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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117084
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】フロースルー型プリントヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20240821BHJP
   B41J 2/18 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
B41J2/14 603
B41J2/18
B41J2/14 605
B41J2/14 305
B41J2/14 307
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024021689
(22)【出願日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】18/110826
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ナセル ブッドラー
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA01
2C056EA04
2C056EA17
2C056FA04
2C056FA10
2C056FA13
2C056HA05
2C056HA22
2C056KB16
2C057AF01
2C057AF21
2C057AF74
2C057AG11
2C057AG29
2C057AG31
2C057AG55
2C057AG68
2C057AG99
2C057AN01
2C057AN05
2C057AP31
2C057AQ03
2C057AQ06
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】印刷流体を噴射するプリントヘッドを提供する。
【解決手段】一実施形態では、フロースルー型プリントヘッドは、プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを含み、噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含む。フロースルー型プリントヘッドは、第1列の噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドと、第1列の噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドとを更に含む。第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドは、第1列の両側に配置され、第2のマニフォールドは、第1列と第2列との間の中間領域に配置される。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロースルー型プリントヘッドであって、
前記プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルであり、前記噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含む、複数の噴射チャネルと、
前記第1列の前記噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドと、
前記第1列の前記噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドと
を含み、
前記第1のマニフォールド及び前記第2のマニフォールドは、前記第1列の両側に配置され、前記第2のマニフォールドは、前記第1列と前記第2列との間の中間領域に配置される、フロースルー型プリントヘッド。
【請求項2】
前記第1列の前記噴射チャネルは、前記圧力チャンバを前記第1のマニフォールドに流体結合する第1のチャネル流体通路と、前記圧力チャンバを前記第2のマニフォールドに流体結合する第2のチャネル流体通路とをそれぞれ含み、
前記第1のチャネル流体通路及び前記第2のチャネル流体通路は、前記圧力チャンバの両側に配置される、請求項1に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項3】
前記印刷流体は、前記噴射チャネルの同じ長さ方向に、前記第1のチャネル流体通路及び前記第2のチャネル流体通路を介して前記圧力チャンバに流入し、前記圧力チャンバから流出する、請求項2に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項4】
前記第1列の前記噴射チャネルのそれぞれの前記第2のチャネル流体通路は、前記中間領域に配置される、請求項2に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項5】
前記第1のマニフォールドは、前記フロースルー型プリントヘッドの長手方向側部と前記第1列との間の外側領域に配置され、
前記第1列の前記噴射チャネルのそれぞれの前記第1のチャネル流体通路は、前記外側領域に配置される、請求項4に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項6】
前記第1のマニフォールド及び前記第2のマニフォールドを流体結合する1つ以上のマニフォールド間流体通路を更に含む、請求項1に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項7】
前記第2列の前記噴射チャネルに流体結合された第3のマニフォールドと、
前記第2列の前記噴射チャネルに流体結合された第4のマニフォールドと
を更に含み、
前記第3のマニフォールド及び前記第4のマニフォールドは、前記第2列の両側に配置され、前記第4のマニフォールドは前記中間領域に配置され、
前記第2のマニフォールドは、前記第1列と前記第4のマニフォールドとの間に配置され、前記第4のマニフォールドは、前記第2列と前記第2のマニフォールドとの間に配置される、請求項1に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項8】
請求項1に記載のフロースルー型プリントヘッドを含む噴射装置。
【請求項9】
フロースルー型プリントヘッドであって、
ハウジングと、
前記プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを形成する、前記ハウジングに取り付けられたプレートスタックであり、前記噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含む、プレートスタックと
を含み、
前記プレートスタックは、長手方向に配置されて前記第1列の前記噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドを形成し、
前記プレートスタックは、長手方向に配置されて前記第1列の前記噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドを形成し、
前記第1のマニフォールド及び前記第2のマニフォールドは、前記第1列の両側に配置され、前記第2のマニフォールドは、前記第1列と前記第2列との間の中間領域に配置される、フロースルー型プリントヘッド。
【請求項10】
前記第1列の前記噴射チャネルは、前記圧力チャンバを前記第1のマニフォールドに流体結合する第1のチャネル流体通路と、前記圧力チャンバを前記第2のマニフォールドに流体結合する第2のチャネル流体通路とをそれぞれ含み、
前記第1のチャネル流体通路及び前記第2のチャネル流体通路は、前記圧力チャンバの両側に配置される、請求項9に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項11】
前記印刷流体は、前記噴射チャネルの同じ長さ方向に、前記第1のチャネル流体通路及び前記第2のチャネル流体通路を介して前記圧力チャンバに流入し、前記圧力チャンバから流出する、請求項10に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項12】
前記第1列の前記噴射チャネルのそれぞれの前記第2のチャネル流体通路は、前記中間領域に配置される、請求項10に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項13】
前記第1のマニフォールドは、前記フロースルー型プリントヘッドの長手方向側部と前記第1列との間の外側領域に配置され、
前記第1列の前記噴射チャネルのそれぞれの前記第1のチャネル流体通路は、前記外側領域に配置される、請求項12に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項14】
前記プレートスタックは、
前記噴射チャネルのダイヤフラムを形成するダイヤフラムプレートと、
支持プレートと、
リストリクタプレートと、
前記噴射チャネルの圧力チャンバを形成する第1のチャンバプレート及び第2のチャンバプレートと、
前記噴射チャネルのノズルを画定するノズル孔を有するノズルプレートと
含み、
前記支持プレートは、前記第1のマニフォールド及び前記第2のマニフォールドを形成する、請求項10に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項15】
前記支持プレートは、
前記第1列の前記噴射チャネルの前記圧力チャンバの少なくとも一部を形成するように直線状の列に長手方向に概ね整列されたチャンバ開口部と、
前記第1のマニフォールドの少なくとも一部を形成するように前記支持プレートの長手方向側部と前記チャンバ開口部との間で長手方向に延在する第1のマニフォールド開口部と、
前記第2のマニフォールドを形成するように前記チャンバ開口部の前記直線状の列と前記支持プレートの長手方向中心線との間で長手方向に延在する第2のマニフォールド開口部と
を含む、請求項14に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項16】
前記リストリクタプレートは、
直線状の列に長手方向に概ね整列されたリストリクタ開口部であり、前記リストリクタ開口部のそれぞれは、前記第1列の前記噴射チャネルの前記圧力チャンバの個々の1つを前記第1のマニフォールドと流体結合するように構成される、リストリクタ開口部と、
前記リストリクタ開口部の前記直線状の列と平行な直線状の列に概ね整列され、前記リストリクタ開口部と前記リストリクタプレートの長手方向中心線との間に配置されたチャネルコネクタ開口部と
を含み、
前記チャネルコネクタ開口部のそれぞれは、前記第1列の前記噴射チャネルの前記圧力チャンバの個々の1つを前記第2のマニフォールドと流体結合するように構成される、請求項15に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項17】
前記第1のチャンバプレートは、
前記第1列の前記噴射チャネルの前記圧力チャンバの少なくとも一部を形成するように直線状の列に長手方向に概ね整列されたチャンバ開口部と、
前記チャンバ開口部の前記直線状の列と平行な直線状の列に概ね整列され、前記チャンバ開口部と前記第1のチャンバプレートの長手方向中心線との間に配置されたチャネルコネクタ開口部と
を含み、
前記チャネルコネクタ開口部のそれぞれは、前記第1列の前記噴射チャネルの前記圧力チャンバの個々の1つを前記第2のマニフォールドと流体結合するように構成される、請求項15に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項18】
前記第1のチャンバプレートは、
前記チャンバ開口部から前記チャネルコネクタ開口部に向かって途中まで延在する部分的にエッチングされたセグメントを更に含む、請求項17に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項19】
前記第2のチャンバプレートは、
前記第1列の前記噴射チャネルの前記圧力チャンバの少なくとも一部を形成するように直線状の列に長手方向に概ね整列されたチャンバ開口部と、
前記チャンバ開口部の前記直線状の列と平行な直線状の列に概ね整列され、前記チャンバ開口部と前記第2のチャンバプレートの長手方向中心線との間に配置されたチャネルコネクタ機構と
を含み、
前記チャネルコネクタ機構のそれぞれは、前記第1列の前記噴射チャネルの前記圧力チャンバの個々の1つを前記第2のマニフォールドと流体結合するように構成される、請求項15に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項20】
前記チャネルコネクタ機構は、部分的にエッチングされたセグメントを含む、請求項19に記載のフロースルー型プリントヘッド。
【請求項21】
請求項9に記載のフロースルー型プリントヘッドを含む噴射装置。
【請求項22】
フロースルー型プリントヘッドを動作させるステップを含む方法であって、
前記フロースルー型プリントヘッドは、
前記プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルであり、前記噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含む、複数の噴射チャネルと、
前記第1列の前記噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドと、
前記第1列の前記噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドと
を含み、
前記第1のマニフォールド及び前記第2のマニフォールドは、前記第1列の両側に配置され、前記第2のマニフォールドは、前記第1列と前記第2列との間の中間領域に配置され、
前記動作させるステップは、
前記第1列の各噴射チャネルについて、前記第1列の第1の側の前記第1のマニフォールドから前記圧力チャンバに印刷流体を搬送するステップと、
前記第1列の各噴射チャネルについて、前記圧力チャンバから前記第1の側とは反対の前記第1列の第2の側の前記第2のマニフォールドに非噴射印刷流体を搬送するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、画像形成の分野に関し、特に、プリントヘッド及び/又はプリントヘッドの設計に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成は、インク又は別のタイプの印刷流体の液滴を、紙、プラスチック、3D印刷用の基材のような媒体上に噴射することによってデジタル画像(例えば、2D画像、3D画像又はモデル等)が再現される手順である。画像形成は、プリンタ(例えば、インクジェットプリンタ、3Dプリンタ等)、ファクシミリ機、コピー機、プロット機、多機能周辺装置等のような装置で一般的に使用されている。典型的な噴射装置又は画像形成装置のコアは、液滴を排出するノズルを有する1つ以上の液滴吐出ヘッド(本明細書では一般的に「プリントヘッド」と呼ばれる)と、プリントヘッド及び/又は媒体を互いに対して移動させるための機構と、画素の形式でプリントヘッドの個々のノズルから媒体上に液体がどのように排出されるかを制御するコントローラである。
【0003】
典型的なプリントヘッドは、プリントヘッドの排出面に沿って1つ以上の列に整列された複数のノズルを含む。各ノズルは、ノズルと、圧力チャンバと、圧電アクチュエータのようなアクチュエータに応じて振動するダイヤフラムとを含む「噴射チャネル」の一部である。プリントヘッドはまた、画像又は印刷データに基づいて各個々の噴射チャネルがいつ発動するかを制御するドライバ回路を含む。噴射チャネルから噴射させるために、ドライバ回路は1つ以上の噴射パルスをアクチュエータに提供し、それによってアクチュエータが圧力チャンバの壁(すなわち、ダイヤフラム)を変形させる。圧力チャンバの変形は、ノズルから印刷流体(例えば、インク)の1つ以上の液滴を吐出する圧力波を圧力チャンバ内に生成する。
【0004】
