば、特開平7-10913号公報等参照)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物及びこれらの混合物が好ましい。
【0119】
【0120】
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
【0121】
酸を発生する重合開始剤としては、例えば、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類等が挙げられる。
【0122】
重合開始剤(D)としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む重合開始剤が好ましく、O-アシルオキシム化合物及び/又はビイミダゾール化合物を含む重合開始剤がより好ましく、O-アシルオキシム化合物を含む重合開始剤がさらに好ましい。
【0123】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上20質量部以下である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるため光学フィルタの生産性が向上する。
【0124】
<重合開始助剤(D1)>
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤(D)によって重合が開始された重合性化合物(C)の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
【0125】
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。
【0126】
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、好ましくは4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。また、アミン化合物として、EAB-F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
【0127】
アルコキシアントラセン化合物としては、9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン及び2-エチル-9,10-ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
【0128】
チオキサントン化合物としては、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン及び1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0129】
カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N-ナフチルグリシン及びナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0130】
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有量は、着色硬化性樹脂組成物に含まれる全樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下、より好ましくは1質量部以上20質量部以下である。
【0131】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。
溶剤(E)は、例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶剤は、2種以上を併用してもよい。
【0132】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等が挙げられる。
【0133】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
【0134】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0135】
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
【0136】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
【0137】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
【0138】
アミド溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等が挙げられる。
【0139】
溶剤(E)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル及びシクロヘキサノンが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
【0140】
溶剤(E)を含む場合、溶剤(E)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常99.99質量%以下であり、好ましくは40質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上97質量%以下であり、さらに好ましくは70質量%以上96質量%以下であり、よりさらに好ましくは73質量%以上95質量%以下である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量は、通常0.01質量%以上であり、好ましくは1質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上50質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以上30質量%以下であり、よりさらに好ましくは5質量%以上27質量%以下である。溶剤(E)の含有率が前記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0141】
<チオール化合物(T)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、チオール化合物(T)を含んでいてもよい。チオール化合物(T)は、分子内にスルファニル基(-SH)を有する化合物である。
【0142】
分子内にスルファニル基を1つ有する化合物としては、例えば、2-スルファニルオキサゾール、2-スルファニルチアゾール、2-スルファニルベンズイミダゾール、2-スルファニルベンゾチアゾール、2-スルファニルベンゾオキサゾール、2-スルファニルニコチン酸、2-スルファニルピリジン、2-スルファニルピリジン-3-オール、2-スルファニルピリジン-N-オキサイド、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-スルファニルピリミジン、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-スルファニルピリミジン、4-アミノ-2-スルファニルピリミジン、6-アミノ-5-ニトロソ-2-チオウラシル、4,5-ジアミノ-6-ヒドロキシ-2-スルファニルピリミジン、4,6-ジアミノ-2-スルファニルピリミジン、2,4-ジアミノ-6-スルファニルピリミジン、4,6-ジヒドロキシ-2-スルファニルピリミジン、4,6-ジメチル-2-スルファニルピリミジン、4-ヒドロキシ-2-スルファニル-6-メチルピリミジン、4-ヒドロキシ-2-スルファニル-6-プロピルピリミジン、2-スルファニル-4-メチルピリミジン、2-スルファニルピリミジン、2-チオウラシル、3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-チオール、4,5-ジフェニルイミダゾール-2-チオール、2-スルファニルイミダゾール、2-スルファニル-1-メチルイミダゾール、4-アミノ-3-ヒドラジノ-5-スルファニル-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-スルファニル-1,2,4-トリアゾール、2-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール、4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール、3-スルファニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール、2-アミノ-5-スルファニル-1,3,4-チアジアゾール、5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール、2,5-ジスルファニル-1,3,4-チアジアゾール、(フラン-2-イル)メタンチオール、2-スルファニル-5-チアゾリドン、2-スルファニルチアゾリン、2-スルファニル-4(3H)-キナゾリノン、1-フェニル-1H-テトラゾール-5-チオール、2-キノリンチオール、2-スルファニル-5-メチルベンズイミダゾール、2-スルファニル-5-ニトロベンズイミダゾール、6-アミノ-2-スルファニルベンゾチアゾール、5-クロロ-2-スルファニルベンゾチアゾール、6-エトキシ-2-スルファニルベンゾチアゾール、6-ニトロ-2-スルファニルベンゾチアゾール、2-スルファニルナフトイミダゾール、2-スルファニルナフトオキサゾール、3-スルファニル-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-6-スルファニルピラゾロ[2,4-d]ピリジン、2-アミノ-6-プリンチオール、6-スルファニルプリン、4-スルファニル-1H-ピラゾロ[2,4-d]ピリミジン等が挙げられる。
【0143】
分子内にスルファニル基を2つ以上有する化合物としては、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ビス(メチルスルファニル)ベンゼン、ブタンジオールビス(3-スルファニルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3-スルファニルアセテート)、エチレングリコールビス(3-スルファニルアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-スルファニルアセテート)、ブタンジオールビス(3-スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-スルファニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-スルファニルアセテート)、トリスヒドロキシエチルトリス(3-スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-スルファニルブチレート)、1,4-ビス(3-スルファニルブチルオキシ)ブタン等が挙げられる。
【0144】
チオール化合物(T)の含有量は、重合開始剤(D)100質量部に対して、好ましくは0.5~50質量部、より好ましくは5~45質量部であり、更に好ましくは10~40質量部である。チオール化合物(T)の含有量がこの範囲内にあると、感度が高くなり、また現像性が良好になる傾向がある。
【0145】
<レベリング剤(F)>
レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
【0146】
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0147】
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(AGC(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0148】
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0149】
レベリング剤(F)を含有する場合、レベリング剤(F)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.0005質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以上0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.005質量%以上0.1質量%以下である。なおこの含有量に、顔料分散剤の含有量は含まれない。レベリング剤(F)の含有率が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0150】
<その他の成分>
着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、クエンチャー、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
密着促進剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-スルファニルプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン及びN-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0151】
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、並びに必要に応じて用いられる重合開始助剤(D1)、溶剤(E)、レベリング剤(F)及びその他の成分を混合することにより調製できる。混合は公知又は慣用の装置や条件により行うことができる。
着色剤(A)は、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミル等を用いて分散させて得られた着色剤含有液として用いてもよく、着色剤含有液として用いることが好ましい。この際、必要に応じて前記分散剤、樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。このようにして得られた着色剤含有液に、残りの成分を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色硬化性樹脂組成物を調製できる。
また着色剤(A)として染料を含む場合の該染料は、予め溶剤(E)の一部又は全部に溶解させて溶液を調製してもよい。該溶液を、孔径0.01~1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
【0152】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物からカラーフィルタを形成することができる。着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、前記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
【0153】
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは6μm以下、さらに好ましくは4.5μm以下であり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。
【0154】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。またシリコン基板上にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を施した基板を使用してもよい。
【0155】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。加熱乾燥を行う場合の温度は、30℃以上120℃以下が好ましく、50℃以上110℃以下がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間以上60分間以下であることが好ましく、30秒間以上30分間以下であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50Pa以上150Pa以下の圧力下、20℃以上25℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
【0156】
