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特開2024-117169連結カバー、コルゲート連結構造、コネクタ連結構造及び連結構造の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117169
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】連結カバー、コルゲート連結構造、コネクタ連結構造及び連結構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/06 20060101AFI20240822BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20240822BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20240822BHJP
   F16L 25/14 20060101ALI20240822BHJP
   F16L 33/00 20060101ALI20240822BHJP
   F16L 57/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H02G3/06
H02G3/04 068
H01R13/46 301J
F16L25/14
F16L33/00 B
F16L57/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023105
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】吉田 精一
【テーマコード(参考)】
3H016
3H017
3H024
5E087
5G357
【Fターム(参考)】
3H016DA03
3H017CA14
3H024AA04
3H024AB06
3H024AC03
5E087LL04
5E087LL17
5E087MM05
5E087QQ04
5E087RR13
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD01
5G357DD05
5G357DD10
5G357DG05
(57)【要約】
【課題】この発明は、コルゲートチューブの一端から導出するワイヤーハーネスを保護できる連結カバー、コルゲート連結構造、コネクタ連結構造及び連結構造の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】連結カバー40は、内部にハーネス10を挿通する挿通空間Sを有する筒状体であり、周方向に窪ませた第一小径部22と周方向に突出する第一大径部21とが挿通方向Lに沿って交互に配置された蛇腹構造の第一コルゲート20の一端を装着するコルゲート装着部50と、装着対象である第二コルゲート30を装着する中間装着部62とが備えられ、中間装着部62は、コルゲート装着部50と異なる断面形状で形成され、中間装着部62に装着した第二コルゲート30と、コルゲート装着部50に装着した第一コルゲート20とを連結する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にワイヤーハーネスを挿通する挿通空間を有する筒状体であり、
周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブの一端を装着するコルゲート装着部と、
装着対象である対象部材を装着する筒状装着部とが備えられ、
前記筒状装着部は、前記コルゲート装着部と異なる断面形状で形成され、
前記筒状装着部に装着した前記対象部材と、前記コルゲート装着部に装着した前記コルゲートチューブとを連結する
連結カバー。
【請求項2】
前記筒状装着部は、
前記コルゲート装着部と異なる内径を有する断面円形状に形成された
請求項1に記載の連結カバー。
【請求項3】
弾性変形可能な樹脂材で構成された
請求項2に記載の連結カバー。
【請求項4】
前記コルゲート装着部及び前記筒状装着部のうち少なくとも前記コルゲート装着部に、前記挿通空間に向けて突出し、前記凹部と係止できる係止突部が備えられた
請求項3に記載の連結カバー。
【請求項5】
前記係止突部が、前記長手方向に沿って複数設けられた
請求項4に記載の連結カバー。
【請求項6】
前記係止突部が、前記長手方向の内側に向けて傾斜した
請求項4又は請求項5に記載の連結カバー。
【請求項7】
前記係止突部は、周方向に沿って環状に形成された
請求項4又は請求項5に記載の連結カバー。
【請求項8】
前記コルゲートチューブを前記コルゲート装着部に装着する装着方向に沿って、互いに内径の異なる複数の前記筒状装着部が設けられ、
隣接する前記筒状装着部は、前記装着方向の端部側が大径に形成された
請求項2に記載の連結カバー。
【請求項9】
前記コルゲート装着部の内径が、前記装着方向の端部に設けられた前記筒状装着部の内径よりも大きい
請求項8に記載の連結カバー。
【請求項10】
前記コルゲート装着部の内径が、前記装着方向の端部に設けられた前記筒状装着部の内径よりも小さい
請求項8に記載の連結カバー。
【請求項11】
前記コルゲート装着部と前記筒状装着部とが同一の中心軸を有する円筒状に形成された
請求項2に記載の連結カバー。
【請求項12】
前記コルゲート装着部と前記筒状装着部とを連結する連結部が設けられ、
前記連結部は、前記長手方向と交差する方向に湾曲する
請求項1に記載の連結カバー。
【請求項13】
周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブと、
複数の電線を束ねたワイヤーハーネスと、
請求項2に記載の連結カバーとで構成され、
前記コルゲートチューブとして、前記コルゲート装着部に装着された第一コルゲートと、前記筒状装着部に挿入させた第二コルゲートとで構成され、
前記ワイヤーハーネスが挿通された前記第一コルゲートと前記第二コルゲートとが、前記連結カバーを介して連結された
コルゲート連結構造。
【請求項14】
前記コルゲート装着部の内径が前記筒状装着部の内径よりも大きく、
前記ワイヤーハーネスは、前記第一コルゲートで前記電線の一部が分岐された
請求項13に記載のコルゲート連結構造。
【請求項15】
周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブと、
前記コルゲートチューブに挿通させたワイヤーハーネスと、
前記ワイヤーハーネスの一端に装着されたコネクタと、
請求項1に記載の連結カバーとで構成され、
前記コルゲート装着部に装着された前記コルゲートチューブと、前記筒状装着部に装着された前記コネクタとが、前記連結カバーを介して連結された
コネクタ連結構造。
【請求項16】
弾性変形可能な樹脂材で構成された、内部にワイヤーハーネスを挿通する挿通空間を有する筒状体であり、周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブを装着するコルゲート装着部と、前記コルゲートチューブの内部に挿通するワイヤーハーネスに装着された対象部材を装着する筒状装着部とが備えられた連結カバーにおける前記筒状装着部に、前記対象部材を装着する対象装着工程と、
前記コルゲート装着部に前記コルゲートチューブを装着するコルゲート装着工程とを有し、
前記対象装着工程は、
前記連結カバーを周方向に拡大する拡大工程と、
拡大された前記連結カバーにおける前記筒状装着部に、前記対象部材を前記長手方向に沿って所定の位置まで挿入する挿入工程と、
周方向に拡大された前記連結カバー-を縮径し、前記対象部材を前記筒状装着部に装着する縮径装着工程とをこの順に行う
連結構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ワイヤーハーネスを内部に挿通するコルゲートチューブに装着させる連結カバー、コルゲート連結構造、コネクタ連結構造及び連結構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載されている電気機器同士を電気的に接続する長尺状のワイヤーハーネスは、自動車の車両の凹凸形状に合わせて直線部分と湾曲部分とを組み合わせた二次元的、又は、三次元的に複雑な配索経路で配索されている。
【0003】
このように車両に配索されたワイヤーハーネスは、車両に搭載された外部部材や車体のフレームなどと干渉して損傷することがないように、例えば、可撓性を有するとともに、長尺状に構成された中空状のコルゲートチューブなどに挿通させて保護することがある。
【0004】
