(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117490
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】導波路基板及び導波路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023619
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】種子田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】中林 陽子
(72)【発明者】
【氏名】清水 規良
(72)【発明者】
【氏名】片桐 規貴
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 樹
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB12
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC32
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE31
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH11
5E316HH33
(57)【要約】
【課題】基板の強度の低下を抑制することができる導波路基板及び導波路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】導波路基板は、複数の第1貫通孔と、複数の第2貫通孔とが形成されたコア基板と、前記第1貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第1導電層と、前記第2貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第2導電層と、前記第1貫通孔の前記第1導電層の内側の部分を充填する第1充填材と、前記第2貫通孔の前記第2導電層の内側の部分を充填する第2充填材と、前記コア基板の両側に設けられ、平面視で複数の前記第1貫通孔及び複数の前記第2貫通孔と重なり合い、前記第1導電層及び前記第2導電層に電気的に接続された第3導電層と、を有し、平面視で前記第1貫通孔と前記第2導電層とが重なり合う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1貫通孔と、複数の第2貫通孔とが形成されたコア基板と、
前記第1貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第1導電層と、
前記第2貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第2導電層と、
前記第1貫通孔の前記第1導電層の内側の部分を充填する第1充填材と、
前記第2貫通孔の前記第2導電層の内側の部分を充填する第2充填材と、
前記コア基板の両側に設けられ、平面視で複数の前記第1貫通孔及び複数の前記第2貫通孔と重なり合い、前記第1導電層及び前記第2導電層に電気的に接続された第3導電層と、
を有し、
平面視で前記第1貫通孔と前記第2導電層とが重なり合う導波路基板。
【請求項2】
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが列をなして交互に配置されている請求項1に記載の導波路基板。
【請求項3】
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間で開口サイズが異なる請求項1又は2に記載の導波路基板。
【請求項4】
前記コア基板に複数の第3貫通孔が形成され、
前記第3貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第4導電層と、
前記第3貫通孔の前記第4導電層の内側の部分を充填する第3充填材と、
を有し、
前記第3導電層は、平面視で複数の前記第3貫通孔とも重なり合い、前記第3導電層にも接続されており、
前記第4導電層は、平面視で前記第1導電層及び前記第2導電層と重なり合う請求項1又は2に記載の導波路基板。
【請求項5】
前記第3貫通孔は、隣り合う前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間に形成されている請求項4に記載の導波路基板。
【請求項6】
コア基板に複数の第1貫通孔を形成する工程と、
前記第1貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第1導電層を形成する工程と、
前記第1貫通孔の前記第1導電層の内側の部分を充填する第1充填材を形成する工程と、
前記第1充填材を形成する工程の後に、前記コア基板に複数の第2貫通孔を形成する工程と、
前記第2貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第2導電層を形成する工程と、
前記第2貫通孔の前記第2導電層の内側の部分を充填する第2充填材を形成する工程と、
前記コア基板の両側に、平面視で複数の前記第1貫通孔及び複数の前記第2貫通孔と重なり合い、前記第1導電層及び前記第2導電層に電気的に接続される第3導電層を形成する工程と、
を有する導波路基板の製造方法。
【請求項7】
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とを列をなして交互に配置する請求項6に記載の導波路基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間で開口サイズを異ならせる請求項6又は7に記載の導波路基板の製造方法。
【請求項9】
前記第2充填材を形成する工程と前記第3導電層を形成する工程との間に、
前記コア基板に複数の第3貫通孔を形成する工程と、
前記第3貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第4導電層を形成する工程と、
前記第3貫通孔の前記第4導電層の内側の部分を充填する第3充填材を形成する工程と、
を有し、
前記第3導電層は、平面視で複数の前記第3貫通孔とも重なり合い、前記第3導電層にも接続される請求項6又は7に記載の導波路基板の製造方法。