ノズル又はメニスカス(meniscus)における印刷流体の乾燥、印刷流体の堆積、印刷流体内に存在する気泡等のような様々な要因に起因して、ノズル故障がプリントヘッドにおいて発生する可能性がある。これら及び他のノズル故障は劣化した印刷品質を生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載の実施形態は、フロースルー型プリントヘッド及びプリントヘッドを使用する関連する方法を提供する。一実施形態では、フロースルー型プリントヘッドは、隣接する列に配置された噴射チャネルを含む。第1列の噴射チャネルは、第1列の両側に配置された第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドに流体結合される。言い換えると、第2のマニフォールドは、噴射チャネルの列の間に配置される。したがって、第2のマニフォールドは、以前は使用されていなかった噴射チャネルの隣接する列の間のプリントヘッドの領域に配置され、印刷流体が噴射チャネルを通じて循環することを可能にする。1つの技術的利点は、印刷流体が噴射チャネルを通じて循環して、噴射チャネル内での印刷流体の乾燥又は堆積を回避し得ることであり、これは改善した噴射の一貫性及び性能を提供する。別の技術的利点は、プリントヘッドがより少ない積層体で構築され得ることであり、これは製造コストを低減し、より高い周波数の噴射を可能にする。
【0006】
一実施形態では、フロースルー型プリントヘッドは、プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを含み、噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含む。フロースルー型プリントヘッドは、第1列の噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドと、第1列の噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドとを更に含む。第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドは、第1列の両側に配置され、第2のマニフォールドは、第1列と第2列との間の中間領域に配置される。
【0007】
一実施形態では、フロースルー型プリントヘッドは、ハウジングと、プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを形成する、ハウジングに取り付けられたプレートスタックとを含む。噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含む。プレートスタックは、長手方向に配置されて第1列の噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドを形成する。これは、長手方向に配置されて第1列の噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドを形成する。第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドは、第1列の両側に配置され、第2のマニフォールドは、第1列と第2列との間の中間領域に配置される。
【0008】
一実施形態では、方法は、プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを含むフロースルー型プリントヘッドを動作させるステップを含み、噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含み、第1列の噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドを更に含み、第1列の噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドを更に含む。第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドは、第1列の両側に配置され、第2のマニフォールドは、第1列と第2列との間の中間領域に配置される。フロースルー型プリントヘッドを動作させるステップは、第1列の各噴射チャネルについて、第1列の第1の側の第1のマニフォールドから圧力チャンバに印刷流体を搬送するステップと、第1列の各噴射チャネルについて、圧力チャンバから第1の側とは反対の第1列の第2の側の第2のマニフォールドに非噴射印刷流体を搬送するステップとを含む。
【0009】
上記の概要は、本明細書のいくつかの態様の基本的な理解を提供する。この概要は、本明細書の広範な概観ではない。本明細書の主要な要素又は重要な要素を特定することも、本明細書の特定の実施形態の範囲又は特許請求の範囲を線引きすることも意図するものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化された形式で本明細書のいくつかの概念を提示することである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ここで、本開示のいくつかの実施形態について、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。全ての図面において、同じ参照符号は同じ要素又は同じタイプの要素を表す。
図1】例示的な実施形態における噴射装置の概略図である。
図2】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの斜視図である。
図3】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの斜視図である。
図4】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの断面図である。
図5A】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの概略図である。
図5B】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの概略図である。
図5C】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの概略図である。
図5D】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの概略図である。
図6A】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの一部の断面図である。
図6B】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの一部の断面図である。
図7】例示的な実施形態における噴射チャネルの斜視図である。
図8】例示的な実施形態におけるプリントヘッドのヘッド部材の分解斜視図を示す。
図9】例示的な実施形態におけるチャンバプレートを示す。
図10】例示的な実施形態におけるチャンバプレートを示す。
図11】例示的な実施形態におけるプリントヘッドの一部の断面図である。
図12】例示的な実施形態におけるプリントヘッドを動作させる方法を示すフローチャートである。
図13】例示的な実施形態における1つ以上のチャネル内パッシブミキサを有する噴射チャネルの斜視図である。
図14A】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図14B】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図14C】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図14D】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図14E】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図14F】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図14G】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図14H】例示的な実施形態における噴射チャネルのチャネル内パッシブミキサの平面図である。
図15】例示的な実施形態におけるリストリクタプレートを示す。
図16】例示的な実施形態におけるチャンバプレートを示す。
図17】例示的な実施形態における1つ以上のチャネル内パッシブミキサを有するプリントヘッドを動作させる方法を示すフローチャートである。
図18】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する噴射チャネルの斜視図である。
図19】例示的な実施形態におけるチャンバ内アクティブミキサの斜視図である。
図20】別の例示的な実施形態におけるチャンバ内アクティブミキサの斜視図である。
図21A】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21B】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21C】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21D】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21E】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21F】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21G】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21H】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図21I】例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサを有する圧力チャンバの平面図である。
図22】例示的な実施形態におけるチャンバプレートを示す。
図23】例示的な実施形態におけるチャンバ内アクティブミキサを有するプリントヘッドを動作させる方法を示すフローチャートである。
図24】例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサを有する噴射チャネルの斜視図である。
図25A】例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサを示す。
図25B】例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサを示す。
図25C】例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサを示す。
図25D】例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサを示す。
図26】例示的な実施形態におけるチャンバプレートを示す。
図27】例示的な実施形態におけるチャンバプレートを示す。
図28】例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサを有するプリントヘッドを動作させる方法を示すフローチャートである。
図29】例示的な実施形態におけるフロースルー型プリントヘッドの断面図である。
図30】例示的な実施形態における非フロースルー型プリントヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面及び以下の説明は、特定の例示的な実施形態を示す。したがって、当業者は、本明細書に明示的に記載又は図示されていないが、実施形態の原理を具現化し、実施形態の範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが認識される。さらに、本明細書に記載されるいずれかの例は、実施形態の原理の理解を助けることを意図するものであり、このような具体的に列挙された例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。結果として、本発明の概念は、以下に記載される特定の実施形態又は例に限定されず、特許請求の範囲及びそれらの均等物によって限定される。
【0012】
図1は、例示的な実施形態における噴射装置100の概略図である。噴射装置100は、印刷流体又はマーキング材料を媒体上に吐出するために1つ以上のプリントヘッドを使用するデバイス又はシステムである。噴射装置100の一例は、シングルパス印刷を実行するインクジェットプリンタ(例えば、連続フィード又はカットシートプリンタ)である。噴射装置100の他の例は、スキャンパスインクジェットプリンタ(例えば、ワイドフォーマットプリンタ)、多機能プリンタ、デスクトッププリンタ、産業用プリンタ、3Dプリンタ等を含む。一般的に、噴射装置100は、媒体112に対して1つ以上のプリントヘッド104を支持するマウント機構102を含む。マウント機構102は、シングルパス印刷のために噴射装置100内に固定されてもよい。或いは、マウント機構102は、マルチパス印刷のために走査線又は副走査方向に沿って前後に往復運動するキャリッジアセンブリに配置されてもよい。プリントヘッド104は、複数のノズル(図1では見えない)を通じてインク(例えば、水、溶媒、油又はUV硬化性)のような印刷流体の液滴106を吐出するように構成されたデバイス、装置又は構成要素である。プリントヘッド104のノズルから吐出された液滴106は、媒体112に向けられる。媒体112は、紙、プラスチック、カードストック、透明シート、3D印刷用の基材、布等のように、インク又は別の印刷若しくは噴射流体がプリントヘッドによって塗布されるいずれかのタイプの材料を含む。典型的には、プリントヘッド104のノズルは、プリントヘッド104及び/又は媒体112が互いに対して移動するときにノズルからの印刷流体の吐出が媒体112上に文字、記号、画像、物体の層等の形成を引き起こすように、1つ以上の列に配置される。噴射装置100は、媒体移送機構114又は媒体保持ベッド116を含んでもよい。媒体移送機構114は、プリントヘッド104に対して媒体112を移動させるように構成される。媒体保持ベッド116(例えば、圧盤)は、プリントヘッド104が媒体112に対して移動する間、媒体112を静止位置に支持するように構成される。
【0013】
噴射装置100はまた、噴射装置100の全体的な動作を制御する噴射装置コントローラ122を含む。噴射装置コントローラ122は、印刷ジョブ、印刷データ、画像データ等を受信するためにデータソースに接続し、媒体112上に印刷流体を排出するように各プリントヘッド104を制御してもよい。噴射装置100はまた、印刷流体又は複数のタイプの印刷流体のための1つ以上のリザーバ124を含む。図1に図示しないが、リザーバ124は、ホース等を用いてプリントヘッド104に流体結合される。
【0014】
図2は、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104の斜視図である。本実施形態では、プリントヘッド104はヘッド部材202及び電子機器204を含む。ヘッド部材202は、プリントヘッド104の噴射チャネルを形成する細長い構成要素である。典型的な噴射チャネルは、ノズルと、圧力チャンバと、圧電アクチュエータのようなアクチュエータによって駆動されるダイヤフラムとを含む。電子機器204は、別のコントローラ(例えば、噴射装置コントローラ122)から受信したデータ信号及び制御信号に応じて、プリントヘッド104のノズルがどのように液滴を噴射するかを制御する。電子機器204は、データ信号及び制御信号に基づいて個々の噴射チャネルを駆動するように構成された埋め込みプリントヘッドコントローラ又はドライバ回路を含む。図2のヘッド部材202の底面は、噴射チャネルのノズルを含み、プリントヘッド104の排出面220を表す。図2のヘッド部材202の上面(I/O面222と呼ばれる)は、1つ以上の印刷流体をプリントヘッド104に受け取り、及び/又は印刷流体(例えば、噴射されない流体)をプリントヘッド104から搬送するための入出力(I/O)部分を表す。I/O面222は、複数のI/Oポート211~214を含む。I/Oポート211~214は、印刷流体の入口又は入口点として機能するヘッド部材202内の開口部である入口I/Oポートを含んでもよい。I/Oポート211~214は、印刷流体の出口又は出口点として機能するヘッド部材202内の開口部である出口I/Oポートを含んでもよい。I/Oポート211~214は、リザーバ、カートリッジ等のホースと結合するためのホース継手、ホースバーブ等を含んでもよい。I/Oポート211~214の数は一例として提供されており、プリントヘッド104は他の数のI/Oポートを含んでもよい。
【0015】