このようにコルゲートチューブなどで保護されたワイヤーハーネスの先端には、例えば電子機器類と接続するためのコネクタなどが接続されている(特許文献1参照)。しかしながら、コネクタとワイヤーハーネスとの接続部分はコルゲートチューブの先端から露出しているため、露出したワイヤーハーネスが外部部材と干渉するおそれがあった。
【0005】
また、近年では、車両に搭載される電気機器類の増加に伴い、ワイヤーハーネスが分岐やUターンすることで、径が変わることがある。このように、径が変化するワイヤーハーネスを保護するため、内径の異なるコルゲートチューブをテープで巻き回して連結することもある。しかしながら、連結されたコルゲートチューブ同士の間には段差が生じるため、巻き回したテープが剥がれ、コルゲートチューブ同士の間からワイヤーハーネスが露出するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-220391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑み、コルゲートチューブの一端から導出するワイヤーハーネスを保護できる連結カバー、コルゲート連結構造、コネクタ連結構造及び連結構造の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、内部にワイヤーハーネスを挿通する挿通空間を有する筒状体であり、周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブの一端を装着するコルゲート装着部と、装着対象である対象部材を装着する筒状装着部とが備えられ、前記筒状装着部は、前記コルゲート装着部と異なる断面形状で形成され、前記筒状装着部に装着した前記対象部材と、前記コルゲート装着部に装着した前記コルゲートチューブとを連結する連結カバーであることを特徴とする。
【0009】
上述の前記コルゲート装着部と異なる断面形状とは、前記コルゲート装着部のように、円環形状以外の断面形状や、前記コルゲート装着部とは異なる内径で形成された円環形状の断面形状を含む。
前記対象部材とは、前記コルゲートチューブに対して連結する部材であれば特に限定はなく、例えば、内部を挿通する前記ワイヤーハーネスを保護するコルゲートチューブや、樹脂パイプ、グロメットやプロテクタなどの保護部材、前記コルゲートチューブの内部を挿通するワイヤーハーネスの一端に装着されたコネクタなど、ワイヤーハーネスと装着する装着部材を含む。
【0010】
この発明によると、コルゲートチューブをコルゲート装着部に装着するとともに、対象部材を筒状装着部に装着することで、連結カバーを介してコルゲートチューブと対象部材とを連結することができる。これにより、コルゲートチューブの一端と対象部材との間のワイヤーハーネスを連結カバーで囲繞することができるため、コルゲートチューブの一端から導出するワイヤーハーネスを保護できる。
【0011】
この発明の態様として、前記筒状装着部は、前記コルゲート装着部と異なる内径を有する断面円形状に形成されてもよい。
この発明により、様々な対象部材をコルゲートチューブと連結できる。
【0012】
例えば、断面が多角形状であるコネクタなどの角部分を、断面円形状に形成された筒状装着部に当接させて固定することができるため、コネクタなどを筒状装着部に保持させることができる。また、対象部材として、コルゲート装着部に装着するコルゲートチューブと径の異なる断面円形状のコルゲートチューブや樹脂パイプなども筒状装着部に装着させることができる。
【0013】
また、このように径の異なるコルゲートチューブ同士を連結することで、コルゲートチューブの間で導出されるワイヤーハーネスを連結カバーで囲繞することができる。したがって、コルゲートチューブ同士の間から導出されるワイヤーハーネスを確実に保護できる。
【0014】
さらにまた、コルゲート装着部に装着するコルゲートチューブと径の異なるコルゲートチューブなどを筒状装着部に装着することができるため、径の異なるコルゲートチューブ同士を確実に連結できる。これにより、コルゲートチューブ同士の間に配索されるワイヤーハーネスを連結カバーで囲繞できるため、コルゲートチューブ同士をテープ巻きする必要がなく、コルゲートチューブ同士を連結する連結作業の効率化を図ることができる。
【0015】
またこの発明の態様として、弾性変形可能な樹脂材で構成されてもよい。
またこの発明として、弾性変形可能な樹脂材で構成された、内部にワイヤーハーネスを挿通する挿通空間を有する筒状体であり、周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブを装着するコルゲート装着部と、前記コルゲートチューブの内部に挿通するワイヤーハーネスに装着された対象部材を装着する筒状装着部とが備えられた連結カバーにおける前記筒状装着部に、前記対象部材を装着する対象装着工程と、前記コルゲート装着部に前記コルゲートチューブを装着するコルゲート装着工程とを有し、前記対象装着工程は、前記連結カバーを周方向に拡大する拡大工程と、拡大された前記連結カバーにおける前記筒状装着部に、前記対象部材を前記長手方向に沿って所定の位置まで挿入する挿入工程と、周方向に拡大された前記連結カバーを縮径し、前記対象部材を前記筒状装着部に装着する縮径装着工程とをこの順に行う連結構造の製造方法であることを特徴とする。
【0016】
この発明により、容易かつ確実にコルゲートチューブと対象部材とを連結することができる。
例えば、連結カバーが弾性変形可能な樹脂材で構成されていることにより、筒状装着部を周方向に向けて拡大することができる。このため、周方向に向けて拡大させた筒状装着部に対象部材を挿通させて、筒状装着部を周方向に向けて縮径することで、筒状装着部に対象部材を容易かつ確実に装着できる。したがって、連結カバーの装着作業を効率よく行うことができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記コルゲート装着部及び前記筒状装着部のうち少なくとも前記コルゲート装着部に、前記挿通空間に向けて突出し、前記凹部と係止できる係止突部が備えられてもよい。
【0018】
前記係止突部は、前記コルゲート装着部にのみ備えられている場合、前記コルゲート装着部及び前記筒状装着部の双方に備えられている場合を含む。
【0019】
この発明により、係止突部と凹部とを係止することでコルゲートチューブを確実に保持し、連結カバーに装着されたコルゲートチューブが抜け落ちることを抑制できる。したがって、コルゲートチューブから導出されるワイヤーハーネスを確実に連結カバーに挿通させることができ、ワイヤーハーネスを確実に保護できる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記係止突部が、前記長手方向に沿って複数設けられてもよい。
この発明により、長手方向に沿って凸部と交互に配置された凹部に、複数の係止突部を係止させることができるため、コルゲートチューブの抜け落ちをより抑制できる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記係止突部が、前記長手方向の内側に向けて傾斜してもよい。
上述の前記長手方向の内側に向けてとは、前記係止突部が設けられた前記コルゲート装着部及び前記筒状装着部を基準として、前記長手方向の内側をさす。すなわち、前記係止突部が前記コルゲート装着部に設けられている場合には、前記筒状装着部の側をさし、前記係止突部が前記筒状装着部に設けられている場合には、前記コルゲート装着部の側をさす。
【0022】
この発明によると、コルゲートチューブが長手方向の外側に移動した場合には、内側に向けて傾斜した係止突部が凹部と干渉し、長手方向の外側への移動を規制することができる。これにより、コルゲートチューブの抜け落ちをより確実に抑制できる。
【0023】
また、コルゲートチューブを長手方向の内側に差し込む場合には、内側に傾斜した係止突部に沿って、コルゲートチューブを内側に挿入することができるため、確実にコルゲートチューブを連結カバーに装着することができる。これにより、係止突部が設けられていても、容易にコルゲートチューブを連結カバーに装着することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記係止突部は、周方向に沿って環状に形成されてもよい。
この発明により、周方向に沿って係止突部と凹部とを係止できるため、確実にコルゲートチューブを係止することができる。したがって、コルゲートチューブの抜け落ちをより確実に抑制し、連結カバーの内部を挿通するワイヤーハーネスを確実に保護できる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記コルゲートチューブを前記コルゲート装着部に装着する装着方向に沿って、互いに内径の異なる複数の前記筒状装着部が設けられ、隣接する前記筒状装着部は、前記装着方向の端部側が大径に形成されてもよい。
