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特開2024-117141情報処理装置、画像処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117141
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240822BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240822BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H04N1/00 002Z
H04N1/00 127B
G06F3/14 320A
G03G21/00 386
G03G21/00 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023062
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】二谷 太郎
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 雅利
【テーマコード(参考)】
2H270
5B069
5C062
【Fターム(参考)】
2H270KA59
2H270PA83
2H270PB14
2H270PC06
2H270QB07
2H270ZC03
2H270ZC04
5B069AA19
5B069NA04
5B069NA09
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA14
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】 緊急度の高いエラーに気づくことが可能となる装置、システム、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 情報処理装置は、画面上の操作を無効化することが可能な装置であり、画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合に、エラーの緊急度に応じて、画面の表示を切り替える処理部61を含む。情報処理装置は、エラーが発生した場合にエラー画面上に所定の画面を表示する表示部60を含み、処理部61は、エラーの緊急度に応じて、表示部60に対し、所定の画面を非表示にし、または透明化するように要求する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上の操作を無効化することが可能な情報処理装置であって、
前記画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合に、前記エラーの緊急度に応じて、前記画面の表示を切り替える処理手段
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記エラーが発生した場合にエラー画面上に所定の画面を表示する表示手段を含み、
前記処理手段は、前記エラーの緊急度に応じて、前記表示手段に対し、前記所定の画面を非表示にし、または透明化するように要求する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記エラーが発生した場合にエラー画面を表示する表示手段を含み、
前記処理手段は、前記エラーの緊急度に応じて、前記表示手段に対し、前記エラー画面に含まれるボタンの反応条件を変更する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記エラーが発生した場合にエラー画面を表示する表示手段を含み、
前記処理手段は、前記エラーの緊急度に応じて、前記表示手段に対し、前記エラー画面に含まれるボタンを非表示にするように要求する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記緊急度を含む、前記画面の表示を切り替えるための切替条件を設定する設定手段を含み、
前記処理手段は、前記設定手段により設定された前記切替条件に従って、前記画面を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
画面上の操作を無効化することが可能な画像処理装置であって、
前記画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合に、前記エラーの緊急度に応じて、前記画面の表示を切り替える処理手段
を含む、画像処理装置。
【請求項7】
画面上の操作を無効化することが可能な情報処理システムであって、
前記画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合に、前記エラーの緊急度に応じて、前記画面の表示を切り替える処理手段
を含む、情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理システムは、操作可能な画面を有する第1の装置と、第1の装置により操作される1以上の機能を実現する1以上の第2の装置とを含み、
前記第1の装置が、前記処理手段を含む、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