【請求項10】
前記第3貫通孔は、隣り合う前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間に形成される請求項9に記載の導波路基板の製造方法。
【請求項11】
平面視で前記第1貫通孔と前記第2導電層とが重なり合う請求項6又は7に記載の導波路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1充填材を形成する工程と前記第2貫通孔を形成する工程との間に、前記第1導電層の前記コア基板の両面を覆う部分を除去する工程を有する請求項6又は7に記載の導波路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導波路基板及び導波路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平行平板ポスト壁導波路を備えた導波路基板が知られている。導波路基板では、基板に複数の貫通孔が狭い間隔で並んで形成され、貫通孔の内壁面に導電層が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の導波路基板では、製造過程において基板に複数の貫通孔が形成された時に基板の強度が過度に低くなり、その後のめっき等による導電層の形成等の処理が困難になるおそれがある。
【0005】
本開示は、基板の強度の低下を抑制することができる導波路基板及び導波路基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、複数の第1貫通孔と、複数の第2貫通孔とが形成されたコア基板と、前記第1貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第1導電層と、前記第2貫通孔の内壁面と、前記コア基板の両面を覆う第2導電層と、前記第1貫通孔の前記第1導電層の内側の部分を充填する第1充填材と、前記第2貫通孔の前記第2導電層の内側の部分を充填する第2充填材と、前記コア基板の両側に設けられ、平面視で複数の前記第1貫通孔及び複数の前記第2貫通孔と重なり合い、前記第1導電層及び前記第2導電層に電気的に接続された第3導電層と、を有し、平面視で前記第1貫通孔と前記第2導電層とが重なり合う導波路基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、基板の強度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
【
図2】第1実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
【
図3】第1実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その1)である。
【
図4】第1実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その2)である。
【
図5】第1実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その3)である。
【
図6】第1実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その4)である。
【
図7】第2実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
【
図8】第2実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
【
図9】第3実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
【
図10】第3実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
【
図11】第3実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その1)である。
【
図12】第3実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その2)である。
【
図13】第4実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
【
図14】第4実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その1)である。
【
図15】第4実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その2)である。
【
図16】第4実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図(その3)である。
【
図17】第5実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
【
図18】第6実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
【
図19】第7実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態は、電波の送受信に用いられる導波路を備えた導波路基板に関する。電波の周波数は、例えば100GHz~150GHzであるが、これに限定されない。
【0011】
[導波路基板の構造]
まず、導波路基板の構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
図2は、第1実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
図1は、
図2中のI-I線に沿った断面図に相当する。
【0012】
図1に示すように、第1実施形態に係る導波路基板1は、コア配線基板100と、ビルドアップ層110と、ビルドアップ層120とを有する。コア配線基板100は、ビルドアップ層110とビルドアップ層120との間に位置する。
【0013】