一般的に、ヘッド部材202は、ハウジング230及びプレートスタック232を含む。ハウジング230は、ステンレス鋼又は別のタイプの材料から作られた剛性部材である。ハウジング230は、アクチュエータが噴射チャネルのダイヤフラムと接合する(すなわち、接触する)ことができるように、電子機器204がハウジング230を通過するための通路を提供するアクセス穴234を含む。プレートスタック232は、ハウジング230の接合面(見えない)に取り付けられる。プレートスタック232(積層プレートスタックとも呼ばれる)は、積層スタックを形成するために互いに固定又は結合された一連のプレートである。プレートスタック232は、1つ以上のノズルプレート、1つ以上のチャンバプレート、1つ以上のリストリクタプレート、サポート(又は支持)プレート及びダイヤフラムプレートのようなプレートを含んでもよい。ノズルプレートは、1つ以上の列に配置された複数のノズルを含む。チャンバプレートは、噴射チャネルの圧力チャンバを形成する複数の開口部を含む。リストリクタプレートは、噴射チャネルの圧力チャンバをマニフォールドに流体結合するためのリストリクタを形成する複数の開口部を含む。ダイヤフラムプレートは、アクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ)による作動に応じて振動する半可撓性材料のシートである。
【0016】
図2は、プリントヘッド104の1つの特定の構成を示しており、複数の噴射チャネルを有する他のプリントヘッド構成も本明細書で考慮されることが理解される。
【0017】
図3は、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104の斜視図である。一実施形態では、ヘッド部材202は、ハウジング230と、ハウジング230に固定されるか或いは取り付けられたプレートスタック232とを含むアセンブリである。プレートスタック232は、長さ350(すなわち、x軸に沿ったもの)及び幅352(すなわち、y軸に沿ったもの)を有する細長いスタックである。この説明では、x軸は、プリントヘッド104の長さ350に沿っており、x方向、長さ方向、長手方向等と呼ばれてもよい。y軸は、プリントヘッド104の幅352に沿っており、y方向、幅方向、横方向等と呼ばれてもよい。z軸は、プリントヘッド104の高さに沿っており、z方向、高さ方向等と呼ばれてもよい。プレートスタック232は、噴射チャネルのノズル306を形成するオリフィス(orifice)を有する1つ以上のノズルプレート304を含む。したがって、ノズルプレート304の底面は、プリントヘッド104の排出面220を画定する。ノズル306は、プレートスタック232の長さ350に沿って長手方向に、プリントヘッド104/プレートスタック232の長手方向側部312~313にほぼ平行に配置された2つのノズル列で図3に示されている。プリントヘッド104/プレートスタック232の長手方向中心線310は、噴射チャネルの隣接する列(これらの対応するノズルによって示される)の間でx軸に沿って示されており、列の間の対称軸を表す。図3には2つの列のノズル306が示されているが、他の実施形態では、噴射チャネル及びこれらの対応するノズル306は、1列又は2列よりも多くの列に配置されてもよい。
【0018】
図4は、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104の断面図である。図4は、図3の切断面4-4に沿った噴射チャネル402の列の一部の断面を示す。噴射チャネル402は、印刷流体を噴射又は吐出するように構成されたプリントヘッド104内の構造要素である。各噴射チャネル402は、ダイヤフラム410と、圧力チャンバ412(ヘルムホルツチャンバとも呼ばれる)と、ノズル306とを含む。アクチュエータ416は、ダイヤフラム410に接触して、噴射チャネル402からの噴射を制御する。噴射チャネル402は、プリントヘッド104(すなわち、プレートスタック232)の長さ350に沿った列に形成されてもよく、各噴射チャネル402は、図4に示すものと同様の構成を有してもよい。
【0019】
図5A図5Dは、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104の概略図である。図5Aにおいて、プリントヘッド104は、印刷流体が噴射チャネル402を通じてこれらの対応するノズル306を過ぎて循環し得るフロースルー型プリントヘッド504でもよい。したがって、噴射チャネル402自体がフロースルー型噴射チャネル540と呼ばれてもよい。プリントヘッド104内の噴射チャネル402の列501~502は、ノズル306の列として図5Aに概略的に示されている。一般的に、プリントヘッド104のための複数の噴射チャネル402は、プリントヘッド104の長さ350に沿って長手方向に(すなわち、x軸に沿って)配置された列501~502に配置され、概ね互いに平行である。プリントヘッド104は、マニフォールド510~511及び514~515を含む。マニフォールドは、複数の噴射チャネル402のための共通の流路を提供する、プリントヘッド104の内部(すなわち、ハウジング230及び/又はプレートスタック232の内部)の共通の導管又はチャネルである。列501において、例えば、各噴射チャネル402は、マニフォールド510~511に流体結合されてもよい。一実施形態では、マニフォールド510は、印刷流体を列501の噴射チャネル402のセットに供給するように構成又は動作されるとき、供給マニフォールドと呼ばれてもよい。マニフォールド510は、例えば、外部供給源から印刷流体を受け取るためにI/Oポート211~212の間に流体結合されてもよく、印刷流体を複数の噴射チャネル402に供給する能力を有する共通供給導管として機能してもよい。マニフォールド511は、列501の噴射チャネル402から印刷流体を受け取るように構成又は動作されるとき、戻りマニフォールドと呼ばれてもよい。噴射チャネル402のノズル306から噴射されない印刷流体は、本明細書では「非噴射印刷流体」と呼ばれてもよい。したがって、噴射チャネル402から印刷流体を受け取るマニフォールドは、本明細書では、非噴射印刷流体を受け取ると呼ばれてもよい。マニフォールド511は、列501の複数の噴射チャネル402から非噴射印刷流体を受け取る能力を有する共通戻り導管として機能してもよい。マニフォールド511は、列501の噴射チャネル402を通じてマニフォールド510と流体結合され、また、1つ以上のマニフォールド間流体通路512を通じてマニフォールド510と流体結合されてもよい。
【0020】
列502において、例えば、各噴射チャネル402は、マニフォールド514~515に流体結合されてもよい。一実施形態では、マニフォールド514は、印刷流体を列502の噴射チャネル402のセットに供給するように構成又は動作されるとき、供給マニフォールドと呼ばれてもよい。マニフォールド514は、例えば、外部供給源から印刷流体を受け取るためにI/Oポート213~214の間に流体結合されてもよく、印刷流体を複数の噴射チャネル402に供給する能力を有する共通供給導管として機能してもよい。マニフォールド515は、列502の噴射チャネル402から印刷流体を受け取るように構成又は動作されるとき、戻りマニフォールドと呼ばれてもよい。マニフォールド515は、列502の複数の噴射チャネル402から非噴射印刷流体を受け取る能力を有する共通戻り導管として機能してもよい。マニフォールド515は、列502の噴射チャネル402を通じてマニフォールド514と流体結合され、また、1つ以上のマニフォールド間流体通路516を通じてマニフォールド510と流体結合されてもよい。
【0021】
マニフォールド510及び514は、本明細書では供給マニフォールドと呼ばれてもよく、マニフォールド511及び515は、本明細書では戻りマニフォールドと呼ばれてもよいが、印刷流体の流れは、プリントヘッド104内で逆になってもよい。したがって、流れが逆になるとき(すなわち、図5Aに示す流れと反対の流れ)、マニフォールド510及び514は戻りマニフォールドを含んでもよく、マニフォールド511及び515は供給マニフォールドを含んでもよい。
【0022】
図5Aにおいて、各噴射チャネル402は、フロースルー型タイプの噴射チャネル540として、圧力チャンバ412への独立した流路と、圧力チャンバ412からの独立した流路とを有し、これらは、別の噴射チャネル402と共有又は共通ではない。例えば、列501の各噴射チャネル402は、マニフォールド511と噴射チャネル402の圧力チャンバ412との間にチャネル流体通路520(チャネル流体導管とも呼ばれる)を含み(図4も参照する)、噴射チャネル402の圧力チャンバ412とマニフォールド510との間にチャネル流体通路521も含む。チャネル流体通路520~521は、印刷流体が例えばマニフォールド510から圧力チャンバ412に流れ、(非噴射)印刷流体が圧力チャンバ412からマニフォールド511に(或いは逆方向に)流出するための別個の経路を表す。
【0023】
同様に、列502の各噴射チャネル402は、マニフォールド514と噴射チャネル402の圧力チャンバ412との間にチャネル流体通路520を含み(図4も参照する)、噴射チャネル402の圧力チャンバ412とマニフォールド515との間にチャネル流体通路521も含む。チャネル流体通路520~521は、印刷流体が例えばマニフォールド514から圧力チャンバ412に流れ、(非噴射)印刷流体が圧力チャンバ412からマニフォールド515に(或いは逆方向に)流出するための別個の経路を表す。
【0024】
一実施形態では、マニフォールド510~511及び514~515の主要な部分又は区分は、列501~502に配置された噴射チャネル402と流体結合するように、プリントヘッド104内で長手方向に(すなわち、x軸に沿って)配置される。いくつかのフロースルー型プリントヘッドでは、戻りマニフォールドは、噴射チャネルの列の供給マニフォールドと同じ側に長手方向に配置される。本明細書の一実施形態では、マニフォールド510~511は、噴射チャネル402の列501の両側に配置される。同様に、マニフォールド514~515は、噴射チャネル402の列502の両側に配置される。この構造を示すために、プリントヘッド104の長手方向側部312~313が示されている。マニフォールド510は、長手方向側部312と列501との間の噴射チャネル402の列501の一方側570(すなわち、第1の側)に配置され、マニフォールド511は、隣接する列501~502の間(すなわち、列501と長手方向中心線310との間)の噴射チャネル402の列501の他方側572(すなわち、第2の側)に配置される。噴射チャネル402の列の「側」は、列の長さに沿った長手方向側部を含む。マニフォールド511は、列501内の個々の噴射チャネル402のチャネル流体通路521と同様に、噴射チャネル402の列501~502の間の中間領域550に配置される。同様に、マニフォールド514は、噴射チャネル402の列502の一方側574(すなわち、第1の側)に、長手方向側部313と列502との間に配置され、マニフォールド515は、噴射チャネル402の列502の他方側576(すなわち、第2の側)に、隣接する列501~502の間(すなわち、列502と長手方向中心線310との間)に配置される。マニフォールド515は、列502の個々の噴射チャネル402のチャネル流体通路521と同様に、列501~502の間の中間領域550に配置される。したがって、マニフォールド511は列501とマニフォールド515との間に配置され、マニフォールド515は列502とマニフォールド511との間に配置される。
【0025】
図5Bにおいて、マニフォールド510は、例えば、外部供給源から印刷流体を受け取るように、I/Oポート211に流体結合されてもよく、マニフォールド511は、プリントヘッド104から外部容器への印刷流体の出口経路を提供するように、I/Oポート212に流体結合されてもよい。同様に、マニフォールド514は、例えば、外部供給源から印刷流体を受け取るように、I/Oポート213に流体結合されてもよく、マニフォールド515は、プリントヘッド104から外部容器への印刷流体のための出口経路を提供するように、I/Oポート214に流体結合されてもよい。簡潔にするために、図5Aについて上記に説明した概念が図5Bの構成に適用されることが理解される。
【0026】
図5Cにおいて、プリントヘッド104は、更なるI/Oポート591~594を含んでもよい。例えば、マニフォールド510は、I/Oポート211~212に流体結合されてもよく、マニフォールド511は、I/Oポート591~592に流体結合されてもよく、マニフォールド514は、I/Oポート213~214に流体結合されてもよく、マニフォールド515は、I/Oポート593~594に流体結合されてもよい。簡潔にするために、図5Aについて上記に説明した概念が図5Cの構成に適用されることが理解される。
【0027】
図5A図5Cに示す構成では、プリントヘッド104は、単一のタイプの印刷流体(例えば、単一色)又は2つの異なるタイプの印刷流体(例えば、2色)を噴射するように動作してもよい。しかし、プリントヘッド104は、より多くのタイプの印刷流体を噴射するように構成されてもよい。図5Dは、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104の概略図である。この実施形態では、プリントヘッド104は、マニフォールド510~511、514~515、530~531及び534~535を含む。列501において、噴射チャネル402のサブセットがマニフォールド510~511に流体結合され、噴射チャネル402のサブセットがマニフォールド530~531に流体結合される。列502において、噴射チャネル402のサブセットがマニフォールド514~515に流体結合され、噴射チャネル402のサブセットがマニフォールド534~535に流体結合される。簡潔にするために、図5Aについて上記に説明した概念が図5Dの構成に適用されることが理解される。図5Dに示す構成では、プリントヘッド104は、単一タイプの印刷流体(例えば、単一色)、2つの異なるタイプの印刷流体(例えば、2色)又は4つの異なるタイプの印刷流体(例えば、4色)を噴射するように動作してもよい。
【0028】
プリントヘッド104の噴射チャネル402を通じて印刷流体を循環させるために、1つ以上の方法が使用されてもよい。例えば、マニフォールド510及び/又はマニフォールド511内の圧力は、マニフォールド510~511の間に圧力差を生成するように調整されてもよい。圧力差は、印刷流体が列501の噴射チャネル402を通って流れるようにする。同様に、マニフォールド514及び/又はマニフォールド515内の圧力は、マニフォールド514~515の間に圧力差を生成するように調整されてもよい。圧力差は、印刷流体が列502の噴射チャネル402を通って流れるようにする。
【0029】
図6A図6Bは、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104の一部の断面図である。図6A図6Bは、図3の切断面6-6に沿ったプリントヘッド104の断面を示す。図6Aにおいて、2つの噴射チャネル402が隣接する列501~502に示されている。図4と同様に、噴射チャネル402は、ダイヤフラム410と、圧力チャンバ412と、ノズル306とを含む(列502の噴射チャネル402のノズル306は、この断面では見えない点に留意する)。プリントヘッド104のマニフォールド510は、列501の噴射チャネル402に流体結合される。より具体的には、噴射チャネル402の圧力チャンバ412は、チャネル流体通路520を通じてマニフォールド510に流体結合される。一実施形態では、チャネル流体通路520は、チャネル流体通路520に沿ったマニフォールド510と圧力チャンバ412との間の印刷流体の流れを制御又は調整するリストリクタを含んでもよい。噴射チャネル402の圧力チャンバ412はまた、チャネル流体通路521を通じてマニフォールド511に流体結合される。
【0030】
プリントヘッド104のマニフォールド514は、列502の噴射チャネル402に流体結合される。より具体的には、噴射チャネル402の圧力チャンバ412は、チャネル流体通路520を通じてマニフォールド514に流体結合される。一実施形態では、チャネル流体通路520は、チャネル流体通路520に沿ったマニフォールド514と圧力チャンバ412との間の印刷流体の流れを制御するリストリクタを含んでもよい。噴射チャネル402の圧力チャンバ412はまた、チャネル流体通路521を通じてマニフォールド515に流体結合される。
【0031】
図6Aに示すように、噴射チャネル402の列501及び噴射チャネル402の列502は、プリントヘッド104内で互いに隣接しており、長手方向中心線310によって分離されている。マニフォールド511及び515は、噴射チャネル402の列501~502の間のプリントヘッド104/プレートスタック232の中間領域550に配置される。より具体的には、マニフォールド511及び515は、隣接する列501~502の噴射チャネル402の圧力チャンバ412の間に配置される。列501の噴射チャネル402について、マニフォールド510は、噴射チャネル402の列501と長手方向側部312との間のプリントヘッド104/プレートスタック232の外側領域652内の圧力チャンバ412の一方側(y軸に沿って)に配置される。マニフォールド510は、同様に外側領域652に配置されたチャネル流体通路520を介して圧力チャンバ412に流体結合される。マニフォールド511は、中間領域550内でy軸に沿って(マニフォールド510に対して)圧力チャンバ412の他方側に配置される。マニフォールド511は、圧力チャンバ412と長手方向中心線310との間に配置され、マニフォールド515及び/又は列502の噴射チャネル402から流体的に隔離されてもよい。
【0032】
列502の噴射チャネル402について、マニフォールド514は、噴射チャネル402の列502と長手方向側部313との間のプリントヘッド104/プレートスタック232の外側領域654内の圧力チャンバ412の一方側(y軸に沿って)に配置される。マニフォールド514は、同様に外側領域654に配置されたチャネル流体通路520を介して圧力チャンバ412に流体結合される。マニフォールド515は、中間領域550内でy軸に沿って(マニフォールド514に対して)圧力チャンバ412の他方側に配置される。マニフォールド515は、圧力チャンバ412と長手方向中心線310との間に配置され、マニフォールド511及び/又は列501の噴射チャネル402から流体的に隔離されてもよい。
【0033】
図6Bは、列501の噴射チャネル402の断面を示す。図6Bの矢印は、マニフォールド510から噴射チャネル402への、また、噴射チャネル402からマニフォールド511への印刷流体の流れを示す。印刷流体680は、マニフォールド510からチャネル流体通路520を通って圧力チャンバ412に流れる。圧力チャンバ412の1つの壁は、アクチュエータ416と物理的に接合するダイヤフラム410で形成されている。ダイヤフラム410は、アクチュエータ416による作動に応じて振動する半可撓性材料のシートを含んでもよい。噴射チャネル402から噴射するために、1つ以上の噴射パルスがアクチュエータ416に送信され、アクチュエータ210は、噴射パルスに応じて作動又は「発射」する。アクチュエータ416の発射は、ノズル306から1つ以上の液滴の噴射を引き起こす圧力波を圧力チャンバ412内に生成する。ノズル306から噴射されない非噴射印刷流体682は、チャネル流体通路521を通って圧力チャンバ412からマニフォールド511に流れる。
【0034】
図7は、例示的な実施形態における噴射チャネル402の斜視図である。上記のように、噴射チャネル402は、圧力チャンバ412と、ダイヤフラム410と、ノズル306とを含む。圧力チャンバ412は、長さ702(すなわち、y軸に沿ったもの)、幅703(すなわち、x軸に沿ったもの)及び高さ704(すなわち、z軸に沿ったもの)を有する。噴射チャネル402はまた、チャネル流体通路520~521を含む。一般的に、印刷流体の主な流れは、y軸に沿って噴射チャネル402を通って長手方向又は長さ方向に流れる。流れ方向714の流れの実施形態では、印刷流体は、チャネル流体通路520を通って圧力チャンバ412の一方側710(すなわち、第1の側)に流れる。印刷流体(すなわち、非噴射印刷流体)は、チャネル流体通路521を通って圧力チャンバ412の反対側711(すなわち、第2の側)から流出する。したがって、印刷流体は、噴射チャネル402の同じ長さ方向に(すなわち、y軸に沿って)、チャネル流体通路520及びチャネル流体通路521を介して圧力チャンバ412に流入し、圧力チャンバ210から流出する。さらに、圧力チャンバ412の第1の側710は、第2の側711よりもプリントヘッド104の長手方向側部312~313の近くに配置され、第2の側711は、第1の側710よりもプリントヘッド104の中間領域550の近くに配置される(図6Aを参照する)。この構造では、チャネル流体通路520及びチャネル流体通路521は、長さ方向において圧力チャンバ412の両側710~711に配置される。例えば、チャネル流体通路520及びチャネル流体通路521は、ノズル306に対して圧力チャンバ412の両側710~711に配置される。他の実施形態では、流れ方向714が逆になってもよい点に再度留意する。
【0035】
図4図6A図6B及び図7に示す噴射チャネル402は、ダイヤフラム、圧力チャンバ、ノズル及びチャネル流体通路のような噴射チャネルの基本構造を示すための例である。他のタイプの噴射チャネルも、本明細書で考慮される。例えば、いくつかの噴射チャネルは、図4図6A図6B及び図7に示すものとは異なる形状を有する圧力チャンバを有してもよく、いくつかの噴射チャネルは、図6A図6B及び図7等に示すものとは異なる形状を有するチャネル流体通路521を有してもよい。
【0036】
図8は、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104のヘッド部材202の分解斜視図を示す。この実施形態では、ヘッド部材202は、ハウジング230及びプレートスタック232を含むアセンブリである。プレートスタック232は、ハウジング230の接合面880に固定されるか或いは取り付けられ、噴射チャネル402の列を形成する。ハウジング230は、ステンレス鋼のような剛性材料から作られた細長い部材である。ハウジング230は、長さ、幅及び高さを有し、ハウジング230の寸法は、長さが幅よりも大きくなっている。噴射チャネル402の列の方向は、ハウジング230の長さに対応する。ハウジング230は、その中心又はその近くに、I/O面(見えない)から反対側の接合面880まで貫通するアクセス穴234を含む。アクセス穴234は、複数の圧電アクチュエータのようなアクチュエータアセンブリ(図示せず)が噴射チャネル402のダイヤフラム410を通過して接触するための通路を提供する。接合面880は、プレートスタック232に面するハウジング230の面であり、プレートスタック232のプレートと接合する。ハウジング230はまた、接合面880の長さに沿って長手方向に延びるマニフォールドダクト882~883を含む。マニフォールドダクト882~883は、印刷流体を搬送するように構成された接合面880に沿った細長い切れ目又は溝を含み、プリントヘッド104のマニフォールドの少なくとも一部を形成する。
【0037】
プレートスタック232は、積層プレート構造を形成するために互いに固定又は結合された一連のプレート801~805及び304を含む。図8に示すプレートスタック232は、プリントヘッドの基本構造の例であることを意図するものである。図8に示さないプレートスタック232の更なるプレートが存在してもよく、様々なプレートの構成は、所望に応じて変更されてもよい。また、図8は縮尺通りに描かれていない。
【0038】
一実施形態では、プレートスタック232は、以下のプレート、すなわち、ダイヤフラムプレート801、支持プレート802、リストリクタプレート803、チャンバプレート804~805及びノズルプレート304を含む。ダイヤフラムプレート801は、形状が概ね矩形であり、実質的に平坦又は平面である材料(例えば、金属(すなわち、ステンレス鋼)、プラスチック等)の薄いシートである。ダイヤフラムプレート801は、噴射チャネル402のダイヤフラム410を形成する半可撓性材料のシートを含むダイヤフラム811を含む。ダイヤフラムプレート801は、マニフォールド開口部812~813を更に含む。マニフォールド開口部は、列の噴射チャネル402のためのマニフォールドの少なくとも一部を形成する開口又は孔である。マニフォールド開口部812は、ダイヤフラムプレート801の長手方向側部890と噴射チャネル402の列のためのダイヤフラム811との間でダイヤフラムプレート801に沿って長手方向に延在し、ハウジング230のマニフォールドダクト882と流体結合される。マニフォールド開口部813は、ダイヤフラムプレート801の他方の長手方向側部891と噴射チャネル402の別の列のダイヤフラム811との間でダイヤフラムプレート801に沿って長手方向に延在し、ハウジング230のマニフォールドダクト883と流体結合される。
【0039】
支持プレート802(スペーサプレートとも呼ばれる)は、形状が概ね矩形であり、実質的に平坦又は平面である材料(例えば、金属(すなわち、ステンレス鋼)、プラスチック等)の薄いシートである。支持プレート802は、マニフォールド開口部822~823と、チャンバ開口部824~825と、マニフォールド開口部826~827とを含む。チャンバ開口部824は、直線状の列828に長手方向に概ね整列され、噴射チャネル402の第1列501において圧力チャンバ412の少なくとも一部を形成するように構成された開口又は孔を含む。マニフォールド開口部822は、支持プレート802の長手方向側部892と直線状の列828のチャンバ開口部824との間で支持プレート802に沿って長手方向に、且つ、チャンバ開口部824の直線状の列828と概ね平行に延在する細長い開口部である。マニフォールド開口部826は、チャンバ開口部824の直線状の列828と支持プレート802の長手方向中心線821との間で支持プレート802に沿って長手方向に、且つ、チャンバ開口部824の直線状の列828と概ね平行に延在する細長い開口部である。チャンバ開口部825は、直線状の列829に長手方向に概ね整列され、噴射チャネル402の第2の(隣接する)列502のための圧力チャンバ412の少なくとも一部を形成するように構成された開口又は穴を含む。マニフォールド開口部823は、支持プレート802の他方の長手方向側部893と直線状の列829のチャンバ開口部825との間で支持プレート802に沿って長手方向に、且つ、チャンバ開口部825の直線状の列829と概ね平行に延在する細長い開口部である。マニフォールド開口部827は、チャンバ開口部825の直線状の列829と支持プレート802の長手方向中心線821との間で支持プレート802に沿って長手方向に、且つ、チャンバ開口部825の直線列829と概ね平行に延在する細長い開口部である。
【0040】
リストリクタプレート803は、形状が概ね矩形であり、実質的に平坦又は平面状である材料(例えば、金属(すなわち、ステンレス鋼)、プラスチック等)の薄いシートである。リストリクタプレート803は、リストリクタ開口部834~835と、チャネルコネクタ開口部836~837とを含む。リストリクタ開口部834は、それぞれ横方向に配向された細長い開口部又は孔であり、直線状の列832に長手方向に概ね整列される。リストリクタ開口部834は、噴射チャネル402の第1列501の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部822、マニフォールド開口部812等によって形成される)と流体結合するように構成される。リストリクタ開口部834は、第1列501の個々の噴射チャネル402のためのリストリクタ(又はチャネル流体通路520)を少なくとも部分的に画定する。したがって、リストリクタ開口部834は、第1列501の噴射チャネル402の圧力チャンバ412の個々の1つをマニフォールド(例えば、マニフォールド510)と流体結合するようにそれぞれ構成される。チャネルコネクタ開口部836は、リストリクタ開口部834の直線状の列832と平行な直線状の列870に概ね整列された開口又は孔を含む。チャネルコネクタ開口部836は、リストリクタ開口部834とリストリクタプレート803の長手方向中心線831との間に配置される。チャネルコネクタ開口部836は、第1列501の噴射チャネル402の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部826によって形成される)と流体結合するように構成される。リストリクタ開口部835は、それぞれ横方向に配向された細長い開口又は孔であり、直線状の列833に長手方向に概ね整列される。リストリクタ開口部835は、第2列502の噴射チャネル402の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部823、マニフォールド開口部813等によって形成される)と流体結合するように構成される。リストリクタ開口部835は、第2列502の個々の噴射チャネル402のためのリストリクタを少なくとも部分的に画定する。したがって、リストリクタ開口部835は、第2列502の噴射チャネル402の圧力チャンバ412の個々の1つをマニフォールド(例えば、マニフォールド514)と流体結合するようにそれぞれ構成される。チャネルコネクタ開口部837は、リストリクタ開口部835の直線状の列833と平行な直線状の列871に概ね整列された開口又は孔を含む。チャネルコネクタ開口837は、リストリクタ開口部835とリストリクタプレート803の長手方向中心線831との間に配置される。チャネルコネクタ開口部837は、第2列502の噴射チャネル402の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部827によって形成される)と流体結合するように構成される。リストリクタプレート803は、マニフォールド間開口部838~839を更に含む。マニフォールド間開口部838は、それぞれ横方向に配向された細長い開口又は孔であり、2つのマニフォールドを流体結合するように構成されたマニフォールド間流体通路512を少なくとも部分的に形成する。マニフォールド間開口部839は、それぞれ横方向に配向された細長い開口又は孔であり、2つのマニフォールドを流体結合するように構成されたマニフォールド間流体通路516を少なくとも部分的に形成する。
【0041】
チャンバプレート804は、形状が概ね矩形であり、実質的に平坦又は平面である材料(例えば、金属(すなわち、ステンレス鋼)、プラスチック等)の薄いシートである。チャンバプレート804は、チャンバ開口部844~845と、チャネルコネクタ開口部846~847とを含む。チャンバ開口部844は、直線状の列842に長手方向に概ね整列された開口又は穴であり、第1列501の噴射チャネル402の圧力チャンバ412の少なくとも一部を形成する。チャネルコネクタ開口部846は、チャンバ開口部844の直線状の列842と平行な直線状の列872に概ね整列された開口又は孔を含む。チャネルコネクタ開口部846は、チャンバ開口部844とチャンバプレート804の長手方向中心線841との間に配置される。チャネルコネクタ開口部846は、第1列501の噴射チャネル402の個々の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部826によって形成される)と流体結合するようにそれぞれ構成され、したがって、チャネル流体通路521を少なくとも部分的に形成する。チャンバ開口部845は、直線状の列843に長手方向に概ね整列された開口又は穴であり、第2列502の噴射チャネル402の圧力チャンバ412の少なくとも一部を形成する。チャネルコネクタ開口部847は、チャンバ開口部845の直線状の列843と平行な直線状の列873に概ね整列された開口又は孔を含む。チャネルコネクタ開口部847は、チャンバ開口部845とチャンバプレート804の長手方向中心線841との間に配置される。チャネルコネクタ開口部847は、第2列502の噴射チャネル402の個々の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部827によって形成される)と流体結合するようにそれぞれ構成され、したがって、チャネル流体通路521を少なくとも部分的に形成する。チャンバプレート804は、マニフォールド間開口部848~849を更に含む。マニフォールド間開口部848は、それぞれ横方向に配向された細長い開口又は孔であり、2つのマニフォールドを流体結合するように構成されたマニフォールド間流体通路512を少なくとも部分的に形成する。マニフォールド間開口部849は、それぞれ横方向に配向された細長い開口又は孔であり、2つのマニフォールドを流体結合するように構成されたマニフォールド間流体通路516を少なくとも部分的に形成する。
【0042】