【0026】
この発明により、径の異なるコルゲートチューブやサイズの異なるコネクタなど、様々な対象部材を筒状装着部に装着することができる。すなわち、様々な対象部材とコルゲートチューブと連結することができるため、汎用性を向上させることができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記コルゲート装着部の内径が、前記装着方向の端部に設けられた前記筒状装着部の内径よりも大きくてもよい。
この発明により、筒状装着部に装着される対象部材よりも、径の大きなコルゲートチューブをコルゲート装着部に装着することができる。すなわち、太径のワイヤーハーネスをコルゲートチューブで保護するとともに、細径のワイヤーハーネスに対応する対象部材を筒状装着部に装着できる。
【0028】
例えば、コルゲートチューブの内部において、一端側に向けて配索されるワイヤーハーネスの幹線から分岐する分岐線を、筒状装着部と反対側に向けて配索することで、コルゲートチューブの内部においてワイヤーハーネスが太径化することとなる。一方で、分岐線が分岐したワイヤーハーネスの一端側は細径化することとなる。このように、コルゲートチューブの内部において径が変化するワイヤーハーネスを、筒状装着部に他のコルゲートチューブを装着することで、ワイヤーハーネスを確実に保護することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記コルゲート装着部の内径が、前記装着方向の端部に設けられた前記筒状装着部の内径よりも小さくてもよい。
【0030】
上述の前記コルゲート装着部の内径は、装着方向に沿って設けられた複数の前記筒状装着部のうち、装着方向の端部に設けられた前記筒状装着部の内径と比べて小さく、他の前記筒状装着部よりも大きい場合や、すべての又は一部の前記筒状装着部の内径よりも小さい場合を含む。
【0031】
この発明によると、様々な対象部材を筒状装着部に装着することができる。
例えば、コルゲート装着部の内径が、装着方向に沿って設けられた複数の前記筒状装着部のすべてよりも小さい場合には、コルゲートチューブよりもサイズの大きな対象部材を段階的に、コルゲートチューブと連結することができる。一方で、コルゲート装着部の内径が、装着方向に沿って設けられた複数の前記筒状装着部のうちの一部よりも小さい場合には、様々なサイズの対象部材と選択的に装着することができる。これにより、様々な対象部材に応じたワイヤーハーネスを容易に保護することができる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記コルゲート装着部と前記筒状装着部とが同一の中心軸を有する円筒状に形成されてもよい。
この発明により、コルゲート装着部と筒状装着部との間で、中心軸を中心とした断面円形状の挿通空間が長手方向に沿って形成されるため、ワイヤーハーネスを容易に挿通することができる。また、挿通空間において、ワイヤーハーネスが過度に傾いて配索されることがないため、ワイヤーハーネスを短くできる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記コルゲート装着部と前記筒状装着部とを連結する連結部が設けられ、前記連結部は、前記長手方向と交差する方向に湾曲してもよい。
この発明により、連結部をワイヤーハーネスの曲げ方向に合わせることができ、コルゲート装着部に装着されたコルゲートチューブの一端から導出されるワイヤーハーネスを、所望の方向に曲げられるとともに、ワイヤーハーネスの湾曲部分を連結部で保護できる。
【0034】
またこの発明として、周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブと、複数の電線を束ねたワイヤーハーネスと、上述の連結カバーとで構成され、前記コルゲートチューブとして、前記コルゲート装着部に装着された第一コルゲートと、前記筒状装着部に挿入させた第二コルゲートとで構成され、前記ワイヤーハーネスが挿通された前記第一コルゲートと前記第二コルゲートとが、前記連結カバーを介して連結されたコルゲート連結構造であることを特徴とする。
【0035】
この発明より、第一コルゲートをコルゲート装着部に装着するとともに、第二コルゲートを筒状装着部に装着することで、連結カバーを介して第一コルゲートと第二コルゲートとを連結することができる。したがって、第一コルゲート一端から導出され、第二コルゲートに導入されるワイヤーハーネスを保護できる。
【0036】
また、第一コルゲートと径の異なる第二コルゲートとを連結できるため、第一コルゲートと第二コルゲートとの間で導出されるワイヤーハーネスを連結カバーで囲繞することができる。また、例えば、第一コルゲートと第二コルゲートとの間をテープ巻きするといった煩雑な作業を行う必要がない。したがって、第一コルゲートと第二コルゲートとの間から導出されるワイヤーハーネスを確実に保護できるとともに、第一コルゲートと第二コルゲートとを連結する作業の作業性を向上させることができる。
【0037】
またこの発明の態様として、前記コルゲート装着部の内径が前記筒状装着部の内径よりも大きく、前記ワイヤーハーネスは、前記第一コルゲートの内部において、前記電線の一部が分岐されてもよい。
この発明により、大径の第一コルゲートの内部において、電線が分岐して太径化したワイヤーハーネスを第一コルゲートで保護できるとともに、第一コルゲートの一端側から導出された、分岐により細径化したワイヤーハーネスを、筒状装着部に装着した第二コルゲートで保護することができる。
【0038】
またこの発明として、周方向に窪ませた凹部と周方向に突出する凸部とが長手方向に沿って交互に配置された蛇腹構造のコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブに挿通させたワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスの一端に装着されたコネクタと、上述の連結カバーとで構成され、前記コルゲート装着部に装着された前記コルゲートチューブと、前記筒状装着部に装着された前記コネクタとが、前記連結カバーを介して連結されたコネクタ連結構造であることを特徴とする。
【0039】
この発明により、コルゲートチューブをコルゲート装着部に装着するとともに、コネクタを筒状装着部に装着することで、連結カバーを介してコルゲートチューブとコネクタとを連結することができる。したがって、コルゲートチューブの一端とコネクタとの間のワイヤーハーネスの外周を連結カバーで覆うことができ、コルゲートチューブの一端から導出するワイヤーハーネスを保護できる。
【発明の効果】
【0040】
この発明によれば、コルゲートチューブの一端から導出するワイヤーハーネスを保護できる連結カバー、コルゲート連結構造、コネクタ連結構造及び連結構造の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】コルゲート連結構造の概略平面図。
図2】連結カバーの概略平面図。
図3】連結カバーの説明図。
図4】コルゲート連結構造の製造工程の説明図。
図5】コルゲート連結構造の製造工程の説明図。
図6】コルゲート連結構造の製造工程の説明図。
図7】コルゲート連結構造の概略断面図。
図8】他の第二コルゲートを連結させたコルゲート連結構造の説明図。
図9】コネクタ連結構造の説明図。
図10】他の実施形態にかかる連結カバーを用いたコルゲート連結構造の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
この発明の一実施形態を、以下図1乃至図9とともに説明する。
図1はコルゲート連結構造1の概略平面図を示し、図2は連結カバー40の概略平面図を示し、図3は連結カバー40の説明図を示す。図4乃至図6はコルゲート連結構造1の製造方法の説明図を示し、図7はコルゲート連結構造1の概略断面図を示す。図8はコルゲート連結構造1の他の実施形態の説明図を示し、図9は連結カバー40を介して第一コルゲート20とコネクタ70とを連結させたコネクタ連結構造2の説明図を示す。なお、図10は連結カバー40a及び連結カバー40bを用いた場合のコルゲート連結構造1の平面図を示す。
【0043】
図3乃至図6図8乃至図10について詳述する。図3(a)は図2におけるA-A矢視断面図を示し、図3(b)は図2におけるB-B矢視断面図を示す。