本実施形態では、便宜上、導波路基板1のビルドアップ層110側を上側又は一方の側、ビルドアップ層120側を下側又は他方の側とする。また、各部位のビルドアップ層110側の面を上面又は一方の面、ビルドアップ層120側の面を下面又は他方の面とする。但し、導波路基板1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。また、平面視とは対象物をビルドアップ層110の上面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物をビルドアップ層110の上面の法線方向から視た形状を指すものとする。
【0014】
<コア配線基板100>
コア配線基板100について説明する。コア配線基板100は、平面視で画定された第1領域10及び第2領域20を有する。第1領域10は、平行平板ポスト壁導波路(Parallel Plate Post-Wall Waveguide)を含む。第2領域20は、主として、ビルドアップ層110とビルドアップ層120との間の信号経路として用いられる。
【0015】
コア配線基板100は、コア基板31と、導電層32、33、34、35及び36と、充填材51、52及び61とを有する。
【0016】
コア基板31は、ガラスエポキシ樹脂や、ビスマレイミドトリアジン樹脂等の絶縁材料からなる。導電層32はコア基板31の両面に形成されている。導電層32、33、34、35及び36は、例えば銅等の金属からなる。導電層32が銅箔であってもよい。導電層33、34、35及び36が銅めっき層であってもよい。充填材51、52及び61は絶縁材料からなる。充填材51、52及び61の材料には、例えば、シリカ等のフィラーを含有する絶縁樹脂(例えば、エポキシ系樹脂等)を使用できる。
【0017】
<第1領域10>
第1領域10について説明する。第1領域10内において、コア基板31と、両側の導電層32との積層体に、この積層体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔11が形成されている。
図1及び
図2に示すように、複数の貫通孔11は平面視で第1方向に沿って列をなして配置されている。貫通孔11の列は、平面視で第1方向に垂直な第2方向に2列設けられている。貫通孔11の平面形状は、例えば、直径が100μmの円形状である。貫通孔11の平面形状が楕円形状又は矩形状等であってもよい。貫通孔11は第1貫通孔の一例である。
【0018】
第1領域10内において、導電層33は、貫通孔11の内壁面と、コア基板31の上側の導電層32の上面と、コア基板31の下側の導電層32の下面とを覆う。導電層33は、貫通孔11の内壁面と、コア基板31の上側の導電層32の上面と、コア基板31の下側の導電層32の下面とに直接接触する。第1領域10内の導電層33は第1導電層の一例である。
【0019】
充填材51は貫通孔11内で導電層33の内側に設けられており、貫通孔11を充填する。充填材51の上面は導電層33の上面と面一であり、充填材51の下面は導電層33の下面と面一である。充填材51は第1充填材の一例である。
【0020】
第1領域10内において、導電層34はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層34は、導電層33の上面と、充填材51の上面とを覆う。コア基板31の下側の導電層34は、導電層33の下面と、充填材51の下面とを覆う。
【0021】
コア基板31と、両側の導電層32と、導電層33と、両側の導電層34との積層体に、この積層体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔12が形成されている。
図1及び
図2に示すように、貫通孔12は、第1方向で隣り合う貫通孔11の間に配置されている。第1方向に交互に並ぶ貫通孔11及び12の列が第2方向に2列設けられている。貫通孔12の平面形状は、例えば、直径が100μmの円形状である。貫通孔12の平面形状が楕円形状又は矩形状等であってもよい。貫通孔12は第2貫通孔の一例である。
【0022】
第1方向で隣り合う貫通孔11と複数の貫通孔12との間の距離は、例えば150μm以下である。
【0023】
第1領域10内において、導電層35は、貫通孔12の内壁面と、コア基板31の上側の導電層34の上面と、コア基板31の下側の導電層34の下面とを覆う。導電層35は、貫通孔12の内壁面と、コア基板31の上側の導電層34の上面と、コア基板31の下側の導電層34の下面とに直接接触する。第1領域10内の導電層35は第2導電層の一例である。
【0024】
充填材52は貫通孔12内で導電層35の内側に設けられており、貫通孔12を充填する。充填材52の上面は導電層35の上面と面一であり、充填材52の下面は導電層35の下面と面一である。充填材52は第2充填材の一例である。
【0025】
第1領域10内において、導電層36はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層36は、導電層35の上面と、充填材52の上面とを覆う。コア基板31の下側の導電層36は、導電層35の下面と、充填材52の下面とを覆う。第1領域10内の導電層36は第3導電層の一例である。
【0026】
第1領域10内において、コア基板31の上側の導電層32、33、34、35及び36の積層体から平板状の導電層131Aが構成され、コア基板31の下側の導電層32、33、34、35及び36の積層体から平板状の導電層131Bが構成される。導電層131A及び131Bは平面視で互いに重なり合っている。導電層131A及び131Bは、2列の複数の貫通孔11内の導電層33及び複数の貫通孔12内の導電層35を介して互いに電気的に接続されている。導電層131Aと、導電層131Bと、一方の複数の貫通孔11及び12の列内の導電層33及び35と、他方の複数の貫通孔11及び12の列内の導電層33及び35とから、方形導波管を模した導波路が構成される。導電層131A及び131Bの平面形状は、いずれも、長辺の長さ(第1方向の寸法)L1が120mm、短辺の長さ(第2方向の寸法)L2が0.8mmの矩形状である。また、導電層131A及び131Bの最も厚い部分の厚さは、いずれも、0.01mm~0.1mmである。導電層131A及び131Bの最も厚い部分の厚さが、いずれも、0.015mm~0.025mmであってもよい。
【0027】
<第2領域20>
第2領域20について説明する。第2領域20内において、コア基板31と、両側の導電層32との積層体に、この積層体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔21が形成されている。貫通孔21の平面形状は、直径が200μm~500μmの円形状である。