チャンバプレート805は、形状が概ね矩形であり、実質的に平坦又は平面である材料(例えば、金属(すなわち、ステンレス鋼)、プラスチック等)の薄いシートである。チャンバプレート805は、チャンバ開口部854~855と、チャネルコネクタ機構856~857とを含む。チャンバ開口部854は、直線状の列852に長手方向に概ね整列された開口又は穴であり、第1列501の噴射チャネル402の圧力チャンバ412の少なくとも一部を形成する。チャネルコネクタ機構856は、チャンバ開口部854の直線状の列852と平行な直線状の列874に概ね整列された開口、孔、エッチング(etch)等を含む。チャネルコネクタ機構856は、チャンバ開口部854とチャンバプレート805の長手方向中心線851との間に配置される。チャネルコネクタ機構856は、第1列501の噴射チャネル402の個々の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部826によって形成される)と流体結合するようにそれぞれ構成され、したがって、チャネル流体通路521を少なくとも部分的に形成する。チャンバ開口部855は、直線状の列853に長手方向に概ね整列された開口又は穴であり、第2列502の噴射チャネル402の圧力チャンバ412の少なくとも一部を形成する。チャネルコネクタ機構857は、チャンバ開口部855の直線状の列853と平行な直線状の列875に概ね整列された開口、孔、エッチング等を含む。チャネルコネクタ機構857は、チャンバ開口部855とチャンバプレート805の長手方向中心線851との間に配置される。チャネルコネクタ機構857は、第2列502の噴射チャネル402の個々の圧力チャンバ412をマニフォールド(すなわち、マニフォールド開口部827によって形成される)と流体結合するようにそれぞれ構成され、したがって、チャネル流体通路521を少なくとも部分的に形成する。チャネルコネクタ機構856~857は、孔、部分的なエッチング等を含んでもよいので、一般的に「機構」と呼ばれる。
【0043】
ノズルプレート304は、形状が概ね矩形であり、実質的に平坦又は平面である材料(例えば、金属(すなわち、ステンレス鋼)、プラスチック等)の薄いシートである。ノズルプレート304は、噴射チャネル402のノズル306を形成する開口又はノズル孔860を含む。例えば、ノズル孔860は、第1列501の噴射チャネル402のノズル306を形成するように直線状の列862に長手方向に概ね整列されてもよく、第2列502の噴射チャネル402のノズル306を形成するように直線状の列863に長手方向に概ね整列されてもよい。プレートスタック232の1つの技術的利点は、フロースルー型噴射チャネルが低減された数のプレートで形成され得ることである。
【0044】
一実施形態では、チャンバプレート804~805の一方又は双方は、チャネル流体通路521を形成するようにエッチングされてもよく或いは別法でパターン化されてもよい。図9は、例示的な実施形態におけるチャンバプレート804を示す。上記のように、チャンバプレート804は、実質的に平坦又は平面の材料のシートであり、したがって、対向する平面910~911を有する。平面910は、プリントヘッド104の排出面220に面し、平面911は、ハウジング230に面する。ズームウィンドウ900は、チャンバプレート804のチャンバ開口部844及びチャネルコネクタ開口部846の拡大図を示す。チャンバ開口部844は、チャンバプレート804にエッチング又は切削された細長い開口部であり、チャネルコネクタ開口部846は、チャンバ開口部844とチャンバプレート804の長手方向中心線841との間でチャンバプレート804にエッチング又は切削された開口部である。一実施形態では、チャンバプレート804は、チャンバ開口部844からチャネルコネクタ開口部846に向かって途中まで延在する部分的にエッチングされたセグメント902を更に含む。部分的にエッチングされたセグメント902を形成するために、チャンバプレート804は、平面910からチャンバプレート804の厚さ未満のエッチング深さまで部分的にエッチングされる。例えば、部分的にエッチングされたセグメント902は、エッチング深さがチャンバプレート804の厚さの約半分である「ハーフエッチング」を含んでもよい。したがって、部分的にエッチングされたセグメント902は、チャンバプレート804を通る孔を形成しない。部分的にエッチングされたセグメント902は、チャンバ開口部844から始まり、チャネルコネクタ開口部846に向かって長さ920に沿って(すなわち、y軸に沿って)延在する。一実施形態では、部分的にエッチングされたセグメント902の長さ920は、チャンバ開口部844とチャネルコネクタ開口部846との間の距離930よりも小さい。部分的にエッチングされたセグメント902の幅922(すなわち、x軸に沿ったもの)は、チャンバ開口部844の幅932に対応してもよい。部分的にエッチングされたセグメント902は、同様の方法で、チャンバプレート804の各チャンバ開口部844~845とチャネルコネクタ開口部846~847との間でエッチングされてもよい。1つの技術的利点は、チャネル流体通路521が既存のリソグラフィプロセスを使用してパターン化され得ることである。
【0045】
図10は、例示的な実施形態におけるチャンバプレート805を示す。上記のように、チャンバプレート805は、実質的に平坦又は平面の材料のシートであり、したがって、対向する平面1010~1011を有する。平面1010は、プリントヘッド104の排出面220に面し、平面1011は、ハウジング230に面する。ズームウィンドウ1000は、チャンバプレート805のチャンバ開口部854及びチャネルコネクタ機構856の拡大図を示す。チャンバ開口部854は、チャンバプレート805にエッチング又は切削された開口部である。一実施形態では、チャネルコネクタ機構856は、チャンバプレート805内の部分的にエッチングされたセグメント1002を含む。部分的にエッチングされたセグメント1002を形成するために、チャンバプレート805は、平面1011からチャンバプレート805の厚さ未満のエッチング深さまで部分的にエッチングされる。例えば、部分的にエッチングされたセグメント1002は、エッチング深さがチャンバプレート805の厚さの約半分である「ハーフエッチング」を含んでもよい。したがって、部分的にエッチングされたセグメント1002は、チャンバプレート805を通る孔を形成しない。部分的にエッチングされたセグメント1002は、チャンバプレート805の長手方向中心線851とチャンバ開口部854との間の長さ1020に沿って(すなわち、y軸に沿って)延在する。チャンバプレート805のチャネルコネクタ機構856のそれぞれは、上記のように部分的にエッチングされたセグメント1002を含んでもよい。他の実施形態では、チャネルコネクタ機構856は、孔、孔及び部分的にエッチングされたセグメント等を含んでもよい。1つの技術的利点は、チャネル流体通路521が既存のリソグラフィプロセスを使用してパターン化され得ることである。
【0046】
図8図10のプレートスタック232の構成は一例として提供されており、本明細書では他の構成も考慮される。
【0047】
図11は、図8図10のようなプレートスタック232を有する例示的な実施形態におけるプリントヘッド104の一部の断面図である。図11は、列501の噴射チャネル402を示すために、図3の切断面6-6に沿ったプリントヘッド104の断面を示す。プリントヘッド104は、ハウジング230と、噴射チャネル402を形成するためにハウジング230に固定されるか或いは取り付けられたプレートスタック232とを含む。上記のように、プレートスタック232は、ダイヤフラムプレート801と、支持プレート802と、リストリクタプレート803と、チャンバプレート804~805と、ノズルプレート304とを含む。ノズルプレート304のノズル孔860は、噴射チャネル402のノズル306を画定する(図8も参照する)。チャンバプレート805のチャンバ開口部854、チャンバプレート804のチャンバ開口部844、リストリクタプレート803のリストリクタ開口部834及び支持プレート802のチャンバ開口部824は、噴射チャネル402の圧力チャンバ412を形成又は画定する。リストリクタ開口部834は、チャンバプレート804及び支持プレート802と共に、マニフォールド510と圧力チャンバ412との間の印刷流体の流れを制御又は調整するように構成されたチャネル流体通路520を含むリストリクタ1110を形成又は画定する。ダイヤフラムプレート801及び支持プレート802のマニフォールド開口部812及び822は、ハウジング230のマニフォールドダクト882と共に、マニフォールド510を形成又は画定する。図11に図示しないが、ダイヤフラムプレート801及び支持プレート802のマニフォールド開口部813及び823は、ハウジング230のマニフォールドダクト883と共に、図6A及び図8に示すようなマニフォールド514を形成又は画定する。支持プレート802のマニフォールド開口部826は、マニフォールド511を画定する。リストリクタプレート803のチャネルコネクタ開口部836、チャンバプレート805のチャネルコネクタ開口部846及びチャンバプレート804のチャネルコネクタ機構856は、圧力チャンバ412とマニフォールド511との間のチャネル流体通路521を形成又は画定する。図11に図示しないが、支持プレート802のマニフォールド開口部827は、図6A及び図8に示すようなマニフォールド515を画定する。リストリクタプレート803のチャネルコネクタ開口部837、チャンバプレート804のチャネルコネクタ開口部847及びチャンバプレート805のチャネルコネクタ機構857は、図6A及び図8に示すように、圧力チャンバ412とマニフォールド515との間のチャネル流体通路521を形成又は画定する。一実施形態では、マニフォールド511及びマニフォールド515は、支持プレート802によって形成される。一実施形態では、マニフォールド510及びマニフォールド514は、少なくとも支持プレート802によって形成される。
【0048】
上記に開示されるプリントヘッド104の構造の1つの技術的利点は、非噴射印刷流体をプリントヘッド104の中心に向けて送ることによって、噴射チャネル402を通じて印刷流体が循環してもよく、これが噴射チャネル402内での印刷流体の乾燥又は堆積を回避することにある。別の利点は、プリントヘッド104の中心に向かって配置されたチャネル流体通路521が、他の設計よりも短い導管であり、その結果、より小さい流体抵抗となり、噴射チャネル402からの非噴射印刷流体のより速い流出(すなわち、より速い循環時間)となることである。この設計はまた、プレートスタック232のより少ないプレートを可能にし、これは製造コストを低減し、より高い周波数の噴射を可能にする。
【0049】
図12は、例示的な実施形態におけるプリントヘッド104を動作させる方法1200を示すフローチャートである。方法1200のステップは、図5Aのプリントヘッド104を参照して記載されるが、当業者は、方法1200が他のプリントヘッドによって実行されてもよいことを認識する。また、本明細書に記載のフローチャートのステップは、全て包含するものではなく、図示しない他のステップを含んでもよく、ステップは、代替の順序で実行されてもよい。
【0050】
方法1200では、プリントヘッド104が、列501の両側に配置されたマニフォールド510~511に流体結合された噴射チャネル402の列501を含むと仮定する。列501の各噴射チャネル402(又は列501の噴射チャネル402のサブセット)について、印刷流体は、その噴射チャネル402のための個々のチャネル流体通路520等を通じてマニフォールド510(すなわち、第1のマニフォールド)から圧力チャンバ412に搬送される(ステップ1202)。非噴射印刷流体は、その噴射チャネル402のための個々のチャネル流体通路521等を通じて圧力チャンバ412からマニフォールド511(すなわち、第2のマニフォールド)に搬送される(ステップ1204)。
【0051】
ステップ1204において、非噴射印刷流体は、印刷流体がマニフォールド510から圧力チャンバ412に流入したのと同じ方向に(すなわち、y軸に沿って)マニフォールド511に向かって圧力チャンバ412から流出してもよい。図7において、例えば、印刷流体は、矢印によって示される方向(すなわち、左から右)に圧力チャンバ412に流入し、非噴射印刷流体は、同じ方向に圧力チャンバ412から流出する。したがって、印刷流体は、噴射チャネル402の同じ長さ方向に(すなわち、y軸に沿って)チャネル流体通路520及びチャネル流体通路521を介して圧力チャンバ412に流入し、圧力チャンバ412から流出してもよい。また、ステップ1204について、図7に示すように、印刷流体は、チャネル流体通路521を通って圧力チャンバ412の一方側710(すなわち、第1の側)に流入し、チャネル流体通路520を通って圧力チャンバ412の反対側711(すなわち、第2の側)から流出してもよい。列501の両側から圧力チャンバ412の内及び外に印刷流体を搬送する1つの技術的利点は、非噴射印刷流体が反対方向に(すなわち、y軸に沿って)経路変更される必要がないことであり、その結果、より小さい流体抵抗となり、噴射チャネル402からの非噴射印刷流体のより速い流出(すなわち、より速い循環時間)となる。
【0052】
上記に開示されるプリントヘッド104のようなプリントヘッドでは、ノズル又はメニスカスにおける印刷流体の乾燥、印刷流体の堆積、印刷流体内に存在する気泡等のような様々な要因に起因して、ノズル故障が発生する可能性がある。これら及び他のノズル故障は劣化した印刷品質を生じる可能性がある。したがって、個々の噴射チャネル402内で印刷流体を混合又は撹拌することが有益になり得る。
【0053】
[チャネル内パッシブミキサ]
一実施形態では、1つ以上のチャネル内パッシブミキサが噴射チャネル402内に実装されてもよい。図13は、例示的な実施形態における1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302を有する噴射チャネル402の斜視図である。ダイヤフラム410は、図13では除去されている。一般的に、印刷流体は、噴射チャネル402に沿って(すなわち、y軸に沿って)長手方向又は長さ方向に流れる。各噴射チャネル402は、y軸に沿った長さ1350を有し、印刷流体は、噴射チャネル402の長さ1350に沿って、一般に長手方向流と呼ばれる流れで流れる。一実施形態では、例えば、流れ方向714に沿って、印刷流体は、チャネル流体通路520を通って(例えば、マニフォールド510から)圧力チャンバ412に流れる。印刷流体はまた、圧力チャンバ412に沿って流れ、そこで印刷流体がノズル306から噴射されるか或いはチャネル流体通路521を通じて循環される。したがって、チャネル流体通路520及び圧力チャンバ412は、噴射チャネル402の長さ1350に沿って印刷流体のための長手方向流路1310をそれぞれ含んでもよい。
【0054】
各噴射チャネル402は、z軸に沿った垂直側壁を含む。噴射チャネル402の垂直側壁は、プリントヘッド104の排出面220の平面1354に対して概ね垂直又は横方向である。印刷流体は、概ねz軸に沿って噴射チャネル402のノズル306から噴射し、噴射チャネル402の垂直側壁は、噴射チャネル402の噴射方向に平行である。例えば、噴射チャネル402のチャネル流体通路520は、対向する垂直側壁1322~1323を含み、圧力チャンバ412は、対向する垂直側壁1324~1325を含む。一実施形態では、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302が噴射チャネル402に配置されてもよい。チャネル内パッシブミキサ1302は、噴射チャネルの長さ1350に沿って、噴射チャネルの垂直側壁から印刷流体の長手方向流路1310に(例えば、x軸に沿って水平に)突出するか或いは飛び出る、噴射チャネル内の隆起、突起、リブ又は他の構造要素を含む。したがって、チャネル内パッシブミキサ1302は、噴射チャネル402の幅1352にわたって突出する。
【0055】