図4(a)は第二コルゲート30を連結カバー40に装着する前の状態の概略断面図を示し、図4(b)は連結カバー40を拡径させた状態の概略断面図を示し、図5(a)は第二コルゲート30を拡径させた連結カバー40に挿入した状態の概略断面図を示し、図5(b)は第二コルゲート30を連結カバー40に装着した状態の概略断面図を示す。図6(a)は第二コルゲート30を装着した連結カバー40に第一コルゲート20を装着する前の状態の概略断面図を示し、図6(a)は第二コルゲート30を装着した連結カバー40に第一コルゲート20を装着した状態の概略断面図を示す。
【0044】
図8(a)は第二コルゲート30よりも太径の第二コルゲート30aを第一コルゲート20に連結したコルゲート連結構造1aの概略断面図を示し、図8(b)は第二コルゲート30よりも細径の第二コルゲート30bを第一コルゲート20に連結したコルゲート連結構造1bの概略断面図を示す。図9(a)はコネクタ70を第一コルゲート20に連結したコネクタ連結構造2の概略断面図を示し、図9(b)は大径装着部63の上流側Luを挿通方向Lと直交する方向に切断した断面を挿通方向Lに沿って上流側Luから視た概略断面図を示し、図9(c)はコネクタ70よりもコンパクトなコネクタ70aを第一コルゲート20に連結したコネクタ連結構造2aの概略断面図を示す。
なお、図4乃至図8図9(a)及び図9(c)は図2におけるA-A矢視断面図に対応する概略断面図を示す。
【0045】
図10(a)は連結カバー40の他の実施形態にかかる連結カバー40aを用いて第一コルゲート20と第二コルゲート30とを連結させたコルゲート連結構造1cの概略平面図を示し、図10(b)は他の実施形態にかかる連結カバー40bを用いて第一コルゲート20と第二コルゲート30とを連結させたコルゲート連結構造1dの概略平面図を示す。
【0046】
ここで、第一コルゲート20の長手方向を挿通方向Lとする。そして、連結カバー40に対して第一コルゲート20が配置された側を上流側Lu、連結カバー40に対して第二コルゲート30が配置された側を下流側Ldとする。以下、図1乃至図10において対応する方向も、同じ方向とする。
【0047】
コルゲート連結構造1は、図1に示すように、複数の電線を束ねたハーネス10と、ハーネス10を内部に挿通させた中空状の第一コルゲート20と、第一コルゲート20よりも細径の第二コルゲート30と、第一コルゲート20と第二コルゲート30とを連結する連結カバー40とで構成されている。
【0048】
ハーネス10は、導体を絶縁被膜で囲繞した被覆電線を束ねたワイヤーハーネスであり、車両に搭載された電気機器類同士を電気的に接続している。このハーネス10は、下流側Ldから上流側Luに向けた幹線11と、第一コルゲート20の内部において幹線11から分岐するとともに、下流側Ldに向けて折り返される分岐線12とで構成されている(図7参照)。
【0049】
第一コルゲート20は、円筒状に形成された樹脂製のコルゲートチューブであり、図1に示すように、外周面を全周にわたって径外側に突出させた第一大径部21と、外周面を全周にわたって径内側に窪ませた第一小径部22とが挿通方向Lに沿って交互に連続して配置された、可撓性を有する蛇腹構造で構成されている。なお、第一コルゲート20の内径は、およそ13mmで、第一コルゲート20の外径はおよそ17mmである。
【0050】
このような蛇腹構造で構成された第一コルゲート20には、外周面における一箇所を、上流側Luの端部から下流側Ldの端部まで挿通方向Lに沿って直線状に切断して形成された第一スリット23が設けられている。
なお、本実施形態において、第一コルゲート20には、第一スリット23が設けられているが、第一スリット23が設けられていなくてもよい。
【0051】
第二コルゲート30は、第一コルゲート20よりも細径であることを除き、第一コルゲート20と同じ構成である。すなわち、第二コルゲート30は、円筒状に形成された樹脂製のコルゲートチューブであり、図1に示すように、外周面を全周にわたって径外側に突出させた第二大径部31と、外周面を全周にわたって径内側に窪ませた第二小径部32とが挿通方向Lに沿って交互に連続して配置された、可撓性を有する蛇腹構造で構成されている。なお、第二コルゲート30の内径は、およそ7mmで、第二コルゲート30の外径はおよそ10mmである。
【0052】
このような蛇腹構造で構成された第二コルゲート30には、外周面における一箇所を、上流側Luの端部から下流側Ldの端部まで挿通方向Lに沿って直線状に切断して形成された第二スリット33が設けられている。
なお、本実施形態において、第一コルゲート20と同様に、第二コルゲート30には、第二スリット33が設けられているが、第二スリット33が設けられていなくてもよい。
【0053】
連結カバー40は、図2及び図3に示すように、弾性を有する樹脂材で構成された、周方向に閉じた略円筒状の略筒状体であり、上流側Luに配置されたコルゲート装着部50と、下流側Ldに配置された先端側装着部60とで一体構成されている。
【0054】
コルゲート装着部50は、図3に示すように、第一コルゲート20を嵌合可能な中空状の外周筒部51と、外周筒部51の内側に設けられた筒状の内周筒部52とで構成されている。
外周筒部51は、第一コルゲート20の外径と同じ内径の挿通孔を有する円筒状をしており、先端部分が内側に向けて先細りしている。すなわち、外周筒部51は、第一コルゲート20を装着可能に構成されている。この外周筒部51の内周面には、内側に向けて突出する基端側リブ511が、挿通方向Lに沿って所定の間隔を隔てて設けられている。
【0055】
基端側リブ511は、図3に示すように、周方向に沿って環状に構成されるとともに、先端が下流側Ld(先端側装着部60の側)を向くように傾斜するリブであり、第一コルゲート20における溝深さ(第一大径部21の外周面から第一小径部22の溝底までの長さ)と略同じ長さだけ、外周筒部51の内周面から突出している。なお、基端側リブ511の挿通方向Lに沿った長さは、第一小径部22の谷幅(第一小径部22の挿通方向Lに沿った長さ)よりもわずかに短くなるように、先端側装着部60に向けて傾斜している。
このように構成された基端側リブ511は、第一小径部22同士の間隔と等しい間隔を隔てて、挿通方向Lに沿って3つ設けられている。
【0056】
内周筒部52は、先細りする外周筒部51の先端部分から挿通方向Lに沿って下流側Ldに突出する円筒体である。この内周筒部52の外周面と外周筒部51の外周面との間隔は、第一大径部21の外周面と第一小径部22の内周面との間隔と略等しい。すなわち、外周筒部51の内側に第一コルゲート20を装着させた場合において、内周筒部52は第一小径部22の内側に挿入される。
【0057】
先端側装着部60は、図2及び図3に示すように、コルゲート装着部50と同一の中心軸CXを有するとともに、上流側Luから下流側Ldに向かうに伴い、段階的に太径となる円筒が挿通方向Lに連なった形状をしている。
【0058】
詳述すると、先端側装着部60は、先細りする外周筒部51の先端から上流側Luに向けて延出する円筒形の小径装着部61と、小径装着部61に比べて径が大きい円筒形の中間装着部62と、中間装着部62に比べて径が大きい円筒形の大径装着部63とがこの順に並んで備えられている。
【0059】
小径装着部61は、第二コルゲート30よりも径が一つ小さいサイズのコルゲートチューブ(第二コルゲート30aとする。)の外径と同じ内径の挿通孔を有する円筒状をしている。すなわち、小径装着部61は、第二コルゲート30aを装着可能に構成されている。なお、第二コルゲート30aの内径は、およそ5mmで、第二コルゲート30aの外径はおよそ8mmである。
【0060】
このように構成された小径装着部61の内周面には、内側に向けて突出する小径リブ611が、第二コルゲート30aにおける凹部同士の間隔と等しい間隔を隔てて3つ設けられている。
小径リブ611は、図3に示すように、周方向に沿って環状に構成されるとともに、先端が上流側Lu(コルゲート装着部50の側)を向くように傾斜するリブであり、第二コルゲート30aの溝深さと略同じ長さだけ、小径装着部61の内周面から突出している。また、小径リブ611の挿通方向Lに沿った長さは、第二コルゲート30aの谷幅よりもわずかに短くなるように、コルゲート装着部50に向けて傾斜している。
【0061】
中間装着部62は、小径装着部61の先端から挿通方向Lに沿って延出する円筒状をしており、第二コルゲート30の外径と同じ内径を有する挿通孔を有する。すなわち、中間装着部62は、第二コルゲート30を装着可能に構成されている。
【0062】
この中間装着部62の内周面には、内側に向けて突出する中間リブ621が、第一小径部22同士の間隔と等しい間隔を隔てて3つ設けられている。