画面上の操作を無効化することが可能な情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合に、前記エラーの緊急度に応じて、前記画面の表示を切り替えるステップ
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
画面上の操作を無効化する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合に、前記エラーの緊急度に応じて、前記画面の表示を切り替えるステップ
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上の操作を無効化することが可能な装置、システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット端末等の情報処理装置、MFP(Multi-Function Peripheral)等の画像処理装置には、画面にタッチして各種の情報の入力を行う操作パネル(タッチパネル)を備えたものがある。
【0003】
タッチパネルの掃除等を行う際、各種の情報の入力が行われないように、画面上の操作を無効化する必要がある。
【0004】
従来において、画面上の操作を無効化する技術として、操作無効情報表示部に位置するタッチパネルからの入力があったとき、タッチパネルの入力を無効とし、画面の背景色を黒色系にする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、エラーが起きてしまった場合でも、そのエラーが画面に表示されないため、緊急度が高いエラーに気づくことができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、画面上の操作を無効化することが可能な情報処理装置であって、
画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合に、エラーの緊急度に応じて、画面の表示を切り替える処理手段
を含む、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、緊急度の高いエラーに気づくことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の情報処理装置としてMFPのハードウェア構成の一例を示した図。
図2】MFPのソフトウェア構成の一例を示した図。
図3】MFPの機能構成の第1の例を示したブロック図。
図4】画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合の処理の第1の例を示したシーケンス図。
図5】エラーの緊急度について説明する図。
図6】エラーの緊急度が高い場合に透明化して下の画面を触れるようにする処理の一例を示したフローチャート。
図7】エラーダイアログ上に所定の画面を配置した例を示した図。
図8】所定の画面を透明化した例を示した図。
図9】MFPの機能構成の第2の例を示したブロック図。
図10】画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合の処理の第2の例を示したシーケンス図。
図11】ユーザが設定できる設定内容について説明する図。
図12】本実施形態の情報処理システムの構成例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態の情報処理装置としてMFPのハードウェア構成の一例を示した図である。なお、情報処理装置は、画面上を操作し、機能の選択や情報の入力等を行うことが可能な操作パネル(タッチパネル)を備える装置であれば、プリンタやMFP等の画像処理装置に限定されるものではなく、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、撮像装置、医療機器、産業機械、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)等であってもよい。
【0010】
MFP10は、コピー機能、スキャナ機能、ファックス機能、プリンタ機能等の各種の機能を実現可能な本体11と、操作者(ユーザ)の操作に応じた入力を受け付ける操作部12とを有している。本体11と操作部12とは、専用の通信路13を介して相互に接続され、その接続は、有線であってもよいし、無線であってもよい。その接続に使用される規格は、いかなる規格であってもよいが、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格とすることができる。
【0011】
本体11は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、HDD(Hard Disk Drive)23、通信I/F24、接続I/F25、エンジン部26を備える。CPU20等は、バス27を介して相互に接続される。
【0012】
CPU20は、本体11全体の動作を制御し、上記のコピー機能、スキャナ機能、ファックス機能、プリンタ機能等の各種の機能を実現する。ROM21またはHDD23は、CPU20が上記の各種の機能を実現するためのプログラム、それらプログラムを動かすための基本的なソフトウェアであるOS(Operating System)等を記憶する。
【0013】