【0028】
第2領域20内において、導電層33は、貫通孔21の内壁面と、コア基板31の上側の導電層32の上面と、コア基板31の下側の導電層32の下面とを覆う。導電層33は、貫通孔21の内壁面と、コア基板31の上側の導電層32の上面と、コア基板31の下側の導電層32の下面とに直接接触する。
【0029】
充填材61は貫通孔21内で導電層33の内側に設けられており、貫通孔21を充填する。充填材61の上面は導電層33の上面と面一であり、充填材61の下面は導電層33の下面と面一である。
【0030】
第2領域20内において、導電層34はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層34は、導電層33の上面と、充填材61の上面とを覆う。コア基板31の下側の導電層34は、導電層33の下面と、充填材61の下面とを覆う。
【0031】
第2領域20内において、導電層35はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層35は導電層34の上面を覆う。コア基板31の下側の導電層35は導電層34の下面を覆う。
【0032】
第2領域20内において、導電層36はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層36は導電層35の上面を覆う。コア基板31の下側の導電層36は導電層35の下面を覆う。
【0033】
第2領域20内において、コア基板31の上側の導電層32、33、34、35及び36の積層体から平板状の導電層132Aが構成され、コア基板31の下側の導電層32、33、34、35及び36の積層体から平板状の導電層132Bが構成される。第2領域20内には、複数組の導電層132A及び132Bが設けられている。各組の導電層132A及び132Bは、1つの貫通孔21内の導電層33を介して互いに電気的に接続されている。
【0034】
<ビルドアップ層110及び120>
ビルドアップ層110及び120について説明する。ビルドアップ層110は、絶縁層111、113及び115と、配線層112、114及び116とを有する。ビルドアップ層120は、絶縁層121、123及び125と、配線層122、124及び126とを有する。
【0035】
コア配線基板100の上側において、絶縁層111がコア配線基板100の上に形成されている。絶縁層111はコア配線基板100の上面を覆う。絶縁層111に、導電層36の接続部に到達するビアホール111xが形成されている。絶縁層111の上に、ビアホール111x内のビア導体を介して導電層36に接続される配線層112が形成されている。絶縁層111の上に絶縁層113が形成されている。絶縁層113に、配線層112の接続部に到達するビアホール113xが形成されている。絶縁層113の上に、ビアホール113x内のビア導体を介して配線層112に接続される配線層114が形成されている。絶縁層113の上に絶縁層115が形成されている。絶縁層115に、配線層114の接続部に到達するビアホール115xが形成されている。絶縁層115の上に、ビアホール115x内のビア導体を介して配線層114に接続される配線層116が形成されている。例えば、配線層116は外部端子として用いられる。絶縁層115の上に、配線層116の少なくとも一部が露出するソルダレジスト層があってもよい。
【0036】
コア配線基板100の下側において、絶縁層121がコア配線基板100の下に形成されている。絶縁層121はコア配線基板100の下面を覆う。絶縁層121に、導電層36の接続部に到達するビアホール121xが形成されている。絶縁層121の下に、ビアホール121x内のビア導体を介して導電層36に接続される配線層122が形成されている。絶縁層121の下に絶縁層123が形成されている。絶縁層123に、配線層122の接続部に到達するビアホール123xが形成されている。絶縁層123の下に、ビアホール123x内のビア導体を介して配線層122に接続される配線層124が形成されている。絶縁層123の下に絶縁層125が形成されている。絶縁層125に、配線層124の接続部に到達するビアホール125xが形成されている。絶縁層125の下に、ビアホール125x内のビア導体を介して配線層124に接続される配線層126が形成されている。例えば、配線層126は外部端子として用いられる。絶縁層125の下に、配線層126の少なくとも一部が露出するソルダレジスト層があってもよい。
【0037】
[導波路基板の製造方法]
次に、導波路基板の製造方法について説明する。
図3~
図6は、第1実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図である。
【0038】
まず、
図3(a)に示すように、コア基板31と、両側の導電層32との積層体を準備する。例えば、コア基板31と、両側の導電層32との積層体として、銅張積層板を用いることができる。
【0039】
次いで、
図3(b)に示すように、コア基板31と、両側の導電層32との積層体に貫通孔11及び21を形成する。例えば、貫通孔11及び21はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。
【0040】
その後、導電層32の表面並びに貫通孔11及び21の内壁面のデスミア処理を行い、
図3(c)に示すように、導電層32の表面上及び並びに貫通孔11及び21の内壁面上に導電層33を形成する。導電層33としては、例えば銅めっき層を形成する。導電層33の形成に際して、無電解銅めっき膜を形成し、無電解銅めっき膜をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜を形成してもよい。
【0041】
続いて、
図4(a)に示すように、貫通孔11内に充填材51を充填し、貫通孔21内に充填材61を充填する。例えば、充填材51及び61はスクリーン印刷法により充填することができる。充填材51は貫通孔11内で導電層33上に設けられ、充填材61は貫通孔21内で導電層33上に設けられる。次いで、充填材51及び61を硬化させ、充填材51及び61のうち導電層33の上面又は下面から突出している部分を除去して、導電層33の上面と充填材51及び61の上面とを面一にし、導電層33の下面と充填材51及び61の下面とを面一にする。充填材51及び61がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む場合、加熱処理により充填材51及び61を硬化させることができる。例えば、充填材51及び61の突出している部分は、バフ研磨又はロール研磨により除去することができる。