中間リブ621は、図3に示すように、周方向に沿って環状に構成されるとともに、先端が上流側Lu(コルゲート装着部50の側)を向くように傾斜するリブであり、第二コルゲート30の溝深さ(第二大径部31の外周面から第二小径部32の溝底までの長さ)と略同じ長さだけ、中間装着部62の内周面から突出している。また、中間リブ621の挿通方向Lに沿った長さは、第二小径部32の谷幅(第二小径部32の挿通方向Lに沿った長さ)よりもわずかに短くなるように、コルゲート装着部50に向けて傾斜している。
【0063】
大径装着部63は、第一コルゲート20よりも径が一つ小さく、第二コルゲート30よりも径が一つ大きなサイズのコルゲートチューブ(第二コルゲート30bとする。)の外径と同じ内径の挿通孔を有する円筒状をしている。すなわち、大径装着部63は、外周筒部51よりも小さな内径を有し、第二コルゲート30bを装着可能に構成されている。なお、第二コルゲート30bの内径は、およそ11mmで、第二コルゲート30bの外径はおよそ14mmである。
【0064】
大径装着部63の内周面には、内側に向けて突出する大径リブ631が、第二コルゲート30bの凹部同士の間隔と等しい間隔を隔てて3つ設けられている。
大径リブ631は、図3に示すように、周方向に沿って環状に構成されるとともに、先端が上流側Lu(コルゲート装着部50の側)を向くように傾斜するリブであり、大径装着部63に装着できる第二コルゲート30bの溝深さと略同じ長さだけ、大径装着部63の内周面から突出している。また、大径リブ631の挿通方向Lに沿った長さは、第二コルゲート30bの谷幅よりもわずかに短くなるように、コルゲート装着部50に向けて傾斜している。
【0065】
このように構成された小径装着部61、中間装着部62、大径装着部63は、コルゲート装着部50と同一の中心軸CXを有するとともに、外周筒部51と内径の異なる断面円環状で構成されている。すなわち、これらの小径装着部61、中間装着部62及び大径装着部63における、挿通方向Lと直交する面で切断した断面形状は、コルゲート装着部50と同一の中心軸CXを有する円環状であるものの、コルゲート装着部50の断面形状とは異なっている。
【0066】
このように、上流側Luにコルゲート装着部50と、下流側Ldに小径装着部61、中間装着部62及び大径装着部63が並んで配置された先端側装着部60とが一体に構成された連結カバー40は、図3に示すように、内部にハーネス10を挿通する挿通空間Sが形成されている。
【0067】
次に、連結カバー40を介して第一コルゲート20と第二コルゲート30とを連結するコルゲート連結構造1の製造方法について、図4乃至図6に基づき簡単に説明する。
はじめに、分岐線12が幹線11から分岐している箇所が保護されるように、第一スリット23を介して、分岐線12の分岐箇所を含めたハーネス10を第一コルゲート20に挿通させる。また、連結カバー40の挿通空間Sに幹線11を挿通させるとともに、第二スリット33を介して、第一コルゲート20よりも細径である第二コルゲート30の内部に、連結カバー40の下流側Ldに挿通させた幹線11を挿通させる(図4(a)参照)。
【0068】
なお、ハーネス10を連結カバー40に挿通させた後に、第一スリット23を介して、分岐線12の分岐箇所を含めたハーネス10を第一コルゲート20に挿通してもよく、またハーネス10を連結カバー40に挿通させた後に、第二スリット33を介して、ハーネス10を第二コルゲート30に挿通してもよい。このハーネス10を第一コルゲート20及び第二コルゲート30に挿通する順番や方法は適宜変更してもよい。また、仮に第一スリット23などが設けられていない場合についても同様である。
【0069】
次に、連結カバー40に第二コルゲート30を装着させる対象装着工程として、弾性部材で構成された連結カバー40の内部に拡径治具(図示省略)を上流側Luから挿入し、図4(b)に示すように、連結カバー40を径方向の外側に向けて拡径させる(拡大工程とする。)。そして、図5(a)に示すように、第二コルゲート30の上流側Luの先端が小径装着部61と中間装着部62との間に配置されるように、第二コルゲート30を拡大工程により拡径された先端側装着部60に挿入する(挿入工程とする。)。
【0070】
このように第二コルゲート30を先端側装着部60に挿入する挿入工程の後に、拡大工程において拡径された連結カバー40から拡径治具を抜き取って、連結カバー40を縮径させて元の形状に戻す。これにより、図5(b)に示すように、中間装着部62に第二コルゲート30が装着される(縮径装着工程とする。)。なお、縮径装着工程により、中間装着部62が第二コルゲート30に装着された状態において、中間装着部62の内周面が第二コルゲート30の外周面と当接するだけでなく、中間装着部62の内周面から環状に突出する中間リブ621が第二小径部32に係止する。これにより、第二コルゲート30が先端側装着部60の下流側Ldから抜け落ちることをより確実に抑制できる。
【0071】
次に、図6(a)に示すように、外周筒部51と内周筒部52との間に第一コルゲート20が挿入されるように、コルゲート装着部50の上流側Luに配置した第一コルゲート20を下流側Ldに移動させる。ここで、外周筒部51の内周面から突出する基端側リブ511は、弾性部材で構成されているとともに、先端側装着部60に向けて傾斜している。このため、第一コルゲート20を下流側Ldに向けて挿入することで、基端側リブ511は第一大径部21と干渉して下流側Ldに倒れるように弾性変形する。このため、図6(b)に示すように、コルゲート装着部50の上流側Luに第一コルゲート20を容易に挿入して装着することができる(コルゲート装着工程とする。)。なお、基端側リブ511の先端が第一大径部21を超えることで、基端側リブ511は元の形状に戻って第一小径部22に係止することとなる。
【0072】
このように、コルゲート装着工程により、第二コルゲート30を装着させた連結カバー40に第一コルゲート20を装着させることで、コルゲート連結構造1を製造することができる。このコルゲート連結構造1では、図7に示すように、第一コルゲート20における下流側Ldの端部と第二コルゲート30における上流側Luの端部との間に隙間があるために、第一コルゲート20及び第二コルゲート30で保護されていないハーネス10(導出部分10xとする)を連結カバー40(中間装着部62)で囲繞することができる。これにより、第一コルゲート20及び第二コルゲート30で保護されていない導出部分10xが外部の部材と干渉して、損傷することを抑制することができる。
【0073】
また、第一コルゲート20が接続されるコルゲート装着部50では、基端側リブ511が第一小径部22と嵌合した状態で、内周筒部52が第一コルゲート20の内面側に挿入されているため、第一コルゲート20から導出されるハーネス10が第一コルゲート20の角部分と干渉して損傷することを抑制できる。
【0074】
さらにまた、図7に示すように、幹線11のみを保護する第二コルゲート30は、幹線11から分岐して折り返される分岐線12と幹線11とを保護する第一コルゲート20より細径である。このような径の異なる第一コルゲート20と第二コルゲート30とを連結カバー40を介して連結することで、径方向に対して段差を有する第一コルゲート20と第二コルゲート30とを容易に連結できる。
【0075】
また、上述のように、第一コルゲート20における第一小径部22には、先端側装着部60に向けて傾斜する基端側リブ511が係止され、第二コルゲート30における第二小径部32には、コルゲート装着部50に向けて傾斜する中間リブ621が係止されている。このため、第一コルゲート20及び第二コルゲート30に、挿通方向Lの外側に向けて意図しない外力が作用した場合であっても、第一コルゲート20及び第二コルゲート30が挿通方向Lの外側に移動して、抜け落ちることを抑制できる。一方で、コルゲート装着部50の先端部分(下流側Ldの端部近傍)及び中間装着部62の基端部分(上流側Luの端部近傍)は、ともに先細りしているため、第一コルゲート20及び第二コルゲート30が挿通方向Lの内側に移動することも規制できる。
【0076】
さらにまた、コルゲート装着部50と先端側装着部60とは、同軸の中心軸CXを有するため、挿通方向Lに沿った挿通空間Sは、中心軸CXを中心とした断面円形状に形成される。これにより、容易にハーネス10を挿通空間Sに挿通できるとともに、挿通空間Sにおいて、ハーネス10が過度に傾いて配索されることがないため、ハーネス10を短くできる。
【0077】
また、先端側装着部60は、内径の異なる挿通孔を形成する小径装着部61、中間装着部62及び大径装着部63が上流側Luから下流側Ldに向けてこの順で配置されているため、上述のように、中間装着部62に対して第二コルゲート30を装着させているだけでなく、図8(a)に示すように、小径装着部61に第二コルゲート30よりも細径の第二コルゲート30aを装着することもできる。すなわち、連結カバー40を介して第一コルゲート20と及び第二コルゲート30aとが連結されたコルゲート連結構造1aを製造することができる。