一実施形態では、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302は、チャネル流体通路520に(例えば、リストリクタ1110に)配置されてもよい。したがって、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302は、チャネル流体通路520の垂直側壁1322~1323から突出してもよい。チャネル流体通路520にチャネル内パッシブミキサ1302を実装する1つの技術的利点は、印刷流体が圧力チャンバ412に入る前に混合されることである。一実施形態では、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302が圧力チャンバ412に配置されてもよい。したがって、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302は、圧力チャンバ412の垂直側壁1324~1325から突出してもよい。圧力チャンバ412にチャネル内パッシブミキサ1302を実装する1つの技術的利点は、印刷流体が圧力チャンバ412内で混合されることである。一実施形態では、チャネル内パッシブミキサ1302は、図13に示すように、チャネル流体通路520及び圧力チャンバ412に配置されてもよい。噴射チャネル402は複数の垂直側壁を含んでもよいが、チャネル内パッシブミキサ1302は、図13に示すように、噴射チャネル402の長さ1350に(すなわち、y軸に沿って)概ね平行であり、噴射チャネル402の幅1352に(すなわち、x軸に沿って)概ね垂直であるか或いは横断する垂直側壁から突出してもよい。他の噴射チャネル402は、図13に示すようなチャネル内パッシブミキサ1302と同様の構成を有してもよい。
【0056】
図14A図14Hは、例示的な実施形態における噴射チャネル402のチャネル内パッシブミキサ1302の平面図である。図14Aは、複数のチャネル内パッシブミキサ1302を有するチャネル流体通路520の平面図である。チャネル流体通路520は、x軸に沿った幅1410を有し、各チャネル内パッシブミキサ1302は、チャネル流体通路520の側壁1322~1323から内側に距離1412だけ延在又は突出する。チャネル内パッシブミキサ1302が側壁1322~1323からx方向に内側に突出する距離1412は、約30~70マイクロメートル、チャネル流体通路520の幅1410の約10~60%等の範囲内でもよい。チャネル内パッシブミキサ1302の長さは、y方向に約10~50マイクロメートルでもよい。各チャネル内パッシブミキサ1302は、ほぼ同じ距離1412だけ突出してもよく、或いは、距離1412は、チャネル内パッシブミキサ1302毎に変化してもよい。図14Bは、印刷流体の長手方向の流れ1418(矢印によって示す)を示すチャネル流体通路520の平面図である。典型的なプリントヘッドでは、噴射チャネルに沿った印刷流体の流れは層流(又は流線流)である。層流は、流体が滑らかに或いは規則的な経路で移動するタイプの流体流である。印刷流体がチャネル流体通路520に沿って(すなわち、図14Bの左から右に)流れ、チャネル内パッシブミキサ1302に遭遇すると、チャネル内パッシブミキサ1302は、印刷流体内に乱流1420(すなわち、チャネル内パッシブミキサ1302に近接する局所的乱流)を生成する。チャネル内パッシブミキサ1302は、印刷流体が不規則な変動及び混合を受ける乱流1420を生成するチャネル流体通路520内の障害物を表す。1つの技術的利点は、印刷流体がチャネル内パッシブミキサ1302を介してチャネル流体通路520内で混合されて、印刷流体の均質性を回復することである。
【0057】
一実施形態では、チャネル内パッシブミキサ1302の対1440は、図14Aに示すように、チャネル流体通路520の幅1410にわたって概ね整列されるチャネル流体通路520の対向する側壁1322-1323に配置されてもよい。一実施形態では、チャネル内パッシブミキサ1302の対1440は、図14Cに示すように、対向する側壁1322~1323に配置され、チャネル流体通路520の幅1410にわたって互いに対してオフセットされてもよく或いは互い違いに配置されてもよい。図14A図14Cのチャネル内パッシブミキサ1302は、概ね正方形又は矩形の形状1430で示されている。しかし、他の実施形態では、チャネル内パッシブミキサ1302は他の形状を有してもよい。例えば、チャネル内パッシブミキサ1302は、図14D図14Eに示すように、概ね三角形形状1431を有してもよい。チャネル内パッシブミキサ1302は、図14Fに示すように、概ねシャークフィン形状1432を有してもよい。チャネル内パッシブミキサ1302は、図14Gに示すように、概ね台形形状1433を有してもよい。チャネル内パッシブミキサ1302は、図14Hに示すように、概ね丸みを帯びた形状1434を有してもよい。異なる形状の任意の組み合わせが実装されてもよい。また、4つのチャネル内パッシブミキサ1302が図14A図14Hに示されているが、チャネル内パッシブミキサ1302の数は、必要に応じて変化してもよい。例えば、チャネル内パッシブミキサ1302の数及びこれらの位置は、乱流長さのスケールに依存してもよい。低粘度の印刷流体については、より少ないチャネル内パッシブミキサ1302が必要とされてもよい。より高い粘度の印刷流体については、より多くのチャネル内パッシブミキサ1302が必要とされてもよい。また、図14A図14Hではチャネル内パッシブミキサ1302がチャネル流体通路520内に示されているが、チャネル内パッシブミキサ1302が噴射チャネル402の圧力チャンバ412に配置される場合にも同様の概念が適用される。これは簡潔にするために示されていない。チャネル内パッシブミキサ1302の各形状又は形状の組み合わせは、印刷流体の流れに乱流を生成して印刷流体の混合を引き起こすという技術的利点を提供する。また、異なる形状が異なるインクタイプに適合されてもよい。例えば、多量に顔料が添加されたインクは、インク粘度及び表面張力と組み合わせて正方形又は矩形形状1432よりもシャークフィン形状1430とより適切に適合され、デッドスポットにおける顔料の堆積を回避し得る。
【0058】
チャネル流体通路520内にチャネル内パッシブミキサ1302を実装するために、上記に開示されるようなリストリクタプレート803(図8を参照する)が、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302と共にエッチング又はパターン化されてもよい。図15は、例示的な実施形態におけるリストリクタプレート803を示す。ズームウィンドウ1500は、リストリクタプレート803上のリストリクタ開口部834の拡大図を示す。リストリクタ開口部834は、リストリクタプレート803にエッチング又は切削された細長い開口部であり、対向する垂直側壁1506~1507を有する。一実施形態では、リストリクタ開口部834は、リストリクタプレート803からリストリクタ開口部834に内側に突出する1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302と共にエッチング又はパターン化される。例えば、リストリクタ開口部834は、チャネル内パッシブミキサ1302が側壁1506~1507からリストリクタ開口部834の中間領域に向かって突出するようにエッチングされる。リストリクタ開口部834のリストリクタ領域1510は、噴射チャネル402のリストリクタ1110が位置する場所を表す。したがって、チャネル内パッシブミキサ1302が噴射チャネル402のリストリクタ1110(例えば、チャネル流体通路520)に配置されるように、チャネル内パッシブミキサ1302は、リストリクタ領域1510においてエッチング又はパターン化されてもよい。リストリクタプレート803上の各リストリクタ開口部834~835も同様にパターン化されてもよい。1つの技術的利点は、チャネル内パッシブミキサ1302が既存のリソグラフィプロセスを使用してパターン化され得ることである。
【0059】
圧力チャンバ4120内にチャネル内パッシブミキサ1302を実装するために、上記に開示されるようなチャンバプレート804(図8を参照する)が、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302と共にエッチング又はパターン化されてもよい。図16は、例示的な実施形態におけるチャンバプレート804を示す。ズームウィンドウ1600は、チャンバプレート804のチャンバ開口部844の拡大図を示す。チャンバ開口部844は、チャンバプレート804にエッチング又は切削された細長い開口部であり、対向する垂直側壁1606~1607を有する。一実施形態では、チャンバ開口部844は、チャンバプレート804からチャンバ開口部844に内側に突出する1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302と共にエッチング又はパターン化される。例えば、チャンバ開口部844は、チャネル内パッシブミキサ1302が側壁1606~1607からチャンバ開口部844の中間領域に向かって突出するようにエッチングされる。チャンバプレート804上の各チャンバ開口部844~845も同様にパターン化されてもよい。また、プレートスタック232のチャンバプレート805も同様にエッチングされてもよく、或いは、チャンバプレート804をエッチングする代わりにエッチングされてもよい。1つの技術的利点は、チャネル内パッシブミキサ1302が既存のリソグラフィプロセスを使用してパターン化され得ることである。
【0060】
図17は、例示的な実施形態における1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302を有するプリントヘッド104を動作させる方法1700を示すフローチャートである。方法1700のステップは、図13のような噴射チャネル402を有するプリントヘッド104を参照して記載されるが、当業者は、方法1700が他のプリントヘッドによって実行されてもよいことを認識する。各噴射チャネル402について、印刷流体の流れは、噴射チャネル402の長手方向流路1310に沿って搬送される(ステップ1702)。1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302は、長手方向流路1310に沿った印刷流体の流れを妨げる(ステップ1704)。例えば、印刷流体がチャネル流体通路520を通って圧力チャンバ412に流入すると(図13を参照する)、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302は、チャネル流体通路520を通る印刷流体の流れを妨げてもよい。印刷流体が圧力チャンバ412を通って流れるとき、1つ以上のチャネル内パッシブミキサ1302は、圧力チャンバ412を通る印刷流体の流れを妨げてもよい。1つの技術的利点は、印刷流体が噴射チャネル402内で混合されて、印刷流体の均質性を回復することである。
【0061】
[チャンバ内アクティブミキサ]
一実施形態では、1つ以上のチャンバ内アクティブミキサが噴射チャネル402内に実装されてもよい。図18は、例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサ1802を有する噴射チャネル402の斜視図である。ダイヤフラム410は、図18では除去されている。上記のように、各圧力チャンバ412は、z軸に沿った垂直側壁を含む。一実施形態では、1つ以上のチャンバ内アクティブミキサ1802が圧力チャンバ412に配置されてもよい。チャンバ内アクティブミキサ1802は、圧力チャンバ412内の流体振動に応じて揺動、振動又は別法で移動するように構成された噴射チャネル402の圧力チャンバ412内の構造要素を含む。他の噴射チャネル402は、図18に示すようなチャンバ内アクティブミキサ1802と同様の構成を有してもよい。チャンバ内アクティブミキサ1802を実装する1つの技術的利点は、印刷流体が圧力チャンバ412内で混合されて、印刷流体の均質性を回復することである。
【0062】
図19は、例示的な実施形態におけるチャンバ内アクティブミキサ1802の斜視図である。チャンバ内アクティブミキサ1802は、圧力チャンバ412の垂直側壁から突出するか或いは飛び出る構造部材を含むカンチレバー1902を含む。カンチレバー1902の一端1904(すなわち、接続端)は、垂直側壁1822に堅固に接続されるか或いは取り付けられており、カンチレバー1902の他端1906(すなわち、自由端)は、圧力チャンバ412に取り付けられておらず、自由に動くことができる。カンチレバー1902は、長さ1950、幅1952及び厚さ1954又は高さを有する。カンチレバー1902の寸法は所望に応じて変化してもよいが、カンチレバー1902の長さ1950は約200~260マイクロメートルの範囲でもよく、カンチレバー1902の幅1952は約25~35マイクロメートルの範囲でもよく、カンチレバー1902の厚さ1954は約15~60マイクロメートルの範囲でもよい。
【0063】
図20は、別の例示的な実施形態におけるチャンバ内アクティブミキサ1802の斜視図である。図19と同様に、チャンバ内アクティブミキサ1802は、圧力チャンバ412の垂直側壁から突出するか或いは飛び出る構造部材を含むカンチレバー1902を含む。カンチレバー1902の一端1904(すなわち、接続端)は、垂直側壁1822に堅固に接続されるか或いは取り付けられており、カンチレバー1902の他端1906(すなわち、自由端)は、圧力チャンバ412に取り付けられておらず、自由に動くことができる。この実施形態では、チャンバ内アクティブミキサ1802は、カンチレバー1902の自由端1906に端部質量2008を更に含む。
【0064】
カンチレバー1902の自由端1906は、圧力チャンバ412内の流体振動に応じて自由に揺動、振動又は別法で移動する。例えば、アクチュエータ416が噴射パルスに応じて発射すると、圧力チャンバ412内に圧力波が生成され、これにより、対応するノズル306から液滴が噴射される。印刷流体内の圧力波は、カンチレバー1902の自由端1906を駆動して揺動又は振動させる。言い換えると、チャンバ内アクティブミキサ1802は、圧力波のエネルギーから(例えば、単独で)駆動され、これは、カンチレバー1902の自由端1906の振動を引き起こすために別個のアクチュエータ又は駆動機構が必要とされないという点で技術的利点を有する。カンチレバー1902の振動は、圧力チャンバ412内の印刷流体を混合する局所的な渦及び/又は乱流を圧力チャンバ412内に生成する。したがって、カンチレバー1902は、圧力チャンバ412内にマイクロスターラー(micro-stirrer)を形成する。カンチレバー1902又は端部質量2008を有するカンチレバー1902で構成されたチャンバ内アクティブミキサ1802を実装する1つの技術的利点は、印刷流体が圧力チャンバ412内で混合されて、印刷流体の均質性を回復することである。これは、部分的に閉塞されたノズル306又は完全に閉塞されたノズル306をもたらす可能性がある、圧力チャンバ412内の印刷流体の乾燥又は堆積を防止するのに役立つ。別の技術的利点は、噴出チャネル402が気泡によって引き起こされる欠落した噴出から自己回復し得ることである。
【0065】
圧力チャンバ412内の圧力波は、特性周波数で共振又は吸収する。この特性周波数は、圧力チャンバ412(及び噴射チャネル402の他の構造)の幾何学的形状及びこれらの関連する流体特性によって決定され、噴射チャネル402の共振周波数又はヘルムホルツ周波数と呼ばれる。チャンバ内アクティブミキサ1802も共振周波数を有する。例えば、チャンバ内アクティブミキサ1802の共振周波数は、カンチレバー1902(例えば、ステンレス鋼)を形成するために使用される材料の弾性係数(すなわち、変形の弾性範囲における歪みに対する応力の比)、カンチレバー1902(例えば、矩形領域)の慣性モーメント、カンチレバー1902の長さ1950及び幅1952、端部質量2008の質量(実装される場合)等に依存する。一実施形態では、チャンバ内アクティブミキサ1802の特性は、チャンバ内アクティブミキサ1802の共振周波数が噴射チャネル402のヘルムホルツ周波数と閾値量だけ異なるように選択されてもよい。したがって、カンチレバー1902の長さ1950及び幅1952、端部質量2008の質量(実装される場合)、カンチレバー1902の形状等は、チャンバ内アクティブミキサ1802の共振周波数が噴射チャネル402のヘルムホルツ周波数と閾値量だけ異なるように選択されてもよい。例えば、噴射チャネル402の典型的なヘルムホルツ周波数は、約80~120kHzの範囲内でもよく、チャンバ内アクティブミキサ1802の共振周波数は、約0.1~5kHzの範囲内のように、ヘルムホルツ周波数よりもはるかに低くなるように選択又は設定されてもよい。一実施形態では、チャンバ内アクティブミキサ1802の共振周波数は、カンチレバー1902の振動が噴射チャネル402のヘルムホルツ周波数から遠く離れるように選択される。1つの技術的利点は、噴射チャネル402のヘルムホルツ周波数とチャンバ内アクティブミキサ1802の共振周波数との間の広いギャップに起因して、チャンバ内アクティブミキサ1802の揺動が噴射チャネル402の噴射に干渉しないことである。
【0066】