【0042】
その後、導電層33の表面並びに充填材51及び61の表面のデスミア処理を行う。そして、
図4(b)に示すように、導電層33の表面上並びに充填材51及び61の表面上に導電層34を形成する。導電層34としては、例えば銅めっき層を形成する。導電層34の形成に際して、無電解銅めっき膜を形成し、無電解銅めっき膜をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜を形成してもよい。
【0043】
続いて、
図4(c)に示すように、コア基板31と、両側の導電層32と、導電層33と、両側の導電層34との積層体に貫通孔12を形成する。例えば、貫通孔12はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。
【0044】
次いで、導電層34の表面及び貫通孔12の内壁面のデスミア処理を行い、
図5(a)に示すように、導電層34の表面上及び貫通孔12の内壁面上に導電層35を形成する。導電層35としては、例えば銅めっき層を形成する。導電層35の形成に際して、無電解銅めっき膜を形成し、無電解銅めっき膜をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜を形成してもよい。
【0045】
その後、
図5(b)に示すように、貫通孔12内に充填材52を充填する。例えば、充填材52はスクリーン印刷法により充填することができる。充填材52は貫通孔12内で導電層35上に設けられる。続いて、充填材52を硬化させ、充填材52のうち導電層35の上面又は下面から突出している部分を除去して、導電層35の上面と充填材52の上面とを面一にし、導電層35の下面と充填材52の下面とを面一にする。充填材52がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む場合、加熱処理により充填材52を硬化させることができる。例えば、充填材52の突出している部分は、バフ研磨又はロール研磨により除去することができる。
【0046】
次いで、導電層35の表面及び充填材52の表面のデスミア処理を行う。そして、
図6(a)に示すように、導電層35の表面上並びに充填材52の表面上に導電層36を形成する。導電層36としては、例えば銅めっき層を形成する。導電層36の形成に際して、無電解銅めっき膜を形成し、無電解銅めっき膜をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜を形成し、その後に、研磨を行う。
【0047】
その後、
図6(b)に示すように、導電層36、35、34、33及び32を加工する。例えば、導電層36、35、34、33及び32の加工は、フォトリソグラフィ及びエッチングにより行うことができる。この結果、導電層131A、131B、132A及び132Bが得られる。すなわち、サブトラクティブ法により、導電層36、35、34、33及び32から導電層131A、131B、132A及び132Bが形成される。
【0048】
このようにして、コア配線基板100を形成することができる。
【0049】
その後、ビルドアップ層110及び120を形成することで、第1実施形態に係る導波路基板1を製造することができる。
【0050】
第1実施形態では、貫通孔11を形成する際には貫通孔12が形成されておらず、貫通孔12を形成する際には貫通孔11内に導電層33及び充填材51が設けられている。従って、貫通孔11と貫通孔12との間の距離を小さくしても、コア基板31に高い強度を確保することができる。すなわち、コア基板31の強度の低下を抑制することができる。従って、貫通孔11の形成後に導電層33を安定して形成することができ、貫通孔12の形成後に導電層35を安定して形成することができる。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として、貫通孔12のサイズの点で第1実施形態と相違する。
図7は、第2実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
図8は、第2実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
図7は、
図8中のVII-VII線に沿った断面図に相当する。
【0052】
図7及び
図8に示すように、第2実施形態に係る導波路基板2では、貫通孔12の開口サイズが貫通孔11の開口サイズよりも大きい。例えば、貫通孔12の直径が貫通孔11の直径よりも大きい。貫通孔12の平面形状は、例えば、直径が150μmの円形状である。貫通孔12の平面形状が楕円形状又は矩形状等であってもよい。
【0053】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0054】
第2実施形態に係る導波路基板2を製造する際には、貫通孔12を第1実施形態よりも大きく形成すればよい。
【0055】
第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態によれば、貫通孔11と貫通孔12との間の距離を第1実施形態よりも小さくできる。従って、貫通孔11と貫通孔12との間からの電波の漏出をより抑制しやすい。なお、貫通孔11の開口サイズが貫通孔12の開口サイズよりも大きくてもよい。
【0056】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として、コア配線基板の構成の点で第2実施形態と相違する。
【0057】
[導波路基板の構造]
まず、導波路基板の構造について説明する。
図9は、第3実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
図10は、第3実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
図9は、
図10中のIX-IX線に沿った断面図に相当する。
【0058】
図7及び