【0078】
また同様に、図8(b)に示すように、大径装着部63に第二コルゲート30よりも太径の第二コルゲート30bを、第二コルゲート30の代わりに同様に装着することもできる。すなわち、連結カバー40を介して第一コルゲート20と及び第二コルゲート30bとが連結されたコルゲート連結構造1bを製造することができる。
【0079】
このように、先端側装着部60には、様々な内径のコルゲートチューブを装着することができるため、第一コルゲート20の内部に挿入されているハーネス10に合わせて、適したコルゲートチューブを先端側装着部60に装着することができる。したがって、径の異なる第一コルゲート20及び第二コルゲート30,30a,30bを挿通するハーネス10を確実に保護できる。
【0080】
上述のコルゲート連結構造1では、先端側装着部60に第二コルゲート30を装着させることで、第一コルゲート20と第二コルゲート30とを連結させているが、図9(a)に示すように、ハーネス10の先端(下流側Ldの端部)に接続されたコネクタ70を装着させることもできる。
【0081】
コネクタ70は、ハーネス10を構成する被覆電線の先端に接続された接続端子(図示省略)を収容することができるハウジング71を有している。
ハウジング71は、大径装着部63の内径よりもわずかに長い幅と、高さを有し、ハウジング71の挿通方向Lに沿った長さは、大径装着部63の挿通方向Lに沿った長さよりもわずかに長くなっている筐体である。そして、このハウジング71には、接続端子を収容するためのキャビティ711が複数設けられている。また、ハウジング71の下流側Ldは、接続機器Dに備えられた機器側コネクタDaと接続可能に構成されている。
【0082】
このように構成されたコネクタ70は、下流側Ldに配置された接続機器Dなどと接続することで、ハーネス10の上流側Luで接続された電気機器類とコネクタ70と接続された接続機器Dとを電気的に接続することができる。
【0083】
コネクタ70を大径装着部63に装着させる方法は、第二コルゲート30を中間装着部62に装着させる方法と略同じである。簡単に説明すると、コネクタ70が先端に接続されたハーネス10を連結カバー40に挿通させるとともに、第一スリット23を介して第一コルゲート20にハーネス10を挿通させる。
【0084】
なお、コネクタ70と装着する前のハーネス10を第一コルゲート20及び連結カバー40に挿通させた後に、ハーネス10の先端にコネクタ70を装着してもよく、第一コルゲート20及び連結カバー40にハーネス10の挿通する方法は、適宜変更できる。
【0085】
次に、連結カバー40を拡径させるとともに、大径装着部63に対応する箇所までコネクタ70を移動させて、拡径された連結カバー40を縮径させる。これにより、ハウジング71の角部分が大径装着部63の内周面に当接することとなり(図9(b)参照)、コネクタ70が先端側装着部60に係止される。
【0086】
このように、コネクタ70が先端側装着部60に係止された状態で、第一コルゲート20をコルゲート装着部50に挿入して装着させることで、第一コルゲート20とコネクタ70とを連結させたコネクタ連結構造2を製造することができる(図9(a)参照)。
【0087】
連結カバー40を介してコネクタ70と第一コルゲート20とを連結させたコネクタ連結構造2では、第一コルゲート20から導出されるハーネス10、より詳しくは、第一コルゲート20の先端とコネクタ70との間のハーネス10(導出部分10x)を連結カバー40で囲繞することができるため、ハーネス10を確実に保護することができる。
【0088】
また、例えばコネクタ70よりもサイズが小さいコネクタ70aを先端側装着部60に装着させることができる。
コネクタ70aは、コネクタ70とサイズが異なること以外は、同じ構成である。すなわち、コネクタ70aは、コネクタ70よりも一回りサイズが小さな略直方体形状をした筐体で構成されたハウジング71aを有しており、ハウジング71aにはハーネス10を構成する被覆電線の先端に接続された接続端子(図示省略)を収容することができる。
【0089】
ハウジング71aについて詳述する。ハウジング71aは、中間装着部62の内径よりもわずかに長い幅と、高さを有している。また、ハウジング71aの挿通方向Lに沿った長さは、中間装着部62の挿通方向Lに沿った長さよりもわずかに長くなっている。
【0090】
このように構成されたコネクタ70aは、コネクタ70と同様の方法で、中間装着部62に係止固定することができる。これにより、連結カバー40を介してコネクタ70aと第一コルゲート20とを連結するコネクタ連結構造2aとすることができる(図9(c)参照)。
【0091】
ここで、コネクタ連結構造2aではコネクタ70aが大径装着部63の内部に収容されることとなる。そのため、コネクタ連結構造2aの下流側Ldに配置されたコネクタ70aを機器側コネクタDaと接続できるように、コネクタ70aの下流側Ldの端部を露出させる必要がある。ここで、連結カバー40は弾性部材で構成されているため、図9(c)に示すように、大径装着部63を上流側Luに巻き返すことができる。これにより、コネクタ70aの下流側Ldの端部を先端側装着部60から露出させることができ、コネクタ70aを接続機器Dと接続できる。
【0092】
この場合において、大径装着部63を上流側Luに巻き返しやすいように、例えば、挿通方向Lに沿って所定長さだけ切断できるような、挿通方向Lに沿った切断用溝を先端側装着部60に設けてもよい。
また、先端側装着部60は、大径装着部63と中間装着部62、あるいは中間装着部62と小径装着部61との間に、挿通方向Lに分断できるように周方向に沿って形成された分断用溝を設けてもよいし、大径装着部63を切断し、切断部分からコネクタ70aの先端側を露出させてもよい。
【0093】
このように構成された連結カバー40は、内部にハーネス10を挿通する挿通空間Sを有する筒状体であり、周方向に窪ませた第一小径部22と周方向に突出する第一大径部21とが挿通方向Lに沿って交互に配置された蛇腹構造の第一コルゲート20の一端を装着するコルゲート装着部50と、装着対象である第二コルゲート30,30a,30b(以後、第二コルゲート30などとする。)やコネクタ70,70a(以後、コネクタ70などとする。)を装着する小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63とが備えられている。そして、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63は、コルゲート装着部50と異なる断面形状で形成され、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着した第二コルゲート30などやコネクタ70などと、コルゲート装着部50に装着した第一コルゲート20とを連結する。
【0094】
これにより、第一コルゲート20をコルゲート装着部50に装着するとともに、例えば、第二コルゲート30やコネクタ70を中間装着部62に装着することで、連結カバー40を介して第二コルゲート30やコネクタ70と第一コルゲート20とを連結することができる。これにより、第二コルゲート30やコネクタ70と第一コルゲート20の一端との間のハーネス10を連結カバー40で囲繞することができるため、第一コルゲート20の一端から導出する導出部分10xを保護できる。
【0095】
また、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63は、コルゲート装着部50と異なる内径を有する断面円形状に形成されていることにより、様々な断面形状である第二コルゲート30などやコネクタ70などを第一コルゲート20と連結することができる。
【0096】
例えば、断面が多角形状であるコネクタ70などの角部分を、断面円形状に形成された大径装着部63や中間装着部62に当接させて固定することができる。これにより、コネクタ70などを大径装着部63や中間装着部62に保持させることができる(図9参照)。また、第二コルゲート30,30a,30bのように、コルゲート装着部50に装着する第一コルゲート20と径の異なる断面円形状のコルゲートチューブも小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着させることができる。
【0097】