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。また、露光面全体に均一に平行光線を照射することや、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。着色塗膜を形成する場合には、フォトマスクを用いずに露光すればよい。
【0157】
露光に用いられる光源としては、250nm以上450nm以下の波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
【0158】
露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色塗膜(着色パターン)が形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上5質量%以下である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後の基板は、水洗されることが好ましい。
【0159】
さらに、得られた着色パターン又は着色塗膜に、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、80℃以上250℃以下が好ましく、100℃以上245℃以下がより好ましい。ポストベーク時間は、1分間以上120分間以下が好ましく、2分間以上30分間以下がより好ましい。
このようにして得られた着色パターン及び着色塗膜は、カラーフィルタとして有用である。
【0160】
<表示装置、固体撮像素子>
前記カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)、及び固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例0161】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
【0162】
<顔料分散液(A-1)の調製>
C.I.ピグメントレッド254 12.0部
アクリル系顔料分散剤 2.4部
樹脂(B-1)(固形分換算) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 77.6部
を混合して顔料分散液(A-1)を得た。
【0163】
<顔料分散液(A-2)の調製>
C.I.ピグメントイエロー139 12.0部
アクリル系顔料分散剤 4.2部
樹脂(B-1)(固形分換算) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1.6部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.2部
を混合して顔料分散液(A-2)を得た。
【0164】
<顔料分散液(A-3)の調製>
C.I.ピグメントイエロー185 8.0部
アクリル系顔料分散剤 2.4部
樹脂(B-2)(固形分換算) 4.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 3.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 81.8部
を混合して顔料分散液(A-3)を得た。
【0165】
<顔料分散液(A-4)の調製>
C.I.ピグメントレッド269 12.0部
アクリル系顔料分散剤 2.4部
樹脂(B-3)(固形分換算) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 77.6部
を混合して顔料分散液(A-4)を得た。
【0166】
<顔料分散液(A-5)の調製>
C.I.ピグメントレッド272 12.0部
アクリル系顔料分散剤 2.4部
樹脂(B-3)(固形分換算) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 77.6部
を混合して顔料分散液(A-5)を得た。
【0167】
<顔料分散液(A-6)の調製>
C.I.ピグメントレッド291 12.0部
アクリル系顔料分散剤 2.4部
樹脂(B-3)(固形分換算) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 77.6部
を混合して顔料分散液(A-6)を得た。
【0168】
<顔料分散液(A-7)の調製>
C.I.ピグメントグリーン36 12.0部
アクリル系顔料分散剤 2.4部
樹脂(B-3)(固形分換算) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 77.6部
を混合して顔料分散液(A-7)を得た。
【0169】
<顔料分散液(A-8)の調製>
C.I.ピグメントイエロー138 12.0部
アクリル系顔料分散剤 2.4部
樹脂(B-3)(固形分換算) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 77.6部
を混合して顔料分散液(A-8)を得た。
【0170】
<樹脂(B-1)の合成例>
還流冷却器、滴下フロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート256部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8又は/及び9-イルアクリレートの混合物44部、アクリル酸57部、3-フェノキシベンジルアクリレート249部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート159部の混合溶液を3時間かけて滴下した。
【0171】
一方、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)25部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート210部に溶解した混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)51mPa・s、固形分36.0重量%の共重合体を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは11000、分散度1.98であった。
【0172】
<樹脂(B-2)の合成例>
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入菅を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート241部を加え、窒素置換しながら攪拌し、130℃に昇温した。次いで、2-エチルヘキシルアクリレート73部、グリシジルメタクリレート145部、およびジシクロペンタニルメタクリレート10部からなるモノマー混合物に、34部のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートを添加したものを、滴下ロートから2時間にわたって前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、さらに30分攪拌して共重合反応を行った。その後、フラスコ内を空気に置換し、アクリル酸を74部、トリフェニルホスフィン1部およびメトキノン1部を投入し、120℃で10時間にわたり反応を続け、次いで、反応系に無水コハク酸65部を加え、さらに1.5時間にわたり反応を続け、ポリマーを得た。最後に、反応溶液に、プロピレングリコールモノメチルエーテル300部を加えた後、ポリマー固形分40%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、ポリマー溶液を得た。生成した共重合体のB型粘度計(23℃)で測定した粘度は26mPa・s、固形分38.5%、重量平均分子量Mwは6600、固形分換算の酸価は92.5mgKOH/gであった。
【0173】
<樹脂(B-3)の合成例>
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート241部を加え、窒素置換しながら攪拌し、130℃に昇温した。
次いで、2-エチルヘキシルアクリレート72.6部、グリシジルメタクリレート145.3部、およびジシクロペンタニルメタクリレート9.7部からなるモノマー混合物に、33.5部のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートを添加したものを、滴下ロートから2時間にわたって前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、さらに30分攪拌して共重合反応を行った。