図8に示すように、第3実施形態に係る導波路基板3では、コア配線基板100は、更に、導電層37及び38と、充填材53とを有する。導電層37及び38は、例えば銅等の金属からなる。導電層37及び38が銅めっき層であってもよい。充填材53は絶縁材料からなる。充填材53の材料には、例えば、シリカ等のフィラーを含有する絶縁樹脂(例えば、エポキシ系樹脂等)を使用できる。
【0059】
<第1領域10>
第1領域10について説明する。第1領域10内において、コア基板31と、両側の導電層32と、導電層33と、両側の導電層34と、導電層35と、両側の導電層36との積層体に、この積層体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔13が形成されている。貫通孔13は、第1方向で隣り合う貫通孔11と貫通孔12との間に配置されている。第1方向に交互に並ぶ貫通孔11、12及び13の列が第2方向に2列設けられている。貫通孔13の平面形状は、例えば、直径が100μmの円形状である。貫通孔13の平面形状が楕円形状又は矩形状等であってもよい。貫通孔13は第3貫通孔の一例である。
【0060】
第1方向において、貫通孔13が貫通孔11又は12に接していてもよく、貫通孔11及び12の両方に接していてもよい。第1方向において、貫通孔13が貫通孔11及び12の両方から離れていてもよい。
【0061】
第1領域10内において、導電層37は、貫通孔13の内壁面と、コア基板31の上側の導電層36の上面と、コア基板31の下側の導電層36の下面とを覆う。導電層37は、貫通孔13の内壁面と、コア基板31の上側の導電層36の上面と、コア基板31の下側の導電層36の下面とに直接接触する。第1領域10内の導電層37は第4導電層の一例である。
【0062】
充填材53は貫通孔13内で導電層37の内側に設けられており、貫通孔13を充填する。充填材53の上面は導電層37の上面と面一であり、充填材53の下面は導電層37の下面と面一である。充填材53は第3充填材の一例である。
【0063】
第1領域10内において、導電層38はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層38は、導電層37の上面と、充填材53の上面とを覆う。コア基板31の下側の導電層38は、導電層37の下面と、充填材53の下面とを覆う。
【0064】
第1領域10内において、コア基板31の上側の導電層32、33、34、35、36、37及び38の積層体から平板状の導電層131Aが構成され、コア基板31の下側の導電層32、33、34、35、36、37及び38の積層体から平板状の導電層131Bが構成される。
【0065】
<第2領域20>
第2領域20について説明する。第2領域20内において、導電層37はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層37は導電層36の上面を覆う。コア基板31の下側の導電層37は導電層36の下面を覆う。
【0066】
第2領域20内において、導電層38はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層38は導電層37の上面を覆う。コア基板31の下側の導電層38は導電層37の下面を覆う。
【0067】
第2領域20内において、コア基板31の上側の導電層32、33、34、35、36、37及び38の積層体から平板状の導電層132Aが構成され、コア基板31の下側の導電層32、33、34、35、36、37及び38の積層体から平板状の導電層132Bが構成される。
【0068】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0069】
[導波路基板の製造方法]
次に、導波路基板の製造方法について説明する。
図11~
図12は、第3実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図である。
【0070】
まず、第2実施形態と同様にして、導電層36の形成までの処理を行う(
図5(a)参照)。次いで、
図11(a)に示すように、コア基板31と、両側の導電層32と、導電層33と、両側の導電層34と、導電層35と、両側の導電層36との積層体に貫通孔13を形成する。例えば、貫通孔13はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。
【0071】
その後、導電層36の表面及び貫通孔13の内壁面のデスミア処理を行い、
図11(b)に示すように、導電層36の表面上及び貫通孔13の内壁面上に導電層37を形成する。導電層37としては、例えば銅めっき層を形成する。導電層37の形成に際して、無電解銅めっき膜を形成し、無電解銅めっき膜をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜を形成してもよい。
【0072】
続いて、
図12(a)に示すように、貫通孔13内に充填材53を充填する。例えば、充填材53はスクリーン印刷法により充填することができる。充填材53は貫通孔13内で導電層37上に設けられる。次いで、充填材53を硬化させ、充填材53のうち導電層37の上面又は下面から突出している部分を除去して、導電層37の上面と充填材53の上面とを面一にし、導電層37の下面と充填材53の下面とを面一にする。充填材53がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む場合、加熱処理により充填材53を硬化させることができる。例えば、充填材53の突出している部分は、バフ研磨又はロール研磨により除去することができる。
【0073】
その後、導電層37の表面及び充填材53の表面のデスミア処理を行う。そして、
図12(b)に示すように、導電層37の表面上並びに充填材53の表面上に導電層38を形成する。導電層38としては、例えば銅めっき層を形成する。導電層38の形成に際して、無電解銅めっき膜を形成し、無電解銅めっき膜をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜を形成し、その後に、研磨を行う。
【0074】
次いで、導電層38、37、36、35、34、33及び32を加工する。例えば、導電層38、37、36、35、34、33及び32の加工は、フォトリソグラフィ及びエッチングにより行うことができる。この結果、導電層131A、131B、132A及び132Bが得られる。すなわち、サブトラクティブ法により、導電層38、37、36、35、34、33及び32から導電層131A、131B、132A及び132Bが形成される。