さらにまた、コルゲート装着部50に装着する第一コルゲート20と径の異なる第二コルゲート30などを小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着することができるため、径の異なる第一コルゲート20と第二コルゲート30などを確実に連結できる。これにより、第一コルゲート20と第二コルゲート30などの間に配索されるハーネス10を連結カバー40で囲繞できるため、第一コルゲート20と第二コルゲート30などとをテープ巻きする必要がなく、第一コルゲート20と第二コルゲート30などとを連結する連結作業の効率化を図ることができる。
【0098】
さらにまた、連結カバー40が、径方向に弾性変形可能な樹脂材で構成されていることにより、容易かつ確実に第二コルゲート30などやコネクタ70などと第一コルゲート20とを連結することができる。
【0099】
詳述すると、連結カバー40が弾性変形可能な樹脂材で構成されていることにより、先端側装着部60(小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63)を周方向に向けて拡大することができる。このため、例えば、周方向に向けて拡大させた先端側装着部60に第二コルゲート30などやコネクタ70などを挿通させて、先端側装着部60を周方向に向けて縮径することで、中間装着部62に第二コルゲート30などやコネクタ70などを容易かつ確実に装着できる。したがって、連結カバー40の装着作業を効率よく行うことができる。
【0100】
また、コルゲート装着部50及び小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に、挿通空間Sに向けて突出し、第一小径部22と係止できる基端側リブ511や、第二小径部32などのコルゲートチューブにおける凹部と係止する小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631などが備えられている。
【0101】
これにより、基端側リブ511と第一小径部22とを係止することができ、第一コルゲート20を確実に保持できるとともに、コルゲート装着部50に装着された第一コルゲート20が抜け落ちることを抑制できる。また、例えば、中間リブ621と第二小径部32とを係止することで第二コルゲート30を確実に保持し、中間装着部62に装着された第二コルゲート30が抜け落ちることを抑制できる。したがって、第一コルゲート20から導出される導出部分10xを確実に連結カバー40に挿通させることができるため、ハーネス10を確実に保護できる。
【0102】
さらにまた、基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631が、挿通方向Lに沿って複数設けられていることにより、挿通方向Lに沿って第一大径部21と交互に配置された第一小径部22や、挿通方向Lに沿って第二大径部31と交互に配置された第二小径部32などのコルゲートチューブにおける凹部に、複数の基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631を係止させることができる。したがって、第一コルゲート20及び第二コルゲート30などの抜け落ちをより抑制できる。
【0103】
また、基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631が、挿通方向Lの内側に向けて傾斜している。これにより、例えば、第一コルゲート20や第二コルゲート30が挿通方向Lの外側に移動した場合には、内側に向けて傾斜した基端側リブ511,中間リブ621が第一小径部22や第二小径部32などと干渉し、挿通方向Lの外側への移動を規制することができる。これにより、第一コルゲート20及び第二コルゲート30の抜け落ちをより確実に抑制できる。
【0104】
さらにまた、第一コルゲート20や第二コルゲート30を挿通方向Lの内側に差し込む場合には、内側に傾斜した基端側リブ511,中間リブ621に沿って、第一コルゲート20及び第二コルゲート30などを内側に挿入することができる。これにより、確実に第一コルゲート20及び第二コルゲート30などを連結カバー40に装着することができる。したがって、基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631が設けられていても、容易に第一コルゲート20及び第二コルゲート30などを連結カバー40に装着することができる。
【0105】
また、基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631は、周方向に沿って環状に形成されている。これにより、例えば、周方向に沿って基端側リブ511及び中間リブ621に対して、第一小径部22及び第二小径部32を係止できるため、確実に第一コルゲート20及び第二コルゲート30を係止することができる。したがって、連結カバー40は、第一コルゲート20及び第二コルゲート30などの抜け落ちをより確実に抑制し、連結カバー40の内部を挿通する導出部分10xを確実に保護できる。
【0106】
さらにまた、第一コルゲート20をコルゲート装着部50に装着する装着方向(下流側Ld)に沿って、互いに内径の異なる複数の小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63が設けられ、隣接する小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63は、装着方向の端部側(下流側Ld)が大径に形成されている。
【0107】
これにより、径の異なる第二コルゲート30,30a,30bあるいはサイズの異なるコネクタ70,70aなど、様々な第二コルゲート30やコネクタ70などを先端側装着部60に装着することができる。すなわち、様々な第二コルゲート30やコネクタ70などと第一コルゲート20と連結することができるため、汎用性を向上させることができる。
【0108】
また、コルゲート装着部50の内径が、装着方向の端部に設けられた小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63の内径よりも大きいことにより、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着される第二コルゲート30などやコネクタ70よりも、径の大きな第一コルゲート20をコルゲート装着部50に装着することができる。すなわち、太径のハーネス10を第一コルゲート20で保護するとともに、細径のハーネス10に対応する第二コルゲート30などを小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着できる。
【0109】
詳しくは、第一コルゲート20の内部において、一端側(下流側Ld)に向けて配索されるハーネス10の幹線11から分岐する分岐線12を、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63と反対側である(上流側Lu)に向けて配索することで、第一コルゲート20の内部においてハーネス10が太径化することとなる。一方で、分岐線12が分岐したハーネス10の一端側(下流側Ld)は細径化することとなる。このように、第一コルゲート20の内部において径が変化するハーネス10を、先端側装着部60に第二コルゲート30などを装着することで、ハーネス10を確実に保護することができる。
【0110】
このように、コルゲート装着部50の内径が小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63の内径よりも大きく、ハーネス10は、第一コルゲート20の内部において、電線の一部が分岐されていることにより、大径の第一コルゲート20の内部において、電線が分岐して太径化したハーネス10を第一コルゲート20で保護できるとともに、第一コルゲート20の一端側から導出された、分岐により細径化したハーネス10を、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着した第二コルゲート30などで保護することができる。
【0111】
また、コルゲート装着部50と小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63とが同一の中心軸CXを有する円筒状に形成されていることにより、コルゲート装着部50と小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63との間で、中心軸CXを中心とした断面円形状の挿通空間Sが挿通方向Lに沿って形成される。このため、ハーネス10を容易に挿通することができる。また、挿通空間Sにおいて、ハーネス10が過度に傾いて配索されることがないため、ハーネス10を短くできる。