その後、フラスコ内を空気に置換し、アクリル酸73.7部、トリフェニルホスフィン0.9部およびメトキノン0.9部を投入し、120℃で10時間にわたり反応を続け、次いで、反応系に無水コハク酸65.2部を加え、さらに1.5時間にわたり反応を続け、ポリマーを得た。最後に、反応溶液に、プロピレングリコールモノメチルエーテル300部を加えた後、ポリマー固形分濃度40%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、ポリマー溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは6100、固形分換算の酸価は96.6mgKOH/gであった。
【0174】
<樹脂(B-4)の合成例>
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート256部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物44部、アクリル酸57部、3-フェノキシベンジルアクリレート249部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート159部の混合溶液を3時間かけて滴下した。
一方、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)25部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート210部に溶解した混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)51mPa・s、固形分36.0%の共重合体(樹脂(B-4))を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは11000、分散度1.98であった。
【0175】
着色硬化性樹脂組成物の調製
<実施例1~8及び比較例1~2>
各成分を表1に記載の配合比で混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0176】
【0177】
<着色剤(A)>
着色剤(A-1):前記顔料分散液(A-1)
着色剤(A-2):前記顔料分散液(A-2)
着色剤(A-3):前記顔料分散液(A-3)
着色剤(A-4):前記顔料分散液(A-4)
着色剤(A-5):前記顔料分散液(A-5)
着色剤(A-6):前記顔料分散液(A-6)
着色剤(A-7):前記顔料分散液(A-7)
着色剤(A-8):前記顔料分散液(A-8)
<樹脂(B)>
樹脂(B-3):前記樹脂(B-3)(固形分換算)
樹脂(B-4);前記樹脂(B-4)(固形分換算)
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C-1):式(1)で表される化合物(5つ又は6つのYがアクリロイル基、Z=-CH2-CH2-、a+b+c+d+e+f=12(a~fはそれぞれ2)、水酸基価=30mgKOH/g、エチレンオキシ基変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70モル%とエチレンオキシ基変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート30モル%の混合物)
重合性化合物(C-2):式(4)で表される化合物(5つ又は6つのYがアクリロイル基、水酸基価=120mgKOH/g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート70モル%とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30モル%の混合物)
重合性化合物(C-3):式(3)で表される化合物(1つ、2つ、3つ又は4つのYがアクリロイル基、水酸基価=280mgKOH/g、ペンタエリスリトールモノアクリレート5モル%、ペンタエリスリトールジアクリレート30モル%、ペンタエリスリトールトリアクリレート50モル%、ペンタエリスリトールテトラアクリレート15モル%の混合物)
重合性化合物(C-4):ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価=10mgKOH/g、アルキレンオキシ基=0)
重合性化合物(C-5):エチレンオキシ基変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとエチレンオキシ基変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価=4mgKOH/g、アルキレンオキシ基(エチレンオキシ基)=12)
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D-1):N-アセチルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロヘキシルプロパン-1-オン-2-イミン(常州強力電子新材料(株)製「PBG-327(O-アシルオキシム化合物)」)
<溶剤(E)>
溶剤(E-1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E-2):プロピレングリコールモノメチルエーテル
<レベリング剤>
レベリング剤(F-1):ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンSH8400」)
【0178】
<着色パターンの作製>
4インチのシリコン基板の表面に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で2分間プリベークして着色組成物層を得た。冷却後、着色組成物層を形成した基板を露光機(NSR-2205i11D;ニコン(株)製)を用いて、500J/m2~3000J/m2の露光量(365nm基準)で光照射した。光照射の際に、0.8μm、1.0μm、及び2.0μm四方のドットパターンを形成するためのフォトマスク(ピッチは、それぞれ、1.6μm、2.0μm、4.0μm)を使用した。光照射後の着色組成物層を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.3%含む水系現像液に23℃で30秒間浸漬現像し、水洗後、220℃のホットプレートで5分間ポストベークを行い、ポストベーク後の着色パターンを得た。
【0179】
<残渣評価>
上記で得られた着色パターンを有するシリコン基板について、電子顕微鏡(S-4100;(株)日立ハイテク社製)を用いて、倍率25000倍で形成された着色パターンおよび未露光部5μm四方を観察して、下記の判定基準で評価を行った。
<残渣判定基準>
◎:残渣5%以下
〇:残渣6~10%
△:残渣11~20%
×:残渣21%以上
【0180】
<密着性評価>
線幅1.0μmの着色パターンにおいて、顕微鏡により各露光量での着色パターンについて、基板から剥がれたものも含めて100個のドットを観察し、基板から剥がれずに残存しているドットの個数を数え、95個以上ドットが残存する露光量での着色パターンの線幅を測定し、下記の評価基準にしたがって、ポストベーク後の着色パターンの基板密着性を評価した。
<密着性評価基準>
◎:0.8μm以下
〇:0.81~0.85μm
△:0.86~9.0μm
×:9.1μm以上
低露光量で残存するドットが多いほど、密着性が良好であるといえる。
【0181】
【0182】
<密着性評価結果>
実施例1から、比較例1、及び比較例2と比べて、残渣が低減され、密着性が改善されたカラーフィルタを形成できることがわかった。また、実施例2~実施例8についても、従来の重合性化合物を用いた場合と比較して、残渣が低減され、密着性が改善されたカラーフィルタを形成できることがわかった。さらに、実施例1~8はいずれも、残渣低減及び密着性改善が同程度であることを示すことから、水酸基価10mgKOH/g超100mgKOH/g以下、アルキレンオキシ単位10以上の重合性化合物は、様々な着色剤に適用できることが分かる。