【0075】
このようにして、コア配線基板100を形成することができる。
【0076】
その後、ビルドアップ層110及び120を形成することで、第3実施形態に係る導波路基板3を製造することができる。
【0077】
第3実施形態によっても第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3実施形態では、貫通孔11と貫通孔12との間に貫通孔13及び導電層37が設けられているため、貫通孔11と貫通孔12との間からの電波の漏出を更に抑制しやすい。
【0078】
なお、貫通孔13を貫通孔11、12の少なくとも一方から離し、これらの間に1又は2以上の貫通孔を設け、その内壁面に導電層を設けてもよい。つまり、貫通孔の形成とその内壁面への導電層の形成との工程が4組以上あってもよい。
【0079】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、主として、コア配線基板の構成の点で第1実施形態と相違する。
【0080】
[導波路基板の構造]
まず、導波路基板の構造について説明する。
図13は、第4実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
【0081】
第4実施形態に係る導波路基板4では、コア配線基板100は、コア基板31と、導電層32、33、35及び36と、充填材51、52及び61とを有する。
【0082】
<第1領域10>
第1領域10について説明する。第1領域10内において、コア基板31と、両側の導電層32との積層体に、この積層体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔11が形成されている。
図13に示すように、複数の貫通孔11は平面視で第1方向に沿って列をなして配置されている。貫通孔11の列は第2方向に2列設けられている。
【0083】
第1領域10内において、導電層33は貫通孔11の内壁面を覆う。導電層33は貫通孔11の内壁面に直接接触する。
【0084】
充填材51は貫通孔11内で導電層33の内側に設けられており、貫通孔11を充填する。充填材51の上面は、コア配線基板100の上側の導電層32の上面と面一であり、充填材51の下面は、コア配線基板100の下側の導電層32の下面と面一である。
【0085】
コア基板31と、両側の導電層32との積層体に、この積層体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔12が形成されている。
図13に示すように、貫通孔12は、第1方向で隣り合う貫通孔11の間に配置されている。第1方向に交互に並ぶ貫通孔11及び12の列は第2方向に2列設けられている。
【0086】
第1領域10内において、導電層35は貫通孔12の内壁面を覆う。導電層35は貫通孔12の内壁面に直接接触する。
【0087】
充填材52は貫通孔12内で導電層35の内側に設けられており、貫通孔12を充填する。充填材52の上面は、コア配線基板100の上側の導電層32の上面と面一であり、充填材52の下面は、コア配線基板100の下側の導電層32の下面と面一である。
【0088】
第1領域10内において、導電層36はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層36は、導電層32の上面と、充填材51の上面と、充填材52の上面と、導電層33の上側の端面と、導電層35の上側の端面とを覆う。コア基板31の下側の導電層36は、導電層32の下面と、充填材51の下面と、充填材52の下面と、導電層33の下側の端面と、導電層35の下側の端面とを覆う。
【0089】
第1領域10内において、コア基板31の上側の導電層32、33、35及び36の積層体から平板状の導電層131Aが構成され、コア基板31の下側の導電層32、33、35及び36の積層体から平板状の導電層131Bが構成される。導電層131A及び131Bの最も厚い部分の厚さは、いずれも、0.01mm~0.1mmである。導電層131A及び131Bの最も厚い部分の厚さが、いずれも、0.015mm~0.025mmであってもよい。
【0090】
<第2領域20>
第2領域20について説明する。第2領域20内において、コア基板31と、両側の導電層32との積層体に、この積層体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔21が形成されている。
【0091】
第2領域20内において、導電層33は貫通孔21の内壁面を覆う。導電層33は貫通孔21の内壁面に直接接触する。
【0092】
充填材61は貫通孔21内で導電層33の内側に設けられており、貫通孔21を充填する。充填材61の上面は、コア配線基板100の上側の導電層32の上面と面一であり、充填材61の下面は、コア配線基板100の下側の導電層32の下面と面一である。
【0093】
第2領域20内において、導電層36はコア基板31の両側に設けられている。コア基板31の上側の導電層36は、導電層32の上面と、充填材51の上面と、導電層33の上側の端面とを覆う。コア基板31の下側の導電層36は、導電層32の下面と、充填材51の下面と、導電層33の下側の端面とを覆う。
【0094】
第2領域20内において、コア基板31の上側の導電層32、33、35及び36の積層体から平板状の導電層132Aが構成され、コア基板31の下側の導電層32、33、35及び36の積層体から平板状の導電層132Bが構成される。
【0095】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0096】
[導波路基板の製造方法]
次に、導波路基板の製造方法について説明する。
図14~
図16は、第4実施形態に係る導波路基板の製造方法を例示する断面図である。
【0097】
まず、第1実施形態と同様にして、
図14(a)に示すように、充填材51及び61の形成までの処理を行う。次いで、
図14(b)に示すように、コア配線基板100の両側において、導電層32が露出するまで、導電層33、充填材51及び充填材61の研磨を行う。
【0098】
その後、導電層32の表面、導電層33の端面並びに充填材51及び61の表面のデスミア処理を行う。そして、