図21A図21Iは、例示的な実施形態における1つ以上のチャンバ内アクティブミキサ1802を有する圧力チャンバ412の平面図である。図21Aでは、チャンバ内アクティブミキサ1802は、圧力チャンバ412の垂直側壁1822に接続する。一実施形態では、垂直側壁1822は、図18に示すように、噴射チャネル402の長さ1350に対して(すなわち、y軸に沿って)概ね垂直又は横方向であり、噴射チャネル402の幅1352に対して(すなわち、x軸に沿って)概ね平行である。チャンバ内アクティブミキサ1802は、図21Aに示すように、噴射チャネル402のノズル306上に概ね中心を合わせられてもよく、或いは、ノズル306と整列してもよく、これは、圧力チャンバ412内で印刷流体を均一に混合するという技術的利点を提供する。カンチレバー1902の長さ1950(図19を参照する)は、垂直側壁1822とノズル306との間の距離2160と少なくとも同じ長さでもよく、その結果、チャンバ内アクティブミキサ1802は、図21Aに示すように、ノズル306と垂直に(すなわち、z軸に沿って)重なる。一実施形態では、カンチレバー1902の長さ1950(図19を参照する)は、垂直側壁1822とノズル306との間の距離2160よりも短くてもよく、その結果、チャンバ内アクティブミキサ1802は、図21Bに示すように、ノズル306と垂直に(すなわち、z軸に沿って)重ならない。図21Cでは、チャンバ内アクティブミキサ1802は、概して、噴出チャネル402のノズル306からオフセットされてもよく、これは、ノズル機能との干渉を回避するために場合によって必要とされる混合変動のための製造柔軟性及び乱流位置の技術的利益を提供する。
【0067】
いくつかの実施形態では、チャンバ内アクティブミキサ1802は、圧力チャンバ412の異なる垂直側壁に配置されてもよい。例えば、図21Dでは、チャンバ内アクティブミキサ1802は、噴射チャネル402の長さ1350に対して(すなわち、y軸に沿って)概ね垂直又は横方向であり、噴射チャネル402の幅1352に対して(すなわち、x軸に沿って)概ね平行である、圧力チャンバ412の別の垂直側壁2123に接続してもよい。図21Eでは、チャンバ内アクティブミキサ1802は、噴射チャネル402の長さ1350に対して(すなわち、y軸に沿って)概ね平行であり、噴射チャネル402の幅1352に対して(すなわち、x軸に沿って)概ね垂直又は横方向である、圧力チャンバ412の別の垂直側壁2124に接続してもよい。図21Fでは、チャンバ内アクティブミキサ1802は、噴射チャネル402の長さ1350に対して(すなわち、y軸に沿って)概ね平行であり、噴射チャネル402の幅1352に対して(すなわち、x軸に沿って)概ね垂直又は横方向である、圧力チャンバ412の別の垂直側壁2125に接続してもよい。いくつかの実施形態では、1つよりも多くのチャンバ内アクティブミキサ1802が、圧力チャンバ412内で利用されてもよい。図21Gでは、チャンバ内アクティブミキサ1802の対2130は、対向する垂直側壁1822/2123に接続されてもよい。図21Hでは、チャンバ内アクティブミキサ1802の対2130は、対向する垂直側壁2124~2125に接続されてもよい。図21Iでは、4つのチャンバ内アクティブミキサ1802は、垂直側壁1822及び2123~2125に接続されてもよい。図21A図21Iにおける各構成の技術的利点は、印刷流体が圧力チャンバ412内で混合されて印刷流体の均質性を回復することである。複数のチャンバ内アクティブミキサ1802が、異なるインクタイプ(例えば、より高粘度のインク又は高添加インク)について実装されてもよい。
【0068】
圧力チャンバ412内にチャンバ内アクティブミキサ1802を実装するために、上記に開示されるようなチャンバプレート805(図8を参照する)が、1つ以上のチャンバ内アクティブミキサ1802と共にエッチング又はパターン化されてもよい。図22は、例示的な実施形態におけるチャンバプレート805を示す。ズームウィンドウ2200は、チャンバプレート805上のチャンバ開口部854の拡大図を示す。チャンバ開口部854は、チャンバプレート805にエッチング又は切削された開口部であり、側壁2206~2209を有する。一実施形態では、チャンバ開口部854は、チャンバプレート805からチャンバ開口部854に内側に突出するチャンバ内アクティブミキサ1802の1つ以上のカンチレバー1902と共にエッチング又はパターン化される。このエッチングは、カンチレバー1902の長さ1950及び幅1952を制御又は画定する。一実施形態では、カンチレバー1902の厚さ1954(斜線で示す)を制御又は画定するために、カンチレバー1902がチャンバプレート805上に部分的にエッチングされてもよい。チャンバプレート805上の各チャンバ開口部854~855も同様にパターン化されてもよい。図22では、側壁2206から突出する1つのカンチレバー1902が示されているが、チャンバプレート805は、図21A図21Iに示すように、1つ以上のチャンバ内アクティブミキサ1802を形成するために、同様にエッチング又はパターン化されてもよい。1つの技術的利点は、チャンバ内アクティブミキサ1802が既存のリソグラフィプロセスを使用してパターニングされ得ることであり、カンチレバー1902の寸法がエッチング及び/又は部分的なエッチングプロセスで正確に制御され得ることである。
【0069】
図23は、例示的な実施形態におけるチャンバ内アクティブミキサ1802を有するプリントヘッド104を動作させる方法2300を示すフローチャートである。方法2300のステップは、図18のような噴射チャネル402を有するプリントヘッド104を参照して記載されるが、当業者は、方法2300が他のプリントヘッドによって実行されてもよいことを認識する。各噴射チャネル402について、噴射チャネル402の圧力チャンバ412内に印刷流体が受け取られる(ステップ2302)。カンチレバー1902の自由端1906が揺動して、圧力チャンバ412内の印刷流体を混合する(ステップ2304)。例えば、アクチュエータ416が噴射パルスに応じて発射すると、圧力チャンバ412内に圧力波が生成され、これにより、対応するノズル306から液滴が噴射される。印刷流体内の圧力波は、カンチレバー1902の自由端1906を揺動又は振動させるように駆動する。これは、圧力チャンバ412内で局所的に印刷流体を撹拌するマイクロスターラーとして機能する。1つの技術的利点は、印刷流体が圧力チャンバ412内で混合されて、印刷流体の均質性を回復することである。
【0070】
[チャネル内流体ミキサ]
一実施形態では、1つ以上のチャネル内流体ミキサが噴射チャネル402内に実装されてもよい。図24は、例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサ2402を有する噴射チャネル402の斜視図である。ダイヤフラム410は、図24では除去されている。一実施形態では、チャネル内流体ミキサ2402は、圧力チャンバ412をマニフォールド511と流体結合するチャネル流体通路521に配置される。チャネル内流体ミキサ2402は、圧力チャンバ412とマニフォールド511との間を流れる印刷流体の循環回転又は運動を引き起こすように構成された噴射チャネル402内の構造要素を含む。印刷流体の循環回転又は運動は、印刷流体を混合する渦を生成する。図24に示すように、噴射チャネル402(及びプリントヘッド104の他の噴射チャネル402)は、フロースルー型噴射チャネル540を含んでもよい。したがって、チャネル内流体ミキサ2402は、チャネル流体通路521を通って圧力チャンバ412からマニフォールドに流れる非噴射印刷流体の循環回転又は運動を引き起こすように構成されてもよい。しかし、チャネル内流体ミキサ2402は、噴射チャネル402の異なる位置に配置されてもよく、或いは、非フロースルー型タイプの噴射チャネル402と共に使用されてもよい。チャネル内流体ミキサ2402を実装する1つの技術的利点は、印刷流体が噴射チャネル402内で混合されて、印刷流体の均質性を回復することである。他の噴射チャネル402は、図24に示すようなチャネル内流体ミキサ2402と同様の構成を有してもよい。
【0071】
図25A図25Dは、例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサ2402を示す。図25Aは、入口/出口セグメント2510(すなわち、第1の入口/出口セグメント)と、円筒形混合チャンバ2512と、別の入口/出口セグメント2514(すなわち、第2の入口/出口セグメント)とを含むチャネル内流体ミキサ2402の斜視図である。一実施形態では、入口/出口セグメント2510は、混合チャンバ2512の一方側2516に配置され、入口/出口セグメント2514は、概して混合チャンバ2512の反対側2517に(すなわち、y軸に沿って)配置される。印刷流体は、噴射チャネル402を通る印刷流体の流れの方向に依存して、セグメント2510及び2514のいずれかを通って混合チャンバ2512に流入又は流出してもよいので、セグメント2510及び2514は「入口/出口」又は「I/O」セグメントと呼ばれる。流れが一方向のみである場合、セグメント2510は入口セグメントと呼ばれてもよく、セグメント2514は出口セグメントと呼ばれてもよい。混合チャンバ2512は、概ね円筒形状2519を有する空洞であり、混合チャンバ2512の寸法は、約70~90マイクロメートルの範囲の直径2546と、約60~120マイクロメートルの範囲の高さ2548でもよい。図25Bは、チャネル内流体ミキサ2402の平面図であり、一方向の印刷流体の流れを示す。入口/出口セグメント2510は、印刷流体(例えば、噴射チャネル402の圧力チャンバ412からの非噴射印刷流体)の流れを受け取るように構成される。印刷流体は、入口/出口セグメント2510から混合チャンバ2512に流れる。混合チャンバ2512の構造に起因して、混合チャンバ2512内に乱流が生成される。例えば、混合チャンバ2512の容積2540は、入口/出口セグメント2510又は入口/出口セグメント2514の容積2542よりも大きくてもよい(図25Aを参照する)。また、混合チャンバ2512の円筒形状2519は、混合チャンバ2512内の印刷流体の循環回転又は運動を引き起こす。印刷流体の循環回転又は運動は、印刷流体が軸2520の周りを回転するときに渦2518を生成する。図25Cは、チャネル内流体ミキサ2402の斜視図であり、印刷流体が軸2520の周りを回転するときに混合チャンバ2512内に生成される渦2518を更に示す。図25B図25Cでは、混合チャンバ2512内を循環する印刷流体は、入口/出口セグメント2514を通って(例えば、マニフォールドに向かって)出る。混合チャンバ2512を出る印刷流体は、混合チャンバ2512内で生成された乱流を介して混合され、これは、印刷流体の均質性を回復するという技術的利点を有する。チャネル内流体ミキサ2402が図24に示すようにチャネル流体通路521内に実装されるとき、印刷流体は、印刷流体が噴射チャネル402を出るとき/出る前に混合されてもよく(一方向の流れの場合)、或いは、印刷流体が噴射チャネル402に入るときに混合されてもよい(逆方向の流れの場合)。
【0072】
一実施形態では、入口/出口セグメント2510は、図25Bに示すように、混合チャンバ2512内で印刷流体の回転を誘発するように、混合チャンバ2512からオフセット(例えば、水平オフセット)されてもよい。例えば、入口/出口セグメント2510の中心2530(すなわち、x軸に沿ったもの)は、混合チャンバ2512の中心2532からオフセットされてもよい。同時に、入口/出口セグメント2514は、混合チャンバ2512に対して概ね中心に置かれてもよい。例えば、入口/出口セグメント2514の中心2534(すなわち、x軸に沿ったもの)は、混合チャンバ2512の中心2532と概ね整列されてもよい。一実施形態では、入口/出口セグメント2514は、混合チャンバ2512からオフセット(例えば、水平オフセット)されてもよい。図25Dは、チャネル内流体ミキサ2402の平面図である。例えば、入口/出口セグメント2514の中心2534(すなわち、x軸に沿ったもの)は、混合チャンバ2512の中心2532からオフセットされてもよい。一実施形態では、入口/出口セグメント2510は、図25Cに示すように、入口/出口セグメント2514から垂直にオフセットされてもよい。例えば、入口/出口セグメント2510の中心2530(すなわち、y軸に沿ったもの)は、入口/出口セグメント2514の中心2534からオフセットされてもよい。これらの構成のそれぞれは、混合チャンバ2512内で印刷流体の循環回転又は運動を引き起こすという技術的利点を有する。
【0073】
上記に説明したようなチャネル内流体ミキサ2402は、パッシブ流体ミキサと呼ばれてもよく、混合チャンバ2512内の印刷流体を撹拌するために能動的に移動する要素又は特徴を含まない。混合は、混合チャンバ2512内の印刷流体の循環回転又は運動によって実行される。チャネル内流体ミキサ2402の例が図25A図25Dに示されているが、他の構造又は設計が本明細書で考慮されてもよい。
【0074】
一実施形態では、図8に示すようなチャンバプレート804~805は、チャネル内流体ミキサ2402を形成するようにエッチング又は別法でパターン化されてもよい。図26は、例示的な実施形態におけるチャンバプレート804を示す。上記のように、チャンバプレート804は、実質的に平坦又は平面の材料のシートであり、したがって、対向する平面910~911を有する。平面910は、プリントヘッド104の排出面220に面し、平面911は、ハウジング230に面する。ズームウィンドウ2600は、チャンバプレート804のチャンバ開口部844及びチャネルコネクタ開口部846の拡大図を示す。チャンバ開口部844は、チャンバプレート804にエッチング又は切削された細長い開口部であり、チャネルコネクタ開口部846は、チャンバ開口部844とチャンバプレート804の長手方向中心線841との間でチャンバプレート804にエッチング又は切削された開口部である。一実施形態では、チャンバプレート804は、チャンバ開口部844からチャネルコネクタ開口部846に向かって途中まで延在する部分的にエッチングされたセグメント2602を更に含む。部分的にエッチングされたセグメント2602を形成するために、チャンバプレート804は、平面910からチャンバプレート804の厚さ未満のエッチング深さまで部分的にエッチングされる。例えば、部分的にエッチングされたセグメント2602は、エッチング深さがチャンバプレート804の厚さの約半分である「ハーフエッチング」を含んでもよい。したがって、部分的にエッチングされたセグメント2602は、チャンバプレート804を通る孔を形成しない。部分的にエッチングされたセグメント2602は、チャンバ開口部844から始まり、チャネルコネクタ開口部846に向かって長さ2620に沿って(すなわち、y軸に沿って)延在する矩形セグメント2602を含む。矩形セグメント2602の幅2632(すなわち、x軸に沿ったもの)は、チャンバ開口部844の幅932に対応してもよい。部分的にエッチングされたセグメント2602は、矩形セグメント2604から始まり、チャネルコネクタ開口部846に向かって長さ2622に沿って(すなわちy軸に沿って)延在するディスク状又は円形セグメント2606を更に含む。円形セグメント2606の直径2626(すなわち、x軸に沿ったもの)は、矩形セグメント2604の幅2632よりも大きく、約70~90マイクロメートルの範囲内でもよい。部分的にエッチングされたセグメント2602の矩形セグメント2604は、チャネル内流体ミキサ2402の入口/出口セグメント2510を形成し、円形セグメント2606は、チャネル内流体ミキサ2402の混合チャンバ2512の少なくとも一部を形成する。部分的にエッチングされたセグメント2602は、同様の方法で、チャンバプレート804の各チャンバ開口部844~845とチャネルコネクタ開口部846~847との間でエッチングされてもよい。1つの技術的利点は、チャネル内流体ミキサ2402が既存のリソグラフィプロセスを使用してパターン化され得ることである。
【0075】