【0112】
またコルゲート連結構造1,1a,1bは、複数の電線を束ねたハーネス10と、連結カバー40と、コルゲート装着部50に装着された第一コルゲート20と、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に挿入させた第二コルゲート30などとで構成され、ハーネス10が挿通された第一コルゲート20と第二コルゲート30などとが、連結カバー40を介して連結されている。
【0113】
これにより、第一コルゲート20をコルゲート装着部50に装着するとともに、第二コルゲート30などを小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着することで、連結カバー40を介して第一コルゲート20と第二コルゲート30などとを連結することができる。したがって、第一コルゲート20一端から導出され、第二コルゲート30などに導入される導出部分10xを保護できる。
【0114】
また、第一コルゲート20と径の異なる第二コルゲート30などとを連結できるため、例えば、第一コルゲート20と第二コルゲート30などとの間をテープ巻きするといった煩雑な作業を行う必要がなく、第一コルゲート20と第二コルゲート30などとを連結する作業の作業性を向上させることができる。
【0115】
また、コネクタ連結構造2,2aは、周方向に窪ませた第一小径部22と周方向に突出する第一大径部21とが挿通方向Lに沿って交互に配置された蛇腹構造の第一コルゲート20と、第一コルゲート20に挿通させたハーネス10と、ハーネス10の一端に装着されたコネクタ70,70aと、連結カバー40とで構成され、コルゲート装着部50に装着された第一コルゲート20と、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63に装着されたコネクタ70,70aとが、連結カバー40を介して連結されている。
【0116】
これにより、第一コルゲート20をコルゲート装着部50に装着するとともに、コネクタ70,70aを中間装着部62,大径装着部63などに装着することで、連結カバー40を介して第一コルゲート20とコネクタ70,70aとを連結することができる。したがって、第一コルゲート20の一端とコネクタ70,70aとの間の導出部分10xの外周を連結カバー40で覆うことができ、第一コルゲート20の一端から導出する導出部分10xを保護できる。
【0117】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のワイヤーハーネスは、実施形態のハーネス10に対応し、
以下同様に、
挿通空間は、挿通空間Sに対応し、
凹部は、第一小径部22に対応し、
凸部は、第一大径部21に対応し、
長手方向は、挿通方向Lに対応し、
コルゲートチューブは、第一コルゲート20に対応し、
コルゲート装着部は、コルゲート装着部50に対応し、
対象部材は、第二コルゲート30に対応し、
筒状装着部は、小径装着部61,中間装着部62及び大径装着部63に対応し、
連結カバーは、連結カバー40に対応し、
係止突部は、基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621及び大径リブ631に対応し、
第一コルゲートは、第一コルゲート20に対応し、
第二コルゲートは、第二コルゲート30に対応し、
コルゲート連結構造は、コルゲート連結構造1,1a,1bに対応し、
コネクタは、コネクタ70,70aに対応し、
コネクタ連結構造は、コネクタ連結構造2,2aに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0118】
例えば、本実施形態において、中間装着部62に対して第二コルゲート30やコネクタ70を装着させているが、第二コルゲート30やコネクタ70の代わりに樹脂パイプやプロテクタなどの保護部材を装着させてもよい。
【0119】
また、本実施形態において、基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631は、コルゲート装着部50、小径装着部61、中間装着部62、大径装着部63のそれぞれに備えられているが、少なくとも、コルゲート装着部50に備えていればよく、小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63のいずれか又は全部に備えられていなくても構わない。なお、先端側装着部60に対して第二コルゲート30などのコルゲートチューブを係止する場合には、小径リブ611などがあることが好ましい。
【0120】
さらにまた、上述の実施形態では、連結カバー40は、コルゲート装着部50と、外周筒部51の内径よりも小さな内径を有する小径装着部61、中間装着部62、大径装着部63とで構成されている。しかしながら、連結カバー40はこの形状に限定されず、例えば、図10(a)に示すように、大径装着部63の内径が外周筒部51の内径よりも大きな大径装着部63aを有する連結カバー40aとしてもよい。
【0121】
このように、連結カバー40aに対して第一コルゲート20と第二コルゲート30cとを連結させたコルゲート連結構造1cでは、コルゲート装着部50に装着させる第一コルゲート20よりも大きな内径の大径装着部63aに、第一コルゲート20よりも拡径のコルゲートチューブが連結されているが、当該コルゲートチューブよりも縮径のコルゲートチューブも連結カバー40aに連結できる。
【0122】
また、上述の他の実施形態の他、コルゲート装着部50の内径が、小径装着部61の内径よりも小さな形状としてもよい。
このように、コルゲート装着部50の内径が、装着方向に沿って設けられた小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63のすべてよりも小さい場合には、第一コルゲート20よりもサイズの大きな第二コルゲート30など、あるいは、コネクタ70などを段階的に、第一コルゲート20と連結することができる。また、コルゲート装着部50の内径が、装着方向に沿って設けられた複数の小径装着部61,中間装着部62,大径装着部63のうちの一部よりも小さい場合には、様々なサイズの第二コルゲート30など、あるいは、コネクタ70などと選択的に装着することができる。これにより、様々な第二コルゲート30などやコネクタ70などに応じたハーネス10を容易に保護することができる。
【0123】
また、本実施形態では、連結カバー40は、コルゲート装着部50と先端側装着部60とが挿通方向Lに沿って形成されているが、例えば、図10(b)に示すように、コルゲート装着部50と先端側装着部60との間に、平面視において所定の方向に湾曲する連結部80を設けてもよい。この連結部80が設けられた連結カバー40bを用いることにより、図10(b)に示すように、連結カバー40bを介して、例えば、第一コルゲート20と第二コルゲート30とを連結するコルゲート連結構造1dを製造できる。
【0124】
これにより、連結部80をハーネス10の曲げ方向に合わせることができ、コルゲート装着部50に装着された第一コルゲート20の一端から導出されるハーネス10を、所望の方向に曲げられるとともに、ハーネス10の湾曲部分を連結部80で保護できる。
【0125】
さらにまた、本実施形態では、小径装着部61、中間装着部62及び大径装着部63の断面形状は、コルゲート装着部50と内径が異なる円環状であるが、小径装着部61、中間装着部62及び大径装着部63の断面形状は、必ずしも円環状である必要はなく、例えば、コネクタ70を嵌合可能な矩形状や、多角形状で構成されていてもよい。
【0126】
また、本実施形態において、基端側リブ511,小径リブ611,中間リブ621,大径リブ631は挿通方向Lに沿って3つ設けられているが、3つに限定はなく、一つでもよいが、複数(2個以上)設けられていることが好ましい。
【0127】
なお、上述の構成は、効果を奏する限りにおいて、第二コルゲート30などの代わりに、コネクタ70などに変更するなど、適宜構成の組み合わせを変更することができる。
【符号の説明】
【0128】
1,1a,1b,1c,1d…コルゲート連結構造
2,2a…コネクタ連結構造
10…ハーネス
20…第一コルゲート
22…第一小径部
21…第一大径部
30,30a,30b,30c…第二コルゲート
40,40a,40b…連結カバー
50…コルゲート装着部
70,70a…コネクタ
61…小径装着部
62…中間装着部
63,63a…大径装着部
511…基端側リブ
611…小径リブ
621…中間リブ
631…大径リブ
L…挿通方向
S…挿通空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10