図14(c)に示すように、導電層32の表面上、導電層33の端面上並びに充填材51及び61の表面上に導電層34を形成する。
【0099】
続いて、
図15(a)に示すように、コア基板31と、両側の導電層32と、両側の導電層34との積層体に貫通孔12を形成する。
【0100】
次いで、導電層34の表面及び貫通孔12の内壁面のデスミア処理を行い、
図15(b)に示すように、導電層34の表面上及び貫通孔12の内壁面上に導電層35を形成する。
【0101】
その後、
図15(c)に示すように、貫通孔12内に充填材52を充填する。
【0102】
次いで、
図16(a)に示すように、コア配線基板100の両側において、導電層32、充填材51及び充填材61が露出するまで、導電層35、導電層34及び充填材52の研磨を行う。
【0103】
その後、導電層32の表面、導電層33及び34の端面並びに充填材51、52及び61の表面のデスミア処理を行う。そして、
図16(b)に示すように、導電層32の表面上、導電層33及び34の端面上並びに充填材51、52及び61の表面上に導電層36を形成する。
【0104】
続いて、
図16(c)に示すように、導電層36及び32を加工する。例えば、導電層36及び32の加工は、フォトリソグラフィ及びエッチングにより行うことができる。この結果、導電層131A、131B、132A及び132Bが得られる。すなわち、サブトラクティブ法により、導電層36、35、33及び32から導電層131A、131B、132A及び132Bが形成される。
【0105】
このようにして、コア配線基板100を形成することができる。
【0106】
その後、ビルドアップ層110及び120を形成することで、第4実施形態に係る導波路基板4を製造することができる。
【0107】
第4実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第4実施形態によれば、導波路基板4の厚さを導波路基板1の基板の厚さよりも小さくすることができる。従って、薄型化に好適である。
【0108】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、主として、コア配線基板の構成の点で第4実施形態と相違する。
図17は、第5実施形態に係る導波路基板を例示する断面図である。
【0109】
図17に示すように、第5実施形態に係る導波路基板5では、第1実施形態と同様に、第1領域10内において、導電層35が、貫通孔12の内壁面と、コア基板31の上側の導電層34の上面と、コア基板31の下側の導電層34の下面とを覆う。また、第1領域10内において、コア基板31の上側の導電層36は、導電層35の上面と、充填材52の上面とを覆い、コア基板31の下側の導電層36は、導電層35の下面と、充填材52の下面とを覆う。
【0110】
他の構成は第4実施形態と同様である。
【0111】
第5実施形態に係る導波路基板5を製造する際には、導電層33の研磨を行いつつ、導電層34の形成及び導電層35の研磨を省略すればよい。
【0112】
第5実施形態によっても第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0113】
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。第6実施形態は、主として、貫通孔12の配置の点で第2実施形態と相違する。
図18は、第6実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
【0114】
図18に示すように、第6実施形態に係る導波路基板では、第2方向に並ぶ2個の貫通孔12の間の距離が第2方向に並ぶ2個の貫通孔11の間の距離と等しい。また、第1方向に並んで列を構成する貫通孔11の他方の列側の側面をつなぐ仮想の面15に、当該列を構成する貫通孔12の、他方の列側の側面も位置する。つまり、第1方向に並んで列を構成する貫通孔11及び12の他方の列側の側面をつなぐ仮想の面15が略平面となっている。
【0115】
他の構成は第2実施形態と同様である。
【0116】
第6実施形態によっても第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第6実施形態では、仮想の面15が略平面となっているため、貫通孔11と貫通孔12との間で径が相違していても、方形導波管を模した導波路の断面の大きさが一定である。従って、送受信される電波の周波数により優れた安定性が得られる。
【0117】
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。第7実施形態は、主として、貫通孔12の配置の点で第3実施形態と相違する。
図19は、第7実施形態に係る導波路基板における貫通孔の配置を例示する模式図である。
【0118】
図19に示すように、第7実施形態に係る導波路基板では、第2方向に並ぶ2個の貫通孔12の間の距離が第2方向に並ぶ2個の貫通孔11の間の距離並びに第2方向に並ぶ2個の貫通孔13の間の距離と等しい。また、第1方向に並んで列を構成する貫通孔11及び13の他方の列側の側面をつなぐ仮想の面15に、当該列を構成する貫通孔12の、他方の列側の側面も位置する。つまり、第1方向に並んで列を構成する貫通孔11、12及び13の他方の列側の側面をつなぐ仮想の面15が略平面となっている。
【0119】
他の構成は第3実施形態と同様である。
【0120】
第7実施形態によっても第3実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第7実施形態では、仮想の面15が略平面となっているため、貫通孔11及び13と貫通孔12との間で径が相違していても、方形導波管を模した導波路の断面の大きさが一定である。従って、送受信される電波の周波数により優れた安定性が得られる。
【0121】
第2実施形態、第3実施形態、第6実施形態及び第7実施形態において、第4実施形態又は第5実施形態のように適宜研磨を行ってもよい。
【0122】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0123】
1、2、3、4、5 導波路基板
11、12、13、21 貫通孔
31 コア基板
32、33、34、35、36、37、38、131A、131B、132A、132B 導電層
51、52、53 充填材
100 コア配線基板
110、120 ビルドアップ層