RAM22は、CPU20に対して作業領域を提供する。このため、CPU20は、ROM21またはHDD23に記憶されたプログラム等をRAM22に読み出し、実行することにより、上記の各種の機能を実現する。
【0014】
通信I/F24は、ネットワークを介して印刷データの受信や、読み取った原稿データの送信等を行う。接続I/F25は、通信路13に接続するためのインターフェースである。
【0015】
エンジン部26は、コピー機能、スキャナ機能、ファックス機能、プリンタ機能等を実現するための、汎用的な情報処理および通信以外の処理を実行するハードウェアである。
【0016】
本体11は、エンジン部26により処理を実行すると、履歴情報としてログを生成する。生成されたログは、RAM22またはHDD23に記憶される。通常、ログは、HDD23に記憶されるが、HDD23を備えていない装置ではRAM22に記憶することができる。HDD23は、ログのほか、スキャナ機能により読み取った画像のデータ等も記憶する。
【0017】
操作部12は、CPU30、ROM31、RAM32、フラッシュメモリ33、通信I/F34、接続I/F35、操作パネル36を備える。CPU30等は、バス37を介して相互に接続される。
【0018】
CPU30は、操作部12全体の動作を制御し、機能の切り替え等の処理を実行する。ROM31またはフラッシュメモリ33は、CPU30が上記の処理を実行するためのプログラムやOS等を記憶する。
【0019】
RAM32は、CPU30に対して作業領域を提供する。このため、CPU30は、ROM31またはフラッシュメモリ33に記憶されたプログラム等をRAM32に読み出し、実行することにより、上記の処理を実現する。ROM31またはフラッシュメモリ33は、画像処理に関する条件の設定値等も記憶する。
【0020】
通信I/F34は、例えばNFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等を使用し、スマートフォン等の通信端末と接続し、近距離通信を行う。接続I/F35は、通信路13に接続するためのインターフェースである。
【0021】
操作パネル36は、透明電極で形成されたタッチ検出部と液晶表示部とを一体的に形成したタッチパネルとされている。操作パネル36は、ユーザのタッチ操作による各種の情報の入力を受け付けるとともに、入力された情報を表示する。表示される情報は、受け付けた入力に応じた情報、MFP10の動作状況を示す情報、設定状態等を示す情報等である。
【0022】
図2は、MFP10のソフトウェア構成の一例を示した図である。MFP10の本体11は、アプリ層40、サービス層41、OS層42を備え、操作部12は、アプリ層50、サービス層51、OS層52を備え、いずれも階層構造を有している。
【0023】
本体11のアプリ層40、サービス層41、OS層42の実体は、ROM21またはHDD23に記憶されたプログラムであり、CPU20がこのプログラムを実行することによりコピー機能等の各種の機能を提供することができる。
【0024】
操作部12のアプリ層50が有するアプリケーションは、操作部12が備えるハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供する。アプリ層50が有するアプリケーションの中には、本体11が備える機能、すなわちコピー機能等に関する操作や表示を行うためのUI(User interface)の機能を提供するアプリケーションが含まれる。サービス層51は、本体11のサービス層41とは受け付け可能な動作要求の種類が異なっている。
【0025】
図3は、MFP10の機能構成の第1の例を示したブロック図である。MFP10は、機能部として、表示部60、処理部61、第1のエラー検知部62、判定部63、第2のエラー検知部64を備える。操作部12が、表示部60、処理部61、第1のエラー検知部62、判定部63を備え、本体11が、第2のエラー検知部64を備える。
【0026】
上記の各機能部は、1または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、処理回路は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようにプログラミングされたプロセッサ(CPU20、30)や、各機能を実行するように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や、従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【0027】
表示部60は、操作パネル36の描画処理を実行する。処理部61は、操作パネル36に表示する画面の処理を実行する。画面の処理は、画面の切り替え等であり、ある画面上に別の画面を配置することや、現在の画面を透明にすること等を含む。第1のエラー検知部62は、操作部12において発生したエラーを検知する。第1のエラー検知部62は、検知したエラーの種別を通知する。判定部63は、検知したエラーの緊急度を判定し、判定結果を通知する。
【0028】
第2のエラー検知部64は、本体11において発生したエラーを検知する。
【0029】
処理部61は、ユーザからの指示により画面上の操作を無効化するために、表示部60に対し、パネルタッチ無効モード画面の描画処理を要求する。表示部60は、処理部61からの描画処理の要求を受けて、パネルタッチ無効モード画面を生成し、生成した画面を操作パネル36の最前面に表示する。