図27は、例示的な実施形態におけるチャンバプレート805を示す。上記のように、チャンバプレート805は、実質的に平坦又は平面の材料のシートであり、したがって、対向する平面1010~1011を有する。平面1010は、プリントヘッド104の排出面220に面し、平面1011は、ハウジング230に面する。ズームウィンドウ2700は、チャンバプレート805のチャンバ開口部854及びチャネルコネクタ機構856の拡大図を示す。チャンバ開口部854は、チャンバプレート805にエッチング又は切削された開口部であり、チャネルコネクタ機構856は、チャンバ開口部854とチャンバプレート805の長手方向中心線851との間でチャンバプレート805にエッチングされた、部分的にエッチングされたセグメント2702を含む。部分的にエッチングされたセグメント2702を形成するために、チャンバプレート805は、平面1011からチャンバプレート805の厚さ未満のエッチング深さまで部分的にエッチングされる。例えば、部分的にエッチングされたセグメント2702は、エッチング深さがチャンバプレート805の厚さの約半分である「ハーフエッチング」を含んでもよい。したがって、部分的にエッチングされたセグメント1002は、チャンバプレート805を通る孔を形成しない。部分的にエッチングされたセグメント2702は、チャンバプレート805の長手方向中心線851とチャンバ開口部854との間の長さ1020に沿って(すなわち、y軸に沿って)延在する矩形セグメント2704を含む。部分的にエッチングされたセグメント2702は、矩形セグメント2704から始まり、チャンバ開口部854に向かって長さ2722に沿って(すなわちy軸に沿って)延在するディスク状又は円形セグメント2706を更に含む。円形セグメント2706の直径2726(すなわち、x軸に沿ったもの)は、矩形セグメント2704の幅2732よりも大きく、約70~90マイクロメートルの範囲内でもよい。部分的にエッチングされたセグメント2702の矩形セグメント2704は、チャネル内流体ミキサ2402の入口/出口セグメント2514を形成し、円形セグメント2706は、チャネル内流体ミキサ2402の混合チャンバ2512の少なくとも一部を形成する。部分的にエッチングされたセグメント2702は、各チャンバ開口部854~855とチャンバプレート805のチャネルコネクタ機構856~857との間で同様にエッチングされてもよい。1つの技術的利点は、チャネル内流体ミキサ2402が既存のリソグラフィプロセスを使用してパターン化され得ることである。
【0076】
図26図27のプレートスタック232の構成は一例として提供されており、他の構成も本明細書で考慮される。
【0077】
図28は、例示的な実施形態におけるチャネル内流体ミキサ2402を有するプリントヘッド104を動作させる方法2800を示すフローチャートである。方法2800のステップは、図24のような噴射チャネル402を有するプリントヘッド104を参照して記載されるが、当業者は、方法2800が他のプリントヘッドによって実行されてもよいことを認識する。
【0078】
方法2800について、チャネル内流体ミキサ2402は、チャネル流体通路521を通って圧力チャンバ412とマニフォールドとの間を流れる印刷流体(例えば、非噴射印刷流体)を受け取る(ステップ2802)。例えば、入口/出口セグメント2510(図25Aを参照する)は、噴射チャネル402の圧力チャンバ412から印刷流体の流れを受け取ってもよい。チャネル内流体ミキサ2402は、印刷流体の循環回転を引き起こす(ステップ2804)。例えば、印刷流体は、図25B図25Cに示すように、入口/出口セグメント2510から混合チャンバ2512に流れてもよい。混合チャンバ2512は、印刷流体の循環回転又は運動を引き起こし、印刷流体が軸2520の周りを回転するときに渦2518を生成する(任意選択のステップ2810)。次いで、印刷流体は、チャネル流体通路521に沿ってチャネル内流体ミキサ2402から搬送される(ステップ2806)。例えば、混合チャンバ2512内を循環する印刷流体は、図25B図25Cに示すように、入口/出口セグメント2514を通って(例えば、マニフォールドに向かって)出る。1つの技術的利点は、印刷流体が噴射チャネル402内で混合されて、印刷流体の均質性を回復することである。
【0079】
チャネル内パッシブミキサ1302、チャンバ内アクティブミキサ1802及びチャネル内流体ミキサ2402に関する上記の実施形態は、図5A及び図6A図6Bに示すようなフロースルー型プリントヘッド504を参照して記載されている。しかし、チャネル内パッシブミキサ1302、チャンバ内アクティブミキサ1802及びチャネル内流体ミキサ2402のうち1つ以上は、上記の技術的利点を保持しつつ、異なるフロースルー型プリントヘッドに実装されてもよい。さらに、チャネル内パッシブミキサ1302、チャンバ内アクティブミキサ1802及びチャネル内流体ミキサ2402のうち1つ以上は、上記の技術的利点を保持しつつ、非フロースルー型プリントヘッドに実装されてもよい。図29は、例示的な実施形態におけるフロースルー型プリントヘッド2904の断面図である。プリントヘッド2904は、上記のものと同様の構成を有し、噴射チャネルが1つ以上の列に配置されている。しかし、フロースルー型噴射チャネル2902は、上記とは異なる構成を有する。例えば、噴射チャネル2902は、圧力チャンバ412をマニフォールド2911に流体結合する第1のチャネル流体通路2920を含み、圧力チャンバ412を別のマニフォールド2910に流体結合する第2のチャネル流体通路2921を含む。この構成では、印刷流体は、図6Bと同じ長さ方向ではなく、噴射チャネル402の異なる長さ方向に(すなわち、y軸に沿って)、チャネル流体通路2920及びチャネル流体通路2921を介して圧力チャンバ412に流入し、圧力チャンバ412から流出してもよい。例えば、印刷流体は、チャネル流体通路2921を通ってマニフォールド2910から圧力チャンバ412に(すなわち、左から右に)流れてもよく、非噴射印刷流体は、チャネル流体通路2920を通って圧力チャンバ412からマニフォールド2911に反対方向に(すなわち、右から左に)流れてもよい。このようなフロースルー型プリントヘッド2904は、上記のように、チャネル内パッシブミキサ1302、チャンバ内アクティブミキサ1802及び/又はチャネル内流体ミキサ2402を実装してもよい。
【0080】
図30は、例示的な実施形態における非フロースルー型プリントヘッド3004の断面図である。プリントヘッド3004は、上記のものと同様の構成を有し、噴射チャネルが1つ以上の列に配置されている。しかし、噴射チャネルは、非フロースルー型噴射チャネル3002である。例えば、噴射チャネル3002は、圧力チャンバ412をマニフォールド3010に流体結合する単一チャネル流体通路3020を含む。しかし、非噴射印刷流体が圧力チャンバ412から流出するための戻り経路は存在しない。このような非フロースルー型プリントヘッド3004は、上記の技術的利点を保持しつつ、上記のようなチャネル内パッシブミキサ1302及び/又はチャンバ内アクティブミキサ1802を実装してもよい。
【0081】
以下の節及び/又は例は、更なる実施形態又は例に関する。例における詳細は、1つ以上の実施形態のどこででも使用されてもよい。異なる実施形態又は例の様々な特徴は、様々な異なる用途に適合するように、含まれるいくつかの特徴及び除外される他の特徴と様々に組み合わされてもよい。例は、方法、方法の動作を実行するための手段、機械によって実行されたときに機械に方法の動作を実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体、又は本明細書で説明する実施形態及び例による装置若しくはシステムの動作を実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体のような主題を含んでもよい。
【0082】
例1に関連するいくつかの実施形態は、プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを含むフロースルー型プリントヘッドを含み、噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含み、第1列の噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドと、第1列の噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドとを含む。第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドは、第1列の両側に配置され、第2のマニフォールドは、第1列と第2列との間の中間領域に配置される。
【0083】
例2は、例1の主題を含み、第1列の噴射チャネルは、圧力チャンバを第1のマニフォールドに流体結合する第1のチャネル流体通路と、圧力チャンバを第2のマニフォールドに流体結合する第2のチャネル流体通路とをそれぞれ含む。第1のチャネル流体通路及び第2のチャネル流体通路は、圧力チャンバの両側に配置される。
【0084】
例3は、例1及び2の主題を含み、印刷流体は、噴射チャネルの同じ長さ方向に、第1のチャネル流体通路及び第2のチャネル流体通路を介して圧力チャンバに流入し、圧力チャンバから流出する。
【0085】
例4は、例1~3の主題を含み、第1列の噴射チャネルのそれぞれの第2のチャネル流体通路は、中間領域に配置される。
【0086】
例5は、例1~4の主題を含み、第1のマニフォールドは、フロースルー型プリントヘッドの長手方向側部と第1列との間の外側領域に配置され、第1列の噴射チャネルのそれぞれの第1のチャネル流体通路は、外側領域に配置される。
【0087】
例6は、実1~5の主題を含み、第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドを流体結合する1つ以上のマニフォールド間流体通路を更に含む。
【0088】
例7は、例1~6の主題を含み、第2列の噴射チャネルに流体結合された第3のマニフォールドと、第2列の噴射チャネルに流体結合された第4のマニフォールドとを更に含む。第3のマニフォールド及び第4のマニフォールドは、第2列の両側に配置され、第4のマニフォールドは中間領域に配置される。第2のマニフォールドは、第1列と第4のマニフォールドとの間に配置され、第4のマニフォールドは、第2列と第2のマニフォールドとの間に配置される。
【0089】
例8は、例1~7の主題を含み、噴射装置を更に含む。
【0090】
例9に関連するいくつかの実施形態は、ハウジングと、プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを形成する、ハウジングに取り付けられたプレートスタックとを含むフロースルー型プリントヘッドを含み、噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含む。プレートスタックは、長手方向に配置されて第1列の噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドと、長手方向に配置されて第1列の噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドとを形成する。第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドは、第1列の両側に配置され、第2のマニフォールドは、第1列と第2列との間の中間領域に配置される。
【0091】
例10は、例9の主題を含み、第1列の噴射チャネルは、圧力チャンバを第1のマニフォールドに流体結合する第1のチャネル流体通路と、圧力チャンバを第2のマニフォールドに流体結合する第2のチャネル流体通路とをそれぞれ含む。第1のチャネル流体通路及び第2のチャネル流体通路は、圧力チャンバの両側に配置される。
【0092】
例11は、例9及び10の主題を含み、印刷流体は、噴射チャネルの同じ長さ方向に、第1のチャネル流体通路及び第2のチャネル流体通路を介して圧力チャンバに流入し、圧力チャンバから流出する。
【0093】
例12は、例9~11の主題を含み、第1列の噴射チャネルのそれぞれの第2のチャネル流体通路は、中間領域に配置される。
【0094】
例13は、例9~12の主題を含み、第1のマニフォールドは、フロースルー型プリントヘッドの長手方向側部と第1列との間の外側領域に配置され、第1列の噴射チャネルのそれぞれの第1のチャネル流体通路は、外側領域に配置される。
【0095】
例14は、例9~13の主題を含み、プレートスタックは、噴射チャネルのダイヤフラムを形成するダイヤフラムプレートと、支持プレートと、リストリクタプレートと、噴射チャネルの圧力チャンバを形成する第1のチャンバプレート及び第2のチャンバプレートと、噴射チャネルのノズルを画定するノズル孔を有するノズルプレートと含む。支持プレートは、第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドを形成する。
【0096】
例15は、例9~14の主題を含み、支持プレートは、第1列の噴射チャネルの圧力チャンバの少なくとも一部を形成するように直線状の列に長手方向に概ね整列されたチャンバ開口部と、第1のマニフォールドの少なくとも一部を形成するように支持プレートの長手方向側部とチャンバ開口部との間で長手方向に延在する第1のマニフォールド開口部と、第2のマニフォールドを形成するようにチャンバ開口部の直線状の列と支持プレートの長手方向中心線との間で長手方向に延在する第2のマニフォールド開口部とを含む。
【0097】
例16は、例9~15の主題を含み、リストリクタプレートは、直線状の列に長手方向に概ね整列されたリストリクタ開口部を含み、リストリクタ開口部のそれぞれは、第1列の噴射チャネルの圧力チャンバの個々の1つを第1のマニフォールドと流体結合するように構成され、チャネルコネクタ開口部は、リストリクタ開口部の直線状の列と平行な直線状の列に概ね整列され、リストリクタ開口部とリストリクタプレートの長手方向中心線との間に配置される。チャネルコネクタ開口部のそれぞれは、第1列の噴射チャネルの圧力チャンバの個々の1つを第2のマニフォールドと流体結合するように構成される。
【0098】
例17は、例9~16の主題を含み、第1のチャンバプレートは、第1列の噴射チャネルの圧力チャンバの少なくとも一部を形成するように直線状の列に長手方向に概ね整列されたチャンバ開口部と、チャンバ開口部の直線状の列と平行な直線状の列に概ね整列され、チャンバ開口部と第1のチャンバプレートの長手方向中心線との間に配置されたチャネルコネクタ開口部とを含む。チャネルコネクタ開口部のそれぞれは、第1列の噴射チャネルの圧力チャンバの個々の1つを第2のマニフォールドと流体結合するように構成される。
【0099】
例18は、例9~17の主題を含み、第1のチャンバプレートは、チャンバ開口部からチャネルコネクタ開口部に向かって途中まで延在する部分的にエッチングされたセグメントを更に含む。
【0100】
例19は、例9~18の主題を含み、第2のチャンバプレートは、第1列の噴射チャネルの圧力チャンバの少なくとも一部を形成するように直線状の列に長手方向に概ね整列されたチャンバ開口部と、チャンバ開口部の直線状の列と平行な直線状の列に概ね整列され、チャンバ開口部と第2のチャンバプレートの長手方向中心線との間に配置されたチャネルコネクタ機構とを含む。チャネルコネクタ機構のそれぞれは、第1列の噴射チャネルの圧力チャンバの個々の1つを第2のマニフォールドと流体結合するように構成される。
【0101】
例20は、例9~19の主題を含み、チャネルコネクタ機構は、部分的にエッチングされたセグメントを含む。
【0102】
例21は、例9~20の主題を含み、噴射装置を更に含む。
【0103】
例22に関連するいくつかの実施形態は、プリントヘッドの長さに沿って概ね平行な第1列及び第2列に配置された複数の噴射チャネルを含むフロースルー型プリントヘッドを動作させるステップを含む方法を含み、噴射チャネルのそれぞれは、ダイヤフラムと、圧力チャンバと、印刷流体を噴射するように構成されたノズルとを含み、第1列の噴射チャネルに流体結合された第1のマニフォールドと、第1列の噴射チャネルに流体結合された第2のマニフォールドとを含む。第1のマニフォールド及び第2のマニフォールドは、第1列の両側に配置され、第2のマニフォールドは、第1列と第2列との間の中間領域に配置される。フロースルー型プリントヘッドを動作させるステップは、第1列の各噴射チャネルについて、第1列の第1の側の第1のマニフォールドから圧力チャンバに印刷流体を搬送するステップと、第1列の各噴射チャネルについて、圧力チャンバから第1の側とは反対の第1列の第2の側の第2のマニフォールドに非噴射印刷流体を搬送するステップとを含む。
【0104】
本明細書では特定の実施形態について記載されているが、本発明の範囲はこれらの特定の実施形態に限定されない。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそのいずれかの均等物によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F
図21G
図21H
図21I
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図25D
図26
図27
図28
図29
図30