【0030】
パネルタッチ無効モード画面の表示後に、第1のエラー検知部62もしくは第2のエラー検知部64またはその両方からエラーの種別が通知された場合、判定部63は、通知された種別に基づき、エラーの緊急度を判定し、処理部61に対し、エラーが発生した旨および判定結果を通知する。
【0031】
処理部61は、エラーが発生した旨の通知を受けて、表示部60に対し、エラー画面としてエラーダイアログを操作パネル36に表示し、後出しで最前面に所定の画面を配置するように要求する。表示部60は、この要求を受けて、操作パネル36にエラーダイアログの描画処理を実行し、後出しで所定の画面を描画して配置する。
【0032】
表示部60は、エラーダイアログを表示し、後出しで所定の画面を最前面に表示するため、ユーザに対し、すぐにエラーダイアログの操作を禁止することができる。
【0033】
所定の画面は、ユーザがエラーダイアログに対して操作できないようにする画面であればいかなる画面であってもよく、例えば黒色の画面とすることができる。それ故、所定の画面は、パネルタッチ無効モード画面と同様の機能を有する画面である。なお、ユーザが操作できなければよいので、エラーダイアログに含まれるボタンの反応条件を変更し、当該ボタンをグレーアウトする等して押下できない状態にしてもよい。また、エラーダイアログに含まれるボタンを非表示にしてもよい。
【0034】
処理部61は、判定部63から通知された判定結果に応じて、表示部60に対し、画面を切り替えるように要求する。すなわち、処理部61は、エラーの緊急度が高いと判定された場合、所定の画面を非表示にする等を要求する。処理部61は、エラーダイアログのボタンをグレーアウトした場合やエラーダイアログのボタンを非表示にするように要求した場合、元の表示(ボタンが押下できる状態)に戻すように要求する。表示部60は、この要求を受けて、所定の画面を非表示にするなどし、エラーダイアログの操作を可能にする。
【0035】
緊急度が低いエラーについては、所定の画面を最前面に配置しているので、パネルタッチを無効化した状態を維持し、緊急度が高いエラーについては、エラーダイアログを操作できるようにすることができる。
【0036】
図4は、画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合の処理の第1の例を示したシーケンス図である。エラーは、第1のエラー検知部62もしくは第2のエラー検知部64またはその両方で検知される。図4に示した例では、第1のエラー検知部62でエラーを検知し、続いて、第2のエラー検知部64でエラーを検知している。
【0037】
操作部12の第1のエラー検知部62で検知されるエラーは、ソフトウェア動作異常等である。本体11の第2のエラー検知部64で検知されるエラーは、定着系の異常、エンジン部26が立ち上がらない等である。
【0038】
第1のエラー検知部62および第2のエラー検知部64は、エラーが発生した旨とエラーの種別とを判定部63へ通知する(S1、S2)。判定部63は、図5に示すテーブルを参照し、エラーの種別に基づき、エラーの緊急度を判定する。
【0039】
ここで、図5を参照してエラーの緊急度について説明する。エラーの緊急度は、緊急性の度合いに応じて決定される緊急ランクであり、例えばA~Dでランク付けされる。図5では、4段階でランク付けされているが、これに限られるものではない。
【0040】
ランクAは、最も高いランクであり、致命的な異常に対して設定される。このような異常としては、実例として挙げるように、発火/発煙につながる恐れのある異常、定着系の異常等がある。
【0041】
ランクBは、ランクAの次に高いランクであり、致命的ではないが、各機能を実現するために必要なハードウェア等の異常に対して設定される。このような異常としては、実例として挙げられるように、手差し底板の動作異常、主電源ON時のハードディスク(HD)起動異常、アドレス帳異常等がある。
【0042】
ランクCは、ランクBに続く、3番目に高いランクであり、その他のハードウェアの異常に対して設定される。このような異常としては、実例として挙げられるように、温湿度センサ異常、コントローラが立ち上がらない等がある。
【0043】
ランクDは、最も低いランクであり、ソフトウェアやデータの異常に対して設定される。このような異常としては、実例として挙げられているように、ソフトウェア動作異常、ログデータ異常、エンジンが立ち上がらない等である。
【0044】
各ランクには、操作パネル36への表示方法やエラーの解除方法が関連付けられる。このため、処理部61は、通知されたランクに基づき、ランクに関連付けられた表示方法に基づき、操作パネル36の画面を切り替えることができる。また、ユーザやサービスマン(保守員)が、ランクに関連付けられた解除方法に基づき、エラーを解除することができる。テーブル中、SCはサービスコールであり、故障を検知した場合に自動でコールセンターに通報する機能である。SPモードは、サービスマンが保守、点検、調整に使用する特殊なモードである。
【0045】
再び図4を参照して、判定部63は、エラーの緊急度として、いずれのランクかを判定し、そのランクをエラー緊急度判定通知として通知する(S3)。処理部61は、判定部63からの通知を受け取り、エラーダイアログを表示するように、表示部60に対して要求する(S4)。表示部60は、処理部61からの要求を受けて、エラーダイアログを表示する。処理部61は、表示部60に対し、後出しで所定の画面を最前面に配置するように要求する。表示部60は、処理部61からの要求を受けて、最前面に所定の画面を配置する。
【0046】
処理部61は、通知されたランクに応じて、所定の画面を非表示にする等の処理を行うように要求し、エラーダイアログの操作を可能にすることができる。処理部61は、通知されたランクが、例えばランクA以上の場合に、所定の画面を非表示にする等の要求を行うことができる。
【0047】
図4に示したシーケンスでは、エラーの緊急度が高い場合、所定の画面を非表示にするように要求する(S5)。表示部60は、この要求を受けて、所定の画面を消去する等して非表示にする。
【0048】
図6図8を参照して、エラーの緊急度が高い場合に所定の画面を透明化して下の画面を触れるようにする処理について説明する。図6は、エラーの緊急度が高い場合に透明化して下の画面を触れるようにする処理の一例を示したフローチャートである。ユーザがパネルタッチ無効モードを選択することにより、ステップ100から処理を開始する。ステップ101では、第1のエラー検知部62もしくは第2のエラー検知部64またはその両方がエラーを検知する。
【0049】
ステップ102で、表示部60が処理部61からの要求でエラーダイアログを表示する。このとき、エラーダイアログは、パネルタッチ無効モード画面より最前面に配置され、ユーザの操作が可能な状態である。
【0050】
そこで、ステップ103で、表示部60が処理部61からの要求で、後出しで所定の画面を最前面に配置する。所定の画面は、図7に示すようにエラーダイアログの操作ができないように、例えば黒色の画面とされる。操作パネル36の画面には、パネルタッチ無効モード画面72の上にエラーダイアログ71が出現し、その上に所定の画面70が配置される。すなわち、エラーダイアログ71が所定の画面70により覆われる。所定の画面70は、エラーダイアログ71を覆うことができれば、エラーダイアログ71と同じサイズであってもよいし、エラーダイアログ71より大きいサイズであってもよい。
【0051】
再び図6を参照して、ステップ104で、処理部61が、判定部63が判定したランクに基づき、エラーの緊急度が高いか否かを判定する。エラーの緊急度が低い場合、ステップ105へ進み、図7に示したように所定の画面70をそのまま最前面とする。したがって、ユーザは、エラーダイアログに対して操作を行うことはできない。
【0052】
一方、エラーの緊急度が高い場合、ステップ106へ進み、図8に示したように所定の画面70を黒色から透明へと透明化し、エラーダイアログ71の操作が可能な状態にする。
【0053】
これまでの説明の例では、予め決められたランク以上の場合に、所定の画面を非表示や透明にするように設定されているが、非表示や透明にするか否か、ランク等をユーザが設定できるようにしてもよい。これにより、ユーザが使いたいようにカスタマイズすることが可能となる。
【0054】
パネルタッチ無効モード画面を表示している際にエラーが発生した場合のふるまいをユーザが設定できるようにしたMFP10の機能構成を、第2の例として図9に示す。
【0055】
本体11は、第2のエラー検知部64を含み、操作部12は、表示部60、処理部61、第1のエラー検知部62、判定部63を含む。図9に示す例では、操作部12が、さらに、設定部65を含む。
【0056】
表示部60、処理部61、第1のエラー検知部62、判定部63、第2のエラー検知部64については既に説明したので、ここではその説明を省略する。設定部65は、ユーザの入力に応じて、パネルタッチ無効モード画面を表示している間にエラーが発生した場合のふるまいを設定する。すなわち、設定部65は、緊急度を含む、画面の表示を切り替えるための切替条件を設定する。
【0057】
図10は、画面上の操作を無効化した後にエラーが発生した場合の処理の第2の例を示したシーケンス図である。ユーザ80は、表示部60に対し、上記のふるまいについての設定操作を行う(S1)。表示部60は、設定部65に対し、ユーザ80の設定操作により設定された内容の保存を指示する(S2)。
【0058】
エラーは、第1のエラー検知部62もしくは第2のエラー検知部64またはその両方で検知される。図10に示した例も、第1のエラー検知部62でエラーを検知し、続いて、第2のエラー検知部64でエラーを検知している。
【0059】
第1のエラー検知部62および第2のエラー検知部64は、エラーが発生した旨とエラーの種別とを判定部63へ通知する(S3、S4)。判定部63は、図5に示すテーブルを参照し、エラーの種別に基づき、エラーの緊急度を判定する。
【0060】
判定部63は、エラーの緊急度として、図5に示したテーブルのいずれのランクかを判定し、そのランクをエラー緊急度判定通知として通知する(S5)。処理部61は、判定部63からの通知を受け取り、エラーダイアログを表示するように、表示部60に対して要求する(S6)。表示部60は、処理部61からの要求を受けて、エラーダイアログを表示する。処理部61は、表示部60に対し、後出しで所定の画面を最前面に配置するように要求する。表示部60は、処理部61からの要求を受けて、最前面に所定の画面を配置する。
【0061】
処理部61は、設定部65に対し、現在設定されている設定内容の取得を要求する(S7)。設定部65は、処理部61からの要求に応答し、設定内容を返す(S8)。
【0062】
処理部61は、受け取った設定内容に従って、所定の画面を非表示にする等の要求を行う(S9)。処理部61は、所定の画面を透明化して下の画面を触れるようにする等の処理を行うように要求してもよく、これにより、エラーダイアログの操作を可能にすることができる。
【0063】
図11は、ユーザ80が設定できる切替条件の設定内容について説明する図である。ユーザ80は、例えば4つの項目について設定することができる。項目は、(1)エラーの緊急度によって所定の画面を非表示にさせるか否か、(2)緊急度のランク、(3)放置時間によって所定の画面を非表示にさせるか否か、(4)非表示にするまでの放置時間である。
【0064】
上記(1)と(2)が関連し、上記(3)と(4)が関連しており、上記(2)は、上記(1)がONに設定された場合のみ、設定可能とされ、上記(4)は、上記(3)がONに設定された場合のみ、設定可能とされる。これらの設定内容は、設定部65が保持する内容(設定値)である。
【0065】
図11に示す例では、エラーの緊急度によって所定の画面を非表示にするか否かを設定することができるようになっているが、所定の画面を透明化するか否かを設定することができるようになっていてもよい。
【0066】
図12は、本実施形態の情報処理システムの構成例を示した図である。これまでは、本体11と操作部12を備えるMFP10を例に挙げて説明してきた。しかしながら、操作部12の機能を、例えばネットワーク90を介して第1の装置としてPC91が備え、PC91と第2の装置としてMFP10のように2以上の装置から構成されたシステムについても同様に、エラーの緊急度に応じて、画面を切り替えることができる。
【0067】
すなわち、本体11をMFP10と見なし、操作部12をPC91と見なすことで、MFP10もしくはPC91またはその両方のエラーを検知し、PC91の画面にエラーダイアログを表示し、最前面に所定の画面を配置する。そして、エラーの緊急度が高いか否かを判定し、緊急度が低い場合は、所定の画面のままとし、緊急度が高い場合は、所定の画面を非表示にする、もしくは透明化し、エラーダイアログを操作できる状態にする。
【0068】
この場合も、ユーザが、エラーが発生した際のふるまいを設定することができ、所定の画面の非表示等に代えて、所定の画面を最前面に表示せず、エラーダイアログのボタンの反応条件を変更したり、当該ボタンを非表示にしたりしてもよい。これらの処理は、処理部61が実行することができ、処理部61が反応条件を変更し、上記ボタンを非表示にするように表示部60に対して要求することができる。
【0069】
また、情報処理システムを構成する2つの装置も、MFP10とPC91に限定されるものではなく、少なくとも1つの装置が操作パネルを備えていれば、プリンタとPC、プロジェクタとPC等であってもよい。さらに、情報処理システムは、2つの装置から構成されるものに限らず、3以上の装置から構成されるものであってもよい。
【0070】
また、エラーダイアログを表示した後、最前面に所定の画面を配置するものとして説明してきたが、最前面に所定の画面を配置する前に、エラーの緊急度を判定し、エラーの緊急度が高い場合、所定の画面を配置せず、エラーダイアログを表示するのみとし、エラーダイアログの操作を可能にしてもよい。なお、エラーの緊急度が低い場合は、最前面に所定の画面を配置することになる。
【0071】
以上に説明してきたように、本発明の装置、システム、方法およびプログラムを提供することで、緊急度の高いエラーに気づくことができるようになる。また、緊急度の低いエラーに対して、緊急性がないにも関わらず、ユーザの意図とは違うところで誤って操作してしまうことを防止することができる。一方、緊急度の高いエラーに対しては、緊急性を有し、早急に操作が必要になるため、エラーダイアログより前面に配置された所定の画面を非表示にする等して、操作が可能な状態にすることができる。
【0072】
これまで本発明を、情報処理装置、画像処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムとして上述した実施の形態をもって説明してきた。しかしながら、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができるものである。また、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
10…MFP
11…本体
12…操作部
13…通信路
20…CPU
21…ROM
22…RAM
23…HDD
24…通信I/F
25…接続I/F
26…エンジン部
27…バス
30…CPU
31…ROM
32…RAM
33…フラッシュメモリ
34…通信I/F
35…接続I/F
36…操作パネル
37…バス
40…アプリ層
41…サービス層
42…OS層
50…アプリ層
51…サービス層
52…OS層
60…表示部
61…処理部
62…第1のエラー検知部
63…判定部
64…第2のエラー検知部
65…設定部
70…所定の画面
71…エラーダイアログ
72…パネルタッチ無効モード画面
80…ユーザ
90…ネットワーク
91…PC
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特許第4378